JP7139233B2 - 反射型スケール - Google Patents

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Description

本発明は、反射型スケールに関する。
上記技術分野において、特許文献1には、光源と回折格子とを備える光学式変位測定装置において、-1次回折光による干渉を抑制する技術が開示されている。
特開2012-225681号公報 特開2012-225681号公報 特開2012-2787号公報
しかしながら、上記文献に記載の技術では、1次回折光による干渉のみを考慮しており、0次回折光による干渉を考慮していないので、0次回折光による干渉を確実に抑制することができなかった。
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る反射型スケールは、
光学式エンコーダに搭載される反射型スケールであって、
反射型回折格子と、
前記反射型回折格子の光源側の面を保護する透過性保護材と、
を有し、
前記透過性保護材の表面で反射した反射光と、前記反射型回折格子の表面で反射した後、前記透過性保護材から外側に射出された主0次回折光との第1光路長差に対応して発生する干渉光の第1可干渉度と、前記反射型回折格子の表面で回折反射した後、前記透過性保護材の外側に射出した主検出回折光と副検出回折光との第2光路長差に対応して発生する干渉光の第2可干渉度と、の両方が所定値α以下になるように、前記透過性保護材の厚みを規定した反射型スケールであって、
前記所定値αが、30%以下である反射型スケール
上記目的を達成するため、本発明に係る他の反射型スケールは、
マルチモード半導体レーザを光源とした光学式エンコーダに搭載される反射型スケールであって、
反射型回折格子と、
前記反射型回折格子の光源側の面を保護する透過性保護材と、
を有し、
屈折率をn 2 、入射光の前記透過性保護材の内部での屈折角をθ 2 (i)、主m次回折光の前記透過性保護材の内部での屈折角をθ 2 (m)とし、前記透過性保護材の厚みをTとする場合、以下の式で表される、直接反射光と主0次回折光との光路長差(OPD1)及び、主m次回折光と副m次回折光との光路長差(OPD2)の両方が、
前記光源のコヒーレンススペクトルがピークを形成する光路長差範囲から外れるように前記透過性保護材の厚みTを設定した反射型スケール。
Figure 0007139233000001
Figure 0007139233000002
本発明によれば、0次回折光による干渉を確実に抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る反射型スケールの構成を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る反射型スケールの構成を説明するための他の図である。 本発明の第2実施形態の前提技術に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダによる回折光を説明する図である。 本発明の第2実施形態の前提技術に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダによる主検出回折光と副検出回折光との等傾角干渉を説明する図である。 本発明の第2実施形態の前提技術に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダの光源のコヒーレンススペクトルの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダの構成の概略を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダによる直接反射光、主0次回折光および副0次回折光による等傾角干渉を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダによる0次光回折効率のマップ図である。 本発明の第2実施形態に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダによる-1次光回折効率のマップ図である。 本発明の第2実施形態に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダのOPDの位置をコヒーレンススペクトル上に示した図である。 本発明の第2実施形態に係る反射型スケールの有する回折格子の構成を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る反射型スケールの有する回折格子の構成を説明する他の図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して、例示的に詳しく説明記載する。ただし、以下の実施の形態に記載されている、構成、数値、処理の流れ、機能要素などは一例に過ぎず、その変形や変更は自由であって、本発明の技術範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての反射型スケール100について、図1Aおよび図1Bを用いて説明する。反射型スケール100は、直線変位や回転変位等の測定に用いられるスケールである。
図1Aおよび図1Bに示すように、反射型スケール100は、反射型回折格子101および透過性保護材102を含む。反射型回折格子101は、反射型の回折格子である。透過性保護材102は、反射型回折格子101の光源側の面を保護する。
透過性保護材102の表面121で反射した反射光110と、反射型回折格子101の表面111で反射した後、透過性保護材102から外側に射出された主0次回折光120との第1光路長差((AB+BC)-AD)に対応して発生する干渉光の第1可干渉度と、反射型回折格子101の表面111で回折反射した後、透過性保護材102の外側に射出した主検出回折光130と副検出回折光140との第2光路長差((EF+FG)-EH)に対応して発生する干渉光の第2可干渉度と、の両方が所定値α以下になるように、透過性保護材102の厚みを規定した。
本実施形態によれば、0次回折光による干渉を確実に抑制することができる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る反射型スケールについて、図2A乃至図5を用いて説明する。なお、本実施形態に係る反射型スケールは、特許文献2の1次元反射型スケール、および特許文献3の2次元反射型スケールに適用可能である。
<前提技術>
図2Aは、本実施形態の前提技術に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダによる回折光を説明する図である。図2Bは、本実施形態の前提技術に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダによる主検出回折光と副検出回折光との等傾角干渉を説明する図である。図2Cは、本実施形態の前提技術に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダの光源のコヒーレンススペクトルの一例を示す図である。
光学式エンコーダは、互いに移動する2つの物体の相対的な位置情報を測定することができるセンサであり、広く一般に使用される。目盛りの情報は、スケールに記録されている。光源を搭載した走査ヘッド(検出ヘッド)からスケールに光が入射されると、スケールの目盛情報は、回折された光の位相の情報へ転写され、再び走査ヘッドに戻される。これを検出することで、インクリメンタルな位置情報を読み取ることができる。スケールが反射型回折格子スケールの場合、発生する回折光の次数と回折角とは、入射角、スケールの回折格子の格子ピッチおよび光源の波長により決まる。しかしながら、走査ヘッドで検出されるのは、図2Aに示した、-1次回折光と+1次回折光とのいずれか一方、または、両方であり、0次回折光および±2次回折光以上の高次回折光は走査ヘッドにとっては不要な回折光となる。
反射型回折格子スケールに対しては、十分な耐環境性を持ち、傷が付きにくく、汚れに強いことが求められる。そのため、図2Aに示したように、反射型回折格子202の表面に十分な強度の透過性保護材201を設けることが有効である。透過性保護材201を設けることで、汚れが付着したとしても容易に拭き取ることができ、繊細な反射型回折格子202に直接手で触れる危険を解消できる。透過性保護材201の材料は、十分な強度と透明性とを備え、格子が刻まれた基材(反射型回折格子202)との膨張係数の一致性がよい材料が望ましい。透過性保護材201は、例えば、ガラスまたは樹脂シートを反射型回折格子202に接着させて取り付けてもよい。また、S(二酸化ケイ素)等の透明性の材料を反射型回折格子202に塗布または蒸着させて取り付けてもよい。
透過性保護材201を反射型回折格子202の上部(光源側)に配置したスケールは、取扱いの上で非常に有効である。しかしながら、回折光が透過性保護材201の内部で多重反射することにより、光学式エンコーダにとって必要な次数の回折光の回折効率が変動することが知られている。図2Bを参照して、-1次回折光を検出ヘッドで検出する場合を例として透過性保護材201の内部における多重反射を説明する。
入射光は、屈折率n=1の空気層210から屈折率nの透過性保護材201に入射するものとし、空気層210での入射角をθ (i)、これに対応する透過性保護材201の内部での屈折角をθ (i)とする。入射光が、反射型回折格子202の回折格子面221で回折されることにより、m次回折光(以下、主m次回折光という)が発生する。ただし、mは、0を含む整数である。
主m次回折光の一部は透過性保護材201を透過せずに、透過性保護材201の保護材表面211で反射され、再び回折格子面221へ入射し、主m次回折光と同じ方向に回折光(以下、副m次回折光という)を発生させる。副m次回折光は、多重反射の回数だけ発生する。
ここで、主m次回折光の空気層210での回折角をθ (m)、透過性保護材201の内部での屈折角をθ (m)とし、透過性保護材201の厚みをTとする。この場合、主m次回折光と副m次回折光との光路長差(OPD)は、
Figure 0007139233000003
と表される。ただしOPDは、透過性保護材201の内部を多重反射する次数mの回折光に対してそれぞれ与えられる。光源としてマルチモード半導体レーザ光源を用いる場合のコヒーレンススペクトルは、図2Cに示したようなマルチピーク形状を持つ。(1)式によって表されるOPDを、図2Cに示したコヒーレンススペクトルと照らし合わせたときに、光路長差(OPD)が、スペクトルのピーク内にある場合は、走査ヘッドにとって必要な主-1次回折光は、副-1次回折光と等傾角干渉を引き起こす。この場合、-1次回折光の回折効率は透過性保護材201の厚みTに対して約λ/(2n)の周期で変動することになり、当該周期は、数百nm周期となる。ただし、λは、空気層210における入射光の波長である。
反射型回折格子スケールの全面において透過性保護材201の厚みTのばらつきを数百nmの精度で管理することは製品のコストを増大させる。結果として、走査ヘッドを測定方向に移動させると、信号強度が激しく変動することになり、SN比(Signal-Noise ratio)の局所的な悪化を招くだけでなく、信号のDC(Direct Current)成分を補正しきれない場合は大きな内挿誤差にもつながる。
特許文献1においては、(1)式で表される光路長差OPDが透過性保護材201の厚みTに依存することに注目し、透過性保護材201の厚みTの増減によってOPDを増減させている。これにより、光源のコヒーレンススペクトルのピークからOPDを外へ外すことができ、光路長差がOPDで表される等傾角干渉による検出光の強度の変動を可干渉度(コヒーレンス度)が、100%の場合の変動幅に対して2%以下に抑えることが可能であることを説明した。
<本実施形態の技術>
図3Aは、本実施形態に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダの構成の概略を説明する図である。光学式エンコーダ300は、検出ヘッド301と反射型スケール302とを含む。検出ヘッド301は、光源311と受光部312とを有する。反射型スケール302は、反射型回折格子321を有する。
検出ヘッド301は、反射型スケール302に対して相対的に移動可能となっている。光源311は、反射型回折格子321に光を照射する。受光部312は、反射型回折格子321により回折された光を受光する。光学式エンコーダ300は、受光した光(回折光)に基づいて変位を測定する。
図3Bは、本実施形態に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダによる直接反射光、主0次回折光および副0次回折光による等傾角干渉を説明する図である。反射型スケール302においては、主-1次回折光と副-1次回折光との等傾角干渉だけではなく、別の回折光の組み合わせによる等傾角干渉が起きている。なお、図3Bにおいては、入射角、反射角および回折角の表記は、図2Bに示したものと同様である。
透過性保護材330の保護材表面331での直接反射および透過性保護材330の内部での多重反射に対して、
θ (i)=θ (0) (2)
および
θ (i)=θ (0) (3)
であるから、直接反射光、主0次回折光および副0次回折光は等傾角をなす。これらの光路長差(OPD)は、以下の式で与えられる。
Figure 0007139233000004
式(4)によって表されるOPDをマルチモード半導体レーザ光源のコヒーレンススペクトルと照らし合わせたときに、OPDがスペクトルのピーク内にある場合は、透過性保護材330の保護材表面331での直接反射光、主0次回折光および副0次回折光は等傾角干渉を引き起こす。
透過性保護材330の保護材表面331での直接反射光、主0次回折光および副0次回折光による等傾角干渉は、検出ヘッド301(センサ)の検出光ではなく、不要な0次回折光の間で発生する干渉である。しかしながら、光のエネルギー保存則から、ある次数の回折効率が増加すれば別の次数の回折効率は減少することは明らかである。すなわち、回折格子に入射した光には、反射、透過および吸収という3種類の経路があり、これらの確率はそれぞれ、反射率R、透過率Tおよび吸収率Aとして表される。入射光の強度を1とした場合、これらの関係は、
1=R+T+A (5)
と表される。また、反射型回折格子321において発生する回折光の回折効率の総和は、反射率Rに等しいことも回折効率の定義から明らかである。すなわち、
R=η+η+・・・+η+・・・ (6)
という関係がある。
ただし、η、η、・・・ηはそれぞれ、0次光、1次光、・・・m次光における回折効率である。式(5)および式(6)から、ある次数mにおける回折効率ηの変動は、mでない他の次数の回折光の回折効率を変動させる。
図4Aは、本実施形態に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダによる0次光回折効率のマップ図である。図4Bは、本実施形態に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダによる-1次光回折効率のマップ図である。屈折率n=1.45、厚さT=1mmの透過性保護材330を用いて測定した反射型スケール302(2次元反射型スケール)の0次光回折効率のマップ図(図4A)、および検出光である-1次光回折効率のマップ図(図4B)である。反射型スケール302の格子ピッチは、Λ=1.6μmである。入射光の波長は、790nmであり、偏光はs偏光である。入射角は、θ (i)=29.6°である。図4Aおよび図4Bにおいて、縦軸と横軸とは、反射型スケール302の位置(単位はmm)を表す。0次光の回折効率と-1次光の回折効率が同時に変動している様子が分かる。
図4Aおよび図4Bの測定において、OPDで表される透過性保護材330の保護材表面331での直接反射光、主0次回折光および副0次回折光による等傾角干渉の光路長差は、式(4)から、
OPD=2×1.45×1mm×cos(19.9)=2.7mm (7)
となる。ただし、入射角θ (i)=29.6°であり、式(8)で表されるスネルの法則
sinθ (i)=nsinθ (i) (8)
から透過性保護材330の内部での入射角は、θ (i)=19.9°であることを用いた。
図5は、本実施形態に係る反射型スケールを有する光学式エンコーダのOPDの位置をコヒーレンススペクトル上に示した図である。光路長差が0の位置に存在するメインピークから数えて左から2番目のピーク内にOPDが位置している。また、OPDで表される主-1次回折光と副-1次回折光との等傾角干渉における光路長差は、透過性保護材330の内部で多重反射する回折次数それぞれに対して与えられる。図5のコヒーレンススペクトルと照らし合わせた際に最も可干渉度(コヒーレンス度)が高くなったのは検出光自身が多重反射することに対応するm=-1の場合である。
この場合、式(9)で表される回折の法則
sinθ (i)+nsinθ (-1)=-m・λ/Λ (9)
から、-1次回折光の透過性保護材330の内部での回折角は、θ (i)=0°である。
したがって、式(1)から、
OPD=2×1.45×1mm×cos(0)=2.9mm (10)
である。図5には、m=-1の場合のOPDの位置も示されている。
式(4)で表される光路長差OPDは、透過性保護材330の厚みTの関数であるため、透過性保護材330の厚みを増減させることで、図5のコヒーレンススペクトルを横軸に沿って移動させることができる。例えば、透過性保護材330の厚みTを増加させた場合、式(1)および式(4)から明らかなように、光路長差OPDおよび光路長差OPDは、図5のコヒーレンススペクトルの横軸の正の方向に沿って移動する。
したがって、OPDとOPDとが図5に示したような位置関係にあり、透過性保護材330の厚みTを増加させる場合、OPDだけではなく、OPDもピークの外へ出す必要がある。OPDもピークの外へ出さなければ、透過性保護材330の保護材表面331での直接反射光、主0次回折光および副0次回折光による等傾角干渉による変動は起こる。その結果、検出光となる回折光の回折効率も変動する。
また、入射角によっては、OPDがOPDよりも大きくなる。例えば、垂直入射θ (i)=0の場合、式(4)で表されるOPDは、
OPD=2×1.45×1mm×cos(0)=2.9mm (11)
となる。一方、式(1)で表されるOPDは、
OPD=2×1.45×1mm×cos(19.9)=2.7mm (12)
となる。
これは、図5において、OPDとOPDとが入れ替わっている場合に相当する。したがって、透過性保護材330の厚みTを減少させる場合は、OPDと同時にOPDもピークの外へ出さなければならない。
透過性保護材330の厚みTに対して、光路長差OPD=f(T)とし、光路長差OPDに対応して発生する干渉光の可干渉度をg(OPD)とする。光路長差OPDに対応して発生する干渉光の可干渉度は、g(f(T))と表される。また、同様に、光路長差OPD=f(T)とし、光路長差OPDに対応して発生する干渉光の可干渉度をg(OPD)とする。光路長差OPDに対応して発生する干渉光の可干渉度は、g(f(T))と表される。この場合、透過性保護材330の厚みTは、下記の式の両方を満たす。
g(f(T))<α (13)
g(f(T))<α (14)
次に、光路長差OPDに対応して発生する干渉光の変動許容値をβとしたとき、主0次光の回折効率は、中心値ηに対して、η-βからη+βまで変動するものとする。
所定値αと光路長差OPDに対応して発生する干渉光の変動許容値βとの関係は、
Figure 0007139233000005

と決定される。ただし、
12:空気-透過性保護材330界面での振幅反射率、
12:空気-透過性保護材330界面での強度反射率、
23(0):透過性保護材330-反射型回折格子321界面での主0次回折光の振幅反射率、
23(0):透過性保護材330-反射型回折格子321界面での主0次回折光の回折効率
であり、全て入射角の関数である。また、入射光の偏光状態にも依存する。
一方、光路長差OPDに対応して発生する干渉光の変動許容値をβとしたとき、主検出回折光の回折効率は、中心値ηに対して、η-βからη+βまで変動するものとする。
所定値αと光路長差OPDに対応して発生する干渉光の変動許容値βとの関係は、
Figure 0007139233000006

と決定される。ただし、dは、検出する回折光の回折次数、mは透過性保護材330の内部を多重反射する回折光の回折次数を表す。また、
12:空気-透過性保護材330界面での振幅反射率、
12:空気-透過性保護材330界面での振幅透過率、
21:透過性保護材330-空気界面での振幅透過率、
23(d):透過性保護材330-反射型回折格子321界面での主検出回折光の回折効率、
23(m):透過性保護材330-反射型回折格子321界面での主m次回折光の振幅反射率、
23(m):透過性保護材330-反射型回折格子321界面での主m次回折光の回折効率
であり、全て入射角および回折角の関数である。入射光の偏光状態にも依存する。
以上より、光路長差OPDに対応する干渉による主0次回折光の回折効率の変動許容値をβ、光路長差OPDに対応する干渉による主検出回折光の変動許容値をβに抑えたい場合は、光源の可干渉度を所定値αにまで下げる必要がある。
次に計算例を示す。測定条件と同じく入射角がθ (i)=29.6°であり、検出回折光も多重反射する回折光も-1次光である場合(m=d=-1)を考える。また、2次元反射型スケールであることを想定し、透過性保護材330-反射型回折格子321界面での0次光の回折効率をR23(0)=20%とする。また、透過性保護材330-反射型回折格子321界面での-1次光の回折効率をR23(-1)=10%とする。
このとき、可干渉度の所定値αと、光路長差OPDに対応して発生する干渉光の変動許容値βおよび光路長差OPDに対応して発生する干渉光の変動許容値βとの関係は以下の表1のようになる。
Figure 0007139233000007
図6は、本実施形態に係る反射型スケールの有する回折格子の構成を説明する図である。反射型回折格子の格子溝601は、例えば、レーザ描画や電子描画により形成される。または、より高精度な格子溝601を刻む場合には、干渉露光法を用いる。干渉露光法やレーザ描画、電子描画などによって作成された格子溝601を原板としてインプリント成型することで格子溝601を形成してもよく、その場合の格子溝601は樹脂である。格子溝601の上には、反射性の金属膜602を塗布する。反射性の金属膜602としては、例えば、金、銀、アルミ等であり、これらを主成分として含む合金であってもよい。なお、格子溝601は、基材610上に形成される。
図7は、本実施形態に係る反射型スケールの有する回折格子の構成を説明する他の図である。図7には、露光法によって反射型回折格子の格子溝701を形成した際の格子溝701の断面が示されている。格子溝701は、上から順に、主成分を酸化クロムとする薄膜層である酸化クロム層711、主成分をクロムとする薄膜層であるクロム層712、主成分を酸化クロムとする薄膜層である酸化クロム層713の順に構成されている。酸化クロム層711,713およびクロム層712の成膜はスパッタリングで行い、その際に添加材として、酸素、窒素、炭素等を含んでいてもよい。基材710とクロム層712との間の酸化クロム層713は、基材710とクロム層712との密着性を良くするために塗布される。酸化クロム層713の厚みは、数十nm程度である。酸化クロム層711は、露光波長に対する反射防止膜としての役割をもち、露光時の多重反射に起因する格子溝701の断面の形状不良を防ぐために塗布される。
本実施形態によれば、0次回折光による干渉を確実に抑制することができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。

Claims (5)

  1. 光学式エンコーダに搭載される反射型スケールであって、
    反射型回折格子と、
    前記反射型回折格子の光源側の面を保護する透過性保護材と、
    を有し、
    前記透過性保護材の表面で反射した反射光と、前記反射型回折格子の表面で反射した後、前記透過性保護材から外側に射出された主0次回折光との第1光路長差に対応して発生する干渉光の第1可干渉度と、前記反射型回折格子の表面で回折反射した後、前記透過性保護材の外側に射出した主検出回折光と副検出回折光との第2光路長差に対応して発生する干渉光の第2可干渉度と、の両方が所定値α以下になるように、前記透過性保護材の厚みを規定した反射型スケールであって、
    前記所定値αが、30%以下である反射型スケール
  2. 前記透過性保護材の厚みTに対して、前記第1光路長差をOPD=f(T)、前記第1可干渉度をg(OPD)とし、前記第2光路長差をOPD=f(T)、前記第2可干渉度をg(OPD)としたときに、
    前記透過性保護材の厚みTは、下記の式の両方を満たす請求項1に記載の反射型スケール。
    g(f(T))<α
    g(f(T))<α
  3. 前記所定値αと前記第1光路長差に対応して発生する干渉光の変動許容値βとの関係、および前記所定値αと前記第2光路長差に対応して発生する干渉光の変動許容値βとの関係がそれぞれ以下の式で決定される請求項2に記載の反射型スケール。
    Figure 0007139233000008

    Figure 0007139233000009
  4. 1次元または2次元である請求項1、2または3に記載の反射型スケール。
  5. マルチモード半導体レーザを光源とした光学式エンコーダに搭載される反射型スケールであって、
    反射型回折格子と、
    前記反射型回折格子の光源側の面を保護する透過性保護材と、
    を有し、
    屈折率をn2、入射光の前記透過性保護材の内部での屈折角をθ2(i)、主m次回折光の前記透過性保護材の内部での屈折角をθ2(m)とし、前記透過性保護材の厚みをTとする場合、
    以下の式で表される、直接反射光と主0次回折光との光路長差(OPD1)及び、主m次回折光と副m次回折光との光路長差(OPD2)の両方が、前記光源のコヒーレンススペクトルがピークを形成する光路長差範囲から外れるように前記透過性保護材の厚みTを設定した反射型スケール。
    Figure 0007139233000010
    Figure 0007139233000011
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