JP7155045B2 - 金属の連続鋳造棒の製造方法および製造装置 - Google Patents

金属の連続鋳造棒の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

この発明は、例えばアルミニウム等の金属の連続鋳造材を製造するための金属の連続鋳造棒の製造方法および製造装置に関する。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、特に明示した場合を除き、「アルミニウム(Al)」という用語は、アルミニウム合金(Al合金)を含む意味で用いられ、「連続鋳造」という用語は、半連続鋳造を含む意味で用いられている。
アルミニウム材料を基にした各種のアルミニウム製品において、バラツキが少なく高品質、高強度が要求される製品に対しては、鍛造加工による鍛造製品、圧延加工による圧延製品、押出加工による押出製品が多く用いられている。これらの加工の材料となる鍛造材料、圧延材料、押出材料は一般に、アルミニウムの連続鋳造によって得られる連続鋳造材を基に製作されている。
連続鋳造材を製作するための製造装置(連続鋳造装置)としては例えば、下記特許文献1,2に示すように、鋳造方向が垂直下向きの竪型連続鋳造装置が周知である。この竪型連続鋳造装置においては、溶湯が鋳型を通って外周面が凝固した鋳塊に対し、鋳型直下で鋳塊の全周から冷却液(冷却媒体)としての冷却水が噴射されることにより、鋳塊全域が急速に冷却されるようになっている。
従来、鋳塊を冷却するための冷却水の噴射方式としては同文献1,2に示すように、鋳塊の外周に設けられたスリット状または円孔状の冷却水噴出口から冷却水を噴射する方式が一般的である。
このようなアルミニウムの連続鋳造において鋳塊を冷却する工程は、非常に重要な工程であり、鋳塊の全周からバランス良く鋳塊内部(中心部)まで急冷凝固されることによって、鋳塊組織を良好な状態に制御できて、鋳塊全域において、材料結晶組織や、晶出および析出物挙動が同等となり、バラツキのない良好な鋳塊組織を有する高品質な連続鋳造材を製作することができる。
特開2004-236559号公報 特開2002-9682号公報
ところで、従来のアルミニウムの連続鋳造方法においては生産効率の向上等を目的として、多数の鋳型が並列に配置され、各鋳型を溶湯がそれぞれ通過することにより、多数本の連続鋳造棒が同時並列で連続鋳造されるようにした、いわゆる多連式の連続鋳造が多く採用されている。このような多連式の連続鋳造においては、隣合う連続鋳造棒間において互いに熱による影響を受けて、連続鋳造棒の外周面が複雑な温度分布となるため、全ての連続鋳造材をそれぞれバランス良く冷却できず、高品質の連続鋳造材を確実に製作することが困難であるという課題があった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、全ての鋳塊をバランス良く冷却できて高い品質の連続鋳造材を製造することができる金属の連続鋳造棒の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]複数の鋳型から並列状態で引き出された複数の鋳塊の各外周面に冷却液を供給して、複数の鋳塊をそれぞれ冷却するようにした金属の連続鋳造棒の製造方法であって、
所定の鋳塊において周囲に対向配置される他の鋳塊の数を隣接鋳塊数として、
隣接鋳塊数が少ない鋳塊を、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対し冷却液による冷却の度合を小さくした弱冷で冷却するようにしたことを特徴とする金属の連続鋳造棒の製造方法。
[2]隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対する冷却液の供給量が、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対する冷却液の供給量よりも少なく設定されている前項1に記載の金属の連続鋳造棒の製造方法。
[3]隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対する冷却液の供給圧力が、隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対する冷却液の供給圧力よりも小さく設定されている前項1または2に記載の金属の連続鋳造方法。
[4]各鋳塊をその全周において冷却の度合を均等に設定している前項1~3のいずれか1項に記載の金属の連続鋳造棒の製造方法。
[5]鋳塊の外周面のうち、他の鋳塊に対向せず開放された領域を開放領域とし、他の鋳塊に対向する領域を鋳塊対向領域として、
前記開放領域を、その開放領域における冷却液による冷却の度合を前記鋳塊対向領域における冷却液による冷却の度合よりも小さくして冷却するようにした前項1~3のいずれか1項に記載の金属の連続鋳造棒の製造方法。
[6]並列に配置された複数の鋳型と、各鋳型に対応してそれぞれ設けられた冷却液噴出口とを備え、前記複数の鋳型から並列状態で引き出された複数の鋳塊の各外周面に対し、前記複数の冷却液噴出口から冷却液が供給されて、複数の鋳塊がそれぞれ冷却されるようにした金属の連続鋳造棒の製造装置であって、
所定の鋳塊において周囲に対向配置される他の鋳塊の数を隣接鋳塊数として、隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対する冷却液の供給量を、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対する冷却液の供給量よりも少なくするための供給量調整手段を備えたことを特徴とする金属の連続鋳造棒の製造装置。
[7]前記冷却液噴出口は、対応する鋳塊の外周に沿って間隔をおいて複数配置され、各冷却液噴出口から冷却液が噴射されて、対応する鋳塊の外周面に供給されるように構成され、
隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の総開口面積が、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の総開口面積よりも小さく設定され、
前記複数の冷却液噴出口によって前記供給量調整手段が構成されている前項6に記載の金属の連続鋳造棒の製造装置。
[8]隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の口径が、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の口径よりも小さく設定されている前項7に記載の金属の連続鋳造棒の製造装置。
[9]隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の間隔が、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の間隔よりも広く設定されている前項7または8に記載の金属の連続鋳造棒の製造装置。
[10]隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対応する冷却液の供給圧力を、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対応する冷却液の供給圧力よりも低くするための供給圧力調整手段を備え、
前記供給圧力調整手段によって前記供給量調整手段が構成されている前項6~9のいずれか1項に記載の金属の連続鋳造棒の製造装置。
発明[1]の金属の連続鋳造棒の製造方法によれば、周囲に鋳塊が少ない外側の鋳塊を、周囲に鋳塊が多い内側の鋳塊に対し弱冷で冷却するようにしているため、他の鋳塊からの熱の影響が少なく効率良く冷却できる外側の鋳塊を弱く、他の鋳塊からの熱の影響が多くて効率良く冷却できない内側の鋳塊を強く冷却することができ、各鋳塊を偏りなくバランス良く冷却することができ、良好な鋳塊組織に形成できて、高品質の鋳塊としての連続鋳造材を確実に鋳造することができる。
発明[2]~[4]の金属の連続鋳造棒の製造方法によれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[5]の金属の連続鋳造棒の製造方法によれば、鋳塊の外周面のうち、他の鋳塊に対向しない開放領域を、他の鋳塊に対応する鋳塊対向領域に対し弱冷で冷却するようにしているため、効率良く冷却できる開放領域を弱く、かつ効率良く冷却できない鋳塊対向領域を強く冷却することができ、各鋳塊を全周から中心部までバランス良く冷却することができ、鋳塊全域を均一かつ良好な鋳塊組織に形成できて、バラツキのない高品質の鋳塊としての連続鋳造材をより一層確実に鋳造することができる。
発明[6]の金属の連続鋳造棒の製造装置によれば、周囲に鋳塊が少ない外側の鋳塊に対する冷却液の供給量を、周囲に鋳塊が多い内側の鋳塊に対する冷却液の供給量よりも少なくするための供給量調整手段を備えているため、外側の鋳塊を内側の鋳塊に対し弱冷で冷却することができる。このため上記と同様、各鋳塊を偏りなくバランス良く冷却することができ、良好な鋳塊組織に形成できて、高品質の鋳塊としての連続鋳造材を確実に鋳造することができる。
発明[7]~[10]の金属の連続鋳造棒の製造装置によれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
図1はこの発明の実施形態である連続鋳造棒の製造装置としての竪型連続鋳造装置を概略的に示す側面図である。 図2Aは実施形態の連続鋳造装置に適用されたホットトップ鋳造機を示す側面断面図である。 図2Bは実施形態のホットトップ鋳造機を模式化して示す水平断面図である。 図3は実施形態の連続鋳造装置により鋳造された鋳塊を説明するための概略水平断面図である。 図4は実施形態の連続鋳造装置により鋳造された鋳塊の外周面領域を説明するための概略水平断面図である。 図5Aはこの発明の第1変形例である連続鋳造装置のホットトップ鋳造機を模式化して示す水平断面図である。 図5Bはこの発明の第2変形例である連続鋳造装置のホットトップ鋳造機を模式化して示す水平断面図である。 図5Cはこの発明の第3変形例である連続鋳造装置のホットトップ鋳造機を模式化して示す水平断面図である。 図6はこの発明の他の実施形態である連続鋳造装置における鋳塊の冷却方法を説明するための概略水平断面図である。 図7はこの発明の別の実施形態である連続鋳造装置における鋳塊の冷却方法を説明するための概略水平断面図である。 図8は上記別の実施形態である連続鋳造装置による鋳塊の外周面領域を説明するための概略水平断面図である。
図1はこの発明の実施形態であるアルミニウムの連続鋳造材の製造装置としての連続鋳造装置が適用された竪型連続鋳造装置を概略的に示す側面図、図2Aおよび図2Bは実施形態の鋳造装置に適用されたホットトップ鋳造機1を示す図である。
図1に示すようにこの鋳造装置は、並列に配置された3台のホットトップ鋳造機1を備えている。図2Aおよび図2Bに示すように各鋳造機1は、アルミニウムの溶湯W1を凝固して鋳塊W2を鋳造する鋳型(モールド)2と、各鋳型1の下端部に設けられた冷却液噴出口としての噴出口3と、鋳型1の上側に設けられ、かつ鋳型2に溶湯W1を注入する溶湯受槽4とを備えている。
鋳型2はその内部に供給された一次冷却水としての冷却水Mにより冷却されている。また鋳型2の下端部に設けられた噴出口3は、鋳型2内の冷却水(冷却液)Mを二次冷却水として噴出するものである。図2Bに示すように噴出口3は、周方向に適宜の間隔をおいて複数設けられている。
この鋳造装置では、各鋳造機1における各溶湯受槽4内に供給された金属としてのアルミニウムの溶湯W1が、冷却された各鋳型2の内部に注入される。各鋳型2に注入された溶湯W1は、各鋳型2と接触することによって一次的に冷却されてそれぞれ半凝固状態の鋳塊W2となる。半凝固状態の鋳塊W2はその外周部に凝固膜が形成された状態となっている。
そしてこの状態の各鋳塊W2が鋳型2の内側を下方向に向けて連続的にそれぞれ通過していき、各鋳型2を通過した直後の鋳塊W2に対し各噴出口31から冷却水Mが噴出されて冷却水Mが各鋳塊W2の外周面にそれぞれ直接接触して各鋳塊W2が冷却される。こうして各鋳塊W2が下方に引き抜かれつつ、二次冷却されて大部分が凝固して丸棒状の3本の連続鋳造材(ビレット)が並列配置された状態で同時並行に製造されるようになっている。
次に本実施形態の鋳造装置において鋳塊W2の冷却方法について説明する。図3は本実施形態の鋳造装置によって鋳造された鋳塊(連続鋳造棒)W2を説明するための概略水平断面図である。
同図に示すようにこの実施形態の鋳造装置においては、3本の鋳塊W2が並列配置で並行に鋳造されていくが、本実施形態においては、ある特定の鋳塊(所定の鋳塊)W2において周囲に対向配置される他の鋳塊W2の数を、当該所定の鋳塊W2における隣接鋳塊数と規定している。
例えば同図の左端に位置する鋳塊W2は、同図の右側にのみ鋳塊W2が対向配置されているため、左端の鋳塊W2の隣接鋳塊数は「1」となる。また同図の中間に位置する鋳塊W2は、左右両側に鋳塊W2が対向配置されているため、この中間の鋳塊W2の隣接鋳塊数は「2」となり、さらに右端の鋳塊W2は、左側のみに鋳塊W2が対向配置されて、隣接鋳塊数は「1」となる。
そして本実施形態においては、この隣接鋳塊数に基づいて、各鋳塊W2に対する冷却の度合を調整するものである。すなわち、隣接鋳塊数が少ない外側の鋳塊W2を、隣接鋳塊数が多い内側の鋳塊に対し冷却液Mによる冷却の度合を小さくした弱冷で冷却するようにしている。例えば本実施形態においては、両外側の鋳塊W2は隣接鋳塊数が「1」で、中間(内側)の鋳塊W2は隣接鋳塊数が「2」であるため、隣接鋳塊数が少ない両外側の鋳塊W2を冷却度合が小さい弱冷で冷却し、隣接鋳塊数が多い中間(内側)の鋳塊W2を冷却度合が大きい強冷で冷却するものである。ここで本実施形態において、冷却の度合を小さくするということは、鋳塊W2から吸収する熱量を少なくするということであり、逆に冷却度合を大きくするということは、鋳塊W2から吸収する熱量を多くするということである。
冷却度合を調整する手段としては、隣接鋳塊数が少ない鋳塊W2に対する冷却水Mの供給量を、隣接鋳塊数が多い鋳塊W2に対する冷却水Mの供給量を少なくするような構成を採用することができる。
具体的には、隣接鋳塊数が少ない鋳塊W2を鋳造する外側の鋳造機1(鋳型2)においては、冷却水Mを供給するための噴出口3の総開口面積を少なくし、隣接鋳塊数が多い鋳塊W2を鋳造するする内側の鋳造機1(鋳型2)においては、噴出口3の総開口面積を多くする。例えば外側の鋳造機1の各噴出口3の孔径(口径)を小さくし、内側の鋳造機1の各噴出口3の孔径(口径)を大きく形成したり、あるいは外側の鋳造機1においては、複数の噴出口3における隣合う噴出口3の間隔(ピッチ)を、内側の鋳造機1の複数の噴出口3における隣合う噴出口3の間隔(ピッチ)に比べて広く設定する。これにより、隣接鋳塊数が少ない外側の鋳塊W2に対しては冷却水Mの供給量が少なくなり、弱冷で冷却されるとともに、隣接鋳塊数が多い内側の鋳塊W2に対しては冷却水Mの供給量が多くなり、強冷で冷却されるようになる。
ここで本実施形態においては、各鋳造機1の複数の噴出口3によって供給量調整手段が構成されている。
なお本実施形態においては、噴出口3の形状を円形に形成しているが、噴出口3の形状は特に限定されるものではなく、本発明においては、長円形、楕円形、スリット状、三角形や四角形等の多角形、異形形状、さらにこれらの形状が混在したもの等を採用することができる。さらに円形以外の噴出口3を採用した場合でも、上記と同様に口径やピッチを調整することによって、冷却の度合を調整することができる。
具体的には、スリット状の噴出口3を採用するような場合には、外側の鋳造機1では噴出口3のスリット幅が1mm、内側の鋳造機1では噴出口3のスリット幅が2mmとなるように設定し、円形の噴出口3を採用するような場合には、外側の鋳造機1では噴出口3の孔径がφ2mm、内側の鋳造機1では噴出口3は孔径がφ3mmとなるように設定し、さらに外側の鋳造機では、噴出口3の間隔(ピッチ)を15度ピッチ、内側の鋳造機では10度ピッチとなるように設定するものである。
また本実施形態においては、噴出口3からの冷却水Mの供給圧(水圧)を調整することによって弱冷と強冷とを切り替えるようにすることも可能である。例えば弱冷側の鋳造機1の噴出口3から噴出される冷却水Mの水圧が、強冷側の鋳造機1の噴出口3から噴出される冷却水Mの水圧に比べて低く設定されている。これにより隣接鋳塊数の少ない鋳塊W2に対しては、低圧かつ低速で冷却水Mが供給されて弱冷で冷却されるとともに、隣接鋳塊数が多い鋳塊W2に対しては、高圧かつ高速で冷却水Mが供給されて強冷で冷却されるようになる。
以上のように本実施形態によれば、隣接鋳塊数が少ない外側の鋳塊W2を、隣接鋳塊数が多い内側の鋳塊W2に対し弱冷で冷却するようにしているため、全ての鋳塊W2を高品質に鋳造することができる。
すなわち鋳造される鋳塊W2は隣合う他の鋳塊W2から熱の影響を受けるため、隣接鋳塊数が少ない外側の鋳塊W2は、他の鋳塊W2から熱の影響を受け難く、冷却効率が高くなるのに対し、隣接鋳塊数が多い内側の鋳塊W2は、他の鋳塊W2から熱の影響を受け易く、冷却効率が低くなってしまう。そこで本実施形態においては、冷却効率が高い外側の鋳塊W2を、冷却効率が低い内側の鋳塊W2に比べて弱冷で冷却するようにしているため、各鋳塊を偏りなく均等に冷却することができ、各鋳塊を良好な鋳塊組織に形成できて、バラツキのない高品質の鋳塊(連続鋳造材)W2を確実に鋳造することができる。
また本実施形態においては、外側の鋳塊W2を弱冷で冷却することによって、過度の冷却を防止でき、冷却に要するエネルギーを必要以上浪費するのを防止でき、一層効率良く冷却できて、ひいては鋳造製品の生産効率を一層向上させることができる。
なお上記実施形態においては、鋳造される各鋳塊W2をその全周にわたって同じ冷却度合で均等に冷却する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては以下に説明するように、各鋳塊W2毎に、周方向の位置(領域)に応じて冷却度合を異ならせて冷却するようにしても良い。すなわち本発明においては、隣接鋳塊数が少ない外側の鋳塊W2の冷却度合を隣接鋳塊数が多い内側の鋳塊W2に比べて小さくする場合、外側の鋳塊W2の全体としての冷却度合(熱の吸収量)を、内側の鋳塊W2の全体としての冷却度合(熱の吸収量)よりも小さくすれば良い。
本発明において、各鋳塊W2に対し、周方向の位置(領域)に応じて冷却度合を異ならせて冷却する冷却方法について説明する。図4は本実施形態の鋳造装置によって鋳造された鋳塊(連続鋳造棒)W2の外周面の領域を説明するための概略水平断面図である。
図3および図4に示すように本実施形態においては、3本の鋳塊W2が並列配置で並行に鋳造されていくが、この鋳造される各鋳塊W2の外周面を周方向に4つの領域に区分けする。
すなわち鋳塊W2の外周面を周方向に4等分して、その区分けされた領域のうち、前面の領域(図3および図4に向かって上側の領域)を前面領域F、後面の領域(図3および図4に向かって下側の領域)を後面領域B、右側面の領域(図3および図4に向かって右側の領域)を右面領域R、左側面の領域(両図に向かって左側の領域)を左面領域Lとする。さらにこの4つの領域のうち、隣合う他の鋳塊W2に対向することによって当該他の鋳塊W2によって閉塞された領域を「鋳塊対向領域y」とし、隣合う他の鋳塊W2に対向せず、つまり他の鋳塊W2が存在せず開放された領域を「開放領域x」としている。例えば図3の左端に位置する鋳塊W2は、前面領域F、後面領域Bおよび左面領域Lが開放領域xとなり、右面領域Rが鋳塊対向領域yとなる。さらに図3の中間に位置する鋳塊W2は、前面領域Fおよび後面領域Bが開放領域xとなり、左面領域Lおよび右面領域Rが鋳塊対向領域yとなる。さらに図3の右端に位置する鋳塊W2は、前面領域F、後面領域Bおよび右面領域Rが開放領域xとなり、左面領域Lが鋳塊対向領域yとなる。
そして本発明の変形例においては、冷却水Mの噴出によって鋳塊W2を冷却するに際して、開放領域xに対する冷却の度合を、鋳塊対向領域yに対する冷却の度合に比べて小さくすることにより、開放領域xを弱冷で冷却し、鋳塊対向領域yを強冷で冷却するようにしている。
ここで本発明において、冷却の度合を小さくするということは上記と同様、鋳塊W2から吸収する熱量を少なくするということであり、逆に冷却度合を大きくするということは、鋳塊W2から吸収する熱量を多くするということである。また本発明において、開放領域xは、他の鋳塊W2に対向していない領域であって、完全に開放されている必要はない。例えば本発明において、開放領域xは、ハウジング壁等の鋳塊以外の部材に閉塞されていても、他の鋳塊W2に対向していない限り、開放領域として捉えることができる。
次に変形例の冷却方法について具体的に説明する。図5Aはこの発明の第1変形例である連続鋳造装置のホットトップ鋳造機1を模式化して示す水平断面図である。同図に示すように第1変形例の鋳造装置における各鋳造機1の鋳型2には、鋳造される鋳塊W2の外周面に対応して、冷却水噴出口3が形成されている。この噴出口3は、周方向に等間隔おきに複数配置されている。そしてこの鋳造機1において、鋳造される鋳塊W2の外周面のうち開放領域xに対応して配置される噴出口3は、鋳塊対向領域yに対応して配置される噴出口3に比べて、孔径(口径)が小さく形成されている。これにより開放領域xには、口径の小さい噴出口3から冷却水Mが吹き付けられ、鋳塊対向領域yには、口径の大きい噴出口3から冷却水Mが吹き付けられるようになり、開放領域xの冷却水Mの供給量は、鋳塊対向領域yに比べて少なくなり、開放領域xが弱冷で冷却され、鋳塊対向領域yが強冷で冷却されるようになる。
図5Bはこの発明の第2変形例である鋳造機1を模式化して示す水平断面図である。同図に示すように、この鋳造機1において、複数の噴出口3はそれぞれ口径(孔径)等の大きさは同じに設定されているが、開放領域xに対応して配置される複数の噴出口3における隣合う噴出口3間の間隔(ピッチ)が、鋳塊対向領域yに対応して配置される複数の噴出口3における隣合う噴出口3間の間隔(ピッチ)に比べて広く設定されている。これにより開放領域xには、ピッチが広く粗に配列された噴出口3から冷却水Mが吹き付けられ、鋳塊対向領域yには、ピッチが狭く密に配列された噴出口3から冷却水Mが吹き付けられるようになり、開放領域xの冷却水Mの供給量は鋳塊対向領域yに比べて少なくなり、開放領域xが弱冷で冷却され、鋳塊対向領域yが強冷で冷却されるようになる。
この第1および第2変形例のように開放領域xに対応する噴出口3による総開口面積を、鋳塊対向領域yに対応する噴出口3による総開口面積に比べて小さく設定することによって、開放領域xを鋳塊対応領域yに比べて弱冷で冷却することができる。ここで本実施形態においては、口径やピッチが異なる複数の噴出口3によって供給量調整手段が構成されている。
なお上記変形例では、噴出口3の形状を円形に形成しているが、噴出口3の形状は特に限定されるものではなく、本発明においては上記実施形態と同様、長円形、楕円形、スリット状、三角形や四角形等の多角形、異形形状、さらにこれらの形状が混在したもの等を採用することができる。さらに円形以外の噴出口3を採用した場合でも、上記と同様に口径やピッチを調整することによって、冷却の度合を調整することができる。
具体的には、スリット状の噴出口3を採用するような場合には、弱冷とする噴出口3はスリット幅が1mm、強冷とする噴出口3はスリット幅が2mmとなるようにスリット幅を段階的または連続的に変更したり、円形の噴出口3を採用するような場合には、弱冷とする噴出口3は孔径がφ2mm、強冷とする噴出口3は孔径がφ3mmとなるように孔径を段階的または連続的に変更したり、隣合う噴出口の間隔(ピッチ)が、弱冷とする部分は15度ピッチとし、強冷とする部分は10度ピッチとなるように、そのピッチを段階的または連続的に変更するものである。
また本発明においては、噴出口3からの冷却水Mの供給圧(水圧)を調整することによって開放領域xを弱冷で冷却することも可能である。すなわち図5Cはこの発明の第3変形例である鋳造機1を模式化して示す水平断面図である。同図に示すように、鋳造機1の鋳型2には、同じ口径の複数の噴出口3が周方向に等間隔おきに形成されている。そして開放領域xに対応して配置される噴出口3から噴出される冷却水Mの水圧が、鋳塊対向領域yに対応して配置される噴出口3から噴出される冷却水Mの水圧に比べて低く設定されている。これにより開放領域xには、低圧かつ低速で冷却水Mが供給され、鋳塊対向領域yには、高圧かつ高速で冷却水Mが供給されるようになり、開放領域xの冷却水Mの供給量は鋳塊対向領域yに比べて少なくなり、開放領域xが弱冷で冷却され、鋳塊対向領域yが強冷で冷却されるようになる。
ここでこの第3変形例では、冷却水Mの水圧を調整するための水流ポンプ等の水圧調整手段(供給圧力調整手段)によって供給量調整手段が構成されることになる。
また本発明においては、各射出口3毎に、冷却水Mの水圧を調整可能な水圧調整手段をそれぞれ設けるようにしても良い。この場合には、各射出口3毎に冷却水Mの水圧を微妙に調整できて、冷却度合の調整をより緻密に行うことができ、より一層高品質の連続鋳造材を鋳造することができる。もっとも、各射出口3毎に水圧調整手段を設けると、水圧調整手段の設置数が多くなるため、構造の複雑化およびコストの増大を来すおそれがある。
なお図5A~図5Cに示す変形例においては、開放領域xの周方向中間位置から、鋳塊対向領域yの周方向中間位置にかけて冷却水Mの水量が次第に高くなるように、孔径、孔ピッチ、水圧等を連続的に変化させても良いし、開放領域xおよび鋳塊対向領域yとで水量が段階的に変化するように、開放領域xの全域に対し一定の水量で冷却水Mを供給し、かつ鋳塊対向領域yの全域に対し一定の水量で冷却水Mを供給するようにしても良い。
ところで本実施形態等においては、噴出口3の口径やピッチを調整したり、噴出口3からの冷却水Mの水圧を調整することによって、冷却の度合を調整するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、冷却水の温度や冷却水(冷却液)の種類を変更することによって冷却の度合を調整することも可能である。例えば外側の鋳塊W2や開放領域xに吹き付ける冷却水Mの温度を、内側の鋳塊W2や鋳塊対向領域yに吹き付ける冷却水Mの温度よりも高く設定しておくことによって、外側の鋳塊W2や開放領域xを弱冷で冷却することができる。さらに内側の鋳塊W2や鋳塊対向領域yに吹き付ける冷却液として、外側の鋳塊W2や開放領域xに吹き付ける冷却液に比べて冷却能力の高いものを採用することによって、外側の鋳塊W2や開放領域xを内側の鋳塊W2や鋳塊対向領域yに比べて弱冷で冷却することができる。
以上のようにこの変形例では、複数の鋳塊(連続鋳造材)W2が並列に鋳造される鋳造装置において、所定の鋳塊W2の外周面のうち、他の鋳塊W2に対向しない開放領域xを、他の鋳塊W2に対応する鋳塊対向領域yに対し弱冷で冷却するようにしているため、全ての鋳塊W2をより一層高品質に鋳造することができる。
すなわち鋳塊W2の外周面のうち開放領域xは隣合う他の鋳塊W2から熱の影響を受け難く、冷却効率が高くなるのに対し、鋳塊対向領域yは隣合う他の鋳塊W2から熱の影響を受け易く、冷却効率が低くなってしまう。そこで本実施形態においては、冷却効率が高い開放領域xを、冷却効率が低い鋳塊対向領域yに比べて弱冷で冷却するようにしているため、各鋳塊W2を全周から中心部まで偏りなくバランス良く冷却することができ、鋳塊全域を均一かつ良好な鋳塊組織に形成できて、バラツキのない高品質の鋳塊(連続鋳造材)W2をより一層確実に鋳造することができる。
また本変形例等においては上記実施形態と同様、開放領域xを弱冷で冷却することによって、過度の冷却を防止でき、冷却に要するエネルギーを必要以上浪費するのを防止でき、より一層効率良く冷却できて、ひいては鋳造製品の生産効率をより一層向上させることができる。
なお上記実施形態においては、1列に配置された3本の鋳塊W2に対して本発明を適用する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、縦横2列以上ずつ配置された複数本の鋳塊に対しても上記と同様に本発明を適用することができる。
例えば図6に示すようにこの発明の他の実施形態である連続鋳造装置においては、縦横3列ずつ計9本の鋳塊W2が同時並行に鋳造されるものである。この第1変形例において発明の理解を容易にするため、図6の紙面に向かって上から1番目の列(行)を1行目、2番目の列(行)を2行目、3番目(最下段)の列(行)を3行目とし、左端の列をa列目、左から2番目の列をb列目、右端の列をc列目として説明する。
この図6の実施形態において、1行a列(左上)の鋳塊W2は、その右側および後方に他の鋳塊W2が対向配置されているため、隣接鋳塊数は「2」となる。さらに1行b列の鋳塊W2は、左右および後方に他の鋳塊W2が対向配置されているため、隣接鋳塊数は「3」となる。また2行b列(中央)の鋳塊W2は、前後左右の全てに他の鋳塊W2が対向配置されているため、隣接鋳塊数は「4」となる。
このように1行a列(左上)、1行c列(右上)、3行a列(左下)、3行c列(右下)の角部に配置される鋳塊W2は、隣接鋳塊数が「2」、1行b列、2行a列、2行c列、3行b列の外周中間に配置される鋳塊W2は、隣接鋳塊数が「3」、中央(2行b列)に配置される鋳塊W2は隣接鋳塊数が「4」となっている。
従ってこの実施形態では、角部の鋳塊W2、外周中間の鋳塊W2および中央の鋳塊W2の順に冷却度合が高くなるように各鋳塊W2を冷却するものである。
なおこの図6の実施形態においても、鋳造される各鋳塊W2をその全周にわたって同じ冷却度合で均等に冷却しても良いし、上記図5A~図5Cに示すように各鋳塊W2毎に、周方向の位置(領域)に応じて冷却度合を異ならせて冷却するようにしても良い。
例えば図6の実施形態において、1行a列(左上)の鋳塊W2は、外周面のうち前面領域Fおよび左面領域Lが開放領域xとなり、後面領域Bおよび右面領域Rが鋳塊対向領域yとなる。さらに1行b列の鋳塊W2は、前面領域Fのみが開放領域xとなり、後面領域Bおよび両側面領域L,Rは鋳塊対向領域yとなる。また2行b列(中央)の鋳塊W2は、前後左右の周囲全ての領域F,B,L,Rが鋳塊対向領域yとなり、この2行b列の鋳塊W2は、冷却の度合を調整せずに、全周を同じ度合、つまり強冷で冷却する。従って本発明では、縦横3列以上ずつに配置される鋳塊W2に対しては、その中央の鋳塊W2を除いて、外周に配置される鋳塊W2において、開放領域xを鋳塊対向領域yに比べて弱冷で冷却するものである。
図7はこの発明の別の実施形態である連続鋳造装置における鋳塊の冷却方法を説明するための概略水平断面図である。同図の実施形態においては、鋳塊W2が前後2行(1~2行)、左右3列(a~c列)に配置された状態で同時並行に鋳造されるものであるが、鋳塊W2の配列形態が、上記図6に示す他の実施形態等では隣合う4本の鋳塊W2の軸心が、平面視で正方形の4つの頂点に位置するような、いわゆる正方形配列の鋳塊W2に対して本発明を適用した場合であるが、この図7に示す実施形態は、隣合う3本の鋳塊W2の軸心が、平面視で正三角形の3つの頂点に位置するような、いわゆる正三角形配列の鋳塊W2に対して本発明を適用した場合である。
この実施形態においては、1行a列(左上)、2行c列(右下)の鋳塊W2は、その周囲に他の鋳塊W2が3本対向配置されているため、隣接鋳塊数は「3」となり、1行c列(右上)、2行a列(左下)の鋳塊W2は、その周囲に他の鋳塊W2が2本対向配置されているため、隣接鋳塊数は「2」となり、1行b列(中央上)、2行b列(中央下)の鋳塊W2は、その周囲に他の鋳塊W2が4本対向配置されているため、隣接鋳塊数は「4」となる。
従ってこの実施形態では、右上および左下の鋳塊W2、左上および右下の鋳塊W2、中央上および中央下の鋳塊W2の順に冷却度合が高くなるように各鋳塊W2を冷却するものである。
なおこの図7の実施形態においても、鋳造される各鋳塊W2をその全周にわたって同じ冷却度合で均等に冷却しても良いし、上記図5A~図5Cに示すように各鋳塊W2毎に、周方向の位置(領域)に応じて冷却度合を異ならせて冷却するようにしても良い。
すなわち図8に示すように各鋳塊W2の外周面を6等分して、その区分けされた領域のうち、左側の中間領域を左中央領域LC、左側の前方領域を左前方領域LF、左側の後方領域を左後方領域LB、右側の中央領域を右中央領域RC、右側の前方領域を右前方領域RF、右側の後方領域を右後方領域RBとする。
例えば1行a列(図7の左上)の鋳塊W2においては、左中央領域LC、左前方領域LF、右前方領域RFが開放領域xとなり、右中央領域RC、右後方領域RB、左後方領域LBが鋳塊対向領域yとなる。従ってその開放領域xが鋳塊対応領域yに比べて弱冷で冷却されるものである。
また1行c列(図7の右上)の鋳塊W2においては、左前方領域LF、右前方領域RF、右中央領域RC、右後領域RBが開放領域xとなり、左中央領域LC、左後方領域LBが鋳塊対向領域yとなる。従ってその開放領域xが鋳塊対応領域yに比べて弱冷で冷却されるものである。
さらに2行b列(図7の後部中央)の鋳塊W2においては、左後方領域LB、右後方領域RBが開放領域xとなり、左中央領域LC、左前方領域LF、右前方領域RF、右中央領域RCが鋳塊対向領域yとなる。従ってその開放領域xが弱冷で冷却されるものである。
このように正三角形配列で鋳造される鋳塊W2に対しては、外周面を周方向に6等分して、6等分された各領域LC,LF,LB,RC,RF,RB毎に、開放領域xまたは鋳塊対応領域yのいずれかを設定するようにすれば良い。
なお上記実施形態等においては、本発明を、鋳造方向が垂直方向に設定された竪型連続鋳造装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、それだけに限れず、鋳造方向が垂直方向以外に設定された、例えば水平型(横型)連続鋳造装置にも適用することができる。
この発明の金属の連続鋳造棒の製造装置は、例えばアルミニウム等の金属の押出材、圧延材、鍛造材用等の材料として用いられる連続鋳造材を製造する際に好適に用いることができる。
1:鋳造機
2:鋳型
3:噴出口
x:開放領域
y:鋳塊対向領域
M:冷却水(冷却液)
W2:鋳塊(連続鋳造材)

Claims (8)

  1. 複数の鋳型から並列状態で引き出された複数の丸棒状の鋳塊の各外周面に冷却液を供給して、複数の鋳塊をそれぞれ冷却するようにした金属の連続鋳造棒の製造方法であって、
    所定の鋳塊において周囲に対向配置される他の鋳塊の数を隣接鋳塊数として、
    隣接鋳塊数が少ない鋳塊を、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対し冷却液による冷却の度合を小さくした弱冷で冷却する一方、
    鋳塊の外周面を周方向に区分けしてその区分けした領域のうち、隣合う他の鋳塊に対向せず開放された領域を開放領域とし、隣合う他の鋳塊に対向する領域を鋳塊対向領域として、
    前記開放領域を、その開放領域における冷却液による冷却の度合を前記鋳塊対向領域における冷却液による冷却の度合よりも小さくして冷却するようにしたことを特徴とする金属の連続鋳造棒の製造方法。
  2. 隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対する冷却液の供給量が、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対する冷却液の供給量よりも少なく設定されている請求項1に記載の金属の連続鋳造棒の製造方法。
  3. 隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対する冷却液の供給圧力が、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対する冷却液の供給圧力よりも小さく設定されている請求項1または2に記載の金属の連続鋳造棒の製造方法。
  4. 並列に配置された複数の鋳型と、各鋳型に対応してそれぞれ設けられた冷却液噴出口とを備え、前記複数の鋳型から並列状態で引き出された複数の鋳塊の各外周面に対し、前記複数の冷却液噴出口から冷却液が供給されて、複数の鋳塊がそれぞれ冷却されるようにした金属の連続鋳造棒の製造装置であって、
    所定の鋳塊において周囲に対向配置される他の鋳塊の数を隣接鋳塊数として、隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対する冷却液の供給量を、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対する冷却液の供給量よりも少なくし、かつ
    鋳塊の外周面を周方向に区分けしてその区分けした領域のうち、隣合う他の鋳塊に対向せず開放された領域を開放領域とし、隣合う他の鋳塊に対向する領域を鋳塊対向領域として、前記開放領域を、その開放領域における冷却液による冷却の度合を前記鋳塊対向領域における冷却液による冷却の度合よりも小さくして冷却するための供給量調整手段を備えたことを特徴とする金属の連続鋳造棒の製造装置。
  5. 前記冷却液噴出口は、対応する鋳塊の外周に沿って間隔をおいて複数配置され、各冷却液噴出口から冷却液が噴射されて、対応する鋳塊の外周面に供給されるように構成され、
    隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の総開口面積が、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の総開口面積よりも小さく設定され、
    前記複数の冷却液噴出口によって前記供給量調整手段が構成されている請求項に記載の金属の連続鋳造棒の製造装置。
  6. 隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の口径が、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の口径よりも小さく設定されている請求項に記載の金属の連続鋳造棒の製造装置。
  7. 隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の間隔が、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対応する前記複数の冷却液噴出口の間隔よりも広く設定されている請求項またはに記載の金属の連続鋳造棒の製造装置。
  8. 隣接鋳塊数が少ない鋳塊に対応する冷却液の供給圧力を、隣接鋳塊数が多い鋳塊に対応する冷却液の供給圧力よりも低くするための供給圧力調整手段を備え、
    前記供給圧力調整手段によって前記供給量調整手段が構成されている請求項4~7のいずれか1項に記載の金属の連続鋳造棒の製造装置。
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