JP7145408B2 - 車両用内装構造 - Google Patents
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Description
また、前席側フロアパネルが低い分、前席側スライドレールと前席側フロアパネルとの間に隙間が形成されることになるので、乗降時に、乗員の足のつま先が当該隙間に侵入するおそれがあった。
本発明の他の一態様は、フロアパネル上には、車両幅方向に延びる前側クロスメンバ及び後側クロスメンバが車両前後方向に間隔を空けて設けられているとともに、シートを摺動自在に支持する一対のスライドレールが前記前側クロスメンバと前記後側クロスメンバとを架け渡すように配置され、前記フロアパネルには、車両上方から覆うカーペットが設けられ、前記フロアパネルの車両幅方向の側部には、車両前後方向に延びるサイドシルと、該サイドシルを車両上方から覆うサイドシルスカッフが設けられ、該サイドシルスカッフは、車両上方を向く上壁部と該上壁部の車両幅方向内側から車両下方へ向かって延びる側壁部とを有している車両用内装構造において、前記フロアパネルと前記カーペットとの間には嵩上部材が配置され、該嵩上部材は、前記カーペットを間に挟んで前記サイドシルスカッフの側壁部の下端を支持する位置に設けられ、前記サイドシルスカッフの側壁部と前記スライドレールとは並んで配置され、前記嵩上部材は、前記一対のスライドレールのうち、車両上下方向下側のロアスライドレールの車両下方であって、前記後側クロスメンバの車両前方に配置されており、前記嵩上部材は、第1の嵩上部材として構成されているとともに、該第1の嵩上部材の車両後方側には、前記後側クロスメンバを間に置いて第2の嵩上部材が配置され、前記フロアパネルは、前記後側クロスメンバの車両後方へ向かうほど車両上方に位置するように傾斜した形状に形成されている一方、前記第2の嵩上部材は、前記後側クロスメンバの車両後方へ向かうほど車両下方に位置するように傾斜した形状に形成されている。
したがって、本発明の車両用内装構造においては、嵩上部材がサイドシルスカッフの側壁部の下端を支持する位置に設けられているので、サイドシルスカッフの側壁部の車両上下方向の長さを短く形成できるとともに、サイドシルスカッフが受ける荷重を嵩上部材やフロアパネルなどに分散させることができ、荷重が掛かってもサイドシルスカッフが撓み難くなり、荷重入力時に発生するサイドシルスカッフの変形を効果的に抑えることができる。
また、本発明の車両用内装構造においては、嵩上部材が車両上下方向下側のロアスライドレールの車両下方位置まで延びているので、当該嵩上部材によりロアスライドレールとフロアパネルとの間に乗員の足が侵入するのを防ぐことができるとともに、サイドシルスカッフの上壁部を車両幅方向内側に延ばして幅広に形成でき、乗員が円滑に乗降することができる。特に、本発明のシートがウォークイン機構を有するシートである場合、本発明の車両用内装構造では、最も車両前方にスライドさせた状態にあるシートの後端と車両上下方向で重なる位置まで嵩上部材を延ばすことが可能であるので、後席乗員が乗降するスペースの狭いウォークイン機構を有するシートでは、乗員がロアシートレールの後端及びサイドシルスカッフを踏む機会が多くなっても、乗員の乗降に支障が生じることは起こらない。
図1~図8は本発明の実施形態に係る車両用内装構造を示すものである。なお、図において、矢印Fr方向は車両前方を示し、矢印U方向は車両上方を示している。
また、前側クロスメンバ2及び後側クロスメンバ3は、前後左右の端部にフランジ部2a,3aを有する下向き開口の断面略ハット型形状に形成されており、これらフランジ部2a,3aをフロアパネル1の上面などにスポット溶接等で接合することにより、フロアパネル1の上部に設けられている。そして、フロアパネル1、前側クロスメンバ2及び後側クロスメンバ3には、図2~図6に示すように、車両上方からこれらパネル及びメンバの上部を覆うカーペット5が設けられている。一方、スライドレール41,42は、前後のクロスメンバ2,3に取付けられる車両上下方向下側のロアスライドレール41と、シート4におけるシートクッション4aの下面に取付けられる車両上下方向上側のアッパスライドレール42とから構成されており、それぞれ一定の長さに渡り車両前後方向に沿って延び、摺動可能に係合している。
一方、サイドシルスカッフ7は、図5~図7に示すように、車両上方を向く上壁部71と、該上壁部71の車両幅方向内側から車両下方へ向かって延びる側壁部72とを有し、これら上壁部71及び側壁部72は、一体成形されている。なお、サイドシル6の車両外側には、サイドシルアウタパネル62の上下部フランジ62a,62bに接合されるサイドボディアウタパネル10が設けられており、サイドボディアウタパネル10の上面には、上部フランジ62aとの接合部を越えて車両外側に延びるサイドシルスカッフ7の車両幅方向外側の側壁部73が配置されている。
そして、サイドシルスカッフ7の側壁部72とスライドレール41,42とは、図2~図4に示すように、車両幅方向に並んで配置されており、嵩上部材8は、一対のスライドレール41,42のうち、車両上下方向下側のロアスライドレール41の車両下方であって、後側クロスメンバ3の車両前方に配置されている。これに伴い、ロアスライドレール41は、嵩上部材8の高さ相当分だけ高く配置されていることになる。
また、サイドシルスカッフ7の裏面7a側には、図5及び図8に示すように、上壁部71と車両幅方向内側の側壁部72とを跨ぐように配置される補強部74が突出して設けられており、車両前方側が開口し、かつ面で接することが可能な箱型の形状を有し、全体が車両後方視で三角形状に形成されている。この補強部74は、カーペット5を間に挟んで嵩上部材8の上に位置しており、当該補強部74が嵩上部材8に支持されるように構成されている。これによって、サイドシルスカッフ7の上壁部71及び車両幅方向内側の側壁部72に加わる荷重の伝達面積が増え、嵩上部材8などへの荷重伝達の効果が高められるようになっている。なお、サイドシルスカッフ7の後部は、図6に示すように、裏面7a側に設けたクリップ75などを後側クロスメンバ3の差込孔31に差し込むことによって、当該後側クロスメンバ3に取付けられている。
なお、本実施形態の車両用内装構造では、ロアスライドレール41が車両前方側ほど車両上方に位置するように傾斜して配置され、レール全体の高さが揃っているわけではないので、図6に示すように、サイドシルスカッフ7及びロアスライドレール41の後端部における、後側クロスメンバ3の上方にて同じ高さに設定されている。これにより、サイドシルスカッフ7及びロアスライドレール41に掛かる荷重を後側クロスメンバ3で受けることができ、サイドシルスカッフ7の撓み変形をより一層低減させることができる。
これにより、フロアパネル1が車両後部側から車両中央部にかけて低くなっている構造を採用している場合でも、第2の嵩上部材9が介在していることで後側クロスメンバ3の高さまで滑らかに繋ぎ、後側シートの乗員の足が後側クロスメンバ3やロアスライドレール41の車両後方に置きやすくしている。
したがって、本実施形態の車両用内装構造においては、嵩上部材8がサイドシルスカッフ7の側壁部72の下端72aを支持する位置に設けられていることになるので、サイドシルスカッフ7の側壁部72の車両上下方向の長さLを短く形成できるとともに、サイドシルスカッフ7からの荷重を嵩上部材8の面で受けて広範囲に分散させることができる。その結果、サイドシルスカッフ7は、荷重が掛かっても撓み難い構造となり、荷重入力時に発生するサイドシルスカッフ7の変形を効果的に抑えることができる。
なお、サイドシルスカッフ7の側壁部72が車両上下方向に長い形状を有していると、剛性を上げるためのリブを設ける必要が生じ、リブの設定でリブの根元が厚くなり、ヒケなどの成形上の問題が発生する。しかも、幅の狭いリブでは、サイドシルスカッフ7からの荷重を面で支えることができないので、リブを多数配置する必要が生じ、これも成形上の問題につながってしまうことになる。
また、本実施形態の車両用内装構造においては、嵩上部材8が車両上下方向下側のロアスライドレール41の車両下方まで延びているので、当該嵩上部材8によりロアスライドレール41とフロアパネル1との間に乗員の足が侵入するのを防止できるだけではなく、サイドシルスカッフ7の上壁部71を車両幅方向内側に延ばして幅広に形成でき、乗員が円滑に乗降することができる。
したがって、本実施形態の車両用内装構造によれば、フロアパネル1が車両後部側から車両中央部にかけて低くなっている構造を採用している場合でも、第2の嵩上部材9が介在していることで後側クロスメンバ3の高さまで滑らかに繋ぎ、後席(後側シート)の乗員の足を後側クロスメンバ3やロアスライドレール41の車両後方にゆったりと容易に置くことができ、車室内における良好な居住性を確保することができる。
2 前側クロスメンバ
2a フランジ部
3 後側クロスメンバ
3a フランジ部
4 シート
4a シートクッション
5 カーペット
6 サイドシル
7 サイドシルスカッフ
7a 裏面
41 ロアスライドレール
41a 上端部
42 アッパスライドレール
71 サイドシルスカッフの上壁部
72 サイドシルスカッフの車両幅方向内側の側壁部
72a 下端
74 補強部
Claims (4)
- フロアパネル上には、車両幅方向に延びる前側クロスメンバ及び後側クロスメンバが車両前後方向に間隔を空けて設けられているとともに、シートを摺動自在に支持する一対のスライドレールが前記前側クロスメンバと前記後側クロスメンバとを架け渡すように配置され、前記フロアパネルには、車両上方から覆うカーペットが設けられ、前記フロアパネルの車両幅方向の側部には、車両前後方向に延びるサイドシルと、該サイドシルを車両上方から覆うサイドシルスカッフが設けられ、該サイドシルスカッフは、車両上方を向く上壁部と該上壁部の車両幅方向内側から車両下方へ向かって延びる側壁部とを有している車両用内装構造において、
前記フロアパネルと前記カーペットとの間には嵩上部材が配置され、該嵩上部材は、前記カーペットを間に挟んで前記サイドシルスカッフの側壁部の下端を支持する位置に設けられ、
前記サイドシルスカッフの側壁部と前記スライドレールとは並んで配置され、前記嵩上部材は、前記一対のスライドレールのうち、車両上下方向下側のロアスライドレールの車両下方であって、車両幅方向において少なくとも部分的に前記ロアスライドレールと重なる位置に、かつ、前記後側クロスメンバの車両前方に配置されていることを特徴とする車両用内装構造。 - 前記サイドシルスカッフの上壁部は、前記サイドシルよりも車両幅方向内側に延びる幅広形状を有し、前記サイドシルスカッフの裏面側には、前記上壁部と前記側壁部とを跨ぐように配置される補強部が突出して設けられ、該補強部は、前記カーペットを間に挟んで前記嵩上部材の上に位置していることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装構造。
- 前記サイドシルスカッフの上壁部と前記ロアスライドレールの上端部とは、同じ高さ位置となるように揃えて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装構造。
- フロアパネル上には、車両幅方向に延びる前側クロスメンバ及び後側クロスメンバが車両前後方向に間隔を空けて設けられているとともに、シートを摺動自在に支持する一対のスライドレールが前記前側クロスメンバと前記後側クロスメンバとを架け渡すように配置され、前記フロアパネルには、車両上方から覆うカーペットが設けられ、前記フロアパネルの車両幅方向の側部には、車両前後方向に延びるサイドシルと、該サイドシルを車両上方から覆うサイドシルスカッフが設けられ、該サイドシルスカッフは、車両上方を向く上壁部と該上壁部の車両幅方向内側から車両下方へ向かって延びる側壁部とを有している車両用内装構造において、
前記フロアパネルと前記カーペットとの間には嵩上部材が配置され、該嵩上部材は、前記カーペットを間に挟んで前記サイドシルスカッフの側壁部の下端を支持する位置に設けられ、
前記サイドシルスカッフの側壁部と前記スライドレールとは並んで配置され、前記嵩上部材は、前記一対のスライドレールのうち、車両上下方向下側のロアスライドレールの車両下方であって、前記後側クロスメンバの車両前方に配置されており、
前記嵩上部材は、第1の嵩上部材として構成されているとともに、該第1の嵩上部材の車両後方側には、前記後側クロスメンバを間に置いて第2の嵩上部材が配置され、
前記フロアパネルは、前記後側クロスメンバの車両後方へ向かうほど車両上方に位置するように傾斜した形状に形成されている一方、前記第2の嵩上部材は、前記後側クロスメンバの車両後方へ向かうほど車両下方に位置するように傾斜した形状に形成されていることを特徴とする車両用内装構造。
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