JP7162421B2 - 遠隔施工管理システム、遠隔施工管理方法 - Google Patents
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このような無人化施工では、高気圧作業室内に設けられた監視カメラによって撮影された高気圧作業室内の作業状況の画像を、高気圧作業室から離れた陸上の安全な遠隔作業室の机等に設置されたモニターに表示し、オペレータがこの画面を見ながら掘削機等の作業機械を遠隔操作し、施工を行なっている。
一方で、ARを用いた施工管理システムがある(特許文献1)。この施工管理システムでは、トンネル掘削工事において、シースルータイプのヘッドマウントディスプレイを装着した作業員がトンネル内においてトンネル内周面をみると、現実空間におけるトンネル内周面に重ね合わせるようにして仮想立体映像や施工管理情報が表示される。
また、特許文献1の施工管理システムでは、作業員がトンネル内に入った上で、視認されるトンネル内周面に対して各種映像が表示されるものであるため、作業者が高気圧作業室等の作業室に入らずに遠隔から作業を行なうためのものではない。
また、オペレータがあたかも実現場にいるような感覚で、安全な遠隔操作室から作業することができる。
図1は、この発明の一実施形態によるケーソンに遠隔施工管理システムが用いられた構成を説明する概念図である。この図においては、ケーソン1が、ニューマチックケーソン工法によって水中または地中に設置された状態であって側方側からみた断面を表している。ケーソン1は、ニューマチックケーソン工法によって水中または地中に設置される。作業室2は、ケーソン1の下部に形成されており、より具体的には、ケーソン1の底版1aと土砂10との間に形成される。レール3は、ケーソン1の底版1aの下面側(作業室2の天井に対応する面)に設けられる。ケーソンショベル4は、走行部4aを有しており、この走行部4aを駆動することによってレール3に沿って移動可能であり、作業室外からの操作指示を受信し、その操作指示に応じてレールに沿って移動したり、作業室2下部の土砂10を掘削する。土砂10が掘削されることにより、ケーソン1が沈下する。
レーダ5は、例えば、レーザレーダ、ミリ波レーダ、赤外線レーダ、超音波レーダを用いることができる。放射方向と距離とを3次元で記録することにより、土砂10の形状を測定することができる。
遠隔施工管理システムを構成する一部については、作業室2の外部であって遠隔の場にあるオペレータ室に設けられ、ヘッドセット20、操作基盤21、回転台座22、振動装置23、制御装置24を含んで構成される。
制御装置24は、作業室2内に設けられた各部(ケーソンショベル4、レーダ5、全天球カメラ6、傾斜計7、刃口反力計8、集音部9等)と、オペレータ室に設けられた各部(ヘッドセット20、操作基盤21、回転台座22、振動装置23)との間を、無線や有線等が用いられた通信回線を介して接続し、これらの各部の間において各種情報を送受信する。制御装置24は、作業室2内に設けられた各部とオペレータ室に設けられた各部との間において送受信される情報について、送信対象となる機器を制御内容に応じて振り分けて受け渡す。例えば、制御装置24は、全天球カメラ6から得られる撮像データをヘッドセット20に送信したり、操作基盤21から送信される操作内容を表す操作データをケーソンショベル4の駆動制御部に送信する等、必要な受け渡し先の機器に振り分けて送信したりする。この制御装置24は、例えばコンピュータである。
遠隔施工管理システムが起動されると、レーダ5、全天球カメラ6、傾斜計7、刃口反力計8、集音部9等は、それぞれ測定・計測を行ない、その結果を通信回線を介してオペレータ室の各装置に送信する。オペレータ室のコンピュータは、作業室2内の各部から送信された情報を受信し(ステップS101)、送信対象の機器に振り分けて送信する。
制御装置24は、傾斜計7から受信した傾斜量を表すデータに基づいて、傾斜量を表す画像を画面上に表示するための合成画像を生成する(ステップS102)。
一方、操作基盤21から操作入力がない場合には、ステップS112、ステップS113の処理をスキップする。
なお、図3に示すフローチャートに基づく処理は、遠隔施工管理システムの運転が停止されるまで、所定時間毎に繰り返して行なわれる。
このように、全天球カメラ6によって撮像された画像に対して、各種センサ等によって得られた情報を利用して各種画像を合成して表示することで、オペレータがオペレータ室にいながら、あたかもその作業室2内に実在するかのような直感的な操作で、現場を上下左右前後の全範囲を見渡しつつ、ケーソンショベル4を操作して掘削等の作業を行なうことができる。本実施形態のように、遠隔施工管理システムをニューマチックケーソン工法によるケーソン設置工事に用いることで、ニューマチックケーソン無人化施工を実現することができる。
この画面の上部には、ケーソン1の傾斜量を表す表示バーが表示される(符号100)。この傾斜量は例えば図3ステップS102において合成画像として生成された画像である。この表示バーは、現在のヘッドセット20の姿勢(オペレータが向く正面側方向)を基準として、ケーソン1の左右の水平方向に対する傾斜量に応じて、表示バーに対して所定のマークが表示される。例えば、左右方向に傾斜している値(単位はmm)に従い、表示バーに所定のマークが表示される。
また、この画面において、認識対象の物体の画像は、他のとは異なる表示態様で表示される(符号120、121等)。この傾斜量は例えば図3ステップS105において合成画像として生成された画像である。例えば、ここでは、認識対象の物体として、他の作業機器や資材を対象として、所定の色が重ねられた画像が表示される。そのため、オペレータは、掘削対象の土砂やケーソン1の側版等と他の物体とを簡単に識別することができる。また、このような認識対象の物体の画像に対する表示は、オペレータが操作しているケーソンショベル4を基準として近接障害物(所定距離内にある認識対象の物体)を対象として表示することもできる。近接しているか否かは、レーダ5によって得られた距離を元に、所定距離以内であるか否かを判断することで検知することができる。
このように、ニューマチックケーソン工法での無人化施工の場合、ケーソン刃口の反力値や傾斜(凹凸)をヘッドセット20の画面を通じて視界に投影させることで、オペレータは、掘削位置や掘削状況を容易に把握することが可能となる。
また、上述した実施形態において、制御装置24とヘッドセット20とが別の装置として構成される場合について説明したが、制御装置24のうち少なくとも1つの機能をヘッドセット20が有するようにしてもよい。例えば、図3ステップS102から110の処理をヘッドセット20が行なうようにしてもよい。
また、上述の遠隔施工管理システムは、実際のニューマチックケーソン工法における現場の作業室2内において用いる場合について説明したが、現場の3次元モデル(作業室内や土砂、ケーソンショベル等)を予め作成し、事前にCG(Computer Graphics)を利用して模擬作業を行う事で、現場作業をシミュレーションすることが可能となり、作業環境を把握したり、事前に練習することができる。
Claims (7)
- ケーソンの作業室内を撮像する撮像部と、
前記作業室外において用いられ利用者が装着可能であり前記撮像された画像を表示する表示装置と、
前記利用者の姿勢に応じて、前記作業室内における表示対象となる領域の位置を変更して前記表示装置に表示させる表示制御部と、
前記作業室内に設けられ、当該設けられた位置から前記作業室内における被測定物までの距離を測定する距離測定部と、
前記表示制御部は、前記測定された距離に基づいて、前記作業室内における起伏の3次元形状を表す画像を前記表示装置の前記撮像された画像の地表面の画像に重ね合わせて表示させる
を有する遠隔施工管理システム。 - 前記ケーソンの傾斜量を測定する傾斜センサを有し、
前記表示制御部は、前記傾斜センサの測定結果を前記表示装置に表示させる
請求項1に記載の遠隔施工管理システム。 - 前記撮像された画像に基づいて、認識対象の物体を抽出する抽出部を有し、
前記表示制御部は、抽出された物体を他の物体とは異なる表示態様で前記表示装置に表示させる
請求項1または請求項2に記載の遠隔施工管理システム。 - 前記ケーソンの刃口における地盤から反力を測定する刃口反力計とを有し、
前記表示制御部は、前記撮像部が撮像を行なう位置を基準として前記反力が測定された刃口の位置と反力とを前記表示装置に表示させる
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の遠隔施工管理システム。 - 前記作業室内における音を集音する集音部と、
前記作業室外に設けられ前記集音された音を放音する放音部と
を有する請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の遠隔施工管理システム。 - 前記撮像部は、前記作業室内に設けられた作業機器に取付けられており、
前記遠隔施工管理システムは、
前記作業室外に設けられ作業機器の姿勢を変更する操作入力を前記利用者から受付ける操作部と
を有する請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の遠隔施工管理システム。 - 撮像部が、ケーソンの作業室内を撮像し、
表示装置が、前記作業室外において用いられ利用者が装着可能であり前記撮像された画像を表示し、
表示制御部が、前記利用者の姿勢に応じて、前記作業室内における表示対象となる領域の位置を変更して前記表示装置に表示させ、
前記作業室内に設けられた距離測定部が、当該設けられた位置から前記作業室内における被測定物までの距離を測定し、
前記表示制御部が、前記測定された距離に基づいて、前記作業室内における起伏の3次元形状を表す画像を前記表示装置の前記撮像された画像の地表面の画像に重ね合わせて表示させる
遠隔施工管理方法。
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