JP7143543B1 - 道路工事用表示板の支持装置 - Google Patents

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【課題】表示板12を支持する支柱の傾きを自由に変更する作業性が良く堅牢な支持装置を得る。【解決手段】一方の連結器22でレール14と支持パイプ20とを回転軸30を介して連結し、他方の連結器24では、支持パイプ20の長手方向と回転方向の移動を許容するように支持パイプ20をレール16に押しつけて固定する構造にしたので、表示板12に対して支持パイプ20の傾きを、工事現場で簡単に調整して固定することができる。この支持パイプ20に支柱18を引き出し可能に収容しておけば、運搬時に支柱18が邪魔にならない。【選択図】図1

Description

本発明は、道路工事の際に使用され、様々な案内を表示するために設置される道路工事用表示板の支持装置に関する。
道路工事の現場には付近を通行する車両や歩行者のために、様々な案内表示板が設置される。工事現場では、道路交通の安全が優先されるため、案内表示板とその支持装置は、持ち運びが容易で、組み立てが簡単で、堅牢かつ安全性の高いことが要求される。特許文献1~3はこれらの要求を満たすための技術を紹介している。
特開平9-177047号公報 特開2022-36018号公報 特許6902642号公報 実用新案登録第3231708号公報 実用新案登録第3026220号公報
工事現場では案内表示板の設置場所にも制約があり、しっかりとした支持台を据え付けてその上に表示板を固定するといった構造を採用できない場所もある。そのときは表示板を作業用の足場等に結束して設置するようなこともある。しかし、表示板の高さや向きを安定に固定するには、これに適する支持装置が要求される。しかも、他の支持装置と同様に持ち運びが容易で、組み立てが簡単で、堅牢かつ安全性が要求される。本発明はこのような要求を満たす道路工事用表示板の支持装置を提供することを目的とする。
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
<構成1>
表示板の裏面に、この表示板を横切るように並べて固定された一対のレールに対して固定され、この表示板を支持するためのものであって、
表示板を支持するための支柱の一部を構成する支持パイプと、
この支持パイプの2箇所を、それぞれ上記一対のレールに連結する一対の連結器とを備え、
いずれか一方の連結器は、レールに沿ってスライドするスライド板と、このスライド板と上記支持パイプとを連結して、支持パイプの回転方向の動きを許容する回転軸と、上記のスライド板をレール上に固定するクランプとを備え、
他方の連結器は、レールに沿ってスライドするスライド板と、上記の支持パイプをレール方向に押し付けて固定する押さえ板と、上記のスライド板をレール上に固定するクランプとを備えたことを特徴とする道路工事用表示板の支持装置。
<構成2>
支持パイプをレール方向に押しつけて固定する押さえ板は、支持パイプのレールと対向する面の反対側の面に密着する部分と、支持パイプの左右の側面に対して、支持パイプの左右方向の動きを許容するスペースを開けて、スライド板に向かう方向に延長された部分と、スライド板と連結される部分とを備えたことを特徴とする構成1に記載の道路工事用表示板の支持装置。
<構成3>
支持パイプは、断面が円形の支柱を取り囲むように金属板を折り曲げ加工した断面が四角形の筒で、一方の面に長手方向に連続したスリットが設けられており、支柱の端部側面に固定された突起がこのスリット中をストッパによって移動を制限された範囲で移動して、支柱の、支持パイプから突き出す長さが可変にされることを特徴とする構成2に記載の道路工事用表示板の支持装置。
<構成4>
支持パイプのレールと対向する面には、スライド板と回転軸を介して連結されてこの軸を中心に自由回転するターンテーブルが設けられ、支持パイプはこのターンテーブルに押しつけられてスライド板に固定されることを特徴とする構成3に記載の道路工事用表示板の支持装置。
一方の連結器でレールと支持パイプとを回転軸を介して連結し、他方の連結器では、支持パイプの長手方向と回転方向の移動を許容するように支持パイプをレールに押しつけて固定する構造にしたので、表示板12に対して支持パイプの傾きを、工事現場で簡単に調整して固定することができる。この支持パイプに支柱を引き出し可能に収容しておけば、運搬時に支柱が邪魔にならない。
本発明実施例を示す道路工事用表示板の支持装置の分解斜視図である。 レールに固定をする連結器の側面図や縦断面図である。 本発明の支持装置を固定する操作を説明するための表示板の背面図である。 連結器の主要部の動作説明図である。
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
この装置は工事現場で使用されるため、十分堅牢でなければならない。さらに、据え付け作業が伴うので、構造が簡単で操作性が良いことが必要である。また、風雨にさらされることから、建造物にしっかり固定出来、堅牢なことが要求される。組み立てや調整作業の際に、部品が脱落するようなことがあってはならない。以下の装置はこうした欲求を満たす構造を実現している。
図1に示した表示板12は、上記の特許文献に紹介されたような工事現場で使用される案内表示のためのものである。文字を印刷したものを貼り付けた板やLEDを内蔵した電光表示板のようなものもある。表示板12の裏面には2本のレール14,16が固定されている。
この実施例では、これら一対のレール14,16は、ほぼ平行に表示板12の裏面を横切るように並べられ固定されている。レール14,16には、表示板12を支えるための支柱18の一部を構成する支持パイプ20が固定される。
この実施例のレール14,16は、ステンレス板を図1や図2に示す形状に折り曲げたものである。支持パイプ20は、上記のレール14,16に対して、連結器22,24により連結される。支持パイプ20もステンレス板を図1や図2に示す形状に折り曲げたものである。
図1において、連結器22と24とを、一点鎖線の円内に拡大図で示した。支持パイプ20は、支柱18のほぼ全体を収容する長さをしている。支柱18は、表示板12を支えるための丈夫なもので、鉄やアルミニウムパイプ等が使用される。
表示板12を現場に設置するときには、支持パイプ20から支柱18を引き出して使用する。これで、例えば、通行人の目の高さに表示板を支持することができる。
支持パイプ20は、断面が円形の支柱18を取り囲むように金属板を折り曲げ加工したもので、断面が四角形の筒である。支持パイプ20のレールと対向する面には長手方向に連続したスリット21が設けられている。
支柱18の端部側面に固定された突起19が、このスリット21に沿って移動する。支持パイプ20の上部と下部にそれぞれ連結器22と24とが固定されるが、これらが突起19の移動範囲を制限するストッパとして機能する。
支柱18は、これらのストッパによって移動を制限された範囲で移動して、支持パイプ20から突き出す長さが可変にされる。これにより、支柱18が支持パイプ20から抜け落ちるようなことがない。支持パイプ20の下端には補強バンド38を巻き付けて補強されている。
また、この支持パイプ20の中に支柱18を収容してしまうと、運搬時には支柱18が邪魔にならず、据え付け時には自由に支持高さを調節出来る。長さが決まったら2本の蝶ねじ32で支持パイプ20の側面から支柱18を固定することができる。
以下の説明では、一方の連結器を上側連結器22と呼び、他方の連結器を下側連結器24と呼んで説明をする。いずれの連結器も、レール14,16と噛み合ってこのレールに沿ってスライドするスライド板26を備えている。
図2の(a)は上側連結器22の両端の蝶ねじ32を締めてスライド板26を上側レール14に固定したところを示す側面図である。図2の(b)はスライド板26の中央付近の縦断面図で、回転軸30がスライド板26と支持板28とを貫通しているところを示す。
図2の(c)は、上側連結器22を上側から見たところを示す支持パイプ20の端面図である。図2の(d)は下側連結器24の両端でスライド板26と押さえ板34を蝶ねじ32で連結してスライド板26を下側レール16に固定したところを示す側面図である。図2の(e)は押さえ板34を下側から見たところを示す支持パイプ20の端面図である。
図2の(a)に示すように、上側連結器22のスライド板26は、その両端部に設けられたネジ孔に蝶ねじ32をねじ込むことにより、上側レール14の内側からこれに押し付けられて固定される構造になっている。
一方、図2(d)や(e)に示すように、下側連結器24のスライド板26は、押さえ板34の両端部と蝶ねじ32により連結され、スライド板26と押さえ板34とで下側レール16の一部を挟むことで、下側レール16に固定される構造になっている。
なお、スライド板26と上側レール14や下側レール16との噛み合わせ構造や固定構造は同様の機能を持つものであれば置き換えが可能である。例えば、モノレールのような構造でも、カーテンレールのような構造でも構わない。
スライド板26のレール上での移動を阻止して固定する構造も。ねじ式やピンを差し込む方式でも楔によるものでも、別のクランプ構造を自由に採用できる。
図2(a)~(c)に示すように、上側連結器22では、スライド板26が、その中央に配置した回転軸30を介して支持板28と連結されている。この支持板28は、支持パイプ20に溶接等で固定されている。
この構造により、上側連結器22を上側レール14上に固定したとき、支持パイプ20は回転軸30を軸にして回転方向の動きを許容される。支持パイプ20の下側レール16に接する他端側は、下側レール16に沿って自由に左右に移動させることができる状態になる。
図3の(a)は、表示板12の長手方向に対して支持パイプ20を平行にして両者を固定した状態を示す。一方、図3の(b)は、表示板12の長手方向に対して支持パイプ20を角度θだけ傾けて固定した状態を示す。
工事現場において、表示板12を配置する場所の制約から、支柱の位置や傾きを調整しなければならないことがある。このとき上側連結器22や下側連結器24は、支持パイプ20を表示板12に固定する位置や傾きの調整を可能にする。
表示板12を工事現場に搬入するには、まず、図3の(a)に示すように上側連結器22を上側レール14に嵌め込み、下側連結器24を下側レール16に嵌め込む。このときは上側連結器22の蝶ねじ32も下側連結器24の蝶ねじ32も締め付けを緩めておく。
そして運搬を始めるときは上側連結器22の蝶ねじ32と下側連結器24の蝶ねじ32を締め付けて、それぞれ上側レール14や下側レール16上で移動しないようにしておく。支持パイプ20の側面に設けた蝶ねじ32もその内部の支柱18が突き出さないように締め付け固定しておく。これで支柱18が邪魔にならないので楽に運搬ができる。
工事現場に着いて表示板12を設置するときは、支持パイプ20の側面に設けた蝶ねじ32を緩めて内部の支柱18を必要な長さだけ引き出す。そして。支持パイプ20の側面に設けた蝶ねじ32を締め付けて支柱18を固定する。こうして支柱18の突き出す長さを可変でき、表示板12の支持高を最適化できる。
続いて、上側連結器22の上側レール14上の位置を決めて蝶ねじ32を締め付けて固定する。上側連結器22の位置が固定されると、支持パイプ20の下側を図の左右に振れば、下側連結器24を下側レール16上で左右に移動できる。
ここで、下側連結器24の下側レール16上の位置を決めて、蝶ねじ32を締める。これで、下側連結器24を下側レール16に連結固定できる。
以上で表示板12の支持構造の組み立て調整が終わる。現場では何カ所かの蝶ねじ32を締め付けるだけで作業が終わる。蝶ねじ32の端部に抜けによる脱落防止処理をしておけば、現場で部品の脱落の心配は一切無い。
下側連結器24を下側レール16上で左右に移動するとき、上側連結器22と下側連結器24との間の距離が変化する。従って、押さえ板34は支持パイプ20の長手方向の移動を妨げない構造にされている。
即ち、下側連結器24の押さえ板34は、支持パイプ20をレール16の方向に押しつけて固定する部分と、スライド板26に向かう方向に延長された側板35と、スライド板26と蝶ねじ32で連結される部分とを備えている。
支持パイプ20をレール16の方向に押しつける部分は、支持パイプ20のレール16と対向する面の反対側の面に密着している。側板35は、支持パイプ20の左右の側面に対して、支持パイプの左右方向の動きや回転を許容するスペース37を開けて配置されている。
さらに、この実施例では、支持パイプ20のレール16と対向する面に、スライド板26と回転軸30を介して連結されてこの軸を中心に自由回転するターンテーブル36が設けられている。
図3(b)に示すように、上側連結器22を上側レール14上に固定して下側連結器24を下側レール16上で左右に移動させると、上記のスペース37があるから、支持パイプ20の傾きを自由に変えることができる。図4は側板35と支持パイプ20の動きとの関係を示す図である。図4では、押さえ板の側板35を切断してターンテーブル36とスライド板26が見える状態にした。支持パイプ20は破線で示した。
ここで、支持パイプ20のスリット21がある面が直接下側レール16に接して左右に動くと、スリット21のエッジが下側レール16の表面をこするため、動きにくくなることがある。特に支柱18を収容した支持パイプ20は重量があるので、表示板12の裏面を上方に向けて支持パイプ20の傾斜を調整する作業で、下側レール16に支持パイプ20の重さが加わって摩擦が大きくなる。
下側連結器24のスライド板26に対してターンテーブル36は回転軸30を中心にして自由に回転する。これにより、下側連結器24を下側レール16上で楽に左右に移動させたり、支持パイプ20の傾斜を最適な角度に調整できたりする。その後。下側連結器24の蝶ねじ32を締め付ければ、図3(b)に示すように支持パイプ20と支柱18を傾斜させた支持構造が完成する。
上記のように支持パイプ20を断面が四角形の筒により構成すると、支柱18を収容する太さのパイプを使うよりも同じ強度で軽量化できる。しかも支柱18の抜け止めのための構造も簡単になる。支持パイプ20の傾きを調整する作業でも、支持パイプ20を掴みやすく安全に作業ができる。
支持パイプ20のスリット21をレール側に向けて固定すると、スリット21が隠れるから、スリット21に指を挟まれるような心配も無い。全ての作業を蝶ねじ32の締め付け等で行えるので、道具が不要で安全確実である。
上記のように、一方の連結器でレールと支持パイプ20とを回転軸を介して連結し、他方の連結器では、支持パイプ20の長手方向と回転方向の移動を許容するように支持パイプ20をレールに押しつけて固定する構造にしたので、表示板12に対して支持パイプ20の傾きを、工事現場で簡単に調整して固定することができる。さらに、2本のレールの間隔が相違する何種類かの表示板にも共用することができる。
なお、上記の実施例では、上側連結器22を上側レール14に接続し、下側連結器24を下側レール16に接続した。しかし、上側連結器22を下側レール16に接続し、下側連結器24を上側レール14に接続するようにしても構わない。この場合には支持パイプ20の下部が回転中心になり、上部を左右に振って傾きを調整すればよい。
12 表示板
14 上側レール
16 下側レール
18 支柱
19 突起
20 支持パイプ
21 スリット
22 上側連結器
24 下側連結器
26 スライド板
28 支持板
30 回転軸
32 蝶ねじ
34 押さえ板
35 側板
36 ターンテーブル
37 スペース
38 補強バンド

Claims (1)

  1. 表示板の裏面に、この表示板を横切るように並べて固定された一対のレールに対して固定され、この表示板を支持するためのものであって、
    表示板を支持するための支柱の一部を構成する支持パイプと、
    この支持パイプの2箇所を、それぞれ上記一対のレールに連結する一対の連結器とを備え、
    いずれか一方の連結器は、レールに沿ってスライドするスライド板と、このスライド板と上記支持パイプとを連結して、支持パイプの回転方向の動きを許容する回転軸と、上記のスライド板をレール上に固定するクランプとを備え、
    他方の連結器は、レールに沿ってスライドするスライド板と、上記の支持パイプをレール方向に押し付けて固定する押さえ板と、上記のスライド板をレール上に固定するクランプとを備え、
    上記の支持パイプをレール方向に押しつけて固定する押さえ板は、支持パイプのレールと対向する面の反対側の面に密着する部分と、支持パイプの左右の側面に対して、支持パイプの左右方向の動きを許容するスペースを開けて、スライド板に向かう方向に延長された部分と、スライド板と連結される部分とを備え、
    支持パイプは、断面が円形の支柱を取り囲むように金属板を折り曲げ加工した断面が四角形の筒で、一方の面に長手方向に連続したスリットが設けられており、支柱の端部側面に固定された突起がこのスリット中をストッパによって移動を制限された範囲で移動して、支柱の、支持パイプから突き出す長さが可変にされ、
    上記の支持パイプのレールと対向する面には、スライド板と回転軸を介して連結されてこの軸を中心に自由回転するターンテーブルが設けられ、支持パイプはこのターンテーブルに押しつけられてスライド板に固定されることを特徴とする道路工事用表示板の支持装置。
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