JP7148830B2 - 鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法 - Google Patents

鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート構造物に内在する鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法に関する。
例えば電柱等のコンクリートポールには鉄筋が内在する。鉄筋の劣化は、コンクリートポールの強度を低下させて最終的に鉄筋が脆くなって破断する脆化破断を起こし、コンクリートポールが倒壊する原因になる。そこで、健全なコンクリートポールを維持するためには、鉄筋の劣化の程度を評価する必要がある。
鉄筋の破断は、例えば非特許文献1に開示された磁気を用いた方法で検査することができる。しかし、鉄筋が破断した後に検査できても手遅れである。
鉄筋の脆化破断の原因は、非特許文献2に開示されているように鉄筋(高強度鋼)中の水素であることは既に知られている。また、鋼中の微量水素が原因で破断する水素脆化破断が発生しなくなる引張応力の値(下限界応力)が存在することも知られている。よって、コンクリートポールに実環境で加わる応力とその下限界応力とを比較できれば水素脆化破断が発生するリスクを評価することが可能である。
鉄筋診断CPチェッカーM〔令和1年6月10日検索〕、インターネット(URL: http://www.ssken.co.jp/service/cpc.html) 鈴木真一ほか3名、「鋼材の遅れ破壊特性評価試験法」、鉄と鋼、vol.79,No.2,1992
しかしながら、実環境での下限界応力を評価する場合、実環境と同程度の少ない水素量で試験を行うと破断するまでに数十年という長時間を要するため現実的に評価ができない。また、水素脆化破断は、確率的に発生するため、破断しなくなる応力も確率的なばらつきを持ち、高い精度で下限界応力を評価することができない。つまり従来は、鉄筋の水素脆化破断のリスクを適切に評価できる評価方法が存在しないという課題がある。
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、鉄筋の水素脆化破断のリスクを適切に評価できる鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法は、水素脆化破断リスク評価装置が行う鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法であって、コンクリート構造物に内在する前記鉄筋に吸収された水素量と該鉄筋に加わる引張応力とを変えて水素脆化試験を繰り返し行った結果を前記水素量と引張応力を変数に回帰分析し、前記鉄筋が破断する確率を表す破断確率曲面を生成する破断確率曲面生成ステップと、前記破断確率曲面から、所定の確率で前記鉄筋に破断が発生しなくなる引張応力の下限である下限界応力と前記水素量との関係を表す下限界応力特性を取得する下限界応力取得ステップと、前記下限界応力特性と前記鉄筋が内在するコンクリート構造物のたわみ量から求めた引張応力の最大値とに基づいて前記鉄筋が水素脆化破断するリスクを評価する評価ステップとを含むことを要旨とする。
本発明によれば、鉄筋の水素脆化破断のリスクを適切に評価できる評価方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る水素脆化破断リスク評価装置の機能構成例を示す図である。 チオシアン酸アンモニウム濃度と鉄筋中の平衡水素量の関係例を示す図である。 引張応力と破断の関係を示す破断確率曲線の例を模式的に示す図である。 水素量と引張応力を変数に鉄筋が破断する確率を表す破断確率曲面の例を模式的に示す図である。 水素量と引張応力の関係の例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る水素脆化破断リスク評価装置の機能構成例を示す図である。 複数の下限界応力特性を模式的に示す図である。 複数の下限界応力特性を引張応力と破断確率の関係に変換した特性を模式的に示す図である。 本発明に係る鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法の処理手順を示すフローチャートである。 汎用的なコンピュータシステムの構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る水素脆化破断リスク評価装置の機能構成例を示す図である。図1に示す水素脆化破断リスク評価装置1は、コンクリート構造物に内在する鉄筋の水素脆化破断のリスクを評価する装置である。
水素脆化破断リスク評価装置1は、破断確率曲面生成部10、下限界応力取得部20、及び評価部30を備える。水素脆化破断リスク評価装置1の各機能構成部は、例えば、ROM、RAM、CPU等からなるコンピュータで実現することができる。
破断確率曲面生成部10は、コンクリート構造物に内在する鉄筋に吸収された水素量と該鉄筋に加わる引張応力とを変えて水素脆化試験を繰り返し行った結果を水素量と引張応力を変数に回帰分析し、鉄筋が破断する確率を表す破断確率曲面を生成する。ここで鉄筋に吸収された水素量は、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液のチオシアン酸アンモニウム濃度の物質量が所定の値になるように混合された複数の溶液のそれぞれに、鉄筋を浸漬し、所定の電流を流して調整する。
図2は、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液のチオシアン酸アンモニウム濃度と鉄筋中の平衡水素量の関係例を示す図である。図2の横軸はチオシアン酸アンモニウム濃度(mol/L)、縦軸は鉄筋中の平衡水素量(ppm)である。図2は電流密度0.01 mA/mm2の場合の特性である。
図2に示すように、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液のチオシアン酸アンモニウム濃度の物質量が0.01mol/Lで鉄筋中の平衡水素量は約1.45ppmである。同様にチオシアン酸アンモニウム濃度の物質量が0.05mol/Lで鉄筋中の平衡水素量は約1.9ppmである。
水素脆化試験は、上記の溶液に鉄筋を浸漬して電流密度0.01mA/mm2の電流を流して鉄筋中に水素を侵入させ、所定の引張応力を負荷して破断させる。水素脆化試験は、平衡水素量を変えて繰り返し行う。
図3は、鉄筋に吸収された水素量を変えて水素脆化試験を繰り返し行った結果を、引張応力を変数に回帰分析して生成した破断確率曲線を模式的に示す図である。図3に示す〇は、水素量を変えて行った水素脆化試験の結果である。
引張応力と破断あり/なしの関係を回帰分析することで、鉄筋が引張応力によって破断する確率を表す破断確率曲線が得られる。図3に示すように、破断確率曲線によって、引張応力A以下は破断なし、引張応力B以上は破断あり、引張応力Cでは破断確率は例えば50%といったことが分かる。破断確率は例えば次式で表せる。
Figure 0007148830000001
β,βは、ロジスティック関数の係数である。なお、破断確率はロジスティック関数で回帰しなくてもよい。例えば、シグモイド関数又はプロビット関数で回帰しても構わない。
この破断確率曲線を、変数に水素量を加え、水素量を変えて水素脆化試験を繰り返し行った結果を水素量と引張強度を変数に回帰分析すると破断確率曲面を生成することができる。図4は、水素量と引張応力を変数に鉄筋が破断する確率を表す破断確率曲面の例を模式的に示す図である。図4に示すようにx-y平面のx軸は水素量(ppm)、y軸は引張応力、z軸は破断確率である。変数に水素を加えた場合の破断確率は次式で表せる。
Figure 0007148830000002
下限界応力取得部20は、鉄筋に破断が発生しなくなる引張応力の値である下限界応力を水素量に対応させて取得する。図4において、水素量に対応する破断確率0.01%の下限界応力は、z軸が0.0001のx-y平面の交点を結んだ太い実線で示す引張応力である。以降において、許容できる破断確率(下限界応力)を0.01%として説明する。
図5は、そうして求めた水素量に対する下限界応力の変化を模式的に示す図である。図5において、実環境において鉄筋に吸収される水素量に対する引張応力の値が、実環境での下限界応力(鉄筋に破断が発生しなくなる引張応力の値)である。
下限界応力取得部20は、実環境において鉄筋に吸収される水素量に対する所定の破断確率の下限界応力を取得する。図5に示す特性は、例えば破断確率0.01%の下限界応力である。
実環境において鉄筋に吸収される水素量は実際のコンクリート構造物から求める。実環境での水素量は、例えば老朽化したコンクリート構造物の鉄筋を、昇温離脱分析装置で分析することで求めることができる。
評価部30は、下限界応力取得部20で取得した下限界応力と鉄筋が内在するコンクリート構造物のたわみ量から求めた引張応力の最大値を比較する。引張応力の最大値は、コンクリート構造物に荷重をかけてたわませることで鉄筋の歪を測定し、歪に鉄筋の弾性率を乗じて求める。また、有限要素法を用いた数値計算によって引張応力の最大値を求めてもよい。
引張応力の最大値と、例えば破断確率0.01%の下限界応力を比較することで鉄筋が水素脆化破断するリスクを評価することができる。コンクリート構造物に加わる引張応力の最大値が、破断確率0.01%の下限界応力よりも小さければ水素脆化破断のリスクはなしと判定できる。また、引張応力の最大値が、破断確率0.01%の下限界応力よりも大きければ水素脆化破断のリスクはありと判定できる。
以上説明したように本実施形態に係る水素脆化破断リスク評価装置1は、コンクリート構造物に内在する鉄筋に吸収された水素量と該鉄筋に加わる引張応力とを変えて水素脆化試験を繰り返し行った結果を水素量と引張応力を変数に回帰分析し、鉄筋が破断する確率を表す破断確率曲面を生成する破断確率曲面生成部10と、破断確率曲面から、所定の確率で鉄筋に破断が発生しなくなる引張応力の下限である下限界応力と水素量との関係を表す下限界応力特性を取得し、該下限界応力特性から実環境における水素量に対する下限界応力を求める下限界応力取得部20と、下限界応力取得部20で求めた下限界応力と鉄筋が内在するコンクリート構造物のたわみ量から求めた引張応力の最大値を比較し、下限界応力が引張応力の最大値よりも小さければ鉄筋が水素脆化破断するリスクはないと評価し、下限界応力が引張応力の最大値よりも大きければ鉄筋が水素脆化破断するリスクはあると評価する評価部30とを備える。これによれば、鉄筋の水素脆化破断のリスクを破断あり/なしの2値で評価することができる。
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態に係る水素脆化破断リスク評価装置の機能構成例を示す図である。図1に示す水素脆化破断リスク評価装置2は、下限界応力取得部21と評価部31を備える点で水素脆化破断リスク評価装置1(図1)と異なる。下限界応力取得部21と評価部31は、水素脆化破断リスク評価装置1の下限界応力取得部20と評価部30にそれぞれ対応する機能構成部である。
下限界応力取得部21は、複数の破断確率の下限界応力特性を取得し、取得した複数の下限界応力特性を、実環境において鉄筋に吸収された水素量に対する引張応力と破断確率の関係に変換する。複数の破断確率は、例えば0.01%,20%,40%,60%,80%,99.99%である。
下限界応力取得部21は、破断確率0.01%の下限界応力特性のみを取得した下限界応力取得部20(図1)に対して、例えば0.01%,20%,40%,60%,80%,99.99%のそれぞれの破断確率の下限界応力特性を取得する。
図7は、複数の下限界応力特性を模式的に示す図である。横軸と縦軸の関係は図5と同じである。実線は破断確率0.01%の下限界応力特性を示す。一点鎖線は破断確率20%の下限界応力特性を示す。破線は破断確率40%の下限界応力特性を示す。破断確率60%,80%,99.99%の下限界応力特性の表記は省略する。
破断確率20%の下限界応力特性は、図4のz軸が0.2のx-y座標をプロットした特性である。破断確率40%の下限界応力特性は、図4のz軸が0.4のx-y座標をプロットした特性である。
下限界応力取得部21は、上記のように取得した複数の下限界応力特性を、実環境において鉄筋が吸収する水素量に対する引張応力と破断確率の関係に変換する。その変換は、実環境において鉄筋が吸収する水素量の各下限界応力特性の引張応力を、破断確率ごとに求めることで行う。
図7に示すように、実環境において鉄筋が吸収する水素量に対する破断確率ごとの引張応力〇,×,△を、引張応力(x)と破断確率(y)の二次元座標上にプロットする。プロットした特性は、引張応力に対する破断確率を示す。
図8は、複数の下限界応力特性を引張応力と破断確率の関係に変換した特性を示す。横軸は引張応力(MPa)、縦軸は破断確率(%)である。
評価部31は、下限界応力取得部21で変換した引張応力と破断確率の関係から、引張応力の最大値に対する破断確率を求める。ここで引張応力の最大値は、実物のコンクリート構造物にかかる引張応力の最大値である。したがって、評価部31は、引張応力の最大値に対する破断確率を求めることができる。
以上説明したように本実施形態に係る水素脆化破断リスク評価装置2は、複数の破断確率の下限界応力特性を取得し、複数の下限界応力特性を、実環境における水素量に対する引張応力と破断確率の関係に変換する下限界応力取得部21と、該変換した引張応力と破断確率の関係から引張応力の最大値に対する破断確率を求める評価部31とを備える。これによれば、鉄筋の水素脆化破断のリスクを破断確率で評価することができる。
(鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法)
上記の水素脆化破断リスク評価装置1と2は、図9に示す処理手順の鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法を実行する。図9を参照して鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法について説明する。
破断確率曲面生成部10は、コンクリート構造物に内在する鉄筋に吸収された水素量と該鉄筋に加わる引張応力とを変えて水素脆化試験を繰り返し行った結果を水素量と引張応力を変数に回帰分析し、鉄筋が破断する確率を表す破断確率曲面を生成する(ステップS1)。
下限界応力取得部20は、破断確率曲面から、所定の確率で鉄筋に破断が発生しなくなる引張応力の下限である下限界応力と水素量との関係を表す下限界応力特性を取得する(ステップS2)。
評価部30は、下限界応力特性と鉄筋が内在するコンクリート構造物のたわみ量から求めた引張応力の最大値に基づいて鉄筋が水素脆化破断するリスクを評価する(ステップS3)。
本実施形態に係る鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法によれば、鉄筋の水素脆化破断のリスクを適切に評価することができる。
また、本発明の第1実施形態に係る下限界応力取得ステップは、下限界応力特性から実環境における前記水素量に対する下限界応力を求め、同評価ステップは、下限界応力取得ステップで求めた下限界応力と前記鉄筋が内在するコンクリート構造物のたわみ量から求めた引張応力の最大値を比較し、下限界応力が引張応力の最大値よりも小さければ前記鉄筋が水素脆化破断するリスクは無いと評価し、下限界応力が引張応力の最大値よりも大きければ前記鉄筋が水素脆化破断するリスクは有ると評価する。これによれば、鉄筋の水素脆化破断のリスクを破断あり/なしの2値で評価することができる。
また、本発明の第2の実施形態に係る下限界応力取得ステップは、複数の破断確率の下限界応力特性を取得し、複数の下限界応力特性を、実環境における水素量に対する引張応力と破断確率の関係に変換し、同評価ステップは、該変換した引張応力と破断確率の関係から引張応力の最大値に対する破断確率を求める。これによれば、鉄筋の水素脆化破断のリスクを破断確率で評価することができる。
以上説明したように水素脆化破断リスク評価装置1と2によれば、下限界応力によりコンクリート構造物(例えば電柱)に内在する鉄筋の水素脆化破断のリスクを評価することができる。
水素脆化破断リスク評価装置1と2は、図10に示す汎用的なコンピュータシステムで実現することができる、例えば、CPU50、メモリ51、ストレージ52、通信部53、入力部54、及び出力部55とを備える汎用的なコンピュータシテムにおいて、CPU50がメモリ51上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、水素脆化破断リスク評価装置1と2の各機能が実現される。所定のプログラムは、HDD、SSD、USBメモリ、CD-ROM、DVD-ROM、MOなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録することも、ネットワークを介して配信することもできる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形が可能である。例えば、回帰分析はロジスティック関数で回帰する例を示したが、他の関数で回帰しても構わない。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1,2:水素脆化破断リスク評価装置
10:破断確率曲面生成部
20,21:下限界応力取得部
30,31:評価部

Claims (4)

  1. 水素脆化破断リスク評価装置が行う鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法であって、
    コンクリート構造物に内在する前記鉄筋に吸収された水素量と該鉄筋に加わる引張応力とを変えて水素脆化試験を繰り返し行った結果を前記水素量と引張応力を変数に回帰分析し、前記鉄筋が破断する確率を表す破断確率曲面を生成する破断確率曲面生成ステップと、
    前記破断確率曲面から、所定の確率で前記鉄筋に破断が発生しなくなる引張応力の下限である下限界応力と前記水素量との関係を表す下限界応力特性を取得する下限界応力取得ステップと、
    前記下限界応力特性と前記鉄筋が内在するコンクリート構造物のたわみ量から求めた引張応力の最大値とに基づいて前記鉄筋が水素脆化破断するリスクを評価する評価ステップと
    を含む鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法。
  2. 前記下限界応力取得ステップは、前記下限界応力特性から実環境における前記水素量に対する下限界応力を求め、
    前記評価ステップは、前記下限界応力取得ステップで求めた下限界応力と前記鉄筋が内在するコンクリート構造物のたわみ量から求めた引張応力の最大値を比較し、下限界応力が引張応力の最大値よりも小さければ前記鉄筋が水素脆化破断するリスクは無いと評価し、下限界応力が引張応力の最大値よりも大きければ前記鉄筋が水素脆化破断するリスクは有ると評価する
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法。
  3. 前記下限界応力取得ステップは、複数の破断確率の前記下限界応力特性を取得し、複数の前記下限界応力特性を、実環境における前記水素量に対する引張応力と破断確率の関係に変換し、
    前記評価ステップは、該変換した引張応力と破断確率の関係から引張応力の最大値に対する破断確率を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法。
  4. 前記水素脆化試験に用いる複数の前記水素量は、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液のチオシアン酸アンモニウム濃度の物質量が所定の値になるように混合された複数の溶液にそれぞれ浸漬させて調整される
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の鉄筋の水素脆化破断リスクの評価方法。
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