JP7143581B2 - 配線層の製造方法並びにシード層の形成方法 - Google Patents

配線層の製造方法並びにシード層の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、配線層の製造方法に関し、より詳しくは、微細化及び高密度化の要求が高い、半導体装置を効率よく且つ低コストで製造するのに有用な配線層の製造方法に関する。また、本発明は、配線層の製造過程におけるシード層の形成方法に関する。
半導体パッケージの高密度化及び高性能化を目的に、異なる性能のチップを一つのパッケージに混載する実装形態が提案されており、コスト面に優れたチップ間の高密度インターコネクト技術が重要になっている(例えば特許文献1参照)。
パッケージ上に異なるパッケージをフリップチップ実装によって積層することで接続するパッケージ・オン・パッケージがスマートフォン及びタブレット端末に広く採用されている(例えば非特許文献1,2参照)。さらに高密度で実装するための形態として、高密度配線を有する有機配線基板を用いたパッケージ技術(有機インターポーザ)、スルーモールドビア(TMV)を有するファンアウト型のパッケージ技術(FO-WLP)、シリコン又はガラスインターポーザを用いたパッケージ技術、シリコン貫通電極(TSV)を用いたパッケージ技術、配線基板に埋め込まれたチップをチップ間伝送に用いるパッケージ技術等が提案されている。
特に有機インターポーザ及びFO-WLPでは、半導体チップ同士を並列して搭載する場合には、高密度で導通させるために微細配線層が必要となる(例えば特許文献2参照)。
特表2012-529770号公報 米国特許出願公開第2001/0221071号明細書
Application of Through Mold Via (TMV) as PoP Base Package, Electronic Components and Technology Conference (ECTC), 2008 Advanced Low Profile PoP Solution with Embedded Wafer Level PoP (eWLB-PoP) Technology, ECTC, 2012
上記の微細配線層の形成には、通常、スパッタによるシード層形成、レジスト形成、電気めっき、レジスト除去、シード層除去の工程が必要となり、この方法ではプロセスコストが課題であった。従って、微細配線層を低コストで形成できる工程が強く望まれていた。
微細配線層を低コストで形成する方法として、セミアディティブ法(SAP法)と称される方法が知られている。この方法は、通常、無電解めっきによってシード層を形成する工程を含む。しかし、従来のセミアディティブ法では、シード層の下地となる絶縁層に対するシード層の密着力が不十分であるという課題があった。これを改善すべく、無電解めっきによるシード層の形成に先立ち、絶縁層の表面を粗化する工程を実施することが知られている。例えば、デスミア処理用の液を使用して絶縁層の表面を粗化し、これによるアンカー効果によって、絶縁層とシード層との密着性を向上させる取り組みがなされている。例えば、特許第4552624号公報にはデスミア処理及び活性化処理を行って無電解銅めっきによりめっき下地導電層(シード層)を形成することが記載されている。しかし、デスミア処理用の液を使用した粗化処理は、絶縁層の表面を過度に粗くする傾向にあり、例えば、5μm以下のライン幅とスペース幅とを有する微細な配線を形成する場合、コストと歩留まりの点で改善の余地があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、従来と比較して効率的に配線層を製造できる方法及びその過程におけるシード層の形成方法を提供することを目的とする。
本発明の配線層の製造方法は以下の工程をこの順序で含む。
(A)支持基板上に絶縁材料層を形成する工程。
(B)酸素の存在下、絶縁材料層の表面に対して紫外線を照射する工程。
(C)1×10-5~100×10-5mol/mの触媒を絶縁材料層の表面に吸着させる工程。
(D)絶縁材料層の表面上に無電解めっきによってシード層を形成する工程。
(E)配線パターン形成用の開口部を有するレジストパターンをシード層の表面上に形成する工程。
(F)シード層の表面であってレジストパターンから露出している領域に、電解めっきによって金属層を形成する工程。
(G)レジストパターンを除去する工程。
(H)レジストパターンの除去によって露出したシード層及び当該シード層と絶縁材料層との間の触媒を除去する工程。
上記製造方法によれば、(B)工程の酸素の存在下における紫外線照射によってオゾンが発生し、紫外線とオゾンによって絶縁材料層の表面を処理することができる。この処理(以下、場合により「紫外線-オゾン処理」という。)は、絶縁材料層の表面を微細に粗化するとともに、絶縁材料層の表面に触媒(例えば、パラジウム触媒)が吸着するサイトを形成する。この(B)工程における処理の程度(例えば、処理時間及び紫外線照射量)によって(C)工程における触媒吸着量をコントロールすることができる。(C)工程における触媒の吸着量(1×10-5~100×10-5mol/m)は(B)工程における紫外線-オゾン処理後の絶縁材料層に適した量であって従来のセミアディティブ法における触媒吸着量と比較して少ない量である。触媒吸着量を適度な範囲とすることで、絶縁材料層の表面に対して無電解めっきによってシード層を十分に形成できるとともに、(H)工程を実施することで絶縁材料層における触媒の残存量を十分に低減できる。触媒の残存量を十分に低減できることで、その後の工程で不要な箇所に金属が析出することを十分に抑制できる。(H)工程の処理が施された絶縁材料層の領域における触媒残存量は1×10-5~1×10-8mol/mであることが好ましい。なお、デスミア処理に使用される液によって絶縁材料層の表面を粗化処理した場合、その後の処理によって吸着される触媒の量は、通常、1×10-2~1×10-3mol/mの範囲である。
(B)工程における紫外線-オゾン処理は、従来のデスミア処理に使用される液による粗化処理と比較して絶縁材料層の表面を微細に粗化するため、十分なアンカー効果を得られるとともに、その表面上に微細な配線を形成しても、その形成過程において配線が倒れる等の不具合を十分に抑制できる。例えば、配線パターン形成用の開口部がライン幅0.5~20μmの溝部を有するレジストパターンを絶縁材料層の表面上に形成することで、微細なトレンチ構造の配線を有する配線層を製造することができる。
上記製造方法によって多層構造の配線層を製造してもよい。すなわち、(H)工程を経て形成された配線層を覆うように、絶縁材料層を新たに形成した後、(B)工程から(H)工程までの一連の工程を1回又は複数回実施することによって、多層化された配線層を形成してもよい。
本発明は、配線層の製造過程におけるシード層の形成方法を提供する。すなわち、本発明のシード層の形成方法は、酸素の存在下、絶縁材料層の表面に対して紫外線を照射する工程と、1×10-5~100×10-5mol/mの触媒を絶縁材料層の表面に吸着させる工程と、無電解めっきによってシード層を絶縁材料層の表面に形成する工程とを含む。
本発明において、シード層は、例えば、銅層、ニッケル層、銅ニッケル合金層、ニッケルリン合金層及び銅ニッケルリン合金層からなる群から選ばれる無電解めっき層である。シード層の厚さが0.1~500nmであることが好ましい。
本発明において、絶縁材料層は感光性及び熱硬化性の少なくとも一方を有する樹脂組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び感光性ポリイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂を含むことが好ましい。
本発明によれば、従来と比較して効率的に配線層を製造できる方法及びその過程におけるシード層の形成方法が提供される。
図1(a)は支持基板上に絶縁材料層を形成した状態を模式的に示す断面図であり、図1(b)は絶縁材料層に開口部を設けた状態を模式的に示す断面図であり、図1(c)は絶縁材料表面を活性化処理した状態を模式的に示す断面図であり、図1(d)は絶縁材料表面を表面処理した状態を模式的に示す断面図であり、図1(e)は絶縁材料表面に触媒が吸着した状態を模式的に示す断面図である。 図2(a)は絶縁材料表面と開口部に無電解めっきによってシード層を形成した状態を模式的に示す断面図であり、図2(b)は無電解めっきで形成したシード層上に回路形成用レジストパターンを形成した状態を模式的に示す断面図であり、図2(c)は電解めっき法により配線パターンを形成した状態を模式的に示す断面図であり、図2(d)ははく離処理によりレジストパターンを除去した状態を模式的に示す断面図である。 図3(a)はシード層及び触媒を除去した状態を模式的に示す断面図であり、図3(b)は多層構造の配線層を形成する過程を模式的に示す断面図であり、図3(c)はビアに形成された配線の表面にUBM(アンダーバリアメタル)を形成した状態を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本明細書の記載及び請求項において「左」、「右」、「正面」、「裏面」、「上」、「下」、「上方」、「下方」等の用語が利用されている場合、これらは、説明を意図したものであり、必ずしも永久にこの相対位置である、という意味ではない。また、「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
図1~3を参照しながら、本実施形態に係る配線層の製造方法の概略について説明する。本実施形態に係る配線層の製造方法は以下の工程をこの順序で含む。
(A)支持基板1上に絶縁材料層2を形成する工程(図1(a)参照)。
(B)酸素の存在下、絶縁材料層2の表面に対して紫外線を照射する工程。
(C)1×10-5~100×10-5mol/mの触媒を絶縁材料層2の表面に吸着させる工程(図1(e)参照)。
(D)絶縁材料層2の表面上に無電解めっきによってシード層5を形成する工程(図2(a)参照)。
(E)配線パターン形成用の開口部6aを有するレジストパターン6をシード層5の表面上に形成する工程(図2(b)参照)。
(F)シード層5の表面であってレジストパターン6から露出している領域5aに、電解めっきによって配線7(金属層)を形成する工程(図2(c)参照)。
(G)レジストパターン6を除去する工程(図2(d)参照)。
(H)レジストパターン6の除去によって露出したシード層5b及び当該シード層5bと絶縁材料層2との間の触媒を除去する工程(図3(a)参照)。
上記製造方法によれば、(B)工程の酸素の存在下における紫外線照射によってオゾンが発生し、紫外線とオゾンによって絶縁材料層2の表面を処理することができる。この紫外線-オゾン処理は、絶縁材料層2の表面を微細に粗化するとともに、絶縁材料層2の表面に触媒(例えば、パラジウム触媒)が吸着するサイトを形成する。この(B)工程における処理の程度(例えば、処理時間及び紫外線照射量)によって(C)工程における触媒吸着量をコントロールすることができる。
(C)工程における触媒の吸着量(1×10-5~100×10-5mol/m)は(B)工程における紫外線-オゾン処理後の絶縁材料層に適した量であって従来のセミアディティブ法における触媒吸着量と比較して少ない量である。触媒吸着量が1×10-5mol/m以上であることで、絶縁材料層2の表面に対して無電解めっきによってシード層5を十分に形成でき、触媒吸着量が100×10-5mol/m以下であることで、(H)工程における触媒除去処理によって絶縁材料層2における触媒の残存量を十分に低減することができる。絶縁材料層2における触媒の吸着量は、1×10-5~100×10-5mol/mであることが好ましく、1×10-5~10×10-5mol/mであることがより好ましい。
(B)工程における紫外線-オゾン処理は、従来のデスミア処理に使用される液による粗化処理と比較して絶縁材料層2の表面を微細に粗化するため、十分なアンカー効果を得られるとともに、その表面上に微細な配線を形成しても、その形成過程において配線が倒れる等の不具合を十分に抑制できる。例えば、配線パターン形成用の開口部6aがライン幅0.5~20μmの溝部を有するレジストパターン6を絶縁材料層2の表面上に形成することで、微細なトレンチ構造の配線を有する配線層を製造することができる。開口部6aのスペース幅(隣接する二つの開口部6aの間隔)も0.5~20μmの範囲であることが好ましい。
(H)工程における処理によって触媒の残存量を十分に低減できることで、その後の工程で不要な箇所に金属が析出することを十分に抑制できる。(H)工程の処理が施された絶縁材料層の領域における触媒残存量は1×10-5~1×10-8mol/mであることが好ましく、1×10-6~1×10-8mol/mであることがより好ましい。
本実施形態においては、図3(c)に示されたとおり、多層構造の配線層50を製造する。すなわち、(H)工程を経て形成された配線層10を覆うように、絶縁材料層12を新たに形成した後、(B)工程から(H)工程までの一連の工程を1回又は複数回実施することによって、多層化された配線層50が形成される。
以下、本発明の実施形態について、より具体的に説明する。ここで説明する製造方法は、微細化及び多ピン化が必要とされる配線層の製造に適しており、特に、異種チップを混載するためのインターポーザが必要なパッケージ形態に適している。
<配線基板上に絶縁材料層を形成する工程(I)>
この工程は、支持基板1の表面上に絶縁材料層2を形成する工程である(図1(a))。同図に示す支持基板1は表面に銅層1aが形成されたものである。支持基板1は、銅層1aの代わりに配線及び/又はパッドを表面に有するものであってもよい。
支持基板1の種類は、特に限定されないが、シリコン板、ガラス板、SUS板、ガラスクロス入り配線基板、半導体素子入り封止樹脂等であり、高剛性からなる配線基板が好適である。支持基板1の厚さは、0.2~2.0mmの範囲であることが好ましい。厚さが0.2mmより薄いとハンドリングが困難になり、他方、2.0mmより厚いと材料費が高くなる傾向にある。支持基板1はウェハ状でもパネル状でも構わない。サイズは特に限定されないが、直径200mm、直径300mm又は直径450mmのウェハ、あるいは、一辺が300~700mmの矩形パネルが好ましい。
絶縁材料層2の形成には感光性及び熱硬化性の少なくとも一方を有する樹脂組成物を採用することが好ましい。樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び感光性ポリイミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂を含むことが好ましい。絶縁材料層2を形成するのに用いる材料形態としては、液状又はフィルム状のものが挙げられる。膜厚平坦性とコストの観点からフィルム状のものを使用することが好ましい。樹脂組成物はフィラー(充填材)を含んでもよく、この場合、微細な配線を形成できる点で、フィラーとして平均粒径が500nm以下のものを使用することが好ましい。
フィルム状の樹脂組成物(以下、場合により単に「樹脂フィルム」という。)を使用する場合、支持基板1に対して樹脂フィルムをラミネートする際の温度がなるべく低温であることが好ましい。すなわち、樹脂フィルムは、40~120℃でラミネート可能であることが好ましい。ラミネート可能な温度が40℃を下回る樹脂フィルムは常温(約25℃)でのタックが強く取り扱い性に悪化する傾向があり、他方、120℃を上回る樹脂フィルムはラミネート後に反りが大きくなる傾向がある。
絶縁材料層2は、硬化後の熱膨張係数は、反り抑制の観点から80×10-6/K以下であることが好ましく、高信頼性が得られる点で70×10-6/K以下であることがより好ましい。また、絶縁材料の応力緩和性、高精細なパターンが得られる点で20×10-6/K以上であることが好ましい。
<絶縁材料層に開口部を設ける工程(II)>
この工程は、絶縁材料層2の表面に開口部2aを形成する工程である(図1(b))。本実施形態において、開口部2aは、絶縁材料層2をその厚さ方向に貫通するように形成されており、底面(銅層1aの表面)と側面(絶縁材料層2)とによって構成されている。開口部2aは、本実施形態においては、最終的に製造される配線層30の銅パッド8を
絶縁材料層2が感光性樹脂材料で形成されている場合、フォトリソグラフィープロセス(露光及び現像)によって開口部2aを形成することが好ましい。なお、フォトリソグラフィープロセスの代わりに、レーザーアブレーション及びインプリント等によって開口部2aを有する絶縁材料層2を形成してもよい。
感光性樹脂材料の露光方法としては、通常の投影露光方式、コンタクト露光方式、直描露光方式等を用いることができる。現像方法としては炭酸ナトリウム又はTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)のアルカリ水溶液を用いることが好ましい。開口部2aを形成した後、絶縁材料層2をさらに加熱硬化させてもよい。例えば、加熱温度は100℃~200℃、加熱時間は30分~3時間の間で実施される。
絶縁材料層2が熱硬化性樹脂材料で形成されている場合、開口方法として、レーザーアブレーション、サンドブラスト、ウォーターブラストが挙げられる。これらのうち、微細な開口部2aを形成可能な点から、レーザーアブレーションが好ましい。レーザーアブレーションによる開口方法としては、COレーザー、UV-YAGレーザーなどにより形成できるが、コストの観点から、COレーザーを用いた開口方法が好ましい。
<絶縁材料表面を活性化処理する工程(III)>
この工程は、絶縁材料層2の表面を活性化処理する工程である(図1(c))。ここで実施する活性化処理は、次の工程(IV)の改質処理と組み合せて実施することで、工程(V)において、絶縁材料層2の表面にパラジウム触媒を吸着しやすい状態とするためのものである。なお、本実施形態においては、触媒としてパラジウム触媒を使用する場合を例示するが、パラジウム触媒の代わりに、銅触媒又は銀触媒を使用してもよい。
本実施形態においては、活性化処理する方法として、酸素存在下(例えば、空気中)における紫外線照射を実施する。酸素の存在下における紫外線照射によってオゾンが発生し、紫外線とオゾンによって絶縁材料層2の表面を処理することができる。この紫外線-オゾン処理は、絶縁材料層2の表面を微細に粗化するとともに、絶縁材料層2の表面にパラジウム触媒が吸着するサイトを形成する。紫外線-オゾン処理の程度(例えば、紫外線の処理時間及び紫外線照射量)によって、工程(V)における触媒吸着量をコントロールすることができる。
活性化処理に利用する紫外線の波長は、150nm~400nmが好ましく、150nm~350nmがより好ましく、150nm~300nmが更に好ましい。活性化の波長を短波長にすることによって、活性化処理の効果が大きくなり、短時間で処理できる。紫外線照射は、25℃~80℃で行うことが好ましい。より反応性を早めるために40℃~80℃がより好ましく、60℃~80℃が更に好ましい。紫外線処理は、1分~30分で行うことが好ましく、3分~30分がより好ましく、5分~30分が更に好ましい。
<絶縁材料表面を表面処理した工程(IV)>
この工程は、絶縁材料層2の表面と開口部2aの側面を改質する工程である(図1(d))。ここで実施する改質処理は、工程(III)の活性化移処理後の絶縁材料層2の表面を、パラジウム触媒がより吸着しやすい状態とする前処理である。なお、この前処理は、工程(III)の活性化処理から、1年以内に実施すればよい。1年以内であれば、上記の紫外線-オゾン処理の効果が有効に維持できる。
表面処理に使用する液としては、市販のものを使用すればよく、例えば、酸性前処理液(アトテック株式会社製、商品名CC231)を用いることができる。また、絶縁材料層2の表面の濡れ性を向上させる目的で、界面活性剤を含む液を使用してもよい。また、市販の液を有機溶剤又は水で希釈して用いてもよい。
表面処理の方法としては、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、印刷法等が挙げられるが、効率良く処理できるディップ法が好ましい。表面処理は、25~80℃で行うことが好ましい。より反応性を早めるために40℃~80℃がより好ましく、60~80℃が更に好ましい。表面処理は、5~30分で行うことが好ましい。10~30分がより好ましく、15~30分が更に好ましい。
表面処理を実施した後、余分な液を除去するために、水又は有機溶剤で洗浄してもよく、更にその後、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液、あるいは、市販のアルカリ処理液(株式会社JCU製、商品名ES200)で表面処理してもよい。アルカリ水溶液の濃度は、1~30質量%が好ましく、10~30質量%がより好ましい。アルカリ水溶液による表面処理温度は25~60℃が好ましく、30~60℃がより好ましい。アルカリ水溶液による表面処理時間は1~30分が好ましく、10~30分がより好ましい。
<絶縁材料表面に触媒を吸着させる工程(V)>
この工程は、上記処理を経た絶縁材料層2の開口部2aを含む表面に、パラジウム吸着層4を形成する工程である(図1(d))。パラジウム吸着層4は、絶縁材料層2の開口部2aを含む表面に吸着されたパラジウム触媒からなる。このパラジウム触媒は、触媒として作用させるための活性化処理を経た後、工程(VI)における無電解めっき反応の触媒となるものである。
パラジウム吸着層4の形成には、市販の無電解めっき用パラジウム触媒溶液を使用すればよい。パラジウム触媒溶液に絶縁材料層2を浸漬することによって、絶縁材料層2の表面にパラジウム触媒を吸着させることができる。このときのパラジウム触媒溶液の温度は、例えば、25~80℃であり、浸漬時間は、例えば、1分~60分である。パラジウム触媒を吸着させた後、余分なパラジウム触媒を除去するため、水又は有機溶剤で洗浄してもよい。
パラジウム触媒吸着後、パラジウムを触媒として作用させるための活性化を行う。パラジウムの活性化処理には、市販の活性化剤(活性化処理液)を使用すればよい。活性化処理液に絶縁材料層2を浸漬することによって、絶縁材料層2の表面に吸着しているパラジウム触媒を活性化させることができる。このときの活性化処理液の温度は、例えば、25~80℃であり、浸漬時間は、例えば、1~60分である。パラジウム触媒の活性化後、余分な活性化処理液を除去するため、水又は有機溶剤で洗浄してもよい。
<シード層を形成する工程(VI)>
この工程は、パラジウム吸着層4を形成した絶縁材料層2の開口部2aを含む表面に、無電解めっきによりシード層5を形成する工程である(図2(a))。シード層5は、この後の工程(VII)で配線7を形成するために行う電解銅めっきのための給電層となる。
シード層5は、例えば、銅層、ニッケル層、銅ニッケル合金層、ニッケルリン合金層及び銅ニッケルリン合金層からなる群から選ばれる無電解めっき層である。コストの観点から、シード層5の材質は、ニッケルリン合金又は銅ニッケルリン合金であることが好ましい。
シード層5として、ニッケルリン合金からなる層を形成する場合、無電解めっき液として市販のめっき液を使用すればよく、例えば、中リンタイプ(リン含有量:7~9質量%)の無電解ニッケルめっき液(株式会社JCU製、商品名ELFSEED)を用いることができる。無電解ニッケルリンめっきは、30~80℃の無電解ニッケルリンめっき液中で実施される。
シード層5として、銅ニッケル合金からなる層を形成する場合、無電解めっき液として市販のめっき液を使用すればよく、例えば、無電解銅ニッケルめっき液(株式会社JCU製、商品名AISL)を用いることができる。無電解銅ニッケルめっきは、30~80℃の無電解ニッケルリンめっき液中で実施される。
シード層5の厚さは、0.1~500nmが好ましく、0.1~400nmがより好ましく、0.1~300nmが更に好ましい。シード層の厚さが0.1nm以上にすることで、その後の電解めっきにおいて均一な厚さで配線を形成しやすく、他方、500nm以下にすることで、シード層5のエッチング工程において配線への過剰なエッチングを防ぐことができ、微細な配線を歩留まり良く形成できる。
無電解めっき後、余分なめっき液を除去するため、水又は有機溶剤で洗浄してもよい。無電解めっき後、シード層5と絶縁材料層2の密着力を高めるため、熱硬化(アニーリング:加熱による時効硬化処理)を行ってもよい。熱硬化温度は、80~200℃で加熱することが好ましい。より反応性を早めるために120~200℃がより好ましく、120~180℃で加熱することが更に好ましい。熱硬化時間は5~60分が好ましく、10~60分がより好ましく、20~60分が更に好ましい。
<シード層上にレジストパターンを形成する工程(VII)>
この工程はシード層5上に回路形成用のレジストパターン6を形成する工程である(図2(b))。
回路形成用レジストは市販のレジストでよく、例えば、ネガ型フィルム状の感光性レジスト(日立化成株式会社製、Photec RY-5107)を用いることができる。まず、市販のロールラミネータを用いてシード層5を覆うように回路形成用レジストを成膜する。次いで、パターンを形成したフォトツールを密着させ、露光機を使用して露光を行い、次いで、炭酸ナトリウム水溶液で、スプレー現像を行うことによってレジストパターンを形成する。
レジストパターン6の開口部6aは0.5~20μmのライン幅の溝部を有するトレンチ構造に対応したものであることが好ましい。かかるレジストパターン6を形成することで、高密度化を実現する配線基板を製造できる。
<電解めっきによって配線を形成する(VIII)>
この工程は、シード層5上に電解めっき(例えば、電解銅めっき)により配線7(金属層、例えば銅層)を形成する工程(VIII)である(図2(c))。シード層5を給電層として利用することで、開口部6a内に配線7が形成されるとともに、開口部2a内に金属層8aが形成される。
<レジストパターンをはく離する工程(IX)>
この工程は、シード層5上のレジストパターン6をはく離する工程である(図2(d))。はく離液として、市販のものを使用すればよく、例えば、アミン系エッチング液(三菱ガス化学製、R-100)、又は、2.38%TMAH水溶液を用いることができる。
<シード層及びパラジウム触媒を除去する工程(X)>
この工程は、レジストパターン6のはく離によって露出したシード層5b及びその下のパラジウム触媒を除去する工程である(図3(a))。シード層5b及びパラジウム触媒を除去するための除去液として、市販のものを使用すればよく、例えば、酸性のエッチング液(JCU社製、BB-20、PJ-10、SAC-700W3C)が挙げられる。
<配線層を多層化する工程(XI)>
この工程は、上記工程(X)を経て形成された配線層10の表面上に配線層20,30を更に形成することによって、配線層を多層化する工程である(図3(b))。本実施形態においては、工程(X)を経て形成された配線層10を覆うように、絶縁材料層22を新たに形成した後、工程(II)から工程(X)までの一連の工程を2回繰り返すことによって、三層構造の配線層を形成する。
<銅パッド上にUBMを形成する工程(XII)>
この工程は、工程(XI)を経て形成された銅パッド8上に、無電解ニッケルと金めっきを行い、UBM9を形成する工程である(図3(c))。特にめっき厚みは限定するものではないが、ニッケルめっき厚は1~10μm、金めっき厚は0.1μm程度が好ましい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
<樹脂フィルムの製造>
絶縁材料層の形成に使用する樹脂組成物として、以下の3種類の感光性樹脂組成物を調製した。
(感光性樹脂組成物A)
以下の成分を使用した。
・カルボキシル基とエチレン性不飽和基とを含有する光反応性樹脂:酸変性したクレゾールノボラック型エポキシアクリレート(CCR-1219H、日本化薬株式会社製、商品名) 70質量部
・光重合開始剤成分:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(ダロキュアTPO、チバ・ジャパン社製、商品名)及びエタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(o-アセチルオキシム)(イルガキュアOXE-02、チバ・ジャパン社製、商品名) 5.6質量部
・熱硬化剤成分:ビフェノール型エポキシ樹脂(YX-4000、三菱ケミカル株式会社製、商品名) 20質量部
・無機フィラー成分:シリカフィラー(平均粒径:50nm、ビニルシランでシランカップリング処理したもの)
無機フィラー成分は、樹脂分100体積部に対し、10体積部となるように配合した。なお、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計「UPA-EX150」(日機装株式会社製)及びレーザー回折散乱式マイクロトラック粒度分布計「MT-3100」(日機装株式会社製)を用いて粒度分布を測定し、最大粒径が1μm以下となっていることを確認した。
(感光性樹脂組成物B)
・カルボキシル基とエチレン性不飽和基とを含有する光反応性樹脂:感光性樹脂組成物Aと同様のもの 70質量部
・光重合開始剤成分:感光性樹脂組成物Aと同様のもの 5.6質量部
・熱硬化剤成分:感光性樹脂組成物Aと同様のもの 20質量部
・無機フィラー成分:平均粒径が300nmの硫酸バリウムを、スターミルLMZ(アシザワファインテック株式会社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速12m/sにて3時間分散して調製したもの。上記と同じ装置を使用して粒度分布を測定し、最大粒径が2μmであることを確認した。なお、無機フィラー成分は、樹脂分100体積部に対し、10体積部となるように配合した。
(感光性樹脂組成物C)
・カルボキシル基とエチレン性不飽和基とを含有する光反応性樹脂:感光性樹脂組成物Aと同様のもの 70質量部
・光重合開始剤成分:感光性樹脂組成物Aと同様のもの 5.6質量部
・熱硬化剤成分:感光性樹脂組成物Aと同様のもの
・無機フィラー成分:平均粒径が1μmの結晶性シリカを、スターミルLMZ(アシザワファインテック株式会社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速12m/sにて3時間分散して調製した。上記と同じ装置を使用して粒度分布を測定し、最大粒径が10~15μmであることを確認した。なお、無機フィラー成分は、樹脂分100体積部に対し、10体積部となるように配合した。
上記のようにして得た感光性樹脂組成物A~Cのそれぞれの溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(G2-16、帝人社製、商品名、厚さ:16μm)の表面上に塗布した。それらを、熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥することによって3種類の樹脂フィルムA~Cを得た。これらの樹脂フィルムの厚さはいずれも15μmであった。
<配線層の製造>
支持基板として、ガラスクロス入り配線基板(サイズ:200mm角、厚さ:1.5mm)を準備した。この配線基板の表面には銅層が形成されており、その厚さは20μmであった。
上記配線基板の銅層の表面に、樹脂フィルムA~Cをそれぞれラミネートした。詳細には、まず、樹脂フィルムからポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、配線基板の銅層の表面に樹脂フィルムを載置した。次いで、プレス式真空ラミネータ(MVLP-500、名機製作所製)を用いてプレスした。プレス条件は、プレス熱板温度80℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間60秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとした。
次いで、プレス後の樹脂フィルムに露光処理及び現像処理を施すことによって、配線基板の銅層にまで至る開口部を設けた。露光は樹脂フィルムの上にパターンを形成したフォトツールを密着させ、マスク露光機(EXM-1201型露光機、株式会社オーク製作所社製)を使用して、300mJ/cmのエネルギー量で露光した。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、開口部2aを設けた。次いで、現像後の絶縁材料層表面にマスク露光機(EXM-1201型露光機、株式会社オーク製作所社製)を使用して、2000mJ/cmのエネルギー量でポストUV露光した。次いで、クリーンオーブンで180℃、1時間の熱硬化を行った。
上記のようにして得た樹脂フィルム(A~C)と配線基板の積層体(3種類)を40mm×40mmのサイズに切断した。次いで、紫外線照射装置(SSP-16、セン特殊光源社製)を用いて、樹脂フィルムの表面を紫外線処理(活性化処理)した。紫外線ランプから感光性絶縁材料表面までの距離は40mmとした。なお、表1~4に示すとおり、実施例においては、紫外線の照射時間を1分、3分又は5分とし、比較例においては、紫外線の照射時間を0.1分又は10分とした。
次に、樹脂フィルムの表面に無電解ニッケルめっき(樹脂フィルムの表面の改質、パラジウム触媒吸着、パラジウム触媒の活性化及び無電解めっき)を以下のようにして行った。まず、クリーナー(JCU製、商品名:ES-100)の40mL/L水溶液に50℃で2分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬した。次に、モディファイヤー(JCU製、商品名:ES-200)の70mL/L水溶液に50℃で2分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬した(改質処理)。次に、アクチベータ(JCU製、商品名:ES-300)の100mL/L水溶液に50℃で2分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬した(パラジウム触媒吸着)。次に、アクセラレータとして、JCU製の商品名:ES-400Aの10mL/L水溶液にJCU製の商品名:ES-400Bを14g/L添加した水溶液に40℃で2分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬した(パラジウム触媒の活性化)。EDX測定装置(島津製作所製、EDX-7000)を用いて、Pd吸着量を算出した。積算時間は6分、測定温度は室温とした。次に、無電解ニッケルめっきとして、JCU製の商品名:ES-500Mを建浴濃度45mL/L、JCU製の商品名:ES-500Cを建浴濃度45mL/L、JCU製の商品名:ES-500Bを建浴濃度30mL/L、アンモニア水を24mL/L、JCU製の商品名:ES-500Dを建浴濃度40mL/Lをこの順で加えた。その後、pHが8.5になるように硫酸を加えた。得られた水溶液に40℃で5分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬し、150℃で10分間オーブンを用いて空気下で加熱した。無電解めっきによって成膜できた試験例を「○」と評価し、成膜できなかった試験例を「×」と評価した。
次いで、真空ラミネータ(日合モートン社製、V-160)を用いて、無電解ニッケルが成膜された樹脂フィルム(40mm×40mm)の上に、回路形成用レジスト(日立化成製、RY-5107UT)を真空ラミネートした。ラミネート温度は110℃、ラミネート時間は60秒、ラミネート圧力は0.5MPaとした。真空ラミネート後、1日放置し、i線ステッパ(ウシオ電機社製、UPL-101)を用いて、回路形成用レジストを露光した。露光量は140mJ/cm、フォーカスは-15μmとした。露光後、1日放置し、回路形成用レジストの保護フィルムをはく離し、スプレー現像機(ミカサ社製、AD-3000)を用いて、現像した。現像液は1.0%炭酸ナトリウム水溶液、現像温度は30℃、スプレー圧は0.14MPaとした。
次に、クリーナーとして(奥野製薬工業製、商品名:ICPクリーンS-135)の100mL/L水溶液に50℃で1分間浸漬し、純水に50℃で1分間浸漬、純水に25℃で1分間浸漬し、10%硫酸水溶液に25℃で1分間浸漬した。次に、硫酸銅五水和物の120g/L、96%硫酸220g/Lの水溶液7.3Lに、塩酸を0.25mL、奥野製薬工業製の商品名:トップルチナGT-3を10mL、奥野製薬工業製の商品名:トップルチナGT-2を1mL加えた水溶液に、25℃で電流密度を1.5A/dmで10分間の条件で電解めっきを施すことによってシード層を形成した。その後、純水に25℃で5分間浸漬し、80℃のホットプレートで5分間乾燥させた。
次に、スプレー現像機(ミカサ社製、AD-3000)を用いて、回路形成用レジストをはく離した。はく離液は2.38%TMAH水溶液、はく離温度は40℃、スプレー圧力は0.2MPaとした。
次に、シード層であるニッケル及びパラジウム触媒を除去した。ニッケルのエッチングとしてST-NI水溶液(JCU社製、ST-NI A:100mL/L、ST-NI B:10mL/L、ST-40A:75mL/L、35%過酸化水素水60mL/L)に35℃で1分間浸漬した。次に、パラジウム触媒の除去としてFL水溶液(JCU社製、FL-A:500mL/L、FL-B:40mL/L)に50℃で1分間浸漬した。EDX測定装置(島津製作所製、EDX-7000)を用いて、Pd残存量を算出した。積算時間は6分、測定温度は室温とした。
次に、銅配線が形成された配線層の表面に無電解ニッケルを施した。パラジウム除去後の銅配線付き基板を酸性脱脂液として(ワールドメタル社製、商品名:Z-200)の200mL/L水溶液に50℃で1分間浸漬し、純水に50℃で1分間浸漬、純水に25℃で1分間浸漬し、10%硫酸水溶液に25℃で1分間浸漬し、純水に25℃で1分間浸漬した。次に、置換パラジウムめっき液として(メルテックス社製、メルプレートアクチベータ350)の100mL/L水溶液に25℃で5分間浸漬し、純水に25℃で1分間浸漬した。次に、無電解ニッケルめっき液水溶液(奥野製薬工業社製、ICPニコロン-GM-SD-1:50mL/L、ICPニコロン-GM-SD-M:120mL/L)に80℃で1分浸漬した。L/S2μm/2μmの配線間にニッケルが析出していない試験例を「無」と評価し、析出した試験例を「有」と評価した。
表1,2に樹脂フィルムA(感光性樹脂組成物A)についての実施例及び比較例の結果を示す。
Figure 0007143581000001
Figure 0007143581000002
表3,4に樹脂フィルムB(感光性樹脂組成物B)についての実施例及び比較例の結果を示す。
Figure 0007143581000003
Figure 0007143581000004
表5,6に樹脂フィルムC(感光性樹脂組成物C)についての実施例及び比較例の結果を示す。
Figure 0007143581000005
Figure 0007143581000006
1…支持基板、2…絶縁材料層、4…パラジウム吸着層、5,5b…シード層、6…レジストパターン、6a…配線パターン形成用の開口部、7…配線(金属層)、10…配線層、50…多層構造の配線層

Claims (6)

  1. (A)支持基板上に絶縁材料層を形成する工程と、
    (B)酸素の存在下、前記絶縁材料層の表面に対して紫外線を照射する工程と、
    (C)5.3×10 -5 ~100×10 -5 mol/m の触媒を前記絶縁材料層の表面に吸着させる工程と、
    (D)前記絶縁材料層の表面上に無電解めっきによってシード層を形成する工程と、
    (E)配線パターン形成用の開口部を有するレジストパターンを前記シード層の表面上に形成する工程と、
    (F)前記シード層の表面であって前記レジストパターンから露出している領域に、電解めっきによって金属層を形成する工程と、
    (G)前記レジストパターンを除去する工程と、
    (H)前記レジストパターンの除去によって露出した前記シード層及び当該シード層と前記絶縁材料層との間の前記触媒を除去する工程と、
    をこの順序で含み、
    (H)工程の処理が施された前記絶縁材料層の領域における触媒残存量が1×10-5~1×10-8mol/mである、配線層の製造方法。
  2. 前記レジストパターンは、前記配線パターン形成用の開口部がライン幅0.5~20μmの溝部を有する、請求項1に記載の配線層の製造方法。
  3. 前記シード層が銅層、ニッケル層、銅ニッケル合金層、ニッケルリン合金層及び銅ニッケルリン合金層からなる群から選ばれる無電解めっき層である、請求項1又は2に記載の配線層の製造方法。
  4. 前記シード層の厚さが0.1~500nmである、請求項1~のいずれか一項に記載の配線層の製造方法。
  5. 前記触媒はパラジウム触媒である、請求項1~のいずれか一項に記載の配線層の製造方法。
  6. (H)工程を経て形成された配線層を覆うように、絶縁材料層を新たに形成した後、(B)工程から(H)工程までの一連の工程を1回又は複数回実施することによって、多層化された配線層を形成する、請求項1~のいずれか一項に記載の配線層の製造方法。
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