JP7154117B2 - 造形装置、造形方法、及び造形プログラム - Google Patents

造形装置、造形方法、及び造形プログラム Download PDF

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本発明は、造形装置、造形方法、及び造形プログラムに関する。
近年、金型などを用いずに立体造形物を造形する装置として、3D(3-Dimensional)プリンタが普及しつつある。例えば、熱溶解積層法(Fused Filament Fabrication;FFF)により立体造形物を造形する3Dプリンタは、他の方法により立体造形物を造形する3Dプリンタに比べて低価格なものが多く、個人向けのものも販売されている。
また、3Dプリンタなどを用いて立体造形物を造形する際に、造形層の積層方向における立体造形物の強度の低下を防止するために、層の表面を粗面化して積層する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、造形層の積層方向における立体造形物の強度を向上させることができる造形装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段としての本発明の造形装置は、
第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形する層造形手段と、
第1の線状部分と第2の線状部分とが交差する接点を加熱する加熱手段と、を有する。
本発明によると、造形層の積層方向における立体造形物の強度を向上させることができる造形装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る造形装置の一実施形態を示す模式図である。 図2は、図1の造形装置における吐出モジュールを示す模式図である。 図3は、図1の造形装置におけるハードウェア構成図である。 図4は、一実施形態における冷却手段を有する造形装置の一例を示す模式図である。 図5は、一実施形態における造形層の接点を加熱する動作の一例を示す模式図である。 図6は、一実施形態における加熱モジュールを造形テーブル側から見た場合の一例を示す平面図である。 図7は、一実施形態における造形層の接点を加熱する際の動作の他の一例を示す模式図である。 図8は、造形プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。 図9Aは、井桁構造を有する造形層の構造の一例を示す上面図である。 図9Bは、井桁構造を有する造形層の構造の他の一例を示す上面図である。 図10は、井桁構造を形成する際における、層造形手段及び加熱手段が走査する様子の一例を示す模式図である。 図11は、井桁構造を形成する際における、造形層の接点の間隔を変更する場合の造形層の形状の一例を示す模式図である。 図12は、立体造形物1~6における、引張試験の結果を示す図である。
(造形装置、造形方法、造形プログラム)
本発明の造形装置は、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形する層造形手段と、
第1の線状部分と第2の線状部分とが交差する接点を加熱する加熱手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の造形方法は、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形する層造形工程と、
前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とが交差する接点を加熱する加熱工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
造形方法は造形装置により好適に行うことができ、層造形工程は層造形手段により好適に行うことができ、加熱工程は加熱手段により好適に行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
また、本発明の造形プログラムは、熱層造形手段により、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形させ、加熱手段により、第1の線状部分と第2の線状部分とが交差する接点を加熱させる、処理をコンピュータに実行させる。
本発明の造形プログラムは、本発明の造形方法を実施するために、本発明の造形装置により、好適に実行される。なお、本発明の造形プログラムは、本発明の造形装置によって実行されることに限定されるものではない。例えば、本発明の造形プログラムは、他のコンピュータ又はサーバによって実行されてもよく、本発明の造形装置、他のコンピュータ、及びサーバのいずれかが協働して実行されてもよい。
つまり、本発明の造形装置は、本発明の造形方法を実施することと同義である。また、本発明の造形プログラムは、ハードウェア資源としてのコンピュータ等を用いることにより、本発明の造形装置として実施できる。そのため、本発明の造形装置に関する説明を通じて、本発明の造形方法及び造形プログラムの詳細についても明らかにする。
また、本発明は、従来技術の造形装置では、造形層の積層方向における立体造形物の強度が低くなってしまう場合があるという知見に基づくものである。
立体造形物を造形する際に、造形層を形成する造形材料の節約による造形コスト削減、立体造形物の軽量化、造形時間の短縮などのために、立体造形物の造形層どうしが接しない中空部(造形材料が存在せず、隙間の空いた空間になっている部分)を設けるという手法が知られている。特に、大型の立体造形物を造形する際には、中空部を設けるメリットが大きくなる。しかし、中空部を有する立体造形物は、造形材料が存在せず、隙間の空いた空間になっている部分を有することになるため、強度が低くなりやすいという問題がある。
特に、所定の間隔で位置する第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、当該第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とが、交互に形成された井桁構造を有する立体造形物においては、上記の問題が顕著となる。つまり、井桁構造においては、互いに接する造形層どうしが接触する箇所が、それぞれの造形層の線状部分の接点のみとなるため、造形層の積層方向における立体造形物の強度が特に低くなりやすい。
上述のように、特許文献1には、造形材料からなる造形材料層(造形層)の表面を粗面化することにより、三次元(立体)造形物の積層方向における強度の低下を防止する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、造形層の表面を粗面化する技術であるため、造形層の積層方向における立体造形物の強度の低下を防止するためには、造形層どうしが十分に接触している必要がある。そのため、特許文献1に記載の技術では、井桁構造などを有する立体造形物を造形する際には、造形層どうしが接する部分の面積が小さく、造形した立体造形物の強度が十分でないことがあった。
一方、本発明の造形装置は、第1の線状部分と第2の線状部分とが交差する接点を加熱する加熱手段を有しているため、造形層どうしが接する部分の面積が小さい場合であっても、造形層の積層方向における立体造形物の強度を向上させることができる。より具体的には、本発明の造形装置は、造形層を形成する造形材料における、第1の線状部分と第2の線状部分とが交差する接点に熱エネルギーを付与することにより、接点を高温にする(好ましくは溶融させる)ことで、造形層どうしの接着力を向上させる。このため、本発明の造形装置は、造形層どうしが接する部分の面積が小さい場合であっても、造形層どうしの接着力を確実に向上させることができる。よって、本発明の造形装置は、造形層の積層方向における立体造形物の強度を向上させることができる。
<層造形手段、層造形工程>
層造形手段は、造形材料を溶融吐出して、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形する手段である。
層造形工程は、造形材料を溶融吐出して、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形する工程である。
層造形手段は、移動(走査)しながら造形材料を溶融吐出することにより、造形層を形成する。なお、層造形手段は、上述の第1の造形層及び第2の造形層以外の造形層を造形してもよい。
また、層造形手段は、造形層において、立体造形物のスライスデータに基づく立体造形物の断面における周縁部の内側を囲うように造形材料を溶融吐出することが好ましい。これにより、立体造形物の機械的強度を向上させることができるとともに、立体造形物の表面を滑らかに造形できるため、立体造形物の品質を向上させることができる。
なお、立体造形物のスライスデータとは、立体造形物の3Dデータに基づいて加工されたものであり、造形層毎で造形材料を溶融吐出する箇所を示す座標データを意味する。
また、立体造形物の断面における周縁部の内側を囲うようにする造形材料の溶融吐出は、フィラメント状に溶融吐出した造形材料を1ラインとしてもよく、複数のラインとしてもよい。複数のラインとする場合には、層造形手段は、溶融吐出した造形材料の幅の分だけ内側を走査して溶融吐出するようにすることが好ましい。
層造形手段としては、造形材料を吐出する吐出口を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、フィラメント状の造形材料を溶融吐出する吐出モジュール(ヘッド)、インクノズルヘッドなどが挙げられる。なお、層造形手段は、造形装置に複数設けられていてもよく、1つの層造形手段に複数の吐出口が配されていてもよい。また、層造形手段は、例えば、造形材料を溶融するための加熱部や、造形材料を溶融吐出するためのノズル(吐出口)などを有する。
<<造形層>>
造形層としては、熱可塑性の造形材料により形成されるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の造形装置は、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形することにより、井桁構造を有する立体造形物を造形する。
また、層造形手段は、第1の造形層と第2の造形層の造形を繰り返すことが好ましい。層造形手段が第1の造形層と第2の造形層の造形を繰り返すことで、立体造形物における井桁構造の割合が大きくなるため、造形材料の節約による造形コスト削減、立体造形物の軽量化、及び造形時間の短縮という観点から有利である。
<<<井桁構造>>>
井桁構造(井桁部)とは、立体造形物における、所定の間隔で位置する第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、当該第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とが、交互に形成された部分を意味する。なお、線状部分は、直線であってもよいし、直線でなくてもよい。複数の線状部分同士は、互いに平行であってもよい。もちろん完全に平行でなくても略平行であればよい。また、第1の線状部分に対して、第2の線状部分は、直角もしくは任意の角度をもって交差すればよく、略直交して交差してもよい。
ここで、第1の造形層及び第2の造形層における線状部分が位置する所定の間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、使用する造形材料における溶融吐出時の粘度などの物性に応じて選択することが好ましい。なお、第1の造形層及び第2の造形層における線状部分が位置する所定の間隔は、1つの造形層の中で異なる間隔となっていてもよい。
また、第1の造形層及び第2の造形層における線状部分が互いに略平行であるとは、或る造形層における隣り合う線状部分が、当該造形層の中で交差しない程度に平行に位置していることを意味する。
第2の造形層における線状部分が、第1の造形層における線状部分と略直交するとは、第2の造形層における線状部分と第1の造形層における線状部分がなす角が、70°以上110°以下であることを意味する。
立体造形物が井桁構造を有することにより、立体造形物全体における造形材料の充填率を効率的に小さくできるため、造形材料の使用量を抑制でき、立体造形物を軽量化することができる。特に、大型の立体造形物を造形する場合には、立体造形物が井桁構造を少なくとも一部に有することによる上記の効果はより大きくなる。
また、井桁構造は形状がシンプルであることから、層造形手段を走査させる経路であるツールパスがシンプルになるため、立体造形物の造形時間を短くすることができる。
さらに、井桁構造は規則的(周期的)な構造を有する場合には、層造形手段及び加熱手段の制御を簡易なものとすることができる。井桁構造を造形する際の層造形手段及び加熱手段の制御についての詳細は後述する。
<<造形材料>>
造形材料としては、熱可塑性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱可塑性樹脂が好ましい。
造形材料は、最終的に立体造形物となるモデル材と、モデル材で形成されたモデル部を支持するサポート部となるサポート材とに分かれていてもよく、それぞれの造形材料が層造形手段の別の吐出口から溶融吐出されてもよい。なお、モデル材とサポート材とは、同一の造形材料を用いてもよく、異なる造形材料を用いてもよい。
また、造形材料は、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
-熱可塑性樹脂-
熱可塑性樹脂とは、熱を加えると可塑化し、溶融する樹脂を意味する。
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性樹脂、非結晶性樹脂、液晶樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、結晶性樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、融解開始温度と、冷却時の再結晶温度の差が大きな樹脂が好ましい。
なお、結晶性樹脂とは、ISO3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)に準拠した測定において、融点ピークが検出される樹脂である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール(POM:Polyoxymethylene)、ポリイミド、フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド410(PA410)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、及びポリアミド12(PA12);並びにポリアミド4T(PA4T)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、及びポリアミド10T(PA10T)などの半芳香族性のポリアミドが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブタジエンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する点で、テレフタル酸やイソフタル酸を一部に含む芳香族を有するものが好ましい。
ポリエーテルとしては、例えば、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルフォンなどが挙げられる。
ポリアリールケトンとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、PA9Tのように2つの融点ピークを有するものでもよい。2つの融点ピークを有する熱可塑性樹脂は、高温側の融点ピーク以上の温度になると完全に溶融する。
FFF方式の造形装置を用いる場合には、熱可塑性樹脂としては、いわゆるABS樹脂やポリ乳酸(PLA)樹脂などを用いることもできる。
また、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリテトラフルオロエチレンなどは、「スーパーエンジニアリングプラスチック」と称されている。
熱可塑性樹脂としては、スーパーエンジニアリングプラスチックから選択される少なくとも1種であることが好ましい。熱可塑性樹脂がスーパーエンジニアリングプラスチックであると、造形する立体造形物の引張強度、耐熱性、耐薬品性、及び難燃性を向上することができ、立体造形物を工業用途にも使用可能になる点で有利である。
<<<その他の成分>>>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィラーなどが挙げられる。フィラーとしては、例えば、カーボンファイバー、ガラス繊維、セラミック繊維、チタン酸カルシウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維等のうち1つもしくは複数を組み合わせて含有してもよい。
-カーボンファイバー-
カーボンファイバーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
カーボンファイバーの形状及び大きさとしては、長さが200μm以上かつアスペクト比が1:30以上であることが好ましい。カーボンファイバーの長さが200μm以上、かつカーボンファイバーのアスペクト比が1:30以上であれば、層造形手段により井桁構造における架橋部分の長さが1.5mm以上となる造形層を少なくとも一部に形成することができる。これは、架橋部分の長さを長くできる点で有利である。
造形材料におけるカーボンファイバーの含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上20質量%以下が好ましい。造形材料におけるカーボンファイバーの含有率が5質量%以上20質量%以下であると、造形材料を架橋できる距離を長くできるとともに、溶融吐出した造形材料が「だま」にならずに架橋が切れにくい点で有利である。
また、造形材料にカーボンファイバーが含有されていると、造形材料の熱容量が大きくなることから、溶融した状態の造形材料が溶融吐出された箇所に熱が伝わりやすくなる。これは、20W/m・K以上の熱伝導率を有するカーボンファイバーを造形材料に含有させているためである。これにより、造形材料が溶融吐出された箇所にある、既に固化している造形材料が内部まで溶融した状態になりやすくなるため、溶融吐出された造形材料と、この造形材料が溶融吐出された箇所にある造形材料との接着強度を高めることができる。すると、例えば、立体造形物を井桁構造とし、立体造形物の内部が空間で占められていても、立体造形物の圧縮強度を向上させることができる。
溶融した状態の造形材料が吐出された箇所の、既に固化している造形材料は、造形材料が溶融吐出されて形成されつつある造形層の下の造形層の造形材料と、造形材料が溶融吐出されて形成されつつある造形層内の隣接する造形材料との両方であることが好ましい。こうすることにより、立体造形物の圧縮強度が更に向上する。
フィラーの形状及び大きさとしては、長さが200μm以上かつアスペクト比が1:30以上であることが好ましい。フィラーの長さが200μm以上で、かつフィラーのアスペクト比が1:30以上であれば、層形成手段により井桁構造における架橋部分の長さが1.5mm以上となる造形層を少なくとも一部に形成することができる。これは、架橋部分の長さを長くできる点で有利である。
造形材料におけるフィラーの含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上20質量%以下が好ましい。造形材料におけるフィラーの含有率が5質量%以上20質量%以下であると、造形材料を架橋できる距離を長くすることができるとともに、吐出した造形材料が「だま」にならずに架橋が切れにくい点で有利である。
<加熱手段、加熱工程>
加熱手段は、第1の線状部分と第2の線状部分とが交差する接点を加熱する手段である。
加熱工程は、第1の線状部分と第2の線状部分とが交差する接点を加熱する工程である。
第1の線状部分と第2の線状部分とが交差する接点とは、積層方向に隣接している造形層どうしの接点となっている箇所、又は層造形手段により造形材料が溶融吐出されることで、新たな造形層が形成された後には造形層どうしの接点となる箇所を意味する。なお、本明細書においては、第1の線状部分と第2の線状部分とが交差する接点を、単に「造形層の接点」と称することがある。
加熱手段は、造形層の接点を選択的に加熱することが好ましい。加熱手段が、造形層の接点を選択的に加熱することにより、造形層を必要以上に加熱することを抑制し、造形層の焼損や造形精度の低下を防止することができる。
また、加熱手段が加熱する造形層の接点の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、立体造形物における造形層の接点全てのうち、少なくとも一部を加熱できればよい。造形層の積層方向における立体造形物の強度をより向上させるという観点からは、加熱手段が、できるだけ多くの造形層の接点を加熱することが好ましい。
加熱手段としては、造形層の接点の少なくとも一部を加熱することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱風を供給する熱風供給部、レーザ光を照射するレーザ照射部などが挙げられる。なお、加熱手段は、造形装置に複数設けられていてもよい。
<<熱風供給部>>
熱風供給部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のヒータやファンなどの熱風供給装置を用いることができる。また、熱風供給部としては、耐熱チューブなどの先端に取り付けられたノズルから、熱風を供給するようにしてもよい。加熱手段として熱風供給部を用いることにより、造形層の接点を選択的に加熱することができる。
<<レーザ照射部>>
レーザ照射部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のレーザ照射装置を用いることができる。加熱手段としてレーザ照射部を用いることにより、造形層の接点をより選択的に加熱することができる。
また、レーザ照射部が照射するレーザ光としては、造形材料の光吸収特性に応じた波長を有することが好ましい。レーザ照射部が照射するレーザ光が、造形材料の光吸収特性に応じた波長を有することにより、効率的に熱エネルギーを造形層に付与することができる。例えば、造形材料としてPEEKを用いる場合には、短波長にピークを有するレーザ光を照射することが好ましい。
加熱手段が造形層の接点を加熱する温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性の造形材料が溶融する温度以上であることが好ましい。加熱手段が造形層の接点を加熱する温度が、熱可塑性の造形材料が溶融する温度以上であることにより、造形層の接点における接着力がより向上するため、より造形層の積層方向における立体造形物の強度を向上させることができる。なお、造形材料が溶融する温度以上となるように造形層の接点を加熱するための加熱手段の出力等については、実験や計算機によるシミュレーションなどから求めることができる。
また、加熱手段が造形層の接点を加熱する温度が、造形材料が溶融する温度未満の場合であっても、層造形手段が溶融吐出する造形材料と造形層の接点との温度差が小さくなるため、層造形手段が溶融吐出する造形材料と造形層の接点との親和性が向上する。そのため、加熱手段が造形層の接点を加熱する温度が、熱可塑性の造形材料が溶融する温度未満の場合であっても、造形層の積層方向における立体造形物の強度を向上させることができる。
加熱手段が造形層の接点を加熱するタイミングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。加熱手段が造形層の接点を加熱するタイミングとしては、例えば、互いに接する造形層がそれぞれ造形された後、既に造形された造形層に接する新たな造形層を形成する際において、層造形手段が造形層の接点に造形材料を溶融吐出する前などが挙げられる。これらの中でも、既に造形された造形層に接する新たな造形層を形成する際において、層造形手段が造形層の接点に造形材料を溶融吐出する前とすることが好ましい。
つまり、層造形手段が、既に造形された造形層に接する新たな造形層を形成する際に、当該既に造形された造形層における接点となる箇所が加熱手段により加熱された後に、当該接点となる箇所に対して造形材料を溶融吐出することが好ましい。こうすることにより、既に造形された造形層における加熱された状態の接点に対して、新たな造形層となる造形材料が溶融吐出される。このため、既に造形させた造形層と新たな造形層となる造形材料との親和性が向上するため、既に造形された造形層と新たな造形層との接点となる箇所における接着力を確実に高めることができる。そのため、造形層の積層方向における立体造形物の強度をより向上させることができる。
また、加熱手段は、層造形手段と同期して走査されることが好ましい。こうすることにより、加層造形手段とともに加熱手段が移動していくことになるため、一定のエネルギーで造形層を加熱する場合であっても、必要以上に造形層を加熱することを抑制し、造形層の焼損や造形精度の低下を防止することができる。
加熱手段が造形層の接点を加熱する方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形層の接点の鉛直方向に対して交差する方向から加熱可能であることが好ましい。
造形層の接点の鉛直方向に対して交差する方向から造形層の接点を加熱可能であるとは、造形層の接点の鉛直方向以外の方向に位置する加熱手段により、造形層の接点を斜めの方向から加熱可能であることを意味する。
加熱手段が、造形層の接点の鉛直方向に対して交差する方向から造形層の接点を加熱可能であることにより、層造形手段が造形材料を溶融吐出する位置の前方を加熱することができる。このため、加熱された状態の接点に対して造形材料が溶融吐出されるので、造形層の接点における接着力を確実に高めることができる。よって、加熱手段が、造形層の接点の鉛直方向に対して交差する方向から造形層の接点を加熱可能であることにより、造形層の積層方向における立体造形物の強度をより向上させることができる。
また、加熱手段が造形層の接点の鉛直方向に対して交差する方向から加熱する場合に、加熱手段としてレーザ照射部を用いるときは、レーザ光の入射形を整形することにより、造形層の接点に均一にレーザ光を照射することが好ましい。造形層の接点に均一にレーザ光を照射することにより、造形層の接点を安定して加熱することができ、造形層の積層方向における立体造形物の強度をより向上させることができる。
加熱手段が造形層の接点の鉛直方向に対して交差する方向から造形層の接点を加熱する場合、加熱手段は、層造形手段における造形材料を溶融吐出する吐出口を中心に回動乃至回転可能であることが好ましい。
加熱手段が、層造形手段における造形材料を溶融吐出する吐出口を中心に回動乃至回転可能であることにより、造形層の接点の鉛直方向に対して交差する様々な方向から造形層の接点を加熱可能となる。そのため、層造形手段の走査方向にかかわらず、層造形手段が造形材料を溶融吐出する位置の前方となる箇所を加熱することができる。加熱手段が、層造形手段が造形材料を溶融吐出する位置の前方となる箇所を加熱することにより、加熱された状態の接点に対して造形材料が溶融吐出されるため、造形層の接点における接着力をより確実に高めることができる。したがって、加熱手段が、層造形手段における造形材料を溶融吐出する吐出口を中心に回動乃至回転可能であることにより、造形層の積層方向における立体造形物の強度をより向上させることができる。
加熱手段が回動乃至回転する速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、層造形手段が走査する速さに応じて制御されることが好ましい。
また、加熱手段が回動乃至回転する速度とは、加熱手段が層造形手段の吐出口を中心に回動乃至回転する際における加熱手段の角速度を意味する。
加熱手段が回動乃至回転する速度を層造形手段が走査する速さに応じて制御する方法としては、例えば、加熱手段が回動乃至回転する速度と層造形手段が走査する速さを対応させる方法などが挙げられる。
例えば、上述した井桁構造などの規則的な構造を有する立体造形物を造形する際においては、層造形手段を一定の速度で直線的に走査させることにより造形可能な直線部分を有する場合がある。この場合、造形層の接点は一定の間隔で形成されることになるので、層造形手段は一定の時間間隔ごとに造形層の接点部分を形成することになる。このため、例えば、層造形手段が造形層の或る接点を形成してから時間T後に次の接点を造形する場合、造形層の接点を加熱できる位置に時間Tごとに加熱手段が位置するように、回動乃至回転する速度(又は周期)を制御することが好ましい。
このように、加熱手段が回動乃至回転する速度と層造形手段が走査する速さを対応させる(比例させる)ことにより、層造形手段が造形層の接点を形成する時間間隔と、加熱手段が回動乃至回転する周期を合わせることができる。層造形手段が造形層の接点を形成する時間間隔と、加熱手段が回動乃至回転する周期を合わせることにより、簡易な制御で造形層の接点を選択的に加熱することができる。すなわち、加熱手段の回動乃至回転する速度が、層造形手段が走査する速さに応じて制御されることにより、簡易な制御で造形層の接点を選択的に加熱することができ、造形層の焼損や造形精度の低下を防止することができる。
造形層の接点の間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、形成する造形層の形状に応じて変更することが好ましい。すなわち、層造形手段が、形成する造形層の形状に応じて、造形層の接点の間隔を変更するように制御されることが好ましい。
層造形手段が、形成する造形層の形状に応じて、造形層の接点の間隔を変更するように制御されることにより、形成する造形層の形状にかかわらず、造形層の接点が形成されるため、造形層の積層方向における立体造形物の強度を向上することができる。より具体的には、例えば、形成する造形層が鋭角的な尖った部分を有する形状である場合などでは、他の部分に比べて造形層の接点が間隔を狭くなるようにすることにより、面積が狭い部分であっても造形層の接点を形成することができる。面積が狭い部分であっても造形層の接点が形成されることにより、加熱手段が加熱可能な箇所が増加するため、立体造形物の積層方向の強度をより向上させることができる。
造形層の接点の間隔を変更する場合、変更した後の造形層の接点の間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適否選択することができる。変更した後の造形層の接点の間隔としては、変更する前の間隔の整数倍となる値又は変更する前の間隔を整数で除した値となるようにすることが好ましい。
また、加熱手段による加熱が、造形層の接点となる箇所の間隔に応じて制御されることが好ましい。こうすることにより、造形層の接点の間隔が異なる場合であっても、造形層の接点を選択的に加熱することができる。この場合における加熱手段の制御についての詳細は後述する。
なお、造形層の接点となる箇所の間隔に応じて制御される加熱手段としては、吐出口を中心に回動乃至回転可能な加熱手段であってもよいし、層造形手段の走査している位置に対応して、レーザ光などの熱エネルギーをパルス照射するような加熱手段であってもよい。
<その他の手段、その他の工程>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、温度測定手段、制御手段などが挙げられる。
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、温度測定工程、制御工程などが挙げられる。
温度測定工程は温度測定手段により好適に行うことができ、制御工程は制御手段により好適に行うことができる。
<<温度測定手段、温度測定工程>>
温度測定手段は、造形層の温度を測定する手段である。
温度測定工程は、造形層の温度を測定する工程である。
温度測定手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の温度センサを用いることができる。
造形装置が温度測定手段を有することにより、加熱手段が造形層の接点を加熱する際に、接点となる箇所の温度を測定することで、加熱手段が接点となる箇所に供給する熱量を制御することができる。
<<制御手段、制御工程>>
制御手段は、各種プログラムを実行し、造形装置全体の動作を制御する手段である。
制御工程は、各種プログラムを実行し、造形装置全体の動作を制御する工程である。
制御手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
<全体構成>
本発明の一実施形態として、熱溶解積層法(FFF)により立体造形物を造形する立体造形装置について説明する。なお、本発明における造形装置は、熱溶解積層法を用いたものに限定されるものではなく、載置台(造形テーブル)の載置面上に立体造形物を造形する任意の造形装置を用いることができる。
図1は、本発明に係る造形装置の一実施形態を示す模式図である。図2は、図1の造形装置における吐出モジュールを示す模式図である。造形装置1は、射出成形では金型が複雑になる、又は、成形することができないような複雑な立体構造を有する立体造形物を造形することができる。
三次元造形装置1における筐体2の内部は、立体造形物MOを造形するための処理空間となっている。筐体2の内部には載置台としての造形テーブル3が設けられており、造形テーブル3の上に立体造形物MOが造形される。
立体造形物の造形には、熱可塑性樹脂をマトリックスとした樹脂組成物からなる長尺のフィラメントFが用いられる。フィラメントFは、細長いワイヤー形状の固体材料であり、巻き回された状態で造形装置1における筐体2の外部のリール4にセットされている。リール4は、フィラメントFの駆動手段であるエクストルーダ11の回転に引っ張られることで、大きく抵抗力を働かせることなく自転する。
筐体2の内部の造形テーブル3の上方には、層造形手段としての吐出モジュール10(造形ヘッド)が設けられている。吐出モジュール10は、エクストルーダ11、冷却ブロック12、フィラメントガイド14、加熱ブロック15、吐出ノズル18、撮像モジュール101、ねじり回転機構102を有する。フィラメントFは、エクストルーダ11によって引き込まれることで、造形装置1の吐出モジュール10へ供給される。
ここで、吐出モジュール10の構造について図2を用いて説明する。撮像モジュール101は、吐出モジュール10に引き込まれるフィラメントFの360°像、すなわち、フィラメントFにおける或る部分の全方位の画像を撮像する。図2の吐出モジュールには2つの撮像モジュールが設けられているが、例えば、反射板を用いるなどして、1つの撮像モジュール101により、フィラメントFの360°像を撮像してもよい。なお、撮像モジュール101としては、例えば、レンズなどの結像光学系と、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子と、を備えたカメラなどが挙げられる。
ねじり回転機構102は、ローラにより吐出モジュール10に引き込まれるフィラメントFを、幅方向に回転させることでフィラメントFの方向を規制する。
径測定部103は、撮像モジュール101により撮像されたフィラメントの画像から、X軸、Y軸の2方向におけるフィラメントのエッジ間の幅を、それぞれフィラメントの径として測定し、規格外となる径を検出した際には、エラー情報を出力する。エラー情報の出力先は、ディスプレイであってもよいし、スピーカであってもよいし、他の装置であってもよい。なお、径測定部103は、回路であってもよいし、CPU(Central Processing Unit)の処理によって実現される機能であってもよい。
加熱ブロック15は、ヒータなどの熱源16と、ヒータの温度を制御するための熱電対17と、を有し、移送路を介して、吐出モジュール10に供給されたフィラメントFを加熱溶融させて、吐出ノズル18へ供給する。
冷却ブロック12は、加熱ブロック15の上部に設けられる。冷却ブロック12は、冷却源13を有し、フィラメントを冷却する。これにより、冷却ブロック12は、溶融したフィラメントFMの吐出モジュール10の上部への逆流、溶融したフィラメントFMを押し出す抵抗の増大、あるいは、溶融したフィラメントFMの固化による移送路内での詰まりを防ぐ。加熱ブロック15と冷却ブロック12との間には、フィラメントガイド14が設けられている。
図2に示すように、吐出モジュール10の下端部に、造形材料であるフィラメントFを溶融吐出する吐出ノズル18が設けられている。吐出ノズル18は、加熱ブロック15から供給された溶融状態あるいは半溶融のフィラメントFMを造形テーブル3上に線状に押し出すようにして溶融吐出する。吐出されたフィラメントFMは、冷却固化されて所定の形状の層が形成される。さらに、吐出ノズル18は、形成した層に、溶融状態あるいは半溶融状態のフィラメントFMを、線状に押し出すようにして吐出する操作を繰り返すことで、新たな層を積み上げて積層させる。こうすることにより、造形装置1は、立体造形物MOを造形する。
本実施形態においては、吐出モジュール10に2つの吐出ノズルが設けられている。第一の吐出ノズルは、立体造形物MOを形成するモデル材のフィラメントを溶融して吐出し、第二の吐出ノズルは、モデル材を支持するサポート材のフィラメントを溶融して吐出する。なお、図1において、第一の吐出ノズルの奥側に第二の吐出ノズルが配置されている。なお、吐出ノズルの数は、2個に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第二の吐出ノズルから溶融吐出されるサポート材により形成されるサポート部は、最終的にはモデル材により形成されるモデル部から除去される。なた、サポート材は、本実施形態においては、立体造形物MOを形成するモデル材とは異なる材料である。サポート材のフィラメントおよびモデル材のフィラメントは、それぞれ、加熱ブロック15にて溶融され、それぞれの吐出ノズル18から押し出されるように溶融吐出されて、層状に順次積層される。
また、造形装置1には、造形層の接点を加熱する加熱手段としての加熱モジュール20が設けられている。加熱モジュール20には、レーザ光を照射するレーザ照射部としてのレーザ光源21が設けられている。
吐出モジュール10および加熱モジュール20は、装置左右方向(図1中の左右方向)に延びるX軸駆動軸31(X軸方向)に対し、連結部材を介して、移動可能に保持されている。吐出モジュール10は、X軸駆動モータ32の駆動力により、装置左右方向(X軸方向)へ移動することができる。
X軸駆動モータ32は、装置前後方向(図1中の奥行方向)に延びるY軸駆動軸(Y軸方向)に沿って移動可能に保持されている。X軸駆動軸31がX軸駆動モータ32ごとY軸駆動モータ33の駆動力によってY軸方向に沿って移動することにより、吐出モジュール10および加熱モジュール20はY軸方向に移動する。
造形テーブル3は、Z軸駆動軸34及びガイド軸35が貫通しており、装置上下方向(図1中の上下方向)に延びるZ軸駆動軸34に沿って移動可能に保持されている。造形テーブル3は、Z軸駆動モータ36の駆動力により、装置上下方向(Z軸方向)へ移動する。造形テーブル3には、積載された造形物を加熱する造形物加熱部が設けられていてもよい。
また、フィラメントFの溶融と吐出を経時で続けると、吐出ノズル18の周辺部が溶融したフィラメントFMなどで汚れることがある。そこで、造形装置1に設けられたクリーニングブラシ37により、吐出ノズル18の周辺部に対し定期的にクリーニング動作を行うことで、吐出ノズル18の先端にフィラメントFが固着することを防ぐことができる。なお、クリーニング動作は、固着防止の観点から、溶融したフィラメントFMの温度が下がりきらないうちに実行されることが好ましい。この場合、クリーニングブラシ37は、耐熱性部材からなることが好ましい。また、クリーニング動作時に生じる研磨粉については、造形装置1に設けられたダストボックス38に集積させて定期的に捨ててもよいし、吸引路を設けて造形装置1の外部へ排出させてもよい。
図3は、図1の造形装置におけるハードウェア構成図である。造形装置1は、制御部100を有する。制御部100は、CPUや回路などを有しており、図3に示すようにそれぞれの部と電気的に接続されている。
造形装置1には、吐出モジュール10のX軸方向位置を検知するX軸座標検知機構が設けられている。X軸座標検知機構の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてX軸駆動モータ32の駆動を制御して、吐出モジュール10を目標のX軸方向位置へ移動させる。
三次元造形装置1には、吐出モジュール10のY軸方向位置を検知するY軸座標検知機構が設けられている。Y軸座標検知機構の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてY軸駆動モータ33の駆動を制御して、吐出モジュール10を目標のY軸方向位置へ移動させる。
三次元造形装置1には、造形テーブル3のZ軸方向位置を検知するZ軸座標検知機構が設けられている。Z軸座標検知機構の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてZ軸駆動モータ36の駆動を制御して、造形テーブル3を目標のZ軸方向位置へ移動させる。
このように、制御部100は、吐出モジュール10及び造形テーブル3の移動を制御することにより、吐出モジュール10および造形テーブル3の相対的な三次元位置を、目標の三次元位置に移動させる。
さらに、制御部100は、エクストルーダ11、冷却ブロック12、吐出ノズル18、レーザ光源21、クリーニングブラシ37、回転ステージRS、撮像モジュール101、ねじり回転機構102、径測定部103、及び温度センサ104の各駆動部に制御信号を送信することで、これらの駆動を制御する。なお、回転ステージRS、側面冷却部39、撮像モジュール101、ねじり回転機構102、径測定部103、および温度センサ104については後述で説明する。
図4は、一実施形態における冷却手段を有する造形装置の一例を示す模式図である。加熱モジュール20には、立体造形物MOの側面、すなわちZ軸に対し平行な面を冷却する側面冷却部39が設けられている。側面冷却部39としては、立体造形物MOの側面を冷却可能な冷却源であれば特に限定されないが、ファンが例示される。
側面冷却部39により、立体造形物MOの側面に冷却風を当てつつ、立体造形物MOの外周部を再加熱することで、造形部の形状を維持しつつ、材料を積層することができる。
<<加熱方法>>
図5は、一実施形態における造形層の接点を加熱する動作の一例を示す模式図である。以下、一実施形態として、レーザを用いて加熱する方法について説明する。
吐出モジュール10による上層の造形中、レーザ光源21は、下層における、フィラメントFMが吐出される直前の位置にレーザを照射して再加熱する。再加熱とは、溶融したフィラメントFMが冷却されて固化した後、再度加熱することを表す。再加熱の温度は、特に限定されないが、下層のフィラメントFMが溶融する温度以上であることが好ましい。また、以下では、下層のフィラメントFMが溶融する温度以上での再加熱を、再溶融と称することがある。
加熱前の下層温度は、温度センサ104により、センシングされる。温度センサ104の位置は、加熱前の下層面をセンシング可能な任意の位置に配置される。本実施形態では、図4において、レーザ光源21の垂直上方に温度センサ104が配置されている。加熱前の下層温度を温度センサ104によりセンシングして、センシングの結果に基づいてレーザの出力を調整することで、下層を所定の温度以上に再加熱することができる。別の方法として、再加熱中の下層温度を温度センサ104によりセンシングして、センシングの結果が任意温度以上になるまで、レーザから下層へのエネルギーの入力を行ってもよい。その際は、温度センサ104の位置は、加熱面をセンシング可能な任意の位置に配置する。温度センサ104としては、公知の任意の装置が用いられ、接触式であってもよいし、非接触式であってもよい。
下層の表面を再加熱することにより、下層と、下層の表面に吐出されたフィラメントFMとの温度差が小さくなり、下層と吐出されたフィラメントが混ざり合うことで、積層方向の接着性が向上する。
図6は、一実施形態における加熱モジュールを造形テーブル側から見た場合の一例を示す平面図である。図5において、加熱モジュール20は、回転ステージRSに取り付けられている。回転ステージRSは、吐出ノズル18を中心に回転する。レーザ光源21は、回転ステージRSの回転に伴い回転移動する。これにより、レーザ光源21は、吐出ノズル18の移動方向が変わっても、吐出ノズル18による吐出位置に先回りしてレーザ光を照射することができる。
<実施形態の変形例A>
続いて、実施形態の変形例Aについて上記の実施形態と異なる点を説明する。図7は、一実施形態における造形層の接点を加熱する際の動作の一例を示す模式図である。
実施形態の変形例Aにおいて、加熱モジュール20は、温風源21´を有する。温風源21´としては、ヒータおよびファンが例示される。実施形態の変形例Aにおいて、温風源21´は、高温の温風を吹き付けることにより下層を加熱して、再溶融させる。実施形態の変形例Aにおいても、再溶融させた下層にフィラメントFMを溶融吐出して上層を形成することで、下層と上層の材料が混ざり合い、上層と下層の接着性が向上する。
<処理および動作>
続いて、一実施形態における三次元造形装置1の処理および動作について説明する。図8は、造形プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
三次元造形装置1の制御部100は、立体モデルのデータの入力を受け付ける。立体モデルのデータは、立体モデルを所定間隔でスライスしたときの層ごとの画像データによって構築される。
三次元造形装置1の制御部100は、X軸駆動モータ32またはY軸駆動モータ33を駆動して吐出モジュール10をX軸またはY軸方向に移動させる。吐出モジュール10が移動している間に、制御部100は、入力された立体モデルのデータのうち、最下層の画像データに基づいて、吐出ノズル18から造形テーブル3へ溶融状態または半溶融状態のフィラメントFMを吐出させる。これにより、三次元造形装置1は、造形テーブル3上に画像データに基づいた形状の層を形成する(ステップS11)。
吐出モジュール10が移動している間に、制御部100は、入力された立体モデルのデータのうち、造形が完了していない層のうち最も下の層の画像データに基づいて、造形層の接点にレーザ光源21からレーザを照射させる。これにより、下層におけるレーザ照射位置が再溶融する(ステップS12)。ステップS12における下層の加熱温度は、フィラメントの溶融温度以上に制御される。
吐出モジュール10が移動している間に、制御部100は、入力された立体モデルのデータのうち、造形が完了していない層のうち最も下の層の画像データに基づいて、吐出ノズル18から造形テーブル3上の下層へフィラメントFMを溶融吐出させる。これにより、下層の上に、画像データに対応する形状を有する層が形成される(ステップS13)。このとき、下層は再溶融しているので、造形する層と下層の層間の界面の接着性が向上する。
なお、ステップS12における下層を再溶融させる処理と、ステップS13における層の形成処理と、をオーバーラップさせてもよい。この場合、三次元造形装置1は、下層にレーザを照射する処理を開始してから、照射範囲全体へのレーザの照射が完了する前に、フィラメントFMの溶融吐出を開始する。
三次元造形装置1の制御部100は、ステップS13で形成された層が最表層であるか判断する(ステップS14)。最表層とは、立体モデルのデータのうち、積層方向(Z軸)の座標が最も大きい画像データに基づいて形成される層である。ステップS14でNOと判断された場合、三次元造形装置1の制御部100は、最表層が形成されるまで、再溶融の処理(ステップS12)と、層造形の処理(ステップS13)と、を繰り返す。
最表層の形成が完了すると(ステップS14のYES)、三次元造形装置1は、造形処理を終了する。
図9Aは、井桁構造を有する造形層の構造の一例を示す上面図である。図9Bは、井桁構造を有する造形層の構造の他の一例を示す上面図である。
図9Aに示すような造形層(第1の造形層)に第1の線状部分が複数含まれている。また、図9Bに示すような造形層(第2の造形層)に第2の線状部分が複数含まれている。図9Aでは第1の線状部分がy軸に対して平行になっており、図9Bでは第2の線状部分がx軸に対して平行である。したがって、第1の造形層と第2の造形層とを交互に積層することにより、井桁構造を少なくとも一部に有する立体造形物を造形することができる。
また、図9A及び図9Bに示すように、造形層の最も外側に位置する部分(外殻部)に対して、井桁構造となる内側の部分の両端側が、外殻部に内側から接するように造形することが好ましい。こうすることにより、外殻部と井桁構造となる内側の部分の両端側が一体となるため、造形層の強度を向上させることができる。造形層の強度が向上することにより、立体造形物の強度も向上する。
図10は、井桁構造を形成する際における、層造形手段及び加熱手段が走査する様子の一例を示す模式図である。
図10に示す井桁構造は線状部分として直線部分が含まれているため、吐出モジュール10を一定の速度で直線的に走査させることにより形成できる。図10における造形層Aの直線部分と造形層Bの直線部分との接点として点a及び点bである。その他の隣接する接点の間の距離は、点aと点bとの間の距離と等しいとする。この場合、吐出モジュール10が、造形層Aを形成する際において、点aの上を走査してから時間T後に点bを走査するとき、レーザ光源21が点aを加熱してから時間T後に点bを加熱するように、回転ステージRSの回転速度を制御する。こうすることにより、レーザ光源21の出力(照射する熱エネルギーの量)を可変に制御することなく(レーザ光源21の出力を一定としつつ)、簡易な制御で造形層Aと造形層Bの接点となる箇所を選択的に加熱することができる。
また、回転ステージRSが有するレーザ光源21が1つの場合は、時間Tの間に回転ステージRSを1回転させ、レーザ光源21が2つの場合(回転ステージRSの対面に1つずつ配される場合)は、時間Tの間に回転ステージRSを半回転させる。
なお、造形層Aと造形層Bの接点となる箇所に供給される単位時間当たりのエネルギー量が所望の値となるように、吐出モジュール10の移動速度に応じて、レーザ光源21の出力を設定しておくことが好ましい。
図11は、井桁構造を形成する際における、造形層の接点の間隔を変更する場合の造形層の形状の一例を示す模式図である。
図11において、造形層Aは隣り合う線状部分の間隔がDAであり、造形層Bは隣り合う線状部分の間隔がDBである。DA及びDBを一定とすると、井桁構造における接点の座標位置(X-Y)は、各造形層で同じ位置で繰り返される。このように、隣り合う線状部分の間隔を同一にすることで、加熱手段が熱エネルギーを供給する箇所(接点)を、異なる造形層においても同じ座標位置とすることができるため、加熱手段の制御を簡易なものとすることができる。
また、造形層αは隣り合う線状部分の間隔がDA/2であり、造形層βは隣り合う線状部分の間隔がDB/2である。このように、隣り合う線状部分の間隔を、造形物の他の箇所の間隔に対して規則性を持たせたものにすることにより、加熱手段の制御を簡易なものとすることができる。なお、図11においては、模式的に、造形層A及び造形層Bと、造形層α及び造形層βとをずらして示している。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
上記の造形装置1に例示される造形装置を用いて、井桁構造を有する立体造形物1の造形を行い、3つのサンプルを作製した。井桁構造は、図9A及び図9Bに示すような形状の造形層を交互に積層することにより形成した。井桁構造における隣り合う線状部分の間隔を2mmとし、当該線状部分の幅を0.5mm、高さを0.2mmとした。立体造形物1の形状は、縦10mm、横10mm、高さ60mmの直方体状の形状とした。
また、井桁構造となる造形層を積層する際には、既に造形された造形層における新たな造形層との接点となる箇所を加熱手段としてのレーザ照射器により加熱した。なお、レーザ照射器から3Wのエネルギーを有するレーザ光を照射することにより、造形層の接点となる箇所を加熱した。
(実施例2)
実施例1において、レーザ照射器から照射するレーザ光のエネルギーを4Wとした以外は、実施例1と同様にして立体造形物2を造形した。
(実施例3)
実施例1において、レーザ照射器から照射するレーザ光のエネルギーを5Wとした以外は、実施例1と同様にして立体造形物3を造形した。
(実施例4)
実施例1において、レーザ照射器から照射するレーザ光のエネルギーを6Wとした以外は、実施例1と同様にして立体造形物4を造形した。
(実施例5)
実施例1において、レーザ照射器から照射するレーザ光のエネルギーを7Wとした以外は、実施例1と同様にして立体造形物5を造形した。
(比較例1)
実施例1において、レーザ照射器からレーザ光を照射しなかった以外は、実施例1と同様にして立体造形物6を造形した。
(評価)
立体造形物1~6の高さ方向(積層方向)の両端をクランプで挟み、引張試験を行った。結果を図12に示す。
なお、引張強度を算出する際の断面積は、造形層どうしが交差している箇所における、0.5mm四方の大きさとなっている部分の個数を、単位面積化して換算した。
図12から、造形層の接点となる箇所を加熱することにより、造形層の積層方向における立体造形物の強度を向上させることができることがわかる。また、図12から、本実施例の条件においては、照射するレーザ光のエネルギーが大きい方が、造形層の積層方向における立体造形物の強度をより向上させることができることがわかる。
なお、図12におけるレーザ光のエネルギーごとの3つのプロットは、それぞれのサンプルにおける引張強度を意味する。そのため、3つのプロットの振れ幅は、それぞれの条件における引張強度の振れ幅を意味する。
上述したように、本発明の造形装置は、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形する層造形手段と、第1の線状部分と第2の線状部分とが交差する接点を加熱する加熱手段と、を有する。このため、本発明の造形装置は、造形層の積層方向における立体造形物の強度を向上させることができる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形する層造形手段と、
前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とが交差する接点を加熱する加熱手段と、
を有することを特徴とする造形装置である。
<2> 前記層造形手段が、前記第1の造形層と前記第2の造形層の造形を繰り返す前記<1>に記載の造形装置である。
<3> 前記層造形手段が、前記第1の造形層に接する前記第2の造形層を造形する際に、前記第1の造形層における前記接点となる箇所が前記加熱手段により加熱された後に、前記接点となる箇所に対して、前記造形層を形成する造形材料を吐出する前記<1>から<2>のいずれかに記載の造形装置である。
<4> 前記加熱手段が、前記層造形手段と同期して走査するように制御される前記<1>から<3>のいずれかに記載の造形装置である。
<5> 前記加熱手段が、前記接点となる箇所を選択的に加熱する前記<1>から<4>のいずれかに記載の造形装置である。
<6> 前記加熱手段が、前記接点となる箇所の鉛直方向に対して交差する方向から加熱可能である前記<1>から<5>のいずれかに記載の造形装置である。
<7> 前記加熱手段が、前記層造形手段における前記造形材料を吐出する吐出口を中心に回動乃至回転可能である前記<6>に記載の造形装置である。
<8> 前記加熱手段の回動乃至回転する速度が、前記層造形手段が走査する速さに応じて制御される前記<7>に記載の造形装置である。
<9> 前記層造形手段が、形成する前記造形層の形状に応じて、前記接点となる箇所の間隔を変更するように制御される前記<1>から<8>のいずれかに記載の造形装置である。
<10> 前記加熱手段による加熱が、前記接点となる箇所の間隔に応じて制御される前記<1>から<9>のいずれかに記載の造形装置である。
<11> 前記加熱手段がレーザ光を照射するレーザ照射部を備え、前記加熱手段による加熱が、前記レーザ照射部により行われる前記<1>から<10>のいずれかに記載の造形装置である。
<12> 前記加熱手段が熱風を供給する熱風供給部を備え、前記加熱手段による加熱が、前記熱風供給部により行われる前記<1>から<10>のいずれかに記載の造形装置である。
<13> 第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形する層造形工程と、
前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とが交差する接点を加熱する加熱工程と、
を含むことを特徴とする造形方法である。
<14> 前記層造形工程が、前記第1の造形層と前記第2の造形層の造形を繰り返す前記<13>に記載の造形方法である。
<15> 前記層造形工程が、前記第1の造形層に接する前記第2の造形層を造形する際に、前記第1の造形層における前記接点となる箇所が前記加熱工程により加熱された後に、前記接点となる箇所に対して、前記造形層を形成する造形材料を吐出する前記<13>から<14>のいずれかに記載の造形方法である。
<16> 層造形手段により、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形させ、
加熱手段により、前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とが交差する接点を加熱させる、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする造形プログラムである。
<17> 前記層造形手段により、前記第1の造形層と前記第2の造形層の造形を繰り返させる前記<16>に記載の造形プログラムである。
<18> 前記層造形手段により、前記第1の造形層に接する前記第2の造形層を造形する際に、前記第1の造形層における前記接点となる箇所が前記加熱手段により加熱された後に、前記接点となる箇所に対して、前記造形層を形成する造形材料を吐出する前記<16>から<17>のいずれかに記載の造形プログラムである。
前記<1>から<12>のいずれかに記載の造形装置、前記<13>から<15>のいずれかに記載の造形方法、及びに前記<16>から<18>のいずれかに記載の造形プログラムによると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
特開2015-74164号公報
1 造形装置
3 造形テーブル
10 吐出モジュール
18 吐出ノズル
20、20´ 加熱モジュール
21 レーザ光源
28 加熱プレート
100 制御部
104 温度センサ
RS 回転ステージ

Claims (18)

  1. 第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形する層造形手段と、
    前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とが交差して接する箇所を加熱する加熱手段と、を有する造形装置であって、
    前記加熱手段は、前記層造形手段における吐出口を中心に回動乃至回転可能であることを特徴とする造形装置。
  2. 前記層造形手段が、前記第1の造形層と前記第2の造形層の造形を繰り返す請求項1に記載の造形装置。
  3. 前記加熱手段が、前記交差して接する箇所を選択的に加熱する、請求項1から2のいずれかに記載の造形装置。
  4. 第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを、繰り返し造形する層造形手段と、
    前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とが交差して接する箇所を、各層毎に、選択的かつ局所的に加熱する加熱手段と、を有することを特徴とする造形装置。
  5. 前記加熱手段が、前記層造形手段における吐出口を中心に回動乃至回転可能である、請求項4に記載の造形装置。
  6. 前記加熱手段の回動乃至回転する速度が、前記層造形手段が走査する速さに応じて制御される、請求項5に記載の造形装置。
  7. 前記層造形手段は、前記第1の造形層と前記第2の造形層とが前記交差して接する箇所のみで互いに接触し、前記第1の造形層及び前記第2の造形層が他の造形層と接触しない中空部が存在するように造形する、請求項1から6のいずれかに記載の造形装置。
  8. 前記層造形手段が、前記第1の造形層に接する前記第2の造形層を造形する際に、前記第1の造形層における前記交差して接する箇所が前記加熱手段により加熱された後に、前記交差して接する箇所に対して、前記第2の造形層を形成する造形材料を吐出する、請求項1から7のいずれかに記載の造形装置。
  9. 前記加熱手段が、前記層造形手段と同期して走査するように制御される、請求項1から8のいずれかに記載の造形装置。
  10. 前記加熱手段が、前記交差して接する箇所の鉛直方向に対して交差する方向から加熱可能である、請求項1から9のいずれかに記載の造形装置。
  11. 前記層造形手段が、形成する造形層の形状に応じて、前記交差して接する箇所の間隔を変更するように制御される、請求項1から10のいずれかに記載の造形装置。
  12. 前記加熱手段による加熱が、前記交差して接する箇所の間隔に応じて制御される、請求項1から11のいずれかに記載の造形装置。
  13. 前記加熱手段がレーザ光を照射するレーザ照射部を備え、前記加熱手段による加熱が、前記レーザ照射部により行われる、請求項1から12のいずれかに記載の造形装置。
  14. 前記加熱手段が熱風を供給する熱風供給部を備え、前記加熱手段による加熱が、前記熱風供給部により行われる、請求項1から13のいずれかに記載の造形装置。
  15. 第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形する層造形工程と、
    前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とが交差して接する箇所を加熱する加熱工程と、含む造形方法であって、
    前記層造形工程が、前記第2の造形層を形成する造形材料を吐出する工程を含み、
    前記加熱工程が、前記造形材料の吐出位置を中心に回動乃至回転可能である加熱手段を用いて行われることを特徴とする造形方法。
  16. 第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを、繰り返し造形する層造形工程と、
    前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とが交差して接する箇所を、各層毎に、選択的かつ局所的に加熱する加熱工程と、を有することを特徴とする造形方法。
  17. 層造形手段により、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを造形させる処理と、
    加熱手段により、前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とが交差して接する箇所を加熱させる処理と、をコンピュータに実行させ、
    前記加熱させる処理において、前記加熱手段を、前記層造形手段における造形材料の吐出口を中心に回動乃至回転させることを特徴とする造形プログラム。
  18. 層造形手段により、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層と、を繰り返し造形させ、
    加熱手段により、前記第1の線状部分と前記第2の線状部分とが交差して接する箇所を、各層毎に、選択的かつ局所的に加熱させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする造形プログラム。
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