極端紫外(EUV)光源の真空チャンバ内で、オブジェクト上のプラズマの効果を軽減させるための技法が開示される。EUV光を生成するために、EUV光源は、ターゲット内のターゲット材料を、EUV光を放出するプラズマに変換する。ターゲットがすべて同じ位置又は配向を有さないように、様々なターゲットの空間的配向又は位置を変化させることによって、プラズマの効果を軽減させることができる。説明する技法は、例えば、EUV光源の真空容器内部のオブジェクトを保護するために使用され得る。
図1を参照すると、例示的光リソグラフィシステム100のブロック図が示されている。システム100は、EUV光162をリソグラフィツール103に提供する、極端紫外(EUV)光源101を含む。EUV光源101は、光学ソース102及び流体デリバリシステム104を含む。光学ソース102は光ビーム110を放出し、光ビーム110は光学的に透明な開口114を介して真空容器140に入り、ターゲット120を受け取るターゲット領域130でz方向(112)に伝搬する。光ビーム110は増幅光ビームとすることができる。
流体デリバリシステム104は、緩衝流体108を容器140内に送出する。緩衝流体108は、光学要素155とターゲット領域130との間を流れ得る。緩衝流体108は、z方向又は任意の他の方向に流れ得、緩衝流体108は複数の方向に流れ得る。ターゲット領域130は、ターゲット供給システム116からターゲット120を受け取る。ターゲット120は、プラズマ状態でEUV光162を放出するターゲット材料を含み、ターゲット領域130でのターゲット材料と光ビーム110との間の相互作用が、ターゲット材料の少なくとも一部をプラズマに変換する。光学要素155は、EUV光162をリソグラフィツール103に向けて誘導する。制御システム170は電子信号を受け取り、流体デリバリシステム104、光学ソース102、及び/又はリソグラフィツール103のうちのいずれか又はすべてを制御できるようにするために、これらの構成要素に提供する。制御システム170の一例を、図4に関して下記で考察する。
ターゲット120のターゲット材料は、光ビーム110を受け取る(及び光ビーム110と相互作用する)領域の側面129を伴う、幾何分布又は空間分布内に配置される。前述のように、ターゲット材料はプラズマ状態でEUV光162を放出する。加えて、プラズマは、EUV光以外の粒子(ターゲット材料のイオン、中性原子、及び/又はクラスタなど)及び/又は放射も放出する。プラズマ(EUV光以外の粒子及び/又は放射を含む)によって放出されるエネルギーは、ターゲット材料の幾何分布に対して非等方性である。プラズマによって放出されるエネルギーは、ターゲット120に対して角度依存分布を伴うエネルギーの指向性依存フラックスであると見なし得る。したがってプラズマは、他よりも大量のエネルギーを、容器140内のいくつかの領域に向けて誘導し得る。プラズマから放出されるエネルギーは、例えば、誘導先の領域内に局所加熱を生じさせる。
図1は、ある時間インスタンスの真空容器140を示す。示された例において、ターゲット120はターゲットロケーション130内にある。図1の時点より前及び/又は後の時点では、ターゲット120の他のインスタンスがターゲット領域130内にある。下記で考察するように、ターゲット120の他のインスタンスは、ターゲット120と比べて、ターゲットの以前及び/又は後続のインスタンスが、ターゲット材料の異なる幾何分布、真空容器140内の異なる位置、及び/又は、真空容器140内のオブジェクトに対してターゲット材料の幾何分布の異なる配向を有するという点を除き、ターゲット120と同様である。言い換えれば、ターゲット領域130内に存在するターゲットの幾何分布、位置、及び/又は配向はインスタンス間で変動し、経時的に変動するものと見なすことができる。このように、指向性依存フラックスのピーク(最大)がそれに沿って拡張する方向は、経時的に変化し得る。したがって、指向性依存フラックスのピークは、特定のオブジェクト、オブジェクトの特定の部分、及び/又は容器140の領域から離れて誘導され得、それによってそのオブジェクト、部分、又は領域上でのプラズマの効果を軽減する。
インスタンス間での、又は経時的な、ターゲット材料の位置、幾何分布、及び/又は配向の変動により、プラズマによってエネルギーが誘導される先のエリアの合計量が増加する。したがって、経時的なターゲットの位置及び/又はターゲット配向の変動により、プラズマからのエネルギーが、容器140内の特定の領域が他の領域に比べて過度に露光(例えば、加熱)されないように、ターゲット120に対する等方性エネルギープロファイルをより厳密に近似することが可能となる。これによって、容器140内の光学要素(例えば、光学要素155)などのターゲット領域130近くのオブジェクト、及び、ターゲット120以外のターゲット(例えば、ターゲット121a、121bなどの後続又は以前の)容器140内の他のオブジェクト、及び/又は緩衝流体108を、プラズマから保護することができる。オブジェクトをプラズマから保護することで、オブジェクトの耐用寿命を増加させること、及び/又は光源101をより効率的且つ/又は確実に実行させることが可能になる。
図2A~図2Dは、EUV光162を放出するプラズマを生成するためにターゲット120として使用され得る、例示のターゲットを考察する。図3A~図3C、図3E、及び図3Fは、プラズマに関連付け得る指向性フラックスの例を考察する。
図2Aを参照すると、例示的ターゲット220の(方向xに沿って見た)側断面図が示されている。ターゲット220は、システム100においてターゲット120として使用され得る。ターゲット220は、光ビーム210を受け取るターゲット領域230の内部にある。ターゲット220は、プラズマに変換されるときにEUV光を放出する、ターゲット材料(例えば、スズ、リチウム、及び/又はキセノンなど)を含む。光ビーム210は、ターゲット220内のターゲット材料の少なくとも一部をプラズマに変換するのに十分なエネルギーを有する。
例示的ターゲット220は楕円体(3次元楕円)である。言い換えれば、ターゲット220は、楕円の3次元類似体である表面の内部として近似的に画定される容積を占有する。しかしながら、ターゲット220は他の形を有し得る。例えばターゲット220は、球体のすべて又は一部の形状を有する容積を占有し得るか、あるいは、ターゲット220は、明確に画定された縁部を有さない雲のような形などの、任意形状の容積を占有し得る。明確に画定された縁部のないターゲット220の場合、例えばターゲット材料の90%、95%、又はそれ以上を含む容積をターゲット220として扱うことができる。ターゲット220は非対称又は対称であり得る。
加えて、ターゲット220は、ターゲット材料の任意の空間分布を有し得、また非ターゲット材料(プラズマ状態でEUV光を放出しない材料)を含み得る。ターゲット220は、粒子及び/又は部片の系、本来は連続的且つ均質な材料である拡張オブジェクト、粒子の集合(イオン及び/又は電子を含む)、溶融金属、プリプラズマ、及び粒子の連続セグメントを含む材料の空間分布、及び/又は、溶融金属のセグメントであり得る。ターゲット220のコンテンツは、任意の空間分布を有し得る。例えばターゲット220は、1つ以上の方向に均質であり得る。いくつかの実施例において、ターゲット220のコンテンツはターゲット220の特定部分に集中しており、ターゲット220は不均一な質量分布を有する。
ターゲット材料は、ターゲット物質及び非ターゲット粒子などの不純物を含む、ターゲット混合物とすることができる。ターゲット物質は、プラズマ状態の時にEUVレンジ内に輝線を有する物質である。ターゲット物質は、例えば、液体又は溶融金属の液滴、液体ストリームの一部、固体粒子又はクラスタ、液体の液滴に含まれる固体粒子、ターゲット材料の発泡体、あるいは、液体ストリームの一部に含まれる固体粒子とすることができる。ターゲット物質は、例えば、水、スズ、リチウム、キセノン、又は、プラズマ状態に変換されるとき、EUVレンジ内に輝線を有する任意の材料とすることができる。例えば、ターゲット物質は、純スズ(Sn)として、例えばSnBr4、SnBr2、SnH4などのスズ化合物として、例えばスズガリウム合金、スズインジウム合金、スズインジウムガリウム合金、又はこれらの合金の任意の組み合わせなどの、スズ合金として使用可能な、スズ元素とすることができる。更に、不純物のない状況では、ターゲット材料はターゲット物質のみを含む。
図2Aに示されるターゲット220の側断面図は、楕円全体に及ぶ最長距離に等しい長さを有する長軸と、主軸に対して垂直な短軸とを備える、楕円である。ターゲット220は、方向221に沿って延在する第1の範囲222と、方向221に対して垂直な方向223に沿って延在する第2の範囲224とを有する。例示的ターゲット220の場合、範囲222及び方向221はそれぞれ短軸の長さ及び方向であり、範囲224及び方向223はそれぞれ長軸の長さ及び方向である。
同じく図2Bを参照すると、方向221に沿って見た、ターゲット220の正面断面図が示されている。ターゲット220は、方向223に延在し、範囲224を有する長軸を備えた、楕円形状の正面断面を有する。ターゲット220の正面断面は、方向225に第3の寸法の範囲226を有する。方向225は方向221及び223に対して垂直である。
図2Aを参照すると、ターゲット220の範囲224は光ビーム210の伝搬の方向212に対して傾斜している。同じく図2Cを参照すると、範囲224の方向223は、光ビーム210の伝搬の方向212と共に角度227を形成する。角度227は、光ビーム210が方向212に進行し、ターゲット220にぶつかる際に、光ビーム210に対して測定される。角度227は0~180度であり得る。図2A及び図2Cにおいて、ターゲット220は、方向212に対して90度未満で、方向223に対して傾斜している。図2Dは、角度227が90度から180度の間である例を示す。
前述のように、ターゲット220は楕円に加えて他の形も有し得る。容積を占有するターゲットの場合、ターゲットの形状は3次元の形であるものと見なし得る。形は、それぞれ3つの相互に直交する方向221、223、225に沿って延在する、3つの範囲222、224、226で記述され得る。範囲222、224、226の長さは、方向221、223、225のうちの1つに対応する特定の方向で、形の1つの縁部から形の別の側の縁部まで、形を横切る最長の長さであり得る。範囲222、224、226及びそれらのそれぞれの方向221、223、225は、ターゲット220の外観検査から決定又は推定され得る。例えばターゲット220は、システム100においてターゲット120として使用され得る。これらの実施例において、ターゲット220の外観検査は、例えば、ターゲットがターゲット材料供給装置116を離れ、ターゲット領域130へと進行する際に(図1)、ターゲットをイメージングすることによって生じ得る。
いくつかの実施例において、方向221、223、225は、ターゲット220の質量中心を通過し、ターゲット220に対する慣性の主軸に対応する、相互に直交する軸であると見なされ得る。ターゲット220の質量中心は、ターゲット220の質量の相対的位置がゼロである、空間内の地点である。言い換えれば、質量中心は、ターゲット220を作り上げている材料の平均位置である。質量中心は、必ずしもターゲット220の幾何的中心とは一致しないが、ターゲットが均質であり対称な容積である場合は一致する可能性がある。
ターゲット220の質量中心は、ターゲット220内の空間分布の不均衡の測度である、慣性乗積の関数として表され得る。慣性乗積はマトリクス又はテンソルとして表され得る。3次元オブジェクトの場合、慣性乗積がゼロの、質量中心を通過する3本の相互に直交する軸が存在する。すなわち、慣性乗積は、質量がその方向に沿って延在するベクトルの両側で等しく均衡がとれている方向に沿うものである。慣性乗積の方向は、3次元オブジェクトの慣性の主軸と呼ばれることがある。方向221、223、225は、ターゲット220の慣性の主軸であり得る。実施例において、方向221、223、225は、ターゲット220についての慣性乗積の慣性テンソル又はマトリクスの固有ベクトルである。
範囲222、224、226は、慣性乗積の慣性テンソル又はマトリクスの固有値から決定され得る。
いくつかの実施例において、ターゲット220は、およそ2次元オブジェクトと見なされ得る。ターゲット220が2次元であるとき、ターゲット220は、2本の直交主軸及び主軸の方向に沿った2つの範囲を用いてモデル化され得る。代替又は追加として、3次元ターゲットの場合、2次元ターゲットについての範囲及び方向は外観検査を介して決定され得る。
ターゲット220などのターゲットのターゲット材料から形成されるプラズマから放出されるエネルギーの空間分布は、ターゲットの位置決め又は配向、及び/又はターゲット内のターゲット材料の空間分布に依存する。ターゲットの位置は、照射光ビーム及び/又はターゲットの近くのオブジェクトに対する、ターゲットのロケーション、配置、及び/又は配向である。ターゲットの配向は、照射光ビーム及び/又はターゲットの近くのオブジェクトに対する、ターゲットの配置及び/又は角度と見なされ得る。ターゲットの空間分布は、ターゲットのターゲット材料の幾何配置である。
図3Aを参照すると、例示的エネルギー分布364Aが示されている。図3Aの例において、実線はエネルギー分布364Aを示す。エネルギー分布364Aは、ターゲット320A内のターゲット材料から形成されるプラズマから放出されるエネルギーの角度分布である。プラズマから放出されるエネルギーは、軸363に沿った方向にピーク又は最大値を有する。軸363が延在する際に沿う方向(したがって、エネルギーが主に放出される方向)は、ターゲット320Aの位置決め及び/又はターゲット320A内のターゲット材料の空間分布に依存する。ターゲット320Aは、一方向のターゲットの範囲が光ビームの伝搬の方向に対して角度を成すように、位置決めされ得る。別の例において、ターゲット320Aは、光ビームの最も強い部分に対して位置決めされるか、又は、真空チャンバ内のオブジェクトに対して角度のあるターゲットの範囲で位置決めされ得る。エネルギー分布364Aは一例として提供されており、他のエネルギー分布は異なる空間特徴を有し得る。図3B、図3C、図3E、及び図3Fは、空間エネルギー分布の付加的な例を示す。
図3B及び図3Cを参照すると、それぞれ、ピーク(又は最大値)365B、365Cに関して例示的エネルギー分布364B及び364Cが示されている。エネルギー分布364B、364Cは、ターゲット領域330においてz方向に伝搬する光ビーム310と、それぞれ、ターゲット320B、320C内のターゲット材料との間の相互作用によって形成されるプラズマから放出されるエネルギーの空間分布を表す。相互作用は、ターゲット320内のターゲット材料のうちの少なくともいくつかをプラズマに変換する。エネルギー364B及び364Cの空間分布は、プラズマから放出される平均エネルギー又は総エネルギーの角度空間分布を表し得る。
ターゲット320B、320Cのターゲット材料は、x-y面に楕円形断面を備える楕円体(図2A及び図2Bのターゲット220と同様)などの、ディスク様形状に配置される。ターゲット320Bは、y方向に範囲324、及びz方向に範囲322を有する。範囲324は範囲322よりも大きい。図3Bの例において、範囲322は光ビーム310の伝搬の方向と平行であり、ターゲット320は光ビーム310に対して傾斜していない。図3Cの例において、ターゲット320Cは光ビーム310の伝搬の方向に対して傾斜している。ターゲット320Cの場合、範囲324は、光ビーム310の伝搬の方向から角度327で傾斜している方向321に沿っている。範囲322は方向323に沿っている。したがって、図3B及び図3Cの例は、2つの異なる方法で位置決めされたターゲットを示し、エネルギー分布364B及び364Cは、ターゲット位置を変更することによってピーク365B、365Cをどのように移動できるかを示す。
ターゲット材料と光ビーム310との間の相互作用によって形成されるプラズマは、EUV光、粒子、及びEUV光以外の放射を含むエネルギーを放出する。粒子及び放射は、例えば、光ビーム310とターゲット材料との間の相互作用から形成されるイオン(荷電粒子)を含み得る。イオンはターゲット材料のイオンであり得る。例えば、ターゲット材料がスズであるとき、プラズマから放出されるイオンはスズイオンであり得る。イオンは、ターゲット120から相対的に長い距離を進行する高エネルギーのイオン、及び、ターゲット120からより短い距離を進行する相対的に低エネルギーのイオンを含み得る。高エネルギーイオンは、それらの運動エネルギーを、それらを受け取る材料内に熱として伝達し、材料内に熱の局所領域を作成する。高エネルギーイオンは、例えば500電子ボルト(eV)に等しいか又は500電子ボルトよりも大きいエネルギーを有するイオンであり得る。低エネルギーイオンは、500eV未満のエネルギーを有するイオンであり得る。
前述のように、図3B及び図3Cの例示の分布364B及び364Cは、それぞれ、プラズマから放出されるイオンの総エネルギー又は平均エネルギーの空間分布を示すものと見なされ得る。図3Bの例において、イオンの放出によって生じるエネルギーは、y-z面内に分布364Bを有する。分布364Bは、ターゲット320Bの中心に対する角度の関数として、プラズマから放出されるエネルギーの相対量を表す。図3Bの例において、範囲324は、ターゲット領域330での光ビーム310の伝搬の方向に対して垂直であり、最大量のエネルギーはピーク365Bの方向に送出される。図3Bの例において、ピーク365Bは、範囲322に平行であり範囲324に対して垂直な、-z方向である。最低量のエネルギーはz方向に放出され、低エネルギーイオンはz方向に優先的に放出される。
図3Bに対して、ターゲット320C(図3C)の位置は異なる。図3Cの例において、範囲324はビーム310の伝搬の方向に対して角度327で傾斜している。図3Cの例では、総イオンエネルギー又は平均イオンエネルギーのプロファイル364Bも異なり、最大量のエネルギーはピーク365Cに向かって放出される。図3Bの例と同様に、図3Cの例では、イオンは、光ビーム310を受け取り、範囲324に対して垂直な、ターゲット320の側面329から離れて延在する方向に沿って、優先的に放出され得る。側面329は、ターゲット320の任意の他の部分の前に光ビーム310を受け取るターゲット320の一部又は側面、あるいは、光ビーム310からほとんどの放射を受け取るターゲット320Cの一部又は側面である。側面329は「加熱側面」とも呼ばれる。
プラズマから放出される他の粒子及び放射は、y-z面に異なるプロファイルを有し得る。例えばプロファイルは、高エネルギーイオン又は低エネルギーイオンのプロファイルを表し得る。低エネルギーイオンは、高エネルギーイオンが優先的に放出される方向に対向する方向に、優先的に放出され得る。
したがって、ターゲット320B、320C及び光ビーム310の相互作用によって作成されるプラズマは、放射及び/又は粒子の指向性依存フラックスを放出する。放射及び/又は粒子の最高部分が放出される方向は、ターゲット320B、320Cの位置に依存する。ターゲット320の位置又は配向を調整又は変更することによって、最大量の放射及び/又は粒子が放出される方向も変更され、他のオブジェクト上の指向性依存フラックスの加熱効果を最小化又は消去することができる。
プラズマから放出されるエネルギーの空間分布も、ターゲット及び光ビーム310の相対的位置を変更することによって変更され得る。
図3Dは、光ビーム310についての例示的強度プロファイルを示す。強度プロファイル350は、ターゲット領域330における伝搬の方向(方向z)に対して垂直な、x-y面における位置の関数として光ビーム310の強度を表す。強度プロファイルは、軸352に沿ったx-y面内に最大値351を有する。強度は、最大値351の両側で減少する。
図3E及び図3Fは、それぞれ、光ビーム310と相互作用するターゲット320E及びターゲット320Fを示す。ターゲット320E及び320Fは、実質的に球形であり、プラズマ状態の時にEUV光を放出するターゲット材料を含む。ターゲット320E(図3E)は、軸352からx方向に変位したロケーション328Eにある。ターゲット320F(図3F)は、軸352から-x方向に変位したロケーション328Fにある。したがって、ターゲット320E及び320Fは軸352の異なる側にある。軸352に最も近いターゲット320E、320Fの部分(光ビーム310の最強部分)は蒸発し、ターゲット320E、320Fの残りの部分の前にプラズマに変換する。ターゲット320Eから発生するプラズマのエネルギーは、主に、軸352に最も近いターゲット320Eの部分から、軸352に向かう方向に放出される。図示された例において、ターゲット320Eから発生するプラズマから放出されるエネルギーは主に方向363Eに沿って放出され、ターゲット320Fから発生するプラズマから放出されるエネルギーは主に方向363Fに沿って放出される。方向363E、363Fは互いに異なる。したがって、ターゲット及び光ビームの相対的な配置は、プラズマから放出されるエネルギーを特定方向に誘導するためにも使用され得る。加えて、ターゲット320E、320Fは球体として示されているが、他の形状のターゲットは、光ビーム310に対するそれらのロケーションに基づいてプラズマを指向的に放出する。
図3A~図3Cは、プロファイル364A~364Cを、それぞれy-z面において2次元で示している。しかしながら、プロファイル364A~364Cは3次元を占有し得、3次元で容積を掃引し得ることが企図される。同様に、ターゲット320E及び320Fから放出されるエネルギーは、3次元容積を占有し得る。
図4は、EUV光源を使用する間、ターゲットの位置を制御可能なシステム400のブロック図である。図5は、EUV光源を使用する間、ターゲットの位置決めを制御するための、例示的プロセス500のフローチャートである。図6A~図6Cは、ターゲットについてのプロセス500の例を示す。
制御システム470は、真空チャンバ440内のオブジェクト444上で、真空チャンバ440内で発生するプラズマ442の効果を軽減又は消去するために使用される。プラズマ442は、真空チャンバ内のターゲット領域における光ビームとターゲット材料との間の相互作用から生成される。ターゲット材料はターゲットソースから真空チャンバ440内にリリースされ、ターゲット材料は、ターゲットソース(図1のターゲット材料供給装置116など)から軌道に沿ってターゲット領域へと進行する。オブジェクト444は、プラズマ442に対して露光される真空チャンバ440内の任意のオブジェクトとすることができる。例えば、オブジェクト444は、追加のプラズマを生成するための別のターゲット、真空チャンバ440内の光学要素、及び/又は、真空チャンバ440内を流れる流体408とすることができる。
システム400は、真空チャンバ440の内部を監視するセンサ448も含む。センサ448は、真空チャンバ440内、又は真空チャンバ440の外側に位置し得る。例えば、センサ448は、真空チャンバ440の内部の目視観測を可能にするビューポートウィンドウで、真空チャンバの外側に配置され得る。センサ448は、真空チャンバ内のターゲット材料の存在を感知することができる。いくつかの実施例において、システム400は、ターゲット材料の軌道と交差する光ビーム又は光のシートを生成する、付加的光源を含む。光ビーム又は光のシートの光は、ターゲット材料によって散乱され、センサ448は散乱光を検出する。散乱光の検出は、真空チャンバ440内のターゲット材料のロケーションを特定又は推定するために使用され得る。例えば、散乱光の検出は、光ビーム又は光シートが予測されるターゲット材料の軌道と交差するロケーションに、ターゲット材料があることを示す。追加又は代替として、センサ448は光シート又は光ビームを検出するように位置決めされ得、ターゲット材料による光シート又は光ビームの一時的遮断は、光ビーム又は光シートが予測されるターゲット材料の軌道と交差するロケーションに、ターゲット材料があることを示すものとして使用され得る。
センサ448は、カメラ、フォトディテクタ、あるいは、ターゲット材料の軌道と交差する光ビーム又は光シートにおける波長に対して敏感な別のタイプの光センサであり得る。センサ448は、真空チャンバ440の内部の表現(例えば、散乱光の検出を示す表現、又は、光が遮断されていることの指示)を生成し、この表現を制御システム470に提供する。この表現から、制御システム470は、真空チャンバ440内のターゲット材料のロケーションを特定又は推定し、ターゲット材料が真空チャンバ440のある部分内にあることを宣言し得る。光ビーム又は光シートが予測されるターゲット材料の軌道と交差するロケーションは、軌道の任意の部分であり得る。更に、いくつかの実施例において、ターゲット材料が真空チャンバ440の特定の部分内にあることを特定するための他の技法が使用され得る。
システム400は、1つ以上の光ビームを真空チャンバ440に提供するために光発生モジュール480と通信する、制御システム470を含む。図示される例では、光発生モジュール480は、第1の光ビーム410a及び第2の光ビーム410bを真空チャンバ440に提供する。他の例では、光発生モジュール480は、より多くの又はより少ない光ビームを提供可能である。
制御システム470は、真空チャンバ440内でのターゲットの位置決めがターゲットによって変更可能なように、光発生モジュール480から放出される光のパルスの伝搬のタイミング及び/又は方向を制御する。制御システム470は、真空チャンバ440の内部の表現をセンサ448から受け取る。この表現から、制御システム470は、ターゲット材料が真空チャンバ440内に存在するかどうか、及び/又は、真空チャンバ440内のターゲット材料の位置を、決定し得る。例えば、制御システム470は、ターゲット材料が真空チャンバ440の特定のロケーション内、又は真空チャンバ440内の特定のロケーション内にあるものと、決定し得る。ターゲット材料が、真空チャンバ440内又は真空チャンバ440内の特定のロケーション内にあるものと決定された場合、ターゲット材料は検出されるものと見なされ得る。制御システム470は、ターゲット材料の検出に基づいて、光発生モジュール480からパルスを放出させ得る。ターゲット材料の検出は、光発生モジュール480からのパルスの放出時点を決定するために使用され得る。例えば、パルスの放出は、真空チャンバ470の特定部分におけるターゲット材料の検出に基づいて、遅延又は前進させることができる。別の例において、ターゲット材料の検出に基づいて、パルスの伝搬の方向が決定され得る。
制御システム470は、光ビーム制御モジュール471、流れ制御モジュール472、電子ストレージ473、電子プロセッサ474、及び入力/出力インターフェース475を含む。電子プロセッサ474は、汎用又は特定用途向けのマイクロプロセッサなどのコンピュータプログラムの実行に適した1つ以上のプロセッサ、及び、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般に、電子プロセッサは、読み取り専用メモリ又はランダムアクセスメモリあるいはその両方から、命令及びデータを受信する。電子プロセッサ474は、任意のタイプの電子プロセッサとすることができる。
電子ストレージ473は、RAMなどの揮発性メモリ、又は不揮発性メモリとすることができる。いくつかの実施例において、同じく電子ストレージ473は不揮発性及び揮発性の部分又は構成要素を含むことができる。電子ストレージ473は、制御システム470及び/又は制御システム470の構成要素の動作中に使用される、データ及び情報を記憶することができる。例えば、電子ストレージ473は、第1及び第2のビーム410a、410bが真空チャンバ440内の特定ロケーションに伝搬されることが予測される時点を指定するタイミング情報、第1及び/又は第2のビーム410a、410bについてのパルス繰り返し数(第1及び/又は第2のビーム410a、410bがパルス光ビームである実施例の場合)、及び/又は、ターゲットの近く(例えば、ターゲット領域330などのターゲット領域内の)第1及び第2のビーム410a、410bについて伝搬の方向を指定する情報を、記憶することができる。
電子ストレージ473は、実行された場合、プロセッサ474を、制御システム470、光発生モジュール480、及び/又は真空チャンバ440内の構成要素と通信させる命令を、恐らくはコンピュータプログラムとして記憶することも可能である。例えば命令は、電子ストレージ473上に記憶されるタイミング情報によって指定されるある時点で、電子プロセッサ474にトリガ信号を光発生モジュール480に提供させる、命令とすることができる。トリガ信号は、光発生モジュール480に光のビームを放出させることができる。電子ストレージ473上に記憶されるタイミング情報は、センサ448から受信された情報に基づくものであり得、あるいは、タイミング情報は、制御システム470が初期にサービス内に配置されたときに、又は人間のオペレータのアクションを介して、電子ストレージ473上に記憶される、所定のタイミング情報であり得る。
I/Oインターフェース475は、制御システム470が、オペレータ、光発生モジュール480、真空チャンバ440、及び/又は別の電子デバイス上で実行する自動化プロセスとの間で、データ及び信号の受信及び/又は送信できるようにする、任意の種類の電子インターフェースである。例えば、I/Oインターフェース475は、視覚ディスプレイ、キーボード、又は通信インターフェースのうちの1つ以上を含むことができる。
光ビーム制御モジュール471は、光のパルスを真空チャンバ440内に誘導するために、光発生モジュール480、電子ストレージ473、及び/又は電子プロセッサ474と通信する。
光発生モジュール480は、パルス光ビームを生成することが可能な任意のデバイス又は光学ソースであり、そのうちの少なくともいくつかは、ターゲット材料を、EUV光を放出するプラズマに変換するのに十分なエネルギーを有する。追加として、光発生モジュール480は、初期ターゲットを、EUV光を放出するプラズマに変換されるターゲットに形成、位置決め、配向、拡張、又はその他の形で条件付けするために使用される、光ビームなどの、必ずしもターゲット材料をプラズマに変形しない他の光ビームを生成することができる。
図4の例において、光発生モジュール480は、それぞれ、第1及び第2の光ビーム410a、410bを生成する、2つの光サブシステム481a、481bを含む。図4の例において、第1の光ビーム410aは実線で表され、第2の光ビーム410bは破線で表される。光サブシステム481a、481bは、例えば2つのレーザとすることができる。例えば、光サブシステム481a、481bは、2つの二酸化炭素(CO2)レーザとすることができる。他の実施例において、光サブシステム481a、481bは異なるタイプのレーザとすることができる。例えば光サブシステム481aは固体レーザとすることができ、光サブシステム481bはCO2レーザとすることができる。第1及び第2の光ビーム410a、410bのうちのいずれか又は両方を、パルス出力することができる。
第1及び第2の光ビーム410a、481bは、異なる波長を有することができる。例えば、光サブシステム481a、481bが2つのCO2レーザを含む実施例において、第1の光ビーム410aの波長は約10.26マイクロメートル(μm)とすることができ、第2の光ビーム410bの波長は10.18μmから10.26μmの間とすることができる。第2の光ビーム410bの波長は約10.59μmとすることができる。これらの実施例において、光ビーム410a、410bはCO2レーザの異なる線から発生し、結果として、光ビーム410a、410bは、両方のビームが同じタイプのソースから発生する場合であっても、異なる波長を有することになる。光ビーム410a、410bは、異なるエネルギーを有することも可能である。
光発生モジュール480は、第1及び第2のビーム410a、410bをビームパス484上に誘導する、ビームコンバイナ482も含む。ビームコンバイナ482は、第1及び第2のビーム410a、410bをビームパス484上に誘導することが可能な、任意の光学要素又は光学要素の集合とすることができる。例えば、ビームコンバイナ482はミラーの集合とすることが可能であり、そのうちのいくつかは、第1のビーム410aをビームパス484上に誘導するように位置決めされ、そのうちのその他は、第2のビーム410bをビームパス484上に誘導するように位置決めされる。光発生モジュール480は、光発生モジュール480内の第1及び第2のビーム410a、410bを増幅する、前置増幅器483も含むことが可能である。
第1及び第2のビーム410a、410bは、異なる時点でパス484上を伝搬可能である。図4に示される例において、第1及び第2のビーム410a、410bは、光発生モジュール480内のパス484を辿り、両方のビーム410a、410bは光増幅器483を介して実質的に同じ空間領域を横切る。他の例において、ビーム410a及び410bは、2つの異なる光増幅器を介することを含み、異なるパスに沿って進行することができる。
第1及び第2の光ビーム410a、410bは、真空チャンバ440へと誘導される。第1及び第2のビーム410a、410bは、第1のビーム410aは初期ターゲット領域に向けて誘導され、第2のビーム410bはターゲット領域(図1のターゲット領域など)に向けて誘導されるように、ビームデリバリシステム485によって角度分配される。初期ターゲット領域は、第1の光ビーム410aと、第1の光ビーム410aによって条件付けられる初期ターゲット材料とを受け取る、真空チャンバ440内の空間の容積である。ターゲット領域は、第2の光ビーム410bと、プラズマに変換されるターゲットとを受け取る、真空チャンバ440内の空間の容積である。初期ターゲット領域及びターゲット領域は、真空チャンバ440内の異なるロケーションにある。例えば、図1を参照すると、初期ターゲット領域は、初期ターゲット領域がターゲット領域130とターゲット材料供給装置116との間にあるように、ターゲット領域130に対して-y方向に変位可能である。初期ターゲット領域及びターゲット領域は部分的に空間的に重複可能であるか、又は初期ターゲット領域及びターゲット領域は空間的にいかなる重複もなく別個であることが可能である。図14は、第1及び第2の光ビームが真空チャンバ内で互いに変位している例を含む。いくつかの実施例において、ビームデリバリシステム485はまた、初期及び修正済みのターゲット領域の内部又は付近のロケーションに、第1及び第2のビーム410a、410bをそれぞれフォーカスする。
他の実施例において、光発生モジュール480は、第1及び第2の光ビーム410a、410bの両方を発生させる単一光サブシステムを含む。これらの実施例において、第1及び第2の光ビーム410a、410bは、同じ光学ソース又はデバイスによって発生する。しかしながら、第1及び第2の光ビーム410a、410bは、同じ波長又は異なる波長を有することができる。例えば、単一光サブシステムは二酸化炭素(CO2)レーザとすることができ、第1及び第2の光ビーム410a、410bは、CO2レーザの異なる線によって発生可能であり、異なる波長とすることができる。
いくつかの実施例において、光発生モジュール480は第1の光ビーム410aを放出せず、初期ターゲット領域はない。これらの実施例において、ターゲットは、第1の光ビーム410aによって事前に条件付けられることなく、ターゲット領域内で受け取られる。こうした実施例の例が、図17に示されている。
流体408は真空チャンバ440内を流れることができる。また制御システム470は、真空チャンバ440内の流体408の流れを制御し得る。例えば流体408は、水素及び/又は他のガスであり得る。流体408は、オブジェクト444(又は、真空チャンバ440内の複数のオブジェクトがプラズマ442の効果から保護されるべきである場合は、オブジェクト444のうちの1つ)とすることができる。これらの実施例において、制御システム470は、流体408の流れ構成を制御する流れ制御モジュール472を含むこともできる。流れ制御モジュール472は、例えば、流体408の流量及び/又は流向を設定することができる。
光ビーム制御モジュール471は、光発生モジュール480を制御し、第1の光ビーム410aが光発生モジュール480から放出される時点(したがって、第1の光ビーム410aが初期ターゲット領域及びターゲット領域に到達する時点)を決定する。光ビーム制御モジュール471は、第1の光ビーム410aの伝搬の方向を決定することもできる。第1の光ビーム410aのタイミング及び/又は方向を制御することによって、光ビーム制御モジュール471は、ターゲットの位置と、粒子及び/又は放射が主に放射される方向とを、制御することも可能である。
図5及び図6A~図6Cは、プリパルス、又は、EUV光を放出するプラズマにターゲット材料を変換する放射のパルスに先立ってターゲットに到達する光のパルスを用いて、ターゲットを位置決めするための技法を考察する。
図5を参照すると、EUV光を発生させるための例示的プロセス500のフローチャートが示されている。プロセス500は、ターゲット(図1のターゲット120、図2Aのターゲット220、又は図3A及び図3Bのターゲット320など)を傾斜させるためにも使用可能である。ターゲットはターゲット領域で提供される(510)。ターゲットは第1の方向に沿って第1の範囲を有し、第2の方向に沿って第2の範囲を有する。ターゲットは、プラズマに変換されるときにEUV光を放出するターゲット材料を含む。増幅光ビームがターゲット領域に向かって誘導される(520)。
図6A~図6Cはプロセス500の例を示す。下記で考察するように、ターゲット620がターゲット領域630に提供され(図6C)、増幅光ビーム610がターゲット630に向けて誘導される。
図6A及び図6Bを参照すると、例示的波形602が初期ターゲット618をターゲット620に変形する。初期ターゲット618及びターゲット620は、増幅光ビーム610を伴う照射を介してプラズマに変換されるときにEUV光660を放出する(図6C)、ターゲット材料を含む。下記の考察は、初期ターゲット618が溶融金属で作られる液滴であるという例を提供する。例えば、初期ターゲット618は実質的に球形であり、30~35μmの直径を有することができる。しかしながら初期ターゲット618は、他の形を取ることもできる。
図6A及び図6Cは、初期ターゲット618が物理的にターゲット620に変形した後、EUV光660を放出する間の、時間期間601を示す。初期ターゲット618は、波形602に従った時間内に送出される放射との相互作用を介して変形される。図6Bは、図6Aの時間期間601にわたる時間の関数としての、波形602におけるエネルギーのプロットである。初期ターゲット618と比較すると、ターゲット620はz方向よりも小さい範囲を伴う側断面を有する。追加として、ターゲット620はz方向(ターゲット620の少なくとも一部をプラズマに変換する増幅されたビーム610の伝搬の方向612)に対して傾斜される。
波形602は、放射のパルス606(プリパルス606)の表現を含む。プリパルス606は、例えば第1の光ビーム410a(図4)のパルスとすることができる。プリパルス606は、初期ターゲット618上で作用するのに十分なエネルギーを有する任意のタイプのパルス放射とすることが可能であるが、プリパルス606は、EUV光を放出するプラズマに著しい量のターゲット材料を変換することはない。第1のプリパルス606と初期ターゲット618との相互作用によって、初期ターゲット618をディスクにより近い形状に変形することができる。約1~3マイクロ秒(μs)の後、この変形した形状は、ディスク形状の部片又は溶融金属の形に拡張する。増幅光ビーム610は、メインビーム又はメインパルスと呼ぶことができる。増幅光ビーム610は、ターゲット620内のターゲット材料を、EUV光を放出するプラズマに変換するのに十分なエネルギーを有する。
プリパルス606及び増幅光ビーム610は、遅延時間611によって時間的に分離されており、増幅光ビーム610は、プリパルス606の後の時点t2で発生する。プリパルス606は時点t=t1で発生し、パルス持続時間615を有する。パルス持続時間615は、パルスがパルスの最大強度の少なくとも半分の強度を有する時間量である、半値全幅によって表すことができる。しかしながら、パルス持続時間615を決定するために他のメトリクスを使用することも可能である。
ターゲット620をターゲット領域630に提供する技法を考察する前に、プリパルス606を含む放射のパルスと初期ターゲット618との相互作用の考察が提供される。
レーザパルスが金属のターゲット材料液滴にぶつかる(当たる)時、パルスの立ち上がりエッジは、反射金属である液滴の表面を見る(液滴の表面と相互作用する)。パルスの立ち上がりエッジは、パルスの任意の他の部分より前に、最初にターゲット材料と相互作用するパルスの一部である。初期ターゲット618は、パルスの立ち上がりエッジにおいてエネルギーのほとんどを反射し、わずかに吸収する。吸収される少量の光は、液滴の表面を加熱し、蒸発して、表面を融除する。液滴の表面から蒸発するターゲット材料は、表面の近くに電子及びイオンの雲を形成する。放射のパルスがターゲット材料の液滴上にぶつかり続ける間、レーザパルスの電場は雲中の電子を移動させることができる。移動する電子は付近のイオンと衝突し、雲中の電子とイオンの密度の積におよそ比例するレートでの運動エネルギーの伝達を介してイオンを加熱する。イオンに当たる移動電子とイオンの加熱との組み合わせを介して、雲はパルスを吸収する。
雲がレーザパルスの後の部分に曝される間、雲中の電子は移動及びイオンとの衝突を続け、雲中のイオンは加熱し続ける。電子は拡散し、ターゲット材料の液滴(又は雲の下にあるバルク材料)の表面に熱を伝達し、更にターゲット材料の液滴の表面を蒸発させる。雲中の電子密度は、ターゲット材料の液滴の表面に最も近い雲の部分において増加する。雲は、電子密度が増加して、雲の一部がレーザパルスを吸収する代わりにこれを反射することになる地点に到達することができる。
図6Cも参照すると、初期ターゲット618は初期ターゲット領域631で提供される。初期ターゲット618は、例えば、ターゲット材料供給装置116(図1)からターゲット材料をリリースすることによって、初期ターゲット領域631で提供することができる。図に示された例において、プリパルス606は初期ターゲット618に当たり、初期ターゲット618を変形し、変形された初期ターゲットを経時的にターゲット領域630内へとドリフト又は移動させる。
初期ターゲット618上のプリパルス606の力によって、初期ターゲット618を、ターゲット材料の幾何分布652へと物理的に変形させる。幾何分布652は、イオン化されていない材料(プラズマでない材料)を含むことができる。幾何分布652は、例えば、液体又は溶融金属のディスク、空隙又は実質的なギャップを有さないターゲット材料の連続セグメント、マイクロ粒子又はナノ粒子の霧、又は、原子蒸気の雲とすることができる。幾何分布652は、遅延時間611の間、更に拡張し、ターゲット620になる。初期ターゲット618の拡散は、3つの効果を有する可能性がある。
第1に、初期ターゲット618と比較すると、プリパルス606との相互作用によって発生するターゲット620は、放射の接近するパルス(増幅光ビーム610など)に対してより大きなエリアを提示する形を有する。ターゲット620は、y方向に、初期ターゲット618のy方向の断面直径よりも大きな断面直径を有する。追加として、ターゲット620は、ターゲット620での増幅光ビーム610の伝搬方向(612又はz)に、初期ターゲット618より薄い厚みを有することができる。ターゲット620のz方向の相対的な薄さによって、増幅光ビーム610は、ターゲット618内にあるより多くのターゲット材料を照射することができる。
第2に、空間内での初期ターゲット618の拡散により、増幅光ビーム610によるプラズマの加熱中、材料密度が過度に高い領域の発生を最小限にするか又は減少させることができる。材料密度が過度に高いこうした領域は、発生するEUV光を遮断することができる。レーザパルスによって照射される領域全体を通じてプラズマ密度が高い場合、レーザパルスの吸収は、レーザパルスを最初に受け取る領域の部分に限定される。この吸収によって発生する熱は、増幅光ビーム610の有限持続時間中、有意な量のバルクターゲット材料を利用(例えば、蒸発及び/又はイオン化)するのに十分長いターゲット材料表面の蒸発及び加熱のプロセスを維持するには、バルクターゲット材料から離れ過ぎている可能性がある。
領域が高い電子密度を有するインスタンスにおいて、光パルスは光パルスが反射されるほど電子密度が高い「臨界表面」に到達するまで、領域のごく一部を浸透するのみである。光パルスは領域のそうした部分に進行することはできず、それらの領域内のターゲット材料からわずかなEUV光が発生する。高プラズマ密度の領域は、EUV光を放出する領域の部分から放出されるEUV光を遮断することも可能である。したがって、領域から放出されるEUV光の総量は、領域に高プラズマ密度の部分がない場合よりも少ない。したがって、初期ターゲット618をより大容量のターゲット620内に拡散させることは、入射光ビームが、反射される前にターゲット620内のより多くの材料に到達することを意味する。これにより、生成されるEUV光の量を増加させることができる。
第3に、プリパルス606と初期ターゲット618との相互作用は、増幅光ビーム610の伝搬の方向612に関して角度627で傾斜されたターゲット領域630に、ターゲット620を到達させる。初期ターゲット618は質量中心619を有し、プリパルス606は、プリパルス606内の大部分が質量中心619の一方の側に向かうように、初期ターゲット618に当たる。プリパルス606は初期ターゲット618に力を印加し、力が質量中心619の一方の側にあるため、初期ターゲット618は、プリパルス606が質量中心619にある初期ターゲット618に当たった場合のターゲットとは異なる軸のセットに沿って拡張する。初期ターゲット618は、プリパルス606がヒットする方向に沿って平坦になる。したがって、中心を外れるか又は質量中心619から離れて初期ターゲット618に当てることで、傾斜が生成される。例えば、プリパルス606が質量中心619から離れた初期ターゲット618と相互作用する場合、初期ターゲット618はx軸に沿って拡張せず、代わりに、ターゲット領域630に向かって移動する間、y軸に対して角度641で傾斜したy’軸に沿って拡張する。したがって、時間期間が経過した後、初期ターゲット618は、拡張された容積を占有し、増幅光ビーム610の伝搬の方向612に関して角度627で傾斜する、ターゲット620に変形する。
図6Cは、ターゲット620の側断面を示す。ターゲット620は、方向621に沿った範囲622と、方向621と直交する方向623に沿った範囲624を有する。範囲624は範囲622よりも大きく、範囲624は、増幅光ビーム610の伝搬の方向612と角度627を形成する。ターゲット620は、ターゲット620の一部が増幅光ビーム610の焦点面内にあるように配置可能であるか、又はターゲット620は焦点面から離れて配置可能である。いくつかの実施例において、増幅光ビーム610はガウスビームとして近似可能であり、ターゲット620は増幅光ビーム610の焦点深度の外側に配置可能である。
図6Cに示された例において、プリパルス606の大部分の強度は質量中心619の上の(-y方向にオフセットされた)初期ターゲット618に当たり、初期ターゲット618内のターゲット材料をy’軸に沿って拡張させる。しかしながら、他の例では、プリパルス606は質量中心619の下に(y方向にオフセットされて)印加可能であり、ターゲット620をy’軸に比べて反時計回りの軸(図示せず)に沿って拡張させる。図6Cに示される例において、初期ターゲット618は、y方向に沿って進行しながら初期ターゲット領域631を介してドリフトする。したがって、プリパルス606が入射する初期ターゲット618の一部は、プリパルス606のタイミングを用いて制御可能である。例えば、プリパルス606を図6Cに示される例よりも早い時点でリリースすること(すなわち、図6Bの遅延時間611を増加させること)により、プリパルス606を初期ターゲット618のより低い部分に当てることになる。
プリパルス606は、ターゲット620を形成するために初期ターゲット618に対して作用可能な任意のタイプの放射とすることができる。例えば、プリパルス606は、レーザによって発生するパルス光ビームとすることができる。プリパルス606は、1~10μmの波長を有することができる。プリパルス606の持続時間612は、例えば、20~70ナノ秒(ns)、1ns未満、300ピコ秒(ps)、100~300psの間、10~50psの間、又は10~100psの間とすることができる。プリパルス606のエネルギーは、例えば、15~60ミリジュール(mJ)、90~110mJ、又は20~125mJとすることができる。プリパルス606が1ns又は1ns未満の持続時間を有する場合、プリパルス606のエネルギーは2mJとすることができる。遅延時間611は、例えば、1~3ミリ秒(μs)とすることができる。
ターゲット620は、例えば、200~600μm、250~500μm、又は300~350μmの直径を有し得る。初期ターゲット618は、例えば70~120メートル毎秒(m/s)の速度で、初期ターゲット領域631に向かって進行し得る。初期ターゲット618は、70m/s又は80m/sの速度で進行し得る。ターゲット620は、初期ターゲット610よりも速いか又は遅い速度で進行し得る。ターゲット620は、初期ターゲット610よりも20m/s速いか又は遅い速度で、ターゲット領域630に向かって進行し得る。いくつかの実施例において、ターゲット620は、初期ターゲット610と同じ速度で進行する。ターゲット620の速度に影響を与える要因は、ターゲット620のサイズ、形状、及び/又は角度を含む。y方向のターゲット領域630での光ビーム610の幅は、200~600μmであり得る。いくつかの実施例において、y方向の光ビーム610の幅は、ターゲット領域630でのy方向のターゲット620の幅と、ほぼ同じである。
波形602は時間の関数としての単一波形として示されているが、波形602の様々な部分は異なるソースによって生成可能である。更に、プリパルス606は方向612に伝搬しているように示されているが、これは必ずしも当てはまらない。プリパルス606は別の方向で伝搬可能であり、依然として初期ターゲット618を傾斜させる。例えばプリパルス606は、z方向に対して角度627の方向で伝搬可能である。プリパルス606がこの方向で進行し、質量中心619で初期ターゲット618に激突する場合、初期ターゲット618はy’軸に沿って拡張し、傾斜される。したがって、いくつかの実施例において、初期ターゲット618は、中心又は質量中心619で初期ターゲット618に当たることによって、増幅光ビーム610の伝搬の方向に対して傾斜させることができる。このように初期ターゲット618に当たることで、初期ターゲット618を平坦にするか、又は、プリパルス606が伝搬する方向に対して垂直な方向に沿って拡張させ、したがって初期ターゲット618をz軸に対して角度を付けさせるか又は傾斜させる。追加として、他の例では、プリパルス606は他の方向に(例えば、図6Cのページから外へ又はx軸に沿って)伝搬可能であり、初期ターゲット618を平坦にし、z軸に対して傾斜させる。
前述のように、プリパルス606が初期ターゲット618に激突することで、初期ターゲット618を変形させる。初期ターゲット618が溶融金属の液滴である実施例において、激突は初期ターゲット618をディスクと同様の形状に変形させ、ディスクは遅延時間611にわたってターゲット620へと拡張する。ターゲット620はターゲット領域630内に到達する。
図6Cは初期ターゲット618が遅延611にわたってターゲット620に拡張する実施例を示しているが、他の実施例では、必ずしも遅延611を使用することなく、プリパルス606及び初期ターゲット618の空間位置を互いに対して調整することによって、ターゲット620は傾斜され、プリパルス606の伝搬の方向に対して直角の方向に沿って拡張される。この実施例において、プリパルス606及び初期ターゲット618の空間位置は、互いに対して調整される。この空間オフセットにより、プリパルス606と初期ターゲット618との間の相互作用は、初期ターゲット618を、プリパルス606の伝搬方向に対して直角な方向に傾斜させる。例えばプリパルス606は、増幅光ビーム610の伝搬の方向に対して、初期ターゲット618を拡張及び傾斜させるために、図6Cのページ内へと伝搬可能である。
図8は、液滴のストリーム内の少なくとも2つのターゲットの位置を異なるものにする例を考察する。図8に進む前に、図7A及び図7Bは、ターゲットの位置が経時的に同じままである(すなわち、ターゲット領域内に到達する各ターゲットが、真空チャンバ内で実質的に同じ配向及び/又は位置を有する)システムの例を提供する。
図7A及び図7Bを参照すると、例示的真空チャンバ740の内部が2回示されている。図7A及び図7Bの例は、ターゲット領域に入るターゲットの位置が制御システム470によって経時的に変動又は変化しないときの、真空チャンバ740内のオブジェクト上のプラズマに関連付けられた粒子及び/又は放射の指向性依存フラックスの効果を示している。図7A及び図7Bの例において、オブジェクトは、流体708及びストリーム722内のターゲット720である。
流体708は、ターゲット領域730と光学要素755との間にあり、また、光学要素755をプラズマから保護する緩衝として作用することが意図されている。流体708は、例えば水素などのガスであり得る。流体708は、流体デリバリシステム704によって真空チャンバ740内に導入され得る。流体708は、流体708の意図された特徴を記述する流れ構成を有する。流れ構成は、流体708が光学要素755を保護するように、意図的に選択される。流れ構成は、例えば、流体708の流量、流向、流れロケーション、及び/又は、圧力又は密度によって定義され得る。図7Aの例において、流れ構成は、結果として、ターゲット領域730と光学要素755との間の領域を流れ、ターゲット領域730と光学要素755との間に均一な容積のガスを形成する、流体708を生じさせる。流体708は任意の方向に流れ得る。図7Aの例において、流体708は流れ構成に基づいてy方向に流れる。
図7Bも参照すると、ターゲット720と光ビーム710との間の相互作用が、粒子及び/又は放射の指向性依存フラックスを生成する。粒子及び/又は放射の分布は、プロファイル764によって表される(図7B)。分布プロファイル764は、ターゲット領域730内でプラズマに変換される各ターゲット720について、実質的に同じ形状及び位置である。プラズマから放出される粒子及び/又は放射は流体708に入り、流れ構成を変化させ得る。これらの変化は、結果として、光学要素755の破損及び/又は軌道723の変化を生じさせる可能性がある。
例えば、上記で考察したように、粒子及び/又は放射の指向性依存フラックスは、ターゲット720の位置によって決定される方向に主に放出される高エネルギーイオンを含み得、ターゲット720の位置は、図7A及び図7bの例の場合、ターゲット領域730に入るすべてのターゲットについて一定に維持される。プラズマからリリースされる高エネルギーイオンは流体708内を進行し、光学要素755に到達する前に、流体708によって停止され得る。流体内で停止したイオンは、運動エネルギーを熱として流体708内へと伝達する。高エネルギーイオンの大半は同じ方向に放出され、ほぼ同じ距離を流体708内へと進行するため、高エネルギーイオンは、残りの流体708よりも高温の加熱された局所容積757を流体708内に形成することができる。流体708の粘度は温度と共に増加する。したがって、加熱された局所容積757内の流体の粘度は、周囲の流体708の粘度よりも高い。より高い粘度により、容積757に向かって流れる流体は、容積757において周囲の領域よりも大きな抵抗を受ける。結果として、流体は、容積757の周辺を流れ、流体708の意図される流れ構成から逸脱する傾向がある。
追加として、加熱された局所容積757が金属イオン堆積物から生じるインスタンスにおいて、容積757は、イオンを生成する大量の金属材料を含むガスを含み得る。これらのインスタンスにおいて、プロファイル764の方向が経時的に一定に維持される場合、容積757内の金属材料の量は非常に多くなり、流れる流体708はもはや金属材料を容積757から遠くへ搬送することができなくなる。流体708がもはや金属材料を容量757から遠くへ搬送することができなくなったとき、金属材料は容積757から漏出し、光学要素755の領域756に激突して、結果的に光学要素755の領域756に汚染物を生じさせる可能性がある。領域756は、「汚染領域」と呼ぶことができる。
図7Cも参照すると、光学要素755が示されている。光学要素755は、反射表面759と、光ビーム710が伝搬する際に介するアパーチャ758とを含む。汚染領域756は、反射表面759の一部上に形成される。汚染領域756は、任意の形状とすることが可能であり、反射表面759の任意の部分を覆うことが可能であるが、反射表面759上の汚染領域756のロケーションは、粒子及び/又は放射の指向性フラックスの分布に依存する。
図7Bを参照すると、加熱された局所容積757の存在は、軌道723上を進行するターゲット上のドラッグの量を変化させることによって、軌道723のロケーション及び/又は形状も変化させ得る。図7Bに示されるように、加熱された局所容積757が存在する場合、ターゲット720は、予測される軌道723とは異なる軌道723B上を進行し得る。変化した軌道723B上を進行することによって、ターゲット720は、誤った時点に(例えば、光ビーム710又は光ビーム710のパルスがターゲット領域730内にないとき)ターゲット領域730内に到達する可能性、及び/又は、ターゲット領域730にまったく到達しない可能性があり、EUV光の生成を減少させるか又は生成しないことになる。
したがって、粒子及び/又は放射の指向性フラックスによって発生する熱は、空間的に分配することが望ましい。図8を参照すると、ターゲット領域内に到達するターゲットの位置を、ターゲット領域内に到達する他のターゲットの位置と比較して変動させるための、例示的プロセス800が示されている。このように、ターゲット位置は経時的に変動するものと見なされ、ターゲットのいずれかの位置は他のターゲットの位置と異なる可能性がある。様々なターゲットの位置を変動させることによって、プラズマによって生成される熱が空間的に拡散され、それによって真空チャンバ内のオブジェクトをプラズマの効果から保護する。プロセスは、制御システム470(図4)によって実行可能である。プロセス800は、EUV光源の真空チャンバなどの、内部でプラズマが形成される真空チャンバ内の1つ以上のオブジェクト上でプラズマの効果を軽減させるために使用可能である。例えば、プロセス800を使用して、真空容器140(図1)、440(図4)、又は740(図7)内のオブジェクトを保護することができる。
図9A~図9Cは、ターゲット720の位置を変動させることによって、流体708(流体708を意図される流れ構成内に維持することを保証することによる)及び光学要素755を保護するために、プロセス800を使用する例である。プロセス800を使用して、真空チャンバ内の任意のオブジェクトをプラズマの効果から保護することが可能であるが、プロセス800は、図9A~図9Cに関して例示の目的で考察される。
第1のターゲットが真空チャンバの内部に提供される(810)。図9Aも参照すると、時点t1において、ターゲット720Aはターゲット領域730に提供される。ターゲット720Aはターゲット720(図7A)のインスタンスである。ターゲット720Aは第1のターゲットの例である。ターゲット720Aは、幾何分布で配置されるターゲット材料を含む。ターゲット材料は、プラズマ状態の時にEUV光を放出し、EUV光以外の粒子及び/又は放射も放出する。ターゲット720A内のターゲット材料の幾何分布は、第1の方向に第1の範囲を有し、第1の方向に対して垂直な第2の方向に第2の範囲を有する。第1の範囲及び第2の範囲は異なることが可能である。図9Aを参照すると、ターゲット720Aはy-z面内に楕円断面を有し、第1及び第2の範囲のうちの大きい方は方向923Aに沿っている。下記で考察するように、ターゲット720のインスタンス720B及び720Cは、後の時点t2及びt3(それぞれ、図9B及び図9C)で、時点t1(図9A)でのインスタンス720Aとは異なる位置を有する。ターゲット720B及び720Cは、ターゲット720Aと実質的に同じターゲット材料の幾何分布を有する。しかしながら、ターゲット720A、720B、720Cの位置は異なる。図9Bに示されるように、時点t2において、ターゲット720Bは、方向923Aとは異なる方向923Bに沿って、より大きな範囲を有する。時点t3(図9C)において、ターゲット720Cは、923A及び923Bとは異なる方向923Cに沿って、より大きな範囲を有する。
ターゲット720A、720B、720Cのいずれかをターゲット領域730に提供することは、ターゲットがターゲット領域730に到達する前にターゲットを形状化、位置決め、及び/又は配向することを含み得る。例えば、また図10A及び図10Bも参照すると、ターゲット材料供給装置716は、初期ターゲット1018を初期ターゲット領域1031に提供することが可能である。図10A及び図10Bの例において、初期ターゲット領域1031はターゲット領域730とターゲット材料供給装置716との間にある。図10Aの例ではターゲット920Aが形成される。図10Bの例ではターゲット920Bが形成される。ターゲット920A及び920Bは同様であるが、下記で考察するように、真空チャンバ内で異なる位置に位置決めされる。
図10Aを参照すると、制御システム470は、第1の光ビーム410aのパルスを初期ターゲット領域1031に向けて伝搬させる。制御システム470は、初期ターゲット1018は初期ターゲット領域1031内にあるが、第1の光ビーム410aは質量中心1019の上の(-y方向に変位された)初期ターゲットに当たるように位置決めされているときに、第1の光ビーム410aが初期ターゲット領域1031内に到達するような時点に、第1の光ビーム410aのパルスを放出させる。例えば、制御システム470は、真空チャンバ740の内部の表現をセンサ448(図4)から受け取り、初期ターゲット1018が初期ターゲット領域1031の近く又は初期ターゲット領域1031内にあることを検出し、検出に基づいて、第1の光ビーム410aが質量中心1019に対して-y方向に変位されるように、第1の光ビーム410aのパルスを放出させることができる。初期ターゲット1018は垂直方向に沿った第1及び第2の範囲を形成するように拡張し、これら2つの範囲のうちの大きい方は、方向1023Aに延在する。
図10Bを参照すると、次のターゲット(後で初期ターゲット領域1031内に到達するターゲット)の位置を変更するために、制御システム400は、次の初期ターゲット1018は領域1031内にあり、第1の光ビーム410aは質量中心1019の下の(y方向に変位された)初期ターゲット1018に当たるように位置決めされているときに、第1の光ビーム410aが初期ターゲット領域1031内に到達するような時点に、第1の光ビーム410aの別のパルスを光発生モジュール480から放出させる。例えば、制御システム470は、真空チャンバ740の内部の表現をセンサ448(図4)から受け取り、次の初期ターゲット1018が初期ターゲット領域1031の近く又は初期ターゲット領域1031内にあることを検出し、検出に基づいて、第1の光ビーム410aが質量中心1019に対してy方向に変位されるように、第1の光ビーム410aのパルスを放出させることができる。次の初期ターゲット1018は垂直方向に沿った第1及び第2の範囲を形成するように拡張し、これら2つの範囲のうちの大きい方は、方向1023Aとは異なる方向1023Bに延在する。
光ビームが質量中心1019で初期ターゲット1018に当たるのに比べて、制御システム470は、光ビーム410a又は光ビーム410aのパルスを、ターゲット920Aの大きい方の範囲を方向1023A(図10A)に沿って配向するために早く到達させ、ターゲット920Bの大きい方の範囲を方向1023B(図10B)に沿って配向するために後で到達させる。
したがって、ターゲットがターゲット領域730内に到達する前に、制御システム470で制御されるタイミングで光ビームを用いて初期ターゲットを照射することによって、ターゲットを位置決めすることができる。他の実施例において、ターゲットは、第1の光ビーム410aの伝搬の方向を変更することによって位置決めすることができる。追加として、いくつかの実施例において、初期ターゲットを使用せずに特定の配向で(及び、配向はターゲットによって変動可能である)、ターゲットをターゲット領域730に提供することが可能である。例えば、ターゲットは、ターゲット材料供給装置716の操作を介して配向すること、及び/又は、ターゲット材料供給装置716からリリースされる前に形成することが、可能である。
図8及び図9Aに戻ると、光ビーム710はターゲット領域730に誘導される(820)。光ビーム710は、ターゲット720A内のターゲット材料のうちの少なくとも一部をプラズマに変換するのに十分なエネルギーを有する。プラズマはEUV光を放出し、粒子及び/又は放射も放出する。粒子及び/又は放射は非等方的に放出され、主に、第1のピーク965A(図9A)に向けて、特定の方向に放出される。
第1のターゲットの第1及び第2の範囲は、真空チャンバ内の別々且つ別個のオブジェクトに対して位置決めされる。例えば図9Aのターゲット720Aは、y-z面内に楕円形状の断面を有し、y-z面内に方向923Aの最大範囲を有する。方向923A(及び、方向923Aに対して垂直な方向)は、ウィンドウ714の表面法線に関して角度を形成する。このように、ターゲット720Aはウィンドウ714に対して位置決め又は角度付けされるものと見なすことができる。別の例では、方向923Aは、ラベル909でマーク付けされた流体408内の空間に対して角度を形成する。更に別の例では、方向923Aは、光学要素755上の(ラベル956でマーク付けされた)領域において、表面法線と角度を形成する。
上記で考察したように、ピーク965Aのロケーションはターゲット920の位置に依存する。したがって、ピーク965Bのロケーションは、ターゲット920の位置を変更することによって変更可能である。
第2のターゲットが真空チャンバ740の内部に提供される(830)。第2のターゲットは第1のターゲットとは異なる位置を有する。図9Bを参照すると、時点t2において、ターゲット720Bはy-z面内に楕円断面を有し、楕円は長軸を有する。y-z面内の第2のターゲットの最大の範囲は、方向923Bで長軸に沿っている。方向923Bは方向923Aとは異なる。したがって、第1のターゲットと比較すると、第2のターゲットはウィンドウ714及び真空チャンバ740内の他のオブジェクトに対して、異なる位置に位置決めされる。この例では、方向923Bはz方向に対して垂直である。ターゲット720Bは、例えば、第1の光ビーム410aがその質量中心で初期ターゲット(図10A及び図10Bの初期ターゲット1018など)に当たるような時点で、第1の光ビーム410aを放出するように、光ビーム制御モジュール471を制御することによって、方向923Bに、より大きな範囲を有するように位置決めすることができる。
光ビーム710は、第2のターゲットから第2のプラズマを形成するために、ターゲット領域730に向けて誘導される(840)。第2のターゲットの位置は第1のターゲットの位置とは異なるため、第2のプラズマは主に、ピーク965Aとは異なるロケーションにあるピーク965Bに向けて、粒子及び/又は放射を放出する。
したがって、制御システム470を用いてターゲットの位置を経時的に制御することによって、プラズマから粒子及び放射が放出される方向も制御することができる。
プロセス800は2つより多くのターゲットに適用可能であり、またプロセス800は、真空チャンバ740の動作中にターゲット領域730に入るターゲットのうちのいずれか又はすべての位置を決定するために適用可能である。例えば、図9Cに示されるように、ターゲット領域730内のターゲット720Cは、時点t3において、ターゲット720A及び720Bとは異なる位置を有する。時点t3でターゲット720Cから形成されるプラズマは、主にピーク965Cに向けて粒子及び/又は放射を放出する。ピーク965Cは、真空チャンバ740においてピーク965A及び965Bとは異なる位置にある。したがって、ターゲットの配向又は位置の変動を経時的に続行することで、プラズマの加熱効果を更に広げることができる。例えば、ピーク965Aは909とラベル表示された流体708の領域を指しているが、ピーク965B及び965Cは指していない。他の例では、ピーク965Cは光学要素755上の領域956を指しているが、ピーク965A及び965Bは指していない。このようにして、領域956が汚染されるのを回避することができる。
プロセス800を使用して、ターゲット領域730に入るターゲットの位置を連続的に変化させることができる。例えば、ターゲット領域730内の任意のターゲットの位置を、ターゲットの直前及び/又はターゲットの直後の位置とは異なるものとすることができる。他の例では、ターゲット領域730に到達する各ターゲットの位置は、必ずしも異なっていない。これらの例において、ターゲット領域730内の任意のターゲットの位置は、ターゲット領域730内の少なくとも1つの多のターゲットの位置とは異なることが可能である。更に、位置の変化は、特定のオブジェクトに対する角度と共に増分することが可能であり、最大及び/又は最小角度に達するまで各変化と共に増加又は減少する。他の実施例において、ターゲット領域730に達する様々なターゲットの間での位置の変化は、ランダム又は疑似ランダムな角度変動量であり得る。
更に、また図10Cを参照すると、ピーク指向性フラックスが放出される際に沿う方向が、真空容器740内の3次元領域を掃引するように、ターゲットの位置を変化させることができる。図10Cは、ターゲット領域730から見た(-z方向に見た)光学要素755のビューを示し、ピーク指向性フラックスが経時的に放出される際に沿う方向は、パス1065によって表されている。指向性フラックスは必ずしも光学要素755に到達していないが、パス1065は、ターゲット領域730内に経時的に入るターゲットは互いに異なる位置を有することが可能であり、位置が異なることによって、結果としてピーク放出方向が真空容器740内の3次元領域を掃引することになる。
追加として、プロセス800は、任意のターゲットの位置決めが、結果として必ずしも直前及び/又は直後のターゲットの位置決めとは異なるものとはならないレートで、ターゲット領域730に入るターゲットの位置を変化させることが可能であるが、動作条件又は望ましい動作パラメータに基づいて、真空チャンバ内のオブジェクトへの損傷を防止するレートで、ターゲット領域730に入るターゲットの位置を変化させる。
例えば、高エネルギーイオン堆積物から光学要素755を保護するために必要な流体708の量及び流体708の流量は、真空チャンバ内でのプラズマ発生の持続時間に依存する。図11は、最低許容流体流とEUV放出持続時間との間の関係の、例示的プロット1100である。EUV放出持続時間は、EUVバースト持続時間とも呼ばれ、EUVバーストは、複数の連続するターゲットをプラズマに変換することから形成可能である。プロット1100のy軸は流体の流量であり、プロット1100のx軸は真空チャンバ740内で発生するEUV光バーストの持続時間である。プロット1100のx軸は対数スケールである。
最低流量をEUV放出持続時間と関連付けるデータ(プロット1100などのプロットを形成するデータなど)は、制御システム470の電子ストレージ473上に記憶し、真空チャンバ740内のオブジェクトを依然として保護しながら、流体708の消費を最小限にするために、ターゲット720の位置をどの程度の頻度で変更するべきかを決定するために、制御システム470が使用することが可能である。例えば、プロット1100に使用されるデータは、様々な持続時間を有するEUVバーストを使用するシステムにおける汚染を防止するための、最低流量を示す。EUVバーストを生成するために使用されるターゲットのうちの1つ以上の位置を、EUVバーストを生成するために使用される他のターゲットの位置に対して変更することによって、必要な最低流量を低減させることができる。プロット1100を使用して、望ましい最低流量を達成するために、ターゲット領域内のターゲットをどの程度の頻度で再位置決めすべきであるかを決定することができる。例えば、望ましい最低流量が、ソースが動作しているよりも短いEUVバースト持続時間に対応する場合、ターゲット領域内に到達するターゲットは、任意の個別のターゲット又はターゲットの集合によって生成される粒子及び/又は放射の指向性フラックスが、その短いEUVバースト持続時間と同じ時間量の間、真空チャンバの特定領域内に誘導されるように、再位置決めすることができる。このようにして、真空チャンバ内の任意の特定領域が受けるEUVバースト持続時間を低減させることができ、流体708の最低流量も低減させることができる。
図11は、流体の流量とEUVバースト持続時間との間の例示的関係を示す。圧力及び/又は密度などの、流体708の他の特性は、EUVバースト持続時間と共に変動し得る。このようにして、プロセス800を使用して、光学要素755を保護するために必要な流体708の量を減少させることもできる。
図12を参照すると、例示のプロセス1200のフローチャートが示されている。プロセス1200は、真空チャンバ内のオブジェクト上のプラズマの効果が軽減又は消去されるように、真空チャンバ内のターゲットを位置決めする。プロセス1200は制御システム470によって実行可能である。
初期ターゲットが、修正済みターゲットを形成するために修正される(1210)。修正済みターゲット及び初期ターゲットはターゲット材料を含むが、ターゲット材料の幾何分布は修正済みターゲットの幾何分布とは異なる。初期ターゲットは、例えば、初期ターゲット618(図6C)又は1018(図10A及び図10B)などの初期ターゲットとすることができる。修正済みターゲットは、プリパルス(図6A~図6Bのプリパルス606など)を用いて、又は、初期ターゲット内のターゲット材料を、EUVを放出するプラズマに必ずしも変換しないが、初期ターゲットを条件付ける、図4の第1の光ビーム410aなどの光ビームを用いて、初期ターゲットを照射することによって形成される、ディスク形状のターゲットとすることができる。
修正済みターゲットは、別々且つ別個のオブジェクトに対して位置決めされ得る。初期ターゲットと光ビームとの間の相互作用は、修正済みターゲットの位置を決定することができる。例えば、図6A~図6C、図8、並びに図10A及び図10Bに関して上記で考察したように、光ビームを初期ターゲットの特定部分に誘導することによって、特定の位置を備えるディスク形状のターゲットが形成可能である。別々且つ別個のオブジェクトは、真空チャンバ内の任意のオブジェクトである。例えば、別々且つ別個のオブジェクトは、緩衝流体、ターゲットのストリーム内のターゲット、及び/又は光学要素であり得る。
光ビームが修正済みターゲットに向けて誘導される(1220)。光ビームは、第2の光ビーム410b(図4)などの増幅光ビームであり得る。光ビームは、修正済みターゲット内のターゲット材料のうちの少なくとも一部を、EUV光を放出するプラズマに変換するのに十分なエネルギーを有する。プラズマは、粒子及び/又は放射の指向性依存フラックスにも関連付けられ、指向性依存フラックスは、最大値を有する(粒子及び/又は放射の最高部分が流れ込む、ロケーション、領域、又は方向)。最大値はピーク方向とも呼ばれ、ピーク方向は修正済みターゲットの位置に依存する。粒子及び放射は、光ビームを最初に受け取る側である、修正済みターゲットの加熱側から、優先的に放出され得る。したがって、ディスクの平坦面のうちの1つで光ビームを受け取るディスク形状ターゲットの場合、ピーク方向は、光ビームを受け取るディスクの面に対して垂直な方向にある。修正済みターゲットは、オブジェクト上のプラズマの効果が軽減されるように位置決めされ得る。例えば、オブジェクトから遠いターゲットポイントの加熱側が保護されるように、修正済みターゲットを配向することで、結果として、できるだけ少ない高エネルギーイオンがオブジェクトに向けて誘導されることになる。
プロセス1200は、単一のターゲットについて、又は繰り返し実行可能である。プロセス1200が繰り返し実行される実施例の場合、プロセス1200の任意の特定インスタンスについての修正済みターゲットの位置は、前又は後の修正済みターゲットの位置とは異なるものとすることができる。
図13A~図13Cを参照すると、プロセス1200を使用して、プラズマの効果からターゲットのストリーム内のターゲットを保護することができる。図13A~図13Bは、真空チャンバ1340の内部のブロック図であり、真空チャンバ内のターゲットをどのようにプラズマの効果から保護し得るかを示す。図13Aは、真空チャンバ内をターゲット領域1330に向けてy方向に進行する、ターゲットのストリーム1322を示す。ストリーム1322が進行する際に沿う方向は、ターゲット軌道又はターゲットパスと呼ばれ得る。光ビーム1310は、ターゲット領域1330に向けてz方向に伝搬する。ターゲット1320は、ターゲット領域1330内のストリーム1322におけるターゲットである。光ビーム1310とターゲット1320との間の相互作用によって、ターゲット1320内のターゲット材料はEUV光を放出するプラズマに変換される。
追加として、プラズマは、プロファイル1364によって表される、粒子及び/又は放射の指向性依存フラックスを放出する。図13Aの例において、プロファイル1364は、粒子及び/又は放射が主にz方向に対向する方向に放射され、プラズマの最大の効果はこの方向にあることを示す。しかしながら、プラズマは、ターゲット1322aを含む、y方向に変位されるオブジェクトにも影響を与え、ターゲット1322aは、プラズマが形成されるときにターゲット領域1330に最も近い(しかし、ターゲット領域1330の外にある)ストリーム1322内のターゲットである。言い換えれば、図13Aの例において、ターゲット1322aは、次に来るターゲットであるか、又は、ターゲットがプラズマを生成するために消費された後にターゲット領域1330内に存在することになるターゲットである。
指向性依存フラックス内の放射から融除を受けるターゲット1322aなどのように、ターゲット1322a上のプラズマの効果は直接的であり得る。こうした融除は、ターゲットを低速にするか、且つ/又は、ターゲットの形状を変化させ得る。プラズマからの放射はターゲット1322aに力を印加することが可能であり、結果としてターゲット1322aは、予測されるよりも後で、ターゲット領域1330に到達することになる。光ビーム1310はパルス光ビームであり得る。したがって、ターゲット1322aが予測されるよりも後でターゲット領域1330に到達する場合、光ビーム1310及びターゲットは行き違いになり、プラズマは生成されない。追加として、プラズマ放射の力はターゲット1322aの形状を予期せずに変化させることがあり、プラズマ生成を増加させるためにターゲット領域1330に到達する前にストリーム1322内のターゲットを条件付ける、意図的な形状変更を妨げ得る。
ターゲット1322a上のプラズマの効果は、間接的でもあり得る。例えば(図7A及び図7Bに関して考察したように)、緩衝流体は真空チャンバ1340内を流れ、指向性依存フラックスは流体を加熱し、流体の加熱はターゲットの軌道を変更し得る。間接的な効果は、光源の適切な動作を妨げることもある。
ターゲット1322a上のプラズマの効果は、ターゲット1320の加熱側1329をターゲット1322aから遠くに配向することによって、軽減することが可能である。ターゲット1320の加熱側1329とは、光ビーム1310を初めに受け取るターゲット1320の側であり、粒子及び/又は放射は主に加熱側1329から、また加熱側1329におけるターゲット材料分布に対して垂直な方向に放出される。ターゲット1320に対して特定の角度でプラズマによって放出される放射の部分Pは、以下の数式1の関係を近似し得、
P(θ)=1-cosn(θ) (1)
上式で、nは整数であり、θは、加熱側1329上のターゲットに対する法線と、ターゲット1320及びターゲット1322aの質量中心間のターゲット軌道の方向との間の、角度である。他の放射の角度分布が可能である。
図13Bを参照すると、ターゲット1320の位置は、図13Aにおける位置と比較して、加熱側1329がターゲット1322aから遠くを指すように、変更される。この位置決めの結果として、粒子及び/又は放射は、ターゲット1322aから離れて方向1351で放出される。図13Cを参照すると、ターゲット1322a上の効果は、ターゲット1320の加熱側1329をターゲット1322aから離れて位置決めすること、及び、ターゲット1322aがプラズマからの粒子及び/又は放射が最も少ない領域内に位置するように、ターゲットストリーム1322のパスを位置決めすることによって、更に軽減される。図13Cの例において、この領域は、方向1351に対向する方向にある領域であり(ターゲット1320の後方)、ターゲットストリーム1322内のターゲットは方向1351に沿って進行する。
したがって、真空チャンバ内の他のターゲット上のプラズマの効果は、ターゲットの配向及び/又はターゲットパスの位置決めによって、軽減され得る。
図14、図15A、及び図15Bは、プロセス800及びプロセス1200を実行可能なシステムの追加の例である。
図14を参照すると、例示的光イメージングシステム1400のブロック図が示されている。光イメージングシステム1400は、EUV光をリソグラフィツール1470に提供するLPP EUV光源1402を含む。光源1402は、図1の光源101と同様であること、及び/又は、光源101の構成要素のうちのいくつか又はすべてを含むことが可能である。
システム1400は、ドライブレーザシステム1405、光学要素1422、プリパルスソース1443、フォーカスアセンブリ1442、及び真空チャンバ1440などの、光学ソースを含む。ドライブレーザシステム1405は、増幅光ビーム1410を生成する。増幅光ビーム1410は、ターゲット1420内のターゲット材料を、EUV光を放出するプラズマに変換するのに十分なエネルギーを有する。前述のターゲットのうちのいずれかを、ターゲット1420として使用することができる。
プリパルスソース1443は、放射のパルス1417を放出する。放射のパルスはプリパルス606(図6A~図6C)として使用可能である。プリパルスソース1443は、例えば、50kHzの繰り返し数で動作するQスイッチNd:YAGレーザとすることが可能であり、放射のパルス1417は、1.06μmの波長を有するNd:YAGレーザからのパルスとすることが可能である。プリパルスソース1443の繰り返し数は、プリパルスソース1443がどの程度の頻度で放射のパルスを生成するかを示す。プリパルスソース1443が50kHzの繰り返し数を有する例の場合、放射のパルス1417は20マイクロ秒(μs)ごとに放出される。
他のソースをプリパルスソース1443として使用することも可能である。例えば、プリパルスソース1443は、エルビウムドープファイバ(Er:ガラス)レーザなどの、Nd:YAG以外の任意の希土類ドープ固体レーザとすることができる。別の例では、プリパルスソースは、10.6μmの波長を有するパルスを生成する二酸化炭素レーザとすることができる。プリパルスソース1443は、前述のプリパルスに使用されるエネルギー及び波長を有する光パルスを生成する、任意の他の放射又は光源とすることができる。
光学要素1422は、増幅光ビーム1410及びプリパルスソース1443からの放射のパルス1417を、チャンバ1440に誘導する。光学要素1422は、増幅光ビーム1410及び放射のパルス1417を、同様又は同じパスに沿って誘導することが可能な、任意の要素である。図14に示された例では、光学要素1422は、増幅光ビーム1410を受け取り、これをチャンバ1440に向けて反射する、ダイクロイックビームスプリッタである。光学要素1422は、放射のパルス1417を受け取り、このパルスをチャンバ1440に向けて伝送する。ダイクロイックビームスプリッタは、増幅光ビーム1410の波長を反射し、放射のパルス1417の波長を伝送する、コーティングを有する。ダイクロイックビームスプリッタは、例えばダイヤモンドで作ることができる。
他の実施例において、光学要素1422はアパーチャ(図示せず)を画定するミラーである。この実施例において、増幅光ビーム1410はミラー表面から反射され、チャンバ1440に向けて誘導され、放射のパルスはアパーチャを通過してチャンバ1440に向けて伝搬する。
更に他の実施例において、くさび形光学系(例えば、プリズム)を使用して、メインパルス1410及びプリパルス1417を、それらの波長に応じて異なる角度に分離することができる。くさび形光学系は、光学要素1422に加えて使用可能であるか、又は光学要素1422として使用可能である。くさび形光学系は、フォーカスアセンブリ1442のすぐ上流に(-z方向に)位置決めすることができる。
追加として、パルス1417を他の方法でチャンバ1440に送出することができる。
例えば、パルス1417は、光学要素1422又は他の誘導要素を使用せずに、パルス1417をチャンバ1440及び/又はフォーカスアセンブリ1442に送出する、光ファイバを介して進行可能である。これらの実施例において、ファイバは、チャンバ1440の壁部内に形成された開口を介して、放射のパルス1417をチャンバ1440の内部に直接運ぶ。
増幅光ビーム1410は、光学要素1422から反射され、フォーカスアセンブリ1442を介して伝搬する。フォーカスアセンブリ1442は、ターゲット領域1430と一致するか又は一致しない可能性のある焦点面1446で、増幅光ビーム1410をフォーカスする。放射のパルス1417は光学要素1422を通過し、フォーカスアセンブリ1442を介してチャンバ1440へと誘導される。増幅光ビーム1410及び放射のパルス1417は、チャンバ1440内でy方向に沿った異なるロケーションへと誘導され、チャンバ1440内に異なる時点で到達する。
図14に示された例において、単一のブロックがプリパルスソース1443を表す。しかしながら、プリパルスソース1443は、単一の光源又は複数の光源とすることができる。例えば、2つの別々のソースを使用して、複数のプリパルスを発生させることができる。2つの別々のソースは、異なる波長及びエネルギーを有する放射のパルスを生成する、異なるタイプのソースとすることができる。例えば、プリパルスのうちの1つは10.6μmの波長を有し、CO2レーザによって発生させることが可能であり、他方のプリパルスは1.06μmの波長を有し、希土類ドープ固体レーザによって発生させることが可能である。
いくつかの実施例において、プリパルス1417及び増幅光ビーム1410は、同じソースによって発生させることができる。例えば放射のプリパルス1417は、ドライブレーザシステム1405によって発生させることができる。この例では、ドライブレーザシステムは2つのCO2シードレーザサブシステム及び1つの増幅器を含むことができる。シードレーザサブシステムのうちの1つは、10.26μmの波長を有する増幅光ビームを生成可能であり、他方のシードレーザサブシステムは、10.59μmの波長を有する増幅光ビームを生成可能である。これら2つの波長は、CO2レーザの異なる線から来るものとすることができる。他の例において、CO2レーザの他の線を使用して、2つの増幅光ビームを発生させることができる。2つのシードレーザサブシステムからの増幅光ビームはどちらも、同じ電力増幅器チェーン内で増幅された後、チャンバ1440内の異なるロケーションに到達するように角度分散される。10.26μmの波長を伴う増幅光ビームはプリパルス1417として使用可能であり、10.59μmの波長を伴う増幅光ビームは増幅光ビーム1410として使用可能である。複数のプリパルスを採用する実施例において、3つのシードレーザが使用可能であり、そのうちの1つは、増幅光ビーム1410、第1のプリパルス、及び第2の別のプリパルスの、各々を発生させるために使用される。
増幅光ビーム1410及び放射のプリパルス1417は、すべて、同じ光増幅器内で増幅することができる。例えば、3つ又はそれ以上の電力増幅器を使用して、増幅光ビーム1410及びプリパルス1417を増幅することができる。
図15Aを参照すると、LPP EUV光源1500が示されている。EUV光源1500は、上述の光源、プロセス、及び真空チャンバと共に使用可能である。LPP EUV光源1500は、ターゲット領域1505において、ビームパスに沿ってターゲット混合物1514に向かって進行する増幅光ビーム1510を用いて、ターゲット混合物1514を照射することによって形成される。ターゲット領域1505は照射サイトとも呼ばれ、真空チャンバ1530の内部1507内にある。増幅光ビーム1510がターゲット混合物1514に当たると、ターゲット混合物1514内のターゲット材料が、EUVレンジ内に輝線を伴う要素を有するプラズマ状態に変換される。作成されたプラズマは、ターゲット混合物1514内のターゲット材料の組成物に依存するある特徴を有する。これらの特徴は、プラズマによって生成されるEUV光の波長、及び、プラズマからリリースされるデブリの種類及び量を含むことができる。
光源1500は、液滴、液体ストリーム、固体の粒子又はクラスタ、液滴内に含まれる固体粒子、又は液体ストリーム内に含まれる固体粒子の形のターゲット混合物1514を、送出、制御、及び誘導する、ターゲット材料デリバリシステム1525も含む。ターゲット混合物1514は、例えば、水、スズ、リチウム、キセノン、又は、プラズマ状態に変換されたときにEUVレンジ内に輝線を有する任意の材料などの、ターゲット材料を含む。例えば、元素スズは、純スズ(Sn)として、例えばSnBr4、SnBr2、SnH4などのスズ化合物として、例えばスズガリウム合金、スズインジウム合金、スズインジウムガリウム合金、又はこれらの合金の任意の組み合わせなどの、スズ合金として使用可能である。ターゲット混合物1514は、非ターゲット粒子などの不純物も含むことができる。したがって、不純物がない状況において、ターゲット混合物1514はターゲット材料のみで作られる。ターゲット混合物1514は、ターゲット材料デリバリシステム1525によって、チャンバ1530の内部1507へ、及びターゲット領域1505へ送出される。
光源1500は、レーザシステム1515の利得媒体内の反転分布によって増幅光ビーム1510を生成する、ドライブレーザシステム1515を含む。光源1500は、レーザシステム1515とターゲット領域1505との間にビームデリバリシステムを含み、ビームデリバリシステムはビーム伝送システム1520及びフォーカスアセンブリ1522を含む。ビーム伝送システム1520は、レーザシステム1515から増幅光ビーム1510を受け取り、増幅光ビーム1510を必要に応じてステアリング及び修正し、増幅光ビーム1510をフォーカスアセンブリ1522に出力する。フォーカスアセンブリ1522は増幅光ビーム1510を受け取り、ビーム1510をターゲット領域1505にフォーカスする。
いくつかの実施例において、レーザシステム1515は、1つ以上のメインパルスを提供するため、また場合によっては1つ以上のプリパルスを提供するための、1つ以上の光増幅器、レーザ、及び/又はランプを含むことができる。各光増幅器は、高利得で望ましい波長を光学的に増幅することが可能な利得媒体、励起源、及び内部光学系を含む。光増幅器は、レーザミラー、又はレーザキャビティを形成する他のフィードバックデバイスを有するか、又は有さない場合がある。したがって、レーザシステム1515は、たとえレーザキャビティがない場合であっても、レーザ増幅器の利得媒体における反転分布によって、増幅光ビーム1510を生成する。更にレーザシステム1515は、レーザシステム1515に十分なフィードバックを提供するためのレーザキャビティが存在する場合、コヒーレントレーザビームである、増幅光ビーム1510を生成することができる。「増幅光ビーム」という用語は、単に増幅されているが、必ずしもコヒーレントレーザ発振ではないレーザシステム1515からの光、及び、増幅され、コヒーレントレーザ発振でもあるレーザシステム1515からの光のうちの、1つ以上を包含する。
レーザシステム1515内の光増幅器は、CO2を含む充填媒体を利得媒体として含むことが可能であり、約9100nmから約11000nmの間、また特に約10600nmの波長で、1500より大きいか又は1500に等しい利得で、光を増幅することが可能である。レーザシステム1515における使用に好適な増幅器及びレーザは、例えば10kW又はそれ以上の相対的に高電力で動作し、例えば40kHz又はそれ以上の高パルス繰り返し数で動作する、例えばDC又はRF励起を用いて、例えば約9300nm又は約10600nmで放射を生成する、パルスレーザデバイス、例えばパルスガス放電CO2レーザデバイスを含むことができる。レーザシステム1515内の光増幅器は、レーザシステム1515をより高電力で動作させるために使用可能な、水などの冷却システムも含むことができる。
図15Bは、例示のドライブレーザシステム1580のブロック図を示す。ドライブレーザシステム1580は、ソース1500においてドライブレーザシステム1515の一部として使用可能である。ドライブレーザシステム1580は、3つの電力増幅器1581、1582、及び1583を含む。電力増幅器1581、1582、及び1583のうちのいずれか又はすべては、内部光学要素(図示せず)を含むことができる。
光1584は出力ウィンドウ1585を介して電力増幅器1581から出て、湾曲ミラー1586で反射される。反射後、光1584は空間フィルタ1587を通過し、湾曲ミラー1588で反射され、入力ウィンドウ1589を介して電力増幅器1852に入る。光1584は電力増幅器1582において増幅され、出力ウィンドウ1590を介して光1591として電力増幅器1582の外に再誘導される。光1591は折り畳みミラー1592を用いて増幅器1583に向けて誘導され、入力ウィンドウ1593を介して増幅器1583に入る。増幅器1583は光1591を増幅し、光1591を出力ビーム1595として出力ウィンドウ1594を介して増幅器1583の外に誘導する。折り畳みミラー1596は出力ビーム1595を上方(ページの外)に、ビーム伝送システム1520(図15A)に向けて誘導する。
図15Bを再度参照すると、空間フィルタ1587はアパーチャ1597を画定し、アパーチャ1597は、例えば約2.2mmから3mmの間の直径を有する円形とすることができる。湾曲ミラー1586及び1588は、例えば、それぞれ約1.7m及び2.3mの焦点長さを伴う、オフアクシスパラボラミラーとすることができる。空間フィルタ1587は、アパーチャ1597がドライブレーザシステム1580の焦点と一致するように位置決めすることができる。
図15Aを再度参照すると、光源1500は、増幅光ビーム1510がターゲット領域1505を通過して到達できるようにするためのアパーチャ1540を有する集光ミラー1535を含む。集光ミラー1535は、例えば、ターゲット領域1505に1次フォーカスを有し、また、中間ロケーション1545に2次フォーカス(中間フォーカスとも呼ぶ)を有する、楕円ミラーとすることが可能であり、中間ロケーション1545では、EUV光を光源1500から出力すること、及び、例えば集積回路リソグラフィツール(図示せず)に入力することが可能である。光源1500は、増幅光ビーム1510がターゲット領域1505に到達できるようにしながら、フォーカスアセンブリ1522及び/又はビーム伝送システム1520に入るプラズマ発生デブリの量を削減するために、集光ミラー1535からターゲット領域1505に向かって細くなる、オープンエンドの中空円錐シュラウド1550(例えば、ガスコーン)も含むことができる。このため、ターゲット領域1505に向けて誘導されるガス流をシュラウド内に提供することができる。
光源1500は、液滴位置検出フィードバックシステム1556、レーザ制御システム1557、及びビーム制御システム1558に接続される、マスタコントローラ1555も含むことができる。光源1500は、例えばターゲット領域1505に対する液滴の位置の出力指示を提供し、この出力を液滴位置検出フィードバックシステム1556に提供する、1つ以上のターゲット又は液滴イメージャ1560を含むことが可能であり、液滴位置検出フィードバックシステム1556は、例えば液滴位置及び軌道を計算することが可能であり、この位置及び軌道から、液滴位置エラーを液滴ごと又は平均のいずれかで計算することが可能である。したがって、液滴位置検出フィードバックシステム1556は、マスタコントローラ1555への入力として、液滴位置エラーを提供する。したがってマスタコントローラ1555は、例えば、レーザの位置、方向、及びタイミング訂正信号を、例えばレーザタイミング回路を制御するために使用可能なレーザ制御システム1557に提供すること、及び/又は、チャンバ1530内のビーム焦点のロケーション及び/又は焦点電力を変更するために、ビーム伝送システム1520の増幅光ビームの位置及び形状を制御するためのビーム制御システム1558に、提供することができる。
ターゲット材料デリバリシステム1525は、マスタコントローラ1555からの信号に応答して、望ましいターゲット領域1505に到達する液滴内のエラーを訂正するために、例えば、液滴がターゲット材料供給装置1527によってリリースされる際に、液滴のリリースポイントを修正するように動作可能な、ターゲット材料デリバリ制御システム1526を含む。
追加として、光源1500は、限定されないが、パルスエネルギー、波長の関数としてのエネルギー分布、特定の波長帯域内のエネルギー、特定の波長帯域外のエネルギー、並びに、EUVの強度及び/又は平均電力の角度分布を含む、1つ以上のEUV光パラメータを測定する、光源ディテクタ1565及び1570を含むことができる。光源ディテクタ1565は、マスタコントローラ1555による使用のためのフィードバック信号を発生させる。フィードバック信号は、例えば、効果的且つ効率的なEUV光生成のために、液滴を正しい場所及び時間で適切に遮断するための、レーザパルスのタイミング及びフォーカスなどのパラメータにおけるエラーを示すことができる。
光源1500は、光源1500の様々なセクションを位置合わせするため、又は、増幅光ビーム1510をターゲット領域1505にステアリングする際に支援するために使用可能な、導波レーザ1575を含むことも可能である。導波レーザ1575に関連して、光源1500は、導波レーザ1575及び増幅光ビーム1510からの光の一部をサンプリングするために、フォーカスアセンブリ1522内に配置された、メトロロジシステム1524を含む。他の実施例において、メトロロジシステム1524はビーム伝送システム1520内に配置される。メトロロジシステム1524は、光のサブセットをサンプリング又は再誘導する光学要素を含むことが可能であり、こうした光学要素は、導波レーザビーム及び増幅光ビーム1510の電力に耐え得る任意の材料から作られる。マスタコントローラ1555は導波レーザ1575からサンプリングされた光を分析し、この情報を用いて、ビーム制御システム1558を介してフォーカスアセンブリ1522内の構成要素を調整するため、メトロロジシステム1524及びマスタコントローラ1555からビーム分析システムが形成される。
したがって、要約すると、光源1500は増幅光ビーム1510を生成し、増幅光ビーム1510は、混合物1514内のターゲット材料をEUVレンジ内で光を放出するプラズマに変換するために、ターゲット領域1505においてターゲット混合物1514を照射するためにビームパスに沿って誘導される。増幅光ビーム1510は、レーザシステム1515の設計及び特性に基づいて決定される、特定の波長(ドライブレーザ波長とも呼ばれる)で動作する。追加として、ターゲット材料が、コヒーレントレーザ光を生成するために十分なフィードバックをレーザシステム1515に提供するとき、又は、ドライブレーザシステム1515がレーザキャビティを形成するのに好適な光学フィードバックを含む場合、増幅光ビーム1510はレーザビームとすることができる。
他の実施例は、特許請求の範囲内にある。例えば、流体108及び708は、y方向に、また、ターゲット材料をプラズマに変換する光ビームの伝搬の方向に対して垂直に、流れるものとして示される。しかしながら、流体108及び708は、動作条件のセットに関連付けられた流れ構成によって決定される、任意の方向に流れ得る。例えば、図16を参照すると、真空チャンバの流体108がz方向に流れる、光源101の代替の実施例が示されている。追加として、流れ構成(流れの方向を含む)の一部である、流れのいずれかの特徴を、光源101の動作中に意図的に変更することが可能である。
追加として、図6A~図6C並びに図10A及び図10Bの例は、前述のように、初期ターゲットの傾斜を開始するためにプリパルスを使用することを示しているが、傾斜されたターゲットは、プリパルスを採用していない他の技法を用いて、ターゲット領域130、730、及び/又は1330に送出することができる。例えば、図17に示されるように、プラズマに変換されるときにEUV光を放出するターゲット材料を含むディスク形状ターゲット1720が事前形成され、力を用いてディスクターゲット1720をリリースすることによってターゲット領域1730に提供され、その結果、ターゲット領域1730内に受け取られる増幅光ビーム1710に対して傾斜した、ターゲット領域1730を介して移動するディスクターゲット1720が生じることになる。
図7A及び図7Bは、y-z面内に2次元の真空チャンバを示す。しかしながら、プロファイル764(図7B)は3次元を占有し得、3次元の容積を掃引し得ることが企図される。同様に、図9A、図9C、図10A、図10B、及び図13A~図13Cは、y-z面内に2次元の真空チャンバを示す。しかしながら、真空チャンバ内のターゲットは3次元の任意の方向に傾斜し得、粒子及び/又は放射の指向性フラックスは3次元の空間を掃引し得ることが企図される。