以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る賞品取扱システム1の模式的な斜視図である。賞品取扱システム1は、例えばパチンコ店等の遊技施設に設置され、賞品管理装置2と賞品払出装置3とを含む。賞品管理装置2は、特殊賞品と呼ばれる賞品Pや、菓子等の一般賞品の在庫等を管理するPOS端末であって、遊技施設における受付カウンターC上に設置される。
賞品Pの一例は、例えば数ミリ程度の厚さを有するカードである。この実施形態では、大賞品、中賞品および小賞品といった、金銭価値に応じた3種類の賞品Pが登場するが、大賞品よりも金銭価値の高い特大賞品が存在してもよい。賞品Pの表面の色は、賞品Pの種類毎に異なっている。一例として、大賞品の表面は赤色であり、中賞品の表面は青色であり、小賞品の表面は黄色である。賞品Pは、通い箱4に収容された状態にて市場に流通する。
賞品払出装置3は、賞品Pを払い出す装置であり、受付カウンターCのフロアにおいて賞品管理装置2に隣接して配置されている。賞品払出装置3は、賞品Pを保管する機能を有する賞品保管装置でもあり、LAN(図示せず)等を介して賞品管理装置2に対して通信可能に接続されている。なお、図1では、1台の賞品管理装置2と1台の賞品払出装置3が接続されることによって賞品取扱システム1を構成しているが、賞品取扱システム1では、複数台の賞品管理装置2が1台の賞品払出装置3に接続されてもよいし、逆に、複数台の賞品払出装置3が1台の賞品管理装置2に接続されてもよい。
賞品Pを払い出す際には、遊技施設において受付カウンターCを担当する係員(以下では使用者という)が、賞品管理装置2に設けられたキーボードやタッチパネル等の操作部2Aを操作する。すると、賞品管理装置2が賞品払出装置3に対して賞品Pの払い出しを指示するので、賞品払出装置3は、指示に応じた種類および個数の賞品Pを払い出す。また、賞品払出装置3における種類毎の賞品Pの在庫に関する情報が賞品払出装置3から賞品管理装置2に入力されるので、賞品管理装置2は、賞品Pの在庫を更新する。一方、遊技客によってパチンコ玉等の遊技媒体と一般賞品との交換を依頼された使用者は、指定された一般賞品を操作部2Aの操作によって選択してから、この一般賞品を遊技客に手渡す。賞品管理装置2は、操作部2Aの操作に応じて、この一般賞品の在庫を更新する。後述するように、賞品Pは、通い箱4に収容された状態のまま賞品払出装置3内に装填され、賞品払出装置3から払い出される。すなわち、使用者は、賞品Pを、手作業によって通い箱4から取り出して賞品払出装置3内に移し替える必要がない。
賞品払出装置3は、その外殻をなすボックス状に形成された装置本体11と、装置本体11に設けられた単数または複数(ここでは3つ)の収納部12とを含む。なお、図1の紙面の左右方向は、賞品払出装置3の左右方向X(所定の横方向)と一致し、図1の紙面に略直交する方向は、賞品払出装置3の前後方向Yと一致し、図1の紙面の上下方向は、賞品払出装置3の上下方向Zと一致している。左右方向Xおよび前後方向Yは、横方向に含まれる。左右方向Xは、左側X1と右側X2とを含み、前後方向Yは、図1の紙面の手前側に一致した前側Y1と、図1の紙面の奥側に一致した後側Y2とを含み、上下方向Zは、上側Z1と下側Z2とを含む。
装置本体11は、天板13と、この天板13を支持する左右一対の側板14とを有している。天板13の下面には、前後方向Yにスライド可能な複数(例えば収納部12と同数)の補助テーブル15が、左右方向Xに並んで設けられている。前側Y1へ引き出された補助テーブル15は、天板13を拡張するために機能するので、使用者は、天板13を広く使用することができる。これらの補助テーブル15の下面には、前後方向Yにスライド可能な1つの引出し16が設けられている。引出し16には、事務用品等の備品や、遊技施設内の機器についての取扱説明書等の書類が収納される。装置本体11には、その前面11Aのほぼ全域に亘る開口11Bが形成されている。開口11Bの上縁は、引出し16によって仕切られている。開口11Bは、装置本体11の内部空間に連通している。
天板13は、透明な板であり、より具体的にはアクリル板である。天板13の上面は、装置本体11の天面を構成している。天板13の上面は、その略前半分を占める水平面である払出面13Aと、払出面13Aの後側Y2において左右方向Xに延び、払出面13Aよりも一段高い段部13Bとを含む。払出面13Aにおける後寄りの領域には、左右方向Xに長手の払出口13Cが形成されている。払出口13Cは、収納部12と同数(ここでは3つ)存在し、左右方向Xに並んで配置されている。
賞品払出装置3は、払出口13Cを開閉するシャッタ17と、店側表示部18と、客側表示部19とをさらに含む。シャッタ17は、左右方向Xに長手の板状に形成され、払出口13Cと同数存在する。各シャッタ17は、対応する払出口13Cを閉じた閉位置(図1参照)と、段部13B内に後退して払出口13Cを開いた開位置との間で前後方向Yにスライド可能である。各シャッタ17は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力によって開閉される。
店側表示部18は、例えばタッチパネルによって構成され、段部13Bに固定されて受付カウンターCの使用者側に臨んでいる。店側表示部18には、使用者向けの情報が表示される。客側表示部19は、例えばタッチパネルによって構成され、段部13Bに固定されている。客側表示部19は、遊技媒体と賞品Pとの交換のために受付カウンターCに来る遊技客側に臨んでいる。店側表示部18および客側表示部19は、装置本体11に対して着脱可能であってもよい。
収納部12は、賞品Pを通い箱4ごと収納するものである。この実施形態では、3つ収納部12が左右方向Xに並んでいる。図1に示すように装置本体11内に目一杯収容された状態における収納部12は、前後方向Yにおける収容位置にある。図1に示すように全ての収納部12が収容位置にある場合には、これらの収納部12の前面が、面一となって開口11Bを塞いだ状態にて、装置本体11から前側Y1に露出されている。収容位置にある各収納部12の真上には、装置本体11の払出面13Aにおけるいずれか1つの払出口13Cが位置している。
各収納部12は、前述した収容位置から、前側Y1の引出位置へ前後方向Yに引き出し可能である。使用者は、各収納部12の前面に設けられた取っ手12Aを操作することによって、収納部12を引出位置まで引き出したり、収容位置まで押し込んだりすることができる。なお、収納部12の移動は、使用者の手動によって行われてもよいし、装置本体11内に設けられたモータ等の駆動装置により自動的に行われてもよい。装置本体11には、各収納部12を収容位置においてロックしたり、そのロックを解除したりするロック機構20(後述する図6を参照)が設けられている。ロック機構20として、公知の構成を用いることができる。
収納部12について詳しく説明するのに先立って、通い箱4について説明する。図2は、通い箱4の斜視図である。通い箱4は、所定方向(図2では左右方向)に長手のボックス状に形成されていて、例えば樹脂製である。通い箱4は、対向配置された一対の側壁21と、一対の側壁21間に架設された少なくとも2つ(図2では6つ)の区画壁22と、通い箱4の底をなす1つの閉塞壁23とを一体的に含む。
一対の側壁21は、通い箱4の長手方向Lにおいて長手の略長方形の板状に形成されていて、それぞれの板厚方向に沿って対向するように平行に配置されている。一対の側壁21の対向方向は、通い箱4において長手方向Lに直交する短手方向Sである。また、通い箱4の深さ方向Dは、長手方向Lおよび短手方向Sの両方に直交している。
各区画壁22は、長手方向Lに一致した板厚方向を有する略矩形の板状に形成されている。区画壁22は、一対の側壁21において長手方向Lにおける一端縁間と他端縁間とに1つずつ架設され、残りの区画壁22は、長手方向Lに等間隔で並んだ状態で一対の側壁21の途中部間に架設されている。そのため、通い箱4には、大きさの等しい略直方体状の5つの収容空間24が、長手方向Lに等間隔で並んで形成されている。
閉塞壁23は、深さ方向Dに一致した板厚方向を有し、長手方向Lにおいて長手の略長方形の板状に形成されている。閉塞壁23は、深さ方向Dにおける一方側(図2では下側)から各側壁21および各区画壁22に対して接続されていて、各収容空間24を当該一方側から塞いでいる。各収容空間24において深さ方向Dにおける他方側(図2では上側)の端部は、略矩形状の出入口25として、当該他方側へ開放されている。
通い箱4は、出入口25とは別に設けられた開口部26を含む。開口部26は、長手方向Lにおいて各収容空間24と同じ位置に一対ずつ、この実施形態では5対設けられている。つまり、開口部26は、短手方向Sにおける通い箱4の両側において、5つずつ長手方向Lに等間隔で並んで設けられている。各対における2つの開口部26は、長手方向Lで同じ位置にあって、短手方向Sにおける通い箱4の中心を基準として対称になるように構成されている。各開口部26は、収容空間24を外部に露出させるスリット状であり、短手方向Sにおける閉塞壁23の端部を切り欠きつつ、短手方向Sにおいて当該端部と同じ側にある側壁21を深さ方向Dに沿って切り欠いて、出入口25の手前まで直線状に延びている。なお、開口部26の形状は、任意に変更できる。
賞品Pを収容して流通しているときの通い箱4の姿勢は、図2に示すように各出入口25が上を向いた基本姿勢である。賞品Pは、出入口25を介して各収容空間24に収容される。各収容空間24の大きさが等しいので、賞品Pは、所定数ずつ(この実施形態では20枚ずつ)、各収容空間24に収容される。複数の賞品Pは、それぞれの板厚方向が短手方向Sと一致して閉塞壁23から起立した姿勢で、各収容空間24に積層状態で収容され、その状態の各賞品Pでは、出入口25側の部分が出入口25からはみ出ている。また、前述した所定数の賞品Pが収容された収容空間24(図2における右端の収容空間24を参照)では、短手方向Sの両端に位置する賞品Pの一部が、短手方向Sにおける同じ側の開口部26から露出されている。この実施形態では、1つの通い箱4に収容される複数の賞品Pの種類は、大賞品、中賞品および小賞品のいずれか一種類である。変形例として、複数種類の賞品Pが1つの通い箱4に収容されてもよく、その場合の各収容空間24には賞品Pが一種類ずつ収容される。
次に、収納部12について詳しく説明する。図3は、収納部12の模式的な斜視図である。各収納部12は、前後方向Yに並ぶ2つの収納本体部31と、これらの収納本体部31の間に配置された繰出払出部32とを含む。2つの収納本体部31のうち、前側Y1のものを前側収納本体部31Aといい、後側Y2のものを後側収納本体部31Bというがある。図3では、各収納本体部31と繰出払出部32との境界が1点鎖線で図示されている。収納本体部31と繰出払出部32とは一体化されていてもよいし、別々に存在して組み合わされることによって収納部12を構成してもよい。
各収納本体部31は、その外殻をなすボックス状に形成された本体33を含む。収納部12の上面を構成する本体33の上面には、略矩形状の装填口33Aと、装填口33Aを開閉する略矩形板状の扉33Bとが設けられている。扉33Bは、前後方向Yにおいて繰出払出部32に最も近い端部に設けられたヒンジ33Cを介して本体33に連結されていて、ヒンジ33Cを中心として回動することによって開閉される。前側収納本体部31Aの本体33の前面は、取っ手12Aが設けられた収納部12の前面を構成している。
図4は、賞品払出装置3の内部の模式的な右側面図である。各収納部12における各収納本体部31の本体33の内部には、左右一対の搬送体34と、複数(ここでは6つ)の装填部35とが設けられている。各搬送体34は、無端状のチェーンまたはベルト(ここではチェーン)によって構成されており、左右方向Xから見て例えば略矩形の環状をなしている。搬送体34は、モータ(図示せず)等の駆動部の駆動力を受けることによって、左右方向Xから見て時計回りおよび反時計回りのそれぞれの方向へ向けて周回移動する。この駆動部と搬送体34とは、移動機構50を構成する。
各装填部35は、左右方向Xに長手のトレイ状に形成されている。各装填部35の内部空間は、左右方向Xに長手となった通い箱4をちょうど収容できる大きさを有する。上向き姿勢の装填部35には、その上面を全域に亘って開放した出入口35Aと、前後の両側壁のそれぞれを切り欠いたスリット状の開口部(図示せず)とが形成されている。この開口部は、装填部35の前壁および後壁において、通い箱4の開口部26(図2参照)に合致する位置に同数形成され、左右方向Xに並んで配置されている。
各装填部35には、通い箱4が1つずつ装填される。これにより、通い箱4内の賞品Pは、通い箱4を介して収納部12内で装填部35に装填される。通い箱4が装填された装填部35では、前述した開口部と通い箱4の開口部26とが1つずつ整合している。また、1つの通い箱4内には、同じ種類の賞品Pが収納されるので、1つの装填部35には、同じ種類の賞品Pが装填される。しかし、各収納部12内の前側収納本体部31Aおよび後側収納本体部31Bのそれぞれにおいて、装填部35毎に、賞品Pの種類が異なってもよい。つまり、各収納部12は、複数種類の賞品P(ここでは、大賞品、中賞品および小賞品)をまとめて収納している。
これらの装填部35は、左右一対の搬送体34の周回方向Rに沿って環状に並んで配置された状態で、これらの搬送体34の間に架設されている。そのため、移動機構50が作動することによって左右の搬送体34が周回移動すると、これらの装填部35は、搬送体34とともに周回移動する。また、各装填部35は、搬送体34との連結部分において、左右方向Xに延びる回動軸線(図示せず)まわりに回動自在である。そのため、各装填部35は、原則として、上向き姿勢を維持するように回動しながら、ゴンドラのように周回移動する。
図4を参照するとともに、収納部12の内部の模式的な平面図である図5も参照して、各収納本体部31の内部において前後方向Yにおける外側の端部(前側収納本体部31Aの場合は前端部であり、後側収納本体部31Bの場合は後端部)には、識別計数部36が配置されている。識別計数部36は、左右方向Xに延びるホルダ37と、ホルダ37において繰出払出部32を臨む側面(前側収納本体部31Aの場合は後面であり、後側収納本体部31Bの場合は前面)に設けられた識別部38および計数部39とを含む。左右方向Xに隣り合った識別部38および計数部39が1つの組を構成し、各識別計数部36では、この組が、左右方向Xに等間隔で5組並んでいる。識別計数部36は、収納本体部31の本体33によって支持されており、ステッピングモータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けて昇降する。
識別部38の一例は、発光部(図示せず)および受光部(図示せず)を含んだカラーセンサである。この場合、発光部が、被検知物である賞品Pに対して光を照射し、その反射光を受光部が受光する。識別部38は、この反射光をRGB値に変換して分析することによって賞品Pの表面の色を検知し、この検知結果に基づいて賞品Pの真偽や種類を識別する。なお、識別情報を記憶したICチップが賞品Pに内蔵されていて、識別部38は、非接触でICチップから識別情報を読み取ることによって、賞品Pの真偽や種類を識別してもよい。
計数部39の一例は、発光部(図示せず)および受光部(図示せず)を含んだ光学式の反射型センサである。この場合、発光部が、賞品Pに対して光を照射し、その反射光を受光部が受光する。計数部39は、識別計数部36の昇降に伴い、通い箱4において上下方向Zに積層された賞品Pの端部の凸形状を、発光部からの光によってなぞる。これによって、連続する複数の凸形状の輪郭にほぼ一致する波形データが得られるので、計数部39は、この波形データにおける凸形状の数を数えることによって、賞品Pを計数することができる。
繰出払出部32は、その外殻をなすボックス状に形成された本体40を含む。本体40の上面40Aには、左右方向Xに長手の出口40Bが1つ形成されている(図3も参照)。出口40Bは、本体40の内部空間40Cを上側Z1に露出させている。収納部12が収容位置にある状態では、この収納部12の出口40Bが、左右方向Xにおいて同じ位置ある1つの払出口13Cの真下に配置される。繰出払出部32は、繰出ユニット41および払出ユニット42を含む。繰出ユニット41は、左右一対設けられている。左右2つの繰出ユニット41のうち、左側X1のものは、前側収納本体部31A用の繰出ユニット41Aであり、右側X2のものは、後側収納本体部31B用の繰出ユニット41Bである。各繰出ユニット41は、単数または複数の繰出部43を含む。
繰出部43は、左右方向Xから見て略三角形の環状をなす無端状の繰出ベルト44と、繰出ベルト44の内側において略三角形の各頂点部分に1つずつ配置されたローラ45と、例えばウレタンで構成された外周面を有する繰出ローラ46と、繰出ベルト44の外周面に設けられた繰出部材47とを含む。繰出ベルト44は、少なくもいずれかのローラ45がモータ等の駆動部(図示せず)により駆動回転されることによって、周回移動する。繰出部材47は、繰出ベルト44の外周面から突出した爪状に形成され、各繰出ベルト44において、複数の繰出部材47が繰出ベルト44の周回方向に沿って等間隔で設けられている。
各繰出ユニット41は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けることによって、待機姿勢と繰出姿勢との間で姿勢変更可能である。待機姿勢にあるときの各繰出ユニット41は、図4に示すように本体40の内部空間40Cに収まっていて、各繰出部43における繰出ベルト44の平坦部分44Aが上下方向Zに沿っている。繰出姿勢にあるときの繰出ユニット41A(後述する図8を参照)では、繰出部43が内部空間40Cから前側Y1へはみ出して、繰出部43の繰出ベルト44の平坦部分44Aが前後方向Yに沿って水平になっている。繰出姿勢にあるときの繰出ユニット41B(図8を参照)では、繰出部43が内部空間40Cから後側Y2へはみ出して、繰出部43の繰出ベルト44の平坦部分44Aが前後方向Yに沿って水平になっている。繰出姿勢にあるときの各繰出ユニット41では、繰出部43が、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けることによって左右方向Xにスライド可能である。
図5を参照して、本体40の内部空間40Cにおける略上半分の領域は、複数の鉛直な板状の仕切部48によって、複数の縦長の繰出空間40Dへと区画されている。繰出空間40Dは、通い箱4の収容空間24と同数(ここでは5つ)存在し、本体40の出口40Bの真下において、左右方向Xに等間隔で並んでいる。
払出ユニット42は、払出部49を含む。払出部49は、上下方向Zに一致した板厚方向を有する略矩形の板状であり、各繰出空間40Dに1つずつ配置されており、合計で5つ存在する。払出ユニット42は、全ての払出部49を一括して保持する保持部(図示せず)を含む。全ての払出部49は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けることによって、繰出空間40Dの下端に設定された待機位置と、繰出空間40Dの上端に設定された払出位置との間で、保持部と一体となって昇降する。
図6は、賞品払出装置3の電気的構成を示すブロック図である。賞品払出装置3は、制御部51を含む。制御部51は、CPUやROMやRAM等によって構成され、タイマ等を内蔵し、装置本体11に設けられている。制御部51には、シャッタ17、店側表示部18、客側表示部19およびロック機構20のそれぞれに関連した電気部品(例えば、前述した駆動部やセンサ等)が電気的に接続されている。また、制御部51には、各収納部12が電気的に接続されている。具体的には、収納部12の各収納本体部31において搬送体34を周回移動させる移動機構50が電気的に接続されている。また、制御部51には、各収納部12の繰出払出部32および各収納本体部31の識別計数部36に関連した電気部品が電気的に接続されている。
制御部51は、これらの電気部品の動作を制御することによって、賞品払出装置3の内部の賞品Pを識別および計数する識別計数処理と、内部の賞品Pを繰り出して機外(つまり装置本体11の外)に払い出す繰出払出処理と、賞品Pを補充する補充処理とを実行する。これらの処理に関連して、制御部51は、店側表示部18や客側表示部19に必要な情報を表示したり、使用者による店側表示部18の操作に応じた指示を受け付けたりする。
賞品払出装置3は、記憶部52をさらに備えている。記憶部52は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部52は、制御部51に電気的に接続されている。記憶部52は、各装填部35に装填された通い箱4内の賞品Pの種類および収納数(在庫数ともいう)等を装填部35毎に記憶している。また、記憶部52は、過去の賞品Pの払出履歴といった情報も記憶している。
以下では、識別計数処理、繰出払出処理および補充処理について、この順番に説明する。識別計数処理の場合、図4および図5を参照して、制御部51は、搬送体34を、前側収納本体部31Aでは右側面視において反時計回りに周回移動させ、後側収納本体部31Bでは右側面視において時計回りに周回移動させる。そして、各収納本体部31では、識別計数処理の対象となる装填部35が、識別計数部36の上方に配置された所定位置に上側Z1から接近すると、第1の姿勢変更機構(図示せず)により、図4に示すように、出入口35Aが横を向いた横向き姿勢に傾倒する。
前側収納本体部31Aでは、前側下端にある装填部35が横向き姿勢にあって、この装填部35の出入口35Aが前側Y1を向いている。また、この装填部35に装填された通い箱4も、出入口25が前側Y1を向いた横向き姿勢にあって、通い箱4内の賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口25から前側Y1へはみ出しており、当該賞品Pの前端面が識別計数部36側を向いている。後側収納本体部31Bでは、後側下端にある装填部35が横向き姿勢にあって、この装填部35の出入口35Aが後側Y2を向いている。また、この装填部35に装填された通い箱4も、出入口25が後側Y2を向いた横向き姿勢にあって、通い箱4内の賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口25から後側Y2へはみ出しており、当該賞品Pの後端面が識別計数部36側を向いている。
図4に示すように、装填部35が上向き姿勢から横向き姿勢に変わって識別計数部36に上側Z1から接近すると、制御部51は、搬送体34の周回移動を停止する。このとき、各収納本体部31では、識別計数部36における識別部38および計数部39の組(図5参照)が、横向き姿勢の装填部35に装填された通い箱4の各収容空間24に対して1組ずつ左右方向Xにおいて同じ位置にある。この状態において、制御部51は、識別計数部36を、例えば下端の待機位置から上昇させる。その際、各組における識別部38および計数部39が、当該通い箱4において左右方向Xで同じ位置にある収容空間24に前後方向Yから対向しながら上昇する。識別部38は、左右方向Xで同じ位置にある収容空間24に収容されて上下方向Zに積層された状態にある賞品Pの種類を下側Z2から順に1つずつ非接触で識別し、計数部39は、当該収容空間24に収容されて上下方向Zに積層された状態にある賞品Pを下側Z2から順に1つずつ非接触で計数する。横向き姿勢の装填部35に装填された通い箱4の各収容空間24における全ての賞品Pについての識別および計数が完了して識別計数部36が待機位置まで下降すると、識別計数処理が終了する。
識別計数処理は、全ての収納部12において一度に実行されてもよいし、使用者による店側表示部18での操作によって選択された所定の収納部12において個別に実行されてもよい。また、識別計数処理は、各収納部12では、前後の両方の収納本体部31において一度に実行されてもよいし、前後のどちらかの収納本体部31において個別に実行されてもよい。また、識別計数処理は、各収納本体部31において、全ての装填部35に装填された通い箱4について実行されてもよいし、使用者によって指定された装填部35に装填された通い箱4のみについて実行されてもよい。いずれにせよ、制御部51は、識別計数処理の度に、賞品払出装置3内の各装填部35における賞品Pの在庫数を更新する。
各装填部35における賞品Pの種類および在庫数は、装填部35毎に割り当てられた識別情報と関連付けてテーブル(図示せず)にまとめられ、記憶部52に記憶されている。制御部51は、このテーブルの内容を、図7に示す在庫画面55として店側表示部18に表示することができる。図7以降では、説明の便宜上、黒く塗り潰された部分を、大賞品の種類を示す赤色の部分とし、右下へ延びる斜線のハッチングが施された部分を、中賞品の種類を示す青色の部分とし、右上へ延びる斜線のハッチングが施された部分を、小賞品の種類を示す黄色の部分としている。
一例として、店側表示部18の上端部には、賞品払出装置3における様々な処理(メニュー)を選択等するためのタッチキーであるメニューキー56が表示され、在庫画面55は、店側表示部18においてメニューキー56よりも下側の領域に表示される。在庫画面55には、見出し57と、各装填部35における賞品Pの種類および在庫数が示された個別表示部58とが表示されている。見出し57は、左右方向Xに並ぶ3つの収納部12と同数存在し、例えば在庫画面55の下端部において左右に並んで表示されている。左端の見出し57は、左端の収納部12に対応しており、この収納部12を指す<レーン左>という文字が、この見出し57に表示されている。真ん中の見出し57は、真ん中の収納部12に対応しており、この収納部12を指す<レーン中>という文字が、この見出し57に表示されている。右端の見出し57は、右端の収納部12に対応しており、この収納部12を指す<レーン右>という文字が、この見出し57に表示されている。
個別表示部58は、賞品払出装置3内における装填部35と同数(1つの収納部12につき12個)存在し、在庫画面55において各見出し57の真上の領域に12個ずつ表示されている。各見出し57の真上の12個の個別表示部58は、各収納部12における前側収納本体部31Aおよび後側収納本体部31Bに応じて、6個ずつにまとまって表示されている。これら12個の個別表示部58において、在庫画面55における下側の6個の個別表示部58は、前側収納本体部31Aにおける6個の装填部35に1つずつ対応し、上側の6個の個別表示部58は、後側収納本体部31Bにおける6個の装填部35に1つずつ対応している。各個別表示部58は、対応する1つの装填部35に割り当てられた賞品Pの種類についての情報を示す種類表示部58Aと、この装填部35における現在の在庫数を示す在庫数表示部58Bとを含む。種類表示部58Aでは、対応する賞品Pの種類についての情報として、この賞品Pの色および種類名の少なくともいずれか(図7では両方)が表示されている。
図8を参照して、繰出払出処理について説明する。繰出払出処理は、通い箱4から賞品Pを1枚ずつ繰り出す繰出処理と、繰出処理により繰り出された賞品Pを機外へ払い出す払出処理とを含む。繰出処理が始まると、制御部51は、前側収納本体部31Aでは搬送体34を右側面視において時計回りに周回移動させ、後側収納本体部31Bでは搬送体34を右側面視において反時計回りに周回移動させる。各収納本体部31では、繰出処理の対象となる装填部35が、払出ユニット42の払出部49に接近すると、第2の姿勢変更機構(図示せず)により、図8に示すように、出入口35Aが横を向いた横向き姿勢に傾倒する。
このとき、前側収納本体部31Aでは、後側上端にある装填部35が横向き姿勢にあって、この装填部35の出入口35Aが後側Y2を向いている。また、この装填部35に装填された通い箱4も、出入口25が後側Y2を向いた横向き姿勢にあって、通い箱4内の賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口25から後側Y2へはみ出していて、当該賞品Pの後端面が繰出払出部32側を向いている。後側収納本体部31Bでは、前側上端にある装填部35が横向き姿勢にあって、この装填部35の出入口35Aが前側Y1を向いている。また、この装填部35に装填された通い箱4も、出入口25が前側Y1を向いた横向き姿勢にあって、通い箱4内の賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口25から前側Y1へはみ出していて、当該賞品Pの前端面が繰出払出部32側を向いている。
図8に示すように、横向き姿勢の装填部35に装填された通い箱4内における最下位の賞品Pが、払出ユニット42において待機位置にある払出部49の上面と上下方向Zにおいてほぼ同じ位置になると、制御部51は、搬送体34の周回移動を停止する。搬送体34の周回移動の停止に前後して、制御部51は、繰出ユニット41の姿勢を待機姿勢から繰出姿勢に切り換える。繰出姿勢の繰出ユニット41Aでは、繰出部43が、前側収納本体部31Aの本体33の内部空間に後側Y2から進入し、横向き姿勢の装填部35に装填された通い箱4の真下に配置される。繰出姿勢の繰出ユニット41Bでは、繰出部43が、後側収納本体部31Bの本体33の内部空間に前側Y1から進入し、横向き姿勢の装填部35に装填された通い箱4の真下に配置される。
次いで、制御部51は、繰出部43における繰出ベルト44を周回移動させ、繰出ローラ46を回転させる。このとき、繰出ユニット41Aでは、右側面視において繰出ベルト44が時計回りに周回移動して繰出ローラ46が反時計回りに回転する。また、繰出ユニット41Bでは、右側面視において繰出ベルト44が反時計回りに周回移動して繰出ローラ46が時計回りに回転する。周回移動する繰出ベルト44に設けられた繰出部材47が、繰出ベルト44の平坦部分44Aにおいて払出部49側へ水平移動する。その際、繰出部材47が、横向き姿勢の装填部35に装填された通い箱4の開口部26(図2参照)に進入して、当該通い箱4の収容空間24内の最下位の賞品Pを引っ掛けて払出部49側へ繰り出す。
払出部49側へ繰り出された賞品Pは、駆動回転される繰出ローラ46に接触することによって払出部49側へ押し出され、左右方向Xにおいて同じ位置にある1つの払出部49上に載る。そして、繰出ベルト44の周回移動と繰出ローラ46の回転が繰り返されることによって、横向き姿勢の装填部35に装填された通い箱4において各繰出部43の真上に位置する収容空間24内の賞品Pが、下側Z2の賞品Pから順に1つずつ繰り出されて、払出部49上に集積される。
なお、繰り出された賞品Pが払出部49において上側Z1に集積されるように、賞品Pの繰り出しの度に、制御部51は、払出部49を待機位置から徐々に下降させてもよい。また、制御部51は、繰出部43を左右方向に移動させて、先ほど賞品Pを繰り出した収容空間24とは別の収容空間24の賞品Pを繰出部43によって繰り出してもよい。この場合、当該別の収容空間24から繰り出された賞品Pは、先ほどの払出部49とは別の払出部49に集積される。通い箱4における全ての収容空間24が空になると、制御部51は、繰出ユニット41を一旦待機姿勢に戻した後に搬送体34を周回移動させ、別の通い箱4が装填された装填部35を横向き姿勢にする。その後、制御部51は、繰出ユニット41を繰出姿勢に姿勢変更して、当該別の通い箱4から賞品Pを繰り出す。
以上の繰出処理が完了すると、制御部51は、払出処理を開始する。具体的には、制御部51は、払出処理の対象となる収納部12の真上のシャッタ17を、図8に示す開位置までスライドさせる。これにより、このシャッタ17によって開閉される払出口13Cと、この収納部12の出口40Bとが上側Z1へ開放される。そして、制御部51は、この収納部12における5つ全ての払出部49を、破線にて示す払出位置まで上昇させる。これにより、各払出部49上に繰り出された賞品Pが、出口40Bおよび払出口13Cから上側Z1に露出されることによって機外へ払い出されるので、使用者は、払出部49上の賞品Pを受け取ることができる。
払出部49が払出位置まで上昇したとき、1つの払出口13Cでは、5つの払出部49が並んでおり、これにより、この払出口13Cは、5つの個別払出口13Dに区分けされている(後述する図9参照)。前述したように各収納部12には複数種類の賞品Pがまとめて収納されているので、各個別払出口13Dからは、決まった種類の賞品Pが払い出されるとは限らず、各収納部12内の複数種類の賞品Pが払い出される。各個別払出口13Dにおける払出部49上の賞品Pが使用者によって取り出された後に、制御部51は、払出部49を待機位置まで下降させる。さらに、制御部51は、今まで開位置にあったシャッタ17を閉位置までスライドさせ、各繰出ユニット41を繰出姿勢から待機姿勢(図4参照)まで戻す。これにより、払出処理が終了し、一連の繰出払出処理が完了する。
図9は、賞品払出装置3の天板13の一部を示す模式的な平面図である。賞品払出装置3は、表示部61をさらに含む。表示部61は、左右方向Xに長い帯状の表示器であって、収納部12と同数存在し、天板13の払出面13Aにおいて所定の間隔を隔てて左右方向Xに並んでいる。表示部61に関連して、払出面13Aにおいて各払出口13Cの手前側には、左右方向Xに長い帯状の表示領域62が1つずつ設けられている(図1も参照)。表示部61は、各表示領域62において1つずつ天板13に埋め込まれ、制御部51に対して電気的に接続されており(図6参照)、制御部51の制御によって表示領域62に数字や文字等の記号を表示する。
以下では、左端の収納部12に収納されている賞品Pが払い出される払出口13C(レーン左の払出口13C)に対応する左端の表示部61を、表示部61Lということがある。真ん中の収納部12に収納されている賞品Pが払い出される払出口13C(レーン中の払出口13C)に対応する真ん中の表示部61を、表示部61Cということがある。右端の収納部12に収納されている賞品Pが払い出される払出口13C(レーン右の払出口13C)に対応する右端の表示部61を、表示部61Rということがある。各表示部61は、左右方向Xに並ぶ複数(1つの払出口13Cに含まれる個別払出口13Dと同数であり、ここでは5つ)の個別表示部63を含む。
表示部61Lにおける左端の個別表示部63を参照して、各個別表示部63は、例えば、16個のセグメント64によって構成された記号表示部65と、記号表示部65の手前側において左右方向Xに長い1本の直線状のセグメント66によって構成された下線表示部67とを含む。16個のセグメント64のうち、8つのセグメント64は、記号表示部65における矩形状の外周部を構成するように環状に配置され、残りの8つのセグメント64は、記号表示部65の外周部よりも内側の領域において、プラス(+)とバツ(×)とを構成するように4つずつに分かれて配置されている。各セグメント64および66は、LED等の発光素子を内蔵している。一例として、記号表示部65は、各セグメント64のLEDが発光することによって、AからZまでの大文字の英文字と、0~19までの数字とを選択的に表示できる。下線表示部67は、セグメント66が発光することによって、記号表示部65の真下に下線を表示できる。
記号表示部65および下線表示部67を構成するセグメントは、白色LEDを内蔵しているため、各個別表示部63は、数字や文字等の記号をフルカラー表示することができる。なお、図9では、記号表示部65として16セグメントの表示器を採用しているが、8の字に配置された7つのセグメント64によって構成された7セグメントの表示器を採用してもよい。各個別表示部63は、各セグメント64および66の発光状態にのみ表示領域62に記号を表示する。しかし、これらのセグメントの非発光状態では、表示領域62に記号が表示されないので、非表示時の個別表示部63は視認できない。なお、セグメント64および66の発光状態とは、点灯状態および点滅状態のどちらでもよい。
図10は、表示部61の表示内容の一例を示す模式図である。制御部51は、識別計数処理を実行すると、賞品払出装置3内における賞品Pの在庫数を、賞品Pの種類毎に表示部61に表示する。図10(a)では、一例として、大賞品の在庫数である1200が、大賞品の種類を示す赤色によって表示部61Lに表示され、中賞品の在庫数である700が、中賞品の種類を示す青色によって表示部61Cに表示され、小賞品の在庫数である300が、小賞品の種類を示す黄色によって表示部61Rに表示される。なお、図10では、青色(右下へ延びる斜線のハッチング)および黄色(右上へ延びる斜線のハッチング)が見やすくなるように、これらのハッチングの周囲に存在する非発光のセグメント64の図示を省略している(後述する図16においても同様)。
制御部51は、繰出払出処理を実行する際には、これから払い出される賞品Pまたは既に払い出された賞品Pの数である払出数を、賞品Pの種類毎に表示部61に表示する。図10(b)では、一例として、大賞品の払出数(ここでは種類毎の総数)である18が赤色によって表示部61Lに表示され、中賞品の払出数である3が青色によって表示部61Cに表示され、小賞品の払出数である5が黄色によって表示部61Rに表示されている。なお、別の表示例として、賞品Pが払い出される個別払出口13D(図9参照)と左右方向Xにおいて同じ位置にある個別表示部63において、この個別払出口13Dから払い出される賞品Pの払出数が、この賞品Pの種類を示す色によって表示されてもよい(後述する図16(b)参照)。これにより、使用者は、どの種類の賞品Pがどの個別払出口13Dから払い出されるのかを容易に把握できる。
通い箱4毎に、賞品Pが0枚のエンプティ、または、賞品Pが所定枚数未満のニアエンプティといった状況が想定される。制御部51は、各装填部35における賞品Pの在庫数に基いて、各装填部35に装填された通い箱4においてエンプティやニアエンプティが発生しているか否かを監視している。ニアエンプティが発生している場合には、制御部51は、図10(c)の表示部61Lにて示すように、全ての個別表示部63の下線表示部67を点灯または点滅させる。このときの下線表示部67は、ニアエンプティが発生している賞品Pに付された色にて発光する。なお、ニアエンプティの表示は、全ての表示部61でなく、ニアエンプティが生じている通い箱4を収容している収納部12に対応する表示部61だけで行われてもよい。エンプティが発生している場合には、図10(c)の表示部61Cにて示すように、制御部51は、表示部61において「EMPTY」の文字を、下線表示部67のアンダーバー付きで点灯表示または点滅表示させる。このときの表示部61は、エンプティが発生している賞品Pに付されている色で表示される。なお、エンプティの表示は、全ての表示部61でなく、エンプティが生じている通い箱4を収容している収納部12に対応する表示部61だけで行われてもよい。
賞品払出装置3は、賞品Pの払出時等に発生したエラーを検出する機能を備えている。このようなエラーとして、繰出処理や払出処理での賞品Pの搬送不良等を例示できる。エラーが発生したときには、図10(c)の表示部61Rにて示すように、制御部51は、エラーが発生した収納部12に対応する表示部61において「ERROR」の文字を赤色で点灯表示または点滅表示させる。また、エラーの発生時には、店側表示部18においてもエラー発生の旨が表示される。
補充処理の場合には、使用者が、店側表示部18を操作することによって、補充処理の対象となる収納部12を1つ選択する。すると、制御部51は、選択された収納部12についてのロック機構20によるロックを解除することによって、この収納部12の引出位置までの引き出しを許可する。次に、使用者が、ロックが解除された収納部12の取っ手12Aを掴んで前側Y1に引くと、この収納部12は、図11に示す引出位置まで引き出される。使用者が、引出位置まで引き出された収納部12の取っ手12Aを後側Y2に押すと、収納部12が収容位置まで戻る。
引出位置には、収納部12が目一杯引き出されたときの位置である最大引出位置と、収容位置と最大引出位置との間の途中引出位置とがある。最大引出位置まで引き出された収納部12では、前側収納本体部31Aおよび後側収納本体部31Bの両方が装置本体11(1点鎖線で示した装置本体11)よりも前側Y1に位置しており、これらの収納本体部31の上面の装填口33Aが装置本体11の外に配置されている。途中引出位置まで引き出された収納部12では、後側収納本体部31Bが装置本体11内に残っていて、少なくとも前側収納本体部31Aが装置本体11(2点鎖線で示した装置本体11)よりも前側Y1に位置しており、前側収納本体部31Aの上面の装填口33Aが装置本体11の外に配置されている。最大引出位置または途中引出位置まで引き出された収納部12では、装填口33Aから当該収納部12内に賞品Pを装填することができる。
最大引出位置または途中引出位置まで引き出された収納部12では、使用者が収納本体部31(図11では前側収納本体部31Aを参照)の扉33Bを開いて装填口33Aを上側Z1に開放する。扉33Bが開くのに先立って制御部51が搬送体34を周回移動させ、これにより、空の2つの装填部35が、装填口33Aの真下において前後に並んで配置される。空の装填部35とは、通い箱4が装填されていない装填部35、または、エンプティもしくはニアエンプティの状態の通い箱4が装填された装填部35を指す。装填口33Aの前側領域および後側領域のそれぞれに、空の装填部35が1つずつ配置される。
以下では、前側収納本体部31Aの装填口33Aにおいて、前側領域を補充口(1)といい、後側領域を補充口(2)といい、後側収納本体部31Bの装填口33Aにおいて、前側領域を補充口(3)といい、後側領域を補充口(4)という。装填口33Aにおける補充口(1)~(4)のいずれかの真下に配置されたときの装填部35の位置を装填位置という。移動機構50により搬送体34とともに周回移動する装填部35は、装填位置と繰出部43と識別計数部36との間で巡回し、装填位置を通過する際には装填口33Aに対して相対移動する。ただし、扉33Bが開いて使用者が装填口33Aから収納本体部31内にアクセス可能な状態では搬送体34が周回移動しないようにするために、各収納本体部31には、制御部51に対して電気的に接続されたセンサ71(図6参照)が設けられている。
センサ71の一例は、扉33Bの開閉を検知するセンサである。この場合、扉33Bが開いていることをセンサ71が検知している間は、制御部51は、扉33Bが設けられた収納本体部31内の移動機構50を制御して、搬送体34および装填部35を周回移動させない。制御部51は、扉33Bが閉じられて装填口33Aを閉じたことをセンサ71によって把握すると、移動機構50を制御して搬送体34および装填部35の周回移動を開始させ、空の装填部35を装填位置まで移動させる。つまり、扉33Bの開閉と、搬送体34および装填部35の周回移動とが連動している。
使用者は、賞品Pを収容した基本姿勢の状態の通い箱4を、白抜き矢印で示すように下降させて装填口33Aを通過させ、装填位置にある上向き姿勢の装填部35の出入口35Aに上側Z1から挿入する。これにより、通い箱4が、装填位置の装填部35に装填され、通い箱4内の賞品Pは、収納部12内に装填される。なお、通い箱4および装填部35の一方に設けられた位置決めリブ(図示せず)が、他方に設けられた位置決め溝(図示せず)に嵌まり込むことによって、通い箱4と、この通い箱4が装填された装填部35とが互いに位置決めされる。装填位置の装填部35に通い箱4が装填されてから扉33Bが閉じられると、他の空の装填部35が装填位置に配置されるように、制御部51が搬送体34を周回移動させる。
そして、他の空の装填部35にも通い箱4が装填されて、使用者が、扉33Bを閉じて、引出位置の収納部12の取っ手12Aを掴んで収容位置まで戻すと、制御部51は、この収納部12を、ロック機構20によって収容位置にてロックする。これにより、この収納部12についての補充処理が終了する。このように特定の装填位置でのみ装填部35に通い箱4が装填でき、この装填位置において、異なる装填部35にアクセスして複数種類の賞品Pを装填できる収納本体部31では、その内部空間の省スペース化を図れるとともに、賞品Pの収納量を向上できる。
ただし、このような構成では、装填口33Aから装填部35に装填すべき賞品Pの種類が、常に一定とは限らず、周回移動に応じて装填口33Aにおける装填部35が変わる度に、装填部35に装填すべき賞品Pの種類が変化することがある。個々の装填部35および通い箱4は、賞品Pの種類に関係なく共用できることが求められるので、装填部35同士や、通い箱4同士において、外見上の違いは原則として存在しない。また、装填部35に通い箱4が装填された場合には、装填部35自体が見にくい。そのため、使用者によっては、装填口33Aにある装填部35に装填すべき賞品Pの種類が分からなくなる不具合が想定される。そこで、以下では、このような不具合を解消するための店側表示部18および表示部61での表示内容について説明する。
前述したように、使用者が補充処理の対象の収納部12(ここでは、レーン左の収納部12であるとする)を1つ選択すると、制御部51は、選択された収納部12についてのロック機構20によるロックを解除する。このとき、制御部51は、図12に示す補充画面75を、店側表示部18においてメニューキー56よりも下側の領域に表示する。補充画面75が表示された店側表示部18には、ロックが解除された収納部12がどれであるかを示すメッセージ76が表示される。なお、前述した在庫画面55(図7参照)が表示された状態において補充処理の対象の収納部12が選択されると、制御部51は、在庫画面55において当該収納部12に関連する部分を拡大し、当該部分を用いて補充画面75を作成してもよい。
補充画面75における例えば略左半分の領域には、ロックが解除された収納部12内の各装填部35における賞品Pの種類および在庫数が示された個別表示部77が表示されている。個別表示部77は、この収納部12内の装填部35と同数(つまり12個)存在し、補充画面75において、前側収納本体部31Aおよび後側収納本体部31Bに応じて、6個ずつにまとまって表示されている。補充画面75における下側の6個の個別表示部77は、前側収納本体部31Aにおける6個の装填部35に1つずつ対応し、上側の6個の個別表示部77は、後側収納本体部31Bにおける6個の装填部35に1つずつ対応している。各個別表示部77は、対応する1つの装填部35に割り当てられた賞品Pの種類についての情報を示す種類表示部77Aと、この装填部35における現在の在庫数を示す在庫数表示部77Bとを含む。種類表示部77Aでは、対応する賞品Pの種類の色および種類名の少なくともいずれか(図12では両方)が表示されている。
補充画面75には、補充口(1)~(4)に現在位置している装填部35がどれであるかを示す位置表示部78が表示されている。位置表示部78に関連して、各装填部35の最新の位置情報は、位置センサ(図示せず)等によって常に監視されていて、装填部35毎に割り当てられた識別情報と関連付けて記憶部52に記憶されている。位置表示部78は、補充口(1)に現在位置している装填部35についての個別表示部77に隣接配置された位置表示部78Aを含む。また、位置表示部78は、位置表示部78Aと同様に、補充口(2)~(4)のそれぞれに対応した位置表示部78B~78Dも含む。なお、位置表示部78A~Dはあくまで一例であり、位置表示部78の代わりに、制御部51は、補充口(1)~(4)に現在位置している装填部35についての個別表示部77を強調表示したり、囲み表示したりしてもよい。
補充画面75における例えば略右半分の領域には、補充口(1)~(4)に応じた4つの補充情報表示部79が表示されている。各補充情報表示部79には、補充口(1)~(4)において対応する1つの補充口を示す位置情報79Aと、対応する補充口に現在位置している装填部35に補充すべき賞品Pの種類についての種類情報79Bとが表示されている。4つの補充情報表示部79は、補充画面75において、補充口(1)についての補充情報表示部79が使用者に最も近い手前側に位置するように、補充口(1)~(4)の順に上下に並んでいる。また、補充画面75には、補充口(1)~(4)が、補充画面75上でも実機においても、手前側の使用者から見て補充口(1)~(4)の順に並んでいることを示すための矢印80が表示されている。
店側表示部18におけるこのような補充画面75を見た使用者は、ロックが解除された収納部12の各装填部35における賞品Pの在庫数と、補充口(1)~(4)に現在位置している装填部35に補充すべき賞品Pの種類とを把握できる。しかし、店側表示部18の位置によっては、引出位置まで引き出された収納部12と店側表示部18とが使用者の視界に一度に入らない位に、店側表示部18が収納部12から離れて配置されている場合がある。この場合、使用者は、補充口(1)~(4)に補充すべき賞品Pの種類を確認するために、店側表示部18の補充画面75を何度も見直す必要がある。そこで、制御部51は、引出位置まで引き出された収納部12に近い表示部61においても、補充口(1)~(4)から収納部12内に装填すべき賞品Pの種類についての情報を表示する。
具体的には、ロックが解除された収納部12が、図13に示すように途中引出位置まで引き出されると、この収納部12の前側収納本体部31Aが、装置本体11の外に配置される。使用者が前側収納本体部31Aの扉33B(図示せず)を開くと、装填口33Aにおける補充口(1)および補充口(2)が、前後に並んで開放され、これらの補充口では、上向き姿勢の装填部35が1つずつ露出されている。前側収納本体部31Aの本体33には、補充口(1)および補充口(2)のそれぞれの位置を示したマーク等のガイド部81が設けられる。補充口(1)および補充口(2)における2つの装填部35には、同じ種類の賞品Pを収納した通い箱4が装填されるものとする。この場合、制御部51は、引出位置の収納部12と対応する位置(左右方向Xにおいて同じ位置)にある表示部61の各記号表示部65において、図13に示すように、記号表示部65における環状の外周部分を構成する8つのセグメント64を、収納すべき賞品Pの色(図13では赤色)にて発光させる。この発光は、扉33Bが開かれるのに先立って開始される。なお、8つのセグメント64を発光させるのは一例であり、例えば、セグメント64を1つだけ発光させてもよい。赤く発光した記号表示部65とガイド部81とを見た使用者は、補充口(1)および補充口(2)における2つの装填部35に、赤い大賞品を収納した通い箱4を装填すべきであることを把握する。
補充口(1)および補充口(2)における2つの装填部35のそれぞれには、別の種類の賞品Pを収納した通い箱4が装填されるよう設定されてもよい。この場合、制御部51は、引出位置の収納部12と左右方向Xにおいて同じ位置にある表示部61の各記号表示部65において、図14に示すように、前端で左右に並ぶ2つのセグメント64を、前側Y1の補充口(1)の装填部35に収納すべき賞品Pの色(図14では赤色)にて発光させる。また、制御部51は、各記号表示部65において、後端で左右に並ぶ2つのセグメント64を、後側Y2の補充口(2)の装填部35に収納すべき賞品Pの色(図14では青色)にて発光させる。前端において赤く発光して後端において青く発光した記号表示部65とガイド部81とを見た使用者は、手前の補充口(1)の装填部35に、赤い大賞品を収納した通い箱4を装填すべきであって、奥の補充口(2)の装填部35に、青い中賞品を収納した通い箱4を装填すべきであることを把握する。なお、前端および後端のセグメント64を発光させるのは一例であり、例えば、下線表示部67のセグメント66を赤く発光させて、記号表示部65の後端におけるセグメント64を青く発光させてもよい。
ロックが解除された収納部12が、図15に示すように最大引出位置まで引き出されると、この収納部12の前側収納本体部31Aおよび後側収納本体部31Bが、装置本体11の外に配置される。使用者が前側収納本体部31Aの扉33B(図示せず)を開くと、前側収納本体部31Aの装填口33Aにおける補充口(1)および補充口(2)が、前後に並んで開放される。使用者が後側収納本体部31Bの扉33B(図示せず)を開くと、装填口33Aにおける補充口(3)および補充口(4)が、前後に並んで開放される。前側収納本体部31Aと同様に、後側収納本体部31Bの本体33には、補充口(3)および補充口(4)のそれぞれの位置を示したマーク等のガイド部81が設けられる。
制御部51は、最大引出位置の収納部12と左右方向Xにおいて同じ位置にある表示部61において、図15に示すように、各下線表示部67のセグメント66を、補充口(1)の装填部35に収納すべき賞品Pの色(図15では赤色)にて発光させる。また、制御部51は、各記号表示部65の前端で左右に並ぶ2つのセグメント64を、補充口(2)の装填部35に収納すべき賞品Pの色(図15では赤色)にて発光させる。また、制御部51は、各記号表示部65における前端と後端との間で左右に並ぶ2つのセグメント64を、補充口(3)の装填部35に収納すべき賞品Pの色(図15では青色)にて発光させる。さらに、制御部51は、各記号表示部65における後端で左右に並ぶ2つのセグメント64を、補充口(4)の装填部35に収納すべき賞品Pの色(図15では青色)にて発光させる。このように発光した記号表示部65および下線表示部67とガイド部81とを見た使用者は、補充口(1)および補充口(2)の各装填部35に、赤い大賞品を収納した通い箱4を装填すべきであって、補充口(3)および補充口(4)の各の装填部35に、青い中賞品を収納した通い箱4を装填すべきであることを把握する。
以上のように、天板13の表示部61には、複数の装填部35のうち装填口33Aの各補充口に現在存在する装填部35に装填すべき賞品Pの種類についての情報(ここでは賞品Pの色)が表示される。これにより、収納部12内の各収納領域(つまり各装填部35)に装填すべき賞品Pの種類を、表示部61に表示された情報によって把握できる。特に、現時点にて装填口33Aにある装填部35に装填すべき賞品Pの種類を、表示部61に表示された情報によって把握できる。このように正しい種類の賞品Pを各補充口に補充するように誘導される構成であれば、収納部12内の各装填部35において間違った種類の賞品Pが装填されることを防止できる。そして、表示部61が、装置本体11の天板13の上面に設けられているので、引出位置の収納部12の上面の装填口33Aから収納部12内に賞品Pを装填しようとする使用者にとって、表示部61が視界に入りやすく、表示部61に表示された情報が見やすい。そのため、使用者は、作業の手を止めずに、各補充口の装填部35に収納すべき賞品Pの種類を表示部61から把握し、正しい種類の賞品Pを装填部35に装填できる。よって、使用者の利便性の向上を図れる。
使用者が、各補充口の装填部35に通い箱4を装填した後に扉33Bによって装填口33Aを閉じると、制御部51が搬送体34を周回移動させて、後続の2つの装填部35を装填口33Aにおける各補充口まで移動させる。すると、制御部51は、今回の周回移動によって次に装填口33Aにくる装填部35に装填すべき賞品Pの色を、次に扉33Bが開くまでに、表示部61に表示させておく。これにより、装填口33Aが開くまでに、次に装填口33Aにくる装填部35に装填すべき賞品Pの種類を、表示部61に表示された情報によって事前に把握できるので、収納部12内において間違った種類の賞品Pが装填されることを防止できる。なお、賞品Pを補充したい装填部35が装填口33Aになければ、使用者は、この装填部35が装填口33Aにくるまで扉33Bの開閉を繰り返せばよい。扉33Bの開閉を繰り返せば、表示部61の表示内容(ここでは、表示色)が変化するので、装填部35の周回移動をリアルタイムで実感できる。また、周回移動に伴って各補充口における装填部35が入れ替わるのに応じて、制御部51は、各位置表示部78が、対応する装填部35についての個別表示部77に隣接配置されるように、補充画面75の内容を更新する(図12参照)。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述した実施形態では、表示部61に表示される賞品Pの種類についての情報は、種類毎に異なる賞品Pの色であったが、賞品Pの種類名(ここでは、大景品、中景品および小景品)であってもよく、種類名の略称(ここでは、大、中および小)等であってもよい。また、賞品払出装置3において、賞品Pの種類についての情報は、表示部61に目視可能に表示されるだけでなく、音声ガイダンス等との組み合わせによって報知されてもよい。
また、前述した実施形態では、扉33Bが開閉される度に装填口33Aにおける装填部35が2つずつ入れ替わるように、装填部35の周回移動が制御される。これに代え、装填口33Aに配置される装填部35は1つだけであってもよく、この場合には、扉33Bの開閉の度に装填口33Aにおける装填部35が1つずつ入れ替わる。装填口33Aに装填部35が1つだけ配置される場合には、各装填口33Aには、前述した補充口が1つだけ存在する。
また、図13および図14に示すように収納部12が途中引出位置まで引き出されて前側収納本体部31Aにおいて補充口(1)および補充口(2)の露出された装填部35に収納すべき賞品Pの色が表示部61に表示された状態において、図15に示すように収納部12が途中引出位置から最大引出位置まで引き出されることがある。この場合、図15に示すように補充口(1)~(4)の各装填部35に収納すべき賞品Pの色が表示部61に表示されてもよいし、遊技施設での運用によっては表示部61に何も表示されなくなってもよい。
また、前述した実施形態では、各収納本体部31において、移動機構50が搬送体34および装填部35を周回移動させることによって、装填部35が収納本体部31の本体33の装填口33Aに対して相対移動する。この構成に代えて、収納本体部31内の各装填部35の位置は固定されていて、装填口33A(詳しくは、装填口33Aが形成された可動部分)を各装填部35まで移動させる移動機構を備えてもよい。この場合にも、装填部35が収納本体部31の本体33の装填口33Aに対して相対移動する。
また、賞品払出装置3として、賞品Pを通い箱4に収容した状態のまま収納部12に収納するタイプの装置を例に挙げて説明したが、賞品Pを通い箱4から取り出した状態で収納部12に収納するタイプの装置にも本発明を適用できる。
また、賞品払出装置3は、遊技施設のフロアに据え付けられるのではなく、受付カウンターC上に設置される卓上タイプであってもよい。
また、各表示部61では、以上に説明した以外でも、様々な表示パターンで情報を表示できる。例えば、図16(a)を参照して、各表示部61の各個別表示部63における記号表示部65には、左右に連続して延びる2つのセグメント64の組Gが、前後に3組並んで存在する。賞品払出装置3が起動してから待機状態になるまでのイニシャル状態では、各表示部61で左右に隣り合う個別表示部63において、前後の位置が違う組G(下線表示部67のセグメント66でもよい)が発光することによって、表示部61全体が波形を描くように発光する。これにより、賞品払出装置3がイニシャル状態にあることが表示される。なお、セグメント64の発光色は、図16(a)では赤色としているが、他の色(例えば青色)であってもよい(後述する図16(d)~(f)においても同様)。
前述した実施形態では、払い出される賞品Pの種類毎の総数が複数の個別表示部63に跨って表示部61に表示されるが(図10(b)の表示部61Lにおける「18」を参照)、各個別払出口13D(図9参照)から払い出される賞品Pの数(一例として最大で10枚)が、図16(b)に示すように、各個別払出口13Dと左右方向Xで同じ位置にある対応する各個別表示部63に、賞品Pと同じ色で表示されてもよい。図16(b)では、ある払出口13Cにおいて、左端の個別払出口13Dから赤色の賞品Pが10枚払い出され、左から2番目の個別払出口13Dから赤色の賞品Pが8枚払い出され、左から3番目の個別払出口13Dから青色の賞品Pが2枚払い出され、右端の個別払出口13Dから黄色の賞品Pが3枚払い出されることが表示部61において表示されている。なお、表示部61は、繰出払出処理中では点滅し、繰出払出処理の完了後は点灯してもよい。点灯後に所定時間が経過すると、表示部61は消灯する。繰出払出処理中にニアエンプティが発生すると、ニアエンプティになった種類の賞品Pが払い出される個別払出口13Dに対応する各個別表示部63の下線表示部67だけが、図16(c)に示すように、その賞品Pの色で所定時間点灯する。また、何かしらの理由により、今回の払い出しの取引が不成立になった場合には、図16(d)に示すように、賞品Pが払い出されるはすだった個別払出口13Dに対応する個別表示部63(図16(d)では5つ全ての個別表示部63)において、バツを構成するように配置された4つのセグメント64が点灯する。取引が再度成立すると、これらのセグメント64が消灯する。
収納部12が収容位置から引出位置まで引き出される間において、この収納部12と左右方向Xで同じ位置にある表示部61では、図16(e)に示すように、「OPEN」の文字が点滅表示されてもよい。また、収納部12が引出位置から収容位置まで戻る間において、この収納部12と左右方向Xで同じ位置にある表示部61では、図16(f)に示すように、「CLOSE」の文字が点滅表示されてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。