JP7151123B2 - 蓄電素子の検査方法及び蓄電素子 - Google Patents

蓄電素子の検査方法及び蓄電素子 Download PDF

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Description

本発明は、蓄電素子の検査方法及び蓄電素子に関する。
従来、蓄電素子の製造工程等において、蓄電素子の電極端子にプローブを接触させて、蓄電素子の電気特性を検査する作業が広く行われている。例えば、特許文献1には、正確な検査を行うために、電圧計測用もしくは通電用の電極(プローブ)の、鉛蓄電池端子(電極端子)との当接面にリブ状突起を形成して、電圧計測や容量検査等を行う検査方法が開示されている。
特開2010-108681号公報
しかしながら、上記従来の蓄電素子の検査方法では、電気特性の検査精度が低下してしまうおそれがある。例えば、上記特許文献1では、プローブと電極端子との接触不良を抑制するために、プローブの電極端子との当接面にリブ状突起を形成して、検査を行っている。しかし、本願発明者は、この検査を同じプローブを用いて繰り返し行うことで、電極端子の材料がプローブのリブ状突起に付着していき、これにより、プローブと電極端子との接触不良が発生するおそれがあることを見出した。プローブと電極端子との接触不良が発生すれば、蓄電素子の電気特性の検査精度が低下してしまう。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる蓄電素子の検査方法及び蓄電素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子の検査方法は、電極端子を備える蓄電素子の検査方法であって、複数の凸部が面状に形成された前記電極端子の端子表面に、プローブを接触させて、前記蓄電素子の電気特性を検査する検査工程を含む。
これによれば、蓄電素子の検査方法において、検査工程として、複数の凸部が面状に形成された電極端子の端子表面に、プローブを接触させて、蓄電素子の電気特性を検査する。このように、電極端子の端子表面に複数の凸部が面状に形成された蓄電素子を用いて、当該電極端子の端子表面にプローブを接触させることで、プローブと電極端子との接触不良を抑制することができる。つまり、蓄電素子の電極端子に凸部が設けられているため、同じプローブを用いて繰り返し検査を行った場合でも、プローブと電極端子との接触を確保できる状態を保つことができる。これにより、プローブと電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、前記検査工程では、前記端子表面に、前記プローブの平坦面を接触させて、前記蓄電素子の電気特性を検査することにしてもよい。
これによれば、蓄電素子の検査方法において、検査工程では、複数の凸部が面状に形成された電極端子の端子表面に、プローブの平坦面を接触させて、蓄電素子の電気特性を検査する。このように、プローブの電極端子との当接面が平坦面であるため、同じプローブを用いて繰り返し検査を行った場合でも、電極端子の材料がプローブに付着するのを抑制し、プローブと電極端子との接触を確保できる状態を保つことができる。これにより、プローブと電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、前記検査工程では、前記端子表面に、前記端子表面よりも硬度が高い前記プローブを接触させて、前記蓄電素子の電気特性を検査することにしてもよい。
これによれば、蓄電素子の検査方法において、検査工程では、複数の凸部が面状に形成された電極端子の端子表面に、端子表面よりも硬度が高いプローブを接触させて、蓄電素子の電気特性を検査する。このように、プローブが電極端子の端子表面よりも硬いため、プローブを端子表面に接触させることで、端子表面の複数の凸部がつぶれ、プローブと電極端子との接触を確保することができる。これにより、プローブと電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、容器と電極端子とを備える蓄電素子であって、前記電極端子は、前記容器とは反対側の面であって他の部材と接合される端子表面を有し、前記端子表面の前記他の部材との接合領域には、複数の凸部が面状に配置されていることにしてもよい。
これによれば、蓄電素子において、電極端子は、容器とは反対側に端子表面を有しており、端子表面の他の部材との接合領域には、複数の凸部が面状に配置されている。ここで、電極端子の端子表面にプローブを接触させて検査を行う場合には、スペース上の問題から、端子表面における当該接合領域にプローブを接触させることとなる。このため、端子表面の面状に形成された複数の凸部にプローブを接触させることとなり、プローブと電極端子との接触不良を抑制することができる。また、端子表面は、電極端子の容器とは反対側の面であるため、プローブを端子表面に接触させる際に、容器が土台となって、電極端子を安定して支持することができ、端子表面が撓んだり傾いたりするのを抑制することができる。これにより、プローブと電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、前記複数の凸部のそれぞれは、突出高さが0.1mm以上であることにしてもよい。
これによれば、蓄電素子において、電極端子の端子表面に配置された複数の凸部のそれぞれは、突出高さが0.1mm以上である。このように、当該凸部の突出高さが0.1mmにも満たない場合には当該凸部はつぶれにくいが、当該凸部が0.1mm以上の高さを有することで、電極端子の端子表面にプローブを接触させて検査を行う際に、当該凸部がつぶれてプローブと電極端子とを接触しやすくすることができる。これにより、プローブと電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、前記複数の凸部のそれぞれは、先端部分が曲面形状を有していることにしてもよい。
これによれば、蓄電素子において、電極端子の端子表面に配置された複数の凸部のそれぞれは、先端部分が曲面形状を有している。このように、当該凸部の先端部分が曲面形状を有している(尖っていない)ことで、電極端子の端子表面にプローブを接触させて検査を行う際に、電極端子の当該凸部の先端の部材がプローブに付着するのを抑制することができる。これにより、プローブと電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、前記電極端子は、前記端子表面を有する端子本体と、前記蓄電素子の容器を貫通する軸部とを有し、前記複数の凸部は、前記端子本体の端子表面の全面に配置されていることにしてもよい。
これによれば、蓄電素子において、複数の凸部は、電極端子の端子本体の端子表面の全面に配置されている。このように、当該凸部を端子表面の全面に配置することで、当該凸部の形成位置を位置決めする必要がないため、端子表面に容易に当該凸部を形成することができる。また、プローブを端子表面のどこに配置してもよいため、プローブを容易に位置決めして検査を行うことができる。これにより、プローブと電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
なお、本発明は、このような蓄電素子の検査方法及び蓄電素子として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子が備える電極端子、当該蓄電素子とバスバーとを備える蓄電装置、及び、蓄電装置の製造方法としても実現することができる。
本発明における蓄電素子の検査方法によれば、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。 実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図及び断面図である。 実施の形態に係る蓄電素子を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。 実施の形態に係る蓄電装置の製造方法のうちの蓄電素子の検査方法における検査工程を説明する図である。 実施の形態に係る蓄電装置の製造方法のうちの蓄電素子とバスバーとの接合工程を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置及び蓄電素子、並びに、その製造方法及び検査方法について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程(検査工程)、製造工程(検査工程)の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、寸法等は必ずしも厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
また、以下の説明及び図面中において、1つの蓄電素子における電極端子(つまり、正極端子及び負極端子)の並び方向、1つの蓄電素子における集電体(つまり、正極集電体及び負極集電体)の並び方向、または、蓄電素子の容器の短側面の対向方向をX軸方向と定義する。また、蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、当該容器の厚さ方向、または、バスバーの延設方向をY軸方向と定義する。また、蓄電装置の外装体本体と蓋との並び方向、蓄電素子の電極端子とバスバーとの並び方向、蓄電素子の容器本体と蓋との並び方向、蓄電素子の容器の短側面の長手方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
(実施の形態)
[1 蓄電装置10の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置10の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電装置10の外観を示す斜視図である。なお、同図は、外装体300を透視して外装体300内方を示した図となっている。
蓄電装置10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置10は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置10は、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)またはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械などの移動体の駆動用またはエンジン始動用のバッテリ等として用いられる。
図1に示すように、蓄電装置10は、複数(本実施の形態では5つ)の蓄電素子100と、当該複数の蓄電素子100を電気的に接続する複数(本実施の形態では4つ)のバスバー200と、当該複数の蓄電素子100及びバスバー200等を収容する外装体300とを備えている。なお、蓄電装置10は、蓄電素子100間に配置されるスペーサ、蓄電素子100を拘束する拘束部材やエンドプレート、バスバー200の位置決めを行うバスバーフレーム、蓄電素子100の充電状態や放電状態を監視するための回路基板やリレー等の電気機器なども備えていてもよいが、これらの図示は省略し、詳細な説明も省略する。
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。本実施の形態では、5個の扁平な直方体形状(角形)の蓄電素子100が直列に配置されている。なお、蓄電素子100の個数は5個に限定されず、他の複数個数または1個であってもよい。また、本実施の形態では、直方体形状(角形)の蓄電素子100を図示しているが、蓄電素子100の形状は、直方体形状には限定されず、円柱形状や長円柱形状等であってもよいし、ラミネート型の蓄電素子とすることもできる。また、蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子100は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。さらに、蓄電素子100は、固体電解質を用いた電池であってもよい。この蓄電素子100の構成の詳細な説明については、後述する。
バスバー200は、複数の蓄電素子100の上方に配置される部材である。バスバー200は、導電性の矩形状かつ平板状の部材であり、複数の蓄電素子100同士を電気的に接続する。具体的には、バスバー200は、隣接する蓄電素子100において、一の蓄電素子100の正極端子または負極端子と、他の蓄電素子100の負極端子または正極端子とを電気的に接続する。ここで、バスバー200は、アルミニウムなどの溶接可能な金属製の部材で形成されている。つまり、例えば、バスバー200は、一端が、一の蓄電素子100の正極端子に溶接により接合され、他端が、他の蓄電素子100の負極端子に溶接により接合されることで、一の蓄電素子100の正極端子と他の蓄電素子100の負極端子とを電気的に接続する。このようにして、バスバー200は、複数の蓄電素子100を直列に接続する。
なお、バスバー200は、複数の蓄電素子100を並列に接続するように配置されていてもかまわない。また、バスバー200の材質は、アルミニウムには限定されず、アルミニウム合金、銅、銅合金やステンレス鋼など溶接可能な金属であればよく、さらに、金属にも限定されず、溶接可能な導電性の部材であればよい。また、バスバー200の形状は、矩形状かつ平板状には限定されず、溶接可能な形状であればよい。なお、バスバー200は、蓄電素子100の電極端子の端子表面に接合される他の部材の一例である。
外装体300は、蓄電装置10の外装体を構成する略直方体形状(箱型)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体300は、複数の蓄電素子100及びバスバー200等の外方に配置され、これら蓄電素子100等を所定の位置に配置し、衝撃などから保護する。また、外装体300は、例えば樹脂等の絶縁材料により構成されており、蓄電素子100等が外部の金属部材などに接触することを回避する。
具体的には、外装体300は、箱型の本体部分と蓋部分とを有しており、外装体300内に複数の蓄電素子100及びバスバー200等が収容される。また、外装体300には、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電するための外部接続端子(正極側及び負極側の外部接続端子)が設けられているが、図示及び詳細な説明は省略する。なお、蓄電装置10は、この外部接続端子と、複数の蓄電素子100のうちの端部の蓄電素子100の電極端子(バスバー200に接続されていない電極端子)とを接続するバスバーも備えているが、この図示及び詳細な説明も省略する。なお、外装体300の形状及び材質は、特に限定されない。
[2 蓄電素子100の構成の説明]
次に、蓄電素子100の構成について、詳細に説明する。図2は、本実施の形態に係る蓄電素子100の外観を示す斜視図及び断面図である。具体的には、図2の(a)は、蓄電素子100の外観を示す斜視図である。また、図2の(b)は、蓄電素子100の正極端子120をIIb-IIb断面で切断した場合の構成を拡大して示す拡大断面図である。さらに、図2の(c)は、蓄電素子100の負極端子130をIIc-IIc断面で切断した場合の構成を拡大して示す拡大断面図である。また、図3は、本実施の形態に係る蓄電素子100を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
図2に示すように、蓄電素子100は、容器本体111及び蓋体112を有する容器110と、正極端子120と、負極端子130とを備えている。また、図3に示すように、容器110の内方には、電極体140と、正極集電体150と、負極集電体160とが収容されている。
なお、蓋体112と正極端子120との間、及び蓋体112と正極集電体150との間には、絶縁性及び気密性を高めるためにガスケット等が配置されているが、同図では省略して図示している。負極側についても、同様である。また、容器110の内部には、電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略する。なお、当該電解液としては、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。また、上記の構成要素の他、正極集電体150及び負極集電体160の側方に配置されるスペーサ、または、電極体140等を包み込む絶縁フィルムなどが配置されていてもよい。
容器110は、矩形筒状で底を備える容器本体111と、容器本体111の開口を閉塞する板状部材である蓋体112とで構成されている。また、容器110は、電極体140等を内部に収容後、容器本体111と蓋体112とが溶接等されることにより、内部を密封することができる構成となっている。なお、容器本体111及び蓋体112の材質は特に限定されず、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能な金属とすることができるが、樹脂を用いることもできる。また、蓋体112には、容器110内の圧力が上昇したときに当該圧力を開放するためのガス排出弁113、及び、容器110内に電解液を注液するための注液部114が設けられている。
電極体140は、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素(発電要素)である。ここで、電極体が有する正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属からなる長尺帯状の集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。また、負極板は、銅または銅合金などの金属からなる長尺帯状の集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。また、正極活物質層に用いられる正極活物質、負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。なお、本実施の形態では、電極体140の断面形状として長円形状を図示しているが、円形状または楕円形状等でもよい。また、本実施の形態では、電極体140は、正極板と負極板とセパレータとが巻回されて形成された巻回型形状を図示しているが、平板状極板を積層した積層型形状や、長尺の平板状極板を折り畳んだ蛇腹状(つづら型)の形状等であることにしてもよい。
正極集電体150は、正極端子120と電極体140の端部141の正極板とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。また、負極集電体160は、負極端子130と電極体140の端部142の負極板とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。具体的には、正極集電体150及び負極集電体160は、容器本体111の側壁から蓋体112に沿って屈曲状態で配置される板状部材であり、蓋体112に固定的に接続(接合)されている。これにより、電極体140が、正極集電体150及び負極集電体160によって蓋体112から吊り下げられた状態で保持(支持)され、振動や衝撃などによる揺れが抑制される。なお、正極集電体150の材質は限定されないが、例えば、電極体140の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属で形成されている。また、負極集電体160についても、材質は限定されないが、例えば、電極体140の負極基材層と同様、銅または銅合金などの金属で形成されている。
正極端子120は、電極体140の正極板に電気的に接続された電極端子であり、負極端子130は、電極体140の負極板に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子120及び負極端子130は、電極体140に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体140に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。また、正極端子120及び負極端子130は、電極体140の上方に配置された蓋体112に取り付けられている。ここで、正極端子120及び負極端子130の構成について、さらに詳細に説明する。
[2.1 正極端子120の構成の説明]
まず、正極端子120の構成について、詳細に説明する。図3に示すように、正極端子120は、端子本体121と、軸部122とを有している。端子本体121は、正極端子120の本体部であり、XY平面に平行な矩形状かつ平板状の部位である。軸部122は、端子本体121の略中央位置からZ軸方向マイナス側に延設された円柱状の部位であり、蓋体112の貫通孔115と正極集電体150の貫通孔151とに挿入されて、蓋体112と正極集電体150とを貫通する。そして、軸部122のZ軸方向マイナス側の端部がかしめられることにより、正極端子120が、正極集電体150とともに蓋体112に固定される。
ここで、端子本体121と軸部122とは、一体に形成されている。つまり、1つの部材が加工されて端子本体121及び軸部122が成形されることにより、正極端子120が形成されている。なお、正極端子120(端子本体121及び軸部122)の材質は限定されないが、例えば、電極体140の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属で形成されている。
また、図2の(b)に示すように、正極端子120の端子本体121は、容器110とは反対側(Z軸方向プラス側)の面である端子表面121aを有している。つまり、端子本体121は、蓋体112に対向する端子裏面(図示せず)と、当該端子裏面の反対側の面である端子表面121aとを有している。なお、軸部122は、容器110の内部に埋設されているため、端子表面121aは、正極端子120のうちの、容器110の内部に埋設される部位の反対側の面と定義することもできる。
また、端子表面121aは、上述の通り、バスバー200と接合される面であり、端子表面121aのバスバー200との接合領域には、複数の凸部121bが面状に配置されている。ここで、端子表面121aのバスバー200との接合領域とは、端子表面121aのうちのバスバー200との接合対象となる領域であり、本実施の形態では、端子表面121aの全面である。つまり、当該複数の凸部121bは、端子本体121の端子表面121aの全面に配置されている。具体的には、当該複数の凸部121bは、端子表面121aにおいてX軸方向及びY軸方向に略等間隔で配列されており、これにより、端子表面121aの全面に亘って凹凸が広がる形状となっている。つまり、端子表面121aには、蓄電素子100の他の面(例えば容器110の外面)よりも粗い凹凸が形成されている。
また、上記の接合領域は、蓄電素子100の電気特性を検査する際に、後述のプローブ21(図4参照)が接触する領域でもある。つまり、端子表面121aのうちのプローブ21が接触する領域において、複数の凸部121bが面状に配置されている。
なお、接合領域の全面がバスバー200と接合される必要はなく、また、接合領域は、端子表面121aの全面ではなく一部の面であってもよい。また、当該複数の凸部121bは、接合領域の全面ではなく一部の面に配置されていてもよい。言い換えれば、当該複数の凸部121bは、端子表面121aの全面ではなく一部の面に配置されていてもよい。つまり、端子表面121aにおいて、実際にバスバー200との接合が行われる箇所と、凸部121bが配置されている箇所とは、一致しない場合もある。例えば、接合領域内の凸部121bが配置されている箇所で、必ずしもバスバー200との接合が行われなくてもよく、また、接合領域内のバスバー200との接合が行われた箇所に、必ずしも凸部121bが配置されていなくてもよい。同様に、凸部121bが配置されている箇所の中には、プローブ21が接触しない箇所があってもよく、また、接合領域内のプローブ21が接触する領域の全てに、凸部121bが配置されていなくてもよい。
ここで、端子表面121aに設けられた複数の凸部121bのそれぞれは、突出高さが0.05mm以上であるのが好ましく、0.1mm以上であるのがより好ましく、0.2mm以上であるのがさらに好ましい。また、当該複数の凸部121bのそれぞれは、突出高さが1mm以下であるのが好ましく、0.5mm以下であるのがより好ましく、0.3mm以下であるのがさらに好ましい。凸部121bの突出高さが小さ過ぎたり大き過ぎたりすると、凸部121bによる効果を十分に発揮することができないためである。
また、当該複数の凸部121bのそれぞれは、先端部分が曲面形状を有している。つまり、凸部121bは、先端部分の断面形状における外縁が、曲線で形成されている。具体的には、凸部121bは、先端部分が、Z軸方向プラス側に向かうほど断面積が小さくなる形状を有している。このように、端子表面121aは、先端部分が先細り(錐体状)の複数の凸部121bが形成された剣山のような形状を有している。なお、凸部121bの先端部分の形状は、上述のような錐体状であるのが好ましいが、例えば柱体状等であってもかまわない。
[2.2 負極端子130の構成の説明]
次に、負極端子130の構成について、詳細に説明する。図3に示すように、負極端子130は、端子本体131と、軸部132とを有している。端子本体131は、負極端子130の本体部であり、XY平面に平行な矩形状かつ平板状の部材である。軸部132は、端子本体131の略中央位置からZ軸方向マイナス側に延設された円柱状の部材であり、蓋体112の貫通孔116と負極集電体160の貫通孔161とに挿入されて、蓋体112と負極集電体160とを貫通する。そして、軸部132のZ軸方向マイナス側の端部がかしめられることにより、負極端子130が、負極集電体160とともに蓋体112に固定される。
ここで、端子本体131と軸部132とは、別体で構成されている。つまり、別体の端子本体131と軸部132とが圧入やかしめ等で接合されることにより、負極端子130が形成されている。このため、負極端子130の表面(Z軸方向プラス側の面、後述の表面130a)からは、軸部132の表面(Z軸方向プラス側の面、後述の軸部表面132a)が露出している。なお、負極端子130の材質は限定されないが、例えば、軸部122は、電極体140の負極基材層と同様、銅または銅合金などの金属で形成され、端子本体131は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属で形成されている。
また、図2の(c)に示すように、負極端子130の端子本体131は、容器110とは反対側(Z軸方向プラス側)の面である端子表面131aを有している。また、軸部132は、容器110とは反対側(Z軸方向プラス側)の面である軸部表面132aを有している。つまり、負極端子130は、Z軸方向プラス側に、端子表面131a及び軸部表面132aからなる表面130aを有しており、この表面130aが、正極端子120の端子本体121の端子表面121aに対応している。
ここで、端子表面131aは、端子表面121aと同様に、バスバー200と接合される面であり、端子表面131aのバスバー200との接合領域には、複数の凸部131bが面状に配置されている。この接合領域は、正極側の端子表面121aの接合領域と同様に、端子表面131aのうちのバスバー200との接合対象となる領域であり、本実施の形態では、端子表面131aの全面である。つまり、当該複数の凸部131bは、端子本体131の端子表面131aの全面に配置されている。ただし、負極端子130においては、正極端子120とは異なり、軸部表面132aが端子表面131aから露出しているため、接合領域は、表面130aのうちの軸部表面132a以外の環状の領域(中空の領域、図2のドットで表示した部分)となる。このため、凸部131bも、表面130aのうちの軸部表面132a以外の当該環状の領域に形成されている。つまり、凸部131bは、端子表面131aの全面に形成され、かつ、軸部表面132aには形成されていない。
また、当該接合領域は、蓄電素子100の電気特性を検査する際に、後述のプローブ22(図4参照)が接触する領域でもある。つまり、端子表面131aのうちのプローブ22が接触する領域において、複数の凸部131bが面状に配置されている。なお、接合領域と、バスバー200が実際に接合される箇所と、凸部131bが配置される箇所と、プローブ22が接触する箇所との関係については、上述の正極側と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、凸部131bの突出高さ及び先端部分の形状についても、凸部121bの場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[3 蓄電装置10の製造方法の説明]
次に、蓄電装置10の製造方法について、詳細に説明する。図4は、本実施の形態に係る蓄電装置10の製造方法のうちの蓄電素子100の検査方法における検査工程を説明する図である。具体的には、図4の(a)~(c)は、図2の(a)~(c)に対応しており、図2の(a)~(c)の蓄電素子100の正極端子120及び負極端子130に、プローブ21及び22を配置した状態を示している。また、図5は、本実施の形態に係る蓄電装置10の製造方法のうちの蓄電素子100とバスバー200との接合工程を説明する図である。具体的には、図5は、検査工程の後に、蓄電素子100の正極端子120及び負極端子130に、バスバー200を接合した状態を示している。
蓄電装置10の製造方法においては、まず、複数の凸部121b及び131bが面状に形成された正極端子120及び負極端子130を備える蓄電素子100を準備する。具体的には、正極端子120の端子表面121a、及び、負極端子130の端子表面131aにおけるバスバー200との溶接領域に、複数の凸部121b及び131bを面状に形成する。そして、正極端子120及び負極端子130を組み付けて、蓄電素子100を作製する。
次に、蓄電素子100の電気特性を検査する。ここで、蓄電素子100の電気特性の検査とは、例えば、蓄電素子100の容量を確認したり、蓄電素子100の電圧や内部抵抗等を計測したり、電解液の未注液時に絶縁抵抗を計測したりする等、蓄電素子100に関する各種検査を含む。
具体的には、図4に示すように、蓄電素子100の検査方法における検査工程として、複数の凸部が面状に形成された電極端子の端子表面に、プローブを接触させて、蓄電素子100の電気特性を検査する。つまり、複数の凸部121bが面状に形成された正極端子120の端子表面121aにプローブ21を接触させ、かつ、複数の凸部131bが面状に形成された負極端子130の端子表面131aにプローブ22を接触させて、蓄電素子100の電気特性を検査する。
ここで、プローブ21、22は、蓄電素子100の電気特性の検査用のプローブであり、本実施の形態では、端子表面121a、131aとの接触面(先端面、Z軸方向マイナス側の面)が、平坦に形成されている。このため、このプローブ21、22の端子表面121a、131aとの接触面を、平坦面21a、22aと呼ぶ。つまり、上記検査工程では、端子表面121a、131aに、プローブ21、22の平坦面21a、22aを接触させて、蓄電素子100の電気特性を検査する。
また、プローブ21、22は、端子表面121a、131aよりも硬度が高い部材で形成されている。例えば、端子表面121a、131aがアルミニウムで形成されている場合には、プローブ21、22は、アルミニウムよりも硬い材質で形成されている。プローブ21、22は、例えば、鋼(工具鋼)で形成され、より具体的には、炭素工具鋼(SK材)に金メッキが施されたものが用いられる。つまり、上記検査工程では、端子表面121a、131aに、端子表面121a、131aよりも硬度が高いプローブ21、22を接触させて、蓄電素子100の電気特性を検査する。
ここで、図4の(a)及び(c)に示すように、負極端子130においては、軸部表面132aを避けるように、例えば、軸部表面132aよりもX軸方向マイナス側の端子表面131aにプローブ22を接触させる。正極端子120については、端子表面121aのどの位置にプローブ21を接触させてもよいが、負極端子130と位置を対応させて、端子表面121aのX軸方向プラス側の面にプローブ21を接触させる。この際、例えば端子表面121aが少し変形していたり傾いたりしているような場合には、端子表面121aにプローブ21を押し付けて、凸部121bを圧縮する(つぶす)ことで、端子表面121aとプローブ21との接触不良を抑制することができる。なお、プローブ21、22は、端子表面121a、131aの傾きに追従できるように、フレキシブルに可動できる構成を有していてもよい。
そして、上記検査工程の後、図5に示すように、蓄電素子100とバスバー200とを接合する。具体的には、正極端子120の端子表面121aの接合領域、及び、負極端子130の端子表面131aの接合領域に、バスバー200を接合する。さらに具体的には、バスバー200の、端子表面121a及び131aの接合領域に対応する位置に、例えばレーザ光を照射することで、正極端子120及び負極端子130とバスバー200とが接合(レーザ溶接)された接合部400が形成される。接合部400は、正極端子120及び負極端子130のX軸方向プラス側及びマイナス側の部位とバスバー200とが接合された上面視円弧形状の接合部である。なお、接合部400の位置及び形状は、特に限定されない。
これにより、正極端子120及び負極端子130とバスバー200とが、端子表面121a及び131aに形成された凸部121b及び131bの位置で接合(溶接)される。この際、例えば端子表面121aが少し変形していたり傾いたりしているような場合には、端子表面121aにバスバー200を押し付けて、凸部121bを圧縮する(つぶす)ことで、端子表面121aとバスバー200との接合不良(溶接不良)を抑制することができる。
また、溶接時に多少のクリアランスがある方が、当該クリアランスに溶接部が入り込み、溶接部が広がるため、溶接幅が増加すると考えられる。また、溶接によって発生するガスが当該クリアランスから排出されるため、これによっても溶接幅を増加させることができると考えられる。溶接幅が大きいと、溶接強度が高くなるため好ましい。ただし、当該クリアランスが小さ過ぎると、当該クリアランスに溶接部が十分に入り込み難いため溶接幅を増加することができず、当該クリアランスが大きくなり過ぎると、当該クリアランスに入り込む溶接部の量が足りなくなり溶接幅が小さくなってしまう。このため、当該クリアランスが、0.05mm以上かつ0.25mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上かつ0.2mm以下であるのがさらに好ましい。つまり、凸部121b及び131bは、溶接時には、突出高さが、50μm以上かつ250μm以下になっているのが好ましく、100μm以上かつ200μm以下になっているのがさらに好ましい。
また、接合部400においては、溶接によって凸部121b及び131bの形状は変化しているが、接合部400の周囲に凸部121bまたは131bが形成されていることを確認する等により、接合部400の位置に凸部121bまたは131bが形成されていたことを推認することができる。なお、接合領域における接合は、レーザ溶接には限定されず、例えば、抵抗溶接、超音波接合、導電性の接着剤や両面テープ等による接着、熱溶着等による溶着、かしめ等による機械的な接合等、種々の接合手法を適用可能である。
[4 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100の検査方法によれば、検査工程として、複数の凸部121b、131bが面状に形成された電極端子(正極端子120、負極端子130)の端子表面121a、131aに、プローブ21、22を接触させて、蓄電素子100の電気特性を検査する。このように、電極端子の端子表面121a、131aに複数の凸部121b、131bが面状に形成された蓄電素子100を用いて、当該電極端子の端子表面121a、131aにプローブ21、22を接触させることで、プローブ21、22と電極端子との接触不良を抑制することができる。つまり、蓄電素子100の電極端子に凸部121b、131bが設けられているため、同じプローブ21、22を用いて繰り返し検査を行った場合でも、プローブ21、22と電極端子との接触を確保できる状態を保つことができる。例えば、電極端子の端子表面121a、131aが傾いていたりしても、端子表面121a、131aの凸部121b、131bがつぶれたりすることで、電極端子とプローブ21、22との接触を確保することができる。これにより、プローブ21、22と電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子100の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、上記検査工程では、複数の凸部121b、131bが面状に形成された電極端子の端子表面121a、131aに、プローブ21、22の平坦面21a、22aを接触させて、蓄電素子100の電気特性を検査する。このように、プローブ21、22の電極端子との当接面が平坦面であるため、同じプローブ21、22を用いて繰り返し検査を行った場合でも、電極端子の材料がプローブ21、22に付着するのを抑制し、プローブ21、22と電極端子との接触を確保できる状態を保つことができる。これにより、プローブ21、22と電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子100の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、上記検査工程では、複数の凸部121b、131bが面状に形成された電極端子の端子表面121a、131aに、端子表面121a、131aよりも硬度が高いプローブ21、22を接触させて、蓄電素子100の電気特性を検査する。このように、プローブ21、22が電極端子の端子表面121a、131aよりも硬いため、プローブ21、22を端子表面121a、131aに接触させることで、端子表面121a、131aの複数の凸部121b、131bがつぶれ、プローブ21、22と電極端子との接触を確保することができる。これにより、プローブ21、22と電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子100の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100によれば、電極端子(正極端子120、負極端子130)は、容器110とは反対側に端子表面121a、131aを有しており、端子表面121a、131aの他の部材(バスバー200等)との接合領域には、複数の凸部121b、131bが面状に配置されている。ここで、電極端子の端子表面121a、131aにプローブ21、22を接触させて検査を行う場合には、スペース上の問題から、端子表面121a、131aにおける当該接合領域にプローブ21、22を接触させることとなる。このため、端子表面121a、131aの面状に形成された複数の凸部121b、131bにプローブ21、22を接触させることとなり、プローブ21、22と電極端子との接触不良を抑制することができる。また、端子表面121a、131aは、電極端子の容器110とは反対側の面であるため、プローブ21、22を端子表面121a、131aに接触させる際に、容器110が土台となって、電極端子を安定して支持することができ、端子表面121a、131aが撓んだり傾いたりするのを抑制することができる。これにより、プローブ21、22と電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子100の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、電極端子の端子表面121a、131aに他の部材(バスバー200等)を接合する場合においても、複数の凸部121b、131bが面状に配置された接合領域に当該他の部材を接触させることで、電極端子と当該他の部材との接触不良を抑制することができる。例えば、電極端子の端子表面121a、131aが傾いていたりしても、端子表面121a、131aの凸部121b、131bがつぶれたりすることで、電極端子と当該他の部材との接触を確保することができる。また、端子表面121a、131aは、電極端子の容器110とは反対側の面であるため、当該他の部材を端子表面121a、131aに接合する際に、容器110が土台となって、電極端子を安定して支持することができ、端子表面121a、131aが撓んだり傾いたりするのを抑制することができる。これにより、電極端子と当該他の部材とが接合不良を起こすのを抑制することができるため、電極端子と当該他の部材との接合強度を向上させることができる。また、電極端子と当該他の部材とを溶接により接合する場合には、端子表面121a、131aの凸部121b、131bの部分で局所的に急加熱されるため、電極端子と当該他の部材との接合強度をさらに向上させることができる。
また、蓄電素子100において、電極端子の端子表面121a、131aに配置された複数の凸部121b、131bのそれぞれは、突出高さが0.1mm以上であるのが好ましい。このように、凸部121b、131bが0.1mm以上の高さを有することで、電極端子の端子表面121a、131aにプローブ21、22を接触させて検査を行う際に、凸部121b、131bがつぶれてプローブ21、22と電極端子とを接触しやすくすることができる。これにより、プローブ21、22と電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子100の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、電極端子の端子表面121a、131aの凸部121b、131bが0.1mm以上の高さを有することで、凸部121b、131bがつぶれて電極端子と他の部材(バスバー200等)とを接触しやすくすることができる。これにより、電極端子と当該他の部材とが接合不良を起こすのを抑制することができるため、電極端子と当該他の部材との接合強度を向上させることができる。
また、蓄電素子100において、電極端子の端子表面121a、131aに配置された複数の凸部121b、131bのそれぞれは、先端部分が曲面形状を有している。このように、凸部121b、131bの先端部分が曲面形状を有している(尖っていない)ことで、電極端子の端子表面121a、131aにプローブ21、22を接触させて検査を行う際に、電極端子の凸部121b、131bの先端の部材がプローブ21、22に付着するのを抑制することができる。これにより、プローブ21、22と電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子100の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、電極端子の端子表面121a、131aの凸部121b、131bの先端部分が曲面形状を有している(尖っていない)ことで、電極端子と他の部材(バスバー200等)との接触面積をある程度確保することができる。これにより、電極端子と当該他の部材とが接合不良を起こすのを抑制することができるため、電極端子と当該他の部材との接合強度を向上させることができる。
また、蓄電素子100において、複数の凸部121b、131bは、電極端子の端子本体121、131の端子表面121a、131aの全面に配置されている。このように、凸部121b、131bを端子表面121a、131aの全面に配置することで、凸部121b、131bの形成位置を位置決めする必要がないため、端子表面121a、131aに容易に凸部121b、131bを形成することができる。また、プローブ21、22を端子表面121a、131aのどこに配置してもよいため、プローブ21、22を容易に位置決めして検査を行うことができる。これにより、プローブ21、22と電極端子とが接触不良を起こすのを抑制して蓄電素子100の電気特性を検査することができるため、電気特性の検査精度が低下するのを抑制することができる。
また、凸部121b、131bを端子表面121a、131aの全面に配置することで、端子表面121a、131aに他の部材(バスバー200等)を接合する際に、端子表面121a、131aへの当該他の部材の位置決め精度を高くする必要がない。これにより、電極端子と当該他の部材とが接合不良を起こすのを抑制することができるため、電極端子と当該他の部材との接合強度を向上させることができる。
[5 変形例の説明]
以上、本発明の実施の形態に係る蓄電装置及び蓄電素子、並びに、その製造方法及び検査方法について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態では、プローブ21、22は、先端面として平坦面21a、22aを有していることとした。しかし、プローブ21、22は、曲面形状や凹凸が形成された先端面を有していることにしてもよい。
また、上記実施の形態では、プローブ21、22は、端子表面121a、131aよりも硬度が高い部材で形成されていることとした。しかし、プローブ21、22は、端子表面121a、131aと同等、または、端子表面121a、131aよりも少し硬度が低い部材で形成されていることにしてもよい。この場合でも、プローブ21、22を、端子表面121a、131aに面状に形成された複数の凸部121b、131bに接触させることで、プローブ21、22と電極端子との接触不良を抑制する効果を多少は発揮することができる。
また、上記実施の形態では、検査工程に用いられる蓄電素子100は、容器110とは反対側の面に、端子表面121a、131aを有していることとした。しかし、当該蓄電素子100の端子表面121a、131aは、容器110とは反対側の面ではなく、例えば、当該反対側の面に隣接する面に配置されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態では、検査工程において、端子表面121a、131aの他の部材との接合領域内の凸部121b、131bに、プローブ21、22が接触することとした。しかし、端子表面121a、131aの当該接合領域以外に凸部121b、131bが設けられており、この凸部121b、131bに、プローブ21、22が接触することにしてもよい。
また、上記実施の形態では、端子表面121a、131aと接合される他の部材は、バスバー200であることとした。しかし、当該他の部材は、例えば、蓄電素子100の電極端子と蓄電装置10の外部接続端子とを繋ぐバスバーであることにしてもよいし、その他、端子表面121a、131aと接合される部材であれば、どのような部材であってもよい。
また、上記実施の形態では、凸部121b、131bは、端子本体121、131に一体に形成されていることとした。しかし、凸部121b、131bは、端子本体121、131とは別体に構成されて、端子本体121、131に接合されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態では、負極端子130において、軸部表面132aには凸部は形成されていないこととした。しかし、軸部表面132aにも凸部が形成されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態では、全ての蓄電素子100が上記の構成を有していることとしたが、いずれかの蓄電素子100が上記の構成を有していないことにしてもよい。また、蓄電素子100において、正極側及び負極側の双方が上記の構成を有していることとしたが、正極側及び負極側のいずれか一方しか上記の構成を有していないことにしてもよい。
また、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
また、本発明は、このような蓄電素子100として実現することができるだけでなく、蓄電素子100が備える電極端子(正極端子120、負極端子130)としても実現することができる。
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子の検査方法等に適用できる。
10 蓄電装置
21、22 プローブ
21a、22a 平坦面
100 蓄電素子
110 容器
111 容器本体
112 蓋体
113 ガス排出弁
114 注液部
115、116、151、161 貫通孔
120 正極端子
121、131 端子本体
121a、131a 端子表面
121b、131b 凸部
122、132 軸部
130 負極端子
130a 表面
132a 軸部表面
140 電極体
141、142 端部
150 正極集電体
160 負極集電体
200 バスバー
300 外装体
400 接合部

Claims (6)

  1. 電極端子を備える蓄電素子の検査方法であって、
    複数の凸部が面状に形成された前記電極端子の端子表面に、プローブを接触させて、前記蓄電素子の電気特性を検査する検査工程を含み、
    前記検査工程では、前記端子表面に、前記プローブの平坦面を接触させて、前記蓄電素子の電気特性を検査する
    蓄電素子の検査方法。
  2. 前記検査工程では、前記端子表面に、前記端子表面よりも硬度が高い前記プローブを接触させて、前記蓄電素子の電気特性を検査する
    請求項1に記載の蓄電素子の検査方法。
  3. 容器と電極端子とを備える蓄電素子であって、
    前記電極端子は、前記容器とは反対側の面であって他の部材と接合される端子表面を有し、
    前記端子表面の前記他の部材との接合領域には、複数の凸部が面状に配置され
    前記電極端子は、前記端子表面を有する端子本体と、前記蓄電素子の容器を貫通する軸部とを有し、
    前記複数の凸部は、前記端子本体の端子表面の全面に配置されている
    蓄電素子。
  4. 容器と電極端子とを備える蓄電素子であって、
    前記電極端子は、前記容器とは反対側の面である端子表面を有し、
    前記端子表面には、複数の凸部が面状に配置され
    前記複数の凸部のそれぞれは、突出高さが0.05mm以上である
    蓄電素子。
  5. 前記複数の凸部のそれぞれは、突出高さが0.1mm以上である
    請求項3または4に記載の蓄電素子。
  6. 前記複数の凸部のそれぞれは、先端部分が曲面形状を有している
    請求項3~5のいずれか1項に記載の蓄電素子。
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