JP7263863B2 - 立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法 - Google Patents

立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法に関する。
粉体積層による三次元造形方式(粉体積層造形方式)において、粉体層の面上の造形領域に放射エネルギー吸収剤を含む造形用溶液を吐出し、放射エネルギーを付与して樹脂粒子を含む粉体どうしを融着させ、立体造形物を造形する方式が知られている。
このような造形方式は、High Speed Sintering(HSS)方式の一種であり、このHSS方式における放射エネルギーを付与する装置について様々な提案がされている。例えば、ガウス分布に近い放射エネルギーを付与できるようにすることを主な目的として、複数のランプと、複数のランプを覆う複数のリフレクターを備える装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、エネルギー効率を高めることができるとともに、高融点の材料を用いた立体造形物を精度良く造形できる立体造形物の製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形物の製造装置は、
粉体層を形成する粉体層形成手段と、
前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、
前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に、エネルギー密度が0.1W/mm以上の放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、
を有することを特徴とする。
本発明によると、エネルギー効率を高めることができるとともに、高融点の材料を用いた立体造形物を精度良く造形できる立体造形物の製造装置を提供することができる。
図1は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための平面図である。 図2は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための側面図である。 図3は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の放射エネルギー源の概略図を示す。 図4は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための断面図である。 図5は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の制御部のブロック図である。 図6Aは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図6Bは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図6Cは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図6Dは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図6Eは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図6Fは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。 図7Aは、実施例1における昇温スピードを示すグラフである。 図7Bは、実施例2における昇温スピードを示すグラフである。 図7Cは、比較例1における昇温スピードを示すグラフである。 図8Aは、実施例1及び2、並びに比較例1における昇温に必要なエネルギーとエネルギー密度との関係を示すグラフである。 図8Bは、実施例及び比較例に基づく昇温時間とエネルギー密度との関係を示すグラフである。 図9Aは、実施例1における立体造形物の拡大写真である。 図9Bは、比較例1における立体造形物の拡大写真である。 図10は、比較例における放射エネルギー源の概略図を示す。 図11Aは、実施例において、放射エネルギーを粉体層に入射した際の放熱状態を示す説明図である。 図11Bは、比較例において、放射エネルギーを粉体層に入射した際の放熱状態を示す説明図である。 図12Aは、実施例において、放射エネルギーを粉体層に入射した際の放射照度を示す説明図である。 図12Bは、比較例において、放射エネルギーを粉体層に入射した際の放射照度を示す説明図である。 図13は、第2の実施形態における放射エネルギー源を示す概略図である。 図14は、第3の実施形態における放射エネルギー源を示す概略図である。 図15は、第4の実施形態における放射エネルギー源を示す概略図である。 図16は、第5の実施形態における放射エネルギー源を示す概略図である。
(立体造形物の製造装置、及び、立体造形物の製造方法)
本発明の立体造形物の製造装置は、粉体層を形成する粉体層形成手段と、粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に、エネルギー密度が0.1W/mm以上の放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、を有する。
本発明の立体造形物の製造方法は、粉体層を形成する粉体層形成工程と、粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与工程と、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に、エネルギー密度が0.1W/mm以上の放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与工程と、を含む。
本発明の立体造形物の製造方法は本発明の立体造形物の製造装置により好適に行うことができ、粉体層形成工程は粉体層形成手段により好適に行うことができ、放射エネルギー吸収剤付与工程は放射エネルギー吸収剤付与手段により好適に行うことができ、放射エネルギー付与工程は放射エネルギー付与手段により好適に行うことができる。
つまり、本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の立体造形物の製造装置を用い実施することと同義である。また、本発明の立体造形物の製造装置は、本発明の立体造形物の製造方法を実施することと同義である。
したがって、本発明の立体造形物の製造装置の説明を通じて本発明の立体造形物の製造方法の詳細についても明らかにする。
本発明の立体造形物の製造装置は、従来の立体造形物の製造装置では、例えば、スーパーエンジニアリングプラスチックや非晶質樹脂などの高融点の材料を使用する場合には造形が困難なときがあるという知見に基づくものである。
従来の立体造形物の製造装置は、エネルギー密度をガウス分布にさせることはできるが、エネルギー密度を顕著に高めるためのものではない。このため、例えば、従来の立体造形物の製造装置のように、低いエネルギー密度の放射エネルギーで時間をかけて高融点の材料からなる粉体を昇温させ、放射エネルギーが付与された粉体が、立体造形物を造形しない領域である非造形領域の粉体に隣接する場合を考える。この場合、時間をかけて付与された放射エネルギーは隣接する粉体に放熱しやすくなるため、非造形領域の不要な粉体どうしが融着してしまい、立体造形物の造形精度が低下するという問題がある。また、隣接する粉体や空気中にも放熱しやすくなるため、造形領域における粉体どうしの融着が不十分になりやすく、立体造形物の強度が低下する場合もある。
また、放射エネルギーを付与することで高融点の材料からなる粉体どうしが容易に融着しやすいように、粉体を予熱する場合がある。このような場合においても、立体造形物を製造することが困難なときがある。例えば、高融点の粉体を150℃で予熱しておき、放射エネルギー吸収剤付与手段としてインクジェットヘッドを用いて放射エネルギー吸収剤を含む造形用溶液を吐出し、放射エネルギー付与手段としてハロゲンランプで放射エネルギーを付与する場合を考える。この場合、インクジェットヘッドが予熱された粉体の1mm程度の上を移動すると、インクジェットヘッド内部に収容する造形用溶液が乾燥してしまい、造形用溶液を吐出できなくなるという問題がある。
そこで、本発明の立体造形物の製造装置では、粉体層を形成する粉体層形成手段と、粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に、エネルギー密度が0.1W/mm以上の放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、を有するようにした。
これにより、本発明の立体造形物の製造装置は、短時間で高密度の放射エネルギーを付与することにより、付与した粉体から放熱させる時間を与えないため、エネルギー効率を高めることができるとともに、高融点の材料を用いた立体造形物を精度良く造形できる。
本発明の立体造形物の製造装置は、粉体層形成手段と、放射エネルギー吸収剤付与手段と、放射エネルギー付与手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
<粉体層形成手段>
粉体層形成手段は、粉体層を形成する。
粉体層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉体を供給する機構と、供給された粉体を均しながら粉体層を形成する機構の組合せなどが挙げられる。
<<粉体層>>
粉体層とは、粉体による層を意味する。
粉体層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
-粉体-
粉体としては、粉末乃至粒子の形態を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
粉体層に用いる材料、即ち粉体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂粒子を含有し、更に必要に応じてその他の材料を含有するものが挙げられる。
樹脂粒子とは、樹脂成分を含む粒子を意味する。なお、以下では、樹脂粒子を「樹脂粉末」又は「樹脂粉体」と称することがある。樹脂粒子は、樹脂成分の他に、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
樹脂成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂とは、熱を加えると可塑化し、溶融する樹脂を意味する。
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性樹脂、非結晶性樹脂、液晶樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、結晶性樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、融解開始温度と、冷却時の再結晶温度の差が大きな樹脂が好ましい。
なお、結晶性樹脂とは、ISO3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)に準拠した測定において、融点ピークが検出される樹脂である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール(POM:Polyoxymethylene)、ポリイミド、フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド410(PA410)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、及びポリアミド12(PA12);並びにポリアミド4T(PA4T)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、及びポリアミド10T(PA10T)などの半芳香族性のポリアミドが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブタジエンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する点で、テレフタル酸やイソフタル酸を一部に含む芳香族を有するものが好ましい。
ポリエーテルとしては、例えば、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルフォンなどが挙げられる。
ポリアリールケトンとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK、融点:340℃)、ポリエーテルケトン(PEK、融点:370℃)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK、融点:400℃)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK、融点:340℃)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK、融点:320℃)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK、融点:380℃)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、PA9Tのように2つの融点ピークを有するものでもよい。2つの融点ピークを有する熱可塑性樹脂は、高温側の融点ピーク以上の温度になると完全に溶融する。
また、ポリエーテルサルフォン(融点:220℃)、ポリエーテルイミド(融点:220℃)、ポリアミドイミド(融点:300℃)、ポリエーテルエーテルケトン(融点:340℃)、及びポリテトラフルオロエチレン(融点:330℃)などは、「スーパーエンジニアリングプラスチック」と称されている。
非結晶性樹脂としては、例えば、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネイト(PC)、ポリスチレン(PS)などが挙げられる。これらの樹脂は、結晶性樹脂と異なり一定の融点を持たず、溶融する温度が幅を持つ。例えば、PCであれば、その工法にも依存するが、約100℃から約400℃までの範囲で融解する。
熱可塑性樹脂としては、スーパーエンジニアリングプラスチックから選択される少なくとも1種であると本発明が、より効果を発揮する。熱可塑性樹脂がスーパーエンジニアリングプラスチックであると、造形する立体造形物の引張強度、耐熱性、耐薬品性、及び難燃性を向上することができ、立体造形物を工業用途にも使用可能になる点で有利である。
具体的には、粉体層に用いる材料としては、ABS、PC、PMMA、PS、PEEK、PTFE、PAI、PEI、PES、PSU、PEK、PAEK、PEKK、PEEKK、PEKEKKから選択されることが好ましい。
粉体層に用いる材料の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200℃以上であると本発明が、より効果を発揮する。粉体層に用いる材料の融点が200℃以上であると、造形する立体造形物の引張強度、耐熱性、耐薬品性、及び難燃性を向上できる点で有利であるが、従来技術では造形の実現が困難であった。
粉体層形成手段が粉体層を形成する際には、粉体の温度が予め所望の温度になるように、粉体を予熱しておくことが好ましい。これにより、放射エネルギー付与手段により粉体の融点まで昇温させるための放射エネルギーを低減することができるとともに、放射エネルギーの照射時間を短縮することができる。
予熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粉体に含まれる樹脂粒子の再結晶化温度と溶融温度の間の温度であることが好ましい。予熱温度が樹脂粒子の再結晶化温度と溶融温度の間の温度であることにより、粉体層を形成する際の粉体の流動性を保ちつつ、造形した立体造形物における反りなどの発生を抑制することができる。
粉体を予熱する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のヒーター、セラミックヒーター、ハロゲンランプなどを用いることが可能である。
<放射エネルギー吸収剤付与手段>
放射エネルギー吸収剤付与手段は、粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する。
放射エネルギーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光や電波等の電磁波などが挙げられる。
放射エネルギー吸収剤付与手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、放射エネルギー吸収剤を含む造形用液体を吐出させるインクジェットヘッド、噴射ノズルなどが挙げられる。
-造形用液体-
造形用液体としては、放射エネルギー吸収剤を含有し、常温において液状であることから液体成分を含有する。また、造形用液体としては、更に必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
--放射エネルギー吸収剤--
放射エネルギー吸収剤としては、放射エネルギーを吸収する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
放射エネルギー吸収剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
液体成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水や水溶性溶剤が好適に用いられ、特に水が主成分として用いられる。
造形用液体全体に占める水の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以上85質量%以下が好ましく、50質量%以上80質量%以下がより好ましい。造形用液体全体に占める水の割合が好ましい範囲であると、放射エネルギー吸収剤付与手段がインクジェットヘッドであれば、待機時にノズルが乾燥することを抑制し、液詰まりやノズル抜けの発生を低減することができる。
水溶性溶剤は、特にインクジェットノズルを用いて造形用液体を吐出させる際、水分保持力や吐出安定性を高める上で有効である。水分保持力や吐出安定性が低下すると、ノズルが乾燥して吐出が不安定になったり、液詰まりが発生したりするため、立体造形物の強度や寸法精度が低下する場合がある。この点、水溶性溶剤は、水よりも粘度や沸点が高いものが多く、これらは特に造形用液体の湿潤剤や乾燥防止剤、粘度調整剤としても機能させることができ、有効である。
水溶性溶剤としては、水溶性を示す液体材料であれば、特に制限されるものではなく、適宜変更することができ、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどが挙げられる。具体的には、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2-ブタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2-ペンタンジオール、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,3-ブタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-ピロリドン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ヘキサンジオール、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルピロリジノン、β-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、β-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクタム、エチレングリコール、エチレングリコール-n-ブチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール-n-ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコール-n-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、プロピルプロピレンジグリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコール-n-ブチルエーテル、プロピレングリコール-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
造形用液体全体に対する水溶性溶剤の割合としては、特に制限されるものではなく、適宜変更することができるが、5質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましく、15質量%以上40質量%以下が更に好ましい。造形用液体全体に対する水溶性溶剤の割合が5質量%以上であると、造形用液体の水分保持力を良好にすることができ、待機時にインクジェットヘッド内部の造形用液体が乾燥して吐出不良となることを抑制することができる。また、事前に行うチェック時と実際の吐出時の吐出量が異なることを防ぎ、所望の強度や形状を有する立体造形物が得られやすくなる。造形用液体全体に対する水溶性溶剤の割合が60質量%以下であると、造形用液体の粘度が高くなり過ぎず、吐出安定性を向上させることができる。また、粉体の樹脂粒子の溶解性が低下することを抑制できるため、立体造形物の強度が低下しにくくすることができる。また、立体造形物の乾燥時間が長くなりすぎず、製造効率の低下や立体造形物の変形を抑制することができる。
造形用液体のその他の成分としては、例えば、湿潤剤、乾燥防止剤、粘度調整剤、界面活性剤、浸透剤、架橋剤、消泡剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、着色剤、保存剤、安定化剤など、従来公知の材料を制限なく添加することができる。
[造形用液体の調製方法]
造形用液体の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水や水溶性溶剤などの液体成分に、放射エネルギー吸収剤、及び必要に応じてその他の成分を添加し、混合撹拌する方法が挙げられる。
[粉体と造形用液体の作用の一例]
粉体と造形用液体の作用としては、例えば、上記のような粉体及び造形用液体を用いることにより、粉体を用いて粉体層を形成し、放射エネルギー吸収剤を含有する造形用液体を粉体層に付与した後、放射エネルギーを粉体層に付与すると、粉体どうしが融着して造形層が形成される。
<放射エネルギー付与手段>
放射エネルギー付与手段は、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に、エネルギー密度が0.1W/mm以上の放射エネルギーを付与する。エネルギー密度が0.1W/mm未満であると、放射エネルギーを付与した粉体から放熱する時間を与えてしまうため、エネルギー効率を高めることが困難になる。また、時間をかけて付与された放射エネルギーは隣接する粉体に放熱しやすくなるため、非造形領域の不要な粉体どうしが融着してしまい、立体造形物の造形精度が低下する場合がある。
また、放射エネルギーとしては、0.1W/mm以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.3W/mm以上であることが好ましい。放射エネルギーが0.3W/mm以上であると、昇温時間を十分に短縮できる点で有利である。
放射エネルギー付与手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光照射手段などが挙げられる。
光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光源と、光源から出射される光を反射するリフレクターとを備えることが好ましい。
光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲンランプ、LED、LD、フラッシュランプ、キセノンランプなどが挙げられる。これらの中でも、ハロゲンランプが、コストと耐熱性の点で好ましい。
球状灯、棒状灯などが挙げられる。
球状灯としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電球の形状を有するものが挙げられる。
棒状灯としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯の形状を有するものが挙げられる。
リフレクターとしては、光源から出射される光を反射できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
リフレクターの形状としては、例えば、一端が開口した略ドーム形状、一端が開口し、開口の形状が略直方体などが挙げられる。1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、光源から出射される光を一方向に反射可能であるものが、放射エネルギー密度を高めることができる点で好ましい。
リフレクターの構造、大きさ及び材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
光源とリフレクターとの組合せとしては、光源が球状灯であり、リフレクターが、一端が開口した略ドーム形状であって、開口の領域内に球状灯が配されている組合せが好ましい。これにより、球状灯から粉体層に光が照射される面積が、略ドーム形状のリフレクターにおける開口の面積よりも小さくなるように、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に付与され、エネルギー密度を高めることができる。
光源とリフレクターとの他の組合せとしては、光源が棒状灯であり、リフレクターが、一端が開口し、開口の形状が略直方体であり、開口と対向する位置に、略直方体の長さ方向と平行な峰部を有し、長さ方向と直交方向の断面形状が略ドーム形状であって、開口の領域内に棒状灯が配されている組合せが好ましい。これにより、棒状灯から粉体層に光が照射される面積が、長さ方向と直交方向の断面形状が略ドーム形状であるリフレクターにおける開口の面積よりも小さくなるように、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に付与され、エネルギー密度を高めることができる。
<その他の手段>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、本発明における立体造形物の製造装置の複数の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態における立体造形物の製造装置を図1~図5を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための平面図である。図2は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための側面図である。図3は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の放射エネルギー源の概略図を示す。図4は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置を説明するための断面図である。図5は、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の制御部のブロック図である。図6A~図6Fは、第1の実施形態における立体造形物の製造装置の動作を説明するための概略図である。
本実施形態の立体造形物の製造装置は粉体積層造形装置であり、粉体20が結合された層状造形物である造形層30が形成される造形部1と、造形部1の層状に敷き詰められた粉体層31に対して造形用液体の液滴10を吐出して、液滴10を粉体層31に塗布することにより、立体造形物を造形する造形ユニット5とを備えている。
造形部1は、粉体槽11と、平坦化部材(リコータ)である回転体としての平坦化ローラ12などを備えている。なお、平坦化部材は回転体に代えて、例えば、板状部材(ブレード)とすることもできる。
粉体槽11は、粉体20を供給する供給槽21と、造形層30が積層されて立体造形物が造形される造形槽22とを有する。造形前に供給槽21に粉体を供給する。
供給槽21の底部は、供給ステージ23として鉛直方向(高さ方向)に昇降可能となっている。同様に、造形槽22の底部は、造形ステージ24として鉛直方向(高さ方向)に昇降可能となっている。造形ステージ24上に造形層30が積層された立体造形物が造形される。
供給ステージ23と造形ステージ24は、モータによって矢印Z方向(高さ方向)に昇降される。
平坦化ローラ12は、供給槽21の供給ステージ23上に供給された粉体20を造形槽22に供給し、平坦化手段である平坦化ローラ12によって供給した粉体20の層の表面を均して平坦化して、粉体層31を形成する。この平坦化ローラ12は、造形ステージ24のステージ面(粉体20が積載される面)に沿って矢印Y方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置され、往復移動機構によって移動される。また、平坦化ローラ12は、モータ26(図5参照)によって回転駆動される。
造形ユニット5は、造形ステージ24上の粉体層31に液滴10を吐出する液体吐出ユニット50を備えている。液体吐出ユニット50は、キャリッジ51と、キャリッジ51に搭載された吐出手段である2つ(1又は3つ以上でもよい。)の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)52a、52bを備えている。
キャリッジ51は、ガイド部材54及び55に移動可能に保持されている。ガイド部材54及び55は、両側の側板70に昇降可能に保持されている。このキャリッジ51は、X方向走査機構550のX方向走査モータによってプーリ及びベルトを介して主走査方向である矢印X方向(以下、単に「X方向」という。他のY、Zについても同様とする。)に往復移動される。
2つのヘッド52a、52b(以下、区別しないときは「ヘッド52」という。)は、液体を吐出する複数のノズルを配列したノズル列がそれぞれ複数列配置されている。ヘッド52ノズル列は、放射エネルギー吸収剤を含んだ造形用溶液(インク)を吐出する。ヘッド52aやヘッド52bのノズル列は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど色がついた造形用液体をそれぞれ吐出することもできる。なお、ヘッド構成はこれに限るものではない。
これらの造形用液体の各々を収容した複数のタンク60がタンク装着部56に装着され、供給チューブなどを介してヘッド52a、52bに供給される。
また、X方向の一方側には、液体吐出ユニット50のヘッド52の維持回復を行うメンテナンス機構61が配置されている。
ヘッドの左右には放射エネルギー源80が備わる。なお、どちらか片方のみの設置でも可能である。ヘッド52から放射エネルギー吸収剤を含む造形用溶液が吐出された領域上を放射エネルギー源80が駆動する。放射エネルギー源80はキャリッジ51内に備えることで、ヘッド52と駆動を共有することも可能だが、個別に駆動源を用意することで単体でのX方向間の駆動を可能とすることができる。
図3に示すように、放射エネルギー源80は、光源81と、リフレクター82とを有する。
光源81は、本実施形態では球状灯の光源であり、光源が高密度ハロゲンランプである。
リフレクター82は、本実施形態では一端が開口した略ドーム形状であって、開口の領域内に球状灯が配されている。リフレクター82は、開口幅A1が120mm、照射幅B1が18mmであり、リフレクター82の曲面により、光源81から粉体層に光が照射される面積が、略ドーム形状のリフレクター82における開口の面積よりも小さくなるように集光している。
メンテナンス機構61は、主にキャップ62とワイパ63とを備える。キャップ62をヘッド52のノズル面(ノズルが形成された面)に密着させ、ノズルから造形用液体を吸引する。ノズルに詰まった粉体の排出や高粘度化した造形用液体を排出するためである。その後、ノズルのメニスカス形成(ノズル内は負圧状態である)のため、ノズル面をワイパ63でワイピング(払拭)する。また、メンテナンス機構61は、造形用液体の吐出が行われない場合に、ヘッド52のノズル面をキャップ62で覆い、粉体20がノズルに混入することや液滴10が乾燥することを防止する。
造形ユニット5は、ベース部材7上に配置されたガイド部材71に移動可能に保持されたスライダ部72を有し、造形ユニット5全体がX方向と直交するY方向(副走査方向)に往復移動可能である。この造形ユニット5は、Y方向走査機構552のY方向走査モータによって全体がY方向に往復移動される。
また、液体吐出ユニット50は、ガイド部材54、55とともに矢印Z方向に昇降可能に配置され、Z方向昇降機構551(図5参照)のZ方向走査モータによってZ方向に昇降される。
次に、造形部1の詳細について説明する。
造形部1は粉体槽11を有しており、粉体槽11は箱型形状をなし、供給槽21と造形槽22と、余剰粉体受け槽25の3つの上面が開放された槽とを備えている。供給槽21内部には供給ステージ23が、造形槽22内部には造形ステージ24がそれぞれ昇降可能に配置される。
供給ステージ23の側面は供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面は造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
平坦化ローラ12は、供給槽21から粉体20を造形槽22へと移送供給して、表面を均すことで平坦化して所定の厚みの層状の粉体である粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の内寸(即ち、粉体が供される部分又は仕込まれている部分の幅)よりも長い棒状部材であり、往復移動機構によってステージ面に沿ってY方向(副走査方向)に往復移動される。
また、平坦化ローラ12は、モータ26によって回転されながら、供給槽21の外側から供給槽21及び造形槽22の上方を通過するようにして水平移動する。これにより、粉体20が造形槽22上へと移送供給され、平坦化ローラ12が造形槽22上を通過しながら粉体20を平坦化することで粉体層31が形成される。
また、図4にも示すように、平坦化ローラ12の周面に接触して、平坦化ローラ12に付着した粉体20を除去するための粉体除去部材である粉体除去板13が配置されている。粉体除去板13は、平坦化ローラ12の周面に接触した状態で、平坦化ローラ12とともに移動する。また、粉体除去板13は、平坦化ローラ12が平坦化を行うときの回転方向に回転するときのカウンタ方向でも、順方向でも配置可能である。
なお、本実施形態では、造形部1の粉体槽11が供給槽21と造形槽22の二つの槽を有しているが、造形槽22のみとして、造形槽22に粉体供給装置から粉体を供給して、平坦化手段で平坦化することもできる。
<制御部の概要及び造形の流れ>
次に、本実施形態の立体造形物の製造装置における制御部の概要について図5を参照して説明する。図5は、同制御部のブロック図である。
制御部500は、この装置全体の制御を行うCPU501と、CPU501に本実施形態の製造方法に係わる制御を含む立体造形動作の制御を実行させるためのプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。
なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物(立体造形物)の3Dデータなどから造形層ごとにスライスしたスライスデータ等の造形データを作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のヘッド52を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をX方向(主走査方向)に移動させるX方向走査機構550のモータを駆動するモータ駆動部510と、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552のモータを駆動するモータ駆動部512を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をZ方向に移動(昇降)させるZ方向昇降機構551のモータを駆動するモータ駆動部511を備えている。
なお、矢印Z方向への昇降は造形ユニット5全体を昇降させるようにすることもできる。
制御部500は、供給ステージ23を昇降させるモータ27を駆動するモータ駆動部513と、造形ステージ24を昇降させるモータ28を駆動するモータ駆動部514を備えている。
制御部500は、平坦化ローラ12を移動させる往復移動機構25のモータ553を駆動するモータ駆動部515と、平坦化ローラ12を回転駆動するモータ26を駆動するモータ駆動部516を備えている。
制御部500は、供給槽21に粉体20を供給する粉体供給装置を駆動する供給系駆動部と、液体吐出ユニット50のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備えている。
制御部500のI/O507には、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
制御部500は、造形データ作成装置600から造形データを受領する。造形データは、目的とする立体造形物の形状をスライスしたスライスデータとしての各造形層30の形状データ(造形データ)を含む。
そして、主制御部500Aは、造形層30の造形データに基づいてヘッド52からの造形用液体の吐出を行わせる制御をする。
なお、造形データ作成装置600と立体造形装置(粉体積層造形装置)601によって造形装置が構成される。
次に、本実施形態の立体造形物の製造装置における造形の流れについて図6A~図6Fを参照して説明する。
図6A~図6Fは、造形の流れの説明に供する模式的説明図である。ここでは、造形槽22の造形ステージ24上に、1層目の造形層30が形成されている状態から説明する。
1層目の造形層30上に次の造形層30を形成するときには、図6Aに示すように、供給槽21の供給ステージ23をZ1方向に上昇させ、造形槽22の造形ステージ24をZ方向に下降させる。
このとき、造形槽22の上面(粉体層表面)と平坦化ローラ12の下部(下方接線部)との間隔がΔtとなるように造形ステージ24の下降距離を設定する。この間隔Δtが次に形成する粉体層31の厚さに相当する。間隔Δtは、数十μm~100μm程度であることが好ましい。
次いで、図6Bに示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粉体20を、平坦化ローラ12を順方向(矢印方向)に回転しながらY2方向(造形槽22側)に移動することで、粉体20を造形槽22へと移送供給する(粉体供給)。
さらに、図6Cに示すように、平坦化ローラ12を造形槽22の造形ステージ24のステージ面と平行に移動させ、図6Dに示すように、造形ステージ24の造形層30上で所定の厚さΔtになる粉体層31を形成する(平坦化)。粉体層31を形成後、平坦化ローラ12は、図6Dに示すように、Y1方向に移動されて初期位置に戻される。
ここで、平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の上面レベルとの距離を一定に保って移動できるようになっている。一定に保って移動できることで、平坦化ローラ12で粉体20を造形槽22の上へと搬送させつつ、造形槽22上又は既に形成された造形層30の上に均一厚さh(積層ピッチΔtに相当)の粉体層31を形成できる。
なお、以下、粉体層31の厚みhと積層ピッチΔt1とを区別せずに説明することがあるが、特に断りのない限り、同じ厚みを意味する。また、粉体層31の厚みhを実際に測定して求めてもよく、この場合、複数箇所の平均値とすることが好ましい。
その後、図6Eに示すように、液体吐出ユニット50のヘッド52から造形用液体の液滴を吐出する。
図6Fに示すように、放射エネルギー源80を造形槽上で駆動させることで、粉体内の放射エネルギー吸収剤によって熱が上がり、粉体が溶解・結合し、1層分の造形物(造形層30)を得る。
次いで、上述した粉体供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形用液体吐出工程、放射エネルギー照射の工程を繰り返して新たな造形層30を形成する。このとき、新たな造形層30とその下層の造形層30とは一体化して立体造形物の一部を構成する。
以後、粉体の供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形用液体吐出工程、放射エネルギー照射の工程を必要な回数繰り返すことによって、立体造形物を完成させる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<立体造形物の製造装置A>
立体造形物の製造装置Aは、図1~図6Fに示した立体造形物の製造装置であり、放射エネルギー源80の光源81として球状灯の高密度ハロゲンランプ(光加熱スポットヒーターHSH-120、色温度2,400K、フィンテック社製)を用いた。また、リフレクター82としては、図3に示した開口幅A1が120mm、照射幅B1が18mmのリフレクターを用いた。これにより、後述するスラリーに照射する光のエネルギー密度を0.2W/mmとした。以上により、立体造形物の製造装置Aを得た。
なお、エネルギー密度は、光源の消費総電力を光照射面積で除算して求めた。
<昇温スピード評価>
得られた立体造形物の製造装置Aを用いて、熱可塑性樹脂としてPEEK(融点:340℃)を用いた粉体に、放射エネルギー吸収剤としてのカーボンブラックを含有する造形用溶液(黒インク、株式会社リコー製)を質量比1:1で混合した平均厚み500μmのスラリーに対し、放射エネルギー源80から放射エネルギーとしての光を照射して、スラリーが340℃まで昇温するまでの昇温スピードを評価した。結果を図7Aに示す。
なお、スラリーの温度は、サーモカメラ(Optris社製)により測定した。また、放射エネルギー源80からの光の照射時には、狙い温度を170℃としてスラリーをホットプレートで予熱した。
(実施例2)
実施例1において、ランプの発光強度を変えて、スラリーに照射するエネルギー密度を0.2W/mmから0.3W/mmに変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の立体造形物の製造装置Bを製造し、実施例1と同様に評価した。結果を図7Bに示す。
(比較例1)
実施例1において、放射エネルギー源80の光源を高密度ハロゲンランプから低密度のハロゲンランプ(ラインタイプハロゲン光源、3W/mm、ウシオ電機株式会社製)に代えることで、エネルギー密度を0.2W/mmから0.05W/mmに変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の立体造形物の製造装置Cを製造し、実施例1と同様に評価した。結果を図7Cに示す。
なお、比較例1の光源は、例えば、米国特許出願公開第2018/0126631号明細書に記載されている赤外光源とほぼ同じエネルギー密度であり、一般的なハロゲンランプである。また、米国特許出願公開第2018/0126631号明細書には、ランプによって消費された総電力を粉体層の面積で除算したものをエネルギー密度としており、5W/cm、即ち0.05W/mmの光源が用いられていることが記載されている。
図7A~図7Cの結果から、比較例1では、エネルギー密度を0.05W/mmとすると、PEEKの融点である340℃までスラリーを昇温するのに光をエネルギー照射してから10秒間程度を必要としている。これに対し、実施例1では、エネルギー密度を0.2W/mmとすると、スラリーを340℃まで昇温するのに光エネルギーを照射してから0.15秒間程度しか必要としていない。この点、比較例のエネルギー密度に対する実施例のエネルギー密度の比が、7.5倍(=0.3/0.04)であるのに対し、昇温時間の比では約1/70(=0.15/10)まで短縮される。これは、エネルギー密度の比以上に、昇温時間が短縮されることを示している。
また、図7A~図7Cの結果を用いて、PEEKの融点である340℃までスラリーが加熱されるまでの推移時間と、放射エネルギー密度との積を算出し、340℃までスラリーが加熱されるまでの必要なエネルギーを算出した。結果を図8A及び図8Bに示す。
図8A及び図8Bに示すように、スラリーに照射するエネルギー密度が高ければ、昇温に必要なエネルギーを低減させることができることが分かる。特に図8Bに示すように、エネルギー密度が0.1W/mm以上の領域では、昇温エネルギー効率改善の効果が大きいことがわかる。また、エネルギー密度が0.3W/mm以上の領域は、昇温時間を十分に短縮できる点、即ち昇温時間を短縮し得る上限に近い点であることがわかる。上記のように昇温スピードを短縮できることは、マシンコスト低減、造形速度向上の点で、高融点材料の造形に非常に有効である。
次に、高融点の材料を用いて造形した立体造形物の造形精度について評価した。
(実施例3)
<立体造形物の製造装置D>
立体造形物の製造装置Dは、図1~図6Fに示した立体造形物の製造装置であり、放射エネルギー源80の光源81として高密度ハロゲンランプ(光加熱スポットヒーターHSH-120、色温度2,400K、フィンテック社製)を用いた。また、リフレクター82としては、図3に示したリフレクターの開口幅A1を50mm、照射幅B1を5mmとして、エネルギー密度を0.6W/mmとした。以上により、立体造形物の製造装置Dを得た。
<造形精度評価>
得られた立体造形物の製造装置Dにより、熱可塑性樹脂としてPEEK(融点:340℃)を用いた粉体に、放射エネルギー吸収剤としてのカーボンブラックを含有する造形用溶液(黒インク、株式会社リコー製)を用いて、以下の(1)~(3)の造形手順を20回繰り返して立体造形物を製造し、余剰な粉体をエアーで除去した後に、製造した立体造形物の端部を顕微鏡にて観察した。結果を図9Aに示す。
(1)熱可塑性樹脂をPEEKとした粉体を100mm角の造形槽に手動のリコート治具により粉体層の平均厚みを100μmとして敷き詰める。
(2)インクジェットヘッド(株式会社リコー製)を用いて、カーボンブラックを含有する造形用溶液(黒インク)を10mm角の領域に吐出する。
(3)高密度ハロゲンランプを光源とする放射エネルギー源80で照射時間を0.3秒間として放射エネルギーを照射する。
(比較例2)
実施例3において、放射エネルギー源80の光源として高密度ハロゲンランプからハロゲンランプ(ラインタイプハロゲン光源、3W/mm、ウシオ電機株式会社製)に代え、図10で示すリフレクターの開口幅A2を60mm、照射幅B2を60mmとすることでエネルギー密度を0.6W/mmから0.04W/mmに変え、照射時間を20秒間とした以外は、実施例3と同様にして、比較例2の立体造形物の製造装置Eを得て、実施例3と同様に評価した。結果を図9Bに示す。
図9Bにおいて、図中右側の白色の部分は、造形用溶液を吐出していない粉体、即ち非造形領域の粉体である。つまり、比較例2において造形した立体造形物の端部の写真である図9Bにおいては、余剰な粉体が多量に立体造形物に固着していることがわかる。
一方、実施例3における立体造形物の端部の写真である図9Aにおいて、図9Bのような余剰な粉体が立体造形物にほとんど固着していないことがわかる。
以上の結果から、比較例2の立体造形物よりも実施例3の立体造形物のほうが、造形精度が良いことが確認できた。
これは、実施例3では、図11Aに示すように、エネルギー密度を高めることにより昇温時間が短くなるため、エネルギーを照射した箇所から非造形領域や空気中に放熱する時間が短くなり、エネルギー効率を高めることができると思われる。また、非造形領域の粉体が加熱されにくくなり、非造形領域の粉体どうしが融着しにくくなることから、余剰な粉体が立体造形物に固着することを抑制でき、立体造形物を精度良く造形できると考えられる。
一方、比較例2では、図11Bに示すように、エネルギー密度が低く昇温時間が長くなるため、エネルギーを照射した箇所から非造形領域や空気中に放熱する時間が長くなり、エネルギー効率が実施例3よりも低くなると思われる。また、非造形領域の粉体が加熱されやすくなり、非造形領域の粉体どうしが融着しやすくなることから、余剰な粉体が立体造形物に固着してしまい、立体造形物の造形精度が悪化すると考えられる。
このように、ハロゲンランプからの光をリフレクターで集光することにより、エネルギー効率を高めることができるとともに、高融点の材料を用いた立体造形物を精度良く造形できる。
また、集光の度合いは、例えば、リフレクターの開口幅と、粉面上での光の照射幅との比率で規定することができる。
次に、集光の度合い(照射幅/開口幅)と放射照度との関係について説明する。
(実施例4)
<立体造形物の製造装置F>
立体造形物の製造装置Fは、図1~図6Fに示した立体造形物の製造装置であり、放射エネルギー源80の光源81として高密度ハロゲンランプ(ラインヒーターLHW30/f20/L84/200V-850W、色温度2,400K、フィンテック社製)を用いた。また、リフレクター82としては、図3に示したリフレクターの開口幅A1を50mm、照射幅B1を5mmとした。
<集光の度合い(照射幅/開口幅)と放射照度との関係>
得られた立体造形物の製造装置Fにおいて、エネルギー密度を0.6W/mmにおける照射プロファイルをシミュレーションにより算出した。結果を図12Aに示す。
(比較例3)
実施例4において、放射エネルギー源80の光源として高密度ハロゲンランプからハロゲンランプ(ラインタイプハロゲン光源、3W/mm、色温度2,400K、ウシオ電機株式会社製)に代え、図10で示すリフレクターの開口幅A2を40mm、照射幅B2を60mmとすることでエネルギー密度を0.6W/mmから0.04W/mmに変え、照射時間を20秒間とし、放射照度を照度計(T-10M、コニカミノルタ株式会社)実測した以外は、実施例4と同様にして、比較例3の立体造形物の製造装置Eを得て、実施例4と同様に評価した。結果を図12Bに示す。
次に、放射エネルギー源80のバリエーションについて、第2の実施形態~第5の実施形態で説明する。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の放射エネルギー源80は、図13に示すように、1つのリフレクター82の内部に3つの光源81a,81b,81cが配置されている。これにより、第2の実施形態では、一つのリフレクター82に、光源81a,81b,81cが配置されていることから、小型で、かつエネルギー密度を高めることできる。
なお、第2の実施形態では1つのリフレクターの内部に3つの光源を配置したが、これに限ることなく、例えば、リフレクターや光源の数を変更してもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の放射エネルギー源80は、図14に示すように、3つのリフレクターが連結されている連結リフレクター84を有し、各リフレクターの内部にそれぞれ光源81a,81b,81cが配置されている。これにより、第3の実施形態では、簡易な構造でエネルギー密度を高めた光の照射面積を広げることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の放射エネルギー源80は、図15に示すように、第3の実施形態の放射エネルギー源80において、中央に配置されているリフレクターの曲率を変化させて両端に配置されているリフレクターよりも光焦点距離を長くした。これにより、第4の実施形態では、両端のリフレクターを中央近くに配置でき、小型化を実現できる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態の放射エネルギー源80は、図16に示すように、第4の実施形態の放射エネルギー源80において、中央に配置されているリフレクターの内部に配置されている光源を、高密度のエネルギーを照射できる光源81aとした。これにより、第5の実施形態では、第4の実施形態の放射エネルギー源80よりもエネルギー密度が高い光を照射することができる。
以上説明したように、本発明の立体造形物の製造装置は、粉体層を形成する粉体層形成手段と、粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、放射エネルギー吸収剤が付与された粉体層に、エネルギー密度が0.1W/mm以上の放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、を有する。
これにより、本発明の立体造形物の製造装置は、エネルギー効率を高めることができるとともに、高融点の材料を用いた立体造形物を精度良く造形できる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 粉体層を形成する粉体層形成手段と、
前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、
前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に、エネルギー密度が0.1W/mm以上の放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、
を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<2> 前記放射エネルギーが0.3W/mm以上である、前記<1>に記載の立体造形物の製造装置である。
<3> 前記放射エネルギー付与手段が光照射手段である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<4> 前記光照射手段が、光源と、前記光源から出射される光を反射するリフレクターとを備える、前記<3>に記載の立体造形物の製造装置である。
<5> 前記リフレクターが、前記光源から出射される光を一方向に反射可能である、前記<4>に記載の立体造形物の製造装置である。
<6> 前記光源が球状灯であり、
前記リフレクターが、一端が開口した略ドーム形状であって、
前記開口の領域内に前記球状灯が配された、前記<4>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<7> 前記球状灯から前記粉体層に光が照射される面積が、
前記略ドーム形状の前記リフレクターにおける前記開口の面積よりも小さくなるように、前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に付与される、前記<6>に記載の立体造形物の製造装置である。
<8> 前記光源が棒状灯であり、
前記リフレクターが、一端が開口し、前記開口の形状が略直方体であり、前記開口と対向する位置に、前記略直方体の長さ方向と平行な峰部を有し、前記長さ方向と直交方向の断面形状が前記略ドーム形状であって、
前記開口の領域内に前記棒状灯が配された、前記<4>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<9> 前記棒状灯からの光が照射される前記粉体層の面積が、
前記長さ方向と直交方向の断面形状が前記略ドーム形状である前記リフレクターにおける前記開口の面積よりも小さくなるように、前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に付与される、前記<8>に記載の立体造形物の製造装置である。
<10> 前記粉体層に用いる材料の融点が200℃以上である、前記<1>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<11> 前記粉体層に用いる材料が、ABS、PC、PMMA、PS、PEEK、PTFE、PAI、PEI、PES、PSU、PEK、PAEK、PEKK、PEEKK、PEKEKKから選択される、前記<1>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<12> 粉体層を形成する粉体層形成工程と、
前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与工程と、
前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に、エネルギー密度が0.1W/mm以上の放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与工程と、
を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
前記<1>から<11>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置、及び前記<12>に記載の立体造形物の製造方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
国際公開第2017/197015号
1 造形部
5 造形ユニット
7 ベース部材
10 液滴
11 粉体槽
12 平坦化ローラ
13 粉体除去板
20 粉体
21 供給槽
22 造形槽
23 供給ステージ
24 造形ステージ
25 余剰粉体受け槽
26、28 モータ
30 造形層
31 粉体層
50 液体吐出ユニット(放射エネルギー吸収剤付与手段の一例)
51 キャリッジ
52、52a、52b 液体吐出ヘッド
54、55 ガイド部材
56 タンク装着部
60 タンク
61 メンテナンス機構
62 キャップ
63 ワイパ
71 ガイド部材
72 スライダ部
80 放射エネルギー源(放射エネルギー付与手段の一例)
81 光源
82 リフレクター

Claims (11)

  1. 粉体層を形成する粉体層形成手段と、
    前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与手段と、
    前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に、エネルギー密度が0.3W/mm以上の放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与手段と、
    を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。
  2. 前記放射エネルギー付与手段が光照射手段である、請求項1に記載の立体造形物の製造装置。
  3. 前記光照射手段が、光源と、前記光源から出射される光を反射するリフレクターとを備える、請求項2に記載の立体造形物の製造装置。
  4. 前記リフレクターが、前記光源から出射される光を一方向に反射可能である、請求項3に記載の立体造形物の製造装置。
  5. 前記光源が球状灯であり、
    前記リフレクターが、一端が開口した略ドーム形状であって、
    前記開口の領域内に前記球状灯が配された、請求項3から4のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  6. 前記球状灯から出射される光が、
    前記略ドーム形状の前記リフレクターにおける前記開口の面積よりも小さい面積になるように、前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に付与される、請求項5に記載の立体造形物の製造装置。
  7. 前記光源が棒状灯であり、
    前記リフレクターが、一端が開口し、前記開口の形状が略直方体であり、前記開口と対向する位置に、前記略直方体の長さ方向と平行な峰部を有し、前記長さ方向と直交方向の断面形状が前記略ドーム形状であって、
    前記開口の領域内に前記棒状灯が配された、請求項5から6のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  8. 前記棒状灯から出射される光が、
    前記長さ方向と直交方向の断面形状が前記略ドーム形状である前記リフレクターにおける前記開口の面積よりも小さい面積になるように、前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に付与される、請求項7に記載の立体造形物の製造装置。
  9. 前記粉体層に用いる材料の融点が200℃以上である、請求項1から8のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  10. 前記粉体層に用いる材料が、ABS、PC、PMMA、PS、PEEK、PTFE、PAI、PEI、PES、PSU、PEK、PAEK、PEKK、PEEKK、PEKEKKから選択される、請求項1から9のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  11. 粉体層を形成する粉体層形成工程と、
    前記粉体層上に放射エネルギー吸収剤を付与する放射エネルギー吸収剤付与工程と、
    前記放射エネルギー吸収剤が付与された前記粉体層に、エネルギー密度が0.3W/mm 以上の放射エネルギーを付与する放射エネルギー付与工程と、
    を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。
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