JP2020157753A - 立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法 - Google Patents

立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020157753A
JP2020157753A JP2019201366A JP2019201366A JP2020157753A JP 2020157753 A JP2020157753 A JP 2020157753A JP 2019201366 A JP2019201366 A JP 2019201366A JP 2019201366 A JP2019201366 A JP 2019201366A JP 2020157753 A JP2020157753 A JP 2020157753A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
region
particle layer
layer
model material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019201366A
Other languages
English (en)
Inventor
弘幸 宮田
Hiroyuki Miyata
弘幸 宮田
素暎 朴
Soyoung Park
素暎 朴
中澤 聡一
Soichi Nakazawa
聡一 中澤
大地 山口
Daichi Yamaguchi
大地 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to EP20158843.1A priority Critical patent/EP3733378A1/en
Publication of JP2020157753A publication Critical patent/JP2020157753A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B33ADDITIVE MANUFACTURING TECHNOLOGY
    • B33YADDITIVE MANUFACTURING, i.e. MANUFACTURING OF THREE-DIMENSIONAL [3-D] OBJECTS BY ADDITIVE DEPOSITION, ADDITIVE AGGLOMERATION OR ADDITIVE LAYERING, e.g. BY 3-D PRINTING, STEREOLITHOGRAPHY OR SELECTIVE LASER SINTERING
    • B33Y10/00Processes of additive manufacturing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C64/00Additive manufacturing, i.e. manufacturing of three-dimensional [3D] objects by additive deposition, additive agglomeration or additive layering, e.g. by 3D printing, stereolithography or selective laser sintering
    • B29C64/10Processes of additive manufacturing
    • B29C64/165Processes of additive manufacturing using a combination of solid and fluid materials, e.g. a powder selectively bound by a liquid binder, catalyst, inhibitor or energy absorber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C64/00Additive manufacturing, i.e. manufacturing of three-dimensional [3D] objects by additive deposition, additive agglomeration or additive layering, e.g. by 3D printing, stereolithography or selective laser sintering
    • B29C64/20Apparatus for additive manufacturing; Details thereof or accessories therefor
    • B29C64/205Means for applying layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C64/00Additive manufacturing, i.e. manufacturing of three-dimensional [3D] objects by additive deposition, additive agglomeration or additive layering, e.g. by 3D printing, stereolithography or selective laser sintering
    • B29C64/20Apparatus for additive manufacturing; Details thereof or accessories therefor
    • B29C64/264Arrangements for irradiation
    • B29C64/291Arrangements for irradiation for operating globally, e.g. together with selectively applied activators or inhibitors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B33ADDITIVE MANUFACTURING TECHNOLOGY
    • B33YADDITIVE MANUFACTURING, i.e. MANUFACTURING OF THREE-DIMENSIONAL [3-D] OBJECTS BY ADDITIVE DEPOSITION, ADDITIVE AGGLOMERATION OR ADDITIVE LAYERING, e.g. BY 3-D PRINTING, STEREOLITHOGRAPHY OR SELECTIVE LASER SINTERING
    • B33Y30/00Apparatus for additive manufacturing; Details thereof or accessories therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B33ADDITIVE MANUFACTURING TECHNOLOGY
    • B33YADDITIVE MANUFACTURING, i.e. MANUFACTURING OF THREE-DIMENSIONAL [3-D] OBJECTS BY ADDITIVE DEPOSITION, ADDITIVE AGGLOMERATION OR ADDITIVE LAYERING, e.g. BY 3-D PRINTING, STEREOLITHOGRAPHY OR SELECTIVE LASER SINTERING
    • B33Y70/00Materials specially adapted for additive manufacturing

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)

Abstract

【課題】樹脂粒子を加熱して造形する立体造形物の変形を抑制して、立体造形物の造形精度を向上できる立体造形物の製造装置の提供。【解決手段】樹脂粒子を含む粒子層を形成する層形成手段と、前記粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する吐出手段と、前記モデル領域が形成された前記粒子層を、前記エネルギーを付与して加熱することにより、前記モデル領域における前記樹脂粒子同士を融着させる加熱手段と、を有し、前記吐出手段が、前記モデル領域における互いに隣接する部分に、前記エネルギーの吸収量が異なるように前記モデル材を吐出する立体造形物の製造装置。【選択図】図23

Description

本発明は、立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法に関する。
強度の高い立体造形物を造形できることなどから、樹脂粒子を含む粒子層(粉末層)を固化させて造形した造形層(層状造形物)の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する装置に対する関心が高まっている。粒子層が固化した造形層の積層を繰り返すことで立体造形物を造形する装置としては、例えば、HSS(High Speed Sintering)方式の装置、SLS(Selective Laser Sintering)方式の装置、BJ(Binder Jetting)方式の装置などが知られている。
これらの中でも、HSS方式の装置は、装置自体のコスト(価格)を抑えることができることに加え、短時間で立体造形物を造形可能であるため、特に注目を集めている。
HSS方式の装置においては、例えば、インクジェットヘッドを用いてカーボンブラックなどを含む光吸収インクを粒子層の所定の位置に吐出した後、ハロゲンランプなどの光源により粒子層を加熱することで、粒子層の所定の位置を固化して造形層を造形する。そして、HSS方式の装置では、造形層の造形を繰り返して造形層を積層することにより、立体造形物を造形する。
HSS方式の装置に関しては、不要な熱伝播を防ぐために、固化させるべき部分の周囲等における吸収剤(合体剤)濃度制御を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、造形物の強度、密度、色、熱特性などの目標特性を向上させるために、結合剤とキャリアの混合物を、所定の結合剤濃度とコントーン密度で造形領域に塗布する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、樹脂粒子を加熱して造形する立体造形物の変形を抑制して、立体造形物の造形精度を向上できる立体造形物の製造装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段としての本発明の立体造形物の製造装置は、
樹脂粒子を含む粒子層を形成する層形成手段と、
粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する吐出手段と、
モデル領域が形成された粒子層を、エネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させる加熱手段と、
を有し、
吐出手段が、モデル領域における互いに隣接する部分に、エネルギーの吸収量が異なるようにモデル材を吐出する。
本発明によれば、樹脂粒子を加熱して造形する立体造形物の変形を抑制して、立体造形物の造形精度を向上できる立体造形物の製造装置を提供することができる。
図1Aは、第k層目にモデル材の液滴を吐出した際のモデル材の浸透挙動の様子の一例を断面から模式的に示した図である。 図1Bは、液滴を吐出する際の液滴の間隔の一例について説明するための模式図である。 図2は、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態における概略平面図である。 図3は、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態における概略側面図である。 図4は、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態における造形部を示す概略側面図である。 図5は、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態における制御部の構成の一例を示すブロック図である。 図6Aは、立体造形物の造形の流れの一例を示す模式図である。 図6Bは、立体造形物の造形の流れの一例を示す模式図である。 図6Cは、立体造形物の造形の流れの一例を示す模式図である。 図6Dは、立体造形物の造形の流れの一例を示す模式図である。 図6Eは、立体造形物の造形の流れの一例を示す模式図である。 図6Fは、立体造形物の造形の流れの一例を示す模式図である。 図7Aは、従来技術におけるモデル部の形成過程の一例を示す説明図である。 図7Bは、従来技術におけるモデル部の形成過程の一例を示す説明図である。 図7Cは、従来技術におけるモデル部の形成過程の一例を示す説明図である。 図7Dは、従来技術におけるモデル部の形成過程の一例を示す説明図である。 図8Aは、従来技術におけるモデル材のエネルギー吸収剤の濃度分布の一例を示す説明図である。 図8Bは、図8Aに示す濃度分布の場合における、粒子層を加熱した後に冷却する際の温度分布の一例を示す説明図である。 図9Aは、第一の実施形態におけるモデル材のエネルギー吸収剤の濃度分布の一例を示す説明図である。 図9Bは、図9Aに示す濃度分布の場合における、粒子層を加熱した後に冷却する際の温度分布の一例を示す説明図である。 図10Aは、第一の実施形態において、1つの粒子層におけるモデル領域に所望のエネルギー吸収剤の濃度分布を形成する際の過程の一例を示す説明図である。 図10Bは、第一の実施形態において、1つの粒子層におけるモデル領域に所望のエネルギー吸収剤の濃度分布を形成する際の過程の一例を示す説明図である。 図10Cは、第一の実施形態において、1つの粒子層におけるモデル領域に所望のエネルギー吸収剤の濃度分布を形成する際の過程の一例を示す説明図である。 図10Dは、第一の実施形態において、1つの粒子層におけるモデル領域に所望のエネルギー吸収剤の濃度分布を形成する際の過程の一例を示す説明図である。 図11Aは、第一の実施形態において、層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成する場合の流れの一例を示す説明図である。 図11Bは、第一の実施形態において、層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成する場合の流れの一例を示す説明図である。 図11Cは、第一の実施形態において、層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成する場合の流れの一例を示す説明図である。 図11Dは、第一の実施形態において、層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成する場合の流れの一例を示す説明図である。 図11Eは、第一の実施形態において、層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成する場合の流れの一例を示す説明図である。 図12は、第一の実施形態において、層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成する場合における、一層分のモデル部を作成する際の流れの一例を示すフローチャートである。 図13は、第一の実施形態において、第一の実施形態におけるモデル材のエネルギー吸収剤の濃度分布の他の一例を示す説明図である。 図14は、第一の実施形態において、第一の実施形態におけるモデル材のエネルギー吸収剤の濃度分布の他の一例を示す説明図である。 図15は、従来技術において、第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、凹み(ヒケ)が発生する様子の一例を示す説明図である。 図16は、第二の実施形態における、第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際のモデル材の分布の一例を示す説明図である。 図17は、従来技術におけるモデル材の吐出量を減らす際のモデル材の浸透する様子の一例を示す説明図である。 図18は、第二の実施形態におけるモデル材の吐出量を減らす際のモデル材の浸透する様子の一例を示す説明図である。 図19は、第二の実施形態において、4つの粒子層を形成する際におけるモデル材の分布の一例を示す説明図である。 図20は、従来技術において、第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、モデル部の垂れ下がり(上面つぶれ)が発生する様子の一例を示す説明図である。 図21は、第三の実施形態における、第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際のモデル材の分布の一例を示す説明図である。 図22は、第三の実施形態において、異なる組成のモデル材を用いる場合における、第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際のモデル材の分布の一例を示す説明図である。 図23は、第三の実施形態において、同一の組成のモデル材を用いる場合における、第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際のモデル材の分布の一例を示す説明図である。 図24Aは、第四の実施形態に対する従来技術における、モデル材の浸透する様子の一例を示す説明図である。 図24Bは、第四の実施形態に対する従来技術における、モデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。 図24Cは、第四の実施形態に対する従来技術における、モデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。 図24Dは、第四の実施形態に対する従来技術における、モデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。 図25Aは、第四の実施形態におけるモデル材の浸透する様子の一例を示す説明図である。 図25Bは、第四の実施形態におけるモデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。 図25Cは、第四の実施形態におけるモデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。 図25Dは、第四の実施形態におけるモデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。
(立体造形物の製造装置、立体造形物の製造方法)
本発明の立体造形物の製造装置は、樹脂粒子を含む粒子層を形成する層形成手段と、粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する吐出手段と、モデル領域が形成された粒子層を、エネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させる加熱手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の立体造形物の製造方法は、樹脂粒子を含む粒子層を形成する層形成工程と、粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する吐出工程と、モデル領域が形成された粒子層を、エネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させる加熱工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造方法は、本発明の立体造形物の製造装置により好適に行うことができ、層形成工程は層形成手段により好適に行うことができ、吐出工程は吐出手段により好適に行うことができ、加熱工程は加熱手段により好適に行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
つまり、本発明の立体造形物の製造装置は、本発明の立体造形物の製造方法を実施することと同義である。そのため、本発明の立体造形物の製造装置に関する説明を通じて、本発明の立体造形物の製造方法の詳細についても明らかにする。
また、本発明の立体造形物の製造装置は、従来技術の立体造形物の造形装置では、樹脂粒子を加熱して立体造形物を造形する際に、立体造形物が変形してしまうことにより、立体造形物の造形精度が低下する場合があるという知見に基づくものである。
従来技術においては、造形を行う際における粒子層の温度ムラ、特に粒子層における立体造形物の一部となるモデル部(モデル領域)の温度ムラが問題となることがあった。具体的には、従来技術の立体造形物の造形装置においては、例えば、モデル部を含む粒子層(造形層)を徐冷する際における造形層内の温度のムラにより、立体造形物に反りなどの変形が生じる場合があった。また、従来技術の立体造形物の造形装置においては、加熱手段により加熱する粒子層の1つ下の粒子層(直前に形成した粒子層)の加熱状態を考慮せずに造形を行うため、モデル部に「凹み(ヒケ)」が発生してしまうことや、モデル部が重力方向に垂れ下がってしまう「上面つぶれ」が生じてしまうことがあった。
本発明においては、樹脂粒子を含む粒子層を形成する層形成手段と、粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する吐出手段と、モデル領域が形成された粒子層を、エネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させる加熱手段と、を有する。さらに、本発明における吐出手段は、モデル領域における互いに隣接する部分に、エネルギーの吸収量が異なるようにモデル材を吐出する。
こうすることにより、本発明の立体造形物の製造装置は、粒子層を徐冷する際における造形層(モデル領域)内の温度のムラや、加熱する粒子層の1つ下の粒子層の加熱状態を考慮して、モデル領域におけるエネルギーの吸収量を適切に制御することができる。より具体的には、本発明の立体造形物の製造装置は、例えば、形成するモデル領域に対する周囲の領域からの熱の伝播の影響を考慮して、当該モデル領域における温度分布が略均一となるように、吐出するモデル材の量及び種類の少なくともいずれかを制御する。これにより、モデル領域が加熱手段により加熱される際、及び粒子層が徐冷される際の少なくともいずれかにおける、モデル領域の温度分布を略均一にして造形に適した状態にすることができるため、立体造形物の変形を抑制して、立体造形物の造形精度を向上できる。
<層形成手段、層形成工程>
層形成手段は、樹脂粒子を含む粒子層を形成する手段である。
層形成工程は、樹脂粒子を含む粒子層を形成する工程である。
層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粒子を供給する機構と、供給された粒子を均しながら粒子層を形成する機構の組合せなどが挙げられる。層形成手段の詳細については、後述する。
<<樹脂粒子>>
樹脂粒子とは、樹脂成分を含む粒子を意味する。なお、以下では、樹脂粒子を「樹脂粉末」又は「樹脂粉体」と称することがある。樹脂粒子は、樹脂成分の他に、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
樹脂成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂とは、熱を加えると可塑化し、溶融する樹脂を意味する。
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性樹脂、非結晶性樹脂、液晶樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、結晶性樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、融解開始温度と、冷却時の再結晶温度の差が大きな樹脂が好ましい。
なお、結晶性樹脂とは、ISO3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)に準拠した測定において、融点ピークが検出される樹脂である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール(POM:Polyoxymethylene)、ポリイミド、フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド410(PA410)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、及びポリアミド12(PA12);並びにポリアミド4T(PA4T)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、及びポリアミド10T(PA10T)などの半芳香族性のポリアミドが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブタジエンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する点で、テレフタル酸やイソフタル酸を一部に含む芳香族を有するものが好ましい。
ポリエーテルとしては、例えば、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルフォンなどが挙げられる。
ポリアリールケトンとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、PA9Tのように2つの融点ピークを有するものでもよい。2つの融点ピークを有する熱可塑性樹脂は、高温側の融点ピーク以上の温度になると完全に溶融する。
また、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリテトラフルオロエチレンなどは、「スーパーエンジニアリングプラスチック」と称されている。
樹脂粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円柱体、多角柱体、球体などの形状が挙げられる。これらの中でも、円柱体が好ましい。
円柱体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、真円柱体、楕円柱体などが挙げられる。これらの中でも、真円柱体が好ましい。
なお、円柱体には、略円柱体が含まれる。ここで、略円柱体とは、短径に対する長径の比(長径/短径)が、1以上10以下である略円を底面とする柱体のことを意味する。また、円柱体の円形部分は、一部が欠けていてもよい。
多角柱体としては、円柱体と同様に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、多角柱体における多角形部分の一部が欠けていてもよい。
球体としては、円柱体と同様に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、球体の一部が欠けていてもよい。
円柱体の円形部分の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上200μm以下が好ましい。なお、円柱体の円形部分が楕円形である場合、直径とは長径を意味する。
多角柱体の多角形部分の一辺の長さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多角形部分を全て含むような最小の円(最小包含円)の直径が5μm以上200μm以下であることが好ましい。
球体の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm以上200μm以下であることが好ましい。
円柱体の高さ、即ち対向する2つの円形部分の距離(上面−底面間の距離)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上200μm以下が好ましい。
多角柱体の高さ、即ち対向する2つの多角形部分の距離(上面−底面間の距離)としては、円柱体の高さと同様に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上200μm以下が好ましい。
円柱体における、対向する2つの円形部分(上面及び底面)の面積は、互いに異なっていてもよい。ただし、面積が小さいほうの円形部分の直径r1に対する面積が大きいほうの円形部分の直径r2の比(r2/r1)としては、2つの円形部分の面積に差がないほうが嵩密度を高めることができる点で、1.5以下が好ましく、1.1以下がより好ましい。
多角柱体における、対向する2つの多角形部分(上面及び底面)の面積は、互いに異なっていてもよい。ただし、多角形部分の小さいほうの面積(S1)に対する多角形部分の大きいほうの面積(S2)の比(S2/S1)としては、2つの多角形部分の面積に差がないほうが嵩密度を高めることができる点で、1に近いことが好ましい。
例えば、HSS方式の立体造形物の製造装置を用いて立体造形物を造形する際には、樹脂粒子の嵩密度を高めることにより、造形物や成形物の精度を向上させることができる。
円柱体や多角柱体などの柱体の樹脂粒子においては、嵩密度を高めるため、頂点を持たないことが好ましい。なお、頂点とは、柱体の中に存在する角の部分をいう。
<<粒子層>>
粒子層とは、樹脂粒子を含む層を意味する。なお、以下では、粒子層を「粉末層」又は「粉体層」と称することがある。
粒子層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
層形成手段が粒子層を形成する際には、樹脂粒子の温度が所望の予熱温度になるように、樹脂粒子をあらかじめ加熱しておくことが好ましい。すなわち、本発明の立体造形物の製造方法においては、樹脂粒子の温度が所望の予熱温度になるように、樹脂粒子をあらかじめ加熱する予熱工程を更に含むことが好ましい。こうすることにより、加熱手段が粒子層に付与するエネルギーが小さい場合であっても、樹脂粒子同士を融着可能な温度になるように、粒子層を加熱することができる。
予熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂粒子の再結晶化温度と溶融温度の間の温度であることが好ましい。予熱温度が、樹脂粒子の再結晶化温度と溶融温度の間の温度であることにより、粒子層を形成する際の樹脂粒子の流動性を保ちつつ、造形した立体造形物における反りなどの変形を抑制することができる。
予熱工程を行う予熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のヒータ、加熱ランプ、加熱ローラなどを用いることが可能である。
<吐出手段、吐出工程>
吐出手段は、粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する手段である。加えて、吐出手段は、モデル領域における互いに隣接する部分に、エネルギーの吸収量が異なるようにモデル材を吐出する。
吐出工程は、粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する工程である。加えて、吐出工程においては、モデル領域における互いに隣接する部分に、エネルギーの吸収量が異なるようにモデル材を吐出する。
吐出手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェット方式の吐出ヘッドなどが挙げられる。
また、立体造形物の製造装置が有する吐出手段の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。そのため、同一の吐出手段から異なるモデル材を吐出してもよく、一のモデル材を吐出する吐出手段と、他のモデル材を吐出する吐出手段とを別に設けてもよい。
<<モデル領域>>
モデル領域は、吐出手段がエネルギーを吸収可能なモデル材を粒子層に吐出して形成した領域である。モデル領域は、製造(造形)する立体造形物を3次元モデルで表した3次元データに基づいて形成することができ、例えば、3次元データを所定の間隔で輪切り(スライス)した形状となるようにしてもよい。
形成されたモデル領域は、加熱手段によりエネルギーを付与されて加熱されることによって、モデル領域における樹脂粒子同士が融着して、立体造形物の一部であるモデル部となる。言い換えると、形成されたモデル領域は、吐出されたモデル材により、効率的にエネルギーを吸収可能であるため、加熱手段によりエネルギーが付与される際に、樹脂粒子の融点以上の温度となり、樹脂粒子同士が融着して固化する。
ここで、樹脂粒子同士を融着するとは、樹脂粒子を融点以上の温度となるように加熱することにより、樹脂粒子の融点より低い温度となった際に、樹脂粒子同士が一体となって固化することを意味する。そのため、樹脂粒子同士が融着している領域においては、樹脂粒子同士の境界(粒界)の少なくとも一部がなくなる。
<<<モデル材>>>
モデル材としては、エネルギーを吸収可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック等の黒色顔料を含むインク、色素を含むインク、金属微粒子を含むインクなどが挙げられる。
これらの中でも、モデル材としては、加熱手段が光照射手段である場合には、光照射手段が照射した光を吸収することにより発熱可能なものが好ましく、例えば、上記のカーボンブラック等の黒色顔料を含むインク(黒色インク)が好ましい。モデル材が黒色インクであることにより、加熱手段が光照射手段である場合に、光照射手段が照射した光を効率的に吸収して発熱することができ、モデル領域における樹脂粒子同士の融着を容易に行うことができる。
本発明において、モデル材としては、複数の種類のモデル材を用いてもよい。具体的には、例えば、エネルギーの吸収量が異なるモデル材、表面張力が異なるモデル材などを用いることができる。また、同一の組成のモデル材の温度を異なるようにしてもよい。
エネルギーの吸収量が異なるモデル材としては、例えば、モデル材に含まれるエネルギー吸収剤の濃度が異なるもの、エネルギー吸収剤の種類が異なるものなどが挙げられ、モデル材が黒色顔料を含むインクである場合には、黒色顔料の濃度が異なるものを用いることができる。
エネルギーの吸収量が異なる2種のモデル材を用いる場合、これらのモデル材のエネルギーの吸収量の差としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがきるが、一のモデル材におけるエネルギーの吸収量をXとしたとき、他のモデル材におけるエネルギーの吸収量が0.8X以下であることが好ましい。
こうすることにより、モデル領域におけるエネルギーの吸収量を、造形の条件に合わせてより好ましい量に調整することができ、立体造形物の変形をより抑制することができる。
また、第二モデル材におけるエネルギーの透過率が、第一モデル材におけるエネルギーの透過率をY(%)としたとき、Y/0.8(%)以上であることが好ましい。
また、吐出手段がモデル材を吐出する際には、エネルギーの吸収量が同じモデル材の吐出回数及び吐出量を制御することにより、モデル領域におけるエネルギーの吸収量を制御することも好ましい。より具体的には、モデル領域において、エネルギーの吸収量を小さくしたい箇所に対しては、その箇所に吐出するモデル材の総量を他の場所よりも少なくとするとともに、モデル材を複数回に分けてその箇所に吐出することが好ましい。
ここで、モデル材を粒子層の同一箇所に複数回に分けて吐出することについて説明する。
図1Aは、第k層目にモデル材の液滴を吐出(塗布)した際のモデル材の浸透挙動の様子の一例を断面から模式的に示した図である。図1Aでは、粒子層31にモデル材10を滴下して、モデル材10が浸透していく様子を示す。
図1Aに示されるように、第k層目の樹脂粒子20にモデル材10を所定の解像度で吐出する。すると、モデル材10は樹脂粒子20を液架橋力により凝集させながら、XY方向及びZ方向に浸透する。
続いて、図1Bで示すように、粒子層31の厚みをhとし、隣接するモデル材10における粒子層31に着弾する中心間距離(隣接するドット間の距離)をLとしたとき、h<Lとなるように吐出することが好ましい。
吐出されたモデル材10が第k層目をXY方向及びZ方向に浸透していくが、h<Lとすることにより、モデル材10は積層方向であるZ方向に十分浸透する。
立体造形物の積層間強度を確保するためには、粉体層厚みh間に液滴がしっかり浸透する必要がある。液滴をZ方向に厚みh分浸透させるためには、Z方向に浸透するまでに隣接する液滴と結合しないようにすることが好ましく、h<Lであることが好ましい。
なお、Lの上限としては、樹脂粒子とモデル材の組み合わせなどによって異なるため、一概にはいえないが、例えば、8h以下であることが好ましく、4h以下であることがより好ましい。
このように、同一箇所に複数回に分けてモデル材を吐出することにより、1滴で同量の液滴を吐出の場合に比べて、モデル材がZ方向により浸透しやすくなる。これは、XY方向に隣接するモデル材と結合してXY方向にモデル材が濡れ広がる前に、モデル材がZ方向に浸透するためと考えられる。つまり、同一箇所に複数回に分けてモデル材を吐出することにより、XY方向へのモデル材の濡れ広がりを抑制することができ、立体造形物の造形精度をより向上させることができる。
<加熱手段、加熱工程>
加熱手段は、モデル領域が形成された粒子層を、エネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させる手段である。
加熱工程は、モデル領域が形成された粒子層を、エネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させる工程である。
加熱手段としては、粒子層にエネルギーを付与して加熱可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光を照射する光照射手段、マイクロ波を照射するマイクロ波照射手段、電子線を照射する電子線照射手段などが挙げられる。
加熱手段は、粒子層におけるモデル領域にエネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させ、立体造形物の一部となるモデル部を形成する。
加熱手段としては、上記に挙げたものの中でも、光照射手段であることが好ましい。加熱手段が光照射手段であり、モデル材が光を吸収することにより発熱可能なものであると、効率よく短時間で立体造形物を造形することができるため、立体造形物の製造装置の生産性を向上させることができる。
光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲンランプ、レーザー照射手段、LED照射手段、キセノンランプなどが挙げられる。
ここで、光照射手段として用いることができるハロゲンランプの具体例な製品としては、例えば、ウシオ電機株式社製ラインタイプハロゲン光源 3W/mm(色温度3,000K、エネルギー密度0.04W/mm)などが挙げられる。
ここで、立体造形物の製造装置が有する加熱手段の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の手段>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吐出手段における吐出不良の発生を抑制するメンテナンス手段、立体造形物の製造装置の制御を行う制御手段などが挙げられる。
本発明の立体造形物の製造装置は、少なくとも、層形成手段、吐出手段、及び加熱手段を繰り返して動作させることにより、立体造形物を製造(造形)することができる。同様に、本発明の立体造形物の製造方法は、少なくとも、層形成工程、吐出工程、及び加熱工程を繰り返して行うことにより、立体造形物を製造(造形)することができる。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明は、これらの実施形態に何ら限定されるものではない。
なお、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
<第一の実施形態>
図2は、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態における概略平面図である。図3は、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態における概略側面図である。図4は、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態における造形部を示す概略側面図である。
図2から4に示す、本発明の立体造形物の製造装置の一実施形態(以下では、単に「立体造形装置」と称することがある)は、樹脂粒子が融着して形成された層状造形物である造形層(モデル部)30が形成される造形部1と、造形部1の層状に敷き詰められた粒子層31に、モデル材を吐出する吐出手段としての吐出ユニット5と、粒子層31に光81を照射する加熱手段としての光照射ユニット80を備えている。
造形部1は、粒子槽11と、層形成手段の一例(平坦化部材、リコータ)である回転体としての平坦化ローラ12などを備えている。なお、平坦化部材は、回転体に代えて、例えば板状部材(ブレード)とすることもできる。
粒子槽11は、樹脂粒子20を供給する供給槽21と、造形層30が積層されて立体造形物が造形される造形槽22とを有している。造形前に供給槽21に樹脂粒子20を供給する。供給槽21の底部は供給ステージ23として鉛直方向(高さ方向)に昇降可能となっている。同様に、造形槽22の底部は造形ステージ24として鉛直方向(高さ方向)に昇降可能となっている。造形ステージ24上に造形層30が積層された立体造形物が造形される。
供給ステージ23と造形ステージ24は、モータによって矢印Z方向(高さ方向)に昇降される。
平坦化ローラ12は、供給槽21の供給ステージ23上に供給された粒子20を造形槽22に供給し、平坦化部材である平坦化ローラ12によって均して平坦化して、粒子層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形ステージ24のステージ面(樹脂粒子20が積載される面)に沿って矢印Y方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置され、往復移動機構によって移動される。また、平坦化ローラ12は、モータ26によって回転駆動される。
吐出ユニット5は、造形ステージ24上の粒子層31に造形液(モデル材)10を吐出する液体吐出ユニット50を備えている。
液体吐出ユニット50は、キャリッジ51と、キャリッジ51に搭載された2つ(1又は3つ以上でもよい。)の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)52a、52bを備えている。
キャリッジ51は、ガイド部材54及び55に移動可能に保持されている。ガイド部材54及び55は、両側の側板70、70に昇降可能に保持されている。
このキャリッジ51は、後述するX方向走査モータ550によってプーリ及びベルトから構成される主走査移動機構を介して主走査方向である矢印X方向(以下、単に「X方向」という。他のY、Zについても同様とする。)に往復移動される。
2つのヘッド52a、52b(以下、区別しないときは「ヘッド52」と称する。)は、液体を吐出する複数のノズルを配列したノズル列が、それぞれ複数列配置されている。ヘッド52のノズル列は、造形液10を吐出する。例えば、ヘッド52aが第一モデル材を、ヘッド52bが第二モデル材を吐出するようにしてもよい。また、ヘッド52は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど色がついた造形液をそれぞれ吐出することもできる。なお、ヘッド52としては、これに限るものではない。
これらの造形液の各々を収容した複数のタンク60が、タンク装着部56に装着され、供給チューブなどを介して造形液10がヘッド52a、52bに供給される。
また、X方向の一方側には、液体吐出ユニット50のヘッド52の維持回復を行うメンテナンス機構61が配置されている。
メンテナンス機構61は、キャップ62とワイパ63を有する。メンテナンス機構61は、キャップ62をヘッド52のノズル面(ノズルが形成された面)に密着させ、ノズルから造形液10を吸引することにより、ノズルに詰まった粒子の排出や高粘度化した造形液を排出させる。また、ノズルのメニスカス形成(ノズル内は負圧状態である)のため、ノズル面をワイパ63でワイピング(払拭)する。メンテナンス機構61は、造形液10の吐出が行われない場合に、ヘッドのノズル面をキャップ62で覆い、樹脂粒子20がノズルに混入することや造形液10が乾燥することを防止する。
吐出ユニット5は、ベース部材7上に配置されたガイド部材71に移動可能に保持されたスライダ部72を有し、吐出ユニット5全体がX方向と直交するY方向(副走査方向)に往復移動可能である。この吐出ユニット5は、後述するモータ552を含む走査機構によって全体がY方向に往復移動される。
液体吐出ユニット50は、ガイド部材54、55とともに矢印Z方向に昇降可能に配置され、後述するモータ551を含む昇降機構によってZ方向に昇降される。
光照射ユニット80は、ヘッド52から造形液10が吐出された領域上に、光81を照射しながら走査する。光照射ユニット80をキャリッジ51内に備えることで、ヘッド52と駆動を共有することも可能だが、個別に駆動源を用意することで、光照射ユニット単体でのX方向間の駆動を行うことも可能である。
また、光照射ユニット80は、ヘッド52の左右にそれぞれ配置してもよいし、どちらか片方に配置してもよい。
ここで、造形部1の詳細について説明する。
粒子槽11は、箱型形状であり、上面が開放された槽である、供給槽21、造形槽22、及び余剰粒子受け槽25を備えている。供給槽21内部には供給ステージ23が、造形槽22内部には造形ステージ24がそれぞれ昇降可能に配置される。
供給ステージ23の側面は、供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面は造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
平坦化ローラ12は、供給槽21から樹脂粒子20を造形槽22へと移送供給して、表面を均すことで平坦化して所定の厚みの層状の粒子である粒子層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の内寸(即ち、樹脂粒子20が供される部分又は仕込まれている部分の幅)よりも長い棒状部材であり、往復移動機構によってステージ面に沿ってY方向(副走査方向)に往復移動される。
この平坦化ローラ12は、モータ26によって回転されながら、供給槽21の外側から供給槽21及び造形槽22の上方を通過するようにして水平移動する。これにより、樹脂粒子20が造形槽22上へと移送供給され、平坦化ローラ12が造形槽22上を通過しながら粒子20を平坦化することで粒子層31が形成される。
また、図4にも示すように、平坦化ローラ12の周面に接触して、平坦化ローラ12に付着した樹脂粒子20を除去するための粒子除去部材である粒子除去板13が配置されている。
粒子除去板13は、平坦化ローラ12の周面に接触した状態で、平坦化ローラ12とともに移動する。また、粒子除去板13は、平坦化ローラ12が平坦化を行うときの回転方向に回転するときにカウンタ方向でも、順方向での配置可能である。
本実施形態では、造形部1の粒子槽11が、供給槽21と、造形槽22と、余剰粉体受け槽25の3つの槽を有しているが、供給層21を設けずに、造形槽22に粒子供給装置から粒子を供給して、平坦化手段で平坦化する形態であってもよい。
次に、立体造形物の製造装置601の制御部の概要について、図5を参照して説明する。
制御手段としての制御部500は、この立体造形装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係わる制御を含む立体造形動作の制御を実行させるためのプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物を各造形層にスライスした造形データを作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置により実現可能である。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50の各ヘッド52を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をX方向(主走査方向)に移動させるX方向走査機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、吐出ユニット5をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部512を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をZ方向に移動(昇降)させるZ方向昇降機構551を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備えている。なお、矢印Z方向への昇降は吐出ユニット5全体を昇降させる構成とすることもできる。
制御部500は、供給ステージ23を昇降させるモータ27を駆動するモータ駆動部513と、造形ステージ24を昇降させるモータ28を駆動するモータ駆動部514を備えている。
制御部500は、平坦化ローラ12を移動させる往復移動機構のモータ553を駆動するモータ駆動部515と、平坦化ローラ12を回転駆動するモータ26を駆動する516を備えている。
制御部500は、供給槽21に粒子(樹脂粒子)20を供給する粒子供給装置101を駆動する供給系駆動部517と、液体吐出ユニット50のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備えている。
制御部500のI/O507には、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
次に、立体造形物の製造(造形)の流れについて、図6Aから6Fを参照して説明する。図6Aから6Fは、立体造形物の造形の流れの一例を示す模式図である。
造形槽22の造形ステージ24上に、1層目の造形層30が形成されている状態から説明する。
造形層30上に次の造形層30を形成するときには、図6Aに示すように、供給槽21の供給ステージ23をZ1方向に上昇させ、造形槽22の造形ステージ24をZ2方向に下降させる。
このとき、造形槽22の上面(粒子層表面)と平坦化ローラ12の下部(下方接線部)との間隔がΔtとなるように造形ステージ24の下降距離を設定する。この間隔Δtが次に形成する粒子層31の厚さに相当する。間隔Δtは、数十〜100μm程度であることが好ましい。
次いで、図6Bに示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粒子(樹脂粒子)20を、平坦化ローラ12を順方向(矢印方向)に回転しながらY2方向(造形槽22側)に移動することで、粒子20を造形槽22へと移送供給する(粒子供給)。
さらに、図6Cに示すように、平坦化ローラ12を造形槽22の造形ステージ24のステージ面と平行に移動させ、図6Dに示すように、造形ステージ24の造形層30上で所定の厚さΔtになる粒子層31を形成する(平坦化)。粒子層31を形成後、平坦化ローラ12は、図6Dに示すように、Y1方向に移動されて初期位置に戻される。
ここで、平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の上面レベルとの距離を一定に保って移動できるようになっている。一定に保って移動できることで、平坦化ローラ12で粒子20を造形槽22の上へと搬送させつつ、造形槽22上又は既に形成された造形層30の上に均一厚さΔtの粒子層31を形成できる。
その後、図6Eに示すように、液体吐出ユニット50のヘッド52から造形液10の液滴を、造形槽22の所望の位置に吐出して、モデル領域を形成する。そして、図6Fに示すように、光照射ユニット80が、光81を照射しながら造形槽22上を走査することにより、粒子層30を加熱し樹脂粒子同士を融着させ、モデル部(造形層30)を形成する。
次いで、上述した樹脂粒子の供給・平坦化よる粒子層31を形成する工程、ヘッド52による造形液吐出工程、光照射ユニット80による加熱工程を繰り返して新たな造形層30を形成する。このとき、新たな造形層30とその下層の造形層30とは一体化して三次元形状造形物の一部となる。
以後、樹脂粒子の供給・平坦化よる粒子層31を形成する工程、ヘッド52による造形液吐出工程、光照射ユニット80による加熱を必要な回数繰り返すことによって、三次元形状造形物(立体造形物)を製造する。
ここで、本実施形態における効果を説明するため、まず従来技術の問題点について説明する。図7Aから7Dは、従来技術におけるモデル部の形成過程の一例を示す説明図である。
図7Aに示す粒子層31における破線で囲まれた領域に対して、図7Bに示すように、モデル材10を吐出して、モデル領域101を形成する。次に、図7Cに示すように、光81が照射され、モデル領域101における樹脂粒子20が融解して融着し、モデル部30が形成される。
その後、モデル部30が徐冷されて固化する際に、モデル部30の上側と下側で温度差を持つことがあり、この例においては、モデル部30の上側は低温、下側は高温となる。これは、モデル部30の上側は外気に面しているため冷めやすいのに対して、モデル部30の下側は別の1つ下の粒子層に接しているため保温されて冷めにくいからであると考えられる。そのため、加熱溶融後の冷却固化において、モデル部30(領域)の上側と下側で体積収縮に差が生じ、結果として、固化部分であるモデル部30が変形して上下方向の反りが発生する。図7Dの例では、モデル部30の温度差に対応して、下方向に凸の反りが生じている。
このモデル部30の反りは、それぞれの粒子層31ごとに生じ得るため、モデル部30が形成された粒子層31の積層を繰り返して製造した立体造形物にも引き継がれてしまい、造形精度を低下させてしまう場合がある。
図8Aは、従来技術におけるモデル材のエネルギー吸収剤の濃度分布の一例を示す説明図である。図8Bは、図8Aに示す濃度分布の場合における、粒子層を加熱した後に冷却する際の温度分布の一例を示す説明図である。
図8Aに示すように、従来技術においては、モデル領域101におけるモデル材のエネルギー吸収剤の濃度分布は均一になっている。そのため、図8Bに示すように、粒子層31を加熱した後に冷却する際には、モデル部30の上側30aは低温、下側30bは高温となり、反りが生じやすい状態となってしまう。
ここで、図9Aは、第一の実施形態におけるモデル材のエネルギー吸収剤の濃度分布の一例を示す説明図である。図9Bは、図9Aに示す濃度分布の場合における、粒子層を加熱した後に冷却する際の温度分布の一例を示す説明図である。
図9Aに示すように、第一の実施形態においては、モデル領域101におけるモデル材のエネルギー吸収剤の濃度分布が、モデル領域101の上側101aと下側101bとで異なっている。より具体的には、モデル領域101の上側101aのエネルギー吸収剤の濃度が高く、モデル領域101の下側101bのエネルギー吸収剤の濃度が低くなっている。こうすることで、図9Bに示すように粒子層31を加熱した後に冷却する際に、モデル部30の温度ムラが抑制され、略均一な温度分布のモデル部30cとなり体積収縮差が小さくなる又はなくなるため、モデル部30の反りを抑制することができる。特に、冷却時におけるモデル部30の体積収縮差がなくなるようにモデル材10を吐出してモデル領域101を形成することで、モデル部30の反りをより抑制することができる。
言い換えると、第一の実施形態においては、吐出手段が、加熱手段がエネルギーを付与する前に、層形成手段が形成した、第一粒子層に第一モデル材を吐出して第一モデル領域を形成する。さらに、第一の実施形態においては、吐出手段が、第一モデル領域の略直上に位置する第二粒子層に、第一モデル材におけるエネルギーの吸収量よりも小さいエネルギーの吸収量の第二モデル材を吐出して第二モデル領域を形成する。こうすることにより、粒子層を加熱した後に冷却する際に、モデル領域(部)の温度ムラが抑制され、第一モデル領域と第二モデル領域との体積収縮差が小さくなるため、モデル部の反りを抑制することができる。なお、「略直上」とは、粒子層の積層方向において、領域同士の少なくとも一部が互いに接するような位置関係を意味する。
ここで、第一モデル材と第二モデル材とは、同一の組成のものであってもよいし、異なる組成(種類)のものであってもよいが、異なる組成のものであることが好ましい。より具体的には、第一モデル材と第二モデル材とで、エネルギーの吸収量及び表面張力が異なるモデル材を用いることが好ましい。この場合、第二モデル材は、第一モデル材と比べて、エネルギーの吸収量及び表面張力が高いモデル材を用いることが好ましい。こうすることにより、モデル領域の上側(第二モデル領域)のエネルギー吸収剤の濃度を高くすることができ、放熱しやすい上側のエネルギーの吸収量を高めることで、冷却する際に、モデル領域(部)の温度ムラを抑制できる。また、表面張力が高いことによりモデル領域の下面まで第二モデル材が浸透しにくいため、第二モデル材がモデル領域の上側に位置しやすくできる。また、この場合、第一モデル材は、第二モデル材よりも表面張力が低く浸透しやすいため、モデル領域の下側(第一モデル領域)まで到達しやすい。
この場合における具体的なモデル領域の形成過程について説明する。
図10Aから10Dは、第一の実施形態において、1つの粒子層におけるモデル領域に所望のエネルギー吸収剤の濃度分布を形成する際の過程の一例を示す説明図である。
まず、図10Aに示すように、粒子層31におけるモデル領域101となる領域に第一モデル材10bを吐出する。すると、図10Bに示すように、第一モデル材10bは表面張力が低く浸透性が高いため、モデル領域101となる部分の下側まで到達して、エネルギーの吸収量の低い第一モデル領域101bとなる。
次に、図10Cに示すように、粒子層31におけるモデル領域101となる領域に第二モデル材10aを吐出する。すると、図10Dに示すように、第二モデル材10aは表面張力が高く浸透性が低いため、モデル領域101となる部分の上側でとどまり、エネルギーの吸収量の高い第二モデル領域101aとなる。
このようにして形成したモデル領域101は、モデル領域101の上側101aのエネルギー吸収剤の濃度が高く、モデル領域101の下側101bのエネルギー吸収剤の濃度が低くなっている。このため、粒子層を加熱した後に冷却する際に、モデル領域(部)の温度ムラが抑制され、上側101aと下側101bとの体積収縮差が小さくなるため、モデル部の反りを抑制することができる。
上記の例においては、第二モデル材としては、第一モデル材と比べて、表面張力が高いモデル材を用いることで粒子層に対する浸透性を制御したが、例えば第二モデル材の温度を第一モデル材の温度より低くすることで、浸透性を制御してもよい。
また、第一の実施形態において、層形成手段は、第一粒子層と第二粒子層とを、一括して形成してもよいし、第一粒子層を形成した後に第二粒子層を形成してもよい。すなわち、第一粒子層と第二粒子層とが、1つの粒子層として形成されてもよいし、別の粒子層として形成されてもよい。これらの中でも、第一の実施形態においては、層形成手段が、第一粒子層を形成した後に第二粒子層を形成することが好ましい。この場合、第一の実施形態においては、層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成することが好ましい。
上記の層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成する形態について説明する。
図11Aから11Eは、第一の実施形態において、層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成する場合の流れの一例を示す説明図である。
まず、図11Aに示すように、第一粒子層311(サブ粒子層311)を形成し、図11Bに示すように、第一モデル材10bを吐出して第一モデル領域101bを形成する。次に、図11Cに示すように、第一粒子層311の上に第二粒子層312(サブ粒子層312)を形成し、図11Dに示すように、第二モデル材10aを吐出して第二モデル領域101aを形成する。その後、図11Eに示すように、光照射ユニット80により、第一粒子層311及び第二粒子層312に光81を照射して、第一モデル領域101b及び第二モデル領域101aにおける樹脂粒子を融着してモデル部30を形成する。このとき、図11Eの破線で囲まれた領域が、一度の光照射で形成されるモデル部30となっている。
このように、層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成することにより、第一モデル領域と第二モデル領域をより正確に制御できるので、立体造形物の反りをより抑制することができる。また、こうすることにより、モデル材の選定の自由度が広がるメリットもある。
図12は、第一の実施形態において、層形成手段が第一粒子層を形成し、吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、層形成手段が第二粒子層を形成する場合における、一層分のモデル部を作成する際の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは、図12に示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって説明する。なお、以下の処理は、本発明の立体造形物の製造装置601の制御部500を有するコンピュータを用いて実行することができる。
ステップS101では、制御部500は、層形成手段の一例である平坦化ローラ12により、サブ粒子層311を形成させると、処理をS102に移行する。
ステップS102では、制御部500は、吐出手段の一例であるヘッド52により、S101で形成したサブ粒子層311に吐出すべきモデル材10を吐出させて、モデル領域101を形成させると、処理をS103に移行する。
ステップS103では、制御部500は、加熱手段の一例である光照射ユニット80により光81が照射されていないサブ粒子層の数が所定数に達したと判定すると、処理をS104に移行する。また、制御部500は、光照射ユニット80により光81が照射されていないサブ粒子層の数が所定数に達してないと判定すると、処理をS101に戻す。なお、ここまでサブ粒子層の数としては2つを例にして説明したが、サブ粒子層の数としては2つに限定されるものではなく、適宜選択できる。
ステップS104では、制御部500は、光照射ユニット80により、粒子層31に光81を照射させて、粒子層31を加熱して粒子層31におけるモデル領域101の樹脂粒子20同士は融着させて、一層分のモデル部30を形成させると本処理を終了する。
図12に示した流れのようにして一層分のモデル部30を形成することを所定の回数繰り返すことにより、反りを抑制しつつ、立体造形物を造形することができる。
また、第一モデル領域又は第二モデル領域中において、エネルギーの吸収量が異なっていてもよく、例えば、図13に示すように、第二モデル領域101aにおける、第二モデル領域101d及び第二モデル領域101eのようすることができる。このようにすることで、より精密な温度差抑制制御が行え、より造形精度を高めることができる。
さらに、モデル部における反りは、モデル部の端部で顕著に生じる場合があるため、図14に示すように、モデル領域101の下側の端部となる領域が第一モデル領域101bとなるようにしてもよい。
ここで、第一の実施形態においては、第二モデル材におけるエネルギーの吸収量が、第一モデル材におけるエネルギーの吸収量をXとしたとき、0.8X以下であることが好ましい。具体的には、第二モデル材におけるエネルギーの透過率が、第一モデル材におけるエネルギーの透過率をY(%)としたとき、Y/0.8(%)以上であることが好ましい。こうすることにより、モデル領域におけるエネルギーの吸収量を、造形の条件に合わせてより好ましい量に調整することができ、立体造形物の変形をより抑制することができる。
<第二の実施形態>
第二の実施形態においては、装置の構成は第一の実施形態と同様であるため説明を省略する。
本実施形態における効果を説明するため、まず第二の実施形態における従来技術の問題点について説明する。
図15は、従来技術において、第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、凹み(ヒケ)が発生する様子の一例を示す説明図である。なお、図15においては、第一粒子層を(K−1)層とし、第二粒子層をK層として説明する。
まず、図15の左部に示すように、従来技術においては、(K−1)層に対してエネルギーを付与すると、モデル材が吐出されたモデル領域の温度は上昇するため、図15の中央部に示すように、層形成手段によりK層を形成する際においても、(K−1)層のモデル領域の温度は高い状態となる。このため、図15の右部に示すように、(K−1)層のモデル領域の少なくとも一部を含み、かつ(K−1)層のモデル領域外をも含むようにK層のモデル領域が設定された場合は、K層のモデル領域内で温度分布に差が発生する。そのため、K層のモデル領域内において、エネルギーを付与した後の樹脂粒子の溶融状態が場所によって異なる。特に、(K−1)層のモデル領域の略直上に位置する領域に関しては、もとの温度が高いため、樹脂粒子の溶融が進み、Z方向の凹み量が多くなるため、K層のモデル領域内で均一な平面を得ることができず、凹み(ヒケ)が発生し、立体造形物の精度低下に繋がるという問題があった。
ここで、図16は、第二の実施形態における、第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際のモデル材の分布の一例を示す説明図である。
第二の実施形態においては、図16の右部に示すように、(K−1)層におけるモデル領域101bの略直上に位置する、K層におけるモデル領域101aaを、(K−1)層におけるモデル領域101bを形成するために吐出した第一モデル材よりも、エネルギーの吸収量が小さくなるように第二モデル材を吐出して形成する。図16の例においては、(K−1)層のモデル領域101bに吐出するモデル材の量が100%である場合、K層のモデル領域101aにおける、(K−1)層のモデル領域101bの略直上に位置する部分101aaにはモデル材の量が80%となるように吐出する。また、K層のモデル領域101aにおける、(K−1)層のモデル領域101bと重ならない(略直上でない)部分101abに関しては、(K−1)層のモデル領域101bと同量(100%)のモデル材を吐出する。
言い換えると、第二の実施形態においては、層形成手段が第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、吐出手段が、第一粒子層における第一モデル領域の樹脂粒子同士が融着された第一モデル部の略直上に位置する第二モデル領域を、第一粒子層における第一モデル領域を形成するために吐出した第一モデル材よりも、エネルギーの吸収量が小さくなるように第二モデル材を吐出して形成する。
こうすることにより、第二の実施形態においては、K層のモデル領域にモデル材を吐出する際に、(K−1)層のモデル領域の略直上に位置する部分においてはモデル材の量を減らすことで、エネルギー吸収剤の濃度を下げ、エネルギーを付与する際の当該部分における樹脂粒子の温度上昇を抑えることができる。このため、K層のモデル領域における(K−1)層のモデル領域と重ならない(略直上でない)部分の温度を揃えることができるので、K層のモデル領域における温度を均一にすることができる。これにより、K層のモデル領域における樹脂粒子の溶融条件を均一にできるため、Z方向への凹み量をK層のモデル領域内で均一にすることができ、K層のモデル領域(部)におけるヒケを抑制することができる。
第二の実施形態においては、第一モデル材と第二モデル材は同一の組成のものであってもよいし、異なる組成のものであってもよいが、同一の組成のものを用いることが、装置の構成及び造形の工程を単純化することができるという観点から好ましい。同一の組成のモデル材を用いてエネルギーの吸収量が小さくする際には、例えば、エネルギーの吸収量が小さくしたい箇所に対する、モデル材の吐出量を減らすことにより行うことができる。
また、第二の実施形態においては、吐出するモデル材の量を減らす際には、複数回に分けてモデル材を吐出することが好ましい。すなわち、第二の実施形態においては、第一モデル材と第二モデル材とが、エネルギーの吸収量が同じモデル材であり、吐出手段が、第二粒子層における第二モデル領域となる領域の同一箇所に、第二モデル材を複数回に分けて吐出することが好ましい。こうすることにより、1滴で同量の液滴を吐出の場合に比べて、モデル材がZ方向により浸透しやすくなる。これは、XY方向に隣接するモデル材と結合してXY方向にモデル材が濡れ広がる前に、モデル材がZ方向に浸透するためと考えられる。つまり、同一箇所に複数回に分けてモデル材を吐出することにより、XY方向へのモデル材の濡れ広がりを抑制することができ、立体造形物の造形精度をより向上させることができる。
ここで、上記の効果について、図面を参照して詳細に説明する。
図17は、従来技術におけるモデル材の吐出量を減らす際のモデル材の浸透する様子の一例を示す説明図である。図17に示すように、エネルギー吸収剤の濃度を下げるために、単に吐出するモデル材の量を減らす(一度に少ない量のモデル材を吐出する)と、モデル材の量を減らした部分においては、Z方向(重力方向)の浸透深さが浅くなってしまう。このため、従来技術においては、異なる粒子層間のモデル部同士の結着力が弱くなり、立体造形物の強度が低下する場合がある。
図18は、第二の実施形態におけるモデル材の吐出量を減らす際のモデル材の浸透する様子の一例を示す説明図である。図18に示すように、第二の実施形態においては、吐出するモデル材の量を減らす際に、同一箇所にモデル材を複数回に分けて吐出する。図18に示す例においては、吐出するモデル材の総量が他の領域よりも少なくなるように、4回に分けてモデル材を吐出している。
ここで、K層のモデル領域内におけるモデル材吐出制御(吐出量や吐出回数の決定)は各層の造形データ(スライス画像データ)から判断することができる。この際、吐出工程の前に、吐出条件を決定する工程を含むことが好ましい。
また、第二の実施形態においては、K層と(K−1)層との関係以外にも、更に多くの粒子層との関係を考慮して、吐出するモデル材の量を制御することが好ましい。
図19は、第二の実施形態において、4つの粒子層を形成する際におけるモデル材の分布の一例を示す説明図である。図19に示すように、例えば、K層のモデル領域内で、(K−1)層のモデル領域の略直上の位置する部分101aaに対してはモデル材の量を80%に設定し、K層において新規でモデル領域を形成する部分に対しては、モデル材の量を100%に設定する。
そして、(K+1)層では、(K−1)層におけるモデル領域の略直上に位置する部分101acに対してはモデル材の量を70%に設定し、それ以外のK層におけるモデル領域の略直上に位置する部分に対してモデル材の量を80%に設定し、(K+1)層において新規でモデル領域を形成する部分に対しては、モデル材の量を100%に設定する。そして(K+2)層では、(K−1)層におけるモデル領域の略直上に位置する部分101adに対してモデル材の量を60%に設定し、それ以外の(K+1)層におけるモデル領域の略直上に位置する部分に対してモデル材の量を70%に設定する。なお、造形高さに応じて吐出するモデル材の量を変化させるのと同様に、モデル材の吐出回数を変化させてもよい。
このように、各層のモデル領域を考慮し、造形高さ(積層数)に応じて吐出するモデル材の量を変化させることで、各層内のモデル領域における樹脂粒子の溶融条件を均一にできるとともに、各層間(積層方向(Z方向))における樹脂粒子の溶融条件をも均一にできるので、立体造形物の造形精度をより向上できる。
第二の実施形態においては、立体造形物の製造装置が、粒子層内の温度を検知する機構を備え、検知した温度情報に基づいて、K層のモデル領域におけるモデル材の吐出量や吐出回数を調整する制御を行うことが好ましい。なお、検知する温度情報としては、(K−1)層のエネルギー付与後のモデル領域の温度情報でも、K層を層形成手段により形成した後のモデル領域の温度情報でもよい。検知した温度情報に基づいて、K層のモデル領域におけるモデル材の吐出量や吐出回数を調整する制御することで、モデル領域内のヒケを防止し、立体造形物の造形精度を向上できる。
また、K層のモデル領域内の温度情報においては、(K−1)層のモデル領域の端部やK層において新規でモデル領域を形成する部分の端部にて温度の傾斜が発生すると考えらえる。この場合は、端部の温度傾斜に合わせて、モデル材の吐出量や吐出回数に傾斜を設ける(モデル材の量のグラデーションを設ける)ことも好ましい。
さらに、第二の実施形態においては、K層にエネルギー付与した後、再度モデル領域の温度を検知する機構を設けることが好ましい。エネルギー吸収剤の分布を変化させ、樹脂粒子の溶融条件を均一にした際の温度情報(温度分布)を測定することにより、実際の温度分布を確認し、次に形成する粒子層におけるモデル材の吐出量や吐出回数を制御する際のための参考値にすることができるので、立体造形物の造形精度をより向上できる。
加えて、第二の実施形態において、立体造形物の製造装置は、K層にエネルギー付与した後、モデル領域の高さを検知し、次に形成する粒子層におけるモデル領域に対するモデル材の吐出量や吐出回数を制御する手段を有することが好ましい。形成したモデル領域の高さを検知することで、樹脂粒子の溶融条件の均一性を確認することができ、実際のヒケの発生状況を確認して、次に形成する粒子層におけるモデル材の吐出量や吐出回数を制御することができるので、立体造形物の造形精度をより向上できる。
ここで、第二の実施形態においては、第二モデル領域におけるエネルギーの吸収量が、第一モデル領域におけるエネルギーの吸収量をXとしたとき、0.8X以下であることが好ましい。具体的には、第二モデル領域におけるエネルギーの透過率が、第一モデル領域におけるエネルギーの透過率をY(%)としたとき、Y/0.8(%)以上であることが好ましい。こうすることにより、モデル領域におけるエネルギーの吸収量を、造形の条件に合わせてより好ましい量に調整することができ、立体造形物の変形をより抑制することができる。
<第三の実施形態>
第三の実施形態においては、装置の構成は第一の実施形態と同様であるため説明を省略する。
本実施形態における効果を説明するため、まず第三の実施形態における従来技術の問題点について説明する。
図20は、従来技術において、第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、モデル部の垂れ下がり(上面つぶれ)が発生する様子の一例を示す説明図である。なお、図20においては、第一粒子層を(K−1)層とし、第二粒子層をK層として説明する。
(K−1)層のモデル領域の上にK層のモデル領域が位置する場合、それぞれの粒子層におけるモデル領域の結着強度を高くするため、K層のモデル領域101に対して(K−1)層の表面に位置する樹脂粒子を溶融できるようなエネルギーを付与するときがある。この場合、図20に示すように、従来技術においては、(K−1)層の非造形領域(モデル領域でない領域)の略直上に位置するK層のモデル領域が、(K−1)層のモデル領域の略直上に位置するK層のモデル領域と同じ温度まで加熱される。そのため、従来技術においては、(K−1)層の非造形領域の略直上に位置するK層のモデル領域が過剰に加熱され、その熱により(K−1)層の表面に位置する樹脂粒子を溶融してしまい、K層における固化部分(モデル部)が本来の位置より垂れ下がってしまうこと(上面つぶれ)が生じ、立体造形物の造形精度が低下してしまう場合があるという問題があった。
第三の実施形態においては、吐出手段が、第一粒子層((K−1)層)における第一モデル領域の樹脂粒子同士が融着された第一モデル部の略直上に位置する第二粒子層(K層)における第二モデル領域Aを、第二モデル材Aを吐出して形成する。さらに、第三の実施形態においては、吐出手段が、第一粒子層における第一モデル領域に隣接する第一隣接領域の略直上に位置する第二モデル領域Bを、第二モデル領域Aにおけるエネルギーの吸収量よりも、エネルギーの吸収量が小さくなるように第二モデル材Bを吐出して形成する。なお、「第一隣接領域」とは、第一粒子層において、第一モデル領域に隣接し、モデル材が吐出されていない領域を意味する。第一隣接領域は、樹脂粒子のみからなる領域に限定されるわけではなく、モデル材以外のインクなどが吐出された領域であってもよい。
第三の実施形態について、図面を参照してより具体的に説明する。
図21は、第三の実施形態における、第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際のモデル材の分布の一例を示す説明図である。図21に示すように、第三の実施形態においては、例えば、(K−1)層のモデル領域の略直上に位置する、K層のモデル領域101aaに対して吐出したモデル材のエネルギーの吸収量を100%とした場合、(K−1)層の非造形領域の略直上に位置する、K層のモデル領域101abに対して吐出したモデル材のエネルギーの吸収量を80%とする。このようにすることにより、K層のモデル領域の略直下が非造形領域であった場合に、当該モデル領域のエネルギーの吸収を抑制し、(K−1)層まで過剰の熱が到達しないようにすることで、上面つぶれを抑制できる。
第三の実施形態においては、第二モデル材Aと第二モデル材Bは同一の組成のものであってもよいし、異なる組成のものであってもよい。同一の組成のモデル材を用いてエネルギーの吸収量が小さくする際には、例えば、エネルギーの吸収量を小さくしたい箇所に対する、モデル材の吐出量を減らすことにより行うことができる。
第二モデル材Aと第二モデル材Bとで異なる組成のモデル材を用いる場合は、例えば、エネルギー吸収剤の濃度が5wt%(質量%)のモデル材と、4wt%のインクの2種類を用意し、エネルギー吸収剤の量を減少させる条件の場合に、4wt%のインクを吐出することで、5wt%のインク吐出領域に比較して80%の濃度で吐出されることになる。
例えば、図22に示すように、(K−1)層のモデル領域の略直上に位置する、K層のモデル領域に対してエネルギー吸収剤の濃度が5wt%のモデル材10aを吐出し、(K−1)層の非造形領域の略直上に位置する、K層のモデル領域に対してエネルギー吸収剤の濃度が4wt%のモデル材10bを吐出することにより、第三の実施形態を実施できる。
第二モデル材Aと第二モデル材Bと同一の組成のモデル材を用いてエネルギーの吸収量が小さくする際には、例えば、エネルギーの吸収量を小さくしたい箇所に対する、モデル材の吐出量を減らすことにより行うことができる。例えば、エネルギー吸収剤の量を減少させる条件の場合は、通常のモデル材の吐出量を100%とした場合に、80%の吐出量で吐出することでエネルギー吸収剤の量を80%に減少させることができる。
例えば、図23に示すように、(K−1)層のモデル領域の略直上に位置する、K層のモデル領域に対して通常の吐出量(100%)でモデル材10を吐出し、(K−1)層の非造形領域の略直上に位置する、K層のモデル領域に対して80%の吐出量でモデル材10を吐出することにより、第三の実施形態を実施できる。
また、第三の実施形態においては、吐出するモデル材の量を減らす際には、複数回に分けてモデル材を吐出することが好ましい。すなわち、第二の実施形態においては、第二モデル材Aと第二モデル材Bとが、エネルギーの吸収量が同じ前記モデル材であり、吐出手段が、第二粒子層における第二モデル領域Bとなる領域の同一箇所に、第二モデル材Bを複数回に分けて吐出することが好ましい。こうすることにより、1滴で同量の液滴を吐出の場合に比べて、モデル材がZ方向により浸透しやすくなる。これは、XY方向に隣接するモデル材と結合してXY方向にモデル材が濡れ広がる前に、モデル材がZ方向に浸透するためと考えられる。つまり、同一箇所に複数回に分けてモデル材を吐出することにより、XY方向へのモデル材の濡れ広がりを抑制することができ、立体造形物の造形精度をより向上させることができる。
また、第三の実施形態においては、エネルギーの吸収量を減少させる方法は、エネルギーの吸収の量を制御する例を説明してきたが、例えば、加熱手段により付与するエネルギーを選択的に減少させる方法であってもよい。
例えば、加熱手段がレーザービームであった場合などに、エネルギーの吸収量を減少させる条件にてレーザービームの出力を減少させることで、エネルギーの吸収量を減少させることができる。
ここで、第三の実施形態においては、第二モデル領域Bにおける前記エネルギーの吸収量が、前記第二モデル領域Aにおける前記エネルギーの吸収量をXとしたとき、0.8X以下であることが好ましい。具体的には、第二モデル領域Bにおけるエネルギーの透過率が、第二モデル領域Aにおけるエネルギーの透過率をY(%)としたとき、Y/0.8(%)以上であることが好ましい。こうすることにより、モデル領域におけるエネルギーの吸収量を、造形の条件に合わせてより好ましい量に調整することができ、立体造形物の変形をより抑制することができる。
<第四の実施形態>
第四の実施形態においては、装置の構成は第一の実施形態と同様であるため説明を省略する。
本実施形態における効果を説明するため、まず第四の実施形態における従来技術の問題点について説明する。
例えば、インクジェット方式の吐出ヘッドを用いて、カーボンブラックを含むモデル材(光吸収インク)を粒子層に吐出する際、モデル材に含まれるカーボンブラックが粒子層における樹脂粒子をコート(被覆)すると、樹脂粒子の溶融及び変形を妨げる作用を生ずる場合がある。このため、モデル材を必要以上に粒子層に吐出すると、樹脂粒子同士の融着が不十分となる場合などがあり、立体造形物の造形精度が低下してしまうときがあると考えられる。
したがって、モデル材を粒子層に吐出する際には、加熱手段により粒子層を加熱する時に粒子層の樹脂粒子同士が融着可能になるように、モデル材の量を適切に制御すると共に、モデル材をより分散させた状態で粒子層に吐出(配置)することが好ましいと考えられる。
図24Aは、第四の実施形態に対する従来技術における、モデル材の浸透する様子の一例を示す説明図である。図24Bは、第四の実施形態に対する従来技術における、モデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。図24Cは、第四の実施形態に対する従来技術における、モデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。図24Dは、第四の実施形態に対する従来技術における、モデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。
図24Aでは、粒子層の同一箇所におけるモデル材の吐出回数を1回として、等量のモデル材を吐出した場合の例を示している。また、図24Bは、図24Aで示した例と比べて、1回の吐出あたりの吐出量を少なくした例である。図24Cは、図24Aにおける粒子層の同一箇所におけるモデル材の吐出回数を複数回として、モデル材を複数回に分けて吐出した場合の例である。図24Dは、図24Bで示した例において、図24Cと同様にしてモデル材を同一箇所に複数回吐出した場合の例である。
図24Aに示す例では、モデル材10が浸透する深さが十分でなく、各粒子層31の下面までモデル材が浸透していないことに加え、各粒子層31モデル材10が粒子層の平面方向(図24Aにおける横方向、XY方向)に、周期的にモデル材が付与されない箇所が生じる。このため、図24Aに示す例においては、粒子層31の積層方向(図24Aにおける縦方向、Z方向)及び平面方向に、周期的にモデル材10が付与されない箇所が生じ、立体造形物の強度分布に周期的な構造(層構造)が形成され、立体造形物の強度が不十分となってしまう場合があると考えられる。
また、図24Bに示す例では、図24Aで示した例と比べて、1回の吐出あたりのモデル材10の吐出量を少なくし、モデル材10を粒子層31の平面方向に密に吐出している。このため、図24Bに示す例では、粒子層31の平面方向における強度は、図24Aで示した例よりも向上すると考えられる。
しかしながら、図24Bに示す例においては、1回の吐出あたりのモデル材10の吐出量が少ないため、モデル材10が浸透する深さが更に不十分となる。このため、図24Bに示す例においては、粒子層31の積層方向(図24Aにおける縦方向、Z方向)に周期的にモデル材10が付与されない箇所が生じ、立体造形物の強度分布に周期的な構造(層構造)が形成され、立体造形物における積層方向の強度が不十分となってしまう場合があると考えられる。
さらに、図24Cに示す例では、図24Aで示した例と比べて、1回の吐出あたりのモデル材10の吐出量を少なくすると共に、粒子層31の同一箇所に対してモデル材を複数回に分けて吐出している。このため、図24Cに示す例では、粒子層31の積層方向の強度は、図24Aで示した例よりも向上すると考えられる。
しかしながら、図24Cに示す例においては、各粒子層31モデル材10が粒子層の平面方向(図24Aにおける横方向、XY方向)に、周期的にモデル材が付与されない箇所が生じ、立体造形物の強度分布に周期的な構造(層構造)が形成され、立体造形物における粒子層の平面方向の強度が不十分となってしまう場合があると考えられる。
加えて、図24Dに示す例では、図24Bで示した例と比べて、粒子層の同一箇所に対してモデル材10を複数回吐出している。このため、図24Dに示す例では、粒子層31におけるモデル材10が付与されない箇所は少なく(小さく)なると考えられる。
しかしながら、図24Dに示す例においては、上述したように、必要以上に付与されたモデル材10により樹脂粒子がコート(被覆)され、樹脂粒子の溶融及び変形を妨げる作用を生じて樹脂粒子同士の融着が不十分となり、立体造形物の造形精度が低下してしまう場合があると考えられる。
ここで、第四の実施形態においては、吐出手段が、同一の粒子層におけるモデル領域となる領域にモデル材を吐出する際に、モデル領域となる領域におけるモデル材を吐出する箇所のうち、互いに隣接する箇所に対して、モデル材の吐出回数が互いに異なるように前記モデル材を吐出する。言い換えると、第四の実施形態においては、モデル領域となる領域にモデル材を吐出する際に、モデル領域となる領域における隣接するドットの少なくとも一組について、各ドットにモデル材を吐出する回数(吐出回数、吐出分割数)が異なるようにモデル材を吐出する。つまり、第四の実施形態においては、第一の実施形態から第三の実施形態における「モデル領域における互いに隣接する部分(領域)」が、「モデル領域における互いに隣接する箇所(ドット)」となっている。
こうすることにより、立体造形物の強度分布に周期的な構造(層構造)が形成されることを抑制することができ、立体造形物の強度を向上させることができる。
また、第四の実施形態においては、層形成手段が第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、吐出手段が、第一粒子層におけるモデル材を吐出した箇所を第一吐出箇所とし、第二粒子層における、第一吐出箇所の略直上に位置する箇所を第二吐出箇所としたとき、第一吐出箇所と第二吐出箇所とにおける、モデル材の吐出回数が互いに異なるように、第二吐出箇所にモデル材を吐出することが好ましい。
こうすることにより、粒子層に不要なエネルギーを与えることなく、適切に樹脂粒子の溶融を進行させて、樹脂粒子同士を融着させることにより、立体造形物の密度を高くすることでき、立体造形物の強度をより向上させることができる。
さらに、第四の実施形態においては、吐出手段が、第一吐出箇所におけるエネルギーの吸収量よりも、第二吐出箇所におけるエネルギーの吸収量が小さくなるように、第二吐出箇所にモデル材を吐出することが好ましい。
こうすることにより、第一吐出箇所に比べて、第二吐出箇所の温度が上昇しにくくなり、立体造形物の反りを抑制することができ、かつ、立体造形物を造形する際における溶融及び接着の均一性を向上させることができる。
第四の実施形態について、図面を参照してより具体的に説明する。
図25Aは、第四の実施形態におけるモデル材の浸透する様子の一例を示す説明図である。図25Aに示すように、第四の実施形態においては、例えば、同一の粒子層(レイヤー)31におけるモデル材10を吐出する箇所のうち、互いに隣接する箇所について、モデル材10の吐出回数を1回とする箇所と複数回とする箇所とが交互になるように、モデル材10を吐出する。
さらに、図25Aに示す例では、モデル材10を吐出する箇所における積層方向に隣接する箇所において、モデル材10の吐出回数を1回とする箇所と複数回とする箇所とが交互に位置している。
このため、上述したように、粒子層に不要なエネルギーを与えることなく、適切に樹脂粒子の溶融を進行させて、樹脂粒子同士を融着させることにより、立体造形物の密度を高くすることでき、立体造形物の強度をより向上させることができる。
図25Bは、第四の実施形態におけるモデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。図25Bに示すように、第四の実施形態においては、例えば、図25Aに示した例とは異なり、モデル材10を吐出する箇所における積層方向に隣接する箇所において、モデル材10の吐出回数を1回とする箇所と複数回とする箇所とが、積層方向に揃って位置している。
図25Bに示した例においても、上述したように、立体造形物の強度分布に周期的な構造(層構造)が形成されることを抑制することができ、立体造形物の強度を向上させることができる。
図25Cは、第四の実施形態におけるモデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。図25Cに示すように、第四の実施形態においては、例えば、モデル材10を吐出する箇所におけるモデル材10の吐出回数は、2段階(2水準)とすることに限られるわけではなく、3段階(3水準)としてもよい。このように、第四の実施形態においては、モデル材を吐出する箇所におけるモデル材の吐出回数は、2段階以上であれば特に制限はないが、より多い段階を設定することが好ましい。
図25Cに示した例においては、モデル材を吐出する箇所におけるモデル材の吐出回が3段階となっており、図25Aに示した例と比べて、立体造形物の強度分布に周期的な構造(層構造)が形成されることをより抑制することができ、立体造形物の強度をさらに向上させることができる。
図25Dは、第四の実施形態におけるモデル材の浸透する様子の他の一例を示す説明図である。図25Dに示すように、第四の実施形態においては、例えば、モデル領域の端部(モデル部の端部)おけるモデル材10の吐出回数を複数回とすることが好ましい。
図25Dに示した例においては、モデル領域の端部におけるモデル材の付与量を多くすることができ、モデル領域の端部に位置する樹脂粒子をより確実に融着させることができるため、立体造形物の造形精度をより向上させることができる。
以上、説明したように、本発明の立体造形物の製造装置は、樹脂粒子を含む粒子層を形成する層形成手段と、粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する吐出手段と、モデル領域が形成された粒子層を、エネルギーを付与して加熱することにより、モデル領域における樹脂粒子同士を融着させる加熱手段と、を有し、吐出手段が、モデル領域における互いに隣接する部分に、エネルギーの吸収量が異なるようにモデル材を吐出する。
これにより、本発明の立体造形物の製造装置は、樹脂粒子を加熱して造形する立体造形物の変形を抑制して、立体造形物の造形精度を向上できる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 樹脂粒子を含む粒子層を形成する層形成手段と、
前記粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する吐出手段と、
前記モデル領域が形成された前記粒子層を、前記エネルギーを付与して加熱することにより、前記モデル領域における前記樹脂粒子同士を融着させる加熱手段と、
を有し、
前記吐出手段が、前記モデル領域における互いに隣接する部分に、前記エネルギーの吸収量が異なるように前記モデル材を吐出することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<2> 前記吐出手段が、
前記加熱手段が前記エネルギーを付与する前に、
前記層形成手段が形成した、第一粒子層に第一モデル材を吐出して第一モデル領域を形成すると共に、前記第一モデル領域の略直上に位置する第二粒子層に、前記第一モデル材における前記エネルギーの吸収量よりも小さい前記エネルギーの吸収量の第二モデル材を吐出して第二モデル領域を形成する、
前記<1>に記載の立体造形物の製造装置である。
<3> 前記第二モデル材における前記エネルギーの吸収量が、前記第一モデル材における前記エネルギーの吸収量をXとしたとき、0.8X以下である、前記<2>に記載の立体造形物の製造装置である。
<4> 前記第二モデル材における前記エネルギーの透過率が、前記第一モデル材における前記エネルギーの透過率をY(%)としたとき、Y/0.8(%)以上である、前記<2>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<5> 前記層形成手段が前記第一粒子層を形成し、前記吐出手段が第一モデル領域を形成した後に、前記層形成手段が前記第二粒子層を形成する、前記<2>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<6> 前記層形成手段が第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、
前記吐出手段が、
前記第一粒子層における第一モデル領域の前記樹脂粒子同士が融着された第一モデル部の略直上に位置する第二モデル領域を、
前記第一粒子層における前記第一モデル領域を形成するために吐出した第一モデル材よりも、前記エネルギーの吸収量が小さくなるように第二モデル材を吐出して形成する、
前記<1>に記載の立体造形物の製造装置である。
<7> 前記第二モデル領域における前記エネルギーの吸収量が、前記第一モデル領域における前記エネルギーの吸収量をXとしたとき、0.8X以下である、前記<6>に記載の立体造形物の製造装置である。
<8> 前記第一モデル材と前記第二モデル材とが、前記エネルギーの吸収量が同じ前記モデル材であり、
前記吐出手段が、前記第二粒子層における前記第二モデル領域となる領域の同一箇所に、前記第二モデル材を複数回に分けて吐出する、前記<6>から<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<9> 前記層形成手段が第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、
前記吐出手段が、
前記第一粒子層における第一モデル領域の前記樹脂粒子同士が融着された第一モデル部の略直上に位置する、前記第二粒子層における第二モデル領域Aを、第二モデル材Aを吐出して形成すると共に、
前記第一粒子層における前記第一モデル領域に隣接する第一隣接領域の略直上に位置する第二モデル領域Bを、前記第二モデル領域Aにおける前記エネルギーの吸収量よりも、前記エネルギーの吸収量が小さくなるように第二モデル材Bを吐出して形成する、
前記<1>に記載の立体造形物の製造装置である。
<10> 前記第二モデル領域Bにおける前記エネルギーの吸収量が、前記第二モデル領域Aにおける前記エネルギーの吸収量をXとしたとき、0.8X以下である、前記<9>に記載の立体造形物の製造装置である。
<11> 前記第二モデル材Aと前記第二モデル材Bとが、前記エネルギーの吸収量が同じ前記モデル材であり、
前記吐出手段が、前記第二粒子層における前記第二モデル領域Bとなる領域の同一箇所に、前記第二モデル材Bを複数回に分けて吐出する、前記<9>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<12> 前記吐出手段が、
同一の前記粒子層における前記モデル領域となる領域に前記モデル材を吐出する際に、
前記モデル領域となる領域における前記モデル材を吐出する箇所のうち、互いに隣接する箇所に対して、前記モデル材の吐出回数が互いに異なるように前記モデル材を吐出する、
前記<1>に記載の立体造形物の製造装置である。
<13> 前記層形成手段が第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、
前記吐出手段が、
前記第一粒子層における前記モデル材を吐出した箇所を第一吐出箇所とし、前記第二粒子層における、前記第一吐出箇所の略直上に位置する箇所を第二吐出箇所としたとき、
前記第一吐出箇所と前記第二吐出箇所とにおける、前記モデル材の吐出回数が互いに異なるように、前記第二吐出箇所に前記モデル材を吐出する、前記<12>に記載の立体造形物の製造装置である。
<14> 前記吐出手段が、前記第一吐出箇所における前記エネルギーの吸収量よりも、前記第二吐出箇所における前記エネルギーの吸収量が小さくなるように、前記第二吐出箇所に前記モデル材を吐出する、前記<13>に記載の立体造形物の製造装置である。
<15> 樹脂粒子を含む粒子層を形成する層形成工程と、
前記粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する吐出工程と、
前記モデル領域が形成された前記粒子層を、前記エネルギーを付与して加熱することにより、前記モデル領域における前記樹脂粒子同士を融着させる加熱工程と、
を含み、
前記吐出工程において、前記モデル領域における互いに隣接する部分に、前記エネルギーの吸収量が異なるように前記モデル材を吐出することを特徴とする立体造形物の製造方法である。
前記<1>から<14>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置、及び前記<15>に記載の立体造形物の製造方法によれば、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
特表2018−502750号公報 米国特許出願公開第2018/0065297号明細書
10 モデル材
12 平坦化ローラ(層形成手段の一部)
20 樹脂粒子
30 モデル部(造形層)
31 粒子層
52 ヘッド(吐出手段の一例)
80 光照射ユニット(加熱手段の一部)
101 モデル領域
601 立体造形物の製造装置

Claims (15)

  1. 樹脂粒子を含む粒子層を形成する層形成手段と、
    前記粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する吐出手段と、
    前記モデル領域が形成された前記粒子層を、前記エネルギーを付与して加熱することにより、前記モデル領域における前記樹脂粒子同士を融着させる加熱手段と、
    を有し、
    前記吐出手段が、前記モデル領域における互いに隣接する部分に、前記エネルギーの吸収量が異なるように前記モデル材を吐出することを特徴とする立体造形物の製造装置。
  2. 前記吐出手段が、
    前記加熱手段が前記エネルギーを付与する前に、
    前記層形成手段が形成した、第一粒子層に第一モデル材を吐出して第一モデル領域を形成すると共に、前記第一モデル領域の略直上に位置する第二粒子層に、前記第一モデル材における前記エネルギーの吸収量よりも小さい前記エネルギーの吸収量の第二モデル材を吐出して第二モデル領域を形成する、
    請求項1に記載の立体造形物の製造装置。
  3. 前記第二モデル材における前記エネルギーの吸収量が、前記第一モデル材における前記エネルギーの吸収量をXとしたとき、0.8X以下である、請求項2に記載の立体造形物の製造装置。
  4. 前記第二モデル材における前記エネルギーの透過率が、前記第一モデル材における前記エネルギーの透過率をY(%)としたとき、Y/0.8(%)以上である、請求項2から3のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  5. 前記層形成手段が前記第一粒子層を形成し、前記吐出手段が前記第一モデル領域を形成した後に、前記層形成手段が前記第二粒子層を形成する、請求項2から4のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  6. 前記層形成手段が第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、
    前記吐出手段が、
    前記第一粒子層における第一モデル領域の前記樹脂粒子同士が融着された第一モデル部の略直上に位置する第二モデル領域を、
    前記第一粒子層における前記第一モデル領域を形成するために吐出した第一モデル材よりも、前記エネルギーの吸収量が小さくなるように第二モデル材を吐出して形成する、
    請求項1に記載の立体造形物の製造装置。
  7. 前記第二モデル領域における前記エネルギーの吸収量が、前記第一モデル領域における前記エネルギーの吸収量をXとしたとき、0.8X以下である、請求項6に記載の立体造形物の製造装置。
  8. 前記第一モデル材と前記第二モデル材とが、前記エネルギーの吸収量が同じ前記モデル材であり、
    前記吐出手段が、前記第二粒子層における前記第二モデル領域となる領域の同一箇所に、前記第二モデル材を複数回に分けて吐出する、請求項6から7のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  9. 前記層形成手段が第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、
    前記吐出手段が、
    前記第一粒子層における第一モデル領域の前記樹脂粒子同士が融着された第一モデル部の略直上に位置する、前記第二粒子層における第二モデル領域Aを、第二モデル材Aを吐出して形成すると共に、
    前記第一粒子層における前記第一モデル領域に隣接する第一隣接領域の略直上に位置する第二モデル領域Bを、前記第二モデル領域Aにおける前記エネルギーの吸収量よりも、前記エネルギーの吸収量が小さくなるように第二モデル材Bを吐出して形成する、
    請求項1に記載の立体造形物の製造装置。
  10. 前記第二モデル領域Bにおける前記エネルギーの吸収量が、前記第二モデル領域Aにおける前記エネルギーの吸収量をXとしたとき、0.8X以下である、請求項9に記載の立体造形物の製造装置。
  11. 前記第二モデル材Aと前記第二モデル材Bとが、前記エネルギーの吸収量が同じ前記モデル材であり、
    前記吐出手段が、前記第二粒子層における前記第二モデル領域Bとなる領域の同一箇所に、前記第二モデル材Bを複数回に分けて吐出する、請求項9から10のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  12. 前記吐出手段が、
    同一の前記粒子層における前記モデル領域となる領域に前記モデル材を吐出する際に、
    前記モデル領域となる領域における前記モデル材を吐出する箇所のうち、互いに隣接する箇所に対して、前記モデル材の吐出回数が互いに異なるように前記モデル材を吐出する、
    請求項1に記載の立体造形物の製造装置。
  13. 前記層形成手段が第一粒子層の上に第二粒子層を形成する際に、
    前記吐出手段が、
    前記第一粒子層における前記モデル材を吐出した箇所を第一吐出箇所とし、前記第二粒子層における、前記第一吐出箇所の略直上に位置する箇所を第二吐出箇所としたとき、
    前記第一吐出箇所と前記第二吐出箇所とにおける、前記モデル材の吐出回数が互いに異なるように、前記第二吐出箇所に前記モデル材を吐出する、請求項12に記載の立体造形物の製造装置。
  14. 前記吐出手段が、前記第一吐出箇所における前記エネルギーの吸収量よりも、前記第二吐出箇所における前記エネルギーの吸収量が小さくなるように、前記第二吐出箇所に前記モデル材を吐出する、請求項13に記載の立体造形物の製造装置。
  15. 樹脂粒子を含む粒子層を形成する層形成工程と、
    前記粒子層に、エネルギーを吸収可能なモデル材を吐出してモデル領域を形成する吐出工程と、
    前記モデル領域が形成された前記粒子層を、前記エネルギーを付与して加熱することにより、前記モデル領域における前記樹脂粒子同士を融着させる加熱工程と、
    を含み、
    前記吐出工程において、前記モデル領域における互いに隣接する部分に、前記エネルギーの吸収量が異なるように前記モデル材を吐出することを特徴とする立体造形物の製造方法。

JP2019201366A 2019-03-20 2019-11-06 立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法 Pending JP2020157753A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP20158843.1A EP3733378A1 (en) 2019-03-20 2020-02-21 Three-dimensional object producing apparatus and three- dimensional object producing method

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019053734 2019-03-20
JP2019053734 2019-03-20

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020157753A true JP2020157753A (ja) 2020-10-01

Family

ID=72641330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019201366A Pending JP2020157753A (ja) 2019-03-20 2019-11-06 立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP3733378A1 (ja)
JP (1) JP2020157753A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017194124A1 (en) * 2016-05-12 2017-11-16 Hewlett-Packard Development Company, L P Temperature correction via print agent application
JP2018502750A (ja) * 2015-03-05 2018-02-01 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 3次元物体の生成
JP2018118517A (ja) * 2018-03-01 2018-08-02 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 三次元物体の生成

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007114895A2 (en) * 2006-04-06 2007-10-11 Z Corporation Production of three-dimensional objects by use of electromagnetic radiation
JP6353547B2 (ja) * 2014-01-16 2018-07-04 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 3次元物体の生成
US20160263823A1 (en) * 2015-03-09 2016-09-15 Frederick Matthew Espiau 3d printed radio frequency absorber
EP3271146B1 (en) 2015-05-15 2021-06-30 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Coalescing agent concentrations and contone densities for three-dimensional objects
US11759997B2 (en) * 2016-05-12 2023-09-19 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Build material splash control

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018502750A (ja) * 2015-03-05 2018-02-01 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 3次元物体の生成
WO2017194124A1 (en) * 2016-05-12 2017-11-16 Hewlett-Packard Development Company, L P Temperature correction via print agent application
JP2019521006A (ja) * 2016-05-12 2019-07-25 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 印刷剤の適用による温度補正
JP2018118517A (ja) * 2018-03-01 2018-08-02 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 三次元物体の生成

Also Published As

Publication number Publication date
EP3733378A1 (en) 2020-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11679560B2 (en) Generating a three-dimensional object
KR101965519B1 (ko) 3차원 물체의 생성
US11097472B2 (en) Generating three-dimensional objects
EP3271151B1 (en) Controlled heating for 3d printing
JP6745240B2 (ja) 異なる造形材料によって3次元印刷物体内の一体化界面を形成するシステム及び方法
US20180264735A1 (en) Generating three-dimensional objects
KR20170098918A (ko) 3차원(3d) 프린팅
EP3722078A1 (en) Three-dimensional object producing apparatus, three-dimensional object producing method, and material set for producing three-dimensional object
US10195788B2 (en) Priming agent distributors while generating three-dimensional objects
JP2020151993A (ja) 立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法
JP2020157753A (ja) 立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法
JP2020151984A (ja) 立体造形物の製造方法、立体造形物の製造装置、及び積層造形用下地形成ブロック
JP7367475B2 (ja) 立体造形物の製造方法
JP7222283B2 (ja) 立体造形物の製造装置及び立体造形物の製造方法
JP2020152018A (ja) 立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置
JP7263863B2 (ja) 立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法
JP7347030B2 (ja) 立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法
JP6730412B2 (ja) 3次元物体の生成
JP2020152017A (ja) 立体造形物の製造装置、及び立体造形物の製造方法
US20210129430A1 (en) Additive manufacturing

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20220601

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230613

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231205