JP2020082670A - 造形装置及び造形方法 - Google Patents

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Tomomi Akieda
智美 秋枝
陽一 伊東
Yoichi Ito
陽一 伊東
藤井 俊茂
Toshishige Fujii
俊茂 藤井
竹山 佳伸
Yoshinobu Takeyama
佳伸 竹山
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Abstract

【課題】造形時間が短く、かつ反り量が少なく除去しやすい支持構造物を造形可能な造形装置の提供。【解決手段】熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料で、造形層を支持する支持層を造形する支持層造形手段を少なくとも有する造形装置であって、前記支持層造形手段は、所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、前記第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形する造形装置である。【選択図】図5

Description

本発明は、造形装置及び造形方法に関する。
近年、金型などを用いずに立体造形物(モデル)を造形する装置として、いわゆる3D(3−Dimensional、三次元)プリンタが普及しつつある。
3Dプリンタには、造形したいモデルの3Dデータを層状のスライスデータに変換し、そのスライスデータに基づき、溶融あるいは半溶融させた樹脂を吐出して造形層を造形し、造形層を積層していくことで立体造形物を造形するものがある。
このような3Dプリンタでは、造形層を底面から積層していくため、オーバーハングする箇所などでは、吐出した樹脂が重力で垂れたり、吐出した樹脂の重量で形状が変形したりしないように、造形層の下に支持層を造形して支持構造物を造形する場合がある。この支持構造物は立体造形物の造形が完了した後に除去され、これによってユーザーは所望の立体造形物を得ることができる。
支持構造物の除去方式としては、溶解方式やブレイクアウェイ方式などが知られている。溶解方式は、支持構造物に溶剤や水に溶ける材料を用い、造形完了後の立体造形物及び支持構造物を溶剤又は水に浸しておくことで支持構造物を溶かして除去する方式である。また、ブレイクアウェイ方式は、支持構造物を物理的に破壊して立体造形物から除去する方式であり、造形完了後の立体造形物からニッパーやペンチなどを使って支持構造物を除去する方式である。
ブレイクアウェイ方式においては、例えば、支持構造物を効率的に造形することを目的として、支持構造物を蛇腹構造としているものがある。
また、他の例では、支持構造物を容易に除去することを目的として、支持構造物を井桁構造とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、造形時間が短く、かつ反り量が少なく除去しやすい支持構造物を造形可能な造形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段としての本発明の造形装置は、熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料で、造形層を支持する支持層を造形する支持層造形手段を少なくとも有する造形装置であって、支持層造形手段は、所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形する。
本発明によると、造形時間が短く、かつ反り量が少なく除去しやすい支持構造物を造形可能な造形装置を提供することができる。
図1は、従来の蛇腹構造の支持構造物の一例を示す模式図である。 図2Aは、従来の蛇腹構造の支持構造物に造形層を積層した際の断面の一例を示す模式図である。 図2Bは、従来の蛇腹構造の支持構造物に支持面を造形し、造形した支持面上に造形層を積層した際の断面の一例を示す模式図である。 図3は、従来の蛇腹構造の支持構造物を、一部開口を設けながら囲むようにして立体造形物が造形された際の上面の一例を示す模式図である。 図4Aは、交点間隔が広い井桁構造の支持構造物において、フィラーを含有しない支持材料を吐出して架橋した状態の一例を示す模式図である。 図4Bは、交点間隔が狭い井桁構造の支持構造物において、フィラーを含有しない支持材料を吐出して架橋した状態の一例を示す模式図である。 図5は、交点間隔が広い井桁構造の支持構造物において、フィラーを含有する支持材料を吐出して架橋した状態の一例を示す模式図である。 図6は、交点間隔が広い井桁構造の支持構造物の一例を示す模式図である。 図7は、本発明に係る造形装置の一実施形態を示す模式図である。 図8は、図7の造形装置における吐出モジュールを示す模式図である。 図9Aは、図7の造形装置における吐出ノズルを示す模式図である。 図9Bは、フィラメントにフィラーとしてのカーボンファイバーが含有されている状態の一例を示す写真である。 図9Cは、フィラメントにフィラーとしてのカーボンファイバーが含有されている状態の他の一例を示す写真である。 図10は、図7の造形装置におけるハードウェア構成を示すブロック図である。 図11Aは、支持構造物を井桁構造とする際の第1の支持層を造形するツールパスの一例を示す説明図である。 図11Bは、支持構造物を井桁構造とする際の第2の支持層を造形するツールパスの一例を示す説明図である。 図12は、実施例1における支持構造物を示す写真である。 図13は、実施例2における支持構造物を示す写真である。 図14は、比較例1における支持構造物を示す写真である。 図15は、比較例2における支持構造物を示す写真である。 図16は、支持構造物の反り量を測定した際の画面の一例を示す画像である。 図17は、支持構造物の最大反り量と、井桁構造における支持層の交点間隔との関係性の一例を示すグラフである。 図18は、井桁構造における支持層の交点間の架橋成功率と、支持材料が含有するフィラーとしてのカーボンファイバーの長さとの関係性の一例を示すグラフである。
(造形装置、造形方法)
本発明の造形装置は、熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料で、造形層を支持する支持層を造形する支持層造形手段を少なくとも有する造形装置である。この支持層造形手段は、所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形する。また、この造形装置は、冷却手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の造形方法は、熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料で、造形層を支持する支持層を造形する支持層造形工程を少なくとも含む造形方法である。この支持層造形工程は、所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形する。また、この造形方法は、冷却工程を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。
なお、立体造形物をモデル、立体造形物の一部をモデル部、支持構造物をサポート、支持構造物の一部をサポート部と称することもある。
造形方法は造形装置により好適に行うことができ、支持層造形工程は支持層造形手段により好適に行うことができ、層造形工程は層造形手段により好適に行うことができ、冷却工程は冷却手段により好適に行うことができる。また、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
つまり、本発明の造形装置は、本発明の造形方法を実施することと同義である。そのため、本発明の造形装置に関する説明を通じて、本発明の造形方法の詳細についても明らかにする。
本発明は、従来の造形技術のように、支持構造物を蛇腹構造にすると、立体造形物及び支持構造物の造形後に支持構造物を除去することが困難な場合があるという知見に基づくものである。
具体的には、図1に示すように、蛇腹構造の支持構造物300は、図1中矢印Yで示す水平方向Yに外力を加えると壊れやすいため、立体造形物から除去しやすい。一方、蛇腹構造の支持構造物300は、図1中矢印Xで示す水平方向Xに外力を加えても構造的に変形しにくく壊れにくいため、立体造形物から除去することが困難な場合がある。また、蛇腹構造の支持構造物は、図1中矢印Zで示す積層方向Zに隙間なく支持層300aが積層されているため、積層方向Zに外力を加えても壊れにくく、立体造形物から除去することが困難な場合がある。
さらに、図2Aに示すように、蛇腹構造の支持構造物300の上に樹脂を吐出して造形層200aを造形すると、吐出した樹脂が重力で垂れてしまうことがある。また、吐出した樹脂が重力で垂れないようにするため、図2Bに示すように、造形層を支持するための平板状の支持面300bを支持構造物300に設けると、支持面300bと造形層200bとの接着力が強くなってしまう。すると、支持面300bを立体造形物200から除去することが困難な場合がある。
またさらに、図3に示すように、蛇腹構造の支持構造物300を、一部開口を設けながら囲むようにして立体造形物200が造形されたときには、その開口から支持構造物300を除去することが困難な場合がある。
このため、例えば、特許文献1では、支持構造物を井桁構造にすることが提案されている。支持構造物を井桁構造すると、図3で示した水平方向X、水平方向Y、及び積層方向Zのいずれでも外力を加えると壊れやすくなるが、本発明は、単に井桁構造にしても、立体造形物から支持構造物を除去することが困難な場合があるという知見に基づいている。
具体的には、支持構造物を井桁構造にしても、井桁構造を積層方向から見た際(平面視した際)の格子間距離(以下、「交点間隔」と称する)を広くすると、図4Aに示すように、吐出した支持材料(溶融させたフィラメントFM)が重力で垂れてしまうことがある。それゆえ、図4Bに示すように、吐出した支持材料FMが重力で垂れないように井桁構造の交点間隔を狭くすると、井桁構造における支持材料の充填率が高くなることから外力を加えても壊れにくく、立体造形物から除去することが困難な場合がある。また、井桁構造の交点間隔を狭くすると、支持構造物の造形時間が長くなるとともに、吐出した支持材料FMの熱収縮の影響を受けやすくなり、支持構造物の反り量を低減できない場合がある。
そこで、本発明の造形装置は、熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料を用いるようにした。これにより、図5に示すように、フィラーFcが熱可塑性樹脂Frの芯材の役割を果たすことで、本発明の造形装置が造形する支持構造物において、支持層どうしが接しない中空部を有しやすくなり、井桁構造の交点間隔が従来よりも広くても、吐出した支持材料FMを垂れにくくした。このため、図6に示すように、井桁構造の交点間隔を広くできることから、支持材料の熱収縮の影響を受けにくくすることができ、支持構造物300の反りの発生を抑制することができる。また、本発明の造形装置は、井桁構造の交点間隔を広くすることができることから、支持構造物300の造形時間を短くできる。さらに、本発明の造形装置は、支持構造物300における支持材料の充填率を低くすることができるため、除去しやすい支持構造物300を造形することができる。
<支持層造形手段、支持層造形工程>
支持層造形手段は、所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形する手段である。
支持層造形工程は、所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形する工程である。
支持層造形手段は、移動(走査)しながら支持材料を吐出することにより、支持層を造形する。
また、支持層造形手段は、90Pa・s以上200Pa・s以下の溶融粘度で熱可塑性樹脂を吐出することが好ましい。これにより、支持層造形手段が熱可塑性樹脂を含む支持材料を吐出する際に、支持層造形手段から支持材料が垂れたりする不具合の発生が抑制されるとともに、中空部を設けるために支持材料を架橋しやすくなる。また、90Pa・s以上200Pa・s以下の溶融粘度で熱可塑性樹脂を吐出すると、支持材料の引き込み(リトラクト動作)時の引き込み不足、それに付随する吐出初期のショートショット、支持構造物の崩れなどといった不具合も発生しにくくなる。
熱可塑性樹脂の溶融粘度は、例えば、粘度測定装置(HAAKE MARS III、Thermo Scientific社製)などを用いて、試料をギャップ1mmのパラレルプレートに挟み、せん断率を1,000/sとし、400℃で測定することができる。
支持層造形手段としては、支持材料を吐出する吐出口を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、フィラメント状の支持材料を吐出する吐出モジュール(ヘッド)、ペレットの直接溶融吐出モジュール(ヘッド)などが挙げられる。なお、支持層造形手段は、造形装置に複数設けられていてもよく、1つの支持層造形手段に複数の吐出口が配されていてもよい。また、支持層造形手段は、例えば、支持材料を溶融するための加熱部や、支持材料を吐出するためのノズルなどを有する。
<<支持材料>>
支持材料としては、熱可塑性樹脂及びフィラーを含有していれば、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。フィラーは、特に限定されないが、針状や繊維状であることが好ましく、無機系であることがより好ましい。具体的には、カーボンファイバー、ガラス繊維、セラミック繊維、チタン酸カルシウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、セルロース系繊維等のフィラーを1つもしくは複数を組み合わせて含有することが好ましく、強度や加工性の観点でカーボンファイバーであることが特に好ましい。
フィラーの形状及び大きさとしては、長さが200μm以上かつアスペクト比が1:30以上であることが好ましい。フィラーの長さが200μm以上で、かつフィラーのアスペクト比が1:30以上であれば、支持層造形手段により中空部の長さが1.5mm以上となる造形層を少なくとも一部に形成することができ、中空部の長さを長くできる点で有利である。支持材料におけるフィラーの含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上20質量%以下が好ましい。支持材料におけるフィラーの含有率が5質量%以上20質量%以下であると、支持材料を架橋できる距離を長くすることができるとともに、吐出した造形材料が「だま」にならずに架橋が切れにくい点で有利である。
−熱可塑性樹脂−
熱可塑性樹脂とは、熱を加えると可塑化し、溶融する樹脂を意味する。
熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性樹脂、非結晶性樹脂、液晶樹脂などが挙げられる。
なお、結晶性樹脂とは、ISO3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)に準拠した測定において、融点ピークが検出される樹脂である。
3Dプリンタで用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ABS、ASA、ポリカーボネート(PC)、ナイロン12、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール(POM:Polyoxymethylene)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、PC−ABSなどのように2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド410(PA410)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、及びポリアミド12(PA12);並びにポリアミド4T(PA4T)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、及びポリアミド10T(PA10T)などの半芳香族性のポリアミドが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブタジエンテレフタレート(PBT)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する点で、テレフタル酸やイソフタル酸を一部に含む芳香族を有するものが好ましい。
ポリエーテルとしては、例えば、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルフォンなどが挙げられる。
ポリアリールケトンとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などが挙げられる。
また、ポリフェニレンサルファイド(線膨張係数:4.9×10−5/℃)、ポリスルホン(線膨張係数:5.6×10−5/℃)、ポリエーテルサルフォン(線膨張係数:5.6×10−5/℃)、ポリエーテルイミド(線膨張係数:4.7×10−5/℃)、ポリアミドイミド(線膨張係数:3.1×10−5/℃)、ポリエーテルエーテルケトン(線膨張係数:4.7×10−5/℃)、及びポリフェニルスルホン(線膨張係数:5.6×10−5/℃)などは、「スーパーエンジニアリングプラスチック」と称されている。なお、以下では、スーパーエンジニアリングプラスチックを「スーパーエンプラ」と称することもある。
線膨張係数とは、温度上昇によって物体の長さが膨張する割合を温度あたりで示したものである。上記のように、これらのスーパーエンプラは、ポリ塩化ビニル(7×10−5/℃〜25×10−5/℃)、ポリエチレン(5.9×10−5/℃〜11×10−5/℃)、ポリプロピレン(8.1×10−5/℃〜10×10−5/℃)、ABS(6.5×10−5/℃〜9.5×10−5/℃)、ナイロン12(10×10−5/℃)などの他の熱可塑性樹脂よりも線膨張係数が低い傾向にあり、本発明のようにフィラーを含有させて井桁構造で造形することで、反りやひずみをほとんど発生させることがなくなる。スーパーエンプラは、溶融温度が非常に高くて、溶融温度と造形環境温度との差異によって反りやひずみが大きいにもかかわらず好適な材料となるのは、本発明の大きな効果である。
また、他の熱可塑性樹脂においても本発明は有効であるが、熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリフェニルスルホンなどのスーパーエンプラから選択される少なくとも1種であることが好ましい。熱可塑性樹脂がスーパーエンプラであると、造形する立体造形物の引張強度、耐熱性、耐薬品性、及び難燃性を向上することができ、立体造形物を工業用途にも使用可能になる点でも大いに有利である。
−カーボンファイバー−
カーボンファイバーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
カーボンファイバーの形状及び大きさとしては、長さが200μm以上かつアスペクト比が1:30以上であることが好ましい。カーボンファイバーの長さが200μm以上で、かつカーボンファイバーのアスペクト比が1:30以上であれば、支持層造形手段により中空部の長さが1.5mm以上となる支持層を少なくとも一部に造形することができ、中空部の長さを長くできる点で有利である。
支持材料におけるカーボンファイバーの含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上20質量%以下が好ましい。支持材料におけるカーボンファイバーの含有率が5質量%以上20質量%以下であると、支持材料を架橋できる距離を長くすることができるとともに、吐出した支持材料が「だま」にならずに架橋が切れにくい点で有利である。
また、支持材料にカーボンファイバーが含有されていると、支持材料の熱容量が大きくなることから、溶融した状態の支持材料が吐出された箇所に熱が伝わりやすくなる。これは、20W/m・K以上の熱伝導率を有するカーボンファイバーを支持材料に含有させているためである。これにより、支持材料が吐出された箇所にある、既に固化している支持材料が内部まで溶融した状態になりやすくなるため、吐出された支持材料と、この支持材料が吐出された箇所にある支持材料との接着強度を高めることができる。すると、例えば、支持構造物を井桁構造とし、支持構造物の内部が空間で占められていても、支持構造物の圧縮強度を向上させることができる。
溶融した状態の支持材料が吐出された箇所の、既に固化している支持材料としては、支持材料が吐出されて造形されつつある支持層の下の支持層の支持材料と、支持材料が吐出されて造形されつつある支持層内の隣接する支持材料との両方であることが好ましい。これにより、支持構造物の圧縮強度が更に向上する点で有利である。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる
<<支持層>>
支持層としては、熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料により造形されるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の造形装置は、支持層の積層を繰り返すことにより、支持層どうしが接しない中空部を有する支持構造物を造形する。言い換えると、中空部とは、支持構造物において、支持材料を架橋することにより設けられた空間を意味する。また、中空部の長さとは、中空部を設けるために支持材料を架橋した長さを意味する。
中空部の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、支持構造物における中空部が占める割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
中空部となる部分を造形する支持層の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、井桁構造、ハニカム構造、トポロジー解析等のCAE(Computer Aided Engineering)技術により求めた肉抜き構造などが挙げられる。これらの中でも、井桁構造が好ましい。
<<井桁構造>>
井桁構造とは、支持構造物における、所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層とが、交互に造形された部分を意味する。
なお、線状部分は、直線であってもよいし、直線でなくてもよい。複数の線状部分同士は、互いに平行であってもよい。もちろん完全に平行でなくても略平行であればよい。また、第1の線状部分に対して、第2の線状部分は、直角もしくは任意の角度をもって交差すればよく、略直交するように交差してもよい。
支持構造物が井桁構造を少なくとも一部に有することにより、支持構造物全体における支持材料の充填率を効率的に小さくできるため、支持材料の使用量を抑制できる。特に、大型の支持構造物を造形する場合には、支持構造物が井桁構造を少なくとも一部に有することによる上記の効果はより大きくなる。
また、井桁構造は形状がシンプルであることから、支持層造形手段を走査させる経路であるツールパスがシンプルになるため、支持構造物の造形時間を短くすることができる。
支持構造物内部を中空にする構造としてハニカム構造も考えられるが、この構造は強固な中空構造が期待できるものの複雑なツールパスを移動する必要があり、造形スピードを上げることに限界がある。例えば、本発明者らによる造形実験では、造形スピードに5倍以上の差が生じた。また、ハニカム構造におけるそれぞれのラインは全て上下方向につながっているので、支持構造物を軽くすることにも限界がある。さらに、支持構造物の内部における中空密度(中空部の割合)を変更することも簡単にはできない問題がある。
また、第1の支持層及び第2の支持層における線状部分が互いに略平行であるとは、或る支持層における隣り合う線状部分が、当該支持層の中で交差しない程度に平行に位置していることを意味する。
第2の支持層における線状部分が、第1の支持層における線状部分と略直交するとは、第2の支持層における線状部分と第1の支持層における線状部分がなす角が、70°以上110°以下であることを意味する。
第1の支持層及び第2の支持層における線状部分が位置する所定の間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、使用する支持材料における吐出時の粘度などの物性に応じて選択することが好ましい。
なお、第1の支持層及び第2の支持層における線状部分が位置する所定の間隔は、1つの支持層の中で異なる間隔となっていてもよい。
<層造形手段、層造形工程>
層造形手段は、支持材料を造形材料に、支持層を造形層に、支持構造物を立体造形物にした以外は、支持層造形手段と同様であるため、詳細な説明を省略する。
層造形工程は、層造形手段と同様に、支持材料を造形材料に、支持層を造形層に、支持構造物を立体造形物にした以外は、支持層造形工程と同様であるため、詳細な説明を省略する。
造形材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持材料と同じ材料であってもよく、支持材料と別の材料であってもよい。
<冷却手段、冷却工程>
冷却手段は、支持層を造形層に接触させて造形する場合に、支持層造形手段が支持材料を吐出する前に、支持材料を吐出する箇所の造形層を冷却可能な手段である。また、冷却手段は、造形層を支持層に接触させて造形する場合には、層造形手段が造形材料を吐出する前に、造形材料を吐出する箇所の支持層を冷却する手段である。
冷却工程は、支持層を造形層に接触させて造形する場合に、支持層造形工程において支持材料を吐出する前に、支持材料を吐出する箇所の造形層を冷却可能な工程である。また、冷却工程は、造形層を支持層に接触させて造形する場合には、層造形工程において造形材料を吐出する前に、造形材料を吐出する箇所の支持層を冷却する工程である。
冷却手段は、支持層造形手段と一体に設けられてもよく、支持層造形手段とは別個に設けられてもよい。
支持層を造形層に接触させて造形する場合に、支持層造形手段が支持材料を吐出する前に、支持材料を吐出する箇所の造形層を冷却手段が冷却することにより、支持層と造形層との接着力を弱めることができるため、支持構造物を立体造形物から除去しやすくなる。また、造形層を支持層に接触させて造形する場合には、層造形手段が造形材料を吐出する前に、造形材料を吐出する箇所の支持層を冷却手段が冷却することにより、支持層と造形層との接着力を弱めることができるため、支持構造物を立体造形物から除去しやすくなる。
冷却手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、間接的に冷却できるエアーブロー装置や、直接接触させて冷却できるペルチェ素子などが挙げられる。また、冷却手段をエアーブロー装置とした場合には、支持層造形手段にエアーが当たることで、吐出前後の溶融あるいは半溶融状態の支持材料の温度が下がり、立体造形物の造形に不具合が発生することもあるため、風防部材を更に備えてもよい。
ここで、本発明における造形装置の一例について図面を参照して説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
<全体構成>
本発明の一実施形態として、熱溶解積層法により支持構造物を造形する立体造形装置について説明する。なお、本発明における造形装置は、熱溶解積層法を用いたものに限定されるものではなく、載置台(造形テーブル)の載置面上に支持構造物を造形する任意の造形装置を用いることができる。
図7は、本発明に係る造形装置の一実施形態を示す模式図である。図8は、図7の造形装置における吐出モジュールを示す模式図である。造形装置1は、射出成形では金型が複雑になる、又は、成形することができないような複雑な立体構造を有する支持構造物を造形することができる。
三次元造形装置1における筐体2の内部は、立体造形物及び支持構造物MOを造形するための処理空間となっている。筐体2の内部には載置台としての造形テーブル3が設けられており、造形テーブル3の上に、立体造形物及び支持構造物MOが造形される。
支持構造物の造形には、熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する長尺のフィラメントFが用いられる。フィラメントFは、細長いワイヤー形状の固体材料であり、巻き回された状態で造形装置1における筐体2の外部のリール4にセットされている。リール4は、フィラメントFの駆動手段であるエクストルーダ11の回転に引っ張られることで、大きく抵抗力を働かせることなく自転する。
筐体2の内部の造形テーブル3の上方には、支持層造形手段としての吐出モジュール10(造形ヘッド)が設けられている。吐出モジュール10は、エクストルーダ11、冷却ブロック12、フィラメントガイド14、加熱ブロック15、吐出ノズル18、冷却手段としてのエアーブロー19を有する。フィラメントFは、エクストルーダ11によって引き込まれることで、造形装置1の吐出モジュール10へ供給される。
加熱ブロック15は、ヒータなどの熱源16と、ヒータの温度を制御するための熱電対17と、を有し、移送路を介して、吐出モジュール10に供給されたフィラメントFを加熱溶融させて、吐出ノズル18へ供給する。
冷却ブロック12は、加熱ブロック15の上部に設けられる。冷却ブロック12は、冷却源13を有し、フィラメントを冷却する。これにより、冷却ブロック12は、溶融したフィラメントFMの吐出モジュール10の上部への逆流、溶融したフィラメントFMを押し出す抵抗の増大、あるいは、溶融したフィラメントFMの固化による移送路内での詰まりを防ぐ。加熱ブロック15と冷却ブロック12との間には、フィラメントガイド14が設けられている。
図8に示すように、吐出モジュール10の下端部に、造形材料であるフィラメントFを吐出する吐出ノズル18が設けられている。吐出ノズル18は、加熱ブロック15から供給された溶融状態あるいは半溶融のフィラメントFMを造形テーブル3上に線状に押し出すようにして吐出する。吐出されたフィラメントFMは、冷却固化されて所定の形状の層が造形される。さらに、吐出ノズル18は、造形した層に、溶融状態あるいは半溶融状態のフィラメントFMを、線状に押し出すようにして吐出する操作を繰り返すことで、新たな層を積み上げて積層させる。こうすることにより、造形装置1は、立体造形物及び支持構造物MOを造形する。
本実施形態においては、吐出モジュール10に2つの吐出ノズルが設けられている。第一の吐出ノズルは、立体造形物及び支持構造物MOを造形するモデル材のフィラメントを溶融して吐出し、第二の吐出ノズルは、モデル材を支持するサポート材のフィラメントを溶融して吐出する。なお、図7において、第一の吐出ノズルの奥側に第二の吐出ノズルが配置されている。なお、吐出ノズルの数は、2個に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第二の吐出ノズルから吐出されるサポート材により造形されるサポート部は、最終的にはモデル材により造形されるモデル部から除去される。また、サポート材は、本実施形態においては、立体造形物を造形するモデル材とは同じ材料である。サポート材のフィラメント及びモデル材のフィラメントは、それぞれ、加熱ブロック15にて溶融され、それぞれの吐出ノズル18から押し出されるように吐出されて、層状に順次積層される。
図9Aは、図7の造形装置における吐出ノズルを示す模式図である。
図9Aに示すように、第二の吐出ノズル18において、熱可塑性樹脂Fr及びフィラーFcを含有させたフィラメントFを溶融し、溶融させたフィラメントFMを吐出ノズルから吐出すると、フィラーFcの向きが吐出方向に揃うようになる。これは、第二の吐出ノズル内部における熱可塑性樹脂Frに流れによるものである。このようにして、吐出ノズルは、図9B及び図9Cに示すような状態でフィラメントFMを吐出する。
エアーブロー19は、第二の吐出ノズル18がフィラメントFMを吐出する前に、フィラメントFMを吐出する箇所の造形層を冷却する。これにより、支持構造物と立体造形物との接着力を弱めることができるため、支持構造物を立体造形物から除去しやすくなる。
吐出モジュール10および加熱モジュール20は、装置左右方向(図7中の左右方向)に延びるX軸駆動軸31(X軸方向)に対し、連結部材を介して、移動可能に保持されている。吐出モジュール10は、X軸駆動モータ32の駆動力により、装置左右方向(X軸方向)へ移動することができる。
X軸駆動モータ32は、装置前後方向(図7中の奥行方向)に延びるY軸駆動軸(Y軸方向)に沿って移動可能に保持されている。X軸駆動軸31がX軸駆動モータ32ごとY軸駆動モータ33の駆動力によってY軸方向に沿って移動することにより、吐出モジュール10および加熱モジュール20はY軸方向に移動する。
造形テーブル3は、Z軸駆動軸34及びガイド軸35が貫通しており、装置上下方向(図7中の上下方向)に延びるZ軸駆動軸34に沿って移動可能に保持されている。造形テーブル3は、Z軸駆動モータ36の駆動力により、装置上下方向(Z軸方向)へ移動する。造形テーブル3には、積載された造形物を加熱する造形物加熱部が設けられていてもよい。
また、フィラメントFの溶融と吐出を経時で続けると、吐出ノズル18の周辺部が溶融したフィラメントFMなどで汚れることがある。そこで、造形装置1に設けられたクリーニングブラシ37により、吐出ノズル18の周辺部に対し定期的にクリーニング動作を行うことで、吐出ノズル18の先端にフィラメントFが固着することを防ぐことができる。なお、クリーニング動作は、固着防止の観点から、溶融したフィラメントFMの温度が下がりきらないうちに実行されることが好ましい。この場合、クリーニングブラシ37は、耐熱性部材からなることが好ましい。また、クリーニング動作時に生じる研磨粉については、造形装置1に設けられたダストボックス38に集積させて定期的に捨ててもよいし、吸引路を設けて造形装置1の外部へ排出させてもよい。
図10は、図7の造形装置におけるハードウェア構成を示すブロック図である。
造形装置1は、制御部100を有する。制御部100は、CPUや回路などを有しており、図10に示すようにそれぞれの部と電気的に接続されている。
造形装置1には、吐出モジュール10のX軸方向位置を検知するX軸座標検知機構が設けられている。X軸座標検知機構の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてX軸駆動モータ32の駆動を制御して、吐出モジュール10を目標のX軸方向位置へ移動させる。
三次元造形装置1には、吐出モジュール10のY軸方向位置を検知するY軸座標検知機構が設けられている。Y軸座標検知機構の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてY軸駆動モータ33の駆動を制御して、吐出モジュール10を目標のY軸方向位置へ移動させる。
三次元造形装置1には、造形テーブル3のZ軸方向位置を検知するZ軸座標検知機構が設けられている。Z軸座標検知機構の検知結果は、制御部100に送られる。制御部100は、その検知結果に基づいてZ軸駆動モータ36の駆動を制御して、造形テーブル3を目標のZ軸方向位置へ移動させる。
このように、制御部100は、吐出モジュール10及び造形テーブル3の移動を制御することにより、吐出モジュール10および造形テーブル3の相対的な三次元位置を、目標の三次元位置に移動させる。
さらに、制御部100は、エクストルーダ11、冷却ブロック12、吐出ノズル18、エアーブロー19、クリーニングブラシ37の各駆動部に制御信号を出力することで、これらの駆動を制御する。
図11Aは、支持構造物を井桁構造とする際の第1の造形層を造形するツールパスの一例を示す説明図である。図11Bは、支持構造物を井桁構造とする際の第2の造形層を造形するツールパスの一例を示す説明図である。
図11Aに示すような造形層(第1の造形層)と、図11Bに示すような造形層(第2の造形層)を交互に積層することにより、井桁構造を少なくとも一部に有する支持構造物を造形することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。ここでは、フィラーとしてカーボンファイバーを含有した実施例と、フィラーを含有していない比較例を説明する。フィラーとしてカーボンファイバーを用いた実施例を中心に説明するが、ガラス繊維、セラミック繊維等であっても同等の効果を得られる。
(実施例1)
[造形材料(フィラメント)の製造]
熱可塑性樹脂としてポリエーテルエーテルケトン(PEEK)(151Gグレード、VICTREX社製、400℃での粘度:150Pa・s、線膨張係数:4.7×10−5/℃)とフィラーとしてカーボンファイバー(クレカチョップ、株式会社クレハ製、長さ400μm、アスペクト比1:100)を9:1の質量比(10質量%)で、混練機(小容量加圧型ニーダー、日本スピンドル製造株式会社(株式会社モリヤマ)製)により、カーボンファイバーの長さが200μm以上のものが残るように混練時間を調整して混練し、フィラメントを製造した。製造したフィラメントを蛍光顕微鏡で観察した際の写真を図9Bに示す。図9Bに示すように、400μm長のチョップドカーボンファイバーを熱可塑性樹脂と混錬することで、カーボンファイバーが一部粉砕されてしまって短いカーボンファイバーも散見されるが、フィラメント内に400μm程度の長いカーボンファイバーが多く含有されている状態が確認できる。
[支持構造物の造形]
図7〜図10で示したような造形装置1(HPP155、INDMATEC Printer社製)を用いて、吐出モジュール10のノズル温度を420℃、吐出するフィラメントFのライン幅を0.5mm、吐出モジュール10を走査させる速度を100mm/s、造形テーブル3のビルドプレート温度を150℃に設定し、吐出モジュール10から上述のように製造したフィラメントを吐出させ、図11A及び図11Bに示したような第1の支持層及び第2の支持層を交互に造形して積層することにより、井桁構造を有する支持構造物1の造形を行った。なお、吐出したフィラメントのラインの高さは0.2mmであった。
井桁構造を有する支持構造物1は、50mm×50mm×10mmのサイズの直方体とした。また、井桁構造としては、第1の支持層及び第2の支持層の交点間の距離(以下、「交点間隔」と称する)を8mmとした。この場合、フィラメントFのライン幅が0.5mmであるため、中空部の長さは7.5mmとなる。
<反りの外観評価>
得られた支持構造物1に対して、目視により反りの有無を評価した。結果を表1に示す。また、得られた支持構造物1の写真を図12に示す。
図12に示すように、支持構造物1は、外観上反りはなく、交点間隔が8mmであるにもかかわらず交点間中間部の垂れ下がりもほとんど見られなかった。
(実施例2)
実施例1において、交点間隔を2mm(中空部の長さは1.5mm)とした以外は、実施例1と同様にして支持構造物2を造形し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。また、得られた支持構造物2の写真を図13に示す。
図13に示すように、支持構造物2には外観上反りがなかった。
(比較例1)
実施例1において、フィラメントに含有させるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)をVICTREX社製の381Gグレード(400℃での粘度:380Pa・s、線膨張係数:4.7×10−5/℃)に変更し、フィラメントにフィラーを含有しなかった以外は、実施例1と同様にして支持構造物3を造形し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。また、得られた支持構造物3の写真を図14に示す。
支持構造物3は、造形中に反り量が非常に大きくなったため、途中で造形を中止した。途中で造形を中止した支持構造物3によると、フィラメントにフィラーを含有しなかったことから、図14に示すように、支持層の交点と交点の間をフィラメントでうまく架橋することができなかった。また、フィラメントにフィラーを含有しなかったことから、吐出でフィラメントが「だま」になりやすくなり、フィラメントが交点に「だま」になっているのが確認できた。
(比較例2)
比較例1において、吐出モジュールを走査させる速度を20mm/sとした以外は、比較例1と同様にして支持構造物4を造形し、比較例1と同様に評価した。結果を表1に示す。また、得られた支持構造物4の写真を図15に示す。
支持構造物4は、図15に示すように、反り量が大きくなったため、支持構造物の高さが10mmにならないところで造形を中止した。途中で造形を中止した支持構造物4によると、支持構造物3よりも支持層の交点と交点の間をフィラメントで架橋できていることが確認できた。
表1の結果から、熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料を吐出し、第1の支持層及び第2の支持層を造形して造形した井桁構造の支持構造物は、反りが少なく、目視レベルで良好であった。
なお、フィラーとして、カーボンファイバー以外にガラス繊維やセラミック繊維など種々の繊維が知られているが、井桁構造を造形する際には、カーボンファイバーを含有することが最も好ましい。
<支持構造物の最大反り量と支持層の交点間隔との関係性>
次に、支持構造物の最大反り量と、井桁構造における支持層の交点間隔との関係性について、定量的な検討を行った。
[支持構造物の造形]
実施例1において、造形する支持構造物のサイズを48mm×48mm×10mmとし、井桁構造における交点間隔を0.5mm〜20mmに変化させた以外は、実施例1と同様にして支持構造物をそれぞれ造形した。さらに、比較例としての位置づけで、中空部を有さない支持構造物も造形した。
[最大反り量の測定]
得られた支持構造物に対して、3次元形状測定システム(VR−3200、株式会社キーエンス製)を用いて最大反り量を測定した。
図16は、支持構造物の反り量を測定した際の画面の一例を示す画像である。
図16に示すように、得られた支持構造物の底面対角線の形状を測定し、中央付近の平らな箇所から対角線端部の最大反り量を測定した。なお、造形物底面を上側に向け、上側から測定しているため、図16のプロファイル例では端部が下方向に反っているような図となっている。
造形した各支持構造物について、このように最大反り量を測定した結果を図17に示す。
図17は、支持構造物の最大反り量と、井桁構造における支持層の交点間隔との関係性の一例を示すグラフである。
図17に示すように、中空部を有さない支持構造物は最大反り量が非常に大きいが、井桁構造の交点間隔を大きくするにつれ、支持構造物の最大反り量が急激に小さくなることが確認された。また、交点間隔を2mm以上にすると、支持構造物の反りを抑制できることが分かった。この例においては、ライン幅が0.5mmであったため、中空部を設けるために造形材料を架橋した長さで表現される中空部長さは1.5mm以上となり、効果が大きかったといえる。
<架橋成功率とフィラーの長さとの関係性>
次に、井桁構造における支持層の交点間の架橋成功率と、支持材料が含有するフィラーとしてのカーボンファイバーの長さとの関係性について、定量的な検討を行った。
[支持構造物の造形]
実施例1において、造形する支持構造物のサイズを100mm×100mm×10mmとし、井桁構造における交点間隔を2mm(中空部長さ1.5mm)とした以外は、実施例1と同様にして支持構造物を造形した。さらに、比較例としての位置づけで、中空部を有さない支持構造物も造形した。
[架橋成功率の算出]
井桁構造では交点間にフィラメントが架橋されるが、100の交点間のうち空中で保持されることに成功したフィラメントの本数を目視にて確認し、フィラメントの架橋成功率を算出した。
図18は、井桁構造における支持層の交点間の架橋成功率と、支持材料が含有するフィラーとしてのカーボンファイバーの長さとの関係性の一例を示すグラフである。
図18に示すように、カーボンファイバーの長さが200mm以上において架橋成功率が高くなっていることから、カーボンファイバーの長さが200mm以上であると、中空部を安定して造形できることがわかる。
<支持層の交点間隔と、フィラーの長さとの関係性>
次に、井桁構造における支持層の交点間隔と、支持材料が含有するフィラーとしてのカーボンファイバーの長さとの関係性について、定量的な検討を行った。
[支持構造物の造形]
実施例1において、造形する支持構造物のサイズを100mm×100mm×10mmとし、井桁構造における交点間隔を2mm〜50mmに変化させるとともに、フィラーとしてのカーボンファイバーの長さを100μm〜1,200mmに変化させた以外は、実施例1と同様にして支持構造物をそれぞれ造形した。
図9Bは、フィラメントにフィラーとしてのカーボンファイバーが含有されている状態の一例を示す写真である。図9Cは、フィラメントにフィラーとしてのカーボンファイバーが含有されている状態の他の一例を示す写真である。図9Bは400μm、図9Cは200μmのフィラーとしてのカーボンファイバーを混練したフィラメントを、蛍光顕微鏡を用いて観察した結果を示した写真である。図9B及び図9Cから、どちらの場合であっても、フィラメント内においてフィラー長が、よく維持されていることが確認できる。
さらに、比較例としての位置づけで、フィラメントにフィラーを含有しない支持構造物も造形した。
得られた支持構造物に対して、上述のように架橋成功率を算出し、支持層の交点間隔と、フィラーとしてのカーボンファイバーの長さとの関係性を以下の基準でそれぞれ評価した。結果を表2に示す。
[評価基準]
A:架橋成功率が90%以上100%以下
B:架橋成功率が50%以上90%未満
C:架橋成功率が20%以上50%未満
D:架橋成功率が0%以上20%未満
表2に示すように、フィラーとしてのカーボンファイバーの長さが長いと、支持層の交点間隔が広くなっても架橋成功率が高い状態を維持できることが確認できる。具体的には、カーボンファイバーの長さを600μm以上とすると、支持層の交点間隔が50mmでも架橋成功率が高い状態を維持できることが確認できる。このことから、カーボンファイバーの長さを600μm以上とすると、数十cmを超える大型の支持構造物であっても、機械的強度がある内部骨格を迅速に造形することができ、かつ反り量が少なく造形できることが示された。
<支持層の交点間隔と、熱可塑性樹脂の粘度との関係性>
次に、井桁構造における支持層の交点間隔と、支持材料が含有する熱可塑性樹脂の粘度との関係性について、定量的な検討を行った。
[支持構造物の造形]
実施例1において、造形する支持構造物のサイズを100mm×100mm×10mmとし、井桁構造における交点間隔を2mm〜50mmに変化させるとともに、熱可塑性樹脂を400℃での粘度を90Pa・s〜450Pa・sとしたものに代えた以外は、実施例1と同様にして支持構造物をそれぞれ造形した。なお、熱可塑性樹脂は、VICTREX社製のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のグレードを90G(400℃での粘度:90Pa・s、線膨張係数:4.7×10−5/℃)、上述の151G、上述の381G、及び450G(400℃での粘度:450Pa・s、線膨張係数:4.7×10−5/℃)の4種類を用いた。
得られた支持構造物に対して、上述のように架橋成功率を算出し、支持層の交点間隔と、熱可塑性樹脂の粘度との関係性を上述の基準でそれぞれ評価した。結果を表3に示す。
また、このような長い距離の架橋には、ベース材となるPEEKの粘度も重要な因子となることが分かってきた。表2に市販されているVICTREX社のそれぞれの粘度のPEEK材を用いた場合の架橋成功率を示す。PEEK材の名称は粘度によって分類されており、それぞれ90G、151G、381G、450Gというグレードを用いた。フィラーとしてのカーボンファイバーのCF長は600μm(アスペクト比1:100)のものを用い、それ以外は表1の場合と同じ実験条件とした。
ここで、熱可塑性樹脂の粘度は、Thermo Scientific社の HAAKE MARS IIIによって測定し、試料をギャップ1mmのパラレルプレートに挟む一般的な条件にて実験を行った。本実施例で粘度を示す場合は、せん断率1000/s、400℃での溶融粘度の値を示している。
表3の実験結果のように、PEEKの粘度も非常に効果の高い因子であり、90Pa・sあるいは150Pa・s以下の粘度のPEEKを用いることで非常に大きな間隔の井桁格子を作ることが可能となった。なお、同じ粘度グレードのPEEKを購入してもその材質にはばらつきがあり、表3のような効果を示す粘度としては、粘度測定の結果が90Pa・s以上200Pa・s以下の範囲であるPEEKが良好な結果を示した。
また、同様の実験を、他のスーパーエンプラと呼ばれるポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリフェニルスルホンに関しても行ったが、上記と同様の結果となった。
表3に示すように、熱可塑性樹脂の粘度が低いと、支持層の交点間隔が広くなっても架橋成功率が高いことが確認できる。具体的には、熱可塑性樹脂の粘度を150Pa・s以下とすると、支持層の交点間隔が50mmでも架橋成功率が高い状態を維持できることが確認できる。
なお、粘度は、温度及びせん断速度(S.Rate)の関数で表すことができる。熱可塑性樹脂がスーパーエンジニアリングプラスチックであると、温度やせん断速度などの変数に対して非線形挙動を示すので、融点Tm以上でなくても、必要なせん断抵抗、すなわち、必要な粘度が得られることがある。一方で、融点Tm以上の領域において所望のせん断速度における粘度が好ましい範囲である場合、即ち90Pa・s以上200Pa・s以下の場合に本発明の用途で用いたときには、ノズルからの液垂れなどといった不具合が発生しにくくなる。また、ノズルからの液垂れの他には、フィラメントの引き込み(リトラクト動作)時の引き込み不足、それに付随する吐出初期のショートショット、支持構造物の崩れなどといった不具合が発生しにくくなる。
<支持層の交点間隔と、フィラーの含有率との関係性>
次に、井桁構造における支持層の交点間隔と、支持材料におけるフィラーとしてのカーボンファイバーの含有率との関係性について、定量的な検討を行った。
[支持構造物の造形]
実施例1において、造形する支持構造物のサイズを100mm×100mm×10mmとし、井桁構造における交点間隔を2mm〜50mmに変化させるとともに、フィラメントにおけるフィラーとしてのカーボンファイバーの含有率を3質量%〜25質量%に変化させた以外は、実施例1と同様にして支持構造物をそれぞれ造形した。
得られた支持構造物に対して、上述のように架橋成功率を算出し、支持層の交点間隔と、フィラメントにおけるフィラーとしてのカーボンファイバーの含有率との関係性を上述の基準でそれぞれ評価した。結果を表4に示す。
表4に示すように、フィラーとしてのカーボンファイバーの含有率が5質量%〜20質量%であると、支持層の交点間隔が広くなっても架橋成功率が高いことが確認できる。具体的には、カーボンファイバーの含有率が5質量%〜20質量%であると、吐出するフィラメントが「だま」にならずに架橋が切れにくくなる。
以上説明したように、本発明の造形装置は、熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料で、造形層を支持する支持層を造形する支持層造形手段を少なくとも有する造形装置であって、支持層造形手段は、所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形する。これにより、本発明の造形装置は、造形時間が短く、かつ反り量が少なく除去しやすい支持構造物を造形することができる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料で、造形層を支持する支持層を造形する支持層造形手段を少なくとも有する造形装置であって、
前記支持層造形手段は、
所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、
前記第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形することを特徴とする造形装置である。
<2> 前記支持層を前記造形層に接触させて造形する場合に、前記支持層造形手段が前記支持材料を吐出する前に、前記支持材料を吐出する箇所の前記造形層を冷却可能な冷却手段を更に有する前記<1>に記載の造形装置である。
<3> 前記造形層を形成する造形材料を吐出して前記造形層を造形可能な層造形手段を更に有し、
前記造形層を前記支持層に接触させて造形する場合に、前記層造形手段が前記造形材料を吐出する前に、前記造形材料を吐出する箇所の前記支持層を前記冷却手段が冷却する前記<2>に記載の造形装置である。
<4> 前記フィラーが、長さが200μm以上かつアスペクト比が1:30以上であり、
前記支持層造形手段が、前記支持層どうしが接しない中空部の長さが1.5mm以上となる前記支持層を少なくとも一部に造形する前記<1>から<3>のいずれかに記載の造形装置である。
<5> 前記支持層造形手段が、90Pa・s以上200Pa・s以下の溶融粘度で前記熱可塑性樹脂を吐出する前記<1>から<4>のいずれかに記載の造形装置である。
<6> 前記支持材料における前記フィラーの含有率が、5質量%以上20質量%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の造形装置である。
<7> 前記熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリフェニルスルホンから選択される少なくとも1種である前記<1>から<6>のいずれかに記載の造形装置である。
<8> 熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料で、造形層を支持する支持層を造形する支持層造形工程を少なくとも含む造形方法であって、
前記支持層造形工程は、
所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、
前記第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形することを特徴とする造形方法である。
<9> 前記支持層を前記造形層に接触させて造形する場合に、前記支持層造形工程において前記支持材料を吐出する前に、前記支持材料を吐出する箇所の前記造形層を冷却可能な冷却工程を更に含む前記<8>に記載の造形方法である。
<10> 前記造形層を形成する造形材料を吐出して前記造形層を造形可能な層造形工程を更に有し、
前記造形層を前記支持層に接触させて造形する場合には、前記層造形工程において前記造形材料を吐出する前に、前記造形材料を吐出する箇所の前記支持層を前記冷却工程において冷却する前記<9>に記載の造形方法である。
<11> 前記フィラーが、長さが200μm以上かつアスペクト比が1:30以上であり、
前記支持層造形工程が、前記支持層どうしが接しない中空部の長さが1.5mm以上となる前記支持層を少なくとも一部に造形する前記<8>から<10>のいずれかに記載の造形方法である。
<12> 前記支持層造形工程が、90Pa・s以上200Pa・s以下の溶融粘度で前記熱可塑性樹脂を吐出する処理を含む前記<8>から<11>のいずれかに記載の造形方法である。
<13> 前記支持材料における前記フィラーの含有率が、5質量%以上20質量%以下である前記<8>から<12>のいずれかに記載の造形方法である。
<14> 前記熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリフェニルスルホンから選択される少なくとも1種である前記<8>から<13>のいずれかに記載の造形方法である。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の造形装置、前記<8>から<14>のいずれかに記載の造形方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2016−78284号公報
1 三次元造形装置(造形装置)
3 造形テーブル
10 吐出モジュール(支持層造形手段、層造形手段)
18 吐出ノズル
19 エアーブロー(冷却手段)
100 制御部
F フィラメント(造形材料、支持材料)
Fr 熱可塑性樹脂
Fc フィラー

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料で、造形層を支持する支持層を造形する支持層造形手段を少なくとも有する造形装置であって、
    前記支持層造形手段は、
    所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、
    前記第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形することを特徴とする造形装置。
  2. 前記支持層を前記造形層に接触させて造形する場合に、前記支持層造形手段が前記支持材料を吐出する前に、前記支持材料を吐出する箇所の前記造形層を冷却可能な冷却手段を更に有する請求項1に記載の造形装置。
  3. 前記造形層を形成する造形材料を吐出して前記造形層を造形可能な層造形手段を更に有し、
    前記造形層を前記支持層に接触させて造形する場合に、前記層造形手段が前記造形材料を吐出する前に、前記造形材料を吐出する箇所の前記支持層を前記冷却手段が冷却する請求項2に記載の造形装置。
  4. 前記フィラーが、長さが200μm以上かつアスペクト比が1:30以上であり、
    前記支持層造形手段が、前記支持層どうしが接しない中空部の長さが1.5mm以上となる前記支持層を少なくとも一部に造形する請求項1から3のいずれかに記載の造形装置。
  5. 前記支持層造形手段が、90Pa・s以上200Pa・s以下の溶融粘度で前記熱可塑性樹脂を吐出する請求項1から4のいずれかに記載の造形装置。
  6. 前記支持材料における前記フィラーの含有率が、5質量%以上20質量%以下である請求項1から5のいずれかに記載の造形装置。
  7. 前記熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリフェニルスルホンから選択される少なくとも1種である請求項1から6のいずれかに記載の造形装置。
  8. 熱可塑性樹脂及びフィラーを含有する支持材料で、造形層を支持する支持層を造形する支持層造形工程を少なくとも含む造形方法であって、
    前記支持層造形工程は、
    所定の方向に沿って複数の第1の線状部分を有する第1の支持層と、
    前記第1の線状部分に対して交差する複数の第2の線状部分を有する第2の支持層と、を交互に造形することを特徴とする造形方法。

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JP7484006B1 (ja) 2023-12-13 2024-05-15 前澤化成工業株式会社 造形物製造方法

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