JP7140920B2 - JAK阻害剤としての[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン化合物およびその使用 - Google Patents

JAK阻害剤としての[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン化合物およびその使用 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月23日出願の中国特許出願第CN201810968207.6号の優先権を主張する。
本発明は、JAK阻害剤としての[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン化合物、ならびにJAK1および/またはTYK2に関連する疾患を処置するための医薬品を調製するためのその使用に関する。特に、本発明は、式(I)の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容される塩に関する。
JAKは、炎症、自己免疫疾患、増殖性疾患、移植片拒絶、軟骨代謝の損傷に関連する疾患、先天性軟骨形成異常および/またはIL6の過剰分泌に関連する疾患に関係するチロシンキナーゼファミリーに属する。本出願はさらに、上記の化合物、上記の化合物を含有する医薬組成物を生産するための方法、本出願による化合物を投与することによって、炎症、自己免疫疾患、増殖性疾患、移植片拒絶、軟骨代謝の損傷に関連する疾患、先天性軟骨形成異常および/またはIL6の過剰分泌に関連する疾患を予防および/または処置するための方法を提供する。
ヤヌスキナーゼ(JAK)は、膜受容体からSTAT転写因子へのサイトカインシグナルを媒介する細胞質チロシンキナーゼである。既存の技術では、4つの種類のJAKキナーゼ、すなわちJAK1、JAK2、JAK3およびTYK2が記載されている。サイトカインがその受容体と結合すると、JAKキナーゼファミリーのメンバーは自己リン酸化し、かつ/または互いにトランスリン酸化し、次いでSTATがリン酸化され、続いて核内に移行して転写を調節する。JAK-STAT細胞内シグナル伝達は、インターフェロン、ほとんどのインターロイキンおよび種々のサイトカイン、ならびにEPO、TPO、GH、OSM、LIF、CNTF、GM-CSFおよびPRLなどの内分泌因子に適用される(Vainchenker W. et al. (2008))。
遺伝学モデルと小分子JAK阻害剤の組合せについての研究により、JAKのいくつかの治療作用が明らかになっている。JAK3は、マウスおよびヒトの遺伝学によって免疫抑制の標的として特定された(O’Shea J. et al. (2004))。JAK3阻害剤は、臨床開発において成功裏に使用されており、初期では移植片拒絶に使用され、後年では、関節リウマチ(RA)、乾癬、およびクローン病などの他の免疫炎症疾患に使用されている(http://clinicaltrials.gov/)。マウスの遺伝学および遺伝子ノックアウト研究(Levy D. and Loomis C.(2007))により、TYK2は、免疫炎症の潜在的な標的であることが示されている。JAK1は、免疫炎症疾患の分野における新規の標的である。JAK1は、他のJAKとヘテロ二量体化され、炎症性シグナルの伝達によって駆動される細胞質シグナルを伝達する。したがって、JAK1および/または他のJAKの阻害は、種々の炎症疾患および/またはJAKによって媒介されるシグナル伝達によって駆動される他の疾患に対する治療効果を示すことが予測される。
US2009220688は、Galapagosによって開発された、関節リウマチの処置に使用される臨床第III相薬であるフィルゴチニブを開示している。
Figure 0007140920000001
本発明は、式(I)の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
Figure 0007140920000002
(式中、
およびEは、単結合、-CH-または-(CH-から独立して選択され、
は、単結合、-(CH-、-C(=O)-または-C(=O)-(CH-から選択され、
mは1または2であり、
nは1または2であり、
gは1、2または3であり、
hは1、2または3であり、
は、H、CN、C1~6アルキル基または3~6員のシクロアルキル基から選択され、C1~6アルキル基および3~6員のシクロアルキル基は、1、2または3つのRによって任意選択的に置換されており、
は、H、F、Cl、Br、IまたはC1~3アルキル基から選択され、C1~3アルキル基は、1、2または3つのRによって任意選択的に置換されており、
、RおよびRは、H、F、Cl、Br、IまたはC1~3アルキル基から独立して選択され、C1~3アルキル基は、1、2または3つのRによって任意選択的に置換されており、
、RおよびRは、H、F、Cl、Br、IまたはC1~3アルキル基から独立して選択され、C1~3アルキル基は、1、2または3つのRによって任意選択的に置換されており、
のそれぞれは、H、F、Cl、Br、I、CNまたはC1~3アルキル基から独立して選択され、C1~3アルキル基は、1、2または3つのRによって任意選択的に置換されており、
各Rは、F、Cl、BrまたはIから独立して選択され、
各Rは、F、Cl、BrまたはIから独立して選択され、
各Rは、F、Cl、BrまたはIから独立して選択され、
各Rは、F、Cl、BrまたはIから独立して選択される)。
本発明の一部の実施形態では、上記のRのそれぞれは、H、F、Cl、Br、IまたはCNから独立して選択され、他の可変基は本明細書で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記のRは、H、CN、C1~3アルキル基または3~5員のシクロアルキル基から選択され、C1~3アルキル基および3~5員のシクロアルキル基は、1、2または3つのRによって任意選択的に置換されており、他の可変基は本出願で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記のRは、H、CN、CH
Figure 0007140920000003
から選択され、CH
Figure 0007140920000004
は、1、2または3つのRによって任意選択的に置換されており、他の可変基は本明細書で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記のRは、H、CN、CF、CHF
Figure 0007140920000005
から選択され、他の可変基は本出願で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記のRは、H、F、Cl、BrまたはIから選択され、他の可変基は本明細書で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記のR、RおよびRは、H、F、Cl、BrまたはIから独立して選択され、他の可変基は本明細書で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記のR、RおよびRは、H、F、Cl、BrまたはIから独立して選択され、他の可変基は本明細書で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記のLは、単結合、-CH-、-(CH-、-C(=O)-または-C(=O)-(CH)-から選択され、他の可変基は本明細書で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記の構造単位
Figure 0007140920000006
は、
Figure 0007140920000007
から選択され、他の可変基は本明細書で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記の構造単位
Figure 0007140920000008
は、
Figure 0007140920000009
から選択され、他の可変基は本明細書で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記の単位
Figure 0007140920000010
は、
Figure 0007140920000011
から選択され、他の可変基は本明細書で定義される通りである。
本発明の一部の実施形態では、上記の構造単位
Figure 0007140920000012
は、
Figure 0007140920000013
から選択され、他の可変基は本明細書で定義される通りである。
上記の変数のいずれかから組み合わされる一部の実施形態が存在する。
本発明の一部の実施形態では、上記の式(I)の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容される塩は、
Figure 0007140920000014
(式中、
、R、R、R、R、R、R、RおよびRは本明細書で定義される通りである)
から選択される。
本発明の一部の実施形態では、上記の式(I)の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容される塩は、
Figure 0007140920000015
(式中、
、R、R、R、R、R、R、RおよびRは本明細書で定義される通りである)
から選択される。
本発明はさらに、以下の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容される塩:
Figure 0007140920000016
を提供する。
本発明の一部の実施形態では、上記の式(I)の化合物、その異性体、またはその薬学的に許容される塩は、
Figure 0007140920000017
から選択される。
本発明はさらに、活性物質として、治療有効量の上記の化合物、その異性体、その薬学的に許容される塩、またはその薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供する。
本発明はさらに、JAK1および/またはTYK2に関係する疾患を処置するための医薬品の調製における、上記の化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物の使用を提供する。
本発明の一部の実施形態では、上記の使用は、上記の医薬品が、関節リウマチの処置のための医薬品であることを特徴とする。
技術的効果
本発明における種々の化合物は、4つのJAKキナーゼのサブタイプ(JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2)のin vitro試験でJAK1および/またはTYK2に対する良好な選択的阻害効果を示しており、これらの化合物は、薬物動態実験で高い曝露および良好な経口バイオアベイラビリティを示し、これは良好なin vivoでの効力をもたらすのに有利である。
関節炎を有するマウスの平均臨床スコアリングを示す図である。 投与期間におけるAUC下面積によって計算された、マウスの関節炎の阻害率を示す図である。 投与期間におけるマウスの関節炎の発症率を示す図である。 関節炎を有するマウスの体重の変化を示す図である。 関節炎を有するラットの臨床スコアリングを示す図である。 関節炎を有するラットの足の体積の変化曲線を示す図である。 関節炎を有するラットの体重変化曲線を示す図である。
定義および説明
別段述べられない限り、文脈における用語および語句は、以下の意味を指す。個別の定義を有さない特定の用語または語句は、不明確または不明瞭とみなされるべきではなく、それらの通常の意味とみなされるべきである。文脈において商品名が言及される場合、その製品または活性物質を指す。
「薬学的に許容される」という用語は、本明細書で使用される場合、信頼できる医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに、ヒトおよび動物組織と接触して使用するのに好適であり、妥当なベネフィット/リスク比に見合う化合物、材料、組成物および/または剤形を指す。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書で見出される特定の置換基および相対的に非毒性の酸または塩基に由来する化合物によって調製される、本発明における化合物の塩を指す。本発明の化合物に相対的に酸性の官能基が存在する場合、そのような化合物の中性形態を、十分な量の純粋な溶液または好適な不活性溶媒中のアルカリと接触させることにより、アルカリ付加塩が調製されてもよい。薬学的に許容されるアルカリ付加塩として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミンまたはマグネシウム塩などが挙げられる。本発明の化合物が相対的にアルカリ性の官能基を含有する場合、そのような化合物の中性形態を、十分な量の純粋な溶液または好適な不活性溶媒中の酸と接触させることにより、酸付加塩が調製されてもよい。薬学的に許容される酸付加塩の例として、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、重炭酸、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素、硫酸、硫化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含む、鉱酸に由来する塩;酢酸、プロピオン酸、イソブチル酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、オクタン二酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などを含む有機酸に由来する塩;ならびにアミノ酸(例えば、アルギニン)に由来する塩、ならびにグルクロン酸などの有機酸に由来する塩などが挙げられる。本発明における一部の特定の化合物は、アルカリ性および酸性官能基を含有し、したがって任意のアルカリまたは酸付加塩に変換されてもよい。
本発明における薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって酸基または塩基性基を有する親化合物から調製されてもよい。一般的に、そのような塩を調製するための方法は、有機酸または塩基の形態のこれらの化合物を、水もしくは有機溶媒またはそれらの混合物中の適切な化学量論の塩基または酸と反応させることにより、それらを調製することを含む。
本発明における化合物は、特定の幾何異性体または立体異性体の形態で存在してもよい。本発明で想定される化合物は、シスおよびトランス異性体、(-)および(+)エナンチオマー、(R)および(S)エナンチオマー、ジアステレオ異性体、(D)体、(L)体ならびにそれらのラセミ混合物、およびエナンチオマーとジアステレオ異性体の混合物などの他の混合物を含み、これらのすべては本発明の範囲に含まれる。他の不斉炭素原子が、アルキル基などの置換基に存在してもよい。これらの異性体すべておよびそれらの混合物は、本発明の範囲に含まれる。
別段述べられない限り、「エナンチオマー」または「光学異性体」という用語は、互いに鏡像である立体異性体である。
別段述べられない限り、「シス-トランス異性体」または「幾何異性体」という用語は、環を形成する炭素原子の二重結合または単結合が自由に回転できないために形成される。
別段述べられない限り、「ジアステレオ異性体」という用語は、2つ以上のキラル中心を有し、分子間に鏡像関係を有さない立体異性体である分子を指す。
別段述べられない限り、「(D)」または「(+)」は右回転を指し、「(L)」または「(-)」は左回転を指し、「(DL)」または「(±)」はラセミ体を指す。
別段述べられない限り、楔形の完全な線の結合
Figure 0007140920000018
および楔形の点線結合
Figure 0007140920000019
は、立体中心の絶対配置を表し、直線の実線結合
Figure 0007140920000020
および直線の点線

Figure 0007140920000021
は立体中心の相対配置を表し、波線
Figure 0007140920000022
は、楔形の実線結合
Figure 0007140920000023
または楔形の点線結合
Figure 0007140920000024
を表すか、または波線
Figure 0007140920000025
は、直線の実線結合

Figure 0007140920000026
および直線の点線
Figure 0007140920000027
を表す。
別段述べられない限り、化合物に、C=C二重結合、C=N二重結合およびN=N二重結合などの二重結合が存在し、二重結合上の原子が2つの異なる置換基に接続される(窒素原子を含有する二重結合では、窒素原子上の孤立電子対は接続された置換基とみなされる)とき、化合物の二重結合上の原子が波線
Figure 0007140920000028
によってそれらの置換基に接続されている場合は、(Z)異性体、(E)異性体、または化合物の両方の混合物であるとみなされる。例えば、以下の式(A)は、化合物が、式(A-1)もしくは式(A-2)の単一の異性体、または式(A-1)と式(A-2)の2つの異性体の混合物として存在することを表し、以下の式(B)は、化合物が、式(B-1)もしくは式(B-2)の単一の異性体、または式(B-1)と式(B-2)の2つの異性体の混合物の形態で存在することを表す。以下の式(C)は、化合物が、式(C-1)もしくは式(C-2)の単一の異性体、または式(C-1)と式(C-2)の2つの異性体の混合物の形態で存在することを表す。
Figure 0007140920000029
別段述べられない限り、「互変異性体」または「互変異性体形態」という用語は、異なる官能基の異性体が動的平衡を保つことができ、かつ室温で相互変換可能であることを意味する。互変異性体が入手可能であるとき(例えば、溶液中)、互変異性体の化学平衡が存在しうる。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体とも呼ばれる)は、ケト-エノール互変異性およびイミン-エナミン互変異性などの、プロトリシスによる相互変換を含む。原子価互変異性体は、結合電子の一部の再組織化による相互変換を含む。特に、特定の例は、ペンタン-2,4-ジオンと4-ヒドロキシアミル-3-エン-2-オン互変異性体の相互変換である。
別段述べられない限り、「異性体に富む」、「異性体濃縮」、「エナンチオマーに富む」、「エナンチオマー濃縮」という用語は、これらの異性体またはエナンチオマーのうちの1つの含有量が100%未満であり、そのような異性体またはエナンチオマーの含有量が、60%以上、または70%以上、または80%以上、または90%以上、または95%以上、または96%以上、または97%以上、または98%以上、または99%以上、または99.5%以上、または99.6%以上、または99.7%以上、または99.8%以上、または99.9%以上であることを意味する。
別段述べられない限り、「過剰の異性体」または「過剰のエナンチオマー」という用語は、2つの異性体またはエナンチオマーの相対的な割合間の差を指す。例えば、異性体またはエナンチオマーの含有量が90%であり、別の異性体またはエナンチオマーの含有量が10%である場合、過剰の異性体またはエナンチオマーの値(ee値)は80%である。
光学活性(R)および(S)異性体ならびにDおよびL体は、キラル合成またはキラル試薬または他の従来技術によって調製することができる。本発明の化合物のエナンチオマーが所望される場合、不斉合成またはキラル促進剤による誘導体化によって調製されてもよく、ここでは得られるジアステレオマー混合物を分離し、補助基を分裂させ、所望の純粋なエナンチオマーを得る。代替的に、分子がアルカリ性官能基(アミノ基など)または酸性官能基(カルボキシル基など)を含有する場合、適切な光学活性酸または塩基とジアステレオマーの塩を形成し、次いで当技術分野で公知の従来の方法によってジアステレオマーを分離し、純粋なエナンチオマーを回収する。さらに、エナンチオマーおよびジアステレオマーの分離は、通常、キラル固定相を使用し、かつ化学的誘導体化(例えば、アミンからカルバメートへ)と選択的に組み合わされるクロマトグラフィーを使用することによって達成される。本発明の化合物は、化合物を構成する1つまたは複数の原子で、非天然の比率の原子の同位体を含有してもよい。例えば、化合物は、トリチウム(H)、ヨウ素-125(125I)、またはC-14(14C)などの放射性同位体で標識することができる。例えば、重水素を使用して水素を置き換え、重水素化薬物を形成することができる。ジュウテリウムと炭素によって形成される結合は、通常の水素と炭素によって形成されるものより強力である。非重水素化薬物と比較すると、重水素化薬物は、副作用を低減させ、薬物の安定性を増加させ、治癒的効果を増強し、薬物の生物学的半減期を延長させるという利点を有する。本発明の化合物のすべての同位体組成の変換は、放射性であるか否かにかかわらず、本発明の範囲に含まれる。「任意選択的な」または「任意選択的に」は、必ずしもそうではないが、後に記載されることがある事象または状況を意味し、そのような記載は、事象または条件が生じる環境、および事象または状況が生じない環境を含む。
「置換された」という用語は、特定の原子上のいずれか1つまたは複数の水素原子の、重水素および水素の変種を含みうる置換基による置換を指すが、ただし、特定の原子の原子価状態が正常であり、置換された化合物が安定であることを条件とする。置換基が酸素(すなわち、=O)であるとき、2つの水素原子が置換されることを意味する。酸素の置換は、芳香族基では生じない。「任意選択的に置換されている」という用語は、置換されてもよく、非置換であってもよいことを意味する。別段指定されない限り、置換基の種類および数は、化学的実行可能性に基づいて任意選択的であり得る。
化合物の組成または構造に、任意の可変基(例えば、R)が1つより多く存在するとき、その定義は各場合において独立である。したがって、例えば、基が0~2つのRで置換される場合、基は、最大2つのRによって任意選択的に置換されていてもよく、各場合のRは、独立した選択肢を有する。さらに、置換基および/またはそれらの変種の組合せは、そのような組合せが安定な化合物を生成する場合にのみ許容される。
-(CRR)-など、連結基の数が0であるとき、連結基は単結合である。
可変基の1つが単結合から選択されるとき、2つの連結基が直接連結されることを意味する。例えば、Lが単結合を表すとき、A-L-Zの構造は、実際にはA-Zである。
置換基が空であるとき、置換基が存在しないことを意味する。例えば、A-XのXが空であるとき、構造は実際にはAであることを意味する。列挙される置換基が、どの原子が置換基に接続されるかを示さないとき、置換基は、置換基の任意の原子によって結合されてもよい。例えば、置換基としてのピリジニル基は、ピリジン環の任意の炭素原子によって置換される基に接続されてもよい。
列挙される連結基がその接続方向を示さないとき、接続方向は任意選択的である。例えば、
Figure 0007140920000030
における接続基Lが-M-W-であるとき、-M-W-は、左から右に読んで同じ方向で環AおよびBを接続し、
Figure 0007140920000031
を形成してもよく、または左から右に読んで反対方向で環AおよびBを接続し、
Figure 0007140920000032
を形成してもよい。連結基、置換基および/またはそれらの変種の組合せは、そのような組合せが安定な化合物を生成する場合にのみ許容される。
別段述べられない限り、環上の原子の数は環員の数と特定され、例えば「5~7員環」は、周囲に5~7個の原子が配置された環を指す。
別段指定されない限り、「5~6員環」は、5~6個の環原子からなるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクロアルキニル、アリールまたはヘテロアリールを意味する。環は、単一の環、ならびにらせん環、複合環および架橋環などの二重環系も含む。別段指定されない限り、環は、O、SおよびNから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を任意選択的に含有する。5~6員環は、5元素環、6元素環などを含む。「5~6員環」は、例えば、フェニル、ピリジル、ピペリジニルなどを含み、一方で「5~6員の複素環式アルキル」という用語は、ピペリジニルなどを含むが、フェニルは含まない。「環」という用語はまた、それぞれが独立して上記の定義に適合する、少なくとも1つの環を含有する環系を含む。
別段述べられない限り、「C1~6アルキル基」という用語は、1~6個の炭素原子からなる、非分岐または分岐飽和炭化水素基を指す。C1~6アルキル基は、一価(例えば、メチル)、二価(例えば、メチレン)、または多価(例えば、メチン)でありうるC1~5、C1~4、C1~3、C1~2、C2~6、C2~4、CおよびCアルキル基などを含む。C1~6アルキル基の例として、これらに限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピルおよびイソプロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、イソブチル、s-ブチルおよびt-ブチルを含む)、ペンチル(n-ペンチル、イソペンチルおよびネオペンチルを含む)、ヘキシルなどが挙げられる。
別段述べられない限り、「C1~3アルキル基」という用語は、1~3個の炭素原子からなる、非分岐または分岐飽和炭化水素基を指す。記載されるC1~3アルキル基は、一価(例えば、メチル)、二価(例えば、メチレン)、または多価(例えば、メチン)のものでありうるC1~2およびC2~3アルキル基などを含む。C1~3アルキル基の例として、これらに限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピルおよびイソプロピルを含む)などが挙げられる。
別段述べられない限り、「C3~6シクロアルキル基」は、単環および二環系を含む飽和環式炭化水素基を指す。C3~6シクロアルキル基は、一価、二価、または多価のものでありうるC3~5、C4~5およびC5~6シクロアルキル基などを含む。C3~6シクロアルキル基の例として、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
別段述べられない限り、Cn~n+mまたはC~Cn+mは、n~n+m個の炭素を有する任意の特定の環境を含む、例えば、C1~12は、C、C、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11およびC12を含み、さらにn~n+mの任意の範囲を含む、例えば、C1~12は、C1~3、C1~6、C1~9、C3~6、C3~9、C3~12、C6~9、C6~12およびC9~12などを含む。同様に、n員~n+m員は、環上の原子の数がn~n+mである、例えば、3~12員環は、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、8員環、9員環、10員環、11員環および12員環を含み、さらにn~n+mの任意の範囲を含む、例えば、3~12員環は、3~6員環、3~9員環、5~6員環、5~7員環、6~7員環、6~8員環および6~10員環などを含むことを意味する。
本発明の化合物は、以下に列挙される特定の実施形態、化合物と他の化学的合成方法との組合せによって形成される実施形態、および当業者に周知の同等の置換方法を含む、当業者に周知の種々の合成方法によって調製することができる。好ましい実施形態として、これらに限定されないが、本発明の実施形態が挙げられる。
本発明で使用される溶媒は市販されている。本発明は、以下の略語を用いる:aqは水、HATUはO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N、N、N’、N’-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート、EDCはN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩、m-CPBAは3-クロロペルオキシ安息香酸、EQは当量または等量、CDIはカルボニルジイミダゾール、DCMはジクロロメタン、PEは石油エーテル;、DIADはアゾジカルボン酸ジイソプロピル、DMFはN,N-ジメチルホルムアミド、DMSOはジメチルスルホキシド、EtOAcは酢酸エチル、EtOHはエタノール、MeOHはメタノール、CBzはアミン保護基であるベンジルオキシカルボニル、BOCはアミン保護基であるtertブトキシカルボニル、HOAcは酢酸、NaCNBHはエピシアノベルボヒドリド(epicyanoberbohydride)、R.T.は室温、O/Nは終夜、THFはテトラヒドロフラン、BocOは二炭酸ジ-tert-ブチル、TFAはトリフルオロ酢酸、DIPEAはジイソプロピルエチルアミン、SOClは塩化スルホキシド、CSは二硫化炭素、TsOHはp-トルエンスルホン酸、NFSIはN-フルオロ-N-(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド、NCSは1-クロロピロリジン-2,5-ジオン、n-BuNFはフッ化テトラブチルアンモニウム、iPrOHは2-プロパノール、mpは融点、LDAはジイソプロピルアミノリチウム、Pd(dppf)Cl.CHClは[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロリドのジクロロメタン錯体、DIEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミン、IPAはイソプロパノール、HOBtは1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、LiHMDSはヘキサメチルジシリシルアミノリチウム(hexamethyldisilicylaminolithium)、TEAはトリエチルアミン、HEPESは4-ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸、LiHMDSはヘキサメチルジシリシルアミノリチウム、EDCIはカルボジイミド、Pd/Cはパラジウム炭素、METHANOLはメタノール、KOAcは酢酸カリウム、KCOは炭酸カリウムを表す。
化合物は人工的に、またはChemDraw(登録商標)ソフトウェアによって命名され、市販の化合物は供給業者のカタログ名によって命名される。
本発明を以下の実施形態によって詳述するが、本発明に不利となる制限を課すものではない。本発明はここで詳述され、特定の実施形態もまた開示される。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の特定の実施形態に種々の変更および改良をなすことが当業者には明白である。
実施例1
Figure 0007140920000033
ステップ1:LiHMDS(1M、51.2mL)を、化合物1-1(10.2g、42.6mmol)を含有するTHF(150mL)溶液に-78℃で滴下した。反応溶液を-78℃で1時間撹拌した後、1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-(トリフルオロメタンスルホニル)メタンスルホンアミド(16.7g、46.9mmol)を含有するTHF(150mL)溶液を反応溶液に添加し、15℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EA=10:1)により、原料が完全に消費され、新たな点が発生したことが示された。溶液を250mLの飽和塩化アンモニウムを使用してクエンチし、200mLの水で希釈し、次いでEtOAcで抽出した(200mL3)。有機相を合わせ、飽和生理食塩水で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、化合物1-2を得た。粗生成物を精製することなく次の反応で使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.63 (br s, 1H) ,3.50-3.65 (m, 4H), 2.34 (br s, 4H), 1.88 (br t, J=5.90 Hz, 2H), 1.37 (s, 9H).
ステップ2:酢酸カリウム(12.7g、129.3mmol)およびPd(dppf)Cl.CHCl(3.5g、4.3mmol)を、化合物1-2(16g、43.1mmol)およびビス(ピナコラート)ジボロン(12.0g、47.4mmol)を含有するDMF(100mL)溶液に添加し、窒素で3回置き換え、窒素条件で70℃で3時間撹拌した。TLCにより、原料が完全に消費され、新たな点が発生したことが示された。反応溶液を、300mLの水と400mLのEtOAcの混合物に分散した。有機相を分離して飽和生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物1-3を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ6.46 (br s, 1H), 3.71 - 3.53 (m, 4H), 2.31 (br d, J=3.0 Hz, 2H), 2.24 - 2.16 (m, 2H), 1.74 (t, J=6.3 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.26 (s, 12H).
ステップ3:窒素雰囲気中、炭酸カリウム(3.8g、27.3mmol)およびPd(dppf)Cl.CHCl(744mg、911.0μmol)を、化合物1-3(3.5g、10.0mmol)およびN-(5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンホルムアミド(2.6g、9.1mmol)を含有するジオキサン(60mL)と水(15mL)の溶液に添加した。この反応溶液を90℃で3時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液を濃縮して粗生成物を得て、これをクロマトグラフィーによって精製して分離し、化合物1-4を得た。LCMS(ESI)m/z:424.3[M+H]
ステップ4:化合物1-4(3.5g、8.2mmol)を含有するジクロロメタン(10mL)溶液に塩酸/EtOAc(4M、30mL)を添加し、25℃で0.5時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。固形物を沈殿させ、濾過して乾燥し、化合物1-5(3.3g塩酸塩,粗生成物)を得て、精製することなく次の反応に直接使用した。LCMS(ESI)m/z:324.1。
ステップ5:窒素雰囲気中,Pd/C(1g、10%)を、化合物1-5(3.0g、8.34mmol、塩酸塩)を含有するメタノール(100mL)溶液に添加した。懸濁液を水素で3回置き換え、水素(30psi)雰囲気中30℃で12時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液を濾過し、次いで濃縮して化合物1-6を得た。LCMS(ESI)m/z:326.2[M+H]
ステップ6:化合物1-6(0.87g、2.40mmol、塩酸塩)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、HOBt(487mg、3.6mmol)およびEDCI(691mg、3.6mmol)を添加し、次いで(1S)-2,2-ジフルオロシクロプロパンカルボン酸(323mg、2.6mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(621mg、4.8mmol)を添加し、15℃で12時間放置して反応させた。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC(中性系)で処理して、化合物1-13を得た:1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ7.32-7.73 (m, 2H), 6.95 (br s, 1H), 3.62-4.22 (m, 4H), 3.45 (br s, 1H), 3.18-3.37 (m, 1H), 2.61 (br s, 1H), 1.45-2.27 (m, 10H), 0.78-1.17 (m, 4H). LCMS (ESI) m/z: 430.0[M + H]+.
以下の特性データを有する以下の化合物は、化合物1-13に使用されたものと同じ合成および分離方法を使用して、化合物1-6から共通の中間体として得た(すなわち、化合物1-13を合成するためのカルボン酸を、酸アミド縮合反応において、以下の標的分子に対応するカルボン酸で置き換えた):
Figure 0007140920000034
化合物1-7:1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ11.08 (br s, 1H), 7.48 - 7.78 (m, 2H), 7.03 (d, J=7.0 Hz, 1H), 3.86 - 4.25 (m, 2H), 3.61 - 3.80 (m, 2H), 3.29 - 3.38 (m, 1H), 2.69 - 2.88 (m, 1H), 1.85 - 2.19 (m, 7H), 1.51 - 1.79 (m, 4H), 0.83 - 0.96 (m, 4H). LCMS (ESI) m/z: 430.0[M + H]+.
化合物1-8:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.14 (br s, 1H), 7.52-7.66 (m, 2H), 7.00 (d, J=7.03 Hz, 1H), 3.54-3.83 (m, 6H), 3.29 (br t, J=11.54 Hz, 1H), 1.94-2.09 (m, 5H), 1.41-1.70 (m, 4H), 0.77-0.90 (m, 4H). LCMS (ESI) m/z: 393.1[M + H]+.
化合物1-9:1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 10.99 (br s, 1H), 7.49-7.65 (m, 2H), 6.99 (br d, J=7.03 Hz, 1H), 4.02-4.20 (m, 2H), 3.61-3.78 (m, 2H), 1.94-2.13 (m, 5H), 1.48-1.72 (m, 4H), 1.14-1.32 (m, 4H), 0.77-0.87 (m, 4H). LCMS (ESI) m/z: 412.1[M + H]+.
化合物1-10:1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.77-7.87 (m, 1H), 7.62 (d, J=8.78 Hz, 1H), 7.20 (dd, J=7.28, 11.80 Hz, 1H), 4.08 (s, 1H), 3.96 (s, 1H), 3.83 (s, 1H), 3.72 (s, 1H), 3.43-3.56 (m, 1H), 3.22 (dq, J=6.90, 10.75 Hz, 2H), 2.06-2.23 (m, 4H), 1.94 (br s, 1H), 1.56-1.84 (m, 3H), 1.56-2.00 (m, 1H), 0.94-1.14 (m, 4H). LCMS (ESI) m/z: 436.1[M + H]+.
化合物1-11:1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.56-7.67 (m, 1H), 7.50 (d, J=8.78 Hz, 1H), 7.00 (t, J=7.15 Hz, 1H), 4.26-4.48 (m, 2H), 3.70-3.90 (m, 2H), 3.42-3.59 (m, 1H), 2.08-2.24 (m, 4H), 1.48-1.99 (m, 9H), 0.87-1.10 (m, 4H). LCMS (ESI) m/z: 419.1[M + H]+.
化合物1-12:1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.56-7.64 (m, 1H), 7.48 (d, J=9.03 Hz, 1H), 6.97 (d, J=7.28 Hz, 1H), 3.91-4.17 (m, 2H), 3.78-3.86 (m, 1H), 3.67-3.75 (m, 1H), 3.40-3.54 (m, 1H), 2.53-2.69 (m, 1H), 1.92-2.21 (m, 6H), 1.72-1.85 (m, 3H), 1.50-1.69 (m, 2H), 0.86-1.08 (m, 4H). LCMS (ESI) m/z: 430.1[M + H]+.
化合物1-14:1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.57-7.66 (m, 1H), 7.50 (d, J=8.78 Hz, 1H), 6.95-7.03 (m, 1H), 6.01-6.38 (m, 1H), 4.62 (s, 1H), 3.65-4.10 (m, 4H), 3.43-3.58 (m, 1H), 2.76-2.93 (m, 2H), 2.04-2.21 (m, 4H), 1.51-1.87 (m, 4H), 1.01-1.07 (m, 2H), 0.93 (qd, J=3.74, 7.34 Hz, 2H). LCMS (ESI) m/z: 418.1[M + H]+.
化合物1-15:1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 11.01 (br s, 1H), 7.48-7.66 (m, 2H), 7.00 (dd, J=7.53, 9.79 Hz, 1H), 4.11-4.33 (m, 2H), 3.60-3.81 (m, 2H), 3.25-3.32 (m, 1H), 2.03 (br t, J=9.03 Hz, 5H), 1.53-1.73 (m, 4H), 1.49 (d, J=4.77 Hz, 6H), 0.76-0.88 (m, 4H). LCMS (ESI) m/z: 421.1[M + H]+.
Figure 0007140920000035
化合物1-16の合成:化合物1-6(100mg、227.6μmol、TFA)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、炭酸カリウム(94mg、682.7μmol)および2-ブロモアセトニトリル(30mg、250.3μmol)を添加して、10℃で12時間撹拌した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を水(5mL)で希釈し、ジクロロメタン/メタノール(10/1、10mL)によって抽出し、飽和生理食塩水で洗浄して(10mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濾過して濃縮した。残渣を分取HPLC(中性系)で処理し、化合物1-16を得た。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.83 (t, J=8.03 Hz, 1H), 7.64 (br d, J=8.78 Hz, 1H), 7.21 (d, J=7.53 Hz, 1H), 4.51 (s, 2H), 4.23 (s, 2H), 4.08 (s, 2H), 3.49 (br t, J=11.92 Hz, 1H), 2.14-2.30 (m, 4H), 1.79-1.97 (m, 3H), 1.59-1.74 (m, 2H), 0.95-1.12 (m, 4H). LCMS (ESI) m/z: 365.0[M + H]+.
以下の特性データを有する以下の化合物は、化合物1-16に使用されたものと同じ合成および分離方法を使用して、化合物1-6から共通の中間体として得た(ブロモアセトニトリルを、標的分子のブロモプロピオニトリルで相応に置き換えた):
化合物1-17:1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ11.00 (br s, 1H), 7.50-7.63 (m, 2H), 6.96 (d, J=6.27 Hz, 1H), 3.33-3.34 (m, 2H), 3.23-3.30 (m, 1H), 2.95 (s, 2H), 3.05 (s, 2H), 2.58-2.69 (m, 2H), 1.99 (br d, J=10.29 Hz, 5H), 1.40-1.65 (m, 4H), 0.74-0.88 (m, 4H).LCMS (ESI) m/z: 379.0[M + H]+.
実施例2
Figure 0007140920000036
ステップ1:窒素雰囲気中-78℃で、tert-ブチル9-酸素-3-アザスピロ[5.5]ヘンデカン-3-カルボン酸(3-1)(5g、18.7mmol)を無水テトラヒドロフラン(150mL)に溶解し、ビス(トリメチルシリル)アミンリチウム(1M、22.4mL)をゆっくり滴下して、-78℃で1時間撹拌した。次に、反応溶液に1,1,1-トリフルオロ-N-[(トリフルオロメチル)スルホニル]-メタンスルホンアミド(7.35g、20.6mmol)を含有する無水テトラヒドロフラン(50mL)溶液を添加し、15℃で12時間撹拌した。TLCにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を飽和塩化アンモニウムによってクエンチし(50mL)、EtOAcで抽出した(200mL2)。合わせた有機相を飽和生理食塩水で洗浄し(50mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濾過して濃縮し、化合物3-2を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。
ステップ2:化合物3-2(8g、20.0mmol)およびビス(ピナコラート)ジボロン(5.59g、22.0mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)に溶解し、酢酸カリウム(5.90g、60.1mmol)および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン(1.64g、2.0mmol)を添加し、70℃で3時間撹拌した。TLCにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を水(300mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(200mL*2)。合わせた有機相を飽和生理食塩水で洗浄し(150mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濾過して濃縮した。残渣を急速シリコンゲルカラム(0~10%EtOAc/PE)で分離して、化合物3-3を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ6.41 (br s, 1H), 6.34-6.47 (m, 1H), 3.32-3.44 (m, 2H), 3.14-3.29 (m, 2H), 2.00-2.10 (m, 2H), 1.90 (br d, J=3.01 Hz, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.28 (br t, J=5.52 Hz, 4H), 1.19 (s, 12H).
ステップ3:窒素雰囲気中、N-(5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾール[1,5-a]ピリジン-2-イル)シクロプロピルホルムアミド(2g、7.1mmol)、化合物3-3(3.49g、9.3mmol)、炭酸カリウム(2.95g、21.3mmol)、および[1,1-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]パラジウムジクロリドジクロロメタン(581mg、711.5μmol)を含有するジオキサン(40ml)と水(10ml)の混合溶液を窒素で3回置き換え、反応溶液を90℃まで3時間加熱した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣を急速シリカゲルカラム(0~4%メタノール/ジクロロメタン)によって分離して、化合物3-4を得た。LCMS(ESI)m/z:452.4[M+H]
ステップ4:化合物3-4(3.5g、7.8mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、塩酸/EtOAc(4M、30mL)を添加して、20℃で30分間放置して反応させた。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。固形物を沈殿させ,濾過して乾燥し、化合物3-5を得た。LCMS(ESI)m/z:352.2[M+H]
ステップ5:N雰囲気中、化合物3-5(2.9g、7.4mmol、塩酸塩)をメタノール(100mL)に溶解し、触媒の乾燥パラジウム/炭素(1g、10%)を添加して、水素で3回置き換えた。反応溶液を水素圧(30Psi)および25℃の反応温度で12時間撹拌した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。固形物を珪藻土によって濾過し、濾液を得て、次いでこれを濃縮して化合物3-6(2.6g塩酸塩)を得た。LCMS(ESI)m/z:354.7[M+H]
ステップ6:化合物3-6(1g、2.6mmol、塩酸塩)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、HOBt(573mg、4.2mmol)およびEDCI(813mg、4.2mmol)、次いで(1S)-2,2-ジフルオロシクロプロピルカルボン酸(380mg、3.1mmol)およびDIEA(731mg、5.7mmol)を添加して、15℃で12時間放置して反応させた。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン/メタノール(10/1、150mL2)によって抽出した。合わせた有機相を飽和生理食塩水で洗浄し(100mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濾過して濃縮した。残渣を分取HPLC(中性系)で処理し、化合物3-7を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.57-7.64 (m, 1H), 7.48 (d, J=8.78 Hz, 1H), 7.02 (d, J=7.28 Hz, 1H), 3.63-3.77 (m, 3H), 3.41-3.61 (m, 2H), 2.93 (dt, J=8.28, 11.80 Hz, 1H), 1.36-2.06 (m, 15H), 1.04 (五重線, J=3.76 Hz, 2H), 0.93 (qd, J=3.66, 7.34 Hz, 2H). LCMS (ESI) m/z: 458.1[M + H]+.
以下の特性データを有する以下の化合物は、化合物3-7に使用されたものと同じ合成および分離方法を使用して、化合物3-6から共通の中間体として得た(化合物3-7のカルボン酸を、酸アミド縮合反応において、以下の標的分子のカルボン酸で置き換えた):
Figure 0007140920000037
化合物3-8:1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ7.57-7.67 (m, 1H), 7.49 (d, J=8.53 Hz, 1H), 7.03 (dd, J=3.76, 6.78 Hz, 1H), 4.61 (s, 1H), 3.83-3.91 (m, 1H), 3.62 (td, J=3.76, 7.53 Hz, 2H), 3.42-3.54 (m, 3H), 1.68-2.08 (m, 9H), 1.40-1.56 (m, 4H), 1.05 (五重線, J=3.76 Hz, 2H), 0.88-0.97 (m, 2H).LCMS (ESI) m/z: 421.1[M + H]+.
化合物3-9:1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.61 (dd, J=7.28, 8.78 Hz, 1H), 7.49 (d, J=8.78 Hz, 1H), 7.02 (dd, J=4.52, 6.78 Hz, 1H), 3.63 (td, J=3.83, 7.40 Hz, 2H), 3.43-3.58 (m, 5H), 1.67-2.07 (m, 9H), 1.39-1.54 (m, 4H), 1.01-1.08 (m, 2H), 0.93 (qd, J=3.68, 7.28 Hz, 2H).LCMS (ESI) m/z: 464.1[M + H]+.
実施例3
Figure 0007140920000038
ステップ1:0℃で、5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジル-2-アミン(4-1)(5g、23.5mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、トリエチルアミン(11.87g、117.4mmol)およびシクロプロパンカルボニルクロリド(6.13g、58.7mmol)を添加して、25℃で12時間放置して反応させた。TLCにより、反応が完了したことが示された。溶媒のアセトニトリルを減圧下で濃縮して除去し、残渣を急速カラム(0~5%メタノール/ジクロロメタン)で分離して、化合物4-2を得た。LCMS(ESI)m/z:350.8[M+H]
ステップ2:N雰囲気中、化合物4-2(1.99g、5.7mmol)および化合物1-1(1.5g、6.3mmol)を無水テトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、-70℃でn-ブチルリチウム(2.5M、5.7mL)溶液をゆっくり添加して、10℃で30分間撹拌した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を飽和塩化アンモニウム(50mL)によって0℃でクエンチし、EtOAcで抽出した(150mL2)。合わせた有機相を飽和生理食塩水で洗浄し(10mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濾過して濃縮した。残渣を急速シリコンゲルカラム(0~3%メタノール/ジクロロメタン)で分離し、化合物4-3を得た。LCMS(ESI)m/z:442.3[M+H]
ステップ3:0℃で、化合物4-3(0.8g、1.81mmol)を無水ジクロロメタン(10mL)に溶解し、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)(351mg、2.17mmol)を添加し、0℃で15分間放置して反応させ、次いで25℃まで加熱した後、1時間放置して反応させた。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)によって0℃でクエンチし、水で希釈して(10mL)、ジクロロメタンで抽出した(50mL3)。合わせた有機相を飽和生理食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濾過して濃縮した。残渣を急速シリコンゲルカラム(0~100%EtOAc/PE)で分離し、化合物4-4を得た。LCMS(ESI)m/z:444.3[M+H]
ステップ4:化合物4-4(410mg、924.4μmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、塩酸/EtOAc(4M、10mL)を添加して、20℃で30分間放置して反応させた。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。固形物を沈殿させ、濾過して乾燥し、化合物4-5(390mgの塩酸塩)を得た。LCMS(ESI)m/z:344.2[M+H]
ステップ5:化合物4-5(130mg、342.2μmol、塩酸塩)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、HOBt(77mg、567.9μmol)およびEDCI(109mg、567.9μmol)を添加し、次いで2-シアノ酢酸(35mg、416.4μmol)およびジイソプロピルエチルアミン(98mg、757.1μmol)を添加し、15℃で12時間放置して反応させた。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC(中性系)で処理して化合物4-6を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.66-7.72 (m, 1H), 7.56-7.62 (m, 1H), 7.25 (t, J=7.28 Hz, 1H), 4.29 (s, 1H), 4.03 (s, 1H), 3.97 (s, 1H), 3.76 (s, 1H), 3.26-3.30 (m, 2H), 2.97-3.28 (m, 2H), 1.74-2.08 (m, 7H), 0.89-1.13 (m, 4H).LCMS (ESI) m/z: 411.1[M + H]+.
以下の特性データを有する以下の化合物4-7および4-8は、化合物4-6に使用されたものと同じ合成および分離方法を使用して、化合物4-5から共通の中間体として得た(化合物4-6からの異なる置換基を有するカルボン酸化合物を添加した):
Figure 0007140920000039
化合物4-7:1H NR (400MHz, メタノール-d4) δ = 7.65-7.73 (m, 1H), 7.59 (dt, J=1.13, 9.72 Hz, 1H), 7.20-7.29 (m, 1H), 4.33 (s, 1H), 4.01 (d, J=11.29 Hz, 2H), 3.76 (s, 1H), 2.99-3.30 (m, 4H), 1.74-2.10 (m, 7H), 0.88-1.12 (m, 4H).LCMS (ESI) m/z: 454.1[M + H]+.
化合物4-8:1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ = 7.64-7.73 (m, 1H), 7.59 (dt, J=1.25, 9.16 Hz, 1H), 7.20-7.28 (m, 1H), 6.01-6.44 (m, 1H), 4.30 (s, 1H), 3.99 (d, J=11.80 Hz, 2H), 3.73 (s, 1H), 2.99-3.27 (m, 2H), 2.76-2.99 (m, 2H), 1.75-2.10 (m, 7H), 0.89-1.10 (m, 4H).LCMS (ESI) m/z: 436.1[M + H]+.
実施例4
Figure 0007140920000040
ステップ1:-78℃で、LiHMDS(1M、770μL)を、化合物5-1(0.15g、592.1μmol)を含有するTHF(8mL)に滴下した。混合物を-78℃で1時間撹拌した。-78℃で、1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(233mg、651μmol)を含有するテトラヒドロフラン(4mL)溶液を反応溶液に滴下し、15℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1)により、反応が完了し、新たな点が発生したことが示された。反応溶液を10mLの飽和塩化アンモニウム溶液によってクエンチし、次いで20mLの水を添加して、EtOAcで抽出した(30mL3)。有機相を合わせ、飽和生理食塩水で洗浄し(40mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、化合物5-2を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。
ステップ2:KOAc(191mg、2.0mmol)およびPd(dppf)Cl(48mg、64.9μmol)を、化合物5-2(0.25g、648.7μmol)およびビス(ピナコラート)ジボロン(165mg、648.7μmol)を含有するDMF(10mL)溶液に添加した。反応溶液を70℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1)により、反応が完了し、新たな点の発生が検出されたことが示された。反応溶液に20mLの水を添加し、EtOAcで抽出した(30mL3)。有機相を合わせ、飽和生理食塩水で洗浄し(40mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を得て、これをクロマトグラフィー(SiO、PE:EA=50:0~20:1)によって分離して精製し、無色油状化合物5-3を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ6.50 (br s, 1 H), 3.35 - 3.49 (m, 2 H), 3.07 - 3.15 (m, 2 H), 2.02 - 2.22 (m, 4 H), 1.54 - 1.81 (m, 4 H), 1.47 (s, 9 H), 1.27 (s, 12 H).
ステップ3:化合物5-3(0.13g、357.8μmol)、N-(5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンホルムアミド(101mg、357.8μmol)、KCO(149mg、1.1mmol)およびPd(dppf)Cl(26mg、35.8μmol)を含有するジオキサン(4mL)と水(1mL)の溶液を窒素ガスで置き換えた。混合物を、窒素雰囲気中90℃で12時間撹拌した。LCMSによって反応が完了し、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液から溶媒を濃縮によって除去し、次いで10mLの水に分散させ、DCM/MeOHで抽出した(10:1、30mL3)。有機相を合わせ、飽和生理食塩水(40mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過して濾液を得て、これを減圧下で蒸留し、粗生成物を得た。粗生成物をクロマトグラフィーカラム方法(SiO、DCM:MeOH=1:0~20:1)によって精製し、化合物5-4を得た。LCMS(ESI)m/z:438.3[M+H]
ステップ4:アルゴン雰囲気中、Pd/C(10%、50mg)を、化合物5-4(0.2g、457.1μmol)を含有するメタノール(10mL)に添加した。混合物を水素で3回置き換え、水素雰囲気(15psi)中25℃で2時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液を濾過して濃縮し、化合物5-5を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。LCMS(ESI)m/z:440.4[M+H]
ステップ5:化合物5-5(150mg、341.3μmol)およびTFA(4mL)を含有するジクロロメタン(10mL)を窒素で3回置き換え、反応溶液を25℃で30分撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液を濃縮して溶媒を除去し、化合物5-6(0.15g、TFA塩)を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。LCMS(ESI)m/z:340.2[M+H]
ステップ6:EDCI(104mg、541.1μmol)、HOBt(73mg、541.1μmol)およびDIEA(140mg、1.1mmol、189μL)を、(1S)-2,2-ジフルオロシクロプロピルギ酸(44mg、360.7μmol)を含有するDMF(4mL)に添加し、25℃で5分撹拌して反応させ、次いで化合物5-6(122mg、270μmol、TFA塩)を添加して25℃で16時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。粗生成物を分離し(中性分離条件、クロマトグラフィーカラム:Waters Xbridge 150mm25mm 5μm;移動相:[HO(10mM NHHCO)-ACN];B(CHCN)%:25%~55%、7分)およびSFCキラル分離(クロマトグラフィーカラム:DAICEL CHIRALCEL OD-H(250mm30mm、5μm);移動相:[0.1%NHO EtOH];B(CO)%:40%)、化合物5-7を得た。SFC保持時間:3.685分。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.48 - 7.55 (m, 1 H), 7.39 (d, J=8.78 Hz, 1 H), 6.92 (dd, J=6.90, 3.39 Hz, 1 H), 3.35 - 3.76 (m, 5 H), 2.66 - 2.94 (m, 1 H), 1.51 - 2.10 (m, 13 H), 0.94 (br s, 2 H), 0.78 - 0.88 (m, 2 H). LCMS (ESI) m/z: 444.1[M + H]+. 化合物5-8、SFC保持時間:4.283分。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.48 - 7.59 (m, 1 H), 7.40 (br d, J=8.53 Hz, 1 H) , 6.94 (br d, J=6.78 Hz, 1 H), 3.23 - 3.78 (m, 5 H) , 2.65 - 2.81 (m, 1 H), 1.54 - 2.06 (m, 13 H), 0.95 (br s, 2 H) , 0.77 - 0.87 (m, 2 H). LCMS (ESI) m/z: 444.2[M + H]+.
以下の特性データを有する以下の化合物は、化合物5-7に使用されたものと同じ合成および分離方法を使用して、化合物5-6から共通の中間体として得た(化合物5-7からの異なる置換基を有するカルボン酸化合物を添加した):
Figure 0007140920000041
化合物5-9:HPLC(中性分離条件,クロマトグラフィーカラム:Waters Xbridge150mm25mm 5μm;移動相:[HO(10mM NHHCO)-ACN];B(CHCN)%:18%~32%,9分)を分離に使用し、保持時間は2.117分であった。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.60 - 7.68 (m, 1H), 7.52 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.05 (dd, J=3.4, 6.8 Hz, 1H), 3.44 - 3.73 (m, 4H), 3.31 (br s, 2H), 2.11 (td, J=7.6, 14.9 Hz, 3H), 2.01 (br t, J=7.3 Hz, 1H), 1.96 (br s, 1H), 1.66 - 1.88 (m, 6H), 1.31 (br s, 1H), 1.02 - 1.10 (m, 2H), 0.91 - 0.99 (m, 2H).LCMS (ESI) m/z: 407.2[M + H]+.
化合物5-10:SFCキラル分割条件、クロマトグラフィーカラム:DAICEL CHIRALCEL OD-H(250mm30mm、5μm);移動相:[0.1%NHO EtOH];B(CO)%:40%~40%、保持時間4.114分。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ = 7.52 (br d, J=8.0 Hz, 1H), 7.40 (br d, J=8.8 Hz, 1H), 6.89 - 6.98 (m, 1H), 3.57 (t, J=7.0 Hz, 1H), 3.25 - 3.51 (m, 6H), 1.78 - 2.09 (m, 5H), 1.51 - 1.76 (m, 6H), 0.94 (br d, J=3.8 Hz, 2H), 0.79 - 0.88 (m, 2H). LCMS (ESI) m/z: 450.2[M + H]+.
実施例5
Figure 0007140920000042
ステップ1:-78℃で、LiHMDS(1M、1.3mL)を、化合物6-1(250mg、986.8μmol)を含有するTHF(8mL)に滴下した。混合物を-78℃で1時間撹拌した。-78℃で、1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(388mg、1.1mmol)を含有するテトラヒドロフラン(4mL)を反応溶液に滴下し、25℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1)によって、原料が完全に反応し、新たな点が発生したことが示された。反応溶液を10mLの飽和塩化アンモニウム溶液を使用してクエンチし、次いで20mLの水を添加し、EtOAcで抽出した(30mL3)。有機相を合わせ,飽和生理食塩水で洗浄し(40mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を得て、クロマトグラフィーカラム(SiO、PE:EA=20:1~10:1)によって分離して精製し、化合物6-2を得た。
ステップ2:KOAc(295mg、3.0mmol)およびPd(dppf)Cl.CHCl(82mg、100μmol)を、化合物6-2(386mg、1.0mmol)およびビス(ピナコラート)ジボロン(254mg、1.0mmol)を含有するDMF(5mL)溶液に添加した。反応溶液を70℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1)により、原料が完全に消費され、新たな点の発生が検出されたことが示された。反応溶液に20mLの水を添加し、EtOAcで抽出した(30mL3)。有機相を合わせ、生理食塩水(40mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を得て、これをクロマトグラフィーカラム(SiO,PE:EA=50:0~20:1)によって分離して精製し、化合物6-3を得た。
ステップ3:化合物6-3(186mg、512μmol)、N-(5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンホルムアミド(144mg、512μmol)、KCO(212mg、1.5mmol)、Pd(dppf)Cl.CHCl(42mg、51.2μmol)を含有するジオキサン(4mL)と水(1mL)の溶液を、窒素で3回置き換えた。窒素条件下で、混合物を90℃で12時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液から溶媒を除去し、10mLの水に分散させ、DCM:MeOHで抽出した(10:1、30mL3)。有機相を合わせて飽和生理食塩水で洗浄し(40mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧下で蒸留し、粗生成物を得た。粗生成物をクロマトグラフィーカラム方法(SiO、DCM:MeOH=1:0~20:1)によって精製し、化合物6-4を得た。LCMS(ESI)m/z:438.7[M+H]
ステップ4:アルゴン雰囲気中、Pd/C(10%、50mg)を、化合物6-4(196mg、448μmol)を含有するメタノール溶液(10mL)に添加した。混合物を水素で3回置き換え、水素雰囲気(15psi)中25℃で16時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液を濾過した後濃縮し、化合物6-5を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。LCMS(ESI)m/z:440.3[M+H]
ステップ5:化合物6-5(130mg、296μmol)およびTFA(4mL)を含有するジクロロメタン(10mL)溶液を窒素で3回置き換え、25℃で30分撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液を濃縮して溶媒を除去し、化合物6-6(134mg、TFA塩)を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。
ステップ6:EDCI(85mg、443.3μmol)、HOBt(60mg、443.3μmol)およびDIEA(115mg、886.5μmol、154.4μL)を、(1S)-2,2-ビフルオロシクロプロパンカルボン酸(36mg、295.5μmol)を含有するDMF(4mL)に添加し、25℃で5分撹拌して反応させ、次いで化合物6-6(134mg、295.5μmol、TFA塩)を添加し、25℃で16時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。粗生成物を分離した(中性条件、クロマトグラフィーカラム:Waters Xbridge15025 5μm;移動相:[水(10mM NHHCO)-ACN];B%:30%~50%,7分)およびSFCキラル分離(クロマトグラフィーカラム:YMC CHIRAL Amylose-C(250mm30mm、10μm;移動相:[0.1%NHO EtOH];B%:50%)。2.339分のSFC保持時間で化合物6-7を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.01 (br s, 1 H), 7.51 - 7.63 (m, 2 H), 7.08 (br d, J=6.78 Hz, 1 H), 3.83 (br s, 1 H), 3.41 - 3.66 (m, 4 H), 3.15 (br d, J=5.02 Hz, 1 H), 2.14 - 2.35 (m, 2 H), 2.06 (br s, 1 H), 1.75 - 1.95 (m, 4 H), 1.40 - 1.73 (m, 6 H) , 0.84 (br s, 4 H).LCMS (ESI) m/z: 444.1[M + H]+. 化合物6-8:SFC保持時間は4.142分。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.01 (br s, 1 H), 7.54 - 7.65 (m, 2 H), 7.08 (br s, 1 H), 3.80 - 3.90 (m, 1 H), 3.45 - 3.66 (m, 4 H), 3.09 - 3.22 (m, 1 H), 2.18 - 2.36 (m, 2 H), 2.06 (br s, 1 H), 1.75 - 1.95 (m, 4 H) , 1.68 (br d, J=7.28 Hz, 3 H) , 1.50 (br d, J=4.77 Hz, 3 H), 0.77 - 0.88 (m, 4 H). LCMS (ESI) m/z: 444.1[M + H]+.
実施例6
Figure 0007140920000043
ステップ1:-78℃で、LiHMDS(1M、1.7mL)を、化合物7-1(0.3g、1.33mmol)を含有するTHF(8mL)溶液に添加した。-78℃で1時間撹拌した後、混合物に1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(523mg、1.46mmol)を含有するテトラヒドロフラン(4mL)溶液を滴下し、次いで25℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1)により、原料が完全に反応し、新たな点が発生したことが示された。反応溶液を飽和塩化アンモニウムによってクエンチし、20mLの水を添加し、EtOAcで抽出した(30mL3)。有機相を合わせて飽和生理食塩水で洗浄し(40mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を得て、これをクロマトグラフィーカラム方法(SiO、PE:EA=20:1~10:1)によって分離して精製し、化合物7-2を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.72 (s, 1 H), 3.86 - 3.92 (m, 2 H), 3.76 - 3.82 (m, 2 H), 2.53 - 2.61 (m, 2 H), 2.18 - 2.25 (m, 2 H), 1.37 (s, 9 H).
ステップ2:KOAc(379mg、3.9mmolおよびPd(dppf)Cl.CHCl(105mg、128.7μmol)を、化合物7-2(0.46g、1.3mmol)およびビス(ピナコラート)ジボロン(327mg、1.3mmol)を含有するDMF(5mL)溶液に添加した。反応溶液を70℃で12時間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1)により、原料が完全に反応し、新たな点の発生が検出されたことが示された。20mLの水を添加することによって反応溶液をクエンチし、EtOAcで抽出した(30mL3)。有機相を合わせ,飽和生理食塩水で洗浄し(40mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を得て、これをクロマトグラフィー方法(SiO、PE:EA=50:0~20:1)によって精製し、化合物7-3を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.45 (t, J=1.88 Hz, 1 H), 3.83 - 3.88 (m, 2 H), 3.73 - 3.78 (m, 2 H), 2.36 - 2.42 (m, 2 H), 2.04 (t, J=7.03 Hz, 2 H), 1.37 (s, 9 H), 1.21 (s, 12H).
ステップ3:化合物7-3(0.15g、447.43μmol)、N-(5-ブロモ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル)シクロプロパンホルムアミド(126mg、447.43μmol)、KCO(186mg、1.34mmol)およびPd(dppf)Cl.CHCl(37mg、44.7μmol)を含有するジオキサン(4mL)と水(1mL)の溶液を窒素で3回置き換えた。混合物を、窒素雰囲気中90℃で12時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液を濃縮して溶媒を除去し、次いで10mLの水に分散させ、DCM:MeOHで抽出した(10:1、30mL3)。有機相を合わせて飽和生理食塩水で洗浄し(40mL)、含水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧下で蒸留し、粗生成物を得て、これをクロマトグラフィーカラム方法(SiO、DCM:MeOH=1:0~20:1)によって精製し、化合物7-4を得た。LCMS(ESI)m/z:410.2[M+H]
ステップ4:アルゴン雰囲気中、Pd/C(10%、0.05g)を、化合物7-4(0.15g、366.3μmol)を含有するメタノール(10mL)溶液に添加した。混合物を水素で3回置き換え、水素雰囲気(15psi)中25℃で16時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液を濾過して濃縮し、化合物7-5を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。LCMS(ESI)m/z:412.2[M+H]
ステップ5:化合物7-5(0.13g、315.9μmol)およびTFA(4mL)を含有するジクロロメタン溶液(10mL)を窒素で3回置き換え、次いで25℃で30分撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液から溶媒を除去し、化合物7-6(130mg、TFA塩)を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。LCMS(ESI)m/z:312.1[M+H]
ステップ6:EDCI(88mg、458.4μmol)、HOBt(62mg、458.4μmol)およびDIEA(119mg、916.8μmol、160μL)を、(1S)-2,2-ビフルオロシクロプロピルギ酸(37mg、305.6μmol)を含有するDMF(4mL)溶液に添加し、次いで25℃で5分撹拌して反応させた後、化合物7-6(0.13g、305.6μmol、TFA塩)を添加し、25℃で16時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。粗生成物を分離し(クロマトグラフィーカラム:Waters Xbridge 15025 5μm;移動相:[HO(10mM NHHCO)-ACN];B(CH3CN)%:20%~50%,7分)、キラル分離して(クロマトグラフィーカラム:DAICEL CHIRALPAK AD(250mm30mm、10μm);移動相、A%:(0.1%NHO EtOH);B(CO)%:(40%~40%))、化合物7-7を得た。SFC保持時間:3.714分。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ =9.59 (br d, J=12.05 Hz, 1 H), 7.34 - 7.57 (m, 2 H) , 6.70 - 6.84 (m, 1 H), 4.06 - 4.21 (m, 2 H), 3.92 - 3.99 (m, 1 H), 3.74 - 3.92 (m, 2 H), 1.81 - 2.38 (m, 8 H), 1.59 (dtd, J=11.36, 7.62, 7.62, 3.76 Hz, 1 H) , 1.08 - 1.24 (m, 2 H), 0.79 - 0.96 (m, 2 H) . LCMS (ESI) m/z: 416.0[M + H]+.
分離を実施して化合物7-8を得た。SFC保持時間:4.468分。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 9.48 (br s, 1 H), 7.34 - 7.54 (m, 2 H), 6.76 (br d, J=7.03 Hz, 1 H), 4.03 - 4.25 (m, 2 H), 3.73 - 3.99 (m, 3 H), 2.50 (ddd, J=16.81, 13.18, 8.16 Hz, 1 H), 1.80 - 2.40 (m, 8 H), 1.53 - 1.66 (m, 1 H), 1.05 - 1.23 (m, 2 H), 0.80 - 0.95 (m, 2 H). LCMS (ESI) m/z: 416.0[M + H]+.
実施例7
Figure 0007140920000044
ステップ1:窒素雰囲気中、化合物8-1(1.11g、5.21mmol)、化合物1-3、炭酸カリウム(2.16g、15.6mmol)、および1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン(425mg、520.6μmol)を含有するジオキサン(40mL)と水(10mL)の混合溶液を窒素で3回置き換え、次いで90℃まで加熱し、3時間反応させた。LC-MSによって反応が完了したことが示された。反応溶液を減圧下で濃縮して残渣を得て、これを急速カラム(0~4%メタノール/ジクロロメタン)によって分離し、化合物8-2を得た。LCMS(ESI)m/z:356.3[M+H]
ステップ2:N雰囲気の保護下で、化合物8-2(2g、5.6mmol)をメタノール(100mL)溶液に溶解し、触媒、すなわち乾燥パラジウム/炭素(0.5g、10%)を添加し、水素で3回置き換えた。反応溶液を、水素圧(30Psi)および30℃の反応温度の条件下で12時間撹拌した。LC-MSにより、原料の50%が残存したことが示された。触媒を濾過によって除去し、新たな触媒、すなわち乾燥パラジウム/炭素(1g)を添加して反応を3時間継続した。LCMSにより、反応が完了したことが示された。固形物を珪藻土によって濾過して濾液を得て、これを減圧下で濃縮して化合物8-3を得た。LCMS(ESI)m/z:358.2[M+H]
ステップ3:(1R)-2,2-ジフルオロシクロプロピルカルボン酸(282mg、2.3mmol)をピリジン(10mL)に溶解し、EDCI(4.0g、21.0mmol)および化合物8-3(0.75g、2.1mmol)を添加して10℃で12時間撹拌した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を水(30mL)で希釈し、ジクロロメタン/メタノールで抽出した(10/1、50mL3)。合わせた有機相を飽和生理食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濾過して濃縮した。残渣を急速シリコンゲルカラム(0~3%メタノール/ジクロロメタン)で分離し、次いでEtOAcによってビーティング精製し、化合物8-4を得た。LCMS(ESI)m/z:462.3[M+H]
ステップ4:化合物8-4(300mg、650.1μmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解して塩酸/EtOAc(4M、10mL)を添加し、15℃で30分放置して反応させた。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を濃縮し、化合物8-5(塩酸塩)を得た。LCMS(ESI)m/z:362.2[M+H]
ステップ5:化合物8-5(100mg、251.4μmol、HCl)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、HOBt(51mg、377.0μmol)およびEDCI(72.28mg、377.0μmol)を添加し、次いで(1S)-2,2-ジフルオロシクロプロピルカルボン酸(34mg、276.5μmol)およびジイソプロピルエチルアミン(65mg、502.7μmol)を添加し、15℃で12時間放置して反応させた。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣を分取HPLC(中性系)によって処理して化合物8-6を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ7.59-7.67 (m, 1H), 7.51 (d, J=8.78 Hz, 1H), 7.01 (br d, J=7.53 Hz, 1H), 3.92-4.20 (m, 2H), 3.79-3.88 (m, 1H), 3.67-3.77 (m, 1H), 3.43-3.57 (m, 1H), 2.81 (br s, 1H), 2.62 (dq, J=7.78, 11.96 Hz, 1H), 2.07-2.24 (m, 5H), 1.52-2.05 (m, 7H).LCMS (ESI) m/z: 466.2[M + H]+.
以下の特性データを有する以下の化合物8-7および8-8は、化合物8-6に使用されたものと同じ合成および分離方法を使用して、化合物8-5から共通の中間体として得た(化合物8-6からの異なる置換基を有するカルボン酸化合物を添加した):
Figure 0007140920000045
化合物8-7、粗生成物を分取HPLC(中性系)によって処理して精製した。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.59-7.66 (m, 1H), 7.51 (d, J=8.78 Hz, 1H), 6.97-7.04 (m, 1H), 4.30 (d, J=4.27 Hz, 1H), 4.18 (d, J=4.27 Hz, 1H), 3.87 (s, 1H), 3.76 (s, 1H), 3.49 (br t, J=11.80 Hz, 1H), 2.81 (br s, 1H), 2.05-2.28 (m, 5H), 1.74-1.96 (m, 3H), 1.53-1.70 (m, 2H), 1.23-1.33 (m, 4H).LCMS (ESI) m/z: 448.2[M + H]+.
化合物8-8、粗生成物を分取HPLC(中性系)によって処理して精製した。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ7.59-7.67 (m, 1H), 7.51 (d, J=8.78 Hz, 1H), 7.00 (t, J=7.40 Hz, 1H), 4.61 (s, 2H), 3.69-4.11 (m, 4H), 3.41-3.54 (m, 1H), 2.82 (br s, 1H), 2.04-2.26 (m, 5H), 1.72-1.93 (m, 3H), 1.61 (q, J=11.80 Hz, 2H).LCMS (ESI) m/z: 429.0[M + H]+.
Figure 0007140920000046
化合物8-9の合成:中間体8-5(100mg、227.6μmol、TFA)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、炭酸カリウム(94mg、682.7μmol)および2-ブロモアセトニトリル(30mg、250.3μmol)を添加し、10℃で12時間撹拌した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を水(5mL)で希釈し、ジクロロメタン/メタノールで抽出した(10/1、10mL)。有機相を飽和生理食塩水で洗浄し(10mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧下で濾過して濃縮した。残渣を分取HPLC(中性系)によって処理して精製し、化合物8-9を得た。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.59-7.66 (m, 1H), 7.50 (d, J=8.78 Hz, 1H), 6.99 (d, J=7.53 Hz, 1H), 3.62 (s, 2H), 3.46 (br t, J=12.05 Hz, 1H), 3.33 (s, 2H), 3.21 (s, 2H), 2.80 (br s, 1H), 2.14 (br d, J=9.79 Hz, 5H), 1.82-1.95 (m, 1H), 1.52-1.77 (m, 4H).LCMS (ESI) m/z: 401.0[M + H]+.
実施例8
Figure 0007140920000047
ステップ1:(S)-2,2-ジフルオロシクロプロピルカルボン酸(1.13g、9.2mmol)をピリジン(150mL)に溶解し、EDCI(16.1g、84mmol)および化合物8-3(3g、8.4mmol)を添加し10℃で12時間撹拌した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を水溶液で希釈し(100mL)、ジクロロメタン/メタノールで抽出した(10/1、100mL3)。合わせた有機相を飽和生理食塩水で洗浄し(30mL)、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濾過して濃縮した。残渣を急速カラム(0~3%メタノール/ジクロロメタン)によって分離し、次いでEtOAcを使用してビーティング精製し、化合物9-1を得た。LCMS(ESI)m/z:462.3[M+H]
ステップ2:化合物9-1(2.3g、4.9mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、塩酸/EtOAc(4M、20mL)を添加し、15℃で30分放置して反応させた。LC-MSにより、反応が完了し、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。沈殿した固形物を濾過して乾燥し、化合物9-2(塩酸塩)を得た。LCMS(ESI)m/z:362.2[M+H]
ステップ3:化合物9-2(1.23g、3.1mmol、HCl)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、HOBt(626mg、4.6mmol)およびEDCI(889mg、4.6mmol)を添加し、次いで(1S)-2,2-ジフルオロシクロプロピルカルボン酸(414.92mg、3.40mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(798.70mg、6.18mmol)を添加し、15℃で12時間放置して反応させた。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン/メタノールで抽出した(10/1、50mL)。有機相を飽和生理食塩水で洗浄し(10mL)、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濾過して濃縮した。残渣を分取HPLC(中性系)によって処理し、化合物9-3を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.63 (dd, J=7.53, 8.78 Hz, 1H), 7.51 (d, J=8.78 Hz, 1H), 7.01 (br d, J=7.28 Hz, 1H), 3.92-4.19 (m, 2H), 3.79-3.87 (m, 1H), 3.67-3.76 (m, 1H), 3.44-3.55 (m, 1H), 2.52-2.92 (m, 2H), 1.53-2.25 (m, 12H).LCMS (ESI) m/z: 466.1[M + H]+.
以下の特性データを有する以下の化合物9-4、9-5は、化合物9-3に使用されたものと同じ合成および分離方法を使用して、化合物9-2から共通の中間体として得た(化合物9-3からの異なる置換基を有するカルボン酸化合物を添加した):
Figure 0007140920000048
化合物9-4:1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.58-7.68 (m, 1H), 7.51 (d, J=8.78 Hz, 1H), 6.97-7.05 (m, 1H), 4.30 (d, J=4.02 Hz, 1H), 4.18 (d, J=4.27 Hz, 1H), 3.87 (s, 1H), 3.76 (s, 1H), 3.49 (br t, J=11.80 Hz, 1H), 2.82 (br s, 1H), 2.07-2.25 (m, 5H), 1.73-1.95 (m, 3H), 1.51-1.70 (m, 2H), 1.24-1.35 (m, 4H).LCMS (ESI) m/z: 448.2[M + H]+.
化合物9-5:1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 7.58-7.68 (m, 1H), 7.51 (d, J=9.03 Hz, 1H), 7.00 (t, J=7.53 Hz, 1H), 4.61 (s, 2H), 3.69-4.10 (m, 4H), 3.43-3.55 (m, 1H), 2.82 (br s, 1H), 2.05-2.25 (m, 5H), 1.72-1.97 (m, 3H), 1.51-1.69 (m, 2H).LCMS (ESI) m/z: 429.0[M + H]+.
Figure 0007140920000049
化合物9-6の合成:中間体化合物9-2(190mg、525.8μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、炭酸カリウム(218mg、1.6mmol)および2-ブロモアセトニトリル(70mg、578.3μmol)を添加して、反応溶液を10℃で12時間撹拌した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。反応溶液を水(5mL)で希釈し、ジクロロメタン/メタノールで抽出し(10/1、10mL)、有機相を飽和生理食塩水(10mL)で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濾過して濃縮した。残渣を分取HPLC(中性系)によって処理して精製し、化合物9-6を得た。1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ7.58-7.66 (m, 1H), 7.50 (d, J=8.53 Hz, 1H), 6.99 (d, J=7.28 Hz, 1H), 3.62 (s, 2H), 3.46 (br t, J=11.42 Hz, 1H), 3.33 (s, 2H), 3.21 (s, 2H), 2.81 (br s, 1H), 2.14 (br d, J=10.29 Hz, 5H), 1.81-1.95 (m, 1H), 1.51-1.78 (m, 4H).LCMS (ESI) m/z: 401.2[M + H]+.
実施例9
Figure 0007140920000050
ステップ1:化合物10-1(100mg、334.3μmol)、化合物3-3(126mg、334.3μmol)、Pd(dppf)Cl(25mg、33.4μmol)および炭酸カリウム(139mg、1.00mmol)を含有するジオキサン(12mL)とHO(3mL)の混合物を窒素で3回置き換え、窒素雰囲気中90℃で2時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークとして主ピークが検出されたことが示された。反応溶液を濾過して濃縮して溶媒を除去し、分取プレートを使用することによって分離して精製し、化合物10-2を得た。LCMS(ESI)m/z:470.4[M+H]
ステップ2:化合物10-2(130mg、276.9μmol)およびHCl/EtOAc(4M、2mL)を含有するジクロロメタン(1mL)溶液を、25℃で5分撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークとして主ピークが検出されたことが示された。反応溶液を減圧下で濃縮し、黄色固形化合物10-3(120mg、塩酸塩)を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。LCMS(ESI)m/z:370.6[M+H]
ステップ3:窒素雰囲気中、Pd/C(20mg、10%)を、化合物10-3(120mg、295.6μmol、塩酸塩)を含有するMeOH(25mL)溶液に添加した。懸濁液を水素で3回置き換え、窒素雰囲気(15Psi)中25℃で12時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークとして主ピークが検出されたことが示された。反応溶液を減圧下で濾過して濃縮して溶媒を除去し、化合物10-4(130mg、塩酸塩)を得て、これを精製することなく次の反応に直接使用した。LCMS(ESI)m/z:372.3[M+H]
ステップ4:化合物10-4(130mg、318.7μmol、塩酸塩)、2-シアノ酢酸(33mg、382.4μmol)、EDCI(92mg、478μmol)、HOBt(65mg、478μmol)およびDIEA(206mg、1.6mmol、277.6μL)を含有するDMF(5mL)溶液を25℃で12時間撹拌した。LCMSにより、原料が完全に消費され、標的分子イオンピークが検出されたことが示された。反応溶液を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、次いで分離して化合物(中性系)10-5を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ =7.57-7.65 (m, 1H), 7.49-7.55 (m, 1H), 3.59-3.81 (m, 3H), 3.44-3.54 (m, 2H), 3.34-3.38 (m, 2H), 2.48 (br s, 2H), 1.81-2.04 (m, 5H), 1.64-1.77 (m, 2H), 1.36-1.58 (m, 4H), 0.86-1.12 (m, 4H).LCMS (ESI) m/z: 439.1[M + H]+.
生物学的活性試験
実験1:Jak1、Jak2、Jak3、Tyk2キナーゼの活性のin vitro試験
材料
組換えヒトJAK1、JAK2、JAK3、Tyk2プロテアーゼ、装置および試薬のほとんどはEurofins(英国)によって供給された。
方法
JAK2、JAK3およびTYK2の希釈:20mMの3-(N-モルホリン)プロパンスルホン酸(MOPS)、1mMのEDTA、0.01%のBrij-35、5%のグリセロール、0.1%のβ-メルカプトエタノール、1mg/mLのBSA;JAK1の希釈:20mMのTRIS、0.2mMのEDTA、0.1%のβ-メルカプトエタノール、0.01%のBrij-35、5%のグリセロール。すべての化合物を100%のDMSO溶液に調製し、濃度は50倍の最終測定濃度に達した。試験化合物を3倍の濃度勾配で希釈し、最終濃度は10μM~0.001μMの9つの濃度であった。検出された反応物中のDMSOの含有量は2%であった。この化合物のストック溶液を最初の成分としてウェルに添加し、次いで以下の詳細なプロセスとして他の成分を添加した。
JAK1(h)の酵素反応
JAK1(h)を、pH7.5の20mMのTris/HCl、0.2mMのEDTA、500μMのMGEEPLYWSFPAKKK、10mMの酢酸マグネシウムおよび[γ-33P]-ATPとともにインキュベートした(活性および濃度は必要に応じてカスタマイズした)。Mg/ATPの混合物を出発反応物に添加し、これを室温で40分のインキュベーション後に0.5%のリン酸を添加することによって停止させた。次に、10μLの反応物をP30フィルターパッド上に分散させ、0.425%のリン酸で3回、およびメタノールで4分以内に1回洗浄し、乾燥し、シンチレーション計数した。
JAK2(h)の酵素反応
JAK2(h)を、pH7.0の8mMのMOPS、0.2mMのEDTA、100μMのKTFCGTPEYLAPEVRREPRILSEEEQEMFRDFDYIADWC、10mMの酢酸マグネシウムおよび[γ-33P]-ATPとともにインキュベートした(活性および濃度は必要に応じてカスタマイズした)。Mg/ATPの混合物を出発反応物に添加し、これを40分のインキュベーション後に0.5%のリン酸を添加することによって停止させた。次に、10μLの反応溶液をP30フィルターパッド上に分散させ、0.425%のリン酸で3回、およびメタノールで4分以内に1回洗浄し、乾燥し、シンチレーション計数した。
JAK3(h)の酵素反応
JAK3(h)を、pH7.0の8mMのMOPS、0.2mMのEDTA、500μMのGGEEEEYFELVKKKK、10mMの酢酸マグネシウムおよび[γ-33P]-ATPとともにインキュベートした(活性および濃度は必要に応じてカスタマイズした)。Mg/ATPの混合物を出発反応物に添加し、これを40分のインキュベーション後に0.5%のリン酸を添加することによって停止させた。次に、10μLの反応溶液をP30フィルターパッド上に分散させ、0.425%のリン酸で3回、およびメタノールで4分以内に1回洗浄し、乾燥し、シンチレーション計数した。
TYK2(h)の酵素反応
TYK2(h)を、pH7.0の8mMのMOPS、0.2mMのEDTA、250μMのGGMEDIYFEFMGGKKK、10mMの酢酸マグネシウムおよび[γ-33P]-ATPとともにインキュベートした(活性および濃度は必要に応じてカスタマイズした)。Mg/ATPの混合物を出発反応物に添加し、これを40分のインキュベーション後に0.5%のリン酸を添加することによって停止させた。次に、10μLの反応溶液をP30フィルターパッド上に分散させ、0.425%のリン酸で3回、およびメタノールで4分以内に1回洗浄し、乾燥し、シンチレーション計数した。
データ分析
IC50の結果は、IDBSからのXLFIT5(205式)の分析によって得られ、詳細を表1に示す。
Figure 0007140920000051
結論:本発明における化合物は、JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2キナーゼの、キナーゼの4種のサブタイプの活性のin vitro試験で、JAK1および/またはTYK2に対して良好な選択性の阻害を示した。
実験2:薬物動態(PK)試験
試験化合物を溶解することによって得られた透明な溶液を、雄のマウス(C57BL/6)またはラット(SD)(終夜絶食、7~8週齢)に尾静脈注射および胃内投与した。試験化合物の投与後、静脈内群(2mg/kg)では0.117、0.333、1、2、4、7および24時間目に、静脈内群(15mg/kg)では0.25、0.5、1、2、4、8および24時間目に下顎静脈から採血し、遠心分離して血漿を得た。LC-MS/MS方法を使用して血漿濃度を定量し、WinNonlin(商標)バージョン6.3の薬物動態ソフトウェアを使用して、ノンコンパートメントモデルの線形対数ラダー法によって相対的な薬物動態パラメータを計算した。試験結果は以下の通りである:
Figure 0007140920000052
Figure 0007140920000053
Figure 0007140920000054
結論:本発明における化合物は、良好なバイオアベイラビリティ、高い曝露を示し、in vivoでの効力に優れる。
実験3:マウスにおけるコラーゲン誘発関節炎(CIA)のin vivoでの効力試験
実験目的:
関節リウマチ(RA)は、世界中の発症率が約1%である、複数の自己免疫疾患の1種であり、炎症、関節の損傷および形成異常をもたらし、重篤な状況では全身の炎症反応をもたらす。RA処置のための薬物の試験は、関節リウマチの症状の緩和に役立つ可能性があり、患者の生活の質を改善する可能性がある。マウスのコラーゲン誘発関節炎モデルは、RAの処置における薬物の効力を評価するのに使用されることが多い動物モデルである。その病態形成および症状は、RA疾患に有意に関係する。B細胞およびT細胞の骨のコラーゲンに対する反応性は、モデルにII型コラーゲンを注射することによって活性化され、活性化されたB細胞およびT細胞は関節部位に進入して関節損傷を引き起こし、それによりヒトの関節リウマチと同様の一連の症状を生じる。マウスにおける関節炎、コラーゲン誘発関節炎の候補化合物のプロセスにおける、臨床前のリウマチ様疾患に対する薬物処置の評価は、多くの場合、その有効性を評価するために使用される。
この実験の目的は、マウスのコラーゲン誘発関節炎における化合物1-13、化合物3-7および参照化合物であるフィルゴチニブの治療効果を試験し、それにより後続の臨床試験に前臨床薬力学情報を提供することである。
実験方法:
1.II型コラーゲン/完全フロイントアジュバント免疫
酢酸の調製:2Nの酢酸を100mMに希釈し、0.22ミクロンのフィルター膜によって濾過して4℃で保管した。
ウシ2型コラーゲン(CII)を100mMの酢酸溶液に溶解させ、4℃で終夜保管した。コラーゲンの最終濃度は8mg/mlである。
エマルジョンの調製:終夜保管したCII溶液を等体積の完全フロイントアジュバントと混合し、高速ホモジナイザーで、溶液が安定なエマルジョンを形成するまで、毎分30,000回転でおよそ60分間、氷上でホモジナイズした。
2.関節炎の誘発:
マウスを異なる処置群に無作為に分けた。最初の免疫化の日を0日目と記録し、後続の日にちは順番に印を付した。
DBA/1マウスにイソフルランで麻酔し、50mlの調製したコラーゲンエマルジョン(200mgのCIIを含有する)を皮下注射した(尾の付け根から2~3cm)。21日目に、同じ体積のコラーゲンエマルジョンを同じ様態で尾に注射した。正常群のマウスは免疫化しなかった。
3.投与および投薬量の設計
平均臨床スコアが約1である28日目に、中程度の発症率を示す50匹のマウスを選択し、体重およびスコアに基づいて、各群8匹のマウスを含む5つの処置群に無作為に分けた。
デキサメタゾン(Dex.)を0.3mg/kgの用量(CIAモデルにおいて一般的に使用される用量)で参照薬物として使用し、モデルが良好に確立されたかどうか測定した。さらに、予備実験の結果により、化合物1-13、化合物3-7および参照化合物のフィルゴチニブの投薬量を決定し、表3-1に示す:第1群は処置を伴わない正常なマウスの群であり、第2群は溶媒のみが与えられるブランク群であり、第3群は0.3mg/kgの用量のデキサメタゾンが与えられ、第6群、第7群および第8群は、15mg/kgの用量が与えられる。合計14日間にわたり、1日2回マウスに投与した。
Figure 0007140920000055
4.関節炎の発症指数の測定
臨床観察:免疫化の7日前から免疫化の21日後まで、DBA/1マウスの基本健康状態および体重の変化を毎日観察した(1週間に1回記録した)。22日目以降は、マウスの健康状態、発症状況および体重の変化を実験終了まで毎日観察した(少なくとも1週間に3回記録した)。
臨床スコアリング:マウスの発症率を、免疫機能のブースト後に毎日観察した。マウスが発病した(関節炎の臨床症状を示す)後、発症率を、疾患の異なるレベル(発赤、関節変形)により、スコアリング基準通りに0~4でスコアリングした。各肢の最高スコアは4であり、各動物の最高スコアは16である。スコアリング基準を表3-2に示す。スコアリングは、1週間に3回実施した。
Figure 0007140920000056
5.統計処理
実験データを平均±標準誤差(平均±SEM)として表し、曲線下面積(AUC)を一元配置ANOVAによって分析する。P<0.05を有意とみなす。
実験結果:
1.臨床スコアリングおよび発症率:
最初の免疫から28日後(2回目の免疫から7日後)、マウスは関節炎の臨床症状を示し始めた。28日目に投与を開始した。詳細な実験結果を表5および図1に示した。溶媒対照群の平均臨床スコアは漸増し、41日目に5.8に達し、コラーゲン誘発関節炎モデルが良好に確立されたことを示唆する。15mg/kgの同じ用量の化合物1-13、3-7およびフィルゴチニブは、実験のエンドポイント(41日目)において関節炎のマウスの臨床スコアを顕著に低減しうる。同じ投薬量の化合物1-13、3-7およびフィルゴチニブの平均スコアは1.5、3.0および5.6点に低下し(表5の値を参照されたい)、15mg/kgの化合物1-13、3-7がコラーゲン誘発関節炎を有効に低減させることができることを示す。0.3mg/kgのデキサメタゾン(G3群)処置は、コラーゲン誘発関節炎の臨床スコアを有意に阻害することができ、27日目から、臨床スコアは約0.3に維持され、31日目で(臨床スコアは0に低下する、表3-3の値を参照されたい)、曲線が実験終了まで正常群の曲線(G1群)と一致する(図1を参照されたい)。
Figure 0007140920000057
各群における各動物の臨床スコアリング曲線を分析することにより、曲線下面積(AUC)を計算し、溶媒対照群に対する各投与群の阻害率を、群間のAUCの平均によって計算した。詳細な結果を表3-4および図2に示す。15mg/kgの同じ用量の化合物1-13、3-7およびフィルゴチニブは、関節炎の動物の臨床スコアのAUCを低減させることができ、阻害率はそれぞれ59.9%、48.6%および18.7%である。デキサメタゾンもまた関節炎の動物の臨床スコアを有意に低減させることができ、阻害率は97.3%である。
Figure 0007140920000058
種々の処置因子もまた、コラーゲン誘発関節炎の発症率に影響を及ぼしうる。実験の詳細な結果を表7および図3に示す。試験化合物1-13の発症率は29日目に63%に達し、実験終了まで維持された(表3-5の特定の値を参照されたい)。化合物3-7の発症率は34日目に88%に達し、終了まで100%に維持された。フィルゴチニブ群の発症率は初回投与後に減少し、最後の投与後に100%まで漸増した。溶媒対照群における関節炎の発症率は、免疫化から34日後に100%に達して維持され、陽性対照である0.3mg/kgのデキサメタゾン群の発症率は投与後に減少し始め、31日目に0%に減少した。
Figure 0007140920000059
2.体重
実験の詳細な結果を表8および図4に示す。正常群と比較すると、免疫化およびモデル化後のマウスの体重は免疫化後に低下し、各投与群の体重は28日目から34日目まで減少し(図4を参照されたい)、その後緩慢に回復し始めた。デキサメタゾン群は最も大きな体重の減少を示したが、他の群と比べて有意差はなかった。化合物1-13、3-7およびフィルゴチニブ群間に有意差はなく、それらの体重は基本的に同じ様態で変化し(表3-6の特定の値を参照されたい)、化合物がマウスの体重に大きな影響を及ぼさないことを示唆する。
Figure 0007140920000060
結論:コラーゲン誘発関節炎(CIA)のマウスモデルでは、本出願による化合物は、疾患に対する良好な治療効果を示し、マウスの体重に有意な影響を有さず、同じ用量のフィルゴチニブより向上したin vivoでの効力を有する。
実験4:アジュバント誘発関節炎(AIA)のin vivoでの効力試験
実験目的:
アジュバント誘発関節炎(AIA)のラットモデルは、関節リウマチ疾患の研究および新薬の開発において一般的に使用される動物モデルの1種である。その病態形成および臨床症状は、ヒトの関節リウマチのものと同様である。モデルは、足蹠に結核菌を注射し、骨および関節損傷機能を有する免疫細胞および抗体を誘発し、これにより関節腫脹、骨溶解症、滑膜損傷およびヒトの関節リウマチと同様の他の症状として現れる全身応答をもたらすことによって確立される。この実験の目的は、デキサメタゾンおよびフィルゴチニブを参照化合物として使用することにより、化合物1-13の、アジュバント誘発関節炎のラットモデルに対する治療効果を評価することである。この実験には8つの群、すなわち、正常群(正常群)、溶媒対照群(ビヒクル群)、化合物1-13の1mg/kg BID用量群、3mg/kg BID用量群、10mg/kg BID用量群および30mg/kg BID用量群、陽性薬物デキサメタゾンの0.3mg/kg QD群、ならびに参照化合物フィルゴチニブの30mg/kg BID群が存在する。正常群を除き、0日目にすべてのラットの左足に完全フロイントアジュバントを皮下注射し、関節炎を誘発した。実験プロトコールに従い、群を体重およびスコアによって群分けし、13日目に投与を開始して14日間継続した。実験期間中、ラットの体重、足の体積(13日目以降1週間に3回測定した)および臨床スコアをモニタリングした。実験終了時に、ラットの右後足を採取してヘマトキシリン-エオシン染色(HE)し、病理学的スコア分析を行った。
実験方法:
1.関節炎モデル
アジュバントの調製:100mgの結核菌H37Raを秤量し、約5分間粉砕し、3mLのパラフィン油を添加して粉末を溶解し、褐色の分配ボトルに移した。乳鉢を3mLと4mLのパラフィン油で2回洗浄し、すべての油を褐色の分配ボトルに移し、油の最終濃度は10mg/mLであった。溶液を氷水混合物中で超音波によって約30分間分解した。
2.関節炎の誘発
調製されたアジュバントを振盪しながらホモジナイズし、1mLのガラスシリンジ(20Gの針)、次に25Gの針で抜引することによって気泡を除去した。ラットをイソフルランで麻酔した。免疫化前に、結核菌が完全に混合されるようにシリンジを反転した。麻酔後、0.1mLのアジュバントをラットの左足底に皮下注射した。正常群のラットの足底に0.1mLのパラフィン油を皮下注射した日を0日目とした。
3.投与
13日目に、すべての動物が足の紅斑または腫脹などの関節炎の症状を示し、これらをスコア、足のサイズおよび体重に応じて層化し、無作為に群分けした。群分けを表9に示す。70匹のラットを各群ラット10匹の7つの群に分け、正常群はラット5匹であった。表4-1によると、各群の投薬量は以下の通りである。胃内投与体積は5mL/kgであった。化合物は、合計14日間にわたって1日2回投与した。
Figure 0007140920000061
4.関節炎の発症率の決定
体重:ラットを、13日目から27日目まで1週間に3回秤量した。
足の体積:免疫化前に1回、13日目から27日目まで1週間に3回測定した。
スコアリング:スコアリングは、13日目から27日目まで1週間に3回実施した。病変(発赤、関節変形)の異なる程度および0~4点の基準により、各肢の最高スコアは4点であり、各動物の最高スコアは12点である(注射した側の左後肢を除く)。スコアリング基準を表4-2に示す。
Figure 0007140920000062
5.病理学的分析
27日目にラットを安楽死させた。採血後、ラットの右後脚を採取し、10%ホルマリン溶液に浸し、ギ酸溶液で脱灰してパラフィンに包埋し、薄片化してHE染色し、顕微鏡で観察した。関節損傷の程度を4つの態様:炎症細胞の浸潤、パンヌス形成、軟骨傷害および骨吸収から評価し、0~4点の基準によってスコアリングした。スコアリング基準は以下の通りである(表4-3)。
Figure 0007140920000063
6.統計処理
実験データを平均±標準誤差(平均±SEM)によって表し、体重、臨床スコアおよび病理スコアを一元配置ANOVAによって表し、P<0.5を有意とみなす。
実験結果:
1.臨床スコアリング
この実験は、デキサメタゾンおよびフィルゴチニブを参照物質として使用することにより、化合物1-13の、関節炎(AIA)ラットモデルの臨床スコアに対する改善効果を評価した。ラットは、アジュバント免疫化から6日後に関節炎の症状を発生し始めた。13日目に投与を開始すると、溶媒対照群の平均臨床スコアが漸増した。実験結果は、溶媒対照群の平均臨床スコアが24日目にピークに達し、約8点で安定化したことを示しており、AIAモデルの確立が成功したことを示唆する(図5、表4-4)。
実験終了時(27日目)、1、3、10および30mg/kgの4つの用量の化合物1-13は、関節炎ラットの臨床スコアを有意に阻害し(溶媒対照群と比較して、p値はすべて<0.0001)、関節炎ラットの臨床スコアは、それぞれ5.4、3.9、3.2および2.7に用量依存的に低減した(高用量群と低用量群を比較して、p<0.0001)。これらの中で、30mg/kgの化合物1-13の効果が最も明白であった(17日目から開始して、溶媒対照群と比較して非常に有意な差がある、p<0.0001)。この群の関節炎の平均臨床スコアは、13日目のピークの6.0から実験エンドポイントである27日目の2.7点に低下した(図5、表12)。参照化合物である30mg/kg BIDのフィルゴチニブのスコアは、実験エンドポイントである27日目に5.1に低下し、これは溶媒対照群より有意に低い(p<0.001)が、30mg/kg BIDの化合物1-13より有意に高かった(p<0.001)。化合物1-13の関節炎の臨床スコアに対する改善効果は、同じ投薬量のフィルゴチニブの効果より有意に良好であった。
陽性対照のデキサメタゾン処置群の平均臨床スコアは、13日目以降に最高値の6.0に達した。投与後、臨床スコアは減少を続け、27日目の実験エンドポイントで2.7に低下した。対照群と比較して非常に有意な差がある(図5、表4-4)。
2.足の体積
この実験は、デキサメタゾンおよびフィルゴチニブを参照物質として用いて、化合物1-13の、関節炎(AIA)ラットモデルの足の体積に対する効果を評価した。溶媒対照群の動物の平均的な足の体積は、13日目の1.9mLから27日目の実験終了時の2.9mLまで安定的に増加し、AIAモデルが良好に確立されたことを示す(図6、表4-5)。実験終了時、1、3、10および30mg/kgの用量の化合物1-13は、関節炎ラットの足の体積の増加を有意に阻害することができた(溶媒対照群と比較して、p値はすべて<0.0001である)。炎症ラットの平均の足の体積は、それぞれ1.59mL、1.26mLおよび1,21mLに用量依存的に低減した(高用量群と低用量群の間を比較して、p<0.0001)。参照化合物である30mg/kg BIDのフィルゴチニブは、実験エンドポイントの27日目に足の体積が1.91点に減少し、これはラットに対して、溶媒対照群より有意に低い(p<0.0001)が、30mg/kg BIDの化合物1-13のものより有意に高かった(p<0.0001)。足の体積の改善効果は、同じ投薬量のフィルゴチニブのものより有意に良好である。陽性対照のデキサメタゾン処置群もまた、平均的な足の体積の増加を非常に良好に抑制した。投与後、足の体積は実験終了まで安定的に減少し、17日目に安定化し、p<0.0001で溶媒対照群と有意に異なった(図6、表4-5)。
3.体重
正常群と比較すると、ラットの体重は免疫化およびモデル化後に減少した。13日目の投与開始後、各投与群の体重は、溶媒対照群と比較して緩慢かつ継続的に増加したが、陽性対照のデキサメタゾン群の体重はさらに緩慢に回復し、ラットがフィルゴチニブおよび化合物1-13に十分に耐性であることを示唆する。30mg/kgの化合物1-13群の体重が最も迅速に増加し、体重は4つの投薬量で用量依存的に増加した(図7および表4-6)。
4.組織病理学的試験の結果
溶媒対照群の関節炎ラットは16±0.00の合計病理学的スコアを示し、1mg/kgの用量の化合物1-13を投与されたラットでは、スコアは13.3±0.44に減少し(溶媒対照群と比較してp=0.09、統計学的差異なし)、阻害率は16.9%であった一方、3mg/kg、10mg/kgおよび30mg/kgの用量は、関節炎ラットの病理学的スコアをそれぞれ11.3±1.64、4.4±1.16および1.6±0.47まで有意に低減させることができ、p値は0.014、<0.0001および<0.0001、阻害率は29.4%、72.5%および90%であった。参照化合物である30mg/kgのフィルゴチニブは15.2±0.49の合計病理学的スコアを示し、阻害率は5%であった。溶媒群と比較して有意差はなかった。同じ用量(30mg/kg)の化合物1-13は、フィルゴチニブより有意に低い合計病理学的スコアを示す(p<0.0001)。対照化合物の0.3mg/kgの用量のデキサメタゾンは、関節炎ラットの病理学的スコアを4.4±0.8まで極めて有意に低減させ、p値は<0.0001、阻害率は72.5%であった(表4-7)。
Figure 0007140920000064
Figure 0007140920000065
Figure 0007140920000066
Figure 0007140920000067
結論:溶媒対照群のラットは関節炎の臨床症状を示し、継続して悪化した。溶媒対照群と比較して、化合物1-13(1、3、10、30mg/kg)、フィルゴチニブ(30mg/kg)およびデキサメタゾン(0.3mg/kg)は、発現時間の遅延をもって現れるアジュバント誘発関節炎に対して有意な阻害効果を示し、臨床症状および病理学的変化を有意に低減させ、さらに化合物1-13は、アジュバント誘発関節炎モデルに対して用量依存的な治療効果を示す。上記の実験結果は、化合物1-13が、ラットにおけるアジュバント誘発関節炎に対して有意な治療効果を有し、効果はフィルゴチニブより良好であることを示す。

Claims (19)

  1. 式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩
    Figure 0007140920000068
    (式中、
    1およびE2は、単結合、-CH2-または-(CH22-から独立して選択され、
    1は、単結合、-(CH2g-、-C(=O)-または-C(=O)-(CH2h-から選択され、
    mは1または2であり、
    nは1または2であり、
    gは1、2または3であり、
    hは1、2または3であり、
    1は、H、CN、C1~6アルキル基、または3~6員のシクロアルキル基から選択され、前記C1~6アルキル基および3~6員のシクロアルキル基は、1、2または3つのRaによって任意選択的に置換されており、
    2は、H、F、Cl、Br、IまたはC1~3アルキル基から選択され、前記C1~3アルキル基は、1、2または3つのRbによって任意選択的に置換されており、
    3、R4およびR5は、H、F、Cl、Br、IまたはC1~3アルキル基から独立して選択され、前記C1~3アルキル基は、1、2または3つのRcによって任意選択的に置換されており、
    6、R7およびR8は、H、F、Cl、Br、IまたはC1~3アルキル基から独立して選択され、前記C1~3アルキル基は、1、2または3つのRdによって任意選択的に置換されており、
    各Raは、H、F、Cl、Br、I、CNまたはC1~3アルキル基から独立して選択され、前記C1~3アルキル基は、1、2または3つのRによって任意選択的に置換されており、
    各Rbは、F、Cl、BrまたはIから独立して選択され、
    各Rcは、F、Cl、BrまたはIから独立して選択され、
    各Rdは、F、Cl、BrまたはIから独立して選択され、
    各Rは、F、Cl、BrまたはIから独立して選択される)。
  2. 各RaがH、F、Cl、Br、IまたはCNから独立して選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  3. 1が、H、CN、C1~3アルキル基、または3~5員のシクロアルキル基から選択され、前記C1~3アルキル基および3~5員のシクロアルキル基が、1、2または3つのRaによって任意選択的に置換されている、請求項1または2に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  4. 1が、H、CN、CH3
    Figure 0007140920000069
    が、1、2または3つのRaによって任意選択的に置換されている、請求項3に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  5. 1が、H、CN、CF3、CHF2
    Figure 0007140920000070
    から選択される、請求項4に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  6. 2が、H、F、Cl、BrまたはIから選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  7. 3、R4およびR5が、H、F、Cl、BrまたはIから独立して選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  8. 6、R7およびR8が、H、F、Cl、BrまたはIから独立して選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  9. 1が、単結合、-CH2-、-(CH22-、-C(=O)-または-C(=O)-(CH2)-から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  10. 構造単位
    Figure 0007140920000071
    から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  11. 構造単位
    Figure 0007140920000072
    から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  12. 構造単位
    Figure 0007140920000073
    から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  13. Figure 0007140920000074
    (式中、
    1は、請求項1または9で定義された通りであり、
    1は、請求項1~5で定義された通りであり、
    2は、請求項1または6で定義された通りであり、
    3、R4およびR5は、請求項1または7で定義された通りであり、
    6、R7およびR8は、請求項1または8で定義された通りである)
    から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  14. Figure 0007140920000075
    (式中、
    1は、請求項1または9で定義された通りであり、
    aは、請求項1または2で定義された通りであり、
    2は、請求項1または6で定義された通りであり、
    3、R4およびR5は、請求項1または7で定義された通りであり、
    6、R7およびR8は、請求項1または8で定義された通りである)
    から選択される、請求項13に記載の式(I)の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  15. 以下の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
    Figure 0007140920000076
  16. Figure 0007140920000077
    から選択される、請求項15に記載の化合物、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩。
  17. 請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  18. 炎症、自己免疫疾患、増殖性疾患、移植片拒絶、軟骨代謝の損傷に関連する疾患または先天性軟骨形成異常を処置するための薬物の調製における、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体もしくはその薬学的に許容される塩、または請求項17に記載の医薬組成物の使用。
  19. 前記薬物が、関節リウマチを処置するために使用される薬物であることを特徴とする、請求項18に記載の使用。
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