図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。以下では、一例として、ガス置換装置及びガス置換方法が応用された包装システム(袋処理システム)について説明する。以下に説明するガス置換装置及びガス置換方法によれば、内容物が収容された袋の内側に置換ガス(例えば不活性ガス、スチーム、酸素、二酸化炭素、或いはその他の気体)が吹き込まれて、袋の内側の気体が置換ガスに置換される。
以下の説明において「上流」及び「下流」の用語は、袋の搬送方向を基準としている。また「高さ方向」、「水平方向」、「上方」及び「下方」の用語は重力が作用する鉛直方向を基準としている。「高さ方向」は鉛直方向と平行な方向を意味し、「水平方向」は鉛直方向と90度を成す方向を意味し、「上方」及び「下方」は高さ方向を基準とする。
[包装システム]
図1は、包装システム5の一例を示す平面図である。
包装システム5は、架台32上に据え付けられている回転テーブル31と、回転テーブル31の外周部に等間隔に取り付けられる複数のグリッパーペア30とを有する。以下の説明では複数のグリッパーペアを互いに区別することなく総称的に呼ぶ場合には符号「30」を用いているが、複数のグリッパーペアを互いに区別して個別的に呼ぶ場合には符号「30a」~「30j」(例えば後述の図2及び図3参照)を用いている。各グリッパーペア30は、袋Bの側部を保持しつつ、回転軸線Axを中心とした回転テーブル31の間欠的な回転に応じて円軌道に沿って移動され、複数のステーション(図示の包装システム5では第1ステーションS1~第10ステーションS10)を巡回する。各グリッパーペア30によって保持されている袋Bは、各ステーションにおいて対応の処理を受ける。
グリッパーペア30の数や具体的な構成は限定されない。図示の包装システム5ではステーションの数と同じ数のグリッパーペア(すなわち10個のグリッパーペア)によって複数のグリッパーペア30が構成されている。各グリッパーペア30は2つのグリッパーを含み、これらの2つのグリッパー(特に把持部)によって対応の袋Bの両側部が把持されることで、各グリッパーペア30は対応の袋Bを保持する。各グリッパーペア30に含まれる各グリッパーの把持部の開閉は、制御部11の制御下で駆動される図示しない開閉機構により行われてもよいし、制御部11によって制御されない機構(図示省略)により機械的に行われてもよい。また各グリッパーペア30のグリッパー間の距離(すなわちグリッパー間隔)は、後述のようにグリッパー間隔調整機構によって適宜変えられる。
第1ステーション(給袋ステーション)S1に配置されているグリッパーペア30は、複数の袋(空袋)Bを貯留するコンベアマガジン12から袋送出装置(図示省略)を介して袋Bを受け取り、当該袋Bの両側部を把持して、当該袋Bを吊り下げ状態で保持する。図示のグリッパーペア30は、袋Bの口部に近い位置の両側部を、或いは、袋Bの口部の一部及び両側部を把持する。各グリッパーペア30は、対応の袋Bを保持している状態でグリッパー間の距離を変えることによって当該袋Bに加える張力を調整し、例えば口部が緩んだ弛緩状態或いは口部が閉じられる緊張状態に袋Bを置くことが可能である。
袋Bの口部は、袋Bの縁部(すなわちグリッパーペア30によって吊り下げられている状態の袋Bの上方縁部)を含む範囲である。ただし口部に対する各種処理は、必ずしも袋Bの縁部を含む範囲に対して行われる必要はなく、袋Bのうち縁部を含まないが開口を形成しうる範囲に対して行われてもよい。袋Bのうち口部と反対側(すなわち口部と対向する側)の部分は底部であり、口部と底部との間において袋Bの両側部、表面部及び裏面部が延在する。したがって袋Bがグリッパーペア30により吊り下げられている状態において、袋Bのうちの下方縁部を含む範囲によって底部が構成され、高さ方向に延びる縁部を含む範囲によって両側部が構成される。
第2ステーション(印字ステーション)S2には印字部13が設けられている。印字部13は、各種情報(例えば包装処理が行われた日付)を袋Bに印字する。第3ステーション(印字検査ステーション)S3には、袋Bの印字状態を検査する印字検査部14が設けられている。印字検査部14の構成は限定されない。例えば印字検査部14は、袋Bの印字部分の画像データを取得する撮像素子と、印字部分の画像データを解析して印字の良否を判定可能なプロセッサーとを具備していてもよい。なお、印字検査部14の一部機能は制御部11によって実現されてもよい。例えば、印字検査部14により取得された袋Bの印字部分の画像データが制御部11に送られ、制御部11が当該画像データの解析を行って印字の良否を判定してもよい。
第4ステーション(開口ステーション)S4には、袋Bの口部を開く開口部15が設けられている。図示の開口部15は水平方向に往復移動可能な2つの吸盤を含み、これらの吸盤を、袋Bの表面部及び裏面部のそれぞれに吸着させた状態でお互いに遠ざかる方向へ移動させることによって、袋Bの口部を開くことができる。この際、必要に応じて、袋Bの両側部を保持する2つのグリッパーはお互いに近づくように水平方向へ移動し、袋Bの表面部及び裏面部が撓ませられる。
第5ステーション(内容物投入ステーション)S5には、投入部16が設けられている。投入部16は、第5ステーションS5に配置されている袋Bの開かれた口部を介し、当該袋Bの内側に内容物(図示省略)を投入する。図示の投入部16はホッパー(ファンネル)を有し、当該ホッパーから袋B内に内容物が投入される。袋B内に収容される内容物の状態は限定されない。例えば、内容物は、固体、液体、ペースト状体(流動体)又はゲル体であってもよいし、これらのうちの2以上を含む混合体であってもよい。
第6ステーションS6、第7ステーションS7及び第8ステーションS8は、ガス置換ステーションである。各袋Bは、第6ステーションS6~第8ステーションS8を移動する間にガス置換処理を受け、内側の気体が置換ガスに置換される。第6ステーションS6、第7ステーションS7及び第8ステーションS8には、複数のガスノズル17(すなわち第1ガスノズル17a及び第2ガスノズル17b)、複数の口保持部19(すなわち第1口保持部19a及び第2口保持部19b)、及びガスノズル17及び口保持部19を移動させる追従部24が設けられている。第6ステーションS6、第7ステーションS7及び第8ステーションS8に配置されるこれらの装置及びガス置換処理の詳細は後述する。
第9ステーション(シール処理ステーション)S9にはシール部21が設けられている。シール部21は、袋Bの口部(特にシール予定部)を挟んで加熱シールする2つのシールプレート21aを有する。
第10ステーション(冷却排出ステーション)S10には、冷却ユニット22及び放出ユニット23が設けられている。冷却ユニット22は、第10ステーションS10に配置されている袋Bの口部(特にシール部21により加熱シールされた箇所(すなわちシール予定部))を挟んで冷却する2つの冷却プレート22aを有する。冷却ユニット22によって口部が冷却された後、袋(製品袋)Bは、第10ステーションS10においてグリッパーペア30から解放されて落下し、放出ユニット23により案内されて後段に送られる。
このように図1に示す包装システム5では、例えば印字部13、印字検査部14、開口部15、投入部16、ガスノズル17、口保持部19、シール部21及び冷却ユニット22が、複数の袋処理装置に該当し、それぞれ各グリッパーペア30により把持されている袋Bに対して特定の袋処理を行う。
上述の包装システム5(後述の袋搬送装置6及びガス置換装置10を含む)を構成する各種機器は、必要に応じて制御部11により制御されつつ、駆動される。例えば、制御部11はシール部21を制御して、回転テーブル31の回転(すなわちグリッパーペア30の移動)に応じて2つのシールプレート21aを開閉する。具体的には、第8ステーションS8から第9ステーションS9にグリッパーペア30が移動する際、及び、第9ステーションS9から第10ステーションS10にグリッパーペア30が移動する際、2つのシールプレート21aは開状態に置かれる。これにより袋Bは、2つのシールプレート21aに阻害されることなく、グリッパーペア30とともに移動することができる。一方、グリッパーペア30が第9ステーションS9に配置されている状態で2つのシールプレート21aが閉状態に置かれることによって、当該グリッパーペア30により保持されている袋Bの口部が2つのシールプレート21aにより圧迫されてシールされる。
上述のように本実施形態の包装システム5は、複数のグリッパーペア30の動作、複数のガスノズル17の動作、及び複数の口保持部19の動作を相互に連携させることによって、各袋Bの内側の気体を置換ガスに置換する。以下、ガス置換ステーション(すなわち第6ステーションS6~第8ステーションS8)における複数のグリッパーペア30の挙動を説明し、その後、複数のガスノズル17及び複数の口保持部19の挙動を説明する。
[グリッパーペア]
図2及び図3は、包装システム5が備える袋搬送装置6の平面図である。図3は、図2に示す袋搬送装置6の状態から、各グリッパーペア30が間欠移動を1回行った後の袋搬送装置6の状態(すなわち回転軸線Axを中心に36度だけ回転した後の袋搬送装置6の状態)を示す。図2及び図3において、理解を容易にするため、口保持部19等の要素の図示は省略されている。また図2及び図3において、第6グリッパーペア30f、第7グリッパーペア30g及び第8グリッパーペア30hの各々に連結される揺動機構44及びカム従動体43は図示されているが、他のグリッパーペア30に連結される揺動機構44及びカム従動体43は図示が省略されている。図4は、1つのグリッパーペア30の拡大平面図である。
本実施形態の袋搬送装置6は、複数のグリッパーペア30、グリッパー移動機構(回転テーブル31等)、及びグリッパー間隔調整機構40を備える。
各グリッパーペア30は、グリッパー移動機構により、無端軌道に沿って移動させられる。本実施形態のグリッパー移動機構は、回転テーブル31と、回転軸線Axを中心に回転テーブル31を回転させる駆動源(例えばモーター等)とを含む。回転テーブル31に取り付けられた各グリッパーペア30は円形の無端軌道に沿って移動させられる。
本実施形態の複数のグリッパーペア30の数は偶数(すなわち「10」)である。各グリッパーペア30は、2つのグリッパー(すなわち第1グリッパー34及び第2グリッパー35)を含む。
複数のグリッパーペア30のうちの1以上のグリッパーペア30(本実施形態では第1グリッパーペア30a、第3グリッパーペア30c、第5グリッパーペア30e、第7グリッパーペア30g及び第9グリッパーペア30i)の2つのグリッパー34、35は、無端軌道のうちの第7ステーションS7における間欠停止位置(すなわち基準位置)において第1間隔H1を有する(図2参照)。一方、複数のグリッパーペア30のうちの他の1以上のグリッパーペア30(本実施形態では第2グリッパーペア30b、第4グリッパーペア30d、第6グリッパーペア30f、第8グリッパーペア30h及び第10グリッパーペア30j)の2つのグリッパー34、35は、第7ステーションS7における間欠停止位置において、第1間隔H1とは異なる大きさの第2間隔H2を有する。
このように本実施形態の複数のグリッパーペア30は、第7ステーションS7における間欠停止位置において第1間隔H1を有する第1タイプのグリッパーペア30と、第7ステーションS7における間欠停止位置において第2間隔H2を有する第2タイプのグリッパーペア30とに分類される。具体的には、第1グリッパーペア30a、第3グリッパーペア30c、第5グリッパーペア30e、第7グリッパーペア30g及び第9グリッパーペア30iが第1タイプに分類され、第2グリッパーペア30b、第4グリッパーペア30d、第6グリッパーペア30f、第8グリッパーペア30h及び第10グリッパーペア30jが第2タイプに分類される。そして本実施形態では、第1タイプのグリッパーペア30及び第2タイプのグリッパーペア30が無端軌道に沿って交互に並べられている。
グリッパー間隔調整機構40は、各グリッパーペア30の2つのグリッパー34、35の間隔を調整する。本実施形態のグリッパー間隔調整機構40は、カムユニット41、それぞれのグリッパーペア30に関して設けられる複数のカム従動体43、及びそれぞれのグリッパーペア30に関して設けられる複数の揺動機構44を備える。
カムユニット41はカム案内面42を有する。本実施形態のカム案内面42は、本カム61の一面(図示の例では上面)によって構成される第1カム面42aと、補助カム62の一面(図示の例では上面)によって構成される第2カム面42bとを含む。第1カム面42aは、回転軸線Axを中心とした円形状(すなわちリング状)の平面形状を有し、第1ステーションS1~第10ステーションS10の全てに対応する範囲にわたって設けられている。第2カム面42bは、回転軸線Axを中心とした円弧状の平面形状を有し、ガス置換ステーション(すなわち第6ステーションS6~第8ステーションS8)に対応する範囲のうちの少なくとも一部のみにわたって設けられている。したがってガス置換ステーションに対応する範囲には、第1カム面42a及び第2カム面42bが共存する範囲が含まれる。
各カム従動体43は、カム案内面42上を移動する。本実施形態の各カム従動体43はローラーによって構成されており、対応の揺動体45によって回転自在に支持されている。本実施形態の複数のカム従動体43は、第1タイプのカム従動体43と第2タイプのカム従動体43とに分類され、第1タイプのカム従動体43及び第2タイプのカム従動体43はお互いに形状が異なる。第1タイプのカム従動体43は、第1タイプのグリッパーペア30に連結されており、第1カム面42a及び第2カム面42bのうち第1カム面42aにのみ接触するような(すなわち第2カム面42bには接触しないような)形状を有する。第2タイプのカム従動体43は、第2タイプのグリッパーペア30に連結されており、ガス置換ステーションに対応する範囲の少なくとも一部では第2カム面42bに接触し、第2カム面42bに接触しない範囲では第1カム面42aに接触する。具体的には、回転テーブル31の径方向(水平方向)に関する長さが、第1タイプのカム従動体43と第2タイプのカム従動体43との間で異なっている。回転テーブル31の径方向に関し、第1タイプのカム従動体43は第2タイプのカム従動体43よりも短い。
第1タイプのグリッパーペア30(例えば第7グリッパーペア30g)が第7ステーションS7における間欠停止位置(すなわち基準位置)に配置されている間に、当該第1タイプのグリッパーペア30に連結されるカム従動体43(例えば第7グリッパーペア30gに連結されるカム従動体43)は第1カム面42aに接触するが第2カム面42bには接触しない。一方、第2タイプのグリッパーペア30(例えば第6グリッパーペア30f)が第7ステーションS7における間欠停止位置に配置されている間に、当該第2タイプのグリッパーペア30に連結されるカム従動体43(例えば第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43)は第2カム面42bに接触するが第1カム面42aには接触しない。
各揺動機構44は揺動体45を有する。複数の揺動体45は、それぞれ、複数のグリッパーペア30に連結されるとともに、複数のカム従動体43に連結される。各揺動体45は、対応のカム従動体43(すなわち連結されるカム従動体43)のカム案内面42上の位置(特に高さ方向位置)に応じて、揺動する。各揺動機構44は、揺動体45の揺動状態に応じて対応のグリッパーペア30(すなわち連結されるグリッパーペア30)のグリッパー間隔を変える。
各揺動機構44は、図4に示すように移動体46、第1揺動アーム47及び第2揺動アーム48を含む。移動体46は、対応の揺動体45に連結されており、対応の揺動体45の揺動に応じて水平方向に移動する。移動体46の水平方向位置に応じて、対応の第1揺動アーム47及び第2揺動アーム48の揺動状態、ひいては対応のグリッパー34、35の相互間の距離(グリッパー間隔)が決められる。
本実施形態において、移動体46は、対応の揺動体45の高さ方向への移動に応じて、水平方向に移動し、揺動体45と移動体46との間には図示しない連結機構が設けられている。この連結機構は、揺動体45から伝えられる高さ方向に働く力を、水平方向に働く力に変換し、当該水平方向に働く力を移動体46に作用させて移動体46を水平方向に移動させる。そのような連結機構は既知の機構を利用することができる。例えば実公平05-028169号公報に開示されている機構を、本実施形態の袋搬送装置6で用いられる連結機構に応用することが可能である。例えばL字形状の揺動レバーを形成するように揺動体45及び移動体46を接合点で接合し、接合点を中心に揺動自在に当該揺動レバーを支持することによって、連結機構が構成されていてもよい。このように揺動体45自体及び移動体46自体によって連結機構が構成されていてもよい。また、そのようなL字形状の揺動レバーを揺動体45及び/又は移動体46とは別体の部材によって構成し、当該揺動レバー(特に端部)に揺動体45及び/又は移動体46が取り付けられていてもよい。
第1揺動アーム47は第1グリッパー34が取り付けられており、第1揺動支持ピン49を介して回転テーブル31に揺動自在に取り付けられている。第1揺動アーム47には、高さ方向に延びる係止ピン51が固定され、また揺動バネ53の一端部が固定されている。第2揺動アーム48は第2グリッパー35が取り付けられており、第2揺動支持ピン50を介して回転テーブル31に揺動自在に取り付けられている。第2揺動アーム48は、水平方向に延び且つ係止ピン51がスライド自在に配置される係止孔52を有し、揺動バネ53の他端部が固定されている。揺動バネ53は引っ張りバネによって構成されており、第1揺動アーム47及び第2揺動アーム48がお互いに近づく方向に、第1揺動アーム47及び第2揺動アーム48に弾性力を作用させる。
第1揺動アーム47は、移動体46から受ける力と揺動バネ53から受ける弾性力とが釣り合う位置に配置され、第1揺動支持ピン49を中心に揺動する。第2揺動アーム48は、係止ピン51を介して第1揺動アーム47から受ける力と揺動バネ53から受ける弾性力とが釣り合う位置に配置され、第2揺動支持ピン50を中心に揺動する。このように第1揺動アーム47及び第2揺動アーム48は係止ピン51を介して相互に連結されており、第1揺動アーム47及び第2揺動アーム48(特に第1揺動アーム47)に対する移動体46の相対的な位置に応じて、第1グリッパー34及び第2グリッパー35は対称的に揺動する。
また各揺動機構44(具体的には第1揺動アーム47及び第2揺動アーム48)は回転テーブル31に固定されているので、各揺動機構44に連結されるグリッパーペア30及びカム従動体43も回転テーブル31に固定されている。すなわち回転テーブル31の回転に応じて、各グリッパーペア30、各揺動機構44及び各カム従動体43は一体的に円形の無端軌道に沿って移動する。
図5及び図6はカムユニット41を示す拡大図であり、第7グリッパーペア30g(第1タイプのグリッパーペア30)に連結される揺動体45g及びカム従動体43g(第1タイプのカム従動体43)と、第2グリッパーペア30b(第2タイプのグリッパーペア30)に連結される揺動体45b及びカム従動体43b(第2タイプのカム従動体43)が例示的に示されている。図5及び図6において、カム受け部60、本カム61及び補助カム62は断面状態が示されており、回転シャフト37、スタンド38、カム従動体43(すなわちカム従動体43b、43g)及び揺動体45(すなわち揺動体45b、45g)は側方から見た状態が示されており、他の要素(例えばカム固定部63等)は図示が省略されている。
架台32には高さ方向に延在するスタンド38が固定されており、スタンド38を貫通し且つスタンド38とは接触しないように回転シャフト37が回転軸線Ax上で高さ方向に延在する。スタンド38にはカム受け部60が固定され、カム受け部60には本カム61が固定され、本カム61にはカム固定部63(図2及び図3参照)が固定され、カム固定部63には補助カム62が固定されており、補助カム62はカム固定部63を介して本カム61に固定されている。
回転シャフト37の一方の端部(図6に示す例では下方端部)は駆動源(図示省略)に連結され、回転シャフト37の他方の端部(図6に示す例では上方端部)は回転テーブル31に固定されている。回転シャフト37及び回転テーブル31は、駆動源から伝えられる回転動力に応じて、回転軸線Axを中心に一体的に回転する。回転シャフト37及び回転テーブル31が回転しても、スタンド38は回転せず、したがってスタンド38に対して固定されているカム受け部60、本カム61、カム固定部63及び補助カム62も回転しない。
カム受け部60は、スタンド38の全周を取り囲むリング形状(円形状)を有し、スタンド38の周囲において水平方向に延在する。本カム61は、スタンド38の全周を取り囲むリング形状(円形状)を有し、カム受け部60の外周部において高さ方向に延在する。補助カム62は、水平方向に関して本カム61とスタンド38との間に位置し、スタンド38の周囲の一部を取り囲む円弧状の平面形状を有する(図1参照)。具体的には、第2タイプのグリッパーペア30が第6ステーションS6から第8ステーションS8に移動する際に、第2タイプのグリッパーペア30に連結されるカム従動体43が移動する範囲の少なくとも一部に、補助カム62が設けられる。
より具体的には、第2タイプのグリッパーペア30が第6ステーションS6から第7ステーションS7に移動する間(第6ステーションS6に配置されている間を含む)のいずれかのタイミングで、当該第2タイプのグリッパーペア30に連結されるカム従動体43が補助カム62(特に第2カム面42b)と接触を開始するように、補助カム62の一方の端部位置が決められる。また第2タイプのグリッパーペア30が第8ステーションS8から第9ステーションS9に移動する間(第8ステーションS8に配置されている間を含む)のいずれかのタイミングで、当該第2タイプのグリッパーペア30に連結されるカム従動体43が補助カム62(特に第2カム面42b)と接触を終えるように、補助カム62の他方の端部位置が決められる。なお補助カム62(特に第2カム面42b)の両端部位置は、これには限定されない。
図7Aは、第7グリッパーペア30gに連結されるカム従動体43g(第1タイプのカム従動体43)の時系列状態を示す図であり、第7グリッパーペア30gが第6ステーションS6~第9ステーションS9における間欠停止位置に配置された場合を示す。図7Bは、第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43f(第2タイプのカム従動体43)の時系列状態を示す図であり、第6グリッパーペア30fが第6ステーションS6~第9ステーションS9における間欠停止位置に配置された場合を示す。
第7グリッパーペア30gが第6ステーションS6の間欠停止位置に配置されている間、第7グリッパーペア30gに連結されるカム従動体43gは、本カム61上に載せられて第1カム面42aに接触している(図7A参照)。また第6グリッパーペア30fが第6ステーションS6の間欠停止位置に配置されている間、第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43fも、本カム61上に載せられて第1カム面42aに接触している(図7B参照)。
第7グリッパーペア30gが第6ステーションS6から第7ステーションS7に移動する際、第7グリッパーペア30gに連結されるカム従動体43gは、補助カム62上に乗り上げることなく、引き続き本カム61(特に第1カム面42a)上を移動する(図7A参照)。そして第7グリッパーペア30gが第7ステーションS7から第8ステーションS8に移動する際、及び、第8ステーションS8から第9ステーションS9に移動する際も、第7グリッパーペア30gに連結されるカム従動体43gは本カム61(特に第1カム面42a)上を移動する。
このように、第7グリッパーペア30gに代表される第1タイプのグリッパーペア30に連結される第1タイプのカム従動体43は、常に本カム61上に載せられて第1カム面42aと接触しており、補助カム62に乗り上げることはなく、補助カム62の第2カム面42bと接触することもない。
一方、第6グリッパーペア30fが第6ステーションS6から第7ステーションS7に移動する際、第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43fは、補助カム62上に乗り上げて第2カム面42bと接触する。図7Bに示す例では、第6グリッパーペア30fが第6ステーションS6から第7ステーションS7に移動する間の途中から、第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43fは、第2カム面42bに接触して第1カム面42aから離れる。ただし第6グリッパーペア30fが第6ステーションS6から第7ステーションS7に移動する当初から、第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43fが第2カム面42bに接触するように、補助カム62(特に第2カム面42b)が設けられていてもよい。
そして第6グリッパーペア30fが第7ステーションS7から第8ステーションS8に移動する際、第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43fは、第2カム面42bに接触しつつ第2カム面42bに沿って移動し、第1カム面42aには接触しない。そして第6グリッパーペア30fが第8ステーションS8から第9ステーションS9に移動する際、第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43fは、本カム61上に乗り上げて第1カム面42aと接触する。
図7Bに示す例では、第6グリッパーペア30fが第8ステーションS8から第9ステーションS9に移動する間の途中から、第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43fは、第1カム面42aに接触し、第2カム面42bに接触しなくなる。ただし、第6グリッパーペア30fが第8ステーションS8から第9ステーションS9に移動する当初から、第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43fが第1カム面42aに接触するように、本カム61(特に第1カム面42a)及び補助カム62(特に第2カム面42b)が設けられていてもよい。また第6グリッパーペア30fが第8ステーションS8から第9ステーションS9に移動する際に、第6グリッパーペア30fに連結されるカム従動体43fは、少なくとも一部区間において、第1カム面42a及び第2カム面42bの両方に同時に接触していてもよい。
このように、第6グリッパーペア30fに代表される第2タイプのグリッパーペア30に連結される第2タイプのカム従動体43は、ガス置換ステーションの少なくとも一部の範囲において補助カム62上に載せられて第2カム面42bと接触しており、第2カム面42bと接触しない間は第1カム面42aに接触する。
上述のようにカム従動体43は、カム案内面42(第1カム面42a及び第2カム面42b)に沿って案内され、ガス置換ステーション(すなわち第6ステーションS6~第8ステーションS8)では高さ方向に昇降する。上述のように、各グリッパーペア30のグリッパー間隔は対応のカム従動体43の高さ方向位置に応じて決められるため、第1カム面42a及び第2カム面42bは、各グリッパーペア30の2つのグリッパー34、35に求められる動作に応じた高さ位置を有する。
図7A及び図7Bに示す例において、第1カム面42aは、第1高さ位置Ht1において水平方向に延在する第1本水平領域と、第1高さ位置Ht1から第2高さ位置Ht2に比例的に傾斜している第1本傾斜領域と、第2高さ位置Ht2において水平方向に延在する第2本水平領域と、第2高さ位置Ht2から第3高さ位置Ht3に比例的に傾斜している第2本傾斜領域と、第3高さ位置Ht3において水平方向に延在する第3本水平領域とを有する。第1本傾斜領域は、第7ステーションS7の間欠停止位置に対応する位置と第8ステーションS8の間欠停止位置に対応する位置との間に存在する。第2本水平領域は、第8ステーションS8の間欠停止位置に対応する位置を含む範囲に存在する。第2本傾斜領域は、第8ステーションS8の間欠停止位置に対応する位置と第9ステーションS9の間欠停止位置に対応する位置との間に存在する。第1本水平領域は第1本傾斜領域よりも上流側に位置し、第3本水平領域は第2本傾斜領域よりも下流側に位置する。
また第2カム面42bは、第1高さ位置Ht1において水平方向に延在する第1補助水平領域と、第1高さ位置Ht1から第2高さ位置Ht2に比例的に傾斜している第1補助傾斜領域と、第2高さ位置Ht2において水平方向に延在する第2補助水平領域と、第2高さ位置Ht2から第3高さ位置Ht3に比例的に傾斜している第2補助傾斜領域と、第3高さ位置Ht3において水平方向に延在する第3補助水平領域とを有する。第1補助傾斜領域は、第6ステーションS6の間欠停止位置に対応する位置と第7ステーションS7の間欠停止位置に対応する位置との間に存在する。第2補助水平領域は、第7ステーションS7の間欠停止位置に対応する位置を含む範囲に存在する。第2補助傾斜領域は、第7ステーションS7の間欠停止位置に対応する位置と第8ステーションS8の間欠停止位置に対応する位置との間に存在する。第1補助水平領域は第1補助傾斜領域よりも上流側に位置し、第3本水平領域は第2補助傾斜領域よりも下流側に位置する。
カム従動体43が第1高さ位置Ht1に位置する場合、対応のグリッパーペア30のグリッパー間隔は第1間隔H1となる。カム従動体43が第2高さ位置Ht2に位置する場合、対応のグリッパーペア30のグリッパー間隔は第2間隔H2となる。カム従動体43が第3高さ位置Ht3に位置する場合、対応のグリッパーペア30のグリッパー間隔は第2間隔H2よりも大きい間隔(すなわち第3間隔H3)となる。
したがって第1タイプのグリッパーペア30(例えば第7グリッパーペア30g)が第6ステーションS6及び第7ステーションS7の各々の間欠停止位置に配置されている場合、当該第1タイプのグリッパーペア30のグリッパー間隔は第1間隔H1である。そして第1タイプのグリッパーペア30が第7ステーションS7から第8ステーションS8に移動する間、当該第1タイプのグリッパーペア30のグリッパー間隔は第1間隔H1から第2間隔H2に徐々に変わる。そして第1タイプのグリッパーペア30が第8ステーションS8の間欠停止位置に配置されている場合、当該第1タイプのグリッパーペア30のグリッパー間隔は第2間隔H2である。そして第1タイプのグリッパーペア30が第8ステーションS8から第9ステーションS9に移動する間、当該第1タイプのグリッパーペア30のグリッパー間隔は第2間隔H2から第3間隔H3に徐々に変わる。そして第1タイプのグリッパーペア30が第9ステーションS9の間欠停止位置に配置されている場合、当該第1タイプのグリッパーペア30のグリッパー間隔は第3間隔H3である。
一方、第2タイプのグリッパーペア30(例えば第6グリッパーペア30f)が第6ステーションS6の間欠停止位置に配置されている場合、当該第2タイプのグリッパーペア30のグリッパー間隔は第1間隔H1である。そして第2タイプのグリッパーペア30が第6ステーションS6から第7ステーションS7に移動する間、当該第2タイプのグリッパーペア30のグリッパー間隔は第1間隔H1から第2間隔H2に徐々に変わる。そして第2タイプのグリッパーペア30が第7ステーションS7の間欠停止位置に配置されている場合、当該第2タイプのグリッパーペア30のグリッパー間隔は第2間隔H2である。そして第2タイプのグリッパーペア30が第7ステーションS7から第8ステーションS8に移動する間、当該第2タイプのグリッパーペア30のグリッパー間隔は第2間隔H2から第3間隔H3に徐々に変わる。そして第2タイプのグリッパーペア30が第8ステーションS8の間欠停止位置に配置されている場合、当該第2タイプのグリッパーペア30のグリッパー間隔は第3間隔H3である。
なお第1本傾斜領域の傾斜角度は、第1補助傾斜領域の傾斜角度と同じであってもよいし異なっていてもよい。同様に、第2本傾斜領域の傾斜角度は、第2補助傾斜領域の傾斜角度と同じであってもよいし異なっていてもよい。
例えば、隣り合って配置される第1タイプのグリッパーペア30と第2タイプのグリッパーペア30(例えば第7グリッパーペア30g及び第6グリッパーペア30f)との間でグリッパー34、35の揺動を一致させつつグリッパー間隔を第1間隔H1から第2間隔H2に変える場合、第1カム面42a及び第2カム面42bは以下のように設定される。すなわち、第1タイプのカム従動体43が第1本傾斜領域に乗り上げるタイミングと第2タイプのカム従動体43が第1補助傾斜領域に乗り上げるタイミングとを一致させ、第1本傾斜領域の傾斜角度と第1補助傾斜領域の傾斜角度とを一致させ、第1タイプのカム従動体43が第2本水平領域に乗り上げるタイミングと第2タイプのカム従動体43が第2補助水平領域に乗り上げるタイミングとを一致させる。
次に、上述の袋搬送装置6により複数の袋Bを搬送する袋搬送方法について説明する。
複数のグリッパーペア30は、回転テーブル31の間欠回転に応じて、無端軌道に沿って間欠的に移動する。
上述のように本実施形態の袋搬送方法は、各グリッパーペア30の2つのグリッパー34、35が、対応の袋Bを把持しつつ、相互間の間隔を変える工程を含む。特に、第7ステーションS7における間欠停止位置(すなわち基準位置)には、第1間隔H1を有する2つのグリッパー34、35を含む第1タイプのグリッパーペア30と、第2間隔H2を有する2つのグリッパー34、35を含む第2タイプのグリッパーペア30とが、交互に配置される。
また同じ袋処理を行う2以上の袋処理装置(本実施形態では2つのガスノズル17及び2つの口保持部19)が、無端軌道のうちの特定区間(本実施形態ではガス置換ステーション)において往復移動し、この特定区間を移動する2以上の袋B(本実施形態では2つの袋B)に対して袋処理を行う。本実施形態において、ここで言う2以上の袋処理装置は、第1袋処理装置(本実施形態では第1ガスノズル17a及び第1口保持部19a)及び第2袋処理装置(本実施形態では第2ガスノズル17b及び第2口保持部19b)を含む。
また上記の特定区間には、第7ステーションS7における間欠停止位置(すなわち基準位置)が含まれる。すなわち本実施形態における上記の特定区間には、各グリッパーペア30が間欠的に停止される第6ステーションS6における間欠停止位置(第1間欠停止位置)、第7ステーションS7における間欠停止位置(第2間欠停止位置)、及び第8ステーションS8における間欠停止位置(第3間欠停止位置)が含まれている。本実施形態では、第1タイプのグリッパーペア30が第1間隔H1の間隔を有し且つ第2タイプのグリッパーペア30が第2間隔H2を有する基準位置は、第7ステーションS7における間欠停止位置(第2間欠停止位置)である。第1袋処理装置(本実施形態では第1ガスノズル17a及び第1口保持部19a)は、第6ステーションS6における間欠停止位置(第1間欠停止位置)と第7ステーションS7における間欠停止位置(第2間欠停止位置)との間で往復移動する。第2袋処理装置(本実施形態では第2ガスノズル17b及び第2口保持部19b)は、第7ステーションS7における間欠停止位置(第2間欠停止位置)と第8ステーションS8における間欠停止位置(第3間欠停止位置)との間で往復移動する。
第1タイプのグリッパーペア30(例えば第7グリッパーペア30g)は、第7ステーションS7における間欠停止位置(第2間欠停止位置)から第8ステーションS8における間欠停止位置(第3間欠停止位置)に移動する間にグリッパー間隔が第1間隔H1から第2間隔H2に変えられる。一方、第2タイプのグリッパーペア30(例えば第6グリッパーペア30f)は、第6ステーションS6における間欠停止位置(第1間欠停止位置)から第7ステーションS7における間欠停止位置(第2間欠停止位置)に移動する間にグリッパー間隔が第1間隔H1から第2間隔H2に変えられる。
そして第1袋処理装置(第1ガスノズル17a及び第1口保持部19a)は、第6ステーションS6における間欠停止位置(第1間欠停止位置)から第7ステーションS7における間欠停止位置(第2間欠停止位置)に移動する間に、第2タイプのグリッパーペア30によって把持されている袋Bに対して袋処理を行う。また第2袋処理装置(本実施形態では第2ガスノズル17b及び第2口保持部19b)は、第7ステーションS7における間欠停止位置(第2間欠停止位置)から第8ステーションS8における間欠停止位置(第3間欠停止位置)に移動する間に、第1タイプのグリッパーペア30によって把持されている袋Bに対して袋処理を行う。本実施形態では、第1袋処理装置及び第2処理装置によって行われる袋処理は、袋Bの内側にガスを注入することを含む。
このように第1タイプのグリッパーペア30(例えば第7グリッパーペア30g)は、第7ステーションS7では口部B1が開いた状態となるように対応の袋Bを撓ませて保持し(図2参照)、第8ステーションS8では口部B1が閉じた状態になるように対応の袋Bを緊張させて保持することができる(図3参照)。一方、第2タイプのグリッパーペア30(例えば第6グリッパーペア30f)は、第6ステーションS6では口部B1が開いた状態となるように対応の袋Bを撓ませて保持し(図2参照)、第7ステーションS7では口部B1が閉じた状態になるように対応の袋Bを緊張させて保持することができる(図3参照)。そして第1袋処理装置(第1ガスノズル17a及び第1口保持部19a)は、第2タイプのグリッパーペア30(例えば第6グリッパーペア30f)が保持する袋Bを追従するように移動しつつ袋処理を行う。また第2袋処理装置(第2ガスノズル17b及び第2口保持部19b)は、第1タイプのグリッパーペア30(例えば第7グリッパーペア30g)が保持する袋Bを追従するように移動しつつ袋処理を行う。
なお本実施形態では、各袋Bが対応のグリッパーペア30とともに間欠的に移動させられるが、各袋B及び各グリッパーペア30は間欠的に停止することなく継続的に移動し続けてもよい。複数のグリッパーペア30が継続して移動し続ける場合(すなわち回転テーブル31が継続的に回転し続ける場合)、基本的には上述の実施形態の包装システム5及び袋搬送装置6と同様にして、包装処理を行うことが可能である。
すなわち各グリッパーペア30が移動する無端軌道は、第1移動位置(例えば第6ステーションS6における特定位置)、第2移動位置(例えば第7ステーションS7における特定位置)及び第3移動位置(例えば第8ステーションS8における特定位置)を含んでいてもよい。また第1袋処理装置(第1ガスノズル17a及び第1口保持部19a)は第1移動位置と第2移動位置との間で往復移動可能に設けられ、第2袋処理装置(第2ガスノズル17b及び第2口保持部19b)は第2移動位置と前記第3移動位置との間で往復移動可能に設けられていてもよい。この場合、第1袋処理装置(特に第1ガスノズル17a)は、第1移動位置(例えば図2に示す位置)から第2移動位置(例えば図3に示す位置)に向かって移動する間に、第2タイプのグリッパーペア30に把持されている袋Bの内側にガスを注入することができる。また第2袋処理装置(特に第2ガスノズル17b)は、第2移動位置(例えば図2に示す位置)から第3移動位置(例えば図3に示す位置)に向かって移動する間に、第1タイプのグリッパーペア30に把持されている袋Bの内側にガスを注入することができる。
以上説明したように本実施形態の包装システム5(袋処理システム)及び袋搬送方法によれば、円形の無端軌道の一部区間(ガス置換ステーションに対応する区間(特に第7ステーションS7に対応する区間))において、グリッパーペア30毎に、グリッパー間隔を相対的に小さくしたり大きくしたりすることができる。これにより、ガスの注入処理及び口部B1の閉鎖処理を2以上の袋Bに対して同時的に行うことができ、ガスの置換効率を上げつつ処理に要する時間効率を上げることができる。特に、ガスの注入処理と口部B1の閉鎖処理とを同時的に行うことによって、ガスのように袋Bの内側から外側に漏出しやすい物質であっても、効率良く袋Bの内側に導入することができる。
このようにグリッパーペア30毎にグリッパー間隔の変更態様を変えることができ、グリッパー間隔の変更位置及び変更タイミングを柔軟に変えることが可能であり、これまでにはない新しいグリッパー間隔制御が可能になる。
またカム機構を利用して機械的に各グリッパーペア30のグリッパー間隔を変えることができ、装置構成を簡素にすることができる。特に、サーボモーター等の高価なデバイスを使うことなく各グリッパーペア30のグリッパー間隔を変えることができ、装置の高コスト化を抑えることができる。
[ガス置換装置]
次に、ガス置換装置10の具体例について説明する。以下の説明及びそれに関連する図面では、上述の袋搬送装置6の説明及び図示は省略する。
上述のように図示の包装システム5の第6ステーションS6~第9ステーションS9には、袋B内の気体を置換ガスに置換し、その後に袋Bの口部をシールするガス置換装置10が設けられている。
図8は、包装システム5の断面を側方から見た図であり、主としてガス置換装置10のうち第6ステーションS6に配置される要素が示されている。図9は、ガス置換装置10の一部の構成を示す平面図である。なお図8及び図9は、包装システム5及びガス置換装置10を概略的に示しており、図2~図7Bと厳密には一致しない要素を含みうる。そのような要素は、各図において単に簡素化されて示されていたり、バリエーション(変形例)として示されていたりしうる。
本実施形態のガス置換装置10は、グリッパーペア30、口保持部19、ガスノズル17、グリッパーペア移動機構126、口保持駆動部127、ガスノズル駆動部128及びシール部21(図1参照)を含む。
グリッパーペア移動機構126が各グリッパーペア30を移動させることによって、各袋Bは、上述のように第6ステーションS6~第9ステーションS9を含む複数のステーションS1~S10を巡回する。図示のグリッパーペア移動機構126は、所謂ロータリータイプの搬送ユニットであり、回転テーブル31を含み、回転テーブル31の外周部に取り付けられる複数のグリッパーペア30を間欠的に移動させる。
グリッパーペア30及びグリッパーペア移動機構126の具体的な構成は上述されているので、以下では詳細な説明は省略する。各袋Bは対応のグリッパーペア30によって吊り下げ状態で保持されつつ、上流から下流に向かって搬送される。なお図示の複数のグリッパーペア30においてお互いに隣り合って設けられる2つのグリッパーペア30のうち、上流側に配置されるグリッパーペア30を上流側グリッパーペアと呼び、下流側に配置されるグリッパーペア30を下流側グリッパーペアと呼ぶ。
架台32上には、高さ方向に延在する支柱134が据え付けられている。支柱134には、水平方向に延在する主フレーム135が固定されている。主フレーム135にはモーター支持フレーム136が取り付けられている。モーター支持フレーム136は主フレーム135よりも下方に位置しており、モーター支持フレーム136にはモーター(例えばサーボモーター)137が取り付けられている。モーター137はモーター回転軸138を有する。モーター回転軸138は、モーター支持フレーム136を貫通するように下方に向かって延在する。モーター回転軸138の中心軸線と回転軸線Axとは一致しており、モーター回転軸138は回転軸線Axを中心に回転する。モーター回転軸138の下方先端部には、水平方向に延在する移動ベース139が取り付けられている。移動ベース139の下面には、2つの支持ブロック140及び2つの昇降駆動部(例えばエアーシリンダ)143が取り付けられている。
各昇降駆動部143は、上方向への突出量が可変である昇降駆動ロッド144を有する。それぞれの昇降駆動ロッド144には、ノズル保持部145及びガス案内部146を介してガスノズル17(すなわち第1ガスノズル17a及び第2ガスノズル17b)が連結されている。
各支持ブロック140は水平方向に延在する。各支持ブロック140には、支持ブロック140の延在方向とは直角を成す水平方向に延在する第1回転軸部149及び第2回転軸部150がベアリングを介して回転自在に取り付けられている。第1回転軸部149の先端部には第1回転ギア151が固定されており、第1回転軸部149の中間部には第1押さえレバー153が固定されている。第1回転軸部149、第1回転ギア151及び第1押さえレバー153は、共通の軸線(すなわち第1回転軸部149の中心軸線)を中心に、一体的に回転する。第2回転軸部150の先端部には第2回転ギア152が固定されており、第2回転軸部150の中間部には第2押さえレバー154が固定されている。第2回転軸部150、第2回転ギア152及び第2押さえレバー154は、共通の軸線(すなわち第2回転軸部150の中心軸線)を中心に、一体的に回転する。
第1回転ギア151及び第2回転ギア152は、外周部においてお互いに係合しており、対称的な回転挙動を示す。第1押さえレバー153及び第2押さえレバー154は、それぞれ第1回転軸部149及び第2回転軸部150から下方に向かって延在し、第1回転軸部149及び第2回転軸部150の回転に応じて揺動する。第1押さえレバー153及び第2押さえレバー154のそれぞれの下方端部には、第1押さえ支持部157及び第2押さえ支持部158が固定されている。第1押さえ支持部157及び第2押さえ支持部158は水平方向に延在し、それぞれ第1押さえ部155及び第2押さえ部156を保持する。第1押さえ部155及び第2押さえ部156はお互いに対向するように水平方向に延在しており、柔軟性及び密着性を兼ね備える部材(例えばスポンジなど)により構成されている。
また各支持ブロック140には、開閉駆動部(例えばエアーシリンダ)141が回転自在に取り付けられている。開閉駆動部141は、対応の支持ブロック140と平行に延在する開閉駆動ロッド142を有する。開閉駆動部141の本体部からの開閉駆動ロッド142の突出量(特に対応の支持ブロック140の延在方向と平行な方向への開閉駆動ロッド142の突出量)は可変であり、開閉駆動ロッド142の先端部には連結部148が回転自在に取り付けられている。連結部148は、第1回転軸部149に固定されている。開閉駆動ロッド142の突出量に応じて、連結部148は第1回転軸部149を中心に揺動し、第1回転軸部149は自らの中心軸線を中心に回転する。
上述の構成を有する本実施形態のガス置換装置10は、複数のガスノズル17(具体的には2つのガスノズル17)を備える。これらのガスノズル17のうち、上流側に配置されるガスノズル17を第1ガスノズル17aと呼び、下流側に配置されるガスノズルを第2ガスノズル17bと呼ぶ。
各ガスノズル17は高さ方向に延在し、ガス案内部146を介してガス供給源(図示省略)に接続されている。各ガスノズル17の下方先端部は噴出口120を有する。ガス供給源からガス案内部146を介して各ガスノズル17に送られてくる置換ガスは、噴出口120から噴出される。噴出口120が袋B内に配置されている状態で噴出口120から置換ガスを噴出させることによって、袋B内には置換ガスが吹き込まれる。噴出口120からの置換ガスの噴出は任意の手法で制御可能である。例えば、制御部11がガス供給源のオン-オフを切り替えたり、ガス供給源とガス案内部146とをつなぐガス供給管に設けられた弁(図示省略)を制御部11の制御下で開閉したりすることによって、噴出口120から置換ガスを噴出させたり、そのような置換ガスの噴出を止めたり、噴出口120からの置換ガスの噴出量を調整したりすることが可能である。
各ガスノズル17はガスノズル駆動部128によって移動させられる。具体的には、ガスノズル駆動部128は、各ガスノズル17を高さ方向に昇降させるノズル昇降駆動部と、各ガスノズル17を水平方向に移動させるノズル水平駆動部とを含む。
ノズル昇降駆動部は、各ガスノズル17を高さ方向へ移動させる。各ガスノズル17は、ノズル昇降駆動部に昇降させられて、外側位置及び内側位置に配置される。ガスノズル17が外側位置に配置される場合、当該ガスノズル17の先端部(特に噴出口120)は、グリッパーペア30により保持されている袋Bよりも、上方に位置する。ガスノズル17が内側位置に配置される場合、当該ガスノズル17の先端部(特に噴出口120)は、グリッパーペア30により保持されている袋Bの口部よりも低く且つ底部よりも高い位置に配置される。そのため口部が開かれている袋Bをガスノズル17の下方に配置した状態で、ガスノズル17を上方位置に配置することによって噴出口120は袋Bの外側に位置し、ガスノズル17を下方位置に配置することによって噴出口120は袋Bの内側に位置する。
ノズル水平駆動部は、各ガスノズル17を、複数のステーション(特に第6ステーションS6~第8ステーションS8)を巡回させるように移動させる。特に本実施形態のノズル水平駆動部は、各ガスノズル17を往復移動させる。
図示のガスノズル駆動部128は移動ベース139を含む。移動ベース139には、昇降駆動部143(昇降駆動ロッド144を含む)、ノズル保持部145及びガス案内部146を介してガスノズル17が連結されている。図示のノズル水平駆動部は、モーター137(モーター回転軸138を含む)、移動ベース139、昇降駆動部143(昇降駆動ロッド144を含む)、ノズル保持部145及びガス案内部146を含む。特に本実施形態では後述のように、第1ステーションS1~第10ステーションS10のうちの一部区間のみ(すなわち第6ステーションS6~第8ステーションS8の区間のみ)、ガスノズル17及び口保持部19が対応のグリッパーペア30及び袋Bに追従するように、移動ベース139はガスノズル17及び口保持部19を水平方向へ移動させる。一方、図示のノズル昇降駆動部は、昇降駆動部143(昇降駆動ロッド144を含む)、ノズル保持部145及びガス案内部146を含む。
本実施形態では、複数の口保持部19(具体的には2つの口保持部19)が設けられている。これらの口保持部19のうち、上流側に配置される口保持部19を第1口保持部19aと呼び、下流側に配置される口保持部19を第2口保持部19bと呼ぶ。図示の口保持部19は、第1押さえ部155及び第2押さえ部156を含む。各袋Bの口部は、第1押さえ部155及び第2押さえ部156によって挟まれながら圧迫されることにより、口保持部19により保持される。
口保持駆動部127は、各口保持部19を移動させる。具体的には、口保持駆動部127は、各口保持部19の第1押さえ部155及び第2押さえ部156をお互いに近づけたり遠ざけたりする保持開閉駆動部と、各口保持部19を水平方向に移動させる保持水平駆動部とを含む。
保持開閉駆動部は、第1押さえ部155及び第2押さえ部156が袋Bの口部を挟み込む位置(閉位置;図8において実線で示された箇所参照)と、第1押さえ部155及び第2押さえ部156が袋Bに接触しない位置(開位置;図8において点線で示された箇所参照)との間で、第1押さえ部155及び第2押さえ部156を移動させる。開位置に配置された第1押さえ部155と第2押さえ部156との間のスペースに袋Bの口部が配置され、その後、第1押さえ部155及び第2押さえ部156が閉位置に配置される。これにより袋Bは、第1押さえ部155及び第2押さえ部156によって、口部が閉じられるように圧迫されつつ摩擦保持される。
図示の例において保持開閉駆動部は、開閉駆動部141(開閉駆動ロッド142を含む)、連結部148、第1回転軸部149、第1回転ギア151、第1押さえレバー153、第1押さえ支持部157、第2回転軸部150、第2回転ギア152、第2押さえレバー154及び第2押さえ支持部158を含む。開閉駆動ロッド142の突出量に応じた動力が連結部148を介して第1回転軸部149に伝えられ、第1回転軸部149は中心軸線を中心に回転する。この第1回転軸部149の回転に応じて、第1押さえレバー153、第1押さえ支持部157及び第1押さえ部155が第1回転軸部149(特に中心軸線)を中心に揺動する。その一方で、第1回転ギア151及び第2回転ギア152を介して第1回転軸部149から第2回転軸部150に動力が伝えられ、第2回転軸部150は自らの中心軸線を中心に回転する。この第2回転軸部150の回転に応じて、第2押さえレバー154、第2押さえ支持部158及び第2押さえ部156が第2回転軸部150(特に中心軸線)を中心に揺動する。このように第1押さえ部155及び第2押さえ部156は、開閉駆動ロッド142の突出量に応じて、それぞれ第1回転軸部149及び第2回転軸部150を中心に対称的に移動する。
一方、図示の例において保持水平駆動部は、モーター137(モーター回転軸138を含む)、移動ベース139、支持ブロック140、開閉駆動部141(開閉駆動ロッド142を含む)、連結部148、第1回転軸部149、第1押さえレバー153、第1押さえ支持部157、第1回転ギア151、第2回転軸部150、第2押さえレバー154第2押さえ支持部158及び第2回転ギア152を含む。
上述のように移動ベース139は、ガスノズル17及び口保持部19に取り付けられており、口保持駆動部127及びガスノズル駆動部128の各々の一部を構成する。このように口保持駆動部127及びガスノズル駆動部128は共通の移動ベース139を含む。移動ベース139が移動されることによって、口保持部19及びガスノズル17は一体的に水平方向へ移動させられる。特に本実施形態では図9に示すように、1つの移動ベース139に2以上の口保持部19(本実施形態では第1口保持部19a及び第2口保持部19b)及び2以上のガスノズル17(本実施形態では第1ガスノズル17a及び第2ガスノズル17b)が取り付けられており、複数のガスノズル17及び複数の口保持部19が一体的に移動させられる。
なお図示の例において、第1口保持部19aと移動ベース139との間の連結構造と、第2口保持部19bと移動ベース139との間の連結構造とは、回転軸線Axから放射方向に延びる対称軸線Ar(図9参照)に関して線対称に構成されている。これにより、ガス置換装置10を構成する要素をスペース効率良く配置することができる。
上述の構成を有するガス置換装置10において、グリッパーペア30、ガスノズル17及び口保持部19は以下の挙動を示す。
すなわちグリッパーペア移動機構126及び口保持駆動部127は、グリッパーペア30が袋Bの側部を保持し且つ口保持部19が袋Bの口部を保持している状態を維持しつつ、グリッパーペア30及び口保持部19を第1処理位置から第2処理位置に向けて移動させる。この際、ガスノズル駆動部128は、ガスノズル17の噴出口120を袋Bの内側に配置している状態を維持しつつ、ガスノズル17を第1処理位置から第2処理位置に向けて移動させる。
またグリッパーペア移動機構126は、グリッパーペア30が袋Bの側部を保持している状態を維持しつつ、グリッパーペア30を第2処理位置から第3処理位置に向けて移動させる。一方、口保持駆動部127及びガスノズル駆動部128は、口保持部19及びガスノズル17を、第2処理位置から第3処理位置に向けて移動させずに、第2処理位置から第1処理位置に向けて移動させる。この場合、口保持駆動部127及びガスノズル駆動部128は、グリッパーペア30が第2処理位置に配置された後に、口保持部19及びガスノズル17を第2処理位置から第1処理位置に向けて移動させることが好ましい。また口保持駆動部127及びガスノズル駆動部128は、グリッパーペア30が第2処理位置から第3処理位置に向かって移動している時間の少なくとも一部の間において、口保持部19及びガスノズル17を第1処理位置に向けて移動させていることが好ましい。
なお、複数のガスノズル17及び口保持部19を備える本実施形態のガス置換装置10において、上述の第1処理位置~第3処理位置は、ガスノズル17毎及び口保持部19毎に定められる。図示の包装システム5では、連続的に隣り合う複数のステーションS1~S10が設けられており、これらの複数のステーションには、ガス置換装置10が設置される4つの処理ステーション(第6ステーションS6~第9ステーションS9)が含まれる。上流側グリッパーペア、第1口保持部19a及び第1ガスノズル17aにとっては、第6ステーションS6(第1処理ステーション)が上述の第1処理位置に該当し、第7ステーションS7(第2処理ステーション)が上述の第2処理位置に該当し、第8ステーションS8(第3処理ステーション)が上述の第3処理位置に該当する。一方、下流側グリッパーペア、第2口保持部19b及び第2ガスノズル17bにとっては、第7ステーションS7(第2処理ステーション)が上述の第1処理位置に該当し、第8ステーションS8(第3処理ステーション)が上述の第2処理位置に該当し、第9ステーションS9(第4処理ステーション)が上述の第3処理位置に該当する。
[変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。
例えば、第1袋処理装置(本実施形態では第1ガスノズル17a及び第1口保持部19a)及び第2袋処理装置(本実施形態では第2ガスノズル17b及び第2口保持部19b)は、袋B内へのガスの注入処理を行うが、他の袋処理を行ってもよい。
またグリッパーペア30の総数は「10」には限定されず、グリッパーペア30の総数は奇数であってもよい。また袋処理装置の総数は「2」には限定されない。
また上述の実施形態では、各グリッパーペア30のグリッパー間隔を変えるために揺動機構44(カム機構)を利用しているが、揺動機構44の具体的な構成は限定されない。また、各グリッパーペア30のグリッパー間隔を適切に調整することが可能な任意のデバイスを、揺動機構44の代わりに使ってもよい。例えば、サーボモーターを備えた機構を各グリッパーペア30に連結し、当該サーボモーターを制御部11の制御下で駆動することによって、各グリッパーペア30のグリッパー間隔を調整してもよい。
また上述の揺動機構44は、カム従動体43から伝えられる高さ方向への力を利用して移動体46を水平方向に移動させて、グリッパー間隔を変えているが、この方式には限定されない。例えば、カム従動体43が水平方向(特に回転テーブル31の径方向)に移動するように、カム案内面42及びカム従動体43が構成されてもよい。この場合、揺動機構44は、カム従動体43から伝えられる水平方向への力を利用して移動体46を任意の方向に移動させて、当該移動体46の移動によってグリッパー間隔を変えてもよい。
また上述の実施形態では、共通の移動ベース139及び駆動源(すなわちモーター137)を使って、各ガスノズル17及び各口保持部19を水平方向に移動させているが、別個の駆動機構及び別個の駆動源を使ってガスノズル17及び口保持部19を移動させてもよい。この場合、制御部11は、各ガスノズル17及び各口保持部19が対応の袋Bを適切に追従するように、それらの駆動機構及び駆動源を制御することができる。
また上述の実施形態では、ガスノズル17及び口保持部19が往復移動可能に設けられており、ガスノズル17及び口保持部19は、ステーション及びグリッパーペア30よりも少ない。ただしガスノズル17及び口保持部19の数は限定されず、例えば、ステーション及びグリッパーペア30の数と同じであってもよい。この場合、各グリッパーペア30に対して固有のガスノズル17及び口保持部19が関連づけられ、相互に関連づけられているグリッパーペア30、ガスノズル17及び口保持部19を一体的に水平方向に移動させることができる。そのような装置構成は、例えば特開昭55-89022号公報の図1に示す装置を応用することによって容易に実現可能である。この場合、グリッパーペア30、ガスノズル17及び口保持部19を水平方向に移動させるための駆動源を共通化することができる。
また上述の実施形態において回転テーブル31及びグリッパーペア30は間欠的に移動するが、グリッパーペア移動機構126(回転テーブル31を含む)はグリッパーペア30を停止させることなく継続的に移動させてもよい。回転テーブル31及びグリッパーペア30が継続的に移動する場合、口保持駆動部127及びガスノズル駆動部128は、ガスノズル17及び口保持部19がグリッパーペア30及び袋Bを適切に追従するように、袋B及びグリッパーペア30の移動速度に応じてガスノズル17及び口保持部19を継続的に移動させることができる。
また上述の実施形態において各グリッパーペア30は、袋Bを吊り下げ保持するが、袋Bを他の姿勢で保持してもよい。例えば各グリッパーペア30は、横臥姿勢の袋B(すなわち水平方向に延在している状態の袋B)を保持しつつ、第1ステーションS1~第10ステーションS10を巡回してもよい。
また各グリッパーペア30の移動軌道及び各袋Bの移動軌道は、上述の円軌道に限定されず、他の曲線軌道、直線軌道、或いは曲線軌道及び直線軌道の両方が組み合わされた軌道(例えば両端部が半円軌道によって構成される無端軌道(すなわちレーストラック軌道))であってもよい。
また袋Bの口部のシールの方式は限定されず、シール部21は、加熱以外の手段によって袋Bの口部をシールしてもよい。
また上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また、本発明によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書、要約書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。