以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は本発明の一実施形態に係るガスメータシステムの概略構成を示す説明図である。図1に示す本実施形態のガスメータシステム1(請求項中の計量メータシステムに相当)は、ガスの使用場所に設置されるガスメータ3(請求項中の計量メータに相当)及び端子増設ユニット5(請求項中の計量メータの端子増設ユニットに相当)を有している。
なお、本実施形態では、ガスメータ3としてLPガス用のガスメータを例に取って説明する。
ガスメータ3は、上部の左右にガス配管の接続口7,9を有しており、正面上部に表示部11と復帰ボタン13とを有している。表示部11には、ガスメータ3の内部で接続口7,9間を接続する計量流路(図示せず)において計量されたガスの流量や、等が表示される。復帰ボタン13は、ガスメータ3の内部で計量流路を遮断弁(図示せず)が遮断した場合に、遮断弁による計量流路の遮断を解除するために操作される。
ガスメータ3の正面下部にはカバー15が取り付けれている。カバー15を外したガスメータ3の内部には端子台17が設けられている。端子台17は、外部機器(図示せず)を接続するための2つのポート19,21を有している。各ポート19,21は2つずつの接続端子23,25、27,29をそれぞれ有している。
本実施形態では、端子台17のポート19がNラインに対応しており、ポート19の接続端子23はDT端子、接続端子25はSG端子である。また、端子台17のポート21はUバスに対応しており、ポート21の接続端子27はU1端子、接続端子29はU2端子である。
即ち、本実施形態のガスメータ3は、ポート21の接続端子27,29をUバス対応として兼用端子化することで、Hライン用の接続端子(開、閉、コモン)や外部1、外部2の各端子を省略し、端子台17ひいてはガスメータ3の小型化を図っている。
なお、従来はHライン用の接続端子に接続していた宅内操作器、外部1端子に接続していたガス警報器及びCO警報器、外部2端子に接続していた自動切替調整器等の外部機器は、Uバス対応のポート21の接続端子27,29を利用してガスメータ3に接続する。
言い換えると、宅内操作器、ガス警報器及びCO警報器、自動切替調整器等の外部機器は、Uバス対応品でないと、ガスメータ3に接続することができなくなってしまう。
そこで、本実施形態のガスメータシステム1では、ガスメータ3に直接接続できない宅内操作器、ガス警報器及びCO警報器、自動切替調整器等の外部機器用の接続端子を、端子増設ユニット5を用いて実質的に増設するようにしている。
端子増設ユニット5は、正面に端子台31、セレクトスイッチ33及び表示部35を有している。また、端子増設ユニット5は、制御ユニット37を内蔵している。
端子台31は、外部機器を接続するための3つのポート39,41,43を有している。各ポート39,41,43は2つずつの接続端子45,47、49,51、53,55をそれぞれ有している。
ポート39の接続端子45,47に接続する外部機器の種別、ポート41の接続端子49,51に接続する外部機器の種別、及び、ポート43の接続端子53,55に接続する外部機器の種別のうち2つまでは、セレクトスイッチ33の操作でそれぞれ設定できる。なお、セレクトスイッチ33の操作によって接続する外部機器の種別を設定できるポートを、全てのポート39,41,43としてもよい。
設定可能な外部機器の種別は、例えば、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」、「Uバス」、「Nライン」等で表される。
「外部1」は、ガスメータの外部1端子に接続されるガス警報器及びCO警報器等を示す。「外部2」は、ガスメータの外部2端子に接続される自動切替調整器57等を示す。
ポート39、ポート41及びポート43のどれかに接続する外部機器の種別を「外部1」又は「外部2」に設定した場合は、例えば、設定したポート39,41,43の接続端子45,49,53を「+端子」として使用する。また、設定したポート39,41,43の接続端子47,51,55を「-端子」として使用する。
「遠隔開・閉」は、ガスメータのHライン用の接続端子(開、閉、コモン)に接続される宅内操作器等を示す。
ポート39、ポート41及びポート43のどれかに接続する外部機器の種別を「遠隔開・閉」に設定した場合は、例えば、設定したポート39,41,43の接続端子45,49,53を「開端子」として使用する。また、設定したポート39,41,43の接続端子47,51,55を「コモン端子」として使用する。
なお、ポート39、ポート41及びポート43のどれかに接続する外部機器の種別を「遠隔開・閉」に設定したら、例えば、接続する外部機器の種別が未設定のポート39、ポート41及びポート43の接続端子45,49,53を「閉端子」として使用する。
「Uバス」は、Uバス対応のガスメータに接続されるUバス接続に対応した外部機器を示す。
ポート43に接続する外部機器の種別を「Uバス」に設定した場合は、例えば、設定したポート43の接続端子53を「U1端子」として使用し、接続端子55を「U2端子」として使用する。
「Nライン」は、ガスメータのNライン端子(DT,SG)に接続されるNCU(ネットワークコントロールユニット)等を示す。
なお、本実施形態では、ポート39,41,43に接続する外部機器の種別の選択肢が「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」、「Uバス」である場合について説明する。但し、接続する外部機器の種別として「Uバス」を設定することができるのは、ポート43のみであるものとする。
セレクトスイッチ33は、押圧及びその解除によりオンオフ状態が切り替わるスイッチであり、例えばマイクロスイッチ又はメンブレンスイッチで構成することができる。
ポート39の接続端子45,47に接続する外部機器の種別、ポート41の接続端子49,51に接続する外部機器の種別、及び、ポート41の接続端子49,51に接続する外部機器の種別の、セレクトスイッチ33による設定内容は、表示部35に表示される。
表示部35は、図2の説明図に示すように、セレクトスイッチ33の操作による設定内容をポート別に表示する2組のインジケータ59,61を有している。各インジケータ59,61は、設定対象のポートを示すポート表示部63と、設定された外部機器の種別(「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」、「Uバス」)を示す種別表示部65とをそれぞれ有している。
ポート表示部63は、設定対象のポートに対応する3つのシンボル67,69,71を有している。シンボル67(ポート1)は端子台31のポート39、シンボル69(ポート2)は端子台31のポート41、シンボル71(ポート3)は端子台31のポート43にそれぞれ対応している。各シンボル67,69,71は、例えば、多色で発光可能なマルチLEDで構成することができる。
なお、外部機器の種別が設定されていないポートのシンボル67,69,71は消灯され、設定されているポートのシンボル67,69,71は、例えば緑色に点灯される。
種別表示部65は、設定された外部機器の種別に対応する4つのシンボル73,75,77,79を有している。シンボル73は「外部1」、シンボル75は「外部2」、シンボル77は「遠隔開・閉」、シンボル79は「Uバス」にそれぞれ対応している。各シンボル73,75,77,79は、各シンボル67,69,71と同様に、例えば、多色で発光可能なマルチLEDで構成することができる。
なお、接続する外部機器として設定されていない種別のシンボル73,75,77,79は消灯され、設定されている種別のシンボル73,75,77,79は、例えば緑色に点灯される。また、接続する外部機器として選択できない種別のシンボル73,75,77,79は、例えば赤色に点灯される。
制御ユニット37は、図3のブロック図に示すように、CPU81を備える。このCPU81は、ROM83に格納されているプログラムに基づいて、端子増設ユニット5の動作を制御する。
なお、制御ユニット37には、CPU81のワーキングエリアとして機能するRAM85と、各種データ等の格納に用いられる外部記憶装置87と、入出力インタフェース部89,91とが設けられている。
外部記憶装置87には、セレクトスイッチ33の操作により設定された、端子台31の各ポート39,41,43毎の、接続端子45,47、49,51、53,55に接続する外部機器の種別の情報が格納される。
また、外部記憶装置87には、セレクトスイッチ33の操作により設定できる外部機器の種別に対応する通信プロトコルと、各通信プロトコルの信号で使用する電文をテーブル化した電文セットとが格納される。外部記憶装置87に格納される電文セットは、例えば、Nラインの通信プロトコルの電文セット、Uバスの通信プロトコルの電文セット等を含んでいる。
さらに、外部記憶装置87には、CPU81がガスメータ3の端子台17のポート19,21との間で信号を送受信するのに用いる通信プロトコル(本実施形態では、ポート19に対応するNラインの通信プロトコル)の電文セットが格納される。
入出力インタフェース部89には、ガスメータ3の端子台17の2つのポート19,21のうちどちらか一方が接続される。したがって、端子増設ユニット5のCPU81は、入出力インタフェース部89を介して、ガスメータ3の端子台17の2つのポート19,21のうちどちらか一方に接続される。
なお、本実施形態では、端子増設ユニット5のCPU81が、入出力インタフェース部89を介して、ガスメータ3の端子台17のNラインに対応するポート19の接続端子23,25に接続されているものとする。
また、端子増設ユニット5のCPU81を接続するガスメータ3の端子台17のポートを、例えば、セレクトスイッチ33の操作によって指定することができるようにしてもよい。
CPU81を接続するガスメータ3の端子台17のポート(ポート19,21のいずれか)を、例えば、セレクトスイッチ33の操作によって指定できるようにする場合は、指定された接続先のポートが外部記憶装置87に格納される。また、セレクトスイッチ33の操作によって指定できる接続先のポートの選択肢(ポート19,21)にそれぞれ対応する通信プロトコルの電文セットが、外部記憶装置87に格納される。
入出力インタフェース部91には、端子台31(の各ポート39,41,43の接続端子45,47、49,51、53,55)、セレクトスイッチ33及び表示部35が接続されている。
そして、本実施形態の制御ユニット37では、セレクトスイッチ33の長押しをCPU81が検出すると、CPU81は、端子増設ユニット5の動作モードを通常モードから設定モードに切り換える。設定モードでは、CPU81は、各ポート39,41,43に接続する外部機器の種別の設定を受け付ける。外部機器の種別は、セレクトスイッチ33の操作によって設定される。
詳しくは、端子増設ユニット5の通常モード時に、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、端子増設ユニット5を通常モードから設定モードに切り換える。そして、1組目のポートについて、外部機器の種別を設定する対象のポートの設定を受け付ける状態に切り換える。
ポートの設定を受け付ける状態では、CPU81は、表示部35のインジケータ59のポート表示部63のシンボル67を緑色に点滅させる。
シンボル67が緑色に点滅している状態で、セレクトスイッチ33の通常長さの押圧操作を検出すると、CPU81は、インジケータ59のポート表示部63において緑色に点滅させるシンボルをシンボル67からシンボル69に切り換える。
以後、セレクトスイッチ33の通常長さの押圧操作を検出すると、CPU81は、インジケータ59のポート表示部63において緑色に点滅させるシンボルを順次切り換える。このとき、緑色に点滅させるシンボルは、シンボル69→シンボル71→全消灯→シンボル67→シンボル69→…の順に切り換わる。
また、インジケータ59のポート表示部63においてシンボル67,69,71のいずれかが緑色に点滅している状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、緑色に点滅させているシンボルを緑色に点灯させる。
これにより、CPU81は、インジケータ59のポート表示部63において緑色に点灯させたシンボルに対応するポート1~3(ポート39,41,43)を、接続する外部機器の種別を設定する1組目のポートとして選択する。
なお、インジケータ59のポート表示部63のシンボル67,69,71が全て消灯されている状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、接続する外部機器の種別を設定するポートの1組目の選択をキャンセルする。
そして、インジケータ59のポート表示部63においてシンボル67,69,71のいずれかが緑色に点滅又は全て消灯している状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、外部機器の種別の設定を受け付ける状態に切り換える。
外部機器の種別の設定を受け付ける状態では、CPU81は、表示部35のインジケータ59の種別表示部65のシンボル73を緑色に点滅させる。
シンボル73が緑色に点滅している状態で、セレクトスイッチ33の通常長さの押圧操作を検出すると、CPU81は、インジケータ59の種別表示部65において緑色に点滅させるシンボルをシンボル73からシンボル75に切り換える。
以後、セレクトスイッチ33の通常長さの押圧操作を検出すると、CPU81は、インジケータ59の種別表示部65において緑色に点滅させるシンボルを、シンボル75→シンボル77→全消灯→シンボル73→シンボル75→…の順に順次切り換える。
但し、接続する外部機器の種別を設定する1組目のポートとして、「Uバス」を設定できるポート3(ポート43)が選択されている場合は、緑色に点滅させるシンボルに、「Uバス」に対応するシンボル79が加わる。
この場合に、セレクトスイッチ33の通常長さの押圧操作を検出すると、CPU81は、インジケータ59の種別表示部65において緑色に点滅させるシンボルを順次切り換える。このとき、緑色に点滅させるシンボルは、シンボル75→シンボル77→シンボル79→全消灯→シンボル73→シンボル75→…の順に切り換わる。
また、インジケータ59の種別表示部65においてシンボル73,75,77,79のいずれかが緑色に点滅している状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、緑色に点滅させているシンボルを緑色に点灯させる。
これにより、CPU81は、インジケータ59の種別表示部65において緑色に点灯させたシンボルに対応する「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」、「Uバス」(ポート3(ポート43)のみ)を、1組目のポートに接続する外部機器の種別として選択する。
なお、インジケータ59の種別表示部65のシンボル73,75,77,79が全て消灯されている状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、ポートに接続する外部機器の種別の1組目の選択をキャンセルする。
そして、インジケータ59の種別表示部65においてシンボル73,75,77,79のいずれかが緑色に点灯又は全て消灯されている状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、1組目のポートに関する設定の受け付けを終了する。これに伴い、CPU81は、表示部35のインジケータ59の表示状態を現在の状態に固定して、表示部35のインジケータ61のポート表示部63のシンボル67を緑色に点滅させる。
これにより、接続する外部機器の種別の設定を受け付けるポートが1組目から2組目に切り替わる。
以後、セレクトスイッチ33の通常長さの押圧操作を検出すると、CPU81は、検出したセレクトスイッチ33の操作内容に応じて、インジケータ61のポート表示部63の緑色に点滅させるシンボルを順次切り換える。このとき、緑色に点滅させるシンボルは、インジケータ59のポート表示部63のシンボルと同様に、シンボル69→シンボル71→全消灯→シンボル67→シンボル69→…の順に切り換わる。
また、インジケータ61のポート表示部63においてシンボル67,69,71のいずれかが緑色に点滅している状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、緑色に点滅させているシンボルを緑色に点灯させる。
これにより、CPU81は、インジケータ61のポート表示部63において緑色に点灯させたシンボルに対応するポート1~3(ポート39,41,43)を、接続する外部機器の種別を設定する2組目のポートとして選択する。
なお、インジケータ61のポート表示部63のシンボル67,69,71が全て消灯されている状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、接続する外部機器の種別を設定するポートの2組目の選択をキャンセルする。
そして、インジケータ61のポート表示部63においてシンボル67,69,71のいずれかが緑色に点滅又は全て消灯している状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、外部機器の種別の設定を受け付ける状態に切り換える。
外部機器の種別の設定を受け付ける状態では、CPU81は、表示部35のインジケータ61の種別表示部65のシンボル73を緑色に点滅させる。
シンボル73が緑色に点滅している状態で、セレクトスイッチ33の通常長さの押圧操作を検出すると、CPU81は、インジケータ61の種別表示部65において緑色に点滅させるシンボルをシンボル73からシンボル75に切り換える。
以後、セレクトスイッチ33の通常長さの押圧操作を検出すると、CPU81は、インジケータ61の種別表示部65において緑色に点滅させるシンボルを、シンボル75→シンボル77→全消灯→シンボル73→シンボル75→…の順に順次切り換える。
但し、接続する外部機器の種別を設定する2組目のポートとして、「Uバス」を設定できるポート3(ポート43)が選択されている場合は、緑色に点滅させるシンボルに、「Uバス」に対応するシンボル79が加わる。
この場合に、セレクトスイッチ33の通常長さの押圧操作を検出すると、CPU81は、インジケータ61の種別表示部65において緑色に点滅させるシンボルを順次切り換える。このとき、緑色に点滅させるシンボルは、シンボル75→シンボル77→シンボル79→全消灯→シンボル73→シンボル75→…の順に切り換わる。
また、インジケータ61の種別表示部65においてシンボル73,75,77,79のいずれかが緑色に点滅している状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、緑色に点滅させているシンボルを緑色に点灯させる。
これにより、CPU81は、インジケータ61の種別表示部65において緑色に点灯させたシンボルに対応する「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」、「Uバス」(ポート3(ポート43)のみ)を、2組目のポートに接続する外部機器の種別として選択する。
なお、インジケータ61の種別表示部65のシンボル73,75,77,79が全て消灯されている状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、ポートに接続する外部機器の種別の2組目の選択をキャンセルする。
そして、インジケータ61の種別表示部65においてシンボル73,75,77,79のいずれかが緑色に点灯又は全て消灯されている状態で、セレクトスイッチ33の長押しを検出すると、CPU81は、2組目のポートに関する設定の受け付けを終了する。これに伴い、CPU81は、表示部35のインジケータ59,61を現在の表示状態に固定する。
これにより、端子増設ユニット5の動作モードが設定モードから通常モードに切り換わる。なお、CPU81は、ポートに接続する外部機器の種別の設定内容を、各ポート1~3(ポート39,41,43)毎に外部記憶装置87に上書き記憶させる。
なお、本実施形態では、端子増設ユニット5の設定モードにおけるセレクトスイッチ33の押圧操作により、1組目のポートについては、「外部1」に対応する種別の外部機器をポート1(ポート39)に接続する旨が設定されている。また、2組目のポートについては、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器をポート2(ポート41)に接続する旨が設定されている。
したがって、図2に示すように、表示部35のインジケータ59のポート表示部63及び種別表示部65に、ポート1(ポート39)のシンボル67と「外部1」のシンボル73とが点灯されている。また、表示部35のインジケータ61のポート表示部63及び種別表示部65に、ポート2(ポート41)のシンボル69と「遠隔開・閉」のシンボル77とが点灯されている。
ところで、ポート1(ポート39)に接続する外部機器の種別として「外部1」を設定すると、同じ「外部1」に対応する種別の外部機器を、2組目のポートに接続する外部機器の種別として重複して設定することはできない。
このため、図2の表示部35の2組目のポートに対応するインジケータ61の種別表示部65では、「外部1」のシンボル73が、選択できないことを意味する赤色に点灯される。
また、ポート39及びポート41のうちどちらか1つに接続する外部機器の種別として「遠隔開・閉」が設定された場合は、ポート43の接続端子53を「閉端子」として使用する。このため、ポート43に接続する外部機器の種別として「Uバス」を設定することができなくなる。
次に、制御ユニット37のCPU81がROM83に記憶されたプログラムを実行することにより行う、入出力インタフェース部89,91の入出力信号に対するプロトコル変換処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
CPU81は、ガスメータ3からの受信信号処理(ステップS1)と、外部機器からの受信信号処理(ステップS3)とを、一定周期毎に繰り返して実行する。
このうち、ステップS1のガスメータ3からの受信信号処理では、CPU81は、図5のフローチャートに示す処理を実行する。具体的には、CPU81は、まず、ガスメータ3(の端子台17のNラインに対応するポート19の接続端子23,25)からの信号を入出力インタフェース部89を介して受信したか否かを確認する(ステップS11)。
ガスメータ3からの信号を受信していない場合は(ステップS11でNO)、一連の処理を終了する。一方、ガスメータ3からの信号を受信した場合は(ステップS11でYES)、受信した信号の電文を解析して、受信した信号の送信先の外部機器の種別を特定する(ステップS13)。
ここで、入出力インタフェース部89を介してCPU81が受信するガスメータ3のNラインに対応するポート19の接続端子23,25からの信号は、Nラインの通信プロトコルに応じたフォーマットのフレームを有している。このフレームは、スタート信号(開始信号)、STX(テキスト開始)、データ(伝送情報)、ETX(テキスト終了)、切替信号(終了信号)を含んでおり、データの部分において電文が伝送される。
したがって、CPU81は、受信したガスメータ3からの信号のデータのフレーム部分を解析して、電文の内容から送信先の外部機器の種別を特定する。
なお、入出力インタフェース部89を介してCPU81がガスメータ3のUバスに対応するポート21の接続端子27,29に接続されている場合は、ステップS13の処理の内容が若干異なるものとなる。
具体的には、接続端子27,29から受信した信号は、Uバスに対応する通信プロトコルのフレームを有しており、そのフレーム中には、電文に割り当てられたフレーム部分の他に、送信先の識別データに割り当てられたフレーム部分が存在する。そこで、CPU81は、送信先の識別データに割り当てられたフレーム部分の内容から、受信した信号の送信先の外部機器の種別を特定する。
そして、CPU81は、ステップS13で特定した外部機器の種別が、ポートに接続する外部機器の種別として設定された端子台31のポート(ポート39,41,43のいずれか)を、外部記憶装置87の記憶内容から検出する(ステップS15)。
さらに、CPU81は、ガスメータ3から受信した信号を、Nラインの通信プロトコルから特定した外部機器の種別に対応する通信プロトコルにプロトコル変換する(ステップS17)。そして、プロトコル変換した信号を、ステップS15で検出した端子台31のポート(ポート39,41,43のいずれか)から、接続された外部機器に向けて送信した後(ステップS19)、一連の処理を終了する。
次に、図4のステップS3の外部機器からの受信信号処理では、CPU81は、図6のフローチャートに示す処理を実行する。具体的には、CPU81は、まず、端子台31のポート39,41,43のいずれかに接続された外部機器からの信号を入出力インタフェース部91を介して受信したか否かを確認する(ステップS31)。
外部機器からの信号を受信していない場合は(ステップS31でNO)、一連の処理を終了する。一方、外部機器からの信号を受信した場合は(ステップS31でYES)、受信信号の送信元の外部機器の種別を、外部記憶装置87の記憶内容から検出する(ステップS33)。受信信号の送信元の外部機器の種別は、受信した信号がどのポート(ポート39,41,43のいずれか)から入力されたかに基づいて検出することができる。
さらに、CPU81は、受信した信号の内容を、ステップS33で検出した受信信号の送信元の外部機器に対応する通信プロトコルにしたがって解析し、受信した信号の内容を特定する(ステップS35)。そして、CPU81は、外部機器から受信した信号を、Nラインの通信プロトコルにプロトコル変換する(ステップS37)。
このプロトコル変換では、ステップS35で特定した受信信号の内容に対応する電文をデータの部分に配置した、Nラインの通信プロトコルに応じたフォーマットのフレームを生成する。
そして、CPU81は、プロトコル変換した信号を、入出力インタフェース部89からガスメータ3の端子台17のポート19に送信した後(ステップS39)、一連の処理を終了する。
なお、本実施形態では、CPU81が受信した信号が、端子台31のポート39に接続された外部機器からの信号である場合、その信号は、ポート39に接続する外部機器の種別として外部記憶装置87に記憶された外部機器からの送信信号であることになる。
外部記憶装置87の記憶内容では、ポート39に接続する外部機器の種別が「外部1」に設定されている。このため、ポート39に接続された外部機器からの信号は、Nラインの通信プロトコルで送信された信号と言うことになる。Nラインの通信プロトコルは、CPU81からガスメータ3の端子台17のポート19に信号を送信するときの通信プロトコルと同じである。
したがって、この場合にCPU81は、外部機器から受信したNラインの通信プロトコルの信号をそのままガスメータ3に転送する処理を、受信信号の内容を特定するステップS35の処理と受信信号をプロトコル変換するステップS37の処理として行う。
また、本実施形態では、CPU81が受信した信号が、端子台31のポート41に接続された外部機器からの信号である場合、その信号は、ポート41に接続する外部機器の種別として外部記憶装置87に記憶された外部機器からの送信信号であることになる。
外部記憶装置87の記憶内容では、ポート39に接続する外部機器の種別が「遠隔開・閉」に設定されている。このため、ポート39に接続された外部機器からの信号は、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器の通信プロトコル(無電圧信号)で送信された信号と言うことになる。この場合、CPU81は、「閉端子」として使用されるポート43の接続端子53からの信号も、同じ通信プロトコル(無電圧信号)で同時に受信することになる。
したがって、この場合にCPU81は、ステップS35において、外部機器から受信した「遠隔開・閉」に関する無電圧信号を解析して、受信信号の内容を特定する。そして、CPU81は、ステップS37において、特定した信号の内容に対応する電文を、Nラインの通信プロトコルに対応したフレームのデータのフレーム部分に配置した、Nラインの通信プロトコルに対応した信号を生成する。
なお、ステップS1のガスメータ3からの受信信号処理において、プロトコル変換する前に受信信号の内容を解析する際と、受信信号をプロトコル変換する際には、外部記憶装置87の電文セットを参照することができる。ステップS3の外部機器からの受信信号処理においても同様に、外部記憶装置87の電文セットを参照することができる。
このように構成された本実施形態の端子増設ユニット5によれば、端子台31のポート39,41,43を、セレクトスイッチ33の操作により、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器を接続するポートに設定する。この設定により、各種別の外部機器に対応する通信プロトコルで、各外部機器とポート39,41,43の接続端子45,47、49,51、53,55との間の通信を行うことができる。
よって、各接続端子45,47、49,51、53,55に接続された外部機器からの受信信号をプロトコル変換して、ガスメータ3の端子台17のNラインに対応するポート19の接続端子23,25に、Nラインの通信プロトコルで送信することができる。
また、本実施形態の端子増設ユニット5によれば、ガスメータ3の端子台17のNラインに対応するポート19の接続端子23,25から受信した信号の内容を解析して送信先の外部機器の種別を特定する。そして、送信先の外部機器と同じ種別の外部機器の接続先として設定されたポート39,41,43の接続端子45,47、49,51、53,55に、特定した外部機器の種別に対応する通信プロトコルで受信信号を送信する。
即ち、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器をガスメータ3に接続するための接続端子45,47、49,51、53,55が、端子増設ユニット5の端子台31において確保される。
このため、ガスメータ3の端子台17に存在しない、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器が接続可能な接続端子を、端子増設ユニット5の端子台31において実質的に増設することができる。
そして、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器を、端子増設ユニット5を介してガスメータ3に接続して、各外部機器及びガスメータ3をそれぞれの通信プロトコルで信号送受信させつつ、両者間で通信させることができる。
したがって、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器をガスメータ3に接続する必要があっても、ガスメータ3の端子台17からはそれらの外部機器を直接接続できるポートをなくして、ガスメータ3の小型化を図ることができる。
また、本実施形態のガスメータシステム1では、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器を端子増設ユニット5の端子台31のポート39,41,43に接続する。このため、端子増設ユニット5が手の届きやすいところに配置されていれば、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器のガスメータ3に対する接続作業を行うことができる。
したがって、端子台17に直接接続できないような手の届きにくいところにガスメータ3が配置されていても、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器の接続作業に支障が生じないようにすることができる。
さらに、本実施形態の端子増設ユニット5によれば、各ポート39,41,43に接続する外部機器の種別をセレクトスイッチ33の操作により設定する際に、設定対象のポート(ポート39,41,43)が表示部35のインジケータ59に表示される。また、設定する外部機器の種別(「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」、「Uバス」)が表示部35のインジケータ61に表示される。
このため、各ポート39,41,43に接続する外部機器の種別の設定状態を、端子増設ユニット5の表示部35の表示内容によって容易に確認することができる。
なお、表示部35を、例えば図7の説明図に示すように、液晶表示器等の表示内容を自由に設定できるマルチディスプレイ93によって構成してもよい。その場合、インジケータ59,61のポート表示部63のシンボル67,69,71、及び、種別表示部65のシンボル73,75,77,79は、マルチディスプレイ93上にキャラクタとして表示させればよい。
また、表示部35をマルチディスプレイ93によって構成する場合は、ガスメータ3で計量したガス流量を表示する流量表示部95をマルチディスプレイ93に設けることもできる。そして、ガスメータ3から端子部31のポート(ポート39,41,43のいずれか)に接続した外部機器に送信する、ガスメータ3で計量したガス流量を示す信号を利用して、ガスメータ3で計量したガス流量を流量表示部95に表示させることができる。
さらに、本実施形態では、入出力インタフェース部89を介して制御ユニット37のCPU81を、ガスメータ3の端子台17のNラインに対応するポート19の接続端子23,25に接続した。しかし、Uバスに対応するポート21の接続端子27,29にCPU81を接続してもよい。
また、制御ユニット37のCPU81を接続するガスメータ3の端子台17のポート19,21を、各ポート19,21に対応する通信プロトコルを通じて、例えばセレクトスイッチ33の操作により指定できるように構成してもよい。
その場合は、例えば、端子台31の各ポート39,41,43に接続する外部機器の種別を設定する場合と同様に、表示部35の表示を確認しながらセレクトスイッチ33を操作することで、ポート19,21を指定する構成とすることができる。また、指定した通信プロトコルを、図7に示すように、表示部35のマルチディスプレイ93に設けた指定プロトコル表示部97に表示させる構成としてもよい。
制御ユニット37のCPU81を接続するガスメータ3の端子台17のポート19,21を、各ポート19,21に対応する通信プロトコルによって指定する場合は、CPU81は、ガスメータ3との間の信号送受信を指定した通信プロトコルで行う。
ところで、端子台31の各ポート39,41,43に接続する外部機器の種別が、無電圧信号を用いて通信する「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別である場合は、外部機器の信号線が逆極性で接続される可能性がある。
具体的には、「+端子」として使用する接続端子45,49,53に、外部機器の「-」側の信号線が接続され、「-端子」として使用する接続端子47,51,55に、外部機器の「-」側の信号線が接続される可能性がある。
そこで、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器を接続するポートとして設定されたポート39,41,43の接続端子45,47、49,51、53,55に対する、外部機器の接続状態のチェック処理を行うようにしてもよい。
このチェック処理は、例えば、ガスメータ3から端子増設ユニット5が受信した信号を、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器を接続するポートとして設定されたポート39,41,43に、初めて送信する際に行うことができる。
具体的には、例えば、図5のステップS15とステップS17の間で、あるいは、ステップS17とステップS19との間で、図8のフローチャートに示す接続状態のチェック処理を行えばよい。
図8に示すように、接続状態のチェック処理では、CPU81は、まず、図5のステップS13で特定した受信信号の送信先の外部機器の種別が、無電圧信号でなく電文を用いて通信する「Nライン」又は「Uバス」であるか否かを確認する(ステップS51)。
受信信号の送信先の外部機器の種別が「Nライン」又は「Uバス」である場合は(ステップS51でYES)、一連の処理を終了する。一方、「Nライン」又は「Uバス」でない場合は(ステップS51でNO)、受信信号の送信先の外部機器(「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器)への信号送信が初回であるか否かを確認する(ステップS53)。
初回の信号送信でない場合は(ステップS53でNO)、一連の処理を終了する。一方、初回の信号送信である場合は(ステップS53でYES)、通常の極性のチェック信号を、図5のステップS15で検出したポート(ポート39,41,43のいずれか)から、接続された外部機器に向けて送信する(ステップS55)。
なお、通常の極性のチェック信号とは、接続端子45,49,53を「+」側、接続端子47,51,55を「-」側とするテスト用の信号である。
続いて、CPU81は、チェック信号の受信を確認した外部機器が出力する確認信号を一定時間内に受信したか否かを確認する(ステップS57)。一定時間内に確認信号を受信した場合は(ステップS57でYES)、以後の信号送信を通常の信号極性で行う旨を設定して、外部記憶装置87に記憶させた後(ステップS59)、一連の処理を終了する。
なお、通常の信号極性とは、信号の「+」、「-」の極性が、接続端子45,49,53を「+」側、接続端子47,51,55を「-」側とする極性であることを意味する。
一方、一定時間内に確認信号を受信しなかった場合は(ステップS57でNO)、通常とは逆極性のチェック信号を、図5のステップS15で検出したポート(ポート39,41,43のいずれか)から、接続された外部機器に向けて送信する(ステップS61)。
なお、通常とは逆極性のチェック信号とは、接続端子45,49,53を「-」側、接続端子47,51,55を「+」側とするテスト用の信号である。
続いて、CPU81は、逆極性のチェック信号の受信を確認した外部機器が出力する確認信号を一定時間内に受信したか否かを確認する(ステップS63)。一定時間内に確認信号を受信した場合は(ステップS63でYES)、以後の信号送信を逆の信号極性で行う旨を設定して、外部記憶装置87に記憶させた後(ステップS65)、一連の処理を終了する。
なお、逆の信号極性とは、信号の「+」、「-」の極性が、接続端子45,49,53を「-」側、接続端子47,51,55を「+」側とする極性であることを意味する。
一方、逆極性のチェック信号の確認信号を一定時間内に受信しなかった場合は(ステップS63でNO)、ポート(ポート39,41,43のいずれか)に対する外部機器の接続状態に問題があるものとして、エラー処理を行った後(ステップS67)、一連の処理を終了する。
以上に説明した接続状態のチェック処理をCPU81が行うことで、「+端子」及び「-端子」として使用する接続端子45,47、49,51、53,55に外部機器の信号線が逆極性で接続されても、外部機器とCPU81との通信が成立する。したがって、「外部1」、「外部2」、「遠隔開・閉」に対応する種別の外部機器がポート39,41,43に接続される場合に、外部機器とCPU81との通信を確実に成立させることができる。
これまでに説明した実施形態では、ガスメータ3の端子台17のポート数を端子増設ユニット5の接続により実質的に増設する場合について説明した。この思想は、本実施形態で説明したLPガス用のガスメータ3に限らず、都市ガス用のガスメータにも適用可能である。
また、本発明は、例えば、電気や水道の使用量を計量する電気メータや水道メータ等、外部機器を接続して通信を行う計量メータの外部機器接続用のポート数を増設する際にも、広く適用可能である。