図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
(実施形態1)
<車両システム1の概略構成>
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。車両システム1は、自動車といった車両で用いられるものである。車両システム1は、図1に示すように、CID(Center Information Display)10、HCU(Human Machine Interface Control Unit)20、及び車両状態センサ30を含んでいる。HCU20及び車両状態センサ30は、例えば車内LANに接続されているものとする。
CID10は、車両の車室内で用いられるディスプレイであって、車両のインスツルメントパネルの中央に配置される。CID10は、HCU20から取得するデータに基づいて、ナビゲーション装置の案内画面、空調機器の操作画面、及びオーディオ機器の操作画面等を、後述の表示器111に表示する。また、CID10は、表示器111の画面上の入力用オブジェクトを押す押圧操作を行うことで入力用オブジェクトに応じた入力が可能なタッチパネル機能を有している。入力用オブジェクトの一例としては、ボタン表示が挙げられる。さらに、CID10は、ユーザが入力用オブジェクトを押す押圧操作に応じてユーザに対する触覚提示を行う触覚フィードバック(以下、触覚FB)機能も有している。タッチパネル機能及び触覚FB機能に関するCID10の構成の詳細については後述する。
HCU20は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるマイクロコンピュータを主体として構成され、CID10及び車内LANに接続されている。HCU20は、不揮発性メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、CID10の表示器111でのナビゲーション装置の案内画面、空調機器の操作画面、及びオーディオ機器の操作画面等の表示を制御する。上述の操作画面上には、必要に応じて入力用オブジェクトが表示されるものとする。また、HCU20は、操作画面上の入力用オブジェクトに対する入力操作の検出結果をCID10から取得し、検出結果に応じた制御信号を、ナビゲーション装置,空調機器,オーディオ機器等の車載機器に出力する。車載機器では、HCU20から出力される制御信号に従った作動を行う。
一例として、ナビゲーション装置については、地図の拡大縮小の入力用オブジェクトがユーザに操作された場合、HCU20から地図の拡大縮小を指示する制御信号がナビゲーション装置に出力される。そして、ナビゲーション装置で地図の拡大縮小を行った画像データがCID10に出力され、CID10の表示器111で表示される地図が拡大縮小される。空調機器については、空調の設定温度,風量等の変更のための入力用オブジェクトがユーザに操作された場合、HCU20から空調の設定温度,風量等の変更を指示する制御信号が空調機器に出力される。そして、空調機器で空調の設定温度,風量等の変更が行われる。オーディオ機器については、音量変更,曲選択等のための入力用オブジェクトがユーザに操作された場合、HCU20から音量変更,曲選択等を指示する制御信号がオーディオ機器に出力される。そして、オーディオ機器で音量変更,曲選択等が行われる。
車両状態センサ30は、自車の各種状態を検出するためのセンサ群である。車両状態センサ30としては、自車の加速度を検出する加速度センサがある。本実施形態では、加速度センサは、少なくとも鉛直方向の加速度(以下、鉛直方向加速度)を逐次検出し、検出する鉛直方向加速度を車内LANへ出力する。なお、車両状態センサ30で検出する鉛直方向加速度は、自車に搭載されるECUを介して車内LANへ出力される構成であってもよい。
<CID10の概略構成>
続いて、図2~図3を用いてCID10の概略構成についての説明を行う。CID10は、図2に示すように、タッチパネルディスプレイ11、アクチュエータ12、感圧センサ13、及び触覚提示制御装置14を備える。
タッチパネルディスプレイ11は、タッチパネル機能を有するディスプレイである。タッチパネルディスプレイ11が表示機能とタッチパネル機能とを担う。タッチパネルディスプレイ11は、図3に示すように、表示器111、タッチパネル112、オーバーレイ113、及びステー114を備えている。このタッチパネルディスプレイ11が入力装置に相当する。
表示器111としては、液晶表示パネル,有機EL表示パネル等を用いることができる。この表示器111が表示機能を担う。本実施形態では、一例として矩形状の液晶表示パネルを用いるものとする。タッチパネル112は、透明であって、表示器111の表示面の上層に間隔を空けて設けられる。タッチパネル112としては、例えば、静電容量式,抵抗膜式,超音波表面弾性波式,光学式,電磁誘導式等がある。このタッチパネル112がタッチパネル機能を担う。本実施形態では、一例として静電容量式(相互容量方式)を用いるものとする。静電容量式のタッチパネル112には、マトリックス状に形成された複数の透明電極が設けられている。タッチパネル112は、ユーザの指による押圧操作による指の位置に応じて生ずる静電容量の変化を信号としてHCU20に出力する。
HCU20は、この信号をもとに、表示器111の画面上のどの入力用オブジェクトが選択されたかを判断し、選択されたと判断した入力用オブジェクトに応じた処理を行う。また、HCU20は、入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号を触覚提示制御装置14に出力する。
オーバーレイ113は、タッチパネル112の操作面を保護するための保護用のカバープレートである。オーバーレイ113は、タッチパネル112の操作面の上層に例えば接着する等して一体に設けられる。表示器111、タッチパネル112、及びオーバーレイ113は、ユーザから見て上層からオーバーレイ113、タッチパネル112、表示器111の順に配置される。ステー114は、オーバーレイ113及びオーバーレイ113と一体となったタッチパネル112を支持するための部材であって、一端がオーバーレイ113に取り付けられる一方、他端が後述するアクチュエータ12の板バネ121に取り付けられる。
アクチュエータ12は、タッチパネルディスプレイ11の画面上の入力用オブジェクトへのユーザの操作に応じて、ユーザに対する触覚提示を行う。このアクチュエータ12が触覚FB機能を担う。より詳しくは、アクチュエータ12は、タッチパネル112を振動させる振動体であり、触覚提示制御装置14に接続される。アクチュエータ12としては、例えば、電磁石,圧電素子(ピエゾ素子),偏心モータ,リニアバイブレータ等を用いることができる。本実施形態では、一例として電磁石を用いるものとする。なお、アクチュエータ12の詳細については後述する。
感圧センサ13は、タッチパネルディスプレイ11の画面上の入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作による押圧荷重に応じた検出値を触覚提示制御装置14に出力する。言い換えると、タッチパネル112の操作面に対する押圧荷重に応じた検出値を出力する。本実施形態では、例えば荷重による変形に基づく静電容量の変化に応じた検出値を出力する静電容量式の感圧センサ13を用いるものとする。感圧センサ13は、図3に示すようにタッチパネル112に設けられる。
なお、本実施形態では、静電容量式の感圧センサ13を用いる構成を例に挙げて以降の説明を行うが、必ずしもこれに限らず、歪ゲージ抵抗式,半導体ピエゾ抵抗式,シリコンレゾナント式等の感圧センサ13を用いる構成としてもよい。また、タッチパネル112の操作面に対する押圧荷重に応じた検出値を出力するセンサであれば、感圧センサ13でなくてもよい。例えば、静電容量式のタッチパネル112で検出する指の接触面積に応じた検出値を、タッチパネル112の操作面に対する押圧荷重に応じた検出値を出力する構成としてもよい。他にも、タッチパネルディスプレイ11の押圧操作による沈み込みに応じて変化する、タッチパネルディスプレイ11とその下層の構造との隙間距離を、例えば光学式の距離センサで検出して検出値を出力する構成としてもよい。
触覚提示制御装置14は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、I/O、これらを接続するバスを備える例えばマイクロコンピュータであって、不揮発性メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、触覚FB機能に関する処理を行う。プロセッサがこの制御プログラムを実行することは、制御プログラムに対応する触覚提示制御方法が実行されることに相当する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。
触覚提示制御装置14は、HCU20から入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号が入力されてくる場合に、触覚FB機能に関する制御を開始する構成とすればよい。触覚提示制御装置14は、アクチュエータ12からの駆動電流のフィードバックを受けながら、アクチュエータ12の駆動回路に例えばパルス幅変調信号(PWM信号)といった駆動信号を出力することで、アクチュエータ12を動作させる。なお、触覚提示制御装置14の詳細については詳述する。
<アクチュエータ12の概略構成>
続いて、図3~図5を用いてアクチュエータ12の概略構成についての説明を行う。アクチュエータ12は、図3に示すように、アクチュエータ12は、ステー114を介してタッチパネルディスプレイ11と機械的に接続される。アクチュエータ12は、ユーザから見てタッチパネルディスプレイ11よりも下層側に配置される。また、アクチュエータ12は、図4に示すように、矩形状のタッチパネルディスプレイ11の四隅に配置される。本実施形態では、アクチュエータ12がタッチパネルディスプレイ11の四隅に配置される構成を例に挙げて説明を行うが、アクチュエータ12はタッチパネルディスプレイ11に対して1つ配置される構成としてもよいし、4つ以外の複数配置される構成としてもよい。
また、アクチュエータ12は、図5に示すように、板バネ121、可動ヨーク122、巻線コイル123、固定ヨーク124、ケース125、及び締結スクリュ126を備える。
板バネ121は、板状の弾性体である。板バネ121は、長手方向の一端が締結スクリュ126によってケース125に固定されている一方、他端はタッチパネルディスプレイ11とアクチュエータ12との積層方向に変位可能な自由端となっている。また、板バネ121の自由端側には、自由端の変位に伴って動くヨークである可動ヨーク122が機械的に接続される。
巻線コイル123は、筒状部材の周方向に沿って導線が巻かれたものであって、導線への通電時に磁界を形成する。巻線コイル123には、触覚提示制御装置14からの制御信号に従って巻線コイル123に電流を流す駆動回路が電気的に接続されている。固定ヨーク124は、ケース125に例えばインサート成形される等して固定される円柱状のヨークである。巻線コイル123は、円柱状の固定ヨーク124が巻線コイル123の筒状部材の孔部を貫通するよう配置される。ケース125は、例えばCID10に固定される。
また、板バネ121は、変移していない状態において可動ヨーク122が固定ヨーク124と一定の間隔を空けて配置されるように、締結スクリュ126によってケース125に機械的に接続される。ここで言うところの一定の間隔とは、固定ヨーク124に発生する磁力によって可動ヨーク122を引き寄せて板バネ121を変位させることができる程度におさまった間隔であればよく、任意に設定可能である。さらに、板バネ121は、自由端側でステー114と機械的に接続されており、板バネ121の振動をオーバーレイ113及びオーバーレイ113と一体となったタッチパネル112に伝達する。
ここで、アクチュエータ12による触覚提示について、以下で説明を行う。触覚提示制御装置14からの制御信号に従って駆動回路が巻線コイル123に電流を流すと、磁力が発生し、板バネ121に接続された可動ヨーク122が固定ヨーク124に吸引される。可動ヨーク122が固定ヨーク124に吸引されることで、板バネ121が撓み、板バネ121の自由端側にステー114を介して接続されているオーバーレイ113及びタッチパネル112が固定ヨーク124側に引き込まれる。
続いて、駆動回路が巻線コイル123に流す電流を止めると、磁力が消失し、板バネ121に接続された可動ヨーク122が固定ヨーク124に吸引されなくなる。可動ヨーク122が固定ヨーク124に吸引されなくなると、板バネ121の自由端が反力によって変位していない状態に復帰する。これに伴い、板バネ121の自由端側にステー114を介して接続されているオーバーレイ113及びタッチパネル112が振動する。これによって、タッチパネルディスプレイ11に対して押圧操作を行うユーザの指にも振動が伝わり、ユーザへの触覚提示を行うことができる。
<触覚提示制御装置14の概略構成>
続いて、図6を用いて触覚提示制御装置14の概略構成についての説明を行う。触覚提示制御装置14は、図6に示すように、荷重検出部141、車両振動特定部142、及び触覚提示制御部143を機能ブロックとして備える。なお、触覚提示制御装置14が実行する機能の一部又は全部を、一つ或いは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、触覚提示制御装置14が備える機能ブロックの一部又は全部は、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
荷重検出部141は、感圧センサ13から出力されてくる検出値をもとに、タッチパネル112の操作面に対する押圧荷重を検出する。なお、押圧荷重は、圧力として表す構成に限らず、前述の接触面積,隙間距離等の押圧荷重に相当する他の物理量で表す構成としてもよい。
車両振動特定部142は、CID10を用いる車両(以下、自車)の振動が発生するタイミングを特定する。一例としては、車両状態センサ30のうちの加速度センサで逐次検出する鉛直方向加速度の時間変化を示す波形から、走行中の車両の振動にあたると推定される数Hz~十数Hzの周波数帯の成分が抽出されるようにフィルタ処理を行う。そして、抽出された波形のピークのタイミングを、車両の振動が発生するタイミングとして特定すればよい。例えば、このピークの立ち上がりエッジから立ち下がりエッジまでを、車両の振動が発生す
触覚提示制御部143は、荷重検出部141で検出する押圧荷重をもとにアクチュエータ12を動作させて触覚提示を行わせる。触覚提示制御部143は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が0になる前に、荷重検出部141で検出する押圧荷重が増加する再度の押圧が始まる場合に、ユーザによる連打と判定する。ここで言うところの押圧荷重基準Spは、任意に設定可能であって、例えば、タッチパネル112が反応する荷重と同じに設定してもよいし、タッチパネル112が反応する荷重よりも高い荷重に設定してもよい。また、ユーザが設定を変更可能となっていてもよい。
触覚提示制御部143は、連打を判定する前は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングで触覚提示を行わせるとともに、荷重検出部141で検出する押圧荷重が開放荷重基準Srを下回るタイミングでも触覚提示を行わせる。ここで言うところの開放荷重基準Srは、押圧荷重基準Spよりも低い値であって、任意に設定可能である。例えば、開放荷重基準Srは、押圧荷重基準Spの50%~80%程度の範囲の値とすればよい。
一方、触覚提示制御部143は、連打を判定した後は、連打操作制御に切り替える。連打操作制御では、触覚提示制御部143が、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングで触覚提示を行わせるが、荷重検出部141で検出する押圧荷重が開放荷重基準Srを下回るタイミングでは触覚提示を行わせない。
また、触覚提示制御部143は、車両振動特定部142で特定する自車の振動が発生するタイミングにおいて荷重検出部141で検出する押圧荷重は、処理の対象外とする。ここで、図7を用いて、自車の振動が発生するタイミングにおいて荷重検出部141で検出する押圧荷重を処理の対象外とする例について説明する。図7の触覚加速度Gpは、触覚提示に用いられる振動の加速度であって、この触覚加速度Gpが大きいほど、強度の強い触覚提示となる。
図7に示すように、車両振動特定部142で特定する自車の振動が発生するタイミングにおいては、押圧荷重の波形にもピークが生じる。本実施形態では、自車の振動が発生するこのタイミングで検出される押圧荷重は処理の対象外とする。図7の押圧荷重の波形において、自車の振動が発生するこのタイミングで検出される押圧荷重を処理の対象外としない場合、図7の点線の円で囲った押圧荷重の波形のピークも処理の対象となる。この場合、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が0になる前に押圧荷重が増加するので、触覚提示制御部143が連打と誤判定してしまう。その結果、触覚提示制御部143が、連打でないのにもかかわらず、押圧荷重が開放荷重基準Srを下回るタイミングで触覚提示を行わせないことになってしまう。一方、自車の振動が発生するタイミングで検出される押圧荷重を処理の対象外とすれば、図7の点線の円で囲った押圧荷重の増加はないものとして扱われるので、触覚提示制御部143が連打と誤判定せず、押圧荷重が開放荷重基準Srを下回るタイミングで触覚提示を行わせることになる。
<触覚提示制御装置14での触覚FB関連処理>
続いて、図8のフローチャートを用いて、実施形態1における触覚提示制御装置14での触覚FB機能に関する処理(以下、触覚FB関連処理)の流れの一例について説明を行う。図8のフローチャートは、HCU20から入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号が入力されてくる場合に開始する構成とすればよい。
まず、ステップS1では、荷重検出部141が押圧荷重を検出する。ステップS2では、S1で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる場合(S2でYES)に、ステップS3に移る。一方、S1で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上でない場合(S2でNO)には、S1に戻って処理を繰り返す。ステップS3では、触覚提示制御部143がアクチュエータ12を動作させて触覚提示を行わせる。
ステップS4では、荷重検出部141が押圧荷重を検出する。ステップS5では、S4で検出する押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となる場合(S5でYES)に、ステップS6に移る。一方、S4で検出する押圧荷重が開放荷重基準Sr未満でない場合(S5でNO)には、S4に戻って処理を繰り返す。ステップS6では、触覚提示制御部143がアクチュエータ12を動作させて触覚提示を行わせる。
ステップS7では、荷重検出部141が押圧荷重を検出する。ステップS8では、S7で検出する押圧荷重がS4で検出した押圧荷重よりも増加している場合(S8でYES)に、ステップS10に移る。一方、S7で検出する押圧荷重がS4で検出した押圧荷重以下となっている場合(S8でNO)には、ステップS9に移る。
ステップS9では、S7で検出する押圧荷重が0である場合(S9でYES)には、触覚FB関連処理を終了する。一方、S7で検出する押圧荷重が0でない場合(S9でNO)には、S7に戻って処理を繰り返す。
ステップS10では、触覚提示制御部143が、ユーザによる連打と判定し、連打時の制御である連打操作制御に切り替える。後述するステップS11~ステップS16の処理が連打操作制御に該当する。
ステップS11では、荷重検出部141が押圧荷重を検出する。ステップS12では、S11で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる場合(S12でYES)に、ステップS13に移る。一方、S11で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上でない場合(S12でNO)には、S11に戻って処理を繰り返す。ステップS13では、触覚提示制御部143がアクチュエータ12を動作させて触覚提示を行わせる。
ステップS14では、荷重検出部141が押圧荷重を検出する。ステップS15では、S14で検出する押圧荷重がS11で検出した押圧荷重よりも減少している場合(S15でYES)に、ステップS16に移る。一方、S14で検出する押圧荷重がS11で検出した押圧荷重以上の場合(S15でNO)には、ステップS14に戻って処理を繰り返す。
ステップS16では、荷重検出部141が押圧荷重を検出する。ステップS17では、S16で検出する押圧荷重がS14で検出した押圧荷重よりも増加している場合(S17でYES)に、ステップS11に戻って処理を繰り返す。一方、S16で検出する押圧荷重がS14で検出した押圧荷重以下の場合(S17でNO)には、ステップS18に移る。ステップS18では、S16で検出する押圧荷重が0である場合(S18でYES)には、触覚FB関連処理を終了する。一方、S16で検出する押圧荷重が0でない場合(S18でNO)には、S16に戻って処理を繰り返す。
ここで、図9を用いて、実施形態1における連打前と連打時とでの触覚提示の態様の切り替えの例について説明する。図9では、押圧荷重の時間変化を示す押圧検知波形と、触覚加速度Gpの時間変化を示す触覚提示波形とを示している。
図9に示すように、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が、押圧荷重が0になってから次の押圧を開始する単打である場合は、単一の入力用オブジェクトへの押圧操作について、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングと押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングとの2度のタイミングで触覚提示が行われることになる。一方、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が、押圧荷重が0になる前に次の押圧を開始する連打である場合は、単一の入力用オブジェクトへの押圧操作について、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングで触覚提示が行われるものの、押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングでは触覚提示が行われないことになる。
<実施形態1のまとめ>
タッチパネルディスプレイ11の操作面に対する入力操作の間隔が短くなる連打時には、操作面に対する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が0になる前に、押圧荷重が増加する再度の押圧が始まる。これに対して、実施形態1の構成によれば、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が0になる前に、押圧荷重が増加する場合に、連打前とは触覚提示の態様を変更する。詳しくは、連打前は、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングと押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングとの2度のタイミングで触覚提示を行わせる。一方、連打時は、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングで触覚提示を行わせるものの、押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングでは触覚提示を行わせない。
例えば、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力操作を行う間隔が短くなることで、各押圧操作が疎かになり、押圧後の開放時の押圧荷重が開放荷重基準Srを下回らなくなる場合がある。よって、連打時に連打前と触覚提示の態様を変更しないと、押圧後の開放時に触覚提示が行われる場合と行われない場合とが混在してしまう状況が生じるおそれがあり、この混在によってユーザに対して違和感を与えてしまうおそれがある。また、連打時に、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングと押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングとの2度のタイミングで触覚提示を行わせると、触覚提示が煩雑になり過ぎて、ユーザに対して違和感を与えてしまうおそれがある。
これに対して、実施形態1の構成によれば、連打時には、押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングでは触覚提示を行わせないことになる。よって、押圧後の開放時の押圧荷重が開放荷重基準Srを下回らなくなる場合があっても、押圧後の開放時に触覚提示が行われる場合と行われない場合とが混在してしまう状況を生じさせずに済む。また、連打時には、触覚提示を行うタイミングを減らすことで、触覚提示が煩雑になり過ぎることを防ぐことが可能になる。従って、連打時に、ユーザに対して違和感を与えにくく触覚提示を行わせることが可能になる。その結果、ユーザがタッチセンサを備える入力装置に対して、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力するための操作を行う場合であっても、この操作により応じた触覚提示が可能になる。
(実施形態2)
実施形態1の構成に限らず、連打が行われやすいと推定される種類の入力用オブジェクトについての押圧荷重基準Spを、連打が行われやすいと推定される種類の入力用オブジェクト以外の入力用オブジェクトについての押圧荷重基準Spよりも低くする構成(以下、実施形態2)としてもよい。実施形態2の車両システム1は、HCU20及び触覚提示制御部143での一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の車両システム1と同様である。
実施形態2のHCU20は、入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号を触覚提示制御装置14に出力する際に、選択された入力用オブジェクトの種類も触覚提示制御装置14に出力する点を除けば、実施形態1のHCU20と同様である。
実施形態2の触覚提示制御部143は、ユーザが同一の入力用オブジェクトに対して連続して入力操作を行う連打が行われやすいと推定される種類の入力用オブジェクト(以下、連打対象オブジェクト)についての押圧荷重基準Spを、連打対象オブジェクト以外の入力用オブジェクト(以下、単打対象オブジェクト)についての押圧荷重基準Spよりも低くする。本実施形態では、単打対象オブジェクトについての押圧荷重基準Spを押圧荷重基準Sp1とし、連打対象オブジェクトについての押圧荷重基準Spを押圧荷重基準Sp2とする。
触覚提示制御部143は、HCU20から出力される入力用オブジェクトの信号をもとに、入力用オブジェクトの種類別に連打対象オブジェクトか単打対象オブジェクトかを対応付けた対応関係を参照して、入力用オブジェクトが連打対象オブジェクトか単打対象オブジェクトかの判別をする構成とすればよい。この対応関係は、予め触覚提示制御装置14の不揮発性メモリに格納される固定の対応関係であってもよいし、学習によって構築される可変の対応関係であってもよい。固定の対応関係とする場合には、地図の拡大縮小の入力用オブジェクト、空調の設定温度,風量等の変更のための入力用オブジェクト、及び音量変更,曲選択等のための入力用オブジェクト等を連打対象オブジェクトに予め対応付ければよい。学習によって対応関係を構築する場合には、触覚提示制御部143で連打を判定した回数が規定値以上となった入力用オブジェクトを連打対象オブジェクトに対応付ければよい。
ここで、図10を用いて、連打対象オブジェクトと単打対象オブジェクトとでの押圧荷重基準Spの使い分けの例について説明する。図10では、押圧荷重の時間変化を示す押圧検知波形と、触覚加速度Gpの時間変化を示す触覚提示波形とを示している。
図10に示すように、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が単打対象オブジェクトへの単打である場合は、押圧荷重基準Spとして押圧荷重基準Sp1が用いられ、押圧荷重が押圧荷重基準Sp1以上となるタイミングで触覚提示が行われることになる。一方、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が、連打対象オブジェクトへの連打である場合は、押圧荷重基準Spとして押圧荷重基準Sp2が用いられ、押圧荷重が押圧荷重基準Sp2以上となるタイミングで触覚提示が行われることになる。
例えば、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力操作を行う間隔が短くなることで、各押圧操作が疎かになり、押圧時の押圧荷重が単打での操作時に比べて小さくなる場合がある。よって、連打対象オブジェクトについて単打対象オブジェクトと同じ大きさの押圧荷重基準Spを用いると、連打対象オブジェクトへの連打時に、押圧時に触覚提示が行われる場合と行われない場合とが混在してしまう状況が生じるおそれがあり、この混在によってユーザに対して違和感を与えてしまうおそれがある。
これに対して、実施形態2の構成によれば、連打対象オブジェクトについては、押圧荷重基準Spとして、単打対象オブジェクトについての押圧荷重基準Sp1よりも低い押圧荷重基準Sp2を用いることになる。よって、打対象オブジェクトへの連打時に押圧時の押圧荷重が小さくなる場合があっても、この小さい押圧荷重であっても触覚提示が行われやすくなる。よって、押圧時に触覚提示が行われる場合と行われない場合とが混在してしまう状況を生じさせずに済む。その結果、ユーザがタッチセンサを備える入力装置に対して、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力するための操作を行う場合であっても、この操作により応じた触覚提示が可能になる。
(実施形態3)
実施形態2の構成とは別に、連打時に触覚提示の態様を変更する構成として、連打前と押圧荷重基準Spを変更する構成(以下、実施形態3)としてもよい。実施形態3の車両システム1は、触覚提示制御部143での一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の車両システム1と同様である。
実施形態3の触覚提示制御部143は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が0になる前に、荷重検出部141で検出する押圧荷重が増加する再度の押圧が始まる場合は、連打前よりも押圧荷重基準Spを低く切り替える点を除けば、実施形態1の触覚提示制御部143と同様である。本実施形態では、連打前の押圧荷重基準Spを押圧荷重基準Sp1とし、連打時の押圧荷重基準Spを押圧荷重基準Sp2とする。なお、押圧荷重基準Sp1及び押圧荷重基準Sp2は実施形態2と同じ値であっても異なる値であっても構わない。
ここで、図11のフローチャートを用いて、実施形態3における触覚提示制御装置14での触覚FB関連処理の流れの一例について説明を行う。図11のフローチャートは、HCU20から入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号が入力されてくる場合に開始する構成とすればよい。
まず、S1では、荷重検出部141が押圧荷重を検出する。ステップS2aでは、S1で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp1以上となる場合(S2aでYES)に、ステップS3に移る。一方、S1で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp1以上でない場合(S2aでNO)には、S1に戻って処理を繰り返す。S3~S11までの処理は、実施形態1のS3~S11までの処理と同様とする。
ステップS12aでは、S11で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp1よりも低い押圧荷重基準Sp2以上となる場合(S12aでYES)に、S13に移る。一方、S11で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp2以上でない場合(S12aでNO)には、S11に戻って処理を繰り返す。S13~S18までの処理は、実施形態1のS13~S18までの処理と同様とする。
ここで、図12を用いて、実施形態2における連打前と連打時とでの触覚提示の態様の切り替えの例について説明する。図12では、押圧荷重の時間変化を示す押圧検知波形と、触覚加速度Gpの時間変化を示す触覚提示波形とを示している。
図12に示すように、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が、押圧荷重が0になってから次の押圧を開始する単打である場合は、押圧荷重が押圧荷重基準Sp1以上となるタイミングで触覚提示が行われることになる。一方、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が、押圧荷重が0になる前に次の押圧を開始する連打である場合は、押圧荷重が押圧荷重基準Sp1よりも低い押圧荷重基準Sp2以上となるタイミングで触覚提示が行われることになる。
例えば、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力操作を行う間隔が短くなることで、各押圧操作が疎かになり、押圧時の押圧荷重が単打での操作時に比べて小さくなる場合がある。よって、連打時に押圧荷重基準Spを変更しない場合、押圧時に触覚提示が行われる場合と行われない場合とが混在してしまう状況が生じるおそれがあり、この混在によってユーザに対して違和感を与えてしまうおそれがある。
これに対して、実施形態3の構成によれば、連打時には、押圧荷重基準Spを、連打前の押圧荷重基準Sp1よりも低い押圧荷重基準Sp2に変更することになる。よって、押圧時の押圧荷重が単打での操作時(つまり、連打前)に比べて小さくなる場合があっても、小さい押圧荷重で触覚提示が行われやすくなる。よって、押圧時に触覚提示が行われる場合と行われない場合とが混在してしまう状況を生じさせずに済む。その結果、ユーザがタッチセンサを備える入力装置に対して、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力するための操作を行う場合であっても、この操作により応じた触覚提示が可能になる。
また、実施形態3の構成によれば、連打時に、押圧荷重基準Spを、連打前の押圧荷重基準Sp1よりも低い押圧荷重基準Sp2に変更するので、個々のユーザで連打が行われやすい種類の入力用オブジェクトが異なる場合であっても、個々のユーザに合わせて、連打時に、押圧荷重基準Sp1よりも低い押圧荷重基準Sp2に変更して、連打に応じた触覚提示が可能になる。
ここでは、連打時に、押圧荷重が押圧荷重基準Sp2以上となるタイミングで触覚提示を行わせるものの、押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングでは触覚提示を行わせない構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、連打時に、押圧荷重が押圧荷重基準Sp2以上となるタイミングと、押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングとで触覚提示を行わせる構成としてもよい。この場合、図10で示す触覚FB関連処理のうちのS14~S15の代わりに、S4~S5と同様の処理を実行する構成とすればよい。
(実施形態4)
実施形態1の構成に限らず、連打が行われやすいと推定される種類の入力用オブジェクトについての触覚提示の強度を、連打が行われやすいと推定される種類の入力用オブジェクト以外の入力用オブジェクトについての触覚提示の強度よりも弱くする構成(以下、実施形態4)としてもよい。実施形態4の車両システム1は、HCU20及び触覚提示制御部143での一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の車両システム1と同様である。
実施形態4のHCU20は、入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号を触覚提示制御装置14に出力する際に、選択された入力用オブジェクトの種類も触覚提示制御装置14に出力する点を除けば、実施形態1のHCU20と同様である。
実施形態4の触覚提示制御部143は、ユーザが同一の入力用オブジェクトに対して連続して入力操作を行う連打が行われやすいと推定される種類の入力用オブジェクトである連打対象オブジェクトについての触覚提示の強度を、連打対象オブジェクト以外の入力用オブジェクトである単打対象オブジェクトについての触覚提示の強度よりも弱くする。本実施形態では、単打対象オブジェクトについての触覚提示の強度を触覚加速度Gp1とし、連打対象オブジェクトについての触覚提示の強度を触覚加速度Gp2とする。前述したように、触覚加速度は、触覚提示に用いられる振動の加速度であって、この触覚加速度が大きいほど、強度の強い触覚提示となる。
触覚提示制御部143は、実施形態2と同様にして、HCU20から出力される入力用オブジェクトの信号をもとに、入力用オブジェクトの種類別に連打対象オブジェクトか単打対象オブジェクトかを対応付けた対応関係を参照して、入力用オブジェクトが連打対象オブジェクトか単打対象オブジェクトかの判別をする構成とすればよい。
ここで、図13を用いて、連打対象オブジェクトと単打対象オブジェクトとでの触覚提示の強度の使い分けの例について説明する。図13では、押圧荷重の時間変化を示す押圧検知波形と、触覚加速度Gpの時間変化を示す触覚提示波形とを示している。
図13に示すように、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が単打対象オブジェクトへの単打である場合は、触覚提示の強度として触覚加速度Gp1で触覚提示が行われることになる。一方、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が、連打対象オブジェクトへの連打である場合は、触覚提示の強度として触覚加速度Gp2で触覚提示が行われることになる。
例えば、触覚提示の強度によっては、連打を妨げることで、触覚提示が、ユーザが意図する操作入力のタイミングに対して食い違って感じられてしまう場合がある。よって、連打対象オブジェクトについての触覚提示の強度を、単打対象オブジェクトについての触覚提示の強度と同じ水準としていると、単打対象オブジェクトに対する入力操作に比べ、触覚提示が、ユーザが意図する操作入力のタイミングに対して食い違って感じられてしまうおそれがある。
これに対して、実施形態4の構成によれば、連打対象オブジェクトについては、触覚提示の強度として、単打対象オブジェクトについての触覚提示の強度である触覚加速度Gp1よりも弱い触覚加速度Gp2を用いることになる。よって、連打対象オブジェクトへの連打時には、触覚提示の強度を弱くして、連打を妨げにくくすることが可能になる。従って、触覚提示が、ユーザが意図する操作入力のタイミングに対して食い違って感じられてしまう状況を生じにくくする。その結果、ユーザがタッチセンサを備える入力装置に対して、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力するための操作を行う場合であっても、この操作により応じた触覚提示が可能になる。
なお、触覚提示の強度を変更する構成として触覚加速度以外の触覚提示の強度を変更する構成としてもよいが、ユーザによる操作面の押圧方向にアクチュエータ12を振動させる構成を採用する場合には、触覚加速度を変更することで触覚提示の強度を変更することが好ましい。これは、ユーザによる操作面の押圧でアクチュエータ12を振動させることが可能な幅が狭くなり、振動の幅の大きさでは所望される触覚提示の強度の変更が難しい場合であっても、所望される触覚提示の強度の変更が容易となるためである。
(実施形態5)
実施形態4の構成とは別に、連打時に触覚提示の態様を変更する構成として、連打前と触覚提示の強度を変更する構成(以下、実施形態5)としてもよい。実施形態5の車両システム1は、触覚提示制御部143での一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の車両システム1と同様である。
実施形態5の触覚提示制御部143は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が0になる前に、荷重検出部141で検出する押圧荷重が増加する再度の押圧が始まる場合は、連打前よりも触覚提示の強度を弱く切り替える点を除けば、実施形態1の触覚提示制御部143と同様である。本実施形態では、連打前の触覚提示の強度を触覚加速度Gp1とし、連打時の触覚提示の強度を触覚加速度Gp2とする。なお、触覚加速度Gp1及び触覚加速度Gp2は実施形態4と同じ値であっても異なる値であっても構わない。
ここで、図14のフローチャートを用いて、実施形態5における触覚提示制御装置14での触覚FB関連処理の流れの一例について説明を行う。図14のフローチャートは、HCU20から入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号が入力されてくる場合に開始する構成とすればよい。
S1~S10までの処理は、実施形態1のS1~S10までの処理と同様とする。S10に続くステップS10-1では、触覚提示制御部143が、触覚提示の強度を、デフォルトの触覚加速度Gp1から触覚加速度Gp1よりも小さい触覚加速度Gp2に変更し、S11に移る。なお、S3,S6で触覚提示を行わせる際には、デフォルトの触覚加速度Gp1で触覚提示を行わせることになる。S11~S18までの処理は、実施形態1のS11~S18までの処理と同様とする。
ここで、図15を用いて、実施形態5における連打前と連打時とでの触覚提示の態様の切り替えの例について説明する。図15では、押圧荷重の時間変化を示す押圧検知波形と、触覚加速度Gpの時間変化を示す触覚提示波形とを示している。
図15に示すように、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が、押圧荷重が0になってから次の押圧を開始する単打である場合は、触覚加速度Gp1で触覚提示が行われることになる。一方、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が、押圧荷重が0になる前に次の押圧を開始する連打である場合は、触覚加速度Gp1よりも小さい触覚加速度Gp2で触覚提示が行われることになる。
例えば、触覚提示の強度によっては、連打を妨げることで、触覚提示が、ユーザが意図する操作入力のタイミングに対して食い違って感じられてしまう場合がある。よって、連打時の触覚提示の強度を、連打前の触覚提示の強度と同じ水準としていると、連打前に比べ、触覚提示が、ユーザが意図する操作入力のタイミングに対して食い違って感じられてしまうおそれがある。
これに対して、実施形態5の構成によれば、連打時には、触覚提示の強度として、連打前の触覚提示の強度である触覚加速度Gp1よりも弱い触覚加速度Gp2を用いることになる。よって、連打時には、触覚提示の強度を弱くして、連打を妨げにくくすることが可能になる。従って、触覚提示が、ユーザが意図する操作入力のタイミングに対して食い違って感じられてしまう状況を生じにくくする。その結果、ユーザがタッチセンサを備える入力装置に対して、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力するための操作を行う場合であっても、この操作により応じた触覚提示が可能になる。
なお、触覚提示の強度を変更する構成として触覚加速度以外の触覚提示の強度を変更する構成としてもよいが、実施形態4で述べたのと同様の理由により、ユーザによる操作面の押圧方向にアクチュエータ12を振動させる構成を採用する場合には、触覚加速度を変更することで触覚提示の強度を変更することが好ましい。
また、実施形態5の構成によれば、連打時に、触覚提示の強度として触覚加速度Gpを、連打前の触覚加速度Gp1よりも小さい触覚加速度Gp2に変更するので、個々のユーザで連打が行われやすい種類の入力用オブジェクトが異なる場合であっても、個々のユーザに合わせて、連打時に、触覚加速度Gp1よりも小さい触覚加速度Gp2に変更して、連打に応じた触覚提示が可能になる。
さらに、ここでは、連打時に、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングで触覚提示を行わせるものの、押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングでは触覚提示を行わせない構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、連打時に、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングと、押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングとで触覚提示を行わせる構成としてもよい。この場合、図14で示す触覚FB関連処理のうちのS14~S15の代わりに、S4~S5と同様の処理を実行する構成とすればよい。
(実施形態6)
また、連打の間隔の減少率が閾値を超えた場合に、触覚提示を開始する応答時間を、連打前よりも短く切り替える構成(以下、実施形態6)としてもよい。実施形態6の車両システム1は、触覚提示制御装置14の代わりに触覚提示制御装置14cを含む点を除けば、実施形態1の車両システム1と同様である。
触覚提示制御装置14cは、図16に示すように、荷重検出部141、車両振動特定部142、触覚提示制御部143c、記録処理部144、及び記録部145を機能ブロックとして備える。触覚提示制御装置14cは、触覚提示制御部143の代わりに触覚提示制御部143cを備える点と、記録処理部144及び記録部145を備える点とを除けば、実施形態1の触覚提示制御装置14と同様である。
記録処理部144は、荷重検出部141で検出する押圧荷重のピークの時間間隔を記録部145に逐次記録する。記録部145としては、例えば揮発性メモリを用いる構成とすればよい。記録処理部144は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が0になる前に、荷重検出部141で検出する押圧荷重が増加する再度の押圧が始まる場合、つまり、触覚提示制御部143cで連打を判定する場合に、荷重検出部141で検出する押圧荷重のピークの時間間隔を逐次記録し始めることが好ましい。
これは、常時記録し続ける構成に比べて、記録処理部144の処理負荷の低減、及び記録部145のメモリ容量の節約が可能になるためである。本実施形態では、触覚提示制御部143cで連打を判定する場合に、荷重検出部141で検出する押圧荷重のピークの時間間隔を逐次記録し始める場合を例に挙げて説明を行う。
触覚提示制御部143cは、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が0になる前に、荷重検出部141で検出する押圧荷重が増加する再度の押圧が始まる場合(つまり、連打を判定する場合)であって、且つ、記録処理部144で逐次記録する押圧荷重のピークの時間間隔の減少率が閾値を超えた場合に、触覚提示を開始する応答時間を、連打前よりも短く切り替える点を除けば、実施形態1の触覚提示制御部143と同様である。
触覚提示制御部143cは、連打を判定してから最初に記録処理部144で記録部145に記録した押圧荷重のピークの時間間隔に対する、記録処理部144で逐次記録する押圧荷重のピークの時間間隔の減少率が閾値を超えたか否かを判別する構成とすればよい。閾値は、例えば10~20%程度とすればよい。なお、触覚提示制御部143cは、記録処理部144で逐次記録する押圧荷重のピークの時間間隔のうち、時系列で前後するもの同士を比較して、押圧荷重のピークの時間間隔の減少率が閾値を超えたか否かを判別する構成としてもよい。
また、触覚提示制御部143cは、アクチュエータ12の巻線コイル123に電流を流し始めるタイミングを連打前に比べて早めることで、触覚提示を開始する応答時間を、連打前よりも短く切り替える構成とすればよい。触覚提示を開始する応答時間とは、例えば荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングから触覚提示を開始するまでの時間である。なお、実施形態6を実施形態2~5と組み合わせ、連打時に、押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングでも触覚提示を行わせる構成を採用する場合には、荷重検出部141で検出する押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングから触覚提示を開始するまでの時間も含む。
ここで、図17のフローチャートを用いて、実施形態6における触覚提示制御装置14cでの触覚FB関連処理の流れの一例について説明を行う。図16のフローチャートは、HCU20から入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号が入力されてくる場合に開始する構成とすればよい。
S1~S11までの処理は、実施形態1のS1~S11までの処理と同様とする。ステップS11-1では、記録処理部144が、フローの繰り返しによってS11で逐次検出する押圧荷重のピークの時間間隔を記録部145に逐次記録し、ステップS11-2に移る。なお、フローの繰り返しが行われておらず、過去の押圧荷重のピークが得られていない場合は、押圧荷重のピークの時間間隔を記録部145に記録せずにS11-2に移ればよい。
ステップS11-2では、連打を判定してから最初に記録処理部144で記録部145に記録した押圧荷重のピークの時間間隔に対する、記録処理部144で逐次記録する押圧荷重のピークの時間間隔の減少率が閾値を超えた場合(S11-2でYES)には、ステップS11-3に移る。一方、閾値を超えていない場合(S11-2でNO)には、ステップS12に移る。
ステップS11-3では、触覚提示制御部143cが、アクチュエータ12の巻線コイル123に電流を流し始めるタイミングを連打前に比べて早めに設定し、S12に移る。これにより、触覚提示を開始する応答時間が、連打前よりも短く切り替えられることになる。S12~S18までの処理は、実施形態1のS12~S18までの処理と同様とする。
ここで、図18を用いて、実施形態6における連打時での触覚提示のタイミングの切り替えの例について説明する。図18では、押圧荷重の時間変化を示す押圧検知波形と、触覚加速度Gpの時間変化を示す触覚提示波形とを示している。図18のTi1,Ti2はそれぞれ押圧荷重のピークの時間間隔を示しており、Ti1に体するTi2の減少率が閾値を超えているものとする。図18に示すように、連打時の押圧荷重のピークの時間間隔の減少率が閾値を超えた場合は、触覚提示を開始する応答時間を、連打前よりも短く切り替えることになる。
例えば、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力操作を行う間隔が短くなることで、触覚提示のタイミングが、ユーザが意図する操作入力のタイミングに対して遅れて感じられてしまう場合がある。これに対して、実施形態6の構成によれば、連打時には、触覚提示のタイミングを、連打前の触覚提示のタイミングよりも早めに変更することになる。よって、連打時であっても、連打前の単打時に比べて触覚提示のタイミングが遅れて感じられにくくなる。その結果、ユーザがタッチセンサを備える入力装置に対して、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力するための操作を行う場合であっても、この操作により応じた触覚提示が可能になる。
(実施形態7)
実施形態1,3,5,6では、連打時に触覚提示の態様を変更する構成を示したが、連打後に押圧荷重が0となる場合に、連打前の触覚提示の態様に戻す構成(以下、実施形態7)とすればよい。実施形態7の車両システム1は、触覚提示制御部143,143cでの一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1,3,5,6の車両システム1と同様である。
実施形態7の触覚提示制御部143は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp1以上となる後、押圧荷重が0になる前に、荷重検出部141で検出する押圧荷重が増加する再度の押圧が始まって、連打前とは触覚提示の態様を変更する場合であっても、押圧荷重が0になる場合には、連打前の触覚提示の態様に戻す。
例えば、連打時に開放荷重基準Srを下回るタイミングで触覚提示を行わない態様に変更する場合には、開放荷重基準Srを下回るタイミングで触覚提示を行う態様に戻す。連打時に押圧荷重基準Spを変更する場合には、連打前の押圧荷重基準Spに設定を戻す。連打時に触覚加速度Gpを小さく変更する場合には、連打前の触覚加速度Gpに戻す。言い換えると、連打時に触覚提示の強度を弱める場合には、連打前の触覚提示の強度に戻す。他にも、連打時に触覚提示の応答時間を短く切り替える場合には、連打前の触覚提示の応答時間に戻す。
ここで、図19のフローチャートを用いて、実施形態7における触覚提示制御装置14での触覚FB関連処理の流れの一例について説明を行う。図19のフローチャートでは、実施形態3の構成と組み合わせた場合の例を示す。図19のフローチャートは、HCU20から入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号が入力されてくる場合に開始する構成とすればよい。
S1~S17までの処理は、実施形態3のS1~S17までの処理と同様とする。図19のフローチャートでは、触覚提示制御部143がユーザによる連打と判定した場合に、押圧荷重基準Spを押圧荷重基準Sp1から連打操作制御用の閾値である押圧荷重基準Sp2に変更する。ステップS18では、S16で検出する押圧荷重が0である場合(S18でYES)には、ステップS19に移る。一方、S16で検出する押圧荷重が0でない場合(S18でNO)には、S16に戻って処理を繰り返す。ステップS19では、触覚提示制御部143が、連打操作制御用に変更した閾値である押圧荷重基準Sp2を、初期値である押圧荷重基準Sp1に戻し、触覚FB関連処理を終了する。
実施形態7の構成によれば、連打時に触覚提示の態様を変更した場合であっても、この触覚提示の態様を、次回の単打での操作時に備えて連打前の態様に戻すことが可能になる。
(実施形態8)
実施形態1では、連打時には、荷重検出部141で検出する押圧荷重が開放荷重基準Srを下回るタイミングで触覚提示を行わせない構成を示したが、開放荷重基準Srよりも低い下限基準Smを下回るタイミングで触覚提示を行わせる構成(以下、実施形態8)としてもよい。実施形態8の車両システム1は、触覚提示制御部143での一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の車両システム1と同様である。
実施形態8の触覚提示制御部143は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が0になる前に、荷重検出部141で検出する押圧荷重が増加する再度の押圧が始まる場合は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が開放荷重基準Srを下回るタイミングでは触覚提示を行わせず、荷重検出部141で検出する押圧荷重が開放荷重基準Srよりも低い下限基準Smを下回るタイミングで触覚提示を行わせる点を除けば、実施形態1の触覚提示制御部143と同様である。下限基準Smは、押圧荷重が0になる場合の押圧の開放を区分できる程度に開放荷重基準Srよりも十分に低い値であればよく、例えば開放荷重基準Srの50%の値とすればよい。
ここで、図20のフローチャートを用いて、実施形態8における触覚提示制御装置14での触覚FB関連処理の流れの一例について説明を行う。図20のフローチャートは、HCU20から入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号が入力されてくる場合に開始する構成とすればよい。
S1~S16までの処理は、実施形態1のS1~S16までの処理と同様とする。ステップS17では、S16で検出する押圧荷重がS14で検出した押圧荷重よりも増加している場合(S17でYES)に、ステップS11に戻って処理を繰り返す。一方、S16で検出する押圧荷重がS14で検出した押圧荷重以下の場合(S17でNO)には、ステップS17-1に移る。
ステップS17-1では、S16で検出する押圧荷重が下限基準Sm未満となる場合(S17-1でYES)に、ステップS17-2に移る。一方、S16で検出する押圧荷重が下限基準Sm未満でない場合(S17-1でNO)には、S16に戻って処理を繰り返す。ステップS17-2では、触覚提示制御部143がアクチュエータ12を動作させて触覚提示を行わせ、S18に移る。S18の処理は、実施形態1のS18の処理と同様とする。
ここで、図21を用いて、実施形態8における連打時での触覚提示の態様の例について説明する。図21では、押圧荷重の時間変化を示す押圧検知波形と、触覚加速度Gpの時間変化を示す触覚提示波形とを示している。
図21に示すように、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が、押圧荷重が0になってから次の押圧を開始する単打である場合は、単一の入力用オブジェクトへの押圧操作について、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングと押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングとの2度のタイミングで触覚提示が行われることになる。一方、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作が、押圧荷重が0になる前に次の押圧を開始する連打である場合は、単一の入力用オブジェクトへの押圧操作について、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングで触覚提示が行われるものの、押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングでは触覚提示が行われず、連打終了時の、押圧荷重が下限基準Smとなるタイミングで触覚提示が行われることになる。
実施形態8の構成によれば、連打時には、押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングでは触覚提示を行わせずに、触覚提示が煩雑になり過ぎることを防ぎつつも、連打の終了時に合わせて触覚提示を行わせることが可能になるので、押しボタンスイッチを操作した場合により近い触感をユーザに与えることが可能になる。
(実施形態9)
また、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力するための操作として、一定時間以上押し続ける長押し操作を採用するCID10に適用した構成(以下、実施形態9)としてもよい。実施形態9の車両システム1は、HCU20の処理の一部が異なる点と、触覚提示制御装置14の代わりに触覚提示制御装置14dを含む点とを除けば、実施形態1の車両システム1と同様である。
HCU20は、入力用オブジェクトが一定時間以上選択され続けていることを、この入力用オブジェクトについて連続して入力するための長押し操作と判断し、この入力用オブジェクトについて連続して入力されているものとして、選択されたと判断した入力用オブジェクトに応じた処理を連続して行う点を除けば、実施形態1のHCU20と同様である。
<触覚提示制御装置14dの概略構成>
触覚提示制御装置14dは、図22に示すように、荷重検出部141、触覚提示制御部143d、及びカウント部146を機能ブロックとして備える。触覚提示制御装置14cは、触覚提示制御部143の代わりに触覚提示制御部143cを備える点と、記録処理部144及び記録部145を備える点とを除けば、実施形態1の触覚提示制御装置14と同様である。
カウント部146は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となり続ける継続時間を計測(以下、カウント)する。カウント部146は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上であるか否かの情報については、例えば触覚提示制御部143dから取得すればよい。また、カウント部146は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングでカウントを開始し、その後、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp未満となるタイミングでカウントを終了すればよい。
触覚提示制御部143dは、触覚提示制御部143と同様に、荷重検出部141で検出する押圧荷重をもとにアクチュエータ12を動作させて触覚提示を行わせる。触覚提示制御部143dは、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、カウント部146でカウントする継続時間が所定時間以上となる場合に、ユーザによる長押しと判定する。ここで言うところの所定時間は、単打と長押しとを区分できる程度の時間であればよく、任意に設定可能である。本実施形態では、一例として100msecとする。
触覚提示制御部143dは、長押しを判定する前は、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングと、荷重検出部141で検出する押圧荷重が開放荷重基準Srを下回るタイミングとの2度のタイミングで触覚提示を行わせる。
一方、触覚提示制御部143dは、長押しを判定した後は、連打操作制御に切り替える。連打操作制御では、触覚提示制御部143が、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングと、荷重検出部141で検出する押圧荷重が開放荷重基準Srを下回るタイミングとの2度のタイミング以外にも、押圧荷重が押圧荷重基準Sr以上となり続ける間は一定時間ごとのタイミングで触覚提示を行わせる。ここで言うところの一定時間ごととは、任意に設定可能な周期である。ユーザが入力用オブジェクトに対して長押し操作を開始してから長押し操作を終了するまで一貫して周期的な触覚提示を行わせるためには、前述の所定時間よりも長い周期であることが好ましい。本実施形態では、一例として200msec周期とする。
<触覚提示制御装置14dでの触覚FB関連処理>
ここで、図23のフローチャートを用いて、実施形態9における触覚提示制御装置14dでの触覚FB関連処理の流れの一例について説明を行う。図23のフローチャートは、HCU20から入力用オブジェクトが選択されたことを示す信号が入力されてくる場合に開始する構成とすればよい。
ステップS21~ステップS24までの処理は、実施形態1のS1~S4までの処理と同様である。ステップS25では、S24で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp未満となる場合(S25でYES)に、ステップS26に移る。一方、S24で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp未満でない場合(S25でNO)には、ステップS30に移る。
ステップS26では、S24で検出する押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となる場合(S6でYES)に、ステップS27に移る。一方、S24で検出する押圧荷重が開放荷重基準Sr未満でない場合(S26でNO)には、S24に戻って処理を繰り返す。ステップS27では、触覚提示制御部143dがアクチュエータ12を動作させて触覚提示を行わせる。
ステップS28では、荷重検出部141が押圧荷重を検出する。ステップS29では、S28で検出する押圧荷重が0である場合(S29でYES)には、触覚FB関連処理を終了する。一方、S28で検出する押圧荷重が0でない場合(S29でNO)には、S28に戻って処理を繰り返す。
ステップS30では、カウント部146が、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となり続ける継続時間のカウントを開始する。ステップS31では、カウント部146でのカウントが100msec以上となる場合(ステップS31でYES)には、ステップS32に移る。一方、カウント部146でのカウントが100msec未満である場合(ステップS31でNO)には、S24に戻って処理を繰り返す。
ステップS32では、触覚提示制御部143dが、ユーザによる長押しと判定し、連打時の制御である連打操作制御に切り替える。後述するステップS33~ステップS34の処理が連打操作制御に該当する。
ステップS33では、カウント部146でのカウントが200msec周期にあたる場合(ステップS33でYES)には、ステップS34に移る。200msec周期にあたる場合としては、200msec,400msec等の200msecの倍数が挙げられる。一方、カウント部146でのカウントが200msec周期にあたらない場合(ステップS33でNO)には、ステップS35に移る。ステップS34では、触覚提示制御部143dがアクチュエータ12を動作させて触覚提示を行わせる。
ステップS35では、荷重検出部141が押圧荷重を検出する。ステップS36では、S35で検出する押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となる場合(S36でYES)に、ステップS37に移る。一方、S35で検出する押圧荷重が開放荷重基準Sr未満でない場合(S36でNO)には、S33に戻って処理を繰り返す。ステップS37では、カウント部146が、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となり続ける継続時間のカウントを終了する。ステップS38では、触覚提示制御部143dがアクチュエータ12を動作させて触覚提示を行わせる。
ステップS39では、荷重検出部141が押圧荷重を検出する。ステップS40では、S39で検出する押圧荷重が0である場合(S40でYES)には、触覚FB関連処理を終了する。一方、S39で検出する押圧荷重が0でない場合(S40でNO)には、S39に戻って処理を繰り返す。
ここで、図24を用いて、実施形態9における長押し時での触覚提示の態様の例について説明する。図24では、押圧荷重の時間変化を示す押圧検知波形と、触覚加速度Gpの時間変化を示す触覚提示波形とを示している。図24に示すように、入力用オブジェクトへのユーザの押圧操作による押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となり続ける継続時間が100msecに達すると、押圧荷重が押圧荷重基準Sp未満となるまでは、200msec周期で触覚提示が行われることになる。
<実施形態9のまとめ>
同一の入力用オブジェクトについて連続して入力するための操作として、タッチパネルディスプレイ11の操作面を一定時間以上押し続ける長押し操作が行われる場合、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となり続ける継続時間が所定時間以上となる。これに対して、実施形態1の構成によれば、荷重検出部141で検出する押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となる後、カウント部146でカウントするこの継続時間が所定時間以上となる場合に、長押し前とは触覚提示の態様を変更する。
詳しくは、長押し前は、押圧荷重が押圧荷重基準Sp以上となるタイミングと押圧荷重が開放荷重基準Sr未満となるタイミングとの2度のタイミングで触覚提示を行わせる。一方、長押し時は、この2度のタイミング以外に、押圧荷重が押圧荷重基準Sr以上となり続ける間は一定時間ごとのタイミングで触覚提示を行わせる。これによれば、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力するための操作として、タッチパネルディスプレイ11の操作面を一定時間以上押し続ける長押し操作が行われる場合に、入力用オブジェクトに対して連打操作を行っているような触感をユーザに与えることが可能になる。その結果、ユーザがタッチセンサを備える入力装置に対して、同一の入力用オブジェクトについて連続して入力するための操作を行う場合であっても、この操作により応じた触覚提示が可能になる。
なお、長押し時に長押し前と触覚提示の態様を変更する構成は、入力用オブジェクトに対して連打操作を行っているような触感をユーザに与える触覚提示の態様であれば、上述した構成に限らない。例えば、触覚提示を一定時間ごとに行わせる構成に限らず、押圧時と開放時とを想起させる、タイミングをずらした1組の触覚提示を、一定時間ごとに行わせる構成としてもよい。
(実施形態10)
前述の実施形態では、CID10での触覚FBについて例に挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。タッチパネル機能及び触覚FB機能を有するディスプレイであれば、CID10以外に適用する構成としてもよい。また、前述の実施形態では、車両で用いられる場合について例を挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両以外の移動体で用いられたり、屋内等で用いられたりする構成としてもよい。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。