本発明は,リベット(例えば,自己穿孔リベット)を保持する2つのテープの相互接合に関連する方法及び装置に関する。そのようなテープは,リベットテープと呼ばれることがある。
自己穿孔リベット(SPR)は,ダイにより支持された層状のワークピースに対して自己穿孔リベットをパンチにより打ち込むスポット接合技術である。ダイは,リベットがダイに向けてワークピースに打ち込まれる際,ワークピース材料を塑性変形させるように形成されている。ワークピース材料のこの流れにより,リベットの環状先端が外向きに拡がり,ワークピース材料の据え込まれた環状部によってカプセル化状態を維持する。ワークピースに据え込まれた環状部と係合するリベットのフレアチップは,リベットの分離やワークピースの層間分離を防止する。
自己穿孔リベットは,工場で,例えば車両の組み立てに際して使用される。リベット挿入ツール及びダイは,ワークピース(例えば,車体)上における異なるリベット挿入点間を移動するロボットアームに取り付けることができる。ロボットアームは,工場内で例えば生産ラインに沿って分散される多くのロボットアームの1つである。ロボットアームの稼働中,安全上の理由から,作業員はロボットアームの環境(制御環境と呼ばれる場合がある)に立ち入ることができない。1つのロボットアーム上のリベット挿入ツールに対する自己穿孔リベットの供給がなくなると,リベットの供給が補充されるまで,そのリベット打込みツールの操作を中断する必要がある。リベットを補充するためには,制御環境内における全てのロボットアーム及びリベットツールを動作停止させて,補充を必要とするリベットツールに対して作業員が安全にアクセスできるようにする必要がある。これは,生産ラインの操作を中断する点で不利である。
リベット打ち込みツールに対するリベットの供給は,自己穿孔リベットがそれに沿って分配されたリベットテープのスプールとして行うことができる。リベットテープのスプールはリールに巻き付けられており,リールから自己穿孔リベットツールのノーズを通して供給される。リベットツールは,リベットをリベットテープからワークピースに押し込むものである。ロボットアームに多数のリベットツールが配備され,リベットがリベットテープを使用して供給される生産ライン等の環境下では,いくつかの異なるツールのためのリベットテープを同時に補充することができる。これは,リベットツールへのリベットの供給がなくなる度に生産ラインの運転を中断する必要がなく,それにより生産時間の損失を削減できる点で有利である。他方,このアプローチの欠点は,リベットテープの交換に際して一部のスプールが部分的にしか使用されておらず,相当のリベットが無駄になることである。
従来技術に付随する欠点を克服するテープの接合に関連する方法及び装置を提供することが望ましい場合がある。
一つの態様において,本発明は,長尺本体を備えたリベットテープ接合クリップを提供する。このリベットテープ接合クリップは,長尺本体の一方の側から延びる複数の突部が設けられ,これらの突部には横方向に突出するリップが設けられている。
リベットテープ接合クリップは,リベットテープ片を接合するために使用することができ,横方向に突出するリップが突部とリベットテープとの間の確実な係合を提供するものである。リベットテープ結合クリップは,リベットテープの残りの部分を結合してリベットの打ち込みに使用できるために有利である。リベットテープ結合クリップは,リベットテープのスプールの自動接続にも使用することができる。
横方向に突出するリップは,突部の遠位端に配置することができる。
長尺本体には,長尺本体の中心の方に配置される2つの内側突部と,長尺本体の端部の方に配置される2つの外側突部とを設けることができる。
外側突部及び各内側突部の間の間隔は,内側突部相互間の間隔の2倍とすることができる。
クリップは,間隔が他の突部間の間隔よりも小さいか,又は他の突部間の間隔の倍数よりも小さい一対の突部を含むことができる。
前記間隔の差は,クリップが使用されるときに一対の突部の間で生じる伸張に対応させることができる。
前記間隔の差は,最大約2mmとすることができる。
前記間隔の差は,約1mmとすることができる。
クリップは,4つの突部を備えることができる。内側の突部対は,他の突部間の間隔よりも小さい間隔で配置することができる。間隔は,約1mm未満とすることができる。
クリップは,6つの突部を備えることができる。内側の突部対は,他の突部間の間隔の2倍未満の間隔で配置することができる。間隔は,約1mm未満とすることができる。
長尺本体は,4つ又はそれ以上の突部を備えることができる。
突部には,凸状の最下面を設けることができる。
各リップの上縁は,突部の内側部分に会合するように内側に段付きとすることができる。
長尺本体は,内側部分と,内側部分の両側に設けられた外側部分とを備えることができる。外側部分は,内側部分よりも厚い構成とすることができる。
クリップは,長尺本体の各端部に面を有することができる。各面は,クリップの端点から外向きに先細とすることができる。
突部は,略円筒形とすることができる。
第2の態様において,本発明は,長尺本体を備えるリベットテープ接合クリップを提供する。ここに,長尺本体は,その片側から延びる4つ以上の略円筒形の突部が設けられている。
第3の態様において,本発明は,第1又は第2の態様に係るリベットテープ接合クリップを提供する。このリベットテープ接合クリップは,第1及び第2のリベットテープと係合し,リベットテープ結合クリップの突部が第1及び第2のリベットテープの穴を通過する。
突部のリップは前記穴よりも広いものとし,それによりリベットテープをリベットテープ接合クリップ上に確実に保持する構成とすることができる。
リベットテープ接合クリップと第1及び第2のリベットテープとの間には,接着剤を配置することができる。
リベットテープ接合クリップの突部間の間隔は,スプロケット穴間の規則的な間隔が第1及び第2のリベットテープに亘って維持されるように定めることができる。
スプロケット穴間の規則的な間隔は,使用中にのみ,リベットテープ接合クリップの伸張によって維持されるように定めることができる。
リベットテープ接合クリップの突部は,第1のテープの穴を通過するも,第1のテープの最後の穴を通過しない配置とすることができる。また,リベットテープ接合クリップの突部は,第2のテープの最初の穴を含む該第2のテープの穴を通過する配置とすることができる。
第2のテープの端部には,非正方形カットを施すことができる。非正方形カットは,非直線カットと称されることもある。
第2テープの端部には,三面カットを施すことができる。第2テープの端部には,半円カット又はその他の非直線カットを施すことができる。
第1のテープの端部には,正方形カットを施すことができる。
第1テープの最後の穴の背後におけるランドは,第2テープの最初の穴の手前におけるランドよりも短くすることができる。
第4の態様において,本発明は,リベットテープ固定装置を提供する。このリベットテープ固定装置は,使用中にリベットテープを受け入れる構成とされた開口部を画定するハウジングと,アクチュエータに取り付けられて弾性付勢された指部と,アクチュエータを作動して前記弾性付勢される指部を,前記ハウジングにより画定された開口部に対して出し入れするコントローラとを備える。
本発明の第4の態様によれば,リベットテープを固定することが望まれる際,弾性付勢された指部をリベットテープと接触可能とするものである。すると,リベットテープは,弾性付勢された指部がリベットテープにおける穴内に入り込むまで,弾性付勢された指部上で押し込むことができる。
アクチュエータは,スリーブを備え,前記指部は,少なくとも部分的にスリーブ内に格納可能であり,かつ,該スリーブから押し出されるように弾性付勢される構成とすることができる。
前記弾性付勢は,スリーブの内側に配置され,かつ,指部と係合するバネによって達成することができる。
スリーブの上端は,リベットテープの移動方向を横切る方向に互いに離間した側壁を含むことができる。
前記装置は,弾性付勢された指部がリベットテープの穴を通過したことを検出するためのセンサを更に備えることができる。
弾性付勢される指部の上端は,丸みを有することができる。
前記装置は,リベットの通過を検出するためのリベットセンサを更に備えることができる。
前記装置は,指部をリベットテープに向けて移動させるための制御システムを更に備え,リベットのないリベットテープがリベットセンサを通過していることを示す出力をリベットセンサが提供する際に,制御システムによりアクチュエータを作動させて指部をリベットテープに対して付勢する構成とすることができる。
制御システムは,指部が前記テープの穴を通過したことを示すセンサからの出力信号を監視する構成とすることができる。
ハウジングの遠位端は,リベットテープの一方の縁部を支持する構成とされた第1側部と,リベットテープの反対側の縁部を支持する構成とされた第2側部と,前記側部間に配置され,かつ,リベットテープの支持されていない中央部分を収容する構成とされたチャネルとを含むことができる。
第5の態様において,本発明は,リベットテープ切断装置を提供する。このリベットテープ切断装置は,一対の顎部を備え,該顎部の間に一端が開放したギャップが配置され,アクチュエータに接続されたブレードを備え,該アクチュエータは,前記ギャップを横切って前記ブレードを移動させることによりリベットテープを切断する構成とされ,前記顎部の第1側におけるギャップの第1部分は該顎部の反対側におけるギャップの第2部分よりも広く,前記ギャップの第1部分はリベットテープを受け入れる寸法とされ,前記ギャップの第2部分はリベットテープ固定装置の遠位端を受け入れる寸法とされている。
このリベットテープ固定装置は,リベットテープに沿う厳密に制御された位置でリベットテープを切断可能とするものである。
ギャップの第1部分は,ギャップの外側端部において,ギャップの内側端部よりもより広い構成とすることができる。
ギャップの第1部分は,ギャップの外側端部において,外向きに先細とすることができる。
ギャップの第2部分は,前記ギャップの外側端部において,ギャップの内側端部よりも広い構成とすることができる。
ギャップの第2部分は,外向きに先細の側面を有する遠位端を備えることができる。
リベットテープ切断装置は,アクチュエータによりブレードがギャップを横切って移動する際に,前記ブレードを案内するための隆起部及び溝配置を更に備えることができる。
切断装置の顎部は,ブロックに形成することができる。ブロックは,弾性接続部によりスタンドに接続され,該弾性接続部は,ブロックをスタンドに対して移動可能とするも,ブロックをスタンドに対する平衡位置に付勢する構成とすることができる。
スタンドには,リベットテープを受け入れるために一端部が開放したスロットを設けることができる。このスロットの外側端部には,外側に傾斜した面を設けることができる。
第6の態様において,本発明は,リベットテープ接合装置を提供する。このリベットテープ接合装置は,リベットテープ及びクリップの保持ブロックと,押圧ブロックと,前記リベットテープ及びクリップの保持ブロックと押圧ブロックを一緒に移動させるためのアクチュエータとを備え,押圧ブロックの最下面には少なくとも2つの凹部が設けられている。
このリベットテープ接合装置によれば,リベットテープをリベットテープ保持クリップに対して押圧し,その際にリベットテープ保持クリップの突部が押圧ブロックの凹部を通過できる利点が得られる。
リベットテープ及びクリップの保持ブロックは,両者間にチャネルを画定する2つの隆起部分を備えることができる。
1つ以上の指部をチャネルから上方に突出させ,リベットテープの穴を受け入れる構成とすることができる。
アクチュエータは,押圧ブロックに接続され,押圧ブロックをリベットテープ及びクリップ保持ブロックに向けて移動させる構成とすることができる。
付加的なアクチュエータをリベットテープ及びクリップ保持ブロックに接続し,リベットテープ及びクリップ保持ブロックを押圧ブロックに向けて移動させる構成とすることができる。
リベットテープ及びクリップ保持ブロックを付加的アクチュエータに対して弾性接続部により接続し,該弾性接続部は,リベットテープ及びクリップ保持ブロックを付加的アクチュエータに対して移動可能とするも,リベットテープ及びクリップ保持ブロックを付加的アクチュエータに対する平衡位置にバイアスする構成とすることができる。
リベットテープ保持ブロックは,リベットテープ固定装置における段部と係合する構成とされた段部を含むことができる。
前記押圧ブロックが細長く,前記少なくとも2つの凹部が該細長の押圧ブロックの端部に設けられる構成とすることができる。
第7の態様において,本発明は,第4の態様に係るリベットテープ固定装置と,第6の態様に係るリベットテープ接合装置とを備える装置を提供する。この装置は,リベットテープ固定装置が1つ又は複数の開口部又は突部を含み,リベットテープ接合装置が1つ又は複数の突部又は開口部を含み,リベットテープ固定装置及びリベットテープ接合装置が組み合わされたときに,前記1つ又は複数の開口部及び突部が互いに係合する構成とされている。
このリベットテープ固定装置及びリベットテープ接合装置は,リベットテープを他のリベットテープとの接合のために正確に位置決め可能とするために有利である。
リベットテープ固定装置の遠位端は,チャネルによって分離された第1及び第2の側部を有することができる。リベットテープ接合装置が,チャネルによって分離された第1及び第2の隆起部を有することができる。チャネルは,リベットテープ固定装置及びリベットテープ接合装置が組み合わされたときに整列する構成とすることができる。
リベットテープ固定装置のチャネルは,リベットテープ接合装置のチャネルと実質的に同じ幅を有することができる。
押圧ブロックは,リベットテープ固定装置のチャネル内及びリベットテープ接合装置のチャネル内を通過する構成とすることができる。
第8の態様において,第4の態様に係るリベットテープ固定装置と,第5の態様に係るリベットテープ接合装置とを備える装置を提供する。この装置において,リベットテープ固定装置のハウジングは遠位端を有し,前記顎部の間のギャップの第1部分は,リベットテープ固定装置の遠位端を受け入れる寸法とすることができる。
リベットテープ固定装置がリベット切断装置の顎部内に遠位端を受け入れ可能であるため,リベットテープをリベットテープ切断装置により切断する位置を正確に決定することができる。
第9の態様において,本発明は,第1の態様に係るリベットテープ接合クリップを使用し,次にリベットツールを使用してリベットを第1及び第2のテープからワークピースに挿入する方法を提供する。このワークピースは,車両の一部を形成することができる。
第10の態様において,本発明は,リベットテープの固定方法を提供する。この方法は,アクチュエータを使用して,弾性付勢された指部を動かしてリベットテープと接触させ,次に,弾性付勢された指部がリベットテープの穴に出会い,かつ付勢されるまで前記リベットテープを前記指部に通すことを含む。
この方法は,リベットテープを容易かつ簡明な態様で有利に取り付け可能とするものである。
前記指部がリベットテープの穴に入るとき,センサにより出力信号を提供する構成とすることができる。
第11の態様において,本発明は,リベットテープの固定方法を提供する。この方法は,第10の態様に係るリベットテープ固定装置を使用してリベットテープを固定し,リベットテープ固定装置の遠位端を,リベットテープがリベットテープ切断装置の顎部を通過するようにリベットテープ切断装置の顎部内に係合させ,該顎部により画定されるギャップを横切ってブレードを移動させることを含む。
第12の態様において,本発明は,リベットテープの接合方法を提供する。この方法は,第6の態様に係るリベットテープ接合装置を使用して第1のリベットテープ及びクリップを保持すること,第2の態様に係るリベットテープ固定装置を使用して第2のリベットテープを保持すること,並びに,リベットテープ接合装置の押圧ブロックを使用して第2のリベットテープをクリップと係合させ,かつ第2のリベットテープをクリップに対して押し付けること,を含む。
この方法は,リベットツールを使用して,リベットを第1テープ又は第2テープからワークピースに挿入することを更に含むことができる。
第13の態様において,本発明は,テープ支持構造,テープ固定装置,ブレード及びアクチュエータを備えたリベットテープ切断装置を提供する。このリベットテープ切断装置は,アクチュエータが,ブレード及びテープ支持装置を相対移動させてリベットテープを切断する構成とされ,テープ固定装置が,リベットテープの穴をブレードからの固定距離で固定する構成とされている。
テープ固定装置は,テープ支持構造の穴に受け入れられるペグを含むことができる。
ペグは,リベットテープを横切って延在するブロックから突出する構成とすることができる。
第2のペグが,ブロックの異なる側から突出し,前記ペグ及び第2のペグは異なる直径を有する構成とすることができる。
テープ支持構造は第2の穴を備え,前記穴及び前記第2の穴は,前記ペグ及び前記第2のペグの直径に対応する直径を有することができる。
ブレードを固定し,アクチュエータは,テープ支持構造をブレードに向けて移動させる構成とすることができる。
ブレードは,3つのブレード部分,すなわち,第2のリベットテープの中央部分の正方形カットを形成するための第1ブレード部分,該中央部分の両側に角度の付いたカット部分を形成するための第2及び第3のブレード部分を備えることができる。ブレードは,湾曲形状とすることができる。ブレードは,半円形状又はアーチ形状とすることもできる。
リベットテープ切断装置は,第2のブレードと,前記第2のリベットテープの穴を前記付加的ブレードから一定の距離で固定するための第2のテープ固定装置とを更に備えることができる。
テープ支持構造は,開口部が設けられたプレートを含むことができる。
ブレード及びテープ支持構造体の間の相対運動によりリベットテープがギロチン作用で切断されるよう,テープ支持構造体の開口部の縁部を前記第1及び第2のブレードの縁部と整列させることができる。
本発明の異なる態様の特徴は,互いに組合わせることができる。
本発明の一態様に係るクリップを使用して互いに固定されたリベットテープは,リベットをワークピースに挿入するために使用することができる。ワークピースは,斜陽の一部を構成することができる。
以下,単なる例示として,添付図面を参照しながら本発明の実施形態について更に詳述する。
図1A~Dは,2つのリベットテープを結合するためのクリップを示す説明図である。
図2A~Cは,最初のリベットテープに固定されたクリップを示す説明図である。
図3A~Cは,最初のリベットテープに固定され,2番目のリベットテープに固定されたクリップを示す説明図である。
図4は,本発明の代替実施形態によるクリップ及びテープを示す説明図である。
図5A~Cは,本発明のさらなる代替実施形態によるクリップ及びテープを示す説明図である。
図6は,リベット挿入ツール,リベットテープ,リベットテープ固定装置及びリベットテープリールを示す説明図である。
図7A及び7Bは,リベットテープ及びクリップとともにリベット挿入ツールのノーズを示し,図7C及び7Dは,クリップなしのリベットテープを示す説明図である。
図8A~Dは,リベットテープとともにリベットテープ固定装置を示す説明図である。
図9A~Cは,リベットテープ切断装置を示す説明図である。
図10は,リベットテープ固定装置とリベットテープ切断装置をリベットテープと共に示す説明図である。
図11A~Cは,リベットテープ切断装置の動作説明図である。
図12A~Dは,リベットテープ固定装置,第1及び第2のリベットテープ並びにクリップと共にリベットテープ接合装置を示す説明図である。
図13A~Cは,リベットテープ接合装置の動作説明図である。
図14A~Cは,リベットテープ接合装置の動作説明図である。
図15は,本発明の代替実施形態によるリベットテープ切断装置を示す説明図である。
図16は,本発明の代替実施形態によるリベットテープ切断装置を示す説明図である。
図17は,本発明の代替実施形態によるリベットテープ切断装置を示す説明図である。
発明を実施するための態様
図1は,2つのリベットテープを接合するクリップ2を示す。クリップ2は,図1Aの斜視図,図1Bの側面図,図1Cの第1断面図及び図1Dの第2断面図に示されている。
クリップ2は、中央部4と、中央部の両側に延びる第1及び第2の側部6、8とを含む細長形状とする。側部6、8は、中央部4よりも厚い。側部6、8は、例えば、中央部の約2倍の厚さとすることができる。中央部4は、例えば、厚さを約0.3mmとすることができ、側部6、8は、例えば、厚さ(側部の最厚点を横切って測定される)を約0.6mmとすることができる。中央部4は、(以下で詳述するように)リベット挿入ツールのノーズ内におけるスイッチをトリガーすることなく,その下方を通過するに十分な薄さとすることができる。中央部4は、クリップに十分な引張強度を与えるのに十分な厚さではない場合がある。側部6、8は、クリップ2に付加的な引張強度を与える。これにより、クリップ2を使用して、クリップを大きく伸長させることなく(例えば、クリップで接合されたテープのスプロケットホイール穴間に所望の間隔を残すに十分な僅かな伸びで),リベットテープをリベット挿入ツールに通すことができる
クリップ2の底面11からは,4つの突部10a~dが延びている。「底面」とは,図面に示されるようなクリップを説明するために便宜的に使用される用語であり,クリップ2が常に図示の方向性を有する必要があることを意味するものではない。突部10a~dは,一般的には円筒形である。各突部10は,内側部分12及び外側部分14を含む。各突部10の内側部分12は,クリップ2の中央部分4に接続されている。各突部10の外側部分14は,内側部分12に接続されており,リップ16を含む。各突部は,外側部分14を完全に貫通し,内側部分12に途中まで延びる盲穴15を含む。クリップ2は,射出成形により形成することができる。突部10の盲穴15は,射出成形プロセスにより惹起されることがある突部の歪みを有利に低減する。盲穴15は,ハンドツールの位置合わせのために使用し得る中央位置決め機能も提供するものであり,このハンドツールは,クリップ2をテープに係合する際にリベットテープを突部10上に押し付けるために使用可能である。他の実施形態によるクリップの盲穴も,同じ利点を提供する。
リップ16は,各突部10の周囲に沿って延在し,外側部分14の直径が内側部分12の直径よりも大きくなるように横向きに突出する。リップ16の上端部では,突部10の直径が内側に向けて段付きとされている。段部の外縁部は,尖鋭なコーナー部17(例えば,大きな丸みを含まないコーナー部)を有する。尖鋭なコーナー部17は,後述するように,クリップ上にリベットテープを保持するのに役立ち得るものである。外側部分14の下端部は凸状であり,湾曲している。外側部分14の下端部の曲率半径は,リップ16の外縁に向けて増加する。外側部分14の下端部の湾曲形状は,後述するように,突部10がリベットテープ穴に入るのを助けることができる。
各突部10は,例えば,長さを約2.3mmとすることができる。各突部の内側部分12は,例えば,長さを約1.4mmとすることができる。各突部の外側部分14は,例えば,長さを約0.7mmとすることができる。盲穴15は,例えば,深さを約1.5mmとすることができる。各突部の内側部分12は,例えば,直径を約4.9mmとすることができる。各突部の外側部分14は,例えば,直径を約5.5mmとすることができる。盲穴15は,例えば,直径を約2mmとすることができる。各外側部分14の下端部は,例えば,曲率半径を約4.1mmとすることができる。その曲率半径は,各リップ16の外縁に向けて約0.25mmまで減少させることができる。
第1及び突部と第2の突部10a,bの間の間隔並びに第3及び第4の突部10c,dの間の間隔は,第2及び第3の突部10b,cの間の間隔の2倍である。例えば,クリップにおける第1及び第2の突部10a,bは,互いに18mmだけ分離させることができる(その間隔は,突部の中心点間で測定される)。第2及び第3の突部10b,cは,互いに9mmだけ分離させることができる。第3及び第4の突部10c,dは,互いに18mmだけ分離させることができる。
上記実施例における寸法は単なる例示であり,限定を意図するものではない。例示的な寸法は,例えば,直径5mmのシャンクを備えるリベットを保持するためのリベットテープへの使用を意図するクリップ用とすることができる。寸法は,小径シャンク(例えば3mm)または大径シャンクを備えるリベットを保持するためのリベットテープにおいて,必要に応じてスケール化することができる。
クリップ2は,弾性材料から形成されている。クリップ2は,例えばナイロン66等のプラスチックから形成することができる。クリップ2は,その弾性により,リベット挿入ツールを通過する際に(後述するように)湾曲させることができる。
クリップは,両端に面18a,bを有する。各面18a,bは,クリップの端点20a,bから外側に向けて先細とされている。このテーパ形態により,クリップがリベット挿入ツールに引掛かる危険性が減り,(後述するように)スイッチをトリガーさせることなくクリップの表面上をよりスムーズに移動可能となる。
図2は,リベットテープ22の端部に固定された後のクリップ2を示すものであり,図2Aは上側からの斜視図,図2Bは一端側からの断面図,図2Cは一側からの断面図である。突部10a,bは,リベットテープ22の穴24a,cを通って延びている。穴24a~cは,自己穿孔リベットを保持するように寸法が定められている。突部10a,bの内側部分12a,bは,リベットテープ22の穴24a~cの直径に対応するか,それよりも小さい直径を有する。突部10a,bのリップ16a,bは,リベットテープの穴24a,cの直径よりも大きい直径を有する。
リベットテープは通常ポリプロピレン製であり,ある程度の弾性を有する。リベットテープ22がクリップ2に押し付けられると,リベットテープの穴24a,cが外向きに伸長する。リベットテープ22のこの外側への伸張は,突部10a,bの底面の凸状湾曲形状により促進される。リベットテープ22はリップ16a,b上まで伸長し,突部10a,bは穴24a,cに入る。リップ16a,bがリベットテープの穴24a,cを通過すると,穴は突部10a,b周りで収縮する。リップ16a,bは,リベットテープ22をクリップ2上の所定位置に保持する。各リップ16a,bの上端部が湾曲しておらず,階段状であるため,リベットテープ22が突部10a,bから容易に引き離されることが防止される。各リップ16a,bの縁部の先鋭コーナー部17は,リベットテープ22が突部10a,bから容易に引き離されるのを防ぐためにも役立ち得る。従って,リップ14a,bは,リベットテープ22をクリップ2上の適所に確実に保持する。
突部10a,bが貫通するリベットテープの穴24a,cは,中間穴24bによって分離されている。クリップ2は,中間の第2の穴24bにより分離された第1及び第3の穴24a,cに係合することにより,そうでない場合と対比して一層強力にリベットテープ22と係合する。例えば,クリップ2がリベットテープの第1及び第2の穴24a,bにのみ係合する場合と対比して,クリップの横方向の動き(例えば,リベットテープの平面内における回転運動)が,より効果的に制限される。別の実施例では,リベットテープ及びクリップが内側に湾曲する(すなわち,クリップ2が最内側,リベットテープ22が最外側に湾曲する)と,クリップがリベットテープから外れることなくリベットテープと共に湾曲する能力が改善される(クリップがリベットテープの第1及び第2の穴24a,bのみに係合する場合との対比)。
クリップには,リベットテープ22における最初の3つの穴24a-cを貫通する構成とした突部を設けてもよい。ただし,この場合の欠点は,突部をリベットテープの穴に押し込むために,より大きな力が必要になることである。クリップ2は,リベットテープ22における2つの離間した穴と係合することにより,クリップ挿入のための付加的な力を必要とせずにリベットテープの安定した係合を提供する。
図3は,第1のリベットテープ22に固定されたままではあるが,第2のリベットテープ26にも固定されているクリップ2を示す。図3Aは上側からの斜視図,図3Bは一端側からの断面図,図3Cは一側からの断面図である。クリップ2及び第2のリベットテープ26の間の係合は,クリップ及び第1のリベットテープ22の間の係合に対応する。すなわち,突部10c,dは,第2のリベットテープ26の第1及び第3の穴28a,cを通って延びる。クリップ2により係合される第1及び第3の孔28a,cは,中間の第2の孔28bによって分離されている。
図3Bから分かるように,クリップ2における第2及び第3の突部10b,cの間の間隔は,リベットテープ22,26における隣接する穴24a~c,28a~cの間の間隔に対応する。従って,リベットテープ22,26は,互いに接合されたとき,何れも隣接する穴から同じ距離だけ離れた一連の穴24a~c,28a~cを有する。これは,リベットテープ22,26にスプロケット穴27が設けられ,テープ間の移行時に隣接するスプロケット穴間の間隔が維持される点で有利である。スプロケット穴27は,モータによりスプロケットホイールを駆動して(後述するように),リベット挿入工具を通してリベットテープ22,26を引っ張り可能とするものである。リベットテープ22,26間の移行時にスプロケット穴27間の間隔が維持されるので,リベットテープ間の移行部がスプロケットホイールを通過する際に,スプロケットホイールによりリベットテープを外すことなく引っ張ることができる。
図示の実施形態では,リベットテープ22,26は,その端部22a,26aが互いに接触するように切断されている。リベットテープ22a,26aの各接触端は,向かい合ったスプロケット穴半部を含み,その結果,2つの端部が共にスプロケット穴27を形成する。いくつかの実施形態では,リベットテープの端部22a,26a間に間隔が存在する場合がある。リベットテープ22,26の22a,26aにおける端部間の間隔は,各リベットテープの最後の穴24c,28cを越えて延びるリベットテープの長さによって決定される。この長さは,リベットテープに裂け目が生じて穴が開くほど穴24c,28cが脆弱とならないように,十分に長くすることができる。仮に裂け目が生じて穴が開いたとしても,クリップ2がリベットテープ24c,28aにおける最後の穴から離れた穴24a,28aと係合する突部を含むので,そのような裂け目は他の係合穴に伝播することがなく,リベットテープはクリップ2への固定状態を維持する。
状況によっては,リベットテープ22a,26aの接触端を対抗するスプロケット穴半部に接触させて両端によりスプロケット穴27を形成することが困難な場合がある。後述する他の実施形態では,リベットテープが会合する地点でスプロケットホールを除外したテープの非直線カットが使用される。
クリップ2及びリベットテープ22,26の間には,接着剤を塗布することができる。
使用中,クリップ2は,リベットテープ22,26の第1及び第2のスプールを互いに結合するために使用される。リベットテープ22によって保持されたリベットの全て又は大部分が使用されたとき,クリップ2を使用して,そのリベットテープ22を新リベットテープ26に接合することができる。従来,リベットテープの端部がリールに固定された状態でリベットテープ上の全てのリベットがリベット挿入ツールを通過できるようにするため,リベットテープのスプールは,その最内端にリベットのないリベットテープの一部を含む。リベットテープ22上におけるリベットの大部分が使用されたとき(例えば,センサによって検出されるとき),リベットテープは,3つ(又は3つ以上)の空の穴がリベットテープの端に存在するように切断することができる。リールにはリベットテープ26の新スプールを装着することができる。リベットテープ26の新スプールは,その端部にリベットを保持しない少なくとも3つの穴を含む。クリップ2の突部10c,dは,新リベットテープ26における端部の穴28a~cに押し込まれ,それにより,クリップをリベットテープに固定する。新リベットテープ26に対するクリップ2の固定は,例えば,新リベットテープがリベット挿入ツールの動作環境外の場所(例えば,保管領域)に存在するときに手動で実行することができる。
クリップ2がその端部に固定された新リベットテープ26のスプールは,リベットが殆んどなくなったリベットテープ22(ここでは旧リベットテープ22と称する)により送られているリベット挿入工具の近傍まで搬送される。新リベットテープ26の端部がリールから引き出され,旧リベットテープ22の端部に会合するように伸ばされる。クリップ2の突部10a,bは,旧リベットテープ22の端部における空の穴に押し込まれ,それによってクリップ2を旧リベットテープに固定する。このようにして,新リベットテープ26と旧リベットテープ22が互いに接合される。このプロセスは,手動で実行することができる。代替的に,後述するように,プロセスは自動化された方法で実行することもできる。
クリップ2の別の使用方法は,部分的に使用された長さのリベットテープを互いに接合することを含む。工場環境下では,生産のダウンタイムを最小限に抑えるために,複数のリベット挿入ツールのリベットテープを同時に交換することが望ましい場合がある。これが行われると,部分的に使用されたリベットテープのいくつかが取り外される。本発明の実施形態に係るクリップは,リベットを依然として保持する部分的に使用されたリベットテープの長さ部分を互いに固定するために使用することができる。このようにして,2つ以上の部分的に使用されたリベットテープの長さ部分を使用して,リベットテープの全長を組み立てることができる。組み立てられた全長のリベットテープは,リベットの挿入に使用することができる。クリップ2は,(後述する)リベット挿入ツールのノーズ及び送り機構,並びに(後述する)モータ駆動スプロケットホイールを,妨げられずに通過できる構成とされている。従って,リベットテープに沿う途中に1つ又は複数のクリップが存在することにより,リベット挿入ツールによるリベットテープの有用性に影響が及ぼされることはない。
次に,本発明の他の実施形態に係るクリップについて説明する。このクリップは,上記と同じ方法で使用することができる。
図4は,本発明の代替的な実施形態によるクリップ302を示す。クリップ302は,図4Aの斜視図,図4Bの第1の断面図,及び図4Cの第2の断面図に示されている。図4Cは,クリップ302に固定されたリベットテープ322,326も示している。図4Dは,クリップ302に取り付けられたリベットテープ322,326の下側からの斜視図である。
クリップ302は,クリップの底面から延びる4つの突部310a~dから構成される点において,図1~3に示したクリップ2に広義には類似している。クリップ302は細長であり,やはり中央部分304と,中央部分よりも厚い第1及び第2の側部306,308とを含む。中央部分304は,(本明細書の随所で説明されるように)リベット挿入ツールのノーズにおけるスイッチをトリガーせずに,そのスイッチの下方を通過できるよう,十分に薄く構成することができる。中央部分304は,それ自体では,クリップに所望の引張強度を与えるほど十分に強くない場合がある。側部306,308は,クリップに付加的な引張強度302を与えるものである。クリップ302は,クリップを使用してリベットテープがリベット挿入ツールを通して引っ張られている際に,約1mm(又はそれ以下)しか伸びないように,十分な強度を持たせることができる。図4に示すクリップの中央部分304は,図1に示したクリップの中央部分4よりも厚い。これにより,クリップ304の引張強度を高めることができる。図4のクリップの中央部分304の厚さは,例えば約0.5mm(±0.05mm)とすることができる。一般的に,本明細書の随所で言及されている寸法は,±0.05mmの公差を有する。すなわち,例えば中央部分304は,厚さを0.45mm~0.55mmとすることができる。
クリップ302における4つの突部310a~dは,図1~3に示したクリップの突部と同じ全体形状を有する。ただし,突部は一部の寸法が異なっている。各突部310は,内側部分312及び外側部分314を含む。各突部310の内側部分312は,クリップ302の中央部分304に接続されている。各突部の外側部分314は内側部分312に接続され,リップ316を含む。各突部は,外側部分314を完全に貫通して内側部分312内の途中まで延びる盲穴315を含む。クリップ302は,射出成形で形成することができる。突部の盲穴315は,射出成形プロセスによって惹起され得る突部の歪みを有利に低減する。
リップ316は,各突部310の周囲に延び,外側部分314の直径が内側部分312の直径よりも大きくなるように横方向に突出する。外側部分314の外縁は,鋭敏なコーナー部317(例えば,著しい丸みを含まないコーナー部)を有する。鋭敏なコーナー部317は,本明細書の随所で記載されているように,クリップ302上にリベットテープを保持するのに寄与することができる。外側部分314の下端部は凸状であり,湾曲している。下端部の曲率半径は,一定である。外側部分314における下端部の湾曲形状は,本明細書の随所で記載されているように,突部310がリベットテープ穴に入るのを助けることができる。
各突部310は,例えば,長さを約1.8mmとすることができる。これは,図1~3に示したクリップ2の突部10よりも短い。更に上述したように,中央部分304の厚さは,図1~3に示した実施形態における中央部分4の厚さよりも大きい。従って,中央部分304はより厚いが,突部310はより短い。中央部分304と突部310とを組み合わせることにより,図1から図3に示した実施形態と同じ総厚が得られる。換言すれば,中央部分304の中央から突部310の底部まで測定した厚さは,クリップの他の実施形態と同じである。図示の実施形態では,厚さは2.3mmである。一般的に,厚さは約2mm以上とすることができる。厚さは,使用中における縦方向の過度の伸びを避けるために十分に大きく,かつ,クリップがリベット挿入ツールのノーズを容易に通過できるように十分に小さい値とすることができる。
図4Cから見られるように,突部310a~dは,テープ322,326を通過するのに十分な長さである。従って,クリップ全体の厚さを増大させずに中央部304を厚肉化するために突部を短くすると,クリップ302の引張強度が有利に向上する一方で,依然としてクリップをリベットテープ322,326に確実に固定することができる。
各突部の内側部分312は,例えば,長さを約1.1mmとすることができる。各突部の外側部分314は,例えば,長さを約0.7mmとすることができる。盲穴315は,例えば,長さを約1.0mmとすることができる。各突部の内側部分312は,例えば,直径を約5.0mmとすることができる。各突部の外側部分314は,例えば,直径を約5.5mmとすることができる。盲穴315は,例えば,直径を約2mmとすることができる。各外側部分314の下端は,例えば,曲率半径を約3.4mmとすることができる。曲率半径は,各リップ316の外縁まで連続させることができる(図1~3の実施形態とは異なる)。底面は,単一の曲率半径を有することができ,複数の曲率半径を組合わせた複合曲線を含む構成とすることもできる。突部がリベットテープの穴に挿入される際にリベットテープが突部上で摺動するのを促進するため,一般的に,本実施形態及び他の実施形態において,突部310の底部は凸曲線とするのが望ましい。
一般的に,各突部310は,長さを約1.5mm以上とすることができる。この長さは,リベットテープを確実に固定するのに十分な値である。これは,クリップの他の実施形態についても当てはまる場合がある。
図1~3に示した実施形態では,中央の対をなす突部10b及び10cの間の間隔は,これらの突部と遠位突部10a及び10dとの間隔の半分であった。図4に示されている実施形態では,これは当てはまらない。代わりに,各突部310a~d間の間隔はほぼ等しく,突部310b,310cの中央対の間では僅かに小さい(例えば,約5%だけ小さい)間隔とされている。この僅かに小さい間隔は,後述するように,クリップ312の僅かな伸張に対応させるためのものである。
本明細書の随所で記載されているように,クリップは,ツールのスイッチとの係合や,ツール等へのトラッピングを伴わずに,テープがリベット挿入ツールを通過できる構成とすることが望ましい。これは,図1~3に示した実施形態では,リベットテープにおける最外側の穴との係合により達成されている。しかしながら,図4に示す代替的な実施形態では,接合されているテープ322の一方における最外側の穴324dは,クリップ302と係合していない。図4Cにおける矢印は,リベットテープ322,326のリベット挿入ツールへの移動方向を示している。クリップ302が係合されない最外側の穴324dは,テープ326の先端部に接合されている別のテープ322の後端部に配置されていることが分かる。用語を簡単なものとするため,本明細書では,これらのリベットテープを旧リベットテープ322及び新リベットテープ326と称する。旧リベットテープ322が最初にリベット挿入ツールに送り込まれるため,リベット挿入ツールのノーズをリベットテープが通過する際,リベット挿入ツールのノーズ内におけるリベットテープのトラッピングを伴わずに,テープ322がクリップ302から離れる方向に若干撓むことがある(例えば図6Aを参照)新テープ326の最初の穴がクリップ302と係合していない場合,テープがリベット挿入ツールのノーズを通過する際にクリップから離れる方向に撓むと,テープの前縁がノーズ内にトラップされる。旧リベットテープ322の最後の穴324dをクリップ302と係合させる必要のない構成とすれば,クリップの設計に一定の自由度が得られ,これはクリップの性能を後述するように改善するために使用されてきた。
第1の突部310a及び第2の突部310bの間の間隔は,約18mmである(突部の中心間で測定)。これは,リベットテープ322,326における穴324の間の間隔(穴の中心間で測定)に対応する。同様に,クリップ302の第3及び第4の突部310c,dの間の間隔は約18mmである。クリップ302の第2の突部310b及び第3の突部cの間の間隔は約17mmである。クリップ302の使用中,リベットテープがリベット挿入ツールを通して引っ張られる際にクリップ310に加えられる力により,クリップ302は若干の伸びを生じる。この力の結果として,クリップ302の中央部分は約1mmだけ伸びる。従って,使用中,第2の突部310b及び第3の突部cの間の間隔は約18mmである。これは,第1及び第2の突部310a,bの間の間隔,並びに第3及び第4の突部310c,dの間の間隔と同じである。その結果,使用時に,旧テープ322及び新テープ326のスプロケット穴327は,リベット挿入ツールにおけるスプロケットホイールと正しく整列する。
一般に,本発明の実施形態によるクリップは,他の突部間の間隔よりも小さい(又は他の突部間の間隔の倍数よりも小さい)間隔を有する一対の突部を含むことができる。間隔の相違量は,クリップが使用される際の突部対間に生じる伸縮に対応させることができる。間隔の相違量は,例えば最大で約2mmとすることができる。間隔の相違量は,約1mmとすることができる。
次に,リベットテープ322,326を切断してクリップ302と係合させる方法について,図4Dを参照して詳細に説明する。リベットテープの移動方向は,図4Dの矢印で示されている。旧リベットテープ322は,テープを横断する単一の切れ目349を有することが分かる。これは,正方形カットと呼ばれる場合がある。しかしながら,新リベットテープ326は,テープを横断する単一の切れ目を有するものではない。代わりに,新リベットテープ326は,三辺カットを有する。三辺カットは,正方形部分350,第1の傾斜部分351及び第2の傾斜部分352を含む。カットの正方形部分350は,両側に角度付き部分351,352を有するテープ326の中心に向かっている。従って,さもなければ生じることとなる新リベットテープ326における90°の角は存在しない。三辺カットの正方形部分350は,テープを横断している。切り込み351,352の角度付き部分は,中央部分350に対して20°以上の角度を規定することができ,例えば,中央部分に対して30°以上の角度を規定することができる。
傾斜部分351,352を設けることは,リベットテープの角部がリベット挿入ツールのノーズと係合してリベット挿入ツールにトラップされる可能性を減らせる点で有利である。角度付き部分351,352により規定される角度が大きくなるほど,テープがリベット挿入工具のノーズにトラップされるリスクが減少する。しかし,傾斜部分351,352の角度が過大であれば,クリップ302の第3の突部310cの周りにおけるリベットテープ326の量が減少する。材料が過度に削減されると,テープ326に力を加えることにより,リベット挿入ツールを通してテープを引っ張る際に,第3の突部310c周りのテープ326が破断傾向を呈することとなる。角度を20°以上とすれば,十分なテープ強度を依然として提供しながら,新テープ326がトラップされる可能性を有利に低減できることが判明した。角度を30°以上とすれば,十分なテープ強度を依然として提供しながら,新テープ326がトラップされる可能性を更に低減できることが判明した。図示の実施形態において角度は約38°であり,この角度は,テープトラッピングの低減又は排除と同時に十分なテープ強度の保持という複合的な利点を達成する。
テープの穴324の位置に対する旧テープ322及び新テープ326の切断位置は,良好なテープ強度を提供すると共に使用中のクリップ302の伸びに対応するように選択することができる(例えば,約1mmの伸び)。先ず,旧テープ322に着目すると,旧テープは,最後の穴324dと次の開口部との間の途中では切断されない。代わりに,切断は次のスプロケット穴の上流側で行われる。最後の穴324dの後方における領域又はランド356が減少する(テープの穴間の等距離点で切断する場合の場合との対比)。対照的に,新テープ326は,最初の穴324eと先行する穴との間の中間点の上流側における正方形部分350の切断部を有する(切断後は存在しなくなる)。これにより,突部310cの前方における新テープ326の面積又はランド354が増加する。一般的に,穴324間の等距離点の上流側で新テープ326を切断すれば,新テープ326には等距離切断が行われた場合の強度よりも高い強度が与えられる。カットの傾斜部分351,352は,テープの前縁でスプロケット穴327を支える新テープ326の部分を除去する。従って,さもなければスプロケットの穴が配置される筈の位置にスペースが存在する。
新テープ326の先端部における付加的なランド354は,旧テープ322の後縁部から失われるランドを犠牲にして提供される。旧テープ322の端部における狭いランド356は,クリップ302を介して旧テープ322に力を加えてリベット挿入工具を通して引っ張る際に伸びを回避するほど十分な強度を有するものではない。このため,突部310a,bは穴324dを通過せず,代わりに他の穴を通過する。これにより,旧テープ322の遠位端にある穴324dを破断する張力が回避される。更に上述したように,これは旧テープの後縁部であるため,リベット挿入ツールのノーズにはトラップされない。
新テープの先端側におけるランド354と旧テープ322の後端側におけるランド356の複合長さは,何れかのテープの隣接する穴324の間のランドより短くすることができる。例えば,結合ランド354,356は,約1mm(又は1mm以上)だけ短くすることができる。これにより,旧テープの最後の穴324dと新テープの最初の穴324eとの間の間隔が何れかのテープの穴間の間隔よりも約1mmだけ短い状態で,旧リベットテープ322と新リベットテープ326とを接続することができる。これは,動作中におけるクリップ302の約1mmの伸びに有利に対応する。この伸びが生じると,スプロケット穴327間の間隔は,リベット挿入ツールにとって望ましいものとなる(例えば,約18mmの間隔)。
以上において記載しなかった図4のクリップの部分,例えば先細端部は,図1~3のクリップにおける対応部分と同一又は類似の構成とすることができる。クリップ302は,弾性材料から形成される。クリップ302は,例えばナイロン66等のプラスチックから形成することができる。
クリップの更なる実施形態を図5に示す。図5は,本発明の代替実施形態によるクリップ402を示す。クリップ402は,リベットテープ422,426と共に第1の断面が図5Aに示されており,第2の断面が図5Bに示されている。図5Cは,クリップ402に取り付けられたリベットテープ422,426の下側からの斜視図である。
図1~4に示す実施形態は,シャンク直径が5mmのリベット(5mmリベットと呼ばれる場合もある)を保持するリベットテープと係合する構成とされる。リベットテープの穴の直径は約5mmであり,図1~4に示すクリップ2,302の突部10a-d,310a-dは,それに応じた寸法になっている。これらのクリップは,5mmクリップと呼ばれる場合がある。図5に示す実施形態は,シャンク径が3mmのリベット(3mmリベットと呼ばれる場合もある)を保持するリベットテープと係合する構成とされている。クリップ402は,それに応じた寸法の突部410a~fを有する。これらは3mmクリップと呼ばれる場合がある。リベットテープは,3mmリベットテープと呼ばれる場合がある。
クリップ402は細長く,中央部分404並びに第1及び第2の側部406,408は,図4に示された実施形態のものと同じである。突部410a~fは,同じ長さ,同じ長さの盲穴等を有する。
突部410は,横方向に突出するリップ416を含む。しかしながら,各突部の内側部分412は,約5mmの直径の代わりに約3mmの直径を有し,各突部の外側部分14は,約5.5mmの直径の代わりに約3.5mmの直径を有する。外側部分414の底部の曲率半径は,約0.85まで増加する。寸法及び曲率半径のこれらの変化により,クリップ414は,直径が約3mmのリベットテープ穴424a-fと係合することができる。
クリップ412には,4つの突部の代わりに6つの突部410a~fが設けられている。これは,クリップとリベットテープの間の接続不良のリスクを減らすべく,クリップ402とテープの間のより強力な係合を提供するためである。3mmのリベットテープに突部が2つしかない場合,突部が狭くなり,テープが突部周りで伸びる傾向があるため,接続不良が発生する可能性がある。不良な接続が発生し,テープがこのように伸びると,テープのスプロケット穴間の間隔が増大し,リベット挿入ツールのスプロケットホイールでテープが詰まってしまう。リベットテープに3つの突部を係合させると,これが発生するリスクが減少する。
5mmクリップに関しては,3つの突部をリベットテープに係合させるためにより多くの力が必要であるため,3つの突部をリベットテープに係合するよりも2つの突部をリベットテープに係合させるのが好ましいことに留意されたい。ただし,3mmのクリップの場合,クリップとテープを係合させるためにより多くの力を加える必要があるという欠点が,接続不良を回避するという利点を上回る。
図5Cは,旧リベットテープ422と新リベットテープ426と係合したクリップ402を示す。図4Dに関連して上述した実施形態と共通の特徴として,旧テープ422は単一カット449で切断され,一方,新テープ426は三辺カットで切断される。三辺カットは,正方形部分450と,第1及び第2の傾斜部分451,452からなる。傾斜部分451,452の角度は,図4に関連して上記で説明した角度と一致させることができる。一般的に,図4に関連して上述したカットに関する説明は,本実施形態にも当てはまり得る。
クリップ402における最初の3つの突部410a~cのそれぞれの間の間隔は,約6.75mmである。これは,リベットテープ422,426の穴424の間の間隔に対応する。同様に,クリップ402における最後の3つの突部410d~fのそれぞれの間の間隔は,約6.75mmである。クリップ402における中央の2つの突部410c,d間の間隔は,約12.5mmである。これは,他の突部間の間隔の2倍よりも1mm短くなる。図4の実施形態に関連して上記で説明したように,テープ穴間の間隔の約2倍の間隔とすれば,旧リベットテープ422の後縁穴424dは開いたままであり,突部に係合しない。これにより,テープ422は使用中にクリップ402から離れる方向に湾曲させことができるが,テープの後端部であるためにリベット挿入ツールに閉じ込められることはない。
使用中にクリップ402が約1mmだけ伸びると,使用中における最内側対の突部410c,dの間の間隔を約13.5mmとすることができる。これは,リベットテープ422,426の穴間の間隔の2倍であり,従って,テープのスプロケット穴427がリベット挿入ツールにより適正に係合させることが可能である。
図4に示す実施形態と共通の特徴として,旧テープ422の後縁部から失われたランドを犠牲として,新テープ426の先端部に付加的なランド454が設けられている。新テープ326の前面側ランド454と旧テープ322の背面側ランド356の複合長さは,何れかのテープの隣接する穴424間のランドよりも短くすることができる。例えば,組み合わされたランド454,456は,約1mmだけ短く(又は1mmより短く)することができる。これにより,旧テープの最後の穴424cと新テープの最初の穴424dとの間の間隔が何れかのテープの穴間の間隔よりも約1mmだけ短い状態で,旧リベットテープ422と新リベットテープ426を接続することができる。これは,動作中のクリップ402の約1mmの伸びに有利に対応する。この伸びが生じると,スプロケット穴427間の間隔は,リベット挿入ツールにより望まれる値(例えば,約6.75mmの間隔)となる。
以上において記載されなかった図5のクリップ部分,例えば先細端部は,図1~3のクリップの対応部分と同一又は類似の構成とすることができる。クリップ402は,弾性材料から形成される。クリップ402は,例えばナイロン66等のプラスチックから形成することができる。
3mmクリップ及び5mmクリップには,同色素材を使用することができる。この場合,6mmの突部を持つ3mmクリップと4本の突部を持つ5mmクリップを提供することにより,作業員は2つのクリップを簡単に区別することができる。3mmクリップ及び5mmクリップを作成する場合に同色素材を使用すると,単一の金型(3mmクリップを形成するキャビティと5mmクリップを形成するキャビティを含む金型)を使用することができるため望ましい場合がある。一般的に,各種サイズのリベットテープのクリップに異なる数の突部を形成すれば,クリップを簡単に区別することができる。3mmクリップ及び5mmクリップは,異なる色の素材を使用して作成することができる。
本発明の実施形態に係るクリップを使用することにより,3mm及び5mm以外のシャンク直径を有するリベットを保持するリベットテープを接合することができる。それに応じて,突部10,310,410の寸法を拡大縮小することができる。突部の内側部分12,312,412は,クリップを使用して接合されるテープによって保持されるリベットのシャンク直径に対応する直径を有することができる。リベットテープを受け取るリベット挿入工具のノーズ寸法が変更されければ,中央部分4,304,404及び側面部分6,306,406,8,308,408の寸法は変わらない場合がある。ノーズ寸法を変更すると,中央部とサイド部の寸法も変更される場合がある(寸法は,クリップがスイッチに係止されず,又はノーズ内でのトラッピングを伴わずに,クリップがノーズを通過できるように選択する)。
本発明の図示実施形態において,クリップには,クリップの中央部分からリベットテープの反対側に係合させるためのリップを有する突部が設けられている。代替的な実施形態(図示せず)では,突部からリップを省略することができる。突部は,より短く形成することもできる。そのような実施形態では,クリップとテープとの間に配置される接着剤を使用して,クリップをテープに固定することができる。
図6は,リベット挿入ツール30(リベット挿入ツーリングとも称される)をリベットテープ22と共に示す斜視図である。図7A及び7Bは,挿入工具30におけるノーズ31をリベットテープ22,26及びクリップ2が通過している状態におけるノーズの断面を示す。図7C及び7Dは,リベットテープ22がノーズ31を通過している状態におけるノーズの斜視図である(ノーズのハウジングは,これらの図面では省略されている)。先ず図6を参照すると,リベットテープ22はチューブ36を介してリベット挿入ツールに送られる。リベットテープ22は,モータ38(例えば空圧モータ)によって駆動されるスプロケットホイール(見えない)によってリベット挿入ツール30を通して引き出される。チューブ36及びモータ38の位置は,リベットテープ22,26及びクリップ2がリベット挿入工具30を通過する際に相当の曲げ及び捩じれを生じるような位置である。この曲げは,図7Aで確認することができる。クリップ2が弾性材料で形成されているため,リベット挿入工具30のノーズ31に出入りするときに必要に応じて曲げたり捩じったりすることができる。
図7A及び図7Bから分かるように,リベット挿入ツールのノーズ31内には限られた量の空間がある。ノーズ31内にはセンサ80が設けられており,このセンサは,リベットテープ22に向けて下方に延びる指部81を備えている。指部81は,図7C及び7Dで最も容易に確認することができる。指部81は,図7Cに示すように,上端に枢着されており,リベット受け部材82によって画定される半円形開口部に入るように付勢されている。リベット挿入工具30の動作中,リベットがノーズ31に入ると,リベット受け部材82まで移動してから,リベット受け部材の内側における半円形の壁により,それ以上の移動が防止される。図7Dに示すように,リベットは指部81を半円形の開口部から押し出す(ただし,指部がよりはっきり見えるようにするためにリベットは省略されている)。この移動によりセンサ80のスイッチ(図示せず)を作動させ,制御システム72に信号を出力して,ノーズ31内にリベットが存在することを示す。次に,コントローラ72により,リベット挿入工具30でリベットをノーズからワークピースに打ち込ませる。
リベット受け部材82は,2つの部分82a,bから形成される。図7A及び図7Bを参照すると,リベット受け部材82の各部分82a,bは,リベットテープを下向きに案内するための最下面を有し,それによりリベットテープがリベットセンサ80から離れた状態を維持するのを助ける。側面から見たときのこれらの最下面は,下向きのテーパを有する突部84a,bを含む。テーパは突部84a,bの側面上にあり,突部84a,bはノーズ31を通過する際にリベットテープ22を受ける。従って,テーパは,リベットテープがノーズ31を通過する際,リベットテープ22を下向きに押してリベットテープの平坦化に寄与する。正面から見た場合,下向きの突部84a,bは平坦な内側部分85a,bを有し,平坦な内側部分から外向き及び上向きにテーパを有する表面86a,bを有し,平坦な外側部分87a,bを更に有する。この構成は,横向きテーパと称される場合もあり,リベットテープ22をセンサ80から離れた状態を維持するのにも寄与する。
リベット挿入工具30のノーズ31は,センサ80を保持するハウジング32と,ハウジングから下向きに延びるチューブ33とを含む。チューブ33は,例えば,チューブのフランジ34がハウジング32に接触するまでハウジング32に押し込まれ,その後,ハウジングに固定される構成とすることができる。チューブ33の最上端部35は,リベットテープ22がノーズ31を通過する際にその底面を支持する支持面を提供する。
チューブ33の最上端部35は,リベット受容部材82と共に,リベットテープ22が通過しなければならない制限された空間を画定する。クリップ2も,この制限されたスペースを通過しなければならない。図7Aから分かるように,リベット受け部材の最下面における横方向のテーパ部は,スペースの中央部分がより制限され,スペースの中央部分の両側でより多くのスペースが利用できる構成とされている。更に上述したように,クリップ2の側部6,8は,クリップの中央部4よりも厚い。より厚い側部6,8は,図7Aに示すように,スペースの中央部の両側で利用可能な空間を通過する。クリップ2の中央部分4は,空間のより制限された中央部分を通過する。換言すれば,クリップの中央部分4は,リベット受け部材82の平坦な内側部分85a,bの下側を通過し,クリップの側部6,8の少なくとも一部は,リベット受け部材82の平坦な外側部分87a,bの下側を通過する。クリップ2の中央部分4は,例えば,厚さを0.4mm未満(例えば,約0.3mmの厚さ)とすることができる。一般的に,クリップ2は,ノーズ31内で利用可能なスペースを通過する構成とされている。
リベットテープ22,26がリベット挿入工具30のノーズ31を通って送られると,クリップ2はリベット受け部材82の下側を通過する。クリップ2は,リベット受け部材82によって画定される半円形の開口部に入り込まず,指部81を半円形の開口部から押し出さない。したがって,指部81は,リベットの存在を示す信号をセンサ80に出力させない。クリップ2のテーパ面18bは,クリップがリベット受け部材82の下側をスムーズに通過するのを助け,クリップがリベット受け部材の半円形の壁に係止されるのを防止する。
クリップがノーズ31を通過する際,センサ80は,リベットの存在を示す出力信号を発生しない。従って,リベットツールの打ち込み操作が中断される。モータ38(図6を参照)がリベットテープ22を引っ張って,ノーズ31を介してクリップ2を引っ張る。モータ38は,リベットがリベット受け部材82に入り,そのリベットがセンサ80によって検出されるまで,ノーズ31を通してリベットテープ22及び新たなリベットテープ26を引き続ける。次に,モータ38が停止し,リベットがリベットツールのアクチュエータによりワークピースに打ち込まれる。その後,次のリベットが検出されるまでモータが再び作動する。
図6は,リベット挿入工具30,チューブ36及びモータ38以外に,リベットテープ固定装置40と,リベットテープ22のスプールを支持するリール42も示している。リベット挿入ツール30,チューブ36,モータ38,リベットテープ固定装置40及びリール42は全て,ロボットアーム(図示せず)に取り付けることができる。リベットテープ22はほぼ完全に使い果たされており,ここでは旧リベットテープと称される。リベット挿入ツール30の近傍におけるリベットテープにはリベット23が存在するが,リール42の近傍にはリベットが存在しない。図8Aは,リベットテープ固定装置40の断面をチューブ36の一部及び旧リベットテープ22と共に示す。図示の便宜上,旧リベットテープ22はチューブ36に至る途中で終端するように表されているが,実際には,リベットテープは,図6に示すようにチューブを完全に貫通する。
リベットテープ固定装置40は,第1及び第2のセンサ44,46と可動ピン48を備えている。図示の実施形態において,第2のセンサ46及び可動ピン48は,何れもハウジング50に接続されている。ハウジング50は,支持体52に接続されている。チューブ36に取り付けられたエンドピース54も,支持体52に接続されている。第1のセンサ44は,チューブのエンドピース54上に取り付けられた誘導リングセンサである。チューブのエンドピース54は,プラスチック(例えば,ナイロン66)から形成され,従って誘導性リングセンサ44によりリベットの存在を,チューブのエンドピースを介して感知することができる。
可動ピン48は,空圧アクチュエータ56によって作動される。空圧アクチュエータ56は,チャンバ62内のピストン60から延びるロッド58を含む。コイルばね61は,ロッド58と可動ピン48との間に延在し,可動ピンの長さに沿って途中まで形成されたカラー63に係合する。可動ピンはチューブ65内に保持され,このチューブは,(例えば,ロッド外面のねじ山と係合するチューブ65内面のねじ山を介して)ロッド58に固定されている。可動ピン48は,チューブ65内で自由に上下移動可能である。可動ピン48は,チューブ65からの外向き移動がリップにより防止され,このリップはチューブ65の頂部で半径方向内向きに突出してカラー63に係合する。コイルばね61は,可動ピン48をチューブ65の上向きに付勢する。
ピストン60の下のチャンバ62の入口64には空圧供給源(図示せず)が接続されており,供給源から加圧空気が供給されるとピストン60がチャンバ62内に押し込まれる構成とされている。図8Bは,チャンバ62内に移動した後のピストン60を示している。同図から分かるように,ロッド58及びチューブ65は,リベットテープ22に向けて上向きに移動する。可動ピン48も上向きに移動するが,リベット23により,ロッド58及びチューブ65と同じ距離を移動することはできない。ピン48が上向き移動を停止すると,チューブ65の継続的な上向き移動により,コイルばね61が圧縮される。これにより,コイルばね61は,可動ピン48をリベット23に対して付勢する。
使用中,誘導センサ44は,リベットが誘導センサを通過する際に,リベットテープ22上に保持されたリベット23を感知する。図6を参照すると,リベット挿入ツール30は,リベット挿入中に矢印31aで示されるように上下に移動する。リール42は,反時計回りに回転させるバイアスがバネ負荷されている(ただし,時計回りに回転するバイアスをバネ負荷することもできる)。リベットがワークピースに挿入されると,リベット挿入ツール30の可動部がワークピースに向けて下向きに移動する。これにより,リベットテープ22がチューブ36を通して引き出され,リール42に保持されたスプールからリベットテープが巻き戻される。リベットが挿入された後,リベット挿入ツール30は以前の位置に復帰する(図6で上向きに移動する)。これにより,リベットテープ22に弛みが生じ,リベットテープはリール42のバネ荷重を介してスプールに巻き戻される。リベットテープのこの動きは,リベットを挿入するたびに繰り返される。図8Aを参照すると,同図にはリベットテープ22の第1の空の穴70が示されている。リベットの挿入中,リベットテープは左向きに引っ張られ(図8A),リベットの挿入後,リベットテープは右向きに復帰する。リベットテープ22のこの動きにより,リベットテープ22における最初の空の穴70(及びその後の空の穴)が誘導リングセンサ44を通って引き戻され,再び復帰移動する。その結果,リベットが挿入されていない間,リベットの不存在を示す信号が第1センサ44から定期的に生成される。制御システム72は,誘導性リングセンサ44から出力信号を受信する。制御システム72が,リベットテープの端部における空の穴に到達したことを示す出力信号を受信すると,制御システムは,リベットテープ切り替えプロセスをトリガーすることができる。
リベットテープ切り替えプロセスは,可動ピン48を使用するリベットテープ22の固定を含む。制御システム72が,リベットテープ22の端部における空の穴に到達したと判断すると,リベット挿入ツールの動作が中断される。リベット挿入ツール30はそのリベット非挿入位置にあるので,リベットテープ22を下向きに引っ張らず,リベットテープの一部はリールのバネ荷重によりスプールに巻き戻されている。すなわち,リベットテープ22は,例えば図8Aに示すように,リベットが誘導センサ44内に存在し,可動ピン48の上に存在する位置を有することができる。
加圧空気がチャンバ62の入口64に供給されると,ロッド58,チューブ65及び可動ピン48がリベットテープ22に向けて押し出される。図8Bに示すように,可動ピンはリベット23に係合し,チューブ65内に押し込まれる。チューブ65は,リベットテープ22(図8Bでは表されていないが,図8Dでは表されている)に当接し,それ以上の上向き移動が防止される。コイルバネ61は圧縮されており,可動ピン48をリベット23に対して付勢する。可動ピン48から加えられる力は,リベット23をリベットテープ22から押し出すには不十分である。
可動ピン48が所定位置に移動すると,リベット挿入工具30のアクチュエータが下向きに移動し,それによりリベットテープ22がチューブ36内に引き込まれる。この下向き移動は,リベット挿入ツール30によるリベットの挿入中に生じる下向き移動よりも遅い場合がある。可動ピン48の端面は,リベット23,リベットテープ22,更に次のリベット等に順次に乗り上げる。可動ピン48は,リベットの頭部を横切る可動ピンの滑らかな移動を促進するために,丸い端面を有する。リベットテープ22における最初の空の穴70が可動ピン48を通過すると,コイルばね61によるバイアスが可動ピンを空の穴に押し込む。これを図8C及び8Dに示す。センサ46は,例えば誘導近接センサで構成することができ,可動ピンがリベットテープ22の空の穴70を通過する際に可動ピン48の存在を感知する。センサ46は,空の穴に到達したことを示す出力信号を提供し,制御システム72はリベット挿入ツールの移動を停止させる。可動ピン48は,空圧アクチュエータ56によりリベットテープ22の穴70を通して所定位置に保持される。リベットテープ22は,リベットテープが移動できないように,図8Cに示される位置で可動ピン48により確実に保持されている。リベットテープ22は,上述したクリップ2を使用して新リベットテープに接続する準備が整っている。
リベットテープ固定装置40は,図10の斜視図において,リベットテープ切断装置100(以下で更に説明する)と共に示されている。リベットテープ固定装置40は,遠位端41を有する。この遠位端は,リベットテープ22の一方の縁部を支持する構成とされた第1縁部242aと,リベットテープの反対側縁部を支持する構成とされた第2縁部242bを含む。縁部242a,b間に位置するチャネル243は,リベットテープ22の支持されていない中央部を収容する。各側部242a,bの内壁に沿ってL字形チャネルが延在する。各L字型チャネルは,リベットテープ22の縁部を,リベットテープの縁部に沿って延在する隆起部も含めて受け入れる構成とされている。リベットテープ固定装置40の遠位端41には,リベットテープ接合装置200(以下で更に説明する)の上向き突出部を受け入れる構成とされた2つの穴241a,241bが設けられている。
図9は,リベットテープ22を切断するために使用することのできるリベットテープ切断装置100を示す。リベットテープ切断装置100は,図9Aの斜視図,図9Bの断面図,及び図9Cの一端から見た図で示されている。図10は,リベットテープ切断装置100を斜視図で示し,リベットテープ固定装置40を組み合わせて示している。
リベットテープ切断装置は,空圧アクチュエータ104によって操作されるブレード102を備え,空圧アクチュエータは,所要に応じてリベットテープ22を通してブレードを駆動することにより,リベットテープを切断する構成とされている。この実施形態に係るアクチュエータは空圧式であるが,他の実施形態では,何らかの別形態のアクチュエータ(例えば,電気式アクチュエータ)を使用することもできる。
リベットテープ切断装置100は,一部のみが示されているスタンド106により支持されている。スタンド106は,例えば,工場の床又はリベットセッティングツール30が使用される他の場所に固定されてもよい。スタンド106は,後述するように,リベットテープ22を受け入れる構成としたスロット108を含む。スタンド106は,ボルト110が貫通する4つの穴109を含む。ボルト110の遠位端は,リベットテープ切断装置の一部を形成するブロック112に固定されている。各ボルト110の周りにコイルバネ114が設けられ,ブロック106をスタンド106から離れる方向に弾性付勢する。ボルト110はスタンド106に固定されていないため,スタンドの穴に対して出入りすることができる。コイルバネ114による弾性バイアスにより,ブロック112をスタンド106から押し離し,ボルト114のヘッド116がスタンド106を押すようにする。このようにして,ブロック112は,スタンド106から離間した所望の位置に向けて付勢されるが,ブロックに対して力が作用する場合には,必要に応じて移動するある程度の自由を有する。
ブロック112は,一般的に,一端に開口118を有するU字型である。ブロック112は,一対の顎部120a,bの形態とし,顎部の間に開口部又は隙間118を有する構成とすることが考えられる。図9Bの断面図で最もよく分かるように,顎部120a,bは,内側部分124及び外側部分125を含む。内側部分124は,ブレード102に最も近いブロック112の側にあり,外側部分125は,ブレードから最も遠いブロックの側にある(外側部分は,ブロックの外側にある)。ブロック112の内側部分124は,図12Bが互いに向けて延在しているが,ギャップ127(内側ギャップ127と呼ばれる場合もある)により分離されている内側顎部126a,126bを含む。ブロック112の外側部分125は,互いに向けて延在しているが,ギャップ129により分離されている外側顎部128a,bを含む。外側ギャップ129と呼ばれることのあるこのギャップは,内側ギャップ127よりも大きい。各外側顎部128a,bは,段部130によりそれぞれの内側顎部126a,bに接続される。
図9C及び図10で最もよく分かるように,内側ギャップ127は外側端部で最も広い。内側顎部126a,126bは,内側ギャップ127のより狭い部分に向けて内向きにテーパを有する面131a,bを含む。内側ギャップ127の外側端部における内向きテーパ面131a,bは,リベットテープ22を捕捉することのできる位置範囲を増加させる。リベットテープは,一旦捕捉されると,内向きテーパ面131a,bにより,切断のために内側ギャップ127のより狭い部分まで案内される。
内側顎部126a,bは,外向きにテーパを有する側面132a,bを含む。これらの面は,外側顎部128a,bに向けて外向きにテーパを有する。外向きのテーパ側面132a,bは,リベットテープ固定装置の遠位端を外側ギャップ129に向けて案内するのを助けることができる。
図9Aで最もよく分かるように,外側ギャップ129は外側端部で最も広い。外側顎部128a,bは,外側ギャップ129のより狭い部分に向かって内向きにテーパを有する面149a,bを含む。内向きテーパ面149a,bは,外側ギャップ129の外側部分が外側ギャップ129の内側部分よりも広くなるように,外側ギャップ129に沿って途中に配置される。外側ギャップ129のこの構成は,リベットテープ固定装置40の遠位端を捕捉することのできる位置範囲を増加させる。リベットテープ固定装置40は,一旦捕捉されると,内向きテーパ面149a,bにより,外側ギャップ129のより狭い部分まで案内される。
ブレード102は,ブレードから延在するフランジ103を貫通するボルト134により,マウントブロック133に固定される。ボルト134及びフランジ103の間には,ワッシャ135が配置される。ワッシャ135には,ボルト134の頭部の周り及びその下方に延在する板バネ136が設けられている。マウントブロック133は,ブロック112の溝137に受け入れられて案内される隆起部(見えない)を含む。マウントブロック133は,空圧アクチュエータ104におけるチャンバ142内のピストン140から延在するロッド138に固定されている。チャンバ142の第1の入口144には,加圧空気源(図示せず)が接続されている。第1の入口144とはピストン140の反対側に位置するチャンバ142の第2の入口146には,第2の加圧空気源(図示せず)が接続されている。
内側ギャップ126の内端には,センサ150(例えば,誘導センサ)が接続されている。センサ150は,リベットテープ固定装置40が外側ギャップ129に保持されているときに出力信号を提供する構成とされている。
次に,リベットテープ固定装置40と組み合わせたリベットテープ切断装置100の動作を,図10及び図11を参照して説明する。
図10に示すように,リベットテープ固定装置40は,リベットテープ22及びリベット挿入工具(図示せず)と共に,ロボットアーム(図示せず)によりリベットテープ切断装置100に向けて移動する。管がリベットテープ固定装置40から延びているが,説明を簡単化するため,この管は図10には描かれていない。更に上述したように,リベットテープ22は,リベットテープの穴70を介した可動指部48の係合により,リベットテープ固定装置40内の適所に保持される。
ロボットアームによりリベットテープ固定装置40を移動させ,リベットテープ固定装置の遠位端41をリベットテープ切断装置100の外側ギャップ129内まで通過させる。同時に,リベットテープ22は,リベットテープ切断装置の内側ギャップ127内まで通過させる。これを図11に示す。図11Aは,リベットテープ固定装置40,リベットテープ22及びリベットテープ切断装置100の斜視図である。図11Bは,リベットテープ固定装置40,リベットテープ22及びリベットテープ切断装置100の断面図である。
リベットテープ固定装置40及び外側ギャップ129の間に何らかの不整合がある場合,外側ギャップのテーパ面123a,b,149a,bは,リベットテープ固定装置40を外側ギャップ129により依然として捕捉可能とする。ボルト110及びコイルばね114により提供されるリベットテープ切断装置100におけるブロック112の移動自由度により,ブロック112は,リベットテープ固定装置40の不整合に適応するようにその位置を受動的に調整することができる。外側ギャップ129におけるテーパ面123a,b,149a,bは,リベットテープ固定装置40の遠位端41を外側ギャップ129の内側端の所望の位置まで案内する。
内側ギャップ127における傾斜面131a,bは,リベットテープが平坦でなくても(例えば,上向き又は下向きに曲がっていても),リベットテープ22を捕捉し,かつ内側ギャップ127の内側部分まで案内可能とする。同様に,スタンド106のスロット108に設けられた傾斜面151a,bは,リベットテープが平坦でなくても,リベットテープ22を捕捉してスロットの内側部分まで案内可能とする。
図11Bから分かるように,リベットテープ固定装置40における遠位端41は,外側ギャップ129のサイズに対応する高さを有し,従って,リベットテープ固定装置は外側ギャップにぴったりと適合する。リベットテープ22は,内側ギャップ127のサイズよりもわずかに薄いため,内側ギャップ127まで容易に進入させることができる。センサ150は,外側ギャップ129内におけるリベットテープ固定装置の存在を感知し,それに応じて制御システム72に信号を送信する。リベットテープ22は,リベットテープ切断装置100内で厳密に制御された位置にあり,切断の準備が整っている。
図11Cは,リベットテープ切断装置の動作中のリベットテープ固定装置40,リベットテープ22及びリベットテープ切断装置100の断面を示す。制御システム72は,空圧アクチュエータ104の第1の入口144を通して加圧空気を供給するための信号を送信する。矢印で示すように,加圧空気はピストン140を下向きに押し込む。図11Cから分かるように,ロッド138,マウントブロック131及びブレード102も下向きに移動する。マウントブロック131の下向き移動は,溝136によって案内される。ブレード102は,リベットテープ22を切断するためのギロチンとして機能する。切り取られたリベットテープは,図11Cには示されていない。リベットテープの切断後,リベットテープ22は,可動指部48から延在する厳密に制御された長さの自由端を有する。リベットテープ22の自由端は,リベットテープ固定装置40の遠位端41を越えて突出している。
リベットテープ22が切断されると,リベットテープの残部を保持するリール(図示せず)を取り外すことができる(例えば,自動化アーム又は他の自動化システムを使用する)。
リベットテープ22が切断された後,リベットテープ固定装置40,リベットテープ及びリベット挿入工具30は,ロボットアーム(図示せず)によりリベットテープ接合装置200まで移動させることができる。別のアプローチでは,ロボットアームは移動させず,代わりにリベットテープ接合装置200をリベットテープ固定装置まで移動させる。
図12は,リベットテープ接合装置200を示す。図12において,リベットテープ接合装置200は,斜視図(図12A),上側から見た図(図12B),片側から見た図(図12C)及び断面図(図12D)で示されている。図12は,リベットテープ固定装置40,切断されたリベットテープ22(以下,旧リベットテープ22と称する)及び新たなリベットテープ(以下,新リベットテープ26と称する)も示している。
リベットテープ貼付装置200は,スタンド202上に配置されている。スタンド202は,リベットテープ切断装置100が保持されるスタンド106に接続することができる。スタンドは,リベット挿入ツール及びロボットアームが配置されている工場又はその他の環境の床に固定することができる。
空圧アクチュエータ204は,スタンド202から上向きに延在している。ブラケット206が空圧アクチュエータ204に接続されている。テープ及びクリップ保持ブロック208は,ブラケット206の遠位端に固定されている。ガイドロッド203は,空気圧アクチュエータ204の両側に配置されている。ガイドロッド203の最上端はブラケット206に固定されており,ガイドロッドの最下端はスタンド202を貫通している。ガイドロッド203は,スタンド202及びブラケット206の間に位置する中間部材209を通過する。中間部材209は,空圧アクチュエータ204における空圧チャンバの上端部を形成する。ガイドロッド203は,空圧アクチュエータ204によりブラケット206が上向きに移動される際にブラケット206の正確な位置決めを助ける。
図12Aに最も容易に見られるように,新リベットテープ26及びクリップ2は,テープ及びクリップ保持ブロック208によって保持される。新リベットテープ26及びクリップ2は,テープ及びクリップ保持ブロック208上に手動で配置することができる。クリップ2がテープ及びクリップ保持ブロック208に保持されているとき,クリップ2における突部10c,dは上向きに延在する。
テープ及びクリップ保持ブロック208は,その上面に2つの隆起部212a,bを含む本体210を備える。隆起部212a,bは,それらの間に延びるチャネル214を画定するように,互いに分離されている。チャネル214は,新リベットテープ26の幅に対応する幅を有する。指部216は,本体210から上向きに突出して,新リベットテープ26の穴を通過する。本実施形態において,穴はクリップ2の端部を越えた最初の空の穴であるが,他の実施形態では,異なる穴を使用することもできる。指部216は,新リベットテープ26及びクリップ2がリベットテープ接合装置200上における所定位置に留置するものである。指部216は,新リベットテープ26の穴に密接に嵌合し,それによって新リベットテープを確実に保持する。
テープ及びクリップ保持ブロック208の本体210は,4本のボルト218によりブラケット206に接続されている。コイルばね220が各ボルト218の周りに設けられ,ブラケット206とテープ及びクリップ保持ブロック208の間に延在している。コイルばね220は,テープ及びクリップ保持ブロック208をブラケット206から離れるように付勢する。ボルト218は,ブラケット206の穴内で自由に移動可能である。テープ及びクリップ保持ブロック208は,ブラケット206に対してある程度の移動が可能であるが,この移動はボルト218により制限される。
リベットテープ接合装置200は,テープ及びクリップ保持ブロック208の上方に位置する第2の空圧アクチュエータ220を更に備える。第2の空圧アクチュエータ220は,加圧空気源(図示せず)に接続されている。第2の空圧アクチュエータ220は,支柱224から延在するブラケット221上に保持されている。ポスト224は,スタンド202から上向きに延在する。ブラケット221は,空圧アクチュエータ220がテープ及びクリップ保持ブロック208の本体210の真上に位置するように,ポスト224から横方向に延在する。ブロック230は,第2の空圧アクチュエータ220のピストン234から延在するロッド232に接続されている。以下において押圧ブロック230と称されるブロック230は,第1及び第2の凹部236a,bを含む最下面を有する。第1及び第2の凹部236a,bは,クリップ2における第1及び第2の突部10a,b間の間隔に対応する間隔を有する。他の実施形態において,押圧ブロックには,他のクリップの突部に対応する他の凹部を設けることもできる。
テープ及びクリップ保持ブロック208は,上向きに突出する第1及び第2のテーパ付き指部240a,bを含む。第1及び第2のテーパ付き指部240a,bは,リベットテープ固定装置40の遠位端に設けられた穴241a,bに受容される構成とされる(図10を参照)。押圧ブロック230は,リベットテープ固定装置40における遠位端41のギャップ242に入ることができるほど十分に狭い。
次に,図12から14を参照して,リベットテープ接合装置200の動作を説明する。図13は,リベットテープ接合装置200を一方の側から(図13A),上側から(図13B),そして断面図(図13C)で示す。図14は,リベットテープ接合装置200を片側から(図14A),上側から(図14B),そして断面図(図14C)で示す。先ず図12を参照すると,新リベットテープ26及びクリップ2は,テープ及びクリップ保持ブロック208上に手動で係合する。リベットテープ保持装置40及び旧リベットテープ22は,旧リベットテープ22の弛み端部が押圧ブロック230とテープ及びクリップ保持ブロック208との間に位置するように移動させる。図13を参照すると,加圧空気を第1の空気圧アクチュエータ204に供給して,ピストン205を押し上げる。これにより,ロッド207及びブラケット206が上向きに移動し,テープ及びクリップ保持ブロック208も上向きに移動する。新リベットテープ26及びクリップ2は,テープ及びクリップ保持ブロック208とともに上向きに移動する。ピストン205の移動の終了段階で,テープ及びクリップ保持ブロック208の本体210は,リベットテープ固定装置40の遠位端41に対して係合する。旧リベットテープ22がクリップ2の上部に位置し,旧リベットテープの第1及び第3の穴は,クリップの第1及び第2の突部10a,bと整列している。したがって,旧リベットテープ22はクリップ2に係合する準備が整っている。
図14を参照すると,加圧空気を第2の空気圧アクチュエータ220に供給する。これにより,ピストン234,ロッド232及び押圧ブロック230を下向きに駆動させる。押圧ブロック230は,リベットテープ固定装置40の遠位端41における隙間242に入り,旧リベットテープ22を押圧する。押圧ブロック230により旧リベットテープ22を下向きに押圧して,旧リベットテープ22の穴をクリップ2の突部10a,bの周りに拡げる。突部10a,b自体は,押圧ブロック230により押圧されるものではなく,押圧ブロックに設けられた凹部236a,bに入る。従って,押圧ブロック230は,クリップ2の突部10a,bの上を通過するように旧リベットテープ22を押圧し,これにより突部を旧リベットテープに係合させる。次に,第2の空気圧アクチュエータ220を使用して,押圧ブロック230を後退させる。これにより,旧リベットテープ22と新リベットテープ26は,クリップ2を使用して互いに接合される。
新リベットテープ26を保持するリール(図示せず)は,ロボットアームに取り付けることができる(例えば,自動化されたアーム又は他の自動化されたシステムを使用して)。
リベット挿入ツール30及びリベットテープ固定装置40を,ロボットアーム(図示せず)を使用して,リベットテープ接合装置200から離れるように移動させる。リベット挿入ツールとリベットテープ固定装置を,リベットがワークピース(図示せず)に挿入される位置に向かって移動させる。可動ピン48を後退させて,モータ38により旧リベットテープ22を,リベット挿入工具30のノーズ32を通して再び引張り可能とする。次いで,リベット挿入ツール30を使用してリベットのワークピースへの挿入を再開させる。旧リベットテープ22における最後のリベットがワークピースに挿入されると,モータ38により,上述したようにリベット挿入ツール30のノーズを通してクリップ2及び新しいリベットテープ26を引張る。次に,新リベットテープ26からワークピースにリベットを挿入する。
上述したところから理解されるように,新リベットテープ26は,完全に自動化された方法で旧リベットテープ22に接合することができる。これは,作業員がリベットセッティングツールの直近まで移動する必要なく,リベット挿入ツールへのリベットの供給を可能とするため有利である(これにより,そのリベット挿入ツールが配置されている制御された環境下でリベット挿入ツールの全てを不作動状態とする必要が回避される)。
本発明の代替的な実施形態に係るリベットテープ切断装置を図15~17に示す。図15Aはテープ切断装置500の斜視図であり,図15Bはテープ切断装置を上側から見た図である。図16Aは一側から見たテープ切断装置を示し,図16Bは第1の断面で見たテープ切断装置を示す。図17Aは異なる側から見たテープ切断装置500を示し,図17Bは第2の断面で見たテープ切断装置を示す。
テープ切断装置500は,スタンド502を備える。スタンド502は,任意の便利な場所に配置することができ,例えば工場又はテープ処理施設における作業台に固定することができる。テープ切断装置500が配置される場所は,リベット挿入ツールが操作される制御された環境の外側でもよい。例えば,テープ切断装置は生産ラインから離れて配置することができる。これにより,作業員は,部分的に使用されたリベットテープを切断し,クリップを使用して傷害を被らずにそれらを接合することができる。
ガイドロッド503は,スタンド502から上向きに延在し,上部プレート506を支持する。手動操作型アクチュエータ504は,可動プレート509を支持する。可動プレートは,スタンド502と上部プレート506の間に配置される。ガイドロッド503は,可動プレート509を通って延在している。図示の実施形態では,4本のガイドロッドが設けられており,これらはスタンド502のコーナー部に隣接して配置されている。しかしながら,他の実施形態では,異なる数のガイドロッドを設けることができ,ガイドロッドは異なる配置とすることができる。4つのガイドロッド503を設けることは,上部プレート506への強力な支持を可能とし,可動プレート509を正確にガイドするためのガイドロッドの簡単な配置を可能とする点で有利である。
アクチュエータ504は,装置の一側から延在するアーム510を備え,遠位端にグリップ512が設けられている。アーム510は,作動時にアーム510を回転させるためのピボット514(例えばピン)に接続される。アーム510の近位端は,ピボット517(例えばピン)によってリンケージ516に接続されている。更なるピボット518(例えば,ピン)は,リンケージの上端部を,可動プレート509から下向きに延在するブラケット520に接続する。従って,アーム510の動作が(ガイドロッド503によりガイドされる)可動プレート509の上下運動に変換される。
可動板509には,2つのテープホルダーが設けられている。第1のテープホルダーは,テープ切断装置の右側部分に沿って延材する凹部530を備えている(図15Bの上側から見た場合)。図16B及び17Bを参照すると,可動プレート509には開口部532が設けられている。テープ受け凹部530が可動板509の外縁部から開口部532まで延在している。テープ固定ブロック534が凹部530を横切って延材している。ペグ536がテープ固定ブロック534から可動プレート509の穴538内に下向きに延在している。テープ受容凹部530の両側における付加的なペグが,ブロック534から可動プレート509内まで延在している。使用中,テープ固定ブロック534は取り除かれ,リベットテープ(図示せず)が凹部530に受け入れられる。リベットテープは,開口部532の中まで途中まで延在している。次に,テープ固定ブロックは,テープ固定ブロック534のペグ536がリベットテープの穴を通過し,次いでボア538に入るように配置される。これにより,リベットテープが所定の位置に固定される。
可動プレートの反対側にも同様に,テープ受容凹部550を横断して延在するテープ受けブロック554が設けられている。ペグ556が可動プレート509の穴558内まで延在している。付加的なペグ559が,テープ固定ブロックと可動プレート509の間に延在している。この場合にも,リベットテープは凹部550に受け入れられ,開口部532に突出する。ペグ556は,リベットテープの穴を通って穴558に入る。これにより,テープがテープ切断装置500の所定位置に固定される。
上部プレート506は,ガイドロッド503に固定されており,移動しない。第1のブレード560は,固定上部プレート506から下向きに延在するマウント(例えば,ブロック)により保持されている。ブレード560は,テープ受容凹部530の方向に対して横方向に(従って,凹部により保持されるテープに対して横方向に)延在する真直ぐな切れ刃を有する。第1のブレード560は,可動プレート509における開口部532の第1縁部563と位置合わせされる。その結果,可動プレート509が上向きに移動すると,第1のブレード560は,第1の凹部530に保持されたリベットテープにギロチン状の作用で切り込まれる。これにより,リベットテープが真直ぐに切断される。
第2のマウント570は,固定上部プレート506から下向きに延在している。第2のマウントは,例えば図4D及び図5Cに示すように,リベットテープに三面カットを行う構成とした3つのブレード部分の配列を支持する。いくつかの実施形態では,3つの側面を備えた単一の複合ブレードを設けることができる。他の実施形態では,3つのブレード部分は,3つの異なるブレードを備えることができる。一般的に,ブレード部分は,切断されたテープが90°のコーナー部を持たないように,非正方形の切断を提供する形状とすることができる。本明細書の用語を簡単にするために,テープ切断装置の当該側のブレード部分を,第2のブレード572と称する。第2のブレード572は,可動プレート509における開口部532の縁部573と整列している。その結果,可動プレート509が上向きに移動すると,第2のブレード572は,第2の凹部550に保持されたリベットテープにギロチン状の作用で食い込む。これにより,リベットテープを横切る三辺カット(又はその他の非正方形カット)が行われる。
使用中,リベットテープは,第1及び第2のテープ受容凹部530,550に固定され,上記において更に説明したように開口部532内に突出する。ハンドル512を操作し,それにより可動プレート509を押し上げる。第1及び第2のブレード560,572は,リベットテープを同時に切断する。
図4D及び5Cに関連して上記において更に説明したように,リベットテープの切断位置は,テープの最後の穴の位置に対して決定され,リベットテープに所望の強度等の特定の特性を提供するように選択することができる。特に,リベットテープの切断位置により,リベットテープの最初の穴の手前(又は最後の穴の背後)におけるランドの長さが決定される。例えば,三辺カットが施されるリベットテープの最後の穴の手前のランドは,直線カットが施されるリベットテープのランド(正方形カットと称されることもある)よりも長い場合がある。図15~17におけるテープ切断装置は,ペグ536と第1のブレード560との間の間隔が固定されているため,テープを通る切断位置を正確かつ一貫して決定可能とするものである。ペグ556と第2のブレード572との間の間隔も固定されている。これにより,作業員はリベットテープを最適な方法で簡単かつ簡単に切断できるようになり,ここで説明するクリップを使用してテープを接合することができ,リベット挿入ツールにテープが送られたときにテープを正しく機能させることができる。
図15~17のテープ切断装置に対しては,様々な修正を加えることができる。例えば,他の実施形態では,上部プレートは,中間プレートが固定された状態で移動可能とすることもできる。アクチュエータの形態は,必ずしも機械的なアーム及びリンク機構ではない。任意形式のアクチュエータを使用することができる。可動プレートは,例えばフレーム又は他のテープ支持構造と置き換えることもできる。好適には,テープ支持構造は,リベットテープを適所に保持するペグ及び穴に対するブレードの位置が不所望の態様で変化しないよう,十分な剛性を有する。
図示の実施形態では,テープはペグ付きブロックを使用して固定されているが,テープを固定するために,任意の適切なテープ固定装置を使用してもよい。
図示の実施形態では,2つのリベットテープを同時に切断する。しかしながら,他の実施形態において,2つの異なるテープ切断装置を使用してリベットテープを切断することができる。第1の装置は直線カットを行い,第2の装置は三面カット(又は他の非直線カット)を行う構成とすることができる。
テープ固定ブロック534,554は,5mm穴のリベットテープの代わりに3mm穴のリベットテープを固定するために逆配置とすることができる。その場合には,図面で上向きに延在するペグ580,581が下向きに延在し,穴582,583に受け入れられることとなる。この場合にも,穴582,583を有するペグ580,581とブレード560,572との間の間隔は,リベットテープの穴から所望の距離でリベットテープに切れ目が形成される値を有する。
他の実施形態において,テープ切断装置は,5mmリベットテープ又は3mmリベットテープのみを切断する構成とすることもできる。この場合,テープ固定ブロック及び可動プレート509のペグ及び穴の位置を逆配置とすることができる(ペグがプレートに設けられ,穴がブロックに設けられる)。これは,本発明の実施形態では行われない。その理由は,可動プレート509上における3mmリベットテープにペグを設ければ,5mmリベットテープに使用する装置が妨げられるから(逆も同様)である。
リベットテープのスプールを使用したリベットの供給は,リベットの出自をより厳密に監視できるため,リベットをばら状態で供給するよりも有利である。ばら状態のリベットを使用する場合,ばら状態のリベットは密閉バッグからボウル又はホッパーに注入される。その後,空圧ブローフィードを使用して,リベットをボウル又はホッパーからリベット挿入ツールに移動させ,リベットをワークピースに挿入する。このばら状態のリベット供給方法の欠点は,ボウル又はホッパーにリベットの混じり合いが生じる点である。リベットバッグで供給されるリベットは,リベットバッグのバッチコードを介して,リベットの生産手順を遡及的にトレースすることができる。ただし,ボウル又はホッパーに注入すると,リベットのバッチが混じり合う。その結果,例えば車内でリベット留めが行われるフランジが,複数のリベットバッチを使用してリベット留めされる事態を惹起させかねない。リベット品質に問題があれば,既知の良好なリベットバッチを使用して生産を再開する前に相当の保守作業が必要となる。例えば,リベットボウル又はホッパー,ブローフィードチューブ及びリベット挿入ツールマガジンを空にしなければならない。リベットテープの場合には,この欠点は生じ得ない。リベットテープの全てのスプールには,バッチ番号が与えられている。スプールの交換とはバッチ番号の交換を意味し,古いバッチ番号のリベットをリベットシステムに残留させないためである。これにより,作業員は,製造された全ての車に至るまでリベットバッチをトレースすることができる。
一実施形態において,リベットテープの各スプールは,そのスプールに保持されたリベットのバッチの識別を含めて,当該スプールを識別するためのRFIDタグ(例えば,プログラム可能なRFIDタグ,バーコード又は他の識別子)を含むことができる。新たなスプールが開始されると,スプールの識別は,RFIDタグ,バーコード又は他の識別子を使用して制御システム72により記録することができる。車両の全てのリベットジョイントには固有の番号が付され,全ての車両も固有の番号で表される。従って,制御システム72により,各車両における各リベット継手にどのリベットバッチが使用されているかを記録することができる。これにより,車両の組み立て(又は他の生産)を通じてリベットで留められたジョイントに使用されるバッチ番号の完全なトレーサビリティが提供される。リベットバッチの問題が特定された場合,制御システム72は,どのツールがそのリベットバッチを使用しているかをリアルタイムで識別することができ,これにより,リベットスプールが変更されるまでこれらのツールを使用した生産を中断することができる。リベットバッチを使用して組み立て済みの車両部品も特定することができる。従って,欠陥のあるリベットバッチを使用して組み立てられる部品の数を削減することができ,組み立て済みの部品を迅速に特定して再加工することができる。車両生産の完了後にリベットの欠陥バッチが特定された場合,欠陥リベットを使用して組み立てられた車両を特定し,必要に応じて欠陥リベットを交換することができる。
リベットテープ接合クリップ2には,RFIDタグ(例えば,プログラム可能なRFIDタグ)を設けることができる。
本明細書で使用される「リベットテープ」という用語は,複数のリベットがそれに沿って分布しているテープを意味するものと解することができる。リベットは,例えば自己穿孔リベットで構成することができる。自己穿孔リベットのシャンク径は,3mm又は5mmとすることができる。リベットは,管状リベットで構成することができる。リベットは,中実リベットで構成することができる。
発明の実施形態は,車両部品(例えば,車体部品)を形成するワークピースにリベットを挿入するために使用することができる。したがって,本発明の実施形態は,車両を製造するために使用することができる。