JP7140382B2 - 異物侵入抑制装置 - Google Patents
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Description
図1に示すように、異物侵入抑制装置1は、屋根面90に設置される太陽光発電モジュール80と屋根面90の隙間S1に異物I1が侵入することを抑制する。
異物侵入抑制装置1は、ネット10と、複数のクリップ21,22と、複数の固定金具30と、を備える。
図2に示すように、ネット10は、ポリエチレン等の樹脂により格子状に形成され、可撓性を有している。
詳しくは、ネット10は、幅方向Wに延びる複数の横線状部11と、高さ方向Hに延びる複数の縦線状部12と、を備える。横線状部11は第1線状部の一例であり、縦線状部12は第2線状部の一例である。
複数の横線状部11は高さ方向Hに沿って並べられている。複数の縦線状部12は幅方向Wに沿って並べられている。各縦線状部12と各横線状部11は交点にて連結されている。
例えば、ネット10の幅方向Wの長さは1000mmであり、ネット10の高さ方向Hの長さは140mmである。ネット10の格子を構成する正方形は20mm×20mmである。この正方形のサイズは、鳥類、枝又は落葉等の異物I1が通過しないように、かつ通気性が確保されるように設定される。特に、ネット10の通気性が確保されることにより、太陽光発電モジュール80の温度上昇を抑制することができ、発電効率の向上に寄与する。
縦線状部12の先端部12a(ネット10の屋根面90に近い端部)には横線状部11が位置していない。よって、縦線状部12の先端部12aは鳥類等の動物を威嚇するために隙間S1とは反対側の外側に向けて延びている。縦線状部12は幅方向Wに沿って並べられているため、ネット10の先端部12aはくし状に外側に向けて延びている。
縦線状部12の先端部12aは、図1の実線で示すように、屋根面90に接触していてもよいし、図1の破線で示すように、屋根面90との間に隙間を有していてもよい。
さらに、縦線状部12の先端部12aは、幅方向Wに沿って並べられている。よって、複数の先端部12aのうち何れかが異物I1により押し上げられた場合でも、残りの先端部12aは押し上げられない。よって、ネット10と屋根面90の隙間を最小限に留めることができる。これと比較して、ネットの先端部に横線状部が位置し、横線状部が屋根面に線接触する構成においては、横線状部の一部が異物により押し上げられたとき、押し上げられた部位を中心とした周辺領域まで押し上げられ、結果的にネットと屋根面の隙間が大きくなる。
複数の固定金具30は、ネット10の幅方向Wに沿って屋根面90に配列される。固定金具30は、ステンレス等の金属により形成されるL字状の金具である。図3に示すように、固定金具30は、屋根面90に接着される接着板部31と、クリップ22がネット10とともに装着されるクリップ装着板部32と、を備える。
クリップ装着板部32には、クリップ22の後述する第1挟持部22eが引っ掛かる凹部32aが形成される。凹部32aは、クリップ装着板部32の外面にネット10の幅方向Wに沿って延びるように形成される。
図1に示すように、クリップ21はネット10を太陽光発電モジュール80の被取付部81に固定する。被取付部81は、太陽光発電モジュール80の金属製の外枠フレームの一部であり、外枠フレームの下部から隙間S1に向けて延びるフランジ板状に形成される。
図4に示すように、クリップ21は、ネット10の横線状部11及び太陽光発電モジュール80の被取付部81を挟み込むクリップ部21aと、クリップ21を取り付ける際に作業者により把持される取手部21bと、を備える。
第1挟持部21e及び第2挟持部21fは、それぞれ、被取付部81をその厚さ方向から挟み込んだ状態で保持する一対の弾性板部からなる。一対の弾性板部は、クリップ部21aの開口部から底部に向かうにつれて互いに近づくように傾斜する。また、一対の弾性板部は、被取付部81が挿入される際に互いに離れるように弾性変形し、被取付部81が挿入された後は復元力により被取付部81に付勢する。
図4の一点鎖線で示すように、第1挟持部21e及び第2挟持部21fは、被取付部81を挟み込み、第1挟持部21eと第2挟持部21fの間にはネット10の横線状部11が保持される。ネット10の横線状部11は、クリップ21において、2組の第1挟持部21eと1組の第2挟持部21fにより3箇所で安定的に保持される。
取手部21bは、樹脂によりクリップ部21aの外装部21cと一体で形成される。取手部21bは、内部に空洞を有する直方体で形成される。取手部21bの空洞は、図示しない結束バンドを挿通可能に形成されている。取手部21bの空洞に作業者の爪や指先を挿入することができ、作業性が向上する。図1に示すように、取手部21bはクリップ部21aの下方向に設けられる。
クリップ22のクリップ部22aはクリップ装着板部32の上端に装着される。取手部22bはクリップ部22aよりも外側に位置する。
クリップ22がクリップ装着板部32に装着されたとき、図3の破線で示すように、クリップ22の第1挟持部22eの先端はクリップ装着板部32の凹部32a内に位置する。これにより、クリップ22がクリップ装着板部32から外れることが抑制される。
なお、クリップ21は第1クリップ及び第1固定手段の一例であり、クリップ22は第2クリップの一例である。また、クリップ22及び固定金具30は第2固定手段の一例である。
次に、異物侵入抑制装置1の組み付け作業について説明する。以下の作業は作業者により行われる。
現場である屋根面90での異物侵入抑制装置1の組み付け作業の前に、図1に示すように、ネット10の各横線状部11にクリップ21,22が装着される。このとき、横線状部11は、クリップ21,22における第1挟持部21eと第2挟持部21fの間に保持される。複数のクリップ21はネット10における上から2番目の横線状部11に幅方向Wに均等な間隔毎に配置される。複数のクリップ22はネット10における下から2番目の横線状部11に幅方向Wに均等な間隔毎に配置される。クリップ21とクリップ22は高さ方向Hに一致する位置に設けられる。
クリップ21は予めネット10に装着されているため、クリップ21を太陽光発電モジュール80の被取付部81に押し込むだけで、簡単にネット10を太陽光発電モジュール80に固定できる。よって、クリップ21を用いる方法は、締結バンド又は紐によりネット10を太陽光発電モジュール80に締結する方法に比べて、簡易である。
詳しくは、固定金具30の接着板部31の下面に接着剤が塗布された後、接着板部31の下面が屋根面90に押し当てられる。これにより、接着剤が接着板部31の各孔31a内に充填される。接着剤が硬化するまで、図示しない養生テープにより固定金具30が屋根面90に対して固定される。
接着剤が硬化した後、クリップ22は、横線状部11を保持した状態で、固定金具30のクリップ装着板部32に装着される。
クリップ22は予めネット10に装着されているため、クリップ22を固定金具30に押し込むだけで、簡単にネット10を固定金具30に固定できる。よって、クリップ22を用いる方法は、締結バンド又は紐によりネット10を固定金具30に締結する方法に比べて、簡易である。
最後に、養生テープが剥がされて、組み付け作業が完了となる。太陽光発電モジュール80の各側面につき、上述した異物侵入抑制装置1の組み付け作業が行われる。ネット10の幅方向Wの端部同士は結束バンドにより締結される。
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
この構成によれば、ネット10の先端部12aにより鳥類等を威嚇することができる。よって、異物I1の侵入をより確実に抑制することができる。
この構成によれば、異物I1が外側から隙間S1に向かって進んだとしても、ネット10の上に乗るか、ネット10の先端部12aに突き刺さるため、異物I1が隙間S1に進入することを抑制できる。
また、この構成では、ネットを筒状に巻いて隙間S1に設置する比較例に比べて、使用するネット10の材料を少なくすることができる。
さらに、ネット10が外側から見て凹むように保持されるため、ネット10が外部に露出することを最小限とすることができる。
この構成によれば、クリップ21はネット10の横線状部11を保持した状態であるため、クリップ21を被取付部81に装着するだけで、クリップ21によりネット10を被取付部81に固定することができる。また、クリップ22はネット10の横線状部11を保持した状態であるため、クリップ22を固定金具30に装着するだけで、クリップ22によりネット10を固定金具30に固定することができる。このように、ビスや結束バンドを用いることなく、簡単にネット10を太陽光発電モジュール80及び固定金具30に固定することができる。
この構成によれば、各孔31a内の接着剤が硬化すると、その硬化した接着剤が各孔31aから抜けることを抑制する。よって、固定金具30がより確実に屋根面90に固定される。
この構成によれば、第1挟持部21e及び第2挟持部21fにより被取付部81が確実に固定される。ネット10の横線状部11は、第1挟持部21eと第2挟持部21fの間に保持されるため、クリップ21内の横線状部11が、クリップ21の被取付部81への挿入を阻害することが抑制される。
この構成によれば、ネット10の横線状部11は、クリップ21において、2組の第1挟持部21eと1組の第2挟持部21fにより3箇所で安定的に保持される。よって、クリップ21がネット10の横線状部11に対して傾くことが抑制される。クリップ22も、クリップ21と同様に、ネット10の横線状部11に対して傾くことが抑制される。
この構成によれば、クリップ22がクリップ装着板部32から外れることが抑制される。
上記実施形態においては、異物侵入抑制装置1は、太陽光発電モジュール80と屋根面90の隙間S1に適用されたものであったが、太陽光発電モジュール80以外のエアコンディショナの室外機等の設置物と屋根面90の隙間に適用されてもよい。さらに、異物侵入抑制装置1は、屋根面90以外の設置面、例えば地面又は床下と設置物の隙間に適用されてもよい。
従来では、防鳥ネットを紐や結束バンド等により固定金具等に締結する細かな作業が必要があり、防鳥ネットの組み付け作業は困難であった。
下記の付記1は、上記実状を鑑みてなされたものであり、ネットの組み付け作業が容易となる異物侵入抑制装置を提供することを目的とする。
設置物と前記設置物が設置される設置面の間の隙間に異物が侵入することを抑制する異物侵入抑制装置であって、
幅方向に延びる複数の第1線状部、及び前記幅方向に交わる高さ方向に延び、前記第1線状部との交点で連結する複数の第2線状部を有するネットと、
前記ネットを前記設置物に固定する第1固定手段と、
前記ネットを前記設置面に対して固定する第2固定手段と、を備え、
前記第1固定手段は、前記ネットの前記第1線状部を保持した状態で前記設置物の被取付部を挟み込む第1クリップであり、
前記第2固定手段は、
前記設置面に固定される固定金具と、
前記ネットの前記第1線状部を保持した状態で前記固定金具を挟み込む第2クリップと、を備える、
異物侵入抑制装置。
10,100 ネット
11 横線状部(第1線状部の一例)
12 縦線状部(第2線状部の一例)
12a 先端部
21 クリップ(第1クリップの一例)
22 クリップ(第2クリップの一例)
21a,22a クリップ部
21b,22b 取手部
21e,22e 第1挟持部
21f 第2挟持部
30 固定金具
31 接着板部
31a 孔
32 クリップ装着板部
32a 凹部
80 太陽光発電モジュール(設置物の一例)
81 被取付部
90 屋根面(設置面の一例)
H 高さ方向
W 幅方向
I1 異物
S1 隙間
Claims (4)
- 設置物と前記設置物が設置される設置面の間の隙間に異物が侵入することを抑制する異物侵入抑制装置であって、
幅方向に延びる複数の第1線状部、及び前記幅方向に交わる高さ方向に延び、前記第1線状部との交点で連結する複数の第2線状部を有する可撓性を有するネットと、
前記設置面に対面する板状に形成される前記設置物の被取付部に前記ネットを固定する第1固定手段と、
前記ネットを前記設置面に対して固定する第2固定手段と、を備え、
前記ネットの前記第2線状部は、
前記設置面に近い端部に位置し、前記隙間から離れる方向に向けて延びる先端部と、
前記ネットにおける前記先端部の反対側の端部に位置し、前記被取付部に沿うように延びる基端部と、
前記先端部及び前記基端部の間に位置し、前記異物侵入抑制装置の外側から見て凹状の曲線をなすように撓んだ状態に設けられる中央部と、を備え、
前記基端部の前記中央部側の部位は、前記異物侵入抑制装置の外側から見て谷状に折り曲げられた状態で設けられる、
異物侵入抑制装置。 - 前記第1固定手段は、前記被取付部の前記隙間に近い側の端部に装着され、前記ネットの前記第1線状部を保持した状態で前記設置物の前記被取付部を前記被取付部の厚さ方向から挟み込む第1クリップであり、
前記第2固定手段は、
前記設置面に固定されるL字状の固定金具と、
前記固定金具の前記設置面から遠い側の端部に装着され、前記ネットの前記第1線状部を保持した状態で前記固定金具を前記固定金具の厚さ方向から挟み込む第2クリップと、を備える、
請求項1に記載の異物侵入抑制装置。 - 前記固定金具は、
前記設置面に接着される接着板部と、
前記設置面に交わる方向に延び、前記第2クリップが装着されるクリップ装着板部と、を備え、
前記接着板部には、接着剤が充填され、前記設置面から離れるにつれて孔径が大きくなる孔が形成される、
請求項2に記載の異物侵入抑制装置。 - 前記第1クリップは、前記設置物の前記被取付部を挟み込む第1挟持部及び第2挟持部を備え、
前記第1挟持部は、前記第2挟持部よりも前記第1クリップの開口側に位置し、
前記ネットの前記第1線状部は、前記第1挟持部と前記第2挟持部の間に保持される、
請求項2又は3に記載の異物侵入抑制装置。
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