JP7149148B2 - シートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメント - Google Patents

シートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメント Download PDF

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Description

本発明は、シートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメントに関する。
従来のシートディスペンサーは、ペーパータオル等の衛生薄葉紙が収容され、室内の壁等に設置されて使用される。シートディスペンサーに収容される衛生薄葉紙は、複数枚のシートがディスペンサーの背面側から正面側に向かって積層された状態で、ディスペンサーの正面に設けられた取出口からポップアップ式に引き出される。また、このような衛生薄葉紙には、厚くて硬い1枚の紙で構成されたシングルタイプと、薄くて柔らかい2枚の紙が重ねられたダブルタイプとがある。また、これらの衛生薄葉紙は、用途に応じて寸法が異なるものがある。
例えば、特開平11-76097号公報(特許文献1)には、ハウジングケース部材と、ペーパータオル等を収納する載置部とを備え、載置部にペーパータオルを折り目が上下になるように立て掛けて載置するペーパータオルディスペンサーが開示されている。
特開平11-76097号公報
しかしながら、従来のシートディスペンサーでは、シートが引き出される途中で、ディスペンサー内にシートが詰まったり、数枚のシートがまとめて引き出されたり、シートがディスペンサー内に落ち込むことがある。例えば、ディスペンサー内でシートの残量が少なくなると、積層されたシート(シート積層体)がシートディスペンサーの正面側または背面側に倒れる(または傾く)傾向がある。
シートがシングルタイプの場合は、シート積層体が背面側に倒れると、引き出されるシートが弛んでディスペンサー内に落ち込むことがある(図9参照)。また、シートがダブルタイプの場合は、シート積層体が正面側に倒れると、引き出されるシートが取出口付近でシート積層体によって押し付けられて、ディスペンサー内にシートが詰まったり、複数枚のシートがまとめて引き出されることがある(図10参照)。さらに、シートの寸法が小さい場合は、引き出されるシートが取出口まで届かず、ディスペンサー内に落ち込むことがある(図11参照)。このように、従来のシートディスペンサーは、シートの取出し性に問題がある。
本発明の目的は、シートの取出し性に優れるシートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメントを提供することにある。
本発明に係る第1の態様は、複数枚のシートが折り畳まれてポップアップ式に引き出せるように積層されたシート積層体を収容する本体部と、前記本体部に形成され、前記シートが取り出される取出部とを有するシートディスペンサーであって、前記本体部は、前記シート積層体が載置される底面と、前記底面と上下方向に対向する天面と、前記取出部が形成された正面と、前記正面と前後方向に対向する背面とを有し、前記シート積層体の積層方向が、前記前後方向であり、前記正面側に前記シート積層体を押圧する押圧部材が、前記本体部内に吊り下げられている、シートディスペンサーを提供する。
本明細書において、ポップアップ式に引き出せるとは、シート積層体からシートが1枚ずつ(または1組ずつ)取り出されることを意味する。本体部内に吊り下げられているとは、押圧部材が本体部内の上下方向に重力によって垂れ下がっていることを示す。
シート積層体全体を正面側に押圧するためには、大きな押圧力(押圧する力)が必要である。また、シート積層体の枚数(量)が少なくなると、正面側にシート積層体を押圧する力は小さくてすむ。これに対して、第1の態様では、シート積層体を正面側に押圧する押圧部材が、本体部内に吊り下げられている。そのため、押圧部材が背面側から正面側に向かってシート積層体を押圧する力(以下、押圧力という)が、シートディスペンサーの背面側でより大きくなり、また、シート積層体からシートが引き出されてシートの残量が少なくなるにつれ、押圧部材による押圧力は小さくなっていく。
これにより、第1の態様では、ディスペンサーに収容されたシート積層体が、積層方向に常に(または絶えず)押し付けられるため、ディスペンサー内にシートが落ち込むことを防ぐことができる。また、シート積層体はシートの残量が少なくなるにつれて押圧部材による押圧力が小さくなることで、シート積層体が積層方向に過度に押し付けられないため、ディスペンサー内にシートが詰まったり、シートがまとめて引き出されることを防ぐことができる。
このように、第1の態様によれば、シートの取出し性に優れるシートディスペンサーを提供することができる。また、このようなシートの取出し性に優れるシートディスペンサーを、シートの形態や種類に拘わらず提供することができる。
本発明に係る第2の態様は、前記本体部内の天面寄りに、前記押圧部材を回転可能に支持する支点を有し、前記押圧部材の前記天面側の端部が、前記支点に支持されている、シートディスペンサーを提供する。本明細書において、押圧部材を回転可能に支持するとは、押圧部材が支点を軸心として背面と正面との間で回転運動(または回動)し得ることを示す。
第2の態様では、このように押圧部材が回転可能に支持されるため、押圧部材が正面と背面との間で前後方向に移動し易い。そのため、押圧部材がシート積層体を押さえる方向にスムーズに移動することができ、よりシートの取出し性に優れるシートディスペンサーを提供することができる。また、押圧部材が正面と背面との間で移動し易いことで、ディスペンサーにシート積層体を収納する作業(押圧部材を正面側から背面側に押し出す作業)が容易になる。
本発明に係る第3の態様は、前記支点が、前記前後方向における前記正面寄りに設けられている、シートディスペンサーを提供する。本明細書において、前後方向における正面寄りとは、前後方向において正面との距離が背面との距離より短い位置に支点が配置されていることを示す。
第3の態様では、このように押圧部材の支点が前後方向の正面寄りに設けられているため、吊り下げられた状態で押圧部材を正面に近接させることができる。これにより、シートの残量がわずかになっても、押圧部材が正面の近傍に達してシート積層体を押圧することができる。そのため、第3の態様によれば、さらにシートの取出し性に優れるシートディスペンサーを提供することができる。
本発明に係る第4の態様は、前記押圧部材が、前記正面側に前記シート積層体を押さえる基部と、前記基部と前記支点とを接続する接続部と、前記基部と前記接続部との間に形成され、前記前後方向の前記背面側に向かって凸状に曲がる屈曲部とを有する、シートディスペンサーを提供する。本明細書において、基部と接続部との間に凸状に曲がる屈曲部を有するとは、上下方向における押圧部材の断面形状が凸状に曲がっていることを示す。
第4の態様では、シート積層体を押さえる基部が、接続部を介して支点に接続され、さらに接続部との間が背面側に向かって凸状に曲がっている。そのため、押圧部材の底面側の端部が正面に近づくように、シート積層体を押さえる基部が傾斜しながら、押圧部材が背面側から正面側に移動し得る。これにより、押圧部材によってシート積層体の正面側の端面全体が、取出部が形成された正面に押し付けられずに、シート積層体が押圧部材とともに背面側から正面側に移動するため、ディスペンサー内にシートが詰まるのを確実に防ぐことができる。
本発明に係る第5の態様は、前記押圧部材は、長手方向における前記基部の長さが前記接続部の長さより長い、シートディスペンサーを提供する。本明細書において、長手方向における基部の長さは、押圧部材の底面側の端部から屈曲部までの最短距離であり、長手方向における接続部の長さは、押圧部材の天面側の端部から屈曲部点までの最短距離である。
第5の態様では、このように基部の長さを接続部の長さより長くすることで、シート積層体を押さえる基部の面積が大きくなる。また、ディスペンサー内にシート積層体が収容される空間を大きくすることができる。そのため、シートの寸法が大きなシート積層体が収容された場合でも、シートの取出し性に優れるシートディスペンサーを提供することができる。
本発明に係る第6の態様は、前記押圧部材に重りが設けられている、シートディスペンサーを提供する。第6の態様では、シート積層体を押さえる押圧部材にこのような重りを設けることで、シート積層体に対する押圧部材の押圧力を調整することができる。
本発明に係る第7の態様は、前記押圧部材が前記シート積層体を押圧する押圧力は、前記シート積層体の重量の20%以上である、シートディスペンサーを提供する。第7の態様では、押圧部材が、シート積層体の重量の20%以上の力で正面側にシート積層体を押圧することで、シートがディスペンサー内に落ち込んだり、ディスペンサー内に詰まったり、まとめて引き出されることを、確実に防ぐことができる。
本発明に係る第8の態様は、前記取出部が、前記正面の前記底面寄りに設けられている、シートディスペンサーを提供する。本明細書において、正面の前記底面寄りとは、上下方向における底面との間隔が天面との間隔より短い位置に取出部が配置されていることを示す。
第8の態様では、このように正面の底面寄りに設けられた取出部によって、シートの寸法が小さい場合でも、引き出されるシートが取出部まで届きやすくなり、ディスペンサー内にシートが落ち込むことを防ぐことができる。そのため、シートの寸法が小さなシート積層体が収容された場合でも、シートの取出し性に優れるシートディスペンサーを提供することができる。
本発明に係る第9の態様は、第1乃至第8の態様のシートディスペンサーに着脱可能に取り付けられて、前記押圧部材を構成する、シートディスペンサー用アタッチメントを提供する。第9の態様では、このような押圧部材を構成するシートディスペンサー用アタッチメントを、従来の押圧部材が設けられていないシートディスペンサーに取り付けることで、シートディスペンサーにおけるシートの取出し性を向上させることができる。また、このようなシートの取出し性に優れるシートディスペンサーを、シートの形態や種類に拘わらず提供することができる。
本発明の一態様によれば、シートの取出し性に優れるシートディスペンサー及びシートディスペンサー用アタッチメントを提供することができる。
本発明の実施形態に係るシートディスペンサーを示す図である。 本実施形態に係るシートディスペンサーを側面側から視た断面図である。 本実施形態に係るシートディスペンサーの押圧部材を正面側から視た図である。 図3の押圧部材を背面側から視た図である。 図4のV-V線断面図である。 本実施形態に係るシートディスペンサーの使用状態(シート積層体からシートが引き出される前の状態)を示す図である。 本実施形態に係るシートディスペンサーの使用状態(シートが引き出されてシート積層体の残量が約半分になった状態)を示す図である。 本実施形態に係るシートディスペンサーの使用状態(シートが引き出されてシート積層体の残量がわずかになった状態)を示す図である。 従来のシートディスペンサー(シートがシングルタイプの場合)を示す図である。 従来のシートディスペンサー(シートがダブルタイプの場合)を示す図である。 従来のシートディスペンサー(シートの寸法が小さい場合)を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す説明では、各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするため、各図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係るシートディスペンサーを示す図である。図2は、本実施形態に係るシートディスペンサーを側面側から視た断面図である。なお、図1、図2に示すシートディスペンサーにおいては、側面同士が対向する方向を左右方向(X方向)とし、正面と背面とが対向する方向を前後方向(Y方向)とし、天面と底面とが対向する方向を上下方向(Z方向)とする。
本発明の実施形態に係るシートディスペンサー100は、図1、図2に示すように、複数枚のシートSTが積層されたシート積層体SLを収容する本体部10と、シートSTが取り出される取出部20とを有する(図6~図8参照)。本体部10は、天面11、底面12、正面13、背面14、側面15および側面16を有する直方体形状の箱体である。取出部20は、本体部10に形成されている。
なお、シートディスペンサー100の形状は、直方体形状に限定されず、例えば、立方体形状でもよい。また、シートディスペンサー100の材質は、特に限定されず、例えば、ABS、ポリスチレン、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂、段ボール等の紙、ステンレス等の金属を用いることができる。
本体部10において、天面11は、上下方向(Z方向)の上方に設けられている。底面12は、上下方向(Z方向)の下方に設けられて天面11と上下方向(Z方向)に対向する。正面13は、前後方向(Y方向)の前方に設けられて天面11と底面12に連続する。背面14は、前後方向(Y方向)の後方に設けられて正面13と前後方向(Y方向)に対向し、かつ正面13と底面12に連続する。側面15および側面16は、上下方向(Z方向)と直交しかつ前後方向(Y方向)とも直交する左右方向(X方向)に対向して、天面11、底面12、正面13、および背面14に連続する。
シートディスペンサー100では、本体部10をこのような天面11、底面12、正面13、背面14、側面15、および側面16で構成することにより、本体部10内にシート積層体SLを収容する空間が形成される。また、本体部10内の天面11寄りには、側面15、16間に延びる支持棒30が設けられている。支持棒30は、側面15、16に設けられた係合部40、40にそれぞれ係合されている。なお、支持棒30には、後述する押圧部材50が係止される。
また、取出部20は、本体部10の正面13に形成されている。取出部20は、正面13の底面12寄りに設けられおり、シートSTをシートディスペンサー100(本体部10)内から外側にシートSTを取り出すことができる。ここで、正面13の底面12寄りは、正面13の上下方向(Z方向)の中央より下方側を示す(図1、図2参照)。具体的には、図2に示すように、上下方向(Z方向)における底面12との間隔P1が天面11との間隔P2より短い位置に、取出部20が配置されている。
なお、取出部20の寸法は、取り出されるシートSTの寸法に応じて、任意に定めることができる。例えば、左右方向(X方向)におけるシートSTの幅寸法に対する取出部20の長さの差は、好ましくは0~-40mmであり、より好ましくは0~-30mmである。また、底面12からの距離は、特に限定されないが、取出部20を正面13の底面12寄りに設ける観点から、例えば、取出部20と底面12との間隔が、好ましくは約40~60mm、より好ましくは約45~55mmである。
取出部20の形態は、特に限定されないが、例えば、図1に示すように正面13を貫通する略矩形状の開口で構成することができる。また、取出部20を構成する開口の形状を、取出部20の中央部の幅が両端部の幅に対して大きくなる形状にしてもよい。取出部20の形状をこのような形状にすると、取出部20に手の一部が挿入できるため、シートSTの取出しが容易になる。
また、取出部20の周縁部は、図1、図2に示すように、正面13から本体部10の外側に向かって突出する形状にしてもよい。取出部20の周縁部をこのような形状にすることにより、シートSTが引き出される方向にガイドされるため、シートSTの取出しが容易になる。
また、シートディスペンサー100の形態は、特に限定されないが、本体部10の天面11を蓋体にして天面11から本体部10内にシート積層体SLを収納するもの、本体部10の正面13、背面14、側面15及び側面16の全部または一部が開放する扉を設け、該扉から本体部10内にシート積層体SLを収納するもの等が挙げられる。また、シートディスペンサー100の設置態様は、特に限定されないが、例えば、背面14を介して壁に掛けるもの、底面12を介して台の上に置くもの等が挙げられる。
シートディスペンサー100に収容されるシートSTは、複数枚のシートSTが積層されたシート積層体SLで構成されている(図6参照)。シート積層体SLは、シート積層体SLの積層方向SDが、前後方向(Y方向)になるように、シートディスペンサー100の本体部10に収容される。すなわち、シート積層体SLがシートディスペンサー100の本体部10に収容された状態で、複数枚のシートSTは、シートディスペンサー100の前後方向(Y方向)に積層された状態で配置される。
シート積層体SLは、複数枚のシートSTが折り畳まれてポップアップ式引き出せるように積層されている。なお、ポップアップ式とは、シートが1枚ずつ(または1組ずつ)取り出されることを意味する。シートST(シート積層体SL)の形態は、折り畳まれてポップアップ式に引き出せるように積層されたものであれば、特に限定されないが、1枚(または1組)のシートが相互に折り重ねられて積層されたシート積層体が好ましく、中でもシートを1枚(または1組)引き出すと次の1枚(または1組)のシートが引き出される形態のシート積層体がより好ましい。
シートST(シート積層体SL)の用途は、特に限定されず、ペーパータオル、ワイパー(ウエス)、ティシューペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー等に用いることができる。また、シートST(シート積層体SL)の用途は、産業用、家庭用に限定されない。
シートSTの材質は、特に限定されないが、例えば、紙、不織布または布等のシートを用いることができ、好ましくは紙シートである。なお、シートSTが紙シートの場合、パルプを主原料とする原紙が用いられる。パルプ組成は、紙シートにおける公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。
また、シートST(紙シート)におけるパルプ組成は、例えば、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)やNUKP(針葉樹未晒しパルプ)などの針葉樹パルプと、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)やLUKP(広葉樹未晒しパルプ)などの広葉樹パルプとを任意の比率で使用することができる。特に、広葉樹パルプに対して針葉樹パルプの比率がより多いパルプ組成であることが好ましい。針葉樹パルプと広葉樹パルプの比は、50:50~80:20であるのが好ましい。なお、シートST(紙シート)のパルプ組成に含まれるパルプには、古紙パルプを用いても良い。
シートSTの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は15~80g/m、不織布の場合は20~100g/mのものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124の規定に準拠して測定される。
また、シートST(紙シート)の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートSTを構成する紙シートの紙厚は、1プライあたり、好ましくは50~500μmであり、より好ましくは60~330μm程度である。
なお、紙厚の測定方法は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて2プライの状態で測定する。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、該ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせる。次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしたときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーは載せるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、紙厚は、測定を10回行って得られる平均値とする。
また、シートSTを構成する紙シートには、エンボス加工が施されていても良い。このようなエンボス加工は、公知のピンエンボス付与方法により、図示しないピンを紙シートに刺して、紙シートの一方の面上にピンエンボスを形成するもの、公知のヒートエンボス付与方法により、図示しない水溶性の接着剤(デンプン等)を加熱融解して、積層された紙シートを接着することでヒートエンボスを形成するもの等がある。
シートSTのプライ数は、特に限定されないが、1プライ以上にすることができ、好ましくは1プライ(1枚重ねまたはシングルタイプ)または2プライ(2枚重ねまたはダブルタイプ)である。なお、2プライ(2枚重ね)以上のシートSTにエンボス加工を行う場合は、紙シートを2プライ(2枚重ね)にした状態で上述のピンエンボスまたはヒートエンボスを付与することができる。
本実施形態では、本体部10の正面13側にシート積層体SLを押さえる押圧部材50が、本体部10内に吊り下げられている。具体的には、押圧部材50が本体部10内の上下方向(Z方向)に重力によって垂れ下がっている(図1、図2参照)。
そして、図2に示すように、押圧部材50は、自由に吊り下げられた状態で正面13に近接する。具体的には、押圧部材50が正面13の近傍に位置する。なお、押圧部材50が正面13に近接する態様は、押圧部材50が正面13の近傍に位置する場合に限定されず、押圧部材50が正面13に当接している場合も含まれる。
また、本実施形態では、図2に示すように、本体部10内の天面11寄りに、押圧部材50を回転可能に支持する支点を設け、押圧部材50の天面11側の端部E1を該支点に支持するのが好ましい。具体的には、本体部10内の天面11寄りに形成された上述の支持棒30が該支点を構成し、押圧部材50の天面11側の端部E1が支持棒30に係止され、押圧部材50が、支持棒30を支点として背面14と正面13との間で回転運動することができる(図2参照)。
また、本実施形態では、図2に示すように、支点(支持棒30)が、前後方向(Y方向)における正面13寄りに設けられていることが好ましい。具体的には、押圧部材50を回転可能に支持する支点(支持棒30)は、前後方向(Y方向)において正面13との距離D1が背面14との距離D2より短い位置に配置されている(図2参照)。
以下、押圧部材50の構造について説明する。図3は、本実施形態に係るシートディスペンサーの押圧部材を正面13側から視た図である。図4は、図3の押圧部材を背面14側から視た図である。図5は、図4のV-V線断面図である。
図1~図5に示すように、押圧部材50は、天面11側に端部E1を有し、底面12側に端部E2を有する。端部E1は、図2、図3、図5に示すように係止部(フック)54を構成し、上述の支持棒30(支点)に係止されて、本体部10内の天面11寄りに設けられている。これにより、本実施形態では、支持棒30が、押圧部材50を回転可能に支持する支点を構成する。なお、押圧部材50の支点は、上述の構成に限定されず、例えば、押圧部材50の係止部54が係止される被係止部が、天面11に設けられている構成等でもよい。
また、押圧部材50の材質は、特に限定されず、例えば、ステンレス等の金属、ABS、ポリスチレン、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂、段ボール等の紙を用いることができる。押圧部材50の重さは、特に限定されないが、例えば、100~300gにすることができ、好ましくは130~270g、より好ましくは150~250gである。
本実施形態において、押圧部材50の形態は、特に限定されないが、優れたシートの取出し性を得る観点から、図1~図5に示す構造にするのが好ましい。具体的には、押圧部材50は、本体部10の正面13側にシート積層体SLを押さえる基部51と、基部51と支点(支持棒30)とを接続する接続部52と、基部51と接続部52との間に形成され、前後方向(Y方向)の背面14側に向かって凸状に曲がる屈曲部53とを有する。
本実施形態では、押圧部材50の形状が、板状になっている。また、押圧部材50を構成する基部51および接続部52の形状は、図3~図5に示すように、矩形状の平面(断面形状が直線状)である。なお、基部51および接続部52は、この形状に限定されず、それぞれ例えば、矩形状の湾曲面(断面形状が曲線状)を有するもの、または複数の棒状のも等であってもよい。
本実施形態では、基部51と接続部52との間に凸状に曲がる屈曲部53を有することで、上下方向(Z方向)における押圧部材50の断面形状が凸状に曲がっている。ここで、屈曲部53の角度は、特に限定されないが、好ましくは90~170度、より好ましくは110~150度、さらに好ましくは120~140度である。
なお、押圧部材50では、屈曲部53が凸状に曲がる内側の面(表面50a)が正面13に対向し、屈曲部53が凸状に曲がる外側の面(裏面50b)が背面14に対向するように、本体部10内に吊り下げられている。
また、押圧部材50の形態は、特に限定されないが、長手方向における基部51の長さL1を接続部52の長さL2より長くするのが好ましい(図5参照)。なお、長手方向における基部51の長さL1は、押圧部材50の底面12側の端部E2から屈曲部53までの最短距離である。また、長手方向における接続部52の長さL2は、支点(支持棒30)から屈曲部53までの最短距離である。
また、本実施形態において、押圧部材50に重り60を設けてもよい(図6~図8参照)。ここで、重り60は、押圧部材50の押圧力を増やすために設けられている。なお、重り60は、押圧部材50に対して着脱可能に取付けることができる。
重り60が設けられる位置は、押圧部材50にシート積層体SLを正面13側の押圧する押圧力を与える位置であれば限定されないが、収容されたシート積層体SLと接触ない位置が好ましく、より好ましくは収容されたシート積層体SLと接触せずかつシートディスペンサー100の本体部10に接触しない位置である。収容されたシート積層体SLと接触ない位置としては、例えば、押圧部材50の基部51における背面14側の屈曲部53の近傍である。さらに収容されたシート積層体SLと接触せずかつ本体部10に接触しない位置としては、例えば、押圧部材50の接続部52における背面14側の屈曲部53の近傍である。
本実施形態では、押圧部材50がシート積層体SLを正面13側に押圧する押圧力は、特に限定されないが、シート積層体SLの重量の20%以上であることが好ましく、より好ましくは30~70%、さらに好ましくは40~60%である。なお、重量と力は、いずれも同じ単位(Nまたはkgf)で表される。
以下、本実施形態から得られる効果について説明する。図6~図8は、本実施形態に係るシートディスペンサーの使用状態を示す図である。本実施形態では、上述のように、シート積層体SLを積層方向SDに押さえる押圧部材50が、本体部10内に吊り下げられた状態で、取出部20が設けられた正面13に近接している。
これにより、押圧部材50の背面14側から正面13側に向うモーメント(以下、単にモーメントという)は、正面13側でより小さく、背面14側でより大きくなる。すなわち、押圧部材50が背面14側から正面13側に向かってシート積層体SLを押圧する力(以下、押圧力という)は、シートディスペンサー100の背面14側で最大となり、正面13側で最小となる。
具体的には、図6に示すように、本体部10内にシート積層体SLが収容されてシートSTが引き出される前の状態では、押圧部材50が正面13から離れた背面14側に位置する。このとき、押圧部材50のモーメントは大きくなり、シート積層体SLに対する押圧部材50の押圧力が最大となる。
また、図7に示すように、シート積層体SLからシートSTが引き出されてシート積層体の残量が約半分になった状態では、押圧部材50が背面14と正面13の略中間に位置する。このとき、押圧部材50のモーメントは、背面14側に位置する場合に比べて小さくなり、シート積層体SLに対する押圧部材50の押圧力も小さくなる。
さらに、図8に示すように、シートSTが引き出されてシート積層体SLの残量がわずかになった状態では、押圧部材50が正面13の近傍に達する。このとき、押圧部材50のモーメントはさらに小さくなり、シート積層体SLに対する押圧部材50の押圧力が最小となる。すなわち、シートSTの残量が少なくなるにつれ、押圧部材50が正面13に近づいていくため、押圧部材50による押圧力は徐々に小さくなっていく。
これにより、本実施形態では、ディスペンサー100に収容されたシート積層体SLが、積層方向SDに常に押し付けられるため、ディスペンサー100内にシートSTが落ち込むことを防ぐことができる。また、シート積層体SLはシートSTの残量が少なくなるにつれて、押圧部材50による押圧力が小さくなるため、シート積層体SLが積層方向SDに過度に押し付けられない。そのため、本実施形態では、ディスペンサー100内にシートSTが詰まったり、シートSTがまとめて引き出されることを防ぐことができる(図6~図8参照)。
このように、本実施形態によれば、シートSTの取出し性に優れるシートディスペンサー100を得ることができる。また、このようなシートSTの取出し性に優れるシートディスペンサー100を、シートSTの形態や種類に拘わらず得ることができる。
また、本実施形態では、上述のように押圧部材50が回転可能に支持されるため、押圧部材50が正面13と背面14との間で前後方向(Y方向)に移動し易い(図1、図2、図6~図8参照)。これにより、押圧部材50がシート積層体SLを押さえる方向に(背面14側から正面13側に向かって)スムーズに移動することができる。そのため、本実施形態によれば、よりシートSTの取出し性に優れるシートディスペンサー100を得ることができる。また、押圧部材50が正面13と背面14との間で移動し易いことで、ディスペンサー100にシート積層体SLを収納する作業(押圧部材50を正面13側から背面14側に押し出す作業)が容易になる。
また、本実施形態では、上述のように押圧部材50の支点(支持棒30)が前後方向(Y方向)の正面13寄りに設けられているため、吊り下げられた状態で押圧部材50を正面13に近接させることができる(図1、図2、図8参照)。これにより、シートの残量がわずかになっても、押圧部材が正面の近傍に達してシート積層体を押圧することができる。そのため、本実施形態によれば、さらにシートSTの取出し性に優れるシートディスペンサー100を得ることができる。
また、本実施形態では、上述のように押圧部材50の断面形状が凸状に曲がっている(図2~図5)。これにより、押圧部材50の底面12側の端部E2が正面13に近づくように、シート積層体SLを押さえる基部51が傾斜しながら、押圧部材50が背面14側から正面13側に移動する。そのため、押圧部材50によってシート積層体SLの正面13側の端面全体が、取出部20が形成された正面13に押し付けられずに、シート積層体SLが押圧部材50とともに背面14側から正面13側に移動することができる。その結果、本実施形態によれば、ディスペンサー100内にシートSTが詰まるのを確実に防ぐことができる(図6~図8参照)。
また、本実施形態では、上述のように長手方向における基部51の長さL1を接続部52の長さL2より長くすることで、シート積層体SLを押さえる基部51の面積が大きくなる。また、屈曲部53を本体部10内の上方側(天面11側)に配置させることができる。これにより、支点(支持棒30)の位置を正面側に配置することができ、取出部20が形成された正面13から背面14に向かって奥行を深くすることができる。そのため、本実施形態によれば、ディスペンサー100内にシート積層体SLが収容される空間を大きくすることができ、シート積層体SLを多く収納することができる(図2、図6~図8参照)。また、シートSTの寸法が大きなシート積層体SLが収容された場合でも、シートSTの取出し性に優れるシートディスペンサー100が得られる。
また、本実施形態では、上述のように押圧部材50に重り60を設けることで、シート積層体SLに対する押圧部材50の押圧力を調整することができる。
また、本実施形態では、上述のように押圧部材50が、シート積層体SLの重量の20%以上の力で背面14側から正面13側に向ってシート積層体SLを押さえている。これにより、本実施形態では、シートSTがディスペンサー100内に落ち込んだり、ディスペンサー100内に詰まったり、まとめて引き出されることを、確実に防ぐことができる。
また、本実施形態では、上述のように正面13の底面12寄りに取出部20が設けられているため、シートSTの寸法が小さい場合でも、引き出されるシートSTが取出部20まで届き、ディスペンサー100内に落ち込むことを防ぐことができる。そのため、本実施形態によれば、シートSTの寸法が小さなシート積層体SLが収容された場合でも、シートSTの取出し性に優れるシートディスペンサー100が得られる。
また、本実施形態では、押圧部材50をシートディスペンサー用アタッチメントとして提供してもよい(図3~図5参照)。シートディスペンサー用アタッチメントは、上述のシートディスペンサー100に着脱可能に取り付けられる。そして、シートディスペンサー用アタッチメントは、上述のシートディスペンサー100に設けられた押圧部材50で構成することができる。
シートディスペンサー用アタッチメントの形態は、特に限定されないが、例えば、図3~図5に示す押圧部材50(基部51、接続部52、屈曲部53、係止部54を有する押圧部材50)で構成することができる。
このような押圧部材50を構成するシートディスペンサー用アタッチメントは、従来の押圧部材50が設けられていないシートディスペンサーに取り付けることができる。また、このような従来のシートディスペンサーに上述のシートディスペンサー用アタッチメントを着脱可能に取り付けることで、押圧部材50によってシート積層体SLが正面13に押し付けられずに、押圧部材50とともに背面14側から正面13側に移動することができる。
本実施形態に係るシートディスペンサー用アタッチメントを用いることにより、シートSTがディスペンサー内に落ち込んだり、ディスペンサー内に詰まったり、まとめて引き出されることを、確実に防ぐことができる(図6~図8参照)。そのため、シートディスペンサーにおけるシートSTの取出し性を向上させることができる。また、このようなシートSTの取出し性に優れるシートディスペンサーを、シートSTの形態や種類に拘わらず提供することができる。
また、本実施形態に係るシートディスペンサー用アタッチメントを用いることにより、上述した本実施形態のシートディスペンサー100のような専用品を用いなくても、シートSTの取出し性に優れるシートディスペンサーを提供することができる。そのため、本実施形態に係るシートディスペンサー用アタッチメントは、シートディスペンサーの汎用性を高めることができる。
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。
[シートディスペンサー(試験体)]
試験体として、シートディスペンサー100を用意した。シートディスペンサー100の寸法は、左右方向(X方向)の長さを約233mm、前後方向(Y方向)の長さを約87mm、上下方向(Z方向)の高さを約147mmとした。また、取出部20の寸法は、左右方向(X方向)の長さを約185mm、上下方向(Z方向)の幅を約18mmとした。さらに、取出部20と底面12との間隔P1を約55mmとし、取出部20と天面11との間隔P2を約92mmとした。
[シート積層体]
シートディスペンサー100に1個のシート積層体SLを収容した。シート積層体SLは、200枚のシートST(シートSTがダブルタイプの場合は200組)が交互に折り畳まれてポップアップ式に1枚ずつ(または1組ずつ)引き出せるように積層されたシート積層体SLを用いた。また、シート積層体SLは、シート積層体SL(複数枚のシートST)の積層方向SDがシートディスペンサー100の前後方向(Y方向)になるようにシートディスペンサー100の本体部10に収容した。またシート積層体SLを構成するシートSTには、シングルタイプ(硬め)のペーパータオルとダブルタイプ(柔らかめ)のペーパータオルを用いた。また、シングルタイプのペーパータオルには、寸法が異なる2種類のペーパータオルとしてペーパータオル(商品名「エコドライ(中判)」、大王製紙株式会社製、1プライ、寸法:縦約230mm、横220mm、坪量33g/m、紙厚180μm、クラーク剛度縦10.3、横12.3)とペーパータオル(商品名「エコドライ(小判)」、寸法:縦約230mm、横220mm以外の条件は中判と同じ)を用いた。さらに、ダブルタイプのペーパータオルには、寸法が異なる2種類のペーパータオルとしてペーパータオル(商品名「スマートタイプダブル(中判)」、大王製紙株式会社製、2プライ、寸法:縦約230mm、横210mm、坪量16g/m(1プライあたりの坪量)、紙厚132μm(2プライの紙厚)、クラーク剛度縦2.27、横1.72)とペーパータオル(商品名「スマートタイプダブル(小判)」、寸法:縦約230mm、横210mm以外の条件は中判と同じ)を用いた。なお、坪量はJIS P8124に準拠し、紙厚はJIS P81218に準拠し、クラーク剛度はJIS P8143に準拠している。ここで、クラーク剛度は、数値が高いほどペーパータオルが硬めであることを示す。
[非落ち込み性]
シートディスペンサー100の正面13の取出部20からシートSTを引き出したときシートSTが落ち込むか(非落ち込み性)を確認した。非落ち込み性の確認は、シングルタイプのペーパータオルは200枚を、ダブルタイプのペーパータオルは200組を、乾いた手で1枚ずつ(または1組ずつ)引き出した。評価基準は、以下の○△×とした。また、非落ち込み性の確認は、実施例、比較例につき各3回実施し、○を2点、△を1点、×を0点として、3回の合計点から評価した。
○:落ち込みは確認されなかった
△:落ち込みを1~2回確認した
×:落ち込みを3回以上確認した
5~6点:良好
3~4点:やや不良
0~2点:不良
[引出し性]
シートディスペンサー100内に収容されたペーパータオル(シートST)を最後まで1枚ずつ(または1組ずつ)引き出せるか(引出し性)を確認した。引出し性の確認は、乾いた手で1枚ずつ(または1組ずつ)引き出した。評価基準は、以下の○△×とした。また、引出し性の確認は、実施例、比較例につき各3回実施し、○を2点、△を1点、×を0点として、3回の合計点から評価した。
〇:最後にまとまって出てこない、または、1~3枚または1~3組まとまって出てきた△:最後に4~5枚または4~5組まとまって出てきた
×:最後に6枚または6組以上まとまって出てきた、または、途中で3枚または3組以上まとまって出てきた。
5~6点:良好
3~4点:やや不良
0~2点:不良
以下、実施例及び比較例について、説明する。
[実施例1]
試験体として、本体部10内にシートディスペンサー用アタッチメント(押圧部材50)を配置したシートディスペンサー100を用いた(図1~図5参照)。押圧部材50は、基部51、接続部52、屈曲部53、係止部54を有する押圧部材50(重さ約200g)を用いた。シート積層体SLとして、シングルタイプのペーパータオル(中判)をシートディスペンサー100の本体部10に収容した。この試験体について、引出し性および保持性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
シート積層体SLとして、ダブルタイプのペーパータオル(中判)をシートディスペンサー100の本体部10に収容した以外は、実施例1と同様にシートディスペンサー100を用意し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
シート積層体SLとして、シングルタイプのペーパータオル(小判)をシートディスペンサー100の本体部10に収容した以外は、実施例1と同様にシートディスペンサー100を用意し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
シート積層体SLとして、ダブルタイプのペーパータオル(小判)をシートディスペンサー100の本体部10に収容した以外は、実施例1と同様にシートディスペンサー100を用意し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
本体部10内にシートディスペンサー用アタッチメント(押圧部材50)を配置しなかった以外は、実施例1と同様にシートディスペンサー100を用意し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
本体部10内にシートディスペンサー用アタッチメント(押圧部材50)を配置しなかった以外は、実施例2と同様にシートディスペンサー100を用意し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
本体部10内にシートディスペンサー用アタッチメント(押圧部材50)を配置しなかった以外は、実施例3と同様にシートディスペンサー100を用意し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
本体部10内にシートディスペンサー用アタッチメント(押圧部材50)を配置しなかった以外は、実施例4と同様にシートディスペンサー100を用意し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007149148000001
表1より、本体部10内にシートディスペンサー用アタッチメント(押圧部材50)を配置したシートディスペンサー100は、本体部10に収容されるシート積層体SL(ペーパータオル)がシングルタイプ(中判、小判)の場合およびダブルタイプ(中判、小判)の場合のいずれも、非落ち込み性、引出し性がともに良好であった(実施例1~4)。
一方、本体部10内にシートディスペンサー用アタッチメント(押圧部材50)を配置しなかったシートディスペンサー100は、本体部10に収容されるシート積層体SL(ペーパータオル)がシングルタイプ(中判)の場合およびダブルタイプ(中判)の場合のいずれも、非落ち込み性がやや不良であり、引出し性が不良またはやや不良であった(比較例1、2)。また、シート積層体SL(ペーパータオル)がシングルタイプ(小判)の場合およびダブルタイプ(小判)の場合のいずれも、非落ち込み性が不良であった(比較例3、4)。
これらの結果から、正面側にシート積層体を押さえる押圧部材を、本体部内に吊り下げることにより、シートの取出し性に優れるシートディスペンサーが得られることが判った。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
100 シートディスペンサー
10 本体部
11 天面
12 底面
13 正面
14 背面
15 側面
16 側面
20 取出部
30 支持棒(支点)
40 係合部
50 押圧部材(シートディスペンサー用アタッチメント)
50a 表面
50b 裏面
51 基部
52 接続部
53 屈曲部
54 係止部(フック)
60 重り
ST シート
SL シート積層体
SD 積層方向
D1 正面との距離
D2 背面との距離
E1 天面側の端部
E2 底面側の端部
L1 基部の長さ
L2 接続部の長さ
P1 底面との間隔
P2 天面との間隔

Claims (8)

  1. 複数枚のシートが折り畳まれてポップアップ式に引き出せるように積層されたシート積層体を収容する本体部と、
    前記本体部に形成され、前記シートが取り出される取出部とを有するシートディスペンサーであって、
    前記本体部は、前記シート積層体が載置される底面と、前記底面と上下方向に対向する天面と、前記取出部が形成された正面と、前記正面と前後方向に対向する背面とを有し、
    前記シート積層体の積層方向が、前記前後方向であり、
    前記正面側に前記シート積層体を押圧する押圧部材が、前記本体部内に吊り下げられており、
    前記本体部内の天面寄りに、前記押圧部材を回転可能に支持する支点を有し、
    前記押圧部材の前記天面側の端部が、前記支点に支持されている、シートディスペンサー。
  2. 前記支点が、前記前後方向における前記正面寄りに設けられている、請求項に記載のシートディスペンサー。
  3. 前記押圧部材が、
    前記正面側に前記シート積層体を押さえる基部と、
    前記基部と前記支点とを接続する接続部と、
    前記基部と前記接続部との間に形成され、前記前後方向の前記背面側に向かって凸状に曲がる屈曲部とを有する、請求項またはに記載のシートディスペンサー。
  4. 前記押圧部材は、長手方向における前記基部の長さが前記接続部の長さより長い、請求項に記載のシートディスペンサー。
  5. 前記押圧部材に重りが設けられている、請求項またはに記載のシートディスペンサー。
  6. 前記押圧部材が前記シート積層体を押圧する押圧力は、前記シート積層体の重量の20%以上である、請求項1乃至のいずれか1項に記載のシートディスペンサー。
  7. 前記取出部が、前記正面の前記底面寄りに設けられている、請求項1乃至のいずれか1項に記載のシートディスペンサー。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のシートディスペンサーに着脱可能に取り付けられて、前記押圧部材を構成する、シートディスペンサー用アタッチメント。
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