JP7157278B1 - モータモニタリング装置 - Google Patents

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Abstract

本開示の一態様に係るモータモニタリング装置は、工作機械のモータの回転数を取得する回転数取得部と、前記モータの出力値を取得する出力値取得部と、前記モータの状態を示す状態値を取得する状態値取得部と、前記回転数および前記出力値の組み合わせを示すマーカを、一方の軸を前記回転数、他方の軸を前記出力値とするグラフ領域にプロットするグラフ表示部と、を備え、前記グラフ表示部は、前記回転数および前記出力値の想定される組み合わせについて、前記モータの複数の時間定格に基づいて前記グラフ領域を負荷レベルが異なる複数の負荷区域に区分するとともに、前記複数の負荷区域を識別可能に表示する、グラフ領域設定部と、前記状態値に応じて前記マーカの態様を変化させてプロットするプロット部と、を有する。

Description

本発明は、モータモニタリング装置に関する。
例えば工作機械の主軸モータ等、負荷が大きく変化し得るモータでは、負荷が大きい状態が続くと熱が蓄積してオーバーヒートするおそれがある。このようなモータには、特定の条件でオーバーヒートせずに運転できる様々な時間定格が設定され得る。時間定格としては、例えばJIS-C4034-1に、連続運転可能な連続定格、室温の状態から一定の時間(負荷時間)だけ運転可能な短時間定格、所定のサイクル時間内に一定の時間(負荷時間率)だけ運転可能な反復定格等が規定されている。
現在の運転状態を維持する場合にモータがオーバーヒートするまでの時間を推定することも提案されている(例えば特許文献1参照)。オーバーヒートするまでの時間が分かれば、現在の加工を最後まで継続できるか否かを判断することができる。
特許第5628994号公報
オーバーヒートするまでの時間を推定するだけでは、モータの動作の安全性および余力を容易に把握することができない。具体的には、例えばオーバーヒートに対する余裕を極小化して最大限に効率的な加工を行うことができるようモータ速度等の設定値を調整する場合、設定値をどの程度増減すればよいかを容易に判断することができない。このため、モータの状態を容易に把握できる技術が望まれる。
本開示の一態様に係るモータモニタリング装置は、モータの回転数を取得する回転数取得部と、前記モータの出力値を取得する出力値取得部と、前記モータの状態を示す状態値を取得する状態値取得部と、前記回転数および前記出力値の組み合わせを示すマーカを、一方の軸を前記回転数、他方の軸を前記出力値とするグラフ領域にプロットするグラフ表示部と、を備え、前記グラフ表示部は、前記回転数および前記出力値の想定される組み合わせについて、前記モータの複数の時間定格に基づいて前記グラフ領域を負荷レベルが異なる複数の負荷区域に区分するとともに、前記複数の負荷区域を識別可能に表示するグラフ領域設定部と、前記状態値に応じて前記マーカの態様を変化させてプロットするプロット部と、を有する。
本開示によれば、モータの状態を容易に把握できる。
本開示の第1実施形態に係るモータモニタリング装置を備える工作機械の構成を示すブロック図である。 図1のモータモニタリング装置による表示を例示する図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本開示の第1実施形態に係るモータモニタリング装置を備える工作機械1の構成を示すブロック図である。
工作機械1は、本発明に係るモータモニタリング装置の一実施形態である数値制御装置10と、主軸モータ20と、主軸モータ20の回転数を検出する回転数検出器21と、主軸モータ20の電流を検出する電流検出器22と、主軸モータ20の巻線温度を検出する温度検出器23と、数値制御装置10に従って画面表示を行う表示装置30と、ユーザが数値制御装置10に入力するために用いる入力装置40と、を備える。
数値制御装置10は、メモリ、プロセッサ(CPU)、入出力インターフェイス等を有し、適切な制御プログラムを実行する1または複数のコンピュータ装置によって実現され得る。以下に説明する数値制御装置10の構成要素は、数値制御装置10の機能を類別したものであって、物理構成およびプログラム構成において明確に区分できるものでなくてもよい。
主軸モータ20は、典型的には切削工具またはワークを回転駆動するモータとされ、加工状況に応じて回転数とは無関係に負荷が変動し得る。回転数検出器21、電流検出器22および温度検出器23は、それぞれ周知のセンサによって構成され得る。
表示装置30は、数値制御装置10から入力される信号に従って表示を行う周知のディスプレイである。表示装置30は、数値制御装置10と一体に構成されてもよい。入力装置40は、数値制御装置10にユーザが情報を入力するための装置であり、例えばキーボード、マウス等の周知の構成とされ得る。入力装置40も、数値制御装置10と一体に構成されてもよい。また、入力装置40は、表示装置30と一体に構成されてもよい。具体的には、表示装置30および入力装置40は、タッチパネル等の単一の入出力装置であってもよい。
本実施形態において、数値制御装置10は、プログラム記憶部11と、主軸モータ20を含む工作機械1の駆動軸を駆動するモータの動作を制御するモータ制御部12と、本開示に係るモータモニタリング装置の機能を実行するモータモニタリング部13と、を備える。
プログラム記憶部11は、工作機械1において実行される加工プログラムを記憶する。加工プログラムは、それぞれ工作機械1の単位動作を指定する複数のブロックを含む。各ブロックは、それぞれ複数のキャラクタ(文字)の組み合わせからなる1以上のワードを含む。一般的に、各ブロックは、最初に当該ブロックを特定するためのシーケンス番号が付される。
モータ制御部12は、加工プログラムに従って、主軸モータ20および工作機械1の他の駆動軸のモータを制御することにより、加工プログラムに記述される加工手順を実行する。モータ制御部12の構成は、周知の数値制御装置と同様であるため、詳しい説明を省略する。
モータモニタリング部13は、プログラム取得部131と、回転数取得部132と、出力値取得部133と、状態値取得部134と、情報保存部135と、プログラム表示部136と、グラフ表示部137と、を備える。
プログラム取得部131は、プログラム記憶部11から、主軸モータ20のモニタリング対象とする動作を指定する加工プログラムを取得する。つまり、プログラム取得部131は、対象とする加工プログラムを作業メモリに展開する。
回転数取得部132は、回転数検出器21から主軸モータ20の回転数を取得する。回転数取得部132は、モータ制御部12を介して主軸モータ20の回転数を取得してもよい。
出力値取得部133は、主軸モータ20の例えば電流値、電力値、トルク値等の出力値を取得する。出力値取得部133は、本実施形態では、出力値取得部133は、電流検出器22から主軸モータ20の電流値を取得し、電流値から算出される電力値およびトルク値を出力値として用いることが企図されるが、出力値取得部133は、電流値等の検出値をそのまま出力値とするよう構成されてもよい。出力値取得部133は、モータ制御部12から出力値または出力値を算出するために必要な値を取得してもよい。また、出力値取得部133が取得する出力値の種類は1種類でもよく、3種類以上でもよい。
状態値取得部134は、主軸モータ20の状態を示す状態値を取得する。本実施形態において、状態値取得部134は、温度検出器23から取得される主軸モータ20の巻線温度と出力値取得部133が取得した電流値または出力値とに基づいて主軸モータ20がその時点の回転数および出力値を維持する場合にオーバーヒート温度に達するまでの推定時間を算出し、この推定時間を第1の状態値とする。また、状態値取得部134は、出力値取得部133が取得した電流値に基づいて主軸モータ20のトルクを算出し、このトルクを第2の状態値とする。なお、状態値取得部134は、主軸モータ20の状態を示す他の指標を状態値としてもよく、例えば主軸モータ20の巻線温度をそのまま状態値として使用してもよい。
情報保存部135は、回転数取得部132が取得した回転数、出力値取得部133が取得した出力値および状態値取得部134が取得した状態値と、プログラム取得部131が取得した加工プログラムの対応するブロックを特定する情報、例えばシーケンス番号、行番号等とを関連付けて保存する。つまり、情報保存部135は、回転数、出力値および状態値が加工プログラムのどのブロックを実行したときの値であるかを特定可能に記憶する。例として、情報保存部135は、回転数、出力値、状態値およびシーケンス番号をデータ項目とするテーブルデータとして記憶するよう構成され得る。
通常、回転数、出力値および状態値は、短いサイクルで取得されるため、1つのブロックに対して複数の回転数、出力値および状態値の組み合わせが取得され得る。しかしながら、情報保存部135は、データ間でシーケンス番号が重複しないユニークキーとなるよう、1つのブロックに対して1つのデータを保存してもよい。この場合、各ブロックに対応する回転数、出力値、状態値は、それらの代表値が保存される。回転数、出力値、状態値の代表値としては、安全性を担保するために、そのブロックに対応する値の中のより高負荷を示す値(回転数、電流値および温度は最大値、推定時間は最小値)とすることが好ましい。
プログラム表示部136は、表示装置30の表示画面に、加工プログラムの一部分またはその位置を示す情報(例えば行番号等)を含むプログラム部分情報を表示する。つまり、プログラム表示部136は、表示装置30が表示する画面の少なくとも一部のデータを作成する。典型的には、プログラム表示部136は、図2に例示するように、表示装置30の表示画面に一定の大きさに加工プログラムを表示するプログラム表示領域を設定し、加工プログラムのうち、プログラム表示領域が許容する数の行をプログラム部分情報としてするよう構成される。プログラム表示部136は、プログラム部分情報として、シーケンス番号等の情報を含む加工プログラムを表示してもよく、加工プログラムから工作機械の動作を指定するワードのみを抽出して表示してもよく、例えばシーケンス番号、行番号等の加工プログラムの位置を示す情報だけを表示してもよく、これらの態様を切り替えて表示できるよう構成されてもよい。
プログラム表示部136は、ユーザが詳細の確認を希望する加工プログラムにおける位置を、例えばキャラクタ、ワード、ブロック等の単位で選択可能に表示することが好ましく、ユーザが複数のブロックを選択可能に構成されてもよい。このようなユーザによる加工プログラムにおける位置の選択結果は、後述するように、グラフ表示部137の表示内容に反映され得る。
プログラム表示部136は、加工プログラムの編集を受け付け得るよう構成されることが好ましい。つまり、プログラム表示部136に表示されるワードまたはテキストをユーザが選択し、選択したワードまたはテキストを書き換えることができ、書き換えられた加工プログラムをプログラム記憶部11に記憶させられるよう構成されることが好ましい。
プログラム表示部136は、回転数および出力値の少なくともいずれかの変化率の大きさを識別可能にプログラム部分情報を表示してもよい。具体例として、プログラム表示部136は、予め境界値が設定される変化率の区分または変化率の最大値に対する比率として境界値が設定される区分に応じて、対応するブロックの情報を表示する文字、背景、枠等の色や模様を変化させてもよい。典型的には、プログラム表示部136は、回転数および出力値の変化率をそれぞれ3つの区分に分類し、変化率が小さいブロックの文字または背景を青色、変化率が中程度のブロックの文字または背景を黄色、変化率が大きいブロックの文字または背景を赤色で表示するよう構成され得る。なお、この色は、回転数が属する区分および出力値が属する区分のうち、変化率が大きい方のブロックの色とすることが好ましい。このように、プログラム表示部136が、プログラム部分情報を各ブロックにおける回転数および出力値の少なくともいずれかの変化率の大きさを識別可能に表示することにより、回転数および出力値の少なくともいずれかが大きく変化する原因となるブロックを容易に特定できる。また、変化率は、ブロック内での変化率の最大値としてもよく、ブロックの代表値の間の変化率としてもよい。
プログラム表示部136は、回転数および出力値の組み合わせに基づいて判断される負荷レベルを識別可能に、プログラム部分情報の表示の態様を変化させてもよい。具体例として、プログラム表示部136は、表示するブロックに関連付けられた回転数および出力値の組み合わせが後述するグラフ表示部137において設定される負荷区域のいずれに属するかを、ブロックの情報を表示する文字、背景、枠等の色や模様の違いによって示してもよい。
プログラム表示部136は、状態値に応じて表示の態様を変化させることにより、状態値の大きさを連続的または段階的に識別可能に表示してもよい。プログラム表示部136は、各ブロックに状態値の値またはその大きさの区分を示す文字を付加してもよく、各ブロックの情報を表示する文字、背景、枠等の色や模様の違いによって状態値の大きさを示してもよい。典型的には、プログラム表示部136は、状態値が取り得る範囲を3以上に分割した区分のいずれに属するかに応じてブロックの表示の態様を変化させるよう構成され得る。この場合、プログラム表示部136は、ユーザの入力に従ってブロックの表示の態様を変化させる状態値の境界値を設定可能であってもよい。
また、プログラム表示部136は、後述するように、グラフ表示部137において選択された座標位置との差が所定のマージン量以下である回転数および出力値の組み合わせに関連付けられたブロックを識別可能に表示してもよい。ユーザがグラフ表示部137において注目する値を有する結果となるブロックを分かりやすく表示することによって、ユーザが加工プログラムの問題点を容易に把握できる。なお、座標位置の選択にマージン量を設定することで、近似する回転数および出力値の組み合わせを有するブロックを候補として示すことができるので、大まかな選択が許容される。
グラフ表示部137は、回転数および出力値の組み合わせを示すマーカを、一方の軸を回転数、他方の軸を出力値とするグラフ領域にプロットするグラフを表示装置30の表示画面に表示する。グラフ表示部137は、単一の出力値のグラフを表示してもよく、複数の出力値のグラフを並べて表示してもよい。また、グラフ表示部137は、上述の座標位置の選択機能を提供することが好ましい。
プログラム表示部136とグラフ表示部137は、加工プログラムと回転数および出力値との関係を分かりやすくするために、図2に例示するように、プログラム部分情報およびグラフを同一画面上に同時に表示することが好ましい。また、プログラム表示部136とグラフ表示部137は排他的に表示を行ってもよい。この場合、グラフ表示部137による画面に切り替える際にプログラム表示部136で選択されていたブロックに対応する回転数および出力値をプロットし、プログラム表示部136による表示に切り替える際にグラフ表示部137で選択されていた座標値の近傍の回転数および出力値に対応するブロックを強調表示するプログラム部分情報を表示してもよい。
グラフ表示部137は、グラフ領域を複数の負荷区域に区分するとともに、複数の負荷区域を識別可能に表示するグラフ領域設定部1371と、状態値に応じてマーカの態様を変化させてプロットするプロット部1372と、を有する。
グラフ領域設定部1371は、回転数および出力値の想定される組み合わせについて、主軸モータ20の複数の時間定格に基づいてグラフ領域を負荷レベルが異なる複数の負荷区域に区分する。これにより、主軸モータ20の危険度をユーザが容易に把握できる。
グラフ領域設定部1371は、色または模様により複数の負荷区域を識別可能に表示することが好ましい、色または模様を付することによって、回転数および出力値の組み合わせがどの負荷区域に属するかを容易に把握できる。また、その負荷区域の負荷レベルの高さを直感しやすい色または模様、例えば青、黄、赤の色を用いることで、主軸モータ20の運転状態の危険度を容易に把握できる。
主軸モータ20の回転数および出力値の組み合わせを連続定格以下とすれば、主軸モータ20の負荷に関してはその運転状態を無制限に継続することができる。このため、最も負荷レベルが低い負荷区域の上限は、連続定格を表す曲線とされることが好ましい。
グラフ領域設定部1371は、複数の負荷区域のいずれかの境界、好ましくは最も負荷レベルが高い負荷区域の下限を、同一の回転数における複数の時間定格(例えば負荷時間率が異なる短時間定格および反復定格)のうちの最大値を繋いだ線とすることが好ましい。この境界線を越える区域にプロットされる回転数および出力値の組み合わせは、直ちに障害を発生させ得る危険な出力状態であることを意味する。逆にこの境界線を越えなければ、短時間であれば問題を生じさせない可能性がある。
グラフ領域設定部1371は、グラフ領域設定部は、複数の負荷区域の少なくともいずれかの境界をユーザの入力に従って選択できるよう構成されてもよい。具体的には、上述の連続定格、複数の時間定格の最大値、並びに負荷時間が異なる複数の短時間定格および負荷時間率が異なる複数の反復定格の中から、負荷区域の境界を選択できるよう構成され得る。これにより、工作機械1において行う加工の内容を考慮して適切と思われる負荷区域を設定できるので、主軸モータ20の危険度をより適切に把握できる。
プロット部1372は、マーカの例えば形状、大きさ、色、模様等の違いによって状態値の大きさを示しつつ、回転数および出力値の組み合わせをプロットする(図2では丸い外縁部の内側にハッチングが付されている)。これにより、ユーザは、回転数および出力値が示す主軸モータ20のその時点の運転状態とともに、主軸モータ20の以前の運転状態にも影響され得る状態値を同時に把握できる。例として、状態値が主軸モータ20の温度が高くなっていることを示すものであったとしても、その時点の負荷レベルが低ければ、主軸モータ20の温度がさらに上昇する危険性はないと判断できることがある。逆に、その時点の負荷レベルがさほど高くない場合であっても、その運転状態を継続すれば間もなくオーバーヒートするおそれがあると判断できることもある。マーカは、グラフ領域の色または模様との区別を容易にする外縁部と状態値を示す塗りつぶし部とを有する態様とされてもよい。このように、プロット部1372がマーカの態様により状態値を示すことで、ユーザは、主軸モータ20の運転状態を多面的に把握できる。
プロット部1372は、状態値の値に応じてマーカの大きさ、色等を連続的に変化させてもよいが、状態値が取り得る範囲を3以上に分割した区分のいずれに属するかに応じて、マーカの態様を決定することが好ましい。マーカの態様を段階的に変化させることによって、状態値の大きさを分かりやすく提示できる。状態値の区分は、予め設定されてもよいが、動的に変更されてもよい。例として、状態値として、オーバーヒート温度に達するまでの推定時間を用いる場合、回転数および出力値の組み合わせが、連続定格を越えた瞬間の状態値(推定時間)を状態値が取り得る範囲の最大値とし、この最大値に対する所定の比率の値を状態値の区分の境界値としてもよい。典型的には、プロット部1372は、前記最大値を3等分するよう境界値を設定して状態値が取り得る範囲を3つの区分に分割するよう構成され得る。
また、プロット部1372は、ユーザの入力に従ってマーカの態様を変化させる状態値の境界値を設定可能に構成されてもよい。境界値は、絶対値により指定されてもよく、最大値に対する比率として指定されてもよい。また、境界値は、予め設定される複数の選択肢の中からユーザが選択されてもよい。これにより、工作機械1において行う加工の内容を考慮して適切と思われるタイミングでマーカの態様を変化させられるので、ユーザが主軸モータ20の危険度をより適切に把握できる。
プロット部1372は、上述のように、プログラム表示部136において加工プログラムの位置が選択または編集された場合には、加工プログラムの選択または編集されている位置に対応する回転数および出力値を選択的にプロットするよう構成されることが好ましい。特に、プログラム表示部136においてユーザが複数のブロックを選択した場合には、プロット部1372は、選択されている複数のブロックに対応する回転数および出力値を同時にプロットまたは動画として連続してプロットすることが好ましい。これにより、ユーザは、加工プログラムの確認または編集を行おうとするブロックにおける主軸モータ20の回転数および出力値並びに状態値を容易に確認できる。
本実施形態に係る数値制御装置10は、主軸モータ20の回転数および出力値の想定される組み合わせについて、主軸モータ20の複数の時間定格に基づいてグラフ領域を負荷レベルが異なる複数の負荷区域に区分するとともに、複数の負荷区域を識別可能に表示する、グラフ領域設定部1371と、状態値に応じてマーカの態様を変化させてプロットするプロット部1372と、を有するグラフ表示部137を備えるため、ユーザが主軸モータ20の負荷状態の安全性を容易に把握できる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、前述した実施形態に記載された効果は、本発明から生じる好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、前述した実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
本開示に係るモータモニタリング装置は、工作機械を制御する数値制御装置から独立して設けられてもよく、工作機械の主軸モータ以外のモータ、例えば混練機のモータ等の状態を確認するものであってもよい。例として、本開示に係るモータモニタリング装置は、1または複数の数値制御装置を管理する管理コンピュータ、例えば混練機等の制御装置またはそのような制御装置を管理する管理コンピュータに上述の実施形態のモータモニタリング部の機能を付加したものであってもよい。
本開示に係るモータモニタリング装置において、情報保存部およびプログラム表示部は省略されてもよい。つまり、本開示に係るモータモニタリング装置は、主軸モータの負荷状態をリアルタイムに表示するものであってもよい。
1 工作機械
10 数値制御装置(モータモニタリング装置)
11 プログラム記憶部
12 モータ制御部
13 モータモニタリング部
131 プログラム取得部
132 回転数取得部
133 出力値取得部
134 状態値取得部
135 情報保存部
136 プログラム表示部
137 グラフ表示部
1371 グラフ領域設定部
1372 プロット部
20 主軸モータ
21 回転数検出器
22 電流検出器
23 温度検出器
30 表示装置
40 入力装置

Claims (7)

  1. モータの回転数を取得する回転数取得部と、
    前記モータの出力値を取得する出力値取得部と、
    前記モータの状態を示す状態値を取得する状態値取得部と、
    前記回転数および前記出力値の組み合わせを示すマーカを、一方の軸を前記回転数、他方の軸を前記出力値とするグラフ領域にプロットするグラフ表示部と、
    を備え、
    前記グラフ表示部は、
    前記回転数および前記出力値の想定される組み合わせについて、前記モータの複数の時間定格に基づいて前記グラフ領域を負荷レベルが異なる複数の負荷区域に区分するとともに、前記複数の負荷区域を識別可能に表示するグラフ領域設定部と、
    前記状態値に応じて前記マーカの態様を変化させてプロットするプロット部と、
    を有する、モータモニタリング装置。
  2. 前記グラフ領域設定部は、前記複数の負荷区域のいずれかの境界を、同一の前記回転数における複数の前記時間定格のうちの最大値を繋いだ線とする、請求項1に記載のモータモニタリング装置。
  3. 前記グラフ領域設定部は、前記複数の負荷区域の少なくともいずれかの境界をユーザの入力に従って選択する、請求項1または2に記載のモータモニタリング装置。
  4. 前記グラフ領域設定部は、色または模様により前記複数の負荷区域を識別可能に表示する、請求項1から3のいずれかに記載のモータモニタリング装置。
  5. 前記プロット部は、前記状態値が取り得る範囲を3以上に分割した区分のいずれに属するかに応じて、前記マーカの態様を決定する、請求項1から4のいずれかに記載のモータモニタリング装置。
  6. 前記プロット部は、ユーザの入力に従って前記マーカの態様を変化させる前記状態値の境界値を設定可能である、請求項1から5のいずれかに記載のモータモニタリング装置。
  7. 前記状態値取得部は、前記状態値として、前記モータがその時点の前記回転数および前記出力値を維持する場合にオーバーヒート温度に達するまでの推定時間を算出する、請求項1から6のいずれかに記載のモータモニタリング装置。
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