以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る印刷システム100の全体構成を説明するブロック図である。
この印刷システム100は、印刷装置103と、印刷制御装置102を備えている。そして、この印刷システム100は、クライアントコンピュータ101と通信可能に接続されている。クライアントコンピュータ101と印刷制御装置102とは、イーサネット(登録商標)ケーブル109を使用してLAN(Local Area Network)110を介して通信可能に接続されている。また印刷制御装置102と印刷装置103は、画像ビデオケーブル107及び制御ケーブル108を介して接続されている。実施形態1では、印刷装置103は、LAN110に直接接続されていない。印刷装置103とクライアントコンピュータ101とは、印刷制御装置102を介して通信する。尚、印刷装置103は、LAN110に接続されても良い。つまり印刷装置103は、直接、クライアントコンピュータ101と通信可能に接続されていても良い。クライアントコンピュータ101は、アプリケーションを起動させて印刷システム100に印刷指示などを行う。印刷制御装置102は、印刷装置103と連携して画像処理を行う。
印刷装置103は色々な機能を有する複合機であり、クライアントコンピュータ101や印刷制御装置102からの画像処理を行うだけでなく、スキャナ部104により読み込んだデータをコピーしたり、共有フォルダに送信したりすることが可能である。スキャナ部104で画像を走査する際には、操作パネル105の各種キーを介して、ユーザから各種指示を受け付ける。また操作パネル105は、パネルを介して、スキャン状態などの各種情報をユーザに提示する。排紙部106は、画像が形成された用紙を受け取り、その受け取った用紙を排紙する。
印刷制御装置102は、そのコントローラ部300と表示部111を有し、表示部111には、印刷制御装置102における情報が表示される。ユーザは、印刷制御装置102のハードウェアの操作ボタン部112を操作し、表示部111に表示されている情報の操作を行う。表示部111に表示される情報は印刷制御装置102を操作する上で、最低限必要となる情報(電源操作やIPアドレスの確認)を表示する目的で使用される。更に、」刷制御装置102の外部表示装置113、キーボード114、ポインティングデバイス115を接続している。実施形態1では、印刷制御装置102と印刷装置103とをそれぞれ別システムとして印刷システム100を説明するが、印刷制御装置102の処理を印刷装置103の内部に包含し、印刷制御装置102を物理的に配置しなくてもよい。また、外部表示装置113がタッチパッドのような位置入力装置機能を持ち、ポインティングデバイス115の機能を兼ねている構成でも良い。
印刷装置103に接続された給紙部116-1~116-8(すべてをまとめて給紙部116と呼ぶ)は、印刷に使用する用紙を格納しておく装置であり、印刷指示を受けると、一つの給紙段が選択され、選択された給紙段より用紙が給紙される。尚、印刷装置103に接続するオプション構成により、給紙部116の数は増減する。
図2は、実施形態1に係る印刷装置103のハードウェア構成を説明するブロック図である。
コントローラ200はCPU201を有し、CPU201は、ROM203或いは外部記憶装置211に記憶された制御プログラムをRAM202に展開し、その展開したプログラムを実行して、システムバス204に接続される各種のデバイスを総括的に制御する。またCPU201は、印刷インターフェース207を介して接続される印刷部(プリンタエンジン)210に出力情報としての画像信号を出力したり、読取インターフェース212を介して接続されるスキャナ部104から入力される画像信号を受け取る。またCPU201は、印刷インターフェース207を介して、プリントエンジン210に接続されている給紙部116を制御したり、給紙部116の状態を取得したりする。更にCPU201は、LANコントローラ206と制御ケーブル108を介して印刷制御装置102との通信処理が可能となっている。RAM202は、主としてCPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ハードディスク(HDD)、ICカード等の外部記憶装置211は、ディスクコントローラ(DKC)208によりアクセスが制御される。ハードディスクは、アプリケーションプログラム、フォントデータ、フォームデータ等を記憶したり、プリントジョブを一時的にスプールし、スプールされたジョブを外部から制御するためのジョブ格納領域として使用される。また更に、スキャナ部104から入力した画像データやプリントジョブの画像データをBOXデータとして保持し、ネットワークから参照したり、印刷を行うBOXデータ格納領域としても使用される。実施形態1では、外部記憶装置211としてはHDDを使用するものとし、ジョブログ、画像ログ等の各種ログを保持する。操作パネル105は、操作パネルインタフェース205を介してコントローラ200に接続されており、ユーザがソフトウェアキーまたはハードウェアキーから各種情報を入力することが可能である。不揮発性メモリ209は、操作パネル105やネットワーク110を介して端末から設定される各種設定情報を記憶している。ビデオインターフェース214は、印刷制御装置102から画像データを受信する。
図3(A)は、実施形態1に係る印刷制御装置102のハードウェア構成を説明するブロック図である。
コントローラ300はCPU301を有し、CPU301は、ROM303又は外部記憶装置309に記憶された制御プログラムをRAM302に展開し、その展開したプログラムを実行することにより、システムバス304に接続される各種のデバイスを総括的に制御する。またCPU301は、LANコントローラ306と制御ケーブル108を介して印刷装置103との通信が可能である。またCPU301は、LANコントローラ307とLAN110を介してネットワーク上のクライアントコンピュータ101や印刷装置103との通信処理が可能となる。RAM302は、主としてCPU301の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ハードディスク(HDD)、ICカード等の外部記憶装置309は、ディスクコントローラ(DKC)308によりアクセスが制御される。ハードディスクは、アプリケーションプログラム、フォントデータ、フォームデータ等を記憶したり、プリントジョブを一時的にスプールする。スプールされたジョブをRIP(Raster Image Processor)処理し、再度保存するためのジョブ格納領域として使用される。操作部インタフェース305は、ユーザが各種情報を入力する操作ボタン部112、及び、ユーザに情報を提示する表示部111とコントローラ300都のインタフェースを制御する。ビデオインターフェース310は、印刷装置103へRIP処理した画像データを送信する。キーボードコントローラ(KBC)311は、キーボード114、ポインティングディバイス115からの情報などの入力に係る処理を行う。表示制御部312は、内部にビデオメモリを有し、CPU301からの指示に従ってそのビデオメモリに描画すると共に、ビデオメモリに描画されたイメージデータをビデオ信号として表示装置113に出力する。
図3(B)は、実施形態1に係る印刷制御装置102のソフトウェア構成を説明するブロック図である。尚、図3(B)に示す各部の機能は、CPU301がRAM302に展開したプログラムを実行することにより達成される。
印刷制御装置102を制御するシステムソフトウェアは、UI制御部352、用紙管理部353、給紙段管理部354、ネットワーク制御部355、ジョブ管理部356、設定管理部357を含んでいる。UI制御部352は、用紙管理システムで表示する画面を制御する。UI制御部352は、システムの設定に従い、画面に表示する文言や用紙サイズの表示単位系の表示を切り替えるように制御することが可能である。用紙管理部353は、印刷装置103と通信を行い、取得した用紙情報を、図7の用紙設定管理テーブル700で管理する。
図7は、実施形態1に係る印刷制御装置102が有する用紙設定管理テーブル700の一例を示す図である。
この用紙設定管理テーブル700では、用紙を特定する用紙IDに対応つけて、用紙の名称、坪量、サイズ、幅、高さなどのサイズ情報、表面性、特徴、色などが登録されている。お気に入りは、例えば、お得意様A社、お得意様B社、お得意様C社ごとに、後述する用紙リスト表示領域901の表示内容をフィルタするのに使用される。
用紙管理部353は、用紙設定管理テーブル700に対して、用紙情報の編集、追加、削除、検索を行うことが可能である。用紙設定管理テーブル700は、用紙情報を用紙IDごとに管理するための管理テーブルであり、不揮発領域である外部記憶装置309に記憶されている。尚、外部記憶装置309に記憶されているとしたが、印刷装置103の外部記憶装置210に記憶し、印刷制御装置102は印刷装置103から用紙設定管理テーブル700を取得し、プログラム実行中はRAM302に格納しておくようにしてもよい。給紙段管理部354は、印刷装置103と通信を行い、取得した給紙段情報を管理する。
ネットワーク制御部355は、LANコントローラ306を介して印刷装置103と、またLANコントローラ307を介してネットワーク110上のクライアントコンピュータ101との通信を制御する。ジョブ管理部356は、印刷処理シーケンスやジョブの順番を管理する。ジョブ管理部356は、印刷制御装置102が受信したジョブを管理し、LANコントローラ306或いはビデオインターフェース310を介して印刷装置103へ受信ジョブを印刷するためのデータ転送を制御する。設定管理部357は、用紙管理システムに関するシステム設定を管理する。システム設定とは、例えば、用紙管理システムの画面に表示する文言の言語設定や、用紙サイズの表示単位系(ミリまたはインチ)設定などを含む。認証管理部358は、後述の用紙管理アプリケーションにて、用紙管理システムにおける認証情報を管理する。認証管理部358の処理については図11を参照して後述する。
図4は、実施形態1に係る印刷制御装置102で実行される用紙管理アプリケーションのトップ画面400の一例を示す図である。
トップ画面400は、印刷制御装置102に接続されている印刷装置103の給紙段の情報を表示した状態の画面例を示している。トップ画面400は、CPU301からの指示に従ってそのビデオメモリに描画すると共に、ビデオメモリに描画されたイメージデータをビデオ信号として表示装置113に出力され、表示される。
用紙管理アプリケーションは起動すると、印刷装置103の機器構成情報を取得し、このオプション情報に従い正しい画像を表示する。図4では、8つの給紙段と排紙装置が接続されている状態を表している。410~417は、各給紙段に対応する給紙段ボタンである。給紙部オープンボタン420~427は、その給紙段をオープン/クローズするように指示するボタンである。即ち、給紙段がクローズしているときに給紙部オープンボタンが押下されるとその給紙段をオープンし、その給紙段がオープンしているときに給紙部オープンボタンが押下されるとその給紙段をクローズする。用紙管理アプリケーションは、起動した時に取得した印刷装置103の給紙段の情報を基に、これら給紙段ボタンを作成して表示する。給紙段ボタンは、例えば給紙段に設定されている用紙名称や用紙残量などの情報を表示する領域をもつ。コントローラ300は、印刷装置103で給紙段の状態が変更されて、印刷装置103から給紙段状態変更イベントを受信すると、給紙段情報を取得し直す。そしてコントローラ300は、再度、その取得した給紙段情報に従って給紙段ボタンの表示領域を再描画する。
用紙リストボタン401は、用紙リスト画面900を表示するための指示を行うボタンである。実施形態1では、用紙リストボタン401が押下されると、コントローラ300は用紙リスト画面900を最前面に表示する。用紙リスト画面900の詳細は、図9を参照して後述する。
設定ボタン402は、用紙管理アプリケーションのシステム設定を変更するための画面を表示するように指示するボタンである。コントローラ300は、設定ボタン402が押下されると、外部記憶装置309に保存されたシステム設定に従い、現在のシステム設定を表示する。表示される画面の一例については、図15を参照して後述する。
図5は、実施形態1に係る印刷制御装置102で用紙管理アプリケーションが起動したときにトップ画面400を作成する処理を説明するフローチャートである。尚、実施形態1に係る用紙管理アプリケーションは印刷制御装置102で動作するとしているが、これに限定されず、例えば、クライアントコンピュータ101でも同様に動作可能である。ここでは印刷制御装置102が実行する例で説明する。尚、このフローチャートで示す処理は、CPU301が、前述のRAM302に展開したプログラムを実行することにより達成される。
この処理は印刷制御装置102が起動することにより開始され、まずS501でCPU301は、用紙管理の対象となる、接続されている印刷装置103の機種を判別する。ここでCPU301は、印刷装置103の機種を判別し、トップ画面400の機器構成画面を作成する際や、機種ごとの仕様差を吸収する際にこの判別結果を使用する。このときCPU301は印刷装置103と通信を行い、後述する図6のS607で印刷装置103から返信される情報から機種情報を取得する。更にCPU301は、予め保持している機種判別情報を基に印刷装置103の機種を判別する。こうして、接続されている印刷装置103の機種を判別するとS502へ処理を進める。S502でCPU301は、印刷装置103と通信し、図6のS609で返信される情報から、印刷装置103の機器構成の情報を取得する。そして、その印刷装置103に接続されている機器構成を判別する。更にCPU301は、トップ画面400の機器構成画面を作成する際、また給紙段の情報を特定する際、更には機種ごとの仕様差を吸収する際にこの判別結果を使用する。
次にS503に進みCPU301は、印刷装置103から、その印刷装置103の給紙段情報を取得する。この給紙段情報は、給紙段、手差しトレイ、長尺用紙トレイなどの給紙段の構成と、各給紙段に設定されている用紙の情報とを含むものとする。更にCPU301は、用紙管理の対象となる印刷装置103に接続されている給紙段の判別を行い、接続されている給紙段の数を特定する。そしてS504に進みCPU301は、印刷装置103と通信を行い、図6のS611で返信される情報から、それぞれの給紙段に設定されている用紙情報と給紙段オープンボタン420~427の押下で、対応する給紙段を自動引き出し可能か否かの情報を取得する。そしてS505に進みCPU301は、トップ画面400に表示する給紙段ボタン410~417の情報を作成する。ボタンの情報を作成する際、給紙段オープンボタンの押下で給紙段を自動引き出し可能な給紙段の場合は、給紙段ボタン410~417上に給紙段オープンボタン420~427を作成して表示する。
次にS506に進みCPU301は、印刷装置103と通信を行い、図6のS613で印刷装置103から返信される用紙リスト情報を取得する。次にS507に進みCPU301は、トップ画面400に表示する用紙リスト画面900の情報を作成する。この用紙リスト画面900の各用紙情報は、印刷装置103の各給紙段への用紙の設定可否情報も含んでいる。次にS508に進みCPU301は、用紙リスト画面900の調整値情報表示で使用する為に、印刷装置103と通信を行い、図6のS615で返信される情報から各調整の調整値を取得する。そしてS509に進みCPU301は、S508で取得した調整値に基づいて、用紙情報に表示する文字列を作成する。ここで、調整値がデフォルト値から変更されている場合は「調整なし」を表示し、調整値がデフォルト値から変更されている場合には「調整あり」を表示する。そしてS510に進みCPU301は、S501、S502で取得した印刷装置103の機種機器構成情報、S505で作成した給紙段ボタン情報、S507で作成した用紙リスト情報、S509で作成した調整値情報に基づいて、トップ画面400を作成する。次にS511に進みCPU301は、その印刷装置103に対して、印刷装置103の給紙段情報、用紙情報が変更されたときに通知する変更通知イベント処理の送付先を、印刷制御装置102に登録する。こうして登録が成功した場合、変更通知イベントの待ち受け処理を行う。変更通知イベントの待ち受け処理を実施すると、起動処理終了となる。
尚、図5の処理は、用紙管理アプリケーション起動時の動作として説明した。しかし、印刷装置103の給紙段情報、用紙リスト情報、調整値などは、用紙管理アプリケーション使用中に随時変更される可能性がある。従って、用紙管理アプリケーション、印刷装置103との通信、それに伴う各情報の更新も、その動作が用紙管理アプリケーション、印刷装置103のいずれで行われたかに関わらず、必要に応じて実行され、用紙管理アプリケーションと印刷装置102間で情報は同期されるものとする。
図6は、実施形態1に係る印刷装置103の初期化処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートで示す処理は、CPU201が前述のRAM202に展開したプログラムを実行することにより達成される。
まずS601でCPU201は、印刷装置103の機種情報を外部記憶装置211より取得し、返信可能なデータとして作成する。そしてS602に進みCPU102は、印刷装置103に接続されている機器構成情報を外部記憶装置211より取得し、返信可能なデータとして作成する。次にS603に進みCPU201は、印刷装置103の給紙段情報を外部記憶装置211より取得し、返信可能なデータとして作成する。次にS604に進みCPU201は、印刷装置103の用紙リスト情報を外部記憶装置211より取得し返信可能なデータとして作成する。次にS605に進みCPU201は、印刷装置103の調整値情報を外部記憶装置211より取得し、返信可能なデータとして作成する。この調整値情報の取得は、印刷装置103で調整可能な項目すべてに対して実施する。
次にS606に進みCPU201は、印刷制御装置102より機種情報の問合せを受信したかどうか判定し、図5のS501による機種情報の問合せを受信していた場合はS607に進み、S601で作成した機種情報を印刷制御装置102に返信してS608に進む。尚、S606で機種情報の問合せを受信していない場合もS608に遷移する。
S608でCPU201は、印刷制御装置102より機器構成情報の問合せを受信したか判定し、図5のS502による機器構成情報の問合せを受信していた場合はS609に進む。S609でCPU201は、S602で作成した機器構成情報を印刷制御装置102に返信してS610に進む。一方、S608で機器構成情報の問合せを受信していない場合もS610に進む。
S610でCPU201は、印刷制御装置102より給紙段情報の問合せを受信したか否か判定する。ここで図5のS503、S504による給紙段情報の問合せを受信していた場合はS611に進み、S603で作成した給紙段情報を印刷制御装置102に返信してS612に遷移する。尚、S610で給紙段情報の問合せを受信していない場合もS612に進む。
S612でCPU201は、印刷制御装置102より用紙リスト情報の問合せを受信したか判定し、図5のS506、S507による用紙リスト情報の問合せを受信していた場合はS613に進む。S613でCPU201は、S604で作成した用紙リスト情報を印刷制御装置102に返信してS614に進む。また、S612で用紙リスト情報の問合せを受信していない場合もS614に進む。
S614でCPU201は、印刷制御装置102より調整値情報の問合せを受信したかどうか判定し、図5のS508による調整値情報の問合せを受信していた場合はS615に進み、調整値情報を印刷制御装置102に返信してS616に進む。またS614で給紙段情報の問合せを受信していない場合もS616に進む。S616でCPU201は、印刷制御装置102より印刷装置103の状態変更時に、イベントを送信する際の送信先情報の登録依頼を受信したかどうか判定する。そうであればS617に進みCPU201は、イベントの送信先に印刷制御装置102を追加してS618に遷移する。一方、S616で、イベント送信先の登録依頼を受信していない場合もS618に遷移する。S618でCPU201は、S606、S608、S610、S612、S614、S616の処理がすべて成功していた場合は初期化処理終了として、この処理を終了する。一方、すべて成功していなかった場合は、S606に遷移する。
尚、実施形態1における給紙段116は給紙段の一例であり、インサータや手差しトレイなど、その他の機構の給紙段であっても良く、その形態を限定しない。
説明を図4に戻す。いま、例えば給紙段1の給紙段ボタン410をポインティングデバイス115等で指示すると、給紙段1の用紙設定画面が表示され、給紙段1への用紙の設定や、設定されている用紙の設定値を変更することが可能となる。給紙段ボタン411~417の場合も、この給紙段ボタン410の場合と同じであるため、その説明を省略する。また実施形態では詳細に説明しないが、給紙段にはインサータや手差しトレイなどの給紙段をすべて含むことはいうまでもない。また、以降の説明では、ボタン押下時等のアプリケーションの操作時にポインティングデバイス115等を使用するといった説明は省略するが、このような入力デバイスを使用して操作することはいうまでもない。
図8は、実施形態1に係る印刷装置103の操作パネル105に表示される設定画面800と認証画面810の一例を示す図である。
設定画面800には、印刷装置103に設定可能な項目801が一覧表示されている。また設定画面800は、ログインボタン802と閉じるボタン803とを有する。設定項目801のうち、システム管理者での認証を必要とする項目はグレーアウトされ、ログインボタン802を押下してシステム管理者の認証を行わないと利用できない。システム管理者の認証を必要とする項目としては、例えば用紙情報の編集がある。用紙情報の編集は、印刷物の品質へ直接影響するため、印刷装置のシステム管理者のように、特定のユーザにのみ利用を許可するように構成されている。
ここでシステム管理者は、前述の図7に示すような用紙設定管理テーブル700の用紙情報を編集したい場合には、このログインボタン802を押下すると認証画面810が表示され、この認証画面810でシステム管理者の認証を行う。
認証画面810は、システム管理部門IDの入力欄811、システム管理暗証番号の入力欄812、キャンセルボタン813、ログインボタン814を有する。入力欄811にはシステム管理部門IDが入力され、入力欄812には、該当IDの暗証番号が入力される。ログインボタン813は、入力欄811,812に入力された入力情報に誤りがないことを確認した後、押下される。ログインボタン814が押下されると、入力欄811と812に入力された入力情報と、印刷装置103の外部記憶装置211に格納されている認証情報(システム管理者IDと管理番号)とが一致するか確認する。尚、認証情報は印刷装置103に保持する形態でもよいし、印刷装置103の外部の記憶装置、例えば認証サーバー等の記憶装置に保持する形態でもよい。ここで認証情報が一致すれば認証は成功し、認証画面810は閉じられ、管理者権限を有するユーザは、利用制限がかけられていた各種項目を操作することが可能となる。一方、認証情報が一致しない場合は、認証が失敗してエラー等が表示され、利用制限のある項目の操作は許可されない。尚、一度認証に成功してから再度認証を必要とする条件は、最後に操作パネル105にユーザが触れてから一定時間が経過した場合、印刷装置103が再起動した場合などが例に挙げられるが、どのような条件であっても構わない。
尚、上記説明では、ログインボタン802が押下されたとき、認証画面810が常に表示される例で説明したが、認証不要で各種機能を操作できるようにしてもよい。例えば、操作パネル105に表示される画面に利用制限をかけず、システム管理者以外のユーザも全機能を利用できるように設定できるようにしてもよい。以降の説明では、印刷装置103に対し、認証不要で全機能を利用できるように設定されていることを「認証管理下にない状態」といい、認証が必要な設定がされていることを「認証管理下にある状態」という。印刷装置103が認証管理下にない場合は、認証画面810は表示されない。
尚、実施形態1の認証形態は、システム管理者のIDと暗証番号を用いた形態であるが、これに限られず、操作者の認証を行うことができれば他の形態であってもよい。
次に、実施形態1の特徴である印刷制御装置102と印刷装置103における処理について図9を参照して説明する。実施形態1では、前述の図4に示す用紙管理アプリケーションの画面の中で、システム管理者での認証を必要とする機能をユーザが操作した場合の処理について説明する。
図9は、実施形態1に係る用紙管理アプリケーションのトップ画面400の用紙リストボタン401が押下されて表示される用紙リスト画面900の項目の中から、ユーザがシステム管理者での認証を必要とする機能を操作した場合の画面の遷移を説明する図である。
用紙リスト画面900は、CPU301からの指示に従ってそのビデオメモリに描画すると共に、ビデオメモリに描画されたイメージデータをビデオ信号として表示装置113に出力され表示される。用紙リスト画面900には、用紙リスト表示領域901と、用紙リストの表示方法を選択するプルダウンメニュー902、用紙の検索入力エリア903、用紙リストへの用紙追加ボタンが含まれる。用紙追加ボタンとしては、用紙リストに新規用紙を登録する新規登録ボタン904、用紙リストに既存の用紙を複製する複製ボタン905、用紙データベースから用紙を作成する「データベースから登録」ボタン906が表示される。閉じるボタン909は、この用紙リスト画面900の表示を終了させるボタンである。
まず用紙リスト表示領域901について説明する。用紙リスト表示領域901は、用紙リストを表示する領域である。ここでは列方向に用紙の種類が、行方向に用紙の属性などの用紙情報が表示されている。ここで選択中の用紙は、選択されていることが分かるように反転表示されている。表示されている用紙以外を表示したい場合は、スライダーバー911を操作することで表示可能となる。
次に、用紙リストの表示方法を選択するプルダウンメニュー902について説明する。プルダウンメニュー902では、用紙リスト表示領域901の表示方法を表示している。実施形態1では、一例として、「すべてを表示」、「お得意様A社」、「お得意様B社」、「お得意様C社」、「履歴」などの表示方法を含むものとする。画面表示時には、「すべてを表示」が選択されているものとする。ここで「お得意様A社」、「お得意様B社」、「お得意様C社」は、用紙情報のお気に入りIDごとに用紙リスト表示領域901の表示内容をフィルタするための選択肢である。
次に検索入力エリア903について説明する。検索入力エリア903は、オペレータが用紙リスト表示領域901の用紙から所望の用紙を検索するためのキーワードを入力するためのエリアである。検索入力エリア903は、インクリメンタルサーチが可能であり、文字の入力の都度、自動的に検索が行われる。
新規登録ボタン904、複製ボタン905、データベースから登録ボタン906、編集ボタン907、削除ボタン908は、用紙の情報を編集する際に押下されるボタンである。これらのボタンが押された際は、ログイン画面920を表示してユーザの認証を促す。ここでは、編集ボタン907が押下された際の動作を例に説明する。尚、編集ボタン907が押下されてからの詳細な処理については、図11のフローチャートを参照して後述する。ここでは、図9を用いて画面フローを説明する。
ログイン画面920は、印刷装置103の操作パネル105に表示される認証画面810(図8)と同じ項目を有している。認証画面920は、システム管理部門IDの入力欄921、システム管理暗証番号の入力欄922、ログインボタン923、キャンセルボタン924を有する。入力欄921にはシステム管理部門IDが入力され、入力欄922には該当IDの暗証番号が入力される。ログインボタン923は、入力欄921,922に入力された入力情報に誤りがないことを確認した後に押下される。ログインボタン923が押下されると、用紙管理アプリケーションは、入力欄921と922に入力されたシステム管理者IDと暗証番号を印刷装置103に転送する。印刷装置103は、転送されたシステム管理者情報が、外部記憶装置211に格納されている認証情報と一致するかどうか確認する。認証情報が一致した場合は、用紙管理アプリケーションに、ユーザの認証に成功したことを通知する。用紙管理アプリケーションは、認証が成功したことを受信すると、ログイン画面920を閉じ、利用制限をかけていた用紙編集画面940を表示して、各種項目の操作を許可する。一方、認証情報が一致しない場合は、認証が成功するか、キャンセルボタン924が押下されるまでログイン画面920を表示し続け、システム管理者IDと暗証番号の再入力を促す。
次に、認証が成功すると表示される用紙編集画面940について説明する。
用紙編集画面940は、用紙の新規登録、登録済み用紙の編集を行うための画面である。用紙編集画面940は、用紙情報入力領域941、用紙情報の調整項目一覧942、調整項目一覧の表示グループを切り替えるプルダウンメニュー943、OKボタン944、キャンセルボタン945を含む。用紙情報入力領域941は、用紙情報の中で用紙を扱うのに必要な最低限の設定項目を表示している。実施形態1では、例えば、設定項目としては、名称、坪量、色、表面性、サイズ、特徴、用紙のスキ目設定、両面2面目、お気に入りを表示している。エリア946は、用紙の名称を入力するテキストエリアである。名称を変更する場合は、テキストエリア946にキーボード112等を使用して、文字を入力することが可能である。変更した情報を用紙情報に反映させるためには、用紙編集画面940のOKボタン944を押下する。OKボタン944を押下することで、印刷制御装置102、印刷装置103の用紙情報を変更することができる。一方、キャンセルボタン945を押下することで、用紙設定をキャンセルすることが出来る。
エリア947は、坪量を入力するテキストエリアである。動作は、テキストエリア946と同等なので、これ以降同様の場合は説明を省略する。プルダウンメニュー948は、用紙の色情報を表示し、一覧から選択可能である。プルダウンメニュー949は、表面性情報の一覧を表示し、その一覧から表面性を選択できる。プルダウンメニューリスト950は用紙のサイズ情報を表示し、用紙サイズの一覧から所望のサイズを選択できる。エリア951は、プルダウンメニューリスト950でユーザ定義サイズが選択されたときに入力可能になる、用紙サイズの主走査、副走査方向の長さを入力できるテキストエリアである。この用紙編集画面940では、用紙サイズが13x19であるため、エリア951が入力できないようにグレーアウトされている。尚、入力単位はミリ、インチが切り替えられるようにミリ、インチを切り替える可能なボタンが配置されていてもよい。特徴952は特徴情報を表示し、一覧から選択可能なプルダウンメニューリストである。プルダウンメニューリスト953は用紙のスキ目設定を表示し、一覧から選択可能である。用紙のスキ目設定とは、給紙方向に対してスキ目が垂直な用紙を使用するのか、平行な用紙を使用するのかの設定である。ラジオボタン954は、両面2面目情報を表示し、設定あり/なしが切り替えられる。両面2面目情報とは、既に表面に定着済みの紙を給紙段に入れて、裏面を定着する場合に転写の電圧を変える設定である。
お気に入り設定955は、外部記憶装置309に保存されているお気に入り一覧を表示し、いずれのお気に入りに所属させるか設定可能なメニューである。ここでは、チェックボックス付でお気に入り一覧が表示され、チェックボックスにチェックが入っていると、対象のお気に入りに所属していることを示す。例えば、お気に入り設定955では、3つのお気に入りにチェックが入っていないので、いずれのお気に入りにも属していないということを示す。変更した情報を用紙情報に反映させるためには、用紙編集画面940のOKボタン944を押下する。OKボタン944を押下することで、印刷制御装置102、印刷装置103の用紙情報を変更することができる。用紙編集画面940の作成指示を受けると、コントローラ300は、設定管理部357に対して、お気に入り設定テーブルを取得するように制御する。コントローラ300は、UI制御部352に対して、取得したお気に入りの情報に従い、用紙編集画面940を表示するように制御する。
お気に入り登録/編集ボタン956は、お気に入り管理画面を表示するためのボタンである。お気に入り管理画面では、お気に入りの追加、編集、削除が行える。
調整項目一覧942は、用紙情報に含まれる設定値で調整可能な項目について、名称、調整あり/なし、表示グループが一覧表示されている。尚、調整項目の調整は、調整項目一覧942で調整項目を選択すると、用紙編集画面940に調整値の詳細値と調整ボタンが表示され、調整ボタンの押下で対象の調整画面が表示されるようになってもよい。
調整項目一覧942に表示されている一部の調整項目について概要を説明する。
光沢性/黒品位の調整とは、普通紙やコ-ト紙を使用するときなどに、定着器の温度を調整することで、出力画像の光沢を調整する項目である。表示グループとしては「画質」と定義する。二次転写電圧の調整とは、トナー像を用紙に転写する際の電圧を変える調整項目である。表示グループとしては「画質」と定義する。後端部白抜け補正とは、搬送方向に対する用紙の後端で、トナーが白く抜けたり、色が薄くなったりする場合に転写電圧を変える調整項目である。表示グループとしては「画質」と定義する。二次転写除電バイアス調整とは、中間転写ベルトに残った静電気を除去するための電圧値(除電バイアス)を変更する調整項目である。表示グループとしては「画質」と定義する。ITBの画像除去調整とは、中間転写ベルトの画像除去の程度を変える調整項目である。表示グループとしては「画質」と定義する。トナー量調整モードとは、トナーの総量を変える調整項目である。表示グループとしては「画質」と定義する。一次転写電圧の調整とは、中間転写ベルトからトナー像を用紙に転写する際の電圧を変える調整項目である。表示グループとしては「画質」と定義する。画像位置調整とは、表面、裏面の用紙に対する印刷位置を変える調整項目である。表示グループとしては「画像位置」と定義する。先端/後端余白調整とは、印刷時の搬送方向に対して先端側と後端側の余白の長さを変える調整項目である。表示グループとしては「画像位置」と定義する。尚、用紙情報の設定項目はこれ以外にも数多く存在するが、ここでの説明は省略する。プルダウンメニュー943は、調整項目一覧942をグループごとにフィルタ表示するためのフィルタを選択可能にするプルダウンメニューである。例えば、プルダウンメニュー943で「画質」が選択されると、コントローラ300は、UI制御部352に対して、調整項目一覧942で表示グループが「画質」である調整項目のみ表示するよう制御する。
図10は、実施形態1に係る印刷制御装置102で、用紙管理アプリケーションのトップ画面400の用紙リストボタン401が押下されたときの処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートで示す処理は、CPU301が前述のRAM302に展開したプログラムを実行することにより達成される。
まずS1001でCPU301は、例えば図9の用紙リスト画面900を表示する。S1002にて編集ボタン907が押下されたかどうか判定し、編集ボタン907が押下されたときはS1003の認証処理へ進み、そうでないときはS1002にとどまる。S1003の、認証管理部358が実行する認証処理の詳細は、図11を参照して後述する。そしてS1004に進みCPU301は、認証に成功したかどうか判定し、認証に成功したときはS1005に進み、例えば図9に示す用紙編集画面940を表示して、この処理終了する。一方、S1004で認証に失敗したと判定したときは、用紙編集画面940を表示せずに処理を終了する。
この処理によれば、印刷装置において利用が制限された機能である、例えば用紙情報の設定などの編集が支持されると、印刷装置における、システム管理者としての認証が要求される。
図11は、実施形態1に係る図10のS1003の認証処理を説明するフローチャートである。
まずS1101でCPU301は、後述の図12に示すログイン制御対象テーブル1200を参照し、ユーザが、利用制限のある機能を操作しようとしているか否か判定する。S1102でCPU301は、ユーザが、利用制限のある機能を操作しようとしていると判定した場合はS1103へ進み、印刷装置103が認証管理下にある状態か否かを印刷装置103へ問い合わせる。一方、ユーザが、利用制限のある機能を操作しようとしていないときはS1111に進んで、認証成功を返してこの処理を終了する。
S1104でCPU301は、印刷装置103が認証管理下にあると判定した場合はS1105に進みそうでないときはS1111へ進む。S1105でCPU301は、用紙管理アプリケーションが起動してから初めての認証であるか、過去に認証に成功しているのか否か判定する。ここで、再認証を必要とさせる条件は、最後に認証が成功してから一定時間が経過した場合や、用紙管理アプリケーションが再起動した場合などが考えられる。再認証の条件はどのようなものでも構わないが、実施形態1では、認証に成功した後は、用紙管理アプリケーションが再起動するまで、その認証を有効とする。従って、認証管理部358は、認証に成功すると、用紙管理アプリケーションの実行中はRAM302に成功時のシステム管理者IDと暗証番号の情報を格納しておき、この情報が存在しない場合は過去に認証が成功していないと判定する。
S1105でCPU301は、過去に認証に成功していないと判定するとS1106へ進み、前述したログイン画面920を表示して、ユーザの認証を促してS1107に進む。一方、S1105で、過去に認証に成功していると判定した場合はS1108へ進み、RAM302に格納されているシステム管理者IDと暗証番号を使用してユーザの認証を行う。S1107でCPU301は、ログイン画面920でログインボタン923が押下されたことを検知するとS1108へ進み、ログイン画面920で入力されたシステム管理者IDと暗証番号の情報を印刷装置103に転送する。一方、ログイン画面920でキャンセルボタン924が押下された場合はS1112に進みCPU301は、認証がキャンセルされたことを上位層に通知して、この処理を終了する。
S1109でCPU301は、印刷装置103は、転送されたシステム管理者IDと暗証番号が外部記憶装置211に格納されている認証情報と一致するか判定し、認証情報が一致した場合は、印刷制御装置102に認証が成功したことを通知する。こうしてS1109でCPU301は、印刷装置103からの認証結果に基づいて、ユーザの認証に成功したかどうか判定し、認証に成功したことが通知されるとS1110に進み、認証に失敗したことが通知されるとS1106へ戻る。こうしてログイン画面920で、認証に成功するか、キャンセルボタン924が押下されるまでログイン画面920を表示し続け、システム管理者IDと暗証番号の再入力を促す。S1110でCPU301は、認証に成功した管理者IDと暗証番号をRAM302に格納する。このとき、既にRAM302にそれら情報が存在している場合は、その情報を上書きする。そしてS1111に進みCPU301は、ユーザの認証に成功したことを上位層に通知して、この処理を終了する。
図12は、図11の認証処理で使用されるログイン制御対象テーブル1200の一例を示す図である。
ログイン制御対象テーブル1200は、コントローラ300の外部記憶装置309に保存されている。ログイン制御対象テーブル1200は、ボタンID1201、ボタン名称1202、認証制御1203の情報を有する。ボタンID1201は、用紙管理アプリケーションの操作画面上のボタンに付与するIDであり、図12の例では、用紙リスト900に配置されているボタンのIDを記述している。ボタン名称1202は、図12の例では、用紙リスト900に配置されているボタンの名称に対応している。認証制御1203は、該当するボタンが押下されて次の画面を表示するために認証を必要とするか否かを記述している。
例えば、図9の用紙リスト900では、新規登録ボタン904、複製ボタン905、データベースから登録ボタン906、編集ボタン907、削除ボタン908は、用紙情報を編集することになるため認証を必要とする。よって、この場合の認証制御は「YES」となる。一方、閉じるボタン909は、画面を閉じるだけで用紙情報の編集は行わないため、認証が不要である。よって、閉じるボタン909の認証制御は「NO」となる。
図11の認証処理では、ユーザによって任意のボタンが押下された際に、このログイン制御対象テーブル1200を基に、認証に必要な操作か否かを判定する。このログイン制御対象テーブル1200は、印刷装置103の操作パネル105に表示される画面の制御と同等になるように作成されてもよいし、印刷装置103からは独立した形で、用紙管理アプリケーションの各機能について記述してもよい。例えば、用紙管理アプリケーションは、図9のプルダウンメニュー902の説明と図7に示したように、お気に入り情報を持っている。お気に入り情報は、印刷装置103では管理しておらず、用紙管理アプリケーション独自の機能であるため、この機能について認証制御を不要としたければ、このログイン制御対象テーブル1200にその旨を追記することで容易に対応ができる。
実施形態1では、ログイン制御対象テーブル1200にボタンID1201と、ボタン名称1202を記述しているが、これに限るものではない。例えば、用紙情報を編集するための各種機能や、マウスオーバー、ドラッグアンドドロップなどの各操作などをテーブルに記述し、該当する要素毎に認証制御をするか否かを定義してもよい。
また実施形態1では、ログイン制御対象テーブル1200は、コントローラ300の外部記憶装置309に保存されているものとしたが、これに限るものでない。例えば、印刷装置103の外部記憶装置211に保存されていてもよい。また、用紙管理アプリケーションが印刷装置103と同じ機能を有する場合には、印刷装置103が参照するテーブルと共通に作成してもよい。
以上説明したように実施形態1によれば、印刷装置に外部から接続して印刷装置の一部の機能を操作できる印刷制御装置を、その印刷装置の利用制限に従って動作させることができる。また、用紙管理アプリケーションの利便性を鑑み、利用制限する機能や再認証時の動作などを独自に定義し、動作させることも可能である。
[実施形態2]
上述の実施形態1では、用紙管理アプリケーションの用紙リスト画面900において、認証が必要な操作が行われた際の制御について説明した。これに対して実施形態2では、給紙段ボタン410~417が押下された際に表示される給紙段画面1300(図13)における認証制御について説明する。尚、実施形態2に係る印刷システム、及び印刷装置103、印刷制御装置102のハードウェア構成等は前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
図13は、実施形態2において、トップ画面400の給紙段ボタン410~417が押下されると表示される給紙段画面1300の項目の中から、ユーザがシステム管理者としての認証を必要とする機能を操作した場合の画面の遷移を説明する図である。
給紙段画面1300は、CPU301からの指示に従ってそのビデオメモリに描画すると共に、ビデオメモリに描画されたイメージデータをビデオ信号として表示装置111に出力して表示される。給紙段画面1300には、用紙リスト表示領域1301と、用紙情報表示領域1302、調整項目の調整画面を出すボタン1303、ここに表示していない他の用紙情報の設定画面を表示させるボタン1304、OKボタン1305、キャンセルボタン1306が含まれている。更に、用紙リストの表示方法を選択するプルダウンメニュー1307、用紙の検索入力エリア1308が含まれている。
用紙リスト表示領域1301は、実施形態1で説明した用紙リスト画面900の用紙リスト表示領域901と同じ内容が表示されるため、ここでは詳細な説明は省略する。給紙段画面1300の表示時は、給紙段に設定されている用紙が用紙リスト表示領域1301上で選択状態になっている。用紙リスト表示領域1301から用紙を選択すると、その選択された用紙の情報が用紙情報表示領域1302に表示される。ここで用紙リスト表示領域1301で別の用紙を選択してOKボタン1305を押下すると、コントローラ300は、印刷装置103に対して用紙設定を行う。また用紙リスト表示領域1301で別の用紙を選択し、キャンセルボタン1306を押下すると、コントローラ300は、印刷装置103に対して用紙設定を行わずに、用紙設定画面1300を閉じる。用紙情報表示領域1302は、現在選択されている用紙の設定情報を表示する。
例えば、図4のトップ画面400にある給紙段ボタン410を押下して、用紙設定画面1300が表示された時には、その時点で給紙段1に割り当てられている用紙の情報を表示する。
次に、用紙情報表示領域1302の各項目について説明する。
ユーザの利便性向上のために、実施形態2では一例として、ユーザが頻繁に利用する用紙情報のみを表示している。具体的には、用紙の名称と、各種調整項目(画像位置調整、二次転写電圧の調整、カール補正量、光沢性/黒品位の調整、後端部白抜け補正、中綴じ設定、用紙ファンの風量調整を含んでいる。用紙情報表示領域1302では、現在選択されている用紙名称と、各種調整値が、印刷装置103の初期値から変更されているか否かを表示している。変更されていない場合は「調整なし」と表示すし、変更されている場合は「調整あり」と表示する。そして印刷制御装置102から調整可能な項目については、調整ボタン1303を表示し、対応する調整画面を表示できるようにしている。詳細調整ボタン1304は、用紙情報表示領域1302に表示されていない情報を確認、設定変更する際に押下される。用紙リストの表示方法を選択するプルダウンメニュー1307は、図9のプルダウンメニュー902と同様であるためその説明を省略する。1用紙の検索入力エリア1308は、図9の検索入力エリア903と同様であるためその説明を省略する。
調整ボタン1303、詳細調整ボタン1304は、用紙の情報を編集する際に押下されるボタンのため、これらのボタンが押された際は、ログイン画面920を表示して認証を促す。ここでは、調整ボタン1304が押下された際の動作を例に説明する。尚、調整ボタン1303が押下されてからの詳細な処理については、後述の図14のフローチャートを参照して後述する。また、図13のログイン画面920は、図9のログイン画面920と同じであるため、その説明を省略する。
次に図13のカール補正の調整画面1340について説明する。
調整画面1340は、CPU301からの指示に従ってそのビデオメモリに描画すると共に、ビデオメモリに描画されたイメージデータをビデオ信号として表示装置111に出力して表示される。調整画面1340において、コントローラ1341は、用紙のフェイスアップ出力時のカール補正量と、フェイスダウン出力時のカール補正量を変更する。カール補正調整画面1340は、OKボタン1342、キャンセルボタン1343、適用ボタン1344を有する。適用ボタン1344は、カール補正量1341が変更されるまではクリックできないようにグレーアウトされてもよい。OKボタン1342又は適用ボタン1344がクリックされると、コントローラ300は、用紙設定管理テーブル700へ現在の用紙の情報を書き込む。そして、コントローラ300は、印刷装置103に対して選択中の用紙に対応する用紙設定管理テーブル700の情報を給紙段へ登録するための用紙設定指示を送信する。一方、キャンセルボタン1343がクリックされた場合、コントローラ300は、調整画面1340を表示した時に設定されていた用紙を編集せずに、このダイアログを閉じる。
図14は、実施形態2に係る印刷制御装置102において、トップ画面400で給紙段ボタン410~417が押下されたときの処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートで示す処理は、CPU301が前述のRAM302に展開したプログラムを実行することにより達成される。
まずS1401でCPU301は、図13の給紙段画面1300を表示する。次にS1402に進みCPU301は、調整ボタン1303が押下されたかどうか判定し、調整ボタン1303が押下されたと判定するとS1403の認証処理へ進む。認証管理部358が実行する、この認証処理の詳細は、前述の図11で説明したため省略する。そしてS1404に進みCPU301は、認証管理部358から認証成功又は認証失敗の情報を受け取り、CPU301は認証に成功したかどうか判定する。ここで認証に成功した場合はS1405に進み、図13に示す調整画面1340を表示して、この処理を終了する。一方、S1404で認証に失敗したと判定した場合は、調整画面1340を表示せずに、この処理を終了する。
以上説明したように実施形態2によれば、トップ画面で給紙段ボタン410~417が押下された際に表示される給紙段画面1300についても同様に、利用制限の仕様に従って動作させることができる。つまり、実施形態1と実施形態2で説明したように、用紙管理アプリケーションの利用制限は、その画面上のいかなる操作に対しても適用可能である。
[実施形態3]
上述の実施形態1,2では、用紙管理アプリケーション上で、ユーザが利用制限のある操作を行った場合にログイン画面を表示してシステム管理者のIDと暗証番号を入力させ、印刷装置103での認証が成功した場合に次の操作を可能にするものであった。
これに対して実施形態3では、印刷装置103の利用制限とは無関係に、用紙管理アプリケーションの機能を使用可能とする制御方法について説明する。尚、実施形態3に係る印刷システム、及び印刷装置103、印刷制御装置102のハードウェア構成等は前述の実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
印刷装置103の設定項目は、用紙情報の設定以外にも、例えば印刷時の画質に関する設定、印刷時のフィニッシングに関する設定、印刷装置103のネットワークに関する設定など多岐に亘る。これらの設定の中には、用紙情報の設定と同様に、システム管理者のみに操作を許可している項目がある。つまり、多岐に亘る設定に対して、システム管理者で認証されるまで操作できないよう一律で利用制限をかけているシステムが多い。
一方で、用紙管理アプリケーションは、用紙管理の利便性を向上させるために存在するものであり、印刷装置の一部の機能の利便性を向上させることに特化したアプリケーションである。このようなアプリケーションは、使用するユーザも限定されるため、印刷装置103の利用制限に必ずしも従う必要はない。例えば、印刷制御装置102で用紙管理プリケーションを動作させる場合、最初に印刷制御装置102にログインしなければならないかもしれない。この場合、ユーザは印刷制御装置102にログインする際に認証を行い、用紙管理アプリケーションを使う際にも認証を行うという手間が発生する。つまり、印刷装置103の特定の機能に特化し、その操作性を追求したアプリケーションは、ユーザの利用環境によっては、認証を不要とした方が、利便性が向上するケースもあり得る。よって実施形態3では、このように、ユーザの利用環境に合わせ、認証不要でも用紙管理アプリケーションを動作せることができる例で説明する。
図15は、実施形態3に係る印刷制御装置102で実行される用紙管理アプリケーションにより表示されるトップ画面400で設定ボタン402が押下されたときに表示する設定ダイアログ1500の一例を示す図である。
チェックボックス1501は、用紙管理アプリケーションの用紙情報の編集機能の利用制限を無効にするときにオンにチェックされる。OKボタン1502が押下されると、チェックボックス1501の値が反映され、キャンセルボタン1503が押下されると、この画面による設定がキャンセルされる。チェックボックス1501のデフォルトはオフであり、チェックボックス1501をオンに設定するためには、チェックボックス1501を操作すると表示されるログイン画面920にてシステム管理者IDと暗証番号を入力して認証する必要がある。ログイン画面920の説明は、説明済みのため省略する。ログイン画面920で入力されたシステム管理者IDと暗証番号で認証が成功した場合は、チェックボックス1501を再びオフに設定するまでは、ログイン画面920が表示されることなく、全ての機能が操作可能となる。このチェックボックス1501の設定値は、コントローラ300の外部記憶装置309に保存されるため、用紙管理アプリケーションが再起動されてもチェックボックス1501の値は保持される。尚、実施形態3では、印刷装置103と同じシステム管理者IDと暗証番号で認証を行ったが、用紙管理アプリケーション独自のIDと暗証番号を用意し、このIDと暗証番号を使って認証してもよいことは言うまでもない。
図16は、実施形態3に係る、図10のS1003の認証処理を説明するフローチャートである。尚、図16において、前述の図11のフローチャートと同じ処理に同じ参照番号を付して、その説明を省略する。
まずS1601でCPU301は、図15で説明した用紙情報の編集機能の利用制限を有効にするためにチェックボックス1501の状態を取得する。そしてS1602でCPU301は、利用制限が有効に設定されているかどうか判定し、有効と判定するとS1101へ進む。一方、利用制限が無効に設定されている場合は、認証することなく機能を使用できるようにするためS1111へ進む。
実施形態3では、図15のような設定ダイアログ1500で設定された値を参照し、用紙管理アプリケーションの利用制限を制御する方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、この用紙管理アプリケーションが印刷制御装置102上で動作しているときは、常に利用可能に制御してもよい。
これは、印刷装置103に一対一で接続される印刷制御装置102は、その利用を制限されていることが多い。つまり印刷制御装置102の機能を使用するには、印刷制御装置102へのログインが要求されることが多い。従って、ユーザは印刷制御装置102にログインした後、用紙管理アプリケーションにもログインしなければならないというのは、操作性という観点で好ましくない。よって、この用紙管理アプリケーションが印刷制御装置102で操作しているときは、図15のダイアログ1500を表示せずに、常に利用制限がない状態で利用できるようにしてもよい。そして、クライアントコンピュータ101で用紙管理アプリケーションを実行するときにのみ、図15のダイアログ1500を表示して、利用制限の有効/無効を設定できるようにしてもよい。
以上説明したように実施形態3によれば、印刷装置に外部から接続し、その印刷装置の一部の機能を操作できる印刷制御装置において、その印刷装置の利用制限の設定とは関係なく、常に利用制限無しで用紙管理アプリケーションを使用することもできる。