JP7222283B2 - 立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法 - Google Patents

立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法 Download PDF

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本発明は、立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法に関する。
近年、高性能な三次元(3D)プリンターが発売され、特に熱溶融積層法(Fused deposition modeling,FDM)を利用した製造用途向けには、ポリエーテルイミド(PEI)という融点が200℃以上で高強度なスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)と呼ばれるポリマーも使用できる。このような3Dプリンターは、350℃~400℃の高温でスーパーエンプラを溶融させ、加熱ヘッドの先のノズルから吐出させる。しかし、外部環境との温度差により樹脂の大きな反りが発生してしまう。そこで、造形時に外部環境を保温する機構を備えた3Dプリンターも市販されている。しかし、前記FDM方式では積層方向の表面粗さや強度が出ないことが大きな課題である。
一方、PBF(powder bed fusion)方式としては、SLS(selective laser sintering)方式やHSS(high speed sintering)方式が3Dプリンターの中で最も強度がでる粉末を使った3Dプリンターとして使われている(例えば、特許文献1参照)。ただし、表面性が樹脂の種類で粒状感が残り後処理が必要であることや、スーパーエンプラでは、高温が必要なため、強度が出ないことや反りが多いといった課題がある。
また、結晶性樹脂等は「プロセスウィンドウ」と呼ばれる融解温度と再結晶温度の間で樹脂が焼結されることを維持させることで造形することができるが、非結晶性樹脂ではそもそも「プロセスウィンドウ」が存在しないため造形できない。そのような中、低温造形と呼ばれる「プロセスウィンドウ」以下の低温で加熱した状態で樹脂を焼結する方法が提唱されている。
本発明は、優れた表面性及び除去性を有し、かつ反りの少ない立体造形物が得られる立体造形物の製造装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の立体造形物の製造装置は、50%累積体積粒径が5μm以上200μm以下である樹脂粒子を用いて樹脂粒子層を形成する層形成手段と、前記樹脂粒子層におけるモデル領域を硬化してモデル部を形成するモデル部形成手段と、前記樹脂粒子層における前記モデル領域に隣接する非モデル領域を硬化して、曲げ強度が1.0MPa以上であってかつ25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であるサポート部を形成するサポート部形成手段と、を有する。
本発明によると、優れた表面性及び除去性を有し、かつ反りの少ない立体造形物が得られる立体造形物の製造装置を提供することができる。
図1は、本発明の立体造形物の製造装置の一例を示す概略平面図である。 図2は、本発明の立体造形物の製造装置の他の一例を示す概略側面図である。 図3は、本発明の立体造形物の製造装置における造形部の一例を示す概略側面図である。 図4は、本発明の立体造形物の製造装置における制御部の構成の一例を示すブロック図である。 図5Aは、サポート領域を形成する際の流れの一例を示す説明図である。 図5Bは、サポート領域を形成する際の流れの他の一例を示す説明図である。 図5Cは、サポート領域を形成する際の流れの他の一例を示す説明図である。 図5Dは、モデル領域を形成する際の流れの一例を示す説明図である。 図5Eは、モデル領域を形成する際の流れの他の一例を示す説明図である。 図5Fは、モデル領域を形成する際の流れの他の一例を示す説明図である。 図5Gは、モデル領域を形成する際の流れの他の一例を示す説明図である。 図5Hは、立体造形物からサポート部を除去する際の流れの一例を示す説明図である。 図5Iは、立体造形物からサポート部を除去する際の流れの他の一例を示す説明図である。 図5Jは、立体造形物からサポート部を除去する際の流れの他の一例を示す説明図である。
(立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法)
本発明の立体造形物の製造装置は、50%累積体積粒径が5μm以上200μm以下である樹脂粒子を用いて樹脂粒子層を形成する層形成手段と、前記樹脂粒子層におけるモデル領域を硬化してモデル部を形成するモデル部形成手段と、前記樹脂粒子層における前記モデル領域に隣接する非モデル領域を硬化して、曲げ強度が1.0MPa以上であってかつ25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であるサポート部を形成するサポート部形成手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の立体造形物の製造方法は、50%累積体積粒径が5μm以上200μm以下である樹脂粒子を用いて樹脂粒子層を形成する層形成工程と、前記樹脂粒子層におけるモデル領域を硬化してモデル部を形成するモデル部形成工程と、前記樹脂粒子層における前記モデル領域に隣接する非モデル領域を硬化して、曲げ強度が1.0MPa以上であってかつ25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であるサポート部を形成するサポート部形成工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の立体造形物の製造装置により好適に実施することができ、層形成工程は層形成手段により行うことができ、モデル部形成工程はモデル部形成手段により行うことができ、サポート部形成工程はサポート部形成手段により行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
従来の低温造形と呼ばれる「プロセスウィンドウ」以下の低温で加熱した状態で樹脂を焼結する方法では、低温化から造形するため反りが非常に大きく、反りが大きいため、下にアンカーと呼ばれる樹脂板を造形層の最下部に強く張り付ける必要がある。そこにサポート材を造形したい造形物で両者を結び付けなければならず、造形した造形物をきれいに剥がすことができないことや反りを抑制することが難しいという課題がある。
一方、サポート材としては、溶媒や水で溶解する材料が挙げられる。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)がFDMで使用されているが、上記インクジェットを用いる場合、吐出先で固まってしまい安定的に使用できない。
なお、成形性や造形時にモデル材をサポートする機能等を考慮すると、サポート材には、耐熱性を有することが要求される。また、造形後に造形物からサポート材を除去することを考慮すると、サポート材には、除去容易性も要求される。しかし、ポリビニルアルコール(PVA)を使用したサポート材は、耐熱性に劣るという問題がある。例えば、100℃以上の環境でPVAは徐々に着色し、150℃以上になると短時間で着色し、また200℃以上になると急速に着色し熱分解が始まる。またPVAは高温に曝露されると、分解反応の他にポリマー特有の架橋反応により3次元網目を形成するため、水への溶解性が著しく低下し最終的には水不溶性となってしまうという課題がある。
したがって、本発明においては、50%累積体積粒径が5μm以上200μm以下である樹脂粒子を用いて樹脂粒子層を形成する層形成手段と、前記樹脂粒子層におけるモデル領域を硬化してモデル部を形成するモデル部形成手段と、前記樹脂粒子層における前記モデル領域に隣接する非モデル領域を硬化して、曲げ強度が1.0MPa以上であってかつ25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であるサポート部を形成するサポート部形成手段と、を有することにより、優れた表面性を有し、かつ反りの少ない立体造形物が得られる立体造形物の製造装置が得られる。
<層形成工程及び層形成手段>
層形成工程は、50%累積体積粒径が5μm以上200μm以下である樹脂粒子を用いて樹脂粒子層を形成する工程であり、層形成手段により実施される。
層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粒子を供給する機構と、供給された粒子を均しながら粒子層を形成する機構の組合せなどが挙げられる。
<<樹脂粒子>>
前記樹脂粒子の50%累積体積粒径は、5μm以上200μm以下であり、5μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上60μm以下がより好ましい。
なお、前記50%累積体積粒径は、例えば、粒度分布測定装置(装置名:microtrac MT3300EXII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
ここで、樹脂粒子とは、樹脂成分を含む粒子を意味する。なお、以下では、樹脂粒子を「樹脂粉末」又は「樹脂粉体」と称することがある。樹脂粒子は、樹脂成分の他に、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
樹脂成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
-熱可塑性樹脂-
熱可塑性樹脂とは、熱を加えると可塑化し、溶融する樹脂を意味する。
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性樹脂、非結晶性樹脂、液晶樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、結晶性樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、融解開始温度と、冷却時の再結晶温度の差が大きな樹脂が好ましい。
なお、結晶性樹脂とは、ISO3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)に準拠した測定において、融点ピークが検出される樹脂である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール(POM:Polyoxymethylene)、ポリイミド、フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド410(PA410)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、及びポリアミド12(PA12);並びにポリアミド4T(PA4T)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、及びポリアミド10T(PA10T)などの半芳香族性のポリアミドが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブタジエンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する点で、テレフタル酸やイソフタル酸を一部に含む芳香族を有するものが好ましい。
ポリエーテルとしては、例えば、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルフォンなどが挙げられる。
ポリアリールケトンとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、PA9Tのように2つの融点ピークを有するものでもよい。2つの融点ピークを有する熱可塑性樹脂は、高温側の融点ピーク以上の温度になると完全に溶融する。
また、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリテトラフルオロエチレンなどは、「スーパーエンジニアリングプラスチック」と称されている。
熱可塑性樹脂としては、スーパーエンジニアリングプラスチックから選択される少なくとも1種であることが好ましい。熱可塑性樹脂がスーパーエンジニアリングプラスチックであると、造形する立体造形物の引張強度、耐熱性、耐薬品性、及び難燃性を向上することができ、立体造形物を工業用途にも使用可能になる点で有利である。
樹脂粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円柱体、多角柱体、球体などの形状が挙げられる。これらの中でも、円柱体が好ましい。
円柱体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、真円柱体、楕円柱体などが挙げられる。これらの中でも、真円柱体が好ましい。
なお、円柱体には、略円柱体が含まれる。ここで、略円とは、短径に対する長径の比(長径/短径)が、1以上10以下であることを意味する。また、円柱体の円形部分は、一部が欠けていてもよい。
多角柱体としては、円柱体と同様に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、多角柱体における多角形部分の一部が欠けていてもよい。
球体としては、円柱体と同様に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、球体の一部が欠けていてもよい。
円柱体の円形部分の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上200μm以下が好ましい。なお、円柱体の円形部分が楕円形である場合、直径とは長径を意味する。
多角柱体の多角形部分の一辺の長さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多角形部分を全て含むような最小の円(最小包含円)の直径が5μm以上200μm以下であることが好ましい。
球体の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上200μm以下であることが好ましい。
円柱体の高さ、即ち対向する2つの円形部分の距離(上面-底面間の距離)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上200μm以下が好ましい。
多角柱体の高さ、即ち対向する2つの多角形部分の距離(上面-底面間の距離)としては、円柱体の高さと同様に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上200μm以下が好ましい。
円柱体における、対向する2つの円形部分(上面及び底面)の面積は、互いに異なっていてもよい。ただし、面積が小さいほうの円形部分の直径r1に対する面積が大きいほうの円形部分の直径r2の比(r2/r1)としては、2つの円形部分の面積に差がないほうが嵩密度を高めることができる点で、1.5以下が好ましく、1.1以下がより好ましい。
多角柱体における、対向する2つの多角形部分(上面及び底面)の面積は、互いに異なっていてもよい。ただし、多角形部分の小さいほうの面積(S1)に対する多角形部分の大きいほうの面積(S2)の比(S2/S1)としては、2つの多角形部分の面積に差がないほうが嵩密度を高めることができる点で、1に近いことが好ましい。
例えば、HSS方式の立体造形物の製造装置を用いて立体造形物を造形する際には、樹脂粒子の嵩密度を高めることにより、造形物や成形物の精度を向上させることができる。
円柱体や多角柱体などの柱体の樹脂粒子においては、嵩密度を高めるため、頂点を持たないことが好ましい。なお、頂点とは、柱体の中に存在する角の部分をいう。
<モデル部形成工程及びモデル部形成手段>
モデル部形成工程は、樹脂粒子層におけるモデル領域を硬化してモデル部を形成する工程であり、モデル部形成手段により実施される。
モデル部形成手段としては、樹脂粒子層にエネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェット方式の吐出ヘッドなどが挙げられる。
モデル材としては、エネルギーを吸収可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック等の黒色顔料を含むインク、光熱変換材料croc染料、IR780(アルドリッチ社製)などが挙げられる。
これらの中でも、モデル材としては、加熱手段が光照射手段である場合には、光照射手段が照射した前記光を吸収することにより発熱可能なものが好ましく、例えば、上記のカーボンブラック等の黒色顔料を含むインク(黒色インク)が好ましい。モデル材が黒色インクであることにより、加熱手段が光照射手段である場合に、光照射手段が照射した光を効率的に吸収して発熱することができ、モデル領域における樹脂粒子同士の融着を容易に行うことができる。
<サポート部形成工程及びサポート部形成手段>
サポート部形成工程は、樹脂粒子層におけるモデル領域に隣接する非モデル領域を硬化して、曲げ強度が1.0MPa以上であってかつ25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であるサポート部を形成する工程であり、サポート部形成手段により実施される。
サポート部形成手段としては、樹脂粒子層にサポート材を吐出して非モデル領域(サポート領域)を形成することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェット方式の吐出ヘッドなどが挙げられる。
前記サポート部の曲げ強度は、1.0MPa以上であり、5MPa以上が好ましく、10MPa以上がより好ましく、30MPa以上が更に好ましい。曲げ強度の上限値は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、110MPa以下が好ましい。
なお、サポート部の曲げ強度は、例えば、サポート材をISO178に従う形状の金型に、サポート用インクと樹脂粒子を実施例の条件の比率で流し込み、その後、溶媒の沸点以上に加熱し、溶媒を揮発した後にISO178にしたがって、曲げ試験強度試験を実施することにより求めることができる。
非モデル領域は、サポート材吐出手段が樹脂粒子同士を接着可能なサポート材を吐出して、モデル領域と接するように形成された領域であり、サポート領域とも称する。非モデル領域は、吐出されたサポート材が固化して樹脂粒子同士を接着することにより、モデル部の形状を維持するサポート部となる。
前記サポート材吐出手段は、前記樹脂粒子層に前記サポート材の含有量が30質量%以上80質量%以下となるように前記サポート材を吐出して前記非モデル領域を形成することが好ましく、前記樹脂粒子層に前記サポート材の含有量が50質量%以上70質量%以下となるように前記サポート材を吐出して前記非モデル領域を形成することがより好ましい。
前記樹脂粒子層にサポート材の含有量が30質量%以上80質量%以下となるようにサポート材を吐出して非モデル領域を形成することにより、粒子とインクが適切に結合することで目標値の強度を出せるという利点がある。
前記非モデル領域(サポート領域)はサポート材から形成される。
前記サポート材は、溶媒及び樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
溶媒としては、例えば、水、スペアミントオイル、フェンション、リモネン、ヘキサン、エタノール、テトラヒドロフランなどが好適に挙げられる。
前記樹脂としては、非結晶性熱可塑性樹脂が好適である。
非結晶性熱可塑性樹脂は、優れた耐熱性を有するとともに、有機溶媒に溶解し易い。非結晶性熱可塑性樹脂としては、例えば、スーパーエンプラと呼ばれる樹脂が更に好ましい。スーパーエンプラは、分解度温度が高く、加熱ヘッドを高い温度に設定することができ、またサポート材としての適切な溶融粘度及び有機溶媒溶解性を有するとともに、ノズルからの吐出性も良好である。このような非結晶性熱可塑性樹脂としては、本発明の効果の観点から、ポリアリレート系非結晶性樹脂、ポリアリールケトン系非結晶性樹脂が特に好ましい。
前記ポリアリレート系非結晶性樹脂は、二価フェノールと二塩基酸との重縮合物であり、例えば、下記の繰り返し単位を有する。
Figure 0007222283000001
なお、本発明で使用するポリアリレート系樹脂は、本発明の効果を損ねない限り、柔軟性やTgの調整等を目的として、他の共重合モノマーとの共重合体であってもよい。更に耐熱性を高めるために公知の末端封止処理を行ってもよい。これらの形態も本発明で言う「ポリアリレート系樹脂」に属する。また下記で説明する結晶性熱可塑性樹脂と混合して用いてもよい。
前記ポリアリールケトン系非結晶性樹脂としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリアリールケトン(PAC)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、及びポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK)から選択され、かつビスフェノール骨格又はエポキシ骨格を有することが好ましい。
これとは別に、例えば、液晶ポリマー(LCP)などを用いることもできる。
なお、ポリアリールケトンポリマーのような結晶性熱可塑性樹脂は、有機溶媒に容易に溶解しないものがあるので、下記のように耐熱性を悪化させずに結晶性を低下させるモノマーを導入するのが好ましい。
例えば、PEEKを例にとり説明すると、1種類以上のジヒドロキシ芳香族化合物と1種類以上のジハロベンゾイド化合物あるいは1種類以上のハロフェノール等とを用い高温かつアルカリ触媒下、合成することができる。以下は、ジヒドロキシ芳香族化合物としてビスフェノールA(BPA)を、ジハロベンゾイド化合物として4,4’-ジクロロベンズフェノン(DCBP)を用いた合成スキームである。
Figure 0007222283000002
これとは別に、下記に示される化合物F及びジヒドロキシ芳香族化合物を用い、アルカリ触媒下合成されるポリマーB等が挙げられる。以下は、化合物F及びジヒドロキシ芳香族化合物としてビスフェノールA(BPA)を用いた合成スキームである。
Figure 0007222283000003
ジヒドロキシ芳香族化合物としては、ビスフェノールA(BPA)以外にも、ヒドロキノン(HQ)、ビスフェノールS(BPS)、テトラブロモビスフェノールA(TBBA)、4-ターシャリー-ブチルカテコール等が挙げられる。
ジハロベンゾイド化合物としては、例えば、4,4’-ジクロロベンズフェノン(DCBP)以外にも、4,4’-ジフルオロベンズフェノン(DFBP)、4-クロロ-4’-フルオロベンゾフェノン、4-(4-クロロベンゾイル)フェノール、(4-フルオロベンゾイル)フェノールなどが挙げられる。
また、ポリケトンポリマーの結晶性を低下させる手段として、ポリケトンポリマーに含まれる1つ以上のカルボニルグループ(>C=O)をジエーテルに(>C(OR))置換し、ケタールポリマーにする手段が挙げられる(式中Rは、アルキル、アルキレン、アルキニレン、アリル、アリール、アルケニレン等を示す)。なお、ケタールは、ヘミケタール、チオケタール、ジチオケタール等であってもよく、これらは、例えば、アルコールやチオールと、ジハロベンゾイド化合物とが反応することによって得られる。
ポリケトンポリマーは、2種類以上のポリマーの組み合わせでもよく、末端を反応させそれぞれのブロック共重合体にしてもよい。また、柔軟性を持たせる目的でゴム等との共重合体やポリマーアロイでもよい。また、ポリケトンポリマーに対し、クロロベンゼン、フェノール、ナフトール等で末端封止し、耐熱性を高めるのも好ましい形態である。
前記サポート材は、ポリアリレート系非結晶性樹脂、ポリアリールケトン系非結晶性樹脂、及びこれらを構成するモノマーの少なくともいずれかを1質量%以上70質量%以下含有することが好ましく、5質量%以上50質量%以下含有することがより好ましい。
前記サポート部は、25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であり、150℃で4時間加熱した後において、25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であることが好ましい。
従来技術におけるサポート材の中で前記のような高温に数時間曝露した後に有機溶媒に可溶なものは見出されていない。ここでいう成形体とは特に制限されないが本発明の立体造形用樹脂組成物を立体造形物のモデル部を支持するためのサポート材として利用した場合に、その除去性が高まり、優れた造形性を提供できる。
有機溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)に可溶であることを要件とするが、この他に、酢酸エチル、トルエン、スチレン、キシレン、アセトン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)、ジエチレングリコールモノエーテル、トリエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、エチレンアセテート、トリアセチン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、ピリジン、スペアミントオイル、カルボン(carvon)、リモネン、ジベンジルエーテル、クレゾール、フェノール、1,2-プロピレンカーボネート、ジメチルエーテル、ジメチルシロキサンなどが挙げられる。これらの中でも、THF、トルエン、アセトン、DMF、DMSO、PGMEA、PGME、MEK、ヘキサン、スペアミントオイル、カルボン(carvon)、リモネン、ジメチルエーテル等にも可溶であれば安全上の観点から好ましく、アセトン、シクロヘキサン、スペアミントオイルにも可溶であることが更に好ましい。本発明では、強アルカリ性の材料を使用せずとも、成形体を容易に除去することができるので、強アルカリ性の材料の使用に基づく危険性を回避することができる。また前記のような有機溶媒は、環境汚染の原因になりにくい。
吐出されたサポート材が固化して樹脂粒子同士を接着する際における、サポート材の固化方式としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒揮散方式、加熱硬化方式、紫外線硬化方式、硬化剤混合方式などが挙げられる。これらの中でも、溶媒揮散方式及び加熱硬化方式が好ましい。
〔溶媒揮散方式〕
溶媒揮散方式とは、樹脂粒子同士を接着する接着成分と溶媒とを少なくとも含むサポート材を用い、サポート材の一部(例えば、溶媒)が揮発させることにより、サポート材を固化する方式である。言い換えると、溶媒揮散方式においては、吐出手段が吐出したサポート材の一部が揮発して固化することで、サポート部が形成される。
サポート材の溶媒を揮発させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂粒子の予熱や加熱手段によるエネルギーの付与などにより、サポート材を加熱することが挙げられる。このように、溶媒揮散方式においては、サポート材を固化するための特別な手段を用いることなく、加熱手段などによりサポート材を固化できるため、立体造形物の製造装置の構造が複雑化することを防止できる。
溶媒揮散方式におけるサポート材は、樹脂粒子同士を接着する接着成分と、溶媒とを含み、エネルギー吸収剤を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
接着成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、可溶性高分子、水系コロイド、無機溶質などが挙げられる。可溶性高分子としては、例えば、水溶性高分子(水溶性ポリマー)、油溶性高分子(油溶性ポリマー)などが挙げられる。
溶媒としては、接着成分を溶解又は分散できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、有機溶媒などが挙げられる。
エネルギー吸収剤としては、加熱手段が粒子層に付与するエネルギーを吸収可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック等の黒色顔料などが挙げられる。溶媒揮散方式におけるサポート材が黒色顔料を含むことにより、加熱手段が粒子層にエネルギーを付与する際に、サポート材がエネルギーを吸収して発熱するため、溶媒の揮発が促進され、より容易にサポート材が固化する。
なお、溶媒揮散方式におけるサポート材が含むエネルギー吸収剤の含有量としては、加熱手段が粒子層にエネルギーを付与する際における、サポート領域の樹脂粒子の温度が融点を超えないようにすることが好ましい。こうすることにより、サポート領域における樹脂粒子が融着してしまうことによる、サポート部の除去性の悪化を防止することができる。
溶媒揮散方式におけるサポート材のその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、分散安定剤、界面活性剤、浸透促進剤、保湿剤、防カビ剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、フィラー、凝集防止剤、消泡剤などが挙げられる。
このように、溶媒揮散方式におけるサポート材は、反応性の化合物を含むことを必須としないため、保存性、及び吐出手段により吐出する際の吐出安定性に優れる。
また、溶媒揮散方式におけるサポート材の接着成分としては、融点及び軟化点の少なくともいずれかが、樹脂粒子の予熱温度よりも高いことが好ましい。こうすることにより、固化した後のサポート材が、樹脂粒子から付与される熱によって融解や軟化を生じることを防止できるため、サポート部の強度を向上させることができ、サポート部のモデル部に対する支持力を向上させることができる。
ここでは、軟化点とは、樹脂などの物質が温度の上昇によって軟化し,変形を始めるときの温度を意味する。通常、物質の温度を上げたとき、物質が完全に液体となる温度を融点と呼ぶが、樹脂などの物質は、明確な融点を示さないで漸次軟化して溶融状態に至り、はっきりした状態の変化を特定しにくいため、融点と区別して軟化点と呼ぶことがある。
サポート材における接着成分の軟化点は、例えば、ビカット軟化温度 A50法(JIS K 7206:1999)によって測定された値をとすることができる。
加えて、溶媒揮散方式におけるサポート材の溶媒としては、沸点が樹脂粒子の予熱温度よりも低いことが好ましい。こうすることにより、樹脂粒子を予熱する場合、吐出手段により吐出されたサポート材の溶媒が、樹脂粒子から付与される熱により揮発可能であるため、より容易にサポート材を固化して樹脂粒子同士を接着し、サポート部を形成することができる。サポート部の形成が容易に短時間で可能であると、立体造形物の製造装置の生産性を向上させることができる。
更に、溶媒揮散方式におけるサポート材は、上記の2つの条件を満たすもの、即ち、接着成分の融点及び軟化点の少なくともいずれかが、樹脂粒子の予熱温度よりも高く、溶媒の沸点が、樹脂粒子の予熱温度よりも低いことがより好ましい。こうすることにより、サポート部のモデル部に対する支持力を向上できるとともに、サポート部の形成が容易に短時間で可能であり、立体造形物の製造装置の生産性を向上させることができる。
〔加熱硬化方式〕
加熱硬化方式とは、反応性化合物と硬化剤とを少なくとも含むサポート材を用い、サポート材を加熱することにより、硬化剤を活性化させて、反応性化合物に重合反応を生じさせることで、サポート材を固化する方式である。言い換えると、加熱硬化方式では、吐出手段が吐出したサポート材が、加熱されることにより重合反応を生じて硬化することで、サポート部が形成される。
サポート材を加熱して硬化反応を生じさせる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱手段によるエネルギーの付与などにより、サポート材を加熱することが挙げられる。このように、加熱硬化方式においては、サポート材を固化するための特別な手段を用いることなく、加熱手段などによりサポート材を固化できるため、立体造形物の製造装置の構造が複雑化することを防止できる。また、加熱硬化方式においては、サポート材が硬化する際の体積変化が小さく、サポート部の強度をより高くできるため、サポート部のモデル部に対する支持力をより向上させることができる。
加熱硬化方式におけるサポート材は、反応性化合物と、硬化剤とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
反応性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性化合物などが挙げられる。重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物などが挙げられる。エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物や多官能の重合性化合物、又はそれらの混合物の化学形態を有する。
また、重合性化合物としては、単官能の重合性化合物が好ましく、単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル類、不飽和カルボン酸とアミン化合物とのアミド類、アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。つまり、加熱硬化方式におけるサポート材が単官能の重合性化合物を含むことが好ましい。こうすることにより、サポート材において架橋が生じないため、液体に対するサポート部の溶解性が高くなるため、サポート部の除去性を向上させることができる。
硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物などが挙げられる。
加熱硬化方式におけるサポート材のその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、希釈剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、着色剤、分散安定剤、界面活性剤、浸透促進剤、保湿剤、防カビ剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、フィラー、凝集防止剤、消泡剤などが挙げられる。
紫外線硬化方式とは、紫外線が照射されることにより硬化可能なサポート材を用い、紫外線照射手段によりサポート領域に紫外線を照射して、サポート材を硬化させて固化させる方式である。
硬化剤混合方式とは、サポート領域に対して、サポート材を硬化可能な硬化剤を吐出することにより、サポート材を硬化させて固化する方式である。
<加熱工程及び加熱手段>
加熱手段は、モデル領域及びサポート領域が形成された粒子層を、エネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させると共に、モデル領域における樹脂粒子とサポート領域における樹脂粒子とを融着させる手段である。
加熱工程は、モデル領域及びサポート領域が形成された粒子層を、エネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させると共に、モデル領域における樹脂粒子とサポート領域における樹脂粒子とを融着させる工程である。
加熱手段としては、粒子層にエネルギーを付与して加熱可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光を照射する光照射手段などが挙げられる。
加熱手段は、粒子層におけるモデル領域にエネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させ、立体造形物の一部となるモデル部を形成する。また、加熱手段は、粒子層におけるモデル領域とサポート領域の境界近傍にエネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子とサポート領域における樹脂粒子とを融着させる。
また、加熱手段は、粒子層におけるサポート領域にエネルギーを付与して加熱することが好ましい。こうすることにより、サポート領域におけるサポート材の固化を促進され、サポート部の形成を短時間で行うことができるため、立体造形物の製造装置の生産性を向上させることができる。
加熱手段としては、上記に挙げたものの中でも、光照射手段であることが好ましい。加熱手段が光照射手段であり、モデル材が光を吸収することにより発熱可能なものであると、効率よく短時間で立体造形物を造形することができるため、立体造形物の製造装置の生産性を向上させることができる。
光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲンランプ、レーザ照射手段、マイクロ波などが挙げられる。
ここで、光照射手段として用いることができるハロゲンランプの具体例な製品としては、例えば、ウシオ電機株式社製ラインタイプハロゲン光源 3W/mm(色温度3,000K、エネルギー密度0.04W/mm)、ウシオ電機株式社製ラインタイプハロゲン光源 3W/mm(色温度3,300K、エネルギー密度0.04W/mm)などが挙げられる。
また、加熱手段は、モデル領域における樹脂粒子同士の融着と、モデル領域における樹脂粒子とサポート領域における樹脂粒子との融着とを一括して行うことが好ましい。言い換えると、加熱手段は、モデル部の形成、及びモデル部とサポート部の融着とを、一度の走査で(まとめて)行うことが好ましい。こうすることにより、効率よく短時間で立体造形物を造形することができるため、立体造形物の製造装置の生産性を向上させることができる。
ここで、立体造形物の製造装置が有する加熱手段の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
立体造形物の製造装置が、加熱手段として複数の光照射手段を有する場合、モデル領域における樹脂粒子同士の融着と、モデル領域における樹脂粒子とサポート領域における樹脂粒子との融着とを、異なるエネルギーの光を照射して行うことが好ましい。こうすることにより、モデル領域における樹脂粒子同士の融着と、モデル領域における樹脂粒子とサポート領域における樹脂粒子との融着において、それぞれに合わせて適切なエネルギーを選択することができ、サポート部のモデル部に対する支持力をより向上させることができる。
更に、立体造形物の製造装置が、複数の光照射手段を有する場合、モデル領域における樹脂粒子とサポート領域における樹脂粒子との融着を、モデル領域における樹脂粒子同士の融着の際に照射する光の波長よりも、短い波長の光を照射して行うことが好ましい。
こうすることにより、例えば、モデル領域の下側(下面)と接するようにサポート領域を形成する場合などであっても、透過性の高い短波長の光によって、モデル領域とサポート領域の境界に位置する樹脂粒子を、より確実に加熱して融着することができる。このため、モデル領域における樹脂粒子とサポート領域における樹脂粒子との融着を、モデル領域における樹脂粒子同士の融着の際に照射する光の波長よりも、短い波長の光を照射して行うことにより、サポート部のモデル部に対する支持力をより向上させることができる。
この場合、モデル領域における樹脂粒子同士の融着に用いる光照射手段としては、例えば、ウシオ電機株式社製ラインタイプハロゲン光源 3W/mm(色温度3,000K、エネルギー密度0.04W/mm)を用いることができる。また、モデル領域における樹脂粒子とサポート領域における樹脂粒子との融着に用いる光照射手段としては、例えば、ウシオ電機株式社製ラインタイプハロゲン光源 3W/mm(色温度3,300K、エネルギー密度0.04W/mm)を用いることができる。
<その他の工程及びその他の手段>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吐出手段における吐出不良の発生を抑制するメンテナンス手段、立体造形物の製造装置の制御を行う制御手段などが挙げられる。
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吐出工程における吐出不良の発生を抑制するメンテナンス工程、立体造形物の製造装置の制御を行う制御工程などが挙げられる。
ここで、図1は、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態における概略平面図である。図2は、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態における概略側面図である。図3は、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態における造形部を示す概略側面図である。
図1から図3に示す、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態(以下では、単に「立体造形装置」と称することがある)は、樹脂粒子が融着して形成された層状造形物である造形層(モデル部)30が形成される造形部1と、造形部1の層状に敷き詰められた粒子層31に、モデル材及びサポート材を吐出する吐出手段としての吐出ユニット5と、粒子層31に光81を照射する加熱手段としての光照射ユニット80を備えている。なお、モデル材及びサポート材をまとめて「造形液10」と称することがある。
造形部1は、粒子槽11と、層形成手段の一例(平坦化部材、リコータ)である回転体としての平坦化ローラ12などを備えている。なお、平坦化部材は、回転体に代えて、例えば板状部材(ブレード)とすることもできる。
粒子槽11は、樹脂粒子20を供給する供給槽21と、造形層30が積層されて立体造形物が造形される造形槽22とを有している。造形前に供給槽21に樹脂粒子20を供給する。供給槽21の底部は供給ステージ23として鉛直方向(高さ方向)に昇降自在となっている。同様に、造形槽22の底部は造形ステージ24として鉛直方向(高さ方向)に昇降自在となっている。造形ステージ24上に造形層30が積層された立体造形物が造形される。
供給ステージ23と造形ステージ24は、モータによって矢印Z方向(高さ方向)に昇降される。
平坦化ローラ12は、供給槽21の供給ステージ23上に供給された粒子20を造形槽22に供給し、平坦化部材である平坦化ローラ12によって均して平坦化して、粒子層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形ステージ24のステージ面(樹脂粒子20が積載される面)に沿って矢印Y方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置され、往復移動機構によって移動される。また、平坦化ローラ12は、モータ26によって回転駆動される。
吐出ユニット5は、造形ステージ24上の粒子層31に造形液10を吐出する液体吐出ユニット50を備えている。
液体吐出ユニット50は、キャリッジ51と、キャリッジ51に搭載された2つ(1又は3つ以上でもよい。)の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)52a、52bを備えている。
キャリッジ51は、ガイド部材54及び55に移動可能に保持されている。ガイド部材54及び55は、両側の側板70、70に昇降可能に保持されている。
このキャリッジ51は、後述するX方向走査モータ550によってプーリ及びベルトから構成される主走査移動機構を介して主走査方向である矢印X方向(以下、単に「X方向」という。他のY、Zについても同様とする。)に往復移動される。
2つのヘッド52a、52b(以下、区別しないときは「ヘッド52」を称する。)は、液体を吐出する複数のノズルを配列したノズル列が、それぞれ複数列配置されている。ヘッド52ノズル列は、造形液10を吐出する。例えば、ヘッド52aがモデル材を、ヘッド52bがサポート材を吐出するようにしてもよい。また、ヘッド52は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど色がついた造形液をそれぞれ吐出することもできる。なお、ヘッド52としては、これに限るものではない。
これらの造形液の各々を収容した複数のタンク60が、タンク装着部56に装着され、供給チューブなどを介して造形液10がヘッド52a、52bに供給される。
また、X方向の一方側には、液体吐出ユニット50のヘッド52の維持回復を行うメンテナンス機構61が配置されている。
メンテナンス機構61は、キャップ62とワイパ63を有する。メンテナンス機構61は、キャップ62をヘッド52のノズル面(ノズルが形成された面)に密着させ、ノズルから造形液10を吸引することにより、ノズルに詰まった粒子の排出や高粘度化した造形液を排出させる。また、ノズルのメニスカス形成(ノズル内は負圧状態である)のため、ノズル面をワイパ63でワイピング(払拭)する。メンテナンス機構61は、造形液10の吐出が行われない場合に、ヘッドのノズル面をキャップ62で覆い、樹脂粒子20がノズルに混入することや造形液10が乾燥することを防止する。
吐出ユニット5は、ベース部材7上に配置されたガイド部材71に移動可能に保持されたスライダ部72を有し、吐出ユニット5全体がX方向と直交するY方向(副走査方向)に往復移動可能である。この吐出ユニット5は、後述するモータ552を含む走査機構によって全体がY方向に往復移動される。
液体吐出ユニット50は、ガイド部材54、55とともに矢印Z方向に昇降可能に配置され、後述するモータ551を含む昇降機構によってZ方向に昇降される。
光照射ユニット80は、ヘッド52から造形液10が吐出された領域上に、光81を照射しながら走査する。光照射ユニット80をキャリッジ51内に備えることで、ヘッド52と駆動を共有することも可能だが、個別に駆動源を用意することで、光照射ユニット単体でのX方向間の駆動を行うことも可能である。
また、光照射ユニット80は、ヘッド52の左右にそれぞれ配置してもよいし、どちらか片方に配置してもよい。
ここで、造形部1の詳細について説明する。
粒子槽11は、箱型形状であり、上面が開放された槽である、供給槽21、造形槽22、及び余剰粒子受け槽125を備えている。供給槽21内部には供給ステージ23が、造形槽22内部には造形ステージ24がそれぞれ昇降可能に配置される。
供給ステージ23の側面は、供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面は造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
平坦化ローラ12は、供給槽21から樹脂粒子20を造形槽22へと移送供給して、表面を均すことで平坦化して所定の厚みの層状の粒子である粒子層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の内寸(即ち、樹脂粒子20が供される部分又は仕込まれている部分の幅)よりも長い棒状部材であり、往復移動機構によってステージ面に沿ってY方向(副走査方向)に往復移動される。
この平坦化ローラ12は、モータ26によって回転されながら、供給槽21の外側から供給槽21及び造形槽22の上方を通過するようにして水平移動する。これにより、樹脂粒子20が造形槽22上へと移送供給され、平坦化ローラ12が造形槽22上を通過しながら粒子20を平坦化することで粒子層31が形成される。
また、図3にも示すように、平坦化ローラ12の周面に接触して、平坦化ローラ12に付着した樹脂粒子20を除去するための粒子除去部材である粒子除去板13が配置されている。
粒子除去板13は、平坦化ローラ12の周面に接触した状態で、平坦化ローラ12とともに移動する。また、粒子除去板13は、平坦化ローラ12が平坦化を行うときの回転方向に回転するときにカウンタ方向でも、順方向での配置可能である。
本実施形態では、造形部1の粒子槽11が、供給槽21と、造形槽22と、余剰粉体受け槽25の3つの槽を有しているが、供給槽21を設けずに、造形槽22に粒子供給装置から粒子を供給して、平坦化手段で平坦化する形態であってもよい。
次に、立体造形物の製造装置601の制御部の概要について、図4を参照して説明する。
制御手段としての制御部500は、この立体造形装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係わる制御を含む立体造形動作の制御を実行させるためのプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物を各造形層にスライスした造形データを作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置により実現可能である。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50の各ヘッド52を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をX方向(主走査方向)に移動させるX方向走査機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、吐出ユニット5をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部512を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をZ方向に移動(昇降)させるZ方向昇降機構551を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備えている。なお、矢印Z方向への昇降は吐出ユニット5全体を昇降させる構成とすることもできる。
制御部500は、供給ステージ23を昇降させるモータ27を駆動するモータ駆動部513と、造形ステージ24を昇降させるモータ28を駆動するモータ駆動部514を備えている。
制御部500は、平坦化ローラ12を移動させる往復移動機構25のモータ553を駆動するモータ駆動部515と、平坦化ローラ12を回転駆動するモータ26を駆動する516を備えている。
制御部500は、供給槽21に粒子20を供給する粒子供給装置を駆動する供給系駆動部517と、液体吐出ユニット50のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備えている。
制御部500のI/O507には、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
ここで、図5A~図5Cは、サポート領域を形成する際の流れの一例を示す説明図である。
まず、図5Aに示すように、平坦化ローラ102を回転させながら矢印Yの向きに移動させることで樹脂粒子101を含む粒子層120を形成する。
次に、図5Bに示すように、ヘッド103により、サポート材104を粒子層120に吐出して、サポート領域105を形成する。
次に、図5Cに示すように、形成されたサポート領域105におけるサポート材は、予熱された樹脂粒子101からの熱などにより固化し、固化したサポート材106となる。固化したサポート材106により、樹脂粒子101同士が接着されサポート領域となる。
図5D~図5Gは、モデル領域を形成する際の流れの一例を示す説明図である。
まず、図5Dに示すように、形成したサポート部200が存在する粒子層の上に、平坦化ローラ102を回転させながら矢印Yの向きに移動させることで、新たな粒子層を形成する。
次に、図5Eに示すように、ヘッド52により、モデル材(モデルインク)107を粒子層に吐出して、モデル領域108を形成する。
次に、図5Fに示すように、形成されたモデル領域108における樹脂粒子は、光照射ユニット110が照射する光により加熱され、モデル材が光を吸収して発熱することなどにより、樹脂粒子101同士が融着してモデル部(造形層)111となる。このとき、モデル領域の一部における樹脂粒子と、サポート領域(サポート部)の一部における樹脂粒子も、光照射ユニット110が照射する光により加熱されて融着する。
図5Dから図5Fに示した工程を、所定の回数繰り返すことにより、モデル部111を積層して立体造形物を製造する。
図5G~図5Jは、立体造形物からサポート部を除去する際の流れの一例を示す説明図である。
まず、図5Hに示すように、エアブロワー等で生じさせた風を吹き付けることで、モデル部が積層された立体造形物111の周辺に付着している樹脂粒子101を除去する。
次に、図5Iに示すように、モデル部111とサポート部106を、固化したサポート材を容器113中の溶解可能な液112に浸漬させ、サポート部106を立体造形物111から除去する。
最後に、図5Jに示すような、最終的な所望の形状を有するモデル部(立体造形物)111が得られる。
本発明の立体造形物の製造装置によれば、少なくとも、層形成手段、モデル部形成手段、サポート部形成手段、及び加熱手段を繰り返して動作させることにより、立体造形物を製造(造形)することができる。同様に、本発明の立体造形物の製造方法によれば、少なくとも、層形成工程、モデル部形成工程、サポート部形成工程、及び加熱工程を繰り返して行うことにより、立体造形物を製造(造形)することができる。
本発明の立体造形物の製造装置及び本発明の立体造形物の製造方法により得られる立体造形物は、優れた表面性及び除去性を有し、かつ反りの少ない極めて高品質なものである。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
得られた樹脂粒子について、以下のようにして、50%累積体積粒径を測定した。
<50%累積体積粒径>
粒度分布測定装置(装置名:microtrac MT3300EXII、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて、樹脂粒子ごとの粒子屈折率を使用し、溶媒は使用せず、乾式(大気)法にて、50%累積体積粒径を測定した。
なお、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の屈折率は、1.31、ポリカーボネート(PC)樹脂の屈折率は1.30と設定した。
(合成例1)
<化合物1の合成>
BPA(アルドリッチ社製、試薬品グレード)345g、DFBP(アルドリッチ社製、試薬品グレード)330g、炭酸カリウム(東京化成株式会社製、試薬品グレード)230g、及びジメチルスルホキシド(DMSO)を3,000mL加え、170℃で2時間加熱後、更に300℃で3時間加熱後に、DCBP(アルドリッチ社製、試薬品グレード)3g加え、ゆっくりと冷却した。
得られた溶液を冷メタノールに撹拌しながら入れ、ポリマーを析出させた。その後、水で3回ほど洗い流した後に、ジクロロメタン1,000mLに溶解させ再度、冷メタノール中に溶解した液を加え、再沈殿させた。析出したポリマーを大気中で乾燥した後、真空乾燥機で終夜十分に乾燥させ、ポリマーである化合物1の600gを得た。
(合成例2)
<化合物2の合成>
BPA(アルドリッチ社製、試薬品グレード)345g、DCBP(アルドリッチ社製、試薬品グレード)320g、炭酸カリウム(東京化成株式会社製、試薬品グレード)230gを5Lの4つ口フラスコに入れ、ジメチルスルホキシド(DMSO)を3,000mL加え、170℃で2時間加熱後(溶媒は蒸留させ)、更に300℃で3時間加熱(還流させた)後に、DCBP(アルドリッチ社製、試薬品グレード)3g加え、ゆっくりと冷却した。
得られた溶液を冷メタノールに撹拌しながら入れ、ポリマーを析出させた。その後、水で3回ほど洗い流した後に、ジクロロメタン1,000mLに溶解させ再度、冷メタノール中に溶解した液を加え再沈殿させた。析出したポリマーを大気中で乾燥した後、真空乾燥機で終夜十分に乾燥させ、ポリマーである化合物2の600gを得た。
(合成例3)
<化合物3の合成>
PEEK(Victrex社製、150XF)115g、及びジクロロメタン1,000mLを2Lの4つ口フラスコに入れた。その後、テトラフルオロ酢酸(TFA、アルドリッチ社製、試薬品グレード)400mLを加えた。その後、プロパンジチオール80mLを加え、室温で3日間撹拌した。その後、得られた溶液を冷メタノールに撹拌しながら入れ、ポリマーを析出させた。その後、水で3回ほど洗い流した後に、ジクロロメタン1,000mLに溶解させ、再度、冷メタノール中に溶解した液を加え再沈殿させた。析出したポリマーを大気中で乾燥した後、真空乾燥機で終夜十分に乾燥させ、ポリマーである化合物3の100gを得た。
(合成例4)
<化合物4の合成>
-化合物Fの合成-
フルオロベンゼン(和光純薬工業株式会社製、試薬品)231gに、塩化アルミニウム(III)(キシダ化学株式会社製、試薬品)1.6gと1,2-シクロヘキサンジカルボニルジクロライド(Taizhou Taifeng Chemical社製)253gを加え、ジクロロメタン1,000mL中、室温下24時間攪拌し、カラムで分離し、下記構造式で表される化合物Fの300gを得た(収率65%)。
Figure 0007222283000004
-化合物4の合成-
BPA(アルドリッチ社製、試薬品グレード)345g、前記化合物F 300g、炭酸カリウム(東京化成株式会社製、試薬品グレード)230gを5Lの4つ口フラスコに入れ、DMSOを3,000mL加え、170℃で2時間加熱後(溶媒は蒸留させ)、更に300℃で3時間加熱(還流させた)後に、DCBP(アルドリッチ社製、試薬品グレード)を3g加え、ゆっくりと冷却した。できたサンプル溶液を冷メタノールに攪拌しながら入れ、ポリマーを析出させた。その後、水で3回ほど洗い流した後に、ジクロロメタン1,000mLに溶解させ再度、冷メタノール中に溶解した液を加え再沈殿させた。析出したポリマーを大気中で乾燥した後、真空乾燥機で終夜十分に乾燥させ、ポリマーである化合物4の600gを得た。
(樹脂粒子の製造例1)
-樹脂粒子1の作製-
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂(VICTREX社製、151G)を用い、40μmのフィラメント繊維を作製後に延伸を行い、改造したカット装置を使用して、45μm幅でカットし、樹脂粒子1を作製した。得られた樹脂粒子1の50%累積体積粒径は60μmであった。
(樹脂粒子の製造例2)
-樹脂粒子2の作製-
樹脂粒子の製造例1において、繊維フィラメントをカット幅15μmに調整した以外は、樹脂粒子の製造例1と同様にして、樹脂粒子2を作製した。
得られた樹脂粒子2の50%累積体積粒径は20μmであった。
(樹脂粒子の製造例3)
-樹脂粒子3の作製-
樹脂粒子の製造例1において、繊維径を75μm、カット幅を75μmに調整した以外は、樹脂粒子の製造例1と同様にして、樹脂粒子3を作製した。
得られた樹脂粒子3の50%累積体積粒径は110μmであった。
(樹脂粒子の製造例4)
-樹脂粒子4の作製-
ポリカーボネート(PC)樹脂(三菱エンプラ株式会社製、ユーピロンH4000)を用い、樹脂粒子の製造例1と同様にして、繊維化及びカットすることにより、樹脂粒子4を作製した。
得られた樹脂粒子4の50%累積体積粒径は60μmであった。
(実施例1)
ポリアリレート系樹脂(PAR)(ユニチカ株式会社製、M2040)10質量部、リモネン(ヤスハラケミカル株式会社製)90質量部を混合してサポート材を調製した。
このサポート材を、50%累積体積粒径が60μmのPEEK樹脂粒子からなる樹脂粒子層に対して、50質量%の含有量となるように、株式会社リコー製インクジェッヘッドで60℃に加熱した後に吐出し、モデル領域の下層部分の+10%過剰にはみ出す分吐出し、その後、IRヒーターを使用上部から加熱し溶剤を飛ばしサポート構造を形成した。
また、モデル造形領域は同インクジェットヘッドに、カーボンブラックを含んだモデルインクを吐出し、前記IRヒーターで加熱し樹脂の融点以上まで上昇させ造形物を硬化させた。下部以外にも、側部、上部の周囲をサポートインクで覆うことで、反りを抑制した(HSS方式造形)。
(実施例2~5)
実施例1において、ポリアリレート系樹脂(ユニチカ株式会社製、M2040)5質量部を合成例1で合成した化合物1 10質量部に変更し、リモネンをスペアミントオイル(山本香料株式会社製)に変えてサポート材を調製した。
このサポート材を、表1に示す50%累積体積粒径のPEEK樹脂粒子からなる樹脂粒子層に対して、表1に示す含有量となるように、株式会社リコー製インクジェッヘッドで60℃に加熱した後に吐出し、実施例1と同様に造形物を作成した。
(実施例6)
実施例1において、HSS方式でなく、50%累積体積粒径が60μmのPEEK樹脂粒子からなる樹脂粒子層に対してサポート材を実施例1と同様に吐出しサポート構造を形成した後に、供給層より樹脂粉末をリコートした後、COレーザを用いて1W~30Wの範囲で、十分に溶融するレーザー強度でモデル領域を造形した(SLS+IJ方式)。
(実施例7)
実施例1において、ポリアリレート系樹脂(ユニチカ株式会社製、M2040)を合成例2で合成された化合物2に変え、リモネンをスペアミントオイル(山本香料株式会社製)に変えてサポート材を調製した以外は、実施例1と同様にして、曲げ強度試験片を作製した。
(実施例8)
実施例1において、ポリアリレート系樹脂(ユニチカ株式会社製、M2040)を合成例3で合成された化合物3に代え、リモネンをフェンション(和光純薬工業株式会社製)に変えてサポート材を調製した以外は、実施例1と同様にして、曲げ強度試験片を作製した。
(実施例9)
実施例1において、ポリアリレート系樹脂(ユニチカ株式会社製、M2040)を合成例4で合成された化合物4に代え、リモネンをエタノール(和光純薬工業株式会社製)に変えてサポート材を調製した以外は、実施例1と同様にして、曲げ強度試験片を作製した。
(比較例1)
実施例1において、サポート材を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、曲げ強度試験片を作製した。
(比較例2)
実施例1において、ポリアリレート系樹脂(ユニチカ株式会社製、M2040)5質量部をポリビニルアルコール(PVA)(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセノールT330)10質量部に変え、リモネンを水に代えた以外は、実施例1と同様にして、曲げ強度試験片を作製した。
(比較例3)
実施例2において、サポート材を50%累積体積粒径が60μmのPEEK樹脂粒子からなる樹脂粒子層に対して、85質量%の含有量となるように、株式会社リコー製インクジェッヘッドで60℃に加熱した後に吐出し、樹脂粒子層をPEEKのプロセスウィンドウ外である150℃に保温して、COレーザを照射した以外は、実施例2と同様にして、曲げ強度試験片を作製した。
なお、得られた造形層は反りが大きく発生し、次のリコートを含むステップに進むことができなかった。
(比較例4)
実施例2において、サポート材を50%累積体積粒径が60μmのPEEK樹脂粒子からなる樹脂粒子層に対して、15質量%の含有量となるように、株式会社リコー製インクジェッヘッドで60℃に加熱した後に吐出した以外は、実施例2と同様にして、曲げ強度試験片を作製した。
(比較例5)
実施例2において、化合物1をアクリルモノマー(BASF社製、イソブチルアクリレート)に変えた以外は、実施例2と同様にして、サポート材を調製した。
このサポート材を用いて、50%累積体積粒径が60μmのPEEK樹脂粒子からなる樹脂粒子層に対して、50質量%の含有量となるように、株式会社リコー製インクジェッヘッドで60℃に加熱した後に吐出した以外は、実施例2と同様にして、曲げ強度試験片を作製した。
(比較例6)
実施例2において、サポート材を使用せず、アンカー部として厚み1cmのPEEK板を、造形層の最下部に両面テープで張り付けた以外は、実施例2と同様にして、曲げ強度試験片を作製した。
<サポート部の曲げ強度試験>
サポート材と樹脂粒子を表1に示す割合になるようにスラリーサンプルを調製した後、このスラリーサンプルをISO178に従う形状の金型に流し込んだ。その後、溶媒の沸点以上に加熱し、溶媒を揮発した後にISO178にしたがって、曲げ強度試験を実施した。結果を表2に示した。
<表面性>
得られた各立体造形物について、積層方向の側面の表面性を、表面粗さ測定装置(KS-1100、株式会社キーエンス製)を用いて、0.5cmの正方形の範囲で算術平均高さSaの値(μm)を測定した。結果を表2に示した。
<反り>
反りは、水平な基台上で曲げ試験片の立体造形物の中心部を抑え、両端が浮いた高さの高い方を測定し、反りとした。結果を表2に示した。
<除去性の評価>
サポート部で覆われた各立体造形物を得られた後に、サポート部の質量の30質量倍のテトラヒドロフラン(THF)又はエタノール中に静置した。その後、12時間後に超音波洗浄機(アズワン株式会社製、AXEL)で3分間振動後、立体造形物を取り出し、以下の基準で除去性を評価した。なお、〇及び△については、溶解した時間を測定し、記載した。
[評価基準]
○:サポート部が残っていない
△:表面にのりのようについているが、手で除去できる
×:サポート部が残っている
Figure 0007222283000005
Figure 0007222283000006
*表2中「-」は造形できなかったために測定不能であることを意味する。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 50%累積体積粒径が5μm以上200μm以下である樹脂粒子を用いて樹脂粒子層を形成する層形成手段と、
前記樹脂粒子層におけるモデル領域を硬化してモデル部を形成するモデル部形成手段と、
前記樹脂粒子層における前記モデル領域に隣接する非モデル領域を硬化して、曲げ強度が1.0MPa以上であってかつ25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であるサポート部を形成するサポート部形成手段と、
を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<2> 前記サポート部形成手段が形成する前記サポート部の曲げ強度が5MPa以上である、前記<1>に記載の立体造形物の製造装置である。
<3> 前記サポート部形成手段が形成する前記サポート部が、150℃で4時間加熱した後において、25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<4> 前記サポート部形成手段が、
前記樹脂粒子層にサポート材を吐出して非モデル領域を形成するサポート材吐出手段と、
前記樹脂粒子層における非モデル領域にエネルギーを付与して前記樹脂粒子層における前記樹脂粒子どうしを融着させる加熱手段とを有する、
前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<5> 前記サポート材吐出手段が、
前記樹脂粒子層に前記サポート材の含有量が30質量%以上80質量%以下となるように前記サポート材を吐出して前記非モデル領域を形成する、前記<4>に記載の立体造形物の製造装置である。
<6> 前記サポート材吐出手段が、
前記樹脂粒子層に前記サポート材の含有量が50質量%以上70質量%以下となるように前記サポート材を吐出して前記非モデル領域を形成する、前記<4>に記載の立体造形物の製造装置である。
<7> 前記サポート材が、沸点が250℃以下の溶媒を含有する、前記<4>から<6>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<8> 前記サポート材が、沸点が150℃以下の溶媒を含有する、前記<4>から<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<9> 前記サポート材が、水、スペアミントオイル、フェンション、リモネン、ヘキサン、エタノール、及びテトラヒドロフランから選択される溶媒を含有する、前記<4>から<6>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<10> 前記サポート材が、ポリアリレート系非結晶性樹脂、ポリアリールケトン系非結晶性樹脂、及びこれらを構成するモノマーの少なくともいずれかを含有する、前記<4>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<11> 前記ポリアリールケトン系非結晶性樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリアリールケトン(PAC)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、及びポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK)から選択され、かつビスフェノール骨格又はエポキシ骨格を有する、前記<10>に記載の立体造形物の製造装置である。
<12> 前記サポート材が、ポリアリレート系非結晶性樹脂、ポリアリールケトン系非結晶性樹脂、及びこれらを構成するモノマーの少なくともいずれかを1質量%以上50質量%以下含有する、前記<10>から<11>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<13> 前記モデル部形成手段が、
前記樹脂粒子層にモデル材を吐出しておけるモデル領域を形成するモデル材吐出手段と、
前記樹脂粒子層におけるモデル領域にエネルギーを付与して前記樹脂粒子層における前記樹脂粒子どうしを融着させる加熱手段とを有する、前記<1>から<12>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<14> 50%累積体積粒径が5μm以上200μm以下である樹脂粒子を用いて樹脂粒子層を形成する層形成工程と、
前記樹脂粒子層におけるモデル領域を硬化してモデル部を形成するモデル部形成工程と、
前記樹脂粒子層における前記モデル領域に隣接する非モデル領域を硬化して、曲げ強度が1MPa以上であってかつ25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であるサポート部を形成するサポート部形成工程と、
を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<15> 前記サポート部形成工程で形成する前記サポート部の曲げ強度が5MPa以上である、前記<14>に記載の立体造形物の製造方法である。
<16> 前記サポート部形成工程で形成する前記サポート部が、150℃で4時間加熱した後において、25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能である、前記<14>から<15>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<17> 前記サポート部形成工程が、
前記樹脂粒子層にサポート材を吐出して非モデル領域を形成するサポート材吐出工程と、
前記樹脂粒子層における非モデル領域にエネルギーを付与して前記樹脂粒子層における前記樹脂粒子どうしを融着させる加熱手段とを有する、
前記<14>から<16>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<18> 前記サポート材吐出工程が、
前記樹脂粒子層に前記サポート材の含有量が30質量%以上80質量%以下となるように前記サポート材を吐出して前記非モデル領域を形成する、前記<17>に記載の立体造形物の製造方法である。
<19> 前記サポート材吐出工程が、
前記樹脂粒子層に前記サポート材の含有量が50質量%以上70質量%以下となるように前記サポート材を吐出して前記非モデル領域を形成する、前記<17>に記載の立体造形物の製造方法である。
<20> 前記サポート材が、沸点が250℃以下の溶媒を含有する、前記<17>から<19>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<21> 前記サポート材が、沸点が150℃以下の溶媒を含有する、前記<17>から<20>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<22> 前記サポート材が、水、スペアミントオイル、フェンション、リモネン、ヘキサン、エタノール、及びテトラヒドロフランから選択される溶媒を含有する、前記<17>から<19>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<23> 前記サポート材が、ポリアリレート系非結晶性樹脂、ポリアリールケトン系非結晶性樹脂、及びこれらを構成するモノマーの少なくともいずれかを含有する、前記<17>から<22>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<24> 前記ポリアリールケトン系非結晶性樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリアリールケトン(PAC)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、及びポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK)から選択され、かつビスフェノール骨格又はエポキシ骨格を有する、前記<23>に記載の立体造形物の製造方法である。
<25> 前記サポート材が、ポリアリレート系非結晶性樹脂、ポリアリールケトン系非結晶性樹脂、及びこれらを構成するモノマーの少なくともいずれかを1質量%~50質量%含有する、前記<23>から<24>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<26> 前記モデル部形成工程が、
前記樹脂粒子層にモデル材を吐出しておけるモデル領域を形成するモデル材吐出工程と、
前記樹脂粒子層におけるモデル領域にエネルギーを付与して前記樹脂粒子層における前記樹脂粒子どうしを融着させる加熱工程とを含む、前記<14>から<12>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
前記<1>から<13>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置、及び前記<14>から<26>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
米国特許第4,247,508号明細書

Claims (14)

  1. 50%累積体積粒径が5μm以上200μm以下である熱可塑性樹脂粒子を用いて樹脂粒子層を形成する層形成手段と、
    前記樹脂粒子層におけるモデル領域を硬化してモデル部を形成するモデル部形成手段と、
    前記樹脂粒子層における前記モデル領域に隣接する非モデル領域を硬化してサポート部を形成するサポート部形成手段と、
    を有し、
    前記モデル部形成手段が、前記樹脂粒子層にエネルギーを吸収可能なモデル材を吐出して前記モデル領域を形成するモデル材吐出手段を有し、
    前記サポート部形成手段が、前記樹脂粒子層に沸点が250℃以下の溶媒を含有するサポート材を吐出して前記非モデル領域を形成するサポート材吐出手段を有し、
    前記サポート部形成手段が形成する前記サポート部は、曲げ強度が1.0MPa以上であってかつ25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であることを特徴とする立体造形物の製造装置。
  2. 前記サポート部形成手段が形成する前記サポート部の曲げ強度が5MPa以上である、請求項1に記載の立体造形物の製造装置。
  3. 前記サポート部形成手段が形成する前記サポート部が、150℃で4時間加熱した後において、25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能である、請求項1から2のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  4. 前記サポート部形成手段が、
    前記樹脂粒子層における前記非モデル領域にエネルギーを付与して前記樹脂粒子層における前記熱可塑性樹脂粒子どうしを融着させる加熱手段を有する、
    請求項1から3のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  5. 前記サポート材吐出手段が、
    前記樹脂粒子層に前記サポート材の含有量が30質量%以上80質量%以下となるように前記サポート材を吐出して前記非モデル領域を形成する、請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  6. 前記サポート材吐出手段が、
    前記樹脂粒子層に前記サポート材の含有量が50質量%以上70質量%以下となるように前記サポート材を吐出して前記非モデル領域を形成する、請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  7. 前記エネルギーを吸収可能なモデル材が、カーボンブラックを含有するモデル材である、請求項1から6のいずれかである立体造形物の製造装置。
  8. 前記サポート材が、沸点が150℃以下の溶媒を含有する、請求項から7のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  9. 前記サポート材が、水、スペアミントオイル、フェンション、リモネン、ヘキサン、エタノール、及びテトラヒドロフランから選択される溶媒を含有する、請求項から6のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  10. 前記サポート材が、ポリアリレート系非結晶性樹脂、ポリアリールケトン系非結晶性樹脂、及びこれらを構成するモノマーの少なくともいずれかを含有する、請求項から9のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  11. 前記ポリアリールケトン系非結晶性樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリアリールケトン(PAC)、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(PEEEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、及びポリエーテルケトンケトンケトン(PEKKK)から選択され、かつビスフェノール骨格又はエポキシ骨格を有する、請求項10に記載の立体造形物の製造装置。
  12. 前記サポート材が、ポリアリレート系非結晶性樹脂、ポリアリールケトン系非結晶性樹脂、及びこれらを構成するモノマーの少なくともいずれかを1質量%~50質量%含有する、請求項10から11のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  13. 前記モデル部形成手段が、
    前記樹脂粒子層における前記モデル領域にエネルギーを付与して前記樹脂粒子層における前記熱可塑性樹脂粒子どうしを融着させる加熱手段を有する、請求項1から12のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  14. 50%累積体積粒径が5μm以上200μm以下である熱可塑性樹脂粒子を用いて樹脂粒子層を形成する層形成工程と、
    前記樹脂粒子層におけるモデル領域を硬化してモデル部を形成するモデル部形成工程と、
    前記樹脂粒子層における前記モデル領域に隣接する非モデル領域を硬化して、曲げ強度が1.0MPa以上であってかつ25℃、30質量倍のテトラヒドロフラン又はエタノールに全体を浸漬させると12時間以内に溶解除去可能であるサポート部を形成するサポート部形成工程と、
    を含み、
    前記モデル部形成工程が、前記樹脂粒子層にエネルギーを吸収可能なモデル材を吐出して前記モデル領域を形成するモデル材吐出工程を含み、
    前記サポート部形成工程が、前記樹脂粒子層に沸点が250℃以下の溶媒を含有するサポート材を吐出して前記非モデル領域を形成するサポート材吐出工程を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。
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