JP5671130B1 - 光送信機及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイアス電圧の初期値がいかなる値であっても適切なバイアス電圧に制御する。【解決手段】光変調器が備える第1及び第2の光位相変調部と光位相シフタとのバイアス電圧を設定する際に、コントローラは、位相シフタのバイアス電圧を半波長電圧Vπ変化させるごとに第1及び第2の光位相変調部に対するバイアス電圧を収束させる処理を複数回行い、第1及び第2の光位相変調部に対するバイアス電圧それぞれの平均値を第1及び第2の光位相変調部に対するバイアス電圧とし、第1及び第2の光位相変調部に当該バイアス電圧を供給して光位相シフタに対するバイアス電圧を収束させる。【選択図】図3

Description

本発明は、多値QAM(Quadrature Amplitude modulation)用光送信機のバイアス電圧自動制御に関する。
光伝送システムに用いる伝送符号として、低いシンボルレートで大容量の光信号を送信可能な光QAM信号が注目を集めている。最も単純なQAMは4値QAMであり、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)と呼ばれる。一部の図面では簡単のためにQPSKに限定した説明を行うが、本願はQPSKに限らず、nを整数として、全てのn値光QAM信号に用いることが可能である。なお、以下の説明において、図面及び数式上では、文字の上にバーが付与された符号があるが、明細書中では、 ̄の次に文字を記すことでこれを表す。
図7は、従来技術における光送信機の典型的な構成例を示す図である。図7に示す光送信機はIQ光変調器Mを用いてn値光QAM信号を生成する。説明を簡単にするために、前置分散補償などの複雑な処理は行わないものとするが、光QAM信号のスペクトル幅を狭めて周波数利用効率を高めるために、駆動信号(第1及び第2のn値データ)はローパスフィルタ(LPF)によって帯域が削減されているものとする。
図7に示す光送信機は、第1のローパスフィルタ(LPF)201、第2のローパスフィルタ(LPF)202、第1の駆動アンプ6、第2の駆動アンプ7、IQ光変調器M、第1のバイアス電源8、第2のバイアス電源9、第3のバイアス電源10、第1の差動出力DCアンプ203、及び、第2の差動出力DCアンプ204を備えている。
IQ光変調器Mは、第1の光カプラ1、第1の光位相変調部2、第2の光位相変調部3、光位相シフタ4、及び、第2の光カプラ5を備えている。IQ光変調器Mに入力されたCW光は、第1の光カプラ1により2つに分割される。第1の光カプラ1により分割された2つのCW光は、一方が第1の光位相変調部2に入力され、他方が第2の光位相変調部3に入力される。
第1の光位相変調部2と第2の光位相変調部3とは、通常、MZI(Mach-Zehnder Interferometer:マッハツェンダ干渉計)型の光変調器によって構成される。第1の光位相変調部2は、第1の駆動信号用電極61aを介して入力されるデータ信号Data1と、第1の駆動信号用電極61bを介して入力されるデータ信号 ̄Data1のロジックに対応して、CW光の位相及び光強度を相対的に変化させて出力する。第2の光位相変調部3は、第2の駆動信号用電極71aを介して入力されるデータ信号Data2と、第2の駆動信号用電極71bを介して入力されるデータ信号 ̄Data2のロジックに対応して、CW光の位相及び光強度を相対的に変化させて出力する。
第2の光位相変調部3の出力光は、光位相シフタ4によってθの位相差が加えられる。光位相シフタ4は、直交バイアス電極101を介して入力されるバイアス電圧Vbias3に応じた位相差θを第2の光位相変調部3の出力に対して加えて出力する。第2の光カプラ5は、第1の光位相変調部2の出力光と、光位相シフタ4の出力光とを合波し、n値光QAM信号として出力する。
値光QAM信号における位相差θが+π/2または−π/2のとき、最良の光QAM信号が得られる。これは、キャリア波長の1/4に相当するが、波長は一般にマイクロメータのオーダであるため、調整は極めてシビアである。また、光QAM信号の光品質は、光位相シフタ4の誤差に敏感であるため、光位相シフタ4の位相変化量を正しい値に調整するのは極めて重要である。
一般に、位相差θの調整は、光位相シフタ4に与えるバイアス電圧Vbias3を調整することで行われる。バイアス電圧Vbias3は、直交バイアス電極101を介して第3のバイアス電源10から供給される。なお、図7に示した光送信機では、光位相シフタ4が第2の光位相変調部3の後段に配置されている構成例を示したが、光位相シフタ4が第1の光位相変調部2の後段に配置されている構成であってもよい。また、第1の光位相変調部2の後段と、第2の光位相変調部3の後段とのそれぞれに光位相シフタ4が配置されていてもよい。
次に、第1及び第2のn値データ信号のもつn種の値と、第1の光位相変調部2及び第2の光位相変調部3の出力における光位相及び光強度の関係について説明する。前述の通り、第1の光位相変調部2及び第2の光位相変調部3には、MZI型の光変調器を用いることが一般的である。第1の光位相変調部2は第1のn値データ信号(Data1、 ̄Data1)により駆動される。第2の光位相変調部3は第2のn値データ信号(Data2、 ̄Data2)により駆動される。
光送信機に入力される第1及び第2のn値データは、異なるn種の電圧値からなる振幅変調信号である。第1のローパスフィルタ201は、第1のn値データを入力し、第1のn値データの帯域を削減して、第1の駆動アンプ6に出力する。第1の駆動アンプ6は、入力される第1のn値データを正相と逆相との2種類の信号に増幅する。第1の駆動アンプ6は、正相の信号を第1のn値データ信号(Data1)として第1の駆動信号用電極61aに出力する。また、第1の駆動アンプ6は、逆相の信号を第1のn値データ信号( ̄Data1)として第1の駆動信号用電極61bに出力する。
第2のローパスフィルタ202は、第2のn値データを入力し、第2のn値データの帯域を削減して、第2の駆動アンプ7に出力する。第2の駆動アンプ7は、入力される第2のn値データを正相と逆相との2種類の信号に増幅する。第2の駆動アンプ7は、正相の信号を第2のn値データ信号(Data2)として第2の駆動信号用電極71aに出力する。また、第2の駆動アンプ7は、逆相の信号を第2のn値データ信号( ̄Data2)として第2の駆動信号用電極71bに出力する。
IQ光変調器Mにおいて、第1の駆動信号用電極61a及び61bを介して入力される第1のn値データ信号は、第1の光位相変調部2が有する2つのアームそれぞれに印加され、CW光に対して±φの位相シフトを生じさせる。位相遅延φは、第1のn値データ信号におけるn種の値に対応して変化する。第2の駆動信号用電極71a及び71bを介して入力される第2のn値データ信号は、第2の光位相変調部3が有する2つのアームそれぞれに印加され、CW光に対して±φの位相シフトを生じさせる。位相遅延φは、第2のn値データ信号におけるn種の値に応じて変化する。
第1のバイアス電源8及び第2のバイアス電源9は、DC(データバイアス電圧)電圧を供給する。第1のバイアス電源8が供給するDC電圧は、第1の差動出力DCアンプ203において増幅され、第1のデータバイアス電極81a及び81bに出力される。第1の差動出力DCアンプ203は、増幅して得られたデータバイアス電圧Vbias1を第1のデータバイアス電極81aに印加し、増幅して得られたデータバイアス電圧−Vbias1を第1のデータバイアス電極81bに印加する。
第2のバイアス電源9が供給するデータバイアス電圧は、第2の差動出力DCアンプ204において増幅され、第2のデータバイアス電極91a及び91bに出力される。第2の差動出力DCアンプ204は、増幅して得られたデータバイアス電圧Vbias2を第2のデータバイアス電極91aに印加し、増幅して得られたデータバイアス電圧−Vbias2を第2のデータバイアス電極91bに印加する。
IQ光変調器Mにおいて、第1のデータバイアス電極81a及び81bを介して入力されるデータバイアス電圧(Vbias1,−Vbias1)は、第1の光位相変調部2が有する前述の2つのアームそれぞれに印加され、±φの位相シフトが与えられたCW光に対して更に±θの光位相シフトを生じさせる。第2のデータバイアス電極91a及び91bを介して入力されるデータバイアス電圧(Vbias2,−Vbias2)は、第2の光位相変調部3が有する前述の2つのアームそれぞれに印加され、±φの位相シフトが与えられたCW光に対して更に±θの光位相シフトを生じさせる。
ここで、上記の各種の電圧の表記を以下のように定義する。第1の駆動アンプ6から出力される第1のn値データ信号の差動信号(Data1− ̄Data1)の有するn種類の信号レベルを、V0、V1、…、Vm、−Vm、…、−V1、―V0と表記し、V0>V1>…>Vm>−Vm>…>−V1>−V0であるものとする。ここで、m=n/2−1である。一般に、第1の光位相変調部2と第2の光位相変調部3との光学特性は同等であるので、第2の駆動アンプ7から出力される第2のn値データの差動信号(Data2− ̄Data2)が有するn種の信号レベルもやはりV0、V1、…、Vm、−Vm、…、−V1、―V0と表記する。
データバイアス電圧Vbias1、Vbias2は、第1の光位相変調部2及び第2の光位相変調部3がヌル点にバイアスされるように選択される。すなわち、第1の駆動アンプ6及び第2の駆動アンプ7から出力される信号の差動電圧が0であるときに、第1の光位相変調部2及び第2の光位相変調部3の出力光が消光するように、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2が選択される。
第1の光位相変調部2及び第2の光位相変調部3の半波長電圧Vπについて説明する。第1の光位相変調部2は、MZI型の光変調器であり、2つの導波路が組み込まれている。これら2つの導波路に加えられるデータ信号Data1及び ̄Data1がともに0であるとき、第1の光位相変調部2の出力光が消光する。データ信号がData1=Vx、 ̄Data1=−Vxに変化したときに第1の光位相変調部2の出力光が最大強度に達するならば、2Vxを第1の光位相変調部2のRFポート(第1の駆動信号用電極61a、61b)における半波長電圧Vπという。Data1=−Vx、 ̄Data1=Vxの場合でも、第1の光位相変調部2の出力光はやはり最大になるが、Data1=Vx、 ̄Data1=−Vxのときに比較すると光出力の光位相はπだけ異なる。第1の光位相変調部2は、この性質を利用して光の位相を変更するので、Data1及び ̄Data1はそれぞれ最大で2Vx=Vπの振幅を有し、(Data1− ̄Data1)は最大で2Vπの振幅を有するように設計される。第2の光位相変調部3においても同様である。
IQ変調器Mは、各駆動信号用電極が2つの導波路に正負の相反する電圧を印加する構成となっており、合計4つの電極が存在する。このようなタイプのIQ光変調器をデュアル駆動型と呼ぶ。一方、シングル駆動型のIQ変調器は駆動信号用電極が2つしかない。シングル駆動型のIQ変調器では、単一の第1の駆動信号用電極で第1の光位相変調部2の内部に設けられた2つの光導波路に同時に電界を加え、単一の第2の駆動信号用電極で第2の光位相変調部3の内部に設けられた2つの光導波路に同時に電界を加える。これら4つの光導波路の異方性により、デュアル駆動型と同様の機能を実現できる。シングル駆動型のIQ変調器においても、第1の駆動信号用電極及び第2の駆動信号用電極に与えられるn値のデータ信号はV0、V1、…、Vm、−Vm、…、−V1、―V0のn種類の電圧であり、各駆動信号の振幅は半波長電圧Vπの2倍を超えないように設定する。
以上の説明はRFポートにおけるVπについての説明であるが、各バイアス電圧が印加されるDCポートについてもVπを定義できる。Vbias1を増加させると、光位相θも変化するが、光導波路間の光位相差(図7の構成では2×θ)をπだけ増加させるのに要するデータバイアス電圧の変化量(図7の構成では2×Vbias1の変化量)が、DCポート(第1のデータバイアス電極81a及び81b)におけるVπとなる。第2のデータバイアス電極91a及び91bにおいても同様である。直交バイアス電極101では、光位相θをπだけ増加させるのに要するバイアス電圧の変化(図7の構成ではVbias3の変化)が、DCポート(直交バイアス電極101)のVπとなる。この明細書では、特に断りのない限り、半波長電圧VπはこのDCポートにおける半波長電圧を指すものとする。
図8は、第1の光位相変調部2の出力光の電場Eと、V0、V1、…、Vm、−Vm、…、−V1、―V0及びVbias1の関係を示す図である。同図において、横軸は駆動信号の電位を示し、縦軸は出力光の電場Eを示している。以下、説明を容易にするために、n=2、m=0のQPSK信号に限定して説明を行う。駆動信号の電位と出力光の電場との関係は正弦波を描くが、データバイアス電圧Vbias1が正常に印加されている場合は、黒丸と実線で示したように、V0、―V0によって生成される出力光の電場E11及びE12は0レベルに対して対称的な値となる。
一方で、データバイアス電圧Vbias1が適正でなくΔVbias1だけずれている場合は、白丸と破線で示したように、V0、―V0によって生成される出力光の電界E11 とE12 は0レベルに対して非対称となる。ずれの量が‐ΔVbias1である場合は、ハッチングされた丸と一点鎖線で示したように、V0、―V0によって生成される出力光の電界E11 とE12 は0レベルに対して非対称となる。ここで注意すべきことは、|E11 |=|E12 |であり、かつ|E11 |=|E12 |である。第2の光位相変調部3の出力光の電場Eと、V0、―V0及びVbias2の関係についても、図8に示した第1の光位相変調部2における関係と同様である。
バイアス電圧Vbias3が光位相シフタ4に正常に印加されている場合はθ=π/2又はθ=−π/2である。この場合、第1の光位相変調部2の出力光と第2の光位相変調部3の出力光との光電界のベクトルは直交するよう保たれている。ので、IQ光変調器Mの出力光のコンスタレーションは図9に示すような格子状のものになる。図9は、IQ光変調器Mの出力光のコンスタレーションの一例を示す図である。光電界Eと光電界EとをIn−Phase成分及びQuadrarure−Phase成分を略してI成分、Q成分と呼ぶこともある。
ところで、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3の最適値は、バイアスドリフトと呼ばれる現象により時間と共に変動することが知られている。このため、商用のトランシーバにおいては、自動バイアス制御が必須となる。n値光QAM信号生成用のIQ変調器の自動バイアス制御は、非特許文献1、2、3に詳細に記載された非対称バイアスディザリングを用いることによって可能となる。
図10は、典型的な非対称バイアスディザリングによるバイアス制御回路を備えた光送信機の構成例を示す図である。図10に示す光送信機は、第1のローパスフィルタ201、第1の駆動アンプ6、第2のローパスフィルタ202、第2の駆動アンプ7、IQ光変調器M、第1のバイアス電源8、第1の発振器82、第1の加算器83、第1の同期検波回路84、第1のループゲイン調整回路503、第1の差動出力DCアンプ203、第2のバイアス電源9、第2の発振器92、第2の加算器93、第2の同期検波回路94、第2のループゲイン調整回路504、第2の差動出力DCアンプ204、第3のバイアス電源10、第3の発振器102、第3の同期検波回路103、第3のループゲイン調整回路505、光分波カプラ11、及び、光パワモニタ12を備えている。なお、IQ光変調器Mは、図7において示したIQ光変調器と同じ構成である。
非対称バイアスディザリングでは、V0、V1、…、Vmのうちの少なくとも一つはVπより小さく設定し、かつ±Vbias1及び±Vbias2には位相の直交する低速なディザ信号を重畳させる。ここでは、±Vbias1及び±Vbias2に印加されるディザ信号を複号同順で各々±cos(ω×t)、±sin(ω×t)と表すことにする。ここでtは時間である。
このディザリングは、第1の発振器82から出力されたcos(ω×t)のディザ信号を、第1の加算器83により第1のバイアス電源8から供給されるバイアス電圧に重畳すること、及び、第2の発振器92から出力されたsin(ω×t)のディザ信号を、第2の加算器93により第2のバイアス電源9から供給されるバイアス電圧に重畳することにより実現される。
ここで、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3のうち2つは最適値近傍であるが、他の一つがバイアスドリフトによって最適値からシフトしたときに、IQ光変調器Mの出力光の光パワが非対称バイアスディザリングによりどのように変化するかを考える。ここで、「光パワ」とは、信号のシンボル周期(典型値は100psec)よりは遥かに長く、かつディザリングの周期(典型値は1msec)よりは短い周期で平均をとった値であるものとする。
非特許文献1〜3において詳細に説明されているように、データバイアス電圧Vbias1がドリフトしているときはIQ光変調器Mの出力光の光パワはcos(ω×t)に同期して変動する。データバイアス電圧Vbias2がドリフトしているときはIQ光変調器Mの出力光の光パワはsin(ω×t)に同期して変動する。直交バイアス電圧Vbias3がドリフトしているときはIQ光変調器Mの出力光の光パワはsin(2ω×t)に同期して変動する。この性質を利用して、各バイアス電圧のドリフトを補正し、バイアス電圧を制御することができる。
バイアス電圧を制御は、以下のようにして実現できる。IQ光変調器Mの出力光を光分波カプラ11で分岐して光パワモニタ12でその光パワをモニタする。次に、得られた光パワの値を、第1の同期検波回路84、第2の同期検波回路94及び第3の同期検波回路103を用いて同期検波する。第1の発振器82が出力するcos(ω×t)の正弦波信号を第1の同期検波回路84のリファレンスクロックにする。第2の発振器92が出力するsin(ω×t)の正弦波信号(ディザ信号)を第2の同期検波回路94のリファレンスクロックにする。第3の発振器102が出力するsin(2ω×t)の正弦波信号を第3の同期検波回路103のリファレンスクロックにする。
第1の同期検波回路84、第2の同期検波回路94及び第3の同期検波回路103によって得られる同期検波結果は、各バイアス電圧のドリフトの大きさと方向とによって定める正又は負の値をもつ。この同期検波結果を誤差信号として、第1のループゲイン調整回路503、第2のループゲイン調整回路504及び第3のループゲイン調整回路505を介して第1のバイアス電源8、第2のバイアス電源9及び第3のバイアス電源10へ帰還することにより、各バイアス電圧を適正値に保つことができる。
図11は、バイアスドリフトが生じた場合のシミュレーション結果を示す図である。図11(A)には、データバイアス電圧Vbias1のみがドリフトし、最適値から量ΔVbias1だけシフトした場合における第1の同期検波回路84の出力に対するシミュレーション結果が示されている。ここでは、第1のローパスフィルタ201及び第2のローパスフィルタ202にロールオフ係数0.1のナイキストフィルタを仮定している。横軸はΔVbias1を示し、単位をVπとしている。図11(A)に示すように、右上がりのスロープの0クロスポイントと、右下がりのスロープの0クロスポイントとが複数現れる。同図に示すシミュレーション結果では、最良のVbias1(ΔVbias1=0)における0クロスポイントが右上がりのスロープとなっているが、どちらのスロープで最良となるかは変調フォートマット及び駆動振幅に依存する。より詳細な説明は非特許文献2に記載されている。
第1のループゲイン調整回路503を用いて、第1の同期検波回路84の出力が正であれば第1のバイアス電源8が供給するバイアス電圧Vbias1を減少させ、第1の同期検波回路84の出力が負であればバイアス電圧Vbias1を増加させるようなフィードバックループを構成すれば、バイアス電圧Vbias1を最適の値に保つことが可能となる。なお、ΔVbias1=±2Vπにおいても右上がりのスロープの0クロスポイントが生じるが、これはMZIの周期性によるものであり、フィードバックループがこれらの値に収束しても最良な光QAM信号を得ることができる。また、バイアス電圧Vbias2のみがドリフトを起こした場合も同様である。バイアス電圧Vbias3のみがドリフトした場合は処理が若干異なるが、非特許文献1〜3に記載されているように、概ね似たような処理でバイアス電圧の制御が可能である。
Hiroto Kawakami, Eiji Yoshida and Yutaka Miyamoto, "Auto Bias Control Technique Based on Asymmetric Bias Dithering for Optical QPSK Modulation", Journal of Lightwave Technology, Vol.30, No.7, April 2012 Hiroto Kawakami, Takayuki Kobayashi, Eiji Yoshida and Yutaka Miyamoto, "Auto bias control technique for optical 16-QAM transmitter with asymmetric bias dithering", Optics Express B308, Vol.19, No.26, December 2011 H.Kawakami, E.Yoshida and Y.Miyamoto, "Asymmetric dithering technique for bias condition monitoring in optical QPSK modulator", Electronics Letters, Vol.46, No.6, March 2010
以上の説明では、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3のいずれか一つのみがドリフトするものとして説明した。しかし、バイアス制御処理を開始した直後においてはデータバイアス電圧Vbias1、Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3が各々最適値にあるとは限らない。複数のバイアス電圧が同時にドリフトしている場合は、各バイアスの狂いが相互作用を起こすために同期検波特性が複雑なものとなる。特に、第1のローパスフィルタ201及び第2のローパスフィルタ202によって第1のn値データ信号(Data1、 ̄Data1)や第2のn値データ信号(Data2、 ̄Data2)の波形が変形する場合は、シンボル間の遷移時間により同期検波特性は更に複雑な影響を受ける。
図11(B)には、データバイアス電圧Vbias2のドリフト量ΔVbias2がVであり、直交バイアス電圧Vbias3のドリフト量ΔVbias3がπ/2であるという条件下における、ドリフト量ΔVbias1と第1の同期検波回路84の出力との関係のシミュレーション結果が示されている。図11(A)と図11(B)とを比較すると、図11(B)においては右上がりのスロープの0クロスポイントが大幅にずれており、ドリフト量ΔVbias1=+Vπ近傍で0クロスポイントが生じている。このため、前述の処理では、データバイアス電圧Vbias1を適性でない値に収束させてしまうことになる。
この例からわかるように、バイアス電圧の制御を行う際に各バイアス電圧が大きく適正値からずれている場合には、各バイアス電圧を適正値に保つ制御を行うことが難しい。最悪な場合は、偽の安定点にはまり込んで、各バイアス電圧が最適でない状態でフィードバックループが収束してしまうという問題がある。
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、非対称バイアスディザリングを用いた多値QAM用光変調器の複数のバイアス電圧を制御する際に、各バイアス電圧の初期値がいかなる値であっても、適切なバイアス電圧に制御することができる光送信機及び制御方法を提供することにある。
本発明の一態様は、入力される光の位相及び強度を第1の送信データに応じて変更する第1の光位相変調部と、入力される光の位相及び強度を第2の送信データに応じて変更する第2の光位相変調部と、前記第2の光位相変調部の出力光を遅延させて位相をπ/2ずらす光位相シフタと、前記第1の光位相変調部の出力光と前記光位相シフタの出力光とを合波して出力する合波部とを備える光変調器と、前記光変調器の出力光の光パワをモニタする光パワモニタと、前記第1の送信データがゼロレベルであるときに前記第1の光位相変調部の出力光がヌル点となる第1のバイアス電圧を供給する第1のバイアス電源と、所定の周波数を有する第1の周期信号を前記第1のバイアス電圧に重畳する第1のディザ信号重畳手段と、前記光パワモニタのモニタ結果から前記第1の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第1のバイアス電源を制御する第1のフィードバック制御手段と、前記第2の送信データがゼロレベルであるときに前記第2の光位相変調部の出力光がヌル点となる第2のバイアス電圧を供給する第2のバイアス電源と、前記第1の周期信号に直交する第2の周期信号を前記第2のバイアス電圧に重畳する第2のディザ信号重畳手段と、前記光パワモニタのモニタ結果から前記第2の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第2のバイアス電源を制御する第2のフィードバック制御手段と、前記光位相シフタにおける位相シフト量を調整する第3のバイアス電圧を供給する第3のバイアス電源と、前記光パワモニタのモニタ結果から前記第1の周期信号に対して整数倍の周波数を有する第3の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第3のバイアス電源を制御する第3のフィードバック制御手段と、前記第1のフィードバック制御手段と前記第2のフィードバック制御手段と前記第3のフィードバック制御手段とを制御する制御部とを備え、前記制御部は通常動作に先立ち立ち上げシーケンスを実行し、前記制御部は前記立ち上げシーケンス終了までの間に少なくとも1回は前記第3のバイアス電圧を半波長電圧Vπだけ増加又は減少させ、また前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第3のバイアス電圧を変化させるごとに前記第3のバイアス電圧及び前記第2のバイアス電圧を固定して前記第1のフィードバック制御手段を動作させて、前記第1のバイアス電圧の収束値を記憶し、記憶した前記第1のバイアス電圧の収束値の平均値を前記第1のバイアス電源に供給させ、また前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第3のバイアス電圧を変化させるごとに前記第3のバイアス電圧及び前記第1のバイアス電圧を固定して前記第2のフィードバック制御手段を動作させて、前記第2のバイアス電圧の収束値を記憶し、記憶した前記第2のバイアス電圧の収束値の平均値を前記第2のバイアス電源に供給させ、また前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第3のフィードバック制御手段を動作させる際に、前記第1のバイアス電源に記憶した前記第1のバイアス電圧の収束値の平均値を供給させ、前記第2のバイアス電源に記憶した前記第2のバイアス電圧の収束値の平均値を供給させることを特徴とする光送信機である。
また、本発明の一態様は、上記の光送信機において、前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第1のフィードバック制御手段と前記第2のフィードバック制御手段と前記第3のフィードバック制御手段とそれぞれを少なくとも1回動作させ、また前記制御部は前記第3のフィードバック制御手段の動作が終了したときに前記立ち上げシーケンスを終了することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の光送信機において、前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第1のフィードバック制御手段と前記第2のフィードバック制御手段と前記第3のフィードバック制御手段とのいずれかを動作させている間は他を停止させることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の光送信機において、前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第1のフィードバック制御手段を動作させている間は前記第2のディザ信号重畳手段の動作を停止させ、また前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第2のフィードバック制御手段を動作させている間は前記第1のディザ信号重畳手段の動作を停止させることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の光送信機において、前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第3のバイアス電圧を−Vπから+Vπまでの範囲においてVπ/N(Nは自然数)刻みで変化させるごとに前記第1のフィードバック制御手段を動作させ、また前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第3のバイアス電圧を−Vπから+Vπまでの範囲においてVπ/N刻みで変化させるごとに前記第2のフィードバック制御手段を動作させることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、入力される光の位相及び強度を第1の送信データに応じて変更する第1の光位相変調部と、入力される光の位相及び強度を第2の送信データに応じて変更する第2の光位相変調部と、前記第2の光位相変調部の出力光を遅延させて位相をπ/2ずらす光位相シフタと、前記第1の光位相変調部の出力光と前記光位相シフタの出力光とを合波して出力する合波部とを備える光変調器と、前記光変調器の出力光の光パワをモニタする光パワモニタと、前記第1の送信データがゼロレベルであるときに前記第1の光位相変調部の出力光がヌル点となる第1のバイアス電圧を供給する第1のバイアス電源と、所定の周波数を有する第1の周期信号を前記第1のバイアス電圧に重畳する第1のディザ信号重畳手段と、前記光パワモニタのモニタ結果から前記第1の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第1のバイアス電源を制御する第1のフィードバック制御手段と、前記第2の送信データがゼロレベルであるときに前記第2の光位相変調部の出力光がヌル点となる第2のバイアス電圧を供給する第2のバイアス電源と、前記第1の周期信号に直交する第2の周期信号を前記第2のバイアス電圧に重畳する第2のディザ信号重畳手段と、前記光パワモニタのモニタ結果から前記第2の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第2のバイアス電源を制御する第2のフィードバック制御手段と、前記光位相シフタにおける位相シフト量を調整する第3のバイアス電圧を供給する第3のバイアス電源と、前記光パワモニタのモニタ結果から前記第1の周期信号に対して整数倍の周波数を有する第3の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第3のバイアス電源を制御する第3のフィードバック制御手段と、前記第1のフィードバック制御手段と前記第2のフィードバック制御手段と前記第3のフィードバック制御手段とを制御する制御部とを備える光送信機において制御部が行う通常動作に先立って行う立ち上げシーケンスにおける制御方法であって、前記第3のバイアス電圧を変化させるごとに前記第3のバイアス電圧及び前記第2のバイアス電圧を固定して前記第1のフィードバック制御手段を動作させて、前記第1のバイアス電圧の収束値を記憶し、記憶した前記第1のバイアス電圧の収束値の平均値を前記第1のバイアス電源に供給させるステップと、前記第3のバイアス電圧を変化させるごとに前記第3のバイアス電圧及び前記第1のバイアス電圧を固定して前記第2のフィードバック制御手段を動作させて、前記第2のバイアス電圧の収束値を記憶し、記憶した前記第2のバイアス電圧の収束値の平均値を前記第2のバイアス電源に供給させるステップと、前記第3のフィードバック制御手段を動作させる際に、前記第1のバイアス電源に記憶した前記第1のバイアス電圧の収束値の平均値を供給させ、前記第2のバイアス電源に記憶した前記第2のバイアス電圧の収束値の平均値を供給させるステップと、を含み、前記第1のフィードバック制御手段と前記第2のフィードバック制御手段とを動作させる際に前記第3のバイアス電圧を半波長電圧Vπだけ増加又は減少させることを特徴とする制御方法である。
本発明によれば、第3のバイアス電圧を半波長電圧Vπ変化させたときの第1のバイアス電圧及び第2のバイアス電圧の対称性を利用して、第1のバイアス電圧と第2のバイアス電圧とを定めた後に、第3のバイアス電圧を収束させることにより、各バイアス電圧の初期値がいかなる値であっても適切なバイアス電圧に制御することができる。
値光QAM信号のコンスタレーションの例を示す図である。 バイアスドリフトが生じた場合におけるシミュレーション結果を示す図である。 発明に係る第1の実施形態における光送信機の構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態の光送信機においてコントローラ600が行う立ち上げ処理のフローチャートである。 第2の実施形態の光送信機においてコントローラ600が行う立ち上げ処理のフローチャートである。 第3の実施形態の光送信機においてコントローラ600が行う立ち上げ処理のフローチャートである。 従来技術における光送信機の典型的な構成例を示す図である。 第1の光位相変調部2の出力光の電場Eと、V0、V1、…、Vm、−Vm、…、−V1、―V0及びVbias1の関係を示す図である。 IQ光変調器Mの出力光のコンスタレーションの一例を示す図である。 典型的な非対称バイアスディザリングによるバイアス制御回路を備えた光送信機の構成例を示す図である。 バイアスドリフトが生じた場合のシミュレーション結果を示す図である。
本願発明に係る実施形態を説明する前に、図11(B)に示した0クロスポイントのずれがなぜ生じるのかを簡単に説明する。図1は、n値光QAM信号のコンスタレーションの例を示す図である。各バイアス電圧が適正値近傍であるならば、光QAM信号のコンスタレーションは、図1(A)に示す形となる。光QAM信号の光パワPは、シンボルA〜Dの光電界のベクトルの大きさの二乗の和に比例する。図8に示したように、データバイアス電圧Vbias1が最適でΔVbias1=0であれば|E11|=|E12|、|E21|=|E22|であり、各シンボルのE成分の光電界の絶対値は全て等しくなる。
図1(A)の状態から、データバイアス電圧Vbias1のみが+ΔVbias1又は−ΔVbias1だけドリフトすると、コンスタレーションの形は歪み、また光パワPは|ΔVbias1|に依存して変化する。図8に示したように|E11 |=|E12 |かつ|E11 |=|E12 |の関係があるため、ドリフトが+ΔVbias1である場合のコンスタレーションと、ドリフトが−ΔVbias1である場合のコンスタレーションとでは、形状がE軸を対称軸とする鏡像の関係になる。このため光パワPはΔVbias1の絶対値のみに依存し、ΔVbias1の符号によらない。ここから、光パワのΔVbias1に対する変化は、ΔVbias1=0で極値を作ることがわかる。第1の同期検波回路84は、E成分の光電界をディザリングした結果の光パワPの変動を検出しているが、ΔVbias1=0では光パワPが極値をとるため、第1の同期検波回路84の出力は0となる。これは、図11(A)において示したシミュレーション結果と一致する。
一方、Vbias2及びVbias3のバイアス電圧が適正値と異なっている場合、θは直角ではないため、コンスタレーションは例えば図1(B)に示すように歪む。この場合、Vbias1のドリフトが+ΔVbias1であるときのコンスタレーションの形状と、−ΔVbias1であるときのコンスタレーションの形状とは鏡像の関係にならない。このため、図1(A)において示した関係は成立せず、光パワPはΔVbias1=0では極値を作らず、ΔVbias1が0からずれたところで第1の同期検波回路84の出力は0となる。これは、図11(B)に示したシミュレーション結果と一致する。
ここで、図1(B)の状態から、θをθ+πに変換することを考える。これは、直交バイアス電圧Vbias3を人為的にVπだけ増加させることで実現できる。この場合のコンスタレーションを図1(C)に示す。図1(C)と図1(B)と比べると、Eの軸が反転している。図1(B)の場合と同様に第1の同期検波回路84の出力はΔVbias1が0からずれたところで0となる。しかしそのずれの量は、Eの軸が反転しているために、図1(B)の場合とは逆方向のずれとなる。
図2は、バイアスドリフトが生じた場合におけるシミュレーション結果を示す図である。図1(B)及び図1(C)を用いて説明したずれの反転が図2に示されている。図2における破線は、図11(B)と同様に、ΔVbias2=Vπ、ΔVbias3=+Vπ/2としたときの、第1の同期検波回路84の出力に対するシミュレーション結果を示している。図2における実線は、ΔVbias2=Vπ、ΔVbias3=−Vπ/2としたときの第1の同期検波回路84の出力に対するシミュレーション結果を示している。右上がりのスロープの0クロスポイントは、ΔVbias1=+VπからΔVbias1=−Vπに変わり、ΔVbias1=0を挟んで対称的な位置に移動する。
上記の議論から、次のことがわかる。まず第1のステップとして、第1の同期検波回路84の出力が右上がりスロープの0クロスポイントとなるよう、データバイアス電圧Vbias1を調整する。このとき、ΔVbias1はゼロとは限らないから、データバイアス電圧Vbias1は最適であるとは限らない。次に第2のステップとして、直交バイアス電圧Vbias3をVπだけ増加させてから、第1の同期検波回路84の出力が右上がりスロープの0クロスポイントとなるよう、Vbias1を再び調整する。このときも、ΔVbias1はゼロとは限らないから、Vbias1は最適であるとは限らない。
最後に、第3のステップとして、データバイアス電圧Vbias1を、第1のステップと第2のステップとで得られた2つのデータバイアス電圧Vbias1の平均値に設定する。このときは、図2からも明らかなように、ΔVbias1=(Vπ−Vπ)/2=0となり、最適なデータバイアス電圧Vbias1を得ることができる。データバイアス電圧Vbias2の制御についても、同様の方法が可能である。この2つを実行したのちには、3つあるバイアスの中の2つは最適点近傍にあるため、それ以降は各バイアスを非特許文献1〜3に記載の方法で全てのバイアスの制御が可能となる。
上記の方法は、直交バイアス電圧Vbias3の変動を伴うために光通信サービスの運用中には行えないが、しかしバイアス制御を開始する際の立ち上げシーケンスに適用することにより、バイアス制御を確実に実現することが可能となる。以上の説明は、ナイキストフィルタを用いた光QPSK信号を例としたが、一般のn値光QAM信号についても同様の議論が成立する。
[第1の実施形態]
図3は、本発明に係る第1の実施形態における光送信機の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態における光送信機は、第1のローパスフィルタ201、第1の駆動アンプ6、第2のローパスフィルタ202、第2の駆動アンプ7、IQ光変調器M、第1のバイアス電源8、第1の発振器82、第1の加算器83、第1の同期検波回路84、第1のループゲイン調整回路503、第1の差動出力DCアンプ203、第2のバイアス電源9、第2の発振器92、第2の加算器93、第2の同期検波回路94、第2のループゲイン調整回路504、第2の差動出力DCアンプ204、第3のバイアス電源10、第3の発振器102、第3の同期検波回路103、第3のループゲイン調整回路505、光分波カプラ11、光パワモニタ12、コントローラ600、及び、記憶回路601を備えている。なお、IQ光変調器Mは、図7において示したIQ光変調器と同じ構成である。なお、図10において示した光送信機において対応する部分には同一の符号を付している。
第1の実施形態における光送信機と図10において示した光送信機との差分は、コントローラ600を更に備えていることである。コントローラ600は、第1のバイアス電源8、第2のバイアス電源9及び第3のバイアス電源10からデータを取得し、また、第1のバイアス電源8、第2のバイアス電源9及び第3のバイアス電源10へコマンドを送信する。また、コントローラ600は、第1の同期検波回路84、第2の同期検波回路94及び第3の同期検波回路103へコマンドを送信する。
記憶回路601には、複数の記憶領域(メモリ)が設けられており、コントローラ600により書き込まれた情報を記憶する。
第1の実施形態における光送信機では、図10に示した光送信機と同様に、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2に対して周波数ωでディザリングがかけられている。ディザリングの振幅はn値光QAM信号の信号品質劣化を生じさせない程度の大きさに留めている。周波数ωはn値光QAM信号のボーレートより十分に小さくし、高々kHzオーダにする。
第1の実施形態における光送信機では、データバイアス電圧Vbias1、データバイアス電圧Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3それぞれに対する制御ループがある。光送信機の立ち上げ直後の制御において、コントローラ600はこれら3つの制御ループをタイムシェアリングで順に制御する。順番は、データバイアス電圧Vbias1とデータバイアス電圧Vbias2との制御を行った後に、直交バイアス電圧Vbias3の制御を行う。データバイアス電圧Vbias1の制御とデータバイアス電圧Vbias2の制御とのいずれを先に行っても構わない。以下の説明においては、データバイアス電圧Vbias1を先に制御する場合について説明する。
図4は、第1の実施形態の光送信機においてコントローラ600が行う立ち上げ処理のフローチャートである。この立ち上げ処理(立ち上げシーケンス)は、光送信機の通常動作に先立って行われる処理である。
立ち上げ処理が開始されるとステップS101において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3の値を初期状態のままに固定させる。この制御は、コントローラ600が第2のループゲイン調整回路504と第3のループゲイン調整回路505とにコマンドを送信し、第2のループゲイン調整回路504及び第3のループゲイン調整回路505におけるループゲインを0(−∞dB)に設定することで実現される。コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させると、第1の同期検波回路84の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias1を制御する。この制御は、第1のループゲイン調整回路503に対してコマンドを送信し、ループゲインを適切な値に変更することで実現される。最適なループゲインの大きさは、IQ光変調器Mに入力されるCW光のパワ及び光パワモニタ12の感度で決まる。帰還信号の正負は、ターゲットとする0クロスポイントにおけるスロープの正負により決まる。データバイアス電圧Vbias1に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS102に進める。
ステップS102において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1の収束値を第1のバイアス電源8から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias1の値を記憶回路601の第1番目のメモリに記憶させて、処理をステップS103に進める。
ステップS103において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3をVπだけ増加させる制御を行う。この制御は、コントローラ600が第3のバイアス電源10にコマンドを送信することにより行われる。コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3を変更させると、処理をステップS104に進める。
ステップS104において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させ、第1の同期検波回路84の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias1を制御する。これらの制御は、ステップS101における制御と同様に、第1のループゲイン調整回路503と第2のループゲイン調整回路504と第3のループゲイン調整回路505とへのコマンドを送信することにより行われる。データバイアス電圧Vbias1に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は制御をステップS105に進める。
ステップS105において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1の収束値を第1のバイアス電源8から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias1の値を記憶回路601の第2番目のメモリに記憶させて、処理をステップS106に進める。
ステップS106において、コントローラ600は、第1番目及び第2番目のメモリに記憶させた値を記憶回路601から読み出し、読み出した値の平均値にデータバイアス電圧Vbias1を変更する制御を行う。この制御は、コントローラ600が第1のバイアス電源8にコマンドを送信することにより行う。変更後には、データバイアス電圧Vbias1は概ね最適値にあり、ΔVbias1はほぼ0となっている。コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1を変更すると、処理をステップS107に進める。
ステップS107において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させる制御をし、第2の同期検波回路94の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias2を制御する。これらの制御は、ステップS101と同様に第1のループゲイン調整回路503と第2のループゲイン調整回路504と第3のループゲイン調整回路505とへのコマンドを送信することにより行われる。データバイアス電圧Vbias2に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は制御をステップS108に進める。
ステップS108において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2の収束値を第2のバイアス電源9から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias2の値を記憶回路601の第1番目のメモリに記憶させて、処理をステップS109に進める。
ステップS109において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3をVπだけ減少させる制御を行う。この制御は、コントローラ600が第3のバイアス電源10にコマンドを送信することにより行われる。コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3を変更させると、処理をステップS110に進める。
ステップS110において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させ、第2の同期検波回路94の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias2を制御する。これらの制御は、ステップS101における制御と同様に、第1のループゲイン調整回路503と第2のループゲイン調整回路504と第3のループゲイン調整回路505とへのコマンドを送信することにより行われる。データバイアス電圧Vbias2に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は制御をステップS111に進める。
ステップS111において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2の収束値を第2のバイアス電源9から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias2の値を記憶回路601の第2番目のメモリに記憶させて、処理をステップS112に進める。
ステップS112において、コントローラ600は、第1番目及び第2番目のメモリに記憶させた値を記憶回路601から読み出し、読み出した値の平均値にデータバイアス電圧Vbias2を変更する制御を行う。この制御は、コントローラ600が第2のバイアス電源9にコマンドを送信することにより行う。変更後には、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2は概ね最適値にあり、ΔVbias1及びΔVbias2はほぼ0となっている。コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2を変更すると、処理をステップS113に進める。
ステップS113において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1bias2の値を固定させる制御をし、第3の同期検波回路103の出力が0に近づくように直交バイアス電圧Vbias3を制御し、処理をステップS114に進める。これらの制御は、ステップS101と同様に第1のループゲイン調整回路503と第2のループゲイン調整回路504と第3のループゲイン調整回路505とへのコマンドを送信することにより行われる。
ステップS114において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3が収束するまで待機し、直交バイアス電圧Vbias3が収束すると立ち上げ処理を終了させる。
以上の立ち上げ処理が終了した後、コントローラ600は、第1の同期検波回路84、第2の同期検波回路94及び第3の同期検波回路103を介して行われる3つのフィードバック制御を用いて、ΔVbias1、ΔVbias2及びΔVbias3が全て0となるようにデータバイアス電圧Vbias1、Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3を制御する。コントローラ600は、これらの3つのフィードバック制御を同時に並行して行ってもよいし、時分割にタイムシェアリングで行ってもよい。ただし、立ち上げ処理が終了した後には、送信信号の品質劣化を防ぐために、ステップS103やステップS109で行うような直交バイアス電圧Vbias3の強制的で急激な変更は行わない。
第1の実施形態の光送信機では、コントローラ600が、IQ光変調器Mに供給するデータバイアス電圧Vbias1、データバイアス電圧Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3それぞれのフィードバック制御手段を制御する。
データバイアス電圧Vbias1に関するフィードバック制御手段は、光パワモニタ12で得られる光パワを示す信号を第1の発振器82が出力するcos(ω×t)の正弦波信号をリファレンスクロックにして同期検波を行う第1の同期検波回路84と、当該同期検波結果に応じて第1のバイアス電源8が供給するデータバイアス電圧Vbias1を増減させる第1のループゲイン調整回路503とを含む。
データバイアス電圧Vbias2に関するフィードバック制御手段は、光パワモニタ12で得られる光パワを示す信号を第2の発振器92が出力するsin(ω×t)の正弦波信号をリファレンスクロックにして同期検波を行う第2の同期検波回路94と、当該同期検波結果に応じて第2のバイアス電源9が供給するデータバイアス電圧Vbias2を増減させる第2のループゲイン調整回路504とを含む。
直交バイアス電圧Vbias3に関するフィードバック制御手段は、光パワモニタ12で得られる光パワを示す信号を第3の発振器102が出力するsin(2ω×t)の正弦波信号をリファレンスクロックにして同期検波を行う第3の同期検波回路103と、当該同期検波結果に応じて第3のバイアス電源10が供給する直交バイアス電圧Vbias3を増減させる第3のループゲイン調整回路505とを含む。なお、第3の発振器102が出力する正弦波信号の周波数は、第2の発振器92が出力する正弦波信号の2倍の周波数以外であってもよく、3倍以上の整数倍の周波数や、第1の発振器82が出力する正弦波信号の整数倍の周波数であってもよい。また、この実施形態では各発振器の出力を正弦波としたが、方形波や鋸波のような他の形状の周期信号を用いてもよい。
コントローラ600が、直交バイアス電圧Vbias3が初期値であるときと(初期値+Vπ)であるときとにおいて、第1のループゲイン調整回路503を動作させてデータバイアス電圧Vbias1が収束したときの値の平均値をデータバイアス電圧Vbias1に設定する。なお、直交バイアス電圧Vbias3、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2の初期値は、予め定められている値であり、例えば第1、第2及び第3のバイアス電源に記憶されている値である。
また、コントローラ600が、直交バイアス電圧Vbias3が(初期値+Vπ)であるときと初期値であるときとにおいて、第2のループゲイン調整回路504を動作させてデータバイアス電圧Vbias2が収束したときの値の平均値をデータバイアス電圧Vbias2に設定する。
また、コントローラ600が、データバイアス電圧Vbias1が収束したときの値の平均値をデータバイアス電圧Vbias1として第1のバイアス電源8に供給させるとともに、データバイアス電圧Vbias2が収束したときの値の平均値をデータバイアス電圧Vbias2として第2のバイアス電源9に供給させて、第3のループゲイン調整回路505を動作させることにより直交バイアス電圧Vbias3の値を収束させる。
以上のようにコントローラ600が各フィードバック制御手段を動作させることにより、各バイアス電圧の初期値がいかなる値であっても、適切なバイアス電圧に制御することができる。また、各バイアス電圧を最適値又は最適値近傍の値にすることにより、各フィードバック制御手段が動作して偽の安定点にはまり込んで、各バイアス電圧が最適でない状態でフィードバックループが収束してしまうことを避けることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態における光送信機では、第1の実施形態において直交バイアス電圧Vbias3をVπ変化させて2回ずつ計4回行われていたデータバイアス電圧Vbias1、Vbias2の値を収束させる制御をそれぞれ2×N回ずつ行い、平均化処理のデータ数を増やす。直交バイアス電圧Vbias3が初期値の場合と、直交バイアス電圧Vbias3が初期値±Vπとの場合との組み合わせであるが、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2に対する試行回数が増えるため、第1の同期検波回路84や第2の同期検波回路94の雑音による制御誤差を低減させることができる。ただし、繰り返し回数Nを大きくすると立ち上がり処理の完了までに要する時間が増大する。なお、第2の実施形態における光送信機の構成は、第1の実施形態における光送信機の構成と同じであるので、その説明を省略する。
図5は、第2の実施形態の光送信機においてコントローラ600が行う立ち上げ処理のフローチャートである。
立ち上げ処理が開始されると、コントローラ600は、ステップS201からステップS205までの処理をN回繰り返して行う。ステップS201において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3の値を初期値に固定させ、第1の同期検波回路84の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias1を制御する。データバイアス電圧Vbias1に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS202に進める。
ステップS202において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1の収束値を第1のバイアス電源8から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias1の値を記憶回路601の第(2×k−1)番目のメモリに記憶させて、処理をステップS203に進める。
ステップS203において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3をVπだけ増加させる制御を行い、処理をステップS204に進める。
ステップS204において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させ、第1の同期検波回路84の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias1を制御する。データバイアス電圧Vbias1に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS205に進める。
ステップS205において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1の収束値を第1のバイアス電源8から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias1の値を記憶回路601の第(2×k)番目のメモリに記憶させる。コントローラ600は、N回目のステップS205の処理が終了すると処理をステップS206に進める。
ステップS206において、コントローラ600は、記憶回路601の第1番目から第(2×N)番目までのメモリに記憶されている値の平均値を算出し、データバイアス電圧Vbias1を算出した平均値に変更し、処理をステップS207に進める。
コントローラ600は、ステップS207からステップS212までの処理をN回繰り返して行う。ステップS207において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3を初期値に戻し、処理をステップS208に進める。
ステップS208において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させ、第2の同期検波回路94の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias2を制御する。データバイアス電圧Vbias2に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS209に進める。
ステップS209において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2の収束値を第2のバイアス電源9から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias2の値を記憶回路601の第(2×k−1)番目のメモリに記憶させて、処理をステップS210に進める。
ステップS210において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3をVπだけ減少させる制御を行い、処理をステップS211に進める。
ステップS211において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させ、第2の同期検波回路94の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias2を制御する。データバイアス電圧Vbias2に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS212に進める。
ステップS212において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2の収束値を第2のバイアス電源9から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias2の値を記憶回路601の第(2×k)番目のメモリに記憶させる。コントローラ600は、N回目のステップS212の処理が終了すると処理をステップS213に進める。
ステップS213において、コントローラ600は、記憶回路601の第1番目から第(2×N)番目までのメモリに記憶されている値の平均値を算出し、データバイアス電圧Vbias2を算出した平均値に変更し、処理をステップS214に進める。
ステップS214において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2を固定させる制御をし、第3の同期検波回路103の出力が0に近づくように直交バイアス電圧Vbias3を制御し、処理をステップS215に進める。
ステップS215において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3が収束するまで待機し、直交バイアス電圧Vbias3が収束すると立ち上げ処理を終了させる。
以上の立ち上げ処理が終了した後、コントローラ600は、第1の実施形態と同様に、第1の同期検波回路84、第2の同期検波回路94及び第3の同期検波回路103を介して行われる3つのフィードバック制御を用いて、ΔVbias1、ΔVbias2及びΔVbias3が全て0となるようにデータバイアス電圧Vbias1、Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3を制御する。
[第3の実施形態]
第3の実施形態における光送信機では、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2の値を収束させる制御の回数を増やすとともに、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2の値を収束させる際の直交バイアス電圧Vbias3を変化させる。具体的には直交バイアス電圧Vbias3の値を初期値±Vπ/N×k(ただし、Nは正の整数とし、kは1以上のN以下の整数とする。)として、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2に対する収束の制御を各々2N+1回ずつ、計2×(2N+1)回行い、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2それぞれについて得られた結果の平均値を採用する。これにより、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2に対する試行回数が増えるため、第1の同期検波回路84や第2の同期検波回路94の雑音による制御誤差を低減させることができる。ただし、第2の実施形態と同様に、繰り返し回数Nを大きくすると立ち上がり処理の完了までに要する時間が増大する。なお、第3の実施形態における光送信機の構成は、第1の実施形態における光送信機の構成と同じであるので、その説明を省略する。
図6は、第3の実施形態の光送信機においてコントローラ600が行う立ち上げ処理のフローチャートである。
立ち上げ処理が開始されると、ステップS301において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3の値を初期値に固定させ、第1の同期検波回路84の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias1を制御する。データバイアス電圧Vbias1に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS302に進める。
ステップS302において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1の収束値を第1のバイアス電源8から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias1の値を記憶回路601の第1番目のメモリに記憶させて、処理をステップS303に進める。
コントローラ600は、ステップS303からステップS308までの処理をN回繰り返して行う。ステップS303において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3を初期値にVπ/N×kを加えた値に変更し、処理をステップS304に進める。なお、NはステップS303からステップS308までを繰り返す回数であり、kは現在の実行回数である。
ステップS304において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させ、第1の同期検波回路84の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias1を制御する。データバイアス電圧Vbias1に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS305に進める。
ステップS305において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1の収束値を第1のバイアス電源8から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias1の値を記憶回路601の第(2×k)番目のメモリに記憶させて、処理をステップS306に進める。
ステップS306において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3を初期値に−Vπ/N×kを加えた値に変更し、処理をステップS307に進める。
ステップS307において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させ、第1の同期検波回路84の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias1を制御する。データバイアス電圧Vbias1に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS308に進める。
ステップS308において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1の収束値を第1のバイアス電源8から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias1の値を記憶回路601の第(2×k+1)番目のメモリに記憶させる。コントローラ600は、N回目のステップS308の処理が終了すると処理をステップS309に進める。
ステップS309において、コントローラ600は、記憶回路601の第1番目から第(2×N+1)番目までのメモリに記憶されている値の平均値を算出し、データバイアス電圧Vbias1を算出した平均値に変更し、処理をステップS310に進める。
ステップS310において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3を初期値に戻し、処理をステップS311に進める。
ステップS311において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させ、第2の同期検波回路94の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias2を制御する。データバイアス電圧Vbias2に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS312に進める。
ステップS312において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2の収束値を第2のバイアス電源9から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias2の値を記憶回路601の第1番目のメモリに記憶させて、処理をステップS313に進める。
コントローラ600は、ステップS313からステップS318までの処理をN回繰り返して行う。ステップS313において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3を初期値にVπ/N×kを加えた値に変更し、処理をステップS314に進める。
ステップS314において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させ、第2の同期検波回路94の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias2を制御する。データバイアス電圧Vbias2に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS315に進める。
ステップS315において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2の収束値を第2のバイアス電源9から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias2の値を記憶回路601の第(2×k)番目のメモリに記憶させて、処理をステップS316に進める。
ステップS316において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3を初期値に−Vπ/N×kを加えた値に変更し、処理をステップS317に進める。
ステップS317において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1及び直交バイアス電圧Vbias3の値を固定させ、第2の同期検波回路94の出力が0に近づくようにデータバイアス電圧Vbias2を制御する。データバイアス電圧Vbias2に対する制御ループが収束すると、コントローラ600は処理をステップS318に進める。
ステップS318において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias2の収束値を第2のバイアス電源9から読み出し、読み出したデータバイアス電圧Vbias2の値を記憶回路601の第(2×k+1)番目のメモリに記憶させる。
コントローラ600は、N回目のステップS318の処理が終了すると処理をステップS319に進める。
ステップS319において、コントローラ600は、記憶回路601の第1番目から第(2×N+1)番目までのメモリに記憶されている値の平均値を算出し、データバイアス電圧Vbias2を算出した平均値に変更し、処理をステップS320に進める。
ステップS320において、コントローラ600は、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2を固定させる制御をし、第3の同期検波回路103の出力が0に近づくように直交バイアス電圧Vbias3を制御し、処理をステップS321に進める。
ステップS321において、コントローラ600は、直交バイアス電圧Vbias3が収束するまで待機し、直交バイアス電圧Vbias3が収束すると立ち上げ処理を終了させる。
以上の立ち上げ処理が終了した後、コントローラ600は、第1の実施形態と同様に、第1の同期検波回路84、第2の同期検波回路94及び第3の同期検波回路103を介して行われる3つのフィードバック制御を用いて、ΔVbias1、ΔVbias2及びΔVbias3が全て0となるようにデータバイアス電圧Vbias1、Vbias2及び直交バイアス電圧Vbias3を制御する。
以上のように各実施形態における光送信機によれば、直交バイアス電圧Vbias3を変化させた際における、ΔVbias1の対称性を利用して、異なる直交バイアス電圧Vbias3の下で得られた複数のデータバイアス電圧Vbias1の平均値を用いることにより、最適なデータバイアス電圧Vbias1又は最適点近傍のデータバイアス電圧Vbias1を得ることができる。同様に、最適なデータバイアス電圧Vbias2を得ることができる。データバイアス電圧Vbias1、Vbias2を最適点又はその近傍に定めることにより、直交バイアス電圧Vbias3を最適点又は最適点近傍に収束させることが容易となり、各バイアス電圧の初期値がいかなる値であっても、適切なバイアス電圧に制御することができる。
なお、上述の各実施形態において、データバイアス電圧Vbias1を制御している際には第2の発振器92によるディザ信号の出力を停止させ、データバイアス電圧Vbias2を制御している際には第1の発振器82によるディザ信号の出力を停止させるようにしてもよい。これにより、光送信機内における雑音を低減させることができ、データバイアス電圧Vbias1、Vbias2の収束の精度を向上させることができる。
上述した実施形態における光送信機が備えるコントローラ600をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、更に前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
M…IQ光変調器
1…第1の光カプラ
2…第1の光位相変調部
3…第2の光位相変調部
4…光位相シフタ
5…第2の光カプラ
6…第1の駆動アンプ
7…第2の駆動アンプ
8…第1のバイアス電源
9…第2のバイアス電源
10…第3のバイアス電源
11…光分波カプラ
12…光パワモニタ
61a、61b…第1の駆動信号用電極
71a、71b…第2の駆動信号用電極
81a、81b…第1のデータバイアス電極
82…第1の発振器
83…第1の加算器
84…第1の同期検波回路
91a、91b…第2のデータバイアス電極
92…第2の発振器
93…第2の加算器
94…第2の同期検波回路
101…直交バイアス電極
102…第3の発振器
103…第3の同期検波回路
201…第1のローパスフィルタ
202…第2のローパスフィルタ
203…第1の差動出力DCアンプ
204…第2の差動出力DCアンプ
503…第1のループゲイン調整回路
504…第2のループゲイン調整回路
505…第3のループゲイン調整回路
600…コントローラ
601…記憶回路

Claims (6)

  1. 入力される光の位相及び強度を第1の送信データに応じて変更する第1の光位相変調部と、入力される光の位相及び強度を第2の送信データに応じて変更する第2の光位相変調部と、前記第2の光位相変調部の出力光を遅延させて位相をπ/2ずらす光位相シフタと、前記第1の光位相変調部の出力光と前記光位相シフタの出力光とを合波して出力する合波部とを備える光変調器と、
    前記光変調器の出力光の光パワをモニタする光パワモニタと、
    前記第1の送信データがゼロレベルであるときに前記第1の光位相変調部の出力光がヌル点となる第1のバイアス電圧を供給する第1のバイアス電源と、
    所定の周波数を有する第1の周期信号を前記第1のバイアス電圧に重畳する第1のディザ信号重畳手段と、
    前記光パワモニタのモニタ結果から前記第1の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第1のバイアス電源を制御する第1のフィードバック制御手段と、
    前記第2の送信データがゼロレベルであるときに前記第2の光位相変調部の出力光がヌル点となる第2のバイアス電圧を供給する第2のバイアス電源と、
    前記第1の周期信号に直交する第2の周期信号を前記第2のバイアス電圧に重畳する第2のディザ信号重畳手段と、
    前記光パワモニタのモニタ結果から前記第2の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第2のバイアス電源を制御する第2のフィードバック制御手段と、
    前記光位相シフタにおける位相シフト量を調整する第3のバイアス電圧を供給する第3のバイアス電源と、
    前記光パワモニタのモニタ結果から前記第1の周期信号に対して整数倍の周波数を有する第3の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第3のバイアス電源を制御する第3のフィードバック制御手段と、
    前記第1のフィードバック制御手段と前記第2のフィードバック制御手段と前記第3のフィードバック制御手段とを制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は通常動作に先立ち立ち上げシーケンスを実行し、
    前記制御部は前記立ち上げシーケンス終了までの間に少なくとも1回は前記第3のバイアス電圧を半波長電圧Vπだけ増加又は減少させ、
    また前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第3のバイアス電圧を変化させるごとに前記第3のバイアス電圧及び前記第2のバイアス電圧を固定して前記第1のフィードバック制御手段を動作させて、前記第1のバイアス電圧の収束値を記憶し、記憶した前記第1のバイアス電圧の収束値の平均値を前記第1のバイアス電源に供給させ、
    また前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第3のバイアス電圧を変化させるごとに前記第3のバイアス電圧及び前記第1のバイアス電圧を固定して前記第2のフィードバック制御手段を動作させて、前記第2のバイアス電圧の収束値を記憶し、記憶した前記第2のバイアス電圧の収束値の平均値を前記第2のバイアス電源に供給させ、
    また前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第3のフィードバック制御手段を動作させる際に、前記第1のバイアス電源に記憶した前記第1のバイアス電圧の収束値の平均値を供給させ、前記第2のバイアス電源に記憶した前記第2のバイアス電圧の収束値の平均値を供給させる
    ことを特徴とする光送信機。
  2. 請求項1に記載の光送信機において、
    前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第1のフィードバック制御手段と前記第2のフィードバック制御手段と前記第3のフィードバック制御手段とそれぞれを少なくとも1回動作させ、
    また前記制御部は前記第3のフィードバック制御手段の動作が終了したときに前記立ち上げシーケンスを終了する
    ことを特徴とする光送信機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光送信機において、
    前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第1のフィードバック制御手段と前記第2のフィードバック制御手段と前記第3のフィードバック制御手段とのいずれかを動作させている間は他を停止させる
    ことを特徴とする光送信機。
  4. 請求項3に記載の光送信機において、
    前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第1のフィードバック制御手段を動作させている間は前記第2のディザ信号重畳手段の動作を停止させ、
    また前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第2のフィードバック制御手段を動作させている間は前記第1のディザ信号重畳手段の動作を停止させる
    ことを特徴とする光送信機。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光送信機において、
    前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第3のバイアス電圧を−Vπから+Vπまでの範囲においてVπ/N(Nは自然数)刻みで変化させるごとに前記第1のフィードバック制御手段を動作させ、
    また前記制御部は前記立ち上げシーケンスにおいて、前記第3のバイアス電圧を−Vπから+Vπまでの範囲においてVπ/N刻みで変化させるごとに前記第2のフィードバック制御手段を動作させる
    ことを特徴とする光送信機。
  6. 入力される光の位相及び強度を第1の送信データに応じて変更する第1の光位相変調部と、入力される光の位相及び強度を第2の送信データに応じて変更する第2の光位相変調部と、前記第2の光位相変調部の出力光を遅延させて位相をπ/2ずらす光位相シフタと、前記第1の光位相変調部の出力光と前記光位相シフタの出力光とを合波して出力する合波部とを備える光変調器と、
    前記光変調器の出力光の光パワをモニタする光パワモニタと、
    前記第1の送信データがゼロレベルであるときに前記第1の光位相変調部の出力光がヌル点となる第1のバイアス電圧を供給する第1のバイアス電源と、
    所定の周波数を有する第1の周期信号を前記第1のバイアス電圧に重畳する第1のディザ信号重畳手段と、
    前記光パワモニタのモニタ結果から前記第1の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第1のバイアス電源を制御する第1のフィードバック制御手段と、
    前記第2の送信データがゼロレベルであるときに前記第2の光位相変調部の出力光がヌル点となる第2のバイアス電圧を供給する第2のバイアス電源と、
    前記第1の周期信号に直交する第2の周期信号を前記第2のバイアス電圧に重畳する第2のディザ信号重畳手段と、
    前記光パワモニタのモニタ結果から前記第2の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第2のバイアス電源を制御する第2のフィードバック制御手段と、
    前記光位相シフタにおける位相シフト量を調整する第3のバイアス電圧を供給する第3のバイアス電源と、
    前記光パワモニタのモニタ結果から前記第1の周期信号に対して整数倍の周波数を有する第3の周期信号と同期した強度変調成分を同期検波して検波結果が0となるように前記第3のバイアス電源を制御する第3のフィードバック制御手段と、
    前記第1のフィードバック制御手段と前記第2のフィードバック制御手段と前記第3のフィードバック制御手段とを制御する制御部と
    を備える光送信機において制御部が行う通常動作に先立って行う立ち上げシーケンスにおける制御方法であって、
    前記第3のバイアス電圧を変化させるごとに前記第3のバイアス電圧及び前記第2のバイアス電圧を固定して前記第1のフィードバック制御手段を動作させて、前記第1のバイアス電圧の収束値を記憶し、記憶した前記第1のバイアス電圧の収束値の平均値を前記第1のバイアス電源に供給させるステップと、
    前記第3のバイアス電圧を変化させるごとに前記第3のバイアス電圧及び前記第1のバイアス電圧を固定して前記第2のフィードバック制御手段を動作させて、前記第2のバイアス電圧の収束値を記憶し、記憶した前記第2のバイアス電圧の収束値の平均値を前記第2のバイアス電源に供給させるステップと、
    前記第3のフィードバック制御手段を動作させる際に、前記第1のバイアス電源に記憶した前記第1のバイアス電圧の収束値の平均値を供給させ、前記第2のバイアス電源に記憶した前記第2のバイアス電圧の収束値の平均値を供給させるステップと、
    を含み、
    前記第1のフィードバック制御手段と前記第2のフィードバック制御手段とを動作させる際に前記第3のバイアス電圧を半波長電圧Vπだけ増加又は減少させる
    ことを特徴とする制御方法。
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