JP2020082627A - 造形装置及び造形方法 - Google Patents

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陽一 伊東
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佳伸 竹山
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Tomomi Akieda
智美 秋枝
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Abstract

【課題】吐出口の径が大きい場合であっても、吐出口から造形材料が垂れることを簡易な構造により抑制できる造形装置の提供。【解決手段】造形材料による造形層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する造形装置であって、重力と逆向きの成分を含む向きに前記造形材料を吐出して、前記造形層を造形する層造形手段と、前記造形層が積層される造形ステージから、積層された前記造形層を落下しないように支持する支持手段と、を有する造形装置である。【選択図】図3

Description

本発明は、造形装置及び造形方法に関する。
近年、金型などを用いずに立体造形物を造形する装置として、3D(3−Dimensional)プリンタが普及しつつある。3Dプリンタとしては、例えば、加熱して溶融させた造形材料を吐出して形成した造形層を積層することにより立体造形物を造形する熱溶解積層(Fused Filament Fabrication;FFF)方式の3Dプリンタなどが知られている。
FFF方式などの3Dプリンタを用いて立体造形物を造形する際には、立体造形物の造形に必要とされる時間を短くするため、造形材料を吐出する吐出口の径を大きくすることなどにより、単位時間あたりに吐出する造形材料の量を多くすることがある。また、単位時間あたりに多くの量の造形材料を吐出する際に、スクリューポンプを用いることにより、吐出する造形材料の量を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、吐出口の径が大きい場合であっても、吐出口から造形材料が垂れることを簡易な構造により抑制できる造形装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段としての本発明の造形装置は、
造形材料による造形層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する造形装置であって、
重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出して、造形層を造形する層造形手段と、
造形層が積層される造形ステージから、積層された造形層を落下しないように支持する支持手段と、を有する。
本発明によると、吐出口の径が大きい場合であっても、吐出口から造形材料が垂れることを簡易な構造により抑制できる造形装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る造形装置の一実施形態における吐出モジュールを示す模式図である。 図2Aは、井桁構造を有する造形層の構造の一例を示す上面図である。 図2Bは、井桁構造を有する造形層の構造の他の一例を示す上面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る造形装置を用いて、立体造形物を造形する際の様子の一例を示す模式図である。 図4は、本発明の他の一実施形態に係る造形装置を用いて、立体造形物を造形する際の様子の一例を示す模式図である。 図5は、本発明の他の一実施形態に係る造形装置を用いて、立体造形物を造形する際の様子の一例を示す模式図である。 図6Aは、本発明の一実施形態に係る造形装置を用いて、土台部を造形する際の様子の一例を示す模式的な正面図である。 図6Bは、本発明の一実施形態に係る造形装置を用いて、土台部を造形する際の様子の一例を示す模式的な側面図である。
(造形装置、造形方法)
本発明の造形装置は、造形材料による造形層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する造形装置であって、重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出して、造形層を造形する層造形手段と、造形層が積層される造形ステージから、積層された造形層を落下しないように支持する支持手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の造形方法は、造形材料による造形層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する造形方法であって、重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出して、造形層を造形する層造形工程と、造形層が積層される造形ステージから、積層された造形層を落下しないように支持する支持工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
造形方法は造形装置により好適に行うことができ、層造形工程は層造形手段により好適に行うことができ、支持工程は支持手段により好適に行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
つまり、本発明の造形装置は、本発明の造形方法を実施することと同義である。そのため、本発明の造形装置に関する説明を通じて、本発明の造形方法の詳細についても明らかにする。
また、本発明は、従来技術の造形装置では、吐出口の径が大きい場合に、吐出口から造形材料が垂れてしまうことがあるという知見に基づくものである。
上述したように、立体造形物の造形に必要とされる時間を短くするため、造形材料を吐出する吐出口の径を大きくすることなどにより、単位時間あたりに吐出する造形材料の量を多くすることがある。この場合、従来から用いられている、溶融したフィラメント状の造形材料を重力の向きに吐出する造形装置においては、造形材料の吐出を止めようとするときに、直ちに吐出を止めることが難しく、造形材料が吐出口から垂れやすいという問題がある。特に、粘度や融点が高いスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)などを造形材料として用いる場合は、上記の問題が顕著となる。
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1に記載の技術においては、スクリューポンプを用いることにより、造形材料の吐出を制御している。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、構造の複雑なスクリューポンプを用いる必要があるため、造形装置全体の構造も複雑になり、造形材料を取り替える作業や造形装置のメンテナンスが煩雑になってしまうことがあった。
一方、本発明の造形装置は、重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出して、造形層を造形するため、吐出口の径が大きい場合であっても、吐出口から造形材料が垂れることを簡易な構造により抑制できる。より具体的には、本発明の造形装置においては、層造形手段が造形材料を吐出する向きと重力の向きとが逆の成分を含むため、吐出口近傍に位置する造形材料に作用する重力は、当該造形材料を層造形手段に引き戻す向きに作用することになる。このため、層造形手段への造形材料の供給を断つことにより造形材料の吐出を止める際に、吐出口近傍に位置する造形材料が層造形手段に引き戻されるので、吐出口から造形材料が垂れることを抑制できる。つまり、本発明の造形装置は、重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出して造形層を造形することにより、スクリューポンプなどの複雑な構造を有する部材を備えることなく、吐出口から造形材料が垂れることを簡易な構造により抑制できる。
また、重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出し、造形層を造形することを繰り返して立体造形物を造形する場合には、造形層が積層される造形ステージから、積層された造形層を落下してしまうことが懸念される。本発明の造形装置は、造形層が積層される造形ステージから、積層された造形層を落下しないように支持する支持手段を有するため、重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出して立体造形物を造形する際に、造形層の積層を安定して行うことができる。
<層造形手段、層造形工程>
層造形手段は、重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出して、造形層を造形する手段である。
層造形工程は、重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出して、造形層を造形する工程である。
ここで、重力と逆向きの成分を含む向きとは、重力の向きのベクトルに対する逆ベクトルの向きの成分を含む向きのことを意味する。言い換えると、重力と逆向きの成分を含む向きとは、水平方向よりも上向きの成分を含む(仰角が、0°より大きい)ことを意味する。また、重力と逆向きの成分を含む向きとしては、例えば、仰角で表すとすると、45°以上であることが好ましく、60°以上であることがより好ましい。
また、層造形手段は、逆流抑制部材を備えることが好ましい。
また、層造形手段は、造形層において、立体造形物のスライスデータに基づく立体造形物の断面における周縁部の内側を囲うように造形材料を吐出することが好ましい。これにより、立体造形物の機械的強度を向上させることができるとともに、立体造形物の表面に中空領域が表れず、立体造形物の表面を滑らかに造形できるため、立体造形物の品質を向上させることができる。
なお、立体造形物のスライスデータとは、立体造形物の3Dデータに基づいて加工されたものであり、造形層毎で造形材料を吐出する箇所を示す座標データを意味する。
また、立体造形物の断面における周縁部の内側を囲うようにする造形材料の吐出は、フィラメント状に吐出した造形材料を1ラインとしてもよく、複数のラインとしてもよい。複数のラインとする場合には、層造形手段は、吐出した造形材料の幅の分だけ内側を走査して吐出するようにすることが好ましい。
層造形手段としては、造形材料を吐出する吐出口を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、フィラメント状の造形材料を吐出する吐出モジュール(ヘッド)などが挙げられる。なお、層造形手段は、造形装置に複数設けられていてもよく、1つの層造形手段に複数の吐出口が配されていてもよい。
<<吐出口>>
吐出口としては、造形材料を吐出できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
吐出口の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、略円形であることが好ましい。
吐出口の径としては、特に制限はなく、材料目的に応じて適宜選択することができるが、吐出口の形状が略円形である場合は、0.1mm以上20mm以下であることが好ましく、0.3mm以上5mm以下であることがより好ましい。吐出口の径が、上記の好ましい範囲内であることにより、単位時間あたりに吐出する造形材料の量を多くすることができるため、立体造形物の造形に必要とされる時間を短くすることができる。なお、吐出口の径とは、吐出口の形状が略円形である場合は、吐出口の直径を意味する。
<<逆流抑制部材>>
逆流抑制部材は、造形材料を冷却することにより、層造形手段における造形材料の逆流を抑制する部材である。
逆流抑制部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の冷却装置などが挙げられる。
層造形手段が逆流抑制部材を備えることにより、重力の作用などにより層造形手段の中を造形材料が逆流することを抑制できるため、造形材料が層造形手段内で詰まることによる吐出不良を抑制することができる。
なお、層造形手段における造形材料が逆流する量は、逆流抑制部材の温度分布や層造形手段の流路の形状などより、制御することができる。
逆流抑制部材を動作させるタイミングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、層造形手段が造形材料を吐出する際は常に動作させてもよいし、層造形手段が造形ステージから離れる方向に移動する際に動作させるようにしてもよい。
また、逆流抑制部材を、層造形手段が造形材料を吐出する際は常に動作させるようにし、層造形手段が造形ステージから離れる方向に移動する際には、造形材料の冷却をより強めるようにしてもよい。
ここで、層造形手段が少なくとも造形ステージから離れる方向に移動する際には、逆流抑制部材を動作させるように制御されることが好ましい。こうすることにより、造形ステージから離れる方向に移動する際(造形中に層造形手段をリトラクト(退避)させる際など)における造形材料の逆流を、より確実に抑制することができる。このため、層造形手段が少なくとも造形ステージから離れる方向に移動する際に、逆流抑制部材を動作させるように制御されることで、造形材料の逆流をより確実に抑制できるため、造形材料が層造形手段内で詰まることによる吐出不良を抑制することができる。
<<造形層>>
造形層としては、造形材料により形成されるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の造形装置は、造形層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する。
立体造形物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中空領域を有するものが好ましい。なお、立体造形物は、立体造形物における所望の形状を有する部分であるモデル部に限定されるのもではなく、モデル部を支えるサポート部を含んでいてもよい。
中空領域とは、立体造形物において、造形材料が存在せず、隙間の空いた空間になっている部分を意味する。
立体造形物が中空領域を有することにより、立体造形物全体における造形材料が占める割合を小さくすることができるため、造形材料の使用量を抑制しつつ、立体造形物の重量を軽くすることができる。
中空領域の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、立体造形物における中空領域が占める割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
中空領域となる部分を形成する造形層の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、井桁構造、蛇腹構造、ハニカム構造、トポロジー解析等のCAE(Computer Aided Engineering)技術により求めた肉抜き構造などが挙げられる。これらの中でも、井桁構造が好ましい。
<<<井桁構造>>>
井桁構造(井桁部)とは、立体造形物における、所定の間隔で位置する第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、当該第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とが、交互に造形された部分を意味する。なお、線状部分は、直線であってもよいし、直線でなくてもよい。複数の線状部分同士は、互いに平行であってもよい。もちろん完全に平行でなくても略平行であればよい。また、第1の線状部分に対して、第2の線状部分は、直角もしくは任意の角度をもって交差すればよく、略直交して交差してもよい。
ここで、第1の造形層及び第2の造形層における線状部分が位置する所定の間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、使用する造形材料における溶融吐出時の粘度などの物性に応じて選択することが好ましい。なお、第1の造形層及び第2の造形層における線状部分が位置する所定の間隔は、1つの造形層の中で異なる間隔となっていてもよい。
また、第1の造形層及び第2の造形層における線状部分が互いに略平行であるとは、或る造形層における隣り合う線状部分が、当該造形層の中で交差しない程度に平行に位置していることを意味する。
第2の造形層における線状部分が、第1の造形層における線状部分と略直交するとは、第2の造形層における線状部分と第1の造形層における線状部分がなす角が、70°以上110°以下であることを意味する。
立体造形物が井桁構造を有することにより、立体造形物全体における造形材料の充填率を効率的に小さくできるため、造形材料の使用量を抑制でき、立体造形物を軽量化することができる。特に、大型の立体造形物を造形する場合には、立体造形物が井桁構造を少なくとも一部に有することによる上記の効果はより大きくなる。
また、井桁構造は形状がシンプルであることから、層造形手段を走査させる経路であるツールパスがシンプルになるため、立体造形物の造形時間を短くすることができる。
さらに、井桁構造は、造形層の積層方向からの圧力(圧縮力)を加えても壊れにくいので、立体造形物が井桁構造を有することにより、支持手段が立体造形物の反りを抑制するために立体造形物に圧力を加えることが容易になる。
<<造形材料>>
造形材料としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、ガラス、金属などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱可塑性樹脂が好ましい。
造形材料は、立体造形物における所望の形状を有する部分であるモデル部となるモデル材と、モデル部を支持するサポート部となるサポート材とに分かれていてもよい。また、それぞれの造形材料が層造形手段の別の吐出口から吐出されてもよい。なお、モデル材とサポート材とは、同一の造形材料を用いてもよく、異なる造形材料を用いてもよい。
また、造形材料は、必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂とは、熱を加えると可塑化し、溶融する樹脂を意味する。
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性樹脂、非結晶性樹脂、液晶樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、結晶性樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂としては、融解開始温度と、冷却時の再結晶温度の差が大きな樹脂が好ましい。
なお、結晶性樹脂とは、ISO3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)に準拠した測定において、融点ピークが検出される樹脂である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール(POM:Polyoxymethylene)、ポリイミド、フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド410(PA410)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、及びポリアミド12(PA12);並びにポリアミド4T(PA4T)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、及びポリアミド10T(PA10T)などの半芳香族性のポリアミドが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブタジエンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する点で、テレフタル酸やイソフタル酸を一部に含む芳香族を有するものが好ましい。
ポリエーテルとしては、例えば、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルフォンなどが挙げられる。
ポリアリールケトンとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、PA9Tのように2つの融点ピークを有するものでもよい。2つの融点ピークを有する熱可塑性樹脂は、高温側の融点ピーク以上の温度になると完全に溶融する。
FFF方式の造形装置を用いる場合には、熱可塑性樹脂としては、いわゆるABS樹脂やポリ乳酸(PLA)樹脂などを用いることもできる。
また、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリテトラフルオロエチレンなどは、「スーパーエンジニアリングプラスチック」と称されている。
熱可塑性樹脂としては、スーパーエンジニアリングプラスチックから選択される少なくとも1種であることが好ましい。熱可塑性樹脂がスーパーエンジニアリングプラスチックであると、造形する立体造形物の引張強度、耐熱性、耐薬品性、及び難燃性を向上することができ、立体造形物を工業用途にも使用可能になる点で有利である。
<<<その他の成分>>>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィラーなどが挙げられる。フィラーとしては、例えば、カーボンファイバー、ガラス繊維、セラミック繊維、チタン酸カルシウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維等のうち1つもしくは複数を組み合わせて含有してもよい。
−カーボンファイバー−
カーボンファイバーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
カーボンファイバーの形状及び大きさとしては、長さが200μm以上かつアスペクト比が1:30以上であることが好ましい。カーボンファイバーの長さが200μm以上で、かつカーボンファイバーのアスペクト比が1:30以上であれば、層造形手段により中空領域の長さが1.5mm以上となる造形層を少なくとも一部に造形することができ、中空領域の長さを長くできる点で有利である。
造形材料におけるカーボンファイバーの含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上20質量%以下が好ましい。造形材料におけるカーボンファイバーの含有率が5質量%以上20質量%以下であると、造形材料を架橋できる距離を長くできるとともに、吐出した造形材料が「だま」にならずに架橋が切れにくい点で有利である。
また、造形材料にカーボンファイバーが含有されていると、造形材料の熱容量が大きくなることから、溶融した状態の造形材料が吐出された箇所に熱が伝わりやすくなる。これは、20W/m・K以上の熱伝導率を有するカーボンファイバーを造形材料に含有させているためである。これにより、造形材料が吐出された箇所にある、既に固化している造形材料が内部まで溶融した状態になりやすくなるため、吐出された造形材料と、この造形材料が吐出された箇所にある造形材料との接着強度を高めることができる。すると、例えば、立体造形物を井桁構造とし、立体造形物の内部が空間で占められていても、立体造形物の圧縮強度を向上させることができる。
溶融した状態の造形材料が吐出された箇所の、既に固化している造形材料としては、造形材料が吐出されて形成されつつある造形層の下の造形層の造形材料と、造形材料が吐出されて形成されつつある造形層内の隣接する造形材料との両方であることが好ましい。これにより、立体造形物の圧縮強度が更に向上する点で有利である。
フィラーの形状及び大きさとしては、長さが200μm以上かつアスペクト比が1:30以上であることが好ましい。フィラーの長さが200μm以上で、かつフィラーのアスペクト比が1:30以上であれば、層造形手段により井桁構造における架橋部分の長さが1.5mm以上となる造形層を少なくとも一部に造形することができる。これは、架橋部分の長さを長くできる点で有利である。
造形材料におけるフィラーの含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上20質量%以下が好ましい。造形材料におけるフィラーの含有率が5質量%以上20質量%以下であると、造形材料を架橋できる距離を長くすることができるとともに、吐出した造形材料が「だま」にならずに架橋が切れにくい点で有利である。
また、FFF方式の造形装置を用いる場合には、層造形手段から造形材料を吐出する際に造形材料にかかる力としては、重力、溶融による造形材料の体積の増加(フィラメントの送りによる造形材料の量の増加、熱による体積膨張、水分の気化などによるガスの発生)に起因する内部圧力、層造形手段における流路抵抗などがある。従来の造形装置においては、これらの中でも、ガスの発生による造形材料の体積の増加に起因する内部圧力が、吐出口における造形材料の垂れに大きく影響する。
本発明の造形装置においては、重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出して、造形層を造形するため、ガスの発生により造形材料の体積が増加することによる内部圧力が生じる場合でも、吐出口から造形材料が垂れることを簡易な構造により抑制できる。より具体的には、本発明の造形装置においては、造形材料に作用する重力は、当該造形材料を層造形手段に引き戻す向きに作用するため、造形材料に内部圧力が生じる場合であっても、吐出口から造形材料が垂れることを簡易な構造により抑制できる。
<支持手段、支持工程>
支持手段は、造形層が積層される造形ステージから、積層された造形層を落下しないように支持する手段である。
支持工程は、造形層が積層される造形ステージから、積層された造形層を落下しないように支持する工程である。
また、造形ステージから積層された造形層を落下しないように支持する手法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、造形ステージに対して層造形手段が位置する側から支持する手法などが挙げられる。なお、造形ステージに対して層造形手段が位置する側とは、造形ステージを含む平面により分割される空間のうち、層造形手段が存在する空間のことを意味する。
<<造形ステージ>>
造形ステージとは、層造形手段により造形材料が吐出されることにより、造形層が積層可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
造形ステージの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、平面状であることが好ましい。
造形ステージの方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、層造形手段が造形材料を吐出する向きに対して直交する方向に位置することが好ましい。
支持手段の大きさ、形状、材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
支持手段が積層された造形層を支持する向きとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、層造形手段が造形材料を吐出する向き、造形ステージと直交する向きなどが挙げられる。また、層造形手段が造形材料を吐出する向きと、造形ステージと直交する向きとは、同一の向きとなる場合もある。なお、支持手段が積層された造形層を支持する向きとは、積層された造形層の落下を防止するために支持手段が加える力の向きを意味する。
支持手段が積層された造形層の支持を開始するタイミングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。支持手段が積層された造形層の支持を開始するタイミングとしては、例えば、サポート部の造形が終了した時、サポート部における収容部の造形が終了した時、サポート部における土台部の造形が終了した時などが挙げられる。
また、支持手段が積層された造形層を支持する位置する場所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。支持手段が積層された造形層を支持する位置する場所としては、例えば、立体造形物を造形する際に層造形手段が走査する領域以外の領域、立体造形物におけるサポート部となる領域、サポート部に形成された土台部となる領域などが挙げられる。これらは、本発明における支持手段が積層された造形層を支持する位置する場所の好ましい一例でもある。
つまり、支持手段が、層造形手段が走査する領域以外の領域に位置することが好ましい。こうすることにより、層造形手段が造形層を造形する際に、層造形手段が支持手段の位置に規制させることなく走査することができるため、立体造形物の造形を容易に行うことができる。
また、層造形手段が、メンテナンス動作などの造形層の造形以外の動作を行う場合は、造形層の造形以外の動作を行う際において層造形手段が走査する領域も考慮して、支持手段を層造形手段が走査する領域以外の領域に位置させることが好ましい。
支持手段が、立体造形物における所望の形状を有する部分となるモデル部を支えるサポート部を支持することも好ましい。こうすることにより、支持手段がモデル部を支持することに起因する、モデル部の変形や破損を防止することができる。
また、支持手段がサポート部を支持する場合には、支持手段が、サポート部に圧力を加えることにより、サポート部の反りを抑制することが好ましい。支持手段がサポート部に圧力を加えることによりサポート部の反りを抑制することで、立体造形物の変形を抑制して立体造形物の造形精度を向上させることができる。また、支持手段がサポート部に圧力を加えることによりサポート部の反りを抑制することで、立体造形物が造形ステージから剥離してしまうことを防止して、立体造形物の落下をより確実に防止することができる。
さらに、支持手段がサポート部を支持する場合には、層造形手段が支持手段を収容する収容部をサポート部に形成し、支持手段が収容部に収容されることが好ましい。こうすることにより、収容部を介して、積層された造形層をより確実に支持することができるため、造形ステージから積層された造形層が落下することを、より確実に防止することができる。
また、支持手段が収容部に収容される場合、支持手段が積層された造形層を支持する際、及び収容部に対して支持手段を挿入又は脱去する際においては、支持手段は層造形手段が走査する領域以外の領域に位置することが好ましい。より具体的には、例えば、収容部を造形ステージと略平行な方向に設けて、支持手段を造形ステージと略平行な方向から収容部に挿入することで、積層された造形層を支持することが好ましい。こうすることにより、層造形手段が造形層を造形する際に、層造形手段が支持手段の位置に規制させることなく走査することができるため、立体造形物の造形をより容易に行うことができる。
加えて、層造形手段が造形ステージに接する土台部を有するサポート部を形成し、支持手段が土台部を支持することが好ましい。
土台部(ブリム部)とは、サポート部により形成された造形ステージと接する部分であり、造形層を積層して立体造形物を造形する際の土台となる部分を意味する。土台部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、支持手段を収容する収容部を有することが好ましい。土台部が、収容部を有することにより、収容部を介して、積層された造形層をより確実に支持することができるため、造形ステージから積層された造形層が落下することをより確実に防止することができる。また、土台部は、モデル部の形状にかかわらず同様の形状とすることができるため、収容部の設計が容易であるとともに、設計の自由度を高くすることができる。
また、土台部を支持する際には、土台部の表面を支持する支持手段と、収容部に収容された支持手段とを併用して、土台部を支持することも好ましい。こうすることにより、大型の立体造形物を造形する場合であっても、立体造形物の落下をより確実に防止することができる。
ここで、支持手段が土台部を支持する場合、支持手段が土台部を加熱可能であることが好ましい。支持手段が土台部を加熱可能であることにより、土台部の収縮を抑制し、より確実に土台部の反りを防止することができる。また、支持手段が土台部を加熱可能とするための手法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の加熱装置により支持手段を加熱する手法などが挙げられる。
支持手段が土台部を支持する場合、支持手段は土台部の全体を支持することが好ましい。支持手段が土台部の全体を支持する手法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、土台部に所定の間隔で複数の収容部を設けて、支持手段を収容させることにより、土台部の全体を支持できるようにする手法などが挙げられる。
支持手段が、土台部の全体を支持することにより、反りが発生しやすい造形ステージに近い造形層をしっかりと支持して圧力を加えることができるため、造形ステージに近い造形層の反りをより確実に防止することができる。このため、支持手段が、土台部の全体を支持することにより、立体造形物が造形ステージから剥離してしまうことを防止して、立体造形物の落下をより確実に防止することができる。
<その他の手段、その他の工程>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、制御手段などが挙げられる。
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、制御工程などが挙げられる。
制御工程は制御手段により好適に行うことができる。
<<制御手段、制御工程>>
制御手段は、各種プログラムを実行し、造形装置全体の動作を制御する手段である。
制御工程は、各種プログラムを実行し、造形装置全体の動作を制御する工程である。
制御手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
本発明の一実施形態として、熱溶解積層法(FFF)により立体造形物を造形する立体造形装置について説明する。なお、本発明における造形装置は、熱溶解積層法を用いたものに限定されるものではなく、造形材料を吐出して造形ステージに造形層が積層することにより立体造形物を造形する任意の造形装置を用いることができる。
図1は、本発明に係る造形装置の一実施形態における吐出モジュールを示す模式図である。
立体造形物の造形には、造形材料としての熱可塑性樹脂をマトリックスとした樹脂組成物からなる長尺のフィラメントFが用いられる。フィラメントFは、細長いワイヤー形状の固体材料である。
層造形手段としての吐出モジュール10は、エクストルーダ11、冷却ブロック12、フィラメントガイド14、加熱ブロック15、吐出ノズル18、撮像モジュール101、ねじり回転機構102を有する。フィラメントFは、エクストルーダ11によって引き込まれることで、吐出モジュール10へ供給される。
撮像モジュール101は、吐出モジュール10に引き込まれるフィラメントFの360°像、すなわち、フィラメントFにおける或る部分の全方位の画像を撮像する。図1の吐出モジュールには2つの撮像モジュールが設けられているが、例えば、反射板を用いるなどして、1つの撮像モジュール101により、フィラメントFの360°像を撮像してもよい。なお、撮像モジュール101としては、例えば、レンズなどの結像光学系と、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子と、を備えたカメラなどが挙げられる。
ねじり回転機構102は、ローラにより吐出モジュール10に引き込まれるフィラメントFを、幅方向に回転させることでフィラメントFの方向を規制する。
径測定部103は、撮像モジュール101により撮像されたフィラメントの画像から、X軸、Y軸の2方向におけるフィラメントのエッジ間の幅を、それぞれフィラメントの径として測定し、規格外となる径を検出した際には、エラー情報を出力する。エラー情報の出力先は、ディスプレイであってもよいし、スピーカであってもよいし、他の装置であってもよい。なお、径測定部103は、回路であってもよいし、CPU(Central Processing Unit)の処理によって実現される機能であってもよい。
加熱ブロック15は、ヒータなどの熱源16と、ヒータの温度を制御するための熱電対17と、を有し、移送路を介して、吐出モジュール10に供給されたフィラメントFを加熱溶融させて、吐出ノズル18へ供給する。
逆流抑制部材としての冷却ブロック12は、加熱ブロック15の上部に設けられる。冷却ブロック12は、冷却源13を有し、フィラメントを冷却する。これにより、冷却ブロック12は、溶融したフィラメントFMの吐出モジュール10の上部への逆流、溶融したフィラメントFMを押し出す抵抗の増大、あるいは、溶融したフィラメントFMの固化による移送路内での詰まりを防ぐ。加熱ブロック15と冷却ブロック12との間には、フィラメントガイド14が設けられている。
吐出モジュール10の下端部に、造形材料であるフィラメントFを吐出する吐出ノズル18が設けられている。吐出ノズル18は、加熱ブロック15から供給された溶融状態あるいは半溶融のフィラメントFMを造形テーブル3上に線状に押し出すようにして吐出する。吐出されたフィラメントFMは、冷却固化されて所定の形状の層が形成される。さらに、吐出ノズル18は、形成した層に、溶融状態あるいは半溶融状態のフィラメントFMを、線状に押し出すようにして吐出する操作を繰り返すことで、新たな層を積み上げて積層させる。こうすることにより、造形装置は、立体造形物を造形する。
本実施形態においては、吐出モジュール10に2つの吐出ノズルが設けられている。第一の吐出ノズルは、立体造形物を形成するモデル材のフィラメントを溶融して吐出し、第二の吐出ノズルは、モデル材を支持するサポート材のフィラメントを溶融して吐出する。なお、吐出ノズルの数は、2個に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第二の吐出ノズルから吐出されるサポート材により形成されるサポート部は、最終的にはモデル材により形成されるモデル部から除去される。なた、サポート材は、本実施形態においては、立体造形物を形成するモデル材とは異なる材料である。サポート材のフィラメントおよびモデル材のフィラメントは、それぞれ、加熱ブロック15にて溶融され、それぞれの吐出ノズル18から押し出されるように吐出されて、層状に順次積層される。
図2Aは、井桁構造を有する造形層の構造の一例を示す上面図である。図9Bは、井桁構造を有する造形層の構造の他の一例を示す上面図である。
図9Aに示すような造形層(第1の造形層)に第1の線状部分が複数含まれている。また、図9Bに示すような造形層(第2の造形層)に第2の線状部分が複数含まれている。図9Aでは第1の線状部分がy軸に対して平行になっており、図9Bでは第2の線状部分がx軸に対して平行である。したがって、第1の造形層と第2の造形層とを交互に積層することにより、井桁構造を少なくとも一部に有する立体造形物を造形することができる。
また、図9A及び図9Bに示すように、造形層の最も外側に位置する部分(外殻部)に対して、井桁構造となる内側の部分の両端側が、外殻部に内側から接するように造形することが好ましい。こうすることにより、外殻部と井桁構造となる内側の部分の両端側が一体となるため、造形層の強度を向上させることができる。造形層の強度が向上することにより、立体造形物の強度も向上する。
図3は、本発明の一実施形態に係る造形装置を用いて、立体造形物を造形する際の様子の一例を示す模式図である。
図3に示すように、吐出モジュール10が造形材料を吐出する吐出方向を示す矢印303の向きは、重力の向きを示す矢印300と逆向きの方向を示す矢印301の成分を含んでいる。吐出モジュール10は、造形材料を吐出することにより、立体造形物であるモデル部400とサポート部401を造形する。なお、矢印302は、水平方向を示す。
支持手段20は、支持方向を示す矢印304の方向からサポート部401を支持する。なお、支持方向を示す矢印304と吐出方向を示す矢印303は同じ向きである。支持手段20が支持方向を示す矢印304の向きからサポート部401を支持することにより、造形ステージ500からモデル部400及びサポート部401が落下することを防止している。
図4は、本発明の他の一実施形態に係る造形装置を用いて、立体造形物を造形する際の様子の一例を示す模式図である。
図4に示す実施形態においては、支持手段20は、モデル部400を造形する際に吐出モジュール10が走査する領域以外の領域に位置している。こうすることにより、吐出モジュール10が支持手段20の位置に規制されることなく走査できるため、モデル部400の造形を容易に行うことができる。なお、吐出モジュール10がモデル部400を造形する際に走査する領域は、吐出モジュール10と同一の形状の点線部の間の領域である。
図5は、本発明の他の一実施形態に係る造形装置を用いて、立体造形物を造形する際の様子の一例を示す模式図である。
図5に示す実施形態においては、支持手段20が、サポート部401に設けられた収容部に収容される。こうすることにより、支持手段20は、収容部を介してモデル部400及びサポート部401をより確実に支持することができるので、造形ステージ500からモデル部400及びサポート部401が落下することを、より確実に防止することができる。
また、図5に示す実施形態においては、支持手段20は、矢印305の方向に移動可能となっている。このため、支持手段20がモデル部400及びサポート部401を支持する際、並びに、収容部に対して支持手段20を挿入又は脱去する際において、支持手段20は、吐出モジュール10が造形材料を吐出するときに走査する領域以外の領域に位置している。こうすることにより、吐出モジュール10が支持手段20の位置に規制させることなく走査できるため、吐出モジュール10は、モデル部400及びサポート部401の造形を容易に行うことができる。
図6Aは、本発明の一実施形態に係る造形装置を用いて、土台部を造形する際の様子の一例を示す模式的な正面図である。図6Bは、本発明の一実施形態に係る造形装置を用いて、土台部を造形する際の様子の一例を示す模式的な側面図である。
図6A及び図6Bに示す実施形態においては、吐出モジュール10は、造形ステージ500に接する土台部402が形成される。なお、土台部402は、サポート部401の一部であり、収容部を有している。
また、図6A及び図6Bに示す実施形態においては、支持手段20は、矢印305の方向に移動可能となっている。このため、図5に示した実施形態と同様に、吐出モジュール10は、モデル部400及びサポート部401の造形を容易に行うことができる。
また、図6A及び図6Bに示す実施形態においては、複数の支持手段20により土台部402の全体を支持している。このため、土台部402の全体をしっかりと支持して圧力を加えることができるので、土台部402の反りをより確実に防止することができる。したがって、支持手段20が、土台部402の全体を支持することにより、土台部402が造形ステージ500から剥離してしまうことを防止して、立体造形物の落下をより確実に防止することができる。
上述したように、本発明の造形装置は、造形材料による造形層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する造形装置であって、重力と逆向きの成分を含む向きに造形材料を吐出して、造形層を造形する層造形手段と、造形層が積層される造形ステージから、積層された造形層を落下しないように支持する支持手段と、を有する。このため、本発明の造形装置は、吐出口の径が大きい場合であっても、吐出口から造形材料が垂れることを簡易な構造により抑制できる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 造形材料による造形層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する造形装置であって、
重力と逆向きの成分を含む向きに前記造形材料を吐出して、前記造形層を造形する層造形手段と、
前記造形層が積層される造形ステージから、積層された前記造形層を落下しないように支持する支持手段と、
を有することを特徴とする造形装置である。
<2> 前記層造形手段が、前記造形材料を冷却することにより、前記層造形手段における前記造形材料の逆流を抑制する逆流抑制部材を備える前記<1>に記載の造形装置である。
<3> 前記層造形手段が、前記造形ステージから離れる方向に移動する際に、前記逆流抑制部材を動作させるように制御される前記<2>に記載の造形装置である。
<4> 前記支持手段が、前記層造形手段が走査する領域以外の領域に位置する前記<1>から<3>のいずれかに記載の造形装置である。
<5> 前記支持手段が、前記立体造形物における所望の形状を有する部分となるモデル部を支えるサポート部を支持する前記<1>から<4>のいずれかに記載の造形装置である。
<6> 前記支持手段が、前記サポート部に圧力を加えることにより、前記サポート部の反りを抑制する前記<5>に記載の造形装置である。
<7> 前記層造形手段が、前記支持手段を収容する収容部を前記サポート部に形成し、
前記支持手段が、前記収容部に収容される前記<5>から<6>のいずれかに記載の造形装置である。
<8> 前記層造形手段が、前記造形ステージに接する土台部を有するサポート部を形成し、
前記支持手段が、前記土台部を支持する前記<5>から<7>のいずれかに記載の造形装置である。
<9> 前記支持手段が、前記土台部の全体を支持する前記<8>に記載の造形装置である。
<10> 前記層造形手段が、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを交互に形成した井桁構造を、少なくとも一部に有する前記立体造形物を造形する前記<1>から<9>のいずれかに記載の造形装置である。
<11> 造形材料による造形層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する造形方法であって、
重力と逆向きの成分を含む向きに前記造形材料を吐出して、前記造形層を造形する層造形工程と、
前記造形層が積層される造形ステージから、積層された前記造形層を落下しないように支持する支持工程と、
を含むことを特徴とする造形方法である。
前記<1>から<10>のいずれかに記載の造形装置、及び前記<11>に記載の造形方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
特許第5039795号公報
10 吐出モジュール(層造形手段)
12 冷却ブロック(逆流抑制部材)
20 支持手段
300 重力の向きを示す矢印
303 吐出方向を示す矢印
400 モデル部(立体造形物)
401 サポート部(立体造形物)
402 土台部
500 造形ステージ

Claims (11)

  1. 造形材料による造形層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する造形装置であって、
    重力と逆向きの成分を含む向きに前記造形材料を吐出して、前記造形層を造形する層造形手段と、
    前記造形層が積層される造形ステージから、積層された前記造形層を落下しないように支持する支持手段と、
    を有することを特徴とする造形装置。
  2. 前記層造形手段が、前記造形材料を冷却することにより、前記層造形手段における前記造形材料の逆流を抑制する逆流抑制部材を備える請求項1に記載の造形装置。
  3. 前記層造形手段が、前記造形ステージから離れる方向に移動する際に、前記逆流抑制部材を動作させるように制御される請求項2に記載の造形装置。
  4. 前記支持手段が、前記層造形手段が走査する領域以外の領域に位置する請求項1から3のいずれかに記載の造形装置。
  5. 前記支持手段が、前記立体造形物における所望の形状を有する部分となるモデル部を支えるサポート部を支持する請求項1から4のいずれかに記載の造形装置。
  6. 前記支持手段が、前記サポート部に圧力を加えることにより、前記サポート部の反りを抑制する請求項5に記載の造形装置。
  7. 前記層造形手段が、前記支持手段を収容する収容部を前記サポート部に形成し、
    前記支持手段が、前記収容部に収容される請求項5から6のいずれかに記載の造形装置。
  8. 前記層造形手段が、前記造形ステージに接する土台部を有する前記サポート部を形成し、
    前記支持手段が、前記土台部を支持する請求項5から7のいずれかに記載の造形装置。
  9. 前記支持手段が、前記土台部の全体を支持する請求項8に記載の造形装置。
  10. 前記層造形手段が、第1の線状部分を複数有する第1の造形層と、前記第1の線状部分に対して交差する第2の線状部分を複数有する第2の造形層とを交互に形成した井桁構造を、少なくとも一部に有する前記立体造形物を造形する請求項1から9のいずれかに記載の造形装置。
  11. 造形材料による造形層の積層を繰り返すことにより、立体造形物を造形する造形方法であって、
    重力と逆向きの成分を含む向きに前記造形材料を吐出して、前記造形層を造形する層造形工程と、
    前記造形層が積層される造形ステージから、積層された前記造形層を落下しないように支持する支持工程と、
    を含むことを特徴とする造形方法。

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