以下、図面と共に本発明に係るプロファイルダウンロード制御システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本実施形態に係るプロファイルダウンロード制御システム1を示す。プロファイルダウンロード制御システム1は、顧客情報管理サーバ10と、プロキシサーバ20とを含んで構成される。プロファイルダウンロード制御システム1は、UE(User Equipment)30によるプロファイルPのダウンロードを制御するシステムである。
UE30は、移動体通信網において(移動体通信網に接続して)移動体通信を行う移動通信端末(移動局)である。プロファイルPは、UE30が移動体通信網において移動体通信を行うために必要な情報である。プロファイルPには、例えば、通信事業者から提供された情報であるMSISDN(Mobile Subscriber ISDN Number、電話番号)、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)及び認証用の秘密鍵等が含まれる。
UE30にダウンロードされるプロファイルPは、UE30に備えられる加入者認証モジュールであるeUICC31(上述したように、ソフトウェアとしてはeSIM)に記憶される。eUICC31には、当該eUICC31を特定する識別子(情報)であるEIDが予め設定されている。
移動体通信網は、通常、通信事業者毎に複数存在している。プロファイルPは、移動体通信網に応じたものとなっている。UE30は、eUICC31に記憶されたプロファイルPに対応する移動体通信網において移動体通信を行うことができる。
eUICC31に記憶されるプロファイルPは書き換え可能である。プロファイルPを書き換えることにより、異なるプロファイルPにより(例えば、異なる電話番号で)移動体通信網における移動体通信を行うことができる。また、プロファイルPを書き換えることにより、UE30が移動体通信を行うことができる移動体通信網を変更することができる。プロファイルPの切替は、例えば、UE30の操作、又は移動体通信網側の制御により行われる。eUICC31に記憶されているプロファイルPが活性化されることで、UE30は、当該プロファイルPを用いた移動体通信を行うことができる。
eUICC31は、UICCとは異なり、通常、UE30に固定的に組み込まれている。そのため、UE30は、UICCの交換ができない、あるいは交換が難しい装置として、あるいはそのような装置に組み入れられて用いられることが多い。例えば、UE30は、M2M(マシンツーマシン)の通信を行う装置として、あるいはそのような装置に組み入れられて用いられる。但し、本発明では、加入者認証モジュールは、UICCと同様にUE30に着脱可能に装着されるものであってもよい。
UE30が、移動体通信網おいて移動体通信を行うためには、通常、UE30のユーザと移動体通信網の通信事業者とが契約を行う必要がある。通常、プロファイルPは契約と一対一で対応しており、ユーザが通信事業者と契約を結ぶと規約に応じたプロファイルPがユーザ、即ち、UE30に対して提供される。契約の情報は、契約された通信事業者の移動体通信網で保持される。
UE30は、SMサーバ40(SMサーバ40a,40b…の総称)からプロファイルPをダウンロードして、eUICC31にプロファイルPをインストールして記憶させる。それぞれのSMサーバ40は、プロファイルPを保持しており、UE30に対してプロファイルPを提供するサーバである。本実施形態では、1つの移動体通信網に係るプロファイルPを複数のSMサーバ40がUE30に提供する。例えば、eUICC31は、複数のベンダ(製造業者)によって提供されており、複数のSMサーバ40は、複数のベンダそれぞれによって設けられたものであってもよい。UE30は、複数のSMサーバ40の何れかからプロファイルPをダウンロードする。
UE30によるプロファイルPのダウンロードの前には、SMサーバ40において、UE30に備えられるeUICC31のEIDとダウンロード対象のプロファイルPとの紐付けであるBindが行われる。SMサーバ40は、プロファイルPのダウンロードの要求が行われた際に当該要求に含まれるEIDとBindされているプロファイルPをUE30に対して送信する。後述するようにSMサーバ40は、プロファイルダウンロード制御システム1からの要求に応じて自身が保持するプロファイルPとEIDとのBindを行う。
引き続いて、プロファイルダウンロード制御システム1に含まれる顧客情報管理サーバ10と、プロキシサーバ20とについて説明する。顧客情報管理サーバ10は、移動体通信網に含まれ、移動体通信網のユーザの情報を保持、管理する装置である。顧客情報管理サーバ10は、プロキシサーバ20及び各SMサーバ40と接続されており、互いに情報の送受信を行うことができる。
プロキシサーバ20は、UE30とSMサーバ40との間の通信を中継する装置である。プロキシサーバ20は、各SMサーバ40と接続されており、互いに情報の送受信を行うことができる。また、プロキシサーバ20は、UE30との間で情報の送受信を行うことができる。プロキシサーバ20とUE30との間の通信は、例えば、移動体通信網、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)(例えば、Wi-Fi)又は無線の専用回線を介して行われる。プロキシサーバ20とUE30との間の通信が移動体通信網を介して、即ち、移動体通信によって行われる場合には、当該移動体通信は、プロファイルPに係る信号の送受信の間だけ通信できるプロファイルPであるPP(Provisioning Profile)が用いられて行われてもよい。UE30は、予めプロキシサーバ20のアドレスを記憶している。プロキシサーバ20のアドレスは、UE30のユーザによってUE30に入力されてもよい。また、プロキシサーバ20とUE30との間の通信と同様に、顧客情報管理サーバ10とUE30との間の通信が行われてもよい。
顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20、即ち、プロファイルダウンロード制御システム1は、移動体通信網の通信事業者によって設けられる。
引き続いて、本実施形態に係るプロファイルダウンロード制御システム1に含まれる顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20の機能を説明する。図1に示すように顧客情報管理サーバ10は、提供先情報受付部11と、紐付要求部12と、優先リスト作成部13とを備えて構成される。
提供先情報受付部11は、プロファイルPの提供先を示す提供先情報を受け付ける機能部である。プロファイルPの提供先はeUICC31であり、提供先情報は当該eUICC31のEIDである。
例えば、ユーザがeUICC31を備えるUE30の利用に関して移動体通信網の通信事業者と契約を結ぶ際にEIDが提供先情報受付部11に通知される。契約が通信事業者の店舗で行われる場合には、店舗のスタッフの操作によって店舗に備えられる専用端末から専用回線を介してEIDが顧客情報管理サーバ10に送信される。あるいは、契約がインターネット等の通信を介して行われる場合には、ユーザ自身の操作によってユーザのPC(パーソナルコンピュータ)又はモバイル端末等からインターネット等の通信網を介してEIDが顧客情報管理サーバ10に送信される。この場合、EIDは、手入力又は通信事業者から送信されるQRコード(登録商標)が用いられてユーザの端末に入力されてもよい。なお、顧客情報管理サーバ10は、専用回線及びインターネット等の通信網に予め接続されている。EIDは、上記以外の方法で顧客情報管理サーバ10に送信されてもよい。例えば、契約の対象であるeUICC31を備えるUE20からEIDが顧客情報管理サーバ10に送信されてもよい。
提供先情報受付部11は、上記のように送信されたEIDを受信して受け付ける。提供先情報受付部11は、受け付けたEIDを紐付要求部12及び優先リスト作成部13に出力する。
紐付要求部12は、複数のSMサーバ40それぞれに対して、当該複数のSMサーバ40それぞれが保持するプロファイルPと提供先情報受付部11によって受け付けられた提供先情報とを紐付けするよう要求する機能部である。
紐付要求部12は、提供先情報受付部11からEIDを入力する。紐付要求部12は、自網のプロファイルPを提供する全てのSMサーバ40に対して、入力したEIDを含むBind要求を行う。SMサーバ40は、Bind要求を受信すると、当該Bind要求に含まれるEIDと自身が保持するプロファイルPの何れか一つとをBindする。BindされるプロファイルPは、UE30に対して提供可能なプロファイルPである。各SMサーバ40でのBindによって、何れのSMサーバ40でも、当該EIDによって示されるeUICC31を備えるUE30に対してプロファイルPの提供が可能になる。なお、紐付要求部12は、必ずしも、自網のプロファイルPを提供する全てのSMサーバ40に対してBind要求を行う必要はなく、所定の複数のSMサーバ40に対してBind要求を行ってもよい。
優先リスト作成部13は、プロファイルPをダウンロードさせるSMサーバ40を決定する機能部の一部である。優先リスト作成部13は、提供先情報受付部11からEIDを入力する。優先リスト作成部13は、入力したEIDに対して、SMサーバ40の優先リストを生成する。優先リストは、SMサーバ40の提供者、及びSMサーバ40において提供可能なプロファイルPの数の何れかに応じた優先度でプロファイルPをダウンロードさせるサーバを決定するためのものである。優先リストは、各SMサーバ40の優先度を示す。
優先リスト作成部13は、例えば、以下のように優先リストを生成する。優先リスト作成部13は、入力したEIDからeUICC31のベンダを特定する。EIDの6-8桁目がeUICC31のベンダを示すベンダコードとなっている。優先リスト作成部13は、複数のSMサーバ40のうち、特定したベンダと同一のベンダ(提供者)によって提供されているSMサーバ40を最も高い優先度とする。優先リスト作成部13は、予めどのSMサーバ40がどのベンダによって提供されているかを把握している。例えば、優先リスト作成部13は、ベンダコードとSMサーバ40とを対応付けて記憶している。優先リスト作成部13は、入力したEIDと予め記憶した上記の情報とに基づいて、最も高い優先度のSMサーバ40を決定する。なお、EIDから特定されるeUICC31のベンダのSMサーバ40がない場合には、それ以降の優先度のSMサーバ40を繰り上げる。
続いて、優先リスト作成部13は、残りのSMサーバ40に対して、各SMサーバ40におけるプロファイル残数に基づいて優先度を決定する。プロファイル残数は、SMサーバ40で保持されたプロファイルPのうち、新たなUE30(新たなeUICC31)に対して提供可能なプロファイルP、即ち、EIDとのBindがなされていないプロファイルPの数である。優先リスト作成部13は、各SMサーバ40から、定期的にプロファイル残数を示す情報を取得しておく。優先リスト作成部13は、プロファイル残数が多い程、高い優先度を設定する。
例えば、優先リストは、次のような情報となる。以下では、優先度の数値が小さい程、優先度が高いことを示している。
優先度1:EIDから特定されるeUICC31のベンダのSMサーバ40
優先度2:優先度1のSMサーバ40を除いてプロファイル残数が一番多いSMサーバ40
優先度3:優先度1のSMサーバ40を除いてプロファイル残数が二番目に多いSMサーバ40
優先リスト作成部13は、作成した優先リストを作成対象のEIDに対応付けてプロキシサーバ20に送信する。以上が、顧客情報管理サーバ10の機能である。
図1に示すようにプロキシサーバ20は、ダウンロード要求受信部21と、サーバ決定部22と、ダウンロード要求送信部23とを備えて構成される。
ダウンロード要求受信部21は、提供先に係るUE30からプロファイルPのダウンロードの要求を受信する機能部である。提供先に係るUE30は、プロファイルPがインストールされるeUICC31を備えるUE30である。UE30は、eUICC31にインストールするプロファイルPをSMサーバ40からダウンロードする際にプロキシサーバ20にプロファイルPのダウンロードの要求を送信する。当該送信は、例えば、ユーザのUE30に対する操作、又はUE30の電源オン等をトリガとして行われる。当該要求には、UE30に備えられたeUICC31のEIDが含められる。ダウンロード要求受信部21は、UE30から送信された当該要求を受信する。ダウンロード要求受信部21は、受信した当該要求をサーバ決定部22及びダウンロード要求送信部23に出力する。
サーバ決定部22は、ダウンロード要求受信部21によってダウンロードの要求が受信された際にプロファイルPをダウンロードさせるSMサーバ40を決定する機能部の一部である。サーバ決定部22は、SMサーバ40の提供者、及びSMサーバ40において提供可能なプロファイルPの数の何れかに応じた優先度でプロファイルPをダウンロードさせるサーバを決定する。
サーバ決定部22は、顧客情報管理サーバ10から送信される優先リストを受信して記憶しておく。サーバ決定部22は、ダウンロード要求受信部21からプロファイルPのダウンロードの要求を入力して、要求に含まれるEIDに対応付けられた優先リストを読み出す。サーバ決定部22は、優先リストに示される最も優先度が高いSMサーバ40を、プロファイルPをダウンロードさせるSMサーバ40として決定する。サーバ決定部22は、決定したSMサーバ40をダウンロード要求送信部23に通知する。
ダウンロード要求送信部23は、サーバ決定部22によって決定されたSMサーバ40にダウンロードの要求を送信する機能部である。ダウンロード要求送信部23は、ダウンロード要求受信部21からプロファイルPのダウンロードの要求を入力する。ダウンロード要求送信部23は、サーバ決定部22からSMサーバ40の通知を受ける。ダウンロード要求送信部23は、サーバ決定部22から通知されたSMサーバ40にアクセスして、ダウンロード要求受信部21から入力した要求を送信する。ダウンロード要求送信部23は、各SMサーバ40のアドレスを予め記憶している。
プロファイルPのダウンロードの要求が送信されたSMサーバ40は、当該要求を受信する。SMサーバ40は、当該要求に含まれるEIDとBindされているプロファイルPをプロキシサーバ20に送信する。ダウンロード要求送信部23は、SMサーバ40から送信されたプロファイルPを受信して、要求の送信元のUE30に送信する。プロファイルPが送信されたUE30は、当該プロファイルPを受信する。即ち、UE30は、プロキシサーバ20を経由してSMサーバ40からプロファイルPをダウンロードする。UE30は、受信したプロファイルPを自身が備えるeUICC31にインストールする。これにより、UE30は、当該プロファイルPでの移動体通信を行うことができるようになる。UE30は、プロファイルPの受信後、プロファイルPの送信元(ダウンロード元)のSMサーバ40にダウンロードの完了通知を行う。ダウンロードの完了通知は、プロファイルPを用いた移動体通信によってプロキシサーバ20を経由しないで行われてもよい。
ダウンロード要求送信部23は、サーバ決定部22から通知されたSMサーバ40にアクセスした際に当該SMサーバ40に異常が生じており、当該SMサーバ40に要求を送信できない場合(例えば、アクセスが失敗した場合)には、サーバ決定部22にその旨を通知する。SMサーバ40に異常が生じている状態は、何らかの理由でSMサーバ40が停止している状態等のSMサーバ40からのプロファイルPが送信できない状態である。その場合、サーバ決定部22は、優先リストに示される次に優先度が高いSMサーバ40を、プロファイルPをダウンロードさせるSMサーバ40として決定し、決定したSMサーバ40をダウンロード要求送信部23に通知する。ダウンロード要求送信部23は、サーバ決定部22からSMサーバ40の通知を受け、上記と同様に通知されたSMサーバ40にアクセスして、ダウンロード要求受信部21から入力した要求を送信する。プロファイルPのダウンロードの要求が、ダウンロード要求送信部23から複数のSMサーバ40の何れかに送信される(正常に動作しているSMサーバがある)まで上記の処理が繰り返される。
また、ダウンロード要求送信部23は、複数のSMサーバ40の何れかに要求を送信すると、それ以外のSMサーバ40に当該要求に含まれるEIDとプロファイルPとのBind解除の指示を行う。SMサーバ40は、Bind解除の指示を受けると当該指示に係るEIDとプロファイルPとのBindを解除する。Bind解除によって当該プロファイルPは、他のUE30(即ち、他のeUICC31)に対して提供可能になる。以上が、プロキシサーバ20の機能である。
引き続いて、図2のシーケンス図を用いて、本実施形態に係るプロファイルダウンロード制御システム1で実行される処理(プロファイルダウンロード制御システム1が行う動作方法)を説明する。本処理では、まず、顧客情報管理サーバ10の提供先情報受付部11によって、プロファイルPの提供先となるeUICC31のEIDが受け付けられる(S01)。続いて、紐付要求部12によって、複数のSMサーバ40それぞれに対して、当該複数のSMサーバ40それぞれが保持するプロファイルPと提供先情報受付部11によって受け付けられたEIDとのBind要求が行われる(S02,S03)。各SMサーバ40では、Bind要求が受信され、受信されたBind要求に含まれるEIDと自身が保持するプロファイルPの何れか一つとがBindされる(S04,S05)。また、優先リスト作成部13によって、提供先情報受付部11によって受け付けられたEIDに対して、SMサーバ40の優先リストが生成される(S06)。生成された優先リストは、優先リスト作成部13からプロキシサーバ20に送信される(S07)。プロキシサーバ20では、サーバ決定部22によって優先リストが受信されて記憶される。以上が、EIDの受付をトリガとする一連の処理である。
続いて、UE30からプロキシサーバ20にプロファイルPのダウンロードの要求が送信されると、プロファイルダウンロード制御システム1での処理が行われる。プロキシサーバ20では、ダウンロード要求受信部21によって当該要求が受信される(S11)。続いて、サーバ決定部22によって、優先リストに基づいてプロファイルPをダウンロードさせるSMサーバ40が決定される(S12)。続いて、ダウンロード要求送信部23によって、決定されたSMサーバ40に対してプロファイルPのダウンロードの要求が送信される(S13)。当該要求が送信されたSMサーバ40(例えば、図2ではSMサーバ40a)では、当該要求が受信されて、当該要求に含まれるEIDとBindされているプロファイルPがプロキシサーバ20に送信される(S14)。
なお、S13で決定されたSMサーバ40に異常が生じており、当該SMサーバ40に要求を送信できない場合、再度、サーバ決定部22によって、優先リストに基づいてプロファイルPをダウンロードさせるSMサーバ40が決定され(S12)、上記と同様に決定されたSMサーバ40に基づくそれ以降の処理(S13~)が行われる。
S14でSMサーバ40からプロキシサーバ20にプロファイルPが送信されるとダウンロード要求送信部23によって、プロファイルPが受信される。続いて、ダウンロード要求送信部23から、プロファイルPのダウンロードの要求元のUE30にプロファイルPが送信される(S15)。プロファイルPが送信されたUE30では、プロファイルPが受信されてeUICC31にインストールされる(S16)。続いて、UE30からプロファイルPの送信元(ダウンロード元)のSMサーバ40にダウンロードの完了通知が行われる(S17)。
また、ダウンロード要求送信部23によって、プロファイルPのダウンロードの要求が送信されなかったSMサーバ40に対して、当該要求に含まれるEIDとプロファイルPとのBind解除の指示が行われる(S18)。当該指示が行われたSMサーバ40(例えば、図2ではSMサーバ40b)では、当該指示が受け付けられて、当該指示に含まれるEIDとプロファイルとのBindが解除される(S19)。なお、図2では、Bindの解除対象となるSMサーバ40は1つであるが、SMサーバ40が3つ以上設けられている場合には、Bindの解除対象となるSMサーバ40は複数になり得る。以上が、本実施形態に係るプロファイルダウンロード制御システム1で実行される処理である。
本実施形態では、上述したように複数のSMサーバ40が設けられる。これによって、eUICC31を備えるUE30の数が増加した場合であっても、リスク分散がなされ、プロファイルPのダウンロードに適切に対応することができる。
また、複数のSMサーバ40それぞれにおいてプロファイルPのBindが行われる。即ち、何れのSMサーバ40においても、プロファイルPがダウンロード可能な状態となる。そしてプロキシサーバ20によってプロファイルPのダウンロードの要求が受信された際に、プロファイルPをダウンロードさせるSMサーバ40が決定される。従って、Bind(EIDの受付)とダウンロードの要求との間に時間的な間隔があった場合でも、UE30に適切なSMサーバ40からプロファイルPをダウンロードさせることができる。例えば、特定のSMサーバ40においてのみBindがなされていたとすると、当該SMサーバ40に異常が生じるとプロファイルPがダウンロードできない。しかしながら、上述した本実施形態によれば、何れのSMサーバ40からでもプロファイルPのダウンロードを行うことができるため、UE30に適切なSMサーバ40からプロファイルPをダウンロードさせることができる。
また、本実施形態のようにSMサーバ40のベンダ(提供者)及びSMサーバ40において提供可能なプロファイルPの数に応じた優先度でプロファイルPをダウンロードさせるSMサーバ40を決定してもよい。この構成によれば、確実にUE30に適切なSMサーバ40からプロファイルPをダウンロードさせることができる。
例えば、本実施形態のようにeUICC31のベンダのSMサーバ40から最優先でプロファイルPをダウンロードさせるのがよい。各eUICC31のベンダが提供するSMサーバ40(即ち、各eUICC31のベンダが提供するプロファイルP)は、全てのベンダのeUICC31に対して試験が行われているわけではない。そのため、eUICC31には、そのeUICC31のベンダによって提供されるプロファイルPがインストールされることが望ましい。上記の優先度とすることでSMサーバ40に異常が生じていなければ、eUICC31のベンダのSMサーバ40からプロファイルPをダウンロードさせることができる。
また、それ以降のSMサーバ40の優先度をプロファイル残数に基づくものすることで、SMサーバ40間のプロファイル残数が偏ることがないようにプロファイルPをダウンロードさせることができる。なお、優先度は、SMサーバ40のベンダ(提供者)及びSMサーバ40の何れか一方のみに応じたものとなっていてもよい。また、それ以外の優先度が設定されてもよい。
また、本実施形態によれば、UE30はプロファイルPのダウンロードの際にプロキシサーバ20に要求をすれば、プロファイルPをダウンロードすることができる。従って、UE30はダウンロードするSMサーバ40を認識する必要なく、従来のUE30(例えば、メーカーブランド端末)に対しても問題なく本発明を適用することができる。
なお、本実施形態では、プロファイルダウンロード制御システム1は、顧客情報管理サーバ10とプロキシサーバ20とを含んで構成されていたが、必ずしもこれらの装置10,20を含んで構成される必要はなく、本発明の機能を実現できればどのような装置構成を取ってもよい。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
例えば、本開示の一実施の形態における顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20などは、本開示の方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図3は、本開示の一実施の形態に係る顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20における各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20における各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20における各機能は、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、顧客情報管理サーバ10及びプロキシサーバ20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
移動局は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、移動局は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、移動局は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、移動局は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。