JP7160993B1 - 仮設防護柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】 防護のために重要なビーム等の柵体の位置を調整可能とし、柵体の本来的な機能を発揮させ得る仮設防護柵を提供する。【解決手段】 仮設防護柵Aは、支柱1の先端に設けられたスリーブ体3と、スリーブ体の内部に摺動しつつ進退自在に設けられる伸縮部材4と、スリーブ体と伸縮部材とを同時に挿通させる固定部材6と、伸縮部材の先端において柵体2を設置するためのブラケット5とを備える。伸縮部材は、固定部材の挿通を許容するように貫設された貫通孔45,46を備え、スリーブ体は、伸縮部材の両側において対向する壁面に、伸縮部材の進退方向に適宜間隔で貫設された複数の挿通孔35,36,37を備える。伸縮部材を進退させた状態において、固定部材を貫通孔および挿通孔に対して同時に挿通させることにより、伸縮部材の位置を固定する。【選択図】 図1

Description

本発明は、道路補修工事等において使用される仮設の防護柵に関するものである。
仮設防護柵は、基礎体としてコンクリートブロックを使用する形態(コンクリート型)と、H型鋼を用いる形態(金属型)とが存在する。従来のコンクリート型仮設防護柵は、点在させたコンクリートブロックごとに支柱を立設し、その支柱によって柵体(ビームまたはフェンス)を固定するものがあった(特許文献1参照)。また、基礎体の重量を大きくするために長尺なコンクリートブロックを用いるものがあった(特許文献2参照)。他方、金属型仮設防護柵は、本願の出願人が開発した技術であって、H型鋼のウェブに支柱が挿通できる貫通孔を設け、補強部材とともに支柱を立設させるものがあった(特許文献3参照)。また、同様のH型鋼のフランジ部に支柱を固定する形態のものも開発されている(特許文献4参照)。さらに、運搬時の便宜のために、支柱を回動可能とし、ビーム(ガードレール)をH型鋼のフランジ部の内側に収納可能とするものが開発されている(特許文献5参照)。
特開平7-300830号公報 特許第6804681号公報 特開2000-265430号公報 特開2003-155716号公報 特開2019-039249号公報
前掲の従来技術は、第1に、仮設防護柵として使用する際の利便性に考慮し、設置および撤去を容易にするものであり、第2に、基礎体と防護柵(ビーム等)との重量バランスルを考慮し、基礎体を工夫し、または支柱の立設状態を変更したものであった。
しかしながら、仮設防護柵として十分に防護の機能を発揮させるためには、基礎体の重量等を考慮するほかに、基礎体の位置に対する防護柵(ビーム等)の設置状態も重要な要素である。すなわち、例えば、車両等に対する防護のために使用する場合には、車両等の接触または衝突に際し、車両等の進入を阻止させることが要求されているところ、防護柵(ビーム等)が、基礎体よりも前方に突出して配置されることにより、接触または衝突する車両等が一義的に防護柵(ビーム等)に接触することで、その衝撃を緩和させるものである。しかし、この防護柵(ビーム等)が、基礎体に接近して配置されている場合には、車両等は、防護柵(ビーム等)よりも先に(または同時に)基礎体に接触する場合があるため、当該防護柵(ビーム等)の本来的な機能が発揮し得ないものとなっていた。
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、防護のために重要なビーム等の柵体の位置を調整可能とし、柵体の本来的な機能を発揮させ得る仮設防護柵を提供することである。
そこで、本発明は、基礎体と、該基礎体に立設可能に設置された支柱と、該支柱によって支持される柵体とを備える仮設防護柵において、前記支柱の先端に設けられたスリーブ体と、該スリーブ体の内部に摺動しつつ進退自在に設けられる伸縮部材と、前記スリーブ体と前記伸縮部材とを同時に挿通させる固定部材と、前記伸縮部材の先端において前記柵体を設置するためのブラケットとを備え、前記伸縮部材は、少なくとも1箇所において前記固定部材の挿通を許容するように貫設された貫通孔を備え、前記スリーブ体は、前記伸縮部材の両側において対向する壁面に、該伸縮部材の進退方向に適宜間隔で貫設された複数の挿通孔を備え、前記伸縮部材を進退させた状態において、固定部材を前記貫通孔および前記挿通孔に対して同時に挿通させることにより、該伸縮部材の位置を固定するものであることを特徴とする。
上記のような構成によれば、本来、ブラケットを介して支柱に連結されるべき柵体は、支柱の先端に設けられるスリーブ体と、そのスリーブ体に沿って進退する伸縮部材とが介在された状態で指示されることとなる。そして、伸縮部材を進退させることにより、その先端のブラケットの位置が移動することとなるから、結果的に柵体を基礎体から離れた位置に、または接近させた位置に設けることが可能となる。また、スリーブ体と伸縮部材は、当時に挿通する固定部材によって固定されることから、支柱と一体化されるものであり、柵体に作用する荷重(車両等の衝撃力)に対抗させることが可能となるものである。
上記構成の発明において、前記スリーブ体は、両端が開口する筒状に設けられたものであり、前記伸縮部材は、前記スリーブ体の両端開口部のいずれか一方または双方に進退可能に配置されるものであり、前記柵体は、前記伸縮部材の先端において前記ブラケットを介して設置されるものとすることができる。
上記構成によれば、スリーブ体のいずれか一方を選択して使用する場合には、基礎体の設置に際して、当該基礎体の向きを考慮せずに設置することが可能となり、また、スリーブ体の両端にそれぞれ伸縮部材を設ける場合には、例えば、道路の中央分離帯などにおける仮設の防護柵を設けることが可能となる。いずれの場合においても、基礎体に対する柵体の位置が調整可能となることから、車両等の接触または衝突の際に柵体による防護の効果を得られる状態に設置することができる。
上記各構成の発明において、基礎体をコンクリートブロックで構成する場合には、前記スリーブ体が、前記支柱を中心として、前記伸縮部材の進退方向の前後に延出して配置され、その前方側および後方側の底部と前記基礎体との間に支持部材が介在される構成とすることが好ましく、また、当該スリーブ体が、コンクリートブロックの長尺方向に複数設置されることが好ましい。このような構成によれば、スリーブ体が、基礎体の上方において安定した状態となり、また、複数箇所に安定したスリーブ体が存在するため、コンクリートブロックをスリーブ体の上部に重ねて載置することも可能となる。これは運搬時の省スペース化を実現するものとなる。このとき、伸縮部材を適宜な位置に調整することにより、柵体とコンクリートブロックとの接触等を回避することができるものとなる。
他方、基礎体としてH型鋼などを使用する場合には、その基礎体は、所定方向に長尺に構成されたものであり、前記支柱が、前記基礎体の短尺方向に挿通される回動軸によって回動可能に軸支されており、前記伸縮部材または前記ブラケットのいずれか一方が、前記伸縮部材の進退方向に平行な直線を中心として、前記スリーブ体との相対的に関係において回動可能に設けられているものとすることができる。このような構成によれば、支柱を回動させることにより、当該支柱を傾倒させることができ、柵体をH型鋼のフランジ部の内側に収納することができる。伸縮部材またはブラケットのいずれかがスリーブ体との関係において回動可能であるから、一つの基礎体に複数の支柱を使用して柵体を支持する場合、複数の支柱の傾倒と同時に、伸縮部材またはブラケットを回動させることにより、柵体の全体を平行移動させ、傾倒する支柱の先端の位置まで下降させることができる。そして、収納時には、伸縮部材を後退させることができ、防護柵として使用するときには、伸縮部材を前進させた状態とすることにより、所定に位置に柵体を設置することが可能となる。
このようなH型鋼による基礎体の場合には、H型鋼の二つのフランジ部を鉛直方向に配置しつつ中間のウェブを水平に配置してなるものであり、前記支柱は、前記H型鋼のウェブと一方のフランジ部とに固着される基部を介して連結されるものであり、該基部は、フランジ部の上端縁よりも上方に突出する突出片を備えるような構成とすることが好ましい。このような構成によれば、基部がH型鋼のフランジ部上端縁よりも突出した状態となるから、同種の仮設の防護柵を重ねて載置する場合、上位の仮設防護柵の重量を基部によって支えることが可能となる。すなわち、柵体は、支柱の回動によってH型鋼のフランジ部の内側に収納できるとしても、その全部がフランジ部の内側に収まるものではなく、一部はフランジ部の内側に収容されつつ、一部はフランジ部上端縁から突出する状態となるため、この柵体の上縁と基部の上縁とで上位のH型鋼を支持させることができるものとなるのである。上位のH型鋼の重量は、上記二箇所によって支持されることにより、当該重量が分散され、柵体の破損や変形の発生を抑制することができる。
本発明によれば、仮設防護柵として機能させるための柵体は、伸縮部材の進退によって設置すべき位置が調整可能となるから、使用すべき場所または対象物に応じて適宜な状態に柵体を設置することができる。これにより、柵体は、基礎体との相対的な位置関係が良好となり、本来的な機能を発揮させることができる。また、基礎体をコンクリートブロックで構成するときのスリーブ体と基礎体との間に支持部材を設ける構成、または基礎体をH型鋼で構成するときの基部を設ける構成により、それぞれ同種の仮設防護柵は数段に重ねて載置することが可能となり、運搬時の省スペース化を実現させることができる。
第1の実施形態を示す説明図である。 第1の実施形態の使用態様を示す説明図である。 第1の実施形態の使用態様を示す説明図である。 第2の実施形態を示す説明図である。 第2の実施形態の使用態様を示す説明図である。 第2の実施形態の使用態様を示す説明図である。 第2の実施形態の変形例を示す説明図である。 第3の実施形態を示す説明図である。 第3の実施形態における支柱の立設状態を示す説明図である。 第3の実施形態における支柱の回動状態を示す説明図である。 第3の実施形態における伸縮部材の作動状態を示す説明図である。 第3の実施形態における積み上げ状態を示す説明図である。 第3の実施形態の使用態様を示す説明図である。 第3の実施形態の使用態様を示す説明図である。 第3の実施形態の変形例を示す説明図である。 第3の実施形態の変形例の作動態様を示す説明図である。 第2の実施形態の変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の概略を図1に示す。本発明は、図1に示されているように、基礎体(コンクリートまたはH型鋼など、図は省略)に立設される支柱1と、この支柱1によって間接的に支持される柵体(ガードレール等のビーム)2とを備える仮設の防護柵Aに関するものである。また、本発明は、柵体2の位置を調整可能とするものである。
<第1実施形態>
そこで、本発明の第1の実施形態は、図1に示すように、支柱1の先端にスリーブ体3が設けられ、このスリーブ体3の内部を摺動する伸縮部材4が配置され、その先端において柵体2を設置するためのブラケット5が設けられる構成としている。
スリーブ体3は、四角形の筒状に設けられ、その軸線を水平方向として設けられている。四角形筒状とするスリーブ体3は、四つの壁面によって構成されることとなるため、これら四つの壁面の一つ(底面部)31において支柱1の先端に固着されるものとしている。従って、二つの側壁部32,33が対向して配置され、天板部34が、底面部31に平行に設けられている。
スリーブ体3の側壁部32,33は、支柱1との連結のために使用され、補強板11を両者に跨がった状態で溶接等することにより、強固に固定されるものとしている。この補強板11は、大きい面積で構成してもよく、また逆に補強板11を介さずに直接支柱1とスリーブ体3との接合部分を溶接等により固着させてもよい。また、二つの対向する側壁部32,33には、伸縮部材4の進退移動を停止させるための固定部材6(ストッパボルト61,62,63)を挿通可能とする挿通孔35,36,37が設けられている。なお、軸線方向の前方に配置される挿通孔35,36と、後方に配置される挿通孔37は、選択的に使用されるものである。
伸縮部材4は、中空の箱上に構成され、スリーブ体3の筒状内部に遊挿可能な大きさに設けられている。詳細には、スリーブ体3よりも小型の四角形の筒状を構成し、その両端開口部を蓋部41,42で閉鎖した構成とするものである。
この伸縮部材4は、スリーブ体3の中空内部を軸線方向に沿って摺動できるように、適宜位置にスライダ43,44を設けている。すなわち、四角形筒状の両側壁面の外側表面上下に、軸線方向に沿ったスライダ43,44を固着し、その表面、上縁および下縁が、それぞれスリーブ体3の内部に摺接する状態で設けられるものである。このようなスライダ43,44による摺接により、摺接面積を小さくし、進退移動時における抵抗を減殺させている。なお、上下に配置したスライダ43,44の中間位置には、伸縮部材4の軸線方向の前後端付近(その双方または前方もしくは後方のいずれか一方)に表面のみが摺接する補助スライダ43a,44a(図は44aを省略)を設け、伸縮部材4の姿勢の安定化させるようにしている。なお、各スライダ43,44の突出状態を均等に設けることにより、スリーブ体3の軸心と伸縮部材4の軸心を一致させることができるが、その必要がない場合は、突出状態を適宜変更させたものであってもよい。
伸縮部材4が上記のような構成であるから、ブラケット5は、伸縮部材4の前方側蓋部41の表面に締着部材(ボルト51およびナット52)によって締着させることができるものである。すなわち、伸縮部材4は中空の箱状となっているため、ボルト51の軸部を中空内部に挿通させることができ、他方の(後方側の)蓋部42にナット52を配置することにより、両蓋部41,42の間で締着させることが可能となる。なお、ブラケット5を伸縮部材4に対して回動可能に設ける場合には、締着部材51,52は、蓋部41,42の中央において1箇所のみ配置されるものであり、その結果、ボルト51の軸部は、中空箱状の軸線に配置される状態となっている。このブラケット5の回動については後述する。
また、伸縮部材4の壁面には、上下2箇所に貫通孔45,46が設けられており、前述のスリーブ体3の挿通孔35,36(,37)に挿通される固定部材6の挿通を同時に許容するものとしている。すなわち、伸縮部材4が前進した状態においては、2本のストッパボルト61,62が、スリーブ体3の前方に設けられている挿通孔35,36と、伸縮部材4の貫通孔45,46との双方に対し、同時に挿通した状態とすることができ、後退した状態では、スリーブ体3の後方に設けられている挿通孔37と、伸縮部材4の一方の貫通孔45との双方に対して同時に挿通させることができる。これらのいずれかの状態でストッパボルト61,62,63の先端にナットを螺合させれば、伸縮部材4の位置が固定されることとなる。
このとき、上記挿通孔35,36,37および貫通孔45,46は、伸縮部材4の壁面中央よりも上下に偏った位置に設けられる。これは、前記ブラケット5の締着のための締着部材(ボルト51の軸部)と干渉させないためである。
ブラケット5は、柵体(図はガードレールを例示)2を装着するためのものであり、前述の伸縮部材4(蓋部41)との締着領域と、柵体2に当接するための当接領域とを備えており、両領域には、それぞれの締着および装着のための貫通孔(円形孔または長孔)が設けられるものである。締着領域は、伸縮部材4の蓋体41の表面の一部において装着される面積で形成され、当接領域との境界部分は伸縮部材4の進退方向に延出させる構成としている。このような構成の場合には、伸縮部材4を後退させる状態において、ブラケット5の締着領域と境界部分とが、スリーブ体3の内側まで移動できることとなる。なお、例示の柵体2はガードレールを示しているため、ブラケット5の当接領域が平板状となっているが、他の形状のビームを装着する場合は弧状に構成してもよく、また、一枚の板状部材を折曲して形成するほか、リブなどを使用した他の形状に構成してもよい。この場合、ブラケット5は、スリーブ体3の内側に収納させないものとしてよい。
<第1実施形態の使用態様>
本実施形態の使用態様を図2および図3に示す。図2(a)および図3(a)は、伸縮部材4を後退させた状態であり、図2(b)および図3(b)は伸縮部材4を前進させた状態を示す。図3(a)に示すように、本実施形態は、上記のような構成としたことから、伸縮部材4は、スリーブ体3の中空内部に収納させることができる。そして、スリーブ体3は、支柱1に固着されており、伸縮部材4がスリーブ体3の内部で姿勢を安定させることにより、ブラケット5は固定され、柵体2も固定されることとなる。
図2(a)に図示するように、伸縮部材4を後退させた状態では、当該伸縮部材4の全体がスリーブ体3の中空内部に収まることとなり、また、前述のスライダ43,43a,44の表面および上下の縁部が、スリーブ体3の内側表面に摺接した状態で姿勢が安定している。この状態を維持させるため、スリーブ体3の挿通孔35~37のうち、後方に配置される挿通孔37に対してストッパボルト(一つの固定部材)63を挿通させている。
他方、図2(b)に示すように、伸縮部材4を前進させた状態では、伸縮部材4の前方部分がスリーブ体3から突出させることとなる。この場合、伸縮部材4の一部(概ね半分程度)はスリーブ体3の内部に配置された状態となることから、伸縮部材4のスライダ43,44は、部分的にスリーブ体3の内部表面に当接した状態であり、伸縮部材4の姿勢は依然として安定している。そして、この状態において、スリーブ体3の挿通孔35~37のうち、前方に配置される挿通孔35,36に対して二つのストッパボルト61,62を挿通させ、伸縮部材4を二箇所で固定するのである。
ところで、伸縮部材4をスリーブ体3の軸線方向に進退可能とすることにより、設置すべき柵体2は、支柱1からの距離を変化させることができるものとなる。図3(a)に示すように、伸縮部材4を後退させた場合には、支柱1の表面から柵体2の最前表面までの距離L1は、非常に接近した状態となるのに対し、図3(b)に示すように、伸縮部材4を前進させた場合には、支柱1の表面から柵体2の最前表面までの距離L2は、大きく拡大する。この変化量h1は、伸縮部材4の貫通孔45,46が、スリーブ体3の後方の挿通孔37から前方の挿通孔35,36まで移動する範囲Hと同じであり、当該範囲Hで移動させることにより、柵体2を支柱1から適宜距離L2を有する状態に配置させることができるのである。
上記のように、伸縮部材4の突出による柵体2の設置位置の変更は、当該防護柵Aを設置するための土台となる基礎体に応じて調整することとなる。すなわち、基礎体は、防護柵Aを支持し、車両等の接触時における衝撃に対抗できる程度の重量を要するため、例えばコンクリートブロックやH型鋼などが使用されるものであるが、その基礎体の形状(大きさ)によっては、柵体2が基礎体よりも内側に配置される場合がある。そこで、このような場合に、伸縮部材4を突出させることにより、柵体2を基礎体よりも外側に配置させることを可能とするのである。
なお、スリーブ体3および伸縮部材4の長さ方向(軸線方向)の寸法および移動範囲は、図の例示では、僅かな程度となっているが、設計時において適宜変更可能である。従って、伸縮部材4を突出させるべき長さに応じて、適宜変更すればよいものである。その際、スリーブ体3を支柱1で十分支持できるように、支柱1の位置、数、大きさ、形状および材質等を適宜選定されるものとなる。
<第2実施形態>
本発明の第2の実施形態は、図4に示すように、単一のスリーブ体3に対して、両側から伸縮部材4を挿入し、スリーブ体3の両端のいずれか一方または双方において伸縮部材4を突出可能とするものである。本実施形態においては、支柱1は、スリーブ体3のほぼ中央において固着されるものであり、また、スリーブ体3の姿勢を安定させるために、スリーブ体3の底面部31の下面側に補助的な支持部材30a,30bを設けた構成としている。この補助的な支持部材30a,30bは、図示せぬ基礎体とスリーブ体3との間に介在されるものとしており、基礎体とスリーブ体3との間隙に応じて最適な大きさのものが設けられるものである。
なお、伸縮部材4、ブラケット5および柵体2は第1実施形態と同様の構成としており、スリーブ体3は、全体が四角形の筒状で両端が開口したものであるから、いずれか一方の開口から伸縮部材4を挿入することにより、いずれか一方に進退可能な状態で柵体2を設置することができ、同種構成の伸縮部材4、ブラケット5および柵体2を二組用いることにより、両端の開口にそれぞれにおいて進退可能な柵体2を設けることも可能である。
<第2実施形態の使用態様>
上記構成の場合には、図5に示すように、例えば、コンクリートブロックによる基礎体Xに支柱1を立設する場合に使用することができる。この場合、基礎体Xに支柱1の根本部分を埋設して支柱1を立設し、その先端にスリーブ体3を固着するのである。このときのスリーブ体3の長さは、基礎体Xの幅寸法Wと同じ程度とすることにより、スリーブ体3は、基礎体Xの幅方向端縁に近傍において両端を開口させた状態で設けられることとなる。また、スリーブ体3の下面には、補助的な支持部材30a,30bが設けられ基礎体Xの上面との間に介在され、当該スリーブ体3を安定的に設けることができる。
このとき、図5(a)に示すように、スリーブ体3の片方開口に伸縮部材4を挿入させ、基礎体Xの一方側に柵体2を支持する防護柵Bを構築してもよいが、図5(b)に示すように、スリーブ体3の両端にそれぞれ伸縮部材4を挿入し、基礎体Xの両側に柵体2を各支持させる防護柵Bを構築してもよい。基礎体Xの一方側に柵体2を支持させる形態は、例えば、車道の路側帯を工事する場合や、複数車線の数を減じて車道を工事する場合など、車両等の走行側と工事側との境界に設置することが想定される。他方、基礎体Xの両側に柵体2を支持させる形態は、中央分離帯として使用する場合などが想定される。
いずれの形態においても、伸縮部材4は、進退可能であるから、基礎体Xの端面より突出させる場合には、伸縮部材4を前進させ、スリーブ体3から突出させればよい。伸縮部材4を突出させる場合としては、基礎体Xの端面から十分に柵体2を突出させる必要があるような場合である。その他として、例えば、一部が張り出したブロックによって基礎体Xが構築されている場合や、図中に示すように、基礎体Xの移動を抑制するために、端面側にH型鋼などの重量物Y1,Y2を設置するような場合があり得る。この場合、車両等のタイヤ部分よりも先に柵体2によって保護させるために、柵体2を十分に突出させる必要があるためである。
また、本実施形態においては、図6に示すように、基礎体(コンクリートブロック)Xに柵体2を支持させた状態の複数の防護柵B1,B2,・・・を、上下方向に積み上げることも可能となる。これは、スリーブ体3が補助的な支持部材30a,30bによって堅固に設けられることから、上段の重量をスリーブ体3によって支持させ得るからである。支柱1をコンクリートブロックに立設する場合には、一般的にコンクリートの打設時に支柱1を打設コンクリートに埋設した状態で硬化させることから、少なくとも支柱1とコンクリート(基礎体X)とが一体化されている。このような場合、従前は、複数の基礎体X(または防護柵B)を積み上げることができなかった。そのため、搬送車両の荷台に平積みしなければならなかった。本実施形態のように、スリーブ体3が十分に重量を支持できることから、積み上げ可能であり、しかも、防護柵Bの状態で積み上げることができることから、同じ面積の荷台に数倍の数を積載することが可能となる。従って、一度に数多くの搬送が可能となるうえ、防護柵Bの状態で搬送できることから、搬入・搬出の際の柵体2などの設置・撤去の必要もないものである。
<第2実施形態の変形例>
本発明の第2実施形態は、上記のように、単一のスリーブ体3に対し、その両側に突出可能な伸縮部材4を設けることができることから、図7(a)に示すように、片方にガードレール2を、他方にポール状のビーム2a,2bを設けるような構成とすることができる。このような異なる柵体の設置は、例えば、車道と自転車走行体との境界に使用することができる。車道と歩道との境界にも設置できる。また、車道と工事区域との境界において、工事車両の接触を防護する場合にも使用可能である。
このような構成とした場合であっても、スリーブ体3および伸縮部材4は、上記第2の実施形態と同様の構成であるから、伸縮部材4を適宜進退させることができるうえ、基礎体Xをスリーブ体3に積載することが可能であるから、構築された防護柵Cの状態で上下に積み上げた状態での搬送は可能となるものである。
<第3実施形態>
本発明の第3の実施形態は、基礎体としてH型鋼Zを使用する場合である。図8は本実施形態を示す図である。この図に示すように、支柱1、スリーブ体3,伸縮部材4、ブラケット5および柵体2は、第1の実施形態と同じ構成である。本実施形態は、支柱1を基礎体として使用するH型鋼Zのフランジ部Zaの内側に回動可能に支持させるように構成したものである。
本実施形態では、H型鋼Zを、ウェブZcを水平な状態とし、二枚のフランジ部Za,Zbを鉛直方向にして基礎体として使用するものである。従って、ウェブZcを境に上方は、当該ウェブZcと、二枚のフランジ部Za,Zbの一部によってU字状の溝が形成された状態となる。そして、この溝状部分を利用して支柱1を立設させるのである。
すなわち、ウェブZcの表面上に断面略U字状の基部7を搭載する。この基部7は、平行な二枚の対向片部71,72と、両者を連続する連続片部73とで断面が略U字状となっており、一方の対向片部71を、H型鋼Zの一方のフランジ部Za(ウェブZcよりも上方)に密着させた状態としつつ、ウェブZcに載置した状態で固定するのである。この基部7の二枚の対向片部71,72は、H型鋼Zのフランジ部Za,Zbの幅よりも狭く設けられ、一方の対向片部71を一方のフランジ部Zaに密着させた状態で、他方の対向片部72は、他方のフランジ部Zbとの間に適宜間隔を有した状態としている。また、両対向片部71,72の上端縁はフランジ部Za,Zbよりも上方に位置する程度の高さを有して構成している。
ここで、フランジ部Za,Zbおよび対向片部71,72を同時に単一の回動軸(ボルト)8が挿通できるように、各片には略同径の貫通孔が設けられており、また、支柱1の適宜位置にも略同径の貫通孔12が設けられている。そして、支柱1を両対向片部71,72の間に挿入しつつ、他方のフランジ部Zbの外方からボルト8を各貫通孔(支柱1の貫通孔12を含む)に挿通するとき、ボルト8の軸部81が回動軸として機能し、支柱1を回動可能な状態に支持させることができるのである。
なお、本実施形態では、一方の対向片部71の内側には、補強のための板状の補強部材74が設けられたものを例示している。この補強部材74は対向片部71に溶接によって固着されたものであり、また、基部7もフランジ部ZaおよびウェブZcに溶接等によって固定されているものとしている。
上記のように構成されたH型鋼Zに支柱1を支持させた状態を図9に示す。支柱1は、回動軸(ボルトの軸部)81を中心に回動可能であるため、支柱1の立設状態(鉛直状態)を維持させるため、支柱1の回動方向側端面近傍には、それぞれボルト9が二枚の対向片部71,72を使用して挿入されている。このボルト9が、回動を制限するストッパとして機能することにより、支柱1は立設状態となり、支柱1を回動により傾倒させる場合は、当該ボルト9を抜き取るのである。
支柱1を回動可能とする理由は、図10に示すように、防護柵として使用する場合(図10(a)および(b)参照)と、防護柵としない場合(図10(c)および(d)参照)とで、支柱1の状態を変化させるためである。すなわち、防護柵として使用するときは、支柱1を立設状態とし、H型鋼Zの上方に柵体2を支持させるものであり、防護柵として使用しない場合には、支柱1を傾倒させ、柵体2の一部を含む構成部材をH型鋼Zのフランジ部Zbの内側に収納させるのである。
このとき、柵体2は、ブラケット5を介して支柱1に支持されているため、支柱1の回動により、柵体2も回動したとすれば、フランジ部Zbの内側に収納させることができない。そこで、ブラケット5を伸縮部材4の中心において単一の締着部材(ボルト51およびナット52)によって締着し、このボルト51を軸として柵体2を回動できる状態とするのである。ブラケット5が、伸縮部材4の中心に配置されるボルト51を軸として回動することにより、支柱1を傾倒させた場合であっても、柵体2の姿勢を維持しつつ下降できる(平行移動させる)ようにしているのである。ここでは、ブラケット5は、伸縮部材4の軸心(ボルト51)を中心に回動するものとしているが、この伸縮部材4の軸心は、スリーブ体3の軸心と平行な状態であることを前提としている。従って、ブラケット5は、伸縮部材4に接続され、当該伸縮部材4に対して回動するものであるが、その回動の状態は、スリーブ体3との相対的な関係において回動可能な状態となっているものみなすことができる。なお、柵体2が、単一の支柱1によって支持される場合は、防護柵として使用する際に柵体2が回動し得ることとなってしまうことから、一般的には、基礎体Zの長手方向に複数の支柱1を立設し、少なくとも2箇所において柵体2が支持されることで、防護柵として使用する際の柵体2の姿勢は安定するものとなる。
ところで、本実施形態においては、支柱1、スリーブ体3,伸縮部材4、ブラケット5および柵体2が、第1の実施形態と同様の構成であることから、伸縮部材4は、スリーブ体3の軸線方向に進退可能となっている。そのため、支柱1を立設状態としたうえで、伸縮部材4を突出させることができるものである。
すなわち、図11に示すように、防護柵として使用するときには、伸縮部材4を前進(突出)させることにより、柵体2は、H型鋼Zのフランジ部Zbよりも外方に突出させた状態で配置させることできるのである。このとき、支柱1の表面から柵体2の最前表面までの距離L3は、伸縮部材4を前進させない状態においても比較的大きくなっているが、前進させない状態では、柵体2の最前表面の位置は、H型鋼Zの前方表面よりも内側(収納可能な状態)に位置するため、柵体2が車両等との接触等する際には、柵体2よりも先にH型鋼Zが車両等のタイヤ等に接触することとなり、防護機能を発揮させることができない。他方、H型鋼Zの前方表面から柵体2の最前表面までの距離L4を適宜な長さとなるように、伸縮部材4を前進させることにより、車両等の接触等に際し、H型鋼Zよりも先に柵体2が接触することとなり、防護機能を発揮し得ることとなるのである。
このように、防護柵として使用する際には、柵体2の位置をH型鋼Zよりも前方に突出させて、防護柵としての機能を発揮させ、不使用時には、柵体2をフランジ部Zbの内側に収納させることができることから、輸送時や保管時の省スペース化を実現するとともに、柵体2が不用意に外部と接触して損傷することから保護することにも役立つものである。
さらに、図12に示すように、輸送・保管に際し、同種の防護柵を積み上げることも容易となる。これは、各構成部材がH型鋼Zのフランジ部Za,Zbの内側に収納できることから、当該フランジ部Za,Zbを単純に連続させるように積み上げれば、下位のH型鋼Z1の上方に上位のH型鋼Z2に載置することができ、各構成部材を内部に収容しつつ積み上げることが可能となる(図12(a)参照)。また、各構成部材の一部(例えば柵体2)が、フランジ部Za,Zbの内部に収まらない場合には、基部7の一方の対向片部71を柵体2と同じ程度の高さに調整することにより、上位のH型鋼Zは、ウェブZcの下面が、柵体2および対向片部71の上端に当接した状態で積み上げることができる(図12(b)参照)。このとき、対向片部71の上端は、上位のH型鋼Z2のウェブZcに当接させるように先端形状を調整すべきものである。また、このような積み上げ状態の場合においては、上位のH型鋼Z2は下位のH型鋼Z1に連続して載置できないが、上位の防護柵の重量は、柵体2と対向片部71とに分散して支持されるものとなる。
上記のいずれの場合においても、上位のH型鋼Zの下方のフランジ部は、一方が柵体2の外方、他方が対向片部71の外方に、それぞれ配置されるため、その位置が大きく変化することはなく、輸送時におけるズレなどの発生を抑えることができるものである。
<第3実施形態の使用態様>
本発明の第3の実施形態は、上記のような構成としたことから、使用時においては、図13に示すように、長尺なH型鋼Zの複数箇所に支柱1を立設し、その各支柱1によって柵体2を支持するものである。柵体2は、複数の箇所で支柱1に支持されるから、各支柱1が立設状態を維持している限り、所定の高さにおいて所定方向に延出した状態で保持されることとなる(図13(a)参照)。さらに、このようにH型鋼(基礎体)Zに一体化され、柵体2が支持された長尺な防護柵Dを長手方向に連続させて配置することにより、所定の範囲に連続して防護柵Dを設置することができる(図13(b)参照)。このとき、連続する柵体2の継ぎ目には連結部材などを用いて連結させてもよい。同時にH型鋼(基礎体)Zの継ぎ目においても連結部材を介して連結させてもよい。
ところで、図13(c)に示すように、図13(a)の防護柵Dを保管等のために、支柱1を回動するとき、柵体2がH型鋼(基礎体)Zから長手方向に突出することとなる。この状態は長手方向に一部延長する状態となるため、これでもよいものではあるが、柵体2をH型鋼Zの内側に完全に収納させるためには、収納状態を基準にH型鋼(基礎体)Zと柵体2の位置関係を調整すればよい。
すなわち、図14(a)に示すように、防護柵Eは、収納状態において、柵体2の全体がH型鋼(基礎体)Zに収容されるものとして構築されるものとするのである。この場合、図14(b)に示すように、支柱1を立設状態とするとき、柵体2は、H型鋼Zの一端側において余剰部分が延出し、他端側において不足した状態となる。ところが、図14(c)に示すように、全ての防護柵Eが、同様であれば、H型鋼Zを連続させれば、柵体2も同様に連続させることが可能となるため、このような構成としてもよい。
なお、上記の防護柵Eを連続させる場合、H型鋼Zの連結位置と柵体2の連結位置とは、上下方向に一致していないものとなるが、それぞれ個別に連結部材等で連結させることも可能であり、そのような連結により長尺方向に一体化させることも可能である。
<第3実施形態の変形例>
第3の実施形態は、上記のとおりであるが、ブラケット5は、スリーブ体3との相対的な関係において回動可能に設ける場合には、他の構成とすることができる。例えば、図15に示すように、四角形筒状に構成されるスリーブ体3は、その中空内部を断面正方形とするものとし、他方の伸縮部材4を円筒状として、スリーブ体3の中空内部に円筒状の伸縮部材4を嵌入させるものである。このとき、伸縮部材4の外周部分は、スリーブ体3の内部の正方形に内接する状態となり、その接点(長手方向に連続する接線)において摺接させることができる。従って、前述の実施形態のようなスライダ43,44を設けることなく、伸縮部材4はスリーブ体3の軸線方向に進退可能となるうえ、伸縮部材4が、スリーブ体3の中空内部において軸回りに回動可能な状態となる。
この変形例における伸縮部材4は、ブラケット5の連結のため、前方側においてのみ蓋部41を設け、全体として有底筒状としており、その蓋部41にブラケット5を締着させている。そして、伸縮部材4が、スリーブ体3に対して回動できることから、ブラケット5は当該蓋部41に固定的に設置することができる。そのため、ブラケット5を溶接等により固着させるものとしてもよく、蓋部41を介在させずに、伸縮部材4の本体部分に直接的に固着させてもよい。なお、この変形例は、後方側に蓋部を設けていない構成であるが、円筒形状を維持させるためなどを目的として蓋部を設けるものとしてもよい。
また、上記のように、スリーブ体3の内壁に伸縮部材4の外壁が内接する状態の場合には、両者の固定は、二つの対向する側壁部32,33に固定部材6(ストッパボルト61,63)を挿通可能とすることによるが、そのための側壁部32,33の挿通孔35,37は、上記内接する位置(接線位置)の二箇所に設けられ、いずれかを選択することによるものとなる。この固定部材6(ストッパボルト61,63)を使用するため、伸縮部材4には1箇所の貫通孔45が設けられ、伸縮部材4を前進位置または後退位置で固定することとなる。これと同時に、固定部材6(ストッパボルト61,63)の挿通により、伸縮部材4の回動は制限されることとなり、当該伸縮部材4を所定の位置で所定の姿勢に維持させることができるものとなる。なお、伸縮部材4が前進した状態で使用される貫通孔45(固定のためのストッパボルト61)が単一としているのは、前述の実施形態においては、スリーブ体3および伸縮部材4の中央にボルトの軸部を避ける目的があったが、変形例では、そのような必要がないため、高さ方向の中央に単一の固定手段を構成しているのである。
ここで、上記変形例の作動態様について説明する。図16は、本変形例における伸縮部材4の回動作動を、支柱1の傾倒とともに示したものである。なお、図16(a)および(b)は防護柵として使用するため、支柱1を立設させた状態を示し、図16(c)および(d)は、収納のために支柱1を傾倒させた状態を示している。
そこで、まず、防護柵として使用する場合には、図16(a)および(b)に示すように、支柱1は立設状態となっており、スリーブ体3に嵌入された状態の伸縮部材4は、固定部材6の挿通により、伸縮部材4の進退位置を確定させるとともに、伸縮部材4の回動も同時に停止させた状態となっている。本変形例の場合には、ブラケット5は伸縮部材4の前方側端部(蓋部41)に固着されることから、両者は一体化された状態となる。従って、伸縮部材4が固定部材6によって所定の姿勢が維持されているとき、ブラケット5は回動することなく、柵体2も安定的に支持された状態となるものである。なお、伸縮部材4を進退させる場合は、一旦固定部材6を引き抜き、進退位置を確定した後、再度挿通させて、その位置を確定することとなる。
他方、支柱1を傾倒させる場合には、図16(c)および(d)に示すように、固定部材6を抜き取ることにより、伸縮部材4はスリーブ体3の内部で回動可能な状態となるため、支柱1を傾倒させつつ、伸縮部材4を回動させることにより、柵体2の姿勢を維持しつつ下降できる(平行移動させる)こととなる。なお、固定部材6を抜き取った状態においては、伸縮部材4の進退方向への移動も可能となっているが、この伸縮部材4を含む柵体2は、収納時において基礎体Zのフランジ部よりも内側に収納されるため(図10参照)、収納後においては、伸縮部材4は前進せずに安定的に収納させることができる。
<その他の変形例>
本発明の実施形態は、上記のとおりであるが、上記の各実施形態は、本発明の一例を示すものであって、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではない。従って、上記実施形態に対し、他の要素を追加し、または構成要素の一部を変形するものであってよい。例えば、第1実施形態および第3実施形態では、柵体2の例示としてガードレールを使用した状態のみが図示されているが、このガードレールに代えて円形ビームを支持させてよく、また、フェンス(仕切柵)の支柱を支持させるように使用してもよい。フェンス(仕切柵)の支柱を所定間隔に設けておけば、ブラケット5の形状を変形するのみで使用可能である。
また、第2実施形態においては、コンクリートブロックを基礎体Xとするものであるが、図17(a)に示すように、基礎体として使用するコンクリートブロックXを長手方向に連続させる際は、当該コンクリートブロックXを長手方向に連続して配置すればよいものである。このとき、図17(b)に示すように、柵体2の継ぎ目は、連結部材によって連結し、コンクリートブロックXの継ぎ目には、隣接する両者に跨がった状態で重量物Yを端面に沿って配置することで、実質上連結させることができる。
なお、両者を連結させることが容易でないことが想定されるため、柵体2によって連結させる方法としてもよい。すなわち、図17(c)に示すように、柵体2は、設置現場において取り付けるものとして、その柵体2を隣接するコンクリートブロックXに跨がるように取り付けることで、当該柵体2を介して連結させるのである。これにより、コンクリートブロックXを含む全体が、長手方向に連続するように一体化させたものとすることができる。
また、前記各実施形態のスリーブ体3には、伸縮部材4の進退範囲において固定部材6(ストッパボルト61,62,63)を挿通するための挿通孔35~37を設けているが、伸縮部材4の進退状態を適宜調整可能とするため、スリーブ体3の長手方向に数種類の挿通孔を設け、任意の挿通孔を使用して伸縮部材4の進退状態を調整させてもよい。また、伸縮部材4の先端に設けるブラケット5は、一部がスリーブ体3の内側に収納されるものとして構成してもよいが、このブラケット5は、スリーブ体3の内側に侵入させないものとして構成してもよい。
さらに、スリーブ体3は、四角形筒状とする場合に限らず、円形筒状としてもよく、この場合には、伸縮部材4もこれに応じた形状にすることとなる。なお、スリーブ体3を円形筒状とする場合には、左右の壁面部は、湾曲したものとなるが、対向状態になっている部分を使用して挿通孔を設ければよい。支柱1の形状についても同様に円形としてもよく、柱状であっても筒状であってもよい。
1 支柱
2 柵体
3 スリーブ体
4 伸縮部材
5 ブラケット
6 固定部材
7 基部
8 ボルト
9 ボルト
11 補強板
12 貫通孔
30a,30b 支持部材
31 スリーブ体の底面部
32,33 スリーブ体の側壁部
34 スリーブ体の天板部
35,36,37 挿通孔
41 伸縮部材の蓋部(前方側)
42 伸縮部材の蓋部(後方側)
43,43a,44 スライダ
45,46 貫通孔
51 締着部材(ボルト)
52 締着部材(ナット)
61,62,63 ストッパボルト
71 一方の対向片部
72 他方の対向片部
73 連結片部
74 補強部材
81 回動軸(ボルトの軸部)
A,B,C,D,E 防護柵
X コンクリートブロック(基礎体)
Z,Z1,Z2 H型鋼(基礎体)
Za 一方のフランジ部
Zb 他方のフランジ部
Zc ウェブ

Claims (7)

  1. 基礎体と、該基礎体に立設可能に設置された支柱と、該支柱によって支持される柵体とを備える仮設防護柵において、
    前記支柱の先端に設けられたスリーブ体と、該スリーブ体の内部に摺動しつつ進退自在に設けられる伸縮部材と、前記スリーブ体と前記伸縮部材とを同時に挿通させる固定部材と、前記伸縮部材の先端において前記柵体を設置するためのブラケットとを備え、
    前記伸縮部材は、少なくとも1箇所において前記固定部材の挿通を許容するように貫設された貫通孔を備え、
    前記スリーブ体は、前記伸縮部材の両側において対向する壁面に、該伸縮部材の進退方向に適宜間隔で貫設された複数の挿通孔を備え、
    前記伸縮部材を進退させた状態において、固定部材を前記貫通孔および前記挿通孔に対して同時に挿通させることにより、該伸縮部材の位置を固定するものであることを特徴とする仮設防護柵。
  2. 前記スリーブ体は、両端が開口する筒状に設けられたものであり、前記伸縮部材は、前記スリーブ体の両端開口部のいずれか一方または双方に進退可能に配置されるものであり、前記柵体は、前記伸縮部材の先端において前記ブラケットを介して設置されるものである請求項1に記載の仮設防護柵。
  3. 前記スリーブ体は、前記支柱を中心として、前記伸縮部材の進退方向の前後に延出して配置され、その前方側および後方側の底部と前記基礎体との間に支持部材が介在されている請求項1または2に記載の仮設防護柵。
  4. 前記基礎体は、長尺なコンクリートブロックによって構成されるものであり、前記スリーブ体および伸縮部材は、前記コンクリートブロックの長尺方向に適宜間隔を有して複数の箇所に設けられるとともに、伸縮部材の進退方向が短尺方向に配置されている請求項3に記載の仮設防護柵。
  5. 前記基礎体は、所定方向に長尺に構成されたものであり、前記支柱は、前記基礎体の短尺方向に挿通される回動軸によって回動可能に軸支されており、前記伸縮部材または前記ブラケットのいずれか一方が、前記伸縮部材の進退方向に平行な直線を中心として、前記スリーブ体との相対的な関係において回動可能に設けられている請求項1または2に記載の仮設防護柵。
  6. 前記基礎体は、H型鋼によって構成され、該H型鋼の二つのフランジ部を鉛直方向に配置しつつ中間のウェブを水平に配置してなるものであり、前記支柱は、前記H型鋼のウェブと一方のフランジ部とに固着される基部を介して連結されるものであり、該基部は、フランジ部の上端縁よりも上方に突出する突出片を備えるものである請求項5に記載の仮設防護柵。
  7. 前記柵体は、ガードレール用のビームである請求項1~6のいずれかに記載の仮設防護柵。
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