JP7146677B2 - 筒型防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばスタビライザブッシュやサスペンションブッシュ等の筒型防振装置に関するものである。
従来から、筒状のゴム弾性体を備えた筒型防振装置が、スタビライザブッシュやサスペンションブッシュ等として用いられている。
ところで、このような筒状のゴム弾性体は、例えば特開昭62-116120号公報(特許文献1)に示されているように、成形型に設けられたゲートを通じて成形キャビティへ弾性材料を射出成形することによって成形される。
特開昭62-116120号公報
ところが、特許文献1に記載のように筒状のゴム弾性体の外周面にゲートを設けると、外周面にゲート残りが発生して、ゴム弾性体の外周面へのブラケット金具等の装着に支障となったり、ブラケット金具による局所的な押圧力の発生等が問題になるおそれがあった。
本発明の解決課題は、ゲート残りによる上述の如き問題を軽減乃至は回避し得る新規な構造の筒型防振装置を提供することにある。
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
第一の態様は、それぞれ半筒状の第一の半割弾性体と第二の半割弾性体が周方向の端面を互いに重ね合わせるようにして組み合わされた筒型防振装置において、前記第一の半割弾性体と前記第二の半割弾性体の少なくとも一方の半割弾性体は、周方向の端面に凹部が設けられており、該凹部の底面に成形材料の注入口が設けられているものである。
本態様では、半割構造の筒状ゴム弾性体を採用することで各半割弾性体において周方向の重ね合わせ面を構成し、そして、当該重ね合わせ面上に注入口(ゲート)位置を設定した。しかも、かかる注入口位置には、半割弾性体の周方向端面に開口する凹部を設け、当該凹部の底面に注入口を設定した。
これにより、本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、筒状ゴム弾性体の外周面へのブラケット金具等の装着に際してゲート残りが問題となることがない。また、たとえゲート残りが発生しても、凹部の底面に注入口が位置していることから、重ね合わせ面からの突出が回避又は低減され得て、ゲート残りに起因する特性のばらつきや組付作業への悪影響等が防止される。特に、注入口が設定された凹部の形成面は、ブラケット等の金属部材への重ね合わせ面でなく、弾性体同士の重ね合わせ面とされることから、凹部の形成やゲート残りの突出などの影響が、両弾性体の弾性変形によって効果的に軽減され得る。
第二の態様は、前記第一の態様に係る筒型防振装置において、前記注入口を有する前記凹部が設けられた前記少なくとも一方の半割弾性体には、径方向の中間部分に埋設状態で中間板が配されていると共に、該凹部の底面から周方向に離れて該中間板の周方向端が設定されているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、要求される防振特性等に応じて中間板を設ける場合でも、半割弾性体の周方向端部から中間板の内周と外周の両側に向けて成形材料を効率良く充填できて、品質の向上と安定化が図られ得る。
第三の態様は、前記第二の態様に係る筒型防振装置において、前記中間板の周方向全長に亘って、前記半割弾性体から該中間板が軸方向外方に突出しているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、中間板において半割弾性体から軸方向に突出した部分を利用することで、例えば弾性体の成形キャビティ内での中間板の位置決めや、スタビライザバー外周面に対する各半割弾性体の接着に際しての接着面への加圧操作などを、容易に行うことも可能になる。
第四の態様は、前記第二又は第三の態様に係る筒型防振装置において、前記中間板の軸方向の端部には、周方向で部分的に軸方向外方に突出して、前記半割弾性体の成形型への位置決め用の突起が設けられているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、位置決め用の突起を外れた部分では中間板の軸方向端が半割弾性体に埋設状態とされ得ることから、ゴム中間板の成形型への位置決めを容易としつつ、例えば弾性体ボリュームを確保したり、成形時における中間板の内外周への成形材料の回り込みを容易としたり、中間板の内外周の弾性体の一体化を向上させたりすることも可能となる。
第五の態様は、前記第一~第四の何れか一つの態様に係る筒型防振装置において、前記注入口を有する前記凹部が設けられた前記少なくとも一方の半割弾性体において、該半割弾性体における周方向一方の端面だけに該凹部が設けられているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、半割弾性体の成形時における成形材料の流動方向を周方向一方向とすることで、成形材料の充填性の向上ひいては半割弾性体の品質の向上及び安定化を図ることが可能になる。
第六の態様は、前記第一~第五の何れか一つの態様に係る筒型防振装置において、前記第一の半割弾性体と前記第二の半割弾性体の両方に前記注入口を有する前記凹部が設けられていると共に、該第一の半割弾性体と該第二の半割弾性体の組み合わせに際して互いに重ならない位置に各該凹部が設けられているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、第一の半割弾性体と第二の半割弾性体とを互いに向かい合わせて重ね合わせた装着状態において、両半割弾性体の凹部が重なることで大きな隙間が発生することが防止され得、防振特性や耐久性への影響も回避される。
第七の態様は、前記第一~第六の何れか一つの態様に係る筒型防振装置において、前記注入口を有する前記凹部が設けられた前記少なくとも一方の半割弾性体において、該凹部の開口面積が該半割弾性体の周方向端面の面積の1/5以下とされているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、大きすぎる凹部を採用することによる半割弾性体への悪影響を抑えることができる。
本発明に従う構造とされた筒型防振装置によれば、ゲート残りによる問題を軽減乃至は回避することのできる新規な構造の筒型防振装置が提供され得る。
本発明の一実施形態としての筒型防振装置を車両への装着状態で示す斜視図 図1に示された筒型防振装置の縦断面図 図1に示された筒型防振装置を構成する第一の半割弾性体を示す斜視図 図3に示された第一の半割弾性体の正面図 図3に示された第一の半割弾性体の底面図 図3に示された第一の半割弾性体を構成する中間板を示す斜視図 図1に示された筒型防振装置を構成する第二の半割弾性体を示す斜視図 図7に示された第二の半割弾性体の正面図 図7に示された第二の半割弾性体の平面図 図5におけるX-X断面の要部を拡大して示す断面図 図9におけるXI-XI断面の要部を拡大して示す断面図 図3に示された第一の半割弾性体の製造方法の具体的な一例を説明するための説明図 本発明の別の態様としての筒型防振装置を構成する第一の半割体を示す底面図
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1,2には、本発明に係る筒型防振装置の一実施形態としてのスタビライザブッシュ10が、スタビライザバー12への装着状態で示されている。このスタビライザブッシュ10により、スタビライザバー12が車両ボデーに対して防振支持されることとなる。なお、以下の説明において、軸方向とは、スタビライザブッシュ10及びスタビライザバー12の中心軸方向となる図2中の左右方向をいう。また、上下方向とは、図2中の上下方向をいうが、車両の上下方向とは必ずしも一致するものではない。
より詳細には、スタビライザブッシュ10は、全体として厚肉の筒状のゴム弾性体14からなり、略中心軸上を軸方向に貫通する円形の内孔16を有している。スタビライザブッシュ10を構成するゴム弾性体14は上下に分割されており、上側に位置する第一の半割弾性体18と、下側に位置する第二の半割弾性体20とが、互いに略同じ軸方向長さで形成されており、上下面を互いに突き合わせて組み合わされた構造とされている。
第一の半割弾性体18は、図3~5に示されるように、全体として軸方向へストレートに延びる半円筒形状とされており、第一の半割弾性体18の下方に曲率中心を有する下向きの凹溝形状とされている。そして、第一の半割弾性体18は、下面の幅方向(図5中の左右方向)中央部分に、半円形断面をもって軸方向の全長に亘って連続して延びる第一の凹溝22を有している。
また、第一の半割弾性体18の径方向中間部分(径方向中央に限らず内周面と外周面との間の径方向の任意の部分)には、中間板24aが埋設状態で配されている。本実施形態では、第一の半割弾性体18が、中間板24aを備える一体加硫成形品とされている。この中間板24aは、図6に示されるように、第一の半割弾性体18の内周面と略同じ曲率中心をもって半円筒状に湾曲した湾曲板形状とされている。
中間板24aの周方向長さは、第一の半割弾性体18の中間板24aの配設位置における周方向長さよりも僅かに短くされており、中間板24aの周方向両端部が第一の半割弾性体18から露出することなく、第一の半割弾性体18の内部に埋設されている。なお、本実施形態では、中間板24aの周方向両端部に切欠き26,26が形成されていることにより、中間板24aの軸方向中間部分の周方向長さが、軸方向両端部分に比べて小さくされている。
中間板24aの軸方向長さは、第一の半割弾性体18の軸方向長さよりも大きくされており、中間板24aの軸方向端部が第一の半割弾性体18から軸方向外方に突出している。本実施形態では、中間板24aの軸方向両端部が、第一の半割弾性体18から軸方向外方に突出している。特に、本実施形態では、中間板24aの軸方向両端部が、周方向の全長に亘って、第一の半割弾性体18から軸方向外方に突出している。
また、本実施形態では、中間板24aの軸方向両端部において、周方向で部分的に位置して軸方向外方に突出する突起28が設けられている。この突起28により、中間板24aの取り扱いが容易とされており、例えば後述する第一の半割弾性体18の成形時において、成形型56内で中間板24aを位置決めすることもできる。本実施形態では、突起28が、中間板24aの周方向両端部に、それぞれ1/5周以下の大きさで設けられている。
第二の半割弾性体20は、図7~9に示されるように、第一の半割弾性体18と略同様に全体としてストレートに延びる半円筒形状とされており、第二の半割弾性体20の内周面は上方に曲率中心を有する上向きの凹溝形状とされている。即ち、第二の半割弾性体20は、上面の幅方向(図9中の左右方向)中央部分に、半円形断面をもって軸方向の全長に亘って連続して延びる第二の凹溝30を有している。なお、第二の半割弾性体20の外周面は、略箱形状とされており、下面が矩形の平坦な車両への取付面とされている。
また、第一の半割弾性体18と同様に、第二の半割弾性体20にも、径方向中間部分に中間板24bが埋設状態で配されている。中間板24bは、上述の中間板24aを上下反転したものと実質的に同じ半円筒状の湾曲板形状とされており、本実施形態では、第二の半割弾性体20が、中間板24bを備える一体加硫成形品とされている。
第二の半割弾性体20の一体加硫成形品では、第一の半割弾性体18の一体加硫成形品と同様に、中間板24bが周方向両端部では第二の半割弾性体20から露出することなく埋設状態とされているが、軸方向両端部では周方向の全長に亘って第二の半割弾性体20から軸方向外方に突出されている。また、中間板24bの軸方向両端部には、突起28,28が軸方向外方に突出して設けられている。
そして、第一の半割弾性体18の周方向両端面32,32と第二の半割弾性体20の周方向両端面34,34とを互いに突き合わせて重ね合わせるようにして、非接着で組み合わせることでゴム弾性体14が構成されている。また、それぞれ半円形状とされた第一の凹溝22と第二の凹溝30の開口面が相互に重ね合わされることで、ゴム弾性体14の略中央に円形の内孔16が軸方向に貫通して形成されている。
このゴム弾性体14の内孔16にスタビライザバー12が挿通状態で配されると共に、ゴム弾性体14の外周面にブラケット36が重ね合わされて、当該ブラケット36が車両ボデー側の部材38に固定されることで、スタビライザバー12が車両ボデーに対して防振支持される。
ブラケット36の形状は限定されるものではないが、本実施形態では、ゴム弾性体14の外周面に沿った形状とされた、略U字状(図1,2では逆向きの略U字状)の装着部40と、当該装着部40の開口端部から互いに反対方向に突出する平板状の取付部42,42とを備えている。そして、ブラケット36は、第一の半割弾性体18側から被せられるようにして、第一の半割弾性体18の外周面と第二の半割弾性体20の両側面とに当接して覆うようにゴム弾性体14へ装着される。また、取付部42,42においてブラケット36が、取付ボルト44,44等で車両ボデー側の部材38に固定されることで、第一及び第二の半割弾性体18,20からなるスタビライザブッシュ10が、ブラケット36の装着部40と車両ボデー側の部材38との間で圧縮状態とされて装着され、スタビライザバー12を車両ボデー(車両ボデー側の部材38)に対して防振支持せしめることとなる。
なお、スタビライザブッシュ10とスタビライザバー12の重ね合わせ面は、接着しても良いし非接着としても良い。
ここにおいて、図10,11にも示されるように、第一の半割弾性体18の周方向端面32及び第二の半割弾性体20の周方向端面34には、凹部46,48が設けられている。本実施形態では、第一の半割弾性体18の周方向両端面32,32にそれぞれ一つずつ凹部46,46が設けられていると共に、第二の半割弾性体20の周方向両端面34,34にそれぞれ一つずつ凹部48,48が設けられており、各端面32,34の外周端から中央に離れた位置で各端面32,34の面上に開口している。
なお、各凹部46,48の形状や大きさは限定されるものでなく、互いに同じにする必要もないが、本実施形態では、これら凹部46,48が、図5や図9に示される底面視や平面視において略矩形状とされており、特に本実施形態では、凹部46,48がそれぞれ同形状、且つ同じ大きさで形成されている。
そして、これら凹部46,48の内部に、第一及び第二の半割弾性体18,20における成形材料の注入口、即ちゲート残りの位置G(図5,9参照)が設定されている。本実施形態では、各凹部46,48の底面50,52にゲート残りの位置Gが設定されている。
さらに、本実施形態では、中間板24a,24bの周方向両端部に切欠き26がある程度の軸方向寸法をもって形成されており、当該切欠き26の形成領域において、凹部46,48が設けられている。これにより、凹部46,48の底面50,52から中間板24a,24bが露出せず且つ周方向で所定距離だけ離隔して配置されている。即ち、切欠き26を有する中間板24a,24bの端縁は、凹部46,48の内面から所定距離だけ離れて位置せしめられている。
なお、凹部46の深さ寸法D1 (図10参照)は、第一の半割弾性体18の周方向長さR1 (図4参照)の1/5以下とされることが好適であり、より好適には1/10以下とされる。また、凹部48の深さ寸法D2 (図11参照)は、第二の半割弾性体20の周方向長さR2 (図8参照)の1/5以下とされることが好適であり、より好適には1/10以下とされる。なお、第一の半割弾性体18の周方向長さR1 及び第二の半割弾性体20の周方向長さR2 は、それぞれ第一の半割弾性体18の周方向長さ及び第二の半割弾性体20の周方向長さの平均であり、本実施形態では、それぞれ第一の半割弾性体18及び第二の半割弾性体20の径方向中央における周方向長さとされる。凹部46,48の深さ寸法D1 ,D2 が上記範囲内に設定されることで、第一の半割弾性体18と第二の半割弾性体20とを重ね合わせた際におけるゴム弾性体14の内部の隙間を小さく抑えることができて、防振特性や耐久性への影響が回避乃至は軽減され得る。また、凹部46,48の深さ寸法D1 ,D2 は、後述するゲート残りの影響軽減作用を考慮して、0.5mm以上とされることが望ましく、より好適には1mm以上とされる。
また、凹部46の開口面積S1 (図5参照)は、第一の半割弾性体18の周方向端面32における面積T1 (図5参照)の1/5以下とされることが好適であり、より好適には1/10以下とされる。更に、凹部48の開口面積S2 (図9参照)は、第二の半割弾性体20の周方向端面34における面積T2 (図9参照)の1/5以下とされることが好適であり、より好適には1/10以下とされる。凹部46,48の開口面積S1 ,S2 が上記範囲内に設定されることで、第一の半割弾性体18と第二の半割弾性体20とを重ね合わせた際におけるゴム弾性体14の内部の隙間を小さく抑えることができて、防振特性や耐久性への影響を回避又は軽減できる。
更にまた、本実施形態では、第一の半割弾性体18の周方向両端面32,32に設けられた凹部46,46の軸方向位置が相互に異ならされていると共に、第二の半割弾性体20の周方向両端面34,34に設けられた凹部48,48の軸方向位置が相互に異ならされている。
特に、本実施形態では、第一の半割弾性体18の周方向一方の端面32に設けられた凹部46と周方向他方の端面32に設けられた凹部46とが、底面視における略中央の点Oを中心に点対称の位置に設けられている。また、第二の半割弾性体20の周方向一方の端面34に設けられた凹部48と周方向他方の端面34に設けられた凹部48とが、平面視における略中央の点O’(第一の半割弾性体18の略中央の点Oと上下方向で重なる)を中心に点対称の位置に設けられている。これにより、第一の半割弾性体18に設けられる凹部46,46や第二の半割弾性体20に設けられる凹部48,48が、例えば軸方向一方の側に偏ることがなく、防振特性等への影響が小さく抑えられ得る。
更に、本実施形態では、相互に重ね合わされる第一の半割弾性体18の周方向端面32と第二の半割弾性体20の周方向端面34とに設けられた凹部46,48における軸方向位置が相互に異ならされている。これにより、第一の半割弾性体18と第二の半割弾性体20とを組み合わせた際に凹部46,48が相互に重なって連続することが回避されて、ゴム弾性体14の内部の隙間を小さく抑えることができる。また、これら凹部46,48が、軸方向である程度の離隔距離をもって設けられることで、凹部46,48が、例えばつながったり接近し過ぎて設けられたりすることがなく、ゴム弾性体14の内部で隙間が偏ることが回避されて、防振特性等への影響が小さく抑えられ得る。
本実施形態における第一の半割弾性体18び第二の半割弾性体20の製造方法は限定されるものでないが、例えば第一の半割弾性体18の製造工程を例示する図12(a)~(d)に示されている如き成形型56を用いたピンゲート射出成形等によって製造され得る。なお、図12では、図5におけるX-X断面に相当する図面を示して説明する。
すなわち、(a)成形型56を構成する上型58と下型60の型閉じ状態下、中間板24aを位置決めセットした成形キャビティ62に対して、(b)ランナ64から注入口としてのゲート66を通じて、上型58に設けられた凹部46形成用の凸部の先端面から成形材料を充填し、(c)冷却及び加硫等の必要な処理時間の経過後、(d)型開き及び脱型するとにより目的とする第一の半割弾性体18を得ることができる。
なお、図12から判るように、ゲート66から充填された成形材料は、中間板24aの切欠き26を経て、中間板24aの内周側と外周側に分流するようにして充填され得る。また、図12から判るように、型開きに伴って成形材料が切断されるゲートは、凹部46内に位置していることから、ゲート残り68aが発生しても、かかるゲート残り68aは凹部46内に収容されることとなり、周方向端面32からの突出が回避又は軽減され得る。なお、第一の半割弾性体18に生じ得るゲート残り68aを図5において二点鎖線で仮想的に示す共に、同様にして成形される第二の半割弾性体20に生じ得るゲート残り68bを図9において二点鎖線で仮想的に示しておく。
以上の如き構造とされた第一及び第二の半割弾性体18,20によれば、第一の半割弾性体18の周方向両端面32,32と第二の半割弾性体20の周方向両端面34,34とを重ね合わせるようにしてゴム弾性体14が構成されることから、ゲート残りがゴム弾性体14の外周面に生じることがなく、ゴム弾性体14の外周面にブラケット36等の他部材が装着される場合でも、ゲート残りによる支障がない。特に、凹部46,48やゲート残り68a,68bは、スタビライザブッシュ10の表面に現れることなく、内部に位置することから、製品の外観上で問題になることもなく、他部材への装着等に際して支障になることもない。
しかも、凹部46,48やゲート残り68a,68bは、スタビライザブッシュ10における主たる荷重入力方向から外れた径方向位置に設定されることが望ましく、それによって、防振支持特性や耐久性等への影響が可及的に軽減され得ると共に、凹部46,48内に閉じ込められるエアに起因する異音発生等も略完全に防止され得る。例えば本実施形態では、車両装着状態での主たる径方向荷重の入力方向が図1,2中の略上下方向とされるのに対して、凹部46,48やゲート残り68a,68bが、それに略直交する左右方向の両側に位置して設定されている。
また、第一の半割弾性体18や第二の半割弾性体20の軸方向端面にゲート位置を設定すると、成形キャビティ内で成形材料を中間板の内外に回すために中間板の軸方向端部に切欠きを設ける必要がある。かかる切欠きに起因して、スタビライザブッシュ10の軸方向端部におけるスタビライザバー12への当接圧力を得難くなって、例えばブッシュ内周面への異物侵入やスタビライザバー12との接着力不足などが問題になるおそれがあった。これに対して、本実施形態のスタビライザブッシュ10では、中間板24a,24bの軸方向端部に切欠きを形成する必要がなく、中間板24a,24bの軸方向両端部を周方向の全体にわたって第一及び第二の半割弾性体18,20から軸方向外方に突出させることもできる。
それ故、射出成形時における成形材料の成形キャビティ62内の各部位への良好な充填性を確保しつつ、第一及び第二の半割弾性体18,20から軸方向外方に突出させた中間板24a,24bを利用して、例えばスタビライザバー12へ接着装着する際の接着面での押圧力の確保や、スタビライザバー12への非接着での装着状態下での装着面間への異物の侵入防止などが実現可能になる。
また、中間板24a,24bの軸方向両端部から更に軸方向外方へ突設された突起28を利用することで、成形材料と中間板24a,24bとの接着面積を大きく確保しつつ、成形キャビティ62内での中間板24a,24bの位置決めも容易となる。
また、本実施形態では、第一の半割弾性体18の周方向端面32と第二の半割弾性体20の周方向端面34とを重ね合わせた際に、第一の半割弾性体18に設けられた凹部46と第二の半割弾性体20に設けられた凹部48の位置が異ならされていることから、これら凹部46,48の開口部が、それぞれ第二の半割弾性体20の周方向端面34と第一の半割弾性体18の周方向端面32とで覆蓋される。それ故、両凹部46,48が相互に連続することがなく、ゴム弾性体14の内部で大きな隙間が生じることも回避され得る。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上述の実施形態や解決手段の欄における具体的乃至は限定的な記載によって制限的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良などを加えた態様で実施可能である。
例えば、図13には、本発明の別の態様としての筒型防振装置に採用される第一の半割弾性体70が示されている。この第一の半割弾性体70では、周方向の一方の側の端面32だけに凹部46が設けられている。このような態様によれば、第一の半割弾性体70の成形時に成形キャビティへ注入された成形材料が、周方向の一方の側から他方の側に向けて略一方向に流動して充填されることとなる。それ故、周方向中間位置におけるウェルドラインの発生を回避する等して、品質の安定性の向上を図ることも可能になる。
なお、本態様のように、第一の半割弾性体70において周方向の一方の側の端面32だけに凹部46が設けられる場合、第二の半割弾性体においては、第一の半割弾性体70における周方向他方の側の端面32に重ね合わされる周方向端面だけに凹部が設けられることが好ましい。それによって、第一の半割弾性体と第二の半割弾性体との周方向両側の突き合わせ面に各一つずつ略均等に凹部を位置せしめることができる。
また、本態様において、第一の半割弾性体70に設けられる凹部46と第二の半割弾性体に設けられる凹部とは、平面視における略中央の点Oを中心に点対称の位置をもって重ね合わされるようにすることがより好ましい。これにより、凹部によって発生するゴム弾性体の内部における隙間が特定の方向に偏ることもない。
また、本態様のように、周方向の一方の側の端面32だけに凹部46が設けられる場合には、凹部46は、周方向端面32の軸方向及び径方向中央に設けられてもよいが、中間板が設けられる場合には、中間板の形状やそれに伴う成形材料の回り性を考慮した位置に設けられることが好ましい。
また、前記実施形態では、第一の半割弾性体18と第二の半割弾性体20との両方に中間板24a,24bが設けられていたが、何れか一方に設けられてもよい。
また、中間板は、第一及び/又は第二の半割弾性体に対して軸方向一方のみで外方に突出していてもよいし、周方向の全長に亘って第一及び/又は第二の半割弾性体から軸方向で突出している必要もない。更に、中間板の軸方向両端部から更に軸方向外方に突出する位置決め用の突起は、中間板の周方向両端部に設けられる必要はなく、また、この位置決め用の突起のみが第一及び/又は第二の半割弾性体から軸方向外方に突出してもよい。尤も、中間板は、要求される防振特性等に応じて設けられるものであり、必須なものではない。
また、ゴム弾性体の内孔の内周面や、当該内孔に挿通されるスタビライザバー等の外周面に、ばね特性の調節や摺動性の向上等の目的で、摺動布や樹脂材、金属材等が固着されていてもよい。ゴム弾性体の内孔の内周面は、スタビライザバーの外周面に対して、接着されてもよいし、非接着で装着されてもよい。
また、第一及び/又は第二の半割弾性体には、要求される防振特性等に応じて、肉抜やすぐり孔等が設けられてもよい。その際、半割弾性体に設けられる凹部を、肉抜やすぐり孔を利用して形成することで、軸方向の一方又は両方の端面に対して開放させることも可能である。更にまた、凹部の具体的形状等は限定されるものでなく、例示の矩形状の凹部の他、例えば円形等の凹部や底面に向けて次第に断面積が小さくなるテーパー状等の凹部を採用することも可能であり、凹部の数も限定されるものでない。
また、半割弾性体の成形方法は限定されるものでなく、例示のピンゲートの射出成形の他、サイドゲートやトランスファー成形、コンプレッション成形等を適用することも可能である。
なお、前記実施形態では、本発明に係る筒型防振装置としてスタビライザブッシュを例示したが、本発明は、サスペンションブッシュやデフマウント等の各種の筒型防振装置にも適用可能である。
10 スタビライザブッシュ(筒型防振装置)
12 スタビライザバー
14 ゴム弾性体
16 内孔
18 第一の半割弾性体
20 第二の半割弾性体
22 第一の凹溝
24a,24b 中間板
26 切欠き
28 突起
30 第二の凹溝
32 (第一の半割弾性体の)周方向端面
34 (第二の半割弾性体の)周方向端面
36 ブラケット
38 車両ボデー側の部材
40 装着部
42 取付部
44 取付ボルト
46,48 凹部
50,52 底面
56 成形型
58 上型
60 下型
62 成形キャビティ
64 ランナ
66 ゲート(注入口)
68a,68b ゲート残り(注入口)
70 第一の半割弾性体

Claims (7)

  1. それぞれ半筒状の第一の半割弾性体と第二の半割弾性体が周方向の端面を互いに重ね合わせるようにして組み合わされた筒型防振装置において、
    前記第一の半割弾性体と前記第二の半割弾性体の少なくとも一方の半割弾性体は、周方向の端面に凹部が設けられており、該凹部の底面に成形材料の注入口が設けられている筒型防振装置。
  2. 前記注入口を有する前記凹部が設けられた前記少なくとも一方の半割弾性体には、径方向の中間部分に埋設状態で中間板が配されていると共に、該凹部の底面から周方向に離れて該中間板の周方向端が設定されている請求項1に記載の筒型防振装置。
  3. 前記中間板の周方向全長に亘って、前記半割弾性体から該中間板が軸方向外方に突出している請求項2に記載の筒型防振装置。
  4. 前記中間板の軸方向の端部には、周方向で部分的に軸方向外方に突出して、前記半割弾性体の成形型への位置決め用の突起が設けられている請求項2又は3に記載の筒型防振装置。
  5. 前記注入口を有する前記凹部が設けられた前記少なくとも一方の半割弾性体において、該半割弾性体における周方向一方の端面だけに該凹部が設けられている請求項1~4の何れか1項に記載の筒型防振装置。
  6. 前記第一の半割弾性体と前記第二の半割弾性体の両方に前記注入口を有する前記凹部が設けられていると共に、
    該第一の半割弾性体と該第二の半割弾性体の組み合わせに際して互いに重ならない位置に各該凹部が設けられている請求項1~5の何れか1項に記載の筒型防振装置。
  7. 前記注入口を有する前記凹部が設けられた前記少なくとも一方の半割弾性体において、該凹部の開口面積が該半割弾性体の周方向端面の面積の1/5以下であり、且つ該凹部の深さ寸法が該半割弾性体の周方向長さの1/5以下とされている請求項1~6の何れか1項に記載の筒型防振装置。
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