JP7161642B1 - 制御システムおよび運転計画方法 - Google Patents
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Abstract
Description
<1.焼却設備の全体構成>
図1は、実施形態の焼却設備1を示す概略構成図である。焼却設備1は、例えば、都市ごみ、産業廃棄物、またはバイオマスなどを被焼却物Gとするストーカ炉である。なお、焼却設備1は、ストーカ炉に限定されるものではなく、別タイプの焼却設備でもよい。以下では説明の便宜上、「被焼却物」を「ごみ」と称する場合がある。焼却設備1は、例えば、貯留部2と、焼却炉3とを備える。
貯留部2は、収集された被焼却物Gを貯留し、貯留した被焼却物Gを焼却炉3に投入する設備である。貯留部2については、詳しく後述する。
焼却炉3は、被焼却物Gを搬送しながら燃焼させる炉である。焼却炉3は、例えば、ホッパ11と、炉本体12とを備える。
次に、貯留部2について説明する。
図2に示すように、貯留部2は、例えば、ごみピット21、プラットホーム22、複数のごみ受入扉23、複数のクレーン30、およびごみ高さ検出装置41(図1参照)を備える。
ごみピット21は、焼却炉3の前段に設けられ、焼却炉3に投入される前の被焼却物Gが貯留される収容部である。ごみピット21は、上方から見た場合、Y方向に沿う長辺、X方向に沿う短辺を有する長方形状である。ごみピット21は、ごみピット21の上部に被焼却物Gを受け入れるための開口を有する(図1参照)。
プラットホーム22は、外部で被焼却物Gを収集した作業車P(以下「パッカー車P」と称する)が到着する搬入部である。プラットホーム22は、ごみピット21の-X方向側の一端に隣接して設けられている。
複数のごみ受入扉23は、ごみピット21とプラットホーム22との間に設けられている。複数のごみ受入扉23は、Y方向に並べて配置されるとともに、互いに独立して開閉可能である。パッカー車Pがプラットホーム22に到着した場合、複数のごみ受入扉23のなかで、到着したパッカー車Pの位置に対応するごみ受入扉23が開かれる。
図1に示すように、クレーン30は、ごみピット21に貯留された被焼却物Gの一部を把持し、把持した被焼却物Gを焼却炉3のホッパ11まで運んでホッパ11に投入する。クレーン30は、ごみピット21の上方に設けられている。クレーン30は、例えば、移動機構31、ワイヤ32、巻上機33、およびグラップル34を有する。
図1に示すように、ごみ高さ検出装置41は、ごみピット21に貯留された被焼却物Gの上面の高さを検出する。ごみ高さ検出装置41は、例えば、レーザスキャナであり、ごみピット21に貯留された被焼却物Gの表面にレーザ光を照射して走査し、レーザ光を照射してから被焼却物Gの表面で反射したレーザ光を受光するまでの時間(TOF:Time of fright)を計測し、計測した情報をごみ高さ検出装置41の検出結果として貯留部2の制御装置100に送信する。ごみ高さ検出装置41は、所定の周期(例えば1時間ごと)で被焼却物Gの上面の高さを検出する。
図3は、制御装置100に関連する機能構成を示すブロック図である。貯留部2は、上述した構成に加え、例えば、入力装置51、表示装置52、操作盤53、および制御装置100を備える。
入力装置51は、キーボードまたはタッチパネルなどを有し、オペレータによる入力を受け付け可能な装置である。入力装置51は、例えば、燃焼設備1の設備内容(焼却設備1のごみ受入処理量、炉処理能力、炉配置、炉数、ごみピットの規模、クレーンの台数などのうち1つ以上)または焼却設備1の運用方針が変更される場合、変更後の設備内容または運用方針に関する情報の入力を受け付ける。「変更後の設備内容または運用方針に関する情報」は、例えば、変更後の設備内容または運用方針に応じて設定される判定用(選択用)の指標値や閾値を示す情報を含む。これら情報については後述する。入力装置51により受け付けられた情報は、設定用情報として制御装置100に送信される。
表示装置52は、種々の情報を表示可能な表示画面を有し、制御装置100から受信する表示情報を表示させる。表示装置52には、例えば、制御装置100によって生成される複数のクレーン30の運転計画が表示される。また、表示装置52には、制御装置100によってアラームが発報される場合、発報されるアラームの内容が表示される。
操作盤53は、クレーン30に関するオペレータの操作を受け付ける装置である。例えば、制御装置100によってアラームが発報される場合、オペレータは、操作盤53を操作することで自動運転中のクレーン30を手動運転に切り替える。操作盤53により受け付けられた情報は、操作信号として制御装置100に送信される。
次に、制御装置100について説明する。
制御装置100は、ごみピット21で運転される複数のクレーン30の自動運転を行うための制御装置である。制御装置100は、「制御システム」の一例である。なお、制御装置100に含まれる機能部の一部または全部は、貯留部2の制御装置100に代えて、焼却設備1の全体を制御する制御装置の一部として設けられてもよい。
情報取得部110は、制御装置100に必要な各種情報を取得する。例えば、情報取得部110は、ホッパ11から送信される投入要求信号、ごみ受入扉23から送信される受入扉開信号、クレーン30の位置センサ35から送信される位置情報、クレーン30の重量センサ36から送信される重量情報、ごみ高さ検出装置41から送信される検出結果などを取得する。
エリア機能設定部120は、ごみピット21内の複数のエリアに対して、所定時間ごとのエリア利用方法をそれぞれ設定する。エリア利用方法とは、例えば、特定の焼却設備に対して作成されたものではなく、任意の焼却設備に対して設定可能なように予めパターン化(汎用化)された各エリアの運用パターンである。
次に、動作設定部130について説明する。動作設定部130は、複数のクレーン30に対して、所定時間ごとの動作モードをそれぞれ設定する。動作モードとは、特定の焼却設備に対して作成されたものではなく、任意の焼却設備に対して設定可能なように予めパターン化(汎用化)された各クレーン30の動作パターンである。
次に、制御部140について説明する。制御部140は、エリア機能設定部120により設定されるエリア利用方法と、動作設定部130により設定される動作モードとの組み合わせに基づき、複数のクレーン30をそれぞれ制御する。
図11は、制御部140の機能構成を示すブロック図である。制御部140は、例えば、ごみ高さ算出部141、撹拌回数算出部142、かさ比重算出部143、評価値算出部144、選択部145、および動作制御部146を含む。
ごみ高さ算出部141は、ごみ高さ検出装置41の検出結果に基づき、ごみピット21内に堆積された被焼却物Gの高さ(以下「ごみ山高さ」と称する)を算出する。ごみ山高さは、ごみピット21に設定された複数の区画Rの各々について算出される。
撹拌回数算出部142は、例えばクレーン30による撹拌作業の履歴に基づき、被焼却物Gの撹拌回数を算出する。被焼却物Gの撹拌回数は、ごみピット21に設定された複数の区画Rの各々について算出される。
かさ比重算出部143は、クレーン30の重量センサ36からの重量情報に基づき、被焼却物Gのかさ比重を算出する。「かさ比重」とは、対象物固有の比重ではなく、「空隙を含む単位体積当たりの重量」から算出される比重である。被焼却物Gのかさ比重は、ごみピット21に設定された複数の区画Rの各々について算出される。
評価値算出部144は、例えば、撹拌回数算出部142により算出された各区画Rにおける撹拌回数と、かさ比重算出部143により算出された各区画Rにおけるかさ比重とに基づき、各区画Rにおける撹拌進捗度を示す評価値(以下では説明の便宜上「総合評価値」と称する)を算出する。なお、評価値算出部144は、撹拌回数およびかさ比重に代えて/加えて、ごみピット21内を撮影された画像に対する画像解析に基づき、各区画Rにおける総合評価値を算出してもよい。
選択部145は、作業選択部145aと、把持位置選択部145bとを含む。
動作制御部146は、各クレーン30の制御盤に対して制御信号を送信することで、各クレーン30の移動および被焼却物Gの把持を実行させる。例えば、動作制御部146は、作業選択部145aにより選択された作業や撹拌方法をクレーン30に実行させる。また、動作制御部146は、把持位置選択部145bにより選択された把持位置にクレーン30を移動させ、被焼却物Gを把持させる。
次に、設定受付部150について説明する。
設定受付部150は、入力装置51から送信される設定用情報を受信することで、オペレータによって指定された各種設定を受け付ける。各種設定は、例えば、判定や選択に用いられる指標の種類および各種閾値の大きさを含む。各種閾値は、例えば、受入モードまたは投入モードに対応して設定された複数の作業のなかから実行する作業を選択するために用いられる閾値Ta,Tb、2つ以上の撹拌方法のなかから実行する撹拌方法を選択するために用いられる閾値Tc、被焼却物Gの把持位置を選択するために用いられる閾値Tdなどを含む。上記各種設定は、記憶部160の判定条件DB164に登録されている。
記憶部160は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部160は、上述したエリア機能DB161、動作モードDB162、優先情報DB163、判定条件DB164などを記憶する。
次に、クレーン30の運転計画の導出について説明する。本開示で「運転計画」とは、クレーン30の基本動作を示す計画であり、上述した指標の種類や各種閾値(例えば閾値Ta,Tb,Tc,Td)を変更することで制御内容が変更可能な計画を意味する。
次に、クレーン30の制御の流れについて説明する。ここでは、まず、投入モードが設定されたクレーン30の制御の流れについて説明する。
図13から図15は、投入モードのクレーン30の制御の流れを示すフローチャートである。以下では、投入モードが設定されたクレーン30を「投入クレーン30T」と称する。一方で、受入モードが設定されたクレーン30を「受入クレーン30U」と称する。また以下では、受入先エリアが第1エリアA1に設定され、投入エリアが第2エリアA2に設定された状態「エリア設定A」と称する。また、投入エリアが第1エリアA1に設定され、受入先エリアが第2エリアA2に設定された状態を「エリア設定B」と称する。
まず、選択部145は、ホッパ11からの投入要求信号があるか否かを判定する(S201)。選択部145は、ホッパ11からの投入要求信号が無い場合(S201;NO)、投入作業が不要と判定し、受入作業または積替作業に関する処理に進む。
図14に示すように、受入作業を行う場合、選択部145は、受入元エリア(例えば投入クレーン30Tに対応付けられた専従受入元エリア)に含まれる複数の区画Rのなかでごみ山高さが予め設定された閾値T1以上の区画Rが存在するか否かを判定する(S301)。選択部145は、S301の判定結果が否定的である場合(S301;NO)、受入作業が不要と判定し、積替作業に関する処理に進む。
図15に示すように、積替作業を行う場合、選択部145は、投入エリア内の複数の区画Rのなかからごみ山高さが予め設定された閾値T2以上の区画Rがあるか否かを判定する(S401)。選択部145は、投入エリア内の複数の区画Rにおいてごみ山高さが閾値T2以上の区画Rが存在しない場合(S401;NO)、S201の処理に戻る。
次に、受入クレーン30Uの制御について説明する。
図16は、受入クレーン30Uの制御の流れを示すフローチャートであり、受入モードに含まれる「受入作業」の流れを示す。受入クレーン30Uによる受入作業は、受入元エリアのなかで投入モードが設定されたクレーン30が専従する専従受入元エリア以外の区画R(特定領域の区画R)から被焼却物Gを受入先エリアに移動させることを除き、投入クレーン30Tによる受入作業と同様である。このため、受入クレーン30Uによる受入作業の説明は、投入クレーン30Tによる受入作業に関する上記説明において、「投入クレーン30T」を「受入クレーン30U」と読み替え、「投入クレーン30Tに対応付けられた専従受入元エリア」を、「受入元エリアにおける特定領域の区画R」と読み替えればよい。
近年のごみピットは、後段焼却炉が左右に配置されることから横長のエリアとなる場合が多く、ごみ受入量や焼却炉の大きさに応じて複数のクレーンにより、被焼却物Gの受入、撹拌、および投入が行われる。しかしながら、複数のクレーンを同時に操作して作業を行う場合、クレーン同士の干渉が生じるリスクがあり、自動運転化が困難であった。また、焼却設備のごみ受入処理量、炉処理能力、炉配置、炉数、ごみピットの規模、クレーンの数など、クレーンの自動運転を制御するロジックは、焼却設備ごとに計画や方針の検討、変更が必要となっていた。
各実施形態に記載の制御システムおよび運転計画方法は、例えば以下のように把握される。
2…貯留部
3…焼却炉
11…ホッパ
11A…第1ホッパ
11B…第2ホッパ
21…ごみピット
30…クレーン
30A…第1クレーン
30B…第2クレーン
100…制御装置(制御システム)
110…情報取得部
120…エリア機能設定部
130…動作設定部
140…制御部
141…ごみ高さ算出部
142…撹拌回数算出部
143…かさ比重算出部
144…評価値算出部
145…選択部
146…動作制御部
150…設定受付部
Claims (5)
- 被焼却物が堆積されるピット内の複数のエリアに対して、所定時間におけるエリア利用方法をそれぞれ設定するエリア機能設定部と、
複数のクレーンに対して動作モードをそれぞれ設定する動作設定部と、
前記エリア機能設定部により設定される前記エリア利用方法と、前記動作設定部により設定される前記動作モードとの組み合わせに基づき、前記複数のクレーンをそれぞれ制御する制御部と、
を備え、
前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含み、
前記エリア機能設定部は、
第1時間における前記エリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定し、
前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定する、
制御システム。 - 前記複数のクレーンは、少なくとも、第1クレーンと、第2クレーンとを含み、
前記動作設定部は、
前記第1時間における前記動作モードとして、前記ホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入モードを前記第1クレーンに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入モードを前記第2クレーンに設定し、
前記第2時間における前記動作モードとして、前記投入モードを前記第1クレーンに設定し、前記受入モードを前記第2クレーンに設定する、
請求項1に記載の制御システム。 - 前記受入モードには、前記被焼却物を受け入れる受入作業と、前記被焼却物を積み替える積替作業とを含む複数の作業が対応付けられ、
前記投入モードには、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入作業と、前記被焼却物を積み替える積替作業とを含む複数の作業が対応付けられ、
前記制御部は、
前記複数のクレーンのうち前記受入モードが設定されたクレーンに関して、前記焼却炉からの要求または1つ以上のセンサの検出結果に基づき、前記受入モードに対応付けられた前記複数の作業のなかで実行させる作業を切り替え、
前記複数のクレーンのうち前記投入モードが設定されたクレーンに関して、前記焼却炉からの要求または前記1つ以上のセンサの検出結果に基づき、前記投入モードに対応付けられた前記複数の作業のなかで実行させる作業を切り替える、
請求項2に記載の制御システム。 - オペレータによる設定を受け付け可能な設定受付部をさらに備え、
前記受入モードまたは前記投入モードに対応付けられた前記複数の作業のうち少なくとも1つの作業には、前記設定受付部により受け付けられた設定または前記1つ以上のセンサの検出結果に基づき、前記被焼却物の撹拌方法として、垂直撹拌、移動撹拌、および移動散乱撹拌のうち1つ以上が対応付けられて実行される、
請求項3に記載の制御システム。 - 被焼却物の貯留部で運転される複数のクレーンの運転計画方法であって、
コンピュータに、
前記貯留部のピット内の複数のエリアに対して設定可能な複数のエリア利用方法を登録させ、
前記複数のクレーンに対して設定可能な複数の動作モードを登録させ、
前記貯留部の設備内容または運用方針に応じて、前記複数のエリア利用方法と前記複数の動作モードとを選択的に組み合わせて前記複数のクレーンの運転計画を導出させる、
ことを含み、
前記複数のエリアは、少なくとも、第1エリアと、第2エリアとを含み、
前記複数のエリア利用方法は、
第1時間におけるエリア利用方法として、焼却炉のホッパに前記被焼却物を投入することを抑制して前記被焼却物を受け入れる受入先エリアを前記第1エリアに設定し、前記ホッパに前記被焼却物を投入する投入エリアを前記第2エリアに設定することと、
前記第1時間とは異なる第2時間における前記エリア利用方法として、前記投入エリアを前記第1エリアに設定し、前記受入先エリアを前記第2エリアに設定することと、
を含む、
運転計画方法。
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