JP7150178B2 - 気中回路遮断器 - Google Patents
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Description
本願は、気中回路遮断器に関するものである。
気中回路遮断器は、電気系統の保護遮断器などとして使用される。気中回路遮断器は、固定接触子を有する固定子と、固定接触子に接離可能に配置された可動接触子を有する可動子と、固定子と可動子の上方に配置され、固定接触子と可動接触子の開極により発生するアークを分断して消弧する消弧室と、アークを消弧室まで誘導する一対の固定側および可動側アークランナと、固定子、可動子、固定側アークランナ、および可動側アークランナを支持し絶縁物で形成されたモールドフレームとを備える。事故電流発生時、可動子が駆動することで回路が切り離され、その際に開極した固定接触子と可動接触子との間でアークが発生する。アークは固定子と可動子のそれぞれの上部に配置された固定側アークランナおよび可動側アークランナへと移行し、その後固定側および可動側アークランナ上を駆動する。駆動したアークは消弧室に進入し、消弧室において電源電圧以上のアーク電圧が発生することで限流遮断が行われ、アークは消弧される。
非常に高温なアークは、導電性の高いホットガスを発生させる。アークが消弧されるまでの間にホットガスが固定接触子と可動接触子との間に逆流すると、固定接触子と可動接触子との間の導電率が高くなりアークが再び発弧する再点弧を引き起こしてしまう。再点弧すると電源電圧以上に高められたアーク電圧が100V付近まで急落するため、限流が中断され遮断性能が低下する。また、接触子間でアークが短絡し続けて、遮断失敗に至るおそれがある。特に遮断電流が大きくなるとホットガスの発生量が増大するため、再点弧の発生確率は上昇する。このように、ホットガスの逆流により、遮断性能が低下して遮断時間が増加するという課題および遮断の失敗につながるという課題が生じていた。
これらの課題を解決するために、消弧室の内部のアーク流路断面積を排気口に向かうほど大きくする構成が開示されている(例えば特許文献1参照)。この構成によれば、ホットガスは消弧室の上部に流れやすくなるため、ホットガスの排気性能を向上させることができる。排気性能の向上により、固定接触子と可動接触子との間での再点弧は抑制され、高い遮断性能を得ることができる。
上記特許文献1においては、ホットガスが消弧室の上部へ流れやすくなるため、消弧室内におけるホットガスの排気性能は向上する。しかしながら、アークランナの先端位置までアークが駆動した後、消弧室でアークの消弧が完了するまでの間はアークランナの先端位置でアークを留めておく必要があるため、留めている間に生じたホットガスがアークランナの先端位置から固定接触子と可動接触子との間に向かうホットガスの逆流が生じていた。これを防ぐためには絶縁距離を長くして各接触子とアークランナの先端位置を十分に離す必要があり、アークランナおよびアークランナの上部に配置される消弧室、ひいては気中回路遮断器が大型化するという課題があった。
本願は前記のような課題を解決するためになされたものであり、気中回路遮断器を大型化することなく、ホットガスの逆流を抑制した気中回路遮断器を得ることを目的としている。
本願に開示される気中回路遮断器は、固定接触子を有する固定子と、固定接触子に接離可能に配置された可動接触子を有する可動子と、固定子と可動子との上方に固定子と可動子とから離間して配置され、固定接触子と可動接触子の開極により発生するアークを分断して消弧する消弧室と、固定子と消弧室との間の固定子の側から、端部が可動子とは反対の方向に伸長されて、アークを消弧室まで誘導する固定側アークランナと、可動子と消弧室との間の可動子の側から、端部が固定子とは反対の方向に伸長されて、アークを消弧室まで誘導する可動側アークランナと、消弧室の下部で固定子および可動子を取り囲み、固定子、可動子、固定側アークランナ、および可動側アークランナを支持するモールドフレームとを備え、モールドフレームは、モールドフレームの側面に設けられた開口と、固定側アークランナの端部に対向してモールドフレームに設けられた固定側排気口とを連通させ、固定子および可動子を取り囲む壁の一部である固定側遮蔽壁で固定子の側と仕切られた固定側排気通路と、モールドフレームの側面に設けられた開口と、可動側アークランナの端部に対向してモールドフレームに設けられた可動側排気口とを連通させ、固定子および可動子を取り囲む壁の一部である可動側遮蔽壁で可動子の側と仕切られた可動側排気通路とを備えたものである。
本願に開示される気中回路遮断器によれば、気中回路遮断器を大型化することなく、ホットガスの逆流が抑制される。
以下、本願の実施の形態による気中回路遮断器を図に基づいて説明する。各図において同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は気中回路遮断器100の閉極時の構成概略を示す断面図、図2は気中回路遮断器100の開極時の構成概略とアークの動きを示す断面図、図3は気中回路遮断器100の一部の構成概略を示す斜視図、図4は気中回路遮断器100の一部の構成概略を示す斜視断面図、図5は気中回路遮断器100のモールドフレーム15の構成概略を示す斜視図である。図3、図4は気中回路遮断器100が上部に備える消弧室14を省略して示した図である。気中回路遮断器100は、電気系統の保護遮断器などとして使用され、電流通電時に事故電流が流れた際、電流の遮断を行うものである。以下、気中回路遮断器100の構成について説明する。
図1は気中回路遮断器100の閉極時の構成概略を示す断面図、図2は気中回路遮断器100の開極時の構成概略とアークの動きを示す断面図、図3は気中回路遮断器100の一部の構成概略を示す斜視図、図4は気中回路遮断器100の一部の構成概略を示す斜視断面図、図5は気中回路遮断器100のモールドフレーム15の構成概略を示す斜視図である。図3、図4は気中回路遮断器100が上部に備える消弧室14を省略して示した図である。気中回路遮断器100は、電気系統の保護遮断器などとして使用され、電流通電時に事故電流が流れた際、電流の遮断を行うものである。以下、気中回路遮断器100の構成について説明する。
気中回路遮断器100は、固定接触子1を有する固定子2と、固定接触子1に接離可能に配置された可動接触子3を有する可動子4と、固定子2と可動子4との上方に固定子2と可動子4とから離間して配置され、固定接触子1と可動接触子3の開極により発生するアーク16を分断して消弧する消弧室14と、固定子2と消弧室14との間の固定子2の側から、端部が可動子4とは反対の方向に伸長されて、アーク16を消弧室14まで誘導する固定側アークランナ10と、可動子4と消弧室14との間の可動子4の側から、端部が固定子2とは反対の方向に伸長されて、アーク16を消弧室14まで誘導する可動側アークランナ11と、固定子2、可動子4、固定側アークランナ10、および可動側アークランナ11を支持するモールドフレーム15とを備える。また、モールドフレーム15は可動子4に連結された投入アクチュエータ5、固定子2に接続された上部導体6、可動子4に接続された下部導体7、下部導体7に配置された検出器8、および検出器8に連結されたラッチ9を備える。消弧室14の内部には、薄板状の磁性体で形成されたグリッド12とグリッド12を支持して絶縁する絶縁プレート13とが積層されている。積層されたグリッド12と絶縁プレート13は、固定側アークランナ10と可動側アークランナ11のそれぞれの上部に配置されている。モールドフレーム15は、例えばガラス繊維で補強された不飽和ポリエステル樹脂であるFRP(Fiber Reinforced Plastics、繊維強化プラスチック)で形成され、消弧室14の下部で固定子2および可動子4を取り囲み、接触子配置空間18を内部に備える。
可動子4は投入アクチュエータ5の動作に連動して図1の横方向に可動する。可動子4とともに移動した可動接触子3と固定接触子1とが接触して閉極され、上部導体6と下部導体7とは通電される。電流通電時に事故電流が流れると、検出器8が事故電流を検知して動作し、可動子4を保持していたラッチ9が解除される。ラッチ9の解除により、固定接触子1と可動接触子3とが解離して、開極される。電流通電時に開極されると、固定接触子1と可動接触子3との間で非常に高温なアーク16が発生する。発生したアーク16を、図2において、発弧したアーク16aとして示す。アーク16には、気中回路遮断器100と接続された回路(図示せず)の電源電圧に対して逆電圧であるアーク電圧が生じている。
アーク16は、導電性の高いホットガス17を発生させ、ホットガス17はアーク16の周囲に拡散し、消弧室14の方へも流れる。ホットガス17の流れの例を、図2において、破線矢印にて示す。その後アーク16は、固定側アークランナ10と可動側アークランナ11に飛び移り、転流したアーク16bとなる。転流したアーク16bは、固定側アークランナ10と可動側アークランナ11に流れる電流に起因した電磁力およびホットガス17の流れにより、固定側アークランナ10および可動側アークランナ11の上を消弧室14の方向に走行して駆動するアーク16cとなる。消弧室14へ誘導されたアーク16は、グリッド12の偏倚磁束により電磁力が発生するため、グリッド12の方向へと移動する。上方のグリッド12に向かって移動したアーク16は、左右に分けて設けられたグリッド12によって分断され、分断されたアーク16dとなる。分断状態を維持したアーク16のアーク電圧は上昇し、回路の電源電圧以上となることで限流遮断が行われ、アーク16は消弧される。
本願の要部である排気通路と遮蔽壁について説明する。モールドフレーム15は、図5に示すように、ホットガス17を側面15aおよび側面15bからモールドフレーム15の外部へと排気する排気通路として、固定側排気通路21と可動側排気通路22とを備える。また、モールドフレーム15は、固定側排気通路21および可動側排気通路22から接触子配置空間18の方向へのホットガス17の逆流を抑制する遮蔽壁として、固定側遮蔽壁23と可動側遮蔽壁24とを備える。
排気通路と遮蔽壁の配置について説明する。モールドフレーム15は、図3に示すように、固定側アークランナ10の端部に対向して設けられた固定側排気口19と、可動側アークランナ11の端部に対向して設けられた可動側排気口20とを備える。固定側アークランナ10の先端側面10aに挟まれた箇所が固定側アークランナ10の幅となり、可動側アークランナ11の先端側面11aに挟まれた箇所が可動側アークランナ11の幅となる。固定側アークランナ10の幅の方向に開口する固定側排気口19の幅は、固定側アークランナ10の幅よりも大きい。同様に、可動側アークランナ11の幅の方向に開口する可動側排気口20の幅は、可動側アークランナ11の幅よりも大きい。分断されたアーク16dから発生するホットガス17を効率よくこれらの排気口を介して外部へ排気するために、各アークランナの幅よりも各排気口の幅を大きくしている。固定側排気通路21は、図5に示すように、モールドフレーム15の側面15a、15bに設けられた2つの開口15gと固定側排気口19とを連通させ、固定子2および可動子4を取り囲む壁の一部である固定側遮蔽壁23で固定子2の側とを仕切って設けられる。固定側排気通路21は、固定接触子1と可動接触子3の接離する方向に平行なモールドフレーム15の両側面(側面15aと側面15b)を貫通する。可動側排気通路22は、図5に示すように、モールドフレーム15の側面15a、15bに設けられた2つの開口15gと可動側排気口20とを連通させ、固定子2および可動子4を取り囲む壁の一部である可動側遮蔽壁24で可動子4の側とを仕切って設けられる。可動側排気通路22は、固定接触子1と可動接触子3の接離する方向に平行なモールドフレーム15の両側面(側面15aと側面15b)を貫通する。
ホットガス17の流れについて説明する。図6は気中回路遮断器100のホットガス17の流れを示す断面図、図7は図6の一点鎖線A-Aにおける断面図である。図6はアーク16を分断されたアーク16dの位置に留めている際のホットガス17の流れを示す図で、消弧室14を除いた気中回路遮断器100の断面を示している。図6において、固定側排気通路21および可動側排気通路22の内部のホットガス17の流れを破線矢印17aで示し、他のホットガス17の流れを実線矢印17bで示す。また、比較例として固定側排気口19および可動側排気口20がない場合に生じていたホットガス17の流れを、破線矢印17cで示す。ホットガス17は、分断されたアーク16dから生じて、周囲に拡散する。固定側排気口19および可動側排気口20がない場合、ホットガス17は固定側排気通路21および可動側排気通路22へ侵入できないため、実線矢印17bおよび破線矢印17cで周囲に拡散し多量のホットガス17が接触子配置空間18へと向かうため、一部のホットガス17は固定接触子1と可動接触子3との間に逆流していた。
分断されたアーク16dから固定側アークランナ10の先端側面10aの方向に生じたホットガス17は、固定側排気口19から固定側排気通路21に入り、破線矢印17aで示すようにモールドフレーム15の側面15aおよび側面15bから排気される。同様に、分断されたアーク16dから可動側アークランナ11の先端側面11aの方向に生じたホットガス17は、可動側排気口20から可動側排気通路22に入り、モールドフレーム15の側面15aおよび側面15bから排気される。図7に示すように、固定側遮蔽壁23と可動側遮蔽壁24を備えたため、固定側排気通路21および可動側排気通路22に入ったホットガス17の固定接触子1と可動接触子3との間への逆流は防止される。
なお、側面15aと側面15bを貫通して固定側排気通路21および可動側排気通路22を設けたがこれに限るものではなく、図8、図9に示すように、例えば固定側排気通路21および可動側排気通路22の外部に通じる開口15gを側面15cと側面15dに設けても構わない。気中回路遮断器100を設置する箇所の外部の環境に応じてホットガス17を排出する箇所が制限されることもあるため、ホットガス17を排出する箇所はモールドフレーム15の側面に任意に定めて構わない。また、本実施の形態では2つの開口15gを設けて固定側排気口19もしくは可動側排気口20と連通させているがこれに限るものではなく、開口15gは1つ以上であればいくつでも構わない。
以上のように、この気中回路遮断器100は固定側アークランナ10の端部に対向してモールドフレーム15に設けられた固定側排気口19と連通し、モールドフレーム15の側面15a、15bを貫通した固定側排気通路21と、可動側アークランナ11の端部に対向してモールドフレーム15に設けられた可動側排気口20と連通し、モールドフレーム15の側面15a、15bを貫通した可動側排気通路22とを備え、ホットガス17をモールドフレーム15の外部へ排出するため、気中回路遮断器100を大型化することなく、ホットガス17の固定接触子1と可動接触子3との間への逆流を抑制することができる。また、固定側排気通路21の固定子2の側を仕切る固定側遮蔽壁23と、可動側排気通路22の可動子4の側を仕切る可動側遮蔽壁24とを備えたため、固定側排気通路21および可動側排気通路22に入ったホットガス17の固定接触子1と可動接触子3との間への逆流を防止することができる。また、ホットガス17の逆流を抑制することができるため、高い遮断性能を得ることができる。また、固定側排気通路21および可動側排気通路22を固定接触子1と可動接触子3の接離する方向に平行なモールドフレーム15の両側面を貫通して側面15aおよび側面15bに垂直に設けた場合、モールドフレーム15をモールド成形して作製する際に簡易な金型のみで作製することができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る気中回路遮断器100について説明する。図10は気中回路遮断器100の一部の構成概略を示す斜視図、図11は気中回路遮断器100のモールドフレーム15の構成概略を示す斜視図である。実施の形態2に係る気中回路遮断器100は、固定側遮蔽壁23と可動側遮蔽壁24が実施の形態1とは異なる構成になっている。
実施の形態2に係る気中回路遮断器100について説明する。図10は気中回路遮断器100の一部の構成概略を示す斜視図、図11は気中回路遮断器100のモールドフレーム15の構成概略を示す斜視図である。実施の形態2に係る気中回路遮断器100は、固定側遮蔽壁23と可動側遮蔽壁24が実施の形態1とは異なる構成になっている。
固定側遮蔽壁23は固定子2の側から固定側アークランナ10の端部の方向に傾斜し、可動側遮蔽壁24は可動子4の側から可動側アークランナ11の端部の方向に傾斜し、固定側遮蔽壁23と可動側遮蔽壁24との間隔は消弧室14の方向に広がっている。固定側排気通路21の底面21aと固定側遮蔽壁23との成す角、および可動側排気通路22の底面22aと可動側遮蔽壁24との成す角は、図11に示すように、鋭角に形成されている。固定側排気通路21および可動側排気通路22の外部に通じる開口15gは台形で、実施の形態1と比較して開口15gの面積は拡大しているため、ホットガス17はさらに容易に排出される。図10に示すように、固定側アークランナ10の端部に対向してモールドフレーム15に設けられた固定側排気口19と固定側排気通路21とは連通し、可動側アークランナ11の端部に対向してモールドフレーム15に設けられた可動側排気口20と可動側排気通路22とは連通している。
ホットガス17の流れについて説明する。図12は気中回路遮断器100のホットガス17の流れを示す断面図、図13は図12の一点鎖線B-Bにおける断面図である。図12は転流したアーク16bから生じたホットガス17の流れを示す図で、消弧室14を除いた気中回路遮断器100の断面を示している。また、図においてホットガス17の流れを実線矢印17bで示す。ホットガス17は導電性が非常に高いため、アーク16はホットガス17の流れとともに駆動する傾向がある。ホットガス17が固定接触子1および可動接触子3の近傍から固定側アークランナ10および可動側アークランナ11の端部までスムーズに流れれば、アーク16は再点弧することなく消弧室14の方向へスムーズに駆動される。固定側遮蔽壁23と可動側遮蔽壁24を設置する底面に対して垂直に設けた場合、一部のホットガス17の流れが固定側遮蔽壁23と可動側遮蔽壁24で遮られて、または押し返されて、アークランナへ向かうホットガス17の流れが制限されるおそれがあった。図13に示すように、固定側遮蔽壁23と可動側遮蔽壁24は消弧室14の方向に広がるように傾斜しているため、ホットガス17の流れは固定側遮蔽壁23または可動側遮蔽壁24により制限されない。図12に示すように、ホットガス17は実線矢印17bに沿って固定側アークランナ10および可動側アークランナ11の端部へと流れるため、アーク16の再点弧は抑制され、アーク16は消弧室14の方向へスムーズに駆動される。
以上のように、固定側遮蔽壁23は固定子2の側から固定側アークランナ10の端部の方向に傾斜し、可動側遮蔽壁24は可動子4の側から可動側アークランナ11の端部の方向に傾斜しているため、ホットガス17は固定接触子1および可動接触子3の近傍から固定側アークランナ10および可動側アークランナ11の端部までスムーズに流れるので、アーク16の再点弧は抑制され、アーク16を消弧室14の方向へスムーズに駆動することができる。また、ホットガス17の固定接触子1と可動接触子3との間への逆流を抑制することができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係る気中回路遮断器100について説明する。図14は気中回路遮断器100の一部の構成概略を示す斜視図、図15は気中回路遮断器100の一部の構成概略を示す斜視断面図である。実施の形態3に係る気中回路遮断器100は、実施の形態2の構成に加えて固定側ホットガス排気通路25と可動側ホットガス排気通路26とを設けた構成になっている。
実施の形態3に係る気中回路遮断器100について説明する。図14は気中回路遮断器100の一部の構成概略を示す斜視図、図15は気中回路遮断器100の一部の構成概略を示す斜視断面図である。実施の形態3に係る気中回路遮断器100は、実施の形態2の構成に加えて固定側ホットガス排気通路25と可動側ホットガス排気通路26とを設けた構成になっている。
気中回路遮断器100は、固定側遮蔽壁23の固定子2の側に形成された面に沿って、モールドフレーム15の対向するそれぞれの側面15aおよび側面15bまで貫通した固定側ホットガス排気通路25と、可動側遮蔽壁24の可動子4の側に形成された面に沿って、モールドフレーム15の対向するそれぞれの側面15aおよび側面15bまで貫通した可動側ホットガス排気通路26とを備える。
ホットガス17の流れについて説明する。図16は気中回路遮断器100のホットガス17の流れを示す断面図で、消弧室14を除いた気中回路遮断器100の断面を示している。図16には転流したアーク16bから生じたホットガス17の流れを示しており、固定側ホットガス排気通路25および可動側ホットガス排気通路26の内部のホットガス17の流れを破線矢印17a、他のホットガス17の流れを実線矢印17bで示す。固定接触子1と可動接触子3の開極時に大電流のアークが発生した場合、ホットガス17が大量に発生し、接触子配置空間18はホットガス17で充満される。ホットガス17が接触子配置空間18に滞留すると、接触子配置空間18内は導電率の高い状態が維持される。そのためアーク16は消弧室14の方向へスムーズに駆動できず、遮断が失敗するおそれがあった。図16に示すように、接触子配置空間18からモールドフレーム15の外部へと通じる固定側ホットガス排気通路25と可動側ホットガス排気通路26とを設けたため、ホットガス17は接触子配置空間18に滞留することなく、モールドフレーム15の外部へと排出される。また、ホットガス17は固定側アークランナ10および可動側アークランナ11の端部へと流れるため、アーク16の接触子配置空間18における停滞は抑制され、高い遮断性能が得られる。
なお、実施の形態2の構成に加えて固定側ホットガス排気通路25と可動側ホットガス排気通路26とを設けた構成を示したがこれに限るものではなく、図17に示すように、実施の形態1の構成に加えて固定側ホットガス排気通路25と可動側ホットガス排気通路26とを設けても構わない。固定側ホットガス排気通路25と可動側ホットガス排気通路26とを設けることで、ホットガス17は固定側ホットガス排気通路25と可動側ホットガス排気通路26とから排出されるため、垂直に配置された固定側遮蔽壁23と可動側遮蔽壁24によるホットガス17の流れの制限は抑制される。
以上のように、この気中回路遮断器100はモールドフレーム15の対向するそれぞれの側面15aおよび側面15bまで貫通した固定側ホットガス排気通路25と可動側ホットガス排気通路26とを備えたため、ホットガス17は接触子配置空間18に滞留することがなく、アーク16の接触子配置空間18における停滞は抑制され、高い遮断性能を得ることができる。また、ホットガス17の固定接触子1と可動接触子3との間への逆流を抑制することができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る気中回路遮断器100について説明する。図18は気中回路遮断器100のモールドフレーム15の分割された構成概略を示す斜視図である。実施の形態4に係る気中回路遮断器100は、モールドフレーム15が2つに分割される構成になっている。
実施の形態4に係る気中回路遮断器100について説明する。図18は気中回路遮断器100のモールドフレーム15の分割された構成概略を示す斜視図である。実施の形態4に係る気中回路遮断器100は、モールドフレーム15が2つに分割される構成になっている。
モールドフレーム15は、第1のフレーム15eと第2のフレーム15fとを組み合わせて形成される。モールドフレーム15は、固定接触子1と可動接触子3の接離する方向に平行な面であるモールドフレーム15の中央の面で、第1のフレーム15eと第2のフレーム15fに分割されている。第1のフレーム15eと第2のフレーム15fは、樹脂材料で、それぞれ一体的に形成される。第1のフレーム15eと第2のフレーム15fとは、嵌め合いまたはネジ止め等により組み付けられる。固定子2、固定側アークランナ10などのモールドフレーム15に設けられる気中回路遮断器100の構成部品は、第1のフレーム15eもしくは第2のフレーム15fのいずれか一方のフレームに組み付けられ、その後他方のフレームを構成部品の組み付けられた一方のフレームに組み付けることで、気中回路遮断器100は製造される。このように製造することで、製造に係る作業スペースの有効利用が図れ、組立性が向上する。なお、モールドフレーム15を分割する面は中央に限るものではなく、気中回路遮断器100の構成部品が組み付け可能な範囲であれば中央でなくても構わない。
以上のように、この気中回路遮断器100はモールドフレーム15を第1のフレーム15eと第2のフレーム15fとから形成しているため、モールドフレーム15の部品点数を低減することができる。モールドフレーム15は固定接触子1と可動接触子3の接離する方向に平行な面で分割されており、一方のフレームに構成部品を組み付けて気中回路遮断器100を製造することができるため、製造に係る作業スペースの有効利用が図れ、組立性を向上することができる。
また本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 固定接触子、2 固定子、3 可動接触子、4 可動子、5 投入アクチュエータ、6 上部導体、7 下部導体、8 検出器、9 ラッチ、10 固定側アークランナ、11 可動側アークランナ、12 グリッド、13 絶縁プレート、14 消弧室、15 モールドフレーム、15a 側面、15b 側面、15c 側面、15d 側面、15e 第1のフレーム、15f 第2のフレーム、15g 開口、16 アーク、16a 発弧したアーク、16b 転流したアーク、16c 駆動するアーク、16d 分断されたアーク、17 ホットガス、18 接触子配置空間、19 固定側排気口、20 可動側排気口、21 固定側排気通路、22 可動側排気通路、23 固定側遮蔽壁、24 可動側遮蔽壁、25 固定側ホットガス排気通路、26 可動側ホットガス排気通路、100 気中回路遮断器
Claims (4)
- 固定接触子を有する固定子と、
前記固定接触子に接離可能に配置された可動接触子を有する可動子と、
前記固定子と前記可動子との上方に前記固定子と前記可動子とから離間して配置され、前記固定接触子と前記可動接触子の開極により発生するアークを分断して消弧する消弧室と、
前記固定子と前記消弧室との間の前記固定子の側から、端部が前記可動子とは反対の方向に伸長されて、前記アークを前記消弧室まで誘導する固定側アークランナと、
前記可動子と前記消弧室との間の前記可動子の側から、端部が前記固定子とは反対の方向に伸長されて、前記アークを前記消弧室まで誘導する可動側アークランナと、
前記消弧室の下部で前記固定子および前記可動子を取り囲み、前記固定子、前記可動子、前記固定側アークランナ、および前記可動側アークランナを支持するモールドフレームと、を備え、
前記モールドフレームは、
前記モールドフレームの側面に設けられた開口と、前記固定側アークランナの端部に対向して前記モールドフレームに設けられた固定側排気口とを連通させ、前記固定子および前記可動子を取り囲む壁の一部である固定側遮蔽壁で前記固定子の側と仕切られた固定側排気通路と、
前記モールドフレームの側面に設けられた開口と、前記可動側アークランナの端部に対向して前記モールドフレームに設けられた可動側排気口とを連通させ、前記固定子および前記可動子を取り囲む壁の一部である可動側遮蔽壁で前記可動子の側と仕切られた可動側排気通路と、を備えたことを特徴とする気中回路遮断器。 - 前記固定側遮蔽壁は前記固定子の側から前記固定側アークランナの端部の方向に傾斜し、前記可動側遮蔽壁は前記可動子の側から前記可動側アークランナの端部の方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の気中回路遮断器。
- 前記固定側遮蔽壁の前記固定子の側に形成された面に沿って、前記モールドフレームの対向するそれぞれの側面まで貫通した固定側ホットガス排気通路と、
前記可動側遮蔽壁の前記可動子の側に形成された面に沿って、前記モールドフレームの対向するそれぞれの側面まで貫通した可動側ホットガス排気通路と、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の気中回路遮断器。 - 前記モールドフレームは、前記固定接触子と前記可動接触子の接離する方向に平行な面で分割された第1のフレームと第2のフレームとを組み合わせて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の気中回路遮断器。
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