JP7165434B2 - 給湯方法、給湯システム、給湯プログラム及びコージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
このような給湯システムにおいて、給湯などに必要な熱量に蓄熱量が不足する場合には、補助加熱を行っている。この補助熱源には、たとえばバーナによるガス燃焼熱を利用することで、要求温度での給湯を可能にしている。
このような給湯システムに関し、太陽熱温水器の下流に補助熱源器が配置されるものが知られている(特許文献1)。補助熱源の効率的な利用について、給湯時に補助熱源を作動させ、貯湯タンクに温水を満蓄状態で保持することに比較して大気への放熱や、燃料消費の低減を図ることが知られている(たとえば、特許文献2)。
この場合、給湯システムでは、たとえば給湯要求を受けると、湯の流れ方向に沿って蓄熱給湯装置よりも下流側に残っている湯や水が補助熱源側に流れ込むことになる。これらの残っている湯や水は、今回の給湯要求によって加熱処理されていないことから、設定温度よりも低温の状態である。
しかしながら、給湯システムでは、全体で給湯要求に対する設定温度管理が行われることで、独立した補助熱源側が入水温度に基づいて補助加熱処理を開始してしまうが、残留した水や湯は少量であるため、直ぐに加熱処理された湯HWが流入してくる。そのため、補助熱源では、加熱処理を開始しても直ぐに加熱処理を終了させることになり無駄な動作を行うことになる。
特許文献1、2に開示された構成では斯かる課題の開示や示唆はなく、斯かる課題を解決することができない。
この給湯システム2は、第1の給湯ユニット4-1や第2の給湯ユニット4-2を備えている。第1の給湯ユニット4-1は、たとえば熱源8から回収した熱を蓄熱するとともに、この蓄熱を利用して湯を加熱して給湯する給湯機能を備える。第2の給湯ユニットは、第1の給湯ユニット4-1から出湯した湯を取り込んで、設定温度になるように加熱処理などを実行する補助熱源の一例である。この第1の給湯ユニット4-1と第2の給湯ユニット4-2は、接続管路5で接続されている。この接続管路5は、一端が第1の給湯ユニットの出湯部に接続され、他端側が第2の給湯ユニット4-2の給水部側に接続される。接続管路5は、第1の給湯ユニット4-1と第2の給湯ユニット4-2の配置間隔に応じた直管でもよく、または給湯システム2の配置位置にある図示しない建物などの障害物を回避するように形状や配置長さなどが設定されればよい。この接続管路5には、たとえば給湯システム2が給湯を停止しているときに、その一部または全部に所定量の残留水RWが滞留する。
第1の給湯ユニット4-1は、たとえば外部の熱源8から熱を回収して溜める蓄熱タンク6を備えている。また、蓄熱タンク6内の蓄熱を利用して湯を沸かす熱交換部10-1や水の給水温度や蓄熱タンク6内の蓄熱状態を監視する温度検出部12-1、給水Wの入水やその流量を検出する流量センサ13-1を備えている。
蓄熱タンク6は、たとえば熱源8との間に循環管路が形成され、その内部に熱源8から発せられる熱を回収する熱媒を溜めている。熱源8は、たとえばエンジン発電機や燃料電池、太陽熱を回収するソーラシステムなどの発熱装置である。熱媒は、たとえば水や不凍液、その他液体またはそれに近い状態の媒体である。蓄熱処理では、たとえば蓄熱タンク6から熱源8の排熱よりも低温の熱媒を管路内に流すと、熱媒が発熱部分と熱交換して加熱される。熱源8は、熱媒との熱交換によって吸熱され、冷却される。熱交換した熱媒は、蓄熱タンク6の上部側からタンク内に蓄熱される。
さらに蓄熱タンク6は、たとえば後述するように、熱交換部10-1との間に循環管路が形成され、蓄熱タンク6内の高温の熱媒を熱交換部10-1内に通過させる。このとき熱交換部10-1には、たとえば給湯要求に従って低温の給水Wが取込まれ、この給水Wを高温の熱媒と熱交換させることで給水Wを加熱して湯HWを生成する。給水Wとの熱交換によって冷却された熱媒は、再び熱源8側に送られて蓄熱する。
第1の給湯ユニット4-1には、熱源8に対する熱回収処理や蓄熱タンク6内の蓄熱状態監視処理、また監視結果から蓄熱状態情報を生成する処理、蓄熱を利用して所定温度で給湯する給湯処理などを制御する制御部14-1を備えている。この制御部14-1には、たとえば記憶部16-1を備えている。この記憶部16-1は、給湯要求で設定された設定温度情報や蓄熱タンク6内の蓄熱状態情報などを記憶する手段の一例である。そのほか、制御部14-1は、生成した蓄熱状態情報を第2の給湯ユニット4-2側に通知する。
第2の給湯ユニット4-2は、たとえば接続管路5を通じて供給された湯を加熱するバックアップ熱源機18、第2の給湯ユニット4-2を制御する制御部14-2、供給された湯や第2の給湯ユニット4-2から出湯する湯の温度を検出する温度検出部12-2を備える。すなわち、第2の給湯ユニット4-2は、給水加熱する給湯機を用いればよい。
バックアップ熱源機18は、たとえば燃焼部20や熱交換部10-2を備える。
燃焼部20は、たとえばバーナなどの燃料ガスを燃焼して燃焼排気を生成する補助熱源の一例である。熱交換部10-2は、液体同士の熱交換または液気体間の熱交換を行う機能部の一例であり、供給された湯HWを燃焼部20の燃焼排気と熱交換させるものでもよく、または燃焼部20で発生した燃焼排気と熱交換した熱媒を介して、湯HWを加熱する構成であってもよい。
さらに、第2の給湯ユニット4-2には、接続管路5を通じて流入する残留水RWや湯HWの流れやその流量を検出する流量センサ13-2を備えてもよい。
制御部14-2は、たとえば記憶部16-2を備えており、給湯要求により指示された設定温度情報を記憶するとともに、補助加熱処理の実行判断に利用するしきい値情報が記憶される。しきい値情報は、第2の給湯ユニット4-2に流入する水または湯が残留水RWかまたは第1の給湯ユニット4-1で加熱処理された湯HWかを判断する情報の一例であり、たとえば温度情報などが含まれる。また制御部14-2は、制御部14-1から蓄熱状態情報を取得する。
制御部14-2は、温度検出部12-2で検出した湯の検出温度や蓄熱タンク6の蓄熱状態情報、しきい値情報を利用して、バックアップ熱源機18による補助加熱処理を実行する。
第1の給湯ユニット4-1の制御部14-1と第2の給湯ユニット4-2の制御部14-2は、それぞれ以下の制御を行う。
(1) 第1の給湯ユニット4-1は、給湯要求を契機に蓄熱タンク6内の蓄熱状態情報を生成し、第2の給湯ユニット4-2に通知する。
(2) そして、制御部14-1は、蓄熱が足りる場合には設定温度になるように、図示しないポンプや開閉弁の開度を調整し、蓄熱タンク6の高温の熱媒と給水Wを熱交換させて湯HWを生成する。また蓄熱が足りない場合、制御部14-1は、可能な限り設定温度に近い温度に成るように水Wを加熱させて第2の給湯ユニット4-2側に送り出す。
(1) 給湯要求に対し、第1の給湯ユニット4-1での蓄熱が足りない場合には、給湯要求時に設定された設定温度、または制御部14-2に設定された給湯温度になるように、バックアップ熱源機18を燃焼させて第1の給湯ユニット4-1からの湯HWの補助加熱を行う。
(2) 給湯要求に対し、第1の給湯ユニット4-1の蓄熱が足りる場合、第1の給湯ユニット4-1で加熱処理された湯HWが流入するまで補助加熱をせず、流入した残留水RWまたは湯HWをそのままの温度状態で給湯負荷側に流す。すなわち、制御部14-2からの指示によりバックアップ熱源機18を停止状態に維持させる。加熱処理された湯HWの流入判断として、温度検出部12-2で検出した温度情報を利用し、検出温度が設定温度Tに対して所定のしきい値Kの範囲(T-K)以上であればバックアップ熱源機18の停止状態を解除すればよい。このしきい値Kは、たとえば接続管路5の配管長さや材質、設置環境の条件などに基づいて設定されればよく、接続管路5を通すことによって低下する可能性がある温度に設定されればよい。すなわち、第1の給湯ユニット4-1で加熱処理された湯HWは、接続管路5を通過しても、しきい値Kの範囲(T-K)以上となるように設定される。
(3) バックアップ熱源機18の停止状態が解除されると、湯HWの温度が設定温度Tに対して所定のしきい値Kの範囲(T-K)に達するか否かを判断する。しきい値Kの範囲(T-K)に達しない場合、第2の給湯ユニット4-2は、給湯要求が停止されるまで、給湯要求の設定温度Tまたは記憶された給湯温度情報に基づき、バックアップ熱源機18を燃焼させて補助加熱する。そして、給湯要求が停止すると、制御部14-2は、再びバックアップ熱源機18を停止状態にすればよい。
図2は、給湯方法または給湯システムによる給湯処理の一例を示している。図2に示す処理内容、処理手順は一例であり、本発明が斯かる内容に限定されない。図2において、処理L1は第1の給湯ユニット4-1が行う処理であり、処理L2が第2の給湯ユニット4-2が行う処理を示している。
この給湯処理は、本開示の給湯プログラムの一例である。第1の給湯ユニット4-1では、給湯要求を受けると(ステップS1)、給湯処理の開始処理として、蓄熱タンク6内の蓄熱状態情報を取得し、第2の給湯ユニット4-2側に発信する(ステップS2)。なお、蓄熱状態情報の取得は、たとえば給湯要求を受けて給湯を開始するときや、蓄熱タンク6内の熱媒の温度状態に変化があったとき等を契機に行えばよい。
このコージェネレーションシステム30は、本開示の給湯システム、コージェネレーションシステムの一例であり、たとえば給湯システム32として第1の給湯ユニットの一例である蓄熱給湯装置34-1、第2の給湯ユニットの一例である補助加熱装置34-2を備える。またコージェネレーションシステム30には、たとえば熱源として、燃料電池ユニット36を備える。
給湯路38-7には、たとえば熱交換器42-2よりも上流側で分岐され、混合弁46-4を介して熱交換器42-2よりも下流側に接続されたバイパス路38-8が設置されている。このとき給湯路38-7に流れる湯HWの温度が設定温度Tであれば補助加熱装置34-2による補助加熱処理は不要であり、その温度を維持させて補助加熱装置34-2から出湯させればよい。そのほか、給湯路38-7には、補助加熱装置34-2に流入する湯HWの流量を検出する流量センサ50-2を備えている。補助加熱処理では、検出流量をバーナ43の燃焼制御や循環ポンプ44-2の動作制御に利用すればよい。
燃料電池ユニット36は、蓄熱給湯装置34-1の排熱源の一例であり、この熱源として燃料電池48を備えている。燃料電池ユニット36には、熱交換器42-4が設置され、排気路38-10を通じて燃料電池48の排気HM3が流れる。また熱交換器42-4には、熱媒循環路38-1が設置されている。循環ポンプ44-3を動作させることで、熱媒HM1は、熱交換器42-4に対して循環し、排気路38-10に流れる高温の排気HM3の排熱によって加熱される。熱媒循環路38-1内の熱媒HM1は、熱交換器42-4の入側温度T10が温度センサ40-10により温度検出され、出側温度T11が温度センサ40-11により温度検出される。
図4は、蓄熱タンク内の状態例を示している。蓄熱タンク6の上層にある温度センサ40-1の設置位置は、たとえば補助加熱を行う熱媒HM2の加熱能力や加熱速度に応じて設定してもよい。温度センサ40-1の位置は少なくとも、熱媒HM1の熱量が給湯に使用される前にバーナ43の立ち上げを完了する時間を確保可能な容積レベルの位置で熱媒HM1の温度を検出する位置であればよい。たとえば、規制流量24〔リットル/min〕を10〔秒〕で加熱可能である場合は、熱媒量が4〔リットル〕以上に相当する容積レベルの位置に設定し、その位置の熱媒温度を検出する。図中、破線Xは上層側の熱媒HM1と、下層側の低温の熱媒LHM1の分水嶺の仮想線を示している。
図5は、コージェネレーションシステム30の制御部の一例を示している。この制御部62には通信機能を備えるコンピュータで構成される蓄熱給湯装置制御部60-1、補助加熱装置制御部60-2、燃料電池ユニット制御部60-3およびリモコン制御部60-4が含まれる。
蓄熱給湯装置制御部60-1は、蓄熱給湯装置34-1の制御手段であり、プロセッサ66-1、メモリ部68-1、システム通信部70-1、入出力部(I/O)72-1を備え、蓄熱給湯装置34-1の給湯制御を行う。プロセッサ66-1は、メモリ部68-1にあるOS(Operating System)や給湯プログラムを実行し、システム通信部70-1を介して補助加熱装置制御部60-2、燃料電池ユニット制御部60-3およびリモコン制御部60-4と連携し、給湯制御に必要な情報処理を実行する。メモリ部68-1にはROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)が含まれる。このメモリ部68-1にはデータを格納するハードディスク装置や不揮発性メモリなどの記憶素子が用いられる。RAMは情報処理のワークエリアを構成する。システム通信部70-1は、補助加熱装置制御部60-2、燃料電池ユニット制御部60-3、リモコン制御部60-4側のシステム通信部と有線または無線で通信を行い、制御に必要な情報の送受を行う。I/O72-1には蓄熱給湯装置34-1にある温度センサ40-1などの各種温度センサ、流量センサ50-1から検出信号を受け、混合弁46-1や循環ポンプ44-1の制御信号を出力する。
図6は、コージェネレーションシステム30を構成する各装置の連係制御の概要を示している。図6に示す処理内容は、本開示の給湯システムの給湯プログラム、コージェネレーションシステムの制御方法の一例である。
この処理手順について、リモコン装置64では、起動時にイニシャライズを実行し(S21)、入力受付処理(S22)、表示出力処理(S23)を実行する。入力受付処理ではユーザーにより初期設定が行われる。この初期設定には、たとえば蓄熱給湯装置34-1、補助加熱装置34-2に給湯の設定温度Tの入力が行われ、燃料電池ユニット36に対する運転のON/OFFの切替えが含まれる。表示出力処理ではリモコン装置64の表示部に入力情報や出力情報が提示される。
図7は、燃料電池ユニット36の熱回収処理の処理手順を示している。
燃料電池ユニット36では、運転がONであるかを判定し(S321)、運転ONであれば(S321のYES)、燃料電池48を駆動する(S322)。燃料電池48の駆動では、熱回収後の熱媒HM1の温度を検出する温度センサ40-11の検出温度T11が一定温度として、たとえば75〔℃〕になるように循環ポンプ44-3の回転を制御する(S323)。
運転ONでなければ(S321のNO)、燃料電池48の駆動を停止する、または停止状態を維持させる(S324)。燃料電池48の駆動停止では循環ポンプ44-3の回転を停止させる(S325)。
図8は、蓄熱給湯装置34-1の蓄熱給湯処理(S42)の一例を示している。
蓄熱給湯装置制御部60-1は、蓄熱タンク6内の検出温度状態などから蓄熱タンク6に蓄熱ありか否かを判断し(ステップS421)、蓄熱があれば(ステップS421のYES)、少なくとも補助加熱装置34-2に対して『蓄熱あり』の蓄熱状態情報を送信する(ステップS422)。また、蓄熱がなければ(ステップS421のNO)、少なくとも補助加熱装置34-2に対して『蓄熱なし』の蓄熱状態情報を送信する(ステップS423)。蓄熱状態は、既述のように、入力された設定温度Tと蓄熱タンク6内の温度センサ40-1、40-5等の検出温度などを利用して判断すればよい。
また、蓄熱給湯装置制御部60-1は、給湯使用でなければ(ステップS424のNO)、給湯を停止させる(ステップS427)。
図9は、補助加熱装置34-2の補助加熱処理の一例を示している。
補助加熱装置制御部60-2は給湯使用かを判断し(ステップS521)、給湯使用であれば(ステップS521のYES)、給湯開始時、蓄熱タンク6が『蓄熱あり』か否かを判断する(ステップS522)。この給湯使用の判断は、たとえば蓄熱給湯装置34-1から受信した情報または流量センサ50-2の検出結果を参照して判断すればよい。蓄熱ありの場合(ステップS522のYES)、補助加熱装置制御部60-2は、配管設定情報が「短」か否かを判断する(ステップS523)。配管設定情報は、供給管38-6の長さや容積情報であって、メモリ部68-2や図示しない制御回路上のスイッチ回路などで設定される。この配管設定情報は、給湯開始時または給湯再開時に供給管38-6内の残留水RWに対して補助加熱を行うか否かの設定情報の一例である。配管設定が「短」の場合(ステップS523のYES)、補助加熱装置34-2は、加熱動作を停止または停止状態を維持させ、または混合弁46-4をバイパス路38-8側へ全開状態として、残留水RWを給湯負荷側に流す(ステップS524)。補助加熱装置制御部60-2は、温度センサ40-6の検出温度を取込み、入水温度である検出温度T6が設定温度Tに対して所定のしきい値Kとして、たとえば2〔℃〕の範囲(T-K)以上か否かを判断する(ステップS525)。入水温度がしきい値Kの範囲以上である場合(ステップS525のYES)、加熱動作の停止を解除して設定温度での給湯処理に移行する(ステップS526)。すなわち、この補助加熱処理では、供給管38-6の長さ情報から配管設定が「短」の場合には滞留する残留水RWに対して補助加熱を行わない。そして、入水温度が所定のしきい値Kの範囲以上となった場合には、残留水RWが排出され、蓄熱給湯装置34-1で加熱処理された湯HWが流入したと判断し、入水した湯HWの検出温度に対し、設定温度Tに加熱する補助加熱処理を開始する。
また、蓄熱タンク6内が『蓄熱なし』の場合(ステップS522のNO)や配管設定が「長」の場合(ステップS523のNO)、給湯開始から直ちに補助加熱を開始する(ステップS526)。すなわち、『蓄熱なし』の場合には、残留水RWが排出されても高温の湯HWが流入しないため、バーナ43を停止させることが無く、残留水RWの排出まで加熱処理を待機する必要が無い。また、供給管38-6が長い場合、残留水RWの容量が多いことから、水の無駄を防止するほか、大量の残留水RWが排出されるまで設定温度での給湯が行われず、給湯応答性が低下するのを防止するためである。
この実施の形態によれば、以下のような効果が得られる。
図10は、実施例1に係る補助加熱処理の一例を示している。図10に示す処理内容、処理手順は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
図10に示す補助加熱処理は、給湯システム2、またはコージェネレーションシステム30で実行する給湯処理の一例であり、供給管38-6内の残留水RWの排出処理とともに、蓄熱給湯装置34-1から給湯された湯HWに対する補助加熱処理の処理例を示している。
この補助加熱処理では、補助加熱装置34-2に流入する湯HWの検出温度を基準として記憶して、補助加熱処理を行う。
この補助加熱装置では、たとえば以下の処理を行う。
<補助加熱装置34-2の制御>
(1) 蓄熱が足りる場合であって、供給管38-6が短い場合に、残留水RWが排出され、蓄熱給湯装置34-1で加熱処理された湯HWが入水するまで、バーナ43を停止状態に維持する。
(2) 蓄熱が足りる場合、供給された湯HWの温度を検出し、この検出温度が設定温度Tに対して所定のしきい値Kの範囲(T-K)以上であれば、メモリ部68-2にこのときの湯HWの検出温度を給湯温度情報として記憶する。そして、補助加熱装置34-2は、補助加熱をせず、この検出温度の状態で給湯させる。このとき、給湯温度情報には、たとえば検出温度として、設定温度Tに対する差分αを算出した差分温度情報(T-α)を記憶する。
(3) また、蓄熱が足りる場合であって、湯HWの温度が設定温度Tに対して所定のしきい値Kの範囲(T-K)に達しない場合、または蓄熱が足りない場合、補助加熱装置34-2はバーナ43を燃焼させて、給湯要求時に設定された設定温度、または記憶した給湯温度に基づいて補助加熱する。
補助加熱装置制御部60-2には、たとえばメモリ部68-2に対し、給湯温度としてリモコン装置64から通知された設定温度Tが初期値として設定される(ステップS61)。この給湯温度は、補助加熱装置34-2に対する制御指示の一例であり、給湯する目標温度である。給湯使用かを判断し(ステップS62)、給湯使用であれば(ステップS62のYES)、残留水RWの排出によるバーナ43の燃焼停止処理を行う。この燃焼停止処理を示すステップS63~ステップS65は、上記ステップS522~ステップS524と同様に行えばよい。
図11は、実施例2に係る補助加熱処理の一例を示している。図11に示す処理内容、処理手順は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
図11に示す補助加熱処理は、給湯システム2、またはコージェネレーションシステム30で実行する給湯処理の一例であり、供給管38-6内の残留水RWの排出処理とともに、蓄熱給湯装置34-1から給湯された湯HWに対する補助加熱処理の処理例を示している。
補助加熱処理では、たとえば補助加熱装置34-2に流入した湯HWの入水温度情報を蓄熱給湯装置34-1側に通知する処理を含む。蓄熱給湯装置34-1では、たとえば補助加熱装置34-2側から受信した入水温度情報に基づいて給湯温度の調整などを行えばよい。蓄熱給湯装置34-1は、たとえば給湯要求時に設定された温度情報または補助加熱装置34-2から通知された入水温度情報に基づいて調整した温度で給湯処理を行う。補助加熱装置34-2は、給湯要求時に設定された設定温度になるように補助加熱を行う。
補助加熱装置34-2では、たとえば以下の処理を行う。
(1) 蓄熱が足りる場合であって、供給管38-6が短い場合に、残留水RWが排出され、蓄熱給湯装置34-1で加熱処理された湯HWが入水するまで、バーナ43を停止状態に維持する。
(2) 給湯要求に対し、蓄熱給湯装置34-1の蓄熱状態に関わらず、給湯要求時に設定された設定温度になるように、バーナ43を燃焼させて補助加熱を行う。
(3) 給湯要求に対し、蓄熱給湯装置34-1の蓄熱が足りる場合、補助加熱装置制御部60-2は、検出して記憶した入水温度情報を蓄熱給湯装置34-1に通知する。
蓄熱給湯装置制御部60-1は、たとえば補助加熱装置34-2から受信した入水温度情報が設定温度Tよりも小さい場合、供給温度を上げる補正を行い、入水温度が設定温度Tよりも大きい場合は供給温度を下げる補正を行う。これにより、蓄熱給湯装置34-1は、補助加熱装置34-2で検出した入水温度情報に基づいて給湯処理のフィードバック制御を行い、熱交換後の出湯温度を調整することで、補助加熱装置34-2で検出される入水温度が設定温度Tとなる湯を供給可能にする。
補助加熱装置制御部60-2は、たとえば図11に示すように、メモリ部68-2に対し、入水温度記録としてリモコン装置64から通知された設定温度Tが初期値として設定される(ステップS81)。給湯使用かを判断し(ステップS82)、給湯使用であれば(ステップS82のYES)、残留水RWの排出によるバーナ43の燃焼停止処理を行う。この燃焼停止処理を示すステップS83~ステップS86は、既述のステップS522~ステップS525と同様に行えばよい。
(a) 上記実施の形態では、第2の給湯ユニット4-2もしくは補助加熱装置34-2に対して、第1の給湯ユニット4-1もしくは蓄熱給湯装置34-1で加熱処理された湯HWが流れ込んだか否かの判断として、入水温度を用いる場合を示したがこれに限らない。第2の給湯ユニット4-2もしくは補助加熱装置34-2は、たとえばタイマを利用し、給湯開始からの経過時間によって供給管38-6内の残留水RWが排出され、第1の給湯ユニット4-1もしくは蓄熱給湯装置34-1で加熱処理された湯HWが流れ込んだものと判断してもよい。これにより、給湯システム32やコージェネレーションシステム30の利便性の低下を防止できる。
(b) 第2の給湯ユニット4-2もしくは補助加熱装置34-2は、たとえば流量センサ13-2、50-2の検出流量に基づいて、接続管路5または供給管38-6内の残留水RWが排出され、第1の給湯ユニット4-1もしくは蓄熱給湯装置34-1で加熱処理された湯HWが流れ込んだものと判断してもよい。
(c) コージェネレーションシステム30では、たとえばリモコン装置64に、残留水RWが排出されるまでバーナ43の燃焼を停止状態にするか否かを選択可能にする切替え機能を備えてもよい。すなわち、コージェネレーションシステム30の利用者、または工事業者の設定操作により、給湯要求に応じて直ちに補助加熱処理を開始させてもよく、または燃料ガスの消費量を抑えるために、供給管38-6が長い場合でも残留水RWが排出されるまでバーナ43の燃焼を停止状態にさせてもよい。
4-1 第1の給湯ユニット
4-2 第2の給湯ユニット
5 接続管路
6 蓄熱タンク
8 熱源
10-1、10-2 熱交換部
12-1、12-2 温度検出部
13-1、13-2 流量センサ
14-1、14-2 制御部
16-1、16-2 記憶部
18 バックアップ熱源機
20 燃焼部
30 コージェネレーションシステム
32 給湯システム
34-1 蓄熱給湯装置
34-2 補助加熱装置
36 燃料電池ユニット
38-1、38-3、38-9 熱媒循環路
38-2 給水路
38-4、38-7 給湯路
38-5、38-8 バイパス路
38-6 供給管
38-10 排気路
40-1、40-2、40-3、40-4、40-5、40-6、40-7、40-8、40-9、40-10、40-11 温度センサ
42-1、42-2 42-3、42-4 熱交換器
44-1、44-2、44-3 循環ポンプ
46-1、46-4 混合弁
46-2、46-3 水制御弁
48 燃料電池
50-1、50-2 流量センサ
Claims (8)
- 第1の給湯ユニットが、熱源の熱を熱媒で回収し、この熱媒を熱媒タンクに溜め、この熱媒タンクの熱媒と水とを熱交換して設定温度の湯を生成するとともに、前記熱媒タンクの蓄熱状態情報を発信する工程と、
温度検出手段が、前記第1の給湯ユニットから第2の給湯ユニットへと供給される湯の入水温度を検出する工程と、
前記第2の給湯ユニットが、給湯開始時または給湯再開時、前記蓄熱状態情報に基づき、給湯要求に対して前記熱媒タンクの蓄熱が足りる場合に補助熱源を停止状態に維持させ、前記温度検出手段の検出温度が前記給湯要求の設定温度よりも閾値分だけ低い温度以上になると、前記補助熱源の停止状態を解除する工程と、
を含むことを特徴とする給湯方法。 - さらに、制御部が、前記第1の給湯ユニットと前記第2の給湯ユニットとを接続する接続管路の配管長の長短を表す長短情報を取得する工程と、
前記第2の給湯ユニットが、給湯開始時または給湯再開時、前記蓄熱状態情報に基づき、給湯要求に対して前記熱媒タンクの蓄熱が足りる場合であって、前記配管長が短ければ、補助熱源を停止状態に維持させ、前記温度検出手段の検出温度が前記給湯要求の設定温度よりも閾値分だけ低い温度以上になると、前記補助熱源の停止状態を解除する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の給湯方法。 - さらに、燃料電池ユニットが、循環ポンプを駆動して熱交換器に前記熱媒を循環させることにより、前記熱媒に燃料電池の排熱を回収するとともに、前記循環ポンプを制御して前記熱媒の温度を所定温度に制御する工程を含む請求項1または請求項2に記載の給湯方法。
- 熱源の熱を熱媒で回収し、この熱媒を熱媒タンクに溜め、この熱媒タンクの熱媒と水とを熱交換して設定温度の湯を生成するとともに、前記熱媒タンクの蓄熱状態情報を発信する第1の給湯ユニットと、
前記第1の給湯ユニットから出湯された湯の温度を検出する温度検出手段と、
給湯開始時または給湯再開時、前記蓄熱状態情報に基づき、給湯要求に対して前記熱媒タンクの蓄熱が足りる場合であって、前記第1の給湯ユニットとの間を接続する接続管路の配管長が短ければ、補助熱源を停止状態に維持させ、前記温度検出手段の検出温度が前記給湯要求の設定温度よりも閾値分だけ低い温度以上になると、前記補助熱源の停止状態を解除する第2の給湯ユニットと、
前記配管長の長短を表す長短情報を取得し、少なくとも前記第2の給湯ユニットを制御する制御部と、
を含むことを特徴とする給湯システム。 - さらに、循環ポンプを駆動して熱交換器に前記熱媒を循環させることにより、前記熱媒に燃料電池の排熱を回収するとともに、前記循環ポンプを制御して前記熱媒の温度を所定温度に制御する燃料電池ユニットを含む請求項4に記載の給湯システム。
- コンピュータに実行させるプログラムであって、
第1の給湯ユニットと第2の給湯ユニットとを接続する接続管路の配管長の長短を表す長短情報を取得する機能と、
前記第1の給湯ユニットにおいて、熱源の熱を熱媒で回収し、この熱媒を熱媒タンクに溜め、この熱媒タンクの熱媒と水とを熱交換して設定温度の湯を生成するとともに、前記熱媒タンクの蓄熱状態情報を発信する機能と、
温度検出手段に検出された、前記第1の給湯ユニットから出湯された湯の温度を取得する機能と、
給湯開始時または給湯再開時、前記蓄熱状態情報に基づき、給湯要求に対して前記熱媒タンクの蓄熱が足りる場合であって、前記配管長が短ければ、前記第2の給湯ユニットの補助熱源を停止状態に維持させ、前記温度検出手段の検出温度が前記給湯要求の設定温度よりも閾値分だけ低い温度以上になると、前記補助熱源の停止状態を解除する機能と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。 - さらに、循環ポンプを駆動して熱交換器に前記熱媒を循環させることにより、前記熱媒に燃料電池の排熱を回収するとともに、前記循環ポンプを制御して前記熱媒の温度を所定温度に制御する機能を前記コンピュータに実行させるための請求項6に記載のプログラム。
- 少なくともエンジン、燃料電池、太陽熱交換器の何れかを熱源に用いるコージェネレーションシステムであって、
熱源の熱を熱媒で回収し、この熱媒を熱媒タンクに溜め、この熱媒タンクの熱媒と水とを熱交換して設定温度の湯を生成するとともに、前記熱媒タンクの蓄熱状態情報を発信する第1の給湯ユニットと、
前記第1の給湯ユニットから出湯された湯の温度を検出する温度検出手段と、
給湯開始時または給湯再開時、前記蓄熱状態情報に基づき、給湯要求に対して前記熱媒タンクの蓄熱が足りる場合であって、前記第1の給湯ユニットとの間を接続する接続管路の配管長が短ければ、補助熱源を停止状態に維持させ、前記温度検出手段の検出温度が前記給湯要求の設定温度よりも閾値分だけ低い温度以上になると、前記補助熱源の停止状態を解除する第2の給湯ユニットと、
前記配管長の長短を表す長短情報を取得し、少なくとも前記第2の給湯ユニットを制御する制御部と、
を含むコージェネレーションシステム。
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