JP7147184B2 - 面発光型半導体レーザ - Google Patents

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Description

本発明は、面発光型半導体レーザに関する。
特許文献1には、配線の寄生容量低減を目的とした、半絶縁性の半導体基板上に形成された、第1導電型の半導体層、第1導電型の第1の半導体多層膜反射鏡、活性領域および第2導電型の第2の半導体多層膜反射鏡を含む柱状構造と、第1導電型の半導体層に電気的に接続される第1の電極と、第2の半導体多層膜反射鏡に電気的に接続される第2の電極と、第1の電極に接続された第1の金属配線と、第2の電極に接続された第2の金属配線とを有し、第1導電型の半導体層は、柱状構造の側面から延在した接続領域を含み、当該接続領域に第1の電極が接続され、第1の金属配線および第2の金属配線と半導体基板との間には第1導電型の半導体層が存在しない、面発光型半導体レーザが開示されている。特許文献1では、上記面発光型半導体レーザの構成により、第1の金属配線および第2の金属配線と半導体基板との間に導電性の半導体層が存在する場合と比較して、第1の金属配線および第2の金属配線の寄生容量を低減することができるとしている。
特開2015-099870号公報
面発光型半導体レーザの総合的な特性は、入力-出力間の利得周波数特性等に影響され、寄生容量の低減が必ずしも総合的な特性の向上に結び付かない場合がある。
本発明は、周波数特性を補償する構成を備えない場合と比較して、周波数特性をより制御しやすい面発光型半導体レーザを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の面発光型導体レーザは、基板上に形成された第1の導電型の半導体層と、前記半導体層上に形成された第1の導電型の第1の半導体多層膜反射鏡、前記第1の半導体多層膜反射鏡上に形成された活性層、および前記活性層上に形成された第2の導電型の第2の半導体多層膜反射鏡を備えたメサ構造体と、前記半導体層、前記半導体層上に設けられた絶縁膜、および前記絶縁膜上に設けられた第1の配線層で前記基板上に形成された容量と、を含み、前記半導体層は予め定められた面積の第1の拡幅部を備え、前記第1の配線層は前記第1の拡幅部に対応する位置に設けられかつ予め定められた面積の第2の拡幅部を備え、前記容量の容量値は、前記第1の拡幅部と前記第2の拡幅部の重複する部分の面積で定まるものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記第1の配線層が、前記メサ構造体の上面から、前記第1の配線層と連続して前記基板上に形成された第1のパッドまで延伸され、前記第1の拡幅部は前記第1のパッドを除く領域に前記第1のパッドの外周に沿って形成されているものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記第1の配線層が前記第2の導電型の配線層であり、前記基板上に形成された第2のパッドを有する前記第1の導電型の第2の配線層をさらに含み、前記第1の拡幅部および前記第2の拡幅部が、前記第1のパッドと前記第2のパッドとの間に延伸されて設けられているものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項または請求項に記載の発明において、前記第1の配線層で形成された識別表示部をさらに含み、前記第1の拡幅部および前記第2の拡幅部が、前記第1のパッドと前記識別表示部との間に延伸されて設けられているものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記容量の容量値によって前記面発光型半導体レーザの周波数特性を補償するものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記周波数特性が利得周波数特性で評価されるものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記利得周波数特性におけるピーキングの幅が予め定められた範囲内となるように周波数特性を補償するものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記周波数特性が前記面発光型半導体レーザの光出力波形で評価されるものである。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記光出力波形が予め定められたアイマスクに収まるように周波数特性を補償するものである。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記メサ構造体が前記第1の半導体多層膜反射鏡の底面に達する深さを有するものである。
請求項1に記載の発明によれば、周波数特性を補償する構成を備えない場合と比較して、周波数特性をより制御しやすい面発光型半導体レーザが提供される、という効果を奏する。
また、第1の拡幅部と第2の拡幅部を備えない場合と比較して、容量の容量値が設計しやすい、という効果を奏する。
請求項に記載の発明によれば、第1の拡幅部が第1のパッドの下部まで延伸されている場合と比較して、ボンディングによる容量の変形が抑制される、という効果を奏する。
請求項に記載の発明によれば、第1の拡幅部および第2の拡幅部を、第1のパッドと第2のパッドとの間に延伸させて設けない場合と比較して、より容量値の大きな容量を形成しやすい、という効果を奏する。
請求項に記載の発明によれば、第1の拡幅部および第2の拡幅部を、第1のパッドと識別表示部との間に延伸させて設けない場合と比較して、より容量値の大きな容量を形成しやすい、という効果を奏する。
請求項に記載の発明によれば、容量の容量値によって面発光型半導体レーザの周波数特性を補償しない場合と比較して、他の特性の変化が抑制された状態で周波数特性が補償される、という効果を奏する。
請求項に記載の発明によれば、周波数特性を光出力波形で評価する場合と比較して、周波数特性の調整が行いやすい、という効果を奏する。
請求項に記載の発明によれば、ピーキングの幅を用いないで周波数特性を補償する場合と比較して、より補償が行いやすい、という効果を奏する。
請求項に記載の発明によれば、周波数特性を利得周波数特性で評価する場合と比較して、周波数特性の光出力波形のへの影響が直接評価される、という効果を奏する。
請求項に記載の発明によれば、アイマスクを用いないで周波数特性を補償する場合と比較して、より補償が行いやすい、という効果を奏する。
請求項10に記載の発明によれば、メサ構造体が第1の半導体多層膜反射鏡の底面に達しない深さを有する場合と比較して、高段差のメサ構造体を有する面発光型半導体レーザに対しても本発明が適用される、という効果を奏する。
実施の形態に係る面発光型半導体レーザの構成の一例を示す、(a)は平面図、(b)は断面図である。 実施の形態に係る、(a)は補償容量について説明する図、(b)は面発光型半導体レーザの等価回路である。 (a)は比較例に係る面発光型半導体レーザの特性を示す図、(b)は実施の形態に係る面発光型半導体レーザの特性の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ10の構成の一例について説明する。図1(a)は本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ10の平面図であり、図1(b)は図1(a)に示すA-A’-A’’線で切断した面発光型半導体レーザ10の断面図である。
図1(b)に示すように、面発光型半導体レーザ10は、半絶縁性GaAs(ガリウムヒ素)の基板12上に形成されたn型GaAsのコンタクト層14、下部DBR(Distributed Bragg Reflector)16、活性領域24、および上部DBR26含んで構成されている。面発光型半導体レーザ10では、コンタクト層14、下部DBR16、活性領域24、および上部DBR26の各構成がメサ構造体Mを形成し、該メサ構造体Mがレーザ部を構成している。なお、例えば活性領域24の上部にレーザ部に流れる電流を絞る酸化狭窄層が設けられる場合もあるが、面発光型半導体レーザ10では図示を省略している。また、コンタクト層14が、本発明に係る「第1の導電型の半導体層」に相当する。
メサ構造体Mを含む半導体層の周囲は無機絶縁膜としての層間絶縁膜34が着膜されている。該層間絶縁膜34はメサ構造体Mの側面から基板12の表面まで延伸され、電極パッド42a、42bの下部に配置されている。本実施の形態に係る層間絶縁膜34は、一例として、シリコン窒化膜(SiN膜)で形成されている。なお、層間絶縁膜34の材料はシリコン窒化膜に限らず、例えば、シリコン酸化膜(SiO膜)、あるいはシリコン酸窒化膜(SiON膜)等であてもよい。
図1(b)に示すように、層間絶縁膜34の開口部を介してp側電極36が設けられている。p側電極36の一端側は上部DBR26上設けられたコンタクト層(図示省略)に接続され、該コンタクト層との間でオーミック性接触を形成している。一方、p側電極36の他端側はメサ構造体Mの側面から基板12の表面までp側配線62によって延伸され、p側配線62の一部として電極パッド42aが構成されている。p側電極36、p側配線62は、例えば、Ti(チタン)/Au(金)の積層膜を着膜して形成される。図1(b)に示すように、電極パッド42aは、一例として基板12上に形成された層間絶縁膜34上に形成されている。
同様に、層間絶縁膜34の開口部を介してn側電極30が設けられている。n側電極30の一端側はコンタクト層14に接続され、コンタクト層14との間でオーミック性接触を形成している。一方、n側電極30の他端側は基板12の表面までn側配線64によって延伸され、図1(b)に示すように、n側配線62の一部として電極パッド42bが形成されている(以下、総称する場合は「電極パッド42」という)。n側電極30、n側配線64は、例えば、AuGe/Ni/Auの積層膜を着膜して形成される。
上記のように、本実施の形態に係る基板12には、一例として半絶縁性のGaAs基板を用いている。半絶縁性のGaAs基板とは、不純物がドーピングされていないGaAs基板である。半絶縁性のGaAs基板は抵抗率が非常に高く、そのシート抵抗値は数MΩ程度の値を示す。
基板12上に形成されたコンタクト層14は、一例としてSiがドープされたGaAs層によって形成されている。コンタクト層14の一端はn型の下部DBR16に接続され、他端はn側電極30に接続されている。すなわち、コンタクト層14は、下部DBR16とn側電極30との間に介在し、メサ構造体Mで構成されるレーザ部分に負電位を付与する機能を有する。なお、コンタクト層14は、サーマルクリーニング後、基板表面の結晶性を良好にするために設けられるバッファ層を兼ねてもよい。
コンタクト層14上に形成されたn型の下部DBR16は、面発光型半導体レーザ10の発振波長をλ、媒質(半導体層)の屈折率をnとした場合に、膜厚がそれぞれ0.25λ/nとされかつ屈折率の互いに異なる2つの半導体層を交互に繰り返し積層して構成される多層膜反射鏡である。具体的には、下部DBR16は、Al0.90Ga0.1Asによるn型の低屈折率層と、Al0.15Ga0.85Asによるn型の高屈折率層と、を交互に繰り返し積層することにより構成されている。なお、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ10では、発振波長λを、一例として850nmとしている。
本実施の形態に係る活性領域24は、例えば、下部スペーサ層、量子井戸活性層、および上部スペーサ層を含んで構成されてもよい(図示省略)。本実施の形態に係る量子井戸活性層は、例えば、4層のAl0.3Ga0.7Asからなる障壁層と、その間に設けられた3層のGaAsからなる量子井戸層と、で構成されてもよい。なお、下部スペーサ層、上部スペーサ層は、各々量子井戸活性層と下部DBR16との間、量子井戸活性層と上部DBR26との間に配置されることにより、共振器の長さを調整する機能とともに、キャリアを閉じ込めるためのクラッド層としての機能も有している。
活性領域24上に形成された上部DBR26は、膜厚がそれぞれ0.25λ/nとされかつ屈折率の互いに異なる2つの半導体層を交互に繰り返し積層して構成される多層膜反射鏡である。具体的には、上部DBR26は、Al0.90Ga0.1Asによるp型の低屈折率層と、Al0.15Ga0.85Asによるp型の高屈折率層と、を交互に繰り返し積層することにより構成されている。
上部DBR26上の図示しないコンタクト層上には、光の出射面を保護する出射面保護層38が設けられている。出射面保護層38は、一例としてシリコン窒化膜を着膜して形成される。
また、面発光型半導体レーザ10は識別表示部60を備えている。識別表示部60は、ウエハ上の面発光型半導体レーザ10の各素子(チップ)を区別するための記号であり、例えばウエハ上の座標、通し番号、製造番号等が付与される。本実施の形態に係る識別表示部60は、一例として、p側配線62またはn側配線64と同じ層、すなわち金属膜で形成されている。
ここで、面発光型半導体レーザは、例えば通信装置用や画像形成装置用の光源に利用されている。このような面発光型半導体レーザには、高速動作および低消費電力化が求められている。面発光型半導体レーザの高速動作を実現させるために、従来、配線あるいは電極パッドに寄生する電気的容量(寄生容量)を低減させる工夫がなされてきた。しかしながら、電気的容量を過剰に低減させると、利得周波数特性における帯域は拡大するものの、利得周波数特性にピーキングが生じ、その結果オーバーシュート等で光出力波形が劣化する場合がある。
すなわち、上述したように、面発光型半導体レーザの総合的な特性は、入力-出力間の利得周波数特性等に影響され、寄生容量の低減が必ずしも総合的な特性の向上に結び付かない場合がある。つまり、後述するように、面発光型半導体レーザに寄生する容量成分を過剰に削減すると、利得周波数特性がピーキングを有する特性となり、面発光型半導体レーザの出力波形にオーバーシュート、アンダーシュート、あるいはリンギング等(以下「オーバーシュート等」)が発生する場合がある。出力波形にオーバーシュート等が発生すると出力波形(光出力波形)が歪み、受信エラー等が発生する場合がある。すなわち、寄生する容量成分を低減して利得周波数特性を高周波数領域まで伸ばすのみならず、柔軟に面発光型半導体レーザの周波数特性を調整する(補償する)構成が実現されれば至便である。なお、本実施の形態において「周波数特性」には利得周波数特性のみならず、光出力波形等の波形特性も含む。
そこで、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザでは、周波数特性を調整するための補償容量Ccを備えている。以下、図2(a)を参照して、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザが備える補償容量Ccについて説明する。図1(b)に示すように、補償容量Ccは、下層からコンタクト層14、層間絶縁膜34、およびp側配線62で構成され、コンタクト層14およびp側配線62が補償容量Ccの電極を構成し、層間絶縁膜34が誘電体を構成している。
そのため、本実施の形態に係るコンタクト層14の形状は、補償容量Ccを形成するのに適した形状とされている。すなわち、上記のように、コンタクト層14は本来下部DBR16とn側電極30を接続するためのものであるから、例えばn側電極30およびメサ構造体Mを含む図2(a)の一点鎖線Lで示された部分まで形成すればよい。これ対し、本実施の形態では、コンタクト層14を電極パッド42a、電極パッド42b側まで延伸し、p側配線62の下部通過させ、面積を拡大させている。
一方、p側配線62もコンタクト層14の面積の拡大に対応させて面積を拡大させている。つまり、コンタクト層14とp側配線62がオーバーラップした(重複した)領域(図2(a)でドットで示された領域)が補償容量Ccを形成している。換言すると、本実施の形態に係るコンタクト層14は、電極パッド42aと42bの間まで延伸されている。以下、コンタクト層14およびp側配線62において、補償容量Ccを形成するために面積を拡大した部分を各々「拡幅部」という。
次に、図2(b)を参照して、補償容量Ccの作用について説明する。図2(b)は、面発光型半導体レーザ10の等価回路を、駆動回路等の信号源SGとともに図示したものである。図2(b)に示すように、補償容量Ccは、面発光型半導体レーザ10のレーザ部分に対し、等価的に並列に接続される。面発光型半導体レーザ10を駆動するために電極パッド42aに電源の正極、電極パッド42bに負極を接続し、電極パッド42aと電極パッド42bとの間に電流を流すと、補償容量Ccに電荷が蓄積されることで、電気容量が面発光型半導体レーザ10に付加される。光出力波形のオーバーシュート等は、電気信号に対して面発光型半導体レーザ10が過剰なレスポンスを起こすことで発生しているため、電気容量を付加して電流の流れを鈍らせることで、この過剰なレスポンスが低減される。
図3(a)は、上記過剰なレスポンスを説明する図であり、図3(b)は上記過剰なレスポンスが改善された例を示している。図3(a)は、例えば面発光型半導体レーザに寄生する容量が過剰に削除され、周波数特性が劣化している比較例に係る面発光型半導体レーザの特性を示している。一方、図3(b)は補償容量Ccにより周波数特性が改善された本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ10の特性を示している。
図3(a)、(b)の各々において<1>は、図2(b)に示された測定系で評価されたSパラメータ(散乱行列)のS21(順方向伝送特性、以下「利得周波数特性」)であり、<2>はデジタル信号で駆動された場合の面発光型半導体レーザ10からの光出力を光電変換して測定した光出力波形である。なお、各々の図の<1>に示す利得周波数特性は実測の結果をプロットしたものであり、<2>に示す光出力波形は、<1>に示す利得周波数特性に対するデジタル信号の応答をシミュレーションした結果である。
利得周波数特性は、一般に直流(以下「DC(Direct Current)」)から利得遮断周波数まで平坦(フラット)であることが好ましい(例えば、図3(b)<1>参照)。したしながら、比較例に係る面発光型半導体レーザの利得周波数特性である図3(a)<1>では、高周波帯域(一般的には利得遮断周波数付近の周波数)において利得の盛り上がり(以下、「ピーキングPK」)が生じている。このようなピーキングPKが発生すると、その付近の信号周波数の位相が過剰に進むので、図3(a)<2>に示すように光出力波形が劣化する。すなわち、オーバーシュート等によって波形が歪む。
これに対し、図3(b)<1>に示す本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ10の利得周波数特性はDCからフラットであり、ピーキングを生じていない。その結果、図3(b)<2>に示すように、光出力波形にはオーバーシュート等が発生せず波形の歪が抑制されている。
以上のように、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザでは補償容量Ccを用いて利得周波数特性が適切に調整されるが、特性の調整においては目標とする特性(目標特性)が必要になる。本実施の形態では、この目標特性として、ピーキングPKの幅の最大値PKmax(最大ピーキング幅)、およびアイマスクEMを用いている。むろんこの目標特性としては、最大ピーキング幅PKmax、およびアイマスクEMのいずれか一方を用いてもよい。
最大ピーキング幅PKmaxは、図3(a)<1>に示すピーキングPKの幅の最大値で定義される。すなわち、補償容量Ccを変えて利得周波数を調整する場合、調整後の利得周波数特性におけるピーキングPKの幅が最大ピーキング幅PKmaxを越えないように補償容量Ccの容量値を調整する。
一方、アイマスクEMとは光出力波形の外形を規制するテンプレートであり、該テンプレートから光出力波形(アイパターン)がはみ出さないように補償容量Ccの容量値を調整する。図3(a)<2>、(b)<2>には、このアイマスクEMの一部を点線で示している。図3(a)<2>に示すように、比較例に係る面発光型半導体レーザの光出力波形はオーバーシュートのためアイマスクEMからはみ出しているが、図3(b)<2>に示すように、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザ10の光出力波形はアイマスクEMの内部に収まっている。
以上詳述したように、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザによれば、周波数特性を補償する構成を備えない場合と比較して、周波数特性をより制御しやすい面発光型半導体レーザが提供され。ここで、光出射側反射鏡(上部DBR26)の反射率を上げる、あるいは酸化狭窄層の狭窄径を小さくするなどの方法によっても利得周波数特性におけるピーキングが抑制される。しかしながら、光出射側反射鏡の反射率を上げると光量が低下する場合があり、狭窄径を小さくすると面発光型半導体レーザの発光領域での電流密度が増加することで信頼性が損なわれる場合がある。本実施の形態では、このようなトレードオフの関係となる他の特性がない条件で利得周波数特性が調整されるので、この意味においても優れた調整方法となっている。
また、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザによれば、例えば発振特性を変えるためにメサ構造体Mの層構成を変更し、その結果周波数特性が変わったような場合でも、補償容量Ccの容量値を変えることにより(コンタクト層14およびp側配線62の各々の拡幅部の面積を変えることにより)、周波数特性が調整される。つまり、本実施の形態に係る面発光型半導体レーザによれば、半導体層構造(メサ構造体)によって決まる周波数特性を、製造工程において補正する構成を付加することで所望の周波数特性が得られる。
なお、本実施の形態では、周波数特性としてS21(順方向伝送特性)を用いる形態を例示して説明したが、これに限られず例えばSパラメータのS11(入力反射特性、すなわち入力インピーダンス)を用いてもよい。
また、本実施の形態では、図1(a)に示すように、コンタクト層14およびp側配線62を電極パッド42aと42bとの間に延伸させて拡幅部を形成したが、これに限られず、例えば電極パッド42(電極パッド42a、42b)と識別表示部60との間に拡幅部を形成してもよいし、識別表示部60がp側配線62と同じ層で形成されている場合には、識別表示部60を拡幅部の一部として補償容量Ccを構成してもよい。
電極パッド42におけるボンディングが溶融ボンディングのような場合には、電極パッド42aを拡幅部の一部とし、コンタクト層14を電極パッド42aの下部まで延伸させて補償容量Ccを構成してもよい。これに対し圧着ボンディング等の電極パッド42にストレスがかかるボンディングの場合には電極パッド42aの下部を避け、電極パッド42aの外周に沿って拡幅部を設け、補償容量Ccを形成するのが好ましい。その際、拡幅部が電極パッド42aの外周の1/4以上に沿っていることが好ましい。
なお、上記実施の形態では、半絶縁性のGaAs基板を用いたGaAs系の面発光型半導体レーザを例示して説明したが、これに限られず、GaN(窒化ガリウム)による基板、あるいはInP(リン化インジウム)による基板を用いた形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、基板にn型のコンタクト層を形成する形態を例示して説明したが、これに限られず、基板にp型のコンタクト層を形成する形態としてもよい。その場合には、上記の説明において、n型とp型を逆に読み替えればよい。
10 面発光型半導体レーザ
12 基板
14 コンタクト層
16 下部DBR
24 活性領域
26 上部DBR
30 n側電極
34 層間絶縁膜
36 p側電極
38 出射面保護層
42、42a、42b 電極パッド
60 識別表示部
62 p側配線
64 n側配線
Cc 補償容量
EM アイマスク
M メサ構造体
PK ピーキング
PKmax 最大ピーキング
SG 信号源

Claims (10)

  1. 基板上に形成された第1の導電型の半導体層と、
    前記半導体層上に形成された第1の導電型の第1の半導体多層膜反射鏡、前記第1の半導体多層膜反射鏡上に形成された活性層、および前記活性層上に形成された第2の導電型の第2の半導体多層膜反射鏡を備えたメサ構造体と、
    前記半導体層、前記半導体層上に設けられた絶縁膜、および前記絶縁膜上に設けられた第1の配線層で前記基板上に形成された容量と、を含み、
    前記半導体層は予め定められた面積の第1の拡幅部を備え、
    前記第1の配線層は前記第1の拡幅部に対応する位置に設けられかつ予め定められた面積の第2の拡幅部を備え、
    前記容量の容量値は、前記第1の拡幅部と前記第2の拡幅部の重複する部分の面積で定まる
    面発光型半導体レーザ。
  2. 前記第1の配線層が、前記メサ構造体の上面から、前記第1の配線層と連続して前記基板上に形成された第1のパッドまで延伸され、
    前記第1の拡幅部は前記第1のパッドを除く領域に前記第1のパッドの外周に沿って形成されている
    請求項に記載の面発光型半導体レーザ。
  3. 前記第1の配線層が前記第2の導電型の配線層であり、
    前記基板上に形成された第2のパッドを有する前記第1の導電型の第2の配線層をさらに含み、
    前記第1の拡幅部および前記第2の拡幅部が、前記第1のパッドと前記第2のパッドとの間に延伸されて設けられている
    請求項に記載の面発光型半導体レーザ。
  4. 前記第1の配線層で形成された識別表示部をさらに含み、
    前記第1の拡幅部および前記第2の拡幅部が、前記第1のパッドと前記識別表示部との間に延伸されて設けられている
    請求項または請求項に記載の面発光型半導体レーザ。
  5. 前記容量の容量値によって前記面発光型半導体レーザの周波数特性を補償する
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の面発光型半導体レーザ。
  6. 前記周波数特性が利得周波数特性で評価される
    請求項に記載の面発光型半導体レーザ。
  7. 前記利得周波数特性におけるピーキングの幅が予め定められた範囲内となるように周波数特性を補償する
    請求項に記載の面発光型半導体レーザ。
  8. 前記周波数特性が前記面発光型半導体レーザの光出力波形で評価される
    請求項に記載の面発光型半導体レーザ。
  9. 前記光出力波形が予め定められたアイマスクに収まるように周波数特性を補償する
    請求項に記載の面発光型半導体レーザ。
  10. 前記メサ構造体が前記第1の半導体多層膜反射鏡の底面に達する深さを有する
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の面発光型半導体レーザ。
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