図1は、本発明の具体的な実施態様の一例を示す図である。図1には、画像処理装置100と制御装置200を備えた画像処理システムの具体例が図示されている。
画像処理装置100は、ローカルエリアネットワーク10内にあり、用紙などの媒体上に画像を形成する画像形成デバイスと、用紙などの媒体上の画像を読み取る画像読取デバイスを備えている。画像形成デバイスの具体例にはプリントエンジンが含まれ、画像読取デバイスの具体例にはスキャナが含まれる。
また、画像処理装置100は、通信デバイスを備えており、ローカルエリアネットワーク10内外の装置やサーバとデータ(情報)を遣り取りする。さらに、画像処理装置100は、操作デバイスや表示デバイスなどを備えていてもよい。例えば、操作デバイスとしての機能と表示デバイスとしての機能を兼ね備えたタッチパネルを画像処理装置100が備えていてもよい。
画像処理装置100は、ローカルエリアネットワーク10の外側にある制御装置200による制御に従って画像処理を実行する。画像処理装置100によって実現される画像処理の具体例には、複数の画像出力機能(印刷機能とスキャナ機能とコピー機能とファクシミリ機能などのうちの少なくともいくつかの機能)を備えた複合型の装置としての画像処理が含まれる。複合型の装置として利用される場合、画像処理装置100は、例えば、企業や学校などに設置されてその企業や学校の顧客に利用されてもよいし、コンビニエンスストアなどの店舗に設置されて不特定多数の顧客に利用されてもよい。なお、画像処理装置100は、複数の画像出力機能のうちの1つの機能に対応した画像処理を実行する装置として利用されてもよい。
ローカルエリアネットワーク10内には、画像処理装置100の他にユーザ装置110と認証サーバ120が含まれている。画像処理装置100とユーザ装置110と認証サーバ120は、ローカルエリアネットワーク10内で互いに通信接続されてデータ(情報)を遣り取りする。また、画像処理装置100にはカードリーダ130が接続されている。
ローカルエリアネットワーク10は、ファイアウォール140を介して公衆ネットワーク(公衆通信回線)20に接続されている。公衆ネットワーク20は、例えば無線通信と有線通信の少なくとも一方を利用した通信回線であり、その具体例にはインターネットなどが含まれる。
制御装置200は、公衆ネットワーク20に通信接続されてローカルエリアネットワーク10の外側からローカルエリアネットワーク10内にある画像処理装置100を制御する。制御装置200は、画像処理装置100の装置構成を示す装置情報を取得する情報取得部と、取得した装置情報に応じた処理を実行して画像処理装置100が備える画像形成デバイスと画像読取デバイスの少なくとも一方を制御する制御部を備えている。
制御装置200は、例えば1台以上のコンピュータを利用して実現されてもよい。そのコンピュータは、CPU等の演算デバイス、メモリやハードディスク等の記憶デバイス、インターネット等の通信回線を利用する通信デバイス、光ディスクや半導体メモリやカードメモリ等の記憶媒体からデータを読み取りデータを書き込むデバイス、ディスプレイ等の表示デバイス、ユーザから操作を受け付ける操作デバイス等のハードウェア資源を備えている。
そして、例えば、制御装置200が備える情報取得部と制御部などの構成要素のうちの少なくとも一部の機能に対応したプログラム(ソフトウェア)がコンピュータに読み込まれ、そのコンピュータが備えるハードウェア資源と読み込まれたソフトウェアとの協働により、制御装置200の少なくとも一部の機能がコンピュータにより実現される。そのプログラム(画像処理プログラム)は、プログラム管理サーバ210によって管理され、例えば、プログラム管理サーバ210からコンピュータ(制御装置200)に提供される。なお、プログラム(画像処理プログラム)は、例えば、プログラム管理サーバ210以外の装置からインターネット等の通信回線を介してコンピュータ(制御装置200)に提供されてもよいし、光ディスクや半導体メモリやカードメモリ等の記憶媒体に記憶されてその記憶媒体からコンピュータ(制御装置200)に提供されてもよい。もちろん、コンピュータ(制御装置200)が備える記憶デバイスに予めプログラム(画像処理プログラム)が記憶されていてもよい。
公衆ネットワーク20には、制御装置200の他にプログラム管理サーバ210と認証サーバ220と課金サーバ230が接続されている。制御装置200とプログラム管理サーバ210と認証サーバ220と課金サーバ230は、ローカルエリアネットワーク10を利用するユーザ(利用者)に対して、画像処理に係るクラウドサービスを提供する。
図1に例示する画像処理システムの全体構成は以上のとおりである。次に、図1の画像処理システムにより実現される処理の具体例について詳述する。なお、図1に示した構成(部分)については、以下の説明において図1の符号を利用する。
図2は、図1の画像処理装置100が実行する動作の具体例を示す図である。例えば、画像処理装置100の電源スイッチが操作されて電源が投入(電源ON)されると図2に示す具体例のフローチャートが開始される。
図2に示すフローチャートが開始されると、まず、デバイスの初期化が行われる(S201)。例えば、画像処理装置100がプリントエンジンやスキャナなどのデバイスの初期化に必要な処理を実行する。
デバイスの初期化が終了すると、ユーザからの認証行為が確認され(S202)、認証行為があると認証サーバ120または認証サーバ220への認証の確認が実行される(S203)。例えば、画像処理装置100に接続されたカードリーダ130にユーザのカードがかざされると、そのカードから読み取られた情報を画像処理装置100が認証サーバ120へ送信し、認証サーバ120が認証処理(例えば予め登録されたユーザか否かの確認)を実行する。
そして、カードをかざしたユーザが認証サーバ120に予め登録された登録ユーザであることが確認されると、認証が成功したと判定される(S204)。例えば、ユーザがかざしたカードが、ローカルエリアネットワーク10を利用する組織の組織用カード(例えば社員証など)であり、そのユーザが組織内の登録ユーザとして認証サーバ120に登録されていれば、認証の成功によりユーザが組織内の登録ユーザであることが確認される。
なお、ユーザがかざしたカードがローカルエリアネットワーク10を利用する組織の組織用カードではない(例えば交通系カードなど)場合や、カードをかざしたユーザが認証サーバ120の登録ユーザでない場合には、画像処理装置100がローカルエリアネットワーク10の外側にあるクラウドサービスの認証サーバ220に認証の確認を行ってもよい。そして、カードをかざしたユーザが認証サーバ220に予め登録された登録ユーザであることが確認された場合に、画像処理装置100は、そのユーザが組織外の登録ユーザ(ゲストユーザ)であり、認証が成功したと判定してもよい。
認証が成功すると、画像処理装置100は、プログラム管理サーバ210からアクセスパスを取得し(S205)、取得したアクセスパスに対応付けられた画像処理プログラムへ接続する(S206)。そして、その画像処理プログラムに従って制御装置200が画像処理装置100のプリントエンジンやスキャナなどのデバイスを制御することにより、画像処理装置100が画像処理を実行する(S207)。
こうして、画像処理が実行された後、画像処理プログラムの接続を解除する要求があると(S208)、画像処理プログラムが切断される(S209)。例えば、ユーザが所望の画像処理を終えた後に、画像処理プログラムの接続を解除する操作を行うと、画像処理装置100がS206で接続された画像処理プログラムを切断し、図2に示す具体例のフローチャートが終了する。なお、S204で認証が成功しなかった場合には、S205からS209までの処理が実行されずに、図2に示す具体例のフローチャートが終了する。
図3は、画像処理プログラムへの接続時に実行される処理の具体例を示す図である。図3には、図1の画像処理システムで実行される処理のシーケンスが図示されている。
例えば、ある組織内のユーザがその組織のローカルエリアネットワーク10内にある画像処理装置100を利用する場合、ユーザは、その組織内のユーザであることを認証するためのカード(例えば社員証など)を画像処理装置100に接続されたカードリーダ130にかざす認証行為を実行する。カードリーダ130は、例えば複数種別のカードを判別する機能を備えており、かざされたカードが例えば社員証であるかどうかを判断する。
そして、社員証であると判断された場合、画像処理装置100は、その組織のローカルエリアネットワーク10内にある認証サーバ120(例えば予め認証サーバ120のIPアドレスが画像処理装置100に設定されている)に対して、カードから読み取られた(カードに記録された)ユーザの識別情報などを送信して認証の確認を要求する。
認証サーバ120は、予め登録された複数の登録ユーザの中から、カードに記録された識別情報に一致する登録ユーザを検索する。カードに記録された識別情報に一致する登録ユーザが見つかれば、認証が成功したと判断され、カードリーダ130にカードをかざしたユーザが組織内の登録ユーザであること(認証成功)を示す情報が認証サーバ120から画像処理装置100に提供される。例えば、認証成功の情報として、認証されたユーザが組織内の登録ユーザであることを示すユーザ情報や、その組織に関する情報(組織情報)などが認証サーバ120から画像処理装置100に提供される。
認証成功の情報を取得すると、画像処理装置100は、認証関連の情報をプログラム管理サーバ210に送信する。認証関連の情報には、例えば、組織内での認証であることを示す認証情報や、認証されたユーザの識別情報などを含むユーザ情報や、画像処理装置100を利用する組織(所属組織)を示す組織情報などが含まれてもよい。
プログラム管理サーバ210は、例えば、複数のユーザに対応した複数の画像処理プログラムを管理している。例えば、各ユーザが利用する画像処理プログラムにそのユーザの識別情報が対応付けて管理される。プログラム管理サーバ210は、画像処理装置100から認証関連の情報を取得すると、例えば、ユーザ情報に含まれるユーザの識別情報に対応した画像処理プログラムへのアクセスパス(例えばURLやIPアドレスやポート番号など)を画像処理装置100に返信する。
画像処理装置100は、プログラム管理サーバ210から得られたアクセスパスを利用して、制御装置200に対して画像処理プログラムへの接続を要求する。画像処理装置100から制御装置200への接続の要求には、例えばHTTPSが利用されてもよい。
画像処理装置100に論理的に関連付けられていない状態(画像処理装置100が画像処理プログラムに接続されていない状態)で、制御装置200は、画像処理装置100からの接続要求待ちの状態となっている。制御装置200は、画像処理装置100から画像処理プログラムへの接続要求を受け付けると、その接続要求に対するレスポンスとして、制御装置200から画像処理装置100へ接続成功を示す情報が返信される。
制御装置200は、例えば、プログラム管理サーバ210から使用予約として得られたアクセスキーと、画像処理装置100から受け付けた接続要求に含まれるアクセスキーが一致する場合に、画像処理装置100へ接続成功を示す情報を返信する。
接続成功の情報が返信されると、画像処理装置100は、画像処理プログラムを実行する制御装置200に対して、画像処理装置100自身の装置構成を示す装置情報を送信する。
装置情報は、画像処理装置100の装置構成を示す情報である。例えば、画像処理装置100が備えるハードウェア構成やソフトウェア構成などを示す情報が装置情報に含まれてもよいし、画像処理装置100が備えるハードウェア構成やソフトウェア構成によって実現される機能やサービスなどの情報が装置情報に含まれてもよい。
装置情報の具体例には、例えば、画像処理装置100で実現可能な装置の能力を示す能力情報や、画像処理装置100で利用可能なサービスの内容を示すサービス情報などが含まれる。能力情報の具体例には、例えば画像処理装置100が備えるハードウェア構成(デバイス)の種類や仕様などを示す情報が含まれる。また、サービス情報の具体例には、例えば画像処理装置100または画像処理装置100のユーザが契約しているサービスの種類や契約内容などを示す情報が含まれる。さらに、画像処理装置100が備えるトレイの状態などを示すステータス情報などが装置情報に含まれてもよい。
画像処理装置100は、例えば、装置情報をHTTPリクエストとして制御装置200に送信する。その後、画像処理装置100は、制御装置200(画像処理プログラム)からの動作指示に応じて動けるように、指示待ち用のリクエストを制御装置200(画像処理プログラム)に送信してもよい。例えば、画像処理装置100が備えるプリントエンジンやスキャナなどのデバイスごとに、指示待ち用のリクエストが制御装置200(画像処理プログラム)に送信されてもよい。
画像処理装置100から装置情報が得られると、制御装置200(画像処理装置100に接続された画像処理プログラム)は、その装置情報に基づいて画像処理装置100に提供する機能やサービスなどを判断し、提供する機能やサービスに応じたユーザインタフェース画像(UI画像)の画像データを画像処理装置100へ提供する。さらに、提供する機能やサービスに応じて、画像処理装置100による動作が制限される。
例えば、画像処理装置100が白黒の印刷機能とカラーの印刷機能の両方を備えていれば、白黒印刷の操作ボタンとカラー印刷の操作ボタンを含むユーザインタフェース画像が画像処理装置100へ提供され、ユーザ操作に応じて白黒印刷またはカラー印刷が実現される。
一方、例えば、画像処理装置100が白黒の印刷機能とカラーの印刷機能の両方を備えていても、ユーザが白黒印刷のサービスのみを契約しており、カラー印刷のサービスを契約していない場合には、白黒印刷の操作ボタンを有効としてカラー印刷の操作ボタンを無効とするユーザインタフェース画像が画像処理装置100へ提供され、カラー印刷の実行が制限(禁止)されてもよい。
ユーザインタフェース画像が提供されると、画像処理装置100は、自身が備えるタッチパネルなどの表示デバイス上にユーザインタフェース画像を表示させる。そして、例えばユーザインタフェース画像を介して得られるユーザからの操作(ユーザ操作)に応じた処理が実行される。
ユーザ操作があると、画像処理装置100は、そのユーザ操作の操作情報を制御装置200に送信する。操作情報には、例えば、タッチパネルに対する操作の種別(タッチ操作またはリリース操作など)を示すタッチ情報や、タッチ情報に対応した操作が成されたタッチパネル上の位置を示す座標情報などが含まれる。画像処理装置100は、操作情報を例えばHTTPリクエストとして制御装置200に送信する。
操作情報を受信すると、制御装置200(画像処理プログラム)は、その操作情報に応じた処理を実行して画像処理装置100を制御する。制御装置200(画像処理プログラム)は、例えば、画像処理装置100から得た操作情報に従って、必要に応じてユーザインタフェース画像を更新し、更新後のユーザインタフェース画像を画像処理装置100に提供する。なお、例えば、複数の操作情報が連続的に得られた場合、制御装置200(画像処理プログラム)は、ユーザインタフェース画像に関する更新の一部を省略して描画処理の負荷を低減させてもよい。
なお、画像処理装置100と制御装置200(画像処理プログラム)との間のファイアウォール140を介した情報のやり取りは、例えば、画像処理装置100から制御装置200への要求に対する制御装置200から画像処理装置100への応答として実行される。
また、例えば、画像処理装置100が備えるトレイの抜き差しなどにより、画像処理装置100のステータス情報が変更される場合には、変更されたステータス情報を含む装置情報がHTTPリクエストとして画像処理装置100から制御装置200に送信されてもよい。ステータス情報を受信した制御装置200(画像処理プログラム)は、必要に応じて、ユーザインタフェース画像を更新し、更新後のユーザインタフェース画像を画像処理装置100に提供する。これにより、例えばトレイの抜き差しなどをユーザに知らせるユーザインタフェース画像が画像処理装置100のタッチパネルなどに表示されてもよい。
また、ステータス情報を通信するためのポートは、例えば、画像処理装置100が備える構成要素ごとに設定されてもよい。例えば、トレイとスキャナに対して互いに異なるポートが割り当てられてもよい。これにより、例えば、1つのポートに対するリクエスト数が制限されている場合に、1つのポートに対するリクエスト数の集中が回避または低減される。
図4は、図1の画像処理システムによる画像処理の具体例1を示す図である。図4には画像処理の具体例の1つである通常コピーのシーケンスが図示されている。
制御装置200(画像処理プログラム)からユーザインタフェース画像が提供されると(図3参照)、画像処理装置100は、自身が備えるタッチパネルなどの表示デバイス上に、そのユーザインタフェース画像を表示させる。
画像処理装置100を利用するユーザは、ユーザインタフェース画像を利用した操作(ユーザ操作)により、通常コピー(片面コピー)の実行を指示する。例えば、通常コピーのボタンを含むユーザインタフェース画像がタッチパネルに表示されていれば、その通常コピーのボタンをユーザが指でタッチするタッチ操作が実行される。
ユーザ操作があると、画像処理装置100は、そのユーザ操作の操作情報を制御装置200に送信する。操作情報には、例えば、タッチパネルに対する操作の種別(タッチ操作またはリリース操作など)を示すタッチ情報や、タッチ情報に対応した操作が成されたタッチパネル上の位置を示す座標情報などが含まれる。画像処理装置100は、操作情報を例えばHTTPリクエストとして制御装置200に送信する。
操作情報を受信した制御装置200(画像処理プログラム)は、その操作情報に対応したユーザ操作の内容を判断する。例えば、画像処理装置100のタッチパネルに対するユーザ操作が、通常コピーのボタンに対応した座標へのタッチ操作であれば、制御装置200(画像処理プログラム)は、そのユーザ操作が通常コピー(片面コピー)を指示する操作であると判断する。
通常コピーの操作であると判断した制御装置200(画像処理プログラム)は、画像処理装置100に対して画像の読み取りを指示する。制御装置200は、例えば、画像処理装置100から得られたスキャン用の指示待ち要求(リクエスト)に対する応答(レスポンス)として、画像処理装置100のスキャナに対して、そのスキャナにセットされた原稿(画像)の読み取りを指示する。
画像の読み取りを指示する応答(レスポンス)を受けた画像処理装置100は、再び指示待ち要求(リクエスト)を制御装置200へ送信するとともに、スキャナによる原稿(画像)の読み取りを実行する。
そして、制御装置200から画像転送の指示があれば、例えば、制御装置200からの読み取り指示に画像転送の指示が含まれていれば、画像処理装置100のスキャナにより読み取られた原稿の画像データが制御装置200に転送され、制御装置200が備える記憶デバイス等にその画像データが蓄積(記憶)される。なお、制御装置200から画像転送の指示がなければ、スキャナにより読み取られた原稿の画像データが画像処理装置100の記憶デバイスに記憶され、その画像データの制御装置200への転送が省略されてもよい。
画像転送の指示があり、画像データが制御装置200に転送されて制御装置200の記憶デバイスに蓄積されると、制御装置200(画像処理プログラム)は、画像処理装置100に対して、その画像データに対応した画像の出力を指示する。制御装置200は、例えば、画像処理装置100から得られた指示待ち要求(リクエスト)に対する応答(レスポンス)として、画像処理装置100のプリントエンジンに対して、用紙などの媒体上に画像データの画像を形成する印刷を指示する。
なお、制御装置200から画像処理装置100に対して、1つの要求に対する1つの応答として画像出力の指示と一緒に画像データが送信されてもよいし、画像出力の指示と画像データが互いに異なる要求に対する応答として別々に送信されてもよい。
画像出力の指示と画像データを受け取った画像処理装置100は、プリントエンジンによる画像の出力(印刷出力)を実行する。画像の出力が完了すると、例えば画像が印刷された用紙が排出されると、画像処理装置100から制御装置200に対して出力完了のステータスが通知される。
出力完了の通知を受けた制御装置200(画像処理プログラム)は、課金サーバ230に対して課金を指示する。また、課金の指示と共に、例えば、画像処理装置100の装置構成を示す装置情報、画像出力を指示したユーザの識別情報、そのユーザが属する組織の情報、出力された媒体の情報(用紙サイズ,片面または両面,カラーまたは白黒,単価など)が制御装置200(画像処理プログラム)から課金サーバ230に送信される。
そして、実行された画像出力が課金の対象であれば、例えば図4に示す具体例の通常コピーが課金の対象であれば、その画像出力(通常コピー)に対応した金額またはポイントがコピーを指示したユーザの課金情報(トータルの金額またはポイント)に追加される。なお、画像処理装置100による通常コピーが課金の対象でなければ、課金の指示が省略されてもよい。
制御装置200(画像処理プログラム)は、通常コピーの処理が終了したことを確認すると、ユーザインタフェース画像を変更して、変更後のユーザインタフェース画像を画像処理装置100に提供する。これにより、例えば、ユーザがコピーの操作を行う直前のユーザインタフェース画像(例えばメインメニュー画面)が画像処理装置100に表示される。
また、図4に示した処理例のシーケンスを繰り返し実行することにより、複数枚の原稿(画像)に対する通常コピーが実現されてもよい。例えば、画像処理装置100のスキャナに複数枚の原稿に対応した画像データ1,2,・・・,N(Nは自然数)を読み取らせて、それら複数の画像データ1,2,・・・,Nを画像処理装置100の記憶デバイスに記憶させ、画像処理装置100のプリントエンジンに、画像データ1,2,・・・,Nの順に1枚ずつ画像出力を実行させてから、さらに、画像データ1,2,3,・・・,Nの順に1枚ずつ画像出力を実行させることにより、複数枚の原稿(画像)を対象とした丁合出力が実現されてもよい。
図5は、図1の画像処理システムによる画像処理の具体例2を示す図である。図5には画像処理の具体例の1つである両面コピー(裏面のみに回転が必要)に係る処理例のシーケンスが図示されている。
例えば、長辺綴じ又は短辺綴じなどの指定を含む両面コピーでは、表面の画像に対して裏面の画像を回転(例えば上下を反転)させる処理が必要になる場合がある。図5に示す処理例は、例えば、画像処理装置100が両面コピーの機能を備えているものの画像を回転させる機能を備えていない場合の具体例である。
制御装置200(画像処理プログラム)からユーザインタフェース画像が提供されると(図3参照)、画像処理装置100は、自身が備えるタッチパネルなどの表示デバイス上に、そのユーザインタフェース画像を表示させる。
画像処理装置100を利用するユーザは、ユーザインタフェース画像を利用したユーザ操作により、両面コピー(裏面のみに回転が必要)の実行を指示する。例えば、裏面回転の両面コピーに対応したボタンを含むユーザインタフェース画像がタッチパネルに表示されていれば、その両面コピーに対応したボタンをユーザが指でタッチするタッチ操作が実行される。
ユーザ操作があると、画像処理装置100は、そのユーザ操作の操作情報を制御装置200に送信する。操作情報を受信した制御装置200(画像処理プログラム)は、その操作情報に対応したユーザ操作の内容を判断する。例えば、画像処理装置100のタッチパネルに対するユーザ操作が、裏面回転の両面コピーのボタンに対応した座標へのタッチ操作であれば、制御装置200(画像処理プログラム)は、そのユーザ操作が裏面回転の両面コピーを指示する操作であると判断する。
さらに、制御装置200(画像処理プログラム)は、例えば、画像処理装置100の装置構成を示す装置情報(図3参照)に含まれるスキャナとプリントエンジンに関する能力情報から、画像処理装置100が両面コピーの機能を備えているものの画像を回転させる機能を備えていないと判断する。つまり、制御装置200(画像処理プログラム)が画像の裏面に回転処理を施す必要があると判断する。
そして、制御装置200(画像処理プログラム)は、画像処理装置100に対して、表面にあたる1ページ目の画像の読み取りを指示する。制御装置200は、例えば、画像処理装置100のスキャナに対して、そのスキャナにセットされた原稿(画像)の読み取りを指示する。なお、表面にあたる1ページ目の画像については、回転処理が不要であるため、例えば、1ページ目の画像については画像処理装置100から制御装置200への転送が不要とされる。
画像処理装置100のスキャナにより画像が読み取られると、読み取られた原稿の表面(1ページ目)の画像データ1が画像処理装置100の記憶デバイスに記憶され、画像データ1の関連情報(例えば画像データ1を識別するための識別情報など)が画像処理装置100から制御装置200へ送信される。
画像データ1の関連情報を受信した制御装置200(画像処理プログラム)は、画像処理装置100に対して、裏面にあたる2ページ目の画像の読み取りを指示する。裏面にあたる2ページ目の画像については、回転処理が必要であるため、2ページ目の画像については、画像処理装置100から制御装置200への転送が必要となる。
裏面(2ページ目)の画像の読み取りを指示された画像処理装置100は、自身が備える両面コピーの機能により原稿の表裏を反転させてから、スキャナにより裏面(2ページ目)の画像の読み取りを実行する。そして、読み取られた原稿の裏面(2ページ目)の画像データ2が画像処理装置100から制御装置200へ転送される。
裏面にあたる2ページ目の画像データ2が転送されると、制御装置200(画像処理プログラム)は、画像データ2に対して画像の回転処理を実行する。これにより、例えば画像データ2の上下が反転される。そして、回転処理を施された画像データ2が制御装置200の記憶デバイスに蓄積(記憶)される。
続いて、制御装置200(画像処理プログラム)は、画像処理装置100に対して、表面を画像データ1として裏面を画像データ2とする両面出力を指示する。また、裏面の画像出力には、回転処理を施された画像データ2が必要になるため、回転処理を施された画像データ2が制御装置200(画像処理プログラム)から画像処理装置100に送信される。なお、制御装置200から画像処理装置100に対して、1つの要求に対する1つの応答として画像出力の指示と一緒に画像データ2が送信されてもよいし、画像出力の指示と画像データ2が互いに異なる要求に対する応答として別々に送信されてもよい。
画像出力の指示と回転処理された画像データ2を受け取った画像処理装置100は、プリントエンジンによる画像の出力(印刷出力)を実行する。画像の出力が完了すると、例えば表面に画像データ1が印刷されて裏面に上下反転の画像データ2が印刷された用紙が排出されると、画像処理装置100から制御装置200に対して出力完了が通知される。
出力完了の通知を受けた制御装置200(画像処理プログラム)は、課金サーバ230に対して課金を指示する。画像処理装置100による両面コピーが課金の対象であれば、例えば、その両面コピーに対応した金額またはポイントが、コピーを指示したユーザの課金情報(トータルの金額またはポイント)に追加される。なお、画像処理装置100による両面コピーが課金の対象でなければ、課金の指示が省略されてもよい。
制御装置200(画像処理プログラム)は、両面コピーの処理が終了したことを確認すると、ユーザインタフェース画像を変更して、変更後のユーザインタフェース画像を画像処理装置100に提供する。これにより、例えば、ユーザがコピーの操作を行う直前のユーザインタフェース画像(例えばメインメニュー画面)が画像処理装置100に表示される。
図5に示す具体例によれば、画像処理装置100が画像を回転させる機能を備えていない場合であっても、制御装置200(画像処理プログラム)が画像データの回転処理を実行して回転処理後の画像データを画像処理装置100へ提供することにより、裏面回転の両面コピーが実現される。
もちろん、画像データの回転処理以外にも、例えば、画像処理装置100が備えていない画像処理の機能を制御装置200(画像処理プログラム)が実行して、実行後の処理結果(画像処理後の画像データなど)が画像処理装置100へ提供されてもよい。
図3から図5では、ある組織内のユーザがその組織のローカルエリアネットワーク10内にある画像処理装置100を利用する内部認証の具体例について説明した。図1に示す画像処理システムは、ある組織内のユーザがその組織のローカルエリアネットワーク10の外部(組織外)にある画像処理装置100(外部画像処理装置)を利用する外部認証にも対応している。
外部認証を実現する場合に、ユーザは、ローカルエリアネットワーク10の外部(組織外)にある認証サーバ220に予めユーザ登録を行う。外部の認証サーバ220へのユーザ登録には、例えば交通系カードなどが利用される。
そして、例えば、ローカルエリアネットワーク10の外部(組織外)にある画像処理装置100(外部画像処理装置)を利用する場合に、ユーザは、社員証の代わりに交通系カードを利用して認証を行う。
外部画像処理装置に接続されたカードリーダにユーザが交通系カードをかざすと、外部画像処理装置がその交通系カードに対応しており且つ外部への認証が許可されていれば、外部画像処理装置が認証サーバ220に認証情報を送信する。
認証サーバ220は、その認証情報に基づいてユーザ認証を行い、交通系カードを利用するユーザが予め登録された登録ユーザであれば、プログラム管理サーバ210に認証の成功(許可)を示す情報を送信する。なお、認証情報が外部画像処理装置から送信された場合、認証サーバ220は、組織外にある外部画像処理装置の利用であることを示す情報をプログラム管理サーバ210に送信してもよい。
認証成功を示す情報を受信したプログラム管理サーバ210は、認証が許可されたユーザに対応した画像処理プログラムへのアクセスパスを外部画像処理装置に送信する。外部画像処理装置は、プログラム管理サーバ210から得られたアクセスパスを利用して、制御装置200に対して画像処理プログラムへの接続を要求する。
外部画像処理装置から画像処理プログラムへの接続要求を受け付けると、その接続要求に対するレスポンスとして、制御装置200から外部画像処理装置へ接続成功を示す情報が返信される。接続成功の情報が返信されると、外部画像処理装置は、画像処理プログラムを実行する制御装置200に対して、外部画像処理装置の装置構成を示す装置情報を送信する。
そして、外部画像処理装置から装置情報が得られると、制御装置200(外部画像処理装置に接続された画像処理プログラム)は、その装置情報に基づいて外部画像処理装置に提供する機能やサービスなどを判断し、提供する機能やサービスに応じたユーザインタフェース画像(UI画像)の画像データを外部画像処理装置へ提供する。
例えば、制御装置200(画像処理プログラム)により、ローカルエリアネットワーク10内(組織内)にある画像処理装置100と同じ(または同程度の)機能が外部画像処理装置で実現されてもよい。これにより、ユーザが組織外にいる場合でも外部画像処理装置を利用することにより、組織内にある画像処理装置100を利用する場合と同じ(または同程度の)利用環境がそのユーザに提供される。
なお、制御装置200(画像処理プログラム)が外部画像処理装置を制御する場合に、例えば、組織内(ローカルエリアネットワーク10内)の画像処理装置100で利用できる全機能のうちの一部が制限されてもよい。この場合には、ユーザインタフェース画像内で、制限された機能のボタンをグレーアウトするなどして、機能が制限されていることを知らせてもよい。これにより、例えば、外部画像処理装置による組織内の機密情報の閲覧や印刷出力などが制限されてもよい。
ユーザインタフェース画像が提供されると、外部画像処理装置は、自身が備えるタッチパネルなどの表示デバイス上にユーザインタフェース画像を表示させる。そして、例えばユーザインタフェース画像を介して得られるユーザからの操作(ユーザ操作)に応じた処理が実行される。
なお、外部画像処理装置による画像出力については、その外部画像処理装置を利用するユーザに対する個人的な課金が行われる。例えば、そのユーザが外部認証で利用した交通系カードから画像出力の料金が徴収されてもよい。
また、図1の画像処理システムによる画像処理の具体例として、印刷出力(プリント出力)を実行する場合には、例えば、ユーザが利用するユーザ装置110(例えばパーソナルコンピュータや携帯端末などの情報処理装置)に予め保存されたアクセスパスとユーザの認証情報が印刷要求(プリントジョブ)に付加されて、HTTPSなどのプロトコルにより、制御装置200に送信される。印刷要求を受け付けた制御装置200は、印刷要求に含まれる画像情報(例えばページ記述言語などに対応した画像データ)から印刷用の画像データを生成する。
画像処理装置100と画像処理プログラムが未だ接続されていない場合、制御装置200は、例えば、印刷要求で指定される用紙サイズで印刷用の画像データを生成する。画像処理装置100と画像処理プログラムが接続されていない状態では印刷出力が行われず、画像処理装置100と画像処理プログラムが接続されると印刷出力が実行される。
これに対し、画像処理装置100と画像処理プログラムが既に接続されている場合、制御装置200(接続された画像処理プログラム)は、例えば、印刷要求で指定される用紙サイズで印刷用の画像データを生成するとともに、画像処理装置100から得られたプリント用の指示待ち要求(リクエスト)に対する応答(レスポンス)として、画像処理装置100のプリントエンジンに対して印刷を指示して印刷出力を実行させる。
なお、画像処理装置100から制御装置200(画像処理プログラム)に印刷要求を送信する際に、印刷の対象となる画像が組織内のみで利用が許可された組織内画像の場合には、組織内画像であることを示す情報と組織情報(例えば認証サーバ120から得られる)が制御装置200(画像処理プログラム)に送信されてもよい。そして、制御装置200(画像処理プログラム)は、印刷要求を送信した画像処理装置100と印刷要求と共に送信された組織情報を比較し、画像処理装置100がその組織情報に対応した組織内のものであれば印刷出力を実行する。一方、画像処理装置100がその組織情報に対応した組織外にある外部画像処理装置であれば印刷出力が禁止される。これにより、組織外(例えば社外)の外部画像処理装置を利用した組織内画像の印刷出力が防止される。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。