JP7164013B2 - ネスト型光変調器を用いた光変調方法および装置 - Google Patents
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Description
本発明の他の態様による光変調装置は、マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器と、前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させる制御手段と、を有し、前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有し、前記第1信号点は、前記位相シフタにより前記位相差が与えられた出力光と当該位相差が与えられない出力光との位相差を180°とすることで得られることを特徴とする。
本発明の更に他の態様による光変調装置は、マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器と、前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させる制御手段と、を有し、前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有し、前記第1変調部および前記第2変調部の各々が、強度および位相変調の大きさを制御するための制御電極を有するMZ変調器であり、前記制御手段が、前記第1変調部の第1制御電極と前記第2変調部の第2制御電極とに90°の位相変調に応答する振幅の電圧と-90°の位相変調に応答する振幅の電圧とをそれぞれ印加し、前記位相シフタに位相差180°に応答するDCバイアス電圧を印加する、ことを特徴とする。
本発明の別の態様による光変調方法は、マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器を用いた光変調方法であって、制御手段が、前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させ、前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有し、前記位相シフタにより与えられる前記位相差が90°に設定され、前記第1信号点は、前記第1変調部および前記第2変調部を共に出力光の強度0のオフ状態に設定することで得られ、前記第2信号点が、前記第1変調部および前記第2変調部を共に出力光の相対的強度1のオン状態に設定することで得られ、前記第3信号点および前記第4信号点が、前記第1変調部および前記第2変調部の一方を出力光の強度0のオフ状態、他方を相対的強度1のオン状態にそれぞれ設定することで得られる、ことを特徴とする。
本発明の更に別の態様による光変調方法は、マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器を用いた光変調方法であって、制御手段が、前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させ、前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有し、前記第1信号点は、前記位相シフタにより前記位相差が与えられた出力光と当該位相差が与えられない出力光との位相差を180°とすることで得られる、ことを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、干渉計を構成する2つの導波路(親アーム)により2つのMZ(Mach-Zehnder)変調器が並列接続されたネスト型光変調器を用いる。2つのMZ変調器のRF用電極および親アームのDCバイアス電極に対して、それぞれ所定の位相変調に相当する電圧を所定の順序で印加する。これらの位相変調を与える印加電圧とそれらの印加順序とを制御することにより、強度0を含む位相-時間コーディング方式に必要な4状態の信号光を生成することができる。1台のネスト型光変調器により位相-時間コーディングに必要な信号光を生成することができるので、小型化および低コスト化が可能となる。
1.1)構成
図2に例示するように、本実施形態に使用されるネスト型変調器100は、親MZ干渉計MZCのアームAおよびBに、2つのMZ変調器MZAおよびMZBがそれぞれ接続された入れ子構造を有する。さらに、親アーム間で相対的な位相変調差φを与えるために、いずれか一方の親アーム(図2では親アームB)に位相シフタ101が設けられる。ネスト型変調器100の動作は制御部200により制御される。後述するように、MZ変調器MZAおよびMZBにそれぞれ印加されるRF電圧と位相シフタ101に印加されるDC電圧とが制御部200により制御される。
図2に戻って、入力した光パルスINはMZ干渉計MZCの分岐部で光パルスP1AおよびP1Bに2分岐し、分岐光パルスP1AおよびP1BがMZ変調器MZAおよびMZBへそれぞれ入力する。MZ変調器MZAおよびMZBは、印加されるRF電圧RFAおよびRFBによりそれぞれ分岐光パルスP1AおよびP1Bに対して所定の位相変調を実行し、位相変調された分岐光パルスP2AおよびP2Bをそれぞれ出力する。このうち分岐光パルスP2Bは、親アーム間に所定の位相差φを与える位相シフタ101によってさらに位相変調され、分岐光パルスP2’Bが生成される。こうして、親アームA側の分岐光パルスP2Aと親アームB側の分岐光パルスP2’Bとが合波することで光パルスOUTが出力される。
1)MZ変調器MZAおよびMZBが共にオフ状態(消光状態)となるようにRF電圧RFAおよびRFBを設定する(第1実施例)。
2)分岐光パルスP2Aと分岐岐光パルスP2’Bとが位相差180°となってキャンセルされるようにRF電圧RFA、RFBおよびバイアス電圧DCCを設定する(第2実施例)。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
2.1)構成
図5に例示するように、本発明の第1実施例による光変調装置は、位相シフタ101に印加されるバイアス電圧DCCが親アーム間に位相差φ=90°を与える。さらに、上述したように、RF電圧RFAおよびRFBがMZ変調器MZAおよびMZBをそれぞれオフ状態(消光状態)にすることができ、MZ変調器MZAおよびMZBを共にオフ状態にすることでIQ平面状の強度0の信号点S0を生成する。このようなオフ状態が実現されるように、MZ変調器MZAおよびMZBは、それぞれのバイアス電圧DCAおよびDCBによって位相変調動作点が予め調整され、バイアス電圧DCCも同様に、位相差φ=90°を維持するように調整されているものとする。なお、図5に例示する光導波路構成および制御部は、基本的に図2と同様であるから、同一の構成要素には同一の参照符号を用いて詳細な説明は省略する。
以下、光パルスの強度あるいはパワーに関しては、最大値を「1」として正規化し、0と1の間の相対的数値により表すものとする。強度あるいはパワーが振幅の2乗に比例するものとすれば、光パルスの振幅についても同様に正規化した値で説明する。
・ A0+B0:MZ変調器MZAおよびMZBが共に0°RF電圧が印加されているので、いずれもオン状態となる。したがって、A0+B0は強度1、位相45°の信号点S1(Z(ON)基底)に対応する。
・ A0+B1:MZ変調器MZAに0°RF電圧、MZ変調器MZBに180°RF電圧が印加されている。したがって、A0+B1は強度0.5、位相0°の信号点S2(Y基底)に対応する。
・ A1+B0:MZ変調器MZAに180°RF電圧、MZ変調器MZBに0°RF電圧が印加されている。したがって、A1+B0は強度0.5、位相90°の信号点S3(Y基底)に対応する。
・ A1+B1:MZ変調器MZAおよびMZBが共に180°RF電圧が印加されているので、共にオフ状態となる。したがって、A1+B1は強度0、位相135°の信号点S4(Z(OFF)基底)に対応する。
コヒーレントな2連パルスに対して上記4状態の光変調をどのような順序で実行するかによって、図7に示すような位相-時間コーディングの4状態Y0、Y1、Z0、Z1を得ることができる。
・ 2連パルスの前パルスに対して信号点S2(A0+B1)の変調を行い、後パルスに対して信号点S3(A1+B0)の変調を行う。これにより、後パルスは前パルスに対して+90°だけ位相シフトしY0状態が得られる。
・ 2連パルスの前パルスに対して信号点S3(A1+B0)の変調を行い、後パルスに対して信号点S2(A0+B1)の変調を行う。これにより、後パルスは前パルスに対して-90°だけ位相シフトしY1状態が得られる。
・ 2連パルスの前パルスに対して信号点S1(A0+B0)の変調を行い、後パルスに対して信号点S4(A1+B1)の変調を行う。これにより、前パルスが強度1、後パルスは強度0となり、Z0状態が得られる。
・ 2連パルスの前パルスに対して信号点S4(A1+B1)の変調を行い、後パルスに対して信号点S1(A0+B0)の変調を行う。これにより、前パルスが強度0、後パルスは強度1となり、Z1状態が得られる。
以上述べたように、本発明の第1実施例によれば、位相シフタ101に印加されるバイアス電圧DCCが親アーム間に位相差φ=90°を与え、さらに、図6に例示するようにRF電圧RFAおよびRFBを設定することでIQ平面上に4信号点配置S1~S4を実現できる。特に、MZ変調器MZAおよびMZBを共にオフ状態にすることで、図6に示すIQ平面における強度0の信号点S4を生成することができる。
3.1)構成
図8に例示するように、本発明の第2実施例による光変調装置は、位相シフタ101に印加されるバイアス電圧DCCが親アーム間に位相差φ=180°を与える。さらに、IQ平面上の強度0の信号点S0(オフ状態)は、上述したように、分岐光パルスP2Aと分岐岐光パルスP2’Bとが位相差180°となってキャンセルされるようにRF電圧RFAおよびRFBを設定することで生成される。なお、このようなオフ状態が実現されるように、MZ変調器MZAおよびMZBは、それぞれのバイアス電圧DCAおよびDCBによって位相変調動作点が予め調整され、バイアス電圧DCCも同様に、位相差φ=180°を維持するように調整されているものとする。なお、図8に例示する光導波路構成および制御部200は、基本的に図2と同様であるから、同一の構成要素には同一の参照符号を用いて詳細な説明は省略する。
図9に例示するように、ネスト型変調器100はRF電圧RFAおよびRFBによって4状態のいずれかの状態を生成可能である。すなわち、0°RF電圧RFAが印加されたMZ変調器MZAは、位相変調を与えないので、入力光パルスP1Aとほぼ同じ強度および同じ位相の光パルスP2Aを出力する。以下、0°RF電圧RFAが印加された時の光パルスP2Aを「A0」という。90°RF電圧RFAが印加されたMZ変調器MZAは、強度が0.5および位相が45°シフトした光パルスP2Aを出力する。以下、90°RF電圧RFAが印加された時の光パルスP2Aを「A1」という。
・ A0+B0:MZ変調器MZAに0°RF電圧、MZ変調器MZBに-90°RF電圧が印加されているので、A0+B0は強度0.25、位相45°の信号点S1(Y基底)に対応する。
・ A0+B1:MZ変調器MZAに0°RF電圧、MZ変調器MZBに0°RF電圧が印加されているので、A0+B1は強度0、位相90°の信号点S2(Z(OFF)基底)に対応する。
・ A1+B0:MZ変調器MZAに90°RF電圧、MZ変調器MZBに-90°RF電圧が印加されているので、A1+B0は強度0.5、位相90°の信号点S3(Z(ON)基底)に対応する。
・ A1+B1:MZ変調器MZAに90°RF電圧、MZ変調器MZBに0°RF電圧が印加されているので、A1+B1は強度0.25、位相135°の信号点S4(Y基底)に対応する。
コヒーレントな2連パルスに対して上記4状態の光変調をどのような順序で実行するかによって、第1実施例と同様に、位相-時間コーディングの4状態Y0、Y1、Z0、Z1を得ることができる。詳しくは、以下の通りである。
・ 2連パルスの前パルスに対して信号点S1(A0+B0)の変調を行い、後パルスに対して信号点S4(A1+B1)の変調を行う。これにより、後パルスは前パルスに対して+90°だけ位相シフトしY0状態が得られる。
・ 2連パルスの前パルスに対して信号点S4(A1+B1)の変調を行い、後パルスに対して信号点S1(A0+B0)の変調を行う。これにより、後パルスは前パルスに対して-90°だけ位相シフトしY1状態が得られる。
・ 2連パルスの前パルスに対して信号点S3(A1+B0)の変調を行い、後パルスに対して信号点S2(A0+B1)の変調を行う。これにより、前パルスが強度0.5、後パルスは強度0となり、Z0状態が得られる。
・ 2連パルスの前パルスに対して信号点S2(A0+B1)の変調を行い、後パルスに対して信号点S3(A1+B0)の変調を行う。これにより、前パルスが強度0、後パルスは強度0.5となり、Z1状態が得られる。
以上述べたように、本発明の第2実施例によれば、位相シフタ101に印加されるバイアス電圧DCCが親アーム間に位相差φ=180°を与え、さらに、図9に例示するようにRF電圧RFAおよびRFBを設定することでIQ平面上に4信号点配置S1~S4を実現できる。特に、MZ変調器MZAを「A0」、MZ変調器MZBを「B1」に設定することで、分岐光パルスP2Aと分岐岐光パルスP2’Bとが位相差180°となってキャンセルされ、図9に示すIQ平面における強度0の信号点S2を生成することができる。
上述したように、MZ変調器MZAおよびMZBは、それぞれのバイアス電圧DCAおよびDCBによって位相変調動作点が調整され、バイアス電圧DCCも同様に、所定の位相差φを維持するように調整される。
上述した第1~第3実施例による光変調装置は、位相-時間コーディング方式の量子暗号鍵配送(Quantum Key Distribution)システムに適用可能である。
上述した実施形態および実施例の一部あるいは全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これらに限定されるものではない。
(付記1)
マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器と、
前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させる制御手段と、
を有し、前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有する、
ことを特徴とする光変調装置。
(付記2)
前記第1信号点は、前記第1変調部および前記第2変調部を共に出力光の強度0のオフ状態に設定することで得られることを特徴とする付記1に記載の光変調装置。
(付記3)
前記位相シフタにより与えられる前記位相差が90°に設定され、
前記第2信号点が、前記第1変調部および前記第2変調部を共に出力光の相対的強度1のオン状態に設定することで得られ、
前記第3信号点および前記第4信号点が、前記第1変調部および前記第2変調部の一方を出力光の強度0のオフ状態、他方を相対的強度1のオン状態にそれぞれ設定することで得られる、
ことを特徴とする付記2に記載の光変調装置。
(付記4)
前記第1変調部および前記第2変調部の各々が、強度および位相変調の大きさを制御するための制御電極を有するMZ変調器であり、
前記制御手段が、前記第1変調部の第1制御電極と前記第2変調部の第2制御電極とに180°の位相変調に相当する振幅の電圧をそれぞれ印加し、前記位相シフタに位相差90°に相当するDCバイアス電圧を印加する、
ことを特徴とする付記1-3のいずれか1項に記載の光変調装置。
(付記5)
前記第1信号点は、前記位相シフタにより前記位相差が与えられた出力光と当該位相差が与えられない出力光との位相差を180°とすることで得られることを特徴とする付記1に記載の光変調装置。
(付記6)
前記位相シフタにより与えられる前記位相差が180°に設定され、
前記第2信号点が、前記第1変調部を90°の位相変調、前記第2変調部を-90°の位相変調に設定することで得られ、
前記第3信号点および前記第4信号点が、前記第1変調部および前記第2変調部の一方を出力光の強度1のオン状態、他方を90°あるいは-90°の位相変調にそれぞれ設定することで得られる、
ことを特徴とする付記5に記載の光変調装置。
(付記7)
前記第1変調部および前記第2変調部の各々が、強度および位相変調の大きさを制御するための制御電極を有するMZ変調器であり、
前記制御手段が、前記第1変調部の第1制御電極と前記第2変調部の第2制御電極とに90°の位相変調に応答する振幅の電圧と-90°の位相変調に応答する振幅の電圧とをそれぞれ印加し、前記位相シフタに位相差180°に応答するDCバイアス電圧を印加する、
ことを特徴とする付記1、5、6のいずれか1項に記載の光変調装置。
(付記8)
前記ネスト型変調器が、コヒーレントな2連光パルスに対して位相-時間コーディング方式に従って強度位相変調を実行し、
前記制御手段が、前記位相-時間コーディング方式のZ基底状態を前記第1信号点と前記第2信号点との間で、Y基底状態を前記第3信号点と前記第4信号点との間で生成することを特徴とする付記1-7のいずれか1項に記載の光変調装置。
(付記9)
付記8に記載の光変調装置を有する、量子鍵配送システムの送信機。
(付記10)
マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器を用いた光変調方法であって、
制御手段が、前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させ、
前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有する、
ことを特徴とする光変調方法。
(付記11)
前記制御手段が前記第1変調部および前記第2変調部を共に出力光の強度0のオフ状態に設定することで、前記第1信号点が得られることを特徴とする付記10に記載の光変調方法。
(付記12)
前記制御手段が、
前記位相シフタにより与えられる前記位相差を90°に設定し、
前記第1変調部および前記第2変調部を共に出力光の相対的強度1のオン状態に設定することで前記第2信号点が得られ、
前記第1変調部および前記第2変調部の一方を出力光の強度0のオフ状態、他方を相対的強度1のオン状態にそれぞれ設定することで前記第3信号点および前記第4信号点が得られる、
ことを特徴とする付記11に記載の光変調方法。
(付記13)
前記第1変調部および前記第2変調部の各々が、強度および位相変調の大きさを制御するための制御電極を有するMZ変調器であり、
前記制御手段が、前記第1変調部の第1制御電極と前記第2変調部の第2制御電極とに180°の位相変調に相当する振幅の電圧をそれぞれ印加し、前記位相シフタに位相差90°に相当するDCバイアス電圧を印加する、
ことを特徴とする付記10-13のいずれか1項に記載の光変調方法。
(付記14)
前記第1信号点は、前記位相シフタにより前記位相差が与えられた出力光と当該位相差が与えられない出力光との位相差を180°とすることで得られることを特徴とする付記10に記載の光変調方法。
(付記15)
前記制御手段が、
前記位相シフタにより与えられる前記位相差を180°に設定し、
前記第1変調部を90°の位相変調、前記第2変調部を-90°の位相変調に設定することで前記第2信号点が得られ、
前記第1変調部および前記第2変調部の一方を出力光の強度1のオン状態、他方を90°あるいは-90°の位相変調にそれぞれ設定することで前記第3信号点および前記第4信号点が得られる、
ことを特徴とする付記14に記載の光変調方法。
(付記16)
前記第1変調部および前記第2変調部の各々が、強度および位相変調の大きさを制御するための制御電極を有するMZ変調器であり、
前記制御手段が、前記第1変調部の第1制御電極と前記第2変調部の第2制御電極とに90°の位相変調に応答する振幅の電圧と-90°の位相変調に応答する振幅の電圧とをそれぞれ印加し、前記位相シフタに位相差180°に応答するDCバイアス電圧を印加する、
ことを特徴とする付記10、14、15のいずれか1項に記載の光変調方法。
(付記17)
前記ネスト型変調器が、コヒーレントな2連光パルスに対して位相-時間コーディング方式に従って強度位相変調を実行し、
前記制御手段が、前記位相-時間コーディング方式のZ基底状態を前記第1信号点と前記第2信号点との間で、Y基底状態を前記第3信号点と前記第4信号点との間で生成することを特徴とする付記10-16のいずれか1項に記載の光変調方法。
(付記18)
マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器を制御する制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させ、
前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有する、
ことを特徴とするプログラム。
なお、本発明は、日本国にて2019年3月18日に出願された特願2019-049863の特許出願に基づく優先権主張の利益を享受するものであり、当該特許出願に記載された内容は、全て本明細書に含まれるものとする。
101 位相シフタ
102 RF電極
103、104、106、107 接地(GND)電極
105 DCバイアス電極
200 制御部
201~203 カプラ
204 光強度モニタ
205 コントローラ
206 バイアス駆動回路
207 RF駆動回路
208 プログラムメモリ
301 レーザ光源
302 非対称干渉計
303 強度位相変調器
304 減衰器
305 乱数供給部
306 変調制御部
307 位相変調器(基底)
308 非対称干渉計
309、310 光子検出器
MZA、MZB マッハツェンダ(MZ)変調器
MZC 親MZ干渉計
RFA、RFB 高周波電圧
DCA、DCB、DCC DCバイアス電圧
Claims (10)
- マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器と、
前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させる制御手段と、
を有し、前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有し、
前記位相シフタにより与えられる前記位相差が90°に設定され、
前記第1信号点は、前記第1変調部および前記第2変調部を共に出力光の強度0のオフ状態に設定することで得られ、
前記第2信号点が、前記第1変調部および前記第2変調部を共に出力光の相対的強度1のオン状態に設定することで得られ、
前記第3信号点および前記第4信号点が、前記第1変調部および前記第2変調部の一方を出力光の強度0のオフ状態、他方を相対的強度1のオン状態にそれぞれ設定することで得られる、
ことを特徴とする光変調装置。 - 前記第1変調部および前記第2変調部の各々が、強度および位相変調の大きさを制御するための制御電極を有するMZ変調器であり、
前記制御手段が、前記第1変調部の第1制御電極と前記第2変調部の第2制御電極とに180°の位相変調に相当する振幅の電圧をそれぞれ印加し、前記位相シフタに位相差90°に相当するDCバイアス電圧を印加する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光変調装置。 - マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器と、
前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させる制御手段と、
を有し、前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有し、
前記第1信号点は、前記位相シフタにより前記位相差が与えられた出力光と当該位相差が与えられない出力光との位相差を180°とすることで得られることを特徴とする光変調装置。 - 前記位相シフタにより与えられる前記位相差が180°に設定され、
前記第2信号点が、前記第1変調部を90°の位相変調、前記第2変調部を-90°の位相変調に設定することで得られ、
前記第3信号点および前記第4信号点が、前記第1変調部および前記第2変調部の一方を出力光の強度1のオン状態、他方を90°あるいは-90°の位相変調にそれぞれ設定することで得られる、
ことを特徴とする請求項3に記載の光変調装置。 - マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器と、
前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させる制御手段と、
を有し、前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有し、
前記第1変調部および前記第2変調部の各々が、強度および位相変調の大きさを制御するための制御電極を有するMZ変調器であり、
前記制御手段が、前記第1変調部の第1制御電極と前記第2変調部の第2制御電極とに90°の位相変調に応答する振幅の電圧と-90°の位相変調に応答する振幅の電圧とをそれぞれ印加し、前記位相シフタに位相差180°に応答するDCバイアス電圧を印加する、
ことを特徴とする光変調装置。 - 前記第1変調部および前記第2変調部の各々が、強度および位相変調の大きさを制御するための制御電極を有するMZ変調器であり、
前記制御手段が、前記第1変調部の第1制御電極と前記第2変調部の第2制御電極とに90°の位相変調に応答する振幅の電圧と-90°の位相変調に応答する振幅の電圧とをそれぞれ印加し、前記位相シフタに位相差180°に応答するDCバイアス電圧を印加する、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の光変調装置。 - 前記ネスト型変調器が、コヒーレントな2連光パルスに対して位相-時間コーディング方式に従って強度位相変調を実行し、
前記制御手段が、前記位相-時間コーディング方式のZ基底状態を前記第1信号点と前記第2信号点との間で、Y基底状態を前記第3信号点と前記第4信号点との間で生成することを特徴とする請求項1-6のいずれか1項に記載の光変調装置。 - 請求項7に記載の光変調装置を有する、量子鍵配送システムの送信機。
- マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器を用いた光変調方法であって、
制御手段が、前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させ、
前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有し、
前記位相シフタにより与えられる前記位相差が90°に設定され、
前記第1信号点は、前記第1変調部および前記第2変調部を共に出力光の強度0のオフ状態に設定することで得られ、
前記第2信号点が、前記第1変調部および前記第2変調部を共に出力光の相対的強度1のオン状態に設定することで得られ、
前記第3信号点および前記第4信号点が、前記第1変調部および前記第2変調部の一方を出力光の強度0のオフ状態、他方を相対的強度1のオン状態にそれぞれ設定することで得られる、
ことを特徴とする光変調方法。 - マッハツェンダ(MZ)型の第1変調部と第2変調部とが並列接続され、前記第1変調部および前記第2変調部の出力光の間に所定の位相差を与える位相シフタを備えたネスト型変調器を用いた光変調方法であって、
制御手段が、前記位相シフタにより与えられる前記位相差と前記第1変調部および前記第2変調部の各々により与えられる強度および位相の変調の大きさとを制御することで、前記ネスト型変調器の出力光をIQ平面に配置された4信号点の間で変化させ、
前記4信号点の第1信号点の強度が0、第2信号点の相対的強度が1、第3信号点の相対的強度および第4信号点の相対的強度がそれぞれ前記0と前記1との間の値であって、前記第3信号点と前記第4信号点とが90°の位相差を有し、
前記第1信号点は、前記位相シフタにより前記位相差が与えられた出力光と当該位相差が与えられない出力光との位相差を180°とすることで得られる、
ことを特徴とする光変調方法。
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