JP7166502B2 - 信号処理装置、信号処理方法、受信器及び光通信システム - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されている方法を従来の光通信システムに適用すれば、受信器が、複数の経路のチャネル品質を認識し、ビットエラーの低減に寄与できる可能性がある。しかし、光信号の中に含めることが可能な送信データのデータ量に上限がある場合に、特許文献1に開示されている方法を従来の光通信システムに適用すると、光信号の中にパイロット信号を含める分だけ、光信号の中に含めることが可能な送信データのデータ量が減少する。送信データのデータ量が減少することによって、送信対象の全ての送信データを光信号の中に含めることができなくなることがある。送信対象の全ての送信データを光信号の中に含めることができない場合、当該方法を従来の光通信システムに適用できないことがある。
図1は、実施の形態1に係る光通信システム1を示す構成図である。
図1に示す光通信システム1は、宇宙空間において、光信号を送受信するシステムである。しかし、これは一例に過ぎず、図1に示す光通信システム1は、例えば、地球上で、光信号を送受信するシステムであってもよい。
光通信システム1は、送信器2、M個の中継器3-1~3-M、M個の中継器4-1~4-M及び受信器5を備えている。Mは、2以上の整数である。以下、M個の中継器3-1~3-Mを区別しない場合、中継器3と表記することがある。また、M個の中継器4-1~4-Mを区別しない場合、中継器4と表記することがある。
送信器2から受信器5に至る、光信号が伝搬する経路が全部でM個あり、M個の経路のそれぞれに中継器3,4が配置されている。以下、M個の経路は、経路R1、R2、・・・、RMのように表記する。
図1に示す光通信システム1では、それぞれの経路Rmに2つ以上の中継器3,4が配置されている。しかし、これは一例に過ぎず、それぞれの経路Rmに1つの中継器のみが配置されていてもよい。また、それぞれの経路Rmに中継器が配置されておらず、送信器2から光信号が受信器5に直接送信されるものであってもよい。
なお、図1に示す光通信システム1では、光信号が伝搬する経路として、意図的にM個の経路を形成しており、M個の経路以外に、意図しない経路は、存在しないものとする。
中継器3-m(m=1,・・・,M)は、経路Rmに配置されている。
中継器3-mは、送信器2から送信された光信号を中継器4-mに転送する。
中継器4-mは、経路Rmに配置されている。
中継器4-mは、中継器3-mにより転送された光信号を受信器5に転送する。
受信器5は、中継器4-1~4-Mにより転送された光信号を受信する。
図2に示す送信器2は、入力端子11、誤り訂正符号付与部12、信号変調部13、電気光変換部14及び出力端子15を備えている。
入力端子11は、例えば、コネクタによって実現される。
入力端子11には、外部から、送信データが与えられる。
誤り訂正符号付与部12は、例えば、誤り訂正符号付与回路によって実現される。
誤り訂正符号付与部12は、送信データに誤り訂正符号を付与し、誤り訂正符号付与後の送信データを信号変調部13に出力する。
信号変調部13は、誤り訂正符号付与部12から出力された誤り訂正符号付与後の送信データを変調する。送信データの変調方式としては、BPSK(二値位相変調)、又は、QPSK(四値直交位相変調)等が用いられる。
信号変調部13は、変調後の送信データである変調信号を電気光変換部14に出力する。
電気光変換部14は、例えば、光変調器によって実現される。
電気光変換部14は、信号変調部13から出力された変調信号を光信号に変換し、光信号を出力端子15に出力する。
出力端子15は、例えば、コリメートレンズによって実現される。
電気光変換部14から出力された光信号は、出力端子15を介して、中継器3-1~3-Mのそれぞれに送信される。
図3に示す中継器3,4は、入力端子21、光電気変換部22、硬判定処理部23、信号変調部24、電気光変換部25及び出力端子26を備えている。
入力端子21は、例えば、コリメートレンズによって実現される。
入力端子21には、送信器2から送信された光信号、又は、中継器3により転送された光信号が与えられる。
光電気変換部22は、光信号を電気信号に変換し、電気信号を硬判定処理部23に出力する。
硬判定処理部23は、例えば、硬判定処理回路によって実現される。
硬判定処理部23は、光電気変換部22から出力された電気信号に対する硬判定処理を実施することによって、電気信号から送信データを復号する。
硬判定処理部23は、復号した送信データを信号変調部24に出力する。
信号変調部24は、硬判定処理部23から出力された送信データを変調する。送信データの変調方式としては、BPSK、又は、QPSK等が用いられる。
信号変調部24は、変調後の送信データである変調信号を電気光変換部25に出力する。
電気光変換部25は、例えば、光変調器によって実現される。
電気光変換部25は、信号変調部24から出力された変調信号を光信号に変換し、光信号を出力端子26に出力する。
出力端子26は、例えば、コリメートレンズによって実現される。
電気光変換部25から出力された光信号は、出力端子26を介して、中継器4-m、又は、受信器5に送信される。
図4に示す受信器5は、入力端子31-1~31-M、受信部32-1~32-M、信号処理装置35及び出力端子42を備えている。
入力端子31-m(m=1,・・・,M)は、例えば、コリメートレンズによって実現される。
入力端子31-mには、中継器4-mにより転送された光信号が与えられる。
受信部32-mは、経路Rmを伝搬してきた光信号を受信し、光信号の受信信号Smを信号処理装置35に出力する。
光電気変換部33-mは、例えば、ICRによって実現される。
光電気変換部33-mは、光信号を電気信号に変換し、電気信号を同期処理部34-mに出力する。
同期処理部34-mは、光電気変換部33-1~33-Mのそれぞれから出力された電気信号の同期を取るために、光電気変換部33-mから出力された電気信号に対する同期バッファ処理を実施する。
同期処理部34-mは、同期バッファ処理後の電気信号を、光信号の受信信号Smとして、信号処理装置35に出力する。
信号処理装置35は、信号対雑音比算出部36、振幅調整部38、信号合成部40及び誤り訂正部41を備えている。
信号処理装置35は、送信器2から送信された光信号がM個の経路を介して受信器5まで伝搬されたとき、受信器5により受信された光信号の受信信号を処理する装置である。
信号対雑音比算出部36は、SNR算出処理部37-1~37-Mを備えている。
信号対雑音比算出部36は、例えば、図5に示す信号対雑音比算出回路51によって実現される。
信号対雑音比算出部36は、経路R1~RMにおけるそれぞれの光信号の伝搬距離L1~LMと、送信器2から送信される光信号の強度Kと、当該光信号に対する雑音の強度N0とから、受信部32-1~32-Mによりそれぞれ受信された光信号の信号対雑音比であるSNR1~SNRMを算出する。
信号対雑音比算出部36は、SNR1~SNRMを振幅調整部38に出力する。
SNR算出処理部37-mは、経路Rmにおける光信号の伝搬距離Lmと、送信器2から送信される光信号の強度Kと、当該光信号に対する雑音の強度N0とから、受信部32-mにより受信された光信号のSNRmを算出する。
SNR算出処理部37-mは、SNRmを振幅調整処理部39-mに出力する。
振幅調整部38は、例えば、図5に示す振幅調整回路52によって実現される。
振幅調整部38は、信号対雑音比算出部36により算出されたSNR1~SNRMを用いて、受信部32-1~32-Mによりそれぞれ受信された光信号の受信信号S1~SMの振幅Amp1~AmpMを調整する。
振幅調整部38は、振幅調整後の受信信号S1’~SM’を信号合成部40に出力する。
振幅調整処理部39-mは、SNR算出処理部37-mにより算出されたSNRmを用いて、受信部32-mにより受信された光信号の受信信号Smの振幅Ampmを調整する。
振幅調整処理部39-mは、振幅調整後の受信信号Sm’を信号合成部40に出力する。
信号合成部40は、振幅調整部38による振幅調整後のM個の受信信号S1’~SM’を合成する。
信号合成部40は、M個の受信信号S1’~SM’の合成信号Cを誤り訂正部41に出力する。
誤り訂正部41は、信号合成部40から出力された合成信号Cに対する誤り訂正処理を実施する。
誤り訂正部41は、誤り訂正処理後の合成信号C’を出力端子42に出力する。
出力端子42は、例えば、コネクタによって実現される。
誤り訂正部41から出力された誤り訂正処理後の合成信号C’は、出力端子42を介して、外部に出力される。
信号対雑音比算出回路51、振幅調整回路52、信号合成回路53及び誤り訂正回路54のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
信号処理装置35が、ソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、信号対雑音比算出部36、振幅調整部38、信号合成部40及び誤り訂正部41におけるそれぞれの処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ61に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ62がメモリ61に格納されているプログラムを実行する。
例えば、地球と地球外天体との間の光通信では、太陽光の影響によって、長期間の通信遮断が発生することがある。そのため、地球と地球外天体との間で、直接通信を行えない期間では、中継器を介して、光通信を行う必要がある。つまり、送信器2が、中継器3,4が配置されている複数の経路R1~RMを介して、光信号を受信器5に送信する必要がある。
しかし、複数の経路R1~RMのチャネル品質が互いに異なる場合、複数の経路R1~RMのそれぞれを伝搬してきた光信号の受信信号を単に合成してしまうと、合成信号に含まれるビットエラーの数が増えてしまうことがある。
図1に示す光通信システム1では、合成信号に含まれるビットエラーの数の増加を抑えるため、複数の経路R1~RMのそれぞれを伝搬してきた光信号のSNR1~SNRMに基づいて、複数の経路R1~RMを伝搬してきた光信号の受信信号を合成する。
送信器2は、光信号を中継器3-1~3-Mのそれぞれに送信する。
以下、送信器2による光信号の送信動作を具体的に説明する。
誤り訂正符号付与部12は、送信データに誤り訂正符号を付与し、誤り訂正符号付与後の送信データを信号変調部13に出力する。送信データに誤り訂正符号を付与する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
信号変調部13は、変調後の送信データである変調信号を電気光変換部14に出力する。
電気光変換部14から出力された光信号は、出力端子15を介して、中継器3-1~3-Mのそれぞれに送信される。
中継器4-mは、中継器3-mにより転送された光信号を受信器5に転送する。
以下、中継器3-m,4-mによる光信号の転送動作を具体的に説明する。
ただし、中継器3-mによる光信号の転送動作と中継器4-mによる光信号の転送動作とは同じであるため、ここでは、中継器3-mによる光信号の転送動作を具体的に説明する。
光電気変換部22は、光信号を電気信号に変換し、電気信号を硬判定処理部23に出力する。
送信器2の信号変調部13による変調方式が例えばBPSKである場合、中継器3-mの入力端子21には、信号レベルが“0”の光信号、又は、信号レベルが“1”の光信号が与えられる。
しかし、送信器2から送信されたのち、中継器3-mの入力端子21に与えられるまでの間に、光信号にノイズが重畳される。光信号にノイズが重畳されることによって、中継器3-mの入力端子21には、信号レベルが、“0”、又は、“1”からずれている光信号が与えられる。例えば、信号レベルが“0”の光信号が、信号レベルが“0.1”の光信号として入力端子21に与えられ、信号レベルが“1”の光信号が、信号レベルが“0.8”の光信号として入力端子21に与えられることがある。
硬判定処理部23の内部メモリには、例えば、“0”と“1”との中間値である“0.5”の閾値Thが格納されている。
硬判定処理部23は、光電気変換部22から出力された電気信号に含まれている複数の送信データの信号レベルと閾値Thとをそれぞれ比較する。
硬判定処理部23は、送信データの信号レベルが閾値Th未満であれば、“0”の信号点を復元し、送信データの信号レベルが閾値Th以上であれば、“1”の信号点を復元する。
硬判定処理部23は、復元した信号点を復号後の送信データとして、信号変調部24に出力する。
信号変調部24は、変調後の送信データである変調信号を電気光変換部25に出力する。
電気光変換部25は、信号変調部24から変調信号を受けると、変調信号を光信号に変換し、光信号を出力端子26に出力する。
電気光変換部25から出力された光信号は、出力端子26を介して、中継器4-mに送信される。
これにより、中継器3-1,4-1が配置されている経路R1を伝搬してきた光信号が受信器5の入力端子31-1に与えられ、中継器3-2,4-2が配置されている経路R2を伝搬してきた光信号が受信器5の入力端子31-2に与えられる。また、中継器3-M,4-Mが配置されている経路RMを伝搬してきた光信号が受信器5の入力端子31-Mに与えられる。
即ち、光電気変換部33-mは、入力端子31-mに与えられた光信号を電気信号に変換し、電気信号を同期処理部34-mに出力する。
同期処理部34-mは、光電気変換部33-1~33-Mのそれぞれから出力された電気信号の同期を取るために、光電気変換部33-mから出力された電気信号に対する同期バッファ処理を実施する。
同期処理部34-mは、同期バッファ処理後の電気信号を受信信号Smとして、信号処理装置35に出力する。
電気信号に対する同期バッファ処理としては、例えば、以下の処理が考えられる。
同期処理部34-mは、同期バッファ処理を実施する前に、経路Rmの伝搬距離Lmを算出し、経路Rmの伝搬距離Lmから、経路Rmにおける光信号の伝搬時間Tmを算出する。
経路Rmの伝搬距離Lmの算出は、SNR算出処理部37-mにおける伝搬距離Lmの算出と同様であり、後述する。同期処理部34-mでは、経路Rmの伝搬距離Lmを算出せずに、同期処理部34-mから経路Rmの伝搬距離Lmを取得するようにしてもよい。
伝搬距離Lmから光信号の伝搬時間Tmを算出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
また、同期処理部34-mは、同期バッファ処理を実施する前に、伝搬時間T1~TMの中の最大の伝搬時間Tmaxを特定し、最大の伝搬時間Tmaxと伝搬時間Tmとの時間差ΔTmを算出する。同期処理部34-1~34-Mのうち、伝搬時間Tmが最大の伝搬時間Tmaxに係る同期処理部34-mは、時間差ΔTmとして、0を算出する。
同期処理部34-mは、光電気変換部33-mから電気信号を受けると、電気信号に対する同期バッファ処理として、当該電気信号を時間差ΔTmだけ保持してから、当該電気信号を振幅調整処理部39-mに出力する処理を行う。
図7は、実施の形態1に係る信号処理装置35の処理手順である信号処理方法を示すフローチャートである。
以下、信号処理装置35の処理内容を具体的に説明する。
図1に示す光通信システム1では、送信器2から送信される光信号の強度Kが一定であり、信号処理装置35において、光信号の強度Kが既値である。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、光信号の強度Kが時間の経過に伴って変化する場合、それぞれの時刻における光信号の強度Kが、SNR算出処理部37-mの内部メモリに格納されていてもよい。
光信号に対する雑音の強度N0は、宇宙空間において、一定値に近似できることが知られており、雑音の強度N0として、当該一定値がSNR算出処理部37-mの内部メモリに格納されている。
図1に示す光通信システム1が、例えば、地球上で光信号を送受信する場合、雑音の強度N0を一定値に近似することができない。この場合、例えば、図示せぬコンピュータが、コンピュータシミュレーションを実施することによって、経路Rmを伝搬する光信号に対する雑音の強度N0を演算し、強度N0の演算結果が、SNR算出処理部37-mの内部メモリに格納されるようにしてもよい。
図1に示す光通信システム1では、光信号の強度Kと雑音の強度N0とがSNR算出処理部37-mの内部メモリに格納されている。しかし、これは一例に過ぎず、光信号の強度Kと雑音の強度N0とが、受信器5の外部から与えられるものであってもよい。
図1に示す光通信システム1が、例えば、宇宙空間で使用される場合、3次元位置の座標系は、宇宙空間の座標系である。
図1に示す光通信システム1では、3次元位置を示す情報がSNR算出処理部37-mの内部メモリに格納されている。しかし、これは一例に過ぎず、3次元位置を示す情報が、受信器5の外部から与えられるものであってもよい。
即ち、SNR算出処理部37-mは、3次元位置を示す情報を用いて、送信器2と中継器3-mとの距離Lm,1、中継器3-mと中継器4-mとの距離Lm,2、中継器4-mと受信器5との距離Lm,3を算出する。3次元位置を示す情報を用いて、距離Lm,1、距離Lm,2及び距離Lm,3を算出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
SNR算出処理部37-mは、以下の式(1)に示すように、距離Lm,1、距離Lm,2及び距離Lm,3から、経路Rmの伝搬距離Lmを算出する。
Lm=Lm,1+Lm,2+Lm,3 (1)
SNR算出処理部37-mは、光信号のSNRmを振幅調整処理部39-mに出力する。
Ampm’=gm×Ampm (3)
式(3)において、Ampm’は、調整後の振幅であり、gmは、SNRmと正比例する係数である。
振幅調整処理部39-mは、振幅調整後の受信信号Sm’を信号合成部40に出力する。
信号合成部40は、以下の式(4)に示すように、M個の受信信号S1’~SM’を合成する(図7のステップST3)。
C=S1’+S2’+・・・+SM’ (4)
信号合成部40は、M個の受信信号S1’~SM’の合成信号Cを誤り訂正部41に出力する。
信号合成部40では、光信号のSNRに応じて振幅が調整されたM個の受信信号S1’~SM’を合成しており、SNRが大きい光信号の受信信号ほど、大きなウェイトで合成され、SNRが小さい光信号の受信信号ほど、小さなウェイトで合成されている。したがって、SNRが小さい光信号の受信信号の影響が軽減されるため、振幅調整が行われないで、M個の受信信号S1~SMが合成されるものよりも、合成信号Cに含まれるエラービットの数の増加が抑えられる。
誤り訂正部41は、誤り訂正処理後の合成信号C’を出力端子42に出力する。
誤り訂正部41から出力された誤り訂正処理後の合成信号C’は、出力端子42を介して、外部に出力される。
実施の形態2では、送信器2が、恒星71を周回する第1の衛星72を周回する第2の衛星74に配置され、受信器5が、恒星71を周回する第3の衛星76を周回する第4の衛星78に配置され、複数の中継器3,4が、恒星71と第1の衛星72とのラグランジュ点に配置されている光通信システム1について説明する。
図8に示す配置例では、光通信システム1が宇宙空間で使用される場合に、経路Rmを伝搬する光信号のSNRmが高まる。
図8において、71は、恒星である。
第1の衛星72は、恒星71を中心として、恒星71を周回する衛星である。
衛星軌道73は、第1の衛星72の衛星軌道である。
第2の衛星74は、第1の衛星72を中心として、第1の衛星72を周回する衛星である。
衛星軌道75は、第2の衛星74の衛星軌道である。
送信器2は、第2の衛星74に配置されている。
衛星軌道77は、第3の衛星76の衛星軌道である。
第4の衛星78は、第3の衛星76を中心として、第3の衛星76を周回する衛星である。
衛星軌道79は、第4の衛星78の衛星軌道である。
受信器5は、第4の衛星78に配置されている。
中継器3-1は、ラグランジュ点83に配置されている。
中継器4-1は、ラグランジュ点84に配置されている。
中継器3-2は、ラグランジュ点82に配置されている。
中継器4-2は、ラグランジュ点85に配置されている。
送信器2から、中継器3-1及び中継器4-1を介して、受信器5に至る経路は、R1である。
送信器2から、中継器3-2及び中継器4-2を介して、受信器5に至る経路は、R2である。
図8に示す配置例では、送信器2が第2の衛星74に配置され、受信器5が第4の衛星78に配置されている。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、送信器2が第4の衛星78に配置され、受信器5が第2の衛星74に配置されていてもよい。
したがって、ラグランジュ点83に配置されている中継器3-1、ラグランジュ点82に配置されている中継器3-2、ラグランジュ点84に配置されている中継器4-1及びラグランジュ点85に配置されている中継器4-2は、恒星71からの外乱光の影響をあまり受けることなく、光信号を転送することが可能である。
本開示は、受信器を備える光通信システムに適している。
Claims (7)
- 送信器から送信された光信号が複数の経路を介して受信器まで伝搬されたとき、前記受信器により受信された光信号の受信信号を処理する信号処理装置であって、
それぞれの経路における光信号の伝搬距離と、前記送信器から送信される光信号の強度と、前記送信器から送信される光信号に対する雑音の強度とから、それぞれの経路を伝搬してきた光信号の信号対雑音比を算出する信号対雑音比算出部と、
前記信号対雑音比算出部により算出されたそれぞれの信号対雑音比を用いて、それぞれの経路を伝搬してきた光信号の受信信号の振幅を調整する振幅調整部と、
前記振幅調整部による振幅調整後の複数の受信信号を合成する信号合成部と
を備えたことを特徴とする信号処理装置。 - 送信器から送信された光信号が複数の経路を介して受信器まで伝搬されたとき、前記受信器により受信された光信号の受信信号を処理する信号処理方法であって、
信号対雑音比算出部が、それぞれの経路における光信号の伝搬距離と、前記送信器から送信される光信号の強度と、前記送信器から送信される光信号に対する雑音の強度とから、それぞれの経路を伝搬してきた光信号の信号対雑音比を算出し、
振幅調整部が、前記信号対雑音比算出部により算出されたそれぞれの信号対雑音比を用いて、それぞれの経路を伝搬してきた光信号の受信信号の振幅を調整し、
信号合成部が、前記振幅調整部による振幅調整後の複数の受信信号を合成する
ことを特徴とする信号処理方法。 - 送信器から送信された光信号が伝搬される経路が複数あり、
それぞれの経路を伝搬してきた光信号を受信し、それぞれの光信号の受信信号を出力する複数の受信部と、
それぞれの経路における光信号の伝搬距離と、前記送信器から送信される光信号の強度と、前記送信器から送信される光信号に対する雑音の強度とから、それぞれの受信部により受信された光信号の信号対雑音比を算出する信号対雑音比算出部と、
前記信号対雑音比算出部により算出されたそれぞれの信号対雑音比を用いて、それぞれの受信部から出力された受信信号の振幅を調整する振幅調整部と、
前記振幅調整部による振幅調整後の複数の受信信号を合成する信号合成部と
を備えた受信器。 - 前記送信器から送信された光信号を転送する中継器が、それぞれの経路に配置されており、
それぞれの受信部は、それぞれの経路に配置されている中継器により転送された光信号を受信することを特徴とする請求項3記載の受信器。 - 光信号を複数の経路に送信する送信器と、
それぞれの経路に配置されており、それぞれの経路を伝搬してきた光信号を転送する複数の中継器と、
それぞれの中継器により転送された光信号を受信する受信器とを備え、
前記受信器は、請求項3又は請求項4記載の受信器であることを特徴とする光通信システム。 - それぞれの中継器は、それぞれの経路を伝搬してきた光信号を電気信号に変換し、前記電気信号から送信データを復号し、復号後の送信データを変調し、変調後の送信データである変調信号を光信号に変換し、当該光信号を転送することを特徴とする請求項5記載の光通信システム。
- 前記送信器が、恒星を周回する第1の衛星を周回する第2の衛星に配置され、
前記受信器が、前記恒星を周回する第3の衛星を周回する第4の衛星に配置され、
それぞれの中継器が、前記恒星と前記第1の衛星とのラグランジュ点に配置されていることを特徴とする請求項5記載の光通信システム。
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