JP7140548B2 - インジェクタの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インジェクタの制御装置に関する。
近年、地球温暖化防止や化石燃料等の資源枯渇抑制の観点から、移動体の内燃機関では、燃費の向上や二酸化炭素(CO2)の低減が求められている。内燃機関から排出される二酸化炭素を低減するためには、燃料の消費量を少なくする必要があり、燃料が空気に対して希薄な状態で燃焼されるリーン燃焼が有効な技術である。このリーン燃焼状態では、気筒内での等量比(燃料の濃さを表す値)が小さい状態の混合気に着火させる必要があるため、燃焼が緩慢となり、燃焼が不安定となりやすい。そのため、この種の移動体の内燃機関では、リーン燃焼状態での燃焼を安定化させるため、1燃焼サイクルにおける圧縮行程の期間で微量の燃料を噴射し、点火プラグ近傍の雰囲気を僅かに燃料の濃い状態(以下、燃料リッチな状態と言うことがある)とすることで、燃焼を安定化させる方法(弱成層燃焼と言う)がある。
また、移動体の内燃機関では、排気ガス規制の強化に伴い、未燃焼粒子(Particulate Matter:PM)の総量とその個数である未燃焼粒子数(Particulate Number:PN)、炭化水素(HydroCarbon:HC)、窒素酸化物(Nitrogen Oxides:NOx)を低減することが求められている。PN及びHCは、内燃機関のインジェクタから噴射された燃料が気筒内のピストンやボア壁面に付着することで発生する。また、PNは、気筒内の混合気に空気と燃料の比である等量比が大きい、すなわち燃料が濃い領域があると増加する傾向にある。よって、内燃機関において、PNとHCの発生を抑制するためには、気筒内のピストンやボア壁面への燃料の付着量を低減する必要がある。
また、HCは、内燃機関の排気側に設けられた触媒が活性化されていない内燃機関の始動時に多く排出される。そのため、内燃機関では、暖機完了後のアイドル中よりも点火時期をリタード(遅角)させることで、排気損失を大きくして排気ガスの温度を高くすることができ、触媒を早期に昇温させてHCの排出を抑えることができる。この点火時期をリタード(遅角)する方法では、内燃機関の1燃焼サイクルにおける圧縮行程が終了し、ピストンが上死点から下死点に向かうまでの膨張行程で点火するため、燃焼が不安定になりやすい。したがって、点火時期をリタード(遅角)する方法において、燃料への点火を確実に行うためには、内燃機関に設けられた点火プラグの周囲に、点火に必要な燃料の濃い混合気を形成する技術が求められる。点火プラグの点火タイミングにおいて、点火プラグの周囲に燃料の濃い混合気を形成するため、ピストンの冠面にキャビティ(凹部)を形成すると共に、圧縮行程に燃料を噴射して冠面のキャビティに入れた混合気を、点火プラグ方向に巻き上げることで、点火プラグの周囲に燃料の濃い混合気を集めることができる。ここで、ピストンの冠面に形成されたキャビティに燃料を噴射して燃料の濃い混合気を点火プラグの周囲に巻き上げるためには、インジェクタから噴射される燃料のペネトレーション(燃料噴霧の到達距離)を長くする(貫徹力を強くする)ことで、キャビティからの混合気の巻き上げ量を多くして、点火プラグに混合気を確実に到達させる必要がある。
一方、内燃機関の1燃焼サイクルにおける吸気行程では、空気と燃料の混合を促進させる観点から、インジェクタから噴射される燃料の噴射時間を長く行うことが求められ、吸気行程と圧縮行程とでは、インジェクタの噴射に求められる要求が異なる。
特許文献1には、内燃機関の1燃焼サイクルにおける吸気行程と圧縮行程とで、インジェクタから噴射される燃料の噴射状態を変える方法が開示されている。特許文献1に開示された方法では、内燃機関の1燃焼サイクルにおける吸気行程において、インジェクタから噴射される燃料の噴射パルスを長くし、内燃機関の1燃焼サイクルにおける圧縮行程において、インジェクタから噴射される燃料の噴射パルスを短くする噴射パターンを複数回行うことで、吸気行程と圧縮行程とで噴射状態を変えるインジェクタの制御方法が開示されている。
特開2015-183617号公報
しかしながら、この種の内燃機関では、内燃機関の始動後に触媒を暖機する場合、燃焼安定性に必要な燃料リッチな状態の混合気を点火プラグの周囲に形成する必要があり、1燃焼サイクルにおける圧縮行程において燃料を噴射する必要がある。特に、インジェクタが、燃焼室の側面に取り付けられているサイド噴射式の場合、インジェクタと点火プラグとの距離が離れているため、所定の点火タイミングにおいて、燃料リッチな混合気を点火プラグの周囲に形成するためには、圧縮行程で噴射する燃料量を多くする必要がある。一方、内燃機関の1燃焼サイクルにおける圧縮行程では、インジェクタとピストンの冠面との距離が近くなるため、インジェクタから噴射した燃料がピストンに付着しやすく、HCやPNの発生量が多くなってしまうという問題がある。
また、触媒を暖機する場合の1燃焼サイクルにおける吸気行程において、空気と燃料の均質性を高める観点から、インジェクタから噴射される燃料の噴射時間を長くしたいという要求がある。一方、触媒を暖機する場合、内燃機関の始動後のシリンダ壁面の温度が低いことから、吸気行程で噴射された燃料がシリンダ壁面に付着して、HCやPNの発生量が多くなってしまう場合があり、これが空気と燃料との均質性を悪化させてしまうという問題がある。
したがって、本発明は、内燃機関の1燃焼サイクルにおける吸気行程での混合気の均質性を高めると共に、圧縮行程での排気ガスの排出を抑えつつ、燃焼安定性を確保できるインジェクタの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、インジェクタを制御する制御装置であって、内燃機関の1燃焼サイクルにおける吸気行程にインジェクタから第1燃料圧力で燃料を噴射させる第1の燃料噴射と、吸気行程と同一の1燃焼サイクルにおける第1の燃料噴射の後にインジェクタから第1燃料圧力より高い第2燃料圧力で燃料を噴射する第2の燃料噴射とをインジェクタに行わせるように当該インジェクタを制御する制御部を有する構成とした。
本発明によれば、内燃機関において、排気ガスの排出を抑制しつつ、燃焼安定性を向上させることができる。
制御装置、インジェクタ及び圧力センサとで構成される燃料噴射システムを説明する模式図である。 インジェクタの構造を説明する断面図と、インジェクタを駆動するための制御装置の構成の一例を説明するであり、 図2のA部の拡大図である。 ECUから出力される燃料制御信号と、インジェクタのソレノイドの駆動電圧と、駆動電流と、弁体の変位量との関係を経時的に示した図である。 内燃機関においてインジェクタから気筒内に燃料が噴射されてる状態を説明する図である。 内燃機関のシステム構成の要部を説明する模式図である。 クランク角度と吸気バルブのリフト量、気筒内の乱れ速度との関係を説明する図である。 図5のA-A断面からインジェクタの方向を見た場合のインジェクタから噴射される燃料の投影図である。 制御装置から出力される燃料制御信号のパルス幅、駆動電流、弁体変位量の経時的な変化を説明する図である。 圧縮行程において、インジェクタから噴射した燃料の状態を説明する図である。 第2の実施形態にかかるインジェクタの構造を説明する断面図である。 可動子機構近傍を拡大した図であり、可動子機構が第1スプリングにより燃料噴射孔方向に押圧されている状態を示す。 可動子機構近傍を拡大した図であり、可動子機構の第2可動子がソレノイドにより吸引された小ストローク状態を示す。 可動子機構近傍を拡大した図であり、第1可動子及び第2可動子がソレノイドにより吸引された大ストローク状態を示す。 インジェクタのソレノイドに供給する駆動電流の一例を説明する図である。 燃料制御信号と燃料噴射量との関係の一例を説明する図である。 第2の実施形態にかかる燃料制御信号と、駆動電流と、弁体の変位量との関係を経時的に示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
初めに、本発明の第1の実施形態にかかるインジェクタの制御装置(以下、制御装置1と言う)を説明する。本実施形態では、制御装置1を、車両用の直列4気筒のピストン式内燃機関に設けられたインジェクタ103~106の制御に適用した場合を例示して説明する。
図1は、制御装置1、インジェクタ103~106及び圧力センサ3を有して構成される燃料噴射システム4を説明する模式図である。
図1に示すように、直列4気筒のピストン式内燃機関(以下、内燃機関100と言う)では、シリンダブロック101にシリンダ(以下、気筒102と言う)が1列に4つ配置されている。実施形態では、気筒102は、図1の左側から第1気筒1021、第2気筒1022、第3気筒1023、第4気筒1024の順番で4つ配置されており、各気筒1021~1024には、インジェクタ103、104、105、106(燃料噴射装置とも言う)がそれぞれ設けられている。インジェクタ103~106の先端側のそれぞれに設けられた燃料噴射孔1031~1061は、各気筒1021~1024の燃焼室1021a~1024a内に位置しており、インジェクタ103~106の燃料噴射孔1031~1061から噴射された燃料は、燃焼室1021a~1024aに直接噴射されるようになっている。燃料は、燃料ポンプ107によって昇圧されてレール配管108(燃料配管)に送出された後、各インジェクタ103~106に供給される。燃料圧力(以下、燃圧と言う)は、燃料ポンプ107によって吐出された燃料の流量と、各気筒1021~1024に設けられたインジェクタ103~106によって各燃焼室1021a~1024a内に噴射された燃料の噴射量とのバランスによって変動するが、レール配管108に設けられた圧力センサ109による情報に基づいて所定の圧力を目標値として、燃料ポンプ107からの燃料の吐出量が制御されるようになっている。
インジェクタ103~106から噴射される燃料の圧力(燃料圧力)や噴射量は、エンジンコントロールユニット(Engine Control Unit:ECU)2の制御部21から出力される燃料制御信号300のパルスによって制御される。ECU2の制御部21から出力された燃料制御信号300は、インジェクタ103~106を駆動する駆動回路3に入力される。駆動回路3は、制御部21から出力された燃料制御信号300に基づいてインジェクタ103~106を駆動するための駆動電流400の波形を生成し、燃料制御信号300のパルス幅に応じた時間だけインジェクタ103~106に駆動電流400を供給する。なお、実施形態では、ECU2と駆動回路3とは個別の部品として分けられ、ECU2と駆動回路3とは信号線Ln1及び通信ラインLn2で接続されている場合を例示して説明するが、駆動回路3は、ECU2と一体の部品や基板として実装されていてもよい。実施形態では、一体又は別体に設けられたECU2と駆動回路3とを合わせて制御装置1と言う。
[インジェクタ]
次に、インジェクタ103~106の構造と基本的な動作を説明する。以下では、前述したインジェクタ103の構造を例示して説明するが、他のインジェクタ104~106も同様の構造を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
図2は、インジェクタ103の構造を説明する断面図と、インジェクタ103を駆動するための制御装置1の構成の一例を説明するであり、図3は、図2のA部の拡大図である。図2及び図3において、図中の上側を燃料の通流方向における上流側、下側を燃料の通流方向における下流側と定義する。
図2に示すように、ECU2の制御部21は、内燃機関100の運転状態を示す信号を各種センサ5から取り込み、この内燃機関100の運転状態に応じて、インジェクタ103から噴射する燃料の噴射量を制御するための燃料制御信号300のパルス幅や噴射タイミングの演算を行う。またECU2には、各種センサ5からの信号を取り込むためのA/D(Analog-to-Digital Converter)変換器22とI/O(Input/Output)ポート23とが備えられている。制御部21から出力された燃料制御信号300は、信号線Ln1を通して駆動回路3に入力される。駆動回路3は、燃料制御信号300に基づいて、インジェクタ103のソレノイド1032に印加する駆動電圧500を発生させるための駆動電流400を生成する。制御部21は、通信ラインLn2を介して駆動回路3と通信を行っており、インジェクタ103に供給する燃料の圧力や内燃機関100の運転状態によって、駆動回路3で生成される駆動電流400を切り替え、駆動電流400や駆動時間の設定値を変更できるようになっている。
インジェクタ103は、ソレノイド1032に駆動電圧500が印加されていない状態(通常時)では、燃料噴射孔1031が閉じられている閉型の電磁弁(電磁式燃料噴射装置)である。つまりソレノイド1032に駆動電圧500が印加されていない状態では、弁体1033がスプリング1034によって閉方向(図2の下流側)に付勢され、弁体1033と弁座1035とが密着して閉弁状態となる。インジェクタ103が閉弁状態において、可動子1036には戻しバネ1037による開方向(図2の上流側)の付勢力が作用する。ここで、弁体1033を付勢するスプリング1034の下流側への付勢力の方が、戻しバネ1037の上流側への付勢力よりも大きいため、可動子1036の端面1036aが弁体1033に当接し、可動子1036の軸線X方向の移動が規制される(図3参照)。また、弁体1033と可動子1036とは相対変位可能に構成されており、ノズルホルダ1038に内包されている。図3に示すように、ノズルホルダ1038は、戻しバネ1037のバネ座となる端面1038aを有している。スプリング1034による下流側への付勢力は、固定コア1039の内径側に固定されたバネ押さえ1040(図2参照)の押し込み量によって組み立て時に調整されている。
また図3に示すように、インジェクタ103では、固定コア1039、可動子1036、ノズルホルダ1038、ハウジング1041とで磁気回路を構成しており、可動子1036と固定コア1039との間に空隙C1を有している。ノズルホルダ1038の可動子1036と固定コア1039との間の空隙C1に対応する部分には磁気絞り1042が形成されている。ソレノイド1032はボビン1043に巻き付けられた状態でノズルホルダ1038の外周側に取り付けられている。図2に示すように、弁体1033の弁座1035側の先端部の近傍にはロッドガイド1044がノズルホルダ1038に固定されて設けられている。弁体1033は、当該弁体1033のバネ台座(図示せず)とロッドガイド1044とにより軸線X方向に摺動可能にガイドされている。ノズルホルダ1038の先端部には、弁座1035と燃料噴射孔1031とが形成されたオリフィス1045が設けられており、可動子1036と弁体1033との間に設けられた内部空間(燃料通路)を外部から封止している。
インジェクタ103に供給される燃料は、燃料の通流方向におけるインジェクタ103の上流側に設けられたレール配管108(図1参照)から供給され、第1の燃料通路孔1046及び可動子1036に設けられた下部燃料通路孔1047を通流して弁体1033の先端側まで流れ、弁体1033の弁座1035側の端部に形成されたシート部1033bと弁座1035とで燃料をシールしている。インジェクタ103では、閉弁時には、燃料圧力によって弁体1033の上部と下部の差圧(差圧力)が生じ、燃料圧力と弁座位置におけるシート内径の受圧面積とを乗じて求まる圧力差及びスプリング1034の荷重によって弁体1033が閉弁方向に押圧される。閉弁状態からソレノイド1032に電流が供給されると、磁気回路に磁界が生じ、固定コア1039と可動子1036との間に磁束が通過して、可動子1036に磁気吸引力が作用する。可動子1036に作用する磁気吸引力が、差圧力とスプリング1034の下流側への付勢力を超えるタイミングで、可動子1036は軸線Xに沿う固定コア1039側への変位を開始する(開弁開始)。
このようにして閉弁動作を終了した可動子1036と固定コア1039は開弁状態で静止する。インジェクタ103の開弁状態では、弁体1033と弁座1035との間に燃料が貯留する隙間が生じており、この隙間に貯留した燃料が燃料噴射孔1031を通って気筒1021内に噴射される。ここで、インジェクタ103から噴射される燃料の燃料圧力は、レール配管108から供給される燃料圧力やインジェクタ103の弁体1033の変位量(燃料通流路の面積)などによって決まるが、レール配管108から供給される燃料圧力の変動がない又は僅かであると仮定した場合、燃料圧力はインジェクタ103の弁体1033の変位量によって決まる。具体的には、弁体1033の変位量が小さい場合には燃料噴射孔1031を通流する燃料の単位時間当たりの流量が少なくなる結果、インジェクタ1033から噴射される燃料の燃料圧力は低くなり、弁体1033の変位量が大きい場合には燃料噴射孔1031を通流する燃料が多くなる結果、インジェクタ103から噴射される燃料の燃料圧力は高くなる(図9参照)。ここで、単位時間当たりの燃料の流量とは、弁体1033の開弁期間において噴射される燃料の単位時間当たりの流量を言う。つまり単位時間当たりの燃料の流量とは、縦軸にインジェクタ103から噴射される燃料の噴射量、横軸に時間をとったグラフにおける勾配で表される燃料噴射率を意味する。
そして、ソレノイド1032に供給されている駆動電流400が遮断されると、磁気回路中に生じていた磁束が消滅し、可動子1036に作用する磁気吸引力も消滅する。その結果、可動子1036及び弁体1033は、スプリング1034の荷重と圧力差によって弁座1035に当接する閉弁位置に押し戻されて閉弁する。
[弁体の駆動方法]
次に、本発明の実施形態にかかるECU2の制御部21から出力される燃料制御信号300と、インジェクタ103のソレノイド1032に印加される駆動電圧500と、駆動電流400と、弁体1033の変位量(弁体1033の挙動)との関係を説明する。
図4は、ECU2から出力される燃料制御信号300と、インジェクタ103のソレノイド1032に印加される駆動電圧500及び駆動電流400と、弁体1033の変位量(弁体の挙動)との関係を説明する図である。
図4の最上段は、ECU2の制御部21から駆動回路3に対して出力される燃料制御信号300(噴射パルス)の一例である。この燃料制御信号300はON/OFF信号であり、インジェクタ103を駆動する場合に所定時間ONされる。図4の最上段から2段目は、制御部21から出力される燃料制御信号300に基づいて駆動回路3で生成される駆動電圧500の波形の一例である。駆動回路3で生成される駆動電圧500は、バッテリ電圧VBよりも高い電圧VHに昇圧されて短時間にソレノイド1032に供給する駆動電流400を急激に増加させて弁体1033を開弁するための高電圧501と、駆動電圧をON/OFFすることで目的とするデューティ制御を行い、弁体1033を開弁保持制御するための保持電圧502とを含んで構成される。図4の最上段から3段目は、駆動回路3で生成された駆動電圧500によりソレノイド1032に流れる駆動電流400の波形の一例である。ソレノイド1032に流れる駆動電流400は、高電圧501が印加されることでピーク電流値Ipeakに到達した後、駆動電圧500の印加が停止されることで急激に減少する(駆動電流401)。そして、駆動電流400は、駆動電圧500の保持電圧502によりほぼ一定の電流値Iaに保持される(保持電流402)。図4の最下段は、インジェクタ103の弁体1033及び可動子1036の変位量の一例である。弁体1033は、ソレノイド1032に流れる駆動電流400の増加に伴って多少のタイムラグの後に変位(開弁)を開始し、駆動電流400がピーク電流値Ipeakになった後に最大高さ位置Hmaxを超える位置まで変位する。その後、弁体1033は、駆動電流400の急激な減少に応じて最大高さ位置Hmaxを超える位置から最大高さ位置Hmax未満となる位置まで変位が小さくなり、駆動電流400の保持電流402により最大高さ位置Hmaxとなる一定の高さ位置で保持される。一方、可動子1036は、弁体1033とほぼ同様な挙動で変位を行うが、弁体1033が最大高さ位置Hmaxに到達した後(時間t2)、最大高さ位置Hmax未満となる高さ位置まで変位量が一時的に減少する。その後、可動子1036は、弁体1033と同じ最大高さ位置Hmaxまで増加した後、最大高さ位置Hmaxとなる一定の高さ位置で保持される。
次に、実施形態にかかるインジェクタ103が設けられた内燃機関100の構成及びインジェクタ103から噴射される燃料の状態について説明する。実施形態では、燃料を気筒1021内に直接噴射する直噴式内燃機関を一例に説明する。図5は内燃機関100においてインジェクタ103から気筒1021内に燃料が噴射されてる状態を説明する図である。図6は内燃機関100のシステム構成の要部を説明する模式図である。図7はクランク角度と吸気バルブ114のリフト量、気筒1021内の乱れ速度との関係を説明する図であり、吸気行程S1のTDCが-360deg、BDCが-180deg、圧縮行程S2のTDCが0degに相当し、吸気バルブ114のリフト量を点線、気筒1021内の乱れ速度の平均値を破線、気筒1021内のタンブルを実線で示している。
最初に、図5に示すように、インジェクタ103と、点火プラグ110と、吸気ポート111と、排気ポート112と、ピストン113と、吸気バルブ114と、排気バルブ115と、を有する内燃機関100の構成を説明する。
ピストン113の点火プラグ110側の冠面1131には、ピストン113の点火プラグ110側の上端面よりも低く形成されたキャビティ1132を有しており、キャビティ1132は、インジェクタ103から噴射された燃料と空気とが混合した混合気を保持する機能を有している。吸気ポート111には、この吸気ポート111の上部111aから下部111bへの空気の流れを遮断する固定式の隔壁116が設けられており、この隔壁116の上流には、ECU2により開閉制御されるバルブ117が設けられている。実施形態では、バルブ117は閉弁している状態を示している。
次に、図6を用いて内燃機関100のシステム構成の要部について説明する。以下の説明では、気筒1021に関連する構成を例示して説明するが、他の気筒1022~1024に関連する構成も同様であるので、詳細な説明は省略する。
内燃機関100において、外気から取り込まれた空気は、エアクリーナ120、過給機121が設けられた過給室122、インタークラー123、スロットルバルブ124、吸気ポート111を通流して気筒1021に供給される。空気の取り込み口に設けられたエアクリーナ120は、空気中に含まれるゴミや埃などを取り除き、内燃機関100へのゴミ等の進入を防ぐことで内燃機関100の内部の摩耗を抑制する。過給室122には、空気の吸気側と排気側のそれぞれに過給機121(タービン)が設けられており、この吸気側と排気側の過給機121はシャフト125で互いに接続されている。よって、排気ポート112を通流する排気ガスの流速に応じた排気側の過給機121の回転に伴って吸気側の過給機121も回転し、この吸気側の過給機121の回転により気筒1021へ流入する空気量を増加させることができ、内燃機関100の出力を増加させることができる。また、過給室122を通流した空気は、過給機121による過給によって温度が上昇するため、インタークラー123で冷却された後、気筒1021に流入する空気量を調整するスロットルバルブ124、吸気ポート111を通流して気筒1021内に流入されるように構成されている。また、気筒1021では、点火プラグ110により燃料と空気とを混合した混合気に着火させ、燃焼により得られた駆動力をクランクシャフト126に伝達した後、膨張行程に排気バルブ115を開弁することで、排気ポート112から排気された排気ガスの流速で排気側の過給機121を回転させる。その後、排気ガスに含まれる炭化水素(Hydrocarbon:HC)、窒素酸化物(Nitrogen Oxides:NOx)、一酸化炭素(Carbon Monoxide:CO)は、触媒127を通過する際に、当該触媒127を構成するパラジウム、ロジウム、プラチナなどにより還元、酸化反応を生じて除去される。しかしながら、触媒127の温度が低い場合、パラジウムなどによるHCなどの還元能力が低いため、特に内燃機関100の始動時などの条件においては、触媒127を早期に暖機する必要がある。
次に、図7を用いて触媒127の暖機条件における燃料噴射制御の一例を説明する。触媒127の暖機条件では、ピストン113が上死点(Top Dead Center:TDC)に到達するタイミングt1かつ排気バルブ115が開弁する直前又は同時のタイミングにおいて、吸気バルブ114の開弁を開始させて燃焼室内に空気を取り込む。吸気バルブ114が開弁を開始し、最大リフト量に到達するまでのタイミングt2において、インジェクタ103から吸気行程S1における燃料噴射(第1の燃料噴射1001)を行う。ピストン113がTDCから下死点(Bottom Dead Center:BDC)に到達した後の圧縮行程S2で、ピストン113がBDCからTDCに到達する前のタイミングt3において、インジェクタ103から圧縮行程S2における燃料噴射(第2の燃料噴射1002)を行う。これにより、ピストン113が点火プラグ110に近づく圧縮行程S2において、インジェクタ103から噴射した燃料と空気との混合気をピストン113の冠面1131のキャビティ1132内に入れて、TDCに移動中のキャビティ1132内に入った混合気を点火プラグ110の方向に巻き上がらせることで、点火プラグ110の周辺に理論空燃比(以下、ストイキと言うことがある)よりも燃料リッチな混合気を形成することができる。ECU2の制御部21は、前述した吸気行程S1と圧縮行程S2における所定の噴射タイミングt2、t3でインジェクタ103から燃料を噴射するようにインジェクタ103を制御する。この際、吸気行程S1と圧縮行程S2で噴射する燃料の比率(分割比)は、吸気行程S1の方が多くなるように設定し、例えば、6:4、7:3、8:2程度とするとよい。
内燃機関100では、点火プラグ110のマイナス電極110bとプラス電極110a(図5参照)との間の周辺に燃料リッチな混合気を形成したタイミングt4において、点火プラグ110による点火を行い混合気に着火させて燃焼させる。このタイミングt4において、点火プラグ110周辺に燃料リッチな混合気を確保するためには、圧縮行程S2でのインジェクタ103からの燃料の噴射量を多くする必要があるが、圧縮行程S2ではインジェクタ103とピストン113との間の距離が近いため、インジェクタ103から多くの燃料を噴射すると、この噴射した燃料がピストン113に付着することにより排気ガスのHCやPNが増加してしまう可能性がある。そのため、制御部21では、圧縮行程S2における第2の燃料噴射1002で噴射する燃料の量を、第1の燃料噴射1001で噴射する燃料の量よりも少なくなるようにインジェクタ103を制御することでHCやPNの発生を抑制している。
次に、図8~図10を用いて、ECU2の制御部21によるインジェクタ103の燃料噴射制御を説明する。図8は、図5におけるA-A断面図であり、A-A断面からインジェクタ103方向を見た場合のインジェクタ103から噴射された燃料の状態を説明する模式図である。図9は、本発明の実施形態にかかる制御部21から出力される燃料制御信号300のパルス幅、駆動電流400、弁体1033の変位量の経時的な変化を説明する図である。図10は、圧縮行程S2において、インジェクタ103から噴射した燃料の状態を説明する図である。
初めに、図8に示すように、実施形態にかかるインジェクタ103は、複数の燃料噴射孔1031を有するマルチホールタイプのインジェクタであり、例えば、点火プラグ110を指向する噴霧D1と、吸気バルブ114に近い方向に噴射する噴霧D2及びD6と、ピストン113を指向する噴霧D3、D4、D5の6方向に噴霧可能に設けられている。制御部21は、圧縮行程S2での燃料噴射において、噴霧D4とD1をピストン113のキャビティ1132に入れることで点火プラグ110の周囲に燃料リッチな混合気を形成することができる。また、キャビティ1132の大きさや燃料の噴射タイミングに応じて噴霧D2、D6又は噴霧D3、D5をキャビティ1132に入れてもよく、このようにしても点火プラグ110の周囲に燃料リッチな混合気を形成することができる。
次に、図9に示すように、制御部21は、吸気行程S1において弁体1033の変位量が最大高さ位置Hmaxよりも低い位置での噴射(第1の燃料噴射1001)を少なくとも2回以上の複数回行うようにインジェクタ103を制御する。その後、制御部21は、第1の燃料噴射1001よりも弁体1033の変位量が大きい第2の燃料噴射1002を行うようにインジェクタ103を制御する。ここで、実施形態の制御部21では、第1の燃料噴射1001において弁体1033が開弁して燃料が噴射されている期間を噴射期間p11、p12、p13と定義し、第2の燃料噴射1002において弁体1033が開弁して燃料が噴射されている噴射期間をp14と定義すると、噴射期間p14に比べて各噴射期間p11、p12、p13が短くなるように燃料制御信号300のパルス幅(駆動電流400の通電時間)が設定されている。ここで、制御部21は、吸気行程S1で行われる第1の燃料噴射1001での噴射期間P11、P12、P13の合計期間(P11+P12+P13)が、圧縮行程S2で行われる第2の燃料噴射1002での噴射期間P14よりも長くなるように(P11+P12+P13>P14)、インジェクタ103を制御する。
制御部21では、第1の燃料噴射1001の弁体1033が開弁を開始するタイミングt12、すなわち燃料の噴射が開始されるタイミングから第1の燃料噴射1001が終了するタイミングt13までの期間p15における単位時間当たりの燃料の流量を、第2の燃料噴射1002の弁体1033が開弁を開始するタイミングt14、すなわち燃料の噴射が開始されるタイミングから第2の燃料噴射1002が終了するタイミングt15までの期間p14における単位時間当たりの燃料の流量よりも小さくなるように設定している。
制御部21は、弁体1033の変位量が最大高さ位置Hmaxよりも小さくなるようにインジェクタ103を制御して、インジェクタ103から噴射される燃料の燃料圧力が低い(単位時間当たりの流量が小さい)第1の燃料噴射1001を吸気行程S1で行わせる。これにより気筒1021内の空気と燃料との混合を促進させて内燃機関100内に均質な混合気が形成され、NOxの排出を抑制することができる。また、第1の燃料噴射1001では、弁体1033の変位量が当該弁体1033の変位の最大高さ位置Hmaxよりも小さいため、弁体1033とシート部1033bと間の圧力損失が大きくなり、燃料噴射孔1031から噴射される燃料噴霧の到達距離(ペネトレーション)が短くなる。その結果、インジェクタ103から噴射された燃料の噴霧がボア壁面やピストン113の冠面1131に付着するのを抑制でき、HCを低減できる。
制御部21は、弁体1033の変位量が最大高さ位置Hmaxよりも小さい状態で燃料を噴射する第1の燃料噴射1001を行うため、第2の燃料噴射1002よりも燃料制御信号300のパルス幅を短くして、ソレノイド1032に通電する駆動電流400を小さくする制御を行うことで、弁体1033に作用する磁気吸引力が小さくなり、弁体1033の変位量を最大高さ位置Hmaxよりも小さくする制御を行うことができる。
なお、図9では、吸気行程S1における第1の燃料噴射1001を3回行う場合を例示して説明したが、2回以上の複数回(例えば、4回や5回以上)行ってもよい。
一方、制御部21は、弁体1033の変位量が最大高さ位置Hmaxとなるようにインジェクタ103を制御して、インジェクタ103から噴射される燃料の燃料圧力が第1の燃料噴射1001で噴射される燃料の燃料圧力よりも高い(単位時間当たりの流量が大きい)第2の燃料噴射1002を圧縮行程S2で行わせる。これによりインジェクタ103から貫徹力が強い、すなわちペネトレーションが長い燃料噴霧を少量噴射することができる。この結果、点火プラグ110に混合気を確実に到達させ、かつPNやHCを抑制することができる。また、制御部21は、インジェクタ103を制御して、弁体1033の変位量が第1の燃料噴射1001よりも大きい第2の燃料噴射1002を行うために、第1の燃料噴射1001よりも第2の燃料噴射1002の燃料制御信号300のパルス幅を長くして、ソレノイド1032に供給する駆動電流400を大きくする制御を行う。これにより、インジェクタ103では、弁体1033に作用する磁気吸引力が大きくなり、第2の燃料噴射における弁体1033の変位量を第1の燃料噴射における弁体1033の変位量よりも大きくすることができる。
また実施の形態では、制御部21は、内燃機関100の1燃料サイクルにおける第2の燃料噴射1002の噴射タイミングt14を、第1の燃料噴射1001の噴射タイミングt12よりも遅いタイミングに設定し、特に圧縮行程S2の期間内に設定している。制御部21は、インジェクタ103を制御して、第2の燃料噴射1002を圧縮行程S2の期間で行うことで、ピストン113がTDCに向けて移動しているタイミングで燃料の噴射が行われ、噴射した燃料の多くがピストン113の冠面1131に形成されたキャビティ1132に入れることができる。この結果、キャビティ1132に入った燃料が点火プラグ110方向に巻き上げられ、点火プラグ110周辺に燃料リッチな状態の混合気を形成することができる。また、インジェクタ103とピストン113のキャビティ1132との距離が近いほど、インジェクタ103から噴射された燃料がキャビティ1132に入りやすくなるため、例えば、制御部21は、インジェクタ103を制御して、第2の燃料噴射1002をクランク角度がTDCに到達する前の70degよりも後(1燃料サイクルにおける遅いタイミング)に行うのが好ましい。図10に示すように、制御部21がインジェクタ103を制御して、第2の燃料噴射1002をクランク角度がTDCに到達する前の70degよりも後(1燃料サイクルにおける遅いタイミング)に行うことで、インジェクタ103から噴射された燃料の噴霧D2~D6の多くが、当該インジェクタ103のより近くに位置するピストン113のキャビティ1132に入る結果、このキャビティ1132に入った燃料の噴霧がキャビティ1132の傾斜面1133に当たって点火プラグ110の方向に巻き上がり、点火プラグ110の周囲に燃料リッチな混合気を形成できる。
また図9において、実施形態にかかる圧縮行程S2に行われる第2の燃料噴射1002は、1回行う場合を例示して説明したが、圧縮行程S2で行われる第2の燃料噴射1002は、2回以上の複数回に分割して行ってもよい。例えば、第2の燃料噴射1002を2回に分割して行うことで、1回目の噴射でキャビティ1132内に混合気を形成した後、2回目の噴射でキャビティ1132に近い噴霧D6の速度は下がり、キャビティ1132すなわち壁面から遠い噴霧D1の速度は下がらないため、気筒1021内の上下差圧が生じて、キャビティ1132に形成した混合気を点火プラグ110の方向に巻き上げる効果を高めることができる。
以上説明した通り、第1の実施形態では、
(1)インジェクタ103を制御する制御装置1であって、内燃機関100の1燃焼サイクルにおける吸気行程S1にインジェクタ103から第1燃料圧力で燃料を噴射させる第1の燃料噴射1001と、吸気行程S1と同一の1燃焼サイクルにおける第1の燃料噴射1001の後にインジェクタ103から第1燃料圧力より高い第2燃料圧力で燃料を噴射する第2の燃料噴射1002とをインジェクタ103に行わせるように当該インジェクタ103を制御する制御部21を有する構成とした。
このように構成すると、制御部21は、第1の燃料噴射1001では燃料圧力の小さい噴霧を行うので、燃焼室での混合気の均質性を高めると共にインジェクタ103から噴射された燃料の噴霧がボア壁面やピストン113の冠面1131に付着を減らしPNやHCの発生を低減できる。また、第1の燃料噴射1001の後の第2の燃料噴射1002では燃料圧力の大きい噴霧を行うので、噴霧が点火プラグ110近傍まで到達しやすく点火プラグ110近傍に燃料リッチな混合気を形成することができる。よって、燃焼安定性を高めることができる。
(2)また、制御部21は、第2の燃料噴射1002が第1の燃料噴射1001が行われる吸気行程S1と同一の1燃焼サイクルにおける圧縮行程S2で行われるようにインジェクタ103を制御する構成とした。
このように構成すると、第2の燃料噴射1002による噴霧は、吸気行程S1の後に行われる圧縮行程S2でTDCに移動しているピストン113により点火プラグ110近傍に巻き上げられ点火プラグ110近傍に燃料リッチな混合気を形成することができる。よって、点火プラグ110が着火しやすくなり可燃焼安定性が高められる。
(3)また、制御部21は、第1の燃料噴射1001を行わせる際のインジェクタ103の可動子1036の変位量が、第2の燃料噴射1002を行わせる際のインジェクタ103の可動子1036の変位量よりも小さくなるようにインジェクタ103を制御する構成とした。
このように構成すると、制御部21は、第1の燃料噴射1001でインジェクタ103から噴射される燃料の燃料圧力を、インジェクタ103の弁体1033が最大高さ位置Hmaxである場合にインジェクタ103から噴射される燃料の燃料圧力よりも小さくすることができる。よって、気筒1021における混合気の均質性を高めることができると共に、ボア壁面やピストン113への燃料の付着を減らしPNやHCの発生を低減させることができる。
(4)さらに、制御部21は、前述したように第1の燃料噴射1001で噴霧された燃料のペネトレーション(噴霧の到達距離)よりも第2の燃料噴射1002で噴霧された燃料のペネトレーション(噴霧の到達距離)の方が長くなるようにインジェクタ103を制御する構成とした。
このように構成すると、制御部21は吸気行程S1において第1の燃料噴射1001で噴射される燃料のペネトレーションが短くなるようにインジェクタ103を制御するので、インジェクタ103から噴射される燃料の噴霧がボア壁面やピストン113の冠面1131に付着を減らしPNやHCを低減できる。さらに、制御部21は圧縮行程S2において第2の燃料噴射1002で噴射される燃料のペネトレーションが長くなるようにインジェクションを制御する。その結果、ピストン113の冠面1131に到着した燃料が点火プラグ110方向に巻き上げられ、この巻き上げられた燃料により点火プラグ110周囲の混合気が燃料リッチな状態となり燃焼安定性が向上すると共に、ボア壁面などへの燃料の付着を減らしPNやHCを抑制することができる。
(5)また、制御部21は、第1の燃料噴射1001でインジェクタ103から噴射される燃料の噴射時間(p11、p12、p13の合計時間(p11+p12+p13))が、第2の燃料噴射1002でインジェクタ103から噴射される燃料の噴射時間p14よりも長くなるようにインジェクタ103を制御する構成とした。
このように構成すると、制御部21は、吸気行程S1の第1の燃料噴射1001において燃料圧力の低い噴霧をより長い時間行うことでペネトレーションの短い噴霧が長時間行われるようにインジェクタ103を制御することで気筒1021内の混合気の均質性を高めることができる。また、制御部21は、圧縮行程S2の第2の燃料噴射1002において燃料圧力の高い噴霧を長時間行うことでペネトレーションの長い短時間の噴霧を実現でき、噴霧をピストン113のキャビティ1132に到達させて点火プラグ110近傍に燃料リッチな混合気を形成することができる。
(6)また、制御部21は、内燃機関100の1燃料サイクルにおける吸気行程S1で第1の燃料噴射1001が複数回行われるようにインジェクタを制御する構成とした。
このように構成すると、制御部21は、吸気行程S1において短時間の噴霧を複数行うことで、吸気行程S1における気筒1021内の混合気の均質性をより高めることができる。
(7)また、制御部21は、第1の燃料噴射1001においてインジェクタ103の弁体の変位量が最大(最大高さHmax)とならない位置で燃料の噴射が行われるようにインジェクタ103を制御する構成とした。
このように構成すると、制御部21は、第1の燃料噴射1001においてインジェクタ103の弁体1036の変位量が最大高さ位置Hmaxに到達しない状態で燃料の噴霧を行うので、第1の燃料噴射1001においてペネトレーションの短い噴霧を行うことができる。
(8)また、制御部21は、第2の燃料噴射1002においてインジェクタ103の弁体1036の変位量が最大(最大高さHmax)となる位置で燃料の噴射が行われるようにインジェクタ103を制御する構成とした。
このように構成すると、制御部21は、第2の燃料噴射1002においてインジェクタ103の弁体1036の変位量が最大高さ位置Hmaxに到達した状態で燃料の噴霧を行うので、第2の燃料噴射1002においてペネトレーションの長い噴霧を行うことができる。
[第2の実施形態]
次に図11~図16を用いて、本発明の第2の実施形態にかかるインジェクタ600について説明する。図11は第2の実施形態にかかるインジェクタ600の構造を説明する断面図である。図12は可動子機構610近傍を拡大した図であり、可動子機構610が第一スプリング1110により燃料噴射孔1031方向に押圧されている状態を示す。図13は可動子機構610近傍を拡大した図であり、可動子機構610の第2可動子611がソレノイド1032により吸引された小ストローク状態を示す。図14は可動子機構610近傍を拡大した図であり、第1可動子611及び第2可動子612がソレノイド1032により吸引された大ストローク状態を示す。図15はインジェクタ600のソレノイド1032に供給する駆動電流400の一例を説明する図である。図16は燃料制御信号300と燃料噴射量との関係の一例を説明する図である。なお、前述した第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し詳細な説明は省略する。
第2の実施形態にかかるインジェクタ600は、弁体1033を駆動する可動子が2つに分かれており(第1可動子611、第2可動子612と言い、これらを合わせて可動子機構610と言う)、弁体1033の軸線X方向の変位量を段階的(小ストローク及び大ストローク)に調整できる点が前述した実施形態にかかるインジェクタ103と異なる点である。また、弁体1033の上流側先端部には係合部材1100(スリーブ部)が取り付けられている。係合部材1100は、弁体1033の小径部の外径側に設けられた円筒部1101と、上端において径方向の外側に突となる突部1102とを有する(図12参照)。
弁体1033は係合部材1100の突部1102を介して、第1スプリング1110により軸線X方向の燃料噴射孔1031側(下流側)に付勢されている。この第1スプリング1110の下流側への付勢力は、第3スプリング1130の上流側への付勢力よりも大きくなるように設定されているため、ソレノイド1032が非通電状態において、弁体1033が燃料噴射孔1031側に付勢され、インジェクタ600は閉弁状態となる。この係合部材1100の突部1102の下面部により、可動子機構610を軸線X方向の燃料燃料噴射孔1031側に付勢する第2スプリング1120が保持される。
可動子機構610は、第1可動子611と、この第1可動子611と別体に設けられた第2可動子612とを有して構成されており、弁体1033とは別体で独立して設けれている。
可動子機構610の第1可動子611は、磁気コア620に対向する第一対向面611aを有しており、この第一対向面611aが磁気コア620の磁気吸引力により吸引される。第2可動子612は、磁気コア620に対向する第二対向面612aを有しており、この第二対向面612aが磁気コア620の磁気吸引力により吸引されるように構成されている。このインジェクタ600の構成により、第1可動子611と第2可動子612とが磁気吸引力により磁気コア620に向かって吸引され、これにより弁体1033が開弁方向に押し上げるられる。
インジェクタ600では、磁気コア620と第2可動子612との間に発生する磁気吸引力によって第2可動子612が磁気コア620方向に移動した場合、この第2可動子612の磁気コア620方向の移動に伴って、弁体1033は軸線Xに沿う上流側(弁体1033が燃料噴射孔1031から離れる方向)に移動するように構成されている。
一方、第2可動子612の第二対向面612aは、第1可動子611の第一対向面611aに対して径方向の外側に配置されている。
第1可動子611の外周面611bは、軸線X方向と直交する方向(水平方向)において第2可動子612の内周面612bと間隔を空けて対向して配置されている。
そして、第1可動子611の下流側端面611eは、軸線X方向(図12の上下方向)において第2可動子612の上流側端面612eと対向して配置されている。なお、図12に示すように、第1可動子611及び第2可動子612が磁気コア620に吸引されていない閉弁状態において、第1可動子611の下流側端面611eと第2可動子612の上流側端面612eとは互いに当接するように構成されている。
図12に示すように、第2可動子612は、第二対向面612aから下流側に凹む凹部612cが内径側に形成されており、この凹部612cの内部に第1可動子611の全てが収容されている。具体的には、第1可動子611及び第2可動子612の何れもが磁気コア620に吸引されていない閉弁状態において、第1可動子611の第一対向面611aが第2可動子612の第二対向面612aよりも軸線Xに沿う下流側に位置しており、この状態で、第一対向面611aと第二対向面612aとの間には所定の空隙K1が設けられている。
また弁体1033は第1可動子611に係合する弁体係合部1033aを有する。実施形態では、弁体1033と係合部材1100とは別体で構成されている場合を例示して説明するが、弁体1033と係合部材1100とを一体的に構成してもよい。第1可動子611が軸線Xに沿う上流側に移動すると、第1可動子611の第一対向面611aと係合部材1100の円筒部1101の下流側端面1101aとが係合して、係合部材1100が上流側に押し上げられることで、弁体1033が上流側(開弁方向)に移動する。
ここで、第1可動子611は、第2可動子612と係合する下流側端面611e(第一係合部)を有している。第2可動子612が軸線Xに沿う上流側に移動して、第2可動子612の上流側端面612e(第二係合部)と第1可動子611の下流側端面611e(第一係合部)とが係合して、第1可動子611を上流側に移動することで、第1可動子611の第一対向面611aと係合部材1100の円筒部1101の下流側端面1101aとが係合して、係合部材1100が上流側に押し上げられ、係合部材1100と係合する弁体1033が上流側(開弁方向)に移動するようになっている。
以上説明した構成により、磁気コア620の磁気的な吸引力による第2可動子612の吸引により第1可動子611を介して弁体1033を上流側に駆動するように構成されている。
また図12に示すように、第1可動子611と係合部材1100の突部1102との間には、第2スプリング1120が設けられている。この第2スプリング1120は、第1可動子611と係合部材1100とを引き離す方向に付勢力を作用させる。可動子機構610の下流側にはスプリング保持部材621が設けられており、このスプリング保持部材621と第2可動子612との間に第3スプリング1130が設けられている。この第3スプリング1130は第2可動子612とスプリング保持部材621とを引き離す方向に付勢力を作用させる。
ここで、第3スプリング1130の付勢力Fzの絶対値と、第2スプリング1120の付勢力Fmの絶対値とを比較した場合、第2スプリング1120の付勢力の絶対値方が大きくなるように設定されている。よって、ソレノイド1032に駆動電流400が通電されると、外径側に吸引面(第二対向面612a)が形成される第2可動子612と磁気コア620、また内径側に吸引面(第一対向面611a)が形成される第1可動子611と磁気コア620との空隙に磁束が発生し、第1可動子611及び第2可動子612を吸引する磁気吸引力が発生する。
図11及び図12に示すように、ソレノイド1032が非通電の状態において、第1スプリング1110により係合部材1100が軸線Xに沿う下流側に付勢されることで弁体1033のシート部1033bがシート部材622のシート面622aに当接して閉弁状態となる。この場合、第1可動子611は、第2スプリング1120によって軸線Xに沿う下流側に付勢されることで、弁体1033に設けられた突部1033c(段付き部)の上流側端面1033d(接触面)を下流側に付勢しており、弁体1033は、この状態で静止している。
また、第2可動子612は、第3スプリング1130によって軸線Xに沿う上流側(開弁方向)に付勢されており、第2可動子612の上流側端面612eが第1可動子611の下流側端面611e(第一係合部)と係合することで第2可動子612は静止状態を保持している。この静止した状態において、第1可動子611の第一対向面611aと係合部材1100の円筒部1101の下流側端面1101aとの間には空隙K2(図11参照)が設けられている。
図11に示す状態から、ソレノイド1032に駆動電流400が供給されると、磁気コア620と第1可動子611、及び磁気コア620と第2可動子612との間にそれぞれ磁気吸引力が発生する。
下記の数式1に示すように、第1可動子611と磁気コア620との間に作用する磁気吸引力Fiと第2可動子612と磁気コア620との間に作用する磁気吸引力Foとの和が第2スプリング1120の付勢力Fmと第3スプリング1130の付勢力Fzとの差よりも大きくなると、第1可動子611と第2可動子612は、磁気コア620側に吸引され弁体1033の移動が開始される。
Fi+Fo>Fm-Fz ・・・ (1)
係合部材1100と内径側の第1可動子611との間に予め設定された空隙K2の分だけ第1可動子611が軸線Xに沿う上流側に変位すると、磁気コア620の下流側端面620aと第2可動子612の第二対向面612aとの間に設定された空隙K3(図11参照)であったものが、空隙K4(図12参照)にまで減少する。なお、実施形態では、K3-K4=k1の関係となる。また、空隙K4は、第1可動子611の第一対向面611aが係合部材1100の円筒部1101の下流側端面1101aに当接した状態において、第2可動子612の第二対向面612aと磁気コア620の下流側端面620aとの間のクリアランスであるとも言える。図12に示す状態では、第1可動子611の第一対向面611aが、係合部材1100の円筒部1101の下流側端面1101a(当接面)に当接している。前述した第1可動子611の第一対向面611aと係合部材1100の円筒部1101の下流側端面1101aとの間の空隙K2を予備ストロークと言ってもよい。この空隙K2により、インジェクタ600では、第1可動子611及び第2可動子612に蓄えられた運動エネルギが弁体1033の開弁動作に使用されるため、運動エネルギを利用した分、開弁動作の応答性を向上させることができ、高い燃料圧力下でも開弁することができる。なお、空隙K2(予備ストローク)を確保するためには、図11に示すインジェクタ600の閉弁状態において空隙K3>空隙K2となるように設定されていることが必要である。
次に、ソレノイド1032への駆動電流400の通電を継続し、第2可動子612の第二対向面612aと磁気コア620の下流側端面620aとの間に予め設けられた空隙K4だけさらに第2可動子612が軸線Xに沿う上流側に変位すると、図13に示す状態となる。この状態において、第2可動子612の軸線Xに沿う上流側への移動は、磁気コア620の下流側端面620aにより規制される。
ここで、ソレノイド1032への駆動電流400と弁体1033の変位量との関係を説明する。図15の(A)は、小ストローク時の駆動電流400と弁体1033の変位量との関係を示し、(B)は、大ストローク時の駆動電流400と弁体1033の変位量との関係を示す。実施形態では、図15に示すように、ソレノイド1032へ供給する駆動電流400のピーク電流401を設定値よりも小さくした場合を例示して説明する。
この場合、下記の数式2で規定される力関係、すなわち、第1可動子611に作用する磁気吸引力Fiと第2可動子612に作用する磁気吸引力Foとの和が、弁体1033に作用する燃料(流体)による差圧力Fpと第1スプリング1110による付勢力Fsとの和よりも大きくなる条件を満たす。また、下記の数式3の力関係、すなわち第1可動子611に作用する磁気吸引力Fiが弁体1033に作用する燃料(流体)による差圧力Fpと第1スプリング1110による付勢力Fsとの和よりも小さくなるように制御する。
Fs+Fp<Fi+Fo ・・・ (2)
Fs+Fp>Fi ・・・ (3)
したがって、図15の(A)に示す駆動電流400の場合、制御装置1は上記した数式2及び数式3を満たすようにインジェクタ600を制御することで、図13に示すように、第2可動子612の第二対向面612aと磁気コア620の下流側端面620aとが当接して、第二対向面612aと下流側端面620aとの空隙K4がなくなり、第1可動子611の第一対向面611aと磁気コア620の下流側端面620aとの空隙K1のみが残ることとなる。つまり、前述した数式2に示すように、第2可動子612に作用する磁気吸引力Foを受けて、弁体1033は軸線Xに沿う上流側に変位するが、前述した数式3に示すように第1可動子611に作用する磁気吸引力Fiのみでは弁体1033を変位させることはできない。これによりインジェクタ600は、弁体1033(第2可動子612)が空隙K4の分だけ上流側に変位した小ストローク状態となる。
図13に示す弁体1033の変位量が小ストローク状態から、ソレノイド1032に供給する駆動電流400を遮断又はピーク電流401よりも低い電流(中間電流)に下げることにより、磁気コア620と第1可動子611及び磁気コア620と第2可動子612との間に発生した磁束が消失又は小さくなる。その結果、第1可動子611に作用する磁気吸引力Fi及び第2可動子612に作用する磁気吸引力Foとの和(Fi+Fo)が第1スプリング1110の付勢力Fs及び弁体1033に作用する燃料(流体)の差圧力Fpの和(Fs+Fp)よりも小さくなると(Fs+Fp>Fi+Fo)、第1可動子611及び第2可動子612は軸線Xに沿う下流側に変位を開始する。そうすると、弁体1033は閉弁動作を開始し、その後、弁体1033のシート部1033bとシート部材622のシート面622aとが当接して閉弁する。
したがって、図15の(A)に示すような駆動電流400の波形の場合には、弁体1033は第2可動子612の第二対向面612aと磁気コア620の下流側端面620aとの間に設けられた弁体変位1601の分だけ変位する。この弁体変位1601は図12に示した空隙K4に相当する。
第2可動子612は、磁気コア620の下流側端面620a又は磁気コア620と異なる部材に衝突することにより軸線X方向の上流側への移動が規制される。これにより弁体1033の変位量が安定するため、インジェクタ600は安定した燃料噴射を実現することができる。
一方、図15の(B)に示すように、ソレノイド1032に供給する駆動電流400のピーク電流402を予め設定された設定値よりも大きくした場合について説明する。つまり、弁体1033を大ストローク状態で駆動する場合、大ストローク状態のピーク電流402を小ストローク状態のピーク電流401よりも大きくする。この場合、下記の数式4に示すように、第1可動子611に作用する磁気吸引力Fiが、第1スプリング1110による付勢力Fsと弁体1033に作用する流体(燃料)の差圧力Fpとの和よりも大きくなるように制御する。
Fs+Fp<Fi ・・・ (4)
これにより図14に示すように、第1可動子611が磁気コア620の下流側端面620aと第1可動子611の第一対向面611aとの間に設けられた空隙K1の分だけ軸線Xに沿う上流側に変位する。この結果、第1可動子611は、図13の状態からさらに弁体1033を空隙K1の分だけ上流側に移動するため、弁体1033は、非通電時に比べて空隙K4とK1とを合計した変位量だけ上流側に移動する。インジェクタ600において、弁体1033が変位量(K4+K1)の分だけ上流側に変位した状態を大ストローク状態と言う。なお、第1可動子611の変位は、磁気コア620に衝突することによって規制されるため、第1可動子611が磁気コア620に衝突した後の弁体1033の挙動が安定するので、インジェクタ600は、安定した燃料噴射を実現することができる。
制御部21は、弁体1033の変位量が大ストロークとなった状態(図14の状態)から、ソレノイド1032に供給する駆動電流400を遮断、又はピーク電流402より小さい電流(中間電流)に低下させる。これにより、第1可動子611と磁気コア620との間に発生している磁束が消失、又は低減する。そして、これらの間の磁気吸引力Fiが第1スプリング1110の付勢力Fsと弁体1033に作用する燃料(流体)の差圧力Fpとの和よりも小さくなる(Ps+Fp>Fi)と第1可動子611は軸線Xに沿う下流側に変位する。
磁気コア620から発生した磁束は、第1可動子611からの消失を開始すると共に、弁体1033に作用する燃料の差圧力Fpと第1スプリング1110による付勢力Fsにより、第1可動子611は第2可動子612よりも早く閉弁動作を開始する。その結果、第1可動子611は、当該第1可動子611の下流側端面611eと第2可動子612の上流側端面612eとの空隙K1だけ下流側に変位し、第2可動子612の上流側端面612eと衝突する。これにより、第2可動子612は、第1可動子611との衝突によって、当該第1可動子611と一体的に下流側に変位する。
前述した第1可動子611及び第2可動子612の変位に伴って、弁体1033は閉弁動作を開始し、その後、弁体1033のシート部1033bがシート部材622に当接して閉弁する。結果として、図15の(B)に示すように、弁体1033は大ストロークとなり、その変位量は1602に示すようになる。この変位量1602は、空隙K4と空隙K1とを合計した値に相当する。
実施形態では、インジェクタ600のソレノイド1032に供給する駆動電流400を変動させることにより、弁体1033の変位を図15の(A)に示す小ストロークと、図15の(B)に示す大ストロークとの間で切り替えられるようになっている。そして、インジェクタ600の閉弁状態において、第1可動子611の第一対向面611aと磁気コア620との間の第1クリアランス(空隙K3+空隙K1、又は空隙K4+空隙K1)が第2可動子612の第二対向面612aと磁気コア620との間の第二クリアランス(空隙K3又は空隙K4)よりも大きくなるように構成した。
ここで、空隙K2は、閉弁状態での第1可動子611の第一対向面611aと、係合部材1100の円筒部1101の下流側端面1101aとの間のクリアランスとして定義できる(図11参照)。また、空隙K4は、第1可動子611の第一対向面611aが係合部材1100の円筒部1101の下流側端面1101aと当接した状態において、第2可動子612の第二対向面612aと磁気コア620の下流側端面620aとの間のクリアランスとして定義できる(図12参照)。また空隙K1は、第2可動子612の第二対向面612aが磁気コア620の下流側端面620aに当接した状態において、第1可動子611の第一対向面611aと磁気コア620の下流側端面620aとの間のクリアランスとして定義できる(図13参照)。
前述したインジェクタ600では、駆動電流400により、弁体1033の変位を図15の(A)に示す小ストロークと、図15の(B)に示す大ストロークとの間で切り替える場合、空隙K1>空隙K4となるように設定することが望ましい。空隙K4は、インジェクタ600を組み立てる際にストローク調整を行うため、高精度に設定することができる。実施形態では、空隙K4と予備ストローク量を決定する空隙K2とがほぼ同一か、空隙K1>空隙K2となるように設定している。
このように、インジェクタ600の可動子機構610を第1可動子611と第2可動子612とに分割し、制御部21は、ソレノイド1032に供給する駆動電流400を変えることで、弁体1033の変位量を小ストロークと大ストロークとの間で切り替えることができる。
図16に各ストロークにおけるインジェクタ600の噴射量特性(噴射指令期間と噴射量との関係)を示す。図4で説明したように、インジェクタ600では、必要な燃料噴射量(燃料圧力)に応じて駆動電流400の波形を変えることで大ストロークでの噴射量特性1701と、小ストロークでの噴射量特性1702とが得られる。したがって、インジェクタ600では、必要な燃料の燃料圧力が高い(噴射量が大きい)場合、大ストロークでの噴射量特性1701を適用し、逆に必要な燃料の燃料圧力が低い(噴射量が小さい)場合、小ストロークでの噴射量特性1702を適用することで、内燃機関100の燃焼に必要となる最適な燃料圧力による燃料を安定して供給することができる。
次に、図15及び図17を用いて第2の実施形態にかかるインジェクタ600の制御方法について説明する。図17は本発明の第2の実施形態にかかる燃料制御信号300と、駆動電流400と、弁体1033の変位量との関係を経時的に示した図である。図17において図9と同一のものは同じ記号を用いる。
インジェクタ600の制御方法において、第1の実施形態にかかるインジェクタ103の制御方法との差異は、インジェクタ600を制御して、1燃焼サイクルの吸気行程S1においてインジェクタ600から噴射される燃料の燃料圧力が低い噴射を所定期間行うために弁体1033を小ストローク状態で保持する点である。上記で説明したとおり、制御部21は、インジェクタ600のソレノイド1032に供給するピーク電流を420(弁体1033を大ストロークで変位させるための駆動電流)から410(弁体1033を小ストロークで変位させるための駆動電流)まで小さくすることで、第2可動子612を磁気コア620に当接させて弁体1033を小ストローク状態で保持することができる。弁体1033を小ストローク状態で保持することにより、燃料圧力が低い第1の燃料噴射1901を噴射期間P21のように長く噴射することができ、空気と燃料の混合を促進させて気筒内の混合気の均質性をより向上させることが可能となる。その結果、排気ガスのNOxを抑制でき、また、均質性が高いことで燃焼安定性を高めることが可能となる。
同一の1燃焼サイクルにおける第1の燃料噴射1901の後の圧縮行程S2の第2の燃料噴射1902では、第1の燃料噴射1901よりも駆動電流400のピーク電流を420まで大きくし、第1可動子611と磁気コア620を当接させて弁体1033を大ストローク状態とすることができる。弁体1033の変位量が大きいことで、インジェクタ600からペネトレーションの長い(貫徹力がある)燃料が噴射され、短時間の微小な噴射量であっても混合気を点火プラグ110に到達させて燃焼安定性を高めることができる。
また、第1の燃料噴射1901が気筒1021内の空気流動が強い吸気行程S1で行われることで、燃料と空気の混合気の均質性を高めることができる。一方で、第2の燃料噴射1902は、インジェクタ103から噴射された燃料をピストン113のキャビティ1132に入れて点火プラグ110方向に巻き上げるために、ピストン113がBDCからTDCに近づく圧縮行程S2で行われるのが有効であり、特に圧縮行程S2におけるクランク角度がTDCに到達する前の70degよりも後(1燃料サイクルにおける遅いタイミング)で行われるのが望ましい。これによって、インジェクタ600から噴射された燃料の噴霧D2~D6の多くが、当該インジェクタ600のより近くに位置するピストン113のキャビティ1132に入る結果、このキャビティ1132に入った燃料の噴霧がキャビティ1132の傾斜面1133に当たって点火プラグ110の方向に巻き上げられ、点火プラグ110の周囲に燃料リッチな混合気が形成される。
また、第2の実施形態では、制御部21が駆動回路3に設けられたメモリ(図示せず)に予め駆動電流の波形を設定し、噴射に応じた駆動電流の波形をメモリ(図示せず)から読み出すように構成してもよい。実施の形態では、第1の燃料噴射1901を行うための駆動電流430の波形と、第2の燃料噴射1902を行うための駆動電流440の波形を駆動回路3のメモリ(図示せず)に記憶しておき、必要な噴射に応じてメモリから読み出して駆動電流430又は駆動電流440の波形を変更するように構成する。また、駆動回路3のメモリ(図示せず)に、第1の燃料噴射1901に対応する駆動電流430の波形と第2の燃料噴射1902に対応する駆動電流440の波形を予め設定値として記憶し、制御部21からの指令値に応じてメモリ(図示せず)に記憶した駆動電流の波形を読み出すようにしてもよい。図17に示すように、例えば、制御部21が、パルス幅が大きい噴射パルス320(図17の実線)とパルス幅が小さい噴射パルス330(図17の点線)とを切り替える指令値を駆動回路400に出力することで、駆動回路400では指令値に応じた駆動電流440、450をメモリから読み出してインジェクタ600に出力する。実施形態では、制御部21が、パルス幅が小さい噴射パルス330の指令値を駆動回路400に出力することで、駆動回路400では小ストロークのピーク電流値に近い電流波形450(図17の点線)をメモリから読み出し、制御部21が、パルス幅が大きい噴射パルス330の指令値を駆動回路400に出力することで、駆動回路400では大ストロークのピーク電流値に近い電流波形440をメモリから読み出す。これにより、要求される燃料噴射量に応じて電流波形を生成する場合に比べて、電流波形をメモリから読み出すだけで迅速に変更することができる。
前述したように、第1の燃料噴射1901と第2の燃料噴射1902の設定値を予めメモリ(図示せず)に記憶し、制御部21からの指令値に応じて駆動電流の設定値を変更する場合には、ピーク電流や保持電流といった制御定数を変更する時間が短縮できるため、1燃焼サイクルで複数回電流波形を切り替える場合に、すばやく設定値を変更でき、電流制御のロバスト性が高まる。図17では、1燃焼サイクル中の電流波形を2段階(小ストロークの電流波形450、大ストロークの電流波形440)に変更する場合を記載したが、運転条件によっては、2段階以上の多段階に変更してもよい。
なお、前述した実施形態では、インジェクタ103、600が気筒1021内のサイドに取り付けられている場合の構成図を例示して説明したが、インジェクタ103、600が気筒1021内のヘッドのセンターに取り付けられるいわゆる直上の構成についても有効である。直上のシステムでは、インジェクタの点火プラグとの距離が縮まるため、第2の燃料噴射1902の貫徹力が必ずしも必要でない場合があるが、その場合、第2の燃料噴射1902では、第1の燃料噴射1901と同様に小ストロークの状態で燃料を噴射してもよい。
以上説明した通り、第2の実施形態では、
(9)制御部21は、第1の燃料噴射1001におけるインジェクタ103の第2可動子612の変位量が最大となる位置で当該第2可動子612が保持されるようにインジェクタ103を制御する構成とした。
このように構成すると、第1の燃料噴射1001において、インジェクタ600の弁体1033は、第2可動子612の最大変位量(第1変量)の分だけ軸線Xに沿う上流側に変位した状態で保持される。よってインジェクタ600から噴霧される燃料の燃料圧力を低い状態で安定させることができる。
(10)制御部21は、内燃機関100における同一の1燃焼サイクルにおいて、インジェクタ600を制御する駆動電流400のピーク値の大きさを少なくとも1回以上変更する構成とした。
このように構成すると、制御部21は、1燃焼サイクル中に少なくとも1回以上ピーク電流の異なる駆動電流400(例えば、図17の駆動電流440と駆動電流450)をインジェクタ600に供給することができ、第1の燃料噴射1001と第2の燃料噴射1002で噴霧する燃料の燃料圧力を容易に異ならせることができる。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は、前述した実施の形態を全て組み合わせてもよく、何れか2つ以上の実施の形態を任意に組み合わせても好適である。
また、本発明は、前述した実施の形態の全ての構成を備えているものに限定されるものではなく、前述した実施の形態の構成の一部を、他の実施の形態の構成に置き換えてもよく、また、前述した実施の形態の構成を、他の実施の形態の構成に置き換えてもよい。
また、前述した実施の形態の一部の構成について、他の実施の形態の構成に追加、削除、置換をしてもよい。
1:制御装置、2:ECU、3:駆動回路、4:燃料噴射システム、5:各種センサ、100:内燃機関、101:シリンダブロック、102:気筒、1021:第1気筒、1022:第2気筒、1023:第3気筒、1024:第4気筒、103~106:インジェクタ、107:燃料ポンプ、108:レール配管、109:圧力センサ、110:点火プラグ、111:吸気ポート、112:排気ポート、113:ピストン、114:吸気バルブ、115:排気バルブ、116:隔壁、117バルブ、120:エアクリーナ、121:過給機、122:過給室、123:インタークラー、124:スロットルバルブ、125:シャフト、126:クランクシャフト、127:触媒、300:燃料制御信号、400:駆動電流、500:駆動電圧、600:インジェクタ、610:可動子機構、611:第1可動子、612:第2可動子、620:磁気コア、1001:第1の燃料噴射、1002:第2の燃料噴射、1031:燃料噴射孔、1032:ソレノイド、1033:弁体、1033a:弁体係合部、1033b:シート部、1033c:突部、1033d:上流側端面、1034:スプリング、1035:弁座、1036:可動子、1036a:端面、1037:バネ、1038:ノズルホルダ、1038a:端面、1039:固定コア、1041:ハウジング、1042:磁気絞り、1044:ロッドガイド、1045:オリフィス、1046:第1の燃料通流路、1047:下部燃料通流路、1100:係合部材、1101:円筒部、1101a:他流側端面、1102:突部、1110:第1スプリング、1120:第2スプリング、1130:第3スプリング、1131:冠面、1132:キャビティ、1133:傾斜面、D1~D6:噴霧、S1:吸気行程、S2:圧縮行程

Claims (10)

  1. インジェクタを制御する制御装置であって、
    内燃機関の1燃焼サイクルにおける吸気行程に前記インジェクタ第1電流を供給して燃料を噴射させる第1の燃料噴射と、前記吸気行程と同一の前記1燃焼サイクルにおける前記第1の燃料噴射の後に前記インジェクタ前記第1燃料電流より高い第2電流を供給して燃料を噴射する第2の燃料噴射とを前記インジェクタに行わせるように当該インジェクタを制御する制御部を有するインジェクタの制御装置。
  2. 前記制御部は、前記第2の燃料噴射が前記第1の燃料噴射が行われる前記吸気行程と同一の前記1燃焼サイクルにおける圧縮行程で行われるように前記インジェクタを制御する請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
  3. 前記制御部は、前記第1の燃料噴射を行わせる際の前記インジェクタの可動子の変位量が、前記第2の燃料噴射を行わせる際の前記インジェクタの前記可動子の変位量よりも小さくなるように前記インジェクタを制御する請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
  4. 前記制御部は、前記第1の燃料噴射で噴射される燃料のペネトレーションよりも前記第2の燃料噴射で噴射される燃料のペネトレーションの方が長くなるように前記インジェクタを制御する請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
  5. 前記制御部は、前記第1の燃料噴射における前記インジェクタの前記可動子の変位量が最大となる位置で前記可動子が保持されるように前記インジェクタを制御する請求項3に記載のインジェクタの制御装置。
  6. 前記制御部は、前記第1の燃料噴射で前記インジェクタから噴射される燃料の噴射時間が、前記第2の燃料噴射で前記インジェクタから噴射される燃料の噴射時間よりも長くなるように前記インジェクタを制御する請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
  7. 前記制御部は、前記内燃機関の前記1燃サイクルにおける吸気行程で前記第1の燃料噴射が複数回行われるように前記インジェクタを制御する請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
  8. 前記制御部は、前記第1の燃料噴射において前記インジェクタの弁体の変位量が最大とならない位置で燃料の噴射が行われるように前記インジェクタを制御する請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
  9. 前記制御部は、前記第2の燃料噴射において前記インジェクタの弁体の変位量が最大となる位置で燃料の噴射が行われるように前記インジェクタを制御する請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
  10. 前記制御部は、前記内燃機関における同一の前記1燃焼サイクルにおいて、前記インジェクタを制御する電流のピーク値の大きさを少なくとも1回以上変更する請求項1に記載のインジェクタの制御装置。
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