以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る賞品管理システムの構成を示す模式図である。図2は、賞品払出装置および賞品管理装置を示す模式的な斜視図である。
賞品管理システム1は、例えばパチンコ店等の遊技店において賞品を管理するためのシステムである。賞品は、遊技客が獲得した遊技媒体との間で交換処理が行われるものである。
賞品管理システム1は、賞品管理装置2と、賞品払出装置3と、管理サーバ4と、携帯型通信端末(以下、「携帯端末5」という。)とを含む。賞品管理装置2は、特殊賞品と呼ばれる賞品Pや、菓子等の一般賞品の在庫数等を管理する。賞品管理装置2は、特殊賞品Pの在庫を管理するためのテーブルとして、店内在庫管理テーブル76A(図12参照)と、払出装置別在庫管理テーブル76B(図12参照)とを備えている。店内在庫管理テーブル76Aは、遊技店内に存在する賞品Pの種類別在庫数を管理するテーブルである。払出装置別在庫管理テーブル76Bは、各賞品払出装置3に収納されている賞品Pの種類別在庫数を賞品払出装置3毎に管理するテーブルである。また、賞品管理装置2は、遊技客が獲得した遊技媒体を賞品に交換するための処理(交換処理)を行う。賞品管理装置2は、POS端末の一種であり、遊技施設における受付カウンターC上に設置される。
賞品Pの一例は、例えば数ミリ程度の厚さを有するカードである。この実施形態では、大賞品、中賞品および小賞品といった、金銭価値に応じた3種類の賞品Pが登場するが、大賞品よりも金銭価値の高い特大賞品が存在してもよい。賞品Pの表面の色は、賞品Pの種類毎に異なっている。一例として、大賞品の表面は赤色であり、中賞品の表面は青色であり、小賞品の表面は黄色である。賞品Pは、通い箱6に収容された状態にて市場に流通する。
賞品払出装置3は、賞品Pを払い出す装置であり、受付カウンターCのフロアにおいて賞品管理装置2に隣接して配置されている。賞品払出装置3は、賞品Pを保管する機能を有する賞品保管装置でもあり、LAN等の通信ラインを介して賞品管理装置2に対して通信可能に接続されている。なお、図1では、1台の賞品管理装置2に1台の賞品払出装置3が接続されているが、1台の賞品管理装置2に複数の賞品払出装置3が接続されてもよい。
賞品Pを払い出す際には、遊技店において受付カウンターCを担当する店員(以下では使用者という)が、賞品管理装置2に設けられたキーボード等の操作部72またはタッチパネル式ディスプレイ等の表示部73を操作することによって、賞品Pの払出に必要な情報を賞品管理装置2に入力する。すると、賞品管理装置2が賞品払出装置3に対して賞品Pの払出を指示するので、賞品払出装置3は、指示に応じた種類および個数の賞品Pを払い出す。また、賞品管理装置2は、払い出された賞品Pの種類ごとの払出数(出庫数)に基づいて、賞品Pの在庫データを更新する。
一方、遊技客によってパチンコ玉等の遊技媒体と一般賞品との交換を依頼された使用者は、指定された一般賞品を操作部72または表示部73の操作によって選択してから、この一般賞品を遊技客に手渡す。賞品管理装置2は、操作部72または表示部73の操作に応じて、この一般賞品の在庫データを更新する。後述するように、賞品Pは、通い箱6に収容された状態のまま賞品払出装置3内にセットされ、賞品払出装置3から払い出される。すなわち、使用者は、賞品Pを、手作業によって通い箱6から取り出して賞品払出装置3内に移し替える必要がない。
管理サーバ4は、ストレージサーバとストレージサーバに接続されたPC(パーソナルコンピュータ)とからなる。図1では、ストレージサーバに接続されたPCのみが、管理サーバ4として図示されている。管理サーバ4には、賞品管理装置2がLAN等の通信ラインを介して通信可能に接続されている。また、管理サーバ4は、無線LANを介して携帯端末5と通信可能である。管理サーバ4は、賞品(特殊賞品Pおよび一般賞品)の情報、会員の情報、遊技媒体の情報、プリペイドカードの有価価値の情報等を総合的に管理する。管理サーバ4は、複数の装置から構成されていてもよい。例えば、管理サーバ4は、主として賞品の情報および会員の情報を管理する賞品・会員管理装置と、主として遊技媒体の情報および有価価値の情報を管理する遊技媒体・有価価値管理装置から構成されていてもよい。
以下において、賞品払出装置3に賞品を収納したり、賞品払出装置から賞品を取り出したりすることを「装填」ということにする。また、賞品払出装置3に賞品を収納することを「プラス装填」といい、賞品払出装置から賞品を取り出すことを「マイナス装填」という場合がある。また、問屋から仕入れられた仕入賞品がそのまま賞品払出装置3へ装填されることを、「仕入」という場合がある。これに対して、複数の賞品払出装置3間において賞品を移動させるために、賞品払出装置3に対して装填を行うことを「補充」という場合がある。また、賞品払出装置3に仕入された仕入賞品に関する情報を含む仕入データを、賞品管理装置2に提供するための処理を「仕入処理」ということにする。
賞品払出装置3について詳しく説明する。賞品払出装置3は、その外殻をなすボックス状に形成された装置本体11と、装置本体11に設けられた単数または複数(ここでは3つ)の収納部12とを含む。なお、図2の紙面の左右方向は、賞品払出装置3の左右方向Xと一致し、図2の紙面に略直交する方向は、賞品払出装置3の前後方向Yと一致し、図2の紙面の上下方向は、賞品払出装置3の上下方向Zと一致している。左右方向Xおよび前後方向Yは、横方向に含まれる。左右方向Xは、左側X1と右側X2とを含み、前後方向Yは、図2の紙面の手前側に一致した前側Y1と、図2の紙面の奥側に一致した後側Y2とを含み、上下方向Zは、上側Z1と下側Z2とを含む。
装置本体11は、天板13と、この天板13を支持する左右一対の側板14とを有している。天板13の下面には、前後方向Yにスライド可能な複数(例えば収納部12と同数)の補助テーブル15が、左右方向Xに並んで設けられている。前側Y1へ引き出された補助テーブル15は、天板13を拡張するために機能するので、使用者は、天板13を広く使用することができる。これらの補助テーブル15の下面には、前後方向Yにスライド可能な1つの引出し16が設けられている。引出し16には、事務用品等の備品や、遊技施設内の機器についての取扱説明書等の書類が収納される。装置本体11には、その前面11Aのほぼ全域に亘る開口11Bが形成されている。開口11Bの上縁は、引出し16によって仕切られている。開口11Bは、装置本体11の内部空間に連通している。
天板13は、透明な板であり、より具体的にはアクリル板である。天板13の上面は、装置本体11の天面を構成している。天板13の上面は、その略前半分を占める水平面である払出面13Aと、払出面13Aの後側Y2において左右方向Xに延び、払出面13Aよりも一段高い段部13Bとを含む。払出面13Aにおける後寄りの領域には、左右方向Xに長手の払出口13Cが形成されている。払出口13Cは、収納部12と同数(ここでは3つ)存在し、左右方向Xに並んで配置されている。
賞品払出装置3は、払出口13Cを開閉するシャッタ17と、店側表示部18と、客側表示部19とをさらに含む。シャッタ17は、左右方向Xに長手の板状に形成され、払出口13Cと同数存在する。各シャッタ17は、対応する払出口13Cを閉じた閉位置(2参照)と、段部13B内に後退して払出口13Cを開いた開位置との間で前後方向Yにスライド可能である。各シャッタ17は、シャッタ開閉用アクチュエータを備えたシャッタ開閉機構52(図7参照)によって開閉される。
店側表示部18は、例えばフルカラー表示のタッチパネルによって構成され、段部13Bに固定されて、段部13Bとなす角度である起立角度が可変とされ、受付カウンターCの使用者側に臨んでいる。店側表示部18には、使用者向けの情報が表示される。客側表示部19は、例えばフルカラー表示のタッチパネルによって構成され、段部13Bに固定されている。客側表示部19は、遊技媒体と賞品Pとの交換のために受付カウンターCに来る遊技客側に臨んでいる。店側表示部18および客側表示部19は、装置本体11に対して着脱可能に装着されていてもよい。
収納部12は、賞品Pを通い箱6ごと収納するものである。この実施形態では、3つの収納部12が左右方向Xに並んでいる。図2に示すように装置本体11内に目一杯収容された状態における収納部12は、前後方向Yにおける収容位置にある。図2に示すように全ての収納部12が収容位置にある場合には、これらの収納部12の前面が、面一となって開口11Bを塞いだ状態にて、装置本体11から前側Y1に露出されている。収容位置にある各収納部12の真上には、装置本体11の払出面13Aにおけるいずれか1つの払出口13Cが位置している。
各収納部12は、前述した収容位置から、前側Y1の引出位置へ前後方向Yに引き出し可能である。使用者は、各収納部12の前面に設けられた取っ手12Aを操作することによって、収納部12を引出位置まで引き出したり、収容位置まで押し込んだりすることができる。なお、収納部12の移動は、使用者の手動によって行われてもよいし、装置本体11内に設けられたモータ等の駆動装置により自動的に行われてもよい。装置本体11には、各収納部12を収容位置においてロックしたり、そのロックを解除したりする電動式のロック機構20(図7参照)が設けられている。
収納部12について詳しく説明するのに先立って、通い箱6について説明する。図3は、通い箱6の斜視図である。通い箱6は、所定方向(図3では左右方向)に長手のボックス状に形成されていて、例えば樹脂製である。通い箱6は、対向配置された一対の側壁21と、一対の側壁21間に架設された少なくとも2つ(図3では6つ)の区画壁22と、通い箱6の底をなす1つの閉塞壁23とを一体的に含む。
一対の側壁21は、通い箱6の長手方向Lにおいて長手の略長方形の板状に形成されていて、それぞれの板厚方向に沿って対向するように平行に配置されている。一対の側壁21の対向方向は、通い箱6において長手方向Lに直交する短手方向Sである。また、通い箱6の深さ方向Dは、長手方向Lおよび短手方向Sの両方に直交している。
各区画壁22は、長手方向Lに一致した板厚方向を有する略矩形の板状に形成されている。区画壁22は、一対の側壁21において長手方向Lにおける一端縁間と他端縁間とに1つずつ架設され、残りの区画壁22は、長手方向Lに等間隔で並んだ状態で一対の側壁21の途中部間に架設されている。そのため、通い箱6には、大きさの等しい略直方体状の5つの収容空間24が、長手方向Lに等間隔で並んで形成されている。
閉塞壁23は、深さ方向Dに一致した板厚方向を有し、長手方向Lにおいて長手の略長方形の板状に形成されている。閉塞壁23は、深さ方向Dにおける一方側(図3では下側)から各側壁21および各区画壁22に対して接続されていて、各収容空間24を当該一方側から塞いでいる。各収容空間24において深さ方向Dにおける他方側(図3では上側)の端部は、略矩形状の出入口25として、当該他方側へ開放されている。
通い箱6は、出入口25とは別に設けられた開口部26を含む。開口部26は、長手方向Lにおいて各収容空間24と同じ位置に一対ずつ、この実施形態では5対設けられている。つまり、開口部26は、短手方向Sにおける通い箱6の両側において、5つずつ長手方向Lに等間隔で並んで設けられている。各対における2つの開口部26は、長手方向Lで同じ位置にあって、短手方向Sにおける通い箱6の中心を基準として対称になるように構成されている。各開口部26は、収容空間24を外部に露出させるスリット状であり、短手方向Sにおける閉塞壁23の端部を切り欠きつつ、短手方向Sにおいて当該端部と同じ側にある側壁21を深さ方向Dに沿って切り欠いて、出入口25の手前まで直線状に延びている。なお、開口部26の形状は、任意に変更できる。
賞品Pを収容して流通しているときの通い箱6の姿勢は、図3に示すように各出入口25が上を向いた基本姿勢である。賞品Pは、出入口25を介して各収容空間24に収容される。各収容空間24の大きさが等しいので、賞品Pは、所定数ずつ(この実施形態では20枚ずつ)、各収容空間24に収容される。複数の賞品Pは、それぞれの板厚方向が短手方向Sと一致して閉塞壁23から起立した姿勢で、各収容空間24に積層状態で収容され、その状態の各賞品Pでは、出入口25側の部分が出入口25からはみ出ている。また、前述した所定数の賞品Pが収容された収容空間24(図3における右端の収容空間24を参照)では、短手方向Sの両端に位置する賞品Pの一部が、短手方向Sにおける同じ側の開口部26から露出されている。この実施形態では、1つの通い箱6に収容される複数の賞品Pの種類は、大賞品、中賞品および小賞品のいずれか一種類である。変形例として、複数種類の賞品Pが1つの通い箱6に収容されてもよく、その場合の各収容空間24には賞品Pが一種類ずつ収容される。
次に、収納部12について詳しく説明する。図4は、収納部12の模式的な斜視図である。各収納部12は、前後方向Yに並ぶ2つの収納本体部31と、これらの収納本体部31の間に配置された繰出払出部32とを含む。2つの収納本体部31のうち、前側Y1のものを前側収納本体部31Aといい、後側Y2のものを後側収納本体部31Bという場合がある。図4では、各収納本体部31と繰出払出部32との境界が1点鎖線で図示されている。収納本体部31と繰出払出部32とは一体化されていてもよいし、別々に存在して組み合わされることによって収納部12を構成してもよい。
各収納本体部31は、その外殻をなすボックス状に形成された本体33を含む。収納部12の上面を構成する本体33の上面には、略矩形状の装填口33Aと、装填口33Aを開閉する略矩形板状の扉33Bとが設けられている。扉33Bは、前後方向Yにおいて繰出払出部32に最も近い端部に設けられたヒンジ33Cを介して本体33に連結されていて、ヒンジ33Cを中心として回動することによって開閉される。収納部12には、扉33B毎にその扉33Bが開放状態であるか閉鎖状態であるかを検出するための扉センサ53(図7参照)が設けられている。前側収納本体部31Aの本体33の前面は、取っ手12Aが設けられた収納部12の前面を構成している。
図5Aは、賞品払出装置3の内部の模式的な右側面図である。各収納部12における各収納本体部31の本体33の内部には、左右一対の搬送体34と、複数(ここでは6つ)のセット部35とが設けられている。各搬送体34は、無端状のチェーンまたはベルト(ここではチェーン)によって構成されており、左右方向Xから見て例えば略矩形の環状をなしている。搬送体34は、モータ(図示せず)等の駆動部の駆動力を受けることによって、左右方向Xから見て時計回りおよび反時計回りのそれぞれの方向へ向けて周回移動する。この駆動部と搬送体34とは、移動機構51を構成する。
各セット部35は、左右方向Xに長手のトレイ状に形成されている。各セット部35の内部空間は、左右方向Xに長手となった通い箱6をちょうど収容できる大きさを有する。
上向き姿勢のセット部35には、その上面を全域に亘って開放した出入口35Aと、前後の両側壁のそれぞれを切り欠いたスリット状の開口部(図示せず)とが形成されている。この開口部は、セット部35の前壁および後壁において、通い箱6の開口部26(図3参照)に合致する位置に同数形成され、左右方向Xに並んで配置されている。
各セット部35には、通い箱6が1つずつセットされる。これにより、通い箱6内の賞品Pは、通い箱6を介してセット部35にセットされるとともに、収納部12内に装填される。通い箱6がセットされたセット部35では、前述した開口部と通い箱6の開口部26とが1つずつ整合している。また、1つの通い箱6内には、同じ種類の賞品Pが収納されるので、1つのセット部35には、同じ種類の賞品Pがセットされる。しかし、各収納部12内の前側収納本体部31Aおよび後側収納本体部31Bのそれぞれにおいて、セット部35毎に、賞品Pの種類が異なってもよい。つまり、各収納部12は、複数種類の賞品P(ここでは、大賞品、中賞品および小賞品)をまとめて収納している。
これらのセット部35は、左右一対の搬送体34の周回方向Rに沿って環状に並んで配置された状態で、これらの搬送体34の間に架設されている。そのため、移動機構51が作動することによって左右の搬送体34が周回移動すると、これらのセット部35は、搬送体34とともに周回移動する。また、各セット部35は、搬送体34との連結部分において、左右方向Xに延びる回動軸線(図示せず)まわりに回動自在である。そのため、各セット部35は、原則として、上向き姿勢を維持するように回動しながら、ゴンドラのように周回移動する。
図5Aを参照するとともに、収納部12の内部の模式的な平面図である図6も参照して、各収納本体部31の内部において前後方向Yにおける外側の端部(前側収納本体部31Aの場合は前端部であり、後側収納本体部31Bの場合は後端部)には、識別計数部36が配置されている。識別計数部36は、左右方向Xに延びるホルダ37と、ホルダ37において繰出払出部32を臨む側面(前側収納本体部31Aの場合は後面であり、後側収納本体部31Bの場合は前面)に設けられた識別部38および計数部39とを含む。左右方向Xに隣り合った識別部38および計数部39が1つの組を構成し、各識別計数部36では、この組が、左右方向Xに等間隔で5組並んでいる。識別計数部36は、収納本体部31の本体33によって支持されており、ステッピングモータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けて昇降する。
なお、以下の実施形態では識別計数部36が識別処理と在庫計数処理を行う例を示しているが、賞品の種別を識別する識別処理は必ずしも必須ではなく、賞品数を取得する在庫計数処理のみを行う構成でもよい。このため、本件発明は、以下の記述における「識別計数」を「在庫計数」としても適用することが可能である。また、在庫計数処理は、例えば、補充等のために収納部12を引き出して戻したことが検知されたとき、賞品管理装置2において所定の指示が行われたことによる指示信号を受信したとき、店側表示部18で所定の指示が行われたとき、電源がONされたときなどに行われる。
この在庫計数処理を行う複数の指示は、管理サーバ4で表示される制限情報として設定することにより、指示の有効/無効を設定することが可能となっている。例えば、管理サーバ4で設定の選択を行うことにより、賞品管理装置2での所定の指示(例えば、表示部73の操作)によっては在庫計数処理を行うが、賞品払出装置2における所定の指示(例えば、店側表示部18の操作)によっては在庫計数処理を行わない設定や、賞品管理装置2での所定の指示によっては在庫計数処理を行わず、賞品払出装置2における所定の指示によって在庫計数処理を行う設定等を適宜切り替えることができるようになっている。この設定により在庫計数処理を行わない場合の構成は、表示部へ操作のための操作表示を全く行わない構成であっても、操作表示を行うが操作を受け付けない構成であっても、在庫計数処理が制限される状態であれば特に限定されない。また、指示自体はなされるが、賞品払出装置が指示の送信元を判定して、有効と設定されている指示のみ受け付ける構成であってもよい。この構成により、店舗の運用に応じて在庫計数処理を行う状況を適宜制限することができるようになる。
識別部38の一例は、発光部(図示せず)および受光部(図示せず)を含んだカラーセンサである。この場合、発光部が、被検知物である賞品Pに対して光を照射し、その反射光を受光部が受光する。識別部38は、この反射光をRGB値に変換して分析することによって賞品Pの表面の色を検知し、この検知結果に基づいて賞品Pの真偽や種類を識別する。なお、識別情報を記憶したICチップが賞品Pに内蔵されていて、識別部38は、非接触でICチップから識別情報を読み取ることによって、賞品Pの真偽や種類を識別してもよい。
計数部39の一例は、発光部(図示せず)および受光部(図示せず)を含んだ光学式の反射型センサである。この場合、発光部が、賞品Pに対して光を照射し、その反射光を受光部が受光する。計数部39は、識別計数部36の昇降に伴い、通い箱6において上下方向Zに積層された賞品Pの端部の凸形状を、発光部からの光によってなぞる。これによって、連続する複数の凸形状の輪郭にほぼ一致する波形データが得られるので、計数部39は、この波形データにおける凸形状の数を数えることによって、賞品Pを計数することができる。
繰出払出部32は、その外殻をなすボックス状に形成された本体40を含む。本体40の上面40Aには、左右方向Xに長手の出口40Bが1つ形成されている(図3も参照)。出口40Bは、本体40の内部空間40Cを上側Z1に露出させている。収納部12が収容位置にある状態では、この収納部12の出口40Bが、左右方向Xにおいて同じ位置ある1つの払出口13Cの真下に配置される。繰出払出部32は、繰出ユニット41および払出ユニット42を含む。繰出ユニット41は、前後一対設けられている。前後2つの繰出ユニット41のうち、前側X1のものは、前側収納本体部31A用の繰出ユニット41Aであり、後側X2のものは、後側収納本体部31B用の繰出ユニット41Bである。各繰出ユニット41は、単数または複数の繰出部43を含む。
繰出部43は、左右方向Xから見て略三角形の環状をなす無端状の繰出ベルト44と、繰出ベルト44の内側において略三角形の各頂点部分に1つずつ配置されたローラ45と、例えばウレタンで構成された外周面を有する繰出ローラ46と、繰出ベルト44の外周面に設けられた繰出部材47とを含む。繰出ベルト44は、少なくもいずれかのローラ45がモータ等の駆動部(図示せず)により駆動回転されることによって、周回移動する。繰出部材47は、繰出ベルト44の外周面から突出した爪状に形成され、各繰出ベルト44において、複数の繰出部材47が繰出ベルト44の周回方向に沿って等間隔で設けられている。
各繰出ユニット41は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けることによって、待機姿勢と繰出姿勢との間で姿勢変更可能である。待機姿勢にあるときの各繰出ユニット41は、図5Aに示すように本体40の内部空間40Cに収まっていて、各繰出部43における繰出ベルト44の平坦部分44Aが上下方向Zに沿っている。繰出姿勢にあるときの繰出ユニット41A(図5B参照)では、繰出部43が内部空間40Cから前側Y1へはみ出して、繰出部43の繰出ベルト44の平坦部分44Aが前後方向Yに沿って水平になっている。繰出姿勢にあるときの繰出ユニット41B(図5B参照)では、繰出部43が内部空間40Cから後側Y2へはみ出して、繰出部43の繰出ベルト44の平坦部分44Aが前後方向Yに沿って水平になっている。繰出姿勢にあるときの各繰出ユニット41では、繰出部43が、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けることによって左右方向Xにスライド可能である。
図6を参照して、本体40の内部空間40Cにおける略上半分の領域は、複数の鉛直な板状の仕切部48によって、複数の縦長の繰出空間40Dへと区画されている。繰出空間40Dは、通い箱6の収容空間24と同数(ここでは5つ)存在し、本体40の出口40Bの真下において、左右方向Xに等間隔で並んでいる。
払出ユニット42は、払出部49を含む。払出部49は、上下方向Zに一致した板厚方向を有する略矩形の板状であり、各繰出空間40Dに1つずつ配置されており、合計で5つ存在する。払出ユニット42は、全ての払出部49を一括して保持する保持部(図示せず)を含む。全ての払出部49は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けることによって、繰出空間40Dの下端に設定された待機位置と、繰出空間40Dの上端に設定された払出位置との間で、保持部と一体となって昇降する。
図7は、賞品払出装置3の電気的構成を示すブロック図である。賞品払出装置3は、制御部50を含む。制御部50は、CPUおよびメモリ(ROM,RAM等)を備えたマイクロンピュータを含んでおり、装置本体11に設けられている。制御部50には、通信インターフェース部(通信IF部)54、シャッタ開閉機構52、ロック機構20、店側表示部18、客側表示部19、記憶部55等が電気的に接続されている。通信IF部54は、制御部50が、賞品管理装置2と通信を行うためのインターフェースである。
また、制御部50には、各収納部12に含まれている電気部品が電気的に接続されている。具体的には、収納部12に設けられている移動機構51、識別計数部36、扉センサ53および繰出払出部32が制御部50に電気的に接続されている。なお、実際には、収納部12は3つ存在しているが、図7には、説明の便宜上、1つの収納部12のみが図示され、他の2つは省略されている。
記憶部55は、不揮発性メモリ、ハードディスク等の記憶デバイスから構成されている。記憶部55には、特殊賞品在庫管理テーブル56、装填履歴管理テーブル57、払出履歴管理テーブル58等が設けられている。特殊賞品在庫管理テーブル56は、賞品Pの在庫情報を管理するためのテーブルであり、セット部別在庫管理テーブル、収納本体部別在庫管理テーブル、収納部別在庫管理テーブルおよび払出装置内在庫管理テーブルを含む。セット部別在庫管理テーブルには、セット部35の識別番号別に、当該セット部35に収納されている賞品Pの種類別在庫数が記憶される。収納本体部別在庫管理テーブルには、収納本体部31の識別番号別に、当該収納本体部31に収納されている賞品Pの種類別在庫数が記憶される。収納部別在庫管理テーブルには、収納部12の識別番号別に、当該収納部12に収納されている賞品Pの種類別在庫数が記憶される。払出装置内在庫管理テーブルには、賞品払出装置3内に収納されている賞品Pの種類別在庫数が記憶される。
装填履歴管理テーブル57は、賞品Pの装填履歴に関する情報(装填データ)を記憶するためのテーブルである。装填データは、図8に示すように、賞品を装填した日時(装填日時)、賞品を装填した使用者を特定するための情報(装填者ID)、装填された賞品の種類別装填数(賞品装填数)、当該装填データに対して当該賞品払出装置3から仕入処理が行われたか否かを記憶するフラグ(仕入処理済フラグ)等を含む。仕入処理済フラグの初期値は0であり、仕入処理が行われた場合に1に設定される。仕入処理の詳細については、後述する。
装填データは、当該賞品払出装置3に賞品Pが装填されるたびに生成されて、装填履歴管理テーブル57に記憶されるともに、賞品管理装置2に送信される。賞品管理装置2は、賞品払出装置3からの装填データを受信すると、受信した装填データに基づいて、払出装置別在庫管理テーブル76B(図12参照)内の当該賞品払出装置3に対応する在庫データを更新する。
払出履歴管理テーブル58には、賞品Pの払出履歴に関する情報(払出履歴情報)が記憶される。払出履歴情報は、例えば、賞品を払い出した日時、賞品を払い出しを担当した使用者を特定するための情報、払い出された賞品の種類別装填数等を含む。
制御部50は、制御部50に接続された入出力機器を制御することによって、識別計数処理、繰出払出処理および装填処理を実行する。識別計数処理は、賞品払出装置3の内部の賞品Pを識別して計数するための処理である。繰出払出処理は、賞品払出装置3の内部の賞品Pを繰り出して機外(つまり装置本体11の外)に払い出すための処理である。装填処理は、賞品払出装置3の内部に賞品Pを装填するための処理である。これらの処理に関連して、制御部50は、店側表示部18や客側表示部19に必要な情報を表示したり、使用者による店側表示部18の操作に応じた指示を受け付けたりする。
以下では、識別計数処理、繰出払出処理および装填処理について説明する。
まず、図5Aおよび図6を参照して、識別計数処理について説明する。制御部50は、搬送体34を、前側収納本体部31Aでは右側面視において反時計回りに周回移動させ、後側収納本体部31Bでは右側面視において時計回りに周回移動させる。そして、各収納本体部31では、識別計数処理の対象となるセット部35が、識別計数部36の上方に配置された所定位置に上側Z1から接近すると、第1の姿勢変更機構(図示せず)により、図5Aに示すように、出入口35Aが横を向いた横向き姿勢に傾倒する。
前側収納本体部31Aでは、前側下端にあるセット部35が横向き姿勢にあって、このセット部35の出入口35Aが前側Y1を向いている。また、このセット部35にセットされた通い箱6も、出入口25が前側Y1を向いた横向き姿勢にあって、通い箱6内の賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口25から前側Y1へはみ出しており、当該賞品Pの前端面が識別計数部36側を向いている。後側収納本体部31Bでは、後側下端にあるセット部35が横向き姿勢にあって、このセット部35の出入口35Aが後側Y2を向いている。また、このセット部35にセットされた通い箱6も、出入口25が後側Y2を向いた横向き姿勢にあって、通い箱6内の賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口25から後側Y2へはみ出しており、当該賞品Pの後端面が識別計数部36側を向いている。
図5Aに示すように、セット部35が上向き姿勢から横向き姿勢に変わって識別計数部36に上側Z1から接近すると、制御部50は、搬送体34の周回移動を停止する。このとき、各収納本体部31では、識別計数部36における識別部38および計数部39の組(図6参照)が、横向き姿勢のセット部35にセットされた通い箱6の各収容空間24に対して1組ずつ左右方向Xにおいて同じ位置にある。この状態において、制御部50は、識別計数部36を、例えば下端の待機位置から上昇させる。その際、各組における識別部38および計数部39が、当該通い箱6において左右方向Xで同じ位置にある収容空間24に前後方向Yから対向しながら上昇する。識別部38は、左右方向Xで同じ位置にある収容空間24に収容されて上下方向Zに積層された状態にある賞品Pの種類を下側Z2から順に1つずつ非接触で識別し、計数部39は、当該収容空間24に収容されて上下方向Zに積層された状態にある賞品Pを下側Z2から順に1つずつ非接触で計数する。横向き姿勢のセット部35にセットされた通い箱6の各収容空間24における全ての賞品Pについての識別および計数が完了して識別計数部36が待機位置まで下降すると、識別計数処理が終了する。
識別計数処理は、全ての収納部12において一度に実行されてもよいし、使用者による店側表示部18での操作によって選択された所定の収納部12において個別に実行されてもよい。また、識別計数処理は、各収納部12では、前後の両方の収納本体部31において一度に実行されてもよいし、前後のどちらかの収納本体部31において個別に実行されてもよい。また、識別計数処理は、各収納本体部31において、全てのセット部35にセットされた通い箱6について実行されてもよいし、使用者によって指定されたセット部35にセットされた通い箱6のみについて実行されてもよい。いずれにせよ、制御部50は、識別計数処理が行われる毎に、識別計数処理結果に基づいて、特殊賞品在庫管理テーブル56内の在庫データを更新する。
そして、制御部50は、更新された在庫データに基づいて、図9Aに示すような収納部別在庫画面61および/または図9Bに示すようなケース別在庫画面62を店側表示部18および/または客側表示部19に表示する。制御部50は、収納部別在庫画面61およびケース別在庫画面62のいずれか一方を、店側表示部18に選択可能に表示してもよいし、これらの2つの画面61,62を同一画面に表示してもよい。
収納部別在庫画面61およびケース別在庫画面62においては、左側、中央および右側の収納部12は、それぞれレーン左、レーン中およびレーン右として表示されている。収納部別在庫画面61では、収納部(レーン)毎に賞品種類別の在庫数が表示される。具体的には、図9Aでは、レーン左に「大賞品」が1300個、「中賞品」が800個、「小賞品」が100個収納され、レーン中に「大賞品」が1300個、「中賞品」が1000個、「小賞品」が500個収納され、レーン右に「大賞品」が1300個、「中賞品」が800個、「小賞品」が700個収納されていることが表示されている。ケース別在庫画面62では、ケース毎に賞品種類別の在庫数が表示される。具体的には、図9Bでは、レーン左、レーン中、レーン右のそれぞれの前側収納本体部31A及び後側収納本体部31Bに収納された6個の通い箱6をそれぞれ1つのまとまった単位で表示し、それぞれの内部に収納された賞品の数と種類を表示している。なお、図9Aに示すような収納部別在庫画面61および図9Bに示すようなケース別在庫画面62においては、内部に収納された賞品が無い場合、あるいは予め設定された数以下である場合には、賞品の在庫が少ないことを表示部の表示に対応させて行う。なお、図示していないが賞品払出装置3全体としての賞品種類別の在庫数についても表示できるようになっている。また、ここでは図9Aに示すような収納部別在庫画面61および図9Bに示すようなケース別在庫画面62、並びに賞品払出装置3全体としての賞品種類別の在庫数を別の画面として表示しているが、同一の画面に一括表示する機能を備えていてもよい。なお、店側表示部18または客側表示部19がフルカラー表示可能な表示部である場合には、賞品の実際の色と対応した色情報に対応付けて在庫数の表示を行うことができる。
次に、図5Bを参照して、繰出払出処理について説明する。繰出払出処理は、通い箱6から賞品Pを1枚ずつ繰り出す繰出処理と、繰出処理により繰り出された賞品Pを機外へ払い出す払出処理とを含む。繰出処理が始まると、制御部50は、前側収納本体部31Aでは搬送体34を右側面視において時計回りに周回移動させ、後側収納本体部31Bでは搬送体34を右側面視において反時計回りに周回移動させる。各収納本体部31では、繰出処理の対象となるセット部35が、払出ユニット42の払出部49に接近すると、第2の姿勢変更機構(図示せず)により、図5Bに示すように、出入口35Aが横を向いた横向き姿勢に傾倒する。
このとき、前側収納本体部31Aでは、後側上端にあるセット部35が横向き姿勢にあって、このセット部35の出入口35Aが後側Y2を向いている。また、このセット部35にセットされた通い箱6も、出入口25が後側Y2を向いた横向き姿勢にあって、通い箱6内の賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口25から後側Y2へはみ出していて、当該賞品Pの後端面が繰出払出部32側を向いている。後側収納本体部31Bでは、前側上端にあるセット部35が横向き姿勢にあって、このセット部35の出入口35Aが前側Y1を向いている。また、このセット部35にセットされた通い箱6も、出入口25が前側Y1を向いた横向き姿勢にあって、通い箱6内の賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口25から前側Y1へはみ出していて、当該賞品Pの前端面が繰出払出部32側を向いている。
図5Bに示すように、横向き姿勢のセット部35にセットされた通い箱6内における最下位の賞品Pが、払出ユニット42において待機位置にある払出部49の上面と上下方向Zにおいてほぼ同じ位置になると、制御部50は、搬送体34の周回移動を停止する。搬送体34の周回移動の停止に前後して、制御部50は、繰出ユニット41の姿勢を待機姿勢から繰出姿勢に切り換える。繰出姿勢の繰出ユニット41Aでは、繰出部43が、前側収納本体部31Aの本体33の内部空間に後側Y2から進入し、横向き姿勢のセット部35にセットされた通い箱6の真下に配置される。繰出姿勢の繰出ユニット41Bでは、繰出部43が、後側収納本体部31Bの本体33の内部空間に前側Y1から進入し、横向き姿勢のセット部35にセットされた通い箱6の真下に配置される。
次いで、制御部50は、繰出部43における繰出ベルト44を周回移動させ、繰出ローラ46を回転させる。このとき、繰出ユニット41Aでは、右側面視において繰出ベルト44が時計回りに周回移動して繰出ローラ46が反時計回りに回転する。また、繰出ユニット41Bでは、右側面視において繰出ベルト44が反時計回りに周回移動して繰出ローラ46が時計回りに回転する。周回移動する繰出ベルト44に設けられた繰出部材47が、繰出ベルト44の平坦部分44Aにおいて払出部49側へ水平移動する。その際、繰出部材47が、横向き姿勢のセット部35にセットされた通い箱6の開口部26(図3参照)に進入して、当該通い箱6の収容空間24内の最下位の賞品Pを引っ掛けて払出部49側へ繰り出す。
払出部49側へ繰り出された賞品Pは、駆動回転される繰出ローラ46に接触することによって払出部49側へ押し出され、左右方向Xにおいて同じ位置にある1つの払出部49上に載る。そして、繰出ベルト44の周回移動と繰出ローラ46の回転が繰り返されることによって、横向き姿勢のセット部35にセットされた通い箱6において各繰出部43の真上に位置する収容空間24内の賞品Pが、下側Z2の賞品Pから順に1つずつ繰り出されて、払出部49上に集積される。
なお、繰り出された賞品Pが払出部49において上側Z1に集積されるように、賞品Pの繰り出しの度に、制御部50は、払出部49を待機位置から徐々に下降させてもよい。また、制御部50は、繰出部43を左右方向に移動させて、先ほど賞品Pを繰り出した収容空間24とは別の収容空間24の賞品Pを繰出部43によって繰り出してもよい。この場合、当該別の収容空間24から繰り出された賞品Pは、先ほどの払出部49とは別の払出部49に集積される。通い箱6における全ての収容空間24が空になると、制御部50は、繰出ユニット41を一旦待機姿勢に戻した後に搬送体34を周回移動させ、別の通い箱6がセットされたセット部35を横向き姿勢にする。その後、制御部50は、繰出ユニット41を繰出姿勢に姿勢変更して、当該別の通い箱6から賞品Pを繰り出す。
以上の繰出処理が完了すると、制御部50は、払出処理を開始する。具体的には、制御部50は、払出処理の対象となる収納部12の真上のシャッタ17を、図5Bに示す開位置までスライドさせる。これにより、このシャッタ17によって開閉される払出口13Cと、この収納部12の出口40Bとが上側Z1へ開放される。そして、制御部50は、この収納部12における5つ全ての払出部49を、破線にて示す払出位置まで上昇させる。これにより、各払出部49上に繰り出された賞品Pが、出口40Bおよび払出口13Cから上側Z1に露出されることによって機外へ払い出されるので、使用者は、払出部49上の賞品Pを受け取ることができる。
払出部49上の賞品Pが使用者によって取り出された後に、制御部50は、払出部49を待機位置まで下降させる。さらに、制御部50は、今まで開位置にあったシャッタ17を閉位置までスライドさせ、各繰出ユニット41を繰出姿勢から待機姿勢(図5A参照)まで戻す。これにより、払出処理が終了し、一連の繰出払出処理が完了する。
次に、装填処理について説明する。使用者が賞品払出装置3に賞品を装填する場合には、問屋から仕入れた仕入賞品をそのまま賞品払出装置3に装填(仕入)する場合と、複数の賞品払出装置3間で賞品を移動するために賞品を装填(補充)する場合とがある。
まず、問屋から仕入れた仕入賞品を、使用者がそのまま賞品払出装置3に装填する場合の装填処理について説明する。使用者が、店側表示部18を操作することによって、装填処理の対象となる収納部12を1つ選択する。すると、制御部50は、選択された収納部12についてのロック機構20によるロックを解除することによって、この収納部12の引出位置までの引き出しを許可する。次に、使用者が、ロックが解除された収納部12の取っ手12Aを掴んで前側Y1に引くと、この収納部12は、図10に示す引出位置まで引き出される。
引出位置には、収納部12が目一杯引き出されたときの位置である最大引出位置と、収容位置と最大引出位置との間の途中引出位置とがある。最大引出位置まで引き出された収納部12では、前側収納本体部31Aおよび後側収納本体部31Bの両方が装置本体11(1点鎖線で示した装置本体11)よりも前側Y1に位置しており、これらの収納本体部31の上面の装填口33Aが装置本体11の外に配置されている。途中引出位置まで引き出された収納部12では、後側収納本体部31Bが装置本体11内に残っていて、少なくとも前側収納本体部31Aが装置本体11(2点鎖線で示した装置本体11)よりも前側Y1に位置しており、前側収納本体部31Aの上面の装填口33Aが装置本体11の外に配置されている。最大引出位置または途中引出位置まで引き出された収納部12では、装填口33Aから当該収納部12内に賞品Pを装填することができる。
収納部12が最大引出位置または途中引出位置まで引き出された後に、使用者は、収納本体部31(図10では前側収納本体部31Aを参照)の扉33Bを開いて装填口33Aを上側Z1に開放する。扉33Bが開放されるのに先だって、制御部50は、収納本体部31内の移動機構51を制御して、空の2つのセット部35が、収納本体部31内の上部でかつ装填口33Aの真下の位置(以下、「装填位置」という)において前後に並んで配置されるまで、搬送体34を周回移動させることが可能である。空のセット部35とは、通い箱6がセットされていないセット部35、または、エンプティの状態の通い箱6がセットされたセット部35を指す。扉33Bが開かれると、扉センサ53によって扉33Bが開かれたことが検知される。制御部50は扉センサ53によって扉33Bによって扉33Bが開放されていることが検知されている間は、当該扉33Bが設けられた収納本体部31内の移動機構51が駆動されるのを禁止する。
使用者は、賞品Pを収容した基本姿勢の状態の通い箱6を、白抜き矢印で示すように下降させて装填口33Aを通過させ、装填位置にある上向き姿勢のセット部35の出入口25に上側Z1から挿入する。これにより、通い箱6が、装填位置にあるセット部35にセットされ、通い箱6内の賞品Pは、収納部12内に装填される。なお、空のセット部35が、エンプティの状態の通い箱6がセットされたセット部35である場合には、当該セット部35が取り出された後に、賞品Pが収容された新たな通い箱6が装填位置にあるセット部35にセットされる。セット位置のセット部35に通い箱6がセットされてから扉33Bが閉じられると、制御部50は、他の空のセット部35が装填位置に配置されるように、搬送体34を周回移動させる。
同様な操作により、他の空のセット部35にも通い箱6がセットされると、使用者は、扉33Bを閉じて、引出位置の収納部12の取っ手12Aを掴んで収容位置まで戻す。収納部12が収容位置まで戻されると、制御部50は、ロック機構20によって収容位置にてロックする。これにより、この収納部12についての装填処理が終了する。
なお、収納部12が収容位置まで戻されて、ロック機構20によってロックされると、制御部50は、当該収納部12内の賞品に対して識別計数処理を行い、その識別計数処理結果を用いて、賞品払出装置3内の賞品装填後の賞品在庫数(種類別在庫数)を算出する。そして、制御部50は、賞品装填後の賞品在庫数から賞品装填前の賞品在庫数を減算することにより、装填された賞品の種類別装填数(賞品装填数)を算出する。そして、賞品払出装置3は、算出された賞品装填数を含む装填履歴情報(装填データ)を作成して、記憶部55内の装填履歴管理テーブル57に記憶するとともに、賞品管理装置2に送信する(装填データ作成・記憶・送信処理)。賞品管理装置2は、賞品払出装置3からの装填データを受信すると、受信した装填データに基づいて払出装置別在庫管理テーブル76B(図12参照)内の当該賞品払出装置3に対応する在庫データを更新する。
前述した装填処理では、扉33Bが閉じられたときには、制御部50は、他の空のセット部35が装填位置に配置されるように、搬送体34を周回移動させている。しかし、使用者の設定によって、制御部50は、扉33Bが閉じられたときに、搬送体34を所定の周回方向に所定量だけ移動させて、装着位置に現在配置されている2つのセット部35に対して隣接する他の2つのセット部35を装填位置に配置させることも可能である。以下において、このような設定を、セット部巡回移動設定という場合がある。
複数の賞品払出装置3間で賞品を移動するために賞品を装填する場合の装填処理について説明する。ここでは、店内に複数の賞品払出装置3が存在しているものとし、ある第1の賞品払出装置3から賞品Pが収容されている所定の通い箱6を取り出し、他の第2の賞品払出装置3に当該通い箱6を装填する場合について説明する。
まず、第1の賞品払出装置3から賞品Pが収容されている所定の通い箱6を取り出す場合の使用者の操作および制御部50の動作について説明する。使用者は、第1の賞品払出装置3の複数の収納部12から装填対象(この場合はマイナス装填対象)となる収納部12を選択し、収納部12を引き出し、扉33Bを開ける。この間の制御部50の動作は、前述した制御部50の動作と同様である。
この後、使用者は、セット部巡回移動設定を行った後、取り出すべき通い箱6(賞品Pが収容されている通い箱6)がセットされているセット部35が装填位置にくるまで、扉33Bを閉めたり、開けたりする。そして、取り出すべき通い箱6がセットされているセット部35が装填位置にくると、使用者は、当該セット部35から通い箱6を取り出す。この後、使用者は、扉33Bを閉じて、収納部12を収容位置まで戻す。収納部12が収容位置まで戻されると、制御部50は、ロック機構20によって収容位置にてロックする。この後、制御部50は前述したと同様な処理(識別計数処理、装填データ作成・記憶・送信処理)を行う。
第1の賞品払出装置3から取り出した通い箱6を、第2の賞品払出装置3に装填する場合の使用者の操作および制御部50の動作について説明する。使用者は、第2の賞品払出装置3の複数の収納部12から装填対象(この場合はプラス装填対象)となる収納部12を選択し、収納部12を引き出し、扉33Bを開ける。この間の制御部50の動作は、前述した制御部50の動作と同様である。
この後、使用者は、セット部巡回移動設定を行った後、通い箱6をセットすべきセット部35が装填位置にくるまで、扉33Bを閉めたり、開けたりする。そして、通い箱6をセットすべきセット部35が装填位置にくると、使用者は、当該セット部35に通い箱6をセットする。この後、使用者は、扉33Bを閉じて、収納部12を収容位置まで戻す。収納部12が収容位置まで戻されると、制御部50は、ロック機構20によって収容位置にてロックする。この後、制御部50は前述したと同様な処理(識別計数処理、装填データ作成・記憶・送信処理)を行う。
図11は、賞品管理装置、管理サーバおよび携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
賞品管理装置2は、制御部70を含む。制御部70は、CPUおよびメモリ(ROM,RAM等)を備えたマイクロンピュータを含んでいる。制御部70には、通信インターフェース部(通信IF部)71、操作部72、表示部(操作表示部)73、記憶部74等が接続されている。
通信IF部71は、制御部70が賞品払出装置3および管理サーバ4と通信を行うためのインターフェースである。操作部72は、キーボード、マウス等を含む。表示部73は、例えば、タッチパネル式ディスプレイである。記憶部74は、不揮発性メモリ、ハードディスク等の記憶デバイスから構成されている。記憶部74には、一般賞品在庫管理テーブル75、特殊賞品在庫管理テーブル76および仕入履歴管理テーブル77が設けられている。記憶部74には、図示しないが、会員の情報を会員カードIDに対応付けて管理するためのテーブル、遊技媒体の情報をカードID(会員カードID、プリペイドカードID)に対応付けて管理するためのテーブル、プリペイドカードの有価価値の情報をカードID(会員カードID、プリペイドカードID)に対応付けて管理するためのテーブル等も設けられている。
一般賞品在庫管理テーブル75は、一般賞品の在庫管理を行うための在庫管理テーブルである。一般賞品在庫管理テーブル75には、受付カウンターC(図2参照)の周囲の棚や事務所に保管されている一般賞品の種類別在庫数が記憶される。
特殊賞品在庫管理テーブル76は、図12(a)(b)に示すように、店内在庫管理テーブル76Aと、払出装置別在庫管理テーブル76B等を含んでいる。店内在庫管理テーブル76Aには、図12(a)に示すように、遊技店内に存在する賞品Pの種類別在庫数が店内在庫データとして記憶される。店内在庫データは、主として、売り上げ管理に利用される。店内在庫管理テーブル76A内の店内在庫データは、後述する仕入データに基づいて更新される。
払出装置別在庫管理テーブル76Bには、図12(b)に示すように、店内に存在する賞品払出装置3毎に、その賞品払出装置3内に収納されている賞品Pの種類別在庫数が払出装置別在庫データとして記憶される。払出装置別在庫データは、主として、賞品払出装置3からの賞品Pの払出(出庫)が可能か否かを判断するために用いられる。払出装置別在庫管理テーブル76B内の払出装置別在庫データは、前述したように、賞品払出装置3から送られてくる装填データに基づいて更新される。また、賞品管理装置2は、表示部73にて所定の操作を受け付けた場合に、通信IF部71を介して賞品払出装置3に対し在庫計数処理を指示することができる。この場合においても、払出装置在庫データは、賞品払出装置3から送られてくるデータに基づいて更新される。
仕入履歴管理テーブル77は、賞品Pの仕入履歴に関する情報である仕入データを記憶するためのテーブルである。この実施形態では、仕入データは、賞品管理装置2、携帯端末5および賞品払出装置3の各端末から、賞品管理装置2に提供(入力または送信)することが可能となっている。つまり、この実施形態では、これらの各端末2,3,5から仕入処理が可能である。仕入データは、図12(c)に示すように、仕入処理を行った日時(仕入処理日時)、仕入処理を行った使用者を特定するための情報(仕入処理者ID)、仕入処理が行われた端末の識別情報(仕入処理端末ID)、仕入賞品の種類別仕入数(賞品仕入数)等を含む。
以下において、賞品管理装置2、携帯端末5および賞品払出装置3を、それぞれ「端末2」、「端末3」および「端末5」という場合がある。また、これらの端末を区別する必要がない場合には、各端末を「端末T」という場合がある。この実施形態では、仕入処理は、各端末Tによって異なる。仕入処理の詳細については後述する。
図11に戻り、携帯端末5は、制御部90を含む。制御部90は、CPUおよびメモリ(ROM,RAM等)を備えたマイクロンピュータを含んでいる。制御部90には、無線通信インターフェース部(無線通信IF部)91、操作部92、表示部(操作表示部)93、記憶部94等が接続されている。無線通信IF部91は、制御部90が管理サーバ4と無線通信を行うためのインターフェースである。操作部92は複数の操作ボタン等を含む。表示部93は、例えば、タッチパネル式ディスプレイである。記憶部94は、不揮発性メモリ等の記憶デバイスから構成されている。
管理サーバ4は、制御部80を含む。制御部80は、CPUおよびメモリ(ROM,RAM等)を備えたマイクロンピュータを含んでいる。制御部80には、通信インターフェース部(通信IF部)81、無線通信インターフェース部(無線通信IF部)82、操作部83、表示部(操作表示部)84、記憶部85等が接続されている。
通信IF部81は、制御部80が賞品管理装置2と通信を行うためのインターフェースである。無線通信IF部82は、制御部80が携帯端末5と無線通信を行うためのインターフェースである。操作部83は、キーボード、マウス等を含む。表示部84は、例えば、タッチパネル式ディスプレイである。
記憶部85は、不揮発性メモリ、ハードディスク等の記憶デバイスから構成されている。記憶部85には、一般賞品在庫管理テーブル86、特殊賞品在庫管理テーブル87、仕入処理制限情報記憶部88等が設けられている。一般賞品在庫管理テーブル86には、賞品管理装置2の一般賞品在庫管理テーブル75と同様な在庫データが記憶される。特殊賞品在庫管理テーブル87には、賞品管理装置2の特殊賞品在庫管理テーブル76と同様な在庫データが記憶される。
この実施形態では、特定の使用者は、管理サーバ4に対して、賞品管理装置2、賞品払出装置3および携帯端末5のうちの少なくとも1つの端末からの仕入処理に対して制限を加えるための仕入処理制限情報を入力することができる。特定の使用者とは、仕入処理制限情報を設定できる権限を有する使用者である。管理サーバ4に対して入力された仕入処理制限情報は、仕入処理制限情報記憶部88に記憶される。
賞品管理装置2、賞品払出装置3および携帯端末5は、電源オン時に仕入処理制限情報記憶部88に記憶されている仕入処理制限情報を取得して、例えばRAM等のメモリに記憶する。これらの各端末2,3,5は、仕入処理を行うための操作が使用者によって行われたときには、メモリに記憶されている仕入処理制限情報に基づいて、仕入処理が実行可能であるか否かを判別するための仕入可否判定処理を行う。そして、各端末2,3,5は、仕入可否判定処理において、仕入処理が可能であると判定されたときには、仕入処理を実行する。一方、仕入可否判定処理において、仕入処理が実行不可能であると判定されたときには、各端末2,3,5は、仕入処理を実行することなく仕入可否判定処理を終了する。
図13は、賞品管理装置、賞品払出装置および携帯端末が、管理サーバから仕入処理制限情報を取得するための動作を説明するためのシーケンス図である。
賞品管理装置2および賞品払出装置3の電源がオンされると、賞品管理装置2から管理サーバ4に対して、仕入処理制限情報の送信を要求するための要求メッセージを送信する(シーケンス番号[S1])。管理サーバ4は、この要求メッセージを受信すると、仕入処理制限情報記憶部88内から仕入処理制限情報を読み出して、仕入処理制限情報を含む応答メッセージを賞品管理装置2に送信する(シーケンス番号[S2])。
賞品管理装置2は、この応答メッセージを受信すると、応答メッセージに含まれている仕入処理制限情報をメモリに記憶する。この後、賞品管理装置2は、仕入処理制限情報を含む通知メッセージを賞品払出装置3に送信する(シーケンス番号[S3])。賞品払出装置3は、この通知メッセージを受信すると、通知メッセージに含まれている仕入処理制限情報をメモリに記憶した後、賞品管理装置2に前記通知メッセージに対する通知応答メッセージを送信する(シーケンス番号[S4])。
一方、携帯端末5の電源がオンされると、携帯端末5から管理サーバ4に対して、仕入処理制限情報の送信を要求するための要求メッセージを送信する(シーケンス番号[S5])。管理サーバ4は、この要求メッセージを受信すると、仕入処理制限情報記憶部88内から仕入処理制限情報を読み出して、仕入処理制限情報を含む応答メッセージを携帯端末5に送信する(シーケンス番号[S6])。
携帯端末5は、この応答メッセージを受信すると、応答メッセージに含まれている仕入処理制限情報をメモリに記憶する。
仕入処理制限情報は、例えば、次のようにして管理サーバ4に入力される。管理サーバ4の操作部83または表示部84に対して、特定の使用者が、仕入処理制限情報の設定を行うための操作を行うと、制御部80は制限情報設定画面を表示部84に表示する。特定の使用者は、制限情報設定画面に従って、仕入処理制限情報を設定する。このようにして仕入処理制限情報が設定されると、制御部80は、設定された仕入処理制限情報を仕入処理制限情報記憶部88に記憶する。
仕入処理制限情報は、例えば、複数の端末2,3,5のうち仕入処理を禁止すべき端末を特定するための禁止端末特定情報であってもよい。禁止端末特定情報は、仕入処理を禁止すべき端末(以下、「禁止端末」という場合がある。)を特定する情報であってもよいし、仕入処理を許可すべき端末(以下、「許可端末」という場合がある。)を特定する情報であってもよい。この場合、制限情報設定画面は、例えば、賞品管理装置2、賞品払出装置3および携帯端末5のうちから、許可端末および禁止端末のいずれか一方または両方を選択設定させるための画面であってもよい。
図14Aは、制限情報設定画面の一例を示している。この制限情報設定画面120では、賞品管理装置2、賞品払出装置3および携帯端末5のそれぞれに対して、当該端末を許可端末として設定するためのチェックボックス121、122、123が表示されている。特定の使用者は、許可端末として設定すべき端末に対応するチェックボックス121、122、123をクリックする。これにより、そのチェックボックス内にチェックマークが表示され、対応する端末が許可端末として設定される。
図14Aの制限情報設定画面120のようにも、許可端末のみが設定される場合には、端末2,3,5のうち、許可端末として設定された端末以外の端末は禁止端末として扱われる。禁止端末のみが設定される場合には、端末2,3,5のうち、禁止端末として設定された端末以外の端末は許可端末として扱われる。
図15は、仕入処理制限情報が禁止端末特定情報である場合に、各端末の制御部によって実行される仕入処理可否判定処理の手順を示すフローチャートである。
図15の仕入処理可否判定処理は、いずれかの端末Tに対して使用者が仕入処理を行うための操作が行われることによって開始される。以下においては、端末Tの制御部を、単に端末Tという場合がある。
端末Tは、仕入処理可否判定処理が開始されると、メモリ内の仕入処理制限情報(この例では禁止端末特定情報)に基づいて、自己が許可端末であるか否かを判別する(ステップS11)。自己が許可端末である場合には(ステップS11:YES)、端末Tは、仕入処理に移行する(ステップS12)。
前記ステップS11において、自己が禁止端末であると判別された場合には(ステップS11:NO)、端末Tは、仕入処理を実行できないことまたは仕入処理を実行できなかったことを表す警告表示を行った後(ステップS13:NO)、今回の仕入処理可否判定処理を終了する。したがって、この場合には、仕入処理が禁止される。
仕入処理について具体的に説明する。前述したように、この実施形態では、仕入処理は端末Tによって異なる。端末Tが賞品払出装置3である場合の仕入処理について説明する。この場合、仕入処理は、仕入データを取得して作成する仕入データ取得・作成処理と、仕入データ取得・作成処理によって作成された仕入データを賞品管理装置2に送信する仕入データ送信処理とからなる。
仕入データ取得・作成処理においては、賞品払出装置3は、仕入処理を行おうとしている使用者に、使用者識別情報(使用者ID)を入力させるための使用者ID入力画面を表示する。使用者は、使用者ID入力画面上で使用者IDを入力する。この際、バーコードリーダを利用して使用者IDを入力させるようにしてもよい。使用者IDが入力されると、賞品払出装置3は、装填履歴管理テーブル57(図7,図8参照)に記憶されている装填データを店側表示部18にリスト表示する。この際、装填データは、例えば、古いものから新しいものへと並べられて表示されるが、1ページ(1画面)に収まらない場合には、最新の装填データを含むページが表示されることが好ましい。
使用者は、リスト表示された装填データから、仕入処理を行いたい装填データ(仕入処理対象の装填データ)を選択する。この後、使用者が確定操作を行うと、賞品払出装置3は、使用者によって入力された使用者ID、使用者によって選択された装填データ、現在日時、当該賞品払出装置3を特定するための端末ID、仕入データであることを示す識別情報等を含む仕入データを作成する。そして、賞品払出装置3は、作成された仕入データを賞品管理装置2に送信する。賞品管理装置2は、仕入データを仕入履歴管理テーブル77に記憶するとともに、店内在庫管理テーブル76A内の店内在庫データを更新する。
このようにして仕入処理が行われた装填データに対しては、賞品払出装置3は、装填履歴管理テーブル57(図8参照)内の当該装填データに対する仕入処理済フラグの値を1に設定する。仕入処理済フラグの値が1に設定されると、その後において装填データがリスト表示される際には、当該装填データは仕入処理対象の装填データとして選択不可能な状態で表示される。
端末Tが携帯端末5である場合の仕入処理について説明する。この場合、仕入処理は、仕入データを取得して作成する仕入データ取得・作成処理と、仕入データ取得・作成処理によって作成された仕入データを賞品管理装置2に送信する仕入データ送信処理とからなる。
仕入データ取得・作成処理においては、携帯端末5は、仕入処理を行おうとしている使用者に、使用者IDを入力させるためのID入力画面を表示する。使用者は、ID入力画面上で使用者IDを入力する。この際、携帯端末5が有するバーコード読取機能を利用して使用者IDを入力するようにしてもよい。使用者IDが入力されると、携帯端末5は、仕入賞品の種類別仕入数(賞品仕入数)を入力させるための仕入数入力画面を表示する。使用者は、仕入数入力画面上で賞品仕入数を入力する。この後、使用者が確定操作を行うと、携帯端末5は、使用者によって入力された使用者IDおよび賞品仕入数、現在日時、当該携帯端末5を特定するための端末ID、仕入データであることを示す識別情報等を含む仕入データを作成する。そして、携帯端末5は、作成された仕入データを賞品管理装置2に送信する。賞品管理装置2は、仕入データを仕入履歴管理テーブル77に記憶するとともに、店内在庫管理テーブル76A内の店内在庫データを更新する。
端末Tが賞品管理装置2である場合の仕入処理について説明する。この場合、仕入処理は、仕入データを取得して作成する仕入データ取得・作成処理と、仕入データ取得・作成処理によって作成された仕入データを仕入履歴管理テーブル77に記憶する仕入データ記憶処理とからなる。
仕入データ取得・作成処理においては、賞品管理装置2は、仕入処理を行おうとしている使用者に、使用者IDを入力させるためのID入力画面を表示する。使用者は、ID入力画面上で使用者IDを入力する。この際、バーコードリーダを利用して使用者IDを入力するようにしてもよい。使用者IDが入力されると、賞品管理装置2は、仕入賞品の種類別仕入数(賞品仕入数)を入力させるための仕入数入力画面を表示する。使用者は、仕入数入力画面上で賞品仕入数を入力する。この後、使用者が確定操作を行うと、賞品管理装置2は、使用者によって入力された使用者IDおよび賞品仕入数、現在日時、当該賞品管理装置2を特定するための端末ID等を含む仕入データを作成して、仕入履歴管理テーブル77に記憶するとともに、店内在庫管理テーブル76A内の店内在庫データを更新する。
仕入処理制限情報は、例えば、複数の端末2,3,5に対して、その端末が仕入処理の優先度が高い端末(以下、「高優先度端末」という場合がある。)であるか低い端末(以下、「低優先度端末」という場合がある。)であるかを表す優先度情報であってもよい。この場合、管理サーバ4で表示される制限情報設定画面は、例えば、賞品管理装置2、賞品払出装置3および携帯端末5それぞれに対して、その端末が高優先度端末であるか低優先度端末であるかを選択設定させるための画面であってもよい。
このような制限情報設定画面の一例を、図14Bに示す。この制限情報設定画面130では、賞品管理装置2、賞品払出装置3および携帯端末5のそれぞれに対して、当該端末を高優先度端末として設定するためのチェックボックス131、132、133が表示されている。特定の使用者は、高優先度端末として設定すべき端末に対応するチェックボックス131、132、133をクリックする。これにより、そのチェックボックス内にチェックマークが表示され、対応する端末が高優先度端末として設定される。この場合、高優先度端末として設定されなかった端末は、低優先度端末であると判別される。
図16は、仕入処理制限情報が優先度情報である場合に、各端末の制御部によって実行される仕入処理可否判定処理の手順を示すフローチャートである。
図16の仕入処理可否判定処理は、いずれかの端末Tに対して使用者が仕入処理を行うための操作が行われることによって開始される。
端末Tは、仕入処理可否判定処理が開始されると、メモリ内の仕入処理制限情報(この例では優先度情報)に基づいて、自己が高優先度端末であるか否かを判別する(ステップS21)。自己が高優先度端末である場合には(ステップS21:YES)、端末Tは、仕入処理に移行する(ステップS22)。
ステップS21において、自己が低優先度端末であると判別された場合には(ステップS21:NO)、端末Tは、ステップS23A、ステップS23BおよびステップS23Cの制限処理を行う。
具体的には、端末Tは、図17に示すように、使用者に仕入処理制限画面110を表示部73,18,93に表示する(ステップS23A)。仕入処理制限画面110は、当該端末からの仕入処理が推奨されていないことを表す警告メッセージ等と、仕入処理に移行するか否かを使用者に選択させるための2つボタン111,112とを含む。一方のボタン111は、仕入処理に移行せずに仕入処理可否判定処理を終了するための終了ボタンである。他方のボタン112は、仕入処理に移行するための仕入処理移行ボタンである。この後、端末Tは、終了ボタン111が操作されたか、仕入処理移行ボタン112が操作されたかを監視する(ステップS23BおよびステップS23C)。
終了ボタン111が操作された場合には(ステップS23B:YES)、端末Tは、仕入処理を実行できないことまたは仕入処理を実行できなかったことを表す警告表示を行った後(ステップS24)、今回の仕入処理可否判定処理を終了する。したがって、この場合には、仕入処理が禁止される。一方、仕入処理移行ボタン112が操作された場合には(ステップS23C:YES)、端末Tは、仕入処理に移行する(ステップS22)。
仕入処理制限情報は、例えば、前記禁止端末特定情報と、前記禁止端末特定情報によって特定される前記許可端末に対してその端末が仕入処理の優先度が高い端末であるか低い端末であるかを表す優先度情報とを含んでいてもよい。このような禁止端末特定情報および優先度情報を設定するための制限情報設定画面の一例を、図14Cに示す。
この制限情報設定画面140では、賞品管理装置2、賞品払出装置3および携帯端末5のそれぞれに対して、当該端末を許可端末として設定するためのチェックボックス141、142、143と、賞品管理装置2、賞品払出装置3および携帯端末5のそれぞれに対して、当該端末を高優先度端末として選択するためのチェックボックス144、145、146が表示される。ただし、チェックボックス144、145、146は、当該端末が許可端末として設定されている場合にのみチェックすることが可能である。
図18は、仕入処理制限情報がこのような禁止端末特定情報および優先度情報を含んでいる場合に、各端末の制御部によって実行される仕入処理可否判定処理の手順を示すフローチャートである。
図18の仕入処理可否判定処理は、いずれかの端末Tに対して使用者が仕入処理を行うための操作が行われることによって開始される。
端末Tは、仕入処理可否判定処理が開始されると、メモリ内の仕入処理制限情報に含まれている禁止端末特定情報に基づいて、自己が許可端末であるか否かを判別する(ステップS11)。自己が禁止端末である場合には(ステップS11:NO)、端末Tは、仕入処理を実行できないことまたは仕入処理を実行できなかったことを表す警告表示を行った後(ステップS24)、今回の仕入処理可否判定処理を終了する。
ステップS11において、自己が許可端末であると判別された場合には(ステップS11:YES)、端末Tは、メモリ内の仕入処理制限情報に含まれている優先度情報に基づいて、自己が高優先度端末であるか否かを判別する(ステップS21)。自己が高優先度端末である場合には(ステップS21:YES)、端末Tは、仕入処理に移行する(ステップS22)。
ステップS21において、自己が低優先度端末であると判別された場合には(ステップS21:NO)、端末Tは、ステップS23A、ステップS23BおよびステップS23Cの制限処理を行う。
具体的には、端末Tは、使用者に前述した仕入処理制限画面110(図17参照)を表示部73,18,93に表示する(ステップS23A)。この後、端末Tは、終了ボタン111が操作されたか、仕入処理移行ボタン112が操作されたかを監視する(ステップS23BおよびステップS23C)。
終了ボタン111が操作された場合には(ステップS23B:YES)、端末Tは、仕入処理を実行できないことまたは仕入処理を実行できなかったことを表す警告表示を行った後(ステップS24)、今回の仕入処理可否判定処理を終了する。したがって、この場合には、仕入処理が禁止される。一方、仕入処理移行ボタン112が操作された場合には(ステップS23C:YES)、端末Tは、仕入処理に移行する(ステップS22)。
図15の仕入処理可否判定処理に、仕入処理を許可するための所定の条件を付加してもよい。所定の条件に関する情報は、管理サーバ4に対して設定され、仕入処理制限情報の一部として記憶される。この場合には、図15に鎖線で示すように、ステップS11で、自己が許可端末であると判別された場合には(ステップS11:YES)、端末Tは、所定の条件を満たしているか否かを判別するための処理(条件判別処理)を行う(ステップS30)。条件判別処理の詳細については、後述する。所定の条件を満たしている場合には(ステップS30:YES)、端末Tは、ステップS12に移行する。所定の条件を満たしていない場合には(ステップS30:NO)、端末Tは、ステップS13に移行する。
図16の仕入処理可否判定処理に、仕入処理を許可するための所定の条件を付加してもよい。この場合には、図16に鎖線で示すように、端末Tは、仕入処理可否判定処理が開始されると、所定の条件を満たしているか否かを判別するための処理(条件判別処理)を行う(ステップS30)。条件判別処理の詳細については、後述する。所定の条件を満たしている場合には(ステップS30:YES)、端末Tは、ステップS21に移行する。所定の条件を満たしていない場合には(ステップS30:NO)、端末Tは、ステップS24に移行する。
図18の仕入処理可否判定処理に、仕入処理を許可するための所定の条件を付加してもよい。この場合には、図18に鎖線で示すように、ステップS11で、自己が許可端末であると判別された場合には(ステップS11:YES)、端末Tは、所定の条件を満たしているか否かを判別するための処理(条件判別処理)を行う(ステップS30)。条件判別処理の詳細については、後述する。所定の条件を満たしている場合には(ステップS30:YES)、端末Tは、ステップS21に移行する。所定の条件を満たしていない場合には(ステップS30:NO)、端末Tは、ステップS24に移行する。
条件判別処理について説明する。前記所定の条件としては、例えば、使用者が仕入処理を行う権限を有している担当者であるという第1条件、現在時刻が所定の時間帯内であるという第2条件、仕入賞品数が所定の最大数以内であるという第3条件、端末Tが賞品管理装置2である場合には他の端末Tからの仕入データを受信中ではないという第4条件等が挙げられる。
端末Tが、賞品払出装置3または携帯端末5である場合には、前記所定の条件は、第1条件、第2条件および第3条件のうちから選択された所定の1つの条件であってもよく、あるいはこれらのうちから選択された2以上の所定の組み合わせのAND条件であってもよい。端末Tが、賞品管理装置2である場合には、前記所定の条件は、第1条件、第2条件、第3条件および第4条件のうちから選択された所定の1つの条件であってもよいし、あるいはこれらのうちから選択された2以上の所定の組み合わせのAND条件であってもよい。
第1条件が前記所定の条件に含まれている場合には、第1条件を満たしているか否かを判別するよりも前に、使用者に使用者IDを入力させるための処理が行われる。また、第3条件が前記所定の条件に含まれている場合には、第3条件を満たしているか否かを判別するよりも前に、使用者に仕入賞品数を入力させるための処理が行われる。
図19は、図15、図16または図18のステップS30で実行される条件判別処理の手順の一例を示すフローチャートである。
条件判別処理においては、端末Tは、まず、仕入データ取得処理を行う(ステップS31)。端末Tが賞品払出装置3である場合の仕入データ取得処理について説明する。端末Tが賞品払出装置3である場合には、端末Tは、仕入処理を行おうとしている使用者に、使用者識別情報(使用者ID)を入力させるための使用者ID入力画面を表示する。使用者は、使用者ID入力画面上で使用者IDを入力する。この際、バーコードリーダを利用して使用者IDを入力させるようにしてもよい。使用者IDが入力されると、端末Tは、装填履歴管理テーブル57(図7,図8参照)に記憶されている装填データを店側表示部18にリスト表示する。この際、装填データは、古いものから新しいものへと並べられて表示されるが、1ページ(1画面)に収まらない場合には、最新の装填データを含むページが表示されることが好ましい。
使用者は、リスト表示された装填データから、仕入処理を行いたい装填データ(仕入処理対象の装填データ)を選択する。この後、使用者が確定操作を行うと、端末Tは、仕入データ取得処理を終了して、ステップS32に移行する。
端末Tが携帯端末5または賞品管理装置2である場合の仕入データ取得処理について説明する。端末Tが携帯端末5または賞品管理装置2である場合には、端末Tは、仕入処理を行おうとしている使用者に、使用者IDを入力させるためのID入力画面を表示する。使用者は、ID入力画面上で使用者IDを入力する。この際、バーコードリーダまたはバーコード読取機能を利用して使用者IDを入力するようにしてもよい。使用者IDが入力されると、携帯端末5は、仕入賞品の種類別仕入数(賞品仕入数)を入力させるための仕入数入力画面を表示する。使用者は、仕入数入力画面上で賞品仕入数を入力する。この後、使用者が確定操作を行うと、端末Tは、仕入データ取得処理を終了して、ステップS32に移行する。
ステップS32では、端末Tは、仕入データ取得処理で取得した使用者IDと、仕入処理の実行権限を有している使用者IDとに基づいて、使用者が仕入処理の実行権限を有しているか否かを判別する。仕入処理の実行権限を有している使用者IDは、仕入処理制限情報に含まれている。使用者が仕入処理の実行権限を有している場合には(ステップS32:YES)、端末Tは現在時刻が許容時間帯内であるか否かを判別する(ステップS33)。許容時間帯は、仕入処理制限情報に含まれている。
現在時刻が許容時間帯内である場合には(ステップS33:YES)、端末Tは仕入賞品の種類別仕入数(賞品仕入数)が対応する賞品種類別の許容数(種類別許容数)以内か否かを判別する(ステップS34)。種類別許容数は、仕入処理制限情報に含まれている。仕入賞品の種類別仕入数のいずれもが対応する種類別許容数以内である場合には(ステップS34:YES)、端末Tは、図15、図16または図18におけるステップS30において所定の条件を満たしていると判別(肯定判定)する。
ステップS32において、使用者が仕入処理の実行権限を有していないと判別された場合(ステップS32:NO)またはステップS33において、現在時刻が許容時間帯外であると判別された場合(ステップS33:NO)には、端末Tは、図15、図16または図18におけるステップS30において所定の条件を満たしていないと判別(否定判定)する。また、ステップS34において、仕入賞品の種類別仕入数のいずれかが対応する種類別許容数を超えていると判別された場合(ステップS34:NO)にも、端末Tは、図15、図16または図18における前記ステップS30において所定の条件を満たしていないと判別(否定判定)する。
なお、端末Tが賞品管理装置である場合には、図19に鎖線で示すように、ステップS35の処理を追加してもよい。すなわち、ステップS34で仕入賞品の種類別仕入数のいずれもが対応する種類別許容数以内であると判別された場合には(ステップS34:YES)、端末Tは、他の端末Tからの仕入データの受信中ではないか否かを判別する(ステップS35)。他の端末Tからの仕入データの受信中ではない場合には(ステップS35:YES)、端末Tは、図15、図16または図18におけるステップS30において所定の条件を満たしていると判別(肯定判定)する。
一方、他の端末Tからの仕入データの受信中である場合には(ステップS35:NO)、端末Tは、図15、図16または図18における前記ステップS30において所定の条件を満たしていないと判別(否定判定)する。
図8の条件判別処理(図15、図16または図18におけるステップS30)では、ステップS31において、端末Tは使用者IDおよび賞品仕入数を取得する。したがって、条件判別処理で肯定判定された後において仕入処理に移行した場合には、端末Tは、仕入処理において、使用者IDおよび賞品仕入数を取得するための処理を省略してもよい。
前述の実施形態では、複数の端末2,3,5のうちの少なくとも1つの端末からの仕入処理に対して制限を加えることができるので、賞品払出装置3に仕入された仕入賞品に対して、重複して仕入処理が行われるのを抑制できる。
賞品払出装置3にエラーが発生した場合や賞品払出装置3を定期点検する場合には、サービスマンは、管理サーバ4に対してテストモード設定操作を行った後、賞品払出装置3の動作テストを行う。賞品払出装置3の動作テストには、例えば、賞品払出装置3から賞品を払い出す払出テスト、賞品払出装置3に賞品を装填する装填テスト等がある。このような動作テストが行われた場合には、動作テスト前の賞品払出装置3内の賞品在庫数(種類別在庫数)と動作テスト終了後の賞品在庫数との間に誤差が発生するおそれがある。このような誤差が発生した状態のまま、テストモードが解除されて通常モードに移行すると、賞品管理装置2および管理サーバ4で管理している賞品在庫に誤差が発生じてしまう。そこで、このような賞品在庫誤差の発生を防止するための実施形態について説明する。
図20は、賞品払出装置の動作テストを行う際のサービスマンの操作ならびに賞品管理装置、賞品払出装置および管理サーバの動作を説明するためのシーケンス図である。
賞品払出装置3の動作テストを行うに際しては、サービスマンは、管理サーバ4に対してテストモードの設定操作を行う(シーケンス番号[S41])。この設定操作によって、テスト対象の賞品払出装置3を特定するための情報(テスト対象端末ID)および当該賞品払出装置3に対して動作テストが行われることを示す情報が入力される。テストモードの設定操作が行われると、管理サーバ4は、テスト対象端末IDを含むテストモード設定通知を賞品管理装置2に送信する(シーケンス番号[S42])。
賞品管理装置2は、このテストモード設定通知を受信すると、払出装置別在庫管理テーブル76B(図12参照)から、テスト対象端末IDに対応する賞品払出装置3の現在の在庫データ(種類別在庫数)を読み出して、テスト前在庫データとしてメモリに記憶する(シーケンス番号[S43])。
この後、サービスマンによる動作テスト(払出テスト、装填テスト等)が行われる(シーケンス番号[S44])。動作テストが終了すると、サービスマンは、管理サーバ4に対してテストモードの解除操作を行う(シーケンス番号[S45])。テストモードの解除操作が行われると、管理サーバ4は、テストモード解除通知を賞品管理装置2に送信する(シーケンス番号[S46])。
賞品管理装置2は、テストモード解除通知を受信すると、前記テスト対象端末IDに対応した賞品払出装置3から現在の在庫データ(種類別在庫数)を取得して、テスト後在庫データとしてメモリに記憶する(シーケンス番号[S47])。そして、賞品管理装置2は、テスト前在庫データとテスト後在庫データとが一致するか否かを判定する(シーケンス番号[S48],[S49])。両者が一致した場合には、賞品管理装置2は、テストモード解除完了通知を管理サーバ4に送信する(シーケンス番号[S50])。これにより、テストモードが終了し、通常モードに戻る。
一方、テスト前在庫データとテスト後在庫データとが不一致である場合には、賞品管理装置2は、テスト前後の在庫データが不一致であるためにテストモードを終了できないことを表す警告表示を行う(シーケンス番号[S51])。サービスマンは、テスト対象の賞品払出装置3の在庫データがテスト前の在庫データと一致するように、賞品払出装置3に対して賞品の装填(プラス装填またはマイナス装填)を行う。この後、サービスマンは、管理サーバ4に対してテストモードの解除操作を再度行う。これにより、前記シーケンス番号[S46]以下の動作と同様な動作が再度行われることになる。
図21は、テストモード設定が通知された場合に、賞品管理装置によって実行されるテストモード終了制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
管理サーバ4からのテスト対象端末IDを含むテストモード設定通知を受信すると(ステップS61:YES)、賞品管理装置2は、払出装置別在庫管理テーブル76B(図12参照)から、テスト対象端末IDに対応する賞品払出装置3の現在の在庫データ(種類別在庫数)を読み出して、テスト前在庫データとしてメモリに記憶する(ステップS62)。そして、賞品管理装置2は、管理サーバ4からテストモード解除通知が送られてくるのを待つ(ステップS63)。
管理サーバ4からのテストモード解除通知を受信すると(ステップS63:YES)、賞品管理装置2は、前記テスト対象端末IDに対応する賞品払出装置3から現在の在庫データ(種類別在庫数)を取得して、テスト後在庫データとしてメモリに記憶する(ステップS64)。そして、賞品管理装置2は、テスト前在庫データとテスト後在庫データとが一致するか否かを判定する(ステップS65)。両者が一致した場合には、賞品管理装置2は、管理サーバ4に対してテストモード解除が完了したことを通知する(ステップS66)。そして、賞品管理装置2は、今回のテストモード終了制御処理を終了する。
一方、テスト前在庫データとテスト後在庫データとが不一致である場合には、賞品管理装置2は、テスト前後の在庫データが不一致であるためにテストモードを終了できないことを表す警告表示を行う(ステップS67)。そして、賞品管理装置2は、ステップS63に戻る。サービスマンは、賞品払出装置3の在庫データがテスト前の在庫データと一致するように、テスト対象の賞品払出装置3に対して賞品の装填(プラス装填またはマイナス装填)を行う。そして、その後、サービスマンは管理サーバ4に対してテストモードの解除操作を再度行う。これにより、管理サーバ4からテストモード解除通知が賞品管理装置2に送信されるので、ステップS63で肯定判定となり、前記ステップS64移行の処理が再度実行されることになる。
図21のテストモード終了制御処理は賞品管理装置2によって実行されているが、図21と同様なテストモード終了制御処理を、テスト対象の賞品払出装置3が実行できるようにしてもよい。この場合には、賞品管理装置2は、管理サーバ4からテスト対象端末IDを含むテストモード設定通知を受信したときには、テスト対象端末IDに対応する賞品払出装置3にテストモード設定通知を送信する。これにより、前記ステップS61において、テスト対象の賞品払出装置3がテストモード設定通知を受信できる。
また、賞品管理装置2は、管理サーバ4からテストモード解除通知を受信したときには、テスト対象端末IDに対応する賞品払出装置3にテストモード解除通知を送信する。これにより、前記ステップS63において、テスト対象の賞品払出装置3がテストモード解除通知を受信できる。また、ステップS66では、テスト対象の賞品払出装置3がテストモード解除完了通知を、賞品管理装置2を介して管理サーバ4に送信することになる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。例えば賞品払出装置としては、賞品Pの厚さ方向が上下方向となる姿勢で、複数の賞品Pが上下方向に積層された状態で収納される収容部を有するものであってもよい。この場合、賞品払出装置は、例えば特開2008−73169号公報に記載の景品払出機のように複数の賞品が積層された1列の収納容器を整列させて複数個収容した1レーンの収容部から、1列の収納容器を個別に取り出し可能な収容部を備えたものであってもよく、上述の実施形態における通い箱6(収納区画)に代えて1列の収納容器の収納区画を1単位として在庫数の表示、管理などを行えばよい。また、1列の収納区画毎を個別に取り出し可能であることは必須ではなく、複数列の収納区画を物理的に一体形成されたカートリッジで1レーンの収容部を構成し、このカートリッジを取り出し可能とした構成を備えたものであってもよい。
また、管理サーバ4は、例えば開店前の所定のタイミングにおいて、各賞品管理装置2および各賞品払出装置3と通信を行うことにより、各賞品管理装置2を識別する識別情報および各賞品払出装置3を識別する識別情報を取得し、取得した識別情報に基づいて、各端末に対して賞品の仕入に関する許可/不許可の設定を行うようにしてもよい。例えば、管理サーバ4は、賞品払出装置の型式を特定可能な型式情報と、仕入処理が可能かどうかの対応付情報を記憶している。そして、管理サーバは所定のタイミング(例えば、開店時における起動処理)で各賞品払出装置の応答電文に含まれる型式情報を取得する。そして、店内に、仕入処理が不可能な型式の賞品払出装置3が存在している場合には、賞品払出装置3からの賞品の仕入を禁止する設定を行うことができる。さらに、仕入処理が可能な型式の賞品払出装置3に対してのみ、賞品の仕入を許可する設定を行うこともできる。
また、管理サーバ4は、例えば開店前の所定のタイミングにおいて、賞品管理装置2を介して各賞品払出装置3と通信して、各賞品払出装置3の識別情報を取得し、取得した識別情報に基づいて仕入処理が不可能な型式の賞品払出装置3が存在するか否かを判別してもよい。そして、仕入処理が不可能な型式の賞品払出装置3が存在する場合には、管理サーバ4は、賞品払出装置3からの賞品の仕入を禁止するための設定を行う。これらの処理により、仕入処理が可能な型式の賞品払出装置と不可能な型式の賞品払出装置が混在している場合にも対応が可能となる。
前述の実施形態では、賞品の仕入に関する許可/不許可を各端末に対して設定している。しかし、賞品の仕入に関する許可/不許可だけでなく、賞品のマスタ情報の更新、在庫の修正等の許可/不許可を各端末に対して設定できるようにしてもよい。
また、許可/不許可の対象は、賞品管理装置2、賞品払出装置3および携帯端末5だけでなく、賞品の返品受付端末や、ワゴンサービス受付端末、その他の携帯型端末であってよく、また、同一装置に含まれる別のボタン等であってもよい。
また、賞品払出装置3から取得した値(在庫数)を用いて、賞品管理装置2から仕入れができてもよい。
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。