JP7161173B2 - siRNAの定量方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高感度かつ定量性に優れたsiRNAの定量方法に関するものである。
低分子干渉RNA(siRNA)は、21~23塩基対の2本鎖核酸分子であり、配列特異的な遺伝子
サイレンシングを引き起こすことから、遺伝子疾患や難治性疾患を始めとする、今まで治
療が困難であった様々な疾患に対する新規治療薬として、近年大きな注目を集めている(A
ndo 2012)。
医薬品開発の探索段階における薬物動態・薬力学(PK/PD)スクリーニング試験、非臨床
段階における安全性試験、薬理試験及び薬物動態試験、臨床段階において、薬物が投与さ
れた動物あるいはヒト生体試料中の薬物濃度が測定される。また、新医薬品として承認を
受ける際、厚生労働省令で定められたガイドラインに従い、生体試料中の薬物濃度に関す
るデータを取得し、安全性及び薬物動態に関する資料を提出する必要がある。
Andoらは、siRNAをポジトロン放出核種で標識することで、生体内での挙動を非侵襲的
かつリアルタイムに3次元解析することを報告している(Ando 2012)。また、Healeyらは、
miRNAの定量のために開発されたstem-loop RT-PCR法(Chen 2005)をsiRNAに適応させて、0
.01pg/μLの定量下限を達成したことを報告している(Healey 2014)。更に、本発明者らは
、miRNAのマルチプレックス検出のために開発されたSorensenらのStep-down Hybridizati
on法(Sorensen 2012)を、siRNA検出のために適応させ、1 fmol/μLの定量下限を達成した
(未発表データ)。
しかし、近年、人工核酸及びデリバリー材料の開発により、低用量での治療が可能にな
ってきた。その結果、生体試料中の薬物濃度が以前より低値になり、これらの低濃度の薬
物を検出するために、より高感度な測定系が必要とされるようになってきた。更に、厚生
労働省令で定められたガイドラインに従うためには、測定系は、操作者に依存しない高い
定量性を有する必要があり、従って、PCRによる増幅工程を含まないことが望ましい。
医薬品開発における、これらの高い要求を満たすために、本発明者らは、特願2014-515
616(WO 2013/172305)の技術を基礎として、高感度かつ定量性に優れたsiRNAの測定方法を
開発し、本発明を完成した。
WO 2013/172305
Ando H, Yonenaga N, Asai T, Hatanaka K, Koide H, Tsuzuku T, Harada N, Tsukada H, Oku N. [In vivo imaging of liposomal small interfering RNA (siRNA) trafficking by positron emission tomography]. Yakugaku Zasshi. 2012;132(12):1373-81. Review. Healey GD, Lockridge JA, Zinnen S, Hopkin JM, Richards I, Walker W. Development of pre-clinical models for evaluating the therapeutic potential of candidate siRNA targeting STAT6. PLoS One. 2014 Feb 27;9(2):e90338. Chen C, Ridzon DA, Broomer AJ, Zhou Z, Lee DH, Nguyen JT, Barbisin M, Xu NL, Mahuvakar VR, Andersen MR, Lao KQ, Livak KJ, Guegler KJ. Real-time quantification of microRNAs by stem-loop RT-PCR. Nucleic Acids Res. 2005 Nov 27;33(20):e179. Sorensen K. Individualized miRNA assay panels using optically encoded beads. Methods Mol Biol. 2012;822:131-41.
本発明が解決しようとする課題は、従来の測定法と比較して、より高感度かつ定量性に
優れたsiRNAの測定法を提供することである。更に、異なる態様の本発明が解決しようと
する課題は、逆転写過程及び/又はポリメラーゼ連鎖反応の工程を含まない、高感度かつ
定量性に優れたsiRNAの測定法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明者らは、miRNA及びmRNAを高感度かつ簡便に検出
するためのWO2013/172305の技術を、siRNAの検出のために適用することを試みた。WO2013
/172305の実施例1の技術を用いてmiRNAを検出した場合、報告通り、1amol/[20μL反応液]
程度の定量下限を達成できたが、同じ技術において標的としてsiRNAを用いた場合には、1
~10fmol/[20μL反応液]程度の定量下限を達成するにとどまり、サンプルごとの再現性も
不良であった(データを示さず)。
これらの困難を克服するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、驚くべきことに
、自己凝集可能な一対のプローブ(シグナル増幅用プローブ)としてCGTATCAATGATAGCCGATC
CGCCTAAGTTCGATATAGTCTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(配列番号14。Mul45-1-XY-20T-Bと呼ぶ)及び
GATCGGCTATCATTGATACGGACTATATCGAACTTAGGCGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA(配列番号15。Mul45-1
-XY-20A-Bと呼ぶ)を用いることにより、200~1000amol/[20μL反応液]程度の定量下限を
達成し、サンプルごとの再現性も良好であった。更に、本発明者らは、ビーズの洗浄工程
に使用する洗浄液に0.1%BSAを含有させることにより、サンプルごとの再現性を改善でき
ることを見出した。
従って、本発明は以下の構成を有する。
[実施態様1]
以下の工程を以下に記載した順で含む、試料中の特定の配列を有する低分子干渉RNA(siRNA)を定量する方法、但し、工程(iii)と工程(iv)は互いに順序を入れ替えることができる:
(i)当該siRNAを含む又は含むことが疑われる試料にポリAポリメラーゼ(ポリヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ)及びアデノシン三リン酸(ATP)をポリAポリメラーゼの活性条件下で接触させることによって、前記試料中のsiRNAをポリアデニル化する工程;
(ii)随意により、前記試料を熱処理することによりポリAポリメラーゼを熱失活させる工程;
(iii)前記の随意により熱失活工程を行った試料に、当該siRNAを捕捉するための固定化プローブを接触させる工程、ここで、当該固定化プローブは、表面に第1の蛍光物質を有するビーズと、当該siRNAの一方の鎖に特異的に結合する核酸ハイブリダイゼーションプローブとを含み、当該核酸ハイブリダイゼーションプローブは、少なくとも連続する15merの部分が前記siRNAの前記一方の鎖に対して完全に相補的な配列を含み;
(iv)前記固定化プローブとの接触工程を行った前記試料に、自己凝集可能な第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを接触させる工程、ここで、第1のオリゴヌクレオチドはポリA配列に対してハイブリダイズ可能であり、第1及び第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも一方は標識物質により標識されている;
(v)前記固定化プローブ及びポリアデニル化された当該siRNAの当該一方の鎖及び自己凝集した第1及び第2のオリゴヌクレオチドの4成分複合体を遠心分離法により沈殿させる工程;
(vi)随意により、前記沈殿を洗浄緩衝液に再懸濁し、再度遠心分離法により沈殿させる工程;
(vii)前記(v)又は(vi)工程の沈殿に第2の蛍光物質と前記標識物質に特異的に結合する物質との抱合体を緩衝液中で接触させ、蛍光物質反応液を得る工程;
(viii)前記固定化プローブ及びポリアデニル化された当該siRNAの当該一方の鎖及び自己凝集した第1及び第2のオリゴヌクレオチド及び前記抱合体の5成分複合体を遠心分離法により沈殿させる工程;
(ix)随意により、前記沈殿を洗浄緩衝液に再懸濁し、再度遠心分離法により沈殿させる工程;
(x)前記(viii)又は(ix)工程の沈殿を洗浄緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリー法を用いて、第1の蛍光物質が発する第1の蛍光と第2の蛍光物質が発する第2の蛍光を検出する工程。
[実施態様2]
低分子干渉RNA(siRNA)を定量する方法であって、実施態様1記載の工程(x)の後に、
(xi)第1の蛍光と第2の蛍光が同時に検出される場合における第2の蛍光の強度を、当該siRNAを既知の濃度で含む対照試料において第1の蛍光と第2の蛍光が同時に検出される場合における第2の蛍光の強度と比較することにより、前記試料中の当該siRNAの濃度を決定する工程を含む実施態様1記載の方法。
[実施態様3]
試料は、ヒト、げっ歯類動物(ラット、マウス、モルモット)又は非げっ歯類動物(サル、イヌ、ブタ)の体液(全血、血清、血漿、リンパ液、尿、唾液、涙液、汗、胃液、膵液、胆汁、胸水、関節腔液、脳脊髄液、髄液、骨髄液)又は組織(肝臓、腎臓、肺、心臓)である、実施態様1又は2に記載の方法。
[実施態様4]
第1のオリゴヌクレオチドが、5'末端側から順に少なくとも核酸領域X、核酸領域Y、及び核酸領域Zを含むオリゴヌクレオチドであり、第2のオリゴヌクレオチドが、5'末端側から順に少なくとも前記核酸領域Xに相補的な核酸領域X'、前記核酸領域Yに相補的な核酸領域Y'、及び前記核酸領域Zに相補的な核酸領域Z'を含むオリゴヌクレオチドである実施態様1~3の何れかに記載の方法
[実施態様5]
前記核酸領域ZがポリT配列を含み、かつ、前記核酸領域Z'がポリA配列を含む、実施態様4に記載の方法。
[実施態様6]
第1のオリゴヌクレオチドが配列番号14で表されるオリゴヌクレオチドである実施態様1~5の何れかに記載の方法。
[実施態様7]
第2のオリゴヌクレオチドが配列番号15で表されるオリゴヌクレオチドである実施態様1~6の何れかに記載の方法。
[実施態様8]
ビーズは、直径が1~10μmの磁性または非磁性ポリスチレン製ビーズである、実施態様1~7の何れかに記載の方法。
[実施態様9]
核酸ハイブリダイゼーションプローブは、前記siRNAの前記一方の鎖の15mer以上の連続する部分に対して完全に相補的な配列を含む、実施態様1~8の何れかに記載の方法。
[実施態様10]
第1及び第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも一方は標識物質により標識されており、第1及び第2のオリゴヌクレオチドの標識はビオチン化することにより行われる、実施態様1~9の何れかに記載の方法。
[実施態様11]
第2の蛍光物質と前記標識物質に特異的に結合する物質との抱合体は、ストレプトアビジン-フィコエリスリン(SAPE)抱合体である、実施態様1~10の何れかに記載の方法。
[実施態様12]
洗浄緩衝液は、界面活性剤及び/又は血清アルブミンを含む、実施態様1~11の何れかに記載の方法。
[実施態様13]
第2の蛍光の強度は中央値蛍光強度である、実施態様1~12の何れかに記載の方法。
[実施態様14]
沈殿と、第2の蛍光物質と前記標識物質に特異的に結合する物質との抱合体との接触工程は、界面活性剤及び/又は血清アルブミンを含む緩衝液中で行われる、実施態様1~13の何れかに記載の方法。
本発明の測定法を用いることにより、高感度かつ定量性に優れたsiRNAの測定を行うこ
とができる。
本発明の測定法において形成される5成分複合体を模式的に表す。即ち、固定化プローブ(第1の蛍光物質で着色又は蛍光標識されたマイクロビーズにsiLuc CPが固定されている)に対して、ポリアデニル化されたsiRNAの一方の鎖(siLuc Sense)がハイブリダイズし、当該ポリA配列に対して、第1のオリゴヌクレオチド(Mul45-1-XY-20T-B)がハイブリダイズし、当該第1のオリゴヌクレオチドに対して、第2のオリゴヌクレオチド(Mul45-1-XY-20A-B)がハイブリダイズし、更に、第1及び第2のオリゴヌクレオチドが互いにハイブリダイズを繰り返すことにより自己凝集する様子が模式的に示されている。第1又は第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも一方はビオチンで標識され、当該ビオチンは、第2の蛍光物質とストレプトアビジン又はアビジンとの抱合体と結合し、複合体(ビオチン-SAPE複合体)を形成している。 Step-down hybridization法を用いてsiLucを測定した結果を示す。 Step-down hybridization法を用いてsiGFPを測定した結果を示す。 Step-down hybridization法を用いてsiGAPDHを測定した結果を示す。 本発明の測定法を用いてsiLucを測定した結果を示す。 本発明の測定法を用いてsiGFPを測定した結果を示す。 本発明の測定法を用いてsiGAPDHを測定した結果を示す。
低分子干渉RNA(siRNA): 本明細書において、「siRNA」という用語は、各RNA鎖の3'部分
は2塩基分突出した構造をとる、21、22、又は23塩基対の二本鎖RNAを意味する。siRNAは
、ポリAポリメラーゼによるポリアデニル化が可能であり、かつ、当該siRNAを捕捉するた
めの固定化プローブ(オリゴヌクレオチド修飾マイクロビーズ)とのハイブリダイゼーショ
ンが可能である限り、任意の化学的部分により修飾されていても良い。化学修飾としては
、ホスホロチオエート修飾(S化)、2'-F修飾、2'-O- Methyl(2'-OMe)修飾、2'-O-Methoxye
thyl(2'-MOE)修飾、モルフォリノ修飾、LNA修飾、BNACOC修飾、BNANC修飾、ENA修飾、cEt
BNA修飾などが挙げられる。また、本明細書の実施例で実証するように、siRNAの一部、
特に、3'末端の2塩基分等が、DNAで置換されていても良い。
ポリAポリメラーゼ: 本明細書において、「ポリAポリメラーゼ」という用語は、一本鎖
RNAの3'末端にアデニン残基を導入する酵素活性を有するタンパク質を意味する。siRNAは
各RNA鎖の3'部分において2塩基分突出した構造をとるため、ポリAポリメラーゼの基質と
なる。より具体的には、大腸菌由来のポリAポリメラーゼが好適に使用される。ポリAポリ
メラーゼを熱失活させる工程は、ポリAポリメラーゼを接触させた前記試料を50~95℃で1
~20分間保温すること、好ましくは、60~80℃で5~15分間保温することで行われ、更に
好ましくは、65℃で10分間保温することで行われる。
表面に蛍光物質を有するビーズ: 本発明に使用する、「表面に蛍光物質を有するビーズ
」、あるいは、「表面に第1の蛍光物質を有するビーズ」としては、Luminex社のMicroPle
xTM Microspheresが好適に使用することができる。カラーコード化された複数種類のビー
ズを使用すれば、本発明のsiRNAの定量方法も容易にマルチプレックス化できることを、
当業者は理解できるであろう。
核酸ハイブリダイゼーションプローブ: 本発明に使用する「核酸ハイブリダイゼーショ
ンプローブ」は、少なくとも連続する15merの部分、少なくとも連続する16merの部分、少
なくとも連続する17merの部分、少なくとも連続する18merの部分、少なくとも連続する19
merの部分、少なくとも連続する20merの部分、好ましくは、少なくとも連続する21merの
部分、あるいは、少なくとも連続する22merの部分、少なくとも連続する23merの部分、が
標的siRNAの一方の鎖に対して完全に相補的な配列を含む。
接触させる: 本明細書において、「接触させる」、あるいは、「接触工程」という用語
は、ある物質と他の物質との間で、共有結合、イオン結合、金属結合、非共有結合などの
化学結合を形成できるように、これらの物質を互いに近傍に置くことを意味する。本発明
の一態様においては、ある物質と他の物質を「接触させる」とは、ある物質を含む溶液と
他の物質を含む溶液を混合することを意味する。試料にポリAポリメラーゼ及びATPを接触
させる工程は、30~42℃で5~60分間保温すること、好ましくは、37℃で15分間保温する
ことで行われる。試料と固定化プローブの接触工程は、30~45℃で1~30時間保温するこ
と、35~42℃で8~24時間保温すること、38℃で16時間保温すること、好ましくは、95℃
で3分間保温した後に38℃で16時間保温することで行われる。試料と第1及び第2のオリゴ
ヌクレオチドとの接触工程は、30~42℃で0.2~3時間保温すること、33~35℃で0.5~2時
間保温すること、好ましくは、35℃で1時間保温することで行われる。
自己凝集可能: 本発明の方法に使用する「自己凝集可能」な一対のプローブは、第1の
オリゴヌクレオチドと第2のオリゴヌクレオチドが互いにハイブリダイズ可能な相補的塩
基配列領域を有し、自己凝集反応によるプローブポリマーの形成が可能なオリゴヌクレオ
チドである。本発明の一態様において、自己凝集可能な一対のプローブの配列は、CGTATC
AATGATAGCCGATCCGCCTAAGTTCGATATAGTCTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(配列番号14。Mul45-1-XY-20
T-Bと呼ぶ)及びGATCGGCTATCATTGATACGGACTATATCGAACTTAGGCGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA(配列
番号15。Mul45-1-XY-20A-Bと呼ぶ)であり、必要に応じて、Mul45-1-XY-20T-Bの1つ、2つ
、3つ、4つ、5つ、又は6つの塩基を異なる塩基に置換し得る。その場合、Mul45-1-XY-20A
-Bの対応する塩基を相補的な塩基に置換すべきことは、当業者は理解するであろう。自己
凝集可能な一対のプローブの少なくとも一方は標識物質により標識されている。好ましく
は、当該標識物質はビオチンであり、当該オリゴヌクレオチドの標識は、好ましくは5’
末端又は3'末端をビオチン化することにより行われる。当該標識物質はビオチンの場合、
標識物質に特異的に結合する物質はストレプトアビジン又はアビジンである。ここで、「
ハイブリダイズ可能」とは、一態様においては、当該相補的塩基配列領域において完全に
相補的であることを意味し、別の一態様においては、1つ又は2つのミスマッチを除いて、
当該相補的塩基配列領域において相補的であることを意味する。
自己凝集: 本明細書において、「自己凝集」という用語は、複数の第1のオリゴヌクレ
オチド(好ましくは、Mul45-1-XY-20T-B)が、第2のオリゴヌクレオチド(好ましくは、Mul4
5-1-XY-20A-B)とのハイブリダイゼーションを介して複合体を形成した状態、及び、複数
の第2のオリゴヌクレオチド(好ましくは、Mul45-1-XY-20A-B)が、第1のオリゴヌクレオチ
ド(好ましくは、Mul45-1-XY-20T-B)とのハイブリダイゼーションを介して複合体を形成し
た状態を意味する。
遠心分離法: 固定化プローブ及びその複合体を「遠心分離法」により沈殿させる工程は
、通常、20~30℃で0.2~5分間、500~3000×gの遠心、23~28℃で0.5~2分間、800~150
0×gの遠心、好ましくは、25℃で1分間、1000×gの遠心で行う。より具体的には、ビーズ
の製造会社の取扱説明書に従えばよい。
試料: 本発明の方法に使用する「試料」は、ヒト、サル、イヌ、ブタ、ラット、モルモ
ット、又はマウスの全血、血清、血漿、リンパ液、尿、唾液、涙液、汗、胃液、膵液、胆
汁、胸水、関節腔液、脳脊髄液、髄液、骨髄液又は肝臓、腎臓、肺、心臓などの組織であ
る。好ましくは、試料は、ヒトの全血、血清、又は血漿である。更に好ましくは、試料は
、siRNAを含む医薬を投与されたヒトの全血、血清、又は血漿である。
洗浄緩衝液: 本発明の方法に使用する「洗浄緩衝液」は、0.01~0.05%、好ましくは、0.02%のTween20等の非イオン性界面活性剤及び0.01~1%、0.02~0.5%、0.05~0.2%、好ましくは、0.1%の血清アルブミン又はウシ血清アルブミンを含む。好ましくは、非イオン性界面活性剤はTween20である。更に好ましくは、「洗浄緩衝液」は、1×PBS、0.02%Tween20、及び0.1%BSAを含む。より更に好ましくは、「洗浄緩衝液」は、1×PBS、0.02%Tween20、1.5ppm ProClin TM 300、及び0.1%BSAを含む。
本発明の方法の、「フローサイトメトリー法を用いて、第1の蛍光物質が発する第1の蛍
光と第2の蛍光物質が発する第2の蛍光を検出する工程」は、第1の蛍光物質が発する第1の
蛍光と第2の蛍光物質が発する第2の蛍光を、同時に又は同一機会に検出することが好まし
い。ここで、「同時又は同一機会に検出する」とは、1つの複合体(5成分複合体)に含まれ
る第1の蛍光物質と第2の蛍光物質が、フローサイトメーターの流路内で同時に又は順次に
励起され、発せられた第1の蛍光と第2の蛍光が、当該1つの複合体から発せられた蛍光と
して検出されることを意味する。
本件発明から除かれる態様
本発明の一態様においては、逆転写酵素の使用は除外される。また、本発明の一態様に
おいては、ポリメラーゼ連鎖反応法の過程は除外される。
本発明の一態様においては、2本鎖核酸にマイクロRNA(microRNA, miRNA)は含まれない
1. 材料及び方法
(ア) siRNA、プローブ、及び固定化プローブ
本節の記載において、オリゴヌクレオチドのRNA部分を小文字で表し、DNA部分を大文字
で表す。測定対象のsiRNAとしては、構造及び機能が公知である3種類のsiRNAを用いた。
ルシフェラーゼを標的とするsiRNA(siLucと呼ぶ。Biochem Biophys Res Commun. 2007 Ju
n 1;357(2):480-6.の「lucFir-siRNA」と同じ)のセンス鎖(siLuc Senseと呼ぶ)の配列はc
uuacgcugaguacuucgaTT(配列番号1)であり、アンチセンス鎖(siLuc Antisenseと呼ぶ)の配
列はucgaaguacucagcguaagTT(配列番号2)である。緑色蛍光タンパク質(GFP)を標的とするs
iRNA(siGFPと呼ぶ。Bioengineered. 2014 Jan-Feb;5(1):30-7.のGFP標的siRNAと同じ)の
センス鎖(siGFP Senseと呼ぶ)の配列はaagcugacccugaaguucaTT(配列番号3)であり、アン
チセンス鎖(siGFP Antisenseと呼ぶ)の配列はugaacuucagggucagcuuTT(配列番号4)である
。グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素(GAPDH)を標的とするsiRNA(siGAPDHと呼ぶ。J B
iol Chem. 2011 Dec 9;286(49):42211-20.のGAPDH siRNAと同じ)のセンス鎖(siGAPDH Sen
seと呼ぶ)の配列はguaugacaacagccucaagTT(配列番号5)であり、アンチセンス鎖の配列はc
uugaggcuguugucauacTT(配列番号6)である。siRNAは全て日本遺伝子研究所社に合成を依頼
した(HPLC精製グレード)。
Step-down Hybridization法に使用する固定化プローブはLuminex社から入手した(MagPl
ex-TAGTM Microspheres、製品番号:MTAG-A026)。当該マイクロビーズに結合しているアン
チTAG配列(5’→3’)はTTTGATTTAAGAGTGTTGAATGTA(配列番号7)である。Step-down Hybrid
ization法に使用する5’ビオチン化DNA/RNAキメラプローブの配列は、測定対象がsiLuc
の場合はBiotin-AAucgaaguacucagcguaagTACATTCAACACTCTTAAATCAAA(配列番号8。Biotin-s
iLucMTAG26と呼ぶ)であり、測定対象がsiGFPの場合はBiotin-AAugaacuucagggucagcuuTACA
TTCAACACTCTTAAATCAAA(配列番号9。Biotin-siGFPMTAG26と呼ぶ)であり、測定対象がsiGAP
DHの場合はBiotin-AAcuugaggcuguugucauacTACATTCAACACTCTTAAATCAAA(配列番号10。Bioti
n-siGAPDHMTAG26と呼ぶ)である。5’ビオチン化DNA/RNAキメラプローブは全てジーンデザ
イン社に合成を依頼した(HPLC精製グレード)。
本発明の方法に使用する固定化プローブは、Luminex社のMicroPlexTM Microspheres(製
品番号:LC10028-01、LC10063-01)に、siLuc、siGFP、又はsiGAPDHの何れかに対するオリ
ゴヌクレオチドプローブを、3’末端のNH2修飾を介して結合させることにより調製した。
結合方法はLuminex社のマニュアル集 (xMAP(登録商標) Cookbook, 3rd Edition)に従った
。siLucに対するオリゴヌクレオチドプローブの配列はAATCGAAGTACTCAGCGTAAG-NH2(配列
番号11。siLuc CPと呼ぶ)であり、siGFPに対するオリゴヌクレオチドプローブの配列はAA
TGAACTTCAGGGTCAGCTT-NH2(配列番号12。siGFP CPと呼ぶ)であり、siGAPDHに対するオリゴ
ヌクレオチドプローブの配列はAACTTGAGGCTGTTGTCATAC-NH2(配列番号13。siGAPDH CPと呼
ぶ)である。固定化プローブを、それぞれ、siLuc CPビーズ、siGFP CPビーズ、及びsiGAP
DH CPビーズと呼ぶ。
本発明の方法に使用する自己凝集可能な一対のプローブの配列は、一態様においては、
CGTATCAATGATAGCCGATCCGCCTAAGTTCGATATAGTCTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(配列番号14。Mul45-1
-XY-20T-Bと呼ぶ)及びGATCGGCTATCATTGATACGGACTATATCGAACTTAGGCGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
(配列番号15。Mul45-1-XY-20A-Bと呼ぶ)である。
(イ) 従来法(Step-down Hybridization法)によるsiRNAの定量
Step-down Hybridization法は、基本的に、miRNA検出のためのSorensenらの方法(Soren
sen K. Individualized miRNA assay panels using optically encoded beads. Methods
Mol Biol. 2012;822:131-41.)を、siRNA検出のために適応させた。
(1) 緩衝液、希釈液、及び反応液の調製
「10×Hybridization Buffer」: 100 mM Tris-HCl、2000 mM 酢酸ナトリウム、50 mMエ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)、及び0.5% Tween20(Polyoxyethylene (20) sorbitan monol
aurate); pH7.7に調整した。
「1×Hybridization Buffer」: 10×Hybridization BufferをNuclease-Free Water(not
DEPC-Treated、Thermo Fisher Scientific Inc.、製品番号: AM9938)で10倍希釈した。
「MS2 RNA」: バクテリオファージMS2 からのRNAをMerck社から入手した(Roche, Cat #
: 10165948001)。MS2 RNAはキャリアRNAとして使用した。
「Master Mix」: 2μLの10×Hybridization Buffer、0.625μLの5’ビオチン化DNA/RNA
キメラプローブ(Biotin-siLucMTAG26、Biotin-siGFPMTAG26、又はBiotin-siGAPDHMTAG26)
(2 pmol/μL)、0.625μLのMS2 RNA(0.8μg/μL)、及び6.75μLのNuclease-Free Waterを
混合して、合計10μLのMaster Mixを調製した。サンプル数に応じて必要な量のMaster Mi
xを調製した。
「siRNA溶液」: 測定対象のsiRNAを、以下の濃度でNuclease-Free Waterに溶解し、siR
NA溶液を調製した: siLucについては0.5、1、2、4、8、16、32、64、128、及び240 fmol/
μL; siGFPについては0.5、1、2、4、8、16、32、64、128、及び240 fmol/μL; siGAPDH
については0.5、1、2、4、8、16、32、64、及び120 fmol/μL。siRNAを含まないブランク
サンプルも用意した。
「ビーズ懸濁液」: 2.5×103ビーズ/μL のMagPlex-TAGTM Microspheres(MTAG-A026)を
0.4μL、10×Hybridization Bufferを1.5μL、Nuclease-Free Waterを13.1μLチューブに
入れ、合計15μLのビーズ懸濁液を調製した。サンプル数に応じて必要な量のビーズ懸濁
液を調製した。ビーズは使用直前にボルテックスで混合した。
「RNase溶液」: 10U/μLのRNase ONETM Ribonuclease(Promega Corporation、製品番号
: M4261)を3000倍希釈して、1×Hybridization Buffer 中のRNase溶液を調製した(3.3 mU
/μL)。
「SAPE-HB溶液」: PhycoLink(登録商標) Streptavidin-R-Phycoerythrin(ProZyme社、
製品番号: PJ31S)を、1×Hybridization Bufferで希釈して、5μg/mLのSAPE-HB溶液を調
製した。
(2) Step-downハイブリダイゼーション
PCRチューブにMaster Mixを10μL、及び、測定対象のsiRNA溶液(siLuc、siGFP、又はsi
GAPDH)を10μL添加し、ボルテックスで混合した(合計20μL)。サーマルサイクラーを用い
て、以下のStep-down profileを実施した: 90℃で3分間、80℃で6分間、60℃に到達する
まで6分ごとに1℃ずつ下げる(即ち、79℃で6分間、78℃で6分間、等々)、60℃で6分間、5
0℃で保持。
(3) ビーズ・ハイブリダイゼーション
PCRチューブの各ウェルに15μLのビーズ懸濁液を添加し、ボルテックスで混合した(合
計35μL)。サーマルサイクラーを用いて、50℃で30分間保持し、その後は次の処理まで4
℃で保持した。
(4) RNase処理
PCRチューブの各ウェルに15μLのRNase溶液を添加し、ボルテックスで混合した(合計50
μL)。PCRチューブを、30℃に設定したサーマルサイクラーにセットし、30分間保持し、
その後は次の処理まで4℃で保持した。
(5) 洗浄工程
RNase処理後の反応液全量をPCRプレートに移し、25℃で1分間、1000×gの遠心にかけて
、ビーズを沈殿させ、上清をスナッピングにて除去した。ビーズのペレットに1×Hybridi
zation Bufferを100μL添加して、ビーズを再懸濁し、再び25℃で1分間、1000×gの遠心
にかけて、ビーズを沈殿させ、上清をスナッピングにて除去した。この再懸濁、遠心、及
び上清除去の操作を更に2回繰り返した。
(6) SAPE処理
PCRプレートの各ウェルに、SAPE-HB溶液を50μLずつ添加し、30秒間ボルテックスで混
合した。遮光下、PCRプレートを25℃で10分間静置し、SAPEをビオチンと反応させた。
(7) 過剰なSAPEの洗浄
SAPE反応液を含むPCRプレートを25℃で1分間、1000×gの遠心にかけて、ビーズを沈殿
させ、上清をスナッピングにて除去した。ビーズのペレットに1×Hybridization Buffer
を100μL添加して、ビーズをピペッティングで再懸濁し、再び25℃で1分間、1000×gの遠
心にかけて、ビーズを沈殿させ、上清をスナッピングにて除去した。この再懸濁、遠心、
及び上清除去の操作を更に2回繰り返した。ビーズのペレットに1×Hybridization Buffer
を75μL添加して、30秒間振盪してビーズを再懸濁した。
(8) 蛍光検出
再懸濁したビーズを含むPCRプレートをフローサイトメーター(Luminex社製、Luminexシステム)にセットし、当該フローサイトメーターを用いてビーズ及びSAPE抱合体からの蛍光を検出した。
(ウ) 本発明の方法によるsiRNAの定量
(1) 緩衝液、希釈液、及び反応液の調製
「PAP Mix」: 10×反応バッファーを2μL、10mM ATPを2μL、poly(A) polymerase(A-Pl
usTM Poly(A) Polymerase Tailing Kit、CELLSCRIPT社、製品番号: C-PAP5104H)を0.5μL
、Nuclease-Free Waterを5.5μLを混合して、合計10μLのPAP Mixを調製した。サンプル
数に応じて必要な量のPAP Mixを調製した。
「siRNA溶液」: 測定対象のsiRNAを、以下の濃度でNuclease-Free Waterに溶解し、siRNA溶液を調製した: siLucについては0.01、0.03、0.1、0.3、1、3、及び10fmol/μL; siGFPについては0.04、0.1、0.3、1、3、10、及び30fmol/μL; siGAPDHについては0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、及び0.5 fmol/μL。siRNAを含まないブランクサンプルも用意した。
「1st Hybridization反応液」: 固定化プローブを0.8μL(1000個)、5M 塩化テトラメチ
ルアンモニウム(Tetramethylammonium chloride, TMAC)を7.5μL、10×補充液を5.5μL、
Nuclease-Free Water を1.2μLを混合し、合計15μLの1st Hybridization反応液を調製し
た。10×補充液の組成は、500mM Tris-HCl(pH8.0)、40mM EDTA(pH8.0)、8% N-ラウロイル
サルコシンである。サンプル数に応じて必要な量の1st Hybridization反応液を調製した
「自己凝集Mix」: 5M TMACを7.5μL、10×補充液を2.5μL、20 pmol/μLのMul45-1-XY-
20T-Bを1.75μL、20 pmol/μLのMul45-1-XY-20A-Bを1.4μL、Nuclease-Free Waterを1.85
μL添加し、混合して自己凝集Mixを調製した(合計15μL)。サンプル数に応じて必要な量
の自己凝集Mixを調製した。
「1×PBS-TP(0.1% BSA)」: 最終濃度が137 mM NaCl、2.68 mM KCl、8.1 mM Na2HPO4、1.47 mM KH2PO4、0.02% Tween20、1.5ppm ProClin TM 300(Merck社、製品番号: 48912-U)、及び0.1% BSAとなるように、1×PBS-TP(0.1% BSA)を調製した。
「SAPE-PT溶液」: PhycoLink(登録商標) Streptavidin-R-Phycoerythrin(ProZyme社、
製品番号: PJ31S)を、1×PBS-TP(0.1% BSA)で希釈して、5μg/mLのSAPE-PT溶液を調製し
た。
(2) Poly(A)付加反応
PCRチューブにPAP Mixを10μL、及び、測定対象のsiRNA溶液(siLuc、siGFP、又はsiGAP
DH)を10μL添加し、混合した(合計20μL)。サーマルサイクラーを用いて、反応液を37℃
で15分間保温した後、65℃で10分間熱処理した後、次の処理まで25℃で保持した。
(3) 固定化プローブへのpoly(A)付加siRNAの捕捉
poly(A)付加反応後のsiRNA溶液に、15μLの1st Hybridization反応液を添加し、ボルテ
ックスで混合した(合計35μL)。当該混合液を95℃で3分間熱処理した後に38℃で16時間保
温した。
(4) 自己凝集反応
保温後に、当該混合液に自己凝集Mixを15μL添加し、ボルテックスで混合して(合計50
μL)、35℃で1時間保温した(自己凝集反応)。
(5) 洗浄工程
保温後に、自己凝集反応液全量をPCRプレートに移し、25℃で1分間、1000×gの遠心に
かけて、ビーズを沈殿させ、上清をスナッピングにて除去した。1×PBS-TP(0.1% BSA)を
各ウェルに75μL添加し、再度、25℃で1分間、1000×gの遠心にかけて、ビーズを沈殿さ
せ、上清をスナッピングにて除去した。
(6) SAPE処理
PCRプレートの各ウェルに、SAPE-PT溶液を50μLずつ添加し、20秒間ボルテックスで混
合した。遮光下、PCRプレートを25℃で15分間静置し、SAPEをビオチンと反応させた。
(7) 過剰なSAPEの洗浄
SAPE反応液を含むPCRプレートを25℃で1分間、1000×gの遠心にかけて、ビーズを沈殿
させ、上清をスナッピングにて除去した。ビーズのペレットに1×PBS-TP(0.1% BSA)を75
μL添加して、ビーズをピペッティングで再懸濁し、再び25℃で1分間、1000×gの遠心に
かけて、ビーズを沈殿させ、上清をスナッピングにて除去した。この再懸濁、遠心、及び
上清除去の操作を更に1回繰り返した。ビーズのペレットに1×PBS-TP(0.1% BSA)を75μL
添加して、20秒間ボルテックスで混合してビーズを再懸濁した。
(8) 蛍光検出
再懸濁したビーズを含むPCRプレートを遮光下、25℃で5分間静置後、フローサイトメーター(Luminex社製、Luminexシステム)にセットし、当該フローサイトメーターを用いてビーズ及びSAPE抱合体からの蛍光を検出した。
2. 結果
(ア) Step-down Hybridization法によるsiRNAの定量結果
Step-down Hybridization法によるsiRNAの定量結果を図2、図3、及び図4に示す。図中
の「Conc.」は、測定対象のsiRNAの濃度(amol/μL)を示す。実際に測定に使用したsiRNA
溶液のうち、定量的な結果を得られた濃度範囲についてのみ結果を示す。例えば、siLuc
については0.5、1、2、4、8、16、32、64、128、及び240 fmol/μLのsiRNA溶液をサンプ
ルとして用いたが、1、2、4、8、及び16 fmol/μLのサンプルについてのみ結果を示す。
「MFI」は中央値蛍光強度(median fluorescence intensity)を示す。「Mean」は2連測定
で得られたMFIの平均を示す。「SD」は2連測定で得られたMFIの標準偏差(standard devia
tion)を示す。「S/N ratio」は{(当該サンプルのMean)-(ブランクサンプルのMean)}/ (ブ
ランクサンプルのMean)として計算する。例えば、20 amol/μLのsiLucサンプルのS/N rat
ioは、(173.5-29.3)/29.3 ≒ 4.9である。Libertら(Libert X, Packeu A, Bureau F, Roo
sens NH, De Keersmaecker SC. Development and performance assessment of a luminex
xMAP direct hybridization assay for the detection and identification of indoor
air fungal contamination. PLoS One. 2017 Mar 9;12(3):e0173390.)に従い、S/N ratio
が3以上の場合に、正の結果が得られたと判断した。siLucについては、定量下限が1000 a
mol/μL、定量範囲が1000~16000 amol/μLであった。siGFPについては、定量下限が8000
amol/μL、定量範囲が8000~64000 amol/μLであった。siGAPDHについては、定量下限が
2000 amol/μL、定量範囲が2000~32000 amol/μLであった。
(イ) 本発明の方法によるsiRNAの定量結果
本発明の方法によるsiRNAの定量結果を図5、図6、及び図7に示す。図中の符号は、Step
-down Hybridizationの場合と同様である。siLucについては、定量下限が20 amol/μL、
定量範囲が20~500 amol/μLであった。siGFPについては、定量下限が100 amol/μL、定
量範囲が100~1000 amol/μLであった。siGAPDHについては、定量下限が20 amol/μL、定
量範囲が20~500 amol/μLであった。これらの定量下限は、siLuc、siGFP、及びsiGAPDH
について、それぞれ、1.204×108コピー/[20μL反応液]、6.02×108コピー/[20μL反応液
]、及び1.204×108コピー/[20μL反応液]に相当する。
3. 考察
Step-down Hybridization法と本発明の方法の感度の比較を表1及び表2に示す。定量下
限に関しては、siLuc、siGFP、及びsiGAPDHについて、それぞれ、本発明の方法はStep-do
wn Hybridization法の50倍、80倍、及び100倍の高感度化を達成した。最小検出感度に関
しては、siLuc、siGFP、及びsiGAPDHについて、それぞれ、本発明の方法はStep-down Hyb
ridization法の60倍、60倍、及び61倍の高感度化を達成した。
Figure 0007161173000001
Figure 0007161173000002
本発明のsiRNAの定量方法を用いることにより、医薬品開発の探索段階における薬物動
態・薬力学(PK/PD)スクリーニング試験、非臨床段階における安全性試験、薬理試験及び
薬物動態試験、臨床段階において、薬物が投与された動物あるいはヒト生体試料中の薬物
濃度を測定することができる。

Claims (14)

  1. 以下の工程を以下に記載した順で含む、試料中の特定の配列を有する低分子干渉RNA(siRNA)を定量する方法、但し、工程(iii)と工程(iv)は互いに順序を入れ替えることができる:
    (i)当該siRNAを含む又は含むことが疑われる試料にポリAポリメラーゼ(ポリヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ)及びアデノシン三リン酸(ATP)をポリAポリメラーゼの活性条件下で接触させることによって、前記試料中のsiRNAをポリアデニル化する工程;
    (ii)前記試料を熱処理することによりポリAポリメラーゼを熱失活させる工程; (iii)前記の熱失活工程を行った試料に、当該siRNAを捕捉するための固定化プローブを接触させる工程、ここで、当該固定化プローブは、表面に第1の蛍光物質を有するビーズと、当該siRNAの一方の鎖に特異的に結合する核酸ハイブリダイゼーションプローブとを含み、当該核酸ハイブリダイゼーションプローブは、少なくとも連続する15merの部分が前記siRNAの前記一方の鎖に対して完全に相補的な配列を含み;
    (iv)前記固定化プローブとの接触工程を行った前記試料に、自己凝集可能な第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを接触させる工程、ここで、第1のオリゴヌクレオチドはポリA配列に対してハイブリダイズ可能であり、第1及び第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも一方は標識物質により標識されている;
    (v)前記固定化プローブ及びポリアデニル化された当該siRNAの当該一方の鎖及び自己凝集した第1及び第2のオリゴヌクレオチドの4成分複合体を遠心分離法により沈殿させる工程;
    (vi)前記沈殿を洗浄緩衝液に再懸濁し、再度遠心分離法により沈殿させる工程; (vii)前記(v)又は(vi)工程の沈殿に第2の蛍光物質と前記標識物質に特異的に結合する物質との抱合体を緩衝液中で接触させ、蛍光物質反応液を得る工程;
    (viii)前記固定化プローブ及びポリアデニル化された当該siRNAの当該一方の鎖及び自己凝集した第1及び第2のオリゴヌクレオチド及び前記抱合体の5成分複合体を遠心分離法により沈殿させる工程;
    (ix)前記沈殿を洗浄緩衝液に再懸濁し、再度遠心分離法により沈殿させる工程; (x)前記(viii)又は(ix)工程の沈殿を洗浄緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリー法を用いて、第1の蛍光物質が発する第1の蛍光と第2の蛍光物質が発する第2の蛍光を検出する工程。
  2. 低分子干渉RNA(siRNA)を定量する方法であって、請求項1記載の工程(x)の後に、
    (xi)第1の蛍光と第2の蛍光が同時に検出される場合における第2の蛍光の強度を、当該siRNAを既知の濃度で含む対照試料において第1の蛍光と第2の蛍光が同時に検出される場合における第2の蛍光の強度と比較することにより、前記試料中の当該siRNAの濃度を決定する工程を含む請求項1記載の方法。
  3. 試料は、ヒト、げっ歯類動物、ラット、マウス、モルモット、非げっ歯類動物、サル、イヌ、又はタの液、全血、血清、血漿、リンパ液、尿、唾液、涙液、汗、胃液、膵液、胆汁、胸水、関節腔液、脳脊髄液、髄液、骨髄液、織、肝臓、腎臓、肺、又は臓である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 第1のオリゴヌクレオチドが、5'末端側から順に少なくとも核酸領域X、核酸領域Y、及び核酸領域Zを含むオリゴヌクレオチドであり、第2のオリゴヌクレオチドが、5'末端側から順に少なくとも前記核酸領域Xに相補的な核酸領域X'、前記核酸領域Yに相補的な核酸領域Y'、及び前記核酸領域Zに相補的な核酸領域Z'を含むオリゴヌクレオチドである請求項1~3の何れかに記載の方法
  5. 前記核酸領域ZがポリT配列を含み、かつ、前記核酸領域Z'がポリA配列を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 第1のオリゴヌクレオチドが配列番号14で表されるオリゴヌクレオチドである請求項1~5の何れかに記載の方法。
  7. 第2のオリゴヌクレオチドが配列番号15で表されるオリゴヌクレオチドである請求項1~6の何れかに記載の方法。
  8. ビーズは、直径が1~10μmの磁性または非磁性ポリスチレン製ビーズである、請求項1~7の何れかに記載の方法。
  9. 核酸ハイブリダイゼーションプローブは、前記siRNAの前記一方の鎖の15mer以上の連続する部分に対して完全に相補的な配列を含む、請求項1~8の何れかに記載の方法。
  10. 第1及び第2のオリゴヌクレオチドの少なくとも一方は標識物質により標識されており、第1及び第2のオリゴヌクレオチドの標識はビオチン化することにより行われる、請求項1~9の何れかに記載の方法。
  11. 第2の蛍光物質と前記標識物質に特異的に結合する物質との抱合体は、ストレプトアビジン-フィコエリスリン(SAPE)抱合体である、請求項1~10の何れかに記載の方法。
  12. 洗浄緩衝液は、界面活性剤及び/又は血清アルブミンを含む、請求項1~11の何れかに記載の方法。
  13. 第2の蛍光の強度は中央値蛍光強度である、請求項1~12の何れかに記載の方法。
  14. 沈殿と、第2の蛍光物質と前記標識物質に特異的に結合する物質との抱合体との接触工程は、界面活性剤及び/又は血清アルブミンを含む緩衝液中で行われる、請求項1~13の何れかに記載の方法。
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