JP7167498B2 - 溶融成形用の樹脂組成物、磁性部材、磁性部材を備えるコイル、磁性部材の製造方法 - Google Patents

溶融成形用の樹脂組成物、磁性部材、磁性部材を備えるコイル、磁性部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶融成形用の樹脂組成物、磁性部材、磁性部材を備えるコイル、磁性部材の製造方法に関する。
磁性部材、例えば電子機器等に用いられる磁心などを、各種成形技術により製造する試みが知られている。
磁心の成形技術としては、圧粉成形によるものが具体的に知られている。
例えば、特許文献1には、結晶粒径100nm以下のナノ結晶組織を有するナノ結晶磁性粉末等の磁性粉末を成形、固着する圧粉磁心の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、軟磁性合金粉末と、絶縁樹脂と、絶縁体粉末とを含む圧粉磁心が記載されている。
ここで、特許文献1や特許文献2に記載の技術で製造された圧粉磁心中の磁性体粒子には、ナノ結晶相が形成されている(磁性体粒子のアモルファス構造中に、微細なα-Fe結晶相が分散した状態となっている)。このナノ結晶相は、アモルファス磁性粉を磁性体粒子として用いて圧粉成形した際、または、圧粉成形したした後の高熱(おおよそ400℃以上)により、アモルファス磁性粉の中に形成される。
ナノ結晶相が形成された磁性体粒子は、優れた磁気特性(低鉄損など)を示す傾向にある。
特開2004-349585号公報 特開2017-34069号公報
特許文献1や特許文献2に記載のように、圧粉成形により磁性部材を成形することができる。また、特許文献1や特許文献2に記載の圧粉磁心中の磁性体粒子には、圧粉成形の際または圧粉成形後の高熱によりナノ結晶相が形成されており、優れた磁気特性(低鉄損など)を示すと考えられる。
しかし、圧粉成形は、その原理上、金型の形状などに制約が多く、自由な成形が難しい。また、圧粉成形においては通常400℃以上の極めて高温の加熱が必要である。
これらのことは、ますます多様化・複雑化する電子機器の製造(具体的には、電子機器が備える磁性部材の製造)において、製造工数の増大やコストアップ等として問題となる可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。本発明は、圧粉成形とは異なる成形方法により、磁気特性に優れた磁性部材を得ることを目的とする。
本発明者らは、様々な観点から検討を重ね、以下の発明を完成させた。
本発明によれば、
溶融成形用の樹脂組成物であって、
樹脂と、磁性体粒子とを含み、
前記磁性体粒子が、ナノ結晶構造を含む鉄基粒子を含む樹脂組成物
が提供される。
また、本発明によれば、
上記の樹脂組成物により成形された磁性部材
が提供される。
また、本発明によれば、
上記の磁性部材を、磁性コアまたは外装部材として備えるコイル
が提供される。
また、本発明によれば、
上記の樹脂組成物を80~350℃に加熱して溶融物を得る溶融工程と、
前記溶融物を金型に注入する注入工程と、
前記金型に注入された前記溶融物を冷却する冷却工程と
を含む、磁性部材の製造方法
が提供される。
本発明によれば、圧粉成形とは異なる成形方法により、磁気特性に優れた磁性部材を得ることができる。
磁性コアを備えるコイルを模式的に示す図である。 磁性コアを備えるコイル(図1のものとは別の態様)を模式的に示す図である。 一体型インダクタを模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
本明細書中、「略」という用語は、特に明示的な説明の無い限りは、製造上の公差や組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを表す。
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「有機基」の語は、特に断りが無い限り、有機化合物から1つ以上の水素原子を除いた原子団のことを意味する。例えば、「1価の有機基」とは、任意の有機化合物から1つの水素原子を除いた原子団のことを表す。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、溶融成形用、すなわち、溶融成形により成形体を製造するために用いられるものである。
また、本実施形態の樹脂組成物は、樹脂と、磁性体粒子とを含み、この磁性体粒子は、ナノ結晶構造を含む鉄基粒子を含む。
特許文献1や2では、圧粉成形により磁性部材を製造していた。一方、本実施形態では、溶融成形、すなわち、まず樹脂組成物を溶融して溶融物とし、その後、その溶融物を金型に注入するようにすることで、金型形状などの制約が緩和される。
また、溶融成形は通常400℃未満の比較的低温(例えば80~350℃)で行うことができるから、磁性部材製造の工程の簡略化、低コスト化、樹脂の劣化が抑制できるなどの点でメリットがある。
なお、磁性部材の成形を400℃未満の比較的低温で行う場合には、成形の際に、成形材料中に含まれるアモルファス粒子にナノ結晶相が形成されること(また、それにより磁気特性が良化すること)を期待することはできない。よって、本実施形態の樹脂組成物においては、磁性体粒子として、あらかじめ(成形に供される前に)ナノ結晶構造が形成されている鉄基粒子を用いることとしている。この磁性体粒子を用いることで、良好な磁気特性が得られる。
本実施形態の樹脂組成物が含有する、または含有してもよい成分について説明する。
・樹脂
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂を含む。
樹脂は、熱硬化性樹脂であっても熱可塑性樹脂であってもよく、これらの両方を含んでもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは、樹脂として少なくとも熱硬化性樹脂を含む。樹脂として少なくとも熱硬化性樹脂を含むことで、最終的に得られる磁性部材の耐熱性を高めることができる。これは電子機器の信頼性等の点で重要である。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シアネートエステル樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂(オキセタン化合物)、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
より具体的には、熱硬化性樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂等のフェノール樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ビスマレイミド化合物等のマレイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ジアリルフタレート樹脂;シリコーン系樹脂;ベンゾオキサジン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のシアネート樹脂等のシアネートエステル樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、同種の樹脂であっても異なる重量平均分子量のものを併用してもよい。さらに、ある樹脂とそのプレポリマーとを併用してもよい。
熱硬化性樹脂は、25℃において半硬化(固形)状のものであってもよい。
熱硬化性樹脂は、成形物の高い耐熱性の観点や、硬化挙動を制御しやすいなどの観点から、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂を含んでもよい。
エポキシ樹脂として、例えば、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、およびテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上の固形のエポキシ樹脂などを挙げることができる。
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含むことにより、得られる磁性部材の耐熱性を十分に高くすることもできる。
特に、エポキシ樹脂は、トリスフェニルメタン構造を含むエポキシ樹脂、ビフェニル構造を含むエポキシ樹脂およびビスフェノールA構造を含むエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれかを含むことが好ましい。これらエポキシ樹脂の構造の適度な剛直性により、硬化挙動をより適切なものとしやすく、ひいては成形性を一層向上できると考えられる。
上記のエポキシ樹脂の構造について念のため補足しておく。
トリスフェニルメタン構造を含むエポキシ樹脂とは、具体的には、メタン(CH)の4つの水素原子のうちの3つがベンゼン環で置換された部分構造を含むエポキシ樹脂である。なお、ここでのベンゼン環は、無置換であっても置換基で置換されていてもよい。置換基としては、ヒドロキシ基やグリシジルオキシ基などを挙げることができる。
ビフェニル構造を含むエポキシ樹脂とは、具体的には、2つのベンゼン環が単結合で連結している構造を含むエポキシ樹脂のことである。ここでのベンゼン環は、置換基を有していてもいなくてもよい。
また、ビスフェノールA構造を含むエポキシ樹脂は、具体的には、2つのベンゼン環が-C(CH-で連結している構造を含むエポキシ樹脂のことである。ここでのベンゼン環は、無置換であっても置換基で置換されていてもよい。置換基としては、ヒドロキシ基やグリシジルオキシ基などを挙げることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン等)、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。
熱可塑性樹脂を用いることで、流動性や成形性を適切に調整できる場合がある。
熱可塑性樹脂を用いる場合は、1種を単独で用いてもよいし、異なる2種以上を併用してもよい。また、同種の樹脂であっても異なる重量平均分子量の2種以上を併用してもよい。さらに、ある樹脂と、そのプレポリマーとを併用してもよい。
樹脂の含有量(複数種の樹脂を含む場合は、それらの合計量)は、樹脂組成物の不揮発成分全体を100質量%としたとき、例えば0.5~20質量%であり、好ましくは1~15質量%、より好ましくは1~10質量%である。
また、樹脂の含有量は、樹脂組成物の不揮発成分全体を100体積%としたとき、例えば、5~30体積%であり、好ましくは10~30体積%である。このような数値範囲とすることにより、成形性および成形後の機械的特性を向上させることができる。
一態様として、本実施形態の樹脂組成物は、好ましくは樹脂として熱硬化性樹脂のみを含む。
また、別の態様として、本実施形態の樹脂組成物は、樹脂として熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の両方を含む。この場合、樹脂全体のうち、熱可塑性樹脂を1~10質量%程度で用いることが好ましい。こうすることで、樹脂組成物の硬化挙動を適切にしやすい(特に、樹脂組成物の加熱開始から一定時間後に適度に硬化するようにしやすい)と考えられる。
・ナノ結晶構造を含む鉄基粒子(特定粒子)
本実施形態の樹脂組成物は、磁性体粒子として、ナノ結晶構造を含む鉄基粒子を含む。なお、以下では、この粒子のことを「特定粒子」とも表記する。
結晶相の存在やその性状などについては、X線回折測定や、電子顕微鏡(例えば透過型電子顕微鏡(TEM)などにより知ることができる。
特定粒子が含むナノ結晶構造は、技術常識等によれば、α-Fe結晶相を含むことができる。これにより、磁気特性を一層高めることができる。
ナノ結晶構造の大きさは、典型的には1~100nm、好ましくは10~40nmである。ナノ結晶構造の大きさが適当であることで、磁気特性を一層高めることができる。なお、ここでの「ナノ結晶構造の大きさ」は、特定粒子をTEMで観察したときに確認されるナノ結晶部分(TEM画像上で2次元的に観察される領域)の真円相当直径とすることができる。
特定粒子において、ナノ結晶構造以外の部分は、通常、アモルファスである。つまり、特定粒子は、通常、アモルファス状の粒子の中に、ナノ結晶構造が分散されたものである。
特定粒子の結晶化率は、特に限定されない。体積分率での結晶化率は、例えば30~75%、具体的には50~75%程度である。
特定粒子中のFe(元素としての鉄)の含有量は、好ましくは80~92質量%、より好ましくは81~90質量%、さらに好ましくは82~87質量%である。鉄基粒子が必要十分な量のFeを含むことで、磁気特性をより高めることができる。
特定粒子は、元素組成としては、Feに加え、例えば、Si(ケイ素)、Cr(クロム)、C(炭素)、P(リン)、Cu(銅)、Nb(ニオブ)およびB(ホウ素)からなる群より選択される1種または2種以上の元素を含むことが好ましい。特定粒子がこれらの元素のうちの1種または2種以上を含むことで、例えば、アモルファス中でのナノ結晶の生成や、生成されたナノ結晶の結晶成長の抑制などが図られ、そしてより好ましい磁気特性を、安定的に得ることができる。
特に、特定粒子は、Cu(銅)を含むことが好ましい。
ナノ結晶構造の形成(典型的にはアモルファスの鉄基粒子の加熱)にあたっては、アモルファスの鉄基粒子中にCuが含まれることで、ナノ結晶構造が形成されやすくなる。前述のように、本実施形態の樹脂組成物においては、溶融成形に供される前に、既に磁性体粒子中にナノ結晶構造が形成されているが、そのようなナノ結晶構造をまず得るうえで、特定粒子がCuを含むことが好ましい。
上述の観点からは、特定粒子中のCu(元素としての銅)の含有量は、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.3~5質量%、さらに好ましくは0.5~3質量%である。
また特に、特定粒子は、Nb(ニオブ)および/またはB(ホウ素)を含むことが好ましい。
特定粒子がNbまたはBを含むことで、特に、アモルファス相の安定化による結晶成長の抑制が図られやすくなり、例えば磁気特性の劣化が抑えられる。
特定粒子がNbを含む場合、その量(割合)は、特定粒子中、好ましくは2~10質量%、より好ましくは3~8質量%、さらに好ましくは4~6質量%である。
特定粒子がBを含む場合、その量(割合)は、特定粒子中、好ましくは1~4質量%、より好ましくは2~4質量%である。
Nbおよび/またはホウ素の量を適切とすることで、上述の磁気特性の劣化等を一層抑えられると考えられる。
特定粒子がSiを含む場合、その量(割合)は、特定粒子中、好ましくは1~20質量%、より好ましくは3~15質量%、さらに好ましくは5~10質量%である。特定粒子がSiを含むことで、磁気特性(高透磁率、低鉄損など)の一層の向上の効果がある。
特定粒子がCrを含む場合、その量(割合)は、特定粒子中、好ましくは0.001~1質量%、より好ましくは0.005~0.5質量%、さらに好ましくは0.01~0.1質量%である。特定粒子がCrを含むことで、特定粒子の耐腐食性が向上するという効果がある。これは最終的に得られる磁性部材の信頼性等の点で好ましい。
特定粒子がCを含む場合、その量(割合)は、特定粒子中、好ましくは0.001~1質量%、より好ましくは0.005~0.5質量%、さらに好ましくは0.01~0.2質量%である。Cは、NbやBと同様に、アモルファス相の安定化による結晶成長の抑制に効果がある。
特定粒子がPを含む場合、その量(割合)は、特定粒子中、好ましくは0.001~10質量%、より好ましくは0.01~10質量%、さらに好ましくは0.1~10質量%である。Pは、NbやBと同様に、アモルファス相の安定化による結晶成長の抑制に効果がある。また、Cuとともにナノ結晶構造の形成に寄与しうる。
なお、特定粒子は、Fe、Si、Cr、C、P、Cu、NbおよびB以外の元素を含んでもよい。例えば、Ti、Zr、Hf、Ta、Mo、W、Co、Ni、Al、Mn、Zn、S、Sn、As、Sb、Bi、N、O、Ca、V、Mgなどの元素のうち1種または2種以上を含んでもよい。特定粒子は、これらの元素を通常0~3質量%の範囲で含んでもよい。
特定粒子は、アモルファス粒子に対して熱処理を施すことで製造することができる。具体的には、まず上記組成のアモルファス粒子を準備し、次にそのアモルファス粒子を、高温(例えば400~600℃程度)で熱処理することで、アモルファス粒子内にナノ結晶を形成することができる。
また、特定粒子としては、市販品を用いてもよい。例えば、エプソンアトミックス株式会社が販売している磁性体粒子の中から、ナノ結晶構造を含む鉄基粒子に該当するものを購入して用いることができる。
特定粒子の表面には、何らかの表面処理が施されていてもよい。表面処理により、樹脂との相溶性の向上や、溶融時の流動性の向上などを期待することができる。
表面処理としては、例えば、カップリング剤での処理や、プラズマ処理などが挙げられる。表面処理により、特定粒子の表面に官能基を結合させることが可能である。官能基は、粒子表面の一部または全面を被覆することができる。
官能基は、下記一般式(1)で表される官能基であることができる。
*-O-X-R ・・・(1)
[式中、Rは、有機基を表し、Xは、Si、Ti、Al、またはZrであり、*は、磁性体粒子を構成する原子の1つである。]
上記官能基は、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等の公知のカップリング剤による表面処理によって形成された残基であるが、シラン系カップリング剤およびチタン系カップリング剤からなる群より選択されるカップリング剤の残基であることが好ましい。これにより、特定粒子を樹脂と混合などして樹脂組成物としたとき、その流動性をより高めることができる。
カップリング剤で表面処理する場合、その方法としては、特定粒子をカップリング剤の希釈溶液に浸漬したり、特定粒子にカップリング剤を直接噴霧したりする方法が挙げられる。
カップリング剤の使用量は、特定粒子の100質量部に対して、例えば、0.05~1質量部であるのが好ましく、0.1~0.5質量部であるのがより好ましい。
カップリング剤と特定粒子を反応させるときの溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。また、このときのカップリング剤の使用量は、溶媒100質量部に対して、0.1~2質量部であるのが好ましく、0.5~1.5質量部であるのがより好ましい。
カップリング剤と特定粒子との反応時間(例えば希釈溶液への浸漬時間等)は、1~24時間であることが好ましい。
また、上述したような官能基を結合させる際には、特定粒子に対する表面処理の一環として、あらかじめプラズマ処理を施してもよい。これにより、特定粒子の表面にOH基が生じて、酸素原子を介した特定粒子とカップリング剤の残基との結合が容易になる。これにより、より強固に官能基を結合させることができる。
ここでのプラズマ処理は、酸素プラズマ処理であるのが好ましい。これにより、特定粒子の表面に対して効率よくOH基を修飾することができる。
酸素プラズマ処理の圧力は、特に限定されないが、100~200Paであることが好ましく、120~180Paであることがより好ましい。
酸素プラズマ処理における処理ガスの流量は、特に限定されないが、1000~5000mL/分であることが好ましく、2000~4000mL/分であることがより好ましい。
酸素プラズマ処理の出力は、特に限定されないが、100~500Wであることが好ましく、200~400Wであることがより好ましい。
酸素プラズマ処理の処理時間は、上述の各種条件に応じて適宜設定されるが、5~60分であることが好ましく、10~40分であることがより好ましい。
また、酸素プラズマ処理を施す前に、さらにアルゴンプラズマ処理を施すようにしてもよい。これにより、特定粒子の表面にOH基を修飾するための活性点を形成することができるので、OH基の修飾をより効率よく行うことができる。
アルゴンプラズマ処理の圧力は、特に限定されないが、10~100Paであることが好ましく、15~80Paであることがより好ましい。
アルゴンプラズマ処理における処理ガスの流量は、特に限定されないが、10~100mL/分であることが好ましく、20~80mL/分であることがより好ましい。
アルゴンプラズマ処理の出力は、100~500Wであることが好ましく、200~400Wであることがより好ましい。
アルゴンプラズマ処理の処理時間は、5~60分であることが好ましく、10~40分であることがより好ましい。
なお、特定粒子とカップリング剤の残基とが酸素原子を介して結合していることは、例えばフーリエ変換赤外分光光度計によって確認することができる。
また、上述したような表面処理は、樹脂組成物中に含まれるすべての粒子に施されてもよく、一部の粒子のみに施されてもよい。
また、上述した表面処理の下地には、別のコート処理が施されてもよい。かかるコート処理としては、絶縁材料による処理が挙げられる。例えば、シリコーン樹脂のような樹脂コートの他、シリカコート等が挙げられる。このようなコート処理が施されることにより、特定粒子の絶縁性をより高めることができる。このようなコート処理は、必要に応じて施されればよく、省略されてもよい。このコート処理は、上述した表面処理の下地としてではなく、単独で施されていてもよい。
特定粒子は、別観点として、真円(真球)に近い形状であることが好ましい。これにより、粒子同士の摩擦が少なくなり、流動性を一層高めることができると考えられる。
具体的には、以下で定義される「真円度」を、特定粒子の任意の10個以上(好ましくは50個以上)について求め、その値を平均することで求められる平均真円度が0.60以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましい。
真円度の定義:特定粒子の輪郭を走査型電子顕微鏡で観察したときの、当該輪郭から求められる等面積円相当径をReq、当該輪郭に外接する円の半径をRcとしたときの、Req/Rcの値。
良好な流動性や、高充填による磁性性能の向上の観点などから、特定粒子の粒径は適宜調整されることが好ましい。
例えば、特定粒子の、体積基準におけるメジアン径D1は、好ましくは0.5~75μm、より好ましくは0.75~65μm、さらに好ましくは1~60μmである。粒径(メジアン径)を適切に調整することで、成形時の流動性を更に良好にしたり、磁性性能を一層向上させたりすることができる。
なお、D1は、例えば、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により得ることができる。具体的には、HORIBA社製の粒子径分布測定装置「LA-950」により、磁性体粒子を乾式で測定することで粒子径分布曲線を得、この分布曲線を解析することで求めることができる。
・特定粒子以外の磁性体粒子
本実施形態の樹脂組成物は、製造コスト等の観点から、上述の特定粒子に加え、特定粒子に該当しない磁性体粒子(特定粒子以外の磁性体粒子)を含んでもよい。
特定粒子以外の磁性体粒子は、好ましくは、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、銀およびマンガンからなる群より選択される1種または2種以上の元素を含む。
特定粒子以外の磁性体粒子は、結晶材料であってもよく、アモルファス材料であってもよく、これらが混在した材料であってもよい(ただし、特定粒子に該当するものは除く)。また、例えば、単体の他、固溶体、共晶、金属間化合物のような合金等のいずれであってもよい。さらに、1種の化学組成からなるものを用いてもよいし、異なる元素組成のものを2種以上併用してもよい。
特に、特定粒子以外の磁性体粒子としては、鉄基粒子を含むものが好ましい。なお、鉄基粒子とは、鉄原子を主成分とする(化学組成において鉄原子の含有質量が一番多い)粒子のことを言い、より具体的には化学組成において鉄原子の含有質量が一番多い鉄合金のことをいう。
鉄基粒子としてより具体的には、軟磁性を示し、Feの含有率が85質量%以上である粒子(軟磁性鉄高含有粒子)を用いることができる。なお、軟磁性とは、保磁力が小さい強磁性のことを指し、一般的には、保磁力が800A/m以下である強磁性のことを軟磁性という。
なお、上記では鉄基粒子を中心に説明したが、もちろん、特定粒子以外の磁性体粒子は、それ以外の粒子であってもよい。例えば、Ni基軟磁性粒子、Co基軟磁性粒子等を含む磁性体粒子であってもよい。
特に、特定粒子以外の磁性体粒子としては、純鉄、ケイ素鋼、鉄-コバルト合金、鉄-ニッケル合金、鉄-クロム合金、鉄-アルミニウム合金、カルボニル鉄、ステンレス鋼、またはこれらのうちの1種もしくは2種以上を含む複合材料等が挙げられる。入手性などの観点からカルボニル鉄を好ましく用いることができる。
また、一例として、特定粒子以外の磁性体粒子のメジアン径D2は、特定粒子のメジアン径D1よりも小さいことが好ましい。
具体的には、D2/D1の値は、例えば0.01~0.9、好ましくは0.02~0.5、さらに好ましくは0.03~0.3、特に好ましくは0.03~0.2である。D2/D1の値を適切に調整することで、特定粒子間にできる空間(すき間)に、特定粒子以外の磁性体粒子が入り込むこととなり、磁性部材を形成したときの磁性粒子の密度を上げることができる。これにより磁気特性の一層の向上が得られると考えられる。
D2自身の値は、好ましくは0.5~15μm、より好ましくは1~10μm、さらに好ましくは1~5μmである。
D1の値については、上述のとおりである。
特定粒子以外の磁性体粒子には、何らかの表面処理がされていてもよい。表面処理について具体的には、特定粒子における表面処理と同様である。
特定粒子以外の磁性体粒子は、特定粒子と同様に、真円(真球)に近い形状であることが好ましい。
・磁性体粒子全体としての性状など
溶融時の良好な流動性や、高充填による磁性性能の一層の向上の観点などから、磁性体粒子(特定粒子およびそれ以外の粒子)の粒径は適宜調整されることが好ましい。
具体的には、磁性体粒子の、体積基準におけるメジアン径(複数種の磁性体粒子を用いる場合は、用いる磁性体粒子全体としてのメジアン径)は、好ましくは0.5~75μm、より好ましくは0.75~65μm、さらに好ましくは1~60μmである。粒径(メジアン径)を適切に調整することで、成形時の流動性を更に良好にしたり、磁性性能を一層向上させたりすることができる。
樹脂組成物中の磁性体粒子の含有量(複数種の磁性体粒子を含む場合は、それら全ての量)は、樹脂組成物の固形分(不揮発成分)全体に対して、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは93質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。樹脂組成物中の磁性体粒子の含有量の上限については、現実的に樹脂組成物の流動性を確保する点などから、例えば99質量%以下である。磁性体粒子の含有量を十分多くすることで、磁気性能(透磁率や鉄損など)を一層向上させることができる。
また、体積基準において、樹脂組成物中の磁性体粒子の含有量は、樹脂組成物の固形分(不揮発成分)全体に対して、好ましくは60体積%以上、より好ましくは70体積%以上、さらに好ましくは80体積%以上である。これの上限については、現実的に樹脂組成物の流動性を確保する点などから、例えば95体積%以下である。
なお、樹脂組成物が、特定粒子と、特定粒子以外の磁性体粒子を含む場合、両者の混合比は、求める磁気特性や原材料コストなどに基づき任意の割合とすることができる。
磁気特性を高める点からは、磁性体粒子全体に対する特定粒子の量は、10~100質量%であることが好ましく、30~100質量%であることがより好ましく、50~100質量%であることがさらに好ましい。
また、磁性体粒子全体に対する特定粒子の量は、10~100体積%であることが好ましく、30~100体積%であることがより好ましく、50~100体積%であることがさらに好ましい。
・硬化剤
本実施形態の樹脂組成物は、硬化剤を含むことが好ましい。これにより、樹脂組成物を十二分に硬化させることができ、得られる成形体の耐熱性、耐久性などの一層の向上が期待できる。また、硬化挙動を適切に制御しやすくなり、ひいては成形性を一層向上させうる。
硬化剤は、25℃において半硬化(固形)状のものを使用してもよい。
硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ジシアミンジアミドのようなアミノ基を有する化合物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物のような酸無水物、フェノール樹脂のようなフェノール化合物(フェノール系硬化剤)、イミダゾール化合物等を用いることができる。これらは、前述の樹脂がエポキシ樹脂を含む場合に好ましく用いられる。
また、硬化剤としてはヘキサメチレンテトラミン等を用いることができる。これは、特に前述の樹脂がノボラック型フェノール樹脂等のフェノール樹脂を含む場合に好ましく用いられる。
また、硬化剤としてはイミダゾール化合物を用いることができる。これは、特に前述の樹脂がマレイミド樹脂を含む場合に好ましく用いられる。
一態様として、硬化剤は、フェノール化合物を含むことが好ましい。より具体的には、一分子中に2~5個のフェノール性水酸基を含むフェノール系硬化剤が好ましく、一分子中に3~4個のフェノール性水酸基を含むフェノール系硬化剤がより好ましい。
硬化剤がフェノール系硬化剤を含むことで、硬化性を一層高めることができ、成形物の耐久性の一層の向上などが期待できる。この効果は、前述の樹脂がエポキシ樹脂を含む場合に特に顕著である。
また、別の態様として、硬化剤は、アミノ基を有する化合物を含むことが好ましい。この化合物も、特に、樹脂がエポキシ樹脂を含む場合に用いることで、硬化性を高める等の効果を得ることができる。
アミノ基を有する化合物としてより具体的には、1分子中に2以上(好ましくは2つ)のアミノ基と、1つ以上(好ましくは1~5個)の芳香環(ベンゼン環など)を含む化合物が好ましい。芳香環を含むことで、成形物の耐熱性を高められると考えられる。このような化合物としては、例えば、1分子中にアニリン骨格を2つ以上含む化合物などを挙げることができる。
より具体的には、アミノ基を有する化合物として、以下一般式(AM)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0007167498000001
一般式(AM)において、各原子団の定義は以下のとおりである。
XおよびYは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基である。
、RおよびRは、それぞれ独立に、1価の有機基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子を表す。
k、lおよびmは、それぞれ独立に、0~4の整数を表す。
nは、0以上の整数である。
Xが複数存在する場合(nが2以上の場合)、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。
が複数存在する場合(kが2以上である場合)、それぞれのRは同一であっても異なっていてもよい。
が複数存在する場合(lが2以上である場合)、それぞれのRは同一であっても異なっていてもよい。
が複数存在する場合(mが2以上である場合、および/またはnが2以上である場合)、それぞれのRは同一であっても異なっていてもよい。
XおよびYの2価の連結基としては、直鎖または分岐のアルキレン基(炭素数1~6が好ましく、炭素数1~3がより好ましい)、エーテル基(-O-)、カルボニル基(-CO-)、エステル基(-COO-または-OCO-)、スルホニル基(-SO-)、およびこれらのうち2以上が連結された基などを挙げることができる。
、RおよびRの1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ヘテロ環基、カルボキシル基などを挙げることができる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、例えばアリル基、ペンテニル基、ビニル基などが挙げられる。
アルキニル基としては、例えばエチニル基などが挙げられる。
アルキリデン基としては、例えばメチリデン基、エチリデン基などが挙げられる。
アリール基としては、例えばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
アルカリル基としては、例えばトリル基、キシリル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
ヘテロ環基としては、例えばエポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。
一態様として、k、lおよびmは、全て0である。つまり、一態様として、一般式(AM)中のベンゼン環の全ては、明示的に記載された原子団以外の置換基を有しない。
一態様として、nは、好ましくは0~3、より好ましくは0~2である。
その他、硬化剤として使用しうるアミノ基を有する化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3-ペンタンジアミン、2-メチルペンタメチレンジアミン等の鎖状脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、4,4'-メチレンビスシクロヘキシルアミン、4、4'-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン等の環状脂肪族ポリアミン;m-キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-シクロヘキシリデンジアニリン、ジアミノジフェニルメタン、アニリンとホルムアルデヒドの縮合物、クロロアニリンとホルムアルデヒドの縮合物、アニリンとクロロアニリンとホルムアルデヒドの縮合物、4,4'-メチレンビス(2-メチルアニリン)、4,4'-メチレンビス(2-エチルアニリン)、4,4'-メチレンビス(2-イソプロピルアニリン)、4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)、4,4'-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)、4,4'-メチレンビス(2-エチル-6-メチルアニリン)、4,4'-メチレンビス(2-ブロモ-6-エチルアニリン)、4,4'-メチレンビス(N-メチルアニリン)、4,4'-メチレンビス(N-エチルアニリン)、4,4'-メチレンビス(N-sec-ブチルアニリン)、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-(9-フルオレニリデン)ジアニリン、4,4'-(9-フルオレニリデン)ビス(N-メチルアニリン)、4,4'-ジアミノベンズアニリド、4,4'-オキシジアニリン、2,4-ビス(4-アミノフェニルメチル)アニリン、フェニレンジアミン、4-メチル-m-フェニレンジアミン、2-メチル-m-フェニレンジアミン、N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、2,4,6-トリメチル-m-フェニレンジアミン、2,4-ジエチル-6-メチル-m-フェニレンジアミン、4,6-ジエチル-2-メチル-m-フェニレンジアミン、4,6-ジメチル-m-フェニレンジアミン、トリメチレンビス(4-アミノベンゾエート)3,5-ビス(メチルチオ)-2,4-トルエンジアミン、3,5-ビス(メチルチオ)-2,6-トルエンジアミン、3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミノビフェニル等の芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
硬化剤を用いる場合、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
硬化剤を用いる場合、その含有量は、樹脂組成物の固形分全体を100質量%として、例えば、0.5~20質量%であり、好ましくは1~15質量%である。
また、硬化剤の含有量は、樹脂組成物の不揮発成分全体を100体積%としたとき、例えば、5~30体積%であり、好ましくは10~30体積%である。このような数値範囲とすることにより、成形性および機械的特性を向上させることができる。
・非磁性体粒子
本実施形態の樹脂組成物は、流動性の調整などの観点で、非磁性を示す非磁性体粒子を含んでもよい。非磁性体粒子は、例えば、体積基準のメジアン径が3μm以下の粒子を用いることができる。なお、本明細書において、非磁性とは、強磁性を有さないことを指す。
樹脂組成物が非磁性体粒子を含むことで、成形時により高い流動性を示すとともに、成形時における樹脂組成物の染み出しが抑制される。このため、樹脂組成物の成形性がより良好になり、磁性体粒子の充填性と均一性とをさらに高めることができる。よって、硬化物(磁性部材)の磁気特性をより良好とすることができる。
また、樹脂組成物の染み出しが抑制されることによって、成形時における樹脂バリ等の発生が抑制される。加えて、染み出しに伴って樹脂組成物の成分バランスが崩れてしまい成形体の機械的特性が低下するのを防止することができる。したがって、成形不良の少ない成形体(磁性部材)が得られる。
非磁性体粒子の素材としては、例えば、セラミックス材料、ガラス材料等が挙げられる。このうち、セラミックス材料を含むものが好ましく用いられる。このような非磁性体粒子は、熱硬化性樹脂との親和性が高いため、樹脂組成物の流動性を維持することができる。
セラミックス材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、カルシア等の酸化物系セラミックス材料、窒化ケイ素、窒化アルミニウムのような窒化物系セラミックス材料、炭化ケイ素、炭化ホウ素のような炭化物系セラミックス材料等が挙げられる。
また、セラミックス材料は、特にシリカを含むのが好ましい。シリカは、熱硬化性樹脂との親和性が高く、絶縁性が高いため、非磁性体粒子の構成粒子として有用である。
非磁性体粒子の構成材料の真比重は、1.0~6.0であるのが好ましく、1.2~5.0であるのがより好ましく、1.5~4.5であるのがさらに好ましい。このような非磁性体粒子は、比重が小さいため、樹脂組成物の溶融物とともに流動し易い。このため、成形時において樹脂組成物の溶融物が成形型の隙間等に向かって流動するとき、その溶融物とともに非磁性体粒子が流れ易くなる。その結果、隙間が非磁性体粒子によって塞がれ、隙間からの染み出しをより確実に抑制することができる。なお、ここでの「隙間」とは、例えば、トランスファー成形機のプランジャーとシリンダーとの隙間(クリアランス)等が挙げられる。
非磁性体粒子の、体積基準のメジアン径は、特に限定されないが、典型的には3μm以下であり、好ましくは0.1~2.8μmであり、より好ましくは0.5~2.5μmである。この粒子径は、前述の「染み出し」を防ぐのに好ましい粒子径であって、かつ、樹脂組成物の溶融物とともに流れ易い粒子径である。
また、非磁性体粒子の、体積基準のメジアン径は、3μm以下であってかつ磁性体粒子のメジアン径より小さければ好ましいが、その差が5μm以上であるとより好ましく、10~100μmであるとさらに好ましく、15~60μmであると特に好ましい。
また、非磁性体粒子に含まれる非磁性粒子の平均真円度(この定義は、磁性体粒子におけるものと同じである)は特に限定されないが、0.50~1であるのが好ましく、0.75~1であるのがより好ましい。真円度がこの範囲内であることにより、非磁性体粒子自体の転がりを活かして樹脂組成物の流動性を確保できる一方、非磁性体粒子が隙間等に詰まり易くなって熱硬化性樹脂の染み出しを抑制し易くなる。すなわち、樹脂組成物の流動性と、熱硬化性樹脂の染み出しの抑制と、を両立させることができる。
非磁性体粒子を用いる場合、その量は、樹脂組成物の不揮発成分全体を基準として、1~10質量%が好ましく、2~5質量%がより好ましい。これにより、流動性が一層高く、また、染み出しをより確実に抑制可能な樹脂組成物が得られる。
・その他成分
本実施形態の樹脂組成物は、上述した成分以外の成分を含んでいてもよい。
例えば、離型剤(ワックス)、硬化触媒、低応力剤、カップリング剤、密着助剤、着色剤、酸化防止剤、耐食剤、染料、顔料、難燃剤等を含んでもよい。
離型剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等を挙げることができる。
硬化触媒としては、例えばエポキシ樹脂の硬化触媒として知られているものを挙げることができる。具体的には、イミダゾール類(より具体的には、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾールなど)、アミン類(より具体的には、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6-トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP-30)などの3級アミン化合物)、リン系化合物(より具体的には有機ホスフィン類)などを挙げることができる。
低応力剤としては、ポリブタジエン化合物、アクリロニトリルブタジエン共重合化合物、シリコーンオイル、シリコーンゴム等のシリコーン化合物が挙げられる。低応力剤を用いる場合、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
カップリング剤としては、上述の、磁性体粒子の表面処理に用いられるカップリング剤を用いることができる。例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニア系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤を用いる場合、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物がその他の成分を含む場合、その量は、樹脂組成物の固形分(不揮発成分)全体を100質量%としたとき、例えば0.001~10質量%の範囲で適宜調整される。
・樹脂組成物の性状など
本実施形態の樹脂組成物は、室温25℃において固形であってよい。成形装置への入れやすさ等の観点から、樹脂組成物の性状は、粉末状、顆粒状またはタブレット状などとすることができる。
樹脂組成物が固形である場合、樹脂組成物の粒径は特に限定されないが、ある程度大きい粒径のほうが、ハンドリング性等の観点で好ましい。例えば、目開きが180μmのふるいを用いて、JIS Z 8815に規定のふるい分け試験方法(乾式、手動ふるい分け)に従ってふるい分けを行ったとき、ふるい上百分率が50%以上となる程度の粒径であることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、まず(1)各成分を、ミキサー等を用いて混合し、(2)その後、ロールを用いて、120℃前後で5分程度混練することにより混練物を得、(3)そして得られた混練物を冷却後粉砕することにより製造することができる。(以上により、粉末状の樹脂組成物を得ることができる。)
なお、必要に応じて粉末状の樹脂組成物を打錠し、顆粒状やタブレット状にしてもよい。これにより、トランスファー成形等の樹脂成形に適する樹脂組成物が得られる。また、樹脂組成物を室温(25℃)で固形とすることにより、搬送性や保管性を高めることが可能である。
・溶融・硬化に関する指標
本実施形態の樹脂組成物の溶融・硬化に関する指標の1つとして、スパイラルフロー試験により測定される流動長を採用することができる。
本実施形態の樹脂組成物の、温度175℃でのスパイラルフロー試験により測定される流動長は、好ましくは50cm以上、より好ましくは60cm以上、さらに好ましくは70cm以上である。樹脂組成物がこのような流動長を有するように処方等を調整することで、より量産適性を高めることができる。
なお、流動長の上限は、例えば、260cmである。
スパイラルフロー試験は、たとえば低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS-15」)を用いて、EMMI-1-66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で封止用樹脂組成物を注入し、流動長を測定することにより行うことができる。
<磁性部材の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物は、溶融成形法により、所望の形状に成形することができる。例えば、
・上記の樹脂組成物を80~350℃に加熱して溶融物を得る溶融工程と、
・その溶融物を金型に注入する注入工程と、
・金型に注入された前記溶融物を冷却する冷却工程と
により、所望の磁性部材を製造することができる。
なお、加熱の上限温度を350℃としているのは、350℃程度あれば一般の溶融成形においては十分に樹脂組成物を溶融させることができること、また、温度が高すぎると特定粒子中のナノ結晶が成長してしまう可能性があることによる(ナノ結晶が成長しすぎると、磁気特性が低下する場合がある)。
溶融成形法として具体的には、トランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、プレス成形法等の各種成形法が挙げられる。これらの方法の中でも、本実施形態の樹脂組成物は、トランスファー成形法による成形に適している。つまり、トランスファー成形装置を用いて、上述の樹脂組成物の溶融物を金型に注入し、その溶融物が硬化した磁性部材を得ることができる。成形物は、電気・電子デバイス中の磁性部品などとして好適に用いることができる。より具体的には、成形物は、コイル(用途や目的により、リアクトルやインダクタなどとも呼ばれる)の磁性コアおよび/または外装などとして好適に用いられる。
トランスファー成形については、公知のトランスファー成形装置を適宜用いるなどして行うことができる。具体的には、まず、予熱した樹脂組成物を、トランスファー室とも言われる加熱室に入れて溶融し、溶融物を得る。その後、その溶融物をプランジャーで金型に注入し、そのまま保持して溶融物を硬化させる。これにより、所望の成形物を得ることができる。
トランスファー成形は、成形品の寸法の制御性や、形状自由度の向上などの点で、他の成形法に比べて好ましい。
トランスファー成形における各種条件は、任意に設定することができる。例えば、予熱の温度は60~100℃、溶融の際の加熱温度は150~250℃、金型温度は150~200℃、金型に樹脂組成物の溶融物を注入する際の圧力は1~20MPaの間で適宜調整することができる。
<磁性部材、コイル>
本実施形態の樹脂組成物により形成された磁性部材(本実施形態の樹脂組成物を硬化させて形成した磁性部材)、および、その磁性部材を磁性コアまたは外装部材として備えるコイルの態様について説明する。
(第1の態様)
図1(a)および図1(b)は、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成された磁性コアを備えるコイル100(リアクトル)を模式的に示した図である。
図1(a)は、上面から見たコイル100の概要を示す。図1(b)は、図1(a)におけるA-A'断面視における断面図を示す。
コイル100は、図1に示されるように、巻線10および磁性コア20を備えることができる。磁性コア20は、空芯コイルである巻線10の内部に充填されている。図1(a)に示す一対の巻線10は、並列した状態で連結されている。この場合、環状の磁性コア20は、図1(b)に示す1対の巻線10の内部を貫通する構造を有する。これらの磁性コア20と巻線10とは一体化した構造を有することができる。
なお、コイル100は、巻線10と磁性コア20との間に、これらの絶縁を確保する観点から、不図示のインシュレータを介在させた構造としてもよい。
コイル100において、巻線10および磁性コア20は、外装部材30(封止部材)で封止されていてもよい。例えば、筐体(ケース)中に巻線10および磁性コア20を収容し、そこに液状樹脂を導入し、必要に応じて液状樹脂を硬化することにより、巻線10および磁性コア20の周囲に外装部材30を形成してもよい。このとき巻線10は、巻線の端部を外装部材30の外部に引き出した不図示の引き出し部を有していてもよい。
巻線10は、通常、金属線の表面に絶縁被覆を施した巻線を巻回した構造により構成される。金属線は、導電性の高いものが好ましく、銅、銅合金が好適に利用できる。また、絶縁被覆は、エナメルなどの被覆が利用できる。巻線の断面形状は、円形や矩形、六角形などが挙げられる。
一方、磁性コア20の断面形状は、特に限定されないが、例えば、断面視において、円形形状や、四角形や六角形などの多角形状とすることができる。磁性コア20は、例えば本実施形態の樹脂組成物のトランスファー成形品で構成されるため、所望の形状を有することが可能である。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物によれば、成形性および磁気特性に優れた磁性コア20を実現できる。すなわち、この磁性コア20を備えるコイル100は、量産適性が良好であり、また、鉄損が小さいことなどが期待される。また、機械的特性に優れた磁性コア20を実現できるため、コイル100の耐久性や信頼性、製造安定性を高めることが可能である。このため、コイル100は、昇圧回路用や大電流用のリアクトルとして用いることができる。
(第2の態様)
上記のコイルとは別の態様として、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成された外装部材を備えるコイル(インダクタ)の概要を、図2を参照しつつ説明する。
図2(a)は、コイル100Bの上面からみたコイルの概要を示す。図2(b)は、図2(a)におけるB-B'断面視における断面図を示す。
コイル100Bは、図2に示されるように、巻線10Bおよび磁性コア20Bを備えることができる。磁性コア20Bは、空芯コイルである巻線10Bの内部に充填されている。図2(a)に示される一対の巻線10Bは、並列した状態で連結されている。この場合、環状の磁性コア20Bは、図2(b)に示される1対の巻線10Bの内部を貫通する構造を有する。これらの磁性コア20Bと巻線10Bとは、それぞれ個別に作成し、組み合わせた組合せ構造を有することができる。
なお、コイル100Bは、巻線10Bと磁性コア20Bとの間に、これらの絶縁を確保する観点から、不図示のインシュレータを介在させた構造としてもよい。
コイル100Bにおいて、巻線10Bおよび磁性コア20Bは、外装部材30B(封止部材)で封止されている。例えば、巻線10Bに充填された磁性コア20Bを金型に配置し、本実施形態の樹脂組成物を用いて、トランスファー成形等の金型成形することにより、当該樹脂組成物を硬化させて、巻線10Bおよび磁性コア20Bの周囲に外装部材30Bを形成することができる。このとき巻線10Bは、巻線の端部を外装部材30Bの外部に引き出した不図示の引き出し部を有してもよい。
巻線10Bは、通常、金属線の表面に絶縁被覆を施した導線を巻回した構造により構成される。金属線は、導電性の高いものが好ましく、銅、銅合金が好適に利用できる。また、絶縁被覆は、エナメルなどの被覆が利用できる。巻線10Bの断面形状は、円形や矩形、六角形などが挙げられる。
一方、磁性コア20Bの断面形状は、特に限定されないが、例えば、断面視において、円形形状や、四角形や六角形などの多角形状とすることができる。磁性コア20Bは、例えば、磁性粉とバインダーとで構成された圧粉鉄芯を用いることができる。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物によれば、成形性および磁気特性に優れた外装部材30Bを実現できるため、磁性コア20Bを備えるコイル100Bにおいては、低磁気損失が期待される。また、機械的特性に優れた外装部材30Bを実現できるため、コイル100Bの耐久性や信頼性、製造安定性を高めることが可能である。
(第3の態様)
更に別の態様として、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成された磁性コアと外装部材を備える一体型インダクタの概要を、図3を参照しつつ説明する。
図3(a)は、一体型インダクタ100Cの上面からみた構造体の概要を示す。図3(b)は、図3(a)におけるC-C'断面視における断面図を示す。
一体型インダクタ100Cは、図3に示されるように、巻線10Cおよび磁性コア20Cを備えることができる。磁性コア20Cは、空芯コイルである巻線10のC内部に充填されている。巻線10Cおよび磁性コア20Cは、外装部材30C(封止部材)で封止されている。磁性コア20Cおよび外装部材30Cは、本実施形態の樹脂組成物の硬化物で構成することができる。磁性コア20Cおよび外装部材30Cは、シームレスの一体部材として形成されていてもよい。
一体型インダクタ100Cの製造方法としては、例えば、巻線10Cを金型に配置し、本実施形態の樹脂組成物を用いて、トランスファー成形等の金型成形をする。これにより、樹脂組成物を硬化させて、巻線10C中に充填された磁性コア20Cおよびこれらの周囲に外装部材30Cを一体的に形成することができる。このとき、巻線10Cは、巻線の端部を外装部材30Cの外部に引き出した不図示の引き出し部を有してもよい。
巻線10Cは、通常、金属線の表面に絶縁被覆を施した導線を巻回した構造により構成される。金属線は、導電性の高いものが好ましく、銅、銅合金が好適に利用できる。また、絶縁被覆は、エナメルなどの被覆が利用できる。巻線10Cの断面形状は、円形や矩形、六角形などが挙げられる。
一方、磁性コア20Cの断面形状は、特に限定されないが、例えば、断面視において、円形形状や、四角形や六角形などの多角形状とすることができる。磁性コア20Cは、本実施形態の樹脂組成物のトランスファー成形品で構成されるため、所望の形状を有することが可能である。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物によれば、成形性および磁気特性に優れた磁性コア20Cおよび外装部材30Cを実現できるため、これらを有する一体型インダクタ100Cにおいては、低磁気損失が期待される。また、機械的特性に優れた外装部材30Cを実現できるため、一体型インダクタ100Cの耐久性や信頼性、製造安定性を高めることが可能である。このため、一体型インダクタ100Cは、昇圧回路用や大電流用のインダクタとして用いることができる。
(磁性部材に関する補足)
本実施形態の樹脂組成物により成形された磁性部材の、50℃から70℃の範囲における平均線膨張係数αは、例えば、30ppm/℃以下であり、好ましくは28ppm/℃以下であり、より好ましくは25ppm/℃以下である。これにより、室温近傍の環境下における寸法安定性を向上させることができる。なお、50℃から70℃の範囲における平均線膨張係数αの下限値は、特に限定されないが、例えば1ppm/℃以上である。
また、本実施形態の樹脂組成物により成形された磁性部材の、270℃から290℃の範囲における平均線膨張係数αは、例えば、20~80ppm/℃であり、好ましくは22~75ppm/℃であり、より好ましくは25~70ppm/℃である。平均線膨張係数αを上記上限値以下とすることにより、高温環境下における寸法安定性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.
溶融成形用の樹脂組成物であって、
樹脂と、磁性体粒子とを含み、
前記磁性体粒子が、ナノ結晶構造を含む鉄基粒子を含む樹脂組成物。
2.
1.に記載の樹脂組成物であって、
前記鉄基粒子中のFeの含有率が80~92質量%である樹脂組成物。
3.
1.または2.に記載の樹脂組成物であって、
前記ナノ結晶構造が、α-Fe結晶相を含む樹脂組成物。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
前記鉄基粒子が、銅を含む樹脂組成物。
5.
1.~4.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
前記鉄基粒子が、ニオブおよび/またはホウ素を含む樹脂組成物。
6.
5.に記載の樹脂組成物であって、
前記鉄基粒子がニオブを含み、前記鉄基粒子中のニオブの含有率が2~10質量%である樹脂組成物。
7.
5.または6.に記載の樹脂組成物であって、
前記鉄基粒子がホウ素を含み、前記鉄基粒子中のホウ素の含有率が1~4質量%である樹脂組成物。
8.
1.~7.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
さらに、前記磁性体粒子として、前記ナノ結晶構造を含む鉄基粒子以外の粒子を含む樹脂組成物。
9.
1.~8.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
樹脂組成物の固形分全体に対する前記磁性体粒子の含有量が90質量%以上である樹脂組成物。
10.
1.~9.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
前記磁性体粒子の、体積基準におけるメジアン径が0.5~75μmである樹脂組成物。
11.
1.~10.のいずれか1つに記載の樹脂組成物であって、
前記樹脂が、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物。
12.
11.に記載の樹脂組成物であって、
前記樹脂が、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物。
13.
11.または12.に記載の樹脂組成物であって、
さらに、硬化剤を含む樹脂組成物。
14.
1.~13.のいずれか1つに記載の樹脂組成物により成形された磁性部材。
15.
14.に記載の磁性部材を、磁性コアまたは外装部材として備えるコイル。
16.
1.~13.のいずれか1つに記載の樹脂組成物を80~350℃に加熱して溶融物を得る溶融工程と、
前記溶融物を金型に注入する注入工程と、
前記金型に注入された前記溶融物を冷却する冷却工程と
を含む、磁性部材の製造方法。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<樹脂組成物の調製>
原材料として、以下の磁性体粒子、樹脂、硬化剤、離型剤および硬化促進剤を準備した。
・磁性体粒子
鉄基粒子1:アモルファス構造の磁性粉(エプソンアトミックス株式会社製、KUAMET6B2、メジアン径D50:25μm)
鉄基粒子2:ナノ結晶構造(α-Fe結晶相)を含む磁性粉(エプソンアトミックス株式会社製、KUAMETNC1、メジアン径D50:25μm)
鉄基粒子3:カルボニル鉄粉(BASF社製、CIP-HQ、メジアン径D50:2μm)
上記の各磁性体粒子の合金組成、コート処理について、以下表1に示す。
Figure 0007167498000002
・樹脂(熱硬化性樹脂)
エポキシ樹脂1:トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、E1032H60、室温25℃で固形)
エポキシ樹脂2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、YL6810、室温25℃で固形)
・硬化剤
フェノール樹脂:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト株式会社製、PR-HF-3、室温25℃で固形)
・離型剤
合成ワックス(クラリアントケミカルズ株式会社製、エステルワックスWE-4)
・硬化促進剤
イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業株式会社製、キュアゾール2PZ-PW)
調製方法は以下のようにした。
まず、表2に示される原料成分およびその配合比率に従い、各原料成分をミキサーにより混合した。次いで、得られた混合物をロール混練して混練物を得た。その後、その混練物を冷却、粉砕して粉体状の樹脂組成物を得た。
各実施例の樹脂組成物を、目開きが180μmのふるいを用いて、JIS Z 8815に規定のふるい分け試験方法(乾式、手動ふるい分け)に従ってふるい分けを行った。全ての樹脂組成物において、ふるい上百分率は50%以上であった(大まかに言うと、樹脂組成物の50%以上が、粒径180μm以上であった)。
Figure 0007167498000003
<評価>
(鉄損(50mT,50kHz))
各実施例及び比較例の樹脂組成物を、低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS-30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、外径27mmΦ、内径15mmΦ、厚み3mmのリング状成形品を得た。次いで、得られたリング状成形品を175℃、4時間で後硬化した。
これにより得られたリング状試験片に対して、交流直流磁化特性記録装置(メトロン技研株式会社製、MTR-3368)を用いて、励起磁束密度Bm:50mT、測定周波数:50kHzにおけるヒステリシス損Wh(kW/m)及び渦電流損We(kW/m)を測定した。そして、ヒステリシス損Whと渦電流損Weの和を鉄損(kW/m)として算出した。
鉄損の値が小さいほど、磁気特性が良好であることを表す。
(スパイラルフロー試験)
各実施例および比較例の樹脂組成物を用いてスパイラルフロー試験を行った。
試験は、低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS-15」)を用いて、EMMI-1-66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で封止用樹脂組成物を注入し、流動長を測定した。
(ガラス転移温度、平均線膨張係数α(50-70℃)、平均線膨張係数α(270-290℃))
得られた樹脂組成物を低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS-30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、15mm×4mm×4mmの成形品を得た。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して試験片を作製した。
そして、得られた試験片に対して、熱機械分析装置(セイコーインスツル社製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃~400℃、昇温速度5℃/分の条件下で、ガラス転移温度(℃)、50℃から70℃における平均線膨張係数α(ppm/℃)、270℃から290℃における平均線膨張係数α(ppm/℃)を測定した。
評価結果を表3にまとめて示す。
Figure 0007167498000004
表3より以下のことが言える。
・ナノ結晶構造を含む鉄基粒子(鉄基粒子2)を含む実施例1~3の樹脂組成物を、溶融成形(トランスファー成形)して得られた磁性部材の鉄損の値は、鉄基粒子2を含まない比較例1の樹脂組成物を溶融成形して得られた磁性部材の鉄損の値よりも小さかった。つまり、磁気性能が良化していることが示された。また、組成物中のナノ結晶構造を含む鉄基粒子(鉄基粒子2)の量が多いほど、鉄損は小さくなる傾向が読み取れる。
・実施例1~3の樹脂組成物は、スパイラルフロー試験での流動長が十分長かった。つまり、実施例1~3の樹脂組成物は、溶融成形による磁性部材の形成に好ましく使用できることが示された。
・実施例1~3の樹脂組成物を成形して得られた磁性部材のガラス転移温度は、比較例1の組成物のものと同等かそれ以上であった。つまり、ナノ結晶構造を含む鉄基粒子を用いることで、磁性部材の耐熱性が大きく低下する等の不都合は無かった。
・実施例1~3の樹脂組成物を成形して得られた磁性部材の平均線膨張係数αおよび平均線膨張係数αの値は、磁性部材の寸法精度などの点で特段の問題となるレベルではなかった。
10 巻線
20 磁性コア
30 外装部材
100 コイル
10B 巻線
20B 磁性コア
30B 外装部材
100B コイル
10C 巻線
20C 磁性コア
30C 外装部材
100C 一体型インダクタ

Claims (11)

  1. 金型に樹脂組成物の溶融物を注入する際の圧力が1~20MPaであるトランスファー成形用の樹脂組成物であって、
    樹脂と、磁性体粒子と、硬化剤とを含み、
    前記磁性体粒子が、ナノ結晶構造を含む鉄基粒子を含み、
    樹脂組成物の固形分全体に対する前記磁性体粒子の含有量が90質量%以上であり、
    前記磁性体粒子の、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いた測定により求められる、体積基準におけるメジアン径が0.5~75μmであり、
    前記樹脂が熱硬化性樹脂を含み、前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含み、
    前記硬化剤は、フェノール化合物を含む樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
    前記鉄基粒子中のFeの含有率が80~92質量%である樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物であって、
    前記ナノ結晶構造が、α-Fe結晶相を含む樹脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
    前記鉄基粒子が、銅を含む樹脂組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
    前記鉄基粒子が、ニオブおよび/またはホウ素を含む樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の樹脂組成物であって、
    前記鉄基粒子がニオブを含み、前記鉄基粒子中のニオブの含有率が2~10質量%である樹脂組成物。
  7. 請求項5または6に記載の樹脂組成物であって、
    前記鉄基粒子がホウ素を含み、前記鉄基粒子中のホウ素の含有率が1~4質量%である樹脂組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
    さらに、前記磁性体粒子として、前記ナノ結晶構造を含む鉄基粒子以外の粒子を含む樹脂組成物。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物により成形された磁性部材。
  10. 請求項に記載の磁性部材を、磁性コアまたは外装部材として備えるコイル。
  11. 請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂組成物を80~350℃に加熱して溶融物を得る溶融工程と、
    前記溶融物を金型に注入する注入工程と、
    前記金型に注入された前記溶融物を冷却する冷却工程と
    を含む、磁性部材の製造方法。
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