JP7138792B2 - ワークピースを加工するための切削インサート及び工具 - Google Patents

ワークピースを加工するための切削インサート及び工具 Download PDF

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本発明は、ワークピースを機械加工する工具用の切削インサートに関する。さらに、本発明は、工具ホルダと、該工具ホルダ上に配置された本発明による切削インサートとを有する工具に関する。
本発明は、特に溝加工及びパーティングオフ旋削のためのツールのための切削インサートに関する。特に好ましくは、本発明による切削インサートは、チタンの溝切り及びパーティングオフ旋削のために構成される。
溝加工及びパーティングオフ旋削のための多数の工具が既に知られている。溝加工及びパーティングオフ旋削のための例示的なツールが、ドイツ特許公開公報10 2011 016 148号に示されている。
特に溝加工では、浮き上がった切りくずを、作成されるべき溝幅より狭くする必要がある。それ以外の場合は、浮き上がった切りくずが溝側面に横方向に衝突し、ワークピースの表面を傷つける。従って、切りくずは、その横軸の周りだけでなく、その長手軸の周りにも能動的に形成されまたは湾曲されるべきである。
チタン及びチタン合金の溝加工及びパーティングオフ旋削は、これらの材料の特性により特に困難である。とりわけ、チタン及びチタン合金は非常に高い延性を有する。従って、旋削中に切りくずが浮き上がると、比較的強く跳ね返る。これを補償するために、切りくずは、チタン及びチタン合金の溝切り及びパーティングオフ旋削中に、他の材料を機械加工するときに必要とされるよりも比較的大きい程度まで、その長手方向軸の周りで変形されるべきである。
浮き上がった切りくずをより高い程度に形成することは、より速い切りくずの破壊をもたらし、基本的には有利である。ただし、同時にこれにより切断領域または切断チップ全体にかかる負荷も高くなる。このことは、切削インサートの摩耗、ひいては耐用年数に悪影響を及ぼす。
さらに、チタンは熱伝導率が非常に低いため、刃先への入熱量が高くなる。通常、熱はワークピース自体を介した熱伝導によっても部分的に放散されるが、熱伝導率が低いと、エネルギーは切削点の領域に留まり、従ってエネルギーは工具や切りくずにも残る。従って、浮き上がった切りくずは比較的早く除去する、つまり刃先から離れて運搬する必要がある。
したがって、本発明の目的は、チタン及びチタン合金の溝切り及びパーティングオフ旋削に特に適し、それによって上述の技術的境界条件を満たすことができる切削インサートを提供することである。特に、本発明の目的は、必要とされる切屑の形成と関連する切刃への負荷との間のバランスを見出すことである。
本発明の一態様によれば、この目的は、以下の特徴を有する切削インサートによって解決される:
- 直線状に構成され、第1の端部と反対側の第2の端部との間に延在する主切刃と;
- 第1の直線部と第1の凹状の湾曲部とを含む第1の副切刃であって、第1の直線部は、主切刃の第1の端部に直接または半径または面取り部を介して接続される、第1の副切刃と;
- 第2の直線部及び第2の凹状の湾曲部を含み、第2の直線部は、主切刃の第2の端部に直接または半径または面取りを介して接続される、第2の副切刃と、
- 切りくず形成用の幾何学的形状を含むすくい面とを備え;
前記主切刃は、前記第1の直線部及び前記第2の直線部が共通の切削面に配置され、
前記主切刃は、前記第1の副切刃の前記第1の直線部及び前記第2の副切刃の前記第2の直線部と夫々鋭角をなし、
前記すくい面は、前記第1の副切刃の前記第1の直線部及び前記第2の副切刃の前記第2の直線部によって横方向に囲まれた前方領域において前記切削面に対して下方に窪み、かつ、前記主切刃に平行な各断面内にて低点を備え、前記低点は、前記第1の直線部及び前記第2の直線部とからの等しい第1の距離を有し、かつ、前記各断面における前記すくい面上の他の全ての点に対して前記切削面からの最大距離を有し、
少なくとも、前記切りくず形成用の幾何学的形状は、すくい面の後方領域に配置され、前記後方領域は、前記第1の凹状の湾曲部及び前記第2の凹状の湾曲部によって横方向に境界が設けられ、かつ、前記切削面を越えて上方に突出し、
かつ、少なくとも2つの隆起部を備えて、前記主切刃に平行な更なる断面における前記後方領域における前記すくい面が2つの高点及び中間の第2の低点を備え、該第2の低点は前記第1の凹状の湾曲部及び前記第2の凹状の湾曲部から等しい第3の距離を有し、
主切刃の第1の端部及び第2の端部から等しい第2の距離を有する主切刃の中心におけるすくい角γ1が、第1の端部及び/又は第2の端部の領域におけるすくい角γ2よりも大きくなるように、すくい角は主切刃に沿って変化する。
本発明の別の態様によれば、上述の目的は、工具ホルダと、工具ホルダ上に配置された前述のタイプの切削インサートとを備える工具によって解決される。
本発明に係る切削インサートの直線状(非湾曲)の主切刃は、その2つの端部の夫々において、半径部を介して、及び/または面取りを介して、夫々の副切刃に直接接続される。2つの副切刃(本明細書では「第1及び第2の副切刃」と呼ぶ)の各々は、直線(非湾曲)部分及び凹状の湾曲部を有する。実施形態に応じて、凹状の湾曲部は、夫々の切刃の直線部分に直接隣接してもよい。あるいは、夫々の切刃の直線部分と凹状の湾曲部との間に、さらなる成形要素を、移行部品または接続部品として設けることもできる。
直線状の主切刃は、例えば、溝加工中に平らな溝ベースを作るために使用することができる。また、ワークピースは、2つの副切刃によって加工することもできる。
2つの副切刃の直線部は、主切刃と共通平面内に配置されることが好ましい。この平面は、本明細書では「切断平面」と呼ばれる。主切刃との共通の平面内に副切刃の直線部を配置することにより、溝入れ加工だけでなく、長手方向の旋削加工も可能となる。例えば、ワークピースは、副切刃の直線部によって面取りされ得る。
2つの副切刃が夫々半径部及び/または面取りを介して主切刃に接続される限り、これらの半径部及び/または面取りも前記切削面に配置されることが好ましい。
副切刃の直線部と主切刃との間には、各々、切削面内で測定できる鋭角αが存在する。この角度は、好ましくは70°<α<90°、特に好ましくは80°<α<90°である。この横方向のクリアランス角度は、溝旋削中の溝側面への副切刃の望ましくない接触又は衝突を防止する。
本発明による切削インサートのすくい面は、基本的に2つのサブ領域に分割することができる。この2つのサブ領域は、前方領域が後方領域よりも主切刃から短い距離にあるので、「前方領域」及び「後方領域」と呼ばれる。特に、2つの副切刃の直線部によって横方向に境界が設けられるすくい面の領域は、前方領域と呼ばれる。このすくい面の前方領域は、主切刃に直接隣接していることが好ましい。後方領域は、副切刃の2つの凹状の湾曲部によって横方向に境界が設けられるすくい面の領域として定義される。
前方領域では、すくい面は切削面に対して下方に窪んでいる。ここで、すくい面は、一般に凹部とも呼ばれる一種の谷(trough)を形成する。主切刃に平行な任意の断面において、この前方領域のすくい面は、切削面から比較的最大の距離を持つ低点を有する。この低点は、好ましくは中央に位置する。これにより、低点は、夫々の断面において第1の直線部及び第2の直線部から等しい距離を有している。しかしながら、この中央に配置された低点に加えて、すくい面の前方領域に他の低点があってもよいことに留意されたい。ここでは断面あたり1つの低点(主切刃に平行な断面)のみを設けることが好ましい。しかしながら、原則として、すくい面はほぼU字形であってもよく、その結果、上述の低点は、単一の点ではなく、夫々の断面内の中央に配置された直線である。
すくい面は、後方領域において切削面を越えて上方に突出する切りくず形成用の幾何学的形状を備える。切りくず形成用の幾何学的形状は、後方領域に隆起構造として構成されて、相対的に高い。
切りくず形成用の幾何学的形状は、より迅速に切りくずを破断するために、切りくずの長手方向軸に対して横断方向における切りくずのより速いローリングを保証することが好ましい。同時に、切りくず形成用の幾何学的形状は、切りくずの幅を減少させ、ワークピース上に生成された溝側面との衝突を避けるために、チップを横方向、すなわち切りくずの長手方向軸に沿ってカールさせるように構成されることが好ましい。横方向の切りくず形成は、材料が少なくとも部分的に塑性的に挙動する主切刃の直後の領域(すなわち、前方領域)で行われることが好ましい。切刃の直後の0.5mmでは、一般的に横方向の形成は大部分は完成される。また、切りくず形成用の幾何学的形状により、生成された切りくずロールは切削インサートの任意のクランプ要素から追い払われる。
すくい面の後方領域における断面(主切刃に平行な)は、本明細書では、「更なる断面」と称される。これは、すくい面の前方領域における平行な断面から区別するためだけの役割を果たす。
好ましくは、切りくず形成用の幾何学的形状は、主切刃に平行な各(さらに)断面において、すくい面の後方領域に、2つの高点及び1つの中間低点(「第2の低点」と呼ばれる)を有する。これにより、(さらなる)断面に一種の波形が生じる。この形状により、切りくずは、2つの高点と第2の低点との間に生じる凹部内で横方向に案内され、ここで、すくい面の前方領域で既に横方向にローリングされている切りくずの切りくず幅は、維持されるか、又は更に低減される。
こうして、すくい面の後方領域の2つの高点の間に作られた凹部は、切りくずローラを横方向に案内する。これは、特にチタン及びチタン合金を機械加工する場合に、最適な切りくず形成につながる。
本発明による切削インサートの別の特徴は、すくい角が主切刃に沿って変化することである。従って、主切刃の異なる点で異なるすくい角が生じる。このすくい角は、通常通り、切削面とすくい面との間の主切刃の各点で測定される。従って、すくい角は、すくい面が主切刃から切削面に対して傾斜する角度である。対応するすくい角が、切削インサートの副切刃においても発生し得ることが理解される。
また、主切刃に沿ったすくい角は、主切刃の中心(主切刃の両端部と等しい距離)におけるすくい角γ1が、両端部の領域におけるすくい角γ2よりも大きくなるように変化することが好ましい。従って、すくい角γは、内側から外側に向かって主切刃に沿って減少する。
主切刃の両端部、つまり切刃の角部における比較的低いすくい角は、切刃の角部を安定させる。切刃の角部は、最も高い荷重を受ける溝入れ加工に使用される切削インサートの領域の代表的なものである。逆に、主切刃の中心におけるすくい角が比較的大きいと、切りくずがその幅(切りくず幅)で先細りになるような形状にできるという利点がある。
従って、上述の目的は完全に解決される。
本発明の改良例によれば、すくい角は、主切刃の中心から第1の端部及び第2の端部に向かって単調に減少するように主切刃に沿って変化する。
また、すくい角は、主切刃の中心から両端部に向かって、主切刃に沿って厳密に単調に減少することができる。しかしながら、これは必ずしもそうである必要はない。好ましくは、前記中心から両端部に向かって前記すくい角の減少は、前記主切刃の中心に対して対称である。こうして、すくい角は、主切刃の中心から第2の端部に向かって減少するのと同様に、主切刃の中心から第1の端部に向かって減少する。これにより、切りくずの幅に所望の対称性のテーパが確保される。
さらなる改良例によれば、以下のことが、すくい角にさらに適用される。
5°≦すくい角γ2≦すくい角γ1≦30°
これらの限界は、すくい角γ>30°では主切刃が不安定になりすぎるという事実から生じる。逆に、すくい角γ<5°は、比較的鈍い主切刃をもたらすであろう。従って、すくい角γ2は、主切刃の2つの端部の領域において5°より小さくなるべきではない。主切刃の中心では、すくい角γ1も30°より大きくなるべきではない。
さらなる改良例によれば、以下がさらに適用される。
0.8≧γ2/γ1≧0.16
これにより、主切刃の2つの外側端部におけるすくい角γ2の大きさは、主切刃の中心におけるすくい角γ1の大きさの16%-80%の範囲にある。
さらなる改良例によれば、第1の副切刃に沿った副切刃のすくい角は、第1の副切刃に沿った副切刃のすくい角が主切刃からの距離の増加とともに単調に減少するように変化する。
この単調な減少は、第1の副切刃の第1の直線部及び第1の凹状の湾曲部の両方に適用されるのが好ましい。副切刃のすくい角の単調減少に関する対応する制限は、第2の副切刃にも好適に適用される(従って、副切刃のすくい角は、主切刃からの距離の増加に伴って第2の副切刃に沿って単調減少するように、第2の副切刃に沿って変化することが好ましい)。
このようにして2つの副切刃に沿ったすくい角を変化させることによって、切りくず形成及び切りくず整形を、今度はそれに応じて有利に制御することができる。また、副切刃に沿って定義された副切刃のすくい角は、副切刃においても、定義された切れ楔を提供し、これは、同様に、副切刃に対する機械加工を可能にする。
さらなる改良例によれば、副切刃のすくい角は、第1の副切刃の第1の直線部に沿って一定である。同様に、この改良例において、副切刃のすくい角は、第2の副切刃の第2の直線部に沿って一定である。
この改良例において、副切刃のすくい角は、第1又は第2の副切刃の第1又は第2の凹状の湾曲部に沿ってのみ減少することが好ましい。これは、すくい面がその前方領域であまり強く湾曲しないので、より小さい溝入れ幅、即ち、より短い主切刃に対して特に有利である。そうでなければ、すくい面に比較的高い荷重がかかる場合がある。
さらなる改良例によれば、すくい面は連続した自由な湾曲面として構成される。
これは切りくずがすくい面上を干渉なしに走行できる利点がある。切りくずは、不連続な隆起または凹みと衝突しないが、なだらかに偏向される。これにより、切削インサートへの負荷が軽減される。
すくい面は、例えば、縦方向及び横方向の両方に立方体的に補間された立方体面であってもよい。このような場合、すくい角は、例えば、二次補間で主切刃に沿って変化することができ、ここで、すでに述べたように、すくい角は、主切刃の中心から外側に向かってその2つの端部に向かって二次的に減少する
原理的には、自由な湾曲面として形成されるすくい面は、単なる四角次数よりも高い次数の補間によって形成することができる。
さらなる改良例によれば、すくい面は、主切刃の中心を通る鏡面に対して対称であって、鏡面は主切刃に直交して向いている。
これは、切りくずの対称的な変形をもたらし、比較的有利な切りくず除去を可能にする。
さらなる改良例によれば、すくい面は、主切刃、第1の副切刃、及び第2の副切刃に直接隣接している。
これにより、縦方向と横方向の両方ですくい面を最大限に利用することができる。しかし、すくい面と夫々の切刃(主切刃、第1及び第2の副切刃)との間に遷移面を配置することもでき、すくい面が必ずしも夫々の切刃に直接隣接している必要はない。
さらなる改良例によれば、すくい面は、切削面に対して後方領域の全体に亘って上方に突出する。
言い換えれば、副切刃の直線部から副切刃の凹状の湾曲部への移行部分から、すくい面は、切削面に対して上方に突出する隆起構造を有する。これは、切りくずの比較的迅速な破壊につながり、その結果、望ましくない長い切りくずの形成が効果的に回避される。
好ましくは、前記すくい面の切りくず形成用の幾何学的形状は、前記切削面の上方の高さhに突出し、前記主切刃は、長さlを有する。ここで、
0.6*l≧h≧0.1*lである。
従って、切りくず形成用の幾何学的形状の高さhは、主切刃の長さlの関数として選択されることが好ましい。特に以下が適用されるのが好ましい。
0.3*l≧h≧0.2*l
さらなる改良例によれば、すくい面は、主切刃に直交する任意の長手方向断面(即ち、主切刃に直交する全ての長手方向断面)において凹状である。
すくい面の曲率は、縦断面によって変化させることができる。すくい面は、原則として、主切刃に直交する平行な長手方向断面の各々に凹状になっている。これにより、すくい面の全深さ又は全長が利用される。すくい面が、各縦断面において凹状に湾曲していなければ、切りくずは、すくい面の一部の領域において、後方領域に全く接触しないであろう。
本発明の別の改良例によれば、第1の凹状の湾曲部の長さは、第1の直線部と等しいかまたはそれより長く、第2の凹状の湾曲部の長さは、第2の直線部と等しいかまたはそれより長い。
前記すくい面の後方領域には、前記切りくず形成用の幾何学的形状が配置されており、従って、すくい面の後方領域は、前記すくい面の前方領域よりも大きくなるように構成されていることが好ましい。このため、上記の切りくず形状の高さ比であっても、副切刃の2つの凹状の湾曲部及びすくい面の後方領域が過度に湾曲する必要はない。これは、比較的なだらかで均一なチップ成形を達成することを可能にする。
上記の特徴及び説明すべき特徴は、夫々の場合に示された組み合わせだけでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、他の組み合わせで、または単独で使用されてもよいことが理解される。
本発明の実施形態は、図面に示され、以下の説明においてより詳細に説明される。
本発明の一実施形態による工具の斜視図である。 本発明の一実施形態による切削インサートの斜視図である。 図2に示す切削インサートの詳細の斜視図である。 図3に示す細部の側面図である。 図3に示す本発明による切削インサートの詳細を上方から見た平面図である。 図3に示す発明による切削インサートの詳細を正面から見た上面図である。 図3に示す細部の部分的に透明な上面図である。 本発明の一実施形態によるすくい角または副切刃のすくい角の分布を示す図である。 図3に示す本発明による切削インサートの細部を通る第1の長手方向の断面図である。 図3に示す本発明による切削インサートの細部を通る第2の長手方向の断面図である。 図3に示す本発明による切削インサートの細部を通る第1の断面図である。 図3に示す本発明による切削インサートの細部を通る第2の断面図である。
図1は、本発明による工具の一実施形態の斜視図を示す。工具は、その全体が符号100で示されている。
工具100は、旋削工具として構成される。特に、溝加工やパーティングオフ旋削に適している。工具100は、切削インサート10と、工具ホルダ12とを備える。この場合、切削インサート10を工具ホルダ12に着脱自在に取り付けることができる。それに加えて、工具ホルダ12は、切削インサート10を受け入れるための切削インサート受け部14を備える。
この実施形態では、切削インサート受け部14は、上部クランピングジョー16及び対向する下部クランピングジョー18によって画定される。切削インサート10は、上部クランピングジョー16と下部クランピングジョー18との間に固定され得る。
本実施形態では、工具ホルダ12は、ねじ20として構成された締結要素をさらに備える。ねじ20は、ホルダ12内の対応するねじと係合する。ねじ20を締めることによって、上部クランピングジョー16を下部クランピングジョー18に向かって動かすことができ、それによって切削インサート10を切削インサート受け部14に固定することができる。
図1に示す実施形態によれば、切削インサート受け部14の領域に、幾つかの冷却剤出口22が見える。これらの冷却剤出口22を通って、工具ホルダ12の内部の対応するチャネルを通って案内される冷却剤及び潤滑剤が、ワークピースの加工点の領域に到達する。
図1に示す実施形態は、複数の可能な実施形態のうちの1つに過ぎないことに留意されたい。特に、工具ホルダ12の構成及び形状は自由に変えることができる。図1に示されるようなビーム形状の工具ホルダ12の代わりに、工具ホルダは、原則として、例えばドイツ特許公開公報10 2017 103 520号に示されるタイプの分割ブレードの形態で構成することもできる。工具ホルダ12の様々な他の実施形態が考えられる。ここに示す切削インサート10の固定のタイプは、本発明の範囲を逸脱することなく、基本的に異なる方法で実施することもできる。例えば、ねじ20は、固定要素として必ずしも使用される必要はない。切削インサート10を工具ホルダ12に固定するための他のクランプ要素も、原則として考えられる。同様に、上部及び下部クランピングジョー16、18を自己クランピングとして構成することが考えられ、その結果、追加の固定要素を完全に省略することができる。冷却剤出口22は有利であるが、同様に必ずしも存在する必要はない。代替的に、冷却剤は、工具ホルダ12から他の位置に出ることもできる。これらの変形/修正の全ては、本発明の範囲を離れることなく可能である。
図2は、切削インサート10の一実施形態を斜視図で示す。切削インサート10は、刃先交換式(indexable)インサートとして構成され、従って、2つの同一に構成された切削ブレード領域24、24'を備える。従って、切削インサート10を2回使用することができる。切削ブレード領域24が摩耗すると直ちに、切削インサート10を工具ホルダ12から取り外し、180°回転させてから、再び工具ホルダ12に固定して、次いで、第2の切削ブレード領域24'を挿入することができるようにすることができる。
しかしながら、切削インサート10は、割出し可能なインサートとして対称的に構成される必要はない。原理的には、2つの切削ブレード領域24、24'のうちの1つのみを設ければよい。逆に、例えば、3つ又は複数のブレードインサートの場合には、3つ以上の切削ブレード領域を設けることも可能である。切削インサート10は、2つの切削ブレード領域24、24'の間に、本実施形態ではクランプ部26を備えている。このクランプ部26は、通常、断面がプリズム状であることが好ましい。それは、切削インサート10を切削インサート受け部14内にクランプする役割を果たす。この目的のために、クランプ部26は、通常、工具ホルダ12の切削インサート受け部14に設けられた対応する当接面に当接する複数の当接面を備える。
図3乃至図7は、切削インサート10の切削ブレード領域24を異なる図(斜視図、側面から、上方から、及び正面から)で詳細に示す。そこから分かるように、切削インサート10は、主切刃28と、それを横切って延びる2つの副切刃30、32とを含む。副切刃30、32は、より良く区別すべく、第1の副切刃30及び第2の副切刃32と呼ばれる。
主切刃28の第1の端部34は、第1の半径部38を介して第1の副切刃30に接続されている。主切刃28の反対側の第2の端部36は、第2の半径部40を介して第2の副切刃32に接続されている。半径部38、40の代わりに、主切刃28と副切刃30、32との間の連結片として、面取りまたは面取りと半径の組み合わせも原則として考えられるであろう。原則的には、副切刃30、32も主切刃28に直接接続することができ、それにより、切削インサートまたは切削ブレード領域24のコーナに鋭いコーナが実際に作成されるであろう。
主切刃28は、好ましくは、直線状又は湾曲していない切刃として構成される。一方、2つの副切刃30、32は、少なくとも部分的に湾曲している。両副切刃30、32は、夫々直線部42、44と凹状の湾曲部46、48とを備えている。第1の副切刃30の直線部42は、ここでは第1の直線部42と呼ばれる。第2の副切刃32の直線部44は、ここでは第2の直線部44と呼ばれる。第1の副切刃30の第1の凹状の湾曲部46は、ここでは第1の凹状の湾曲部46と呼ばれる。第2の副切刃32の凹状の湾曲部48は、ここでは第2の凹状の湾曲部48と呼ばれる。
2つの直線部42、44は夫々、夫々の副切刃30、32の前部を形成する。直線部42、44は、半径部38、40を介して、対応する面取りを介して、または直接的に、主切刃28に接続される。2つの湾曲部46、48は夫々、副切刃32の後方領域を形成する。凹状の湾曲部46、48は、好ましくは、夫々の直線部42、44に直接隣接する。原理的には、他の成形要素も、2つの副切刃30、32の直線部42、46又は44、48の間の夫々の遷移として存在することができる。しかしながら、図3に示す好ましい実施形態によれば、直線部42、44は、各々凹状の湾曲部46、48に直接かつ接線方向に合流する。例えば図4及び図6から分かるように、主切刃28は、第1の直線部42及び第2の直線部44が共通の切削面に配置されている。この切削面50は、図4及び図6において破線として描かれており、符号50が付されている。コーナ半径部38、40は、好ましくは、この切削面50にも配置される。2つの半径部38、40の半径は、好ましくは等しく、(第1の端部34と第2の端部36との間で測定した)主切刃28の幅の最大50%、すなわち全幅lの25%に等しい。半径部38、40の代わりに面取り部の場合、これらは切削面50に配置されることが好ましい。第1及び第2の直線部42、44とともに主切刃28を共通の切削面50内に配置することは、これがまた副切刃30、32を使用した長手方向の旋削を可能にするという利点を特に有する。
副切刃30、32、より具体的にはその直線部42、44の近辺は、望ましくは直交するのではなく、主切刃28まで鋭角α(図5参照)に伸びることが望ましい。切削角または逃げ角αは、好ましくは70°-90°の範囲で測定され、好ましくは80°-90°の範囲で測定される。ここに示す実施形態では、角度αは87°で測定される。鋭角αは、例えば溝加工旋削中に、ワークピース上に形成された溝側面との副切刃30、32の望ましくない接触を防止する。鋭角αにより、第1の凹状の湾曲部46と第2の凹状の湾曲部48との間の短い切刃距離dは、主切刃28からの距離の増加に伴って小さくなる。図5に示されるものとは異なり、2つの凹状の湾曲部46、48は、2つの直線部42、44と共通の平面内に配置される必要がないことに留意されたい。他の実施形態では、凹状の湾曲部46、48は、上から見ると、中心に向かってより内側に(破線62に向かって)テーパが付けられているか、又は湾曲している。
上側において、切削インサート10は、その切削ブレード領域24内にすくい面52を備える。持ち上げられた切りくずは、切削インサート10の使用中にこのすくい面52の上を流れる。すくい面52は、切りくず案内及び切りくず形成の役割を果たす。好ましくは、すくい面52は、連続的な自由形状の面として構成される。本実施形態では、すくい面52は、2つの副切刃30、32と同様に主切刃28に直接隣接している。しかしながら、これは必ずしもそうである必要はない。より小さな遷移面は、すくい面52と、遷移面がすくい面として直接機能する必要がない夫々の切刃28、30、32との間に配置することもできる。しかしながら、切削ブレード領域24の全幅及び全長を利用するためには、すくい面52が切刃28、30、32に直接隣接することが好ましい。
すくい面52は、前方領域54と後方領域56とに分割することができる。両方の領域54、56は、好ましくは、互いに直接かつ連続的に合流する。すくい面52の前方領域54は、2つの直線部42、44によって横方向に境界される。すくい面52の後方領域56は、副切刃30、32の2つの凹状の湾曲部46、48によって横方向に境界される。従って、後方領域56は、主切刃28に直接隣接することが好ましい前方領域54よりも主切刃28から遠い距離を有する。
すくい面52の複雑な形状の構造は、幾つかの補助線58によって図3に図式的に強調されている。これらの補助線58は実際には存在しないことが理解される。
前方領域54において、すくい面52は、切削面50に対して下方に窪む。すくい面52は、前方領域54に樋状の凹部を形成する。これは、例えば、図7に見ることができる。前方領域54において、すくい面52は、主切刃28に平行な各断面における低点と、第1及び第2の副切刃30、32の第1及び第2の直線部42、44から夫々等距離にある低点とを含む。このタイプの(主切刃28に平行な)例示的な断面を図11に示す。符号64によってその中に指定される低点は、実際の数学的低点として理解されるべきであり、それは、この断面におけるすくい面52上の他のすべての点と比較して、切削面50からの距離が最も大きい。
後方領域56において、すくい面52は、好ましくは、切削面50の上方に突出する隆起構造を有する。この後方領域56では、すくい面52は、少なくとも2つの隆起部66と、その間に横たわる凹部68とを備えるチップ整形用の幾何学的形状を備える。これは、補助線を用いて図7に再び図式的に強調されている。より具体的には、後方領域56において、主切刃28に平行な任意の断面において、すくい面52は、その間に横たわる2つの高点70及び低点72を含み、前方領域54における低点64に類似する低点72は、2つの副切刃30、32から等しい距離を有する。その後方領域56を通るすくい面52のこのような例示的な断面を図12に示す。
隆起部66は、切りくずを横方向に案内する。特に図3及び図7から分かるように、隆起部66の曲率は、主切刃28からの距離が増大するにつれて増大し、この横方向の案内を改善する。高点70は、副切刃30、32の凹状に湾曲した部分46、48から夫々離間されていることが好ましく、これにより、すくい面52の後方領域56は、高点70から始めて、再び横方向外側に、すなわち凹状の湾曲部46、48に向かって傾斜する。これにより、(更に)各断面(後方領域56における)一種の波状断面が生じる。
主切刃28に直交して配向された縦条(主切刃28に直交する条)において、すくい面52は、前方領域54及び後方領域56の両方において凹状に湾曲していることが好ましい。より正確には、これらの長手方向の断面に帰結するすくい面52の交線は、互いに平行に配置されたこれらの長手方向の断面の各々において凹状に湾曲している。これらの長手方向の断面の2つの例を図9及び図10に示す。
すくい面52は、主切刃28の中心60を通過し、主切刃28に直交して配向される鏡面と対称な鏡面であることが好ましい。この鏡面は、図5において破線として示され、符号62が付されている。主切刃28の中心60は、主切刃28の第1の端部34及び第2の端部36の両方から等距離にある点である。
本発明による切削インサート10の別の特徴は、切刃28、30、32に沿ったすくい角の一種の構成である。すくい角γは、夫々、切刃28、30、32に沿ってすくい面52と切削面50との間に形成されるが、好ましくは、切刃28、30、32に沿って変化する。
主切刃28の中心60におけるすくい角γ1は、主切刃28の第1及び/又は第2の端部34、36の領域におけるすくい角γ2よりも大きいことが好ましい。特に好ましくは、すくい角γは、中心60から外側、すなわち2つの端部34、36に向かって、主切刃28に沿って単調に減少する。特に好ましくは、主切刃28に沿ったすくい角は、内側から外側にかけて厳密に単調に減少する。
本実施形態では、すくい角γの量は、主切刃28の中心60を起点として双方向に二次関数的に減少する。これは、例えば、主切刃28及び副切刃30、32に沿ったすくい角寸法の分布又はすくい角の量を示す図8から分かる。図8において、横x軸は、夫々の場合において、中心60の左側に負の座標を、中心60の右側に陽性の座標を、夫々、主切刃の中心60に対する位置を示す。すくい角γの量は、各々、縦のy軸上にプロットされた場合である。曲線74は、主切刃28に沿ったすくい角分布を示す。曲線76及び78は、それに対応して、副切刃30、32に沿ったすくい角分布を示している。従って、すくい角は、すくい角(副切刃30、32に沿った副切れ刃すくい角γ'と呼ぶ)が主切刃28からの距離の増加とともに夫々の副切刃30、32に沿って単調に減少するように、2つの副切刃30、32に沿っても変化する。図8に示す例では、副切刃のすくい角γ'は厳密に単調かつ直線的に減少することさえある。
しかしながら、図8に示されている切刃28、30、32に沿ったすくい角分布は、様々な可能性の1つにすぎないことが理解される。例えば、副切刃のすくい角γ'1は、直線部42、44の全体に沿って一定であってもよく、湾曲部46、48の領域においてのみ減少してもよい。しかしながら、図8に示すように、副切刃のすくい角γ'は、副切刃30、32の直線部42、40にすでに沿って厳密に単調に減少することもできる。しかしながら、原則として、直線部42,44の領域における副切刃のすくい角γ'1は、凹状の湾曲部46,48の領域における副切刃のすくい角γ'2よりも大きいことが好ましい。
さらに、主切刃28に沿ったすくい角分布には以下の境界条件が適用される。
5°≦すくい角γ2<すくい角γ1≦30°
0.8≧γ2/γ1≧0.16
半径部38、40の領域におけるすくい角γ'3は、好ましくは、副切刃30、32の直線部42、44の領域における副切刃のすくい角γ'1以上である。
好ましくは、直線部42、44は、副切刃30、32の全長の50%以下を占める。第1の副切刃30の第1の直線部42が、副切刃30の第1の凹状の湾曲部46に遷移する点は、図4において符号80で示される。第2の副切刃32の第2の直線部44が、第2の副切刃32の第2の凹状の湾曲部48に遷移する対応点が、図3において符号82で示されている。好ましくは、これらの遷移点80、82は、主切刃28から等しい距離を有している。好ましくは、以下が距離aに適用される。
0.1l≦a≦1l
さらに好ましくは、以下が距離aに適用される。
r≦a≦10r
ここでrは半径部38、40の半径である。
すくい面52のチップを形成する幾何学的形状は、切削面50の上方の高さhまで後方領域56内に突出し、以下は、この高さhに適用される。
0.6*l≧h≧0.1*l
ここで、lは、半径部38、40を含む主切刃28の長さまたは幅を示す(図6参照)。
図4及び図6は、切削インサート10の前面及び側面のクリアランス角度も示す。切削インサート10の前面84で生じる前面のクリアランス角α1は、主切刃28に沿って一定であることが好ましい。この前面クリアランス角α1について、4°≦α1≦10°が適用されるのが好ましく、以下が特に適用されるのが好ましい。5°≦α1≦8°
切削インサート10の横方向側面86、88に生じる横方向クリアランス角α2も、好ましくは、副切刃30、32全体に沿って一定である。以下は、横方向クリアランス角α2に適用されるのが好ましく、4°≦α2≦10°であり、特に以下が適用されるのが好ましい。5°≦α2≦8°。
上に説明し、図に示される切削インサートの切刃領域の幾何学的形状は、理想的な切りくず形成及び切りくず成形を可能にし、これは、延性材料の溝加工及びパーティングオフ旋削に特に適している。本発明による切削インサートは、チタン又はチタン合金からなる材料の溝加工及びパーティングオフ旋削に特に有利である。
本発明は、図面に示される切削インサートの構成に限定されないことに留意されたい。特許請求の範囲において規定されるすくい面、主切刃及び副切刃の構成は、原則として、他の種類の切削インサート、例えば、単一刃、三重刃又は複数刃の切削インサートにも使用することができる。

Claims (14)

  1. ワークピースを機械加工するための工具(100)用の切削インサート(10)であって、
    -直線状に構成され、第1の端部(34)と反対側の第2の端部(36)との間に延在する主切刃(28)と、
    -第1の直線部(42)と第1の凹状の湾曲部(46)とを含み、第1の直線部(42)は、主切刃(28)の第1の端部(34)に直接または半径部(38)または面取り部を介して接続される第1の副切刃(30)と、
    -第2の直線部(44)及び第2の凹状の湾曲部(48)を備え、第2の直線部(44)は、主切刃(28)の第2の端部(36)に直接または半径部(40)もしくは面取り部を介して接続される、第2の副切刃(32)と、
    切りくず形成用の幾何学的形状を備えるすくい面(52)とを備え、
    主切刃(28)と第1の直線部(42)と第2の直線部(44)とが共通の切削面(50)に配置され、
    主切刃(28)は、第1の副切刃(30)の第1の直線部(42)及び第2の副切刃(32)の第2の直線部(44)と夫々鋭角(α)を形成し、
    前記すくい面(52)は、第1の副切刃(30)の第1の直線部(42)と第2の副切刃(32)の第2の直線部(44)とによって横方向に囲まれた前方領域(54)において切削面(50)に対して下方に窪み、かつ、主切刃(28)に平行な各断面内にて低点(64)を有し、該低点(64)は、第1の直線部(42)と第2の直線部(44)とから等しい第1の距離を有し、各断面におけるすくい面(52)上の他の全ての点に対して、切削面(50)からの最大距離を有し、
    前記切りくず形成用の幾何学的形状は、少なくともすくい面(52)の後方領域(56)に配置され、該後方領域(56)は第1の凹状の湾曲部(46)及び第2の凹状の湾曲部(48)によって横方向に境界が設けられ、切削面(50)を越えて上方に突出して、少なくとも2つの隆起部(66)を備えて、主切刃(28)に平行な更なる断面における後方領域(56)のすくい面(52)は、2つの高点(70)と中間の第2の低点(72)を有し、該第2の低点(72)は第1の凹状の湾曲部(46)及び第2の凹状の湾曲部(48)からの等しい第3の距離を有し、
    主切刃(28)の第1の端部(34)及び第2の端部(36)から等しい第2の距離を有する主切刃(28)の中心(60)におけるすくい角γ1が第1及び/又は第2の端部(34、36)の領域におけるすくい角γ2よりも大きくなるように、すくい角は主切刃(28)に沿って変化
    第1の副切刃(30)に沿った副切刃のすくい角γ'は、主切刃(28)からの距離の増加に伴い第1の副切刃(30)に沿って単調に減少するように変化する、切削インサート。
  2. 前記すくい角γは主切刃(28)に沿って変化して、すくい角γは、前記すくい角γが前記主切刃(28)の中心(60)から前記第1の端部(34)及び前記第2の端部(36)の夫々に向かって単調に減少する請求項1に記載の切削インサート。
  3. 5°≦すくい角γ2≦すくい角γ1≦30°である、請求項1又は2に記載の切削インサート。
  4. 0.8≧すくい角γ2/すくい角γ1≧0.16である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の切削インサート。
  5. 前記すくい面(52)は、連続した自由な形状の曲面として構成される、請求項1乃至のいずれか1項に記載の切削インサート。
  6. 前記すくい面(52)は、前記主切刃(28)の中心(60)を通る鏡面(62)に対して対称であり、前記主切刃(28)と直交するように配向されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の切削インサート。
  7. 前記すくい面(52)は、前記主切刃(28)、前記第1の副切刃(30)、及び前記第2の副切刃(32)に直接隣接していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の切削インサート。
  8. すくい面(52)が、切削面(50)に対して後方領域(56)全体にわたって上方に突出する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の切削インサート。
  9. 前記すくい面(52)の切りくず形成用の幾何学的形状は、前記切削面(50)の上方の高さhまで突出し、前記主切刃(28)は長さlを有し、
    ここで0.6*l≧h≧0.1*lである、請求項1乃至のいずれか1項に記載の切削インサート。
  10. 前記隆起部(66)の曲率は、前記主切刃(28)からの距離が増加するにつれて増加する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の切削インサート。
  11. 前記第1の凹状の湾曲部(46)と第2の凹状の湾曲部(48)との間の副切刃の距離(d)は、前記主切刃(28)からの距離の増加に伴って減少する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の切削インサート。
  12. 前記すくい面(52)は、前記主切刃(28)に直交する任意の長手方向断面において凹状である、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の切削インサート。
  13. 前記第1の凹状の湾曲部(46)は、前記第1の直線部(42)以上の長さであり、前記第2の凹状の湾曲部(48)は、前記第2の直線部(44)以上の長さであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の切削インサート。
  14. 工具ホルダ(12)と、該工具ホルダ(12)上に配置された請求項1乃至13のいずれか1項に記載の切削インサート(10)とを含む工具(100)。
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