JP7157657B2 - スイッチング電源装置及び半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スイッチング電源装置及び半導体装置に関する。
スイッチング電源装置において、高速な負荷応答特性を実現できる制御方式としてコンスタントオンタイム制御方式が知られている。当該制御方式はリップル注入と称される技術と組み合わせて実施されることが多く、これにより、等価直列抵抗(ESR;Equivalent Series Resistance)の小さい積層セラミックコンデンサなどを出力コンデンサとして用いることが可能となる。
特開2017-169259号公報
コンデンサの充放電を介してコンデンサの端子電圧から、注入されるべきリップル電圧を生成することができる。この際、安定したスイッチング制御のためには、所定の必要最小振幅以上のリップル振幅(リップル電圧の振幅)を確保する必要がある。スイッチング電源装置にて想定される出力デューティの仕様範囲において、リップル振幅が最小となる動作点においてもリップル振幅が必要最小振幅以上となるようにリップル電圧生成回路を設計する必要があるが、そのような設計をリップル電圧生成回路に対して行ったとき、出力デューティが50%であるときなど他の動作点では、リップル振幅が大きくなりすぎて、負荷応答特性が悪くなることがある(尚、この点については後に詳説される)。
本発明は、負荷応答特性の向上に寄与するスイッチング電源装置及び半導体装置を提供することを目的とする。
本発明に係るスイッチング電源装置は、入力電圧を出力トランジスタにてスイッチングすることを通じて出力電圧を生成するスイッチング電源装置において、所定の基準電圧に基づく第1比較電圧と、前記出力電圧に応じた帰還電圧に基づく第2比較電圧と、を比較することで比較結果信号を生成する比較回路と、前記出力トランジスタがオンとなる固定長の出力オン期間と前記出力トランジスタがオフとなる可変長の出力オフ期間とが交互に切り替わるように、前記比較結果信号に基づき前記出力トランジスタのオン/オフ制御を行うスイッチング制御回路と、コンデンサの充放電を通じて前記コンデンサの端子電圧からリップル電圧を生成するリップル電圧生成回路と、備え、前記比較回路の前段において前記第1比較電圧及び前記第2比較電圧の何れか一方に前記リップル電圧が注入され、前記リップル電圧生成回路は、前記出力オン期間の全部又は一部において前記コンデンサを充電する一方で、それ以外の期間において前記コンデンサを放電するように形成され、前記コンデンサの充電期間に上限を設けたことを特徴とする。
具体的には例えば、前記リップル電圧生成回路は、前記出力オン期間においてハイレベルの電圧値を有し且つ前記出力オフ期間において前記ハイレベルよりも低いローレベルの電圧値を有する電圧をリップル生成元電圧として受け、前記出力オン期間の全部又は一部において、前記リップル生成元電圧に基づく電流を充放電抵抗を介して前記コンデンサに供給することで前記コンデンサを充電し、それ以外の期間において、前記コンデンサの蓄積電荷を前記充放電抵抗を介して放電すると良い。
より具体的には例えば、前記リップル電圧生成回路は、前記コンデンサの放電電流を流すための放電用スイッチを有し、前記放電用スイッチと前記コンデンサとの間に前記充放電抵抗が設けられて、前記放電用スイッチがオンのときに前記コンデンサの蓄積電荷が前記充放電抵抗及び前記放電用スイッチを介して放電され、前記リップル電圧生成回路は、前記出力トランジスタのターンオンのタイミングに対応する、前記リップル生成元電圧のローレベルからハイレベルへの切り替わりタイミングより、前記リップル生成元電圧に基づく電流を前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに供給し、前記切り替わりタイミングから前記上限に対応する所定時間が経過すると前記放電用スイッチをターンオンすると良い。
更に具体的には例えば、前記リップル電圧生成回路は、前記リップル生成元電圧の分圧を生成する分圧回路を有し、前記分圧の加わるノードが、前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに接続され、且つ、前記放電用スイッチに接続されると良い。
或いは例えば、前記リップル電圧生成回路において、前記充放電抵抗及び前記放電用スイッチが互いに接続されて、それらの接続ノードに対し他の抵抗を介して前記リップル生成元電圧が加わっても良い。
或いは例えば、前記リップル電圧生成回路は、前記放電用スイッチと充電用スイッチとの直列回路を有し、前記直列回路に対して前記リップル生成元電圧が加わり、前記放電用スイッチ及び前記充電用スイッチ間の接続ノードが前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに接続され、前記リップル生成元電圧のローレベルからハイレベルへの切り替わりに同期して前記充電用スイッチをターンオンし且つ前記放電用スイッチをターンオフすることで当該切り替わりタイミングから前記リップル生成元電圧に基づく電流を前記充電用スイッチ及び前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに供給し、前記切り替わりタイミングから前記上限に対応する前記所定時間が経過すると前記充電用スイッチをターンオフし且つ前記放電用スイッチをターンオンしても良い。
また例えば、前記リップル生成元電圧は、前記出力トランジスタによる前記入力電圧のスイッチング電圧であって良い。
或いは例えば、前記リップル生成元電圧は、前記出力トランジスタをオン/オフさせるために前記スイッチング制御回路から前記出力トランジスタに向けて供給される制御信号の電圧であっても良い。
また例えば、前記帰還電圧及び前記基準電圧に基づいて誤差電圧を生成する誤差電圧生成回路を当該スイッチング電源装置に設けても良く、前記第1比較電圧は前記誤差電圧であって且つ前記第2比較電圧は前記帰還電圧に前記リップル電圧を注入した電圧であっても良いし、或いは、前記第1比較電圧は前記誤差電圧に前記リップル電圧を注入した電圧であって且つ前記第2比較電圧は前記帰還電圧であっても良い。
また例えば、前記出力トランジスタとしてのハイサイドトランジスタと、前記ハイサイドトランジスタに対して直列に接続されたローサイドトランジスタとを当該スイッチング電源装置に設けても良く、前記スイッチング制御回路は、前記ハイサイドトランジスタをオンとするときには前記ローサイドトランジスタをオフとし、且つ、前記ハイサイドトランジスタをオフとするときには前記ローサイドトランジスタをオンとし、前記ハイサイドトランジスタ及び前記ローサイドトランジスタ間の接続ノードに現れる、前記入力電圧のスイッチング電圧を整流及び平滑化することで前記出力電圧が得られると良い。
本発明に係る半導体装置は、前記スイッチング電源装置を形成する半導体装置であって、前記スイッチング電源装置は集積回路を用いて形成されることを特徴とする。
本発明によれば、負荷応答特性の向上に寄与するスイッチング電源装置及び半導体装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係るスイッチング電源装置の全体構成図である。 本発明の実施形態に係るスイッチング電源ICの外観図である。 本発明の実施形態に係るコンスタントオンタイム制御方式の動作説明図である。 参考例に係るリップル電圧生成回路に関する、構成図(a)、動作波形図(b)及び、リップル振幅の出力デューティ依存性を示す図(c)である。 出力電圧の変動に応答した挙動を説明するための図である。 本発明の第1実施例に係るリップル電圧生成回路の構成図である。 本発明の第1実施例に関わる動作説明用の波形図である。 本発明の第1実施例に関わる動作説明用の波形図である。 本発明の第1実施例に係り、リップル振幅の出力デューティ依存性を示す図である。 本発明の第1実施例に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第1実施例に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第1実施例に係るシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第2実施例に係るリップル電圧生成回路の構成図である。 本発明の第3実施例に係るリップル電圧生成回路の構成図である。 本発明の第3実施例に関わる動作説明用の波形図である。 本発明の第4実施例に係るスイッチング電源ICの一部構成図である。 本発明の第4実施例に関わる動作説明用の波形図である。 本発明の第5実施例に係る複写機の外観図である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“100”によって参照されるスイッチング電源ICは、スイッチング電源IC100と表記されることもあるし、電源IC100又はIC100と略記されることもあるが、それらは全て同じものを指す。
図1は、本発明の実施形態に係るスイッチング電源装置AAの全体構成図である。図1のスイッチング電源装置AAは、スイッチング電源IC100と、スイッチング電源IC100に対して外付け接続される複数のディスクリート部品と、を備え、当該複数のディスクリート部品には、コンデンサC1~C4、抵抗R1、R2及びインダクタL1が含まれる。スイッチング電源装置AAは、所望の入力電圧Vinから所望の出力電圧Voutを生成する降圧型のスイッチング電源装置として構成されている。入力電圧Vin及び出力電圧Voutは正の直流電圧であり、出力電圧Voutは入力電圧Vinよりも低い。スイッチング電源装置AAの出力端子OUTに出力電圧Voutが現れる。ここでは、入力電圧Vinが12Vであるとする。抵抗R1及びR2の抵抗値を調整することで12V未満の所望の正の電圧値(例えば1Vや5V)を出力電圧Voutに持たせることができる。
スイッチング電源IC100は、図2に示すような、半導体集積回路を、樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで形成された電子部品である。IC100の筐体に複数の外部端子が露出して設けられており、その複数の外部端子には、図1に示されるイネーブル端子EN、ソフトスタート端子SS、帰還端子FB、ブートストラップ端子BOOT、入力端子VIN、スイッチ端子SW及びグランド端子GNDが含まれる。これら以外の端子も、上記複数の外部端子に含まれうる。尚、図2に示されるIC100の外部端子の数は例示に過ぎない。
まず、スイッチング電源IC100の外部構成について説明する。IC100の外部より入力電圧Vinが入力端子VINに供給され、また、入力端子VINはコンデンサC1を介してグランドに接続される。スイッチ端子SWはインダクタL1の一端に接続され、インダクタL1の他端はスイッチング電源装置AAの出力端子OUTに接続される。出力端子OUTは抵抗R1の一端に接続され、抵抗R1の他端は抵抗R2を介してグランドに接続される。また、出力端子OUTは出力コンデンサC3を介してグランドに接続される。ブートストラップ端子BOOTはコンデンサC2を介してスイッチ端子SWに接続される。ソフトスタート端子SSはコンデンサC4を介してグランドに接続され、グランド端子GNDはグランドに直接接続される。抵抗R1及びR2間の接続ノードは帰還端子FBに接続される。グランドは0V(ゼロボルト)の基準電位を有する導電部を指す又は基準電位そのものを指す。本実施形態において、特に基準を設けずに示される電圧は、グランドから見た電位を表す。
次に、スイッチング電源IC100の内部構成について説明する。スイッチング電源IC100は、Nチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)として構成されたトランジスタ1a及び1bと、ドライバ2a及び2bと、制御回路3と、内部電源電圧生成回路4と、ダイオード5と、ソフトスタート回路6と、基準電圧生成回路7と、エラーアンプ8と、リップル電圧生成回路9と、加算回路10と、メインコンパレータ11と、過電流保護回路12と、短絡保護回路13と、過電圧保護回路14と、低電圧ロックアウト回路15と、サーマルシャットダウン回路16と、イネーブル回路17と、を備える。制御回路3にはオンタイマ回路21及び駆動ロジック回路22が内包される。
トランジスタ1a及び1bは、入力端子VINとグランド端子GND(換言すればグランド)との間に直列接続された一対のスイッチング素子であり、それらがスイッチング駆動されることで入力電圧Vinがスイッチングされてスイッチ端子SWに矩形波状のスイッチ電圧Vswが現れる。トランジスタ1aがハイサイド側に設けられ、トランジスタ1bがローサイド側に設けられる。具体的には、トランジスタ1aのドレインは入力端子VINに接続され、トランジスタ1aのソース及びトランジスタ1bのドレインはスイッチ端子SWに共通接続され、トランジスタ1bのソースはグランドに接続される。
トランジスタ1aは出力トランジスタとして機能し、トランジスタ1bは同期整流トランジスタとして機能する。インダクタL1及び出力コンデンサC3は、スイッチ端子SWに現れる矩形波状のスイッチ電圧Vswを整流及び平滑化して出力電圧Voutを生成する整流平滑回路を構成する。抵抗R1及びR2は出力電圧Voutを分圧する分圧回路を構成する。抵抗R1及びR2間の接続ノードが帰還端子FBに接続されることで、抵抗R1及びR2間の接続ノードに現れる分圧された電圧が帰還電圧Vfbとして帰還端子FBに入力される。また、コンデンサC2はIC100に内蔵されるダイオード5と共に、ブートストラップ回路を形成する。尚、スイッチング電源IC100では同期整流方式が採用されているが、ダイオード整流方式が採用されても構わない。この場合、IC100からトランジスタ1b及びドライバ2bを削除し、代わりに、IC100の内部又は外部に整流ダイオード(不図示)を設ければ良い。当該整流ダイオードにおいて、カソードはスイッチ端子SWに接続され且つアノードはグランドに接続されることになる。
ドライバ2aは、制御回路3から入力される制御信号Cntaに基づいてトランジスタ1aのゲート電圧Gaを制御する。ドライバ2bは、制御回路3から入力される制御信号Cntbに基づいてトランジスタ1bのゲート電圧Gbを制御する。制御信号Cnta及びCntb並びにゲート電圧Ga及びGbは、各々に、ハイレベル又はローレベルの電位を有する。任意の信号又は電圧に関し、ハイレベルはローレベルよりも高い電位を有する。ドライバ2aは、制御信号Cntaがハイレベル、ローレベルであるとき、ゲート電圧Gaを、夫々、ハイレベル、ローレベルとする。ドライバ2bは、制御信号Cntbがハイレベル、ローレベルであるとき、ゲート電圧Gbを、夫々、ハイレベル、ローレベルとする。トランジスタ1aは、ゲート電圧Gaがハイレベルであるときにオン(即ちドレイン及びソース間が導通状態)となりローレベルであるときにオフ(即ちドレイン及びソース間が非導通状態)となる。同様に、トランジスタ1bは、ゲート電圧Gbがハイレベルであるときにオンとなりローレベルであるときにオフとなる。
ドライバ2aの上側電源端には入力電圧Vin(ここでは12V)よりも高い駆動電圧Vboot(例えば17V)が印加され且つドライバ2aの下側電源端はスイッチ端子SWに接続されており、結果、ドライバ2aから出力されるゲート電圧Gaのハイレベル、ローレベルは、夫々、駆動電圧Vboot、スイッチ電圧Vswとなる。ドライバ2a内に設けられたレベルシフタにて制御信号Cntaの電圧レベルを引き上げるレベルシフトが行われ、制御信号Cntaをレベルシフトした電圧よりゲート電圧Gaが生成される。尚、上記レベルシフタはドライバ2aと制御回路3との間に挿入されていると考えても構わない。ドライバ2bの上側電源端には内部電源電圧Vreg(例えば5V)が印加され且つドライバ2bの下側電源端はグランドに接続されており、結果、ドライバ2bから出力されるゲート電圧Gbのハイレベル、ローレベルは、夫々、内部電源電圧Vreg、グランドの電圧となる。
制御回路3は、メインコンパレータ11からの比較結果信号CMPに基づき、オンタイマ回路21及び駆動ロジック回路22を用いて、制御信号Cnta及びCntbを生成及び出力する。この際、トランジスタ1aがオンとされる期間(以下出力オン期間と称する)ではトランジスタ1bがオフとなり且つトランジスタ1aがオフとされる期間(以下出力オフ期間と称する)ではトランジスタ1bがオンとなるように、制御信号Cntbは制御信号Cntaの反転信号とされる。但し、トランジスタ1a及び1bが同時にオンとなることを確実に回避するべく、トランジスタ1a及び1bが同時にオフとなるデットタイム期間も適宜挿入される。詳細な動作は後述されるが、IC100ではコンスタントオンタイム制御方式が採用されている。従って、トランジスタ1aがオンとされる固定長の出力オン期間とトランジスタ1aがオフとされる可変長の出力オフ期間とを交互に切り替えてインダクタL1に電流を流すことで、入力電圧Vinから出力電圧Voutが生成されることになる。
内部電源電圧生成回路4は、入力電圧Vinから直流の正の内部電源電圧Vreg(例えば5V)を生成する。内部電源電圧VregはIC100内の各部位に駆動電圧として供給される。
ダイオード5のアノードには内部電源電圧Vregが供給され、ダイオード5のカソードはブートストラップ端子BOOTに接続される。ダイオード5とコンデンサC2とでブートストラップ回路が構成され、ダイオード5のカソードから入力電圧Vinよりも高い駆動電圧Vbootが引き出される。
ソフトスタート回路6は、スイッチング電源装置AAの起動と共に、ソフトスタート端子SSに接続されるコンデンサC4に対し定電流による充電を開始し、コンデンサC4の充電電圧(即ち端子SSの電圧)をソフトスタート電圧Vssとしてメインコンパレータ11に出力する。これにより、スイッチング電源装置AAの起動時には、緩やかに上昇するソフトスタート電圧Vssと後述のリップル付き帰還電圧Vfb’との比較による出力帰還制御が行われて、出力電圧Voutのオーバーシュートや突入電流の抑制が図られる。
基準電圧生成回路7は 内部電源電圧Vregを用いて所定の基準電圧Vrefを生成する。基準電圧Vrefは所定電圧値を有する正の直流電圧である。
エラーアンプ8には、基準電圧Vrefと帰還端子FBに加わる帰還電圧Vfbとが入力される。エラーアンプ8は、帰還電圧Vfb及び基準電圧Vref間の誤差に応じた誤差電圧Verrをメインコンパレータ11に出力する。エラーアンプ8は、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefと一致するように誤差電圧Verrを生成し、基準電圧Vrefに対して帰還電圧Vfbが低下したときには誤差電圧Verrを上昇させる一方で帰還電圧Vfbが増加したときには誤差電圧Verrを低下させるように動作する。
リップル電圧生成回路9は、三角波状の脈流電圧であるリップル電圧Vripを生成する。リップル電圧生成回路9の詳細は後述される。
加算回路10は、帰還端子FBに加わる帰還電圧Vfbにリップル電圧Vripを加算し、この加算により得られた電圧(即ち、帰還電圧Vfbとリップル電圧Vripとの和の電圧値を有する合成電圧)を、リップル付き帰還電圧Vfb’としてメインコンパレータ11に出力する。
メインコンパレータ11は、第1及び第2の非反転入力端子と反転入力端子を備え、第1の非反転入力端子、第2の非反転入力端子、反転入力端子に、夫々、ソフトスタート電圧Vss、誤差電圧Verr、リップル付き帰還電圧Vfb’が入力される。メインコンパレータ11は、第1及び第2の非反転入力端子への入力電圧の内、低い方の電圧を第1比較電圧とし、反転入力端子への入力電圧を第2比較電圧として、第1比較電圧及び第2比較電圧を比較し、比較結果を示す比較結果信号CMPを出力する。比較結果信号CMPは、第1比較電圧が第2比較電圧よりも高いときにハイレベルとなり、第2比較電圧が第1比較電圧より高いときにローレベルとなる。第1及び第2比較電圧がちょうど一致するとき、比較結果信号CMPはローレベル及びハイレベルの何れかとなる。
スイッチング電源装置AAの起動時において、ソフトスタート電圧Vssが誤差電圧Verrよりも低くなっているときには、ソフトスタート電圧Vssが第1比較電圧となってソフトスタート電圧Vssとリップル付き帰還電圧Vfb’との比較結果が比較結果信号CMPに現れるが、コンデンサC4の充電開始から一定時間が経過するとソフトスタート電圧Vssが誤差電圧Verrよりも常に高くなって、以後は、誤差電圧Verrとリップル付き帰還電圧Vfb’との比較結果が比較結果信号CMPに現れるようになる(但し、出力短絡等に起因する再起動などを無視)。そうすると、エラーアンプ8は、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefと一致するように誤差電圧Verrを調整するため、出力電圧Voutは抵抗R1及びR2による分圧比と基準電圧Vrefに応じた一定電圧で安定化することになる。以下では、特に記述無き限り、ソフトスタート電圧Vssが誤差電圧Verrより高くなっている状態が想定されるものとする。
過電流保護回路12は、トランジスタ1a及び1bに過電流が流れているか否かを検出する。短絡保護回路13は、帰還電圧Vfbの異常な低下の有無を検出する。過電圧保護回路14は、帰還電圧Vfbの異常な上昇の有無を検出する。低電圧ロックアウト回路15は、入力電圧Vinの異常な低下の有無を検出する。サーマルシャットダウン回路16は、IC100内の温度の異常な上昇の有無を検出する。制御回路3は、回路12~16の各検出結果に基づき、必要に応じて、トランジスタ1a、1bを強制的にオフしたり、IC100をシャットダウンしたりする。イネーブル回路17は、イネーブル端子ENに供給される信号のレベルに応じたイネーブル信号を制御回路3に出力し、制御回路3は、イネーブル信号に基づいてIC100をアクティブとする又はシャットダウンする。IC100がアクティブであるときにのみ、上述したようなトランジスタ1a及び1bのスイッチングが行われて出力電圧Voutが生成される。以下では、特に記述無き限り、IC100はアクティブであるとする。
図3を参照し、コンスタントオンタイム制御方式の動作について説明する。図3は、“Vss>Verr”であって、出力電圧Voutが安定化されている定常状態での各信号波形を示している。この際、帰還電圧Vfbも実質的に一定であり、帰還電圧Vfbに三角波状のリップル電圧Vripを注入して得られるリップル付き帰還電圧Vfb’は脈流電圧となる。
制御信号Cntaがローレベルであって且つ“Vfb’>Verr”である状態を起点にして考える。当該状態からタイミングt1において“Vfb’<Verr”となると、メインコンパレータ11からの比較結果信号CMPのレベルがローレベルからハイレベルに切り替わる。比較結果信号CMPがローレベルからハイレベルに切り替わると、その切り替わりのタイミングt1において、駆動ロジック回路22は制御信号Cntaのレベルをローレベルからハイレベルに切り替え、一方においてオンタイマ回路21はタイミングt1からの経過時間の計測を開始し、タイミングt1から所定のオン時間Tonが経過したタイミングt2にて、ワンショットパルス信号(単一のパルス信号)を駆動ロジック回路22に対して出力する。駆動ロジック回路22はワンショットパルス信号を受けると、制御信号Cntaのレベルをハイレベルからローレベルに切り替える。以後、同様の動作が繰り返される。オン時間Tonは予め定められた固定時間である。オン時間Tonは、入力電圧Vin及び出力電圧Voutに基づき定められても良い(この場合、出力電圧Voutを受ける外部端子をIC100に設けておくと良い)。
タイミングt2の後、次回に、“Vfb’>Verr”である状態から“Vfb’<Verr”に切り替わることで制御信号Cntaがローレベルからハイレベルに切り替わるタイミングをタイミングt3と称した場合、タイミングt1及びt2間が出力オン期間であり、タイミングt2及びt3間が出力オフ期間となる。出力オン期間と出力オフ期間が交互に訪れて、スイッチ端子SWには矩形波状のスイッチング電圧Vswが生じ、当該スイッチング電圧Vswが整流及び平滑化されて出力電圧Voutが得られる。出力オン期間の時間長さであるオン時間Tonと出力オフ期間の時間長さであるオフ時間Toffとの合計時間に対する、オン時間Tonの比は、出力デューティと称される。オン時間Tonは固定された長さを有する一方で、オフ時間Toffは様々に変化する。
上述のような、リップル電圧の注入を利用したコンスタントオンタイム制御方式によれば、出力電圧Voutのリップル成分がそれほど大きくなくても、安定したスイッチング制御を行うことができるので、出力コンデンサC3として、等価直列抵抗(ESR;Equivalent Series Resistance)の小さい積層セラミックコンデンサなどを用いることが可能となる。
尚、出力オフ期間の長さには所定の下限長が定められており、タイミングt2の後は、比較結果信号CMPのレベルに関係なく、下限長以上の出力オフ期間が確保される。故に例えば、タイミングt2にて比較結果信号CMPがハイレベルであったとしても、又は、タイミングt2では比較結果信号CMPがローレベルであったがタイミングt2から上記の下限長が経過する前に比較結果信号CMPがハイレベルになったとしても、タイミングt2から上記の下限長が経過するまでは制御信号Cntaはローレベルに維持され、タイミングt2から上記の下限長が経過してから制御信号Cntaがハイレベルとされる。
図4(a)に、参考例に係るリップル電圧生成回路900を示す。リップル電圧生成回路900では、抵抗901及び902の直列回路にてスイッチング電圧VSWが分圧され、その分圧が加わるノードN900が抵抗903を介してコンデンサ904の一端に接続され、コンデンサ904の他端はグランドに接続される。リップル電圧生成回路900をリップル電圧生成回路9として用いたとき、コンデンサ904及び抵抗903間の接続ノードにおける電圧が三角波状のリップル電圧Vripとなる。
図4(b)に、スイッチング電圧VSWの波形と共に、リップル電圧生成回路900におけるノードN900の電圧及びリップル電圧Vripの波形を示す。図4(c)に、出力デューティと、リップル電圧生成回路900におけるリップル電圧Vripの振幅と、の関係を示す。リップル電圧Vripの振幅は、三角波状のリップル電圧Vripにおける最大値と最小値との差であり、リップル電圧生成回路900では、出力デューティがゼロから増大するにつれて単調増加した後、極大値をとり、更に出力デューティが100%に向けて増大するにつれてゼロに向けて単調減少する。リップル電圧生成回路900において、リップル電圧Vripの振幅が極大となるときの出力デューティは抵抗901~903の各抵抗値に依存するが、例えば、出力デューティが50%であるときにリップル電圧Vripの振幅は極大となる。
リップル電圧Vripの振幅を、以下、リップル振幅と称する。安定したスイッチング制御のためには、所定の必要最小振幅Vrip_LIM以上のリップル振幅を確保する必要がある。スイッチング電源装置AAにて想定される出力デューティの仕様範囲(例えば10%から90%までの範囲)において、リップル振幅が最小となる動作点においてもリップル振幅が必要最小振幅Vrip_LIM以上となるようにリップル電圧生成回路(9、900)が設計されるべきであるが、そのような設計をリップル電圧生成回路900に対して行ったとき、出力デューティが50%であるときなど他の動作点では、リップル振幅が大きくなりすぎて、負荷応答特性(出力電圧Voutの変動に対する応答性)が悪くなることがある。
図5(a)~(c)を参照し、これについて説明する。図5(a)には、リップル付き帰還電圧Vfb’と誤差電圧Verrと比較結果信号CMPの波形が示されている。図5(a)において、一点鎖線で示される線分は、リップル付き帰還電圧Vfb’の中心レベルを表している。出力電圧Voutが一定レベルに安定化されている状況を起点として、負荷変動により出力電圧Voutが急峻に低下した場合を考える。このとき、リップル付き帰還電圧Vfb’の中心レベルは、出力電圧Voutの低下量に応じた分だけ、誤差電圧Verrに対し相対的に低下することになる(図5(b)参照)。これを受けて、次回の比較結果信号CMPのハイレベルへの遷移タイミングが、リップル付き帰還電圧Vfb’の中心レベルの低下を打ち消すように(即ち出力電圧Voutの低下を打ち消すように)シフトする。このようなシフトを通じて、コンスタントオンタイム制御方式による高い負荷応答特性が実現される。
図5(b)は、リップル振幅が相対的に小さい動作点にてスイッチング電源装置AAが動作しているときの、出力電圧Voutの急峻な低下に対する応答の様子を示しており、次回の比較結果信号CMPのハイレベルへの遷移タイミングが比較的大きな量931だけシフトしている。但し、図5(c)に示す如く、リップル振幅が相対的に大きい動作点にてスイッチング電源装置AAが動作しているときには、出力電圧Voutの上記の低下に対して、次回の比較結果信号CMPのハイレベルへの遷移タイミングが比較的小さな量932だけシフトすることになり、リップル振幅が相対的に小さい場合と比べて、出力電圧Voutを目標電圧に戻す応答性が悪くなる。
リップル振幅が小さいほど応答性が良くなるが、リップル振幅が小さすぎると、比較結果信号CMPがハイレベル又はローレベルになり続ける場合が生じ得るなど、スイッチング制御の安定性を欠く結果を招く。スイッチング制御の安定性を確保するために所定の必要最小振幅Vrip_LIM以上のリップル振幅を確保した上で、様々な動作点(仕様範囲内の任意の動作点)でリップル振幅を低く抑えることが望ましい。
これらの事情を考慮したリップル電圧生成回路9の詳細な回路例やスイッチング電源装置AAに関する応用技術や変形例を、以下の第1~第6実施例の中で説明する。特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、本実施形態において上述した事項が後述の第1~第6実施例に適用され、第1~第6実施例において上述の内容と矛盾する事項については、第1~第6実施例での記載が優先される。また矛盾無き限り、以下に述べる第1~第6実施例の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち第1~第6実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
[第1実施例]
第1実施例を説明する。図6は、第1実施例に係るリップル電圧生成回路9Aの構成図である。第1実施例では、リップル電圧生成回路9Aが図1のリップル電圧生成回路9として用いられる。図7は、リップル電圧生成回路9Aの動作波形図である。
リップル電圧生成回路9Aは、入力端子9IN及び出力端子9OUTと、コンデンサ41と、抵抗42と、放電用スイッチ43と、分圧抵抗である抵抗47及び48と、タイマ回路51と、を備える。第1実施例を含む本実施形態において、任意のスイッチは1以上のFET(電界効果トランジスタ)にて構成されるものとし、或るスイッチがオンのときには当該スイッチの両端子間が導通する一方で或るスイッチがオフのときには当該スイッチの両端子間が非導通となる。
入力端子9INにはリップル生成元電圧Vrsが供給される。リップル生成元電圧Vrsは、トランジスタ1aがオンとなる出力オン期間においてハイレベルの電圧値を有し且つトランジスタ1aがオフとなる出力オフ期間においてハイレベルよりも低いローレベルの電圧値を有する矩形波状の電圧であれば任意である。例えば、スイッチ端子SWにおけるスイッチング電圧Vswがリップル生成元電圧Vrsとして利用される。この場合、リップル生成元電圧Vrsのハイレベルは実質的に入力電圧Vin(12V)と一致し、リップル生成元電圧Vrsのローレベルは0Vとなる。或いは例えば、トランジスタ1aをオン/オフさせるために制御回路3からトランジスタ1aに向けて供給される制御信号Cntaの電圧をリップル生成元電圧Vrsとして利用しても良い。この場合、リップル生成元電圧Vrsのハイレベルは制御信号Cntaのハイレベル(例えば5V)と一致し、リップル生成元電圧Vrsのローレベルは制御信号Cntaのローレベル(0V)と一致する。
抵抗47及び48はリップル生成元電圧Vrsを分圧するための分圧回路を形成する。具体的には抵抗47の一端が入力端子9INに接続され、抵抗47の他端と抵抗48の一端はノードNdAにて共通接続されて、抵抗48の他端はグランドに接続される。ノードNdAは、抵抗42を介してコンデンサ41の一端に接続され、コンデンサ41の他端はグランドに接続される。抵抗42とコンデンサ41の接続ノードが出力端子9OUTに接続される。コンデンサ41の両端子間電圧である出力端子9OUTでの電圧がリップル電圧Vripである。特筆すべき事項として、ノードNdAは放電用スイッチ43を介してグランドに接続されている。タイマ回路51は、タイマ制御信号に基づいて放電用スイッチ43のオン/オフを制御する。
1つの出力オン期間と、それに隣接する1つの出力オフ期間とから成る単位期間を、便宜上、フレームと称する(図7参照)。また、ここでは、各フレームが、出力オン期間の開始タイミングから始まって、当該出力オン期間に続く出力オフ期間の終了タイミングにて終了するものとする(後述の他の実施例でも同様)。タイマ制御信号は、各フレームにおける出力オン期間の開始タイミング(即ち、トランジスタ1aのターンオンのタイミング)を特定できる信号であれば任意であり、例えばスイッチング電圧Vsw又は制御信号Cntaであって良い。タイマ回路51の必要耐圧を下げる観点からすれば、スイッチング電圧Vswよりも制御信号Cntaをタイマ制御信号として利用することが好ましい。また、ノードNdAの電圧がタイマ制御信号としてタイマ回路51に与えられても良い。以下では、タイマ制御信号は制御信号Cntaであるとする。
また、任意の信号又は電圧において、ローレベルからハイレベルへの切り替わりをアップエッジと称し、ローレベルからハイレベルへの切り替わりのタイミングをアップエッジタイミングと称する。同様に、任意の信号又は電圧において、ハイレベルからローレベルへの切り替わりをダウンエッジと称し、ハイレベルからローレベルへの切り替わりのタイミングをダウンエッジタイミングと称する。
タイマ回路51は、各フレームにおいて、タイマ制御信号のアップエッジタイミングにて放電用スイッチ43をオンからオフに切り替えて、そのアップエッジタイミングからの経過時間を計測し、計測した時間が所定の時間Tkに達すると放電用スイッチ43をオフからオンに切り替える(図7参照)。タイマ制御信号のアップエッジタイミングは、出力オン期間の開始タイミング(即ち、トランジスタ1aのターンオンのタイミング)に相当する。
図7に示すフレーム210に注目してリップル電圧生成回路9Aの動作を説明する。フレーム210はタイミングtA1から始まり、フレーム210の次のフレーム211はタイミングtA4から始まるものとする。タイミングtA1及びtA3間の期間が出力オン期間であり、タイミングtA3及びtA4間の期間が出力オフ期間である。図7の例では、時間の経過につれて、タイミングtA1、tA2、tA3、tA4が、この順番で訪れる。各フレームの開始直前は出力オフ期間に属するため、各フレームの開始直前において、リップル生成元電圧Vrsはローレベルである。また、後述の説明からも明らかとなるが、各フレームの開始直前では、放電用スイッチ43がオンとなっているので、その時のコンデンサ41の両端子間電圧に依らずノードNdAの電圧もローレベル(0V)である。
タイミングtA1において、リップル生成元電圧Vrsはローレベルからハイレベルに切り替わる。タイマ回路51は、タイミングtA1でのタイマ制御信号のアップエッジに応答して放電用スイッチ43をオンからオフに切り替え、その後、所定の時間Tkが経過すると放電用スイッチ43をオフからオンに切り替える。タイミングtA2は、タイミングtA1から時間Tkだけ後のタイミングである。一方、タイミングtA3において、リップル生成元電圧Vrsはハイレベルからローレベルに切り替わる。その後、タイミングtA4から始まるフレーム211では、フレーム210と同様の動作が繰り返される。
フレーム210において、放電用スイッチ43がオフとなっているタイミングtA1及びtA2間では、リップル生成元電圧Vrsに基づく電流が抵抗47及び抵抗42を介してコンデンサ41に供給されてコンデンサ41が充電され、結果、リップル電圧Vripが徐々に増大してゆく。一方、放電用スイッチ43がオンとなっているタイミングtA2及びtA4間では、コンデンサ41の蓄積電荷が抵抗42及び放電用スイッチ43を介して放電されるため、リップル電圧Vripが徐々に減少してゆく。即ち、出力デューティが相応に大きく、各フレームにおいて、出力オン期間の長さが所定の時間Tkより長かったとしても、コンデンサ41が充電される時間は時間Tkまでに制限されるため、リップル振幅が必要以上に大きくなることが無い。
図7の例では、出力デューティが比較的大きく、結果としてタイミングtA2がタイミングtA3よりも前になることが想定されている。このため、出力オン期間の一部においてコンデンサ41が充電されている。但し、出力デューティが比較的小さく、結果としてタイミングtA2がタイミングtA3と一致することもあるし、タイミングtA2がタイミングtA3よりも後になることもある。この場合には、出力オン期間の全部においてコンデンサ41が充電されることになる。何れにせよ、各フレームにおいて、コンデンサ41に充電電流が供給されていない期間では、コンデンサ41が放電される。
図8は、出力デューティが比較的小さく、結果としてタイミングtA2がタイミングtA3よりも後になるときの各種波形を示している。タイミングtA2がタイミングtA3よりも後である場合の動作を説明する。この場合、出力オン期間の全部において(即ちタイミングtA1及びtA3において)、放電用スイッチ43がオフとなっているため、リップル生成元電圧Vrsに基づく電流が抵抗47及び抵抗42を介してコンデンサ41に供給されてコンデンサ41が充電され、結果、リップル電圧Vripが徐々に増大してゆく。タイミングtA3にてリップル生成元電圧Vrsがローレベルに切り替わるため、その切り替わりから、放電用スイッチ43がターンオンされるタイミングtA2に至るまでは、コンデンサ41の蓄積電荷が抵抗42と抵抗47及び48とを介して放電され、タイミングtA2にて放電用スイッチ43がオンとなった後には、コンデンサ41の蓄積電荷が抵抗42及び放電用スイッチ43を介して放電される。図8の例の場合、タイミングtA3及びtA2間と、タイミングtA2及びtA4間とで、放電の時定数が異なるが、その様子は図8では特に示していない。
図7及び図8からも理解されるように、各フレームにおいて、放電用スイッチ43がオフとされる時間Tkは、コンデンサ41の充電期間の上限を表すことになる。
尚、タイマ制御信号は、各フレームにおける出力オン期間の開始タイミング(即ち、トランジスタ1aのターンオンのタイミング)及び終了タイミング(即ち、トランジスタ1aのターンオフのタイミング)の双方を特定できる信号であっても良く、スイッチング電圧Vswや制御信号Cntaは、それらの双方のタイミングを特定できる。この際、タイマ回路51は以下の変形例による動作を行っても良い。当該変形例に係るタイマ回路51は、各フレームにおいて、出力オン期間の開始タイミングに相当するタイマ制御信号のアップエッジタイミングにて放電用スイッチ43をオンからオフに切り替えて、そのアップエッジタイミングからの経過時間を計測し、原則として、計測した時間が所定の時間Tkに達すると放電用スイッチ43をオフからオンに切り替えるが、計測した時間が所定の時間Tkに達していなくてもタイマ制御信号がローレベルとなると(即ち出力オン期間の終了タイミングとなると)、その時点で、放電用スイッチ43をオフからオンに切り替えるようにしても良い。このような変形例を適用すれば、図8に示すような、出力オン期間の長さが時間Tk未満の場合においても、出力オン期間の終了と同時に(即ちタイミングtA2にて)放電用スイッチ43がターンオンされることになる。
図9に、出力デューティと、リップル電圧生成回路9Aにおけるリップル電圧Vripの振幅(リップル振幅)と、の関係を示す。リップル振幅は三角波状のリップル電圧Vripにおける最大値と最小値との差であり、リップル電圧生成回路9Aを用いた場合、リップル振幅は、出力デューティがゼロから増大するにつれて単調増加し、出力デューティが所定の基準値dREF(例えば15%)になった時点で所定の振幅Vrip_REFに達する。出力デューティが基準値dREF以上であるときには、常に、リップル振幅は所定の振幅Vrip_REFとなる。
出力デューティが基準値dREFと一致するとき、上述のタイミングtA2及びtA3が互いに一致する。出力デューティが基準値dREFを上回る状態は図7の状態(即ちタイミングtA2がタイミングtA3よりも前になる状態)に相当し、出力デューティが基準値dREFを下回る状態は図8の状態(即ちタイミングtA2がタイミングtA3よりも後になる状態)に相当する。各フレームにおいて、出力オン期間の長さが放電用スイッチ43のオフ時間Tk以上であれば、出力オン期間の長さに依らず、リップル振幅は所定の振幅Vrip_REFとなる。
振幅Vrip_REFが上述の必要最小振幅Vrip_LIMよりも大きくなるように、放電用スイッチ43のオフ時間Tk及びリップル電圧生成回路9Aの構成部品の定数が設計される(後述の他の実施例においても同様)。また、基準値dREFは、スイッチング電源装置AAにて想定される出力デューティの仕様範囲(例えば10%から90%までの範囲)内に収まり、当然ながら0%よりも大きいが、少なくとも50%より小さい。出力デューティの仕様範囲は、0%よりも大きい下限デューティ以上であって且つ100%よりも小さい上限デューティ以下の範囲である。スイッチング電源IC100は、出力デューティが仕様範囲内に収まる領域において正常動作し、出力デューティが仕様範囲を逸脱するようなスイッチング制御は行わないものとする。
第1実施例に示す構成にて、リップル振幅に上限を設けることにより、出力デューティに依らず、スイッチング電源装置AAの負荷応答特性を良好なものとすることが可能となる。
図10(a)及び(b)、図11(a)及び(b)並びに図12(a)及び(b)に、応答性の確認のために行ったシミュレーションの結果を示す。
図10(a)及び(b)は、スイッチング電源装置AAにて実現される、帰還電圧Vfbを用いて出力電圧Voutを制御する閉ループ制御系のゲインの周波数特性を表している。図10(a)の実線曲線310及び破線曲線312は、入力電圧Vinが12Vであって且つ出力電圧Voutが1Vである条件下でのゲインの周波数特性を表し、図10(b)の実線曲線320及び破線曲線322は、入力電圧Vinが12Vであって且つ出力電圧Voutが5Vである条件下でのゲインの周波数特性を表す。但し、実線曲線310及び320は図6のリップル電圧生成回路9Aを用いたときのゲインの周波数特性を表し、破線曲線312及び322は図4のリップル電圧生成回路900を用いたときのゲインの周波数特性を表す。
“(Vin,Vout)=(12V,1V)”の条件下では、リップル電圧生成回路900及び9A間で、カットオフ周波数(ゲインが0dBとなる周波数)に実質的な差が無い。当該条件下では、出力デューティがかなり小さいため、リップル電圧生成回路900を用いたとしてもリップル振幅が十分に小さいためである。これに対し、出力デューティが相応に高くなる“(Vin,Vout)=(12V,5V)”の条件下では、リップル電圧生成回路900を用いた場合と比べ、リップル電圧生成回路9Aを用いた場合においてカットオフ周波数(ゲインが0dBとなる周波数)が高周波側にシフトしていることが分かる。
次に、出力端子Voutを介し出力コンデンサC3の蓄積電荷を減ずる方向に流れる出力電流Ioutを0A(アンペア)から3Aへとステップ上昇させたときの、出力電圧Voutの変動の様子をシミュレートした。図11(a)及び(b)並びに図12(a)及び(b)を参照し、実線波形332、334、342及び344は、上記ステップ上昇をさせた出力電流Ioutの波形を表し、実線波形331、333、341及び343は、上記ステップ上昇をさせたときに観測される出力電圧Voutの波形を表す。当該シミュレーションにおいて入力電圧Vinは12Vに固定され、出力電圧Voutの目標電圧として1Vと5Vの2種類を用いた。
実線波形331は、出力電圧Voutの目標電圧が1Vの条件下でリップル電圧生成回路900を用いたときの電圧波形であり、実線波形333は、出力電圧Voutの目標電圧が1Vの条件下でリップル電圧生成回路9Aを用いたときの電圧波形であり、実線波形341は、出力電圧Voutの目標電圧が5Vの条件下でリップル電圧生成回路900を用いたときの電圧波形であり、実線波形343は、出力電圧Voutの目標電圧が5Vの条件下でリップル電圧生成回路9Aを用いたときの電圧波形である(但し、Voutの目標電圧に関して数10mV程度の誤差あり)。
出力電圧Voutの目標電圧が1Vの条件下では、リップル電圧生成回路900及び9A間で、応答特性は同等となる。当該条件下では、出力デューティがかなり小さいため、リップル電圧生成回路900を用いたとしてもリップル振幅が十分に小さいためである。これに対し、出力電圧Voutの目標電圧が5Vの条件下では、出力デューティが相応に高くなるため、リップル電圧生成回路900を用いた場合と比べ、リップル電圧生成回路9Aを用いた場合において応答特性が改善していることが分かる。
[第2実施例]
第2実施例を説明する。図6のリップル電圧生成回路9Aから抵抗48を削除することで、図13に示すリップル電圧生成回路9Bを構成することも可能である。図13は、第2実施例に係るリップル電圧生成回路9Bの構成図である。第2実施例では、リップル電圧生成回路9Bが図1のリップル電圧生成回路9として用いられる。抵抗48の有無を除き、リップル電圧生成回路9A及び9Bの構成及び動作は互いに同じであり、リップル電圧生成回路9Bによっても、リップル電圧生成回路9Aと同様の作用及び効果が得られる。
図6の回路9Aでは、抵抗47及び48の抵抗値を抵抗42の抵抗値よりも相応に小さくすることで、リップル生成元電圧VrsがハイレベルのときにおけるノードNdAでの分圧値を実質的に抵抗47及び48の抵抗値のみで設計することが可能となり、また、リップル電圧Vripの上昇時の傾きと下降時の傾きとを実質的に等しくすることが可能となる。このため、リップル電圧Vripに関わる定数設計が容易になるというメリットがある。図13の回路9Bでは、リップル電圧Vripの上昇時の傾きと下降時の傾きとが相違してくるが、抵抗48を削減できるというメリットがある。
[第3実施例]
第3実施例を説明する。図14は、第3実施例に係るリップル電圧生成回路9Cの構成図である。第3実施例では、リップル電圧生成回路9Cが図1のリップル電圧生成回路9として用いられる。図15は、リップル電圧生成回路9Cの動作波形図である。
リップル電圧生成回路9Cは、入力端子9IN及び出力端子9OUTと、コンデンサ41と、抵抗42と、放電用スイッチ43と、充電用スイッチ44と、タイマ回路53と、を備える。
入力端子9INにはリップル生成元電圧Vrsが供給される。リップル生成元電圧Vrsについては第1実施例に述べた通りである。リップル電圧生成回路9Cにおいて、入力端子9INは充電用スイッチ44の一端に接続され、充電用スイッチ44の他端はノードNdCにて放電用スイッチ43の一端に接続され、放電用スイッチ43の他端はグランドに接続されている。リップル電圧生成回路9Cにおいて、ノードNdCは、抵抗42を介してコンデンサ41の一端に接続され、コンデンサ41の他端はグランドに接続される。第1実施例と同様、抵抗42とコンデンサ41の接続ノードが出力端子9OUTに接続され、コンデンサ41の両端子間電圧である出力端子9OUTでの電圧がリップル電圧Vripである。タイマ回路53は、タイマ制御信号に基づいて放電用スイッチ43及び充電用スイッチ44のオン/オフを制御する。タイマ制御信号については第1実施例に述べた通りである。
第1実施例で述べたように、各フレームは、出力オン期間の開始タイミングから始まって、当該出力オン期間に続く出力オフ期間の終了タイミングにて終了するものとする。そうすると、各フレームの開始直前は出力オフ期間に属するため、各フレームの開始直前において、リップル生成元電圧Vrsはローレベルである。また、各フレームの開始直前には常に放電用スイッチ43がオン且つ充電用スイッチ44がオフとなっている(そのように時間Tkが予め定められている)。
各フレームにおいて、タイマ回路53は、当該フレームの開始タイミングと一致するタイマ制御信号のアップエッジタイミングにて放電用スイッチ43をターンオフする(即ちオンからオフに切り替える)一方で充電用スイッチ44をターンオンする(即ちオフからオンに切り替える)。上述したように、タイマ制御信号のアップエッジタイミングは、出力オン期間の開始タイミング(即ち、トランジスタ1aのターンオンのタイミング)に相当する。タイマ回路53は、タイマ制御信号のアップエッジタイミングからの経過時間を計測し、計測した時間が所定の時間Tkに達すると放電用スイッチ43をターンオンする(即ちオフからオンに切り替える)一方で充電用スイッチ44をターンオフする(即ちオンからオフに切り替える)。タイマ回路53は、放電用スイッチ43及び充電用スイッチ44を同時にオンにすることは無く、それらの同時オンを回避するためのデッドタイムが設けられていても良い。
第1実施例で述べたように、各フレームにおいて時間Tkの長さは出力オン期間の時間長さより長い場合もあるし、短い場合もあるし、一致する場合もある。故に、第1実施例で参照した図7と同様、図15に示す如く出力オン期間の一部においてコンデンサ41が充電されることもあるし、図15に示す例とは異なるが出力オン期間の全部においてコンデンサ41が充電されることもある。
各フレームにおいて、時間Tkの長さが出力オン期間の時間長さより長い場合、短い場合、及び、一致する場合の全てを考慮すれば、以下のことが言える。
出力オン期間の内、放電用スイッチ43がオフであり且つ充電用スイッチ44がオンである期間(図15の期間361に相当)では、リップル生成元電圧Vrsに基づく電流が充電用スイッチ44及び抵抗42を介してコンデンサ41に供給されてコンデンサ41が充電され、結果、リップル電圧Vripが徐々に増大してゆく。
出力オン期間中であっても、放電用スイッチ43がオンであり且つ充電用スイッチ44がオフである期間(図15の期間362に相当)では、コンデンサ41の蓄積電荷が抵抗42及び放電用スイッチ43を介して放電され、結果、リップル電圧Vripが徐々に減少してゆく。
出力オフ期間の内、放電用スイッチ43がオンであり且つ充電用スイッチ44がオフである期間(図15の期間363に相当)では、コンデンサ41の蓄積電荷が抵抗42及び放電用スイッチ43を介して放電され、結果、リップル電圧Vripが徐々に減少してゆく。
出力オフ期間の内、放電用スイッチ43がオフであり且つ充電用スイッチ44がオンである期間(図15にて図示されず;図8のタイミングtA3及びtA2間に対応)では、コンデンサ41の蓄積電荷が抵抗42及び充電用スイッチ44を介して放電され、結果、リップル電圧Vripが徐々に減少してゆく。
リップル電圧生成回路9Cによっても、リップル電圧生成回路9Aと同様の作用及び効果が得られる。リップル電圧生成回路9Cでは、リップル電圧Vripの上昇時の傾き及び下降時の傾きが抵抗42の抵抗値及びコンデンサ41の静電容量値だけで決まるため、定数設計が容易であり、狙い通りのリップル電圧Vripを生成させ易い。但し、図6や図13のリップル電圧生成回路(9A、9B)よりも構成が複雑となる。
[第4実施例]
第4実施例を説明する。帰還電圧Vfbにリップル電圧Vripを注入する代わりに、エラーアンプ8の出力電圧に対してリップル電圧Vripを注入するようにしても良い。具体的には、以下のようにしても良い。
図16は、第4実施例に係るスイッチング電源IC100の一部構成図である。第4実施例では、メインコンパレータ11の第1の非反転入力端子にソフトスタート電圧Vssが入力され、メインコンパレータ11の第2の非反転入力端子にリップル付き誤差電圧Verr’が入力され、メインコンパレータ11の反転入力端子には帰還電圧Vfbそのものが入力される。即ち、第4実施例では、加算回路10が帰還端子FB及びメインコンパレータ11間ではなくエラーアンプ8及びメインコンパレータ11間に挿入され、第4実施例に係る加算回路10は、エラーアンプ8から出力される誤差電圧Verrにリップル電圧Vripを加算して、この加算により得られた電圧(即ち、誤差電圧Verrとリップル電圧Vripとの和の電圧値を有する合成電圧)を、リップル付き誤差電圧Verr’としてメインコンパレータ11に出力する。
上述したように、メインコンパレータ11は、第1及び第2の非反転入力端子への入力電圧の内、低い方の電圧を第1比較電圧とし、反転入力端子への入力電圧を第2比較電圧として、第1比較電圧及び第2比較電圧を比較し、比較結果を示す比較結果信号CMPを出力する。スイッチング電源装置AAの起動時を除けば、ソフトスタート電圧Vssはリップル付き誤差電圧Verr’よりも高くなるため、リップル付き誤差電圧Verr’と帰還電圧Vfbとの比較結果が比較結果信号CMPに現れることとなる。
第4実施例において、リップル電圧Vripを生成するためのリップル電圧生成回路9は第1~第3実施例で示したリップル電圧生成回路9A、9B及び9Cの何れであっても良い。図17に各部の波形を示す。図3及び図17から分かるように、メインコンパレータ11にて比較されるべき2つの比較電圧の内、どちらにリップル電圧を注入しても、どちらが脈流電圧となるかが異なるだけで、同様の比較結果信号CMPが得られ、結果、同様の制御信号Cntaが得られる。
即ち、図17に示す如く、“Verr’<Vfb”の状態からタイミングt11にて“Verr’>Vfb”となると、メインコンパレータ11からの比較結果信号CMPのレベルがローレベルからハイレベルに切り替わり、その切り替わりのタイミングt11において、駆動ロジック回路22は制御信号Cntaのレベルをローレベルからハイレベルに切り替え、一方においてオンタイマ回路21はタイミングt11からの経過時間の計測を開始し、タイミングt11から所定のオン時間Tonが経過したタイミングt12にて、ワンショットパルス信号(単一のパルス信号)を駆動ロジック回路22に対して出力する。駆動ロジック回路22はワンショットパルス信号を受けると、制御信号Cntaのレベルをハイレベルからローレベルに切り替える。以後、同様の動作が繰り返される。
[第5実施例]
第5実施例を説明する。スイッチング電源装置AAは任意の種類の電気機器に搭載可能であり、当該電気機器内の任意の機能回路の駆動電圧としてスイッチング電源装置AAの出力電圧Voutを利用できる。
図18に、スイッチング電源装置AAが搭載される電気機器の例としての複写機の外観図を示す。この他、例えば、スイッチング電源装置AAが搭載される電気機器は、携帯電話機(スマートホンに分類される携帯電話機を含む)、携帯情報端末、タブレット型パーソナルコンピュータ、テレビ受像機、プロジェクタ、デジタルカメラ、MP3プレイヤー、歩数計、又は、Bluetooth(登録商標)ヘッドセットであって良い。
[第6実施例]
第6実施例を説明する。
スイッチング電源IC100の各構成要素は半導体集積回路の形態で形成され、当該半導体集積回路を、樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで半導体装置が構成される。但し、複数のディスクリート部品を用いてスイッチング電源IC100内の回路と同等の回路を構成するようにしても良い。
論理値を示す任意の信号又は電圧に関して、上述の主旨を損なわない形で、それらのハイレベルとローレベルの関係を逆にしても良い(即ち論理値“1”にハイレベルを割り当てるのかローレベルを割り当てるのかは任意であって良い)。
トランジスタ1aをPチャネル型のMOSFETにて構成するようにしても良く、この場合には、上述のスイッチング制御が実現されるように、トランジスタ1aのゲートに供給される電圧レベルが上述のものから変形される。トランジスタ1bをPチャネル型のMOSFETにすることも可能ではある。
上述の各トランジスタは、任意の種類のトランジスタであって良い。例えば、MOSFETとして上述されたトランジスタを、接合型FET、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はバイポーラトランジスタに置き換えることも可能である。任意のトランジスタは第1電極、第2電極及び制御電極を有する。FETにおいては、第1及び第2電極の内の一方がドレインで他方がソースであり且つ制御電極がゲートである。IGBTにおいては、第1及び第2電極の内の一方がコレクタで他方がエミッタであり且つ制御電極がゲートである。IGBTに属さないバイポーラトランジスタにおいては、第1及び第2電極の内の一方がコレクタで他方がエミッタであり且つ制御電極がベースである。
<<本発明の考察>>
上述の実施形態にて具体化された本発明について考察する。
本発明の一側面に係るスイッチング電源装置Wは、入力電圧(Vin)を出力トランジスタ(1a)にてスイッチングすることを通じて出力電圧(Vout)を生成するスイッチング電源装置において、所定の基準電圧に基づく第1比較電圧と、前記出力電圧に応じた帰還電圧に基づく第2比較電圧と、を比較することで比較結果信号(CMP)を生成する比較回路(11)と、前記出力トランジスタがオンとなる固定長の出力オン期間と前記出力トランジスタがオフとなる可変長の出力オフ期間とが交互に切り替わるように、前記比較結果信号に基づき前記出力トランジスタのオン/オフ制御を行うスイッチング制御回路(3)と、コンデンサ(41)の充放電を通じて前記コンデンサの端子電圧からリップル電圧(Vrip)を生成するリップル電圧生成回路(9)と、備え、前記比較回路の前段において前記第1比較電圧及び前記第2比較電圧の何れか一方に前記リップル電圧が注入され、前記リップル電圧生成回路は、前記出力オン期間の全部又は一部において前記コンデンサを充電する一方で、それ以外の期間において前記コンデンサを放電するように形成され、前記コンデンサの充電期間に上限を設けたことを特徴とする。
これにより、出力トランジスタのデューティに関わらず、リップル電圧の振幅が大きくなりすぎることが回避され、結果、負荷応答特性の向上が図られる。
具体的には例えば、前記スイッチング電源装置Wにおいて、前記リップル電圧生成回路は、前記出力オン期間においてハイレベルの電圧値を有し且つ前記出力オフ期間において前記ハイレベルよりも低いローレベルの電圧値を有する電圧をリップル生成元電圧(Vrs)として受け、前記出力オン期間の全部又は一部において、前記リップル生成元電圧に基づく電流を充放電抵抗(42)を介して前記コンデンサに供給することで前記コンデンサを充電し、それ以外の期間において、前記コンデンサの蓄積電荷を前記充放電抵抗を介して放電すると良い。
更に具体的には例えば、前記スイッチング電源装置Wにおいて、前記リップル電圧生成回路は、前記コンデンサの放電電流を流すための放電用スイッチ(43)を有し、前記放電用スイッチと前記コンデンサとの間に前記充放電抵抗が設けられて、前記放電用スイッチがオンのときに前記コンデンサの蓄積電荷が前記充放電抵抗及び前記放電用スイッチを介して放電され、前記リップル電圧生成回路は、前記出力トランジスタのターンオンのタイミングに対応する、前記リップル生成元電圧のローレベルからハイレベルへの切り替わりタイミング(図7ではtA1に対応)より、前記リップル生成元電圧に基づく電流を前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに供給し、前記切り替わりタイミングから前記上限に対応する所定時間(Tk)が経過すると前記放電用スイッチをターンオンすると良い。
この際例えば、前記スイッチング電源装置Wにおいて、前記リップル電圧生成回路は、前記リップル生成元電圧の分圧を生成する分圧回路(47、48)を有し、前記分圧の加わるノード(NdA)が、前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに接続され、且つ、前記放電用スイッチに接続されると良い。
或いは例えば、前記スイッチング電源装置Wに関し、前記リップル電圧生成回路において、前記充放電抵抗及び前記放電用スイッチが互いに接続されて、それらの接続ノードに対し他の抵抗(47)を介して前記リップル生成元電圧が加わっても良い。
更に或いは例えば、前記スイッチング電源装置Wにおいて、前記リップル電圧生成回路は、前記放電用スイッチと充電用スイッチ(44)との直列回路を有し、前記直列回路に対して前記リップル生成元電圧が加わり、前記放電用スイッチ及び前記充電用スイッチ間の接続ノード(NdC)が前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに接続され、前記リップル生成元電圧のローレベルからハイレベルへの切り替わりに同期して前記充電用スイッチをターンオンし且つ前記放電用スイッチをターンオフすることで当該切り替わりタイミングから前記リップル生成元電圧に基づく電流を前記充電用スイッチ及び前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに供給し、前記切り替わりタイミングから前記上限に対応する前記所定時間が経過すると前記充電用スイッチをターンオフし且つ前記放電用スイッチをターンオンしても良い。
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
100 スイッチング電源IC
AA スイッチング電源装置
Vin 入力電圧
Vout 出力電圧
Vsw スイッチング電圧
Vfb 帰還電圧
Vref 基準電圧
Verr 誤差電圧
Vrip リップル電圧
Vfb’ リップル付き帰還電圧
Verr’ リップル付き誤差電圧
Vrs リップル生成元電圧
CMP 比較結果信号
1a、1b トランジスタ
3 制御回路
8 エラーアンプ
9、9A、9B、9C リップル電圧生成回路
11 メインコンパレータ
41 コンデンサ
42 抵抗(充放電抵抗)
43 放電用スイッチ
44 充電用スイッチ
51、53 タイマ回路

Claims (11)

  1. 入力電圧を出力トランジスタにてスイッチングすることを通じて出力電圧を生成するスイッチング電源装置において、
    所定の基準電圧に基づく第1比較電圧と、前記出力電圧に応じた帰還電圧に基づく第2比較電圧と、を比較することで比較結果信号を生成する比較回路と、
    前記出力トランジスタがオンとなる固定長の出力オン期間と前記出力トランジスタがオフとなる可変長の出力オフ期間とが交互に切り替わるように、前記比較結果信号に基づき前記出力トランジスタのオン/オフ制御を行うスイッチング制御回路と、
    コンデンサの充放電を通じて前記コンデンサの端子電圧からリップル電圧を生成するリップル電圧生成回路と、備え、
    前記比較回路の前段において前記第1比較電圧及び前記第2比較電圧の何れか一方に前記リップル電圧が注入され、
    前記リップル電圧生成回路は、前記出力オン期間の全部又は一部において前記コンデンサを充電する一方で、それ以外の期間において前記コンデンサを放電するように形成され、前記コンデンサの充電期間に上限を設けた
    ことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記リップル電圧生成回路は、
    前記出力オン期間においてハイレベルの電圧値を有し且つ前記出力オフ期間において前記ハイレベルよりも低いローレベルの電圧値を有する電圧をリップル生成元電圧として受け、
    前記出力オン期間の全部又は一部において、前記リップル生成元電圧に基づく電流を充放電抵抗を介して前記コンデンサに供給することで前記コンデンサを充電し、それ以外の期間において、前記コンデンサの蓄積電荷を前記充放電抵抗を介して放電する
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記リップル電圧生成回路は、前記コンデンサの放電電流を流すための放電用スイッチを有し、
    前記放電用スイッチと前記コンデンサとの間に前記充放電抵抗が設けられて、前記放電用スイッチがオンのときに前記コンデンサの蓄積電荷が前記充放電抵抗及び前記放電用スイッチを介して放電され、
    前記リップル電圧生成回路は、前記出力トランジスタのターンオンのタイミングに対応する、前記リップル生成元電圧のローレベルからハイレベルへの切り替わりタイミングより、前記リップル生成元電圧に基づく電流を前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに供給し、前記切り替わりタイミングから前記上限に対応する所定時間が経過すると前記放電用スイッチをターンオンする
    ことを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記リップル電圧生成回路は、前記リップル生成元電圧の分圧を生成する分圧回路を有し、
    前記分圧の加わるノードが、前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに接続され、且つ、前記放電用スイッチに接続される
    ことを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記リップル電圧生成回路において、前記充放電抵抗及び前記放電用スイッチが互いに接続されて、それらの接続ノードに対し他の抵抗を介して前記リップル生成元電圧が加わる
    ことを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記リップル電圧生成回路は、前記放電用スイッチと充電用スイッチとの直列回路を有し、
    前記直列回路に対して前記リップル生成元電圧が加わり、
    前記放電用スイッチ及び前記充電用スイッチ間の接続ノードが前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに接続され、
    前記リップル生成元電圧のローレベルからハイレベルへの切り替わりに同期して前記充電用スイッチをターンオンし且つ前記放電用スイッチをターンオフすることで当該切り替わりタイミングから前記リップル生成元電圧に基づく電流を前記充電用スイッチ及び前記充放電抵抗を介して前記コンデンサに供給し、前記切り替わりタイミングから前記上限に対応する前記所定時間が経過すると前記充電用スイッチをターンオフし且つ前記放電用スイッチをターンオンする
    ことを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記リップル生成元電圧は、前記出力トランジスタによる前記入力電圧のスイッチング電圧である
    ことを特徴とする請求項2~6の何れかに記載のスイッチング電源装置。
  8. 前記リップル生成元電圧は、前記出力トランジスタをオン/オフさせるために前記スイッチング制御回路から前記出力トランジスタに向けて供給される制御信号の電圧である
    ことを特徴とする請求項2~6の何れかに記載のスイッチング電源装置。
  9. 前記帰還電圧及び前記基準電圧に基づいて誤差電圧を生成する誤差電圧生成回路を更に備え、
    前記第1比較電圧は前記誤差電圧であって且つ前記第2比較電圧は前記帰還電圧に前記リップル電圧を注入した電圧であり、或いは、前記第1比較電圧は前記誤差電圧に前記リップル電圧を注入した電圧であって且つ前記第2比較電圧は前記帰還電圧である
    ことを特徴とする請求項1~8の何れかに記載のスイッチング電源装置。
  10. 前記出力トランジスタとしてのハイサイドトランジスタと、前記ハイサイドトランジスタに対して直列に接続されたローサイドトランジスタと、を備え、
    前記スイッチング制御回路は、前記ハイサイドトランジスタをオンとするときには前記ローサイドトランジスタをオフとし、且つ、前記ハイサイドトランジスタをオフとするときには前記ローサイドトランジスタをオンとし、
    前記ハイサイドトランジスタ及び前記ローサイドトランジスタ間の接続ノードに現れる、前記入力電圧のスイッチング電圧を整流及び平滑化することで前記出力電圧が得られる
    ことを特徴とする請求項1~9の何れかに記載のスイッチング電源装置。
  11. 請求項1~10の何れかに記載のスイッチング電源装置を形成する半導体装置であって、前記スイッチング電源装置は集積回路を用いて形成される
    ことを特徴とする半導体装置。
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