JPWO2012165656A1 - 光導波路デバイス、光干渉計及び光導波路デバイスの制御方法 - Google Patents
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Abstract
光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御するために、光導波路デバイスは、2つの信号がそれぞれ印加される2つの電極を備える光導波路と、前記2つの信号により前記光導波路に生じる位相変化及び損失変化が所定の値となるような前記2つの信号を制御する制御手段と、を備える。
Description
本発明は、光導波路デバイス、光干渉計及び光導波路デバイスの制御方法に関する。
光通信システムにおいて、高速化や波長多重による大容量化が進んでいる。特に幹線系光通信システムでは波長多重通信が広く用いられている。波長多重通信では波長チャネル間隔が定められており、光ファイバアンプの帯域内における波長チャネル間隔が50GHzであれば、約100チャネルを利用することができる。
ここで、チャネル間隔をΔf[Hz]、伝送速度をB[bit/s]とすると、B/Δf[bit/s/Hz]を、周波数利用効率という。例えば、Δf=50GHzでありチャネル毎の伝送速度が100Gbit/sであれば、周波数利用効率は、2bit/s/Hzとなる。
光ファイバアンプの増幅帯域が限られているため、一定の帯域内でより多くの情報を伝送するためには、周波数利用効率を高めることが必要である。一方、周波数利用効率を高くするために単純に信号のビットレートを高くすると、チャネル間のクロストークが問題となる。そこで、次世代の光通信方式として、光多値変調や光直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)が検討されている。
光多値変調は、光の振幅や位相を、「0」及び「1」の2値だけではなく、多値化することによって、周波数利用帯域を拡大させることなく情報量を増大させる。また、光OFDMでは、電気信号によってOFDM信号を生成して光変調し、光サブキャリア間を直交状態にして多重化する。そのため、光OFDMは、クロストークに起因する問題を低減し、周波数利用効率を高めることができる。
このような電気信号を主とした処理によって、変調されるディジタルデータは多値化及び多重化されて伝送される。伝送された光信号は、受信側で電気信号に復調される。
光送信器の光変調回路には、電気信号であるディジタルデータを、光アナログ信号波形に変換するため、デジタル/アナログ(D/A)変換器と光変調器とが必要となる。
以上のような複雑な光変調を行う際に用いられる光変調器として、マッハツェンダー干渉計がある。マッハツェンダー干渉計は、例えば材料としてニオブ酸リチウム(LiNbO3)を用いた光導波路として実現される。材料としてニオブ酸リチウムを用いたマッハツェンダー干渉計で構成された変調器を、以下、「LN変調器」という。
図12に、本発明に関連するLN変調器の構成図を示す。光は、LN変調器300の光入力ポート2から光分岐器3へ入力され、第1の光導波路4及び第2の光導波路5に出力される。第1の光導波路4及び第2の光導波路5の一部には、電極が形成されている。そして、電極に電圧を印加することにより、光導波路を透過する光の位相を変化させることができる。以下、それぞれを、第1の位相変調器17及び第2の位相変調器27と呼ぶ。
第1の光導波路4及び第2の光導波路5から出力された光は、光結合器8に入力され、光結合器8から、第1の光出力ポート30及び第2の光出力ポート31に出力される。
LN変調器300は、第1の位相変調器17または第2の位相変調器27に電圧を印加して導波路を透過する光の位相を変化させる。そして、光結合器8における光の干渉効果によって、第1及び第2の光出力ポート30、31からの光出力の強度を変化させることができる。
一方、図12に示したLN変調器300と同様な光変調機能は、半導体材料によって構成された光導波路を用いても実現することができる。光変調器を実現するための半導体材料として、リン化インジウム(InP)及びヒ素リン化インジウムガリウム(InGaAsP)系材料、またはヒ素化ガリウム(GaAs)及びヒ素化アルミニウムガリウム(AlGaAs)系材料が提案されている。そして、これらの半導体材料によってマッハツェンダー干渉計を構成した光変調器も提案されている。半導体材料を用いた光変調器は、LN変調器と比較して一般的には動作電圧を数分の一にすることができ、さらに、サイズを十分の一以下にすることができる。これは、半導体材料の電圧に対する屈折率の変化係数が、ニオブ酸リチウムのそれに比べて数十倍以上大きいためである。
光導波路で構成された光変調器には、最適な動作条件を設定するために、光導波路を透過する光をモニタし、変調器の駆動条件にフィードバックする機能を備えているものがある。特許文献1〜3は、外部に配置したフォトダイオード(PD)で光信号の一部をモニタする構成を開示している。これにより、光変調器の動作中の特性劣化を抑制している。
また、特許文献4は、サブマッハツェンダー導波路から出力される光信号の強度を調整可能な光FSK/SSB変調器の構成を開示している。さらに、特許文献5は、強度調整のためのマッハツェンダー導波路を備えた光変調器の構成を開示している。
光導波路を透過する光をモニタするためのPDは、一般的には光変調器外部に配置されるか、あるいは、特許文献3にあるように、光変調器の内部にモノリシック集積されている。集積される場合でも、マッハツェンダー干渉計の結果として出力される信号(光結合器より出力側の部分)がモニタされる必要がある。
また、図12に示したLN変調器300において、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過した光強度を知るために導波路の端部から放射される光をモニタする構成では、光導波路内部の光強度を直接知ることができない。このため、図12に示したLN変調器300には、伝搬する光の状況を正確に把握することは困難であるという課題もあった。
例えば、特許文献3に記載された光変調器は、光強度を検出するためのPDが、光変調器の内部にモノリシック集積されている。しかしながら、特許文献3に記載された構成であっても、光強度は光結合器より出力側の部分でモニタされる。このため、特許文献3に記載された構成では、光結合器に入力される光の強度を正確に知ることができないという課題がある。
ここで、チャネル間隔をΔf[Hz]、伝送速度をB[bit/s]とすると、B/Δf[bit/s/Hz]を、周波数利用効率という。例えば、Δf=50GHzでありチャネル毎の伝送速度が100Gbit/sであれば、周波数利用効率は、2bit/s/Hzとなる。
光ファイバアンプの増幅帯域が限られているため、一定の帯域内でより多くの情報を伝送するためには、周波数利用効率を高めることが必要である。一方、周波数利用効率を高くするために単純に信号のビットレートを高くすると、チャネル間のクロストークが問題となる。そこで、次世代の光通信方式として、光多値変調や光直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)が検討されている。
光多値変調は、光の振幅や位相を、「0」及び「1」の2値だけではなく、多値化することによって、周波数利用帯域を拡大させることなく情報量を増大させる。また、光OFDMでは、電気信号によってOFDM信号を生成して光変調し、光サブキャリア間を直交状態にして多重化する。そのため、光OFDMは、クロストークに起因する問題を低減し、周波数利用効率を高めることができる。
このような電気信号を主とした処理によって、変調されるディジタルデータは多値化及び多重化されて伝送される。伝送された光信号は、受信側で電気信号に復調される。
光送信器の光変調回路には、電気信号であるディジタルデータを、光アナログ信号波形に変換するため、デジタル/アナログ(D/A)変換器と光変調器とが必要となる。
以上のような複雑な光変調を行う際に用いられる光変調器として、マッハツェンダー干渉計がある。マッハツェンダー干渉計は、例えば材料としてニオブ酸リチウム(LiNbO3)を用いた光導波路として実現される。材料としてニオブ酸リチウムを用いたマッハツェンダー干渉計で構成された変調器を、以下、「LN変調器」という。
図12に、本発明に関連するLN変調器の構成図を示す。光は、LN変調器300の光入力ポート2から光分岐器3へ入力され、第1の光導波路4及び第2の光導波路5に出力される。第1の光導波路4及び第2の光導波路5の一部には、電極が形成されている。そして、電極に電圧を印加することにより、光導波路を透過する光の位相を変化させることができる。以下、それぞれを、第1の位相変調器17及び第2の位相変調器27と呼ぶ。
第1の光導波路4及び第2の光導波路5から出力された光は、光結合器8に入力され、光結合器8から、第1の光出力ポート30及び第2の光出力ポート31に出力される。
LN変調器300は、第1の位相変調器17または第2の位相変調器27に電圧を印加して導波路を透過する光の位相を変化させる。そして、光結合器8における光の干渉効果によって、第1及び第2の光出力ポート30、31からの光出力の強度を変化させることができる。
一方、図12に示したLN変調器300と同様な光変調機能は、半導体材料によって構成された光導波路を用いても実現することができる。光変調器を実現するための半導体材料として、リン化インジウム(InP)及びヒ素リン化インジウムガリウム(InGaAsP)系材料、またはヒ素化ガリウム(GaAs)及びヒ素化アルミニウムガリウム(AlGaAs)系材料が提案されている。そして、これらの半導体材料によってマッハツェンダー干渉計を構成した光変調器も提案されている。半導体材料を用いた光変調器は、LN変調器と比較して一般的には動作電圧を数分の一にすることができ、さらに、サイズを十分の一以下にすることができる。これは、半導体材料の電圧に対する屈折率の変化係数が、ニオブ酸リチウムのそれに比べて数十倍以上大きいためである。
光導波路で構成された光変調器には、最適な動作条件を設定するために、光導波路を透過する光をモニタし、変調器の駆動条件にフィードバックする機能を備えているものがある。特許文献1〜3は、外部に配置したフォトダイオード(PD)で光信号の一部をモニタする構成を開示している。これにより、光変調器の動作中の特性劣化を抑制している。
また、特許文献4は、サブマッハツェンダー導波路から出力される光信号の強度を調整可能な光FSK/SSB変調器の構成を開示している。さらに、特許文献5は、強度調整のためのマッハツェンダー導波路を備えた光変調器の構成を開示している。
光導波路を透過する光をモニタするためのPDは、一般的には光変調器外部に配置されるか、あるいは、特許文献3にあるように、光変調器の内部にモノリシック集積されている。集積される場合でも、マッハツェンダー干渉計の結果として出力される信号(光結合器より出力側の部分)がモニタされる必要がある。
また、図12に示したLN変調器300において、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過した光強度を知るために導波路の端部から放射される光をモニタする構成では、光導波路内部の光強度を直接知ることができない。このため、図12に示したLN変調器300には、伝搬する光の状況を正確に把握することは困難であるという課題もあった。
例えば、特許文献3に記載された光変調器は、光強度を検出するためのPDが、光変調器の内部にモノリシック集積されている。しかしながら、特許文献3に記載された構成であっても、光強度は光結合器より出力側の部分でモニタされる。このため、特許文献3に記載された構成では、光結合器に入力される光の強度を正確に知ることができないという課題がある。
図12に示したLN変調器300においては、光結合器8に入力される2本の光導波路4及び5からの光の強度が完全に等しい割合で結合されれば、第1の光出力ポート30または第2の光出力ポート31から出力された光の強度の最小値は完全に0となる。すなわち、この場合には消光比(光信号のON/OFF比)は無限大となる。
ところが実際には、光導波路から出力された光の消光比は無限大とならず、有限の値となってしまう場合がある。以下にその原因を説明する。
第1の原因は、光導波路の製造誤差や波長依存性により、光分岐回路3の光強度の分岐比が厳密に1:1とならない場合があることである。
第2の原因は、位相変調の際に第1の光導波路4及び第2の光導波路5に印加されるバイアス電圧が異なっていることにより、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の光導波路損失も異なってしまうことである。すなわち、位相変調を行う際には、第1の位相変調器17と第2の位相変調器27とのバイアス電圧は、一般的には異なっている。このため、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の損失に違いが発生する。また、光導波路の特性の経時的な変化により、第1の光導波路4と第2の光導波路5との損失が次第に異なってくる場合もある。
第3に、上述した第1及び第2の理由に加え、さらに、第1及び第2の光導波路の製造誤差により、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過後の光強度比にずれが生じることが挙げられる。
以上の第1〜第3の理由による光結合器8への入力の非対称性により、第1の光出力ポート30及び第2の光出力ポート31から出力される光の消光比が悪化する場合がある。
光消光比の悪化は、光の伝送特性の劣化を招く。このため、光変調器の動作中に光導波路を透過する光をモニタし、モニタした光の状況を位相変調器の駆動回路にフィードバックすることにより、光結合器8から出力される光の消光比を改善できることが望ましい。
第1及び第2の光導波路4、5の損失差を調整することは、光導波路上に設けた電極に印加する電圧を調整することにより可能である。ところが、たとえ所望の損失差を実現できたとしても、半導体材料の特性上、同時に、両導波路を透過する光の間に意図しない位相差が生じる。その結果、一般的な光変調器には、バイアス電圧を調整するとマッハツェンダー型光変調器の変調特性が悪化してしまう場合があるという問題があった。
また、特許文献5は、光強度を調整するために変調用とは別に光強度を調整するためのマッハツェンダー干渉計を配置し、光結合器の前段で光を分岐してモニタする構成を開示している。特許文献5は、分岐した光をPDでモニタし、フィードバック制御を行うことで光強度を調整している。しかし、半導体材料で構成された光変調器では、光導波路に設けた電極に電圧を印加することにより位相と損失とが同時に変化する。したがって、特許文献5のような強度変調用のマッハツェンダー干渉計を用いて損失のみを調整することはできない。また、特許文献5に記載された光変調器は、強度変調用のマッハツェンダー干渉計を配置しているため、構成が複雑になるという課題もある。
そして、特許文献1〜4に記載された技術も、半導体材料で構成された2本の光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御するための構成を開示していない。
[発明の目的]
本発明は、第1及び第2の光導波路を備える光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とする技術を提供することを目的とする。
ところが実際には、光導波路から出力された光の消光比は無限大とならず、有限の値となってしまう場合がある。以下にその原因を説明する。
第1の原因は、光導波路の製造誤差や波長依存性により、光分岐回路3の光強度の分岐比が厳密に1:1とならない場合があることである。
第2の原因は、位相変調の際に第1の光導波路4及び第2の光導波路5に印加されるバイアス電圧が異なっていることにより、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の光導波路損失も異なってしまうことである。すなわち、位相変調を行う際には、第1の位相変調器17と第2の位相変調器27とのバイアス電圧は、一般的には異なっている。このため、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の損失に違いが発生する。また、光導波路の特性の経時的な変化により、第1の光導波路4と第2の光導波路5との損失が次第に異なってくる場合もある。
第3に、上述した第1及び第2の理由に加え、さらに、第1及び第2の光導波路の製造誤差により、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過後の光強度比にずれが生じることが挙げられる。
以上の第1〜第3の理由による光結合器8への入力の非対称性により、第1の光出力ポート30及び第2の光出力ポート31から出力される光の消光比が悪化する場合がある。
光消光比の悪化は、光の伝送特性の劣化を招く。このため、光変調器の動作中に光導波路を透過する光をモニタし、モニタした光の状況を位相変調器の駆動回路にフィードバックすることにより、光結合器8から出力される光の消光比を改善できることが望ましい。
第1及び第2の光導波路4、5の損失差を調整することは、光導波路上に設けた電極に印加する電圧を調整することにより可能である。ところが、たとえ所望の損失差を実現できたとしても、半導体材料の特性上、同時に、両導波路を透過する光の間に意図しない位相差が生じる。その結果、一般的な光変調器には、バイアス電圧を調整するとマッハツェンダー型光変調器の変調特性が悪化してしまう場合があるという問題があった。
また、特許文献5は、光強度を調整するために変調用とは別に光強度を調整するためのマッハツェンダー干渉計を配置し、光結合器の前段で光を分岐してモニタする構成を開示している。特許文献5は、分岐した光をPDでモニタし、フィードバック制御を行うことで光強度を調整している。しかし、半導体材料で構成された光変調器では、光導波路に設けた電極に電圧を印加することにより位相と損失とが同時に変化する。したがって、特許文献5のような強度変調用のマッハツェンダー干渉計を用いて損失のみを調整することはできない。また、特許文献5に記載された光変調器は、強度変調用のマッハツェンダー干渉計を配置しているため、構成が複雑になるという課題もある。
そして、特許文献1〜4に記載された技術も、半導体材料で構成された2本の光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御するための構成を開示していない。
[発明の目的]
本発明は、第1及び第2の光導波路を備える光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とする技術を提供することを目的とする。
本発明の光導波路デバイスは、2つの信号がそれぞれ印加される2つの電極を備える光導波路と、2つの信号により光導波路を透過する光に生じる位相変化及び損失変化が所定の値となるように2つの信号を制御する制御手段と、を備える。
本発明の光導波路デバイスの制御方法は、2つの電極を備える光導波路にそれぞれ印加する2つの信号によって光導波路を透過する光に所定の位相変化及び損失変化が生じるように制御する。
本発明の光導波路デバイスの制御方法は、2つの電極を備える光導波路にそれぞれ印加する2つの信号によって光導波路を透過する光に所定の位相変化及び損失変化が生じるように制御する。
本発明は、複数の光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とする。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、共通する構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、半導体マッハツェンダー型光変調器の第1の光導波路と第2の光導波路との間で、所望の位相差を与えつつ、光強度を均等にバランスさせる光導波路デバイスの構成を提案する。
第1の実施形態では、変調を受ける光の進行方向に対し、光結合器よりも前の位置で導波路を透過する光強度をモニタし、モニタした光強度に基づいて第1及び第2の光導波路の電極に設けた電圧を制御する。具体的な構成例を図1に示す。
図1は、本願発明の第1の実施形態の光導波路デバイスの構成を示す図である。第1の実施形態の光導波路デバイスは、マッハツェンダー型干渉計(MZI、Mach−Zehnder Interferometer)を基本的な構成とした、光変調器1を構成する。図1において、光入力ポート2から入力した光は、光分岐器3を透過する。光分岐器3は、光の強度を約1:1の比に分割して、第1の光導波路4及び第2の光導波路5へ出力する。
ここで、光分岐器3として、例えば2×2の多モード干渉型(MMI、Multi−Mode Interference)分岐器を用いてもよい。光分岐器3としてMMIを用いた場合には、第1の光導波路4と第2の光導波路5とに出力される光の位相は90度異なって出力される。一方、光分岐器3が例えばY分岐回路であれば、第1の光導波路4と第2の光導波路5とに出力される光は、同じ位相で出力される。第1の実施形態においては、光分岐器3の構成は特に限定されない。
第1の光導波路4及び第2の光導波路5は、それぞれ、電極10〜15及び電極20〜25が付加されている。これらの電極のうち、電極10〜12及び電極20〜22は、光変調に用いられる。これらの電極に電圧を印加することによって、電極が形成された光導波路の屈折率を変化させることができる。そして、光導波路の屈折率変化により、透過する光の位相を変化させることができる。
第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過した光は、それぞれ、光結合器8に入力される。そして、光結合器8から第1の光出力ポート30及び第2の光出力ポート31に出力される。この時、第1の光出力ポート30及び第2の光出力ポート31に出力される光の強度比は、第1の光導波路4及び第2の光導波路5から光結合器8に入力される光の位相差によって決定される。
例えば、光分岐器3および光結合器8がMMIである場合には、前述の通り、光分岐器3および光結合器8において90度ずつの位相差が与えられる。そのため、第1の光導波路4及び第2の光導波路5からの光結合器8に入力される光の強度が等しく、光導波路4および5で発生する位相差が0度であれば、光導波路31に全ての光が出力される。なぜならば、光入力ポート2から光出力ポート31への経路長が、光導波路4および光導波路5どちらを経由しても、位相差を含め、等しくなるためである。また、上述の構成において、第1の光導波路4及び第2の光導波路5からの光の強度が等しく、光導波路4および5で発生する位相差が90度であれば、第1の光出力ポート30及び第2の光出力ポート31には、1:1の光強度比で光が出力される。さらに、第1の光導波路4及び第2の光導波路5からの光の強度が等しく、第1の光導波路4および第2の光導波路5で発生する位相差が180度であれば、光出力ポート30に全ての光が出力される。
すなわち、光結合器8に入力される光の強度が等しい場合、それらの間の位相差を制御することにより、第1の光出力ポート30と第2の光出力ポート31へ分岐される光強度を変えることができる。
ところが、上述のとおり、光導波路の特性のばらつきにより、光結合器8に正確に強度が等しい光が入力されるように光強度を設定することは難しい。
そこで、第1の実施形態においては、図1に示すように、光変調器1は、複数に分割された電極10〜15、及び電極20〜25を備える。そして、分割した電極の一部は第1の光導波路4及び第2の光導波路5の特性制御のために用いられる。
第1の実施形態では、第1の光導波路4及び第2の光導波路5から光結合器8に入力されるそれぞれの光強度をモニタするために、電極15及び電極25はモニタ用電極として用いられる。
電極15及び電極25に逆バイアス電圧をかけることにより、電極はその近傍の光導波路を透過する光を吸収し、光吸収電流を発生させる。光吸収電流の大きさは透過している光の光強度に依存するので、光吸収電流の大きさから、光導波路内を透過する光強度をモニタすることができる。以下、光吸収電流を発生させるための電極を「モニタ電極」という。
また、次に説明するDSP(digital signal processor)34の信号処理結果に基づいて第1の光導波路4及び第2の光導波路5に電圧を印加する電極13、14、23、24を、以下「制御電極」という。
ここで、実際に光を変調するのに用いられる電極10〜12及び20〜22と、光導波路特性の制御用の電極13〜15及び23〜25とは、同一の基本的な構造を備えていてもよい。例えば、光変調器を製造する際の、変調のために用いられる電極と光導波路の特性制御のために用いられる電極との構造上の相違は電極のパターン程度であってもよい。変調用の電極と、特性制御用の電極とが互いに類似する構造を備えるようにすることで光変調器1の製造が容易になる。
モニタ電極である電極15及び電極25には、トランスインピーダンスアンプ(trans impedance amplifier、以下、TIAという。)16、及び26がそれぞれ電気的に接続されている。TIAは光吸収電流を増幅して電圧に変換し、差動増幅器32へ出力する。差動増幅器32は、TIA16及び26が出力する電圧の差に対応する電圧信号を生成し、A/D変換器33へ出力する。A/D変換器33は、差動増幅器32から出力される電圧信号をDSP34に出力する。
TIA16、TIA26、差動増幅器32、及びA/D変換器33は、光導波路を透過する光強度の時間的な平均値を処理できればよい。従って、TIA16、TIA26、差動増幅器32、及びA/D変換器33には、信号速度と同等あるいはそれに近い高速な動作は必要とされない。これは、光変調器は、初期トレーニングによって適切な動作条件が設定されていれば短期的には比較的安定に動作するので、光導波路の特性制御は動作環境の長期的な変化に対して行われればよいからである。
A/D変換器33が出力する信号は、DSP34に入力されて、信号処理される。DSP34は、第1の光導波路4及び第2の光導波路5からそれぞれ光結合器8へ入力される光強度が均等になるように、制御電極である電極13、14、23及び24へ印加する電圧値を決定する。
図2及び図3は、半導体光変調器へ電圧を印加した際の、屈折率変化及び損失変化の例をそれぞれ示す。図2及び図3に示されるように、半導体光変調器へ印加される逆バイアス電圧が高いほど、屈折率及び損失が増加する。ここで、屈折率変化も損失変化も印加される電圧変化に対して線形ではない。そして、その屈折率変化と損失変化の比も、印加される電圧に対して線形ではない。
第1の実施形態の光変調器1においては、複数の電極へ異なる電圧を印加することによって、光導波路の屈折率変化及び損失変化を独立に制御する。以下に、電極に印加する電圧を制御する手順の例を示す。
図2において、屈折率変化をΔn(V)、図3において損失変化をΔα(V)とする。ここで、(V)はΔn、Δα等の変数が電極への印加電圧Vの関数であることを示す。光が長さLの光導波路を透過する間に、Δn(V)、Δα(V)の屈折率及び損失変化を受けると、光の複素位相変化量Δφ(V)は、下式で表される。
Δφ(V)=(4×π×Δn(V)/λ−j×Δα(V)/2)×L ・・・(1)
式(1)において、実部が位相変化を示し、虚部が損失変化を示す。λは光の波長である。式(1)を用いて実際の計算を行う際には、長さの次元を持つλ及びLと、長さの逆数の次元を持つΔα(V)については、Δφ(V)が無次元であるラジアンとなるように、適宜単位変換が行われる。
図4は、第1の実施の形態における、制御電極の配置図である。図4に示すように、第1の光導波路4及び第2の光導波路5において、電極13及び電極14、電極23及び電極24を制御電極とし、それぞれに印加する制御用電圧を順に、V11、V12、V21、V22とする。そして、第1の光導波路4及び第2の光導波路5が、電極13、14、23及び24への電圧印加により受ける屈折率変化Δn及び損失変化Δαを、それぞれ順に「Δn11、Δα11」、「Δn12、Δα12」、「Δn21、Δα21」、「Δn22、Δα22」とする。
図5は、導波路で直列に接続された2つの電極に印加される電圧をそれぞれ横軸と縦軸にとり、それらの電極により生じるΔnの合計(位相変化量の合計)が一定であるような等値線を示している。例えば、電極13及び電極14が直列に接続されているので、図5の等値線は、第1の光導波路4全体として、Δn11+Δn12が一定となるV11及びV12の軌跡を示す。また、電極23及び電極24も直列に接続されているので、図5に示された等値線は、第2の光導波路5全体として、Δn21+Δn22が一定となるV21及びV22の軌跡を示す。
すなわち、図5は、等値線に沿って一方の電極に印加する電圧を上昇させ、他方の電極に印加する電圧を下げることで、光導波路を透過する光に対するΔnの合計(位相変化量の合計)が変化しないように制御できることを示している。この関係を利用することにより、第1の光導波路4と第2の光導波路5との位相差を一定に保ったまま損失変化を与え、光導波路を透過する光の強度を制御することができる。
図6は、導波路で直列に接続された2つの電極に印加される電圧をそれぞれ横軸と縦軸にとり、それらの電極により生じるΔαの合計(損失変化量の合計)が一定であるような等値線を示す図である。例えば、電極13及び電極14が直列に接続されているので、図6の等値線上では、Δα11+Δα12が一定となる。また、電極23及び電極24も直列に接続されているので、図6の等値線は、Δα21+Δα22が一定となる等値線をも示している。
すなわち、図6は、等値線に沿って一方の電極に印加する電圧を上昇させ、他方の電極に印加する電圧を下げることで、第1の光導波路4と第2の光導波路5との損失が変化しないように光導波路を透過する光の位相を制御することが可能であることを示している。
図7は、図5と図6とを重ね合わせた図である。図7において、実線NはΔnの合計が一定である等値線であり、破線はΔαが一定である等値線である。図7の実線Nに沿って制御電極に印加する電圧を変化させると、その軌跡はΔαが一定である破線P、Qを横切って動く。すなわち、図7の実線N上では位相が一定に保たれたまま損失が変化する。
このような制御が可能である理由は、電極へ印加された電圧の変化に対するΔnとΔαとの変化量がそれぞれ異なっているからである。
図7に示した点A、Bは、第1の光導波路4と第2の光導波路5との間で、光の位相差が一定としたまま損失差を1cm−1と設定する場合の、電圧V11、V12、V21及びV22の設定値の例を示す。点Aは、電圧V11及びV12の設定電圧を示し、点Bは電圧V21及びV22の設定電圧を示す。
具体的には、第1の光導波路4及び第2の光導波路5に1cm−1の損失差を与える場合には、実線N上の点A及び点Bの位置をΔαの合計値の差が1cm−1となる破線P、Q上に来るように電圧V11、V12、V21及びV22を設定すればよい。
図7においては、点A、Bの電圧値は以下のようになる。
V11=3.6V、V12=4.6V(点A)
V21=4.0V、V22=4.0V(点B)
ここで、Δnの合計値は、図2におけるV21=4Vの値を2倍して約8×10−4である。この値は実線N上では一定である。しかし、Δnの合計値はこの値に限られるものではない。Δαの合計値の差が1cm−1である異なる破線P、Qと実線Nとの交点の電圧を電圧V11、V12、V21及びV22として設定してもよい。この場合、図7とは異なる位相差を保ちながら第1の光導波路4と第2の光導波路5との間の損失差を設定することができる。
DSP34は、図7に相当するデータを記憶している。そして、DSP34は、以上のように、第1の光導波路4と第2の光導波路5との間で位相を一定に保ちながら所定の損失差を生じるように、制御電極へ印加する電圧V11、V12、V21及びV22を決定する。この際、DSP34は、電極15及び電極25において発生する光吸収電流の差に基づいて、第1の光導波路4及び第2の光導波路5からそれぞれ光結合器8へ入力される光強度が所望の比(たとえば同一)になるように、制御電極へ印加する電圧を演算により求める。すなわち、DSP34は、第1の光導波路4及び第2の光導波路5にそれぞれ加えられる位相変化の差が一定となる条件の下で、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の損失を制御する。なお、DSP34と各電極との間には印加電圧を増幅するためのドライバ35を設けてもよい。
また、第1の光導波路4の電極10〜12または第2の光導波路5の電極20〜22が設けられた部分の損失は、これらの電極が長期間にわたって光変調に用いられることにより増加する場合がある。そして、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の損失増加量が異なっていると、第1の光導波路4及び第2の光導波路5から光結合器8へ入力される光強度が変動する。このような場合においても、DSP34は、電極15及び電極25において発生する光吸収電流の差に基づいて、光結合器8へ入力される光の強度が所望の値になるような電圧V11、V12、V21及びV22を求め、制御電極に印加するようにしてもよい。その結果、第1の実施形態の光変調器1は、第1の光導波路4または第2の光導波路5の損失が経時的に変化した場合でも、光結合器8へ入力される光強度を所定の比となるように制御することができる。なお、光分岐器3の分岐比が経時的に変動し、第1の光導波路4及び第2の光導波路5から光結合器8へ入力される光強度が変動した場合も同様に光結合器8へ入力される光強度を所定の比となるように制御することができる。
以上のように、第1の実施形態の光変調器1は、第1の光導波路4と第2の光導波路5とを透過する光の強度をモニタし、その比が所望の値となるように電極13、14、23及び24に印加する電圧を制御する。例えば、TIA16及び26が、等しい光強度に対して等しい電圧を出力する場合には、DSP34は、差動増幅器32から出力される電圧がゼロとなるようにΔnの合計が一定である等値線に沿って制御電極に印加する電圧を計算して出力する。その結果、第1の実施形態の光変調器1において、位相の変化を伴うことなく第1の光導波路と第2の光導波路とを透過する光の強度を等しくすることができる。
ここで、電極15及び電極25における光吸収率が異なっていると、光導波路内の光強度に対する光吸収電流の大きさが電極により異なることになる。これは、光導波路の特性制御の誤差の原因となる場合がある。このため、あらかじめ光導波路内の光強度に対する光吸収電流の大きさを測定してDSP34に補正データとして与えておいてもよい。そして、DSP34における演算処理の際に、補正データに基づいて電極間の光吸収率のばらつきを補正することで、光導波路内の光強度をより正確に制御することができる。
また、第1の実施形態においては、Δnの合計(位相変化)を一定とし、Δαの合計(損失変化)を制御する例を示した。さらに、逆に、Δαの合計(損失変化量)を一定とし、Δnの合計(位相変化量)を制御することも可能である。その実施形態については、第3の実施形態の項で述べる。
以上、第1の実施形態の光変調器1における光導波路の特性制御に関して説明した。光変調用の電極10〜12及び20〜22における光変調手順は広く知られているので詳細な説明は省略する。先に説明したように、光変調用の電極10〜12及び電極20〜22は、電極13〜15及び電極23〜25と基本的に同一の構造を備えている。そして、電極10〜12及び電極20〜22に印加する電圧を発生する制御回路は、変調回路36及びドライバ37として集積されている。このような構成により、第1の実施形態の光変調器1は、光変調器と制御回路を含めた、コンパクトな光変調回路を実現することができる。
また、本実施形態においては、光導波路は、一般的な化合物半導体の他には、屈折率変化とともに吸収が変化する材料、例えば、シリコンや、ゲルマニウム等といった材料を用いることができる。
このように、第1の実施形態の光導波路デバイスは、半導体材料で構成されたマッハツェンダー型光変調器が備える光導波路を透過する光に所望の位相差を与えつつ、光結合器への光入力強度を均等にバランスさせることが可能である。その結果、第1の実施形態の光導波路デバイスは、光変調器が出力する光の消光比を改善することが可能である。
すなわち、第1の実施形態の光導波路デバイスは、複数の光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とする。
なお、第1の実施形態においては、モニタ用の電極15は電極14と光結合器8との間に配置した。しかし、モニタ用の電極の位置は同一の導波路上にあればよい。光結合器8へ入力される光強度をより正確にモニタするために、電極15は、光結合器8に近い位置にあることが望ましい。しかし、モニタ用電極15と光結合器8との間の導波路損失を校正した上で電極に印加する電圧を算出することにより、他の位置の電極をモニタ用電極として用いることもできる。電極25の位置に関しても電極15と同様である。
また、図2、図3、図5〜7においては、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の特性が同一である場合について説明した。しかし、第1の光導波路4と第2の光導波路5との特性が異なっている場合には、DSP34はそれぞれの特性データを記憶し、それぞれの特性データに基づいて電圧V11、V12、V21及びV22を算出してもよい。
また、DSP34により電圧を印加される電極の位置も、印加電圧と光結合器8へ入力される光強度との関係を把握することができれば、自由に設定してよい。
なお、本実施形態においては、光変調用の電極は電極10から12及び電極20から22としたが、光変調のために用いる電極の数も、これに限られない。
さらに、第1の実施形態においては、光導波路デバイスをマッハツェンダー型光変調器に適用した例を示したが、第1の実施形態で説明した光変調器の適用形態は、これに限らない。第1の実施形態の光導波路デバイスの構成は、2つの半導体光導波路間で、位相変化と損失変化を独立に制御したい光導波路デバイスに対して、一般的に適用することができる。
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の光導波路デバイスは、図1に示した第1の実施形態の光導波路デバイスにおいて、光導波路4及び5に設けた制御電極の形状を変更したものである。
図8及び図9に、第2の実施形態の光導波路デバイスの電極の形状を示す。図8及び図9は、図1において第1及び第2の光導波路4、5に設けられた電極13、14及び23、24に代えて電極41〜46のみを記載している。電極13、14及び23、24に代えて電極41〜46を設けた以外では第2の実施形態の光導波路デバイスの構成は、第1の実施形態の光導波路デバイスと同様である。
図8においては、第1の光導波路4は、ほぼ同じ長さの電極41、42を備えている。一方、第2の光導波路5は、光の進行方向の長さが異なる電極43、44を備えている。
電極44の長さを大きくすることにより、例えば、電極44の領域に、大きな損失変化を与えたい場合にも印加電圧を大きくする必要がないという利点がある。このように、電極41〜44の長さは同一である必要はない。
また、電極の長さを適切に設定することにより、電極に印加する電圧を制御する制御回路の負荷を低減し、制御回路の消費電力を低減することができる。
また、図9は、第1の光導波路5が、制御電極として3個の電極43、45、46を備える構成を示す。V23は、電極46に印加される電圧である。電極の数を増加させた構成においても、例えば電極45と電極46とを接続し、両方の電極に同一の制御電圧を印加することで、実質的には、電極45と電極46とは、これらの長さを合計した長さの制御電極として動作する。従って、図9に示した構成の光導波路デバイスも、図8に示した光導波路デバイスと同様の損失制御が可能である。
すなわち、第2の実施形態の光導波路デバイスは、第1の実施形態の光導波路デバイスと同様に、複数の光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とする。
なお、図8に示した光導波路デバイスの第1の光導波路5において電極の長さは自由に設定できるのと同様に、図9に示した光導波路デバイスの第1の光導波路5においても、電極の数は3個に限られない。以上のように、電極の長さや数は、図8及び図9の記載に限定されない。また、光導波路が複数の電極を備えている場合に、光導波路毎に2個以上の電極に電圧を印加することができれば、電極の組み合わせには制限がない。
また、第2の実施形態の光導波路デバイスにおいて、第1の実施形態で説明した光吸収電流を発生するモニタ部や、電極41〜46に電圧を印加する制御回路を組み合わせて光変調器として構成することも可能である。
[第3の実施形態]
次に、この装置を適用した第3の実施形態として、複数の光導波路の損失の差を一定にしつつ、透過する光の位相変化量を制御する構成について説明する。
図10は、第3の実施形態の光導波路デバイスの構成を示す図である。図10に示す光導波路デバイスは、マッハツェンダー型光変調器を2台並列に接続した、I/Q(inphase/quadrature)変調器50である。I/Q変調器は、光信号のI成分(実軸)と、Q成分(虚軸)とを独立に変調し、複素平面上で振幅と位相に情報を乗せて、多値変調を行う。
図10において、I/Q変調器50は、光分岐器51、I変調器52、Q変調器53及び光結合器55を備える。I変調器52及びQ変調器53は、それぞれマッハツェンダー型光変調器を構成している。I変調器52及びQ変調器53の出力と光結合器55との間には、電極541〜546が設けられている。
第1の分岐器51によって、ほぼ均等に分けられた光は、I変調器52、Q変調器53に入力される。I変調器52、Q変調器53は、入力された光をそれぞれ独立に変調する。
ここで、I変調器52、Q変調器53及び光結合器55を組み合わせてI/Q変調器50として動作させるためには、I変調器52及びQ変調器53で変調されたそれぞれの信号の位相差を、光結合器55の入力において90°とする必要がある。このため、一般的には、I変調器52及びQ変調器のどちらか一方と光結合器55との間に、90°の位相シフトを与える位相シフタを配置する。
しかしながら、半導体光導波路で構成された位相シフタを用いて変調信号の一方に位相シフトを与えようとすると、位相シフトを与えた変調信号に損失変化も同時に発生する。その結果、変調信号の光結合器55への入力光強度に差が生じる。
このため、I/Q変調器50は、I変調器52の出力及びQ変調器53の出力と光結合器55の入力でとの間に電極541〜546を備えている。そして、I/Q変調器50は、I変調器52の出力とQ変調器53の出力とを光結合器55で結合させる前に、電極541〜546を用いて光の損失及び位相を制御する。電極541、542、544、545はそれぞれ図1の電極13、14、23、24に相当する、制御電極である。
第1及び第2の実施形態においては、光導波路間の位相変化量を一定に保ったまま、損失変化量を所望の値とする制御について説明した。第3の実施形態では、損失変化量の合計を一定とした上で、光導波路間で所望の位相差が得られるような制御が行われる。
図7において、Δαの合計が一定である等値線に沿って電圧を変化させると、その軌跡はΔnが一定である等値線を横切って動く。これは、損失が一定に保たれたまま位相を変化させる制御である。すなわち、Δαの合計を一定に保ったまま、I変調器52の出力とQ変調器53の出力との位相差が90°となるように電極541、542、544、545への印加電圧を制御することができる。このような制御により、I/Q変調器50は、I変調器52の出力とQ変調器53の出力との間で損失の差を発生させず、かつ90°の位相変化を与えることができる。その結果、I変調器52の出力とQ変調器53の出力との光結合器55への入力光強度を等しく保ったまま、両者の位相差を90°とすることができる。
このように、本発明の第3の実施形態の光導波路デバイスは、IとQの間の位相差90°を保ちつつ、I/Qを結合する際に発生する損失を最小化することが可能なI/Q変調器を構成することができる。
すなわち、第3の実施形態の光導波路デバイスは、第1及び第2の実施形態の光導波路デバイスと同様に、複数の光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とする。
なお、電極543及び546はそれぞれ図1の電極15及び25に相当する、モニタ電極である。電極543及び電極546において生じる光吸収電流をモニタすることで、I変調器52の出力とQ変調器53の出力との光結合器55への入力光強度が等しく保たれているかどうかを知ることができる。そして、光結合器55への入力光強度にばらつきがある場合には、IとQの間の位相差90°を保ちつつ、光結合器55への入力光強度のばらつきを解消するように電極541、542、544、545に印加する電圧を制御してもよい。
さらには、本発明の第3の実施形態の光導波路デバイスは、電極に印加する電圧を制御するための回路を光変調器を駆動するドライバに集積することにより、素子の占める面積を増大させずに実現することができる。
また、図10の構成において、I変調器52あるいはQ変調器53それぞれの内部にも、本発明の光導波路デバイスを付加してもよい。このような構成により、I変調器52あるいはQ変調器53がそれぞれ備える光結合器の入力における損失または位相を所定の値となるように制御することができる。具体的な制御手順は第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
[第4の実施形態]
図11は、本発明の第4の実施形態の光導波路デバイスの構成を示す図である。光導波路デバイス100は、第1の光導波路4、第2の光導波路5、及び制御回路110を備える。
第1の光導波路4及び第2の光導波路5は、それぞれ電極13〜15及び電極23〜25を備える。電極15及び電極25は、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過する光の強度に対応した光吸収電流を出力する。
制御回路110は、電極13、14に印加される電圧によって第1の光導波路4を透過する光に生じる第1の損失変化及び第1の位相変化を制御する。また制御回路110は、電極13、14に印加される電圧によって第2の光導波路5を透過する光に生じる第2の損失変化及び第2の位相変化を制御する。
そして、制御回路110は、第1の位相変化及び第2の位相変化が所定の関係となるように電極13、14、23及び24に印加する電圧を制御する。あるいは、制御回路110は、第1の損失変化及び第2の損失変化が所定の関係となるように電極13、14、23及び24に印加する電圧を制御する。
このような構成を備えることにより、光導波路デバイス100は、第1の実施形態で説明した手順により、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過する光の位相差を一定に保ったまま、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の損失を制御することが可能である。また、光導波路デバイス100は、第3の実施形態で説明した手順により、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過する光の損失を一定に保ったまま、第1の光導波路4と第2の光導波路5との間で生じる位相差を制御することも可能である。
また、制御回路110は、電極15及び電極25が出力した光吸収電流を比較し、その結果に基づいて電極13、14、23及び24に印加する電圧値を計算してその電圧を電極13、14、23及び24へ出力してもよい。すなわち、光導波路デバイス100においても、第1の実施形態と同様に、光吸収電流に基づいて第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過する光の強度を検出することが可能である。そして、検出された光強度に基づいて、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過する光の強度が所定の関係となるように、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の損失を制御してもよい。損失の制御は、電極13、14、23及び24に出力される電圧により行われる。
その結果、第4の実施形態の光導波路デバイスも、第1〜第3の実施形態の光導波路デバイスと同様に、光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とするという効果を奏する。
なお、第4の実施形態の変形例として、図11において、光導波路デバイス100は、第1の光導波路4及び制御回路110のみを備える構成としてもよい。そして、第1の光導波路4は、電極13、14のみを備えていてもよい。そして、制御回路110は、第1の光導波路4に所定の位相変化及び損失変化を生じさせるように電極13、14に印加する電圧値を計算してその電圧の信号を電極13、14へ出力する。
光導波路デバイス100が第4の実施形態の変形例のような構成を備える場合においても、電極13及び14に出力される電圧により第1の光導波路4の損失及び位相の制御を行うことができる。この場合、第1の実施形態の図5〜図7で説明した手順により、第1の光導波路4を透過する光の位相変化を一定に保ったまま、第1の光導波路4の損失を制御することが可能である。また、第3の実施形態で説明した手順により、第1の光導波路4を透過する光の損失を一定に保ったまま、第1の光導波路4の位相変化を制御することも可能である。
従って、第4の実施形態の変形例も、光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とするという効果を奏する。
以上説明した第1から第4の実施形態及びその変形例においては、2つの導波路間の位相差あるいは損失差を一定とする制御について主に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれらに限られるものではない。第1〜第4の実施形態で説明した光導波路デバイスは、位相及び損失の両者を同時に独立に変化させることが可能であり、位相及び損失をそれぞれ所望の値に設定するように制御することが可能である。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2011年6月1日に出願された日本出願特願2011−123204を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
(付記1)
2つの信号がそれぞれ印加される2つの電極を備える光導波路と、
前記2つの信号により前記光導波路を透過する光に生じる位相変化及び損失変化が所定の値となるように前記2つの信号を制御する制御手段と、
を備える光導波路デバイス。
(付記2)
前記光導波路を透過する光の強度に対応するモニタ信号を出力するモニタ手段をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、前記モニタ信号に基づいて前記2つの信号を制御する、付記1に記載された光導波路デバイス。
(付記3)
入力される第1の光の位相及び損失を制御する第1の信号及び第2の信号がそれぞれ印加される第1の電極及び第2の電極を備える第1の光導波路と、
入力される第2の光の位相及び損失を制御する第4の信号及び第5の信号がそれぞれ印加される第4の電極及び第5の電極を備える第2の光導波路と、
前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の損失変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の損失変化と、前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の位相変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の位相変化と、のいずれか一方が所定の関係となるように前記第1、第2、第4及び第5の信号を生成する制御手段と、
を備える光導波路デバイス。
(付記4)
前記制御手段は、前記第1の損失変化と前記第2の損失変化、及び、前記第1の位相変化と前記第2の位相変化、のいずれか一方が等しくなるように、前記第1、第2、第4及び第5の信号を生成する、付記3に記載された光導波路デバイス。
(付記5)
前記第1及び第2の光導波路を透過する光の強度にそれぞれ対応する第3の信号及び第6の信号を出力するモニタ手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1及び第2の損失変化を前記第3の信号及び第6の信号に基づいて制御する、付記3又は4のいずれかに記載された光導波路デバイス。
(付記6)
前記制御手段は、前記第1及び第2の光導波路を透過する光のそれぞれの強度が等しくなるように前記第1及び第2の損失変化を制御する、付記5に記載された光導波路デバイス。
(付記7)
前記第1及び第2のモニタ手段は、それぞれ前記第1及び第2の光導波路を透過する光を吸収することで前記第3及び第6の信号を発生させる第3の電極及び第6の電極をそれぞれ備える、付記5又は6に記載された光導波路デバイス。
(付記8)
前記制御手段は、
前記第1の信号の電圧及び前記第2の信号の電圧と前記第1の光導波路を透過する光の位相変化及び損失変化との関係を示す第1の特性データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第4の信号の電圧及び前記第5の信号の電圧と前記第2の光導波路を透過する光の位相変化及び損失変化との関係を示す第2の特性データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第1及び第2の特性データに基づいて、前記第1の損失変化及び前記第1の位相変化を生じさせ、前記第2の損失変化及び前記第2の位相変化を生じさせるように、前記第1、第2、第4及び第5の信号のそれぞれの電圧を算出する演算手段と、を備える、
付記3乃至7のいずれかに記載された、光導波路デバイス。
(付記9)
入力光を第1の光及び第2の光に分岐する分岐手段と、
前記第1の光及び前記第2の光が入力される付記3乃至8のいずれかに記載の光導波路デバイスと、
前記光導波路デバイスから出力される光を結合して出力する結合手段と、
を備える光干渉計。
(付記10)
第1の信号及び第2の信号がそれぞれ印加される第1の電極及び第2の電極を備える第1の光導波路と、第4の信号及び第5の信号がそれぞれ印加される第4の電極及び第5の電極を備える第2の光導波路と、を備える光導波路デバイスに、
前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の損失変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の損失変化と、前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の位相変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の位相変化と、のいずれか一方が所定の関係となるように前記第1、第2、第4及び第5の信号を出力する、
光導波路デバイスの制御回路。
(付記11)
2つの電極を備える光導波路にそれぞれ印加する2つの信号によって前記光導波路を透過する光に所定の位相変化及び損失変化が生じるように制御する、光導波路デバイスの制御方法。
(付記12)
入力光を入力する入力光導波路と、第1の光干渉計と、第2の光干渉計と、前記入力光を分岐して、前記第1の光干渉計及び前記第2の光干渉計に出力する分岐する分岐器と、
前記第1の光干渉計と前記第2の光干渉計とから出力される光信号を結合して出力する光結合器と、
付記3乃至8のいずれかに記載された光導波路デバイスと、を備え、
前記光導波路デバイスの第1の光導波路及び第2の光導波路は、前記第1の光干渉計及び第2の光干渉計とそれぞれ直列に接続されている、
光干渉計。
(付記13)
前記第1の光干渉計と前記第2の光干渉計は、さらに、並列に配置された2本の光導波路及び付記1乃至4のいずれかに記載された光導波路デバイスをそれぞれ備え、
前記第1の光干渉計及び前記第2の光干渉計が備える前記光導波路デバイスの第1の光導波路及び第2の光導波路が、前記並列に配置された2本の光導波路とそれぞれ直列に接続されている、
付記12に記載された光干渉計。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、半導体マッハツェンダー型光変調器の第1の光導波路と第2の光導波路との間で、所望の位相差を与えつつ、光強度を均等にバランスさせる光導波路デバイスの構成を提案する。
第1の実施形態では、変調を受ける光の進行方向に対し、光結合器よりも前の位置で導波路を透過する光強度をモニタし、モニタした光強度に基づいて第1及び第2の光導波路の電極に設けた電圧を制御する。具体的な構成例を図1に示す。
図1は、本願発明の第1の実施形態の光導波路デバイスの構成を示す図である。第1の実施形態の光導波路デバイスは、マッハツェンダー型干渉計(MZI、Mach−Zehnder Interferometer)を基本的な構成とした、光変調器1を構成する。図1において、光入力ポート2から入力した光は、光分岐器3を透過する。光分岐器3は、光の強度を約1:1の比に分割して、第1の光導波路4及び第2の光導波路5へ出力する。
ここで、光分岐器3として、例えば2×2の多モード干渉型(MMI、Multi−Mode Interference)分岐器を用いてもよい。光分岐器3としてMMIを用いた場合には、第1の光導波路4と第2の光導波路5とに出力される光の位相は90度異なって出力される。一方、光分岐器3が例えばY分岐回路であれば、第1の光導波路4と第2の光導波路5とに出力される光は、同じ位相で出力される。第1の実施形態においては、光分岐器3の構成は特に限定されない。
第1の光導波路4及び第2の光導波路5は、それぞれ、電極10〜15及び電極20〜25が付加されている。これらの電極のうち、電極10〜12及び電極20〜22は、光変調に用いられる。これらの電極に電圧を印加することによって、電極が形成された光導波路の屈折率を変化させることができる。そして、光導波路の屈折率変化により、透過する光の位相を変化させることができる。
第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過した光は、それぞれ、光結合器8に入力される。そして、光結合器8から第1の光出力ポート30及び第2の光出力ポート31に出力される。この時、第1の光出力ポート30及び第2の光出力ポート31に出力される光の強度比は、第1の光導波路4及び第2の光導波路5から光結合器8に入力される光の位相差によって決定される。
例えば、光分岐器3および光結合器8がMMIである場合には、前述の通り、光分岐器3および光結合器8において90度ずつの位相差が与えられる。そのため、第1の光導波路4及び第2の光導波路5からの光結合器8に入力される光の強度が等しく、光導波路4および5で発生する位相差が0度であれば、光導波路31に全ての光が出力される。なぜならば、光入力ポート2から光出力ポート31への経路長が、光導波路4および光導波路5どちらを経由しても、位相差を含め、等しくなるためである。また、上述の構成において、第1の光導波路4及び第2の光導波路5からの光の強度が等しく、光導波路4および5で発生する位相差が90度であれば、第1の光出力ポート30及び第2の光出力ポート31には、1:1の光強度比で光が出力される。さらに、第1の光導波路4及び第2の光導波路5からの光の強度が等しく、第1の光導波路4および第2の光導波路5で発生する位相差が180度であれば、光出力ポート30に全ての光が出力される。
すなわち、光結合器8に入力される光の強度が等しい場合、それらの間の位相差を制御することにより、第1の光出力ポート30と第2の光出力ポート31へ分岐される光強度を変えることができる。
ところが、上述のとおり、光導波路の特性のばらつきにより、光結合器8に正確に強度が等しい光が入力されるように光強度を設定することは難しい。
そこで、第1の実施形態においては、図1に示すように、光変調器1は、複数に分割された電極10〜15、及び電極20〜25を備える。そして、分割した電極の一部は第1の光導波路4及び第2の光導波路5の特性制御のために用いられる。
第1の実施形態では、第1の光導波路4及び第2の光導波路5から光結合器8に入力されるそれぞれの光強度をモニタするために、電極15及び電極25はモニタ用電極として用いられる。
電極15及び電極25に逆バイアス電圧をかけることにより、電極はその近傍の光導波路を透過する光を吸収し、光吸収電流を発生させる。光吸収電流の大きさは透過している光の光強度に依存するので、光吸収電流の大きさから、光導波路内を透過する光強度をモニタすることができる。以下、光吸収電流を発生させるための電極を「モニタ電極」という。
また、次に説明するDSP(digital signal processor)34の信号処理結果に基づいて第1の光導波路4及び第2の光導波路5に電圧を印加する電極13、14、23、24を、以下「制御電極」という。
ここで、実際に光を変調するのに用いられる電極10〜12及び20〜22と、光導波路特性の制御用の電極13〜15及び23〜25とは、同一の基本的な構造を備えていてもよい。例えば、光変調器を製造する際の、変調のために用いられる電極と光導波路の特性制御のために用いられる電極との構造上の相違は電極のパターン程度であってもよい。変調用の電極と、特性制御用の電極とが互いに類似する構造を備えるようにすることで光変調器1の製造が容易になる。
モニタ電極である電極15及び電極25には、トランスインピーダンスアンプ(trans impedance amplifier、以下、TIAという。)16、及び26がそれぞれ電気的に接続されている。TIAは光吸収電流を増幅して電圧に変換し、差動増幅器32へ出力する。差動増幅器32は、TIA16及び26が出力する電圧の差に対応する電圧信号を生成し、A/D変換器33へ出力する。A/D変換器33は、差動増幅器32から出力される電圧信号をDSP34に出力する。
TIA16、TIA26、差動増幅器32、及びA/D変換器33は、光導波路を透過する光強度の時間的な平均値を処理できればよい。従って、TIA16、TIA26、差動増幅器32、及びA/D変換器33には、信号速度と同等あるいはそれに近い高速な動作は必要とされない。これは、光変調器は、初期トレーニングによって適切な動作条件が設定されていれば短期的には比較的安定に動作するので、光導波路の特性制御は動作環境の長期的な変化に対して行われればよいからである。
A/D変換器33が出力する信号は、DSP34に入力されて、信号処理される。DSP34は、第1の光導波路4及び第2の光導波路5からそれぞれ光結合器8へ入力される光強度が均等になるように、制御電極である電極13、14、23及び24へ印加する電圧値を決定する。
図2及び図3は、半導体光変調器へ電圧を印加した際の、屈折率変化及び損失変化の例をそれぞれ示す。図2及び図3に示されるように、半導体光変調器へ印加される逆バイアス電圧が高いほど、屈折率及び損失が増加する。ここで、屈折率変化も損失変化も印加される電圧変化に対して線形ではない。そして、その屈折率変化と損失変化の比も、印加される電圧に対して線形ではない。
第1の実施形態の光変調器1においては、複数の電極へ異なる電圧を印加することによって、光導波路の屈折率変化及び損失変化を独立に制御する。以下に、電極に印加する電圧を制御する手順の例を示す。
図2において、屈折率変化をΔn(V)、図3において損失変化をΔα(V)とする。ここで、(V)はΔn、Δα等の変数が電極への印加電圧Vの関数であることを示す。光が長さLの光導波路を透過する間に、Δn(V)、Δα(V)の屈折率及び損失変化を受けると、光の複素位相変化量Δφ(V)は、下式で表される。
Δφ(V)=(4×π×Δn(V)/λ−j×Δα(V)/2)×L ・・・(1)
式(1)において、実部が位相変化を示し、虚部が損失変化を示す。λは光の波長である。式(1)を用いて実際の計算を行う際には、長さの次元を持つλ及びLと、長さの逆数の次元を持つΔα(V)については、Δφ(V)が無次元であるラジアンとなるように、適宜単位変換が行われる。
図4は、第1の実施の形態における、制御電極の配置図である。図4に示すように、第1の光導波路4及び第2の光導波路5において、電極13及び電極14、電極23及び電極24を制御電極とし、それぞれに印加する制御用電圧を順に、V11、V12、V21、V22とする。そして、第1の光導波路4及び第2の光導波路5が、電極13、14、23及び24への電圧印加により受ける屈折率変化Δn及び損失変化Δαを、それぞれ順に「Δn11、Δα11」、「Δn12、Δα12」、「Δn21、Δα21」、「Δn22、Δα22」とする。
図5は、導波路で直列に接続された2つの電極に印加される電圧をそれぞれ横軸と縦軸にとり、それらの電極により生じるΔnの合計(位相変化量の合計)が一定であるような等値線を示している。例えば、電極13及び電極14が直列に接続されているので、図5の等値線は、第1の光導波路4全体として、Δn11+Δn12が一定となるV11及びV12の軌跡を示す。また、電極23及び電極24も直列に接続されているので、図5に示された等値線は、第2の光導波路5全体として、Δn21+Δn22が一定となるV21及びV22の軌跡を示す。
すなわち、図5は、等値線に沿って一方の電極に印加する電圧を上昇させ、他方の電極に印加する電圧を下げることで、光導波路を透過する光に対するΔnの合計(位相変化量の合計)が変化しないように制御できることを示している。この関係を利用することにより、第1の光導波路4と第2の光導波路5との位相差を一定に保ったまま損失変化を与え、光導波路を透過する光の強度を制御することができる。
図6は、導波路で直列に接続された2つの電極に印加される電圧をそれぞれ横軸と縦軸にとり、それらの電極により生じるΔαの合計(損失変化量の合計)が一定であるような等値線を示す図である。例えば、電極13及び電極14が直列に接続されているので、図6の等値線上では、Δα11+Δα12が一定となる。また、電極23及び電極24も直列に接続されているので、図6の等値線は、Δα21+Δα22が一定となる等値線をも示している。
すなわち、図6は、等値線に沿って一方の電極に印加する電圧を上昇させ、他方の電極に印加する電圧を下げることで、第1の光導波路4と第2の光導波路5との損失が変化しないように光導波路を透過する光の位相を制御することが可能であることを示している。
図7は、図5と図6とを重ね合わせた図である。図7において、実線NはΔnの合計が一定である等値線であり、破線はΔαが一定である等値線である。図7の実線Nに沿って制御電極に印加する電圧を変化させると、その軌跡はΔαが一定である破線P、Qを横切って動く。すなわち、図7の実線N上では位相が一定に保たれたまま損失が変化する。
このような制御が可能である理由は、電極へ印加された電圧の変化に対するΔnとΔαとの変化量がそれぞれ異なっているからである。
図7に示した点A、Bは、第1の光導波路4と第2の光導波路5との間で、光の位相差が一定としたまま損失差を1cm−1と設定する場合の、電圧V11、V12、V21及びV22の設定値の例を示す。点Aは、電圧V11及びV12の設定電圧を示し、点Bは電圧V21及びV22の設定電圧を示す。
具体的には、第1の光導波路4及び第2の光導波路5に1cm−1の損失差を与える場合には、実線N上の点A及び点Bの位置をΔαの合計値の差が1cm−1となる破線P、Q上に来るように電圧V11、V12、V21及びV22を設定すればよい。
図7においては、点A、Bの電圧値は以下のようになる。
V11=3.6V、V12=4.6V(点A)
V21=4.0V、V22=4.0V(点B)
ここで、Δnの合計値は、図2におけるV21=4Vの値を2倍して約8×10−4である。この値は実線N上では一定である。しかし、Δnの合計値はこの値に限られるものではない。Δαの合計値の差が1cm−1である異なる破線P、Qと実線Nとの交点の電圧を電圧V11、V12、V21及びV22として設定してもよい。この場合、図7とは異なる位相差を保ちながら第1の光導波路4と第2の光導波路5との間の損失差を設定することができる。
DSP34は、図7に相当するデータを記憶している。そして、DSP34は、以上のように、第1の光導波路4と第2の光導波路5との間で位相を一定に保ちながら所定の損失差を生じるように、制御電極へ印加する電圧V11、V12、V21及びV22を決定する。この際、DSP34は、電極15及び電極25において発生する光吸収電流の差に基づいて、第1の光導波路4及び第2の光導波路5からそれぞれ光結合器8へ入力される光強度が所望の比(たとえば同一)になるように、制御電極へ印加する電圧を演算により求める。すなわち、DSP34は、第1の光導波路4及び第2の光導波路5にそれぞれ加えられる位相変化の差が一定となる条件の下で、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の損失を制御する。なお、DSP34と各電極との間には印加電圧を増幅するためのドライバ35を設けてもよい。
また、第1の光導波路4の電極10〜12または第2の光導波路5の電極20〜22が設けられた部分の損失は、これらの電極が長期間にわたって光変調に用いられることにより増加する場合がある。そして、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の損失増加量が異なっていると、第1の光導波路4及び第2の光導波路5から光結合器8へ入力される光強度が変動する。このような場合においても、DSP34は、電極15及び電極25において発生する光吸収電流の差に基づいて、光結合器8へ入力される光の強度が所望の値になるような電圧V11、V12、V21及びV22を求め、制御電極に印加するようにしてもよい。その結果、第1の実施形態の光変調器1は、第1の光導波路4または第2の光導波路5の損失が経時的に変化した場合でも、光結合器8へ入力される光強度を所定の比となるように制御することができる。なお、光分岐器3の分岐比が経時的に変動し、第1の光導波路4及び第2の光導波路5から光結合器8へ入力される光強度が変動した場合も同様に光結合器8へ入力される光強度を所定の比となるように制御することができる。
以上のように、第1の実施形態の光変調器1は、第1の光導波路4と第2の光導波路5とを透過する光の強度をモニタし、その比が所望の値となるように電極13、14、23及び24に印加する電圧を制御する。例えば、TIA16及び26が、等しい光強度に対して等しい電圧を出力する場合には、DSP34は、差動増幅器32から出力される電圧がゼロとなるようにΔnの合計が一定である等値線に沿って制御電極に印加する電圧を計算して出力する。その結果、第1の実施形態の光変調器1において、位相の変化を伴うことなく第1の光導波路と第2の光導波路とを透過する光の強度を等しくすることができる。
ここで、電極15及び電極25における光吸収率が異なっていると、光導波路内の光強度に対する光吸収電流の大きさが電極により異なることになる。これは、光導波路の特性制御の誤差の原因となる場合がある。このため、あらかじめ光導波路内の光強度に対する光吸収電流の大きさを測定してDSP34に補正データとして与えておいてもよい。そして、DSP34における演算処理の際に、補正データに基づいて電極間の光吸収率のばらつきを補正することで、光導波路内の光強度をより正確に制御することができる。
また、第1の実施形態においては、Δnの合計(位相変化)を一定とし、Δαの合計(損失変化)を制御する例を示した。さらに、逆に、Δαの合計(損失変化量)を一定とし、Δnの合計(位相変化量)を制御することも可能である。その実施形態については、第3の実施形態の項で述べる。
以上、第1の実施形態の光変調器1における光導波路の特性制御に関して説明した。光変調用の電極10〜12及び20〜22における光変調手順は広く知られているので詳細な説明は省略する。先に説明したように、光変調用の電極10〜12及び電極20〜22は、電極13〜15及び電極23〜25と基本的に同一の構造を備えている。そして、電極10〜12及び電極20〜22に印加する電圧を発生する制御回路は、変調回路36及びドライバ37として集積されている。このような構成により、第1の実施形態の光変調器1は、光変調器と制御回路を含めた、コンパクトな光変調回路を実現することができる。
また、本実施形態においては、光導波路は、一般的な化合物半導体の他には、屈折率変化とともに吸収が変化する材料、例えば、シリコンや、ゲルマニウム等といった材料を用いることができる。
このように、第1の実施形態の光導波路デバイスは、半導体材料で構成されたマッハツェンダー型光変調器が備える光導波路を透過する光に所望の位相差を与えつつ、光結合器への光入力強度を均等にバランスさせることが可能である。その結果、第1の実施形態の光導波路デバイスは、光変調器が出力する光の消光比を改善することが可能である。
すなわち、第1の実施形態の光導波路デバイスは、複数の光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とする。
なお、第1の実施形態においては、モニタ用の電極15は電極14と光結合器8との間に配置した。しかし、モニタ用の電極の位置は同一の導波路上にあればよい。光結合器8へ入力される光強度をより正確にモニタするために、電極15は、光結合器8に近い位置にあることが望ましい。しかし、モニタ用電極15と光結合器8との間の導波路損失を校正した上で電極に印加する電圧を算出することにより、他の位置の電極をモニタ用電極として用いることもできる。電極25の位置に関しても電極15と同様である。
また、図2、図3、図5〜7においては、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の特性が同一である場合について説明した。しかし、第1の光導波路4と第2の光導波路5との特性が異なっている場合には、DSP34はそれぞれの特性データを記憶し、それぞれの特性データに基づいて電圧V11、V12、V21及びV22を算出してもよい。
また、DSP34により電圧を印加される電極の位置も、印加電圧と光結合器8へ入力される光強度との関係を把握することができれば、自由に設定してよい。
なお、本実施形態においては、光変調用の電極は電極10から12及び電極20から22としたが、光変調のために用いる電極の数も、これに限られない。
さらに、第1の実施形態においては、光導波路デバイスをマッハツェンダー型光変調器に適用した例を示したが、第1の実施形態で説明した光変調器の適用形態は、これに限らない。第1の実施形態の光導波路デバイスの構成は、2つの半導体光導波路間で、位相変化と損失変化を独立に制御したい光導波路デバイスに対して、一般的に適用することができる。
[第2の実施形態]
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の光導波路デバイスは、図1に示した第1の実施形態の光導波路デバイスにおいて、光導波路4及び5に設けた制御電極の形状を変更したものである。
図8及び図9に、第2の実施形態の光導波路デバイスの電極の形状を示す。図8及び図9は、図1において第1及び第2の光導波路4、5に設けられた電極13、14及び23、24に代えて電極41〜46のみを記載している。電極13、14及び23、24に代えて電極41〜46を設けた以外では第2の実施形態の光導波路デバイスの構成は、第1の実施形態の光導波路デバイスと同様である。
図8においては、第1の光導波路4は、ほぼ同じ長さの電極41、42を備えている。一方、第2の光導波路5は、光の進行方向の長さが異なる電極43、44を備えている。
電極44の長さを大きくすることにより、例えば、電極44の領域に、大きな損失変化を与えたい場合にも印加電圧を大きくする必要がないという利点がある。このように、電極41〜44の長さは同一である必要はない。
また、電極の長さを適切に設定することにより、電極に印加する電圧を制御する制御回路の負荷を低減し、制御回路の消費電力を低減することができる。
また、図9は、第1の光導波路5が、制御電極として3個の電極43、45、46を備える構成を示す。V23は、電極46に印加される電圧である。電極の数を増加させた構成においても、例えば電極45と電極46とを接続し、両方の電極に同一の制御電圧を印加することで、実質的には、電極45と電極46とは、これらの長さを合計した長さの制御電極として動作する。従って、図9に示した構成の光導波路デバイスも、図8に示した光導波路デバイスと同様の損失制御が可能である。
すなわち、第2の実施形態の光導波路デバイスは、第1の実施形態の光導波路デバイスと同様に、複数の光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とする。
なお、図8に示した光導波路デバイスの第1の光導波路5において電極の長さは自由に設定できるのと同様に、図9に示した光導波路デバイスの第1の光導波路5においても、電極の数は3個に限られない。以上のように、電極の長さや数は、図8及び図9の記載に限定されない。また、光導波路が複数の電極を備えている場合に、光導波路毎に2個以上の電極に電圧を印加することができれば、電極の組み合わせには制限がない。
また、第2の実施形態の光導波路デバイスにおいて、第1の実施形態で説明した光吸収電流を発生するモニタ部や、電極41〜46に電圧を印加する制御回路を組み合わせて光変調器として構成することも可能である。
[第3の実施形態]
次に、この装置を適用した第3の実施形態として、複数の光導波路の損失の差を一定にしつつ、透過する光の位相変化量を制御する構成について説明する。
図10は、第3の実施形態の光導波路デバイスの構成を示す図である。図10に示す光導波路デバイスは、マッハツェンダー型光変調器を2台並列に接続した、I/Q(inphase/quadrature)変調器50である。I/Q変調器は、光信号のI成分(実軸)と、Q成分(虚軸)とを独立に変調し、複素平面上で振幅と位相に情報を乗せて、多値変調を行う。
図10において、I/Q変調器50は、光分岐器51、I変調器52、Q変調器53及び光結合器55を備える。I変調器52及びQ変調器53は、それぞれマッハツェンダー型光変調器を構成している。I変調器52及びQ変調器53の出力と光結合器55との間には、電極541〜546が設けられている。
第1の分岐器51によって、ほぼ均等に分けられた光は、I変調器52、Q変調器53に入力される。I変調器52、Q変調器53は、入力された光をそれぞれ独立に変調する。
ここで、I変調器52、Q変調器53及び光結合器55を組み合わせてI/Q変調器50として動作させるためには、I変調器52及びQ変調器53で変調されたそれぞれの信号の位相差を、光結合器55の入力において90°とする必要がある。このため、一般的には、I変調器52及びQ変調器のどちらか一方と光結合器55との間に、90°の位相シフトを与える位相シフタを配置する。
しかしながら、半導体光導波路で構成された位相シフタを用いて変調信号の一方に位相シフトを与えようとすると、位相シフトを与えた変調信号に損失変化も同時に発生する。その結果、変調信号の光結合器55への入力光強度に差が生じる。
このため、I/Q変調器50は、I変調器52の出力及びQ変調器53の出力と光結合器55の入力でとの間に電極541〜546を備えている。そして、I/Q変調器50は、I変調器52の出力とQ変調器53の出力とを光結合器55で結合させる前に、電極541〜546を用いて光の損失及び位相を制御する。電極541、542、544、545はそれぞれ図1の電極13、14、23、24に相当する、制御電極である。
第1及び第2の実施形態においては、光導波路間の位相変化量を一定に保ったまま、損失変化量を所望の値とする制御について説明した。第3の実施形態では、損失変化量の合計を一定とした上で、光導波路間で所望の位相差が得られるような制御が行われる。
図7において、Δαの合計が一定である等値線に沿って電圧を変化させると、その軌跡はΔnが一定である等値線を横切って動く。これは、損失が一定に保たれたまま位相を変化させる制御である。すなわち、Δαの合計を一定に保ったまま、I変調器52の出力とQ変調器53の出力との位相差が90°となるように電極541、542、544、545への印加電圧を制御することができる。このような制御により、I/Q変調器50は、I変調器52の出力とQ変調器53の出力との間で損失の差を発生させず、かつ90°の位相変化を与えることができる。その結果、I変調器52の出力とQ変調器53の出力との光結合器55への入力光強度を等しく保ったまま、両者の位相差を90°とすることができる。
このように、本発明の第3の実施形態の光導波路デバイスは、IとQの間の位相差90°を保ちつつ、I/Qを結合する際に発生する損失を最小化することが可能なI/Q変調器を構成することができる。
すなわち、第3の実施形態の光導波路デバイスは、第1及び第2の実施形態の光導波路デバイスと同様に、複数の光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とする。
なお、電極543及び546はそれぞれ図1の電極15及び25に相当する、モニタ電極である。電極543及び電極546において生じる光吸収電流をモニタすることで、I変調器52の出力とQ変調器53の出力との光結合器55への入力光強度が等しく保たれているかどうかを知ることができる。そして、光結合器55への入力光強度にばらつきがある場合には、IとQの間の位相差90°を保ちつつ、光結合器55への入力光強度のばらつきを解消するように電極541、542、544、545に印加する電圧を制御してもよい。
さらには、本発明の第3の実施形態の光導波路デバイスは、電極に印加する電圧を制御するための回路を光変調器を駆動するドライバに集積することにより、素子の占める面積を増大させずに実現することができる。
また、図10の構成において、I変調器52あるいはQ変調器53それぞれの内部にも、本発明の光導波路デバイスを付加してもよい。このような構成により、I変調器52あるいはQ変調器53がそれぞれ備える光結合器の入力における損失または位相を所定の値となるように制御することができる。具体的な制御手順は第1の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
[第4の実施形態]
図11は、本発明の第4の実施形態の光導波路デバイスの構成を示す図である。光導波路デバイス100は、第1の光導波路4、第2の光導波路5、及び制御回路110を備える。
第1の光導波路4及び第2の光導波路5は、それぞれ電極13〜15及び電極23〜25を備える。電極15及び電極25は、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過する光の強度に対応した光吸収電流を出力する。
制御回路110は、電極13、14に印加される電圧によって第1の光導波路4を透過する光に生じる第1の損失変化及び第1の位相変化を制御する。また制御回路110は、電極13、14に印加される電圧によって第2の光導波路5を透過する光に生じる第2の損失変化及び第2の位相変化を制御する。
そして、制御回路110は、第1の位相変化及び第2の位相変化が所定の関係となるように電極13、14、23及び24に印加する電圧を制御する。あるいは、制御回路110は、第1の損失変化及び第2の損失変化が所定の関係となるように電極13、14、23及び24に印加する電圧を制御する。
このような構成を備えることにより、光導波路デバイス100は、第1の実施形態で説明した手順により、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過する光の位相差を一定に保ったまま、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の損失を制御することが可能である。また、光導波路デバイス100は、第3の実施形態で説明した手順により、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過する光の損失を一定に保ったまま、第1の光導波路4と第2の光導波路5との間で生じる位相差を制御することも可能である。
また、制御回路110は、電極15及び電極25が出力した光吸収電流を比較し、その結果に基づいて電極13、14、23及び24に印加する電圧値を計算してその電圧を電極13、14、23及び24へ出力してもよい。すなわち、光導波路デバイス100においても、第1の実施形態と同様に、光吸収電流に基づいて第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過する光の強度を検出することが可能である。そして、検出された光強度に基づいて、第1の光導波路4及び第2の光導波路5を透過する光の強度が所定の関係となるように、第1の光導波路4及び第2の光導波路5の損失を制御してもよい。損失の制御は、電極13、14、23及び24に出力される電圧により行われる。
その結果、第4の実施形態の光導波路デバイスも、第1〜第3の実施形態の光導波路デバイスと同様に、光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とするという効果を奏する。
なお、第4の実施形態の変形例として、図11において、光導波路デバイス100は、第1の光導波路4及び制御回路110のみを備える構成としてもよい。そして、第1の光導波路4は、電極13、14のみを備えていてもよい。そして、制御回路110は、第1の光導波路4に所定の位相変化及び損失変化を生じさせるように電極13、14に印加する電圧値を計算してその電圧の信号を電極13、14へ出力する。
光導波路デバイス100が第4の実施形態の変形例のような構成を備える場合においても、電極13及び14に出力される電圧により第1の光導波路4の損失及び位相の制御を行うことができる。この場合、第1の実施形態の図5〜図7で説明した手順により、第1の光導波路4を透過する光の位相変化を一定に保ったまま、第1の光導波路4の損失を制御することが可能である。また、第3の実施形態で説明した手順により、第1の光導波路4を透過する光の損失を一定に保ったまま、第1の光導波路4の位相変化を制御することも可能である。
従って、第4の実施形態の変形例も、光導波路デバイスを透過する光の位相差と損失とを簡便な構成で独立に制御することを可能とするという効果を奏する。
以上説明した第1から第4の実施形態及びその変形例においては、2つの導波路間の位相差あるいは損失差を一定とする制御について主に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれらに限られるものではない。第1〜第4の実施形態で説明した光導波路デバイスは、位相及び損失の両者を同時に独立に変化させることが可能であり、位相及び損失をそれぞれ所望の値に設定するように制御することが可能である。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2011年6月1日に出願された日本出願特願2011−123204を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
(付記1)
2つの信号がそれぞれ印加される2つの電極を備える光導波路と、
前記2つの信号により前記光導波路を透過する光に生じる位相変化及び損失変化が所定の値となるように前記2つの信号を制御する制御手段と、
を備える光導波路デバイス。
(付記2)
前記光導波路を透過する光の強度に対応するモニタ信号を出力するモニタ手段をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、前記モニタ信号に基づいて前記2つの信号を制御する、付記1に記載された光導波路デバイス。
(付記3)
入力される第1の光の位相及び損失を制御する第1の信号及び第2の信号がそれぞれ印加される第1の電極及び第2の電極を備える第1の光導波路と、
入力される第2の光の位相及び損失を制御する第4の信号及び第5の信号がそれぞれ印加される第4の電極及び第5の電極を備える第2の光導波路と、
前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の損失変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の損失変化と、前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の位相変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の位相変化と、のいずれか一方が所定の関係となるように前記第1、第2、第4及び第5の信号を生成する制御手段と、
を備える光導波路デバイス。
(付記4)
前記制御手段は、前記第1の損失変化と前記第2の損失変化、及び、前記第1の位相変化と前記第2の位相変化、のいずれか一方が等しくなるように、前記第1、第2、第4及び第5の信号を生成する、付記3に記載された光導波路デバイス。
(付記5)
前記第1及び第2の光導波路を透過する光の強度にそれぞれ対応する第3の信号及び第6の信号を出力するモニタ手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1及び第2の損失変化を前記第3の信号及び第6の信号に基づいて制御する、付記3又は4のいずれかに記載された光導波路デバイス。
(付記6)
前記制御手段は、前記第1及び第2の光導波路を透過する光のそれぞれの強度が等しくなるように前記第1及び第2の損失変化を制御する、付記5に記載された光導波路デバイス。
(付記7)
前記第1及び第2のモニタ手段は、それぞれ前記第1及び第2の光導波路を透過する光を吸収することで前記第3及び第6の信号を発生させる第3の電極及び第6の電極をそれぞれ備える、付記5又は6に記載された光導波路デバイス。
(付記8)
前記制御手段は、
前記第1の信号の電圧及び前記第2の信号の電圧と前記第1の光導波路を透過する光の位相変化及び損失変化との関係を示す第1の特性データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第4の信号の電圧及び前記第5の信号の電圧と前記第2の光導波路を透過する光の位相変化及び損失変化との関係を示す第2の特性データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第1及び第2の特性データに基づいて、前記第1の損失変化及び前記第1の位相変化を生じさせ、前記第2の損失変化及び前記第2の位相変化を生じさせるように、前記第1、第2、第4及び第5の信号のそれぞれの電圧を算出する演算手段と、を備える、
付記3乃至7のいずれかに記載された、光導波路デバイス。
(付記9)
入力光を第1の光及び第2の光に分岐する分岐手段と、
前記第1の光及び前記第2の光が入力される付記3乃至8のいずれかに記載の光導波路デバイスと、
前記光導波路デバイスから出力される光を結合して出力する結合手段と、
を備える光干渉計。
(付記10)
第1の信号及び第2の信号がそれぞれ印加される第1の電極及び第2の電極を備える第1の光導波路と、第4の信号及び第5の信号がそれぞれ印加される第4の電極及び第5の電極を備える第2の光導波路と、を備える光導波路デバイスに、
前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の損失変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の損失変化と、前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の位相変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の位相変化と、のいずれか一方が所定の関係となるように前記第1、第2、第4及び第5の信号を出力する、
光導波路デバイスの制御回路。
(付記11)
2つの電極を備える光導波路にそれぞれ印加する2つの信号によって前記光導波路を透過する光に所定の位相変化及び損失変化が生じるように制御する、光導波路デバイスの制御方法。
(付記12)
入力光を入力する入力光導波路と、第1の光干渉計と、第2の光干渉計と、前記入力光を分岐して、前記第1の光干渉計及び前記第2の光干渉計に出力する分岐する分岐器と、
前記第1の光干渉計と前記第2の光干渉計とから出力される光信号を結合して出力する光結合器と、
付記3乃至8のいずれかに記載された光導波路デバイスと、を備え、
前記光導波路デバイスの第1の光導波路及び第2の光導波路は、前記第1の光干渉計及び第2の光干渉計とそれぞれ直列に接続されている、
光干渉計。
(付記13)
前記第1の光干渉計と前記第2の光干渉計は、さらに、並列に配置された2本の光導波路及び付記1乃至4のいずれかに記載された光導波路デバイスをそれぞれ備え、
前記第1の光干渉計及び前記第2の光干渉計が備える前記光導波路デバイスの第1の光導波路及び第2の光導波路が、前記並列に配置された2本の光導波路とそれぞれ直列に接続されている、
付記12に記載された光干渉計。
1、100、300 光変調器
2 光入力ポート
3、51 光分岐器
4 第1の光導波路
5 第2の光導波路
8、55 光結合器
10〜15、20〜25、41〜46、541〜546 電極
16、26 TIA
30 第1の光出力ポート
31 第2の光出力ポート
32 差動増幅器
33 A/D変換器
34 DSP
35、37 ドライバ
36 変調回路
41〜46 制御電極
50 I/Q変調器
52 I変調器
53 Q変調器
110 制御回路
2 光入力ポート
3、51 光分岐器
4 第1の光導波路
5 第2の光導波路
8、55 光結合器
10〜15、20〜25、41〜46、541〜546 電極
16、26 TIA
30 第1の光出力ポート
31 第2の光出力ポート
32 差動増幅器
33 A/D変換器
34 DSP
35、37 ドライバ
36 変調回路
41〜46 制御電極
50 I/Q変調器
52 I変調器
53 Q変調器
110 制御回路
Claims (10)
- 2つの信号がそれぞれ印加される2つの電極を備える光導波路と、
前記2つの信号により前記光導波路を透過する光に生じる位相変化及び損失変化が所定の値となるように前記2つの信号を制御する制御手段と、
を備える光導波路デバイス。 - 前記光導波路を透過する光の強度に対応するモニタ信号を出力するモニタ手段をさらに備え、
前記制御手段は、さらに、前記モニタ信号に基づいて前記2つの信号を制御する、請求項1に記載された光導波路デバイス。 - 入力される第1の光の位相及び損失を制御する第1の信号及び第2の信号がそれぞれ印加される第1の電極及び第2の電極を備える第1の光導波路と、
入力される第2の光の位相及び損失を制御する第4の信号及び第5の信号がそれぞれ印加される第4の電極及び第5の電極を備える第2の光導波路と、
前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の損失変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の損失変化と、前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の位相変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の位相変化と、のいずれか一方が所定の関係となるように前記第1、第2、第4及び第5の信号を生成する制御手段と、
を備える光導波路デバイス。 - 前記制御手段は、前記第1の損失変化及び前記第2の損失変化と、前記第1の位相変化及び前記第2の位相変化と、のいずれか一方が等しくなるように前記第1、第2、第4及び第5の信号を生成する、請求項3に記載された光導波路デバイス。
- 前記第1及び第2の光導波路を透過する光の強度にそれぞれ対応する第3の信号及び第6の信号を出力するモニタ手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1及び第2の損失変化を前記第3の信号及び第6の信号に基づいて制御する、請求項3又は4のいずれかに記載された光導波路デバイス。 - 前記第1及び第2のモニタ手段は、それぞれ前記第1及び第2の光導波路を透過する光を吸収することで前記第3及び第6の信号を発生させる第3の電極及び第6の電極をそれぞれ備える、請求項5に記載された光導波路デバイス。
- 前記制御手段は、
前記第1の信号の電圧及び前記第2の信号の電圧と前記第1の光導波路を透過する光の位相変化及び損失変化との関係を示す第1の特性データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第4の信号の電圧及び前記第5の信号の電圧と前記第2の光導波路を透過する光の位相変化及び損失変化との関係を示す第2の特性データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第1及び第2の特性データに基づいて、前記第1の損失変化、前記第1の位相変化、
前記第2の損失変化及び前記第2の位相変化を生じさせるように、前記第1、第2、第4及び第5の信号のそれぞれの電圧を算出する演算手段と、を備える、
請求項3乃至6のいずれかに記載された、光導波路デバイス。 - 入力光を第1の光及び第2の光に分岐する分岐手段と、
前記第1の光及び前記第2の光が入力される請求項3乃至7のいずれかに記載の光導波路デバイスと、
前記光導波路デバイスから出力される光を結合して出力する結合手段と、
を備える光干渉計。 - 第1の信号及び第2の信号がそれぞれ印加される第1の電極及び第2の電極を備える第1の光導波路と、第4の信号及び第5の信号がそれぞれ印加される第4の電極及び第5の電極を備える第2の光導波路と、を備える光導波路デバイスに、
前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の損失変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の損失変化と、前記第1及び第2の信号によって前記第1の光導波路を透過する光に生じる第1の位相変化及び前記第4及び第5の信号によって前記第2の光導波路を透過する光に生じる第2の位相変化と、のいずれか一方が所定の関係となるように前記第1、第2、第4及び第5の信号を出力する、
光導波路デバイスの制御回路。 - 2つの電極を備える光導波路にそれぞれ印加する2つの信号によって前記光導波路を透過する光に所定の位相変化及び損失変化が生じるように制御する、光導波路デバイスの制御方法。
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