以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の印刷システム100では、複合機102-1、102-2及びクライアントPC104がLAN106を通じて通信可能に接続されている。以下、複合機102-1~2をまとめて、複合機102と呼ぶ。
複合機102-1、複合機102-2は、印刷データの受信機能、印刷データから印刷データの属性を示す書誌情報を抽出する抽出機能、印刷データや書誌情報の管理機能を備えた複合機(印刷装置)である。
書誌情報の一例を図9に図示する。書誌情報とは、印刷データと印刷データのジョブオーナー(当該印刷データに対応するユーザである)であるユーザとの対応付け情報である。
ここでは、印刷データやFAXデータの受信に用いる通信ポート(LPRポート等)は、特定の装置(他の複合機、自機)からのみデータを受信可能なように設定されており、クライアントPC104からのデータは受け付けない設定にされているものとする。
クライアントPC104から複合機102にデータを送信する場合、監視対象としているポートにデータが送信されるものとする。
また、複合機102-2は、ネーム情報サービスが実行される複合機である(本実施形態では、複合機102-2にて実行されることを想定して説明している)。ネーム情報サービスが実行されている以外は、複合機102-1と同様の構成を備える。
ネーム情報サービスとは、いずれのユーザの印刷データが、いずれの複合機に格納されているかを記憶し、管理するためのサービスである。
クライアントPC104には、プリンタドライバやFAXドライバがインストールされており、これらドライバは、アプリケーションプログラムから受け取ったデータに基づいて印刷データやFAXデータを作成し、ネットワーク(LAN106)を介して指定された複合機102に対して送信する機能を有する。
以上が印刷システム100の構成の一例の説明であるが、本発明は、このような構成に限定されることなく、複数の複合機を備えたシステムであれば、どのような構成でもよい。
以下、図2を用いて、本発明の実施形態における、クライアントPCのハードウエア構成の一例について説明する。
図2において、201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
202はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM203あるいは外部メモリ211からRAM202にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。206はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示機への表示を制御する。
なお、図2では、CRT210と記載しているが、表示機はCRTだけではなく、液晶ディスプレイ等の他の表示機であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
207はメモリコントローラで、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HDD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
208は通信I/Fコントローラで、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォント展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
次に、図3を用いて、本発明の実施形態における、複合機のハードウエア構成の一例について説明する。
図3において、316はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ312と接続する一方、LANや公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
コントローラユニット316において、301はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。302はRAMで、CPU301が動作するためのシステムネットワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
303はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を格納する。
307は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部(UI)308とのインタフェース部であり、操作部308に表示する画像データを操作部308に対して出力する。
また、操作部I/F307は、操作部308から本システム使用者が入力した情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU301に伝える役割をする。
なお、操作部308はタッチパネルを有する表示部を備え、該表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。
305はネットワークインタフェース(ネットワークI/F)で、ネットワーク(LAN)に接続し、データの入出力を行う。306はモデム(MODEM)で、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
318は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS-232C等の外部入力を受け付けるI/F部であり、本実施形態においては認証で必要となるICカードの読み取り用のカードリーダ319が外部I/F318に接続されている。
そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報読み取りを制御し、該ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス309上に配置される。
320はイメージバスインタフェース(イメージバスI/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
画像バス315は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315上には以下のデバイスが配置される。
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。
311はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ312とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
また、313はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ314とコントローラユニット316を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
317は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。
また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
スキャナ314は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。
原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部308から読み取り起動指示することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
プリンタ312は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分であり、その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。
プリント動作の起動は、CPU301からの指示によって開始する。なお、プリンタ312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
ここで、操作部308のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。
また、操作部308のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部308のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、ICカード(例えば、ソニー社のフェリカ(FeliCa)(登録商標))内に記憶されている情報を読み取り、該読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
以上のような構成によって、複合機102-1、2は、スキャナ314から読み込んだ画像データをLAN103上に送信したり、LANから受信した印刷データをプリンタ312により印刷出力することができる。
また、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ312により出力することできる。以上が図3の説明である。
次に、図4~図6を用いて、本発明の実施形態について説明する。なお、本実施形態で説明するプログラムやサービスは、ソフトウェアとして複合機にインストールされているものである。
また、各ステップは、各装置(クライアントPC104や複合機102-1、102-2)のCPU(CPU201やCPU301)が実行する。
図4は、本実施形態における印刷データの受信に関する処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS100では、ユーザからの印刷指示に応じて、クライアントPC104のプリンタドライバが、印刷データを複合機102-1に送信する。
ステップS101では、複合機102-1は、あらかじめ監視している印刷データ受信用のポート(LPR515ポートやRAW9100ポート)にて、ステップS100においてクライアントPC104が送信した印刷データを受信する。
ステップS102では、複合機102-1は、取得した印刷データから、クライアントPC104より印刷データの作成に利用したプリンタドライバの機種名(例えば、MFP5050)を取得する。当該対応機種名は、印刷データのヘッダに、プリンタドライバによって付与されているものとする。
なお、ここで取得した機種名は、生成された印刷データが出力可能な機種を判別する際に利用されるように構成してもよい。
例えば、機種ごとにグループ分けし、出力可能なグループ情報に機種情報をグルーピングして管理する事により、同一グループに所属する機種に対して出力可能にすることができる。
ステップS103では、複合機102-1の書誌情報サービスは、クライアントPC104から受信した印刷データのヘッダに含まれる各種印刷データの書誌情報を抽出する。
すなわち、ステップS102~ステップS103は、印刷データの受け付けに応じて、当該印刷データを管理するための書誌情報を取得する処理である。
ステップS104では、複合機102-1は、ステップS103において抽出した書誌情報を備えた書誌情報ファイルを作成し、複合機102-1の所定のディレクトリ(例えば外部メモリの所定の記憶領域)に格納する。
図9には、書誌情報を管理するための書誌情報ファイルの構成が示されており、この書誌情報ファイルは、印刷データを一意に識別するためのジョブID、印刷データのファイル名、印刷データに係る印刷指示を行ったログインユーザを一意に識別するためのユーザID、印刷指示を行った日時を示す日付、印刷データのページ数、部数、印刷状況を示すステータス、印刷物がカラーで印刷するか、あるいはモノクロで印刷するかを識別する文書カラー、片面、両面などの印刷形式を示す印刷方法、1in1、2in1等を示すページレイアウト、及び出力する用紙サイズ等を含んで構成されている。
ステップS105では、複合機102-1は、クライアントPC104から受信した印刷データのヘッダに含まれる格納先情報を抽出し、当該格納先情報を備えた格納先情報ファイルを作成して、複合機102-1の所定のディレクトリ(例えば外部メモリの所定の記憶領域)に格納する。
図8には、格納先情報を管理する格納先情報ファイルの構成が示されており、格納先情報ファイルは、クライアントPC104に対するログインユーザを一意に識別するためのユーザID、当該ユーザが利用しているクライアントPC104のコンピュータ名、印刷データの格納先となる複合機が属するプリンタグループ、印刷データの格納先となる複合機のIPアドレスを示すホスト名(IPアドレス)、当該格納先情報を記憶した日時を示す更新日時を含んで構成されている。
ステップS106では、複合機102-1は、クライアントPC104から受信した印刷データのヘッダに含まれるユーザ情報を抽出し、当該ユーザ情報を備えたユーザ情報ファイルを作成して、複合機102-1の所定のディレクトリ(例えば外部メモリの所定の記憶領域)に格納する。
図7には、ユーザ情報ファイルの構成が示されており、ユーザ情報ファイルは、クライアントPC104に対するログインユーザを一意に識別するためのユーザID701、当該ユーザが利用しているクライアントPC104のコンピュータ名702、複合機102に対するログインする際にユーザ一覧画面に表示するアイコンへの表示名を示すボタン表示名703を備えている。
また、ユーザ情報ファイルは、当該アイコンを押下した後、入力すべきパスワード704、ユーザが所属するグループを一意に識別するためのグループID705、ユーザ情報ファイルのユーザ情報が更新されたときの日時を示す更新日時706、アイコンが生成されてから初めての印刷であるか否かを示す初回印刷フラグ707を備えている。
本ステップでは、ユーザ情報ファイルを格納する際、印刷データのヘッダに含まれるユーザ名とコンピュータ名の組み合わせが、ユーザ情報ファイルに存在している場合は、ユーザ情報ファイルの更新日時706を更新する。
ユーザ名とコンピュータ名の組み合わせが存在しない場合は、ユーザ情報ファイルにユーザ情報を追加する。
このように更新ではなく追加する時、ボタン表示名703やパスワード704やグループID705は空を設定し、初回印刷フラグ707はTRUEを設定して初期化する。
ステップS107では、複合機102-1は、クライアントPC104から受信した印刷データを印刷データ受信時に生成された一意のファイル名で、複合機102-1の所定のディレクトリ(HDD304)に格納する。
すなわち、ステップS104~ステップS107は、印刷データと書誌情報と格納先情報とユーザ情報を記憶する処理である。
ステップS108では、印刷データのヘッダに含まれるユーザ名とコンピュータ名の組み合わせに対して、ステップS106で保存したユーザ情報ファイルの初回印刷フラグ707の値を取得する。
取得した当該ユーザ情報の初回印刷フラグ707の値が、FALSEの場合は、処理をステップS109へ移行し、当該ユーザの初回印刷フラグ707の値が、TRUEの場合は、本処理を終了する。
ステップS109では、複合機102-1は、ネーム情報サービスが機能している複合機102-2に格納先情報を送信(通知先)する。
ここでいう格納先情報とは、印刷データが格納された複合機(ここでは複合機102-1)の識別情報(ここではIPアドレス)と、格納された印刷データの書誌情報に含まれるユーザ名との組み合わせの情報(格納先情報ファイルに記憶された情報)である。
当該格納先情報の送信先(通知先)の装置の情報(例えば複合機102-2のIPアドレス)は、予め、各複合機102の外部メモリに記憶されているものとする。
ステップS110では、複合機102-1は、ネーム情報サービスが機能している複合機102-2にユーザ情報(ユーザ情報テーブルに記憶された情報)を送信(通知先)する。
当該ユーザ情報の送信先(通知先)の装置の情報(例えば複合機102-2のIPアドレス)は、予め、各複合機102の外部メモリに記憶されているものとする。
ステップS111では、複合機102-2が、ステップS109で送信された格納先情報を受信する。
ステップS112では、複合機102-2が、ステップS110で送信されたユーザ情報を受信する。
ステップS113では、複合機102-2が、ステップS111で受信した格納先情報を格納先情報ファイルとして外部メモリに記憶する。
ステップS114では、複合機102-2がステップS112で受信したユーザ情報をユーザ情報ファイルとして外部メモリに記憶する。
次に、図5に示すフローチャートを用いて、本発明の実施形態における、文書一覧画面を表示する流れについて説明する。
ステップS200では、ステップS106において複合機102-1の外部メモリに記憶しているユーザ情報ファイルを取得する。
ステップS201では、ステップS105において複合機102-1の外部メモリに記憶している格納先情報ファイルを取得する。
ステップS202では、複合機102-1は、ステップS200で取得したユーザ情報ファイルをもとに、図10に示すようなユーザ一覧画面を操作部308に表示する。
ユーザ一覧画面は、複合機102へログインする際に表示される画面であり、各ユーザのユーザアイコン(1008から1011)が表示され、ユーザは、当該ユーザアイコンを押下することによりログインすることが可能となる。
また、ユーザ一覧画面は、表示すべくユーザアイコンを絞り込むための条件を選定するための絞込み条件選定リスト1001を備えており、例えば、ユーザが所属するグループで分類している場合、当該グループを絞込み条件選定リスト1001から選定すると、選定したグループに所属するユーザのユーザアイコンのみが表示される。
さらに、ユーザ一覧画面は、ユーザアイコンを追加表示するために押下するためのユーザアイコン追加ボタン1002とユーザ一覧画面に表示されているユーザアイコンの表示順序の設定等の設定項目を設定する際に押下するための設定ボタン1003を備えている。
ステップS203では、ユーザアイコン追加ボタン1002が押下されたと判断された場合(ステップS204:TRUE)は、処理をステップS204に移行し、押下されたと判断されていない場合は、処理をステップS213へ移行する。
ステップS204では、複合機102-1は、図15に示すようなユーザ確認画面を操作部308に表示する。
ユーザ確認画面は、ユーザ一覧画面にユーザアイコンを追加するにあたり、どのユーザのユーザアイコンを追加すべきか、また、勝手に別のユーザのユーザアイコンが追加されるとセキュリティ上の問題を抱えることから、当該ユーザのユーザアイコンに対するパスワードの入力を求めるものである。
ユーザ確認画面は、ユーザ名、コンピュータ名、パスワード等のユーザ情報を入力するための入力領域1503を備えており、アイコンの追加を止める際に押下するためのキャンセルボタン1501、入力領域1503に入力されたユーザ情報でアイコンの追加処理を開始する際に押下するためのOKボタン1502を備えている。
ステップS205では、OKボタン1502が押下されたと判断された場合(ステップS205:TRUE)は、処理をステップS206へ移行し、キャンセルボタン1501が押下されたと判断された場合は、ユーザアイコンの追加処理がキャンセルされたと判断し、処理をステップS202へ移行する。
ステップS206では、複合機102-1は、ユーザ確認画面で入力されたユーザ情報(ここでは、ユーザ名、PC名、パスワード)を取得し、ネーム情報サービスが機能している複合機102-2に対してユーザ情報の確認要求を送信する。
ステップS207では、複合機102-2は、ユーザ情報確認要求を受信する。
ステップS208では、複合機102-2の外部メモリに記憶しているユーザ情報ファイルに、ステップS207で取得したユーザ情報が含まれるか否かを判断する。ユーザ情報が含まれる場合は、当該ユーザ情報を取得する。
ステップS209では、複合機102-2は、ステップS208のユーザ確認結果を生成し、複合機102-1に対して送信する。
ステップS210では、複合機102-1は、ユーザ確認結果を受信し、ユーザ確認結果に含まれるユーザ情報をユーザ情報ファイルに追加する。
ステップS211では、ステップS210で受信したユーザ確認結果から、認証が成功しているか否かを判断する。
認証が成功した場合(ステップS211:TRUE)は、処理をステップS212へ移行する。認証に失敗した場合(ステップS211:FALSE)は、処理をステップS213へ移行し、ユーザ一覧画面を表示し、ユーザアイコンがユーザにより押下されるのを待つ。
ステップS212では、複合機102-1は、ユーザ情報ファイルをもとに、ユーザ一覧画面にユーザのユーザアイコンを追加して更新する。
ステップS213では、複合機102-1の操作部308に表示しているユーザ一覧画面のユーザアイコン(図10の1008~1011のいずれか)が押下されたと判断された場合(ステップS213:TRUE)は、処理をステップS214へ移行する。
ステップS214では、複合機102-1は、外部メモリに記憶している格納先情報ファイルに対して、ステップS213で選択されたユーザを検索し、当該ユーザの印刷データの格納先情報を取得する。
取得した格納先情報をもとに、当該ユーザの文書一覧取得要求を複合機102-2へ送信する。ここで、格納先の複合機が複数存在した場合は、全ての複合機に対して、ステップS214~ステップS218の処理を実施する。
ステップS215では、複合機102-2は、文書一覧取得要求を受信する。
ステップS216では、複合機102-2の書誌情報ファイルから、当該ユーザの書誌情報を取得する。
ステップS217では、複合機102-2は、ステップS216で取得した当該ユーザの書誌情報を、複合機102-1に対して送信する。
ステップS218では、当該ユーザの複合機102-2に格納されている印刷データの書誌情報を受信する。
ステップS219では、当該複合機での文書一覧の表示順序の設定に応じて、ステップS218で受信した書誌情報をソートする。
ステップS220では、ステップS219でソートした書誌情報をもとに、図11に示すような文書一覧画面を操作部308に表示する。
図11に示す文書一覧画面は、ユーザの書誌情報を一覧で表示する画面であり、この一覧から印刷したいレコードをユーザが選択し、プリント開始ボタン1101を押下することで、選択したレコードに対応する印刷データを印刷する。
次に、図6に示すフローチャートを用いて、本発明の実施形態における印刷データの出力処理の流れについて説明する。
ステップS300では、複合機102-1は、文書一覧画面を操作部308に表示する。
ステップS301では、複合機102-1が、ステップS300で表示された文書一覧画面に対して、印刷データの選択操作を受け付ける。
ステップS302では、複合機102-1が、ステップS301で選択された印刷データに関して、プリント開始ボタン1101が押下されたことを検知することで、印刷指示を受け付ける。
ステップS303では、複合機102-1が、図5のステップS213で選択されたユーザアイコンに対応するユーザ(文書一覧画面を表示しているユーザ)に関して、ユーザ情報ファイルの初回印刷フラグ707の値を取得する。
取得した当該初回印刷フラグ707の値が、FALSEの場合は、処理をステップS304へ移行し、TRUEの場合は、処理をステップS311へ移行する。
ステップS304では、複合機102-1が、印刷データを格納している複合機102-2に対して印刷指示要求(印刷データ取得要求)を送信する。
ステップS305では、複合機102-2が、ステップS304で送信された印刷指示要求を受信する。
ステップS306では、複合機102-2が、ステップS305の印刷指示要求を受け、印刷データを取得する。
ステップS307では、複合機102-2が、ステップS306で取得した印刷データを印刷指示要求元の複合機102-1に対して送信する。
ステップS308では、複合機102-1が、ステップS307で送信された印刷データを受信する。
ステップS309では、複合機102-1が、ステップS308で受信した印刷データを印刷する。
ステップS310では、複合機102-1は、文書一覧画面を操作部308に表示する。このとき、文書一覧画面の表示は、複合機102-1の表示設定に応じて、適宜文書一覧の情報を更新する。
例えば、印刷済みの文書は一覧表示しない設定であった場合は、ステップS309で出力済みの印刷データについては、文書一覧に表示させないものとする。
ステップS311では、ステップS301で選択された、複合機102-1が保持している当該ユーザの印刷データに関して印刷を実行する。
ステップS312では、複合機102-1は、図12に示すようなパスワード設定ダイアログを表示する。
パスワード設定ダイアログは、ユーザのユーザアイコンが初めて生成され、この生成されたユーザアイコンを押下して印刷を行った際に、当該ユーザアイコンに対してパスワードを付与するための画面である。
これによって、次回、ユーザアイコンを押下した際に、このパスワード設定ダイアログで設定したパスワードを入力することで、ログインすることが可能となる。
パスワード設定ダイアログは、このパスワードを入力するためのパスワード入力領域1203、パスワード入力領域1203に入力されたパスワードが適切であるかの確認を行うためにパスワード確認入力領域1204を備え、さらに、パスワードを設定しない場合に押下するためのキャンセルボタン1201、及びパスワードを設定する場合に押下するOKボタン1202を備えている。
ステップS313では、ステップS312で表示したパスワード設定ダイアログにて、キャンセルボタン1201、または、空のパスワードが設定された状態でOKボタン1202が押下された場合(ステップS313:TRUE)は、処理をステップS314へ移行する。パスワードが入力された状態でOKボタン1202が押下された場合(ステップS313:FALSE)は、処理をステップS316へ移行する。
ステップS314では、複合機102-1は、図13に示すようなパスワード未設定ダイアログを表示する。
パスワード未設定ダイアログは、ユーザアイコンに対してパスワードが未設定であることをユーザへ通知するための画面である。このパスワード未設定ダイアログを閉じる場合は、閉じるボタン1301を押下する。
これにより、ユーザに対して連携する他の複合機上でも印刷データの一覧が表示され、第三者によって印刷されるリスクが高まる旨を通知する。
ステップS315では、ステップS314で表示したパスワード未設定ダイアログの閉じるボタン1301が押下されたと判断された場合(ステップS315:TRUE)は、処理をステップS316へ移行する。
ステップS316では、複合機102-1は、図14に示すようなユーザ情報通知先選択画面を表示する。
ユーザ情報通知先選択画面は、ユーザアイコンを表示したい他の複合機102を選択するための画面である。
ユーザ情報通知先選択画面は、複合機102に関しての一覧が表示され、ユーザアイコンを表示したい複合機102を選択するための選択欄1402を選択して、OKボタン1401を押下することで、ユーザアイコンを表示したい複合機102を設定することが可能となる。
ステップS317では、ステップS316で表示したユーザ情報通知先選択画面のOKボタン1401が押下されたと判断された場合(ステップS317:TRUE)は、選択された複合機情報を取得して、処理をステップS318へ移行する。
ステップS318では、複合機102-1の外部メモリに記憶しているユーザ情報ファイルの当該ユーザのパスワード704には、パスワード設定ダイアログで入力されたパスワードを設定し、初回印刷フラグ707の値をFALSEに設定する。
これにより、次に当該ユーザの印刷データを何れの複合機で受けた場合は、連携する複合機に対して格納先情報の通知がなされるようになるため、全ての他の複合機にユーザアイコンが表示される。その際、図5のステップS203からステップS212の処理は不要となる。
ステップS319では、複合機102-1は、ユーザ一覧画面を操作部308に表示する。
ステップS320では、ステップS317で選択されたユーザ情報通知先の複合機102に対して、当該ユーザの格納先情報を送信する。
ステップS321では、ステップS317で選択されたユーザ情報通知先の複合機102に対して、当該ユーザのユーザ情報を送信する。
ステップS323では、複合機102-2が、ステップS320で送信された格納先情報を受信する。
ステップS324では、複合機102-2が、ステップS321で送信されたユーザ情報を受信する。
ステップS325では、複合機102-2がステップS323で受信した格納先情報を格納先情報ファイルに記憶する。
ステップS326では、複合機102-2がステップS324で受信したユーザ情報をユーザ情報ファイルに記憶する。
以上、本発明によれば、ユーザ情報の登録にかかる手間をかけることなく、印刷時におけるセキュリティを高めることができる。
また本発明の目的は、上述した実施形態で示したフローチャートの手順を実現するプログラムコードを記憶した記憶媒体から、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が、そのプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになる。そのため、このプログラムコード及びプログラムコードを記憶した記憶媒体も本発明の一つを構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
またコンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に基づきコンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、次の場合も含まれる。記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれている。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される。