JP7138497B2 - 測定装置、測定方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定装置、測定方法及びプラズマ処理装置に関する。
プラズマ処理装置内で行われるエッチングや成膜等のプラズマ処理では、エッチングレートや成膜レートを制御するために、プラズマの状態を把握することが重要である。そこで、プラズマの状態を測定するために、自己バイアス電圧Vdcを測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特許文献1は、自己バイアス電圧Vdcの測定を、プラズマと直接接触しないデバイスにより間接的に行う。特許文献1では、デバイスは処理容器壁内に設けられ、デバイス内の誘電体で絶縁された電極にかかる電圧を測定し、その測定電圧から各寄生容量を考慮して自己バイアス電圧Vdcを算出する。
特許文献2は、自己バイアス電圧Vdcの測定回路を整合器に組み込み、測定回路の入力抵抗を、シャワーヘッドの抵抗値よりも十分に大きな値にし、測定回路にて自己バイアス電圧Vdcの測定を行う。
特開2001-148374号公報 特開2006-93342号公報
しかしながら、上記手法では装置又は回路の設計変更が必要であり、簡易に自己バイアス電圧Vdcの測定を行うことはできない。例えば、特許文献1では、デバイスを処理容器壁内に設けるために、処理容器壁に機械加工を行う。また、測定対象であるプラズマから離れた位置に測定用のプローブがあるため、測定の感度及び精度が低くなる。特許文献2では、自己バイアス電圧Vdcの測定回路を整合器に組み込む必要があり、プラズマ処理装置の設計変更が必要となる。
以上から、特許文献1、2では、自己バイアス電圧Vdcの測定を行うためのプローブや測定回路を組み込むために、プラズマ処理装置の機械設計の変更、高周波回路(整合器)の変更が必要となり、測定の汎用性及び簡易性に欠ける場合がある。
上記課題に対して、一側面では、本発明は、プラズマの自己バイアス電圧Vdcの測定を簡易に行うことを目的とする。
上記課題を解決するために、一の態様によれば、プラズマ処理装置内に配置される静電チャック内の電極であって、直流電圧が印加される前記電極の接続を切り替える切替部と、前記切替部に接続される静電容量を有する部材と、前記静電容量を有する部材に蓄積される電荷量に相当する値を測定する測定部と、を有し、前記切替部は、プラズマによる基板処理の実行中に前記電極の接続を、前記静電容量を有する部材に切り替え、前記測定部は、前記基板処理の実行中に前記静電容量を有する部材に蓄積される電荷量に相当する値を測定する、測定装置が提供される。
一の側面によれば、プラズマの自己バイアス電圧Vdcの測定を簡易に行うことができる。
自己バイアス電圧を説明するための図。 一実施形態に係るプラズマ処理装置及び測定装置の一例を示す図。 一実施形態に係る自己バイアス電圧の測定タイミングを説明するための図。 一実施形態に係る自己バイアス電圧の測定シーケンスの一例を示す図。 一実施形態に係る自己バイアス電圧の測定シーケンスの一例を示す図。 一実施形態に係る自己バイアス電圧の計算に使用したモデルの一例を示す図。 一実施形態に係るモデルの等価回路の一例を示す図。 一実施形態に係る自己バイアス電圧の測定結果の一例を示す図。 一実施形態に係る自己バイアス電圧と堆積時間との相関情報の一例を示す図。 図9の相関情報を収集するために予め実行する測定の一例を示す図。 一実施形態に係る測定方法の一例を示すフローチャート。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
[自己バイアス電圧]
まず、プラズマの直流自己バイアス電圧(以下、「自己バイアス電圧Vdc」という。)について図1を参照しながら説明する。図1(a)には、電極Aと電極Kとが対向して配置された対向電極の一部が模式的に示されている。電極Aは接地された接地電極であり、電極Kは、ブロッキングコンデンサCを介して高周波電源(RF電源)に接続された高周波電極である。また、電極Kの面積は電極Aの面積より小さい。
電極Kに高周波電力RFを印加してガスを電離及び解離し、プラズマを生成する。電極Kには、サインカーブの正負が対称となる高周波電力RFを印加するため、電極Kの電位はトータルではゼロになる。生成されたプラズマから電子と陽イオンが生成され、図1(b)に示すように、電極Kがプラズマに対して正電位にあるときには電極Kに電子が流入し、負電位にあるときには陽イオンが流入する。
このとき、電子は質量が小さいため、電極Kの高速な電位変動に追従できる。この結果、電極Kに電子が流入する。一方、陽イオンは質量が大きいため、電極Kの高速な電位変動に追従できず、平均電界中を慣性の法則に従って移動する。このため、イオンの電極Kへの流入量は一定かつごくわずかになる。
電極KはブロッキングコンデンサCによりグランドからフローティングしているため、電極Kに流入した電子はグランドに流れない。よって、電極Kの表面がプラズマに対して正電位にある周期(半サイクル)に電子が電極Kに流入し蓄積していく。しかし、蓄積した電子のために電極Kの表面は負に帯電してプラズマに対して負のバイアスが発生する。その負のバイアスにより、陽イオンが電極Kの表面に流入するようになる。これにより、電極Kの表面にシースが形成される。
最終的には、電極Kの表面は、1サイクル中の非常に短い時間だけプラズマに対して正電位となる。そのときに流入する電子と、負のバイアスにより定常的に流入する陽イオンとが平衡したときの電極Kの電位差のDC成分が自己バイアス電圧Vdcである。
プラズマ処理の特性を示すエッチングレートや成膜レート等を制御するために、プラズマの状態を把握する必要がある。そこで、本実施形態では、プラズマ処理装置100内のプラズマの状態を把握するために、自己バイアス電圧Vdcを測定する。
[プラズマ処理装置の構成]
図2に示す本実施形態に係るプラズマ処理装置100は、装置本体、リレーボックス6及び測定装置10を有する。測定装置10は、プラズマ処理装置100の処理容器C内に配置される静電チャック2a内の吸着電極21の電圧を測定する。リレーボックス6は、吸着電極21の接続先を、直流電源7と測定装置10との間で切り替える。吸着電極21と測定装置10とが接続されると、測定装置10は、銅円板12と銅板13との間に挟まれたアクリル板14に蓄積される電荷量に相当する値を示す、銅円板12と銅板13との間の電圧Vを静電チャック2aの吸着電極21の電位差のDC成分として測定し、測定結果に基づき自己バイアス電圧Vdcを算出する。これにより、本実施形態では、既存のプラズマ処理装置100にリレーボックス6及び測定装置10を付加するだけで、簡易かつ精度良く自己バイアス電圧Vdcの測定を行うことができる。以下では、本実施形態に係るプラズマ処理装置100と測定装置10の構成の一例について説明する。
(プラズマ処理装置の構成)
本実施形態にかかるプラズマ処理装置100は、容量結合型の平行平板プラズマ処理装置であり、略円筒形の処理容器Cを有している。処理容器Cの内面には、アルマイト処理(陽極酸化処理)が施されている。処理容器Cの内部は、プラズマによりエッチング処理や成膜処理等のプラズマ処理が行われる処理室となっている。処理容器C内にはステージ2が設けられている。
ステージ2には、基台2b上にウエハWを静電吸着するための静電チャック2aが設けられている。基台2bは、たとえばアルミニウム(Al)やチタン(Ti)、炭化ケイ素(SiC)等から形成されている。ステージ2は下部電極としても機能する。
静電チャック2aは、誘電体層22内に吸着電極21を有する構造になっている。静電チャック2aの表面には、ドット状の凸部22aが形成されている。吸着電極21はリレーボックス6に接続されている。リレーボックス6のスイッチ6aを直流電源7に切り替え、直流電源7から吸着電極21に直流電圧が供給されると、クーロン力によって基板の一例であるウエハWが静電チャック2aに吸着され、保持される。
静電チャック2aの外周側の上部には、ウエハWの外縁部を囲うように円環状のフォーカスリング8が載置される。フォーカスリング8は、例えば、シリコンから形成され、プラズマをウエハWの表面に向けて収束し、プラズマ処理の効率を向上させるように機能する。
ステージ2には、第1高周波電源3から、第1周波数のプラズマ生成用の第1高周波電力(HF)が印加され、第2高周波電源4から、第1の周波数よりも低い周波数である第2周波数の、バイアス電圧発生用の第2高周波電力(LF)が印加される。第1高周波電源3は、整合器3aを介してステージ2に電気的に接続される。第2高周波電源4は、整合器4aを介してステージ2に電気的に接続される。第1高周波電源3は、例えば、40MHzの高周波電力HFをステージ2に印加する。第2高周波電源4は、例えば、13.56MHzの高周波電力LFをステージ2に印加する。なお、本実施形態では、第1高周波電力をステージ2に印加するが、第1高周波電力はガスシャワーヘッド1に印加してもよい。
整合器3aは、第1高周波電源3の内部(または出力)インピーダンスに負荷インピーダンスを整合させる。整合器4aは、第2高周波電源4の内部(または出力)インピーダンスに負荷インピーダンスを整合させる。
ガスシャワーヘッド1は、その外縁部を被覆するシールドリングを介して処理容器Cの天井部の開口を閉塞するように取り付けられている。ガスシャワーヘッド1は、接地されている。ガスシャワーヘッド1は、シリコンにより形成されてもよい。ガスシャワーヘッド1は、ステージ2(下部電極)に対向する対向電極(上部電極)として機能する。
ガスシャワーヘッド1には、ガスを導入するガス導入口1aが形成されている。ガスシャワーヘッド1の内部にはガスを拡散するための拡散室1bが設けられている。ガス供給部5から出力されたガスは、ガス導入口1aを介して拡散室1bに供給され、拡散室1b内にて拡散されて多数のガス供給孔1cから処理容器C内に導入される。
処理容器Cの底面には排気口が形成されており、排気口に接続された排気装置9によって処理容器C内が排気される。これにより、処理容器C内を所定の真空度に維持することができる。処理容器Cの側壁にはゲートバルブGが設けられている。ゲートバルブGは、処理容器CからウエハWの搬入及び搬出を行う際に開閉する。
ガス供給部5から処理容器C内に処理ガスを供給し、第1高周波電源3及び第2高周波電源4からステージ2に第1及び第2高周波電力を印加すると、プラズマが生成され、ウエハWに所定のプラズマ処理が施される。特に、第2高周波電源4からステージ2に第2高周波電力を印加すると、ウエハW側にプラズマ中のイオンが引き込まれる。
プラズマ処理後、直流電源7から吸着電極21にウエハWの吸着時とは正負が逆の直流電圧が供給され、ウエハWの電荷が除電される。これにより、ウエハWは、静電チャック2aから剥がされ、ゲートバルブGから処理容器Cの外部に搬出される。
プラズマ処理装置100には、装置全体の動作を制御する制御部200が設けられている。制御部200は、CPU(Central Processing Unit)205、ROM(Read Only Memory)210及びRAM(Random Access Memory)215を有している。CPU205は、RAM215等の記憶領域に格納されたレシピに従って、エッチング等の所望の処理を実行する。レシピにはプロセス条件に対する装置の制御情報であるプロセス時間、圧力(ガスの排気)、高周波電力や電圧、各種ガス流量、処理容器内温度(上部電極温度、処理容器の側壁温度、ウエハW温度、静電チャック温度等)、冷媒の温度等が設定されている。
また、制御部200は、所定のタイミングにリレーボックス6のスイッチ6aを切り替え、吸着電極21を測定装置10に接続する。測定装置10が測定した電圧Vは制御部200に送信され、これにより、制御部200は、電圧Vに基づき、自己バイアス電圧Vdcを算出する。
なお、これらの動作を実行するためのプログラムや処理条件を示すレシピは、ハードディスクや半導体メモリに記憶されてもよい。また、レシピは、CD-ROM、DVD等の可搬性のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体に収容された状態で所定位置にセットされ、読み出されるようにしてもよい。
(測定装置の構成)
次に、測定装置10の構成の一例について説明する。測定装置10は、フィルタ11、銅円板12、銅板13、アクリル板14、プローブ15、表面電位計16及び信号記録装置17を有する。プローブ15及び表面電位計16は、電位測定系18を構成する。
また、図2では、リレーボックス6は、説明の便宜上、測定装置10と分けて図示しているが、測定装置10は、リレーボックス6を有する。リレーボックス6は、吸着電極21の接続を、直流電源7と測定装置10の静電容量を有する部材との間で切り替える。リレーボックス6は、自己バイアス電圧Vdcを測定するタイミングにリレーボックス6のスイッチ6aを、測定装置10に接続する。リレーボックス6は、高周波電力が印加される吸着電極21の接続を、静電容量を有する部材に切り替える切替部の一例である。銅円板12と銅板13の間にアクリル板14を挟んだ構成の部材は、静電容量を有する部材の一例である。静電容量を有する部材は、銅円板12、銅板13及びアクリル板14の構成に限らず、絶縁された導体により構成することができる。
電位測定系18では、銅円板12と銅板13の間のアクリル板14に生じる電位を、銅円板12の表面に非接触に設けられたプローブ15を用いて表面電位計16により測定する。電位測定系18は、静電容量を有する部材に蓄積される電荷量に相当する値を測定する測定部の一例である。プローブ15は、銅円板12と銅板13の間の電位差を測定できれば、銅円板12に接触していてもよいし、非接触であってもよい。
リレーボックス6と静電容量を有する部材との間には、高周波電力を除去するフィルタ11が設けられ、高周波電力が測定装置10側に伝播することを防ぐ。リレーボックス6のスイッチ6aが直流電源7と接続される側から測定装置10の静電容量を有する部材と接続される側へ切り替わると、静電容量を有する部材に生じた電圧Vの測定、つまり、フローティング状態の吸着電極21の電圧Vの測定が可能となる。
具体的には、銅板13は接地されており、銅円板12の表面に非接触に設けられたプローブ15を用いて表面電位計16により測定された電位が、フローティング状態の吸着電極21の電圧Vとなる。なお、銅円板12の直径は例えば100mm程度でもよいが、これに限らない。
表面電位計16により測定された電圧Vは、表面電位計16に接続された信号記録装置17に保存される。信号記録装置17は、PCやタブレット端末等のメモリを有する電子機器であってもよいし、クラウド上に設置されたクラウドコンピュータであってもよい。信号記録装置17に記録された測定電圧Vは、制御部200に送信され、制御部200にてプラズマ処理装置100のエッチングレートや成膜レート等の制御に使用される。
静電容量を有する部材に蓄積される電荷量は、水分により影響を受ける。このため、銅円板12、銅板13、アクリル板14及びプローブ15は、真空容器内に設けられることが好ましい。銅円板12、銅板13、アクリル板14及びプローブ15を真空環境下に置くことで、環境による外乱の影響を受けずに精度よく電圧Vを測定することができる。
[測定タイミング]
図3に、プラズマ処理装置100においてウエハWを処理する処理サイクルの一例を示す。処理が開始されると、まず、ウエハWをプラズマ処理装置100のゲートバルブGから搬入する(ステップS1)。次に、直流電源7から所定の直流電圧を吸着電極21に供給し、ウエハWを静電チャック2aに静電吸着させる(ステップS2)。次に、高周波電力をステージ2(吸着電極21)に印加し、ガス供給部5から供給されたプロセスガスをプラズマ化し、ウエハWにエッチング処理等のプラズマ処理を行う(ステップS3)。エッチング処理は、プラズマによる基板処理の一例である。高周波電力は、第1高周波電源3から出力される高周波電力HF又は第2高周波電源4から出力される高周波電力LFのいずれかであってもよいし、両方であってもよい。
次に、ステップS2において吸着電極21に印加した直流電圧と正負が逆で大きさが同一の直流電圧を吸着電極21に供給し、ウエハWを静電チャック2aから脱離し(ステップS4)、ウエハWをプラズマ処理装置100のゲートバルブGから搬出する(ステップS5)。次に、クリーニング処理を行う(ステップS6)。
この時点で一のウエハWの処理が終了し、一処理サイクルが完了する。次のウエハWの処理サイクルを再開するとき、静電チャック2aの表面処理(トリートメント等のクリーニング)を行い(ステップS6)、次のウエハWを搬入し(ステップS1)、ステップS1以降の処理を繰り返す。
以上のサイクルの(1)クリーニング処理(S6)及び(2)エッチング処理(S3)において、リレーボックス6は、吸着電極21の接続を、測定装置10に切り替える。つまり、リレーボックス6は、プラズマによるウエハWの処理又はクリーニング処理を実行中のタイミングに、吸着電極21の接続を測定装置10に切り替え、電位測定系18においてフローティング状態の吸着電極21の電圧Vを測定する。
[測定シーケンス]
次に、(1)クリーニング処理及び(2)エッチング処理における測定シーケンスの一例について、図4及び図5の測定シーケンスチャートを参照しながら説明する。図4は、クリーニング処理における測定シーケンスの一例を示す。図5は、エッチング処理における測定シーケンスの一例を示す。クリーニング処理及びエッチング処理における測定シーケンスの制御は、制御部200により行われる。
(1)クリーニング処理における測定シーケンス
図4に示すクリーニング処理における測定シーケンスは、ウエハレスドライクリーニング(WLDC)又はウエハレストリートメント(WLT)中に行われる。本測定シーケンスが開始されるとき、吸着電極21はオフ、つまり、直流電源7には接続されておらず、グランド(基準電位)に接続された状態である。
この状態において図4のIにて測定シーケンスが開始され、IIにてリレーボックス6のスイッチ6aが測定装置10と接続される側に切り替えられる。これにより、吸着電極21の接続が、測定装置10に切り替えられ、吸着電極21はフローティング状態となる。
その後、IIIにて高周波電力がオンされ、電位測定系18において銅円板12の電圧Vがプローブ15を用いて表面電位計16により測定され、信号記録装置17に記録される。次に、IVにて高周波電力がオフされ、Vにてリレーボックス6のスイッチ6aが、直流電源7と接続される側に切り替えられ、測定シーケンスは終了する。以上の測定シーケンスが繰り返される。
(2)エッチング処理における測定シーケンス
図5に示すエッチング処理における測定シーケンスは、ウエハWが静電チャック2aに載置され、エッチング等のプラズマ処理中に行われる。本測定シーケンスが開始されるとき、吸着電極21はオン、つまり、直流電源7に接続された状態である。
この状態において図5のIにて測定シーケンスが開始され、IIにてリレーボックス6のスイッチ6aが、測定装置10と接続される側に切り替えられる。これにより、吸着電極21の接続が、測定装置10に切り替えられ、吸着電極21がフローティング状態となる。
その後、IIIにて高周波電力がオンされ、電位測定系18において銅円板12の電圧Vがプローブ15を用いて表面電位計16により測定され、信号記録装置17に記録される。次に、IVにて高周波電力がオフされ、Vにてリレーボックス6のスイッチ6aが、直流電源7と接続される側に切り替えられ、測定シーケンスが終了する。以上の測定シーケンスが繰り返される際、プラズマ処理中であれば、VIにて吸着電極21に直流電圧HVを印加し、ウエハWをステージ2に静電吸着させた後に、VII~XIの測定シーケンスが実行され、XIIにて吸着電極21への直流電圧HVの印加をオフし、ウエハWの吸着を停止する。VII~XIの測定シーケンスは、上記に説明したII~Vの測定シーケンスと同様である。
このように、リレーボックス6は、吸着電極21の接続を、直流電源7と測定装置10の間で切り替える。リレーボックス6のスイッチ6aが測定装置10に切り替えられると、吸着電極21がフローティング状態になり、その後、高周波電力が印加され、プラズマ処理装置100のプラズマ処理空間においてガスがプラズマ化する。
高周波電力を印加した後、表面電位計16は、プローブ15を用いて銅円板12の電圧Vを測定し、制御部200は、測定した電圧Vに基づき、自己バイアス電圧Vdcを算出する。以下、測定した電圧Vに基づき自己バイアスVdcを算出する方法について説明する。
[自己バイアスVdcの算出方法]
本実施形態に係る自己バイアスVdcの計算に使用したモデルの一例を図6に示す。図6の静電チャック2aの表面の一部の拡大図に示されているように、静電チャック2aの表面に形成されたドット状の凸部22aの上面の面積をbdotとし、凸部22aの高さをddotとする。また、吸着電極21からドットの上面までの高さをTとし、静電チャック2aの表面の面積に対する凸部22aの上面の面積の面積比をaelとする。
静電チャック2aのドット状の凸部22a間の空間部分の静電容量をC11とし、凸部22a間の空間下の吸着電極21との間の静電容量をC12とし、凸部22aの上面と吸着電極21の間の静電容量をC13とする。
静電容量C11は、以下の(1)式から算出される。
Figure 0007138497000001
静電容量C12は、以下の(2)式から算出される。
Figure 0007138497000002
静電容量C13は、以下の(3)式から算出される。
Figure 0007138497000003
(1)式~(3)式において、εは真空の誘電率を示し、εは比誘電率、つまり、静電チャック2aの誘電体層22の誘電率εと真空の誘電率εの比(=ε/ε)を示し、Sは吸着電極21の面積を示す。
静電容量C11、C12、C13は、設計パラメータから求まる固定値であるため、静電チャック2aの静電容量Cは、以下の(4)式に静電容量C11、C12、C13を代入することにより固定値として算出される。
Figure 0007138497000004
算出された静電チャック2aの静電容量Cと、図6のモデルの等価回路である図7に示す静電チャック2aに印加された電圧Vと静電チャック2aに蓄積された電荷qとを用いて、クーロンの法則により以下の(5)式の関係が成り立つ。
=q・・・(5)
銅円板12と銅板13(グランド)の間の静電容量をCとし、フィルタ11の静電容量をCとし、銅円板12と銅板13の間及びフィルタ11に印加される電圧をVとする。また、銅円板12と銅板13の間及びフィルタ11にそれぞれ蓄積される電荷をq2、とすると、クーロンの法則により以下の(6)式の関係が成り立つ。
なお、静電容量をCは、銅円板12と銅板13とアクリル板14の構成により決定される、設計パラメータから求まる固定値である。同様に、静電容量Cは、フィルタ11の構成により決定される、設計パラメータから求まる固定値である。尚、静電容量C、C、Cは、設計パラメータから定まる固定値だけでなく、当然測定による実測値によっても定めることができる。
(C+C)V=q+q・・・(6)
静電チャック2aに蓄積される電荷q、銅円板12と銅板13の間に蓄積される電荷q、及びフィルタ11に蓄積される電荷qには、以下の(7)式の関係が成り立つ。
-(q+q)=0 ・・・(7)
式(7)を変形すると、
=(q+q) ・・・(8)
(8)式に(5)式と(6)式を代入すると、
=(C+C)V・・・(9)
(9)式を変形すると、
=V×(C+C)/C・・・(10)
=V×C/(C+C)・・・(11)
(10)式と(11)式とから、図7の自己バイアス電圧Vdcは、(12)式により算出される。
dc=V+V・・・(12)
(12)式に(10)式を代入すると、
dc=V×(C+C)/C+V・・・(13)
(13)式に測定装置10にて測定した電圧Vと、固定値の静電容量C、C、Cを代入すると、自己バイアス電圧Vdcが算出される。静電容量Cは、(4)式から求まるC11、C12、C13の合成容量値である。静電容量C、C、Cは、設計パラメータから定まる固定値である。
以上に説明したように、本実施形態に係る測定方法によれば、自己バイアス電圧Vdcは、(13)式に基づき、表面電位計16の測定値である電圧Vと、静電チャック2aの静電容量Cと、静電容量を有する部材の静電容量Cと、フィルタ11の静電容量Cとから簡易かつ精度良く導出できる。
[測定結果]
図8に、本実施形態に係る測定装置10による電圧Vの測定結果と、電圧Vから算出した自己バイアス電圧Vdcの一例を示す。図8の横軸は、プラズマ処理装置100の処理容器C内の圧力を示す。図8では、処理容器C内の圧力を変化させて、測定装置10により測定した電圧Vを測定値として示す。また、(13)式に基づき、静電容量C、C、Cと、測定値の電圧Vとから換算された自己バイアス電圧Vdcを換算値として示す。
これによれば、処理容器C内の圧力の変化に関わらず、3点の測定値と換算値とは、一対一に対応している。つまり、フローティング状態の吸着電極21の電圧を電位測定系18により静電容量を有する部材を用いて測定し、測定した電圧Vを用いて自己バイアス電圧Vdcを精度良く算出できていることがわかる。また、(13)式から、静電容量を有する部材の静電容量Cと、フィルタ11の静電容量Cが小さい程、測定した電圧V(測定値)と自己バイアス電圧Vdc(換算値)とが漸近していく。
以上に説明したように、本実施形態によれば、プラズマ処理装置を設計変更することなく、切替部と測定装置とをプラズマ処理装置に設けるだけで、プラズマの自己バイアス電圧Vdcの測定を簡易に行うことができる。
[測定方法]
ウエハWのずれや割れは、静電チャック2aの表面に残留した電荷によって引き起こされる。そのウエハWのずれや割れの原因となる静電チャック2aの表面の残留吸着状態、つまり、電荷の蓄えやすさ又は帯電状態を示す電圧Vを上記測定装置10により測定し、(13)式に基づき自己バイアス電圧Vdcを算出することができる。
この電圧Vの測定及び自己バイアス電圧Vdcの算出を、ウエハWが搬入される前の静電チャック2aの状態において行う。そして、算出した自己バイアス電圧Vdcに応じて、その時点における静電チャック2aの表面の残留吸着状態を判断し、静電チャック2aのクリーニング処理時間や処理容器Cを開放して行う静電チャック2aのメンテナンス等の実行の有無を制御する。このようにして、静電チャック2aの表面の残留吸着状態をウエハWを載置することなく、算出した自己バイアス電圧Vdcに基づき予め判定することで、ウエハW搬出時のプッシャーピンの上昇によってウエハWが割れるリスクをなくすことができる。
つまり、従前は、ウエハW搬出時にプッシャーピンを上昇させるときのピントルクの大きさを見て残留吸着を確認するか、プローブやセンサを挿入して静電チャック2aの表面電位を測定していた。これに対して、上記測定方法によれば、ウエハWが割れるリスクを防止しながら、自己バイアス電圧Vdcの値に応じて静電チャック2aの表面の残留吸着状態を判断し、メンテナンスを実行するか否かを判定できる。これにより、判定結果に基づき、自己バイアス電圧Vdcに応じて実行するクリーニングの頻度やクリーニング処理時間、その他のメンテナンスの実行タイミング等の運用方法の最適化及び運用の改善の指針を得ることができる。
例えば、図9~図11を参照して、上記の判定を含む一実施形態に係る測定方法の一例を説明する。図9は、一実施形態に係る自己バイアス電圧Vdcと堆積時間との相関情報の一例を示すグラフである。図10は、図9のグラフに一例を示す相関情報を収集するために予め行う工程の一例を示す図である。図11は、一実施形態に係る測定方法の一例を示すフローチャートである。
図9は、横軸の堆積時間の累積値と縦軸の自己バイアス電圧Vdcとの相関情報を、測定した銅円板12と銅板13との間の電圧Vに基づき導き出した。横軸の堆積物の堆積時間の累積値は、堆積性ガスを供給して印加した高周波電力の印加時間の累積値に等しく、静電チャック2aの表面に堆積する堆積物の厚さに比例する。横軸の堆積時間の累積値は、静電チャック2aの残留吸着状態を示す値の一例である。ただし、静電チャック2aの残留吸着状態を示す値は、堆積時間の累積値に限られず、静電チャック2a上の堆積物の厚さの測定値であってもよいし、高周波電力の印加時間の累積値であってもよい。
また、縦軸の自己バイアス電圧Vdcは、測定した前記電荷量に相当する値の一例である。測定した前記電荷量に相当する値は、電圧Vから算出した自己バイアス電圧Vdcに限られず、測定した電圧Vであってもよい。
本実施形態では、図10の(a)~(i)の工程により、図9の堆積時間の累積値と自己バイアス電圧Vdcとの相関情報を導き出した。ただし、測定した前記電荷量に相当する値と静電チャック2aの残留吸着状態を示す値との相関関係を示すグラフは、直線に限られない。
例えば、図10(a)の工程では、測定装置10が、表面に堆積物がない状態(つまり、堆積時間0秒)の静電チャック2a上にウエハWを載置し、Oガスのプラズマを生成し、銅円板12と銅板13との間の電圧Vを測定した。そして、(13)式に基づき、測定結果の電圧Vから初期時の静電チャック2aの表面の残留吸着状態を示す自己バイアス電圧Vdcを算出した。このときのデータは、図9の堆積時間が0(s)のときのVdc(=-70V)であり、このデータを制御部200のRAM215等の記憶部に記憶した。
次に、図10(b)の工程では、ウエハWを搬出後、堆積性ガスの一例であるCF系ガスを供給しながら高周波電力を所定時間(本実施形態では30秒)印加することでCF系ガスのプラズマを生成し、静電チャック2aの表面にCF系のポリマーである堆積物Rを堆積させた。
次に、図10(c)の工程では、静電チャック2a上にウエハWを載置し、Oガスのプラズマを生成し、銅円板12と銅板13との間の電圧Vを測定した。そして、(13)式に基づき、測定結果の電圧Vからこの時点における静電チャック2aの表面の残留吸着状態を示す自己バイアス電圧Vdcを算出した。このときのデータが、図9の堆積時間が30秒のときのVdc(=-68V)であり、このデータを制御部200のRAM215等の記憶部に記憶した。
次に、図10(d)の工程では、ウエハWを搬出後、CF系ガスを供給しながら高周波電力を所定時間(本実施形態では更に30秒)印加することでCF系ガスのプラズマを生成し、静電チャック2aの表面にCF系のポリマーの堆積物Rをさらに堆積させた。
次に、図10(e)の工程では、静電チャック2a上にウエハWを載置し、Oガスのプラズマを生成し、銅円板12と銅板13との間の電圧Vを測定した。そして、(13)式に基づき、測定結果の電圧Vからこの時点における静電チャック2aの表面の残留吸着状態を示す自己バイアス電圧Vdc(=-66V)を算出した。このときのデータが、図9の堆積時間が60秒(=30+30)のときのVdcであり、このデータを制御部200のRAM215等の記憶部に記憶した。
図10(f)及び(g)、図10(h)及び(i)の工程では、図10(c)及び図10(d)の工程と同様の動作を2回繰り返し行った。つまり、図10(g)の測定では、図9の堆積時間が90秒のときのVdc(=-64V)が算出され、図10(h)の測定では、図9の堆積時間が120秒のときのVdc(=-62V)が算出され、これらのデータを制御部200のRAM215等の記憶部に記憶した。
かかる測定を予め行うことで、記憶部には、図9に一例を示す堆積時間と自己バイアス電圧Vdcとの相関関係を示す相関情報が蓄積される。なお、図9の堆積時間と自己バイアス電圧Vdcとの相関関係を示す相関情報は、予め測定した電荷量に相当する値と静電チャック2aの残留吸着状態を示す値との相関関係を示す相関情報の一例である。
このようにして蓄積された図9の相関情報は、図11に示す一実施形態に係る測定方法にて参照される。図11に示す測定方法は、ウエハWを搬入する前に制御部200により実行され、クリーニング処理等のメンテナンスを実行するか否かの判定工程を含む。これにより、本実施形態に係る測定方法によれば、所定の場合には、ウエハWを搬入する前にクリーニング処理等のメンテナンスが実行されるため、静電チャック2aの表面の残留吸着によるウエハWのずれや割れを防止することができる。
図11の処理が開始されると、制御部200は、リレーボックス6のスイッチ6aを切り替え、吸着電極21を測定装置10に接続する。測定装置10は、電圧Vを測定する(ステップS10)。測定した電圧Vは制御部200に送信され、これにより、制御部200は、電圧Vに基づき、自己バイアス電圧Vdcを算出する(ステップS12)。
次に、制御部200は、算出した自己バイアス電圧Vdcの絶対値が予め定められた閾値Thを上回るかを判定する(ステップS14)。制御部200は、算出したVdcの絶対値が予め定められた閾値Thを上回らないと判定すると、静電チャック2aの残留吸着状態はウエハWの除電及び搬出時にウエハの割れを生じさせる程ではないと判定し、本処理を終了する。
一方、ステップS14において、制御部200は、算出した自己バイアス電圧Vdcの絶対値が予め定められた閾値Thを上回ると判定すると、自己バイアス電圧Vdcの絶対値が予め定められた閾値Thを上回るかを判定する(ステップS16)。
例えば、閾値Th及び閾値Thは、図11に示すように、閾値Thの絶対値が閾値Thの絶対値よりも小さい関係にある。例えば、閾値Thは、自己バイアス電圧Vdcの絶対値が閾値Thよりも大きいときには、プッシャーピンのピントルクが高くなり、除電時にウエハWに割れが生じることがある程度の残留吸着状態であることを示す指標の一例である。
また、例えば、閾値Thは、自己バイアス電圧Vdcの絶対値が閾値Thよりも大きいときには、除電時にウエハWに割れが生じる可能性が高い残留吸着状態であり、処理容器Cを開けてメンテナンスを行う必要があることを示す指標の一例である。
よって、ステップS16において、制御部200は、自己バイアス電圧Vdcの絶対値が予め定められた閾値Thを上回ると判定すると、処理容器Cを開けて静電チャック2aの表面をアルコール拭きする等のメンテナンスを行うように制御し、本処理を終了する。
一方、ステップS16において、制御部200は、自己バイアス電圧Vdcの絶対値が予め定められた閾値Thを上回ないと判定すると、クリーニング処理時間を通常よりも長くして、ウエハレスドライクリーニングを行うように制御し、本処理を終了する。クリーニング処理時間を通常よりも長くする一例としては、例えば、通常のクリーニング処理時間が20秒である場合、80秒程度に長くする制御が挙げられる。
これによれば、自己バイアス電圧Vdcと堆積時間との相関情報を記憶した記憶部を参照して、測定した電圧Vから算出した自己バイアス電圧Vdcに基づき静電チャック2aの表面の残留吸着状態を判定する判定工程が実行される。そして、判定工程において、前記記憶部を参照して、測定した算出した自己バイアス電圧Vdcの絶対値が予め定められた閾値Th又は閾値Thの少なくともいずれかを上回るとき、制御部200は、静電チャック2a又は処理容器C内のクリーニング処理又はその他のメンテナンスを実行すると判定する。なお、判定工程では、測定した電圧Vに基づき静電チャック2aの表面の残留吸着状態を判定してもよい。
これにより、算出した自己バイアス電圧Vdcに応じて、クリーニングの頻度やクリーニング時間、静電チャック2aのメンテナンス等を実行するタイミングであるか等の運用方法の最適化及び運用の改善の指針を得ることができる。
以上、測定装置、測定方法及びプラズマ処理装置を上記実施形態により説明したが、本発明にかかる測定装置、測定方法及びプラズマ処理装置は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
本発明に係る基板処理装置は、Capacitively Coupled Plasma(CCP),Inductively Coupled Plasma(ICP),Radial Line Slot Antenna, Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR),Helicon Wave Plasma(HWP)のどのタイプでも適用可能である。
本明細書では、基板の一例としてウエハWを挙げて説明した。しかし、基板は、これに限らず、LCD(Liquid Crystal Display)、FPD(Flat Panel Display)に用いられる各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等であっても良い。
1 ガスシャワーヘッド
2a 静電チャック
2b 基台
3 第1高周波電源
4 第2高周波電源
5 ガス供給部
6 リレーボックス
8 フォーカスリング
9 排気装置
10 測定装置
11 フィルタ
12 銅円板
13 銅板
14 アクリル板
15 プローブ
16 表面電位計
17 信号記録装置
18 電位測定系
21 吸着電極
22 誘電体層
100 プラズマ処理装置
200 制御部

Claims (13)

  1. プラズマ処理装置内に配置される静電チャック内の電極であって、直流電圧が印加される前記電極の接続を切り替える切替部と、
    前記切替部に接続される静電容量を有する部材と、
    前記静電容量を有する部材に蓄積される電荷量に相当する値を測定する測定部と、
    を有し、
    前記切替部は、プラズマによる基板処理の実行中に前記電極の接続を、前記静電容量を有する部材に切り替え、
    前記測定部は、前記基板処理の実行中に前記静電容量を有する部材に蓄積される電荷量に相当する値を測定する、測定装置。
  2. 前記切替部は、前記電極の接続を、前記電極に直流電圧を印加する直流電源と前記静電容量を有する部材との間で切り替える、
    請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記切替部と前記静電容量を有する部材との間に、高周波電力を除去するフィルタを有する、
    請求項1又は2に記載の測定装置。
  4. 前記切替部、前記電極の接続を、前記静電容量を有する部材に切り替えた後、高周波電源が高周波電力を印加する、
    請求項1~のいずれか一項に記載の測定装置。
  5. 前記測定した電荷量に相当する値に基づき、プラズマの自己バイアス電圧を測定する、
    請求項1~のいずれか一項に記載の測定装置。
  6. 前記測定部は、前記静電容量を有する部材の表面に非接触又は接触に設けられたプローブを有し、
    前記静電容量を有する部材と前記プローブとは、真空容器内に設けられる、
    請求項1~のいずれか一項に記載の測定装置。
  7. プラズマ処理装置内に配置される静電チャック内の電極の接続を切り替える切替工程と、
    前記静電チャックに高周波電力を印加する印加工程と、
    前記切り替えにより前記電極に接続される静電容量を有する部材に蓄積される電荷量に相当する値を測定する測定工程と、
    を有し、
    前記切替工程は、プラズマによる基板処理の実行中に前記電極の接続を、前記静電容量を有する部材に切り替え、
    前記測定工程は、前記基板処理の実行中に前記静電容量を有する部材に蓄積される電荷量に相当する値を測定する、測定方法。
  8. 前記切替工程は、前記電極の接続を、直流電源と前記静電容量を有する部材との間で切り替える、
    請求項に記載の測定方法。
  9. 前記切替工程が、前記電極の接続を、前記静電容量を有する部材に切り替えた後、前記印加工程は、高周波電力を印加する、
    請求項7又は8に記載の測定方法。
  10. 前記切替工程は、プラズマにより基板処理又はクリーニング処理を実行中に前記電極の接続を、前記静電容量を有する部材に切り替え、
    前記測定工程は、前記基板処理又は前記クリーニング処理を実行中に前記静電容量を有する部材に蓄積される電荷量に相当する値を測定する、
    請求項に記載の測定方法。
  11. 予め測定した前記電荷量に相当する値と、前記静電チャックの残留吸着状態を示す値との相関情報を記憶した記憶部を参照して、測定した前記電荷量に相当する値に基づき基板の残留吸着状態を判定する判定工程を有する、
    請求項7~10のいずれか一項に記載の測定方法。
  12. 前記判定工程は、前記記憶部を参照して、測定した前記電荷量に相当する値の絶対値が予め定められた閾値を上回ると判定したとき、クリーニング処理又は静電チャックのメンテナンスを実行すると判定する、
    請求項11に記載の測定方法。
  13. 高周波電力を印加する高周波電源と、
    プラズマ処理装置内に配置される静電チャック内の電極であって、直流電圧が印加される前記電極の接続を切り替える切替部と、
    前記切替部に接続される静電容量を有する部材と、
    前記静電容量を有する部材に蓄積される電荷量に相当する値を測定する測定部と、
    を有し、
    前記切替部は、プラズマによる基板処理の実行中に前記電極の接続を、前記静電容量を有する部材に切り替え、
    前記測定部は、前記基板処理の実行中に前記静電容量を有する部材に蓄積される電荷量に相当する値を測定する、プラズマ処理装置。
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