JP7151819B2 - 周囲検出を備えたジャイロスコープ - Google Patents

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Description

本開示は、微小電気機械ジャイロスコープに関し、より詳細には、振動プルーフマスシステムを使用して、デバイス面内にある1つの回転軸を少なくとも中心とする角回転を測定するジャイロスコープに関する。
微小電気機械(MEMS)ジャイロスコープでは、プルーフマスが、一次振動モード(駆動振動モードとも呼ばれ得る)で振動するように容易に駆動され、また、コリオリ力によって引き起こされる二次振動モード(センス振動モードとも呼ばれ得る)の振動も容易に受けることが好ましい。ジャイロスコープにおける一般的な課題は、これらの2つのモードにおけるプルーフマスの振動が、外部外乱、例えば周囲の要素の振動によって摂動しないことが好ましい。ジャイロスコープは、意図した周波数範囲内でジャイロスコープが受ける角回転速度によってのみ出力信号が決定されるように、線形振動と回転振動との両方によって摂動しないことが好ましい。例えば、自動車用途では、潜在的な外乱は通常0kHz~50kHzの周波数範囲にあり、一方、入力周波数範囲は通常1kHz未満である。
単純なMEMSジャイロスコープは、1つの振動プルーフマスのみを利用して構成されてもよいが、動作周波数に近い周波数で外部振動が存在する場合、通常、そのようなジャイロスコープの出力信号は非常にノイズが多くなる。1つのマスジャイロスコープは、50kHzを超える動作周波数でのみ実用的と考えられるが、これらの周波数では、ジャイロスコープの感度が非常に低くなる可能性があり、製造欠陥から生じる直交信号などの他の妨害作用が非常に顕著になることが多い。また、単一マス駆動における不均衡な駆動モードでは、駆動振動の反力による駆動モードからのエネルギー漏洩が生じる。これは、動作に必要な駆動力の増加、安定性問題、および硬質ダイの取付要件など、あらゆる種類の問題を引き起こす。
2つまたは4つのプルーフマスが逆位相で振動するプルーフマスシステムは、マスが1つのジャイロスコープよりも振動に対してはるかにロバストにし得ることが知られている。2つまたは4つのプルーフマスの同位相運動を引き起こす振動から生じる信号成分は、差動測定によってある程度自動的に相殺することができる。さらに、差動共振周波数に影響を与えることなく同位相共振周波数を50kHzよりも高くできる場合、通常、妨害振動により共振増幅は生じない。
いくつかのMEMSジャイロスコープは、デバイス基板に垂直な1つの軸を中心とする回転速度を測定するように設計されている。そのようなジャイロスコープは、z軸ジャイロスコープと呼ばれてもよい。他のMEMSジャイロスコープは、基板面内にある2つの垂直軸のどちらかを中心とする回転速度を測定するように設計されている。そのようなジャイロスコープは、x軸ジャイロスコープおよび/またはy軸ジャイロスコープと呼ばれてもよい。多軸MEMSジャイロスコープは、同じ振動プルーフマスセットを用いてx軸、y軸、および/またはz軸を中心とする回転速度を測定するように設計されている。
特許文献1は、複数のマス要素が連結要素の複雑なシステムと互いに入れ子になったジャイロスコープを開示している。
米国特許出願公開第2017/234684号明細書
本開示の目的は、単純であるがロバストなジャイロスコープ構造体を提供することである。
本開示のその目的は、独立請求項に記載されることを特徴とする構成によって達成される。本開示の好ましい実施形態は、従属請求項に開示する。
本開示は、コリオリマスのカルテットをカルテット中心点を中心として配置し、当該カルテットの周囲に近接して1対の長尺マス要素を各コリオリマスに結合するという考えに基づく。適切に結合することで、これらの長尺マス要素の動きからいくつかの二次振動モードを検出することができ、一方、コリオリマスカルテットの動きから他の二次振動モードを検出することができる。
以下に、添付図面を参照しながら、好ましい実施形態によって本開示をより詳細に説明する。
図1は、本開示における一次振動モードおよび二次振動モードを表す記号を示す図である。 図2aは、第1実施形態によるジャイロスコープを示す図である。 図2bは、代替連結ばね部を示す図である。 図2cは、代替一次振動モードを示す図である。 図2dは、代替一次振動モードを示す図である。 図2eは、x軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードを示す図である。 図2fは、代替z軸二次振動モードを示す図である。 図2gは、代替z軸二次振動モードを示す図である。 図3aは、第2実施形態によるジャイロスコープを示す図である。 図3bは、代替一次振動モードを示す図である。 図3cは、代替一次振動モードを示す図である。 図4aは、第1実施例を示す図である。 図4bは、第1実施例を示す図である。 図5aは、第2実施例を示す図である。 図5bは、第2実施例を示す図である。 図6は、第3実施例を示す図である。
本開示では、休止位置においてデバイス面内にある第1コリオリマスカルテットと、デバイス面内の第1横軸上にある対応する第1カルテット中心点とを備える微小電気機械ジャイロスコープについて説明する。
第1コリオリマスカルテットは、休止位置において第1カルテット中心点を中心として対称に配置される4つのコリオリマスを含み、第1横軸は、デバイス面内において第1縦軸に直交する。第1コリオリマスカルテットの第1コリオリマスおよび第2コリオリマスは、休止位置において第1横軸上に並び、第1コリオリマスカルテットの第3コリオリマスおよび第4コリオリマスは、休止位置において第1縦軸上に並ぶ。
ジャイロスコープは、さらに、第1コリオリマスカルテットの内部に第1カルテット中心点を中心とする第1中央同期部を備える。
ジャイロスコープは、さらに、長尺マス要素の第1対と、第2対と、第3対と、第4対とを備える。第1対をなす長尺マス要素は、第1コリオリマスの外側で第1横軸の両側に縦方向に並ぶ。第2対をなす長尺マス要素は、第2コリオリマスの外側で第1横軸の両側に縦方向に並ぶ。第3対をなす長尺マス要素は、第3コリオリマスの外側で第1縦軸の両側に横方向に並ぶ。第4対をなす長尺マス要素は、第4コリオリマスの外側で第1縦軸の両側に横方向に並ぶ。
長尺マス要素の第1対、第2対、第3対および第4対における各長尺マス要素は、対応する第1周囲アンカーポイントから第1マス要素サスペンダによって懸架される。当該第1マス要素サスペンダは、当該第1周囲アンカーポイントから、当該マス要素の略中点に位置する固定点まで延在する。長尺マス要素の第1対、第2対、第3対および第4対における各長尺マス要素は、対応するコリオリマスに連結ばね部によって取り付けられる。
ジャイロスコープは、各カルテット中心点に位置する中央アンカーポイント、または各カルテット中心点を中心として対称に、例えば中心点と交わる対角軸上に配置された複数の中央アンカーポイントを任意選択で備えてもよい。ジャイロスコープは、また、対応する1以上の中央アンカーポイントから各コリオリマスカルテットを懸架する中央懸架部を備えてもよい。これにより、中央懸架部は、コリオリマスカルテットを構造的に支持し、中央懸架部は、一次振動モードにおけるコリオリマスカルテットの振動を同期させる中央同期部を含んでもよい。本開示で挙げる実施例では、中央同期部を含む中央懸架部を示す。
しかしながら場合によっては、コリオリマスカルテットは、周囲アンカーポイントから、または当該コリオリマス内に形成された開口部内に位置するアンカーポイントから懸架されてもよい。次いで、コリオリマスは、これらのアンカーポイントから十分な構造的支持を得てもよく、中央懸架部を必要としなくてもよい。そのような場合、中央同期部は、構造的に支持することなく同期機能を実施してもよい。
各長尺マス要素は、デバイス面内において長い方の寸法と短い方の寸法とを有する。長い方の寸法が延在する方向は、当該長尺マス要素の長手方向と呼ばれてもよい。本開示において、「横方向に並ぶ」という表現は、両方の長尺マス要素の長手方向が実質的に一致し、これらの長手方向が横になるように、長尺マス要素の対をなす2つの長尺マス要素が端部同士対向するように配置されることを意味する。「縦方向に並ぶ」という表現は、1対の長手方向が縦になる、端部同士が対向する同様の配列を指す。対をなす2つの長尺マス要素は互いに離間しているが、場合によっては、より詳細に以下に説明するように、連結ばね部を2つの長尺マス要素の間に配置して、それらの両方に取り付けてもよい。
「横/縦軸上に並ぶ」という表現は、当該軸がコリオリマスの中点と実質的に交わるように当該コリオリマスが配置されることを指す。コリオリマスは当該軸に対して対称であってもよく、かつ/または、当該軸は当該コリオリマスの重心と交わってもよい。
xy平面内の各コリオリマスの表面積は、対応する長尺マス要素対の表面積の合計より大きくてもよく、または、対応する長尺マス要素対の表面積の合計と実質的に等しくてもよい。あるいは、xy平面内の各コリオリマスの表面積は、対応するマス要素対の表面積の合計より小さくてもよい。
長尺マス要素の第1対、第2対、第3対および第4対における各長尺マス要素は、当該固定点の第1側に第1辺と、当該固定点の第2側に第2辺とを有する。固定点の第1側は第2側の反対側であり、長尺マス要素の各対におけるマス要素の第1辺同士は、互いに隣接してもよい。
ジャイロスコープは、さらに、第1コリオリマスカルテットおよび長尺マス要素を一次振動運動させる1以上の駆動変換器と、第1コリオリマスカルテットおよび/または長尺マス要素の二次振動運動を検出する1以上のセンス変換器とを備えてもよい。二次振動運動は、ジャイロスコープが角回転を受ける場合にコリオリ力によって引き起こされる。振動モードの例を以下に挙げる。
本開示で説明する任意選択の中央懸架部は、コリオリマスを構造的に支持する。中央同期部は、所望の一次振動モードおよび二次振動モードに柔軟に対応し、コリオリマスの互いに対する動きが所望の位相で生じない望ましくない振動には強固に抵抗してもよい。中央同期部は、1セットの剛性要素と相互連結される1セットの可撓性要素から構成されてもよい。中央同期部は、可撓性要素同士間および/または剛性要素同士間に開口領域を有してもよい。可撓性要素と剛性要素とが適切な方法で相互連結される場合、所望の対応特性および抵抗特性を得ることができる。そのような相互連結の実施例を以下に述べる。
可撓性要素および剛性要素は、また、互いに連結されることに加え、1以上の中央アンカーポイントに連結されてもよい。これにより、中央同期部はまた、コリオリマスの重量を支持する中央懸架部を形成してもよい。
マス要素サスペンダは、特に長尺マス要素を構造的に支持し、一次振動運動および二次振動運動に柔軟に対応する。連結ばね部は、長尺マス要素と対応するコリオリマスとの間で一次振動運動を結合し、また、より詳細に以下に説明する方法で二次振動運動にも柔軟に対応する。
センス変換器が生じたコリオリ力を検出することができる信号対雑音比は、二次振動の振幅に依存する。懸架部および結合部は、コリオリマスおよび長尺マス要素が所望の一次振動モードおよび二次振動モードで振動することを柔軟に可能にする一方、望ましくない振動モードにおけるこれらのマスの振動には強固に抵抗することが好ましい。所望の振動モードの例を以下に挙げる。
本開示において、デバイス面が図示され、xy平面と称される。x方向は横方向、y方向は縦方向と称される。デバイス面はまた、水平面と呼ばれてもよい。z軸は、xy平面に垂直である。z軸はまた、垂直軸と呼ばれてもよい。プルーフマスが休止位置から遠ざかる場合にデバイス面内において水平のままである線形運動および/または回転運動は、「面内」運動または「デバイス面内運動」と称されてもよく、一方、プルーフマスが休止位置から垂直方向に遠ざかる線形運動および/または回転運動は、「面外」運動または「デバイス面外運動」と称されてもよい。
本開示において、「水平」および「垂直」という用語は、単に、それぞれデバイス面およびデバイス面に垂直な方向を指す。デバイス面は、通常、微小機械構造体が作製される基板によって定義される。「水平」および「垂直」という用語は、製造中または使用中にデバイスをどのように方向付けるべきかについては何も示唆していない。「上方」および「下方」という用語は、図を説明する際の垂直z座標の差を指しており、「上に」および「下に」という用語は、逆の2つの垂直方向を指す。
デバイス面に垂直な任意の軸を中心とする回転は、z軸を中心とする回転と称される。同様に、図示したx軸と平行な任意の軸を中心とする回転は、x軸を中心とする回転と称され、図示したy軸と平行な任意の軸を中心とする回転は、y軸を中心とする回転と称される。これらの3つのタイプの回転でコリオリ力によって引き起こされる二次振動モードは、それぞれz軸二次振動モード、x軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードと称される。
本開示において、「ばね」という用語は、少なくとも一方向において可撓性を有するデバイス部品を指す。「サスペンダ」という用語は、固定部(アンカーポイントなど)と、デバイスが動作するときに振動するデバイス部品との間に配置される(場合によっては他のデバイス部品と共に)ばねを指す。「懸架構造体」および「懸架部」という用語は、共に可動マスを構造的に支持する部品のより複雑な組合せを指す。懸架構造体および懸架部は、所望の振動モードに対応するために必要な可撓性を与える少なくとも1つの可撓性サスペンダを含む。懸架構造体および懸架部は、多くのサスペンダを含んでもよく、また、剛性部分を含んでもよい。懸架された可動マスが動いているとき、サスペンダは通常、曲がるか、またはねじれる。
可動マスが動いているとき(当該剛性部分と、対応するアンカーポイントとの間に1以上の可撓性サスペンダがあると仮定する)、懸架構造体/部の剛性部分は動くことが多い。いくつかのばねは、同期構造体を形成してもよく、または、剛性部分と組み合わされて同期構造体を形成してもよい。同期構造体は、また、懸架構造体として機能してもよい。あるいは、同期構造体は、構造的に支持することなく同期を行ってもよい。より一般的には、マス要素を互いに連結し、1つのマス要素から別のマス要素に振動を伝達するばねはまた、結合ばねまたは連結ばねと呼ばれてもよい。動きを伝達することは、通常、結合/連結ばねの主要な機能であるが、同期機能を実施するように設計されることも多い。そのようなばねが含まれる構造体は、結合構造体または連結構造体と呼ばれてもよい。
本開示全体を通して、「同期する」という用語および「構造体Aは、振動モードXを同期させる」などの表現は、以下の意味を有する。構造体Aは、所望のモードXで振動することが好ましく、望ましくないモードYでは振動しないことが好ましい相互連結されたマス要素のシステムにおいて機械的連結を構成する。構造体Aは、剛性および可撓性の有益な組合せを示し、その結果、構造体Aの存在により、システムにおけるモードXの共振周波数FとモードYの共振周波数Fとの関係が改善される。
例えば、構造体Aの存在により、比率F/Fおよび/または差F-Fが増加してもよい。この改善が測定される基準状態は、場合によっては構造体Aのない同じマス要素システムであってもよい。この場合、構造体Aは同期にのみ必要とされる。その他の場合において、マス要素の重量を支持するためにも構造体Aが必要なときは、同期改善が測定される基準状態は、構造的支持のみを与える代替構造体BでAを置き換えた同じマス要素システムであってもよい。
一般に、懸架部、同期部および結合部はすべて、支持するように、および特定の方向に可撓性、他の方向に剛性を有するように最適化される。これらの3つの変数は互いに相反し得るため、最適化とは、良好な妥協的解決策を見つけることを意味する。ジャイロスコープのすべての要素が、これらの妥協に影響を与える可能性がある。
本開示において、「径方向」振動とは、中心点から離れ、および中心点に向かうxy平面内の線形運動を指す。「接線方向」振動とは、中心点を中心とする仮想円の接線に沿った、xy平面、xz平面(横垂直)またはyz平面(縦垂直)内の動きを指す。xy平面内の接線方向振動は、面内接線方向振動と呼ばれてもよく、一方、xz平面内およびyz平面内の接線方向振動は、面外接線方向振動と呼ばれてもよい。接線方向振動は、実際には、線形運動と回転との混合物になる場合がある。通常、コリオリマスがどのように接線方向に動くかは、懸架部によって決まる。
本開示の図において、別段の記載がない限り、コリオリマスの配置は休止位置に対応する。本開示の様々な実施形態におけるプルーフマスの振動方向、および振動間の位相関係は、図1に示した記号を用いて示す。行11に示した白矢印は、デバイス面内に生じる一次振動モードを示す。行12の黒矢印は、ジャイロスコープがz軸を中心とする回転を受ける場合に(デバイス面内に)生じ得る二次モードを示す。行13に示した1対の記号は、一緒に用いて、ジャイロスコープがx軸を中心とする回転を受けたときのプルーフマス対の面外運動を示す。行14に示した1対の記号は、一緒に用いて、ジャイロスコープがy軸を中心とする回転を受けたときのプルーフマス対の面外運動を示す。行13および14の両方において、クロスは観察者から遠ざかる動きを示し、ドットは観察者に向かう動きを示す。
本開示に示すいずれの実施形態においても、例えば、1以上のコリオリマス内に形成された開口部に容量性駆動変換器が実装されてもよい。z軸二次振動モードを検出するために、1以上のコリオリマスの開口部内に、または1以上のコリオリマスに隣接して容量性センス変換器が実装されてもよい。容量性x軸センス変換器および容量性y軸センス変換器が、それぞれx軸二次振動モードおよび/またはy軸二次振動モードを検出するために1以上のコリオリマスの上方および/または下方に実装されてもよい。変換器は、本開示の図に示していない。
第1実施形態
図2aは、第1横軸291および第1縦軸292が第1ジャイロスコープ中心点で互いに交差するジャイロスコープを概略的に示す。第1コリオリマス、第2コリオリマス、第3コリオリマスおよび第4コリオリマス211~214は、第1ジャイロスコープ中心点の周りに第1コリオリマスカルテットを形成する。第1コリオリマスカルテットの動きは、中央同期部271によって同期する。
ジャイロスコープは、第1長尺マス要素および第2長尺マス要素2211+2212によって形成された長尺マス要素の第1対を備える。これらの2つの要素は、第1コリオリマス211の外側に縦方向に並ぶ。ジャイロスコープは、また、第3長尺マス要素および第4長尺マス要素2221+2222によって形成された長尺マス要素の第2対と、第5長尺マス要素および第6長尺マス要素2231+2232によって形成された長尺マス要素の第3対と、第7長尺マス要素および第8長尺マス要素2241+2242によって形成された長尺マス要素の第4対とを備える。上に定義したように、第2対は縦方向に並び、第3対および第4対は横方向に並ぶ。第1長尺マス要素2211の第1辺および第2辺には、それぞれ参照番号22111および22112を付した。他の長尺マス要素の第1辺および第2辺に付した参照番号も、同じ方法によるものである。長尺マス要素は、それぞれ第1辺および第2辺に対応する第1端部および第2端部を有する。
ジャイロスコープは、コリオリマスカルテットの周囲に配置された1セットの第1周囲アンカーポイント2311~2312、2321~2322、2331~2332および2341~2342を備える。ここでは、第1周囲アンカーポイントを長尺マス要素の外側に図示するが、代替方法として、対応する長尺マス要素よりもジャイロスコープ中心点側に配置してもよく、または、当該マス要素内の開口部に位置付けしてもよい。
図2aでは、各第1周囲アンカーポイントが1つ長尺マス要素のみに対応するように、各長尺マス要素は、個別の第1周囲アンカーポイントから懸架されている。図2aのジャイロスコープは、1セットの第1マス要素サスペンダ242を備える。各第1マス要素サスペンダ242は、対応する周囲アンカーポイントから長尺マス要素を懸架し、以下に紹介する一次振動モードおよび二次振動モードにおける取り付けられた長尺マス要素の動きに柔軟に対応する。
あるいは、対をなす2つの長尺マス要素が同じ第1周囲アンカーポイントから懸架されるように、第1周囲アンカーポイントの数を減らすことが可能であろう。次いで、第1マス要素サスペンダは、当該第1周囲アンカーポイントから対応する長尺マス要素まで延在する剛性部分と、一次振動モードおよび二次振動モードにおける取り付けられた長尺マス要素の動きに対応する可撓性部分とを含んでもよい。この選択肢を別には図示していない。各第1周囲アンカーポイントが対応するマス要素の近くにある図2aの構成では、アンカーポイントが長尺マス要素からより遠くにある場合よりも、第1マス要素サスペンダ242によってもたらされる支持よび屈曲を単一の均一なサスペンダに容易に組み込むことができる。
図2aは、また、長尺マス要素の各対と対応するコリオリマスとの間の連結ばね部241を示す。この場合、各長尺マス要素は、それ自体の連結ばね部によって隣接するコリオリマスに連結され、各連結ばね部は、対応する長尺マス要素の略中点に取り付けられる。図2bは、2つの長尺マス要素2231と2232とが同じ連結ばね部241を共有する代替選択肢を示し、連結ばね部241は、第1ばねで互いにマス要素を結合し、第1ばねから隣接するコリオリマス213まで延在する第2ばねを含む。ここでは、各連結ばね部は、コリオリマスに取り付けられる対をなす2つの対応する長尺マス要素の隣接する端部に取り付けられる。これらの選択肢のどちらかを本開示に示す任意の実施形態および任意の例に用いることができる。さらに、隣接するコリオリマスに長尺マス要素を結合するために図2aの連結ばね部を利用し、長尺マス要素を互いに結合するために別個のマス要素結合ばねを使用することも可能である。これらのマス要素サスペンダ、連結ばね部および中央懸架部の実施例を以下に挙げる。
図2cは第1一次振動モードを示し、要素が休止位置から遠ざかっているのを示す。コリオリマス211~214はすべて、ジャイロスコープ中心点に対して径方向に線形振動する。一次振動周期の図示した半分において、コリオリマス213および214が中心点から遠ざかるように線形平行移動で動くと、コリオリマス211および212はジャイロスコープ中心点に向かって線形平行移動で動く。一次振動周期の逆半分(図示せず)では、各コリオリマスの動きは、逆の径方向に動くように逆転する。言い換えれば、第1一次振動モードにおいて、コリオリマス211および212は第1横軸291上を逆位相で動き、一方、コリオリマス213および214は、第1縦軸292上を逆位相で動く。
各コリオリマスに結合される長尺マス要素は、デバイス面内において回転運動を受ける。図に示すように、マス要素のうちの一方が反時計回りに回転すると他方は時計回りに回転するため、コリオリマスのうちの1つに結合された長尺マス要素の各対の回転は、逆位相回転と呼ばれてもよい。この場合も、一次振動周期の逆半分では、それらの動きは逆転する。長尺マス要素の回転角は、説明のために非常に誇張した。図2bでは、対応するコリオリマスの動きに対する長尺マス要素の図示した回転位相は、図2aに示した連結ばね部241によって得られる。図2bの連結ばね部が代わりに利用される場合、位相は逆になるであろう(例えば、コリオリマス211が右に動くと、長尺マス要素2211は反時計回りに回転し、一方、2212は時計回りに回転するであろう)。
各第1マス要素サスペンダは、対応する長尺マス要素の取付点に取り付けられ、取付点は、当該長尺マス要素の中点または中点付近にある。取付点は、例えば図2aが示すように当該長尺マス要素の縁部にあってもよく、または代替として、図4aおよび図5aが示すように長尺マス要素の開口部内にあってもよい。第1マス要素サスペンダは、各長尺マス要素が、当該長尺マス要素の重心と実質的に交わる垂直z軸を中心に一次振動モードで回転することを可能にするバランスのとれた懸架を任意選択で行ってもよい。各マス要素の重心は、当該長尺マス要素の中点または中点付近にあってもよい。
さらなる選択肢(先の選択肢と無関係に、または先の選択肢と共に実装されてもよい)は、第1マス要素サスペンダが、後述するx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードにおいてバランスのとれた懸架を行うことである。その場合、第1マス要素サスペンダはまた、取り付けられた長尺マス要素が、当該長尺マス要素の重心と実質的に交わる水平(当該長尺マス要素に応じて横または縦のどちらか)軸を中心とする当該二次振動モードのうちの一方においてデバイス面外に回転することも可能にする。次いで、各長尺マス要素は、その重心の最小の動きを含む回転慣性モーメントとして一次振動および/または二次振動で動く。バランスのとれた懸架に関するこれらの考慮事項は、以下に述べる第2一次振動モードにおいても、本開示に示すすべてのx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードならびにすべての実施例に適用される。
図2dは、第1一次振動モードの代替である第2一次振動モードを示す。ここで、デバイス部品が休止位置から遠ざかっているのを示す。どちらかの一次振動モードを用いることができる。一次振動モードの選択に基づいて、二次振動モードはある特定の差異を示す。さらに、中央同期部は、選択された一次振動モードに対応するように設計されなければならない。
第2一次振動モードでは、コリオリマス211~214はすべて、ジャイロスコープ中心点に対して径方向に線形振動する。しかしながら、図2cとは異なり、一次振動周期の図示した半分では、4つのコリオリマス211~214すべてがジャイロスコープ中心点に向かって同時に線形平行移動で動く。一次振動周期の逆半分では(図示せず)、4つのコリオリマス211~214すべてがジャイロスコープ中心点から外側に向かって逆の径方向に同時に動く。図2cのように、コリオリマス211および212は第1横軸291上を逆位相で動き、一方、コリオリマス213および214は第1縦軸292上を逆位相で動く。
各コリオリマスに結合される長尺マス要素は、第1一次振動モードの場合と同じ回転運動を受け、この振動は、図2dが示すように、各長尺マス要素が結合されるコリオリマスの振動と同期する。図2dにおいて、対応するコリオリマスの動きに対する各長尺マス要素の回転位相は、図2cの場合と同じである。図2cのように、図2bの連結ばね部の利用により、図2dにおいても逆位相の回転が生じるであろう。
図2eは、ジャイロスコープがそれぞれx軸およびy軸を中心とする回転を受ける場合にコリオリ力によって引き起こされるx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードを示す。ここで、長尺マス要素はxy平面外に回転する。y軸二次振動モードでは、長尺マス要素の第2対において第1端部が上がり、第2端部が下がると、長尺マス要素の第1対の第1端部は下がり、第2端部は上がる。言い換えれば、第1対の長尺マス要素は、図2cおよび図2dにおいて垂直軸を中心に逆位相で回転するのと全く同じように、互いに対して横回転軸を中心に逆位相で回転する。同様に、第1対は全体として、第2対に対して逆位相で回転する。
x軸二次振動モードでは、長尺マス要素の第4対において第1端部が上がり、第2端部が下がると、長尺マス要素の第3対の第1端部は下がり、第2端部は上がる。これにより、第3対の長尺マス要素も、この場合、図2cおよび図2dにおいて垂直軸を中心に逆位相で回転するのと全く同じように、縦回転軸を中心に逆位相で回転する。第3対は全体として、第4対に対して逆位相で回転する。
図2eに示したx軸二次振動モードとy軸二次振動モードとの位相関係は、第2一次振動モードに対応する。第1一次振動モードが用いられる場合、コリオリマス213~214に結合された長尺マス要素の振動位相に対するコリオリマス211~212に結合された長尺マス要素の二次振動位相は、図2eに示すものの逆になる(これについて、別には図示していない)。
なお、コリオリマス211~214は、図2eに示したx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードに関与しない(第1一次振動モードが用いられる場合にも、これらのモードに関与しない)。言い換えれば、ジャイロスコープがx軸またはy軸を中心とする回転を受ける場合でさえ、コリオリマス211~214はxy平面内にとどまっている。次いで、x軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードは、長尺マス要素の面外運動を測定する1以上のセンス変換器のみを用いて検出される。x軸およびy軸を中心とする振動を測定する専用のセンス変換器は、例えば、第1容量性電極として長尺マス要素の一端部と、第2容量性電極としてデバイスパッケージ(または他の筐体)の壁上の垂直方向に隣接する固定電極とを使用することによって構成することができる。これにより、x軸およびy軸を中心とする回転を検出するセンス変換器は、各ジャイロスコープ中心点の周囲に配置されてもよい。中央懸架構造体は、例えば、コリオリマス211~214をxy平面内に維持するために面外方向に剛性を有してもよい。x軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードならびに関連するセンス変換器に関するこれらの考慮事項は、本開示に示すすべての実施形態および例に適用される。
ジャイロスコープがz軸を中心に回転する場合、コリオリマス211~214は二次振動を受ける。中央同期部と、長尺マス要素への結合部とは、第1z軸二次振動モードに柔軟に対応し、この第1z軸二次振動モードは、一次振動モードが第1一次振動モードであり、かつジャイロスコープがz軸を中心とする角回転を受ける場合にコリオリ力によって引き起こされる。第1z軸二次振動モードを図2fに示す。
この二次振動モードでは、コリオリマス211~214はすべて、図に示す方向に第1ジャイロスコープ中心点に対して接線方向に動く。振動周期の逆半分では、これらのコリオリマスの各々は逆の接線方向に動く。そして、ジャイロスコープは、また、第1z軸二次振動モードにおけるコリオリマス211~214の振動を検出するセンス変換器も備えるべきである。
しかしながら、中央同期部と、長尺マス要素への結合部との構成方法に応じて、コリオリマス211~214の接線方向振動は平行運動と回転運動との混合物になる場合があり、これにより、場合によっては、これらのマスの動きからz軸二次振動振幅を正確に検出することが困難になる可能性がある。追加の検出マス251~254がジャイロスコープに加えられてもよい。これらの検出マスの(第1ジャイロスコープ中心点に対する)対角線方向の動きにより、第1z軸二次振動モードの検出がより容易になる。
図2fに示したジャイロスコープは、共に検出マスカルテットを形成する第1検出マス、第2検出マス、第3検出マスおよび第4検出マス251~254を備え、検出マスカルテットは、休止位置において、第1ジャイロスコープ中心点を中心として対称に配置される。第1検出マス251および第2検出マス252は第1対角軸293上に並び、第1対角軸293は、横軸291および縦軸292と45度の角度で交差し、ジャイロスコープ第1中心点と交わる。第3検出マス253および第4検出マス254は第2対角軸294上に並び、第2対角軸294は、第1対角軸293に直交し、第1ジャイロスコープ中心点と交わる。
横コーナーばね261~264は、横方向に隣接するコリオリマスから各検出マス(それぞれ251~254)まで延在する。縦コーナーばね271~274は、縦方向に隣接するコリオリマスから各検出マス(それぞれ251~254)まで延在する。
言い換えれば、第1横コーナーばね261および第3横コーナーばね263は、図2fに示すように、第3コリオリマス213から、それぞれ第1検出マス(251)および第3検出マス(253)まで延在する。第2横コーナーばね262および第4横コーナーばね264は、第4コリオリマス214から、それぞれ第2検出マス(252)および第4検出マス(254)まで延在する。第1縦コーナーばね271および第4縦コーナーばね274は、第1コリオリマス211から、それぞれ第1検出マス(251)および第4検出マス(254)まで延在し、一方、第2縦コーナーばね272および第3縦コーナーばね273は、第2コリオリマス212から、それぞれ第2検出マス(252)および第3検出マス(253)まで延在する。
コリオリマス211~214が第1z軸二次振動モードで接線方向に振動する場合、この接線方向振動は、横コーナーばねおよび縦コーナーばねによって検出マスに伝達される。互いに逆の接線方向におけるプルーフマス211および213の振動により、検出マス251は第1ジャイロスコープ中心点に向かって引っ張られ、一方、互いに逆方向のプルーフマス212および213の振動により、検出マス253は第1ジャイロスコープ中心点から遠ざかるように引っ張られる。コーナーばねによって与えられる横方向および縦方向の運動量は等しい(または、ほぼ等しい)ため、検出マスは、図2fに示した方法で対角軸293および294に沿って径方向振動で動く。
横コーナーばねは横方向に剛性を有し、縦方向に可撓性を有し、一方、縦コーナーばねは縦方向に剛性を有し、横方向に可撓性を有する。言い換えれば、すべてのコーナーばねは、それらの寸法により、第1一次振動モードに柔軟に対応するために必要な径方向の可撓性を有するが、接線方向においては剛性がはるかに高い。
これは、第1コリオリマスカルテットの一次振動モードにより、検出マス251~254は作動しないことを意味する。それどころか、検出マス251~254は、ジャイロスコープがz軸を中心とする回転を受けない限り実質的に静止したままである。
各検出マスは、当該検出マスが並ぶ対角軸(293、294)上にある対角線上に配置されたアンカーポイント(図示せず)から懸架されてもよい。対角アンカーポイントは、例えば、当該検出マスに形成された開口部内に位置してもよい。
容量性センス変換器は、第1z軸二次振動モードにおける図示した径方向の動きを検出するために、1以上の検出マスの開口部内または1以上の検出マスに隣接して実装されてもよい。
図2gは、第1コリオリマスカルテットが第2一次振動モードで駆動され、ジャイロスコープがz軸を中心とする回転を受ける場合にコリオリ力によって引き起こされる第2z軸二次振動モードを示す。この場合、コリオリマス211~214はすべて、第1ジャイロスコープ中心点に対して同じ接線方向に動く。振動周期の逆半分では、これらのコリオリマスの各々は逆の接線方向に動く。容量性センス変換器は、第2z軸二次振動モードにおける動きを検出するために、コリオリマス211~214の開口部内またはこれらのコリオリマスのうちの1以上に隣接して実装されてもよい。図2fの241~244などの追加の検出マスを利用し、それらにセンス変換器を連結することも、図2gにおいて可能であろう。
図2f~図2gのコリオリマス211~214の二次振動が、これらのコリオリマスに結合される長尺マス要素に伝達されないように、連結ばね部241は、z軸二次振動モードに対して可撓性を示すことが好ましい。このことは、以下に述べる例示的連結ばね部を用いて達成することができる。
第2実施形態
図3aはジャイロスコープを示し、参照番号311~314、3211、32111、32112、3212、32121、32122、3221、32211、32212、3222、32221、32222、3231、32311、32312、3232、32321、32322、3241、32411、32412、3242、32421、32422、3311、3312、3321、3322、3331、3332、3341、3342、341~342、371および391~392は、それぞれ図2aの参照番号211~214、2211、22111、22112、2212、22121、22122、2221、22211、22212、2222、22221、22222、2231、22311、22312、2232、22321、22322、2241、22411、22412、2242、22421、22422、2311、2312、2321、2322、2331、2332、2341、2342、241~242、271および291~292に対応する。
ジャイロスコープは、さらに、休止位置においてデバイス面内にある第2コリオリマスカルテットと、第1横軸391上にある対応する第2カルテット中心点とを備える。
第2コリオリマスカルテットは、休止位置において第2カルテット中心点を中心として対称に配置される4つのコリオリマス351~354を含み、第1横軸391は、デバイス面内において第2縦軸393に直交する。第2コリオリマスカルテットの第1コリオリマスおよび第2コリオリマス351~352は、休止位置において第1横軸391上に並び、第2コリオリマスカルテットの第3コリオリマスおよび第4コリオリマス353~354は、休止位置において第2縦軸393上に並ぶ。ジャイロスコープは、さらに、第1カルテット中心点と第2カルテット中心点との略中間で第1横軸391と交差する第3縦軸394を備える。
対応するカルテット中心点に対する第1コリオリマス、第2コリオリマス、第3コリオリマスおよび第4コリオリマスの休止位置は、第1カルテット(311~314)と第2カルテット(351~354)の両方において同じである。両方のコリオリマスカルテットの第3コリオリマス(313、353)は第1横軸391の第1側に位置し、両方のコリオリマスカルテットの第4コリオリマス(314、354)は、第1横軸391の第2側に位置する。第1コリオリマスカルテットの第2コリオリマス(312)と第2コリオリマスカルテットの第1コリオリマス(351)とは、第3縦軸(394)の両側で互いに隣接している。
ジャイロスコープは、さらに、第2コリオリマスカルテット(351~354)の内部に第2カルテット中心点を中心とする第2中央同期部(372)を備える。
ジャイロスコープは、さらに、長尺マス要素の第5対(3611~3612)と、第6対(3621~3622)と、第7対(3631~3632)と、第8対(3641~3642)とを備える。第5対をなす長尺マス要素(3611、3612)は、第2コリオリマスカルテットの第1コリオリマス351の外側で第1横軸391の両側に縦方向に並ぶ。第6対をなす長尺マス要素(3621、3622)は、第2コリオリマスカルテットの第2コリオリマス352の外側で第1横軸391の両側に縦方向に並ぶ。第7対をなす長尺マス要素(3631、3632)は、第2コリオリマスカルテットの第3コリオリマス353の外側で第2縦軸393の両側に横方向に並ぶ。第8対をなす長尺マス要素(3641、3642)は、第2コリオリマスカルテットの第4コリオリマス354の外側で第2縦軸393の両側に横方向に並ぶ。
長尺マス要素の第5対、第6対、第7対および第8対における各長尺マス要素は、対応する第2周囲アンカーポイント(3351~3352、3361~3362、3371~3372、3381~3382)から第2マス要素サスペンダ344によって懸架される。当該第2マス要素サスペンダ344は、当該第2周囲アンカーポイントから、当該長尺マス要素の略中点に位置する固定点まで延在する。長尺マス要素の第5対、第6対、第7対および第8対における各長尺マス要素は、対応するコリオリマスに連結ばね部343によって取り付けられる。
ジャイロスコープは、また、第3縦軸394を横切って長尺マス要素の第2対3221+3222を長尺マス要素の第5対3611+3612に結合する横同期ばね375を備えてもよい。横同期ばね375は、例えば、要素3221+3222を互いに結合するばねから、要素3611+3612を互いに結合する別のばねまで延在してもよい。これを以下の実施例において説明する。
第1実施形態において第1マス要素サスペンダおよび連結ばね部について述べたすべてのことは、この実施形態における第2マス要素および連結ばね部にも同様に適用される。
図3bは、第1一次振動モードを示す。ここで、デバイス部品が休止位置から遠ざかっているのを示す。ここで、第1コリオリマスカルテットおよび第2コリオリマスカルテットと、結合された長尺マス要素との両方は、図2cに示した第1一次振動モードに対応する方法で振動する。それらは逆位相でそのように振動し、その結果、例えば、第2カルテット351の第1コリオリマスが左に(第2ジャイロスコープ中心点から遠ざかるように)動くと、第1カルテットの第1コリオリマス311は右に(第1ジャイロスコープ中心点に向かって)動き、その逆も同様である。中央横同期ばね375は、第1カルテットの一次振動を第2カルテットの一次振動に結合することができる。各コリオリマスカルテットの振動は、さらに、対応する中央同期部によって同期させてもよい。
図3cは、第2一次振動モードを示す。ここで、デバイス部品が休止位置から遠ざかっているのを示す。ここで、第1コリオリマスカルテットおよび第2コリオリマスカルテットと、結合された長尺マス要素との両方は、図2dに示した第2一次振動モードに対応する方法で振動する。この場合も、それらは逆位相でそのように振動し、その結果、第2カルテットのすべてのマスが第2ジャイロスコープ中心点から遠ざかるように動くと、第1カルテットのすべてのコリオリマスは第1ジャイロスコープ中心点に向かって動き、その逆も同様である。マス312および351は常に第1横軸に沿って同じ方向に動くため、この場合も、横同期ばね375は、第1カルテットの振動を第2カルテットの振動に有効に結合することができる。この場合も、各コリオリマスカルテットの振動は、さらに、対応する中央同期部によって同期させてもよい。
第1一次振動モードおよび第2一次振動モードの両方において、コリオリマス311および312は第1横軸391上を逆位相で動き、コリオリマス351および352もまた、第1横軸391上を逆位相で動き、一方、コリオリマス313および314は第1縦軸392上を逆位相で動き、コリオリマス353および354は第2縦軸393上を逆位相で動く。
図3bおよび図3cに示した第1一次振動モードおよび第2一次振動モードに対応するx軸二次振動モードおよびy軸二次振動モードは、図2eを参照して上述した振動モードに対応する。さらに、図3bおよび図3cに示した第1一次振動モードおよび第2一次振動モードに対応するz軸二次振動モードは、それぞれ図2fおよび図2gを参照して上述した振動モードに対応する。第1一次振動モードまたは第2一次振動モードが利用される場合、図2fに従って、追加の検出マスが第1コリオリマスカルテットおよび第2コリオリマスカルテットの両方の周りに実装されてもよい。
実施例
図4aは、第1実施例を示す。参照番号411、413、4211、4212、4311、491および492は、それぞれ図2aの参照番号211、213、2211、2212、2311、291および292に対応する。481は、中央アンカーポイントを示す。明瞭さを保つために、図4aにおいて、コリオリマス、長尺マス要素および第1周囲アンカーポイントのすべてに参照番号を付しているわけではない。参照番号451は図2fの参照番号251に対応し、他の3つの対角線上に配置された検出マスもジャイロスコープ内に示す。図4aのコリオリマスおよび検出マスの形状は、密集した正方形構成を可能にする。他の形状を用いることもできるであろう。
第2横軸495および第3横軸496を図4aに示す。長尺マス要素4211の第2端部および第3コリオリマス413の外縁部は、第2横軸495上に並ぶ。長尺マス要素4212の第2端部および第4コリオリマスの外縁部は、第3横軸496上に並ぶ。第2コリオリマスに取り付けられた2つの長尺マス要素の第2端部も、図4aが示すように、それぞれ第2横軸および第3横軸と一致する。
それに対応して、第4縦軸497および第5縦軸498を図に示す。第3コリオリマスに取り付けられた2つの長尺マス要素の第2端部は、図4aが示すように、それぞれ第4縦軸および第5縦軸と一致する。第1コリオリマス411の外縁部は第4縦軸497と一致し、第2コリオリマス412の外縁部は第5縦軸498と一致する。第4コリオリマスに取り付けられた2つの長尺マス要素の第2端部も、図4aが示すように、それぞれ第4縦軸497および第5縦軸498と一致する。
4311などの第1周囲アンカーポイントは、対応する長尺マス要素、この場合は4211の開口部内に位置する。コリオリマスおよび検出マスは、46などの開口部を有する。駆動変換器、z軸センス変換器、一次センス変換器、直交補償変換器および/または他の変換器は、これらの開口部内に実装されてもよい。
中央懸架部は、中央アンカーポイント481から互いに逆の横方向に延在する2つの剛性中央バー4711と、剛性中央バー4711の端部から略直交して2つの互いに逆の縦方向に延在する2つの剛性延長バー4712とを含む。あるいは、中央バーは、中央懸架部が90度回転するように中央アンカーポイント481から互いに逆の縦方向に延在することができるであろう。
中央懸架部は、また、第1一次振動モードにおけるコリオリマスの動きに対応し、それらの動きを同期させる中央同期部を含む。中央同期部は、当該剛性延長バー4712の端部に取り付けられる4つのコーナー要素4713を含む。各コーナー要素の取付点は、実質的に、対応する対角軸499上にあってもよい。コーナー要素4713は共に、休止位置において、対応するジャイロスコープ中心点の周りに略正方形を形成してもよい。
コーナー要素は、面内可撓性ばねによってコリオリマスおよび互いに取り付けられ、面内可撓性ばねは、コリオリマスが第1一次振動モードで動く際、コーナー要素4713が互いに対して回転することを可能にする。コーナー要素4713は、回転する際にデバイス面内で形状を強固に維持するため、コーナー要素の一端部はジャイロスコープ中心点に近づき、一方、他端部はジャイロスコープ中心点から遠ざかり、これは、図2cに示した第1一次振動モードにおいてコリオリマスを維持する助けとなる。
より一般的には、図2cまたは図3bに示す第1一次振動モードが用いられる任意の実施形態では、中央懸架構造体は、対応する中央アンカーポイントに固定され、かつ対応する各コリオリマスに結合される対称閉パターンをデバイス面内に有する懸架部を各中心点の周りに含んでもよく、その結果、対称閉パターンは、横軸上で容易に収縮し、それとマッチして、対応する縦軸上で強制的に拡張され、その逆も同様である。
図4bは、図4aで利用されたマス要素サスペンダおよび連結ばね部をより詳細に示す。参照番号442は図2aの参照番号242に対応し、一方、参照番号471は図2fの271に対応する。マス要素サスペンダ442は、取り付けられた長尺マス要素4211の重量を支持し、マス要素がデバイス面内で回転する際にデバイス面内で曲がることによって、第1一次振動モードおよび第2一次振動モードの両方におけるこの要素の面内回転運動に対応する。マス要素サスペンダ442は、らせん状のねじれを受けることによって、y軸二次振動モードにおける取り付けられたマス要素4211の面外回転運動に対応する。
連結ばね部は、第1ばね4431が取り付けられている長尺マス要素4211の第1辺と略平行に延在する当該第1ばね4431を含む。連結ばね部は、また、第1ばね4431に略直交する第2ばね4432を含む。第2ばね4432は、第1ばね4431上のばね連結ポイント44311から対応するコリオリマス411まで延在する。各連結ばね部は、さらに、第3ばね4433を含む。第1ばね4431に直交する方向(図4bのx方向)の第2ばね4432の動きが、長尺マス要素4211の第1辺と平行な方向(図4bのy方向)の第1ばね4431の動きに変換されるように、第3ばね4433の一端部はばねアンカーポイント439に連結され、第3ばね4433の他端部は第1ばね4431上のばね連結ポイント44311に連結される。
第1ばね4431に対する第3ばね4433の角度、および第2ばね4432に対する第3ばね4433の角度は、上で説明した直交変換を容易にする所与の適切な値にすべきである。これらの値は、第3ばね4433の寸法および形状に依存するが、例えば、ばね連結ポイント44311において30°~60°の範囲内であってもよい。
図示した連結ばね部では、第3ばね4433は、ばねアンカーポイント439から第1ばね方向に蛇行する第1蛇行部と、第1蛇行部からばね連結ポイント44311まで、第1ばね方向に略直交する第2ばね方向に延在する第2直線部とを含む。図示した場合において、第1蛇行部は、1つの折り返ししか有していないが、複数の折り返しを含めることもできるであろう。この場合、第1ばね方向は、図4bにおいて、ばねアンカーポイント439から遠ざかるように横方向と縦方向の両方に対して略45度の角度で当該アンカーポイントから左上に向かって延在する。一方、第2ばね方向は、横方向と縦方向の両方に対して略45度の角度で左下向きである。ここで、第3ばね4433は、ばね連結ポイント44311において45度の角度で第1ばねおよび第2ばね4431~4432に接触する。
あるいは、第3ばねは、ばねアンカーポイントからばね連結ポイントまで直接延在する単なる線形ばねにすることができるであろう。その場合、ばねアンカーポイントは、ばね連結ポイントからさらに遠ざけて配置しなければならない。この代替方法は図示していない。
第1一次振動モードおよび第2一次振動モードの両方において、第2ばね4432は、第1コリオリマス411の動きによって横方向に前後に押し引きされる。固定された第3ばね4433は、第2ばね4432が横方向に相当量の動きを受けるのを防ぐ。代わりに、第3ばね4433の弾性力によって、第1ばね4431が縦方向の動きを受けるように押し引き力が第1ばね4431に伝達される。短く、比較的剛性を有するコネクタばね4434が、第1ばねの縦方向の動きを長尺マス要素4211に伝達し、これによって、上記図2cおよび図2dに示した方法で長尺マス要素4211を回転させる力が生成される。コネクタばね4434は、図に示すようにマス要素サスペンダ442と一直線になってもよい。
図2eに示したy軸二次振動モードにおいて、コネクタばね4434およびマス要素サスペンダ442は共に、らせん状のねじれを受ける。y軸二次振動モードにおける2つの長尺マス要素4211および4212の動きを同期させるために、それらの間にマス要素結合ばね444が実装されてもよい。このマス要素結合ばねは、例えば、2つの長尺マス要素が一次振動モードにおいて回転する際に互いに対して回転することができる十分な面内可撓性を有する蛇行ばねであってもよい。
図4bに示したマス要素サスペンダ、連結ばね部、コネクタばねおよびマス要素結合ばねはすべて、以下に述べる第2実施例のジャイロスコープにも利用することができる。それらはすべて、第1一次振動モードで駆動されるジャイロスコープと、第2一次振動モードで駆動されるジャイロスコープとの両方に利用することができる。しかしながら、図4aに示した中央懸架部は、第1一次振動モードを用いる場合にのみ適用可能である。
図5aは、第2実施例を示す。参照番号511、513、5211、5212、5311、591および592は、それぞれ図2aの参照番号211、213、2211、2212、2311、291および292に対応する。581は、中央アンカーポイントを示す。他のコリオリマス、長尺マス要素および第1周囲アンカーポイントは、それらの位置決めから特定することができる。図5aのコリオリマスおよび検出マスの形状は、密集した正方形構成を可能にする。他の形状および構成を用いることもできるであろう。図5aに示したジャイロスコープは、第2一次振動モードで動作することができる。
参照番号595~599は、それぞれ図4aの参照番号495~499に対応する。第1例の場合のように、長尺マス要素5211の第2端部および第3コリオリマス513の外縁部は第2横軸595上に並び、図4aを参照して言及した他のすべてのコリオリマス/マス要素の位置合わせが、この場合も同様に適用される。
ここでも、5311などの第1周囲アンカーポイントは、対応する長尺マス要素、この場合は5211の開口部内に位置する。第1例の場合のように、コリオリマスは、56などの開口部を有する。駆動変換器および/またはz軸センス変換器は、例えば、これらの開口部内に実装されてもよい。
中央同期部は、第1中央アンカーポイント581から外側に向かって軸599に沿って対角線方向に延在する4つの剛性支持部5711を含む。各剛性支持部5711は、径方向に可撓性を有する第1同期ばね5712に連結され、第1同期ばね5712は、第2一次振動モードにおけるコリオリマスの同時に生じる外側および内側に向かう動きに柔軟に対応する。
接線方向には可撓性を有するが径方向には剛性を有する2つの第2同期ばね5713が、各第1同期ばね5712から隣接するコリオリマスの各々まで延在する。第2同期ばね5713は、第2z軸二次振動モードにおけるコリオリマスの同時に生じる接線方向の動きに柔軟に対応する。
コリオリマスは、図5aにおいて、追加の中間懸架構造体によって支持される。4つの対角アンカーポイント538が、対角軸599上に第1ジャイロスコープ中心点に対して対称に配置される。径方向サスペンダ551は、これらの対角アンカーポイント538の各々から外側に向かって延在する。各径方向サスペンダ551は、対角軸上でコーナーばね541に結合され、コーナーばね541は、隣接する2つのコリオリマスの外側に、2つのコリオリマスが並ぶ軸上の中心点まで延在する。例えば、コーナーばね541は、軸591付近の第1コリオリマス511上の第1取付点から、コーナーばね541が径方向サスペンダの端部に連結されるコーナーポイントまでと、当該コーナーポイントから、軸592付近の第3コリオリマス513上の第2取付点まで右方向に延在する。他のコーナーばねおよび径方向サスペンダの各々も、同様に連結される。
径方向サスペンダ551は、径方向には剛性を有するが接線方向には可撓性を有するため、図2gに示した第2z軸二次振動モードにおけるコリオリマスの同時に生じる接線方向の動きに柔軟に対応する。径方向サスペンダ551はまた、コーナーばね541を用いて、図4bのばね4431~4433の作用について上で説明したのと同じ仕組みにより、コリオリマスの同時に生じる接線方向の動きを同期させる。
より一般的には、図2dまたは図3cに示した第2一次振動モードが用いられる任意の実施形態では、中央懸架構造体は、対応する各コリオリマスに結合され、かつコリオリマスが中心点に向かって、および中心点から遠ざかるように径方向に同時に動くことを可能にする懸架部を各中心点の周りに含んでもよい。ジャイロスコープは、z軸二次振動モードにおける接線方向の動きに対して、コリオリマス同士を結合する追加の懸架構造体を備えてもよい。
図5bは、図5aで利用された連結ばね部をより詳細に示す。図5aのマス要素サスペンダは、図4aのものと同じであるため、ここでは再度説明しない。
各連結ばね部は、2つの対応する長尺マス要素間に延在する第1ばねと、第1ばねに直交して第1ばねから対応するコリオリマスまで延在する第2ばねとを含んでもよい。図5bに示す例では、第1ばねは5431であり、第2ばねは5432である。図5bでは、第1ばねは、当該長尺マス要素(5211および5212)のうちの一方から他方に蛇行する蛇行ばねである。
第1一次振動モードおよび第2一次振動モードの両方において、第2ばね5432は、第1コリオリマス511の動きによって横方向に前後に押し引きされる。第1ばね5431は、この動きを長尺マス要素5211および5212に伝達し、これによって、図2bを参照して説明した方法でコリオリマスと共に振動する。第1ばねは、また、y軸二次振動モードにおける2つの長尺マス要素5211および5212の動きを同期させる。蛇行第1ばねは、長尺マス要素5211および5212が一次振動モードにおいて互いに対して回転することができる十分な面内可撓性を有する。
図5bに示した連結ばね部は、上に示した第1実施例のジャイロスコープに利用することもできる。この連結ばね部は、第1一次振動モードで駆動されるジャイロスコープと、第2一次振動モードで駆動されるジャイロスコープとの両方に利用することができる。しかしながら、図5aに示した中央懸架部および中間懸架部は、第2一次振動モードを用いる場合にのみ適用可能である。
図6は第3実施例を示し、これは、第1コリオリマスカルテットが第1ジャイロスコープ中心点の周りにあり、第2コリオリマスカルテットが第2ジャイロスコープ中心点の周りある両面構造体である。この考えは、概略図3aを参照して示し、説明した。第1コリオリ構造体および第2コリオリ構造体の周りに実装された中央構造体および周囲構造体は、図4a~図4bを参照して示し、説明したものと同じであるため、ここでは再び説明しない。この構造体に利用される中央同期部は第1一次振動モードに適しているため、図6に示したジャイロスコープは、上で図3bに示した第1一次振動モードで駆動することができる。
図6の参照番号675は、図3aおよび図3bの参照番号375に対応する。この横同期ばね675は、長尺マス要素の第2対のマス要素結合ばねから長尺マス要素の第5対のマス要素結合ばねまで延在する。ばね675は、一次振動モードおよび/またはy軸二次振動モードにおける第2対および第5対の動きを同期させてもよい。
ジャイロスコープは、また、長尺マス要素の第3対を長尺マス要素の第7対に結合する第1追加結合構造体621と、長尺マス要素の第4対を長尺マス要素の第8対に結合する第2追加結合構造体622とを備える。これらの追加結合構造体は、例えば、対応する追加アンカーポイント(それぞれ631および632)から懸架ばねによって懸架される剛性バーを含んでもよく、懸架ばねは、バーが、一次振動モードではz軸を中心とし、またx軸二次振動モードではy軸を中心とするシーソー運動で回転することを可能にする。これによって、追加結合構造体は、一次振動モードおよびx軸二次振動モードにおいて対応するマス要素対の動きを同期させることができる。

Claims (6)

  1. 休止位置においてデバイス面内にある第1コリオリマスカルテットと、前記デバイス面内の第1横軸上にある対応する第1カルテット中心点とを備える微小電気機械ジャイロスコープであって、
    前記第1コリオリマスカルテットは、休止位置において前記第1カルテット中心点を中心として対称に配置される4つのコリオリマスを含み、前記第1横軸は、前記デバイス面内において第1縦軸に直交し、前記第1コリオリマスカルテットの第1コリオリマスおよび第2コリオリマスは、休止位置において前記第1横軸上に並び、前記第1コリオリマスカルテットの第3コリオリマスおよび第4コリオリマスは、休止位置において第1縦軸上に並び、
    前記ジャイロスコープは、さらに、前記第1コリオリマスカルテットの内部に前記第1カルテット中心点を中心とする第1中央同期部を備え、
    前記ジャイロスコープは、さらに、長尺マス要素の第1対と、第2対と、第3対と、第4対とを備え、前記第1対をなす長尺マス要素は、前記第1コリオリマスの外側で前記第1横軸の両側に縦方向に並び、前記第2対をなす長尺マス要素は、前記第2コリオリマスの外側で前記第1横軸の両側に縦方向に並び、前記第3対をなす長尺マス要素は、前記第3コリオリマスの外側で前記第1縦軸の両側に横方向に並び、前記第4対をなす長尺マス要素は、前記第4コリオリマスの外側で前記第1縦軸の両側に横方向に並び、
    長尺マス要素の前記第1対、前記第2対、前記第3対および前記第4対における各長尺マス要素は、対応する第1周囲アンカーポイントから第1マス要素サスペンダによって懸架され、当該第1マス要素サスペンダは、当該第1周囲アンカーポイントから、当該長尺マス要素の略中点に位置する固定点まで延在し、長尺マス要素の前記第1対、前記第2対、前記第3対および前記第4対における各長尺マス要素は、前記対応するコリオリマスに連結ばね部によって取り付けられ
    前記ジャイロスコープは、さらに、前記第1コリオリマスカルテットおよび前記長尺マス要素を一次振動運動させる1以上の駆動変換器と、前記第1コリオリマスカルテットおよび/または前記長尺マス要素の二次振動運動を検出する1以上のセンス変換器とを備える
    微小電気機械ジャイロスコープ。
  2. 前記ジャイロスコープは、さらに、休止位置において前記デバイス面内にある第2コリオリマスカルテットと、前記第1横軸上にある対応する第2カルテット中心点とを備え、
    前記第2コリオリマスカルテットは、休止位置において前記第2カルテット中心点を中心として対称に配置される4つのコリオリマスを含み、前記第1横軸は、前記デバイス面内において第2縦軸に直交し、前記第2コリオリマスカルテットの第1コリオリマスおよび第2コリオリマスは、休止位置において前記第1横軸上に並び、前記第2コリオリマスカルテットの第3コリオリマスおよび第4コリオリマスは、休止位置において第2縦軸上に並び、前記ジャイロスコープは、さらに、前記第1カルテット中心点と前記第2カルテット中心点との略中間で前記第1横軸と交差する第3縦軸を備え、
    前記対応するカルテット中心点に対する前記第1コリオリマス、前記第2コリオリマス、前記第3コリオリマスおよび前記第4コリオリマスの休止位置は、前記第1カルテットと前記第2カルテットの両方において同じであるため、両方のコリオリマスカルテットの前記第3コリオリマスは前記第1横軸の第1側に位置し、両方のコリオリマスカルテットの前記第4コリオリマスは、前記第1横軸の第2側に位置し、前記第1コリオリマスカルテットの前記第2コリオリマスと前記第2コリオリマスカルテットの前記第1コリオリマスとは、前記第3縦軸の両側で互いに隣接しており、
    前記ジャイロスコープは、さらに、前記第2コリオリマスカルテットの内部に前記第2カルテット中心点を中心とする第2中央同期部を備え、
    前記ジャイロスコープは、さらに、長尺マス要素の第5対と、第6対と、第7対と、第8対とを備え、前記第5対をなす長尺マス要素は、前記第2コリオリマスカルテットの前記第1コリオリマスの外側で前記第1横軸の両側に縦方向に並び、前記第6対をなす長尺マス要素は、前記第2コリオリマスカルテットの前記第2コリオリマスの外側で前記第1横軸の両側に縦方向に並び、前記第7対をなす長尺マス要素は、前記第2コリオリマスカルテットの前記第3コリオリマスの外側で前記第2縦軸の両側に横方向に並び、前記第8対をなす長尺マス要素は、前記第2コリオリマスカルテットの前記第4コリオリマスの外側で前記第2縦軸の両側に横方向に並び、
    長尺マス要素の前記第5対、前記第6対、前記第7対および前記第8対における各長尺マス要素は、対応する第2周囲アンカーポイントから第2マス要素サスペンダによって懸架され、当該第2マス要素サスペンダは、当該第2周囲アンカーポイントから、当該長尺マス要素の略中点に位置する固定点まで延在し、長尺マス要素の前記第5対、前記第6対、前記第7対および前記第8対における各長尺マス要素は、前記対応するコリオリマスに連結ばね部によって取り付けられ、
    前記ジャイロスコープは、さらに、前記第3縦軸を横切って長尺マス要素の前記第2対を長尺マス要素の前記第5対に結合する横同期ばねを備える
    請求項1に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  3. 各連結ばね部は、第1ばねが取り付けられている前記長尺マス要素の第1辺と略平行に延在する当該第1ばねと、前記第1ばねに略直交する第2ばねとを含み、前記第2ばねは、前記第1ばね上のばね連結ポイントから前記対応するコリオリマスまで延在し、各連結ばね部は、さらに、第3ばねを含み、前記第1ばねに直交する方向の前記第2ばねの動きが、前記長尺マス要素の前記第1辺と平行な方向の前記第1ばねの動きに変換されるように、前記第3ばねの一端部はばねアンカーポイントに連結され、前記第3ばねの他端部は前記第1ばね上の前記ばね連結ポイントに連結される
    請求項1または2に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  4. 前記第3ばねは、第1蛇行部と第2直線部とを含み、
    前記第1蛇行部は、前記第3ばねのうちの、一端部が前記ばねアンカーポイントに連結され、他端部が前記第2直線部に連結され、1つ以上の折り返しを有する部分であり、
    前記第2直線部は、前記第3ばねのうちの、一端部が前記第1蛇行部の前記他端部に連結され、他端部が前記連結ポイントに連結される部分である
    請求項3に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  5. 各連結ばね部は、2つの前記対応する長尺マス要素間に延在する第1ばねと、前記第1ばねに直交して前記第1ばねから前記対応するコリオリマスまで延在する第2ばねとを含む
    請求項1または2に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
  6. 各第1ばねは、前記長尺マス要素のうちの一方から他方に蛇行する蛇行ばねである
    請求項5に記載の微小電気機械ジャイロスコープ。
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