JP7166129B2 - 車両用樹脂部材の製造方法および型装置 - Google Patents

車両用樹脂部材の製造方法および型装置 Download PDF

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Description

この発明は、多色成形による車両用樹脂部材の製造方法およびこれに用いることができる型装置に関するものである。
自動車等の車両には、内装を構成する車両内装部材や外装を構成する車両外装部材として樹脂部材が用いられており、このような車両用樹脂部材に模様を付して意匠性の向上が図られることがある。特に、乗員室内に配設される車両内装部材(インストルメントパネルやフロアコンソールなど)は、本革または該本革に似せて成形された樹脂シートからなる複数の表皮を糸で縫合した表皮材を基材の表面に配設することで、意匠面の質感向上を図ったものがある。しかし、表皮をミシン等により糸で縫合することは手間およびコストがかかることから、縫い目を成形により再現したステッチ模様を有する車両内装部材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の樹脂成形品は、凸形状の糸目部が設けられた縫い目部位の上に基材を形成する二色成形により得られ、基材から露出する糸目部によって縫い目が表現されている。また、特許文献1の樹脂成形品には、糸目部の裏側に肉盗み部が設けられ、表側に現れる糸目部の形状を肉盗み部によって安定させている。
特許第5878386号公報
成形型のキャビティにおいて糸目部に対応する部分が狭くなるので、前述した縫い目部位を成形するとき、糸目部の先端に合成樹脂が最後に充填されることになる。このため、キャビティにおける糸目部の先端に対応する部分にガス溜まりができることにより、糸目部の先端が欠けてしまうショートショットが起こるおそれがある。特に、糸目部が小さくなると、ショートショットが起こり易くなる。
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、見栄えのよい模様を形成し得る車両用樹脂部材の製造方法および型装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る車両用樹脂部材の製造方法は、
表側へ突出する凸状部に対応して裏側へ開口する凹状部が形成された第1樹脂部材と、前記凸状部の頂部分が露出するように該第1樹脂部材の表側に重ねて配置された第2樹脂部材とを備え、前記第2樹脂部材から表側へ露出する前記凸状部の頂部分によって模様を形成する車両用樹脂部材の製造方法であって、
前記凸状部の頂部分に対応して配置されると共に該頂部分よりも小さく設定されたガス抜き孔と、該ガス抜き孔に嵌め合わされたガス抜きピンとの間からガスを排出しつつ、共通型と第1型との間において、前記凸状部の頂部分に、その外縁部と該外縁部よりも表側へ膨らむ中央部との間に段部が形成されるように、前記第1樹脂部材を成形し、
前記共通型に保持された前記第1樹脂部材と第2型との間において、前記凸状部の頂部分が露出するように、前記第1樹脂部材の表側に前記第2樹脂部材を成形することを要旨とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る型装置は、
表側へ突出する凸状部に対応して裏側へ開口する凹状部が形成された第1樹脂部材と、前記凸状部の頂部分が露出するように該第1樹脂部材の表側に重ねて配置された第2樹脂部材とを備え、前記第2樹脂部材から表側へ露出する前記凸状部の頂部分によって模様を形成する車両用樹脂部材を成形する型装置であって、
前記第1樹脂部材の裏側を規定するように構成され、前記凹状部を規定する型凸部を有する共通型と、
前記第1樹脂部材の表側を規定するように構成され、前記凸状部を規定する型凹部を有する第1型と、
前記共通型に保持された前記第1樹脂部材に形成された前記凸状部の頂部分を被覆する型受け部を有し、前記第2樹脂部材の表側を規定する第2型と、を備え、
前記第1型は、
前記型凹部の底面の中央部に開口するように設けられ、該底面よりも小径に形成されたガス抜き孔と、
前記ガス抜き孔に嵌め合わせて配置され、前記凸状部の頂部分の中央部を規定するピン型面が、該ガス抜き孔の開口縁よりも該ガス抜き孔内へ凹むように形成されたガス抜きピンと、を有し、
前記ガス抜き孔と前記ガス抜きピンとの間を介して、前記共通型と前記第1型との間に画成されるキャビティからガスを排出可能に構成されていることを要旨とする。
本発明に係る車両用樹脂部材の製造方法によれば、凸状部における成形不良を防止し得ると共に凸状部からガス抜きした痕跡を判り難くすることができ、得られる車両用樹脂部材において凸状部の頂部分で構成される模様を見栄えよくすることができる。
本発明に係る型装置によれば、凸状部における成形不良を防止し得ると共に凸状部からガス抜きした痕跡を判り難くすることができ、得られる車両用樹脂部材において凸状部の頂部分で構成される模様を見栄えよくすることができる。
本発明の実施例に係るインストルメントパネルを示す概略斜視図である。 図1のA部拡大図である。 図2のB-B線断面図である。 図2のC-C線断面図である。 実施例の製造過程を示す説明図であり、基材の成形時である。 実施例の製造過程を示す説明図であり、表皮材の成形時である。 図5(c)のD部に対応する部位を拡大して示す説明図である。
次に、本発明に係る車両用樹脂部材の製造方法および型装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、車両用樹脂部材として、車両内装部材であるインストルメントパネル10を例示し、インストルメントパネル10において、意匠面となる面が向く側を表側といい、他の部材への取り付け面が向く側を裏側と指称する。例えば、インストルメントパネル10のような車両内装部材であれば、意匠面が向く乗員室側が表側となり、該車両内装部材が取り付けられる車体側が裏側となる。また、スポイラなどのような車両外装部材であれば、意匠面が向く外側が表側となり、該車両外装部材が取り付けられる車体側が裏側となる。
図3および図4に示すように、インストルメントパネル(車両内装部材)10は、複数の凸状部16が一体的に形成された基材(第1樹脂部材)12と、この基材12の表側に重ねて形成され、表面がインストルメントパネル10の意匠面をなす表皮材(第2樹脂部材)14とを備えた複層構造である。図1および図2に示すように、インストルメントパネル10には、表側へ突出するように基材12に形成された凸状部16の頂部分17が、基材12の表側を覆うように配置された表皮材14から露出し、インストルメントパネル10の表側に現れている。これによりインストルメントパネル10には、複数の凸状部16の組み合わせまたは凸状部16単体によって、車室側に現れる模様Pが形成されている。例えば、実施例では、複数の凸状部16の頂部分17によって、トンボのような模様Pが形成され、当該模様Pが複数並んでいる(図2参照)。
図3および図4に示すように、インストルメントパネル10は、第1の合成樹脂R1で形成された基材12と、第2の合成樹脂R2で形成された表皮材14とが板厚方向に重なっている。インストルメントパネル10は、溶融状態から硬化した第2の合成樹脂R2からなる表皮材14自身の接合力によって、基材12と表皮材14とが一体化されている。基材12および表皮材14をなす合成樹脂としては、種々のものを採用し得る。例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等の熱可塑性樹脂、オレフィン系エラストマー(TPO)等の熱可塑性エラストマー(TPE)など、基材12と表皮材14とで同じ素材にしたり、異なる素材を組み合わせたりすることができる。なお、実施例では、基材12がポリプロピレンで形成され、表皮材14がオレフィン系エラストマーで形成されている。インストルメントパネル10は、基材12と表皮材14との色が異なっており、模様Pが、周りを囲う表皮材14と異なる色になっている。なお、基材12および表皮材14の色は、基材12および表皮材14をなす樹脂自体を着色するのが、後で着色する手間を省くことができるので好ましいが、基材12および表皮材14を成形した後に着色してもよい。
基材12は、インストルメントパネル10の裏側全体を構成し、インストルメントパネル10の剛性を担う硬質な板状体である。図3および図4に示すように、基材12は、表側が表皮材14によって被覆される平板状のベース部12aと、ベース部12aよりも表側へ突出する凸状に形成された凸状部16とを備えている。また、基材12は、凸状部16に対応して設けられ、裏側へ開口する凹状に形成された凹状部20を備えている。凹状部20は、肉抜けや肉盗みなどと呼ばれるものであり、ベース部12aから突出する凸状部16を形成することで基材12において肉厚が増してしまう部分を薄くして、凸状部16の頂部分17においてヒケなどの成形不良の発生を防止している。なお、基材12は、ベース部12a、凸状部16および凹状部20等の各部位を型成形により一体的に形成したものであって、全体として同色になっている。
図3および図4に示すように、凸状部16は、ベース部12aに連なる根元から頂部分17へ向かうにつれて細くなり、更に頂部分17へ向かうにつれて根元側よりも細くなる度合いが小さくなるように形成されている。凸状部16における対向する外側面18,18は、根元側がベース部12aから頂部分17へ向かうにつれて相手側の外側面18に向けて傾斜した後に、表裏方向に沿う方向へ近づくように傾斜角度を変えるテーパ面となっている。凸状部16の頂部分17は、該頂部分17において該凸状部16の外側面18に連なる外縁部17aよりも中央部17bが表側へ膨らむように形成され、外縁部17aと中央部17bとの間に段部17cが形成されている。頂部分17の外縁部17aおよび中央部17bは、円弧状の曲面で構成されており、頂部分17は、段部17cで曲面が切り替わっている。頂部分17は、円形状や棒状などの適宜形状で形成することができ、直径1mm程度の円形や、幅が1mm程度の棒状など、サイズを非常に小さく形成し、この小さなサイズの頂部分17をインストルメントパネル10の表側に露出させることが可能である。なお、凸状部16の頂部分17における段部17cは、すべての凸状部16に設ける必要はなく、頂部分17のサイズが小さいものに設ければよく、頂部分17のサイズが大きいものは省略可能である。実施例では、トンボを模した模様Pにおいて、該トンボの頭部になる凸状部16の頂部分17が、前述した外縁部17a、中央部17bおよび段部17cからなる形状になっており、トンボの胴体および羽部分になる凸状部16の頂部分17は、段部17cがない円弧形状になっている。
図3および図4に示すように、凹状部20は、各凸状部16の形成位置に対応して設けられ、基材12の裏側に開口する有底の凹状で、凸状部16の頂部分17を貫通しないように形成されている。また、凹状部20は、基材12の裏面からベース部12aを越えて凸状部16へ達する深さで形成されている。従って、凹状部20は、ベース部12aにおける表皮材14に覆われる表面を越えて、ベース部12aから表側へ突出する凸状部16の内側まで凹んでいる。凹状部20は、表側から裏側へ向かうにつれて広く開口するよう形成されている。より具体的には、凹状部20は、凸状部16の内側に延びる内側面20aが、表側から裏側に向かうにつれて広がるように傾斜するテーパになっている。また、凹状部20は、ベース部12aの内側に延びる内側面20aが、凸状部16の内側に延びる内側面20aよりも表裏方向に対して急な角度で傾斜している。凹状部20を画成して対向する内側面20aは、表側から裏側へ向かうにつれて互いに離間するように傾斜する形状を基本として、ベース部12aに対応する部位でテーパがきつくなるように切り替わる。
図3および図4に示すように、凸状部16における頂部分17の段部17cは、凹状部20の底面20bの周縁よりも外側に設けられている。また、凸状部16における頂部分17の外縁部17aは、凸状部16における表裏方向に延在する外側面18と、該外側面18に対向して凹状部20における表裏方向に延在する内側面20aとの間の厚みよりも幅が狭く形成されている。
図2~図4に示すように、表皮材14の表面は、該表皮材14から表側に露出する凸状部16の周辺部位に、該凸状部16に向かうにつれて凹む陥凹部22が形成されている。表皮材14おいて、隣り合う凸状部16に対応した陥凹部22が互いに繋がって、隣り合う凸状部16,16の間、および凸状部16の両側が凹む溝状に形成されている。なお、表皮材14の表面には、必要に応じてシボ加工などのパターンが形成される。
次に、前述したインストルメントパネル10を成形するための型装置30について説明する。実施例では、インストルメントパネル10が、基材12の裏側を規定する共通型32を共用する二色成形によって製造される。図5に示すように、実施例に係る型装置30は、第1位置と第2位置との間で移動可能に設けられた共通型32と、第1位置にある共通型32に相対するように配置され、該共通型32に対して相対的に進退移動する第1型34とを備えている。第1型34には、基材12になる第1の合成樹脂R1を供給するピンゲート(図示せず)が、例えば基材12のベース部12aに対応する部位に設けられ、型閉め時に共通型32と第1型34との間に画成される第1キャビティ35に当該ピンゲートから溶融した第1の合成樹脂R1が注入される。図6に示すように、型装置30は、第2位置にある共通型32に相対するように配置され、該共通型32に対して相対的に進退移動する第2型36を備えている。第2型36には、表皮材14になる第2の合成樹脂R2を供給するピンゲート(図示せず)が適宜部位に設けられ、型閉め時に共通型32と第2型36との間に画成される第2キャビティ37に当該ピンゲートから溶融した第2の合成樹脂R2が注入される。なお、実施例では、第1型34および第2型36が固定されて、共通型32が第1位置と第2位置との間で移動すると共に、相対する第1型34または第2型36に対して型閉めまたは型開きするように移動する。
図5に示すように、基材12の裏側を規定する共通型32は、基材12の裏側に設けられる凹状部20を規定する型凸部38を有し、型凸部38が基材12のベース部12aの裏面を規定する型面より突出している。また、基材12の表側を規定する第1型34は、基材12の表側に設けられる凸状部16を規定する型凹部40を有し、型凹部40が基材12のベース部12aの表面を規定する型面より凹んでいる。図6に示すように、表皮材14の表側を規定する第2型36は、表皮材16から表側に露出する凸状部16の頂部分17を被覆する型受け部42を有している。
図5に示すように、第1型34は、型凹部40の底面よりも小径に形成されたガス抜き孔44を有している。ガス抜き孔44は、型凹部40の底面の中央部に開口するように設けられている。また、第1型34は、ガス抜き孔44に嵌め合わせて配置されたガス抜きピン46を有している。ガス抜きピン46は、凸状部16の頂部分17の中央部を規定するピン型面46aが、ガス抜き孔44の開口縁よりも該ガス抜き孔44内へ凹むように形成されている(図7参照)。第1型34は、ガス抜き孔44とガス抜きピン46との間を介して、共通型32と第1型34との間に画成される第1キャビティ35から該第1キャビティ35の空気を含むガスを排出可能に構成されている。ガス抜き孔44は、共通型32において凹状部20の底面20bを規定する型凸部38の先端よりも大きく形成されている。また、第1型34における型凹部40の底面においてガス抜き孔44よりも外側部分の幅が、共通型32における型凹部40の側面と第1型34における型凸部38の側面との間隔よりも小さく設定されている。
次に、前述した型装置30を用いたインストルメントパネル10の製造方法について説明する。共通型32と第1型34とを型閉めすることで(図5(a)参照)、共通型32と第1型34との間に基材12に合わせた第1キャビティ35が画成される(図5(b)参照)。第1キャビティ35に、図示しないピンゲートから圧力をかけつつ第1の合成樹脂R1を注入するインジェクション成形を行う(図5(c)参照)。このとき、凸状部16の頂部分17に対応して配置されると共に該頂部分17よりも小さく設定されたガス抜き孔44と、ガス抜き孔44に嵌め合わされたガス抜きピン46との間からガスを排出しつつ(図7参照)、第1キャビティ35において、凸状部16の頂部分17を、その外縁部17aと外縁部17aよりも膨らむ中央部17bとの間に段部17cが形成されるように、基材12を成形する。これにより、基材12の裏側が共通型32の型面で規定される一方、基材12の表側が第1型34の型面で規定され、凸状部16が表側に形成されると共に凹状部20が裏側に形成された基材12が得られる(図5(d)参照)。基材12において、凸状部16における頂部分17の段部17cは、凹状部20における底面20bの周縁よりも外側に形成する。また、凸状部16における頂部分17の外縁部17aを、該凸状部16における表裏方向に延在する外側面18と、凹状部20における表裏方向に延在する内側面20aとの間の厚みよりも幅を狭く形成する。
前記共通型32において型凸部38を凹状部20に嵌め合わせて保持した状態で、共通型32に基材12が残った状態になるように第1型34を外す(図5(d)参照)。共通型32を移動して第2型36に対向配置し(図6(a)参照)、共通型32と第2型36とを型閉めすることで、共通型32に保持された基材12と第2型36との間に表皮材14に合わせた第2キャビティ37が画成される(図6(b)参照)。共通型32と第2型36とを型閉めすることで、第2型36に凸状部16の頂部分17に合わせて設けられた型受け部42によって、該頂部分17がシールされる。そして、凸状部16の頂部分17を型受け部42でシールした状態で、第2キャビティ37に第2の合成樹脂R2を、図示しないピンゲートから圧力を加えつつ注入し、表皮材14をインジェクション成形する(図6(c)参照)。第2の合成樹脂R2を第2キャビティ37内で硬化させることで、共通型32に保持された基材12と第2型36との間において、凸状部16の頂部分17が露出するように、表皮材14が成形される(図6(d)参照)。このように、二色成形により、意匠面に凸状部16の頂部分17が露出すると共に、凸状部16に合わせて凹状部20が形成されたインストルメントパネル10が得られる。
前述したように基材12を成形する際に、凸状部16の頂部分17に対応して設けられたガス抜き孔44から、第1キャビティ35内の空気を含むガスを排出し得るので、ガスによって頂部分17が欠けてしまうショートショットの発生を防止することができる。基材12は、凸状部16に合わせて形成する凹状部20によって、第1キャビティ35において凸状部16に対応する部分が狭くなる。このため、凸状部16におけるベース部12aに連なる根元から頂部分17に向けて第1の合成樹脂R1が流動するので、頂部分17にガスが集中し易いが、頂部分17に対応して配置されたガス抜き孔44からガスを適切に排出し得る。特に、凸状部16の頂部分17のサイズが小さくなるほど、前記問題が顕著になるので、本開示のように頂部分17に対応してガス抜きを行うと効果的である。
前述したように、頂部分17に対応して配置されたガス抜き孔44からガス抜きしつつ基材12を成形すると、頂部分17にガス抜き孔44に由来する痕跡が残ることがあり、インストルメントパネル10の表側に現れる頂部分17において当該痕跡が目立つことは好ましくない。第1型34は、頂部分17を規定する型凹部40の底面よりもガス抜き孔44が小径であると共に、ガス抜き孔44に嵌め合わせて配置されたガス抜きピン46における第1キャビティ35に臨むピン型面46aが、ガス抜き孔44の開口縁よりもガス抜き孔44の内側へ凹むように形成されている。これにより、型凹部40およびピン型面46aで成形される凸状部16の頂部分17は、第1キャビティ35を広げるように凹むピン型面46aによって中央部17bが、型凹部40の底面におけるガス抜き孔44の外側部分で成形される外縁部17aよりも表側へ膨らむように成形される。そして、頂部分17には、ガス抜き孔44の開口縁に対応して、外縁部17aと該外縁部17aよりも表側へ膨らむ中央部17bとの間に段部17cが形成される。このように頂部分17を形成することで、ガス抜き孔44に由来する痕跡を、凹んだ段部17cとしてコントロールすることができ、頂部分17において目立たなくすることができる。従って、前述した型装置30および製造方法によれば、凸状部16における成形不良を防止し得ると共に凸状部16からガス抜きした痕跡を判り難くすることができ、得られるインストルメントパネル10において凸状部16の頂部分17で構成される模様Pを見栄えよくすることができる。
第1型34においてガス抜き孔44は、基材12における凹状部20の底面20bを規定する型凸部38の先端よりも大きく形成されている。このため、得られる基材12は、段部17cが凹状部20における底面20bの周縁よりも外側に形成されることになる。これにより、段部17cを形成することによって、第1キャビティ35において凸状部16に対応する部分が狭くなることを抑えることができ、第1の合成樹脂R1の流動を阻害することを防止できる。よって、見栄えのよい頂部分17を得ることができる。
第1型34は、型凹部40の底面においてガス抜き孔44よりも外側部分の幅が、型凹部40の側面と型凸部38の側面との間隔よりも小さく設定されている。このため、凸状部16おける頂部分17の外縁部17aを、凸状部16における表裏方向に延在する外側面18と、凹状部20における表裏方向に延在する内側面20aとの間の厚みよりも幅を狭く形成することができる。これにより、段部17cを形成することによって、第1キャビティ35において凸状部16に対応する部分が狭くなることを抑えることができ、第1の合成樹脂R1の流動を阻害することを防止できる。よって、見栄えのよい頂部分17を得ることができる。
(変更例)
前述した実施例に限らず、例えば以下のようにも変更可能である。
(1)車両内装部材としては、インストルメントパネルに限らず、例えば、グローブボックス、ドアトリム、コンソールボックスその他の車両内装部材に、本開示を適用可能である。車両外装部材としては、例えば、リアスポイラ、フロントスポイラ、リアウィング等その他の車体の外側に取り付けられる部材に、本開示を適用可能である。
(2)車両用樹脂部材は、実施例のように全体が基材と表皮材とからなる積層構造で構成されるものに限らず、一部が複層構造で構成されるものであってもよい。例えば、模様を設ける部分に対応した車両用樹脂部材全体よりも小さいサイズの第1樹脂部材と、車両用樹脂部材全体のサイズに合わせた第2樹脂部材との複層構造とし、第2樹脂部材が車両用樹脂部材の剛性を担保する基材および意匠面をなす表皮材の両方の機能を有していてもよい。
(3)模様は、実施例に限らず、例えば、凸状部の頂部分によって糸目を表現した疑似的なステッチ模様であってもよい。この場合、ステッチ模様は、シングルステッチに限らず、ダブルステッチやその他を模したものであってもよい。
10 インストルメントパネル(車両用樹脂部材),12 基材(第1樹脂部材),
14 表皮材(第2樹脂部材),16 凸状部,17 頂部分,17a 外縁部,
17b 中央部,17c 段部,18 外側面,20 凹状部,20a 内側面,
20b 底面,30 型装置,32 共通型,34 第1型,36 第2型,
38 型凸部,40 型凹部,44 ガス抜き孔,46 ガス抜きピン,
46a ピン型面

Claims (6)

  1. 表側へ突出する凸状部に対応して裏側へ開口する凹状部が形成された第1樹脂部材と、前記凸状部の頂部分が露出するように該第1樹脂部材の表側に重ねて配置された第2樹脂部材とを備え、前記第2樹脂部材から表側へ露出する前記凸状部の頂部分によって模様を形成する車両用樹脂部材の製造方法であって、
    前記凸状部の頂部分に対応して配置されると共に該頂部分よりも小さく設定されたガス抜き孔と、該ガス抜き孔に嵌め合わされたガス抜きピンとの間からガスを排出しつつ、共通型と第1型との間において、前記凸状部の頂部分に、その外縁部と該外縁部よりも表側へ膨らむ中央部との間に段部が形成されるように、前記第1樹脂部材を成形し、
    前記共通型に保持された前記第1樹脂部材と第2型との間において、前記凸状部の頂部分が露出するように、前記第1樹脂部材の表側に前記第2樹脂部材を成形する
    ことを特徴とする車両用樹脂部材の製造方法。
  2. 前記段部を、前記凹状部における底面の周縁よりも外側に形成する請求項1記載の車両用樹脂部材の製造方法。
  3. 前記凸状部における頂部分の外縁部を、前記凸状部における表裏方向に延在する外側面と、前記凹状部における表裏方向に延在する内側面との間の厚みよりも幅を狭く形成する請求項1または2記載の車両用樹脂部材の製造方法。
  4. 表側へ突出する凸状部に対応して裏側へ開口する凹状部が形成された第1樹脂部材と、前記凸状部の頂部分が露出するように該第1樹脂部材の表側に重ねて配置された第2樹脂部材とを備え、前記第2樹脂部材から表側へ露出する前記凸状部の頂部分によって模様を形成する車両用樹脂部材を成形する型装置であって、
    前記第1樹脂部材の裏側を規定するように構成され、前記凹状部を規定する型凸部を有する共通型と、
    前記第1樹脂部材の表側を規定するように構成され、前記凸状部を規定する型凹部を有する第1型と、
    前記共通型に保持された前記第1樹脂部材に形成された前記凸状部の頂部分を被覆する型受け部を有し、前記第2樹脂部材の表側を規定する第2型と、を備え、
    前記第1型は、
    前記型凹部の底面の中央部に開口するように設けられ、該底面よりも小径に形成されたガス抜き孔と、
    前記ガス抜き孔に嵌め合わせて配置され、前記凸状部の頂部分の中央部を規定するピン型面が、該ガス抜き孔の開口縁よりも該ガス抜き孔内へ凹むように形成されたガス抜きピンと、を有し、
    前記ガス抜き孔と前記ガス抜きピンとの間を介して、前記共通型と前記第1型との間に画成されるキャビティからガスを排出可能に構成されている
    ことを特徴とする型装置。
  5. 前記ガス抜き孔は、前記凹状部の底面を規定する前記型凸部の先端よりも大きく形成されている請求項4記載の型装置。
  6. 前記型凹部の底面において前記ガス抜き孔よりも外側部分の幅が、前記型凹部の側面と前記型凸部の側面との間隔よりも小さく設定されている請求項4または5記載の型装置。
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