JP7144995B2 - 車両の安全装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の安全装置に関する。
従来から走行中の車両が、他の車両や歩行者等の衝突物に衝突する際の衝撃を緩和する車両の安全装置が提案されている。
例えば、車両前方のバンパー等に金属袋を備えたり、膨張可能なビームを備えておき、衝突の際に、金属袋やビームを膨張させ、ぶつかる対象物との緩衝作用を果たし、衝突物との衝撃を緩和させるようにしている(特許文献1参照)。
特表平10-512210号公報
しかしながら、上記のようにビーム等を膨張させる場合、衝突する対象が歩行者等であると、歩行者側の受ける衝撃が大きなものとなってしまう。一方、ビーム等の内圧を下げて歩行者等に対する衝撃を抑えようとすると、車両等と衝突する際に、衝突物との衝撃を有効に緩和することができなくなってしまうという問題がある。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、車両や歩行者等の様々な衝突対象物に対応して、適切な衝撃吸収を行うことができる車両の安全装置を提供することを課題とする。
本発明に係る車両の安全装置は、車体の一部を構成し、塑性変形するストラクチャと、前記ストラクチャ内にガスを供給させるインフレータと、前記ストラクチャ内のガス量を制御する展開制御部と、車両に対する衝突物の有無と衝突物の判定を行う衝突検知部と、を備え、前記展開制御部は、前記衝突検知部に判定された衝突物に応じて、前記ストラクチャ内のガス量を制御する、ことを特徴とする。
また、前記展開制御部は、前記インフレータによるガスの供給により前記ストラクチャを展開させた後に、前記ストラクチャ内のガスを抜くことにより、前記ストラクチャ内のガス量を制御する、ようにしてもよい。
さらに、前記展開制御部は、前記衝突検知部により歩行者との衝突が事前に検知された場合、前記ストラクチャを展開させるために供給された前記ストラクチャ内のガスを、衝突の前に抜く、ようにしてもよい。
さらに、車両に対する衝突物の衝突位置を予測する衝突位置検知部と、を備え、前記展開制御部は、前記衝突物および前記衝突物の衝突位置に基づいて、前記ストラクチャ内のガス量を制御する、ようにしてもよい。
さらに、前記展開制御部は、前記衝突物による衝突を受けながら、前記ストラクチャ内のガスを抜く、ようにしてもよい。
本発明によれば、衝突対象物に対応した適切な衝撃吸収を行うことができる車両の安全装置を提供することができる。
本発明の実施の形態における安全装置を備えた車両の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態における可変構造物の平面図である。 車両と歩行者との衝突の大きさと衝突距離との関係を示すグラフである。 フルラップ衝突における衝突の大きさと衝突距離との関係を示すグラフである。 スモールオーバーラップ衝突における衝突の大きさと衝突距離との関係を示すグラフである。 途中からガスを抜く場合の衝突の大きさと衝突距離との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(車両1の構成)
まず、本発明の実施の形態における安全装置を備えた車両1の構成について、説明する。なお、図1は、本発明の実施の形態における安全装置を備えた車両1の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、車両1は、ストラクチャ10と、インフレータ20と、衝突検知部30と、圧力制御弁40と、車両制御装置(以下、ECUという)100と、を備えている。なお、衝突検知部30は、ECU100に含まれるものであってもよい。また、本実施の形態における安全装置は、ストラクチャ10、インフレータ20、衝突検知部30、圧力制御弁40、および、ECU100を備えたものである。
ストラクチャ10は、車両1の骨格を形成する枠体であり、車体の一部を構成するものである。また、ストラクチャ10は、例えば、車両1の側壁(前壁、後壁を含む)に沿って延在する。さらに、ストラクチャ10は、内部の圧力変化により変形する可変構造物11、すなわち、塑性変形するストラクチャを有している。
例えば、車両1の前方のストラクチャ10が可変構造物11となっている。なお、可変構造物11は、車両1の前方に限らず、車両1の後方、側方、あるいは、他の位置に設けられていてもよい。
本実施の形態では、可変構造物11が前方に設けられた車両1について、説明する。また、本実施の形態では、後方のストラクチャ10も可変構造物としているが、構成および動作方法は、対象となる衝突方向が異なるのみで、前方の可変構造物11と同様なので、説明は省略する。
可変構造物11は、インフレータ20に接続され、圧力制御弁40が設けられている。可変構造物11は、側面が蛇腹状になっており、通常時(衝突などの虞がない平常時)には、蛇腹が畳まれて収縮した状態となっている。そして、インフレータ20からガスが供給されると、蛇腹が開き、車両1の前方に突出する(展開ともいう)ようになっている。
また、可変構造物11内のガスは、圧力制御弁40を介して、外部に出力でき、可変構造物11内の圧力(内圧)は、調整できるようになっている。なお、可変構造物11は、インフレータ20からガスが供給されると、膨張し展開状態となるが、展開状態において、可変構造物11内のガスが多少抜かれても、具体的には、インフレータ20から供給されたガス量程度が抜かれても、収縮せず、展開状態を維持するようになっている。
インフレータ20は、信号入力に基づいて、火薬に点火し、燃焼による化学反応でガスを発生させ、可変構造物11にガスを供給するものである。具体的には、インフレータ20は、車両1に対する衝突が予測されると、ECU100により信号が入力され、可変構造物11にガスを供給して展開させるものである。なお、インフレータ20は、ECU100ではなく、衝突検知部30による衝突予測により、衝突検知部30から直接信号を入力するものであってもよい。
なお、本実施の形態では、インフレータ20を、車両1の幅方向における略中央、可変構造物11の後方略中央に設けている。これにより、インフレータ20から出力したガスを、可変構造物11に対して、バランスよくガスを供給して、可変構造物11を均等に展開させることができる。また、インフレータ20は、1つに限らず、複数設けてもよい。
衝突検知部30は、車両1の外部情報を取得し、衝突の有無および衝突物の種類などを検出するものである。すなわち、衝突検知部30は、取得した外部情報に基づいて、車両1に対する衝突の有無を予測して判定する。また、衝突検知部30は、衝突有りと判定した場合には、車両1に衝突する衝突物が何か、どのようなものであるかを検知し、判定を行うものである。具体的には、衝突検知部30は、車両1に対して衝突有りと判定した場合、衝突物の大きさや形状等を検知する。これにより、衝突検知部30は、衝突物が、歩行者であるのか、車両であるのか、建造物やガードレール等であるのか、といったことを事前に判定することができる。また、衝突物が車両である場合には、どのような車両であるのか、例えば、小型車か、大型車か、あるいは、二輪車であるか等、といったことも判定することができる。
さらに、衝突検知部30は、衝突物の位置や相対速度等を検知し、車両1に対する衝突物の衝突位置や衝突形態等を予測するものである。例えば、衝突検知部30は、衝突物が車両1のどこに衝突するのか、どの方向から衝突するのか、といったことを予測するものである。
そして、衝突検知部30は、衝突予測の有無、衝突が予測される場合には、衝突物の情報、および、衝突位置や衝突方向等を、ECU100に出力する。
なお、衝突検知部30は、車両1の外部情報の検知のみを行って、ECU100が衝突予測や、衝突物の判定などを行うようにしてもよい。すなわち、衝突検知部30は、外部情報検知部となり、ECU100が、衝突検知部および衝突位置検知部の機能を持つようにしてもよい。
圧力制御弁40は、可変構造物11内の圧力を制御するものである。具体的には、圧力制御弁40は、ECU100に制御され、可変構造物11内の圧力が、ECU100に制御された圧力(制御圧力)より大きくなると、可変構造物11から外部にガスを出力させ、可変構造物11内の圧力が、制御圧力以下である場合には、可変構造物11からガスを出力させないようにするものである。
なお、圧力制御弁40は、1つに限らず、複数設けてもよい。例えば、圧力制御弁40を、可変構造物11に対して均等に配置することにより、可変構造物11内の圧力をバランスよく抜くことができる。また、本実施の形態では、図1に示すように、圧力制御弁40を、可変構造物11の左後方に設けている。このように、圧力制御弁40を、可変構造物11の左後方に設けることにより、左側通行の場合、歩行者等との接触の可能性が高い左側から、効果的に可変構造物11の圧力を下げることができる。
また、圧力制御弁40は、例えば、減圧制御弁、逆止弁等を用いることもできる。
ECU100は、車両1全体を制御するためものである。また、ECU100は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUにより実行される制御プログラム、データテーブル、各コマンドやデータ等の記憶を行うROM(Read Only Memory)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)および入出力インターフェース回路を備え、車両1の制御を統括するようになっている。
また、ECU100は、衝突検知部30から衝突予測の有無、衝突物の情報、および、衝突位置情報等を、入力する。また、ECU100は、衝突予測を入力すると、インフレータ20に対して、作動信号を出力する。また、ECU100は、衝突物の情報、衝突位置情報等に基づいて、圧力制御弁40を制御する。
(可変構造物11の構成)
次に、可変構造物11の構成について、説明する。
図2は、本発明の実施の形態における可変構造物11の平面図である。
図2に示すように、可変構造物11は、上下左右の側面が蛇腹状になっており、伸び縮みできるようになっている。なお、可変構造物11の後端面の一部が、他のストラクチャ10等によって固定されている。また、可変構造物11の上下左右の一部、あるいは、上下が摺動可能に支えられるようになっていてもよい。
また、可変構造物11は、内部にガスが供給される中空の内部空間11aが形成されている。さらに、可変構造物11は、後部壁面の車幅方向中央付近にガス供給孔11bが形成されており、このガス供給孔11bから十分離れた後部壁面の左側にガス排出孔11cが形成されている。
ガス供給孔11bには、インフレータ20が接続されている。したがって、インフレータ20からガスが出力されると、ガス供給孔11bを介して、内部空間11aにガスが供給され、内部空間11aの圧力が高まって、可変構造物11の側面の蛇腹が延び、車両1の前方に向けて、大きく突出するようになっている。
ガス排出孔11cには、圧力制御弁40が接続されている。したがって、可変構造物11の内部空間11aの圧力が高まって、圧力制御弁40に設定された圧力よりも高くなると、ガス排出孔11cを介して、内部空間11a内のガスが排出され、設定された圧力以下では、内部空間11aから外部にガスが排出されないので、内部空間11a内の圧力を設定された圧力に保つことができる。
なお、可変構造物11は、インフレータ20からガスが供給されて、内部空間11aの圧力が高まって膨張する際には、塑性変形して、車両1の前方に向けて大きく突出した状態となるが、ガス排出孔11c、圧力制御弁40を介してガスを排出し、内部空間11aの圧力を低下させても、体積が大きく前方に突出した状態を保つようになっている。そして、可変構造物11に対して、衝突物が衝突すると、大きな力がかかり、衝撃を吸収しながら収縮する。すなわち、可変構造物11は、圧潰しながら、衝突物の力、加速度を弱めることとなる。
また、図2に示すように、本実施の形態の可変構造物11は、蛇腹部が外側に突形状に設けられている。このように、蛇腹部が外側に設けられていることにより、内側に畳まれている場合よりも、膨張させる際のガスの量を少なく抑えることができる。すなわち、インフレータ20を小さく抑えることができる。一方、蛇腹部が内側に畳まれた構造とした場合、膨張させる際のガスの量は多くなってしまうものの、通常時の強度を増すことができる。
ここで、車両1に対する衝突および衝突物の種類について、説明する。
まず、衝突物としては、大きく分けて、歩行者等と車両等とに分類することができる。歩行者等については、衝突物(歩行者)自体が弱く、衝突物そのものに対する衝撃力の緩和等、衝突物の安全も重要視しなければならないものが考えられる。
また、ここでいう車両等とは、一般的な自動車等に加え、建造物、例えば、電柱やガードレール等も含むものである。なお、自転車等の軽車両は、歩行者等として分類してもよい。
車両等の衝突には、前面衝突と、側面衝突と、があり、さらに、後方からの衝突もある。前面衝突には、車体前面の幅の全てに対して衝突するフルラップ衝突、車体前面の幅の約半分に対して衝突するオフセット(オーバーラップ)衝突、オフセット衝突の幅の約半分に対して衝突するスモールオーバーラップ衝突等がある。
(歩行者と衝突する際の動作)
次に、車両1が衝突物と衝突する際の動作について、説明する。
まず、車両1が歩行者と衝突する場合について、説明する。
図3は、車両1と歩行者との衝突の大きさ(衝突加速度)と衝突距離との関係を示すグラフである。なお、図3における破線のラインは、本実施の形態における安全装置を用いずに車両1と歩行者とが衝突した場合を示す。
まず、本実施の形態における車両1は、衝突検知部30が車両1に対する衝突物の有無の予測を行う。衝突検知部30は、外部情報を取得し、衝突物があると予測すると、衝突物の大きさや形状から衝突物が何(種類)であるかを判定する。また、衝突物との衝突位置や衝突方向も予測する。衝突検知部30は、衝突物が歩行者であると事前に予測すると、ECU100に対して、衝突を予測したことを示す情報(衝突予測情報)、衝突物が歩行者であることを示す情報(衝突物情報)を出力する。また、衝突物が車両等である場合には、衝突位置や衝突方向の情報(衝突位置等情報)も出力する。
なお、衝突検知部30は、衝突物情報をECU100に出力することにより、衝突予測情報の出力を兼用して、衝突予測情報を出力しないようにしてもよい。また、衝突物が歩行者であっても、衝突位置等情報を出力するようにしてもよい。
ECU100は、衝突予測情報を入力すると、インフレータ20に対して作動信号を出力する。また、ECU100は、入力した衝突物情報、衝突位置等情報から可変構造物11内の圧力の制御量、制御タイミングを算出し、算出した制御量および制御タイミングに合わせて、圧力制御弁40に対して制御信号を出力する。
ECU100は、衝突物情報が歩行者である場合には、衝突の前、すなわち、歩行者と接触する前までに、可変構造物11に対して入力したガスを全て抜くように制御する。
例えば、ECU100は、衝突物検知によって、衝突物が歩行者であると検知されると、インフレータ20に対して作動信号を出力し、次いで、インフレータ20により可変構造物11が最大限まで膨張させられたタイミングを見計らって、圧力制御弁40に対して、インフレータ20から入力された可変構造物11内のガスが全て出力されるように、圧力制御信号を出力する。ECU100は、この圧力制御弁40に対する圧力制御信号の出力を、歩行者との衝突の前までに実行する。
なお、本実施の形態では、インフレータ20から入力された可変構造物11内のガスを全て出力させるようにしているが、これに限らず、インフレータ20から入力されたガスの一部を残すようにしてもよい。また、インフレータ20から入力されたガスよりも多くのガスを、可変構造物11内から抜く、すなわち、可変構造物11内に元々入っていたガス(空気)を含めて、出力させるようにしてもよい。
図3に示すように、本実施の形態における安全装置を用いた場合、衝突の開始位置は早まる(手前となる)ものの、衝突の大きさの最大値を、大幅に減少させることができる。これは、可変構造物11が前方へ突出したため、衝突の開始は早まるが、可変構造物11内の圧力が小さくなっているので、可変構造物11の変形により衝撃が和らげられるためである。したがって、本実施の形態における安全装置は、車両1と歩行者との衝突の際に、歩行者を柔らかく受け止めること(最適な衝撃吸収)ができ、歩行者に対する衝撃を軽減し、歩行者(衝突物)および乗員の安全性を高めることができる。
(フルラップ衝突の際の動作)
次に、車両1に対して、他の車両がフルラップ衝突する場合について、説明する。
図4は、フルラップ衝突における衝突の大きさ(衝突加速度)と衝突距離との関係を示すグラフである。なお、図4における破線のラインは、本実施の形態における安全装置を用いずにフルラップ衝突が発生した場合を示す。
他車両によるフルラップ衝突の場合、歩行者との衝突の場合よりも、衝突の大きさが大きくなる。したがって、歩行者との衝突の場合のように、可変構造物11内の圧力を下げ過ぎてしまうと、衝撃を受け止めきれない虞がある。そこで、フルラップ衝突の場合には、可変構造物11内の圧力を、衝突の衝撃を受け止められるように、適切な圧力となるように制御する。
以下、フルラップ衝突の際の車両1の動作について、説明する。
車両1は、衝突検知部30が車両1に対する衝突物が有りと予測した場合、衝突物の大きさや形状、位置や相対速度等から、衝突物の種類や衝突形態等を予測する。また、衝突検知部30は、フルラップ衝突であると予測すると、衝突の大きさ(衝撃量)も予測する。
なお、衝突の大きさの予測量(衝撃予測量)は、衝突検知部30が算出せずに、必要な情報をECU100に出力して、ECU100が算出するようにしてもよい。
そして、衝突検知部30は、フルラップ衝突であると予測すると、ECU100に対して、衝突予測情報、フルラップ衝突情報、衝撃予測量等を出力する。
ECU100は、衝突予測情報を入力すると、インフレータ20に対して作動信号を出力する。また、ECU100は、入力したフルラップ衝突情報、衝撃予測量等から可変構造物11内の圧力の制御量、制御タイミングを算出し、算出した制御量および制御タイミングに合わせて、圧力制御弁40に対して制御信号を出力する。
例えば、ECU100は、フルラップ衝突である場合に、入力した衝撃予測量に応じて、圧力制御弁40に対して、インフレータ20から入力された可変構造物11内のガスの半分が出力されるように、圧力制御信号を出力する。したがって、可変構造物11に対して、衝突車両との衝突の際に、所定の内圧をもって衝突させることができる。これにより、衝突車両の衝撃を適切に緩和することができる。
なお、可変構造物11から出力させるガスの量は、当然のことながら、半分に限らず、衝撃予測量に応じて変更すればよい。また、衝撃予測量を用いずに、衝突車両の大きさや形状等に応じて、出力させるガスの量を設定するようにしてもよい。
図4に示すように、本実施の形態における安全装置を用いた場合、歩行者との衝突の場合と同様に、衝突の開始位置は早まるものの、衝突の大きさの最大値を減少させることができる。ここで、歩行者との衝突の際のように、可変構造物11内の圧力を下げ過ぎてしまうと、適切な位置で衝突の衝撃を受け止めきれず、衝突物の進入距離が延びてしまう。一方で、上記のように、可変構造物11内の圧力を適切に保つことにより、衝突物の衝撃を吸収することができる。
(スモールオーバーラップ衝突の際の動作)
次に、車両1に対して、他の車両がスモールオーバーラップ衝突する場合について、説明する。
図5は、スモールオーバーラップ衝突における衝突の大きさ(衝突加速度)と衝突距離との関係を示すグラフである。なお、図5における破線のラインは、本実施の形態における安全装置を用いずにスモールオーバーラップ衝突が発生した場合を示す。
スモールオーバーラップ衝突の場合、フルラップ衝突の場合と比べて、全体の衝突の大きさは同程度であるものの、所定の箇所に大きな力がかかり、特定位置での衝突物の進入距離が長くなるという問題がある。そこで、スモールオーバーラップ衝突の場合には、可変構造物11内の圧力を下げずに、衝突の衝撃を受け止めるように制御する。
以下、スモールオーバーラップ衝突の際の車両1の動作について、説明する。
車両1は、衝突検知部30が車両1に対する衝突物が有りと予測した場合、衝突物の大きさや形状、位置や相対速度等から、衝突物の種類や衝突形態等を予測する。ここでは、衝突検知部30が、スモールオーバーラップ衝突であると予測したものとする。
そして、衝突検知部30は、スモールオーバーラップ衝突であると予測すると、ECU100に対して、衝突予測情報、スモールオーバーラップ衝突情報等を出力する。
ECU100は、衝突予測情報を入力すると、インフレータ20に対して作動信号を出力する。また、ECU100は、入力したスモールオーバーラップ衝突情報を入力すると、可変構造物11内からガスが抜けないように、圧力制御弁40に対して弁を閉鎖させる制御信号を出力する。
なお、スモールオーバーラップ衝突の際に、ECU100は、可変構造物11内のガスを完全に出力させないようにするのではなく、多少の出力は許容するように制御してもよい。この場合、許容した圧力に制限されるように、圧力制御弁40に対して制御信号を出力する。
図5に示すように、本実施の形態における安全装置を用いた場合、衝突の大きさは変わらないものの、衝突の開始位置を早めることにより、衝突の終了位置を手前に留めることができる。すなわち、衝突物を車両1の内部奥まで侵入させずに、手前で止めることができる。これにより、車両1の客室内まで侵入するような衝突であっても、衝突物を侵入させず、乗員の安全を確保することができる。
(途中からガス抜きを行う場合の動作)
次に、衝突の途中からガス抜きを行う場合について、説明する。すなわち、衝突の瞬間には、可変構造物11内にガスが充満しているが、衝突が起きている最中(衝突により可変構造物11が変形している最中)に可変構造物11からガスを抜くようにする。
図6は、途中からガスを抜く場合の衝突の大きさ(衝突加速度)と衝突距離との関係を示すグラフである。なお、図6における破線のラインは、本実施の形態における安全装置を用いずにフルラップ衝突が発生した場合を示す。
以下、途中からガス抜きを行う場合の車両1の動作について、説明する。なお、本実施の形態では、フルラップ衝突において、衝突の途中からガス抜きを行う場合について、説明する。
車両1は、衝突検知部30が車両1に対する衝突物が有りと予測した場合、衝突物の大きさや形状、位置や相対速度等から、衝突物の種類や衝突形態等を予測する。ここでは、衝突検知部30は、フルラップ衝突であると予測する。
そして、衝突検知部30は、フルラップ衝突であると予測すると、ECU100に対して、衝突予測情報、フルラップ衝突情報等を出力する。
ECU100は、衝突予測情報を入力すると、インフレータ20に対して作動信号を出力する。また、ECU100は、入力したフルラップ衝突情報等から可変構造物11内の圧力の制御量、制御タイミングを算出し、算出した制御量および制御タイミングに合わせて、圧力制御弁40に対して制御信号を出力する。
ここでは、ECU100は、フルラップ衝突情報の入力により、圧力制御弁40に対して、衝突の直後まで可変構造物11内のガスが出力されないように、圧力制御信号を出力し、また、衝突の瞬間から所定時間経過後に可変構造物11内のガスが出力されるように、圧力制御信号を出力する。
なお、圧力制御弁40からガスを出力させるタイミングは、予め定められた時間でもよいし、可変構造物11内の圧力が所定の圧力に達した場合であってもよい。また、衝撃予測量を予測して、この衝撃予測量に応じて、圧力制御弁40の開放タイミングを決定するようにしてもよい。
図6に示すように、本実施の形態における安全装置を用いた場合、衝突物による衝撃を十分に吸収しながら、衝突の大きさの最大値(ピーク)を減少させることができる。また、圧力制御弁40からガスを出力させるタイミングを調整することによって、衝突の大きさの最大値を制御することができる。さらに、圧力制御弁40からガスを出力させるタイミングやガスの出力量(出力圧力)を調整することにより、衝突物の進入距離も制御することができる。
以上のように、本実施の形態における車両1の安全装置は、衝突を予測した衝突物の種類(例えば、歩行者であるか、車両であるか等)に応じて、可変構造物11内のガス量を制御するので、衝突対象物に対応した効果的で適切な衝撃吸収を行うことができる。
また、本実施の形態における車両1の安全装置は、インフレータ20によるガスの供給により可変構造物11を展開させた後に、可変構造物11内のガスを抜くことにより、可変構造物11内のガス量を制御するようにしているので、インフレータ20により可変構造物11が展開され、膨張した状態となってから可変構造物11内の圧力が低下させられることとなり、衝突物の衝撃を十分に吸収することができる。
さらに、本実施の形態における車両1の安全装置は、衝突検知部30が歩行者との衝突を予測した場合に、可変構造物11に供給したガスを、歩行者との衝突の前までに抜くようにしているので、歩行者と衝突した際に、可変構造物11が歩行者との衝突の衝撃を柔らかく吸収することができ、歩行者にかかる衝撃を和らげ、より安全に衝撃緩和を行うことができる。
さらに、本実施の形態における車両1の安全装置は、衝突物および衝突位置に基づいて、可変構造物11内のガス量を制御するので、衝突形態に応じた衝突吸収制御を行うことができ、衝突物や衝突形態に応じた適切な衝撃吸収を行うことができる。
さらに、本実施の形態における車両1の安全装置は、衝突物による衝突を受けながら可変構造物11内のガスを出力させるので、衝突物による衝撃を十分に吸収しながら、衝突の大きさの最大値(ピーク)も減少させることができる。
また、本実施の形態において、可変構造物11は、本願の塑性変形するストラクチャを構成する。
また、本実施の形態において、衝突検知部30およびECU100は、本願の展開制御部を構成する。
また、本実施の形態において、衝突検知部30は、本願の衝突検知部と衝突位置検知部とを構成し、兼用するものである。
なお、本実施の形態においては、可変構造物11の出力部に、圧力制御弁40を設けるようにしたが、これに限らず、単なる開口部を設け、その開口部の開閉をECU100が制御するようにしてもよい。また、圧力制御弁40、または、上記開口部の外側に負圧をかけるようにして、強制的に可変構造物11内のガスを出力させることができるようにしてもよい。
1 車両、10 ストラクチャ、11 可変構造物、11a 内部空間、11b ガス供給孔、11c ガス排出孔、20 インフレータ、30 衝突検知部、40 圧力制御弁、100 ECU

Claims (4)

  1. 車体の一部を構成し、塑性変形するストラクチャと、
    前記ストラクチャ内にガスを供給させるインフレータと、
    前記ストラクチャ内のガス量を制御する展開制御部と、
    車両に対する衝突物の有無と衝突物の判定を行う衝突検知部と、
    を備え、
    前記展開制御部は、前記衝突検知部により歩行者との衝突が事前に検知された場合、前記ストラクチャを展開させるために供給された前記ストラクチャ内のガスを、衝突の前に抜く、
    ことを特徴とする車両の安全装置。
  2. 車体の一部を構成し、塑性変形するストラクチャと、
    前記ストラクチャ内にガスを供給させるインフレータと、
    前記ストラクチャ内のガス量を制御する展開制御部と、
    車両に対する衝突物の有無と衝突物の判定を行う衝突検知部と、
    車両に対する衝突物の衝突位置を予測する衝突位置検知部と、
    を備え、
    前記展開制御部は、前記衝突物および前記衝突物の衝突位置に基づいて、前記ストラクチャ内のガス量を制御する、
    ことを特徴とする車両の安全装置。
  3. 前記展開制御部は、前記インフレータによるガスの供給により前記ストラクチャを展開させた後に、前記ストラクチャ内のガスを抜くことにより、前記ストラクチャ内のガス量を制御する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の安全装置。
  4. 前記展開制御部は、前記衝突物による衝突を受けながら、前記ストラクチャ内のガスを抜く、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両の安全装置。
JP2018137664A 2018-07-23 2018-07-23 車両の安全装置 Active JP7144995B2 (ja)

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