JP7152768B2 - 流速計 - Google Patents

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Description

本発明は、流速計に関するものである。
海洋生物の遊泳性能を評価するためには、海洋生物と周囲の水との相対速度を測定することが重要である。相対速度を測定することにより、海洋生物の移動速度を求めることができる。相対速度を得るためには、海洋生物の体表面に流速計を取り付けて、海洋生物の周囲の水を流速測定対象として、水の流速を測定することが望ましい。流速計は、海洋生物の遊泳を妨げないように小型であることが求められる。
流体の流速を計測する流速計として、構造が簡単で小型であるピトー管を用いたものが知られている。例えば、特許文献1には、全圧孔と静圧孔とを有するピトー管と、全圧孔の全圧と静圧孔の圧力との差圧を検出する差圧検出器とを備えた流速計が記載されている。流速計は、全圧孔が流体の流れに対して正対した方向に開口し、静圧孔が流体の流れに対して正対しない方向に開口する。流速は、ピトー管により得られた全圧と静圧との圧力の差(差圧)を動圧として、ベルヌーイの式を適用することにより求めることができる。
特開2004-294147号公報
しかしながら、特許文献1に記載される流速計は、例えば液体中の気泡や空気中の塵などがピトー管に入ってしまい、流速の測定精度が低下する。特に、水中と空気中とを移動する海洋生物の移動速度を測定する場合は、海洋生物が水中に飛び込む際に気泡がピトー管に入り易いので、流速を正確に計測することが難しい。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、精度よく流速を計測できる流速計を提供することを目的とする。
本発明の流速計は、流体の流れに対して正対した方向に開口する全圧孔と、前記全圧孔と接続し、前記流体の流れに対して正対しない方向に開口する静圧孔とを有するピトー管と、前記全圧孔を密封する全圧孔シール部材と、前記静圧孔を密封する静圧孔シール部材と、前記ピトー管に設けられ、前記全圧孔シール部材側の第1の圧力と前記静圧孔シール部材側の第2の圧力との差圧を検出する差圧検出部とを備える。
本発明の流速計によれば、精度よく流速を計測できる。
流速計の概略を示す斜視図である。 差圧検出部の平面図である。 図2AのB-B線端面を示す端面図である。 ピエゾ抵抗層の形成を説明する説明図である。 電極層の形成を説明する説明図である。 電極層とピエゾ抵抗層のパターン形成を説明する説明図である。 電極層のパターン形成を説明する説明図である。 弾性膜の形成を説明する説明図である。 基板のハンドル層と絶縁層のエッチングを説明する説明図である。 流速計の端面図である。 流速計の作用を説明する説明図である。 流速計の校正結果を示すグラフである。 流速計の応答を測定した結果を示すグラフである。 抵抗変化率と移動速度の関係を示すグラフである。
[第1実施形態]
図1は、流速計10の概略を示す斜視図である。流速計10は、流体の中に配置され、周囲の流体との相対的な速度を計測するためのものである。
図1に示すように、流速計10は、ピトー管11と、差圧検出部12と、全圧孔シール部材13と、静圧孔シール部材14と、圧力伝達媒体15とを備える。
ピトー管11は、差圧検出部12と圧力伝達媒体15とを収容する。ピトー管11は、例えば、金属、ガラスまたはプラスチックにより形成される。プラスチックとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂などが用いられる。ピトー管11は、例えば3Dプリンタを用いて作製することができる。
ピトー管11は、全圧孔16と静圧孔17とを有する。全圧孔16は、流体の流れに対して正対した方向に開口する。全圧孔16は、後述する全圧孔シール部材13で密封されている。静圧孔17は、ピトー管11の内部で全圧孔16と接続している。静圧孔17は、流体の流れに対して正対しない方向に開口する。静圧孔17は、後述する静圧孔シール部材14で密封されている。図1では、全圧孔16と静圧孔17とは互いに直交する方向に開口する。
差圧検出部12は、ピトー管11の内部に設けられる。差圧検出部12は、図1では、全圧孔16と静圧孔17との間に配置されている。差圧検出部12は、全圧孔シール部材13側の第1の圧力と静圧孔シール部材14側の第2の圧力との差圧を検出する。本実施形態では、差圧検出部12は、第1の圧力としての全圧孔16の全圧と、第2の圧力としての静圧孔17の静圧との差圧を検出する。全圧孔16の全圧と静圧孔17の静圧は、後述する圧力伝達媒体15により伝達される。
差圧検出部12は、センサチップ18に取り付けられている。差圧検出部12は、ワイヤボンディングにより後述する電極層33(図2Aおよび図2B参照)とセンサチップ18の電極パッド(図示なし)とが電気的に接続されている。
図2Aおよび図2Bを用いて差圧検出部12を説明する。図2Aは、差圧検出部12の平面図である。図2Bは、図2AのB-B線端面を示す端面図である。
図2Aおよび図2Bに示すように、差圧検出部12は、ベース21と、カンチレバー部22と、弾性膜23とを有する。
ベース21は、カンチレバー部22と弾性膜23とを支持する(図2B)。ベース21の形状は、例えば平面視において、矩形、多角形、円形、楕円形などである。図2Aでは、ベース21の形状は平面視において正方形とされている。ベース21の一辺の長さは3mmとした。
ベース21は、厚み方向に開口する開口部24を有する(図2B)。開口部24は、ベース21の中心に設けられている。開口部24の形状は、例えば平面視において、矩形、多角形、円形、楕円形などである。図2Aでは、開口部24の形状は平面視において円形とされている。開口部24の直径Φは2mmとした。
図2Bに示すように、ベース21は、基板31と、ピエゾ抵抗層32と、電極層33とを有する。
基板31は、ハンドル層31aと、絶縁層31bと、デバイス層31cとが順に積層された構造のSOI(Silicon on Insulator)基板である。この例では、基板31はP型SOI基板である。ハンドル層31aとデバイス層31cは、例えばSiなどにより形成される。絶縁層31bは、例えばSiOなどにより形成される。ハンドル層31aの厚みは250μmである。絶縁層31bの厚みは0.4μmである。デバイス層31cの厚みは0.3μmである。
ピエゾ抵抗層32は、基板31のデバイス層31c上に設けられている。ピエゾ抵抗層32は、デバイス層31cの表面に不純物をドーピングし、デバイス層31cの表面の一部をN型又はP型半導体としたものである。ピエゾ抵抗層32の厚みは0.1μmである。
電極層33は、ピエゾ抵抗層32上に設けられている。電極層33は、例えば図示しない下地層としてのCr層と導電層としてのAu層とからなる。電極層33は、例えば、スパッタリング法を用いてCr層とAu層とを形成し、フォトリソグラフィとウェットエッチングを行うことによりパターン形成する。電極層33の厚みは0.2μmである。
カンチレバー部22は、一端がベース21と接続し、他端が開口部24に配置されている。すなわち、カンチレバー部22は片持ち梁構造を有する。カンチレバー部22は、より具体的には、一端がベース21に接続された2つの梁と、各梁の他端同士を接続する接続部とを有する構造とされている。2つの梁は互いに平行に配置されている。接続部は各梁に対して直角に配置されている。カンチレバー部22は、長さが50μm、幅が60μm、厚さが0.3μmである。カンチレバー部22の梁の幅は25μmである。
カンチレバー部22は、デバイス層31cとピエゾ抵抗層32とにより形成されている。カンチレバー部22は、一面側(例えばピエゾ抵抗層32側)の圧力と他面側(例えばデバイス層31c側)の圧力との差圧に応じて傾動する。カンチレバー部22の傾動により、カンチレバー部22の一端側の付け根部分が変形するので、ピエゾ抵抗層32にひずみが生じ、抵抗値が変化する。
弾性膜23は、開口部24を覆うようにベース21に設けられており、カンチレバー部22と接触する。弾性膜23は、開口部24とカンチレバー部22との間に形成された隙間を塞ぐ。弾性膜23は、弾性を有し、かつ、流体およびゲルを非通過とする。弾性膜23は、例えば、有機膜、金属膜などにより形成される。この例では、弾性膜23は、ポリパラキシレンにより形成されている。弾性膜23は、ポリパラキシレンの他、PDMS(ジメチルポリシロキサン)、ガラス薄膜、フォトレジストなどにより形成したものでもよい。弾性膜23の厚みは0.5μmである。
図3A~図3Fを用いて差圧検出部12の製造方法の一例を説明する。図3Aに示すように、まず、基板31としてP型SOI基板を準備し、基板31のデバイス層31c上に、高速熱拡散法を用いてピエゾ抵抗層32を形成する。図3Bに示すように、ピエゾ抵抗層32上に、スパッタリング法を用いてCr層とAu層からなる電極層33を形成する。これにより、ベース21が形成される。図3Cに示すように、電極層33とピエゾ抵抗層32に対し、フォトリソグラフィとウェットエッチングを行うことによりパターンを形成する。図3Dに示すように、電極層33を、ICP-RIE(Inductively Coupled Plasma-Reactive Ion Etching)によりエッチングする。この結果、カンチレバー部22が形成される。図3Eに示すように、基板31上に、化学気相成長法により弾性膜23を形成する。図3Fに示すように、基板31のハンドル層31aと絶縁層31bの一部をエッチングする。これにより、開口部24が形成される。結果、差圧検出部12が得られる。
図4は、流速計10の端面図である。図4に示すように、全圧孔シール部材13は、膜状に形成されており、全圧孔16を密封する。全圧孔シール部材13は、弾性を有し、かつ、流体を非通過とする。全圧孔シール部材13は、有機膜、金属膜などにより形成される。この例では、全圧孔シール部材13は、PDMSにより形成されている。全圧孔シール部材13は、PDMSの他、天然ゴム、ポリイミドなどでもよい。全圧孔シール部材13の厚みは50μmである。
全圧孔シール部材13は、例えば、Oリング40と取付部材41とを用いて、ピトー管11の全圧孔16に対応する位置に取り付けられる。Oリング40は、ピトー管11の全圧孔16の開口端の周囲に形成された溝(図示なし)に配置される。Oリング40と取付部材41の間に全圧孔シール部材13が配置される。取付部材41は、全圧孔シール部材13を露出させる開口を有する枠状体である。取付部材41は、例えばねじ(図示なし)を用いてピトー管11に固定される。
静圧孔シール部材14は、膜状に形成されており、静圧孔17を密封する。静圧孔シール部材14は、弾性を有し、かつ、流体を非通過とする。静圧孔シール部材14は、全圧孔シール部材13と同様のもの、すなわち有機膜、金属膜などにより形成される。この例では、静圧孔シール部材14は、PDMSにより形成されている。静圧孔シール部材14の厚みは50μmである。
静圧孔シール部材14は、例えば、Oリング42と取付部材43とを用いて、ピトー管11の静圧孔17に対応する位置に取り付けられる。Oリング42は、ピトー管11の静圧孔17の開口端の周囲に形成された溝(図示なし)に配置される。Oリング42と取付部材43の間に静圧孔シール部材14が配置される。取付部材43は、静圧孔シール部材14を露出させる開口を有する枠状体である。取付部材43は、例えばねじ(図示なし)を用いてピトー管11に固定される。
圧力伝達媒体15は、全圧孔16と静圧孔17とに充填されている。圧力伝達媒体15は、第1の圧力として全圧孔16の全圧を差圧検出部12へ伝達し、第2の圧力として静圧孔17の静圧を差圧検出部12へ伝達する。圧力伝達媒体15は、液体または気体である。液体としては、例えば、水、シリコンオイル、イオン液体などが用いられる。気体としては、例えば、二酸化炭素、キセノンなどが用いられる。圧力伝達媒体15としてゲルを用いてもよい。ゲルとしては、例えば、コラーゲン、アガロースゲル、ハイドロゲルなどが用いられる。圧力伝達媒体15は、この例では純水である。
圧力伝達媒体15は、非圧縮性流体であることが好ましい。非圧縮性流体は、流速計10の周囲の圧力や温度が変化した場合でも体積が変化ない。圧力伝達媒体15として非圧縮性流体を用いることにより、例えば流速計10の周囲の圧力や温度が変化した場合でも、圧力伝達媒体15の体積は変化しないので、流速計10の破損やカンチレバー部22の変形を防止することができる。なお、流速計10の周囲の圧力や温度の変化が小さい場合は、圧力伝達媒体15として圧縮性流体を用いてもよい。圧縮性流体は、圧力や温度の変化によって体積が変化するので、流速計10を使用する環境によっては流速計10の破損やカンチレバー部22の変形を招く。
図示していないが、ピトー管11は、全圧孔16と接続する貫通孔と、静圧孔17と接続する貫通孔とを有している。各貫通孔は、圧力伝達媒体15を全圧孔16と静圧孔17とに充填の際に、空気抜き用の孔として使用される。各貫通孔は、圧力伝達媒体15を充填した後、例えば紫外線硬化樹脂を充填して塞ぐ。ピトー管11に各貫通孔を設けることにより、圧力伝達媒体15を充填する際に、差圧検出部12の破損やカンチレバー部22の変形を防止することができる。
図5を用いて、上記の構成による流速計10の作用を説明する。流速計10は、海洋生物が水中を前進すると、全圧孔シール部材13は、流速測定対象となる水の流れにより、全圧孔16に入り込むように変形する。全圧孔シール部材13の変形により、全圧孔16に充填された圧力伝達媒体15に圧力がかかる。すなわち、全圧孔16には全圧が作用する。全圧は、圧力伝達媒体15により差圧検出部12へ伝達される。一方、静圧孔シール部材14は、水の流れの影響を受けないので変形しない。静圧孔シール部材14が変形しないので、静圧孔17に充填された圧力伝達媒体15には圧力がかからない。すなわち、静圧孔17には静圧が作用する。静圧は、圧力伝達媒体15により差圧検出部12へ伝達される。
差圧検出部12は、全圧と静圧との差圧により、弾性膜23が変形し、カンチレバー部22が傾動する。カンチレバー部22の傾動により、抵抗値が変化する。すなわち、カンチレバー部22の抵抗変化率は、差圧に応じて変化する。カンチレバー部22の抵抗値変化率に基づき、差圧を測定し、以下に示すベルヌーイの式(1)より流速を求めることができる。
Figure 0007152768000001
ここで、ΔPは差圧であり、ρは流体密度であり、vは流速である。流速vは、流体に対する海洋生物などの移動速度に相当する。
流速計10は、全圧孔16を密封する全圧孔シール部材13と、静圧孔17を密封する静圧孔シール部材14と、全圧孔16と静圧孔17とに充填され、全圧孔16の全圧を差圧検出部12へ伝達し、かつ、静圧孔17の静圧を差圧検出部12へ伝達する圧力伝達媒体15とを備えることにより、例えば液体中の気泡や空気中の塵などが全圧孔16または静圧孔17に侵入することが防止されているので、流速を正確に計測することができる。
図6は、流速計10の校正結果を示すグラフである。流速計10の校正では、差圧に対する流速計10の応答を測定した。ハルストラップヴァルヒィヤー社製の圧力校正器(製品名KAL200)を用いて、流速計10の全圧孔16に圧力を加えた。圧力は、0~1000Paまで100Paの間隔で変化させた。図6は、縦軸が抵抗変化率ΔR/R、横軸が差圧ΔPである。図6より、カンチレバー部22の抵抗変化率が差圧に応じて変化することが確認できる。したがって、圧力伝達媒体15により全圧と静圧とが差圧検出部12へ伝達されることがわかる。
実際に、水を入れた水槽の中に流速計10を沈め、流速計10を移動させたときの移動速度を測定した。流速計10は、プラスチックの棒の一端に取り付けて、プラスチックの棒の他端を手で持って手動で移動させた。実験では、まず、水槽の底に沈めた流速計10を空気中に引き上げた。次に、流速計10を空気中から水中に沈めた。このとき、流速計10は、水面から約10cmの深さに沈めた。次に、水中で流速計10を異なる速度で3回移動させた。1回分の移動距離は約30cmとした。流速計10を移動させる様子をカメラで動画撮影した。動画撮影により得られた動画像から求めた流速計10の最大移動速度は、1回目が0.66m/s、2回目が0.91m/s、3回目が1.48m/sであった。
図7Aは、実験中の流速計10の応答を測定した結果である。図7Aは、縦軸が抵抗変化率ΔR/R、横軸が時間である。図7Aにおいて、「U」は水槽の底に沈めた流速計10を空気中に引き上げたときの応答を示し、「D」は流速計10を空気中から水中に沈めたときの応答を示し、「M1」は流速計10の1回目の移動に対する応答を示し、「M2」は流速計10の2回目の移動に対する応答を示し、「M3」は流速計10の3回目の移動に対する応答を示す。図7Aより、流速計10が水中に沈められた直後に応答したことがわかる。また、カンチレバー部22の抵抗変化率が、流速計10の移動速度に応じて変化することが確認できる。流速計10を空気中に引き上げている間、流速計10の出力に小さな変動が確認できるが、この変動は温度ドリフトによるものと考えられる。
図7Bは、抵抗変化率と移動速度の関係を示すグラフである。図7Bは、縦軸が抵抗変化率ΔR/R、横軸が移動速度である。図7Bにおいて、「M1」は流速計10の1回目の移動に対する応答を示し、「M2」は流速計10の2回目の移動に対する応答を示し、「M3」は流速計10の3回目の移動に対する応答を示す。図7Bより、カンチレバー部22の抵抗変化率の絶対値が移動速度とともに大きくなっていることが確認できる。
以上の実験結果より、流速計10は、水中と空気中との間で移動された場合でも、流速を正確に計測することができることが確認できた。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
差圧検出部12は、上記実施形態では全圧孔16と静圧孔17との間に配置されているが、差圧検出部12の位置はピトー管11の内部であれば特に限定されない。例えば、差圧検出部12を全圧孔16の開口部分に設けてもよい。差圧検出部12を全圧孔16の開口部分に設ける場合は、全圧孔シール部材13を設けずに、差圧検出部12の弾性膜23を用いて全圧孔16を密封してもよい。すなわち、弾性膜23を全圧孔シール部材として用いてもよい。弾性膜23は、流速測定対象となる水の流れにより変形し、カンチレバー部22を傾動させる。これによりカンチレバー部22の抵抗変化率が変化するので、流速を計測することができる。また、差圧検出部12を静圧孔17の開口部分に設けてもよい。差圧検出部12を静圧孔17の開口部分に設ける場合は、差圧検出部12の弾性膜23を用いて静圧孔17を密封してもよい。すなわち、弾性膜23を静圧孔シール部材として用いてもよい。
差圧検出部12は、カンチレバー部22の他に、温度補償用カンチレバー部をさらに有するものでもよい。温度補償用カンチレバー部は、カンチレバー部22と同様の温度に対する抵抗変化特性を有するものを用いる。すなわち、カンチレバー部22および温度補償用カンチレバー部における温度に対する抵抗の変化率は互いに等しい。これにより、両者を用いて温度ドリフトの影響をキャンセルすることが可能である。
具体的には、カンチレバー部22で差圧に伴う抵抗値を測定するとともに、温度補償用カンチレバー部で実際の温度を測定する。予め測定しておいたカンチレバー部22の温度特性から実際の温度に対応する補償値を算出する。これにより、カンチレバー部22で得られた抵抗値から補償値を除算することにより、抵抗値に対して温度補償をすることができる。
差圧検出部12は、カンチレバー部22を有するものに限られず、差圧を検出できるものであればよい。
10 流速計
11 ピトー管
12 差圧検出部
13 全圧孔シール部材
14 静圧孔シール部材
15 圧力伝達媒体
16 全圧孔
17 静圧孔

Claims (5)

  1. 流体の流れに対して正対した方向に開口する全圧孔と、前記全圧孔と接続し、前記流体の流れに対して正対しない方向に開口する静圧孔とを有するピトー管と、
    前記全圧孔を密封し、変形可能な全圧孔シール部材と、
    前記静圧孔を密封し、変形可能な静圧孔シール部材と、
    前記ピトー管に設けられ、前記全圧孔シール部材側の第1の圧力と前記静圧孔シール部材側の第2の圧力との差圧を検出する差圧検出部とを備える流速計。
  2. 前記全圧孔と前記静圧孔とに充填された圧力伝達媒体を備え、
    前記差圧検出部は、前記全圧孔と前記静圧孔との間に配置されており、
    前記圧力伝達媒体は、前記第1の圧力として前記全圧孔の全圧を前記差圧検出部へ伝達し、前記第2の圧力として前記静圧孔の静圧を前記差圧検出部へ伝達する請求項1に記載の流速計。
  3. 前記圧力伝達媒体は非圧縮性流体である請求項2に記載の流速計。
  4. 前記全圧孔と前記静圧孔とは互いに直交する方向に開口する請求項1~3のいずれか1項に記載の流速計。
  5. 前記差圧検出部は、
    開口部を有するベースと、
    一端が前記ベースと接続し、他端が前記開口部に配置されたカンチレバー部と、
    前記開口部を覆うように前記ベースに設けられており、前記カンチレバー部と接触する弾性膜とを有する請求項1~4のいずれか1項に記載の流速計。
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