JP7163899B2 - ワーク製造システム及びワークの製造方法 - Google Patents
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Description
実施形態に係るワーク製造システム及びワークの製造方法を説明する。まず、ワーク製造システムの構成を説明する。その後、ワーク製造システムを用いたワークの製造方法を説明する。
図1は、実施形態に係るワーク製造システムにおいて、加熱装置を例示した構成図である。図2は、実施形態に係るワーク製造システムにおいて、ワークを加熱する伝熱部材を例示した上面図である。図1及び図2に示すように、ワーク製造システム100は、加熱装置1を備えている。ワーク製造システム100は、加熱装置1の他に、ワーク10を製造する上で必要な成形装置等の他の装置を備えてもよい。以下で、加熱装置1の概要を説明する。その後、加熱装置1の加熱対象であるワーク10及び加熱装置1の構成を説明する。
加熱装置1は、CFRPを有するワーク10を加熱する。加熱装置1は、ワーク10を加熱するための構成として、チャンバー20、水蒸気加熱部30、伝熱部材40、制御部50を含む。また、加熱装置1は、温度計22、温度センサ23を含んでもよい。
ワーク10は、例えば、CFRPを有している。CFRPは、材質に炭素繊維と樹脂とを含む。CFRPには、例えば、熱可塑性CFRP及び熱硬化性CFRPの2種類がある。熱可塑性CFRPは、低温から高温になると、硬化した状態から徐々に軟化した状態に変化していく性質を有している。ここで、温度の上昇によって軟化し、変形を始めるときの温度を軟化温度という。一方、熱硬化性CFRPは、低温から高温になると、軟化した状態から徐々に硬化した状態に変化していく性質を有している。本実施形態のワーク10は、例えば、熱可塑性CFRPを含んでいる。
チャンバー20は、被加熱物としてワーク10を収容する容器である。チャンバー20の内部は、例えば、密閉されている。チャンバー20は、水蒸気加熱部30に接続されている。チャンバー20は、ワーク10を加熱する際には、チャンバー20の内部を、過熱水蒸気33で充満させることができる。チャンバー20の壁の一部には、耐熱ガラス21が設けられてもよい。耐熱ガラス21を通して、放射温度計等の温度計22は、ワーク10の表面温度を測定する。
水蒸気加熱部30は、過熱水蒸気33によって、CFRPの軟化温度よりも高い温度までワーク10を加熱する。具体的には、水蒸気加熱部30は、チャンバー20内に過熱水蒸気33を噴出させる。そして、水蒸気加熱部30は、チャンバー20内を過熱水蒸気33で充満させる。これにより、水蒸気加熱部30は、過熱水蒸気33をワーク10の表面に接触させることによって、ワーク10の少なくとも表面を含む部分を、CFRPの軟化温度よりも高い温度まで加熱する。
伝熱部材40は、チャンバー20の内部に配置されている。伝熱部材40は、軟化温度に達したワーク10の表面を含む部分に差し込まれる。そして、伝熱部材40は、ワーク10の内部を直接加熱する。伝熱部材40は、例えば、過熱水蒸気33を噴出する過熱水蒸気ノズルを含んでいる。その場合には、伝熱部材40は、ワーク10の内部に差し込んだ過熱水蒸気ノズルから過熱水蒸気33を噴出させて、ワーク10の内部を直接加熱する。また、伝熱部材40は、例えば、ヒータを含んでもよい。その場合には、伝熱部材40は、ワーク10の内部に差し込んだヒータの熱によって、ワーク10の内部を直接加熱する。
制御部50は、ワーク10の表面温度及び内部温度に基づいて、水蒸気加熱部30及び伝熱部材40の出力を制御する。制御部50は、ワーク10の表面温度及び内部温度が所定の設定温度に達するように、温度計22及び温度センサ23によって監視しながら、水蒸気加熱部30及び伝熱部材40をフィードバック制御する。これにより、ワーク10に含まれる樹脂がどのような種類の場合にも対応して、ワーク10を急速に加熱することができる。
次に、ワーク10の製造方法を説明する。ワーク10の製造方法は、材質に炭素繊維と樹脂とを含むCFRPを有するワーク10を加熱する加熱ステップを備える。ワークの製造方法は、加熱ステップの他に、ワーク10を製造する上で必要な成形ステップ等の他のステップを備えてもよい。以下で、ワーク10の加熱ステップを、フローチャート図を参照しながら説明する。
図3は、実施形態に係るワークの製造方法において、ワークを加熱する加熱ステップを例示したフローチャート図である。図3のステップS11及びステップS12に示すように、本実施形態のワーク10を加熱する加熱ステップは、水蒸気加熱ステップ及び直接加熱ステップを含んでいる。水蒸気加熱ステップは、過熱水蒸気33をワーク10の表面に接触させることによって、ワーク10の少なくとも表面を含む部分を、CFRPの軟化温度よりも高い温度まで加熱するステップである。一方、直接加熱ステップは、軟化温度に達したワーク10の表面を含む部分に伝熱部材40を差し込み、ワーク10の内部を直接加熱するステップである。以下で、各加熱ステップを説明する。まず、水蒸気加熱ステップを説明する。
図4は、本実施形態に係るワークの製造方法において、水蒸気加熱ステップを例示したフローチャート図である。図5は、実施形態に係るワークの製造方法において、加熱温度を制御するイメージを例示した図である。
次に、直接加熱ステップを説明する。
図7は、実施形態に係るワークの製造方法において、直接加熱ステップを例示したフローチャート図である。図8は、実施形態に係るワークの製造方法において、伝熱部材40をワーク10の内部に差し込んだ状態を例示した図である。
本実施形態のワーク製造システム100は、水蒸気加熱部30及び伝熱部材40を有している。そして、水蒸気加熱部30によって、ワーク10を軟化させた後、伝熱部材40をワーク10に差し込んで、ワーク10の内部を直接加熱している。これにより、ワーク10の表面からの加熱の他に、ワーク10の内部を直接加熱することができる。よって、加熱時間を大幅に短縮することができる。
次に、実施形態の変形例1を説明する。
図9は、実施形態の変形例1に係るワークの製造方法において、伝熱部材40をワーク10の内部に差し込んだ状態を例示した図である。図9に示すように、本変形例のワーク11は、直接加熱ステップにおいて、軟化層11a及び硬化層11bを有している。
次に、実施形態の変形例2を説明する。
図10は、実施形態の変形例2に係るワークの製造方法において、伝熱部材40をワークの内部に差し込んだ状態を例示した図である。図10に示すように、本変形例のワーク12は、軟化と共に膨張するCFRPを含んでいる。
10 ワーク
10a 平面部
11 ワーク
11a 軟化層
11b 硬化層
12 ワーク
20 チャンバー
21 耐熱ガラス
22 温度計
23 温度センサ
30 水蒸気加熱部
31 ボイラー
32 過熱水蒸気発生機
33 過熱水蒸気
34 過熱水蒸気噴出部
40 伝熱部材
41 差込部
41a、41b 端部
42 連結部
50 制御部
100 ワーク製造システム
Claims (8)
- 材質に炭素繊維と樹脂とを含む炭素繊維強化プラスチックを有するワークを加熱する加熱装置を備えたワーク製造システムであって、
前記加熱装置は、
過熱水蒸気を前記ワークの表面に接触させることによって、前記ワークの少なくとも前記表面を含む部分を、前記炭素繊維強化プラスチックの軟化温度よりも高い温度まで加熱する水蒸気加熱部と、
前記軟化温度に達した前記ワークの前記表面を含む部分に差し込まれ、前記ワークの内部を直接加熱する伝熱部材と、
を含む、
ワーク製造システム。 - 前記伝熱部材は、前記過熱水蒸気を噴出する過熱水蒸気ノズルを含む、
請求項1に記載のワーク製造システム。 - 前記伝熱部材は、ヒータを含む、
請求項1に記載のワーク製造システム。 - 前記ワークの表面温度を測定する温度計と、
前記前記ワークの内部温度を測定する温度センサと、
前記表面温度及び前記内部温度に基づいて、前記水蒸気加熱部及び前記伝熱部材の出力を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記内部温度に基づいて、前記伝熱部材及び前記温度センサを前記ワークに差し込む深さを制御する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のワーク製造システム。 - 材質に炭素繊維と樹脂とを含む炭素繊維強化プラスチックを有するワークを加熱する加熱ステップを備えたワークの製造方法であって、
前記加熱ステップは、
過熱水蒸気を前記ワークの表面に接触させることによって、前記ワークの少なくとも前記表面を含む部分を、前記炭素繊維強化プラスチックの軟化温度よりも高い温度まで加熱する水蒸気加熱ステップと、
前記軟化温度に達した前記ワークの前記表面を含む部分に伝熱部材を差し込み、前記ワークの内部を直接加熱する直接加熱ステップと、
を含む、
ワークの製造方法。 - 前記直接加熱ステップにおいて、
前記伝熱部材として、前記過熱水蒸気を噴出する過熱水蒸気ノズルを差し込む、
請求項5に記載のワークの製造方法。 - 前記直接加熱ステップにおいて、
前記伝熱部材として、ヒータを差し込む、
請求項5に記載のワークの製造方法。 - 前記水蒸気加熱ステップにおいて、
温度計によって測定された前記ワークの表面温度に基づいて、前記過熱水蒸気の温度を制御し、
前記直接加熱ステップにおいて、
温度センサによって測定された前記ワークの内部温度に基づいて、前記伝熱部材の出力を制御するとともに、前記伝熱部材及び前記温度センサを前記ワークに差し込む深さを制御する、
請求項5~7のいずれか1項に記載のワークの製造方法。
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